説明

医療用放射能源の輸送及び保管のための新規被遮蔽容器構造体

本発明は医療用の放射性物質を収容する貯蔵器(2)を輸送するための容器に関する。容器(1)は、一方ではベース・エレメント(3)に接続し、頂部開口部(4)と境を接する帯状の側壁(3)で構成される被遮蔽体(3)を有し、他方では、ロック手段(11)により該頂部開口部(4)に取り付け可能な被遮蔽閉止蓋(5)で構成される。本発明に準拠して、ロック手段(11)は頂部開口部(4)の閉止蓋(5)の並進動作により駆動されるような形状をしており、これを「ロック動作」と称し、該開口部(4)の軸に沿って対向するベース・エレメント(3)に向かって生起する。また、この閉止蓋(5)には、それが該容器本体(3)から離脱することが可能なようにするため、該ロック手段(11)を動作解除するための手段(16)を備える。一つの有利な実施例において、閉止蓋(5)は、ロック作動中に容器本体(3)の開口部(4)に形成された少なくとも1つの補助ハウジング(21)にスナップ動作ではまるように設計された複数の引き込み可能な突出スタッド(11)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用放射能源の輸送及び保管のための放射線防護材料で作られた新規の遮蔽された容器構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特定の医療専門分野、特に腫瘍学において、一定量の適切な放射性物資が診断や治療のために患者に投与されることがある。
【0003】
放射線に対する安全と保護に関する基準に合致するように、これらの放射性物質は、遮蔽された容器が患者、病院のスタッフやそれに近づく者、この放射性物質を輸送、保管する役目を持った者などそれに近づく者を保護することを特徴とした遮蔽された容器で輸送、保管しなければならない。
【0004】
非常に一般的ではあるが、現在の容器は放射線防護材料で作られた被遮蔽体で構成され、放射線源を入れたビンの投入と取出し用の開口部を備えている。
これも放射線防護材料で作られている被遮蔽蓋は容器を閉じて放射線が開口部を通過するのを防止している。
【0005】
特定の容器では、この閉止蓋は特別な閉止手段を持たない被遮蔽体の開口部に単に置かれるだけであり、当然のことながら事故の可能性がある。
【0006】
それが大半の事例において閉止蓋が閉止手段(特に、ねじ込みにより)により容器本体に保持される理由である。
しかしながら、現在の閉止手段はその実行が難しく、さらに操作者が閉止蓋をするときと閉止蓋を外すときに該閉止手段を作動または動作解除するために容器本体をしっかりと保持しなければならない。
このような閉止/開放操作期間中、該閉止蓋及び該容器該を取り扱う者が最終的に少量ではない放射能照射を受ける可能性がある。
【0007】
このような欠陥を補正するため、該特許出願人は、該操作者が長時間にわたってこの容器本体をしっかりと保持しなくてもよいように閉止蓋を非常に簡単に、非常に迅速に容器本体でロックできる容器を開発した。
【0008】
該発明に従い、このようなロック手段は容器本体の開口部の閉止蓋の並進的動作によって駆動されるような形状をしており、これは「ロック動作」と呼ばれ、該開口部の軸に沿って該容器のベース・エレメント方向に生じ、該閉止蓋は、該被遮蔽蓋が該容器本体から離脱可能なように該ロック手段の動作解除する手段を備えている。
【0009】
一つの有効な実施例として、蓋は、容器本体の開口部に形成されている少なくとも一つの補助ハウジングにスナップ動作によりはめ込まれるように構成される複数の引き込み式の突出金具を備えている。
【0010】
これらの突出つまみは下記の2つの位置で操作可能である。
−ロック並進動作中にスナップ動作型の現象により突出つまみが該ハウジングに入る位置。
−被遮蔽蓋が容器本体から分離可能なように、動作解除手段により駆動され、該ハウジング本体の外側に突出つまみが位置する引き込み位置。
さらに、該突出スタッドは、それをロック位置に保持するようにするような形状をしたバネ手段による一方、該突出スタッドを引き込み位置まで動作させるため操作者が制御可能な動作解除部によっても共動する。
【0011】
この実施例において、該スタッドは、外に向かって開放し容器本体の開口部に形成されるリング状の溝と共に動作可能なように、その端部の一つにおいて蝶番式のフック形状であり、他の端では内側に突出しているようなフックの形状が望ましい。突出フックは、そのピボットが引き込み位置に対して外側になるように操作者が制御可能な動作解除部と共に動作する。
【0012】
もう一つの特徴により、動作解除部は、カムを形成する外部に向かって広がる部品を持つ一つの部品により構成され、該動作解除部は下記の2つの位置の内部で動作可能である。
−該フックがロック位置にある休止位置、及び
−操作者による制御動作により確保され、引き込み位置に対してピボットが内側になるよう該拡張部が該フックを押す動作解除位置。
【0013】
この場合、閉止蓋は、操作者による操作が、広げられた位置と折りたたまれた位置の間で突出部の変位を可能とするハンドルを備えるのが望ましい。もう一つの方法として、動作解除部は、閉止蓋の上に備えられた磁気ハンドルによって発生した磁場を操作者が加えることにより該フックの引き込み位置に対応した動作解除位置に操作可能である。
さらに、この場合、動作解除部は、下部の休止位置と上部の動作解除位置の間で軸方向並進動作が可能な一般的なリング形状をしており、該動作解除部は、それぞれが該フックの一つにより動かされ押込みローラーによりフック上で動作する操作カムを形成する外側に広がった下部端を備え、後者はそれを動作しているロック位置に保持するバネ・リングの形状をした弾性戻り手段にも接続している。
【0014】
さらに、本発明により、容器本体は、また遮蔽された外側部品に入れ子になっている被遮蔽内部部品で構成され、これらの遮蔽された部品はそれぞれベース・エレメントに接続された帯状の横壁で構成されている。該内側部品は、放射線源の側において、該外側部品の放射線防護特性よりも高い放射線防護特性を持つ放射線防護材料によって作られており、これら内側及び外側の部品の厚さは放射線防護の所要レベルによって決まる。
【0015】
一つの優先的実施例において、容器本体は鉛製外側部品と入れ子となったタングステン製内側部品を含む。この場合、閉止蓋は内側部品をロックし、鉛よりも耐性が高く、可鍛性がより小さいという特長を有する。
他の特徴によれば、容器本体は、その遮蔽された外側部品の表面を覆う弾性材で作られた外周シェルを有する。
該プラスチック・シェルは側壁のベルトで作られていることが望ましく、その下部端はベース・エレメントに接続され、その上側端は少なくとも遮蔽された上側部品の上部端を覆う上側戻りによって広げられる。ベース・エレメント及びプラスチック・シェルの側壁のベルトの下側端は補助構造手段が恒久または取外し可能なネスティングによって組み耐え可能なようにそれを備えている。
【0016】
このプラスチック・シェルは、それが比較的安価であるため劣化した場合は交換可能であるという特徴を有する。また、それは、容器の鉛製外側部品に対して外皮を構成している。これは、容器が衝撃や摩擦などの物理的な衝撃に対し比較的に感受性を有するからである。
【0017】
さらに、本発明を以下のように、例示としてのみ提示された2つの実施例の以下の説明及び添付図面により説明するが、これに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1は、磁気ハンドルによってロック解除可能なタイプの閉止蓋によって閉じられる容器本体を構成する、本発明による容器の断面図である。
図2及び3は、それぞれ下側からと上側からの透視した図1の閉止蓋の全体図である。
図4は図1から3の閉止蓋の上面図である。
図5は図4の切断面V-Vに沿った破線断面図である。
図6は、閉止蓋が被遮蔽体にロックされる直前である図1の容器の部分フラット断面図である。
図7は、閉止蓋のロック手段は該閉止蓋が被遮蔽体から離脱可能なように磁気ハンドルにより閉止蓋のロック手段が動作解除位置まで操作されている、図1と図6による容器のもう一つの部分断面図である。
図8は、そのロック手段を操作者が操作するハンドルを備えた閉止蓋を有する容器の可能なもう一つの形状を示す上面図である。
図9は、切断面IX-IXに沿い、閉止蓋が容器本体にロックされる直前を示した図8の容器の破線断面図である。
図10は、閉止蓋が容器本体にロックされた状態の図9の容器の部分図である。
図11は、ハンドル操作によりロック手段が引き込み位置まで調整された状態の図9の容器のもう一つの部分図である。
【0019】
図1の概略断面図に示された被遮蔽容器1は例えば医療用の放射性物質を含むレセプタクルの輸送に適している。
【0020】
容器1は放射線防護材料(すなわち、タングステン層と鉛層との結合物)で作られた円筒体を有する。容器本体3は平らなベース・エレメントと結合した円筒状側壁で構成されている。該円筒状側壁3の上側端3は、図1において放射線防護材料で作られている閉止蓋によって閉止される円筒状頂部開口部と境を接する。
本発明に従い、詳細を以下に示すように、閉止蓋5は開口部4において閉止蓋5の並進運動によって動作されるような形状をした、容器本体に閉止蓋をロックするための手段を有し、これを「ロック動作」と称し、該開口部4の軸に沿って対向するベース・エレメント方向に生じる。さらに、該閉止蓋5は、該被遮蔽蓋5が該容器本体3から離脱可能なようにするためにそのロック手段を動作解除するための手段を備える(並進運動により)。
【0021】
この場合、図2から図5に示す閉止蓋5は主としてタングステンで作られている。
閉止蓋5は中央軸6を有する一般的な円形状であり、一般的な円形状の下側部品7aで構成される本体7、及び円形中央部品8で構成されるヘッド8を頂部に有し、その端部が本体7に対向し、円形スカート8によって広げられている一般的に先細の上側部品7を含む。
本体7の下側部品7は、蓋5が一度容器本体3にロックされると蓋5の機密性を確実にするためOリングを有する。
【0022】
閉止蓋5はそれが容器本体3にロック可能なようにする手段を有する。
該ロック手段はここでは、本体7とそれに対向する8の間の空間に一定間隔で配置された4つの可動、フック形状のストラットで構成されている。
【0023】
それぞれのロッキング・フック11は次の2つの端部を持つ細長い部品形状をしている。
−上側端11。軸13(閉止蓋5の縦軸6に直交する)の周りを円運動可能に、リング12(図5に示される)によって支持されている。
−下側端11。閉止蓋5のロックを確実にするために容器本体3のハウジングにはめ込まれるようなっている、内側に突出する部分(すなわち、ここでは縦軸6方向に向かう)を有する。
フック11はそれぞれ回転軸13に平行な押込みローラー14の軸14の周りを自由に回転する押込みローラー14を支持し、これによって、フック11の操作時に摩擦を減らすようになっている。
【0024】
ロッキング・フック11は次の2つの位置間で回転軸13の周りで操作可能である。
−図1及び5に対応し、閉止蓋5が容器本体3の上に乗り、それを該フック11が確実にロックすることができるロック位置。
−図7を参照して以降に詳細に説明される引き込み位置で、この位置で該フック11は閉止蓋5が容器本体3から離脱可能とするために動作解除される。
【0025】
弾性戻り手段15はフック11がロック位置になるようフック11に接続されている。
該弾性戻り手段15は一般的な形状の弾性リングである。
【0026】
ロック位置から引き込み位置にするフック11の操作は、閉止蓋5に備えられ操作者によって制御可能な「動作解除部」と呼ばれる可動部品16を変位させることによって行われる。
【0027】
このような動作解除部16は外に広がる下側端16を持つ一般的な形状のリングを持ち、その上でフック11のローラー14がフック11の弾性戻り手段の作動により押付けられたままになっている。
【0028】
動作解除部16の下側端16はロック位置からロック解除位置の間でフック11を操作するためのカムを形成する。
このため、動作解除部16は以下の2つの位置の間で閉止蓋5内部において軸方向の並進運動において操作可能である。
−下側の休止位置(図1及び5)。フック11のローラー14が下側端16の小径部と共に動作して、フック11がロック位置となるように弾性戻り手段によって保持されている。
−上側の動作解除位置(以下に図7を参照しつつ詳細に説明する)。この位置は操作者の操作により確保される。下側端16の大径部がローラー14を押し、フック11が引き込み位置に外側へと旋回する。
【0029】
弾性戻り手段17は、リング16に形成されたハウジングに挿入され、該リングと閉止蓋ヘッド8の間に配置されたらせん状スプリングで構成することができる。
【0030】
さらに、図1においても、閉止蓋5は容器本体3の特殊構造体にロックされることが理解される。
この場合、容器1の上側端3は、以下のものと共に、主として一般的な三角形の断面を有するリング状エクステンション20を有する。
−外側傾斜面20で、外側に向かって開放し、フック11の下側端11bを受けいれるような形状をしているリング状溝21が形成されている。
−内側傾斜面20。閉止蓋5の先細部品7に適合するようになっている。
【0031】
容器本体3に関する閉止蓋5のロック操作及びロック解除操作を図1、6及び7を参照しつつ以下に説明する。
【0032】
最初に、図6を参照して、ロック手順は閉止蓋5が上側端20で休止するように閉止蓋5を開口部4に対向して適当に配置することである。
ロック操作に先立つこのような状況において、フック11はロック位置にあり(図5を参照して上記のように)、その下側端11が上記の上側端20の外側傾斜面20で休止するのが理解される。
【0033】
次に、操作者が容器本体3のベース・エレメント3に向かって開口部4の軸に沿って垂直方向の圧力を加える(図6において矢印22で表す)。
閉止蓋5が開口部4の内側に沿って動くにつれて、フック11は外側傾斜面20にスライドし、フック11を外側に移動させる。次に、フック11は、下側端11がハウジング21の対向側にきたとき、弾性戻り手段15によってフックの初期の位置に自動的に戻る。このようなフック11の特殊な変位はスナップ動作型の動作である。
【0034】
次に、閉止蓋5は容器3の上側端に適切にロックされ、容器本体3の開口部を効率的に閉止する(図1)。
この位置において、閉止蓋5の主要部7及びスカート8は容器本体3のエクステンションのそれぞれの側に位置する。これら2つのエレメントのシケイン形状の入れ子がこのようにして獲得され、容器1の放射線防護効率を最適化するのに役立つ。
【0035】
閉止蓋5(図7)のロックを解除するために、操作者は、上記の動作解除部16をその動作解除位置に制御できるようにするため、例えば磁気ハンドルの形状をした磁場発生追加手段24を使用する。
【0036】
この目的のために、実際上、操作者は閉止蓋5の表面と接触するように磁気ハンドル24を配置する。
磁気ハンドル24が配置されれば、磁場が発生し動作解除部16を「動作解除位置」と呼ばれる上側位置に上方向に動かせる。次に、動作解除部16の下側端16はローラー14を外側に押しやり、関連するフック11を別個にロック解除位置に動かせる。磁気発生により閉止蓋5に取り付けられた磁気ハンドル24は容器本体3から閉止蓋5を離脱させることができる。
【0037】
当然ながら、磁気ハンドル24が閉止蓋5から離脱したとき、動作解除部16は弾性戻り手段17によってその休止位置に戻る。フック11はそれと関係するバネ15の動作によりロック位置に帰る。
【0038】
このようにして、この容器構造物は簡単で、迅速に、効率的に閉止蓋を容器本体にロックすることができる。
さらに、この容器は、閉止蓋を開けるために操作者が補助的な手段を必要とし偶然に開放するという危険が抑えられるため安全に関して特徴を有する。
【0039】
容器本体3の特定構造物は図1、6及び7でも見ることができる。この容器本体3は鉛の外側部分30に入れ子となっているタングステンの内側部分29で構成されている。これらの2つの遮蔽された部分はベース・エレメントに接続された側壁のベルトでそれぞれ構成されている。このように、放射線源の側において、内部29は外側部分30よりも高い放射線防護特性を有する放射線防護材料で作られており、これら内側部分29及び外側部分30の厚さは放射線防護の所要レベルによって決まる。
【0040】
この2つの部分29及び30は、ここでは2つのタングステン製の円筒形スルーインサート33によって維持されている。これらのインサートの外側開放端33は適切な手段により容器1の輸送ハンドル34の2つの開放端の固定にも役立つ。
【0041】
閉止蓋5がロックしている容器本体3のエクステンション20は単片であり、該タングステン下側部分29を構成する。
フック11をこの下側部分29にロックすることによりその磨耗耐性及び摩擦耐性を利用することができる。このようなロック動作はタングステン・シールドの連続性を可能とし、放射能に対する獲得保護品質を最良とすることができる。
【0042】
さらに、鉛の遮蔽部分30は閉止蓋スカート8の外側表面を囲む上側エクステンションを含むことに注意すべきである。
【0043】
確実にするため、容器本体3はその外側被遮蔽部の表面を覆う弾性材料で作られた外周シェル31を含む。このプラスチック・シェル31は円筒シェル壁31で構成され、その下部端はベース・エレメント31に接続され、その上部端は上部端又は外側被遮蔽部を覆う上部戻り31によって延長されている。ベース・エレメント31及びプラスチック・シェル31の側壁31には、溝/リブ・タイプの補助構造手段が付いており、それらを入れ子(常置又は取り外し可能)で接続することができる。
このように取り外し可能性なことにより外側シェルが磨耗又は破損したときの交換が容易であることを示している。
【0044】
一般的に、タングステン・シールドと鉛シールドを組み合わせた容器本体3のこのような特殊な構造により、上述の特殊なロック手段を持たない閉止蓋により可能となる。
【0045】
図8から11は本発明による容器の可能な形状を示すものであり、ここでは閉止蓋は、機械的手段、この場合はこの目的のために設計されたハンドルによって動作解除することができる。
【0046】
この容器35は図1から7による上述の容器と類似している。
このように容器本体3は上述のものと類似している。蓋36に関し、それは可動フック11を構成し、そのそれぞれはローラーを有し、動作解除部により操作可能である。上述の閉止蓋と蓋36との唯一の違いは、蓋36は蝶番式のハンドル37を備え、動作解除部の機械的操作を可能としていることである。
【0047】
さらに正確に言えば、ハンドル37は横断ピン38を支持し、そこからは動作解除部16に固定されている2つの垂直軸39が伸びている。ここでハンドル37を操作することにより、ロック位置とロック解除位置の間で動作解除部16の変位とフック11の動作が可能となる。
【0048】
実際的には、容器本体3を閉じるために、ハンドル37は蓋36に押し下げられ、これにより動作解除部16の下側休止位置とフック11のロック位置に対応する(図8及び9)。
次に、蓋36は容器本体3の開口部に対向して配置されており(図9)、操作者は、フック11が容器本体3のハウジング21にスナップフィットするまでベース・エレメント3方向に蓋36を押し込む。このようにして、蓋36は適切に容器本体3にロックされる。
【0049】
反対に、蓋36を容器本体から離脱させるために、操作者は、図11に示すようにハンドル37を上方に操作する。
この操作中、横断軸38は、蓋36の上面で休止している2つのサイド・エクステンション40によって生じたてこの作用によって上方に動き、このことは軸方向の牽引力が垂直軸に掛かったことを意味し、垂直軸39は動作解除部16がその上側動作解除位置までの動作を保証するものである。
最後に、フック11はロック解除位置で止まり、ハウジング21から離れる。その時、操作者は蓋36を容器本体から離す。
【0050】
この後者の実施例は、比較的簡単であり、蓋36のロックを解除するのに手段を追加する必要がないという利点を有する。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用の放射線物質を容れる容器(2)を輸送する容れ物であって、該容器(1)は、ベース・エレメント(3)に接続され、頂部開口部(4)と境を接する帯状の側壁(3)、及びロック手段(11)によって該頂部開口部に取付け可能な被遮蔽閉止蓋(5、36)で構成され、放射線に対して遮蔽されている本体(3)を構成し、該ロック手段(11)は該頂部開口部(4)において該閉止蓋(5、36)の横断動作(22)によって作動するような形状となっていることを特徴とし、これを「ロック動作」と称し、これは該開口部の軸に沿い、該対向ベース・エレメント(3)方向で発生し、該閉止蓋(5、36)は、該被遮蔽蓋(5、36)が該容器本体(3)から離脱可能なようにするため該ロック手段(11)の動作解除のための手段(16)を備えることを特徴とした容器。
【請求項2】
閉止蓋(5、36)が、容器本体(3)の開口部(4)に形成されている少なくとも一つの補助ハウジング(21)にスナップ作動型動作によりはめ込むように設計されている複数の引き込み可能な突出スタッド(11)を有し、該突出スタッド(11)は下記の2つの位置の間で動作可能なことを特徴とする請求項1記載の方法。
−該突出スタッド(11)がロック並進動作においてスナップ動作式の動作により該ハウジング(21)に入るロック位置。
−動作解除手段(16)によって駆動し、該突出スタッド(11)が該ハウジング(21)の外側に位置し、被遮蔽蓋(5、36)が容器本体(3)から離脱でき、一方では該突出スタッド(11)がそれをロック位置に維持するようにする形状をしたバネ手段(15)と、他方では操作者が該突出スタッド(11)をその引き込み位置に操作するよう制御可能な動作解除部(16)と協動する引き込み位置。
【請求項3】
スタッド(11)がその端の一端で蝶番フックの形状をし、他の端は外側に向かって開放し容器本体の開口部(4)に形成されたリング状溝(21)と協動可能なように突出しており、該突出フック(11)が、それが引き込み位置で外側に旋回させるように、操作者が制御可能なように動作解除部と協動することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
動作解除部(16)が、カムを形成する外側に拡がる部分(16)を有する一つの部品により構成され、該動作解除部(16)が以下の2つの位置において閉止蓋(5、36)内部で動作可能であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
−フック(11)がロック位置である休止位置。
−操作者の制御によって得られ、前述の前に広がる部分(16)が該フック(11)を引き込み位置まで外側に旋回させるように該フック(11)を押す動作解除位置。
【請求項5】
閉止蓋(36)が、開き位置と折りたたみ位置の間で突出部の変位を制御するように変位を保証する操作を行うハンドル(37)を備えていることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の被遮蔽容器。
【請求項6】
閉止蓋(5)に付加した磁気ハンドル(24)によって生じた磁界を操作者が加えることによりフック(11)の引き込み位置に対応して動作解除部(16)を動作解除位置まで操作できることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の被遮蔽容器。
【請求項7】
動作解除部(16)が、下側休止位置及び上側動作解除位置の間で軸方向 並進動作可能な一般的なリング状をしており、該動作解除部(16)、それぞれが該フック(11)によって支持されている押込みローラー(14)によりフック(11)で動作する動作カムを形成するように外側に張り出した下端を備え、該フック(11)はそれを動作ロック位置に保つ弾性リングの形状をした弾性戻り手段(15)に接続していることを特徴とする請求項3から6のいずれかに記載の被遮蔽容器。
【請求項8】
容器本体(3)が、被遮蔽外側部(3)と入れ子になっている被遮蔽内側部で構成され、該被遮蔽部(29、30)がベース・エレメントに接続する帯状の側壁でそれぞれ構成され、該内部(29)が放射線源側において該外側部(30)の放射能防護特性よりも高い放射能防護特性を有し、これら内部(29)及び外部(30)の厚さが放射線保護の所要レベルによって決まる放射線防護材料で作られていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の被遮蔽容器。
【請求項9】
容器本体(3)が、鉛製の外部(30)に入れ子となっているタングステン製内部(29)を構成し、閉止蓋(5、36)が該内部(29)にロックしていることを特徴とする請求項8に記載の被遮蔽容器。
【請求項10】
容器本体(3)が、その被遮蔽外部(30)の表面を覆う、可塑性材料で作られた外周シェルを同時に構成することを特徴とする請求項8に記載の被遮蔽容器。
【請求項11】
プラスティック・シェル(31)が帯状側壁(31)で構成され、その端部がベース・エレメント(31)及び少なくとも、被遮蔽外部(30)の上端を覆う上部戻り(31)に接続されており、該ベース・エレメント及びプラスティック・シェル(31)の帯状側壁(31)の下端にそれが常置又は取外し可能な入れ子によって取り付け可能な補助構造手段(32)を備えることを特徴とする請求項10に記載の被遮蔽容器。

【公表番号】特表2010−505105(P2010−505105A)
【公表日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−529746(P2009−529746)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【国際出願番号】PCT/FR2007/052046
【国際公開番号】WO2008/040904
【国際公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(509083267)ルメール プロテクシオン アンティ−イクス パル アブレヴィアシオン ソシエテ ルメール パクス (3)
【Fターム(参考)】