医療用フットコントローラ
【課題】フットコントローラの向きに左右されることなく如何なる方向からも操作が可能で、小さな踏み込み量でハンドピース等の施術器具の出力を調整でき、コンパクトでコストの低減を図ることができる医療用フットコントローラを提供する。
【解決手段】床面等に設置されるベース1と、該ベースに対し上下動可能に係合された円板状の操作ペダル3と、該操作ペダルを前記ベースに対して押し上げるスプリング1fと、前記ベースの中心位置に一体的に形成された中空の中心菅1cと、該中心管内に挿入されると共に前記操作ペダルの踏み込み量に伴って上下動するプランジャー9と、前記中心菅に取付けられ前記プランジャーの上下動を電気信号として検出する傾動検出用センサ8とより構成した医療用フットコントローラである。
【解決手段】床面等に設置されるベース1と、該ベースに対し上下動可能に係合された円板状の操作ペダル3と、該操作ペダルを前記ベースに対して押し上げるスプリング1fと、前記ベースの中心位置に一体的に形成された中空の中心菅1cと、該中心管内に挿入されると共に前記操作ペダルの踏み込み量に伴って上下動するプランジャー9と、前記中心菅に取付けられ前記プランジャーの上下動を電気信号として検出する傾動検出用センサ8とより構成した医療用フットコントローラである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療、特に歯科医療におけるハンドピースの出力状態を足の操作によって制御することが可能な医療用フットコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
医療装置においては、治療を行う器具の出力状態を制御するため従来は医療装置に配置されたスイッチを手または足によって操作し、電気的調整手段によって制御していた。
【0003】
特に歯科医療においては、術者が手に器具を持っている状態において、ハンドピース、すなわち歯牙の切削のための治療器具であるタービン・マイクロモーターの回転速度を足による操作を通じて駆動・調節することが求められる。
【0004】
このような要請から、特開平07−275303号公報(以下、特許文献1という)に開示されている発明のように、ベースに軸支されたペダルの踏み込み量に応じてポテンショメータの抵抗値を変化させてハンドピースの回転速度を制御するフットコントローラがあった。
【0005】
また、特開平10−127660号公報(以下、特許文献2という)に開示されている発明のように、押圧力を加えることにより撓むフットペダルの一部に歪みゲージを取付け、フットペダルの踏み込みによる前記歪みゲージよりの出力を増幅器で増幅するようにし、この出力によって回転数を制御するようにしたフットコントローラがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−275303号公報
【特許文献2】特開平10−127660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、患者の治療過程において術者は座位姿勢をとることが多いため、足の踵を床面につけたまま、足関節の限られた屈曲範囲で操作可能な方が好ましい。従って、フットコントローラの踏み込みストロークは小さい方が望ましい。
【0008】
前記したポテンショメータを変化させて回転数を制御する特許文献1にあっては、踏み込みストロークが大きくなってしまい、施術者の疲労度を増すといった問題があり、ストロークを小さくする場合は、ペダルの微小変位をポテンショメータの回転動作に増幅変換するギヤなどの手段が必要となるため、フットコントローラ自体が大型になり、かつ、コストが高くなるといった問題があった。
【0009】
また、特許文献2にあっては、歪みゲージの出力を増幅するため増幅器を必要としたり、フットペダルに歪みゲージを貼り、剥がれないようコーティングするなどの手間を必要とし、コストが高くなるといった問題があった。
【0010】
さらに、特許文献1および2のいずれにおいても、全方位から踏み込める構造とはなっていないため、施術者とフットコントローラの位置関係によっては操作性が悪いといった問題があった。
【0011】
本発明は前記した問題点を解決せんとするもので、その目的とするところは、フットコントローラの向きに左右されることなく如何なる方向からも操作が可能で、小さな踏み込み量でハンドピース等の施術器具の出力を調節でき、コンパクトでコストの低減を図ることができる医療用フットコントローラを提供せんとするにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の医療用フットコントローラは前記した目的を達成せんとするもので、請求項1の手段は、床面等に設置されるベースと、該ベースに対し上下動可能に係合された円板状の操作ペダルと、該操作ペダルを前記ベースに対して押し上げるスプリングと、前記ベースの中心位置に一体的に形成された中空の中心菅と、該中心管内に挿入されると共に前記操作ペダルの踏み込み量に伴って上下動するプランジャーと、前記中心菅に取付けられ前記プランジャーの上下動を電気信号として検出する傾動検出用センサとより構成したことを特徴とする。
【0013】
請求項2の手段は、前記した請求項1において、前記傾動検出用センサが反射型のフォトセンサであり、前記プランジャーの前記傾動検出用センサと対向する対向部を反射面としたことを特徴とする。
【0014】
請求項3の手段は、前記した請求項1において、前記傾動検出用センサが透過型のフォトセンサであり、前記プランジャーの下端が、前記傾動検出用センサの発光部と受光部との間を通過することを特徴とする。
【0015】
請求項4の手段は、前記した請求項3において、前記プランジャーの下端が先細りの円錐形状となっていることを特徴とする。
【0016】
請求項5の手段は、前記した請求項3において、前記プランジャーの上端で前記プランジャーと回転自在に係合する滑動部材と、該滑動部材を水平方向に移動自在に前記ペダルとの間で挟み込む支持部材を備え、該支持部材を介して前記スプリングが前記操作ペダルを鉛直上方向に押し上げることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は前記したように、ベースに対し上下動可能に円板状の操作ペダルを係合し、該操作ペダルの踏み込み量に応じたプランジャーの上下動(削除)を傾動検出用センサで検出(削除)するようにし、操作ペダルに軸支部は設けていないので、施術者はフットコントローラの向きに関係なく広い範囲から操作を行うことができる。
【0018】
また、プランジャーの上下動を検出する傾動検出用センサとして反射型あるいは透過型フォトセンサといった近接センサを利用したことにより、従来の力センサやポテンショメータと比べ検出物体を非接触で検出できる。したがって、検出物体やセンサが痛まず、かつ、応答速度が速く、そのため施術器具の正確な制御が行えると共に長期の使用でも故障することがない。
【0019】
さらに、プランジャーの下端を先細りの円錐形状としたことにより、分解能を高めることができ、より精度の高い操作ペダルを踏み込んだ時の踏み込み量を検出することができる。
【0020】
さらに、プランジャーの頭部を操作ペダルに対して摺動可能としたことにより、操作ペダルを踏み込んでプランジャーに斜め方向への押し下げ力が作用しても、プランジャーの頭部に対して横方向の力が作用することがないのでプランジャーはスムーズに下降することとなり、従って、傾動検出用センサによる操作ペダルの踏み込み量を正確に検出できる等の効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の医療用フットコントローラの足掛け部を足掛けが行える状態とした斜視図である。
【図2】図1の足掛け部を倒した状態の斜視図である。
【図3】第1の実施例の具体例を示す円板状の操作ペダルをベースから分離した状態の斜視図である。
【図4】図3の操作ペダルをベースに取付けた状態の中央断面図である。
【図5】図4の操作ペダルを踏み込んだ状態の中央断面図である。
【図6】操作ペダルを回転して反射型光センサが反射光の一部を検出した状態の平面図である。
【図7】図6において反射型光センサが反射光を検出していない状態の平面図である。
【図8】図6において操作ペダルを回転して反射型光センサが反射光の全部を検出した状態の平面図である。
【図9】第2の実施例の具体例を示す操作ペダルの一部を削除した状態の斜視図である。
【図10】図9の操作ペダルを一方のストッパーに当接した状態の斜視図である。
【図11】図9〜図10における回転ガイドの斜視図である。
【図12】図9、図10の受け部の詳細を示す操作ペダルが水平状態時の断面図である。
【図13】図12において操作ペダルを踏み込んだ状態の断面図である。
【図14】第3の実施例を示す操作ペダルの回転量と踏み込み量を検出するポテンショメータ部分を露出した状態の斜視図である。
【図15】図14において操作ペダルを踏み込んだ状態の斜視図である。
【図16】図14において足掛け部を倒した状態の斜視図である。
【図17】操作ペダルを裏面側から見た状態の裏面図である。
【図18】図17の状態から、操作ペダルを裏面側から見て時計周りに回転してポテンショメータが変位した状態の裏面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る医療用フットコントローラの概略を図1,図2と共に説明する。
1は床面に設置されるベース、2は該ベースの後方に後述するフォトセンサやポテンショメータからの電気信号の変化に応じてハンドピースの出力を制御する制御回路が組み込まれている回路ボックスである。
【0023】
4は前記回路ボックス2の背面側にベース面方向に対し回動自在に軸支された足掛け部にして、軸杆4aの上端には施術者が足先を引っかけて持ち上げ移動させるリング状部4bが形成されている。そして、軸杆4aにはねじりバネ4cが取付けられており、常時軸杆4aを起立方向にバネ付勢している(図1参照)。このバネ付勢に抗して倒すことで輸送時に製品を小型化することが可能となり、また、倒れた状態においても操作ペダル3および後述する第1、第2スイッチ5,6の操作を行うことが可能な構造となっている。
【0024】
前記足掛け部4は、本発明のフットコントローラ全体の重量が従来のものよりも軽量化されているので、足先をリング状部4bに挿入して移動させることを簡単に行え、また、片持ち梁構造となっているので、多方向から操作ペダルおよびスイッチの操作をするにあたって邪魔にならず、また、鉛直下向きの力が加わると傾倒することから、もし不意に鉛直下向きの荷重が加わっていたとしても、足掛け部4のみに集中荷重が加わることがないため鉛直方向の力で破損するのを防止でき破損の心配が無いことから安価な樹脂成型品で製造でき、さらに、裏面からの電池交換時においてフットコントローラを引っ繰り返した場合も足掛け部4が傾倒して地面に安定して置くことができるため、電池交換を容易に行える。前記樹脂成形品は屈曲性のあるゴムやエアラストマーを起立状態に、回動不要に立設させても良い。
【0025】
また、前記回路ボックス2の上面には後に詳述するハンドピースの先端より冷却媒体である水を噴出させるための第1スイッチ手段5とマイクロモータ等ハンドピースの正転・逆転を制御するための第2スイッチ手段6とが取付けられている。
【0026】
次に、操作ペダル3を回転してハンドピースの出力状態、すなわちマイクロモータの基準回転速度、冷却媒体の噴射状態、スケーラーの基準パワーを選択し、かつ、操作ペダルを踏み込んで選択された出力状態でハンドピースを駆動する装置の第1の実施例を図3〜図8と共に説明する。
1は前記したベースにして、基板1aと、該基板1aの上面の外周に近い部分に基板1aにネジ止めされ、かつ、上面に外周方向に突出する鍔部1b1が形成された支持菅1bで、また前記基板1aの中心には上方に突出する円筒部1c1が一体的に形成された中心菅1cがネジ止めによって固定されている。
【0027】
また、外周面が光を反射する鏡面に形成された回転ガイド1dが中心管1cに回転自在に嵌め込まれている。前記回転ガイド1dから外周方向に突出している円弧状の反射面1d1からの反射光を受光して前記操作ペダル3の回転量を検出する反射型の回転検出用フォトセンサ7が基板1aに取付けられている。
【0028】
前記中心菅1cと前記回転ガイド1dに形成された切欠部に取付けられ、中心管1c内に挿入される後に詳述するプランジャー9の平坦面9b1からの反射光を受光して操作ペダル3の踏み込み量を検出する反射型の傾動検出用フォトセンサ8が中心管1cに取付けられている。
【0029】
前記回転ガイド1dには一体的に形成され外周方向に延長された延長部1d2が形成されると共に該延長部1d2に設けられた穴には、コイルスプリング1d3が嵌挿された突起1d4が係合されている。そして、この突起1d4は操作ペダル3の裏面に形成されている筒体3aに挿入可能となっている。
【0030】
前記基板1aの上面の前記回転検出用フォトセンサ7が取付けられている非検出面側には所望の間隔を介して2つのピン状のストッパー1eが立設されている。また、前記中心管1cの円筒部1c1の外周にはコイルスプリング1fが嵌挿されている。
【0031】
前記操作ペダル3は図4、図5に示す如く金属や硬質樹脂材料によって湾曲状の円板部3bから垂直方向に一体に断面L状に形成され一部が欠如されたC字状に形成されたC字状円筒部3cが形成されており、欠如された部分が前記ストッパー1eの外側に位置するように設定されている。該C字状円筒部3cの裏面には鍔3dがネジ止めによって取付けられている。
【0032】
従って、前記C字状円筒部3cが形成されている操作ペダル3の回転量は、前記2つのストッパー1eに対して前記C字状円筒部3cの欠如部分が当接するまでの回転量に規制される。
【0033】
なお、操作ペダル3の円板部3bの表面には、施術者が操作ペダル3を足で回転させる時に滑らないようゴム等で形成した滑り止めを貼着することが望ましい。
【0034】
9は光を反射する金属で形成したプランジャーにして、上端が円板部9aに形成され、該円板部9aの裏面より円柱部9bが垂下されている。この円板部9aの中心には図4、図5に示すボール9cを載置するための凹部9a1が形成され、また円柱部9bの下端には前記傾動検出フォトセンサ1fからの光を反射する平坦面9b1が形成されている。
【0035】
また、図4、図5に示すように前記円柱部9bの平坦面9b1の背面側には前記中心管1cの円筒部1c1の内周面に形成された穴内にバネ付勢された状態でボール1c2が嵌め込まれ、このボール1c2がプランジャー9の外周面に形成された上下方向のガイド溝9b2内に挿入されている。なお、操作ペダル3の円板部3bの裏面中心部には操作ペダル3を踏み込んだ時に前記ボール9cとの滑りを良くするために滑面板3eが取付けられている。
【0036】
次に、前記した構成の各部品を組み立てる方法について説明するに、先ず、支持管1bを操作ペダル3内に収めた状態で鍔3dをC字状円筒部3cにネジ止めする。
【0037】
次いで、ベース1に取り付けられた中心管1cの円筒部1c1の内周面の穴に嵌め込まれているボール1c2が前記円柱部9bのガイド溝9b2に挿入されるようにして、凹部9a1にボール9cを圧入させたプランジャー9をコイルスプリング1fを介して円筒部1c1内に挿入し、回転ガイド1dを中心管1cが挿入されるようにベース1に接地する。
【0038】
最後に、筒体3aに突起1d4の軸側を挿入したペダル3を、突起1d4に形成する球面側が回転ガイド1dの延長部1d2に設けられた孔に挿入されるように、コイルスプリング1fのバネ力に抗して基板1a側に引きつけた上で、支持管1bを基板1aの裏面からネジ止め固定することで、ペダル3はベース1に対して回転自在で、かつ、踏み込み可能な状態に取付けられる。
【0039】
次に、図6〜図8に示す操作ペダル3を回転させた時の動作について説明する。なお、図6〜図8の平面図は操作ペダル3を外した状態を示すが、操作ペダル3に取付けられているC字状円筒部3cに締結する鍔3dについては開示した。
【0040】
操作ペダル3を回転させる力が働くと、その力は該操作ペダル3の裏面に形成された筒体3aに嵌め込まれている突起1d4を介して回転ガイドに伝わるので、回転ガイド1dは中心管1cを中心に回転する。また、操作ペダル3の回転量は、前記したC字状円筒部3cの欠如部分が離れて固定されているストッパー1eに当接範囲内での回転量となる。
【0041】
図6はC字状円筒部3cの欠如部分が2つのストッパー1eを挟んだ中間位置にある。この位置は回転ガイド1dの反射面1d1の一部が回転検出用フォトセンサ7の検出範囲内である。回転検出用フォトセンサ7は反射面1d1からの反射光量に応じた電気信号回路ボックス2内の制御回路に送り、該制御回路は該電気信号に応じてハンドピースの出力状態を設定する。
【0042】
図7は、図6に対して操作ペダル3が反時計回りに回転してC字状円筒部3cの欠如部分の一方が1つのストッパー1eに当接した状態を示している。この状態にあっては、回転ガイド1dの反射面1d1が回転検出用フォトセンサ7の検出範囲の外側に位置しているので、図6に比べ反射光の検出量は小さくなる。
【0043】
図8は、図6に対して操作ペダル3が時計回りに回転してC字状円筒部3cの欠如部分のもう一方が他方のストッパー1eに当接した状態を示している。この状態にあっては、回転ガイド1dの反射面1d1が回転検出用フォトセンサ7の検出範囲に広く近接し、図6に比べ反射光の検出量は小さくなる。
【0044】
前記した図6〜図8で説明したように、操作ペダル3を回転することで回転検出用フォトセンサからの電気信号が変化するので、制御回路によって、回転量に応じたハンドピースの出力状態、すなわちマイクロモータの回転速度、冷却媒体の噴射状態、スケーラーのパワーを選択することができる。操作ペダル3を回転して希望するハンドピースの出力状態を選択するが、ハンドピースの駆動は操作ペダルを踏み込むことで、実現される。
【0045】
以下、図4〜図5に示す操作ペダル3を踏み込んだ時の動作について説明する。
操作ペダル3が踏み込まれて、水平の状態(図4参照)から図5の状態に示すように傾動させると、プランジャー9はコイルスプリング1fのバネ力に抗して下降するので、該プランジャー9における円柱部9bの平坦面9b1が傾動検出用フォトセンサ8に対して上下動する。この上下動によって傾動検出用フォトセンサ8が検出する平坦面9b1からの反射光量が変化する。
【0046】
図4〜5で説明したように、操作ペダル3を踏み込むことで傾動検出用フォトセンサ8からの電気信号が変化するので、制御回路によって、予め設定された出力状態でハンドピースの駆動・停止を実現することができる。
【0047】
なお、操作ペダル3を回転させても、前記ボール1c2はガイド溝9b2に嵌め込まれた状態を維持していることから、平坦面9b1は常に傾動検出用フォトセンサ8の検出面と対峙した状態を維持することとなる。
【0048】
次に、第2の実施例を図9〜図13と共に説明する。なお、前記した第1の実施例と同一符号は同一部材を示し説明は省略する。
この実施例にあっては、前記した第1の実施例における回転ガイド1dの形状と操作ペダル3との係合の仕方を変えると共に、操作ペダル3の回転量を規制するためのストッパー1eの手段を変えたものである。また、操作ペダル3の踏み込み量を検出するためのプランジャー9の形状と傾動検出フォトセンサ8を反射型から透過型に変更したものである。
【0049】
先ず、ベース1において碗状の基台1hを形成し、この基台1hの内周面上端に、隆起状のストッパー1iが、ストッパー1iの外周方向への突出で鍔部を有すC型断面の操作ペダル3を係合し、ストッパー1iの側面で操作ペダル3の裏面に形成された下面が開放された係合片3eに当接するよう、係合片3eを挟んで2ヵ所に取り付けられている。このように構成することで、操作ペダル3はベース1に対して回転自在で、かつ、踏み込み可能な状態に取付けられる。
【0050】
操作ペダル3の回転量を検出するための構造を説明する。回転ガイド1gの形状を図13に示すように、前記中心管1cに対して回転自在に嵌め込まれるリング部分の回転検出用フォトセンサ7と対向する面に、テーパー状の傾斜開口部1g1を形成し、また、該開口部1g1と対向する面に、操作ペダル3の裏面に形成された下面が開放された係合片3eと係合される円筒状の回転ガイド1gから延長された突片1g2を形成した。また、回転ガイド1gは黒色の樹脂など光を反射しない素材で形成し、該回転ガイド1gの円周内面側に配置されている中心管1cの回転検出用フォトセンサと対抗する面は光反射面に形成している。
【0051】
このような構造とすることで、操作ペダル3を図9に示す中央位置から図10に示す位置まで回転させると、回転検出用フォトセンサが検出する中心管1cよりの反射光は傾斜開口部1g1によって減少する。
したがって、操作ペダル3を回転することで回転検出用フォトセンサからの電気信号が変化するので、制御回路によって回転量に応じたハンドピースの出力状態を選択することができる。
【0052】
なお、この例にあっては、光反射面は中心管1cで形成したが、ベース上のフォトセンサと対抗する面であれば、光反射面を何に形成しても構わない。また、この例にあっては、フォトセンサと光反射面との間を光を反射しない回転ガイドで遮るようにしたが、回転ガイドを光反射面とし、回転ガイド以外は光を反射しない構成にしても同様の機能を得ることができる。
【0053】
次に、操作ペダル3を踏み込んで透過型の傾動検出用フォトセンサ8が操作ペダル3の踏み込み量を検出する構造について説明する。
この実施例におけるプランジャー10は金属等の光不透過材料で構成されており、上端に操作ペダル3の中心部裏面の受け部材3fの球状凹面で、操作ペダル3が傾斜してもプランジャー10が垂直に下降するように支持された頭部10aと、該頭部10aから垂下された円柱部10bとから構成されている。また、前記円柱部10bの先端は下端が先細りの円錐部10b1となっている。
【0054】
前記傾動検出用フォトセンサ8は、前記円柱部10bの円錐部10b1を挟むように発光部と受光部が配置されている。そして、前記円錐部10b1は操作ペダル3が踏み込まれるに従って円柱部10bが下降して下端が先細りの円錐部10b1が傾動検出用フォトセンサ8よりの光を遮るように下降する。
【0055】
従って、操作ペダル3を踏み込むにしたがって傾動検出用フォトセンサ8が検出する光量は小さくなる。このように、操作ペダル3の踏み込み量によって傾動検出用フォトセンサ8からの電気信号が変化することで、制御回路によって、ハンドピースを駆動・停止を実現することができる。
【0056】
前記した操作ペダル3の踏み込みによって傾斜させてプランジャー10を下降させる時に、プランジャー10の頭部10aと操作ペダル3の裏面とを受け部材3fで支持した場合について説明したが、この受け部材3fで受けたのみでは操作ペダル3が踏み込みで傾くとプランジャー10に斜め方向への押し下げ力が作用してスムーズな下降が行えないことになり正確な傾動検出用センサ8による操作ペダル3の踏み込み量が検出できないことになる。
【0057】
そこで、プランジャー10をスムーズに下降させるための構造を図12、図13と共に説明する。なお、この図面ではプランジャー10をスムーズに下降させるための構造以外は省略している。
【0058】
図において、3f1は摩擦抵抗の小さな樹脂で構成した球状凹面を有する滑動部材にして、前記プランジャー10の頭部10aが前記球状凹面に回転自在に嵌め込まれている。そして、この滑動部材3f1は操作ペダル3の裏面中央に移動自在となるように支持部材3f2によって取付けられている。
【0059】
このような構成とすることで、操作ペダル3が踏み込まれていない状態であるとベース1に対して水平状態となっているので、プランジャー10は垂直状態を維持することから、滑動部材3f1は支持部材32の中央位置にある(図12参照)。
【0060】
この状態において、操作ペダル3を踏み込んで操作ペダル3を傾斜させると、プランジャー10は垂直状態を維持しようとするために、頭部10aに嵌め込まれている滑動部材3f1は支持部材3f2内を移動することで、プランジャー10に対して水平方向の外力を加えない状態となるので、プランジャー10は垂直方向にスムーズに移動することとなり、傾動検出用センサ8による操作ペダル3の傾斜量を正確に検出することとなる(図13参照)。
【0061】
なお、この第2の実施例におけるプランジャー10の構造を第1の実施例におけるプランジャー9に置き換え、かつ、傾動検出用フォトセンサ8を光透過型のフォトセンサとすることで可能となる。
【0062】
前記した実施例にあっては、操作ペダル3を踏み込んだ時の傾斜量をフォトセンサを使用した光センサについて説明したが、センサとしては、プランジャーが近づくことを非接触で検出できる近接センサであれば良い。例えば、プランジャーを磁性体とし、フォトセンサの代わりにプランジャーが近づいたことによる誘導電流(渦電流)の変化を検出するセンサを用いても同様の機能を得ることができる。
【0063】
次に、第3の実施例を図14〜図18と共に説明する。なお、前記した第1の実施例と同一符号は同一部材を示し説明は省略する。
前記した第1、第2の実施例は操作ペダル3の回転量と踏み込み量の検出にフォトセンサ7,8を用いたが、この実施例はポテンショメータを用いたものである。
【0064】
この実施例は、床面に設置される基板11と、該基板11の後方に取付けられている回路ボックス2の両側面にピンによって回動自在に軸支された傾動板12と、該傾動板12を常時上方に押し上げ回動板12を水平状態に維持するためのスプリング13と、前記傾動板12に回転自在に軸支された操作ペダル3とから構成されている。
【0065】
そして、操作ペダル3の回転量を検出する手段としては、回転軸を揺動板12の裏面側に突出した状態で前記傾動板12の上面に取付けられた回転検出用ポテンショメータ16と、操作ペダル3に対して一体に取り付けられた制御回転板17と、操作ペダルの回転中心からオフセットされた位置において該制御回転板17上で一端が軸支された第1リンク18と、該第1リンク8の他端に一端が軸支され、他端が前記回転検出用ポテンショメータ16の回転軸に固定された第2リンク19とより構成されている。
【0066】
一方、操作ペダル3の踏み込み量を検出する手段としては、回路ボックス2内において前記基板11に固定された固定板11aにネジ止め固定された傾動検出用ポテンショメータ14と、該ポテンショメータ14の回転軸に固定された回動板15と、該回動板15に取付けられている回転輪15aを常時揺動板12側にバネ付勢するスプリング15bとより構成されている。
【0067】
このように構成した操作ペダル3の回転量を回転検出用ポテンショメータ16で検出する動作としては、操作ペダル3を回転させると制御回転板17が回転して第1リンク18を介して第2リンク19が変位するので、回転検出用ポテンショメータ16の抵抗値が変化する。
【0068】
抵抗値が操作ペダルの回転によって変化するので、回路ボックス2内の制御回路によって、操作ペダル3を回転して希望するハンドピースの出力状態を選択することができる。
【0069】
また、操作ペダル3の踏み込み量を傾動検出用ポテンショメータ14で検出する動作としては、操作ペダル3をスプリング13のバネ力に抗して踏み込むと、傾動板12が回路ボックス2の軸支部を支点として押し下げられるので、該傾動板12の上面に回転輪15aがスプリング15bのバネ力によって押し付けられている回動板15が図14、図15において反時計方向に回転されるので、傾動検出用ポテンショメータ16の抵抗値が変化する。
【0070】
以上のように抵抗値が操作ペダルの踏み込みによって変化するので、制御回路によって、操作ペダルの踏み込みで予め設定された出力状態でハンドピースの駆動・停止を実現することができる。
【0071】
なお、この実施例においては、操作ペダルの回転量の検出にポテンショメータを用いたが、制御回転板17の円周方向に沿って多数のスリットを形成し、傾動板に取付けたフォトセンサでスリットを計数することで、操作ペダルの回転量を検出することも可能である。
【0072】
実施例1〜3においては、操作ペダルの回転量に応じてマイクロモータの回転速度、スケーラーのパワーといったハンドピースの出力状態を予め選択し、操作ペダルの踏み込みによって、選択された出力状態でのハンドピースを駆動するようにしたので、操作ペダルから足を離せば瞬時にハンドピースの動作は停止し、かつ、ペダルの回転量は維持されているので、再度ペダルを踏み込むことで、ペダルから足を離す直前の出力で施術を継続できるので、便利である。
【0073】
また、実施例1〜3においては、操作ペダルの踏み込み量をアナログ値として検出しているので、踏み込みによるON/OFF制御はもちろんのこと、踏み込みによる出力制御も可能である。すなわち、操作ペダルの踏み込み量を大きくするにつれてハンドピースの回転速度やパワーを連続的に増大し、操作ペダルの踏み込み量が最大のときに予め選択された回転速度やパワーが実現することで、より精緻な制御が可能となり、利便性が向上する。
【0074】
また、操作ペダル3を回転してハンドピースの出力状態、すなわちマイクロモータの回転速度、冷却媒体の噴射状態、スケーラーのパワーを選択するが、選択された出力状態を施術者の見易い位置にあるドクターテーブル等に設置した表示部(図示せず)で表示させることで、操作性はより良好となる。
【0075】
また、ハンドピースを使わない際は、操作ペダルの回転によってハンドピースの出力状態を選択するのではなく、例えばライトのON/OFF、治療用椅子の上昇、/下降、背凭れの起立、傾斜などとすることで、利便性がより向上する。
【0076】
ハンドピースを使用後、ドクターテーブルに設けられていてハンドピース等の施術器具を垂下状態で保持するホルダ(図示せず)に置けば、ホルダ内に取り付けられたセンサからON信号が制御回路に送られ、操作ペダルの回転によってライトのON/OFF、治療用椅子の上昇、/下降、背凭れの起立、傾斜などが選べるようになる。選ぶことのできる選択肢および選択されている対象については、前記制御回路によって前記表示部に表示される。操作ペダルを回転して表示画面上の選択肢から希望するものを選択し、次いで、操作ペダルを踏み込むことで、選択された操作内容が実行される。
【符号の説明】
【0077】
1 ベース
1c 中心管
1f スプリング
3 操作ペダル
8 傾動検出用センサ
9,10 プランジャー
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療、特に歯科医療におけるハンドピースの出力状態を足の操作によって制御することが可能な医療用フットコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
医療装置においては、治療を行う器具の出力状態を制御するため従来は医療装置に配置されたスイッチを手または足によって操作し、電気的調整手段によって制御していた。
【0003】
特に歯科医療においては、術者が手に器具を持っている状態において、ハンドピース、すなわち歯牙の切削のための治療器具であるタービン・マイクロモーターの回転速度を足による操作を通じて駆動・調節することが求められる。
【0004】
このような要請から、特開平07−275303号公報(以下、特許文献1という)に開示されている発明のように、ベースに軸支されたペダルの踏み込み量に応じてポテンショメータの抵抗値を変化させてハンドピースの回転速度を制御するフットコントローラがあった。
【0005】
また、特開平10−127660号公報(以下、特許文献2という)に開示されている発明のように、押圧力を加えることにより撓むフットペダルの一部に歪みゲージを取付け、フットペダルの踏み込みによる前記歪みゲージよりの出力を増幅器で増幅するようにし、この出力によって回転数を制御するようにしたフットコントローラがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−275303号公報
【特許文献2】特開平10−127660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、患者の治療過程において術者は座位姿勢をとることが多いため、足の踵を床面につけたまま、足関節の限られた屈曲範囲で操作可能な方が好ましい。従って、フットコントローラの踏み込みストロークは小さい方が望ましい。
【0008】
前記したポテンショメータを変化させて回転数を制御する特許文献1にあっては、踏み込みストロークが大きくなってしまい、施術者の疲労度を増すといった問題があり、ストロークを小さくする場合は、ペダルの微小変位をポテンショメータの回転動作に増幅変換するギヤなどの手段が必要となるため、フットコントローラ自体が大型になり、かつ、コストが高くなるといった問題があった。
【0009】
また、特許文献2にあっては、歪みゲージの出力を増幅するため増幅器を必要としたり、フットペダルに歪みゲージを貼り、剥がれないようコーティングするなどの手間を必要とし、コストが高くなるといった問題があった。
【0010】
さらに、特許文献1および2のいずれにおいても、全方位から踏み込める構造とはなっていないため、施術者とフットコントローラの位置関係によっては操作性が悪いといった問題があった。
【0011】
本発明は前記した問題点を解決せんとするもので、その目的とするところは、フットコントローラの向きに左右されることなく如何なる方向からも操作が可能で、小さな踏み込み量でハンドピース等の施術器具の出力を調節でき、コンパクトでコストの低減を図ることができる医療用フットコントローラを提供せんとするにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の医療用フットコントローラは前記した目的を達成せんとするもので、請求項1の手段は、床面等に設置されるベースと、該ベースに対し上下動可能に係合された円板状の操作ペダルと、該操作ペダルを前記ベースに対して押し上げるスプリングと、前記ベースの中心位置に一体的に形成された中空の中心菅と、該中心管内に挿入されると共に前記操作ペダルの踏み込み量に伴って上下動するプランジャーと、前記中心菅に取付けられ前記プランジャーの上下動を電気信号として検出する傾動検出用センサとより構成したことを特徴とする。
【0013】
請求項2の手段は、前記した請求項1において、前記傾動検出用センサが反射型のフォトセンサであり、前記プランジャーの前記傾動検出用センサと対向する対向部を反射面としたことを特徴とする。
【0014】
請求項3の手段は、前記した請求項1において、前記傾動検出用センサが透過型のフォトセンサであり、前記プランジャーの下端が、前記傾動検出用センサの発光部と受光部との間を通過することを特徴とする。
【0015】
請求項4の手段は、前記した請求項3において、前記プランジャーの下端が先細りの円錐形状となっていることを特徴とする。
【0016】
請求項5の手段は、前記した請求項3において、前記プランジャーの上端で前記プランジャーと回転自在に係合する滑動部材と、該滑動部材を水平方向に移動自在に前記ペダルとの間で挟み込む支持部材を備え、該支持部材を介して前記スプリングが前記操作ペダルを鉛直上方向に押し上げることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は前記したように、ベースに対し上下動可能に円板状の操作ペダルを係合し、該操作ペダルの踏み込み量に応じたプランジャーの上下動(削除)を傾動検出用センサで検出(削除)するようにし、操作ペダルに軸支部は設けていないので、施術者はフットコントローラの向きに関係なく広い範囲から操作を行うことができる。
【0018】
また、プランジャーの上下動を検出する傾動検出用センサとして反射型あるいは透過型フォトセンサといった近接センサを利用したことにより、従来の力センサやポテンショメータと比べ検出物体を非接触で検出できる。したがって、検出物体やセンサが痛まず、かつ、応答速度が速く、そのため施術器具の正確な制御が行えると共に長期の使用でも故障することがない。
【0019】
さらに、プランジャーの下端を先細りの円錐形状としたことにより、分解能を高めることができ、より精度の高い操作ペダルを踏み込んだ時の踏み込み量を検出することができる。
【0020】
さらに、プランジャーの頭部を操作ペダルに対して摺動可能としたことにより、操作ペダルを踏み込んでプランジャーに斜め方向への押し下げ力が作用しても、プランジャーの頭部に対して横方向の力が作用することがないのでプランジャーはスムーズに下降することとなり、従って、傾動検出用センサによる操作ペダルの踏み込み量を正確に検出できる等の効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の医療用フットコントローラの足掛け部を足掛けが行える状態とした斜視図である。
【図2】図1の足掛け部を倒した状態の斜視図である。
【図3】第1の実施例の具体例を示す円板状の操作ペダルをベースから分離した状態の斜視図である。
【図4】図3の操作ペダルをベースに取付けた状態の中央断面図である。
【図5】図4の操作ペダルを踏み込んだ状態の中央断面図である。
【図6】操作ペダルを回転して反射型光センサが反射光の一部を検出した状態の平面図である。
【図7】図6において反射型光センサが反射光を検出していない状態の平面図である。
【図8】図6において操作ペダルを回転して反射型光センサが反射光の全部を検出した状態の平面図である。
【図9】第2の実施例の具体例を示す操作ペダルの一部を削除した状態の斜視図である。
【図10】図9の操作ペダルを一方のストッパーに当接した状態の斜視図である。
【図11】図9〜図10における回転ガイドの斜視図である。
【図12】図9、図10の受け部の詳細を示す操作ペダルが水平状態時の断面図である。
【図13】図12において操作ペダルを踏み込んだ状態の断面図である。
【図14】第3の実施例を示す操作ペダルの回転量と踏み込み量を検出するポテンショメータ部分を露出した状態の斜視図である。
【図15】図14において操作ペダルを踏み込んだ状態の斜視図である。
【図16】図14において足掛け部を倒した状態の斜視図である。
【図17】操作ペダルを裏面側から見た状態の裏面図である。
【図18】図17の状態から、操作ペダルを裏面側から見て時計周りに回転してポテンショメータが変位した状態の裏面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る医療用フットコントローラの概略を図1,図2と共に説明する。
1は床面に設置されるベース、2は該ベースの後方に後述するフォトセンサやポテンショメータからの電気信号の変化に応じてハンドピースの出力を制御する制御回路が組み込まれている回路ボックスである。
【0023】
4は前記回路ボックス2の背面側にベース面方向に対し回動自在に軸支された足掛け部にして、軸杆4aの上端には施術者が足先を引っかけて持ち上げ移動させるリング状部4bが形成されている。そして、軸杆4aにはねじりバネ4cが取付けられており、常時軸杆4aを起立方向にバネ付勢している(図1参照)。このバネ付勢に抗して倒すことで輸送時に製品を小型化することが可能となり、また、倒れた状態においても操作ペダル3および後述する第1、第2スイッチ5,6の操作を行うことが可能な構造となっている。
【0024】
前記足掛け部4は、本発明のフットコントローラ全体の重量が従来のものよりも軽量化されているので、足先をリング状部4bに挿入して移動させることを簡単に行え、また、片持ち梁構造となっているので、多方向から操作ペダルおよびスイッチの操作をするにあたって邪魔にならず、また、鉛直下向きの力が加わると傾倒することから、もし不意に鉛直下向きの荷重が加わっていたとしても、足掛け部4のみに集中荷重が加わることがないため鉛直方向の力で破損するのを防止でき破損の心配が無いことから安価な樹脂成型品で製造でき、さらに、裏面からの電池交換時においてフットコントローラを引っ繰り返した場合も足掛け部4が傾倒して地面に安定して置くことができるため、電池交換を容易に行える。前記樹脂成形品は屈曲性のあるゴムやエアラストマーを起立状態に、回動不要に立設させても良い。
【0025】
また、前記回路ボックス2の上面には後に詳述するハンドピースの先端より冷却媒体である水を噴出させるための第1スイッチ手段5とマイクロモータ等ハンドピースの正転・逆転を制御するための第2スイッチ手段6とが取付けられている。
【0026】
次に、操作ペダル3を回転してハンドピースの出力状態、すなわちマイクロモータの基準回転速度、冷却媒体の噴射状態、スケーラーの基準パワーを選択し、かつ、操作ペダルを踏み込んで選択された出力状態でハンドピースを駆動する装置の第1の実施例を図3〜図8と共に説明する。
1は前記したベースにして、基板1aと、該基板1aの上面の外周に近い部分に基板1aにネジ止めされ、かつ、上面に外周方向に突出する鍔部1b1が形成された支持菅1bで、また前記基板1aの中心には上方に突出する円筒部1c1が一体的に形成された中心菅1cがネジ止めによって固定されている。
【0027】
また、外周面が光を反射する鏡面に形成された回転ガイド1dが中心管1cに回転自在に嵌め込まれている。前記回転ガイド1dから外周方向に突出している円弧状の反射面1d1からの反射光を受光して前記操作ペダル3の回転量を検出する反射型の回転検出用フォトセンサ7が基板1aに取付けられている。
【0028】
前記中心菅1cと前記回転ガイド1dに形成された切欠部に取付けられ、中心管1c内に挿入される後に詳述するプランジャー9の平坦面9b1からの反射光を受光して操作ペダル3の踏み込み量を検出する反射型の傾動検出用フォトセンサ8が中心管1cに取付けられている。
【0029】
前記回転ガイド1dには一体的に形成され外周方向に延長された延長部1d2が形成されると共に該延長部1d2に設けられた穴には、コイルスプリング1d3が嵌挿された突起1d4が係合されている。そして、この突起1d4は操作ペダル3の裏面に形成されている筒体3aに挿入可能となっている。
【0030】
前記基板1aの上面の前記回転検出用フォトセンサ7が取付けられている非検出面側には所望の間隔を介して2つのピン状のストッパー1eが立設されている。また、前記中心管1cの円筒部1c1の外周にはコイルスプリング1fが嵌挿されている。
【0031】
前記操作ペダル3は図4、図5に示す如く金属や硬質樹脂材料によって湾曲状の円板部3bから垂直方向に一体に断面L状に形成され一部が欠如されたC字状に形成されたC字状円筒部3cが形成されており、欠如された部分が前記ストッパー1eの外側に位置するように設定されている。該C字状円筒部3cの裏面には鍔3dがネジ止めによって取付けられている。
【0032】
従って、前記C字状円筒部3cが形成されている操作ペダル3の回転量は、前記2つのストッパー1eに対して前記C字状円筒部3cの欠如部分が当接するまでの回転量に規制される。
【0033】
なお、操作ペダル3の円板部3bの表面には、施術者が操作ペダル3を足で回転させる時に滑らないようゴム等で形成した滑り止めを貼着することが望ましい。
【0034】
9は光を反射する金属で形成したプランジャーにして、上端が円板部9aに形成され、該円板部9aの裏面より円柱部9bが垂下されている。この円板部9aの中心には図4、図5に示すボール9cを載置するための凹部9a1が形成され、また円柱部9bの下端には前記傾動検出フォトセンサ1fからの光を反射する平坦面9b1が形成されている。
【0035】
また、図4、図5に示すように前記円柱部9bの平坦面9b1の背面側には前記中心管1cの円筒部1c1の内周面に形成された穴内にバネ付勢された状態でボール1c2が嵌め込まれ、このボール1c2がプランジャー9の外周面に形成された上下方向のガイド溝9b2内に挿入されている。なお、操作ペダル3の円板部3bの裏面中心部には操作ペダル3を踏み込んだ時に前記ボール9cとの滑りを良くするために滑面板3eが取付けられている。
【0036】
次に、前記した構成の各部品を組み立てる方法について説明するに、先ず、支持管1bを操作ペダル3内に収めた状態で鍔3dをC字状円筒部3cにネジ止めする。
【0037】
次いで、ベース1に取り付けられた中心管1cの円筒部1c1の内周面の穴に嵌め込まれているボール1c2が前記円柱部9bのガイド溝9b2に挿入されるようにして、凹部9a1にボール9cを圧入させたプランジャー9をコイルスプリング1fを介して円筒部1c1内に挿入し、回転ガイド1dを中心管1cが挿入されるようにベース1に接地する。
【0038】
最後に、筒体3aに突起1d4の軸側を挿入したペダル3を、突起1d4に形成する球面側が回転ガイド1dの延長部1d2に設けられた孔に挿入されるように、コイルスプリング1fのバネ力に抗して基板1a側に引きつけた上で、支持管1bを基板1aの裏面からネジ止め固定することで、ペダル3はベース1に対して回転自在で、かつ、踏み込み可能な状態に取付けられる。
【0039】
次に、図6〜図8に示す操作ペダル3を回転させた時の動作について説明する。なお、図6〜図8の平面図は操作ペダル3を外した状態を示すが、操作ペダル3に取付けられているC字状円筒部3cに締結する鍔3dについては開示した。
【0040】
操作ペダル3を回転させる力が働くと、その力は該操作ペダル3の裏面に形成された筒体3aに嵌め込まれている突起1d4を介して回転ガイドに伝わるので、回転ガイド1dは中心管1cを中心に回転する。また、操作ペダル3の回転量は、前記したC字状円筒部3cの欠如部分が離れて固定されているストッパー1eに当接範囲内での回転量となる。
【0041】
図6はC字状円筒部3cの欠如部分が2つのストッパー1eを挟んだ中間位置にある。この位置は回転ガイド1dの反射面1d1の一部が回転検出用フォトセンサ7の検出範囲内である。回転検出用フォトセンサ7は反射面1d1からの反射光量に応じた電気信号回路ボックス2内の制御回路に送り、該制御回路は該電気信号に応じてハンドピースの出力状態を設定する。
【0042】
図7は、図6に対して操作ペダル3が反時計回りに回転してC字状円筒部3cの欠如部分の一方が1つのストッパー1eに当接した状態を示している。この状態にあっては、回転ガイド1dの反射面1d1が回転検出用フォトセンサ7の検出範囲の外側に位置しているので、図6に比べ反射光の検出量は小さくなる。
【0043】
図8は、図6に対して操作ペダル3が時計回りに回転してC字状円筒部3cの欠如部分のもう一方が他方のストッパー1eに当接した状態を示している。この状態にあっては、回転ガイド1dの反射面1d1が回転検出用フォトセンサ7の検出範囲に広く近接し、図6に比べ反射光の検出量は小さくなる。
【0044】
前記した図6〜図8で説明したように、操作ペダル3を回転することで回転検出用フォトセンサからの電気信号が変化するので、制御回路によって、回転量に応じたハンドピースの出力状態、すなわちマイクロモータの回転速度、冷却媒体の噴射状態、スケーラーのパワーを選択することができる。操作ペダル3を回転して希望するハンドピースの出力状態を選択するが、ハンドピースの駆動は操作ペダルを踏み込むことで、実現される。
【0045】
以下、図4〜図5に示す操作ペダル3を踏み込んだ時の動作について説明する。
操作ペダル3が踏み込まれて、水平の状態(図4参照)から図5の状態に示すように傾動させると、プランジャー9はコイルスプリング1fのバネ力に抗して下降するので、該プランジャー9における円柱部9bの平坦面9b1が傾動検出用フォトセンサ8に対して上下動する。この上下動によって傾動検出用フォトセンサ8が検出する平坦面9b1からの反射光量が変化する。
【0046】
図4〜5で説明したように、操作ペダル3を踏み込むことで傾動検出用フォトセンサ8からの電気信号が変化するので、制御回路によって、予め設定された出力状態でハンドピースの駆動・停止を実現することができる。
【0047】
なお、操作ペダル3を回転させても、前記ボール1c2はガイド溝9b2に嵌め込まれた状態を維持していることから、平坦面9b1は常に傾動検出用フォトセンサ8の検出面と対峙した状態を維持することとなる。
【0048】
次に、第2の実施例を図9〜図13と共に説明する。なお、前記した第1の実施例と同一符号は同一部材を示し説明は省略する。
この実施例にあっては、前記した第1の実施例における回転ガイド1dの形状と操作ペダル3との係合の仕方を変えると共に、操作ペダル3の回転量を規制するためのストッパー1eの手段を変えたものである。また、操作ペダル3の踏み込み量を検出するためのプランジャー9の形状と傾動検出フォトセンサ8を反射型から透過型に変更したものである。
【0049】
先ず、ベース1において碗状の基台1hを形成し、この基台1hの内周面上端に、隆起状のストッパー1iが、ストッパー1iの外周方向への突出で鍔部を有すC型断面の操作ペダル3を係合し、ストッパー1iの側面で操作ペダル3の裏面に形成された下面が開放された係合片3eに当接するよう、係合片3eを挟んで2ヵ所に取り付けられている。このように構成することで、操作ペダル3はベース1に対して回転自在で、かつ、踏み込み可能な状態に取付けられる。
【0050】
操作ペダル3の回転量を検出するための構造を説明する。回転ガイド1gの形状を図13に示すように、前記中心管1cに対して回転自在に嵌め込まれるリング部分の回転検出用フォトセンサ7と対向する面に、テーパー状の傾斜開口部1g1を形成し、また、該開口部1g1と対向する面に、操作ペダル3の裏面に形成された下面が開放された係合片3eと係合される円筒状の回転ガイド1gから延長された突片1g2を形成した。また、回転ガイド1gは黒色の樹脂など光を反射しない素材で形成し、該回転ガイド1gの円周内面側に配置されている中心管1cの回転検出用フォトセンサと対抗する面は光反射面に形成している。
【0051】
このような構造とすることで、操作ペダル3を図9に示す中央位置から図10に示す位置まで回転させると、回転検出用フォトセンサが検出する中心管1cよりの反射光は傾斜開口部1g1によって減少する。
したがって、操作ペダル3を回転することで回転検出用フォトセンサからの電気信号が変化するので、制御回路によって回転量に応じたハンドピースの出力状態を選択することができる。
【0052】
なお、この例にあっては、光反射面は中心管1cで形成したが、ベース上のフォトセンサと対抗する面であれば、光反射面を何に形成しても構わない。また、この例にあっては、フォトセンサと光反射面との間を光を反射しない回転ガイドで遮るようにしたが、回転ガイドを光反射面とし、回転ガイド以外は光を反射しない構成にしても同様の機能を得ることができる。
【0053】
次に、操作ペダル3を踏み込んで透過型の傾動検出用フォトセンサ8が操作ペダル3の踏み込み量を検出する構造について説明する。
この実施例におけるプランジャー10は金属等の光不透過材料で構成されており、上端に操作ペダル3の中心部裏面の受け部材3fの球状凹面で、操作ペダル3が傾斜してもプランジャー10が垂直に下降するように支持された頭部10aと、該頭部10aから垂下された円柱部10bとから構成されている。また、前記円柱部10bの先端は下端が先細りの円錐部10b1となっている。
【0054】
前記傾動検出用フォトセンサ8は、前記円柱部10bの円錐部10b1を挟むように発光部と受光部が配置されている。そして、前記円錐部10b1は操作ペダル3が踏み込まれるに従って円柱部10bが下降して下端が先細りの円錐部10b1が傾動検出用フォトセンサ8よりの光を遮るように下降する。
【0055】
従って、操作ペダル3を踏み込むにしたがって傾動検出用フォトセンサ8が検出する光量は小さくなる。このように、操作ペダル3の踏み込み量によって傾動検出用フォトセンサ8からの電気信号が変化することで、制御回路によって、ハンドピースを駆動・停止を実現することができる。
【0056】
前記した操作ペダル3の踏み込みによって傾斜させてプランジャー10を下降させる時に、プランジャー10の頭部10aと操作ペダル3の裏面とを受け部材3fで支持した場合について説明したが、この受け部材3fで受けたのみでは操作ペダル3が踏み込みで傾くとプランジャー10に斜め方向への押し下げ力が作用してスムーズな下降が行えないことになり正確な傾動検出用センサ8による操作ペダル3の踏み込み量が検出できないことになる。
【0057】
そこで、プランジャー10をスムーズに下降させるための構造を図12、図13と共に説明する。なお、この図面ではプランジャー10をスムーズに下降させるための構造以外は省略している。
【0058】
図において、3f1は摩擦抵抗の小さな樹脂で構成した球状凹面を有する滑動部材にして、前記プランジャー10の頭部10aが前記球状凹面に回転自在に嵌め込まれている。そして、この滑動部材3f1は操作ペダル3の裏面中央に移動自在となるように支持部材3f2によって取付けられている。
【0059】
このような構成とすることで、操作ペダル3が踏み込まれていない状態であるとベース1に対して水平状態となっているので、プランジャー10は垂直状態を維持することから、滑動部材3f1は支持部材32の中央位置にある(図12参照)。
【0060】
この状態において、操作ペダル3を踏み込んで操作ペダル3を傾斜させると、プランジャー10は垂直状態を維持しようとするために、頭部10aに嵌め込まれている滑動部材3f1は支持部材3f2内を移動することで、プランジャー10に対して水平方向の外力を加えない状態となるので、プランジャー10は垂直方向にスムーズに移動することとなり、傾動検出用センサ8による操作ペダル3の傾斜量を正確に検出することとなる(図13参照)。
【0061】
なお、この第2の実施例におけるプランジャー10の構造を第1の実施例におけるプランジャー9に置き換え、かつ、傾動検出用フォトセンサ8を光透過型のフォトセンサとすることで可能となる。
【0062】
前記した実施例にあっては、操作ペダル3を踏み込んだ時の傾斜量をフォトセンサを使用した光センサについて説明したが、センサとしては、プランジャーが近づくことを非接触で検出できる近接センサであれば良い。例えば、プランジャーを磁性体とし、フォトセンサの代わりにプランジャーが近づいたことによる誘導電流(渦電流)の変化を検出するセンサを用いても同様の機能を得ることができる。
【0063】
次に、第3の実施例を図14〜図18と共に説明する。なお、前記した第1の実施例と同一符号は同一部材を示し説明は省略する。
前記した第1、第2の実施例は操作ペダル3の回転量と踏み込み量の検出にフォトセンサ7,8を用いたが、この実施例はポテンショメータを用いたものである。
【0064】
この実施例は、床面に設置される基板11と、該基板11の後方に取付けられている回路ボックス2の両側面にピンによって回動自在に軸支された傾動板12と、該傾動板12を常時上方に押し上げ回動板12を水平状態に維持するためのスプリング13と、前記傾動板12に回転自在に軸支された操作ペダル3とから構成されている。
【0065】
そして、操作ペダル3の回転量を検出する手段としては、回転軸を揺動板12の裏面側に突出した状態で前記傾動板12の上面に取付けられた回転検出用ポテンショメータ16と、操作ペダル3に対して一体に取り付けられた制御回転板17と、操作ペダルの回転中心からオフセットされた位置において該制御回転板17上で一端が軸支された第1リンク18と、該第1リンク8の他端に一端が軸支され、他端が前記回転検出用ポテンショメータ16の回転軸に固定された第2リンク19とより構成されている。
【0066】
一方、操作ペダル3の踏み込み量を検出する手段としては、回路ボックス2内において前記基板11に固定された固定板11aにネジ止め固定された傾動検出用ポテンショメータ14と、該ポテンショメータ14の回転軸に固定された回動板15と、該回動板15に取付けられている回転輪15aを常時揺動板12側にバネ付勢するスプリング15bとより構成されている。
【0067】
このように構成した操作ペダル3の回転量を回転検出用ポテンショメータ16で検出する動作としては、操作ペダル3を回転させると制御回転板17が回転して第1リンク18を介して第2リンク19が変位するので、回転検出用ポテンショメータ16の抵抗値が変化する。
【0068】
抵抗値が操作ペダルの回転によって変化するので、回路ボックス2内の制御回路によって、操作ペダル3を回転して希望するハンドピースの出力状態を選択することができる。
【0069】
また、操作ペダル3の踏み込み量を傾動検出用ポテンショメータ14で検出する動作としては、操作ペダル3をスプリング13のバネ力に抗して踏み込むと、傾動板12が回路ボックス2の軸支部を支点として押し下げられるので、該傾動板12の上面に回転輪15aがスプリング15bのバネ力によって押し付けられている回動板15が図14、図15において反時計方向に回転されるので、傾動検出用ポテンショメータ16の抵抗値が変化する。
【0070】
以上のように抵抗値が操作ペダルの踏み込みによって変化するので、制御回路によって、操作ペダルの踏み込みで予め設定された出力状態でハンドピースの駆動・停止を実現することができる。
【0071】
なお、この実施例においては、操作ペダルの回転量の検出にポテンショメータを用いたが、制御回転板17の円周方向に沿って多数のスリットを形成し、傾動板に取付けたフォトセンサでスリットを計数することで、操作ペダルの回転量を検出することも可能である。
【0072】
実施例1〜3においては、操作ペダルの回転量に応じてマイクロモータの回転速度、スケーラーのパワーといったハンドピースの出力状態を予め選択し、操作ペダルの踏み込みによって、選択された出力状態でのハンドピースを駆動するようにしたので、操作ペダルから足を離せば瞬時にハンドピースの動作は停止し、かつ、ペダルの回転量は維持されているので、再度ペダルを踏み込むことで、ペダルから足を離す直前の出力で施術を継続できるので、便利である。
【0073】
また、実施例1〜3においては、操作ペダルの踏み込み量をアナログ値として検出しているので、踏み込みによるON/OFF制御はもちろんのこと、踏み込みによる出力制御も可能である。すなわち、操作ペダルの踏み込み量を大きくするにつれてハンドピースの回転速度やパワーを連続的に増大し、操作ペダルの踏み込み量が最大のときに予め選択された回転速度やパワーが実現することで、より精緻な制御が可能となり、利便性が向上する。
【0074】
また、操作ペダル3を回転してハンドピースの出力状態、すなわちマイクロモータの回転速度、冷却媒体の噴射状態、スケーラーのパワーを選択するが、選択された出力状態を施術者の見易い位置にあるドクターテーブル等に設置した表示部(図示せず)で表示させることで、操作性はより良好となる。
【0075】
また、ハンドピースを使わない際は、操作ペダルの回転によってハンドピースの出力状態を選択するのではなく、例えばライトのON/OFF、治療用椅子の上昇、/下降、背凭れの起立、傾斜などとすることで、利便性がより向上する。
【0076】
ハンドピースを使用後、ドクターテーブルに設けられていてハンドピース等の施術器具を垂下状態で保持するホルダ(図示せず)に置けば、ホルダ内に取り付けられたセンサからON信号が制御回路に送られ、操作ペダルの回転によってライトのON/OFF、治療用椅子の上昇、/下降、背凭れの起立、傾斜などが選べるようになる。選ぶことのできる選択肢および選択されている対象については、前記制御回路によって前記表示部に表示される。操作ペダルを回転して表示画面上の選択肢から希望するものを選択し、次いで、操作ペダルを踏み込むことで、選択された操作内容が実行される。
【符号の説明】
【0077】
1 ベース
1c 中心管
1f スプリング
3 操作ペダル
8 傾動検出用センサ
9,10 プランジャー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面等に設置されるベースと、
該ベースに対し上下動可能に係合された円板状の操作ペダルと、
該操作ペダルを前記ベースに対して押し上げるスプリングと、
前記ベースの中心位置に一体的に形成された中空の中心菅と、
該中心管内に挿入されると共に前記操作ペダルの踏み込み量に伴って上下動するプランジャーと、
前記中心菅に取付けられ前記プランジャーの上下動を電気信号として検出する傾動検出用センサとより、
構成したことを特徴とする医療用フットコントローラ。
【請求項2】
前記傾動検出用センサが反射型のフォトセンサであり、前記プランジャーの前記傾動検出用センサと対向する対向部が反射面としたことを特徴とする請求項1記載の医療用フットコントローラ。
【請求項3】
前記傾動検出用センサが透過型のフォトセンサであり、前記プランジャーの下端が、前記傾動検出用センサの発光素子と受光素子との間を通過することを特徴とする請求項1記載の医療用フットコントローラ。
【請求項4】
前記プランジャーの下端が先細りの円錐形状となっていることを特徴とする請求項3記載の医療用フットコントローラ。
【請求項5】
前記プランジャーの上端で前記プランジャーと回転自在に係合する滑動部材と、該滑動部材を水平方向に移動自在に前記ペダルとの間で挟み込む支持部材を備え、該支持部材を介して前記スプリングが前記操作ペダルを鉛直上方向に押し上げることを特徴とする請求項3記載の医療用フットコントローラ。
【請求項1】
床面等に設置されるベースと、
該ベースに対し上下動可能に係合された円板状の操作ペダルと、
該操作ペダルを前記ベースに対して押し上げるスプリングと、
前記ベースの中心位置に一体的に形成された中空の中心菅と、
該中心管内に挿入されると共に前記操作ペダルの踏み込み量に伴って上下動するプランジャーと、
前記中心菅に取付けられ前記プランジャーの上下動を電気信号として検出する傾動検出用センサとより、
構成したことを特徴とする医療用フットコントローラ。
【請求項2】
前記傾動検出用センサが反射型のフォトセンサであり、前記プランジャーの前記傾動検出用センサと対向する対向部が反射面としたことを特徴とする請求項1記載の医療用フットコントローラ。
【請求項3】
前記傾動検出用センサが透過型のフォトセンサであり、前記プランジャーの下端が、前記傾動検出用センサの発光素子と受光素子との間を通過することを特徴とする請求項1記載の医療用フットコントローラ。
【請求項4】
前記プランジャーの下端が先細りの円錐形状となっていることを特徴とする請求項3記載の医療用フットコントローラ。
【請求項5】
前記プランジャーの上端で前記プランジャーと回転自在に係合する滑動部材と、該滑動部材を水平方向に移動自在に前記ペダルとの間で挟み込む支持部材を備え、該支持部材を介して前記スプリングが前記操作ペダルを鉛直上方向に押し上げることを特徴とする請求項3記載の医療用フットコントローラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−80980(P2012−80980A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−228010(P2010−228010)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(000108672)タカラベルモント株式会社 (113)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(000108672)タカラベルモント株式会社 (113)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]