説明

医療用ポンプと医療用ポンプの点検装置

【課題】点検情報を各ポンプ毎に対応させて、適切に保存し、その内容を容易に確認できるようにした、医療用ポンプと医療用ポンプの点検装置、医療用ポンプの点検情報管理システム、医療用ポンプの点検方法を提供すること。
【解決手段】医療用ポンプ11の点検結果を入力するための入力部と、入力された点検結果の保存部と、表示部117とを有し、点検情報の入力モードと、点検実施モードと、点検情報表示モードとを備え、さらに、前記点検実施モードには、投与・検査モードと、自己検査モードと
を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用ポンプの点検を行い、その点検情報を保存・表示するための手法と装置に係り、そのような機能を実現する医療用ポンプ、医療用ポンプの点検装置、医療用ポンプの点検情報管理システム、医療用ポンプの点検方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、輸液ポンプ等の内部に液体を通し、それを送り出すためのポンプ装置に関しては、正常に動作するか否か等を検査する検査装置が使用されている。
このような検査装置は、点検時に点検対象の輸液ポンプに特許文献1に記載のような検査装置を接続して検査・点検を行う。
そして、その検査・点検情報を、点検担当者等がメモ書きして保存したり、当該メモ書きを点検した輸液ポンプに紐等により物理的に結合しておき、他の者、例えば、ポンプの操作者等が点検結果を確認したうえで使用することができるようにされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2731895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、医療用ポンプの検査・点検情報について、メモ書きなどを作成して、あるいは点検簿等に記録して残すだけでは、複数もしくは多数の医療用ポンプを扱う現場において、該検査・点検情報が錯綜し、各ポンプとの対応関係が解らなくなったり、記録自体が散逸してしまうといった問題がある。
特に医療用ポンプは、その正確な動作が、使用者である患者の生命の維持に関係する場合もあり、日常の使用や点検を行う者だけで対応できない場合もある。
【0005】
そこで、本発明は、点検情報を各ポンプ毎に対応させて、適切に保存し、その内容を容易に確認できるようにした、医療用ポンプと医療用ポンプの点検装置、医療用ポンプの点検情報管理システム、医療用ポンプの点検方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的は、本発明によれば、液体を送液するための医療用ポンプと、該医療用ポンプと接続される検査装置とを含む医療用ポンプの点検装置であって、前記医療用ポンプには、該医療用ポンプの点検結果を入力するための入力部と、該入力手段により入力された点検結果の保存部と、該保存手段に保持された前記点検結果を表示する表示部とを有しており、前記点検のための点検項目である点検情報の入力モードと、点検を実施するための点検実施モードと、点検を行った結果である点検情報について前記表示手段を介して表示させる点検情報表示モードとを備え、さらに、前記点検実施モードには、前記医療用ポンプに前記液体を前記検査装置を介して導くことにより検査を行う投与・検査モードと、外部から前記医療用ポンプに前記液体を導くこと無く、ポンプ内に前記液体を流通させないでポンプの駆動可能箇所を駆動して、該駆動状況を検査する自己検査モードとを含む医療用ポンプの点検装置により、達成される。
【0007】
上記構成によれば、この発明は、医療用ポンプとその検査装置を組み合わせて点検を行う点検装置であり、点検により得た結果を入力するための入力手段を有しているので、点検担当者は点検結果のメモ書き等を作る必要がない。
また、点検結果の保存部を備えているので、入力された点検結果が保持されるととともに、表示部により、保存されている点検結果を確認することができる。
このため、医療用ポンプ毎にメモ書きを物理的に付随させる煩わしさがなく、点検結果の散逸等も有効に防止される。
さらに、上記各作業に必要とされる点検のための点検項目である点検情報の入力モードと、点検を実施するための点検実施モードと、点検を行った結果である点検情報について前記表示手段を介して表示させる点検情報表示モードとを備えているだけでなく、実際の点検を行う際に、特徴的な点検実施モードを備えている。
本発明の点検実施モードは、比較的簡便な自己検査モードと、前記検査装置を接続して、送液する投与検査モードとを含んでいるので、検査項目の種類により、検査期間を別に設けたり、頻度を替えたりして点検する上で便利である。
【0008】
好ましくは、前記入力部が、前記医療用ポンプの外面に露出した操作子を操作することにより該医療用ポンプ内に検査結果を入力する手段および/または前記医療用ポンプに接続された前記検査装置を含む外部端末から前記検査結果の入力を受ける外部接続部として該医療用ポンプに設けた外部通信部を含んでいることを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、前記入力部が医療用ポンプ自体に、外部に露出する操作子として設けられていれば、簡便な操作が可能である。あるいは、これに替え、これに加えて、前記外部通信部を備えることにより、この外部通信部を介して点検情報の入力等を行えるようにすれば、医療用ポンプと離れた場所から入力できて便利である。
【0010】
好ましくは、前記表示部が、前記医療用ポンプの外面に露出した表示部および/または前記医療用ポンプの前記外部接続部に接続された外部端末に設けた表示部であることを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、前記表示部が、医療用ポンプ自体に、外部に露出して設けられていれば、医療用ポンプ毎に検査結果を視認できて便利である。あるいは、これに替え、これに加えて、前記医療用ポンプの前記外部接続部に接続された外部端末、すなわち、外付けのパソコン等の表示画面で確認できると、検査結果を医療用ポンプから離れた場所で知ることができて便利である。
【0012】
好ましくは、前記医療用ポンプは、該医療用ポンプが起動されると前記保存部に保持された点検情報を制御部が確認し、確認された当該点検情報の評価結果に基づいて、前記医療用ポンプの警報部もしくは注意喚起部を起動し、および/または前記医療用ポンプの駆動を停止する構成としたことを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、点検結果によっては、ポンプによる送液の量が不足したり、多すぎたりして、使用許容範囲であっても、比較的短期間にその範囲を超えることが予測されたり、あるいは現状において、もしくは比較的短期間に使用許容範囲を著しく超えることが予測される場合がある。前者の場合には例えば警報等による注意喚起を行い、後者の場合にはポンプ駆動を停止することで、使用し続けることによる危険を有効に回避することができる。
【0014】
また、前記目的は、他の発明にあっては、液体を送液するための医療用ポンプであって、少なくとも該医療用ポンプの機能を検査するための検査装置を接続する構成とされており、所定の点検結果を入力するための入力部と、該入力手段により入力された点検結果の保存部と、該保存手段に保持された前記点検結果を表示する表示部とを有しており、前記点検のための点検項目である点検情報の入力モードと、点検を実施するための点検実施モードと、点検を行った結果である点検情報について前記表示部を介して表示させる点検情報表示モードとを備え、さらに、前記点検実施モードには、外部から前記医療用ポンプに前記液体を導いて、検査を行う投与・検査モードと、外部から前記医療用ポンプに前記液体を導くこと無く、ポンプ内に前記液体を流通させないでポンプの駆動可能箇所を駆動して、該駆動状況を検査する自己検査モードとを具備する医療用ポンプにより、達成される。
【0015】
好ましくは、前記医療用ポンプが、点滴用の薬液を送るための輸液ポンプであることを特徴とする。
【0016】
また、前記目的は、他の発明によれば、液体を送液するための医療用ポンプと、該医療用ポンプと接続される検査装置とを有し、該検査装置による検査結果を含む点検情報を少なくとも保存し、表示するための点検管理システムであって、前記医療用ポンプは、通信回線を介して管理装置に接続されており、該管理装置は、前記通信回線を介して前記医療用ポンプおよび/または前記検査装置に指示して検査・点検を行わせる制御部を有していて、さらに、前記医療用ポンプの点検結果を入力するための入力部と、該入力手段により入力された点検結果の保存部と、該保存手段に保持された前記点検結果を表示する表示部とを有しており、前記点検のための点検項目である点検情報の入力モードと、点検を実施するための点検実施モードと、点検を行った結果である点検情報について前記表示手段を介して表示させる点検情報表示モードとを備え、さらに、前記点検実施モードには、外部から前記医療用ポンプに前記液体を導いて、検査を行う投与・検査モードと、外部から前記医療用ポンプに前記液体を導くこと無く、ポンプ内に前記液体を流通させないでポンプの駆動可能箇所を駆動して、該駆動状況を検査する自己検査モードとを含む医療用ポンプの点検情報管理システムにより、達成される。
【0017】
上記構成によれば、液体を送液するための医療用ポンプと、該医療用ポンプと接続される検査装置とを有し、該検査装置による検査結果を含む点検情報を少なくとも保存し、表示するための点検管理システムであり、この点管理システムは、その全体を、病院などの医療施設内に設けることもできるし、該システムに含まれる医療用ポンプや検査装置を医療機関内に、管理装置を当該医療機関とは別の施設、例えば、医療用ポンプの販売代理店や製造メーカの施設内、あるいはその他の期間が運営するサイト上等に設けることができる。
この場合、管理装置による管理は、複数の医療用ポンプを同時に点検・管理できるだけでなく、遠隔力の点検・管理や、管理装置による自動点検・管理を可能とするものである。
【0018】
好ましくは、前記医療用ポンプが起動されると前記保存部に保持された点検情報を前記制御部が確認し、確認された当該点検情報の評価結果に基づいて、前記表示部を介して注意喚起を行い、および/または前記医療用ポンプに駆動停止の指示を出す構成としたことを特徴とする。
【0019】
好ましくは、前記保存部には、前記点検情報についての過去の点検の履歴情報を保存するとともに、これらの情報に加えて、当該医療用ポンプの固有情報として、該医療用ポンプの製品コード、製品番号、登録番号、施設名称、代理店名称、納入日、設置場所、ユーザ管理番号、管理担当責任者情報、固定資産番号、リース区分、リース会社、保守契約区分、備考等次にあげる情報のうちから選ばれる少なくとも2つ以上の情報を保存する構成としたことを特徴とする。
【0020】
前記目的は、他の発明にあっては、液体を送液するための医療用ポンプに検査装置を接続して検査・点検する方法であって、前記医療用ポンプは、通信回線を介して管理装置に接続されており、該管理装置は、前記通信回線を介して前記医療用ポンプおよび/または前記検査装置に指示して検査・点検を行わせる制御部を有していて、さらに、前記医療用ポンプの点検結果を入力するための入力部と、該入力手段により入力された点検結果の保存部と、該保存手段に保持された前記点検結果を表示する表示部とを有しており、前記点検のための点検項目である点検情報の入力モードを実行し、点検を実施するための点検実施モードを実行し、点検を行った結果である点検情報について前記表示手段を介して表示させる点検情報表示モードを実行し、さらに、前記点検実施モードにおいては、外部から前記医療用ポンプに前記液体を導いて、検査を行う投与・検査モードと、外部から前記医療用ポンプに前記液体を導くこと無く、ポンプ内に前記液体を流通させないでポンプの駆動可能箇所を駆動して、該駆動状況を検査する自己検査モードとを実行する、医療用ポンプの点検方法により、達成される。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、点検情報を各ポンプ毎に対応させて、適切に保存し、その内容を容易に確認できるようにした、医療用ポンプと医療用ポンプの点検装置、医療用ポンプの点検情報管理システム、医療用ポンプの点検方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態にかかる点検情報管理システムの概略構成図。
【図2】図1の点検情報管理システムに含まれる医療用ポンプの点検装置のブロック構成図。
【図3】図2の医療用ポンプの点検装置の動作モードの一例を示すモード遷移図。
【図4】図2の医療用ポンプの点検装置による点検の開始と終了の一例の概略を示すフローチャート。
【図5】図2の医療用ポンプの点検装置の点検情報の表示の一例を示すフローチャート。
【図6】図2の医療用ポンプの点検装置による点検の一例を示すフローチャート。
【図7】図2の医療用ポンプの点検装置による点検の一例を示すフローチャート。
【図8】図2の医療用ポンプの点検装置による点検の一例を示すフローチャート。
【図9】図2の医療用ポンプの点検装置の表示部の表示例を示す図。
【図10】図2の医療用ポンプの点検装置の表示部の表示例を示す図。
【図11】図2の医療用ポンプの点検装置による医療用ポンプの管理の一例を示すフローチャート。
【図12】図1の医療用ポンプの点検情報管理システムまたは図2の医療用ポンプの点検装置における、点検後の動作の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0024】
図1は、本発明の実施の形態にかかる医療用ポンプの点検情報管理システム10の構成を示しており、該システムには、主として、医療用ポンプ11と、検査装置30とを含む医療用ポンプの点検装置を含んでいる。この医療用ポンプの点検装置は、図2に符号100を付して、そのブロック構成が示されている。
図1では、医療用ポンプの一例として輸液ポンプ11が示されている。
この輸液ポンプ11の構成を図1と図2を参照して簡単に説明する。
【0025】
輸液ポンプ11は、ボックス状の中空の本体15を有しており該本体15内にモータ等の駆動手段や輸液動作のための各種センサ、制御装置などを収容している。
すなわち、本体15の図1における前面部分は、ドア12とされており、左側縁部に図示しない蝶番を設けて矢印に示すように開閉されるようになっている。
この輸液ポンプ11では、ドア12と本体15との間には、所定の輸液バックから垂下された輸液チューブ16を挟みこんで、該輸液チューブ16を本体15内に収容保持している。輸液ポンプ11の本体15内では、該本体15内で定位置にセットされた輸液チューブ16の外周面が、本体15に内蔵されたポンプ機構により個別駆動される複数のフィンガにより、ドア12の内面との間に挟まれた該輸液チューブの外周面を長さ方向に沿って順次押圧して送液を行う蠕動式輸液ポンプとされている。
【0026】
ドア12を構成する輸液ポンプ11の前面には、操作パネル13が設けられており、該操作パネル13には複数もしくは多数の操作子としてのスイッチ・ボタン13aが設けられている。該操作パネル13の上方には、表示部117が形成されている。表示部117は、例えば、LED(Light Emitting Diode(発光ダイオード))のセグメント表示や、液晶表示装置などで形成することで、表示に必要な数字や画像を表示することができる。なお、表示内容の多様性に基づいて、表示部117の面積を図示のものより大きくすることできる。輸液ポンプ11の上端には、操作インジケータ17が配置されている。
【0027】
図2を参照する。
本体15とそれに接続された検査装置30により、以下の構成とされている。
すなわち、医療用ポンプの点検装置100は、輸液ポンプ11の動作全体を制御するためのCPU(Central Processing Unit)でなる制御部130、図1の輸液チューブ16と接続された点滴プローブ101、点滴速度検出部101a、ドア12の開閉の有無を検出するドア部検出回路102、輸液チューブ16閉塞の有無を検出する閉塞検出回路103、輸液チューブ16内における所定長さ以上の気泡(エア)の存在の有無を検出する気泡センサ104a、検出感度選択部104a、気泡検出回路104c、輸液流量や輸液速度等を設定・入力する設定/ 入力部105、輸液の開始の指示を行うための開始スイッチ106、電源スイッチ107を有している。
さらに、医療用ポンプの点検装置100は、投与手段(投与部)121、該投与手段121に含まれるモータ121bと、それを駆動させるためのモータ駆動回路121aを備えている。
【0028】
また、制御部130には、記憶部111が接続されている。記憶部111は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、もしくはハードディスク等を有し、これらは他のデバイスとともにバスを介して接続されている。上気した制御部130であるCPUは所定のプログラムの処理を行う他、バスに接続されたROM等を制御している。ROMは、各種プログラムや各種情報等を格納している。RAMは、プログラム処理中のメモリの内容を対比したり、プログラムを実行するためのエリアとしての機能を有する。そして、記憶部111に含まれる記録・読み出し領域の一部は、後述する点検結果の記憶手段(点検結果記憶部)112として、機能し、他の一部は点検作業に関連して、都度指示される点検項目に対応した点検情報を保存する保存部113として機能する。また、保存部113は、後述する点検情報についての過去の点検の履歴情報を保存するとともに、これらの情報に加えて、当該輸液ポンプ11の固有情報として、輸液ポンプ11の製品コード、製品番号、登録番号、施設名称、代理店名称、納入日、設置場所、ユーザ管理番号、管理担当責任者情報、固定資産番号、リース区分、リース会社、保守契約区分、備考等のうちから選ばれる少なくとも2つ以上の情報を保存するようになっている。
【0029】
また、医療用ポンプの点検装置100は、警報部、または注意喚起部122として、例えば、ブザー117等を駆動するためのブザー駆動回路117a、例えば、液晶表示装置やLEDなどで形成される表示部118を駆動するための表示部駆動回路118a、動作インジケータ114を駆動するための動作表示部駆動回路114aを有し、輸液ポンプ11の外部装置である検査装置30を外部端子114bを介して接続したり、ナースセンターや外部に設けたサイトのホストコンピュータ等とのデータ送受信をしたりするために、該輸液ポンプ11には外部通信部114aを有している。なお、外部通信部114aや外部端子114bは、同時の複数の機器を接続できるように、複数組設けてもよい。外部接続端子には、USB(Universal Serial Bus)端子を含んでいると好ましい。それにより、パソコン等の外部端末や通信モデム等との接続が容易となる。
さらに、輸液ポンプ11には、DC/AC電源120を有している、具体的には、内臓バッテリ、もしくは外部バッテリによる駆動や、外部のAC電源との接続、あるいはAC電源から交流‐直流変換による直流電流による駆動ができるようにされている。また、気泡検出感度は、少なくとも2つ選択可能となっており、検出感度選択部104bで気泡検出感度を選択するようになっている。
【0030】
次に外部端子114bを介して接続された検査装置30について説明する。
検査装置30は、公知のものを使用することができ、図1に示されるように、輸液ポンプ11と検査装置30には、輸液ポンプ11から見て、検査装置30への往き管と戻り管でなるペアのチューブ18が接続されている。
検査装置30の内部には、輸液を貯めるためのタンクと、タンクから輸液ポンプ11へ送液される液量を測るために設けられる前記タンクの液面を見るレベルセンサ、輸液を一時的に回収するための輸液回収タンク等を備えている。
さらに、前記貯留タンクから輸液ポンプへ輸液を供給する管路の途中には、開閉式のエアシリンダが配置されて、この管路に空気が注入されるようになっている。
また、輸液ポンプ11から前記貯留タンクへの輸液の戻り管には、その管路を開閉する電磁式の第1開閉弁を有し、閉じられた管路の内圧を計測する圧力計が配置されている。さらに、前記回収タンクと前記貯留タンクとを接続する管路の途中にも電磁式の第2開閉弁が設けられ、エアシリンダの開閉と、前記した各第1、第2の開閉弁の開閉動作を選択的に切る替える構成とされている。
【0031】
図1を参照する。
図1は、図2のような医療用ポンプの点検装置100を、通信回線40を介して外部端末と繋ぐ構成とした医療用ポンプの点検情報管理システム10の構成例を示している。
図において、医療用ポンプの点検情報管理システム10は、図2で説明した医療用ポンプの点検装置200に含まれる医療用ポンプである輸液ポンプ11の外部端子114bを直接、もしくは図示しないパソコン等の端末装置を介して通信回線40に接続している。
【0032】
通信回線40は、複数台の輸液ポンプ11を接続して、同時にパソコン等のひとつの外部端末(後述)で点検管理するための伝送線やバスで構成することもできる。
また、通信回線40は、イントラネット等を用いて、ひとつの医療機関内や修理・検査施設内で複数の輸液ポンプ11をパソコンなどの外部端末51で検査・管理することもできる。
さらに、通信回線40は、インターネット等を用いて、輸液ポンプ11が置かれた施設である医療機関や修理・検査施設から遠隔の地にある代理店や修理・検査期間・ポンプメーカ等のサイト50にあるホストコンピュータ52を経て、パソコン等の外部端末51と接続することができる。
サイト50は、制御部であるホストコンピュータ52と、このホストコンピュータ52に接続された入出力端末であるパソコン等の外部端末51、ホストコンピュータ52に接続され、サイト外部と接続さするための外部通信部55、プロトコルや管理システム等に関する各種プログラムコードを記憶する記憶部54、データサーバ53を有している。
ここで、サイト50は、医療機器のメンテナンス等を行う専用サイトであることが好ましく、その機能のひとつとして、点検情報の保存・管理を行うシステムとなっている。このサイト50は、医療機関内部に、例えばイントラネット等を介して存在してもいいし、通信回線40であるインターネットに所定の公衆回線を介して接続された外部機関の所定の管理サーバでもよいし、輸液ポンプ11の販売代理店のサイトでもよく、輸液ポンプ11のメーカが運営するサイトでもよい。
【0033】
図3は、医療用ポンプの検査装置における各動作モードの遷移の様子を示す説明図である。
図3を図1、図2を参照しながら説明する。
輸液ポンプ11の電源スイッチ107をオンすると、基本的には、以前の運転の履歴が初期化されて、新しい患者のための輸液を開始できるようになり、点滴液を送液することができる投与モードとなる。
これに対して、輸液ポンプ11の操作パネル13に設けた複数の操作子から点検モードのボタンを選んで、これをオンすると、輸液ポンプ11の機能をチェックするための「点検モード」に遷移する。
点検モードには、「点検情報入力モード」「点検情報表示モード」「点検実施モード」が含まれている。これら各モードの選択・遷移はスイッチ・ボタン13aによる操作等により行うことができる。
次に、これらの各モードについて説明するが、先ず「点検実施モード」から説明する。
【0034】
図4は点検開始から終了までの一例を概略的に示すフローチャートである。
図3の点検モードにおいて、スイッチ操作により開始すると(ST10)点検実施モードに入る(ST11)。ここで、点検実施モードとは、本実施形態では、輸液ポンプ11と検査装置30のいずれか、または両方を起動して行う点検モードであり、点検モードにはそれ以外に電源オフによる点検モード(ST19)もある。
【0035】
先ず、点検実施モード(ST11)を説明する。点検実施モードを選択すると、では、例えば輸液ポンプ11のスイッチ操作等により、あるいは表示部117の案内に促されて
スイッチ操作することにより、投与・検査モード(ST13)か、自己検査モード(ST14)の選択を行う。
この投与・検査モードと自己検査モードにおけるST15とST16の内容と、電源オフ点検(ST19)を選択した場合の点検内容(ST20)は、後で詳しく説明する。
各点検が終了したら、ST17にて、輸液ポンプ11の点検が完了したかどうかを例えば表示部117の表示等で確認し、肯定結果を得れば、終了し(ST18)、まだ点検を続ける場合等においては、ST11に戻る。
【0036】
図5は、図3で示した点検情報の表示モードにおける動作例を示している。
輸液ポンプ11のボタン操作等により(ST30)、点検表示モードに遷移する(ST31)。これにより、点検を行った年月日(点検日)と、点検結果による総合評価が表示されるようになる(ST33)。ここで、日付選択を行い、表示させたい年月日を選択すると(ST34)、当該年月日における点検結果に基づく点検情報表示が行われる(ST35)。その情報確認ができたら、終了する(ST36)。
【0037】
次に図6を参照しながら、図4で説明した「投与・検査モード」の内容を説明する。図1ないし図3の内容も適宜参照する。
なお、以下で説明する図6の「投与・検査モード」も「自己検査モード」もともに、投与モードで(図3参照)して行う。
すなわち、図6において、投与・検査モードを開始すると(ST40)、先ず投与モードに遷移する(ST41)。
ここで「投与モード」とは、輸液ポンプ11を用いて送液を行うための運転モードであるが、投与モードには、輸液チューブをポンプにセッティングしたりするためにモータ駆動をしない。あるいは、送液途中でモータ回転を停止する場合もある。
【0038】
ここでは、輸液ポンプ11だけでなく、図1の検査装置30も使用して、輸液ポンプ11からの送液を検査装置30に送り、次のような検査を行う。
この場合、図1、図2のように、輸液ポンプ11を検査装置30と電気的に接続し、ペチューブ18も接続する。そして、輸液ポンプ11は、通信回線40と接続されていてもいいし、該通信回線40と接続されていなくてもよい。
輸液ポンプ11が、通信回線40を経て管理装置としての外部端末51の支持を受ける場合には、以下のフローは、該外部端末51の指示を輸液ポンプ11の制御部130が受けることにより行うし、輸液ポンプ11が通信回線40と接続されていない場合には、図2の制御部130の指示により以下のフローが実行される。
【0039】
輸液ポンプ11から送られる輸液は、ペアチューブ18の往き管を通って、検査装置30の内部に導かれる。検査装置30の内部では、例えば、輸液ポンプ11からの液体を一端タンクに貯留し、所定時間の送液両が、タンクの液面を計測するレベルセンサで読み取られる。また、該貯留タンクから輸液ポンプ11へもどされる管路中では、エアシリンダの機能により空気が発生され、気泡が生じる。あるいは管路の圧力を圧力計にて計測する。
これら検査装置30の機能により、輸液ポンプ11について、例えば、その流量精度や、(管路の)閉塞検出、気泡検出といった検査項目について検査が実行される(ST42)。
【0040】
点検情報入力モードに遷移し(ST43)、ここでは、検査装置30が起動されているので、検査結果は「点検情報」として、検査装置30から輸液ポンプ11に送ることで、当該検査情報を入力する(ST44)。つまり、図示しない伝送線を介して図2の外部端子114bから外部通信部114aを経て、制御部130の指示により記憶部111に点検情報が、実行された点検の種類(「定期点検」「製造時点検」等)とともに記憶される(ST45)。この時、記憶部111では、記憶手段112が当該点検情報と、点検の種類に含まれる検査項目とを比較対象することにより、必要とされる点検情報を保存手段(保存部)113に保存する。
【0041】
次に保存手段113に保存された点検情報を確認して、点検情報の入力が完了したかどうかを判断する(ST46)。点検情報が不足なく保存手段113に保持されていたら、ステップ47に進み、そうでない場合には、ST44に戻って上述の作業を繰り返す。
ステップ47では、必要な点検情報の保存がおわったことで、投与・検査モードが終了したかどうかを表示部117等で表示することにより使用者に確認し、あるいは外部端末51に問い合わせる(ST47)。
終了と判断できる場合には、この投与・検査モードを終了する(ST48)。そうでなく、終了されていないと判断する場合には、ST42に戻って検査をやり直す。
【0042】
次に図7を参照しながら、図4で説明した「自己検査モード」の内容を説明する。
ここでは、輸液ポンプ11だけを用いてその機能に関する検査を行い、検査装置30は使用しない。
この場合、輸液ポンプ11は、通信回線40と接続されていてもいいし、該通信回線40と接続されていなくてもよい。
輸液ポンプ11が、通信回線40を経て管理装置としての外部端末51の支持を受ける場合には、以下のフローは、該外部端末51の指示を輸液ポンプ11の制御部130が受けることにより行うし、輸液ポンプ11が通信回線40と接続されていない場合には、図2の制御部130の指示により以下のフローが実行される。
【0043】
図7において、自己検査モード点検を開始すると(ST50)、先ず投与モードに遷移する(ST51)。
ここでは、輸液ポンプ11は電源をオンしても、送液は行わないで、次のような検査を行う。
すなわち、輸液ポンプ11にチューブ16を接続しないで、警報確認、電気コードの接続認識確認、電気的安全性確認、モータ回転確認等の各事項を検査する(ST52)。
【0044】
警報確認は、例えば、投与開始時に不用意にドア12を開くと警報部122により警報が発せられるようになっている。また、バッテリ残量が少ない場合にも警報が発せられる。このように、あらかじめ決めた数種の警報の稼動状況の検査をおこなうことができる。
また、電気コードの接続認識確認については、輸液ポンプ11の本体15の内部に実装されてるメイン基板とセンサ基板との接続を、センサの出力信号のレベルを見ることにより、判断することができる。
電気的安全性の確認については、例えば、図1の外部端末51を介して、図示しない試験装置等を用いることにより、JIST0601−1規格に適合しているか否かの判断を行う等の検査が挙げられる。
また、送液を行わないでも、図2の投与手段121により、そのモータ駆動回路121aにより、モータ121bの駆動を行い、回転検出等を行うことにより、検査が実行される。
【0045】
次に、点検情報入力モードに遷移し(ST53)、ここでは、検査装置30は使用されていないので、輸液ポンプ11自身による上記検査結果を「点検情報」として、入力する(ST54)。つまり、点検の実施と同時に制御部130の指示により実行された点検の種類(「定期点検」「製造時点検」等)とともに記憶される(ST55)。この時、記憶部111では、記憶手段112が当該点検情報と、点検の種類に含まれる検査項目とを比較対象することにより、必要とされる点検情報を保存手段(保存部)113に保存する。
【0046】
次に保存手段113に保存された点検情報を確認して、点検情報の入力が完了したかどうかを判断する(ST56)。点検情報が不足なく保存手段113に保持されていたら、ステップ57に進み、そうでない場合には、ST54に戻って上述の作業を繰り返す。
ステップ57では、必要な点検情報の保存がおわったことで、自己検査モードが終了したかどうかを表示部117等で表示することにより使用者に確認し、あるいは外部端末51に問い合わせる(ST57)。
終了と判断できる場合には、この投与・検査モードを終了する(ST58)。そうでなく、終了されていないと判断する場合には、ST52に戻って検査をやり直す。
【0047】
続いて、図4のステップ19で説明した「電源オフ点検」についてその一例を図8を参照しながら説明する。
電源オフモード点検を開始すると(ST60)、先ず図3の電源オフの状態にする。具体的には、例えば、人が輸液ポンプ11の電源をオフにする(ST61)。
輸液ポンプ11には、駆動電力は送られないので、動作部もしくは駆動部は全て停止する。この状態で作業者の視覚による点検が行われる(ST62)。例えば次のような内容の点検が行われる。
すなわち、先ず、ドア12を閉止した状態においての「外観検査」が行われる。ここでは、本体15である外ケースの傷や凹み、その他の損傷を見て、それが性能に影響を与えるものかどうかを確認する。
次に、ドア12を開き、内部を視覚により点検する。ドア12を開いて、あるいは損他の部分を開いて露出されるモータや基板、コネクタ類の形状の異常や接続異常等の視覚により認識できる対象について検査を行う。
【0048】
次に輸液ポンプ11の電源スイッチ107をオンにし、点検情報入力モード(図3参照)に入る。
点検情報の入力における輸液ポンプ11の表示部117の表示例が、図9に示されており、この図9(a)から図9(d)のそれぞれが、一度に表示部に示される表示内容である。
輸液ポンプ11の表示部117に示されるガイドにそって、例えば、図9(a)から図9(d)の表示を操作者がスイッチ・ボタン13aによる操作で順送りし、空欄に今回の点検結果についてスイッチ・ボタン13aによる操作で入力することにより、行われる(ST65)。
【0049】
次に、記憶部111では、記憶手段112がST65で入力された点検情報と、図9(a)、(b)等で選択された点検の種類に含まれる検査項目とを比較対象することにより、必要とされる点検情報を保存手段(保存部)113に保存する(ST66)。
次に保存手段113に保存された点検情報を確認して、点検情報の入力が完了したかどうかを判断する(ST67)。点検情報が不足なく保存手段113に保持されていたら、ステップ67に進み、そうでない場合には、ST64に戻って上述の作業を繰り返す。
ステップ67では、必要な点検情報の保存がおわったことで、自己検査モードが終了したかどうかを表示部117等で表示することにより使用者に確認し、あるいは外部端末51に問い合わせる(ST68)。
終了と判断できる場合には、この投与・検査モードを終了する(ST69)。そうでなく、終了されていないと判断する場合には、ST52に戻って検査をやり直す。
【0050】
図10は、図3と図5で説明した点検情報表示モードにおいて、輸液ポンプ11の保存部113に保持されたデータを呼び出して、該輸液ポンプ11の表示部117に示される点検情報表示の一例を概略的に示す図である。
この図10(a)から図10(e)のそれぞれが、一度に表示部に示される表示内容である。
図11は、例えば、図1の医療用ポンプの点検情報管理システム10において、輸液ポンプ11の保存部113に保持されたデータを、外部端末51としての例えばパソコン画面に表示した場合の一例を示している。この場合、図11(a)から図11(d)のそれぞれが、一度に表示部に示される表示内容である。
【0051】
図12は、図1の医療用ポンプの点検情報管理システム10または図2の医療用ポンプの点検装置における、点検後の動作の一例を示すフローチャートである。
好ましくは、輸液ポンプ11が起動される際に、以下の動作を行う。
電源スイッチ107がオンされ、投与モードに遷移する(ST71)。
この場合は、患者に送液するために、必要なチューブ16等が輸液ポンプ11にセットされている。
この状態で、制御部130は、保存部113に格納された点検情報を読み出し、当該情報を、好ましくは点検項目ごとに予め決めた閾値と対比し、点検情報の評価を行う(ST73)。ここで評価結果が所定の閾値の範囲内であり、「合格」と判定できる場合には、ST79に進んで、投与モードを続行し、患者への輸液をする。
【0052】
ステップ73で設ける閾値は、検査・点検項目ごとに設けられるもので、例えば、以下のようなものがある。
流量精度:±5%(シリンジポンプの場合)±10%以内(輸液ポンプの場合)これら画流量精度の範囲外であると、患者へ正しい流量が送液されない可能性がある。
流量精度は、製品の仕向け先によって、規格が異なる場合があり、それに適合させて数値を決定する場合もある。また、ポンプ自体の性能が高いモデルでは、より厳しい数値範囲に設定することもできる。
閉塞圧 :例えば、医療用ポンプの使用配置条件、例えば、患者位置に対するポンプ高さやチューブの長さ等の条件、医療用ポンプの適用条件、例えば、大人に適用するか、小児に適用するか等により、圧力を変更使用する必要性等から、本実施形態では、例えば、2種類の範囲を設定することができる。本実施形態では、60〜140kPa、もしくは30〜90kPaの範囲内に設定でき、これらの各設定範囲を超えると閉塞警報が発生する。特に、各設定範囲の上限を超えると、送液ラインが詰まっている等で、患者に輸液がされない可能性がある。
気泡検出:例えば、医療用ポンプに使用されるチューブの断面積などにより、検出する気泡径を異ならせることができる。チューブ径が細いと比較的大きな気泡径が「許容されるし、チューブ径が太いと、その分小さな気泡径のものでも検出しなければならない。要は、血管内に侵入する空気容量を問題にするからである。この実施形態では、気泡径について2種類の範囲を設定することができる。本実施形態では、5mmもしくは10mmの気泡を送出した時気泡警報が発生する。これらの気泡が検出された場合には、患者の血管内に空気が送出されてしまう可能性がある。
【0053】
ステップ73で符号画の判断をした場合、次に過去に蓄積されたデータを記憶部111から取得して、当該不合格の判断が出ているにも関わらず、そのまま運転した記録が何回あるか検索する(ST74)。
不合格のまま運転された回数が一定回数を超えたか否かを判断し(ST75)、予め検査項目ごとに設定した回数を超えていない場合には、「直近の最新検査結果が不合格」である旨を表示部117、または外部端末51の画面に表示し、同時に「点検実施」を促すようにしてもよい。また、これと同時に警報部122によりブザー等に寄る警報や音や発光手段の点滅等による注意喚起を行ってもよい。
この場合は、輸液の投与手段121の動作ができないようにし、電源スイッチ107のオフだけを許容するようにする(ST77)。
一方不合格のまま運転された回数が一定回数を超えないと判断された場合には、投与モードへ遷移するための操作子(スイッチ・ボタン)13aの操作を受け付けないようにして、危険な運転を事前に防止する。
【0054】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。
図1では、輸液ポンプ11は、検査装置30と電気的に接続され、輸液ポンプ11が通信回線40または外部端末51と接続される構成を示しているが、輸液補ンプ11と検査装置30の双方を通信回線40または外部端末51と接続してもよいし、検査装置30を通信回線40または外部端末51と接続して、輸液ポンプ11は、検査装置30を介して管理装置の制御を受けるようにしてもよい。
上記実施形態は、医療用ポンプのうち、輸液ポンプについて適用した例を説明したが、他のポンプ、例えば、シリンジポンプ、経腸栄養ポンプ等に本発明を適用してもよいことは勿論である。
上記実施形態に記載された事項は、その一部を省略してもよいし、上記で説明しない他の構成と組み合わせることによっても本発明の範囲を逸脱するものではない。
【符号の説明】
【0055】
10・・・医療用ポンプの点検情報管理システム、11・・・輸液ポンプ、12・・・ドア、15・・・本体、17・・・表示部、30・・・検査装置、40・・・通信回線、50・・・サイト、51・・・外部端末(パソコン)、100・・・医療用ポンプの点検装置、111・・・記憶部、113・・・保存部、117・・・表示部、121・・・投与手段、122・・・警報部、130・・・制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を送液するための医療用ポンプと、該医療用ポンプと接続される検査装置とを含む医療用ポンプの点検装置であって、
前記医療用ポンプには、該医療用ポンプの点検結果を入力するための入力部と、
該入力手段により入力された点検結果の保存部と、
該保存手段に保持された前記点検結果を表示する表示部と、を有しており、
前記点検のための点検項目である点検情報の入力モードと、
点検を実施するための点検実施モードと、
点検を行った結果である点検情報について前記表示手段を介して表示させる点検情報表示モードと、を備え、
さらに、前記点検実施モードには、
前記医療用ポンプに前記液体を前記検査装置を介して導くことにより検査を行う投与・検査モードと、
外部から前記医療用ポンプに前記液体を導くこと無く、ポンプ内に前記液体を流通させないでポンプの駆動可能箇所を駆動して、該駆動状況を検査する自己検査モードと
を含むことを特徴とする医療用ポンプの点検装置。
【請求項2】
前記入力部が、前記医療用ポンプの外面に露出した操作子を操作することにより該医療用ポンプ内に検査結果を入力する手段および/または前記医療用ポンプに接続された前記検査装置を含む外部端末から前記検査結果の入力を受ける外部接続部として該医療用ポンプに設けた外部通信部を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の医療用ポンプの点検装置。
【請求項3】
前記表示部が、前記医療用ポンプの外面に露出した表示部および/または前記医療用ポンプの前記外部接続部に接続された外部端末に設けた表示部であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の医療用ポンプの点検装置。
【請求項4】
前記医療用ポンプは、該医療用ポンプが起動されると前記保存部に保持された点検情報を制御部が確認し、確認された当該点検情報の評価結果に基づいて、前記医療用ポンプの警報部もしくは注意喚起部を起動し、および/または前記医療用ポンプの駆動を停止する構成としたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の医療用ポンプの点検装置。
【請求項5】
液体を送液するための医療用ポンプであって、
少なくとも該医療用ポンプの機能を検査するための検査装置を接続する構成とされており、
所定の点検結果を入力するための入力部と、
該入力手段により入力された点検結果の保存部と、
該保存手段に保持された前記点検結果を表示する表示部と
を有しており、
前記点検のための点検項目である点検情報の入力モードと、
点検を実施するための点検実施モードと、
点検を行った結果である点検情報について前記表示部を介して表示させる点検情報表示モードと
を備え、
さらに、前記点検実施モードには、
外部から前記医療用ポンプに前記液体を導いて、検査を行う投与・検査モードと、
外部から前記医療用ポンプに前記液体を導くこと無く、ポンプ内に前記液体を流通させないでポンプの駆動可能箇所を駆動して、該駆動状況を検査する自己検査モードと
を具備することを特徴とする医療用ポンプ。
【請求項6】
前記医療用ポンプが、点滴用の薬液を送るための輸液ポンプであることを特徴とする請求項5に記載の医療用ポンプ。
【請求項7】
液体を送液するための医療用ポンプと、該医療用ポンプと接続される検査装置とを有し、該検査装置による検査結果を含む点検情報を少なくとも保存し、表示するための点検管理システムであって、
前記医療用ポンプは、通信回線を介して管理装置に接続されており、
該管理装置は、前記通信回線を介して前記医療用ポンプおよび/または前記検査装置に指示して検査・点検を行わせる制御部を有していて、
さらに、前記医療用ポンプの点検結果を入力するための入力部と、
該入力手段により入力された点検結果の保存部と、
該保存手段に保持された前記点検結果を表示する表示部と
を有しており、
前記点検のための点検項目である点検情報の入力モードと、
点検を実施するための点検実施モードと、
点検を行った結果である点検情報について前記表示手段を介して表示させる点検情報表示モードと
を備え、
さらに、前記点検実施モードには、
外部から前記医療用ポンプに前記液体を導いて、検査を行う投与・検査モードと、
外部から前記医療用ポンプに前記液体を導くこと無く、ポンプ内に前記液体を流通させないでポンプの駆動可能箇所を駆動して、該駆動状況を検査する自己検査モードと
を含む
ことを特徴とする医療用ポンプの点検情報管理システム。
【請求項8】
前記医療用ポンプが起動されると前記保存部に保持された点検情報を前記制御部が確認し、確認された当該点検情報の評価結果に基づいて、前記表示部を介して注意喚起を行い、および/または前記医療用ポンプに駆動停止の指示を出す構成としたことを特徴とする請求項7に記載の医療用ポンプの点検情報管理システム。
【請求項9】
前記保存部には、前記点検情報についての過去の点検の履歴情報を保存するとともに、これらの情報に加えて、当該医療用ポンプの固有情報として、該医療用ポンプの製品コード、製品番号、登録番号、施設名称、代理店名称、納入日、設置場所、ユーザ管理番号、管理担当責任者情報、固定資産番号、リース区分、リース会社、保守契約区分、備考等次にあげる情報のうちから選ばれる少なくとも2つ以上の情報を保存する構成としたことを特徴とする請求項7または8のいずれかに記載の医療用ポンプの点検情報管理システム。
【請求項10】
液体を送液するための医療用ポンプに検査装置を接続して検査・点検する方法であって、
前記医療用ポンプは、通信回線を介して管理装置に接続されており、該管理装置は、前記通信回線を介して前記医療用ポンプおよび/または前記検査装置に指示して検査・点検を行わせる制御部を有していて、さらに、前記医療用ポンプの点検結果を入力するための入力部と、該入力手段により入力された点検結果の保存部と、該保存手段に保持された前記点検結果を表示する表示部とを有しており、
前記点検のための点検項目である点検情報の入力モードを実行し、
点検を実施するための点検実施モードを実行し、
点検を行った結果である点検情報について前記表示手段を介して表示させる点検情報表示モードを実行し、
さらに、前記点検実施モードにおいては、
外部から前記医療用ポンプに前記液体を導いて、検査を行う投与・検査モードと、
外部から前記医療用ポンプに前記液体を導くこと無く、ポンプ内に前記液体を流通させないでポンプの駆動可能箇所を駆動して、該駆動状況を検査する自己検査モードと
を実行する、
ことを特徴とする医療用ポンプの点検方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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