説明

医療装置

【課題】 体外側からの操作に基づいて体内に設置された医療機器の視野方向を所望の方向へ容易に可変できると共に、その操作性が良く、かつ操作に基づく視野可変の応答性能が良い医療装置を提供する。
【解決手段】 医療装置1は、導入された体内101の体壁102に留置固定される撮像手段2と、複数の操作ワイヤ26〜29を有して、撮像手段2の観察方向を変更する観察方向制御手段3と、複数の操作ワイヤ26〜29が挿通し、撮像手段2が体壁102に留置固定された状態において、体外側に引き出されるケーブル4と、複数の操作ワイヤ26〜29の各端部に配設された保持体26a〜29aと、体外側でケーブル4が接続され、保持体26a〜29aを保持して連結する連結機構57を備えて、体外側から観察方向制御手段を操作する観察方向操作手段5と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体内に導入されて、被検部位を観察するため撮像装置を有した医療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、医療装置である内視鏡は、撮像装置を備えており、患者の体腔内へ導入されて、撮像装置によって撮影された観察像により、体内患部の各種検査、各種処置等を行うためのものである。
【0003】
医療用の内視鏡には、体内の管腔管路である、食道、胃、大腸、十二指腸などの消化臓器内に肛門、または口腔から導入するもの、臍部近傍から体壁を穿刺して体壁を貫通して、腹腔内へ導入するものがある。従来の内視鏡は、長尺な挿入部を有しており、この挿入部が消化器管路内、または腹腔内に挿入される。近年では、挿入部を備えておらず、撮像装置を有して、体内の被検部位を観察するための医療装置も知られている。
【0004】
例えば、特許文献1には、体腔内の体壁に固定され、撮像部を有する医療機器を備え、この医療機器の姿勢を体外側から可動させる姿勢制御部を備えた医療装置が開示されている。この従来の医療装置は、姿勢制御部の操作により、磁石の磁力によって無接点にて、体壁に固定された医療機器の姿勢を変更して、撮像部の視野方向を可変する技術が開示されている。
【0005】
さらに、例えば、特許文献2には、体腔内の体壁に固定部によって固定され、撮像部を有する医療機器を備え、撮像部の視野方向を調整する視野調整手段を備えた医療装置が開示されている。この従来の医療装置は、体内側から把持鉗子などの処置具により視野調整手段を捜査して、医療機器の撮像部の視野方向を可変する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−72367号公報
【特許文献2】特開2010−5338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された従来の医療装置の技術は、体外から非接触で体内の姿勢制御部に設けられた磁石の磁力が医療機器の視野方向を可変制御するもので、体壁の厚さ、磁石の離間距離などによって、磁石の磁力だけでは医療機器の姿勢制御が困難となる問題があった。すなわち、特許文献1の医療装置は、非接触による医療機器の視野方向の可変制御であるため、ユーザの操作に応じた機械的な応答性が悪く、医療機器を所望の視野方向へ角度変更するときの姿勢制御部の操作調整が難いという問題があった。
【0008】
また、特許文献2に開示された従来の医療装置の技術は、医療機器の視野可変をする度に、体内に処置具を導入する必要が生じるため体内患部の処置と共に行なう場合などの操作性が悪いという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、体外側からの操作に基づいて体内に設置された医療機器の視野方向を所望の方向へ容易に可変できると共に、その操作性が良く、かつ操作に基づく視野可変の応答性能が良い医療装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の医療装置は、導入された体内の体壁に留置固定され、前記体内を撮像する撮像手段と、複数の操作ワイヤを有し、前記複数の操作ワイヤの牽引弛緩によって前記撮像手段の観察方向を変更する観察方向制御手段と、前記複数の操作ワイヤが挿通し、前記撮像手段が前記体壁に留置固定された状態において、体外側に引き出されるケーブルと、前記複数の操作ワイヤの各端部に配設された保持体と、体外側で前記ケーブルが接続され、前記保持体を保持して、前記複数の操作ワイヤに連結する連結機構を備えて、前記体外側から前記観察方向制御手段を操作する観察方向操作手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、体外側からの操作に基づいて体内に設置された医療機器の視野方向を所望の方向へ容易に可変できると共に、その操作性が良く、かつ操作に基づく視野可変の応答性能が良い医療装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係り、腹腔カメラシステムの全体構成を示す斜視図
【図2】同、観察方向制御ユニットが設けられた腹腔内設置カメラの構成を示す斜視図
【図3】同、観察方向制御ユニットが設けられた腹腔内設置カメラの構成を示す断面図
【図4】同、図3のIV−IV線に沿った観察方向制御ユニットの断面図
【図5】同、カバーキャップが装着された複合ケーブルの先端部分構成を示す斜視図
【図6】同、複合ケーブルの先端部分構成を示す正面図
【図7】同、カバーキャップが取り外された複合ケーブルの先端部分構成を示す斜視図
【図8】同、複合ケーブルをマルチルーメンチューブ構成とした一例を示す斜視図
【図9】同、観察方向変更操作ユニットの構成を示す斜視図
【図10】同、観察方向変更操作ユニットの構成を示す側面図
【図11】同、観察方向変更操作ユニットの構成を示す断面図
【図12】同、複合ケーブルの4つの保持体の動きを説明するための図
【図13】同、アンカにガイドされる保持体の動きを説明するための斜視図
【図14】同、腹壁に固定された腹腔内設置カメラの角度可変動作を説明するための図
【図15】同、図14とは別方向からみた状態の腹壁に固定された腹腔内設置カメラの角度可変動作を説明するための図
【図16】同、第1の変形例を示し、ケーブル係止部材の構成を示す斜視図
【図17】同、ケーブル係止部材の解除レバーが側部に配置された観察方向変更操作ユニットの構成を示す斜視図
【図18】同、ケーブル係止部材により複合ケーブルを係止する前の状態を示す断面図
【図19】同、ケーブル係止部材により複合ケーブルを係止した状態を示す断面図
【図20】同、第2の変形例を示し、複合ケーブルの端部から突起する電気接点部を示す斜視図
【図21】同、図20の電気接点部が筐体のコネクタに接続された状態を示す断面図
【図22】本発明の第2の実施の形態に係り、複合ケーブルの先端に配設された係止体の構成を示す斜視図
【図23】同、複合ケーブルの先端に配設された係止体の構成を示す断面図
【図24】同、複合ケーブルが接続される前の観察方向変更操作ユニットの構成を部分的に示す断面図
【図25】同、複合ケーブルが接続された後の観察方向変更操作ユニットの構成を部分的に示す断面図
【図26】本発明の第3の実施の形態に係り、複合ケーブルの先端に配設された係止体の構成を示す斜視図
【図27】同、複合ケーブルの先端に配設された口金端面に電気接点部を設けた一例構成を示す斜視図
【図28】同、観察方向変更操作ユニット内のアンカ機構部と解除操作部材を示す平面図
【図29】同、アンカ機構部の構成を示す分解斜視図
【図30】同、係止体を保持するアンカ機構部を説明するための斜視図
【図31】同、係止体を保持したアンカ機構部の状態を説明するための斜視図
【図32】同、係止体を保持した状態のアンカ機構部と解除操作部材を示す平面図
【図33】同、解除操作部材によってアンカ機構部による係止体の保持を解除する状態を説明するための図
【図34】本発明の第4の実施の形態に係り、複合ケーブルの先端に配設された係止体の構成を示す斜視図
【図35】同、複合ケーブルの先端に配設された係止体の構成を示す断面図
【図36】同、係止体を保持するアンカ機構部を説明するための断面図
【図37】同、第1の変形例の係止体を保持するアンカ機構部を説明するための断面図
【図38】同、第2の変形例の係止体を保持するアンカ機構部を説明するための断面図
【図39】同、第3の変形例に係り、観察方向制御ユニットの構成を示す斜視図
【図40】同、観察方向制御ユニットのレバー保持部の構成を示す部分断面図
【図41】同、第4の変形例に係り、観察方向制御ユニットの構成を示す斜視図
【図42】同、アンカ機構部を保持するストッパ構成を説明するための断面図
【図43】本発明の第5の実施の形態に係り、複合ケーブルに配設される係止体の構成を示す斜視図
【図44】同、係止体を保持するアンカ機構部の構成を示す断面図
【図45】同、アンカ機構部が係止体を保持して移動する状態を示す断面図
【図46】本発明の第6の実施の形態に係り、複合ケーブルが接続される観察方向変更操作ユニットの構成を示す斜視図
【図47】同、複合ケーブルに配設される係止体の構成を示す断面図
【図48】同、観察方向変更操作ユニットの構成を示す断面図
【図49】同、図48の4XIX−4XIX線に沿った観察方向変更操作ユニットの構成を示す断面図
【図50】同、操作レバーと保持体の磁石の一例構成を示す斜視図
【図51】本発明の第7の実施の形態に係り、複合ケーブルの先端に配設された係止体の構成を示す斜視図
【図52】同、係止体を保持するアンカ機構部の構成を示す斜視図
【図53】同、アンカ機構部の構成を示す断面図
【図54】同、アンカ機構部が配置された円筒ギヤの構成を示す斜視図
【図55】同、観察方向変更操作ユニットの構成を示す断面図
【図56】同、観察方向変更操作ユニットの構成を示す斜視図
【図57】本発明の第8の実施の形態に係り、複合ケーブルの端部構成を示す斜視図
【図58】同、固定ユニットの構成を示す斜視図
【図59】同、ワイヤ分岐部の構成を示す平面図
【図60】同、複合ケーブルが接続された固定ユニットの構成を示す断面図
【図61】同、操作ワイヤを保持する保持手段の一例を示すワイヤ分岐部の断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明において、例えば、腹腔鏡下外科手術を行う医療装置を例示する。また、以下の説明において、各実施の形態に基づく図面は、模式的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、夫々の部分の厚みの比率などは現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面の相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0014】
(第1の実施の形態)
先ず、腹腔鏡下外科手術に用いられる本発明の医療装置である腹腔カメラシステムについて、図1から図21に基づいて、以下に説明する。なお、図1から図21は本発明の第1実施形態に係り、図1は腹腔カメラシステムの全体構成を示す斜視図、図2は観察方向制御ユニットが設けられた腹腔内設置カメラの構成を示す斜視図、図3は観察方向制御ユニットが設けられた腹腔内設置カメラの構成を示す断面図、図4は図3のIV−IV線に沿った観察方向制御ユニットの断面図、図5はカバーキャップが装着された複合ケーブルの先端部分構成を示す斜視図、図6は複合ケーブルの先端部分構成を示す正面図、図7はカバーキャップが取り外された複合ケーブルの先端部分構成を示す斜視図、図8は複合ケーブルをマルチルーメンチューブ構成とした一例を示す斜視図、図9は観察方向変更操作ユニットの構成を示す斜視図、図10は観察方向変更操作ユニットの構成を示す側面図、図11は観察方向変更操作ユニットの構成を示す断面図、図12は複合ケーブルの4つの保持体の動きを説明するための図、図13はアンカにガイドされる保持体の動きを説明するための斜視図、図14は腹壁に固定された腹腔内設置カメラの角度可変動作を説明するための図、図15は図14とは別方向からみた状態の腹壁に固定された腹腔内設置カメラの角度可変動作を説明するための図、図16は第1の変形例を示し、ケーブル係止部材の構成を示す斜視図、図17はケーブル係止部材の解除レバーが側部に配置された観察方向変更操作ユニットの構成を示す斜視図、図18はケーブル係止部材により複合ケーブルを係止する前の状態を示す断面図、図19はケーブル係止部材により複合ケーブルを係止した状態を示す断面図、図20は第2の変形例を示し、複合ケーブルの端部から突起する電気接点部を示す斜視図、図21は図20の電気接点部が筐体のコネクタに接続された状態を示す断面図である。
【0015】
本実施の形態の医療装置である腹腔カメラシステム(以下、単にカメラシステムと言う場合もある)1は、図1に示すように、医療機器本体となる撮像装置(撮像手段)であって、ここでは上部となる中央から複合ケーブル4が延設された腹腔内設置カメラ(以下、単にカメラと言う)2と、複合ケーブル4が挿通され、カメラ2の姿勢を変更して観察方向を制御する観察方向制御機構(観察方向制御手段)となる観察方向制御ユニット3と、体外に設けられる体外装置の1つであって、カメラ2から延出する複合ケーブル4が接続される中継機を構成して、カメラ2の観察方向操作装置(観察方向操作手段)となる観察方向変更操作ユニット(以下、単に操作ユニットという)5と、この操作ユニット5から延設する通信ケーブル6が接続される体外装置の1つであるビデオプロセッサを構成するカメラコントロールユニット(以下、CCUと略記する)7と、このCCU7とケーブル8を介して接続される体外装置の1つであるモニタ9と、を有して主に構成されている。
【0016】
本実施の形態のカメラ2、および観察方向制御ユニット3は、腹壁102に穿刺された、腹腔101内への導入ポートとなる、ここでは図示しないトラカール(トロッカともいう)を介して、患者の体内の体腔である腹腔101内へ導入される(例えば、図3参照)。そして、腹腔101内に導入されたカメラ2は、腹腔101に穿刺された、ここでは図示しない穿刺針などにより複合ケーブル4が掛止され、この複合ケーブル4が腹壁102を貫通するように体外に引き出される。また、カメラ2は、観察方向制御ユニット3が腹壁102の体内側の面に当接するまで、引き上げられて、腹腔101内に留置固定される。
【0017】
ここで、本実施の形態のカメラ2の具体的な構成について、図2、および図3を用いて、詳しく説明する。
カメラ2は、外装筐体となる本体部11内に、撮像部となる撮像手段の撮像ユニット15と、この撮像ユニット15の両脇に配設され、制御部12と電気的に接続された、ここではLED光源を有する照明手段の複数の照明部16と、が内蔵されている。
【0018】
撮像ユニット15は、処理基板に実装されたCCD、またはCMOSである固体撮像素子17と、この固体撮像素子17の前方(ここでは下方)となる被写体側(撮影物点側)に配置された対物レンズ群18と、を有している。これら撮像ユニット15、および各照明部16は、複合ケーブル4内に挿通する通信ケーブル10と電気的に接続されている。
【0019】
また、撮像ユニット15は、本体部11に配置された観察窓となるカバーガラス11aを介して、体内の被検部位を撮影する。このカバーガラス11aは、本体部11の、上部中央から延出している通信ケーブル10と反対側の位置、すなわち本体部11の下部中央に配設されている。
【0020】
次に、本実施の形態の観察方向制御機構(観察方向制御手段)となる観察方向制御ユニット3の具体的な構成について、図2から図4を用いて、詳しく説明する。
図2、および図3に示すように、本実施の形態の観察方向制御ユニット3は、ここでは略矩形状の2つのブロック体と、これらブロック体の間に略球体状の部材が介装されている。
【0021】
詳述すると、観察方向制御ユニット3は、ここでの下方(紙面に向かって見た下方)に位置するカメラ2側の一方のブロック体となるカメラ固定部21と、複合ケーブル4の一端が、ここでの上面(紙面に向かって見た上方)に接続された他方のブロック体となる腹壁固定部22と、各固定部21,22を所定の距離離間させた状態となるように各固定部21,22の間に介装された回動部23と、を主に有して構成されている。
【0022】
カメラ固定部21は、例えば、金属の硬質材から形成され、カメラ2側となる、ここでの下面にカメラ2の本体部11の外形に略一致するように形成された円弧面21aと、回動部23側となる、ここでの上面に回動部23の外表面の球面に略一致するように形成された球冠状の球面凹部21bと、略中央位置の上下方向にカメラ2から延出した通信ケーブル10が挿通配置される孔部21cと、を有している。
【0023】
また、カメラ固定部21の上面には、複合ケーブル4内に挿通する4本の操作ワイヤ26〜29の端部が接続固定されている。これら4本の操作ワイヤ26〜29のそれぞれの端部は、球面凹部21bよりも縁辺側に離れた位置であって、カメラ固定部21の中心回り略等間隔の位置、つまりカメラ固定部21の中心回りに互いが約45°にずれた位置に接続固定されている。
【0024】
なお、カメラ固定部21は、円弧面21aがカメラ2の本体部11の上部中央の外表面部分に面接触して当接して係合して、カメラ2を所定の方向で保持している。
【0025】
腹壁固定部22も、例えば、金属の硬質材から形成されており、回動部23側となる、ここでは下面に回動部23の外表面の球面に略一致するように形成された球冠状の球面凹部22aと、複合ケーブル4に連通する孔部22bと、が形成されている。腹壁固定部22の孔部22bは、腹壁固定部22の略中央位置で上下方向に貫通するように形成され、カメラ2から延出した通信ケーブル10が挿通配置されている。この孔部22bは、上方側の中途部から中心回りに略等間隔の4方向(中心回りの約45°にずれた方向)に分岐して、操作ワイヤ26〜29がそれぞれ挿通する4つのワイヤ挿通路に連通している。
【0026】
これら分岐された4つのワイヤ挿通路は、図4に示すように、球面凹部22aよりも縁辺側に離れた位置であって、腹壁固定部22の中心回り略等間隔の位置(中心回りに互いが約45°にずれた位置)で開口し、図3に示すように、それぞれが孔部22bに連通するよう水平方向へ延びて、腹壁固定部22内部で下方へ延びるL字状に形成されている。また、腹壁固定部22内の4つのワイヤ挿通路の各角部と孔部22b側の各開口部分には、ワイヤ挿通路内の各操作ワイヤ26〜29の摺動抵抗を軽減するプーリ24,25が設けられている。
【0027】
回動部23も、例えば、金属の硬質材から形成されており、その中央に、通信ケーブル10が挿通配置されるワイヤ挿通孔部23aが形成されている。このワイヤ挿通孔部23aは、ここでは上方となる腹壁固定部22側から、ここでは下方となるカメラ固定部21側に向けた中途部まで先細りの円錐形状に形成されている。
【0028】
なお、カメラ固定部21と腹壁固定部22は、互いに対向する面、つまり、カメラ固定部21の上面と腹壁固定部22の下面とが平行な状態のとき、所定のクリアランスLを有して離間している(図3参照)。このとき、カメラ固定部21は、各操作ワイヤ26〜29による牽引弛緩操作がされていない、初期状態(ニュートラル状態)である。
【0029】
つまり、観察方向制御ユニット3は、腹壁固定部22の上面が腹壁102に面接触するように当接した状態のとき(図3参照)、カメラ固定部21に対して腹壁固定部22を回動部23の中心を支点として傾けることができる。
【0030】
このような構成とした観察方向制御ユニット3は、腹腔101内の腹壁102に留置固定した状態において、カメラ固定部21を腹壁固定部22に当接する範囲で回動部23の中心を支点として回動自在な構成となっている。このカメラ固定部21の腹壁固定部22に対する回動操作は、上述の4つの操作ワイヤ26〜29の牽引弛緩によって行われる。
【0031】
これにより、腹腔101内の腹壁102に留置固定した状態において、カメラ固定部21の円弧面21aにカメラ2の本体部11の上部中央の外表面部分が係合保持されているため、4つの操作ワイヤ26〜29の牽引弛緩操作により傾き操作がされるカメラ固定部21と共に、カメラ2も連動して、その姿勢が傾く。そのため、カメラ2の撮像ユニット15に入射される撮影光の観察方向(撮影光軸Oの傾き)が変更される。すなわち、体外側からの4つの操作ワイヤ26〜29の牽引弛緩操作により、体内に留置固定されたカメラ2の撮影方向が変更される。
【0032】
次に、本実施の形態の複合ケーブル4の具体的な構成について、図5から図8を用いて、詳しく説明する。
複合ケーブル4の先端部分には、図5に示すように、カメラ2からの延出端に防滴用のカバーキャップ30が設けられている。このカバーキャップ30の端部には、上述したように、腹壁102を貫通するように複合ケーブル4を体外に引き出すため、腹腔101に穿刺された、穿刺針など(不図示)を掛止するループ状(図2参照)の掛止ワイヤ31が配設されている。
【0033】
複合ケーブル4は、外皮となる軟性チューブ内に、上述したように、通信ケーブル10と、4本の操作ワイヤ26〜29が挿通配置されている。そして、複合ケーブル4の先端部分には、金属などの硬質な略円筒状の口金32が配設されている。
口金32は、図5〜図7に示すように、長手方向に沿って、キー溝33が形成され、中途部に、通信ケーブル10が接続される複数の電気接点が合成樹脂などによって絶縁されている電気接点部34と、この電気接点部34よりも後方側の外周長手方向回りに、断面半円状の周溝である係止凹部35と、を有している。また、口金32の先端には、各操作ワイヤ26〜29のそれぞれの端部に接続された三角ブロック状(コーンブロック状)の4つの保持体26a〜29aが配設されている。
【0034】
なお、4本の操作ワイヤ26〜29は、図5に示すような、保持体26a〜29aが口金32の端面位置にある状態において、複合ケーブル4内において、張力が掛けられていない状態となっており、所定の遊びを有して挿通配置されている。つまり、カバーキャップ30が取り外された複合ケーブル4は、図7に示すように、4本の操作ワイヤ26〜29が口金32から保持体26a〜29aが簡単に離れるように、導出する所定の長さを有して挿通は位置されている。
【0035】
また、複合ケーブル4は、図8に示すように、通信ケーブル10、および4つの操作ワイヤ26〜29が個々に挿通される複数、ここでは5つのワイヤ挿通路が形成されたマルチルーメンチューブにすることで、通信ケーブル10、および4つの操作ワイヤ26〜29が絡むことを防止することができる。
【0036】
次に、本実施の形態の観察方向操作装置(観察方向操作手段)となる操作ユニット5の具体的な構成について、図9から図13を用いて、詳しく説明する。
図9に示すように、操作ユニット5は、外形円柱状の外装本体部となる筐体41と、この筐体41に対して所定の範囲で上下に進退自在に外挿嵌合している本体位置調整部を構成する脚部42と、を有している。
【0037】
筐体41の上面からは、回動自在に配設された、棒状の操作レバー43が突出している。この操作レバー43は、中途から筐体41の上面部部分まで、外形三角錐形状の軟性カバーブーツ44によって覆われている。
【0038】
脚部42は、硬質な部材から形成され、略円板状の底面部の中心を基準とした点対称位置に、底面部から上方へ延設するように配設された、筐体41の外周部形状に沿った円弧板状の2つの腕部42aを有している。これら2つの腕部42aの内面部には、図10に示すように、水平方向に沿って複数の凸部42bが形成されている。また、脚部42の各腕部42aが接触する筐体41の外面部には、複数の凸部42bが係合する複数の凹部41aが形成されている。
【0039】
つまり、筐体41の複数の凹部41aと2つの腕部42aの複数の凸部42bとが係合することで、筐体41と脚部42との上下方向の相対位置が保持される。
【0040】
操作レバー43は、図11に示すように、下端部が筐体41の上部に形成された球冠状の凹部50に当接して保持されている球体45に接続されている。このように、操作レバー43は、球体45が筐体41の凹部50に当接保持されることで、筐体41に対して回動自在に配設されている。
【0041】
また、球体45の表面部の上方部分からは、4つのワイヤ46〜49が延設されている。これら4つのワイヤ46〜49は、操作レバー43の中心軸回りの略等間隔の4方向(中心軸回りに互いが約45°にずれた4方向)に延出するように、それぞれの一端部が球体45に接続されている。
【0042】
そして、筐体41には、これら4つのワイヤ46〜49のそれぞれが挿通し、凹部50の上部にて開口する4つのワイヤ挿通路51が形成されている。これら4つのワイヤ挿通路51は、それぞれが筐体41の上下方向における中心軸回りの水平方向に延設され、筐体41内で下方に向けて垂直方向に延設形成されている。そして、4つのワイヤ挿通路51は、筐体41の下部において、それぞれが垂直方向から筐体41の中心に向けて水平方向に延設されている。
【0043】
このように、筐体41内の水平垂直方向に連通形成された4つのワイヤ挿通路51のそれぞれには、各ワイヤ46〜49が挿通配置される。そして、筐体41内の各ワイヤ挿通路51が形成された角部には、各ワイヤ挿通路51に挿通する各ワイヤ46〜49の摺動抵抗を軽減するプーリ52が設けられている。
【0044】
各ワイヤ挿通路51に挿通配置された4つのワイヤ46〜49には、筐体41内における垂直方向部分において、歯車が一面に形成された直方体形状のラック54が配設されている。このラック54は、ワイヤ挿通路51に連通し、垂直方向部分に形成された直方体形状の孔部であるガイド孔53に配置され、このガイド孔53によって上下方向の進退がガイドされる。
【0045】
なお、筐体41には、外周部分から露出するように、コイルバネ55aの付勢力により、ラック54の歯車に爪部が噛合して、ラック54の下方への移動を停止させる歯止ブロックを構成する回動操作自在な解除ボタン55が配設されている。つまり、解除ボタン55は、コイルバネ55aの付勢力に抗して押されて回動すると、爪部がラック54の歯車との噛合が解除され、ラック54がガイド孔53内でフリーな状態となる。これらラック54と解除ボタン55によって、ガイド孔53に配設されたラック54の下方への移動を停止する、所謂、ラチェット機構部が構成されている。
【0046】
また、4つのワイヤ46〜49は、筐体41内に挿通配置された下部に位置する端部のそれぞれに、複合ケーブル4の保持体26a〜29aを係止して連結する連結機構となるアンカ機構部を構成するアンカ57が接続されている。これら4つのアンカ57は、各ワイヤ挿通路51に連通する空間部56内に配設されている。
【0047】
また、各ワイヤ46〜49には、アンカ57と一端が当接し、各アンカ57を筐体41の中心側に付勢するバイアスバネ58がそれぞれ外挿されている。なお、各アンカ57は、空間部56を形成する筐体41の壁面(内壁)によって、筐体41の中心方向と外方への進退移動がガイドされている。
【0048】
空間部56を形成している筐体41の内面上部は、中心回りの略等間隔で4方向(中心回りに互いが約45°にずれた4方向)に向けて4つの円弧面が形成されている。これら4つの円弧面は、複合ケーブル4の保持体26a〜29aの端部が当接して、各アンカ57が係止する位置まで移動させる保持体ガイド面56aを構成している。
【0049】
なお、筐体41は、底面中央から空間部56に連通し、複合ケーブル4が挿入されるケーブル配置孔41bが形成されている。このケーブル配置孔41bには、図示しない、突起部が配設されている。この突起部は、複合ケーブル4の口金32に形成されたキー溝33と係合し、複合ケーブル4の軸回り方向の筐体41への挿入位置が位置決めする。また、脚部42の底面中央部にも、複合ケーブル4が挿通する孔部42cが形成されている。
【0050】
筐体41のケーブル配置孔41bには、複合ケーブル4の電気接点部34と電気的に接続される電気コネクタ59と、複合ケーブル4の係止凹部35を係止するボールプランジャ60と、が配設されている。このように、複合ケーブル4は、操作ユニット5に接続された状態において、電気接点部34が電気コネクタ59と電気的接続され、係止凹部35を係止するボールプランジャ60によって、操作ユニット5の筐体41に接続固定される。
【0051】
ところで、複合ケーブル4は、操作ユニット5への接続のとき、一度、ユーザによって筐体41内の内部方向(上方向)へ押し込まれる。つまり、複合ケーブル4の係止凹部35が筐体41のボールプランジャ60を超えて、複合ケーブル4が筐体41内に押し込まれる。
【0052】
このとき、複合ケーブル4の保持体26a〜29aは、各端部が各保持体ガイド面56aに当接してガイドされ、図12に示すように、それぞれが複合ケーブル4の中心回りの略等間隔の4方に向けた外方へ倒れこむ。
【0053】
なお、4つのアンカ57のそれぞれは、図13に示すように、各ワイヤ46〜49が一端に接続される直方体形状のブロック体57aと、このブロック体57aの他端部上面から円弧状に延設される2つのガイドアーム57bと、これらガイドアーム57bによって形成されるスリット57cと、を有している。
【0054】
つまり、保持体26a〜29aは、複合ケーブル4が筐体41内に押し込まれると、筐体41の各保持体ガイド面56aに上端部(先端部)が当接して倒れるようにカイドされると共に、アンカ57の2つのガイドアーム57bに下端部(基端部)が当接して、ブロック体57aの上面に倒れ込む。このとき、保持体26a〜29aに接続された操作ワイヤ26〜29が2つのガイドアーム57bの間のスリット57cに導入される。
【0055】
そして、係止凹部35とボールプランジャ60が係合する位置まで、ユーザによって、複合ケーブル4が筐体41から若干引き出される。すると、各保持体26a〜29aのそれぞれは、操作ワイヤ26〜29が接続されている端部が各アンカ57の2つのガイドアーム57bに当接して、アンカ57に係止される。
【0056】
なお、電気コネクタ59は、CCU7に接続される通信ケーブル6(図1参照)の内部配線と電気的に接続されており、複合ケーブル4が操作ユニット5と接続された状態において、カメラ2とCCU7とが電気的に接続される。
【0057】
以上のように構成された本実施の形態のカメラシステム1は、上述したように、カメラ2、および観察方向制御ユニット3が腹壁102に穿刺されたトラカール(不図示)を介して、患者の体内の体腔である腹腔101内へ導入される。そして、穿刺針など(不図示)により複合ケーブル4の端部に被されたカバーキャップ30の掛止ワイヤ31が掛止されて、複合ケーブル4が腹壁102を貫通するように体外に引き出される。そして、カバーキャップ30が複合ケーブル4から取り外され、口金32が設けられた複合ケーブル4の端部が操作ユニット5に接続される。
【0058】
その後、操作ユニット5は、脚部42の底面部が腹壁102上に載置され、この脚部42に対して筐体41が上方へ引き上げられて複合ケーブル4の張り出しが調節される。つまり、筐体41に接続された複合ケーブル4は、筐体41の上方への移動に伴って牽引される。このとき、筐体41の上方への移動調節は、図14、および図15に示すように、観察方向制御ユニット3が腹壁102の体内側の面に当接するまで、複合ケーブル4が引き上げられて、カメラ2が観察方向制御ユニット3を介して腹腔101内に留置固定される。
【0059】
このように、本実施の形態のカメラシステム1は、観察方向制御ユニット3を介してカメラ2を腹腔101内の腹壁102に留置固定した状態として、体外側の腹壁102上に配置された操作ユニット5の操作レバー43が傾倒操作されることで、カメラ2の観察(観察)方向(撮影光軸O方向)を変更することができるようになる。
【0060】
詳述すると、操作ユニット5は、操作レバー43が傾倒操作されると、球体45が回動し、この回動する球体45に接続されているワイヤ46〜49が牽引弛緩される。これらワイヤ46〜49が牽引されると、操作レバー43の傾倒方向に応じて、操作ユニット5のアンカ57がバイアスバネ47の付勢力に抗して、筐体41の中心から外方へ進退移動する。そして、進退移動したアンカ57に係止されている保持体26a〜29aと共に、操作ワイヤ26〜29のいずれかが牽引される。
【0061】
つまり、操作ユニット5の操作レバー43の傾倒操作に応じて、4つの操作ワイヤ26〜29のいずれかが牽引弛緩され、図14に示すように、観察方向制御ユニット3を介してカメラ2を腹腔101内の腹壁102に留置固定した状態において、カメラ2の本体部11の短手方向の姿勢角度、および図15に示すように、カメラ2の本体部11の長手方向の姿勢角度を観察方向制御ユニット3の回動部23の中心を支点として傾きが変更されることで、カメラ2の撮像ユニット15の観察(視野)方向をユーザの所望の方向へ容易に変更できる構成となっている。
【0062】
また、カメラシステム1は、操作ユニット5の操作レバー43の傾倒操作に応じて、4つの操作ワイヤ26〜29のいずれかが牽引弛緩されるので、操作レバー43の操作に基づいて、観察方向制御ユニット3のカメラ固定部21が傾倒作動する応答が速いため、カメラ2の撮像ユニット15の観察(視野)方向を可変するときの操作応答性能が良いという利点もある。
【0063】
以上に説明したように、本実施の形態のカメラシステム1は、体外側から操作ユニット5の操作レバー43の傾倒操作に基づいて、体内である腹腔101に設置されたカメラ2の観察(視野)方向をユーザの所望の方向へ容易に変更できるので操作性が向上し、かつ、その操作に基づいた観察(視野)変更の応答性能が良い構成とすることができる。
【0064】
なお、操作ユニット5の操作レバー43の傾倒操作によって、牽引されたワイヤ46〜49に設けられたラック54が解除ボタン55の爪部に噛合されるため、ワイヤ46〜49が牽引された移動位置が停止して保持される。これにより、牽引された操作ワイヤ26〜29の移動位置も停止して保持され、可変したカメラ2の撮像ユニット15の観察(視野)方向が維持された状態となる。つまり、ラック54と解除ボタン55により、カメラ2の視野を固定する、ここでの視野固定手段が構成されている。
【0065】
また、ユーザは、解除ボタン55を押すことで、ラック54との噛合が解除され、ワイヤ46〜49がバイアスバネ47の付勢力によって弛緩される。これにより、操作ワイヤ26〜29も弛緩され、ユーザは、カメラ2の撮像ユニット15の観察(視野)方向の維持を解除することができる。
【0066】
なお、カメラシステム1の使用後に、操作ユニット5から複合ケーブル4を抜きとるとき、ユーザは、操作ユニット5の筐体41を脚部42側(下方側)へ移動して、全ての解除ボタン55を押す。このとき、筐体41内の各アンカ57は、バイアスバネ58の付勢力を受けて、筐体41の中心方向の初期位置へ移動する。
【0067】
そして、ユーザは、複合ケーブル4を筐体41の内部方向(上方向)へ、一度挿入することで、保持体26a〜29aが操作ワイヤ26〜29に牽引されて、各アンカ57による係止が解除される。つまり、操作ワイヤ26〜29は、腹腔101内のカメラ2と観察方向制御ユニット3が重力により鉛直落下方向の力を受けているため、牽引されて保持体26a〜29aが保持体ガイド面56aとガイドアーム57bに沿って、複合ケーブル4の口金32側に移動する。これにより、保持体26a〜29aがアンカ57による係止が解除されるため、ユーザは、複合ケーブル4の係止凹部35が筐体41のボールプランジャ60を超える所定の力を加えることで、複合ケーブル4を筐体41から簡単に引き抜くことができる。
【0068】
(第1の変形例)
なお、操作ユニット5は、複合ケーブル4の係止凹部35を係止するボールプランジャ60に変えて、例えば、図16〜図19に示すように、進退操作することで、筐体41に挿入された複合ケーブル4の接続固定と解除を行なえるケーブル係止部材61を備えた構成としても良い。
【0069】
ケーブル係止部材61は、一方に複合ケーブル4の係止凹部35に嵌るように切欠部63aにより凹状形成された係止体63と、この係止体63の側部から延設された解除レバー64と、係止体63の後方に突起してバイアスバネ62を外挿保持する棒状の保持部65と、を有している。
【0070】
ケーブル係止部材61の解除レバー64は、図17に示すように、ユーザが進退操作できるように、筐体41の外周部に形成された長溝41dから突出される。また、脚部42の腕部42aには、筐体41に対する上下方向の進退移動と、解除レバー64の干渉しないように、例えば、矩形状の孔部42dが形成されている。
【0071】
ケーブル係止部材61は、図18、および図19に示すように、解除レバー64の進退操作によって、筐体41に形成されたケーブル配置孔41bに向けて突没するように、筐体41内に進退自在に配設される。
【0072】
そして、ケーブル係止部材61は、バイアスバネ62の付勢力によって、ケーブル配置孔41bに挿入された複合ケーブル4の口金32の係止凹部35に切欠部63a(図16参照)が嵌まることで、筐体41から複合ケーブル4が抜けないように保持する。
【0073】
なお、ユーザは、バイアスバネ62の付勢力に抗して、解除レバー64を操作して、ケーブル係止部材61を進退することで、操作ユニット5の筐体41と複合ケーブル4の接続を解除することができる。
【0074】
さらに、複合ケーブル4と筐体41との接続固定は、係止凹部35を係止するボールプランジャ60、またはケーブル係止部材61としたが、これに限定されることなく、例えば、係止凹部35を単に係止する凸部をケーブル配置孔41bに配設した凹凸固定としても良い。
【0075】
(第2の変形例)
また、図20、および図21に示すように、複合ケーブル4は、口金32の先端から延設された棒状の電気接点部34aとしても良い。さらに、4つの保持体26a〜29aには、電気接点部34の形状に合わせて長溝状の凹部26b〜29bが形成されている。
【0076】
そして、4つの保持体26a〜29aは、複合ケーブル4が操作ユニット5との接続前に口金32の先端部分にそれぞれが隣接して配置される状態のとき、各凹部26b〜29bが電気接点部34と係合するようになっている。なお、操作ユニット5の筐体41は、空間部56の4つの保持体ガイド面56aが交わる部分に、棒状の電気接点部34aが電気的に挿通接続される雌型の電気コネクタ59aが設けられている。
【0077】
(第2の実施の形態)
次に、図22から図25を用いて、本発明の腹腔カメラシステムに係る第2の実施の形態について、以下に説明する。なお、図22から図25は、本発明の第2の実施の形態に係り、図22は複合ケーブルの先端に配設された係止体の構成を示す斜視図、図23は複合ケーブルの先端に配設された係止体の構成を示す断面図、図24は複合ケーブルが接続される前の観察方向変更操作ユニットの構成を部分的に示す断面図、図25は複合ケーブルが接続された後の観察方向変更操作ユニットの構成を部分的に示す断面図である。
また、以下の説明において、上述した第1の実施の形態のカメラシステム1と同一の構成要素について同じ符号を用い、それら構成要素の詳細な説明を省略する。
【0078】
本実施の形態のカメラシステム1は、図22、および図23に示す、カメラ2から延設された複合ケーブル4の口金32の端面部分に配設される4つの保持体71〜74を備え、図24、および図25に示すように、操作ユニット5の筐体41内で各ワイヤ46〜49の牽引弛緩操作によって水平方向(横方向)に進退移動して、各保持体71〜74を連結保持して連結する連結機構であるアンカ機構部75を具備している。
【0079】
詳述すると、本実施の形態の4つの保持体71〜74は、それぞれが円柱状ブロックを中心回りに4等分した形状をしている。これら4つの保持体71〜74には、それぞれの上面中央で開口する係合穴部71a〜74aが形成されている(図23、および図24参照)。そして、各保持体71〜74は、複合ケーブル4内に挿通配置された各操作ワイヤ26〜29が接続されている。
【0080】
本実施の形態の観察方向操作装置(観察方向操作手段)となる操作ユニット5は、上述したように、各保持体71〜74に連結する管状の4つのアンカ機構部75が、筐体41の中心回り略等間隔の4方向(中心回りに互いが約45°にずれた4方向)に延在するように配設され、それぞれが水平方向(横方向)に進退自在に配設されている(図24参照)。
【0081】
これら4つのアンカ機構部75は、管体の一端に配設された略円柱形状の保持体連結部76と、この保持体連結部76の下面から突設された連結ピン77と、管体内の中央に挿通配置され、ワイヤ46〜49が端部に接続された棒体78と、を有している。また、各アンカ機構部75の管体内には、棒体78に外挿するようにバイアスバネ79が配設されている。
【0082】
なお、各アンカ機構部75は、管体部分が、例えば、断面Dカット形状となっている。また、バイアスバネ79は、アンカ機構部75を筐体41の中心方向に付勢している。また、各連結ピン77は、各ワイヤ46〜49によってアンカ機構部75が牽引されていない初期位置において、筐体41に接続される複合ケーブル4の各保持体71〜74の係合穴部71a〜74aに対向配置される。
【0083】
筐体41は、空間部56、およびワイヤ挿通路51に連通し、アンカ機構部75の進退移動をガイドする水平方向(横方向)に形成された4つのガイド孔56bを有している。なお、これら4つのガイド孔56bは、筐体41の中心回り略等間隔の4方向(中心回りに互いが約45°にずれた4方向)に延在するように形成されている。
【0084】
ガイド孔56bは、その断面形状がアンカ機構部75の管体断面に合わせてDカット形状となっており、アンカ機構部75が長手軸回りに回動しないように直進ガイドする。これにより、アンカ機構部75は、保持体連結部76の連結ピン77が常に下方に位置した状態で、ガイド孔56bに沿って進退移動する。
【0085】
本実施の形態の観察方向操作装置(観察方向操作手段)となる操作ユニット5は、操作レバー43(ここでは不図示)の傾倒操作に応じてワイヤ46〜49が牽引弛緩されると、筐体41内の各アンカ機構部75が水平方向(横方向)に進退移動する構成となっている。なお、その他、本実施の形態におけるカメラシステム1の各構成要素は、第1の実施の形態と同じである。
【0086】
以上に説明した本実施の形態のカメラシステム1の構成では、複合ケーブル4が操作ユニット5の筐体41に接続されると同時に、各保持体71〜74がアンカ機構部75に連結される。つまり、複合ケーブル4は、筐体41のケーブル配置孔41bに配設されたボールプランジャ60によって、係止凹部35が係止された位置まで挿入されると同時に、各保持体71〜74の係合穴部71a〜74aにアンカ機構部75の連結ピン77が挿嵌される(図25参照)。
【0087】
換言すると、複合ケーブル4を操作ユニット5の筐体41に接続するとき、一度に(ワンタッチで)各保持体71〜74の係合穴部71a〜74aにアンカ機構部75の連結ピン77が挿嵌し、各保持体71〜74がアンカ機構部75に連結される。
【0088】
そして、操作ユニット5の操作レバー43が傾倒操作されると、この操作レバー43の傾倒方向に応じて各アンカ機構部75が水平方向(横方向)に進退移動する。そのため、各アンカ機構部75に連結された、それぞれの保持体71〜74も筐体41の空間部56内で水平方向(横方向)に進退移動する。こうして、各保持体71〜74に接続された、それぞれの操作ワイヤ26〜29が牽引弛緩されて、カメラ2の撮像ユニット15の観察(視野)方向が変更される。
【0089】
このように構成された本実施の形態のカメラシステム1は、勿論、第1の実施の形態と同じ効果を奏し、体外側から操作ユニット5の操作レバー43の傾倒操作に基づいて、体内である腹腔101に設置されたカメラ2の観察(視野)方向をユーザの所望の方向へ容易に変更できるので操作性が向上し、かつ、その操作に基づいた観察(視野)変更の応答性能が良い構成とすることができる。
【0090】
(第3の実施の形態)
次に、図26から図33を用いて、本発明の腹腔カメラシステムに係る第3の実施の形態について、以下に説明する。なお、図26から図33は、本発明の第3の実施の形態に係り、図26は複合ケーブルの先端に配設された係止体の構成を示す斜視図、図27は複合ケーブルの先端に配設された口金端面に電気接点部を設けた一例構成を示す斜視図、図28は観察方向変更操作ユニット内のアンカ機構部と解除操作部材を示す平面図、図29はアンカ機構部の構成を示す分解斜視図、図30は係止体を保持するアンカ機構部を説明するための斜視図、図31は係止体を保持したアンカ機構部の状態を説明するための斜視図、図32は係止体を保持した状態のアンカ機構部と解除操作部材を示す平面図、図33は解除操作部材によってアンカ機構部による係止体の保持を解除する状態を説明するための図である。
また、以下の説明においても、上述した第1の実施の形態のカメラシステム1と同一の構成要素について同じ符号を用い、それら構成要素の詳細な説明を省略する。
【0091】
本実施の形態のカメラシステム1は、図26、および図27に示す、カメラ2から延設された複合ケーブル4の口金32の端面部分に配設される略三角錐形状の4つの保持体81〜84を備え、図28、および図29に示すように、操作ユニット5の筐体41内で各ワイヤ46〜49の牽引弛緩操作によって上下方向に進退移動し、各保持体81〜84を掛止して連結する連結機構であるアンカ機構部85を具備している。
【0092】
詳述すると、本実施の形態の4つの保持体81〜84は、それぞれが略三角錐形状(コーン形状)をしており、複合ケーブル4の端部に配設される口金32の中心回りに4等分した位置に、口金32の端面に当接して配設されている。これら4つの保持体81〜84の底面部中央には、複合ケーブル4内に挿通配置された各操作ワイヤ26〜29が接続されている。なお、各保持体81〜84の底面部は、半球形状などとしたテーパが形成されている。
【0093】
また、複合ケーブル4の端部に配設される口金32は、ここでは、端面で開口し、各操作ワイヤ26〜29が挿通する4つの孔部32aが形成されている。この孔部32aは、4つの保持体81〜84の底面部よりも小さい径を有しており、4つの保持体81〜84が口金32の端面に当接して保持されるようになっている。なお、ここでの口金32の端面中央部には、図27に示すように、筐体41内の電気コネクタに接続される電気接点部34bを配置しても良い。
【0094】
本実施の形態の観察方向操作装置(観察方向操作手段)となる操作ユニット5は、図28に示すように、各保持体81〜84を掛止して保持する4つのアンカ機構部85が、筐体41の中心回り略等間隔の4方向(中心回りに互いが約45°にずれた4方向)に延在し、それぞれが上下方向(垂直方向)に筐体41内部で直進ガイドされた状態で進退自在に配設されている。
【0095】
また、筐体41内には、4つのアンカ機構部85による各保持体81〜84を掛止して保持する状態を解除する解除操作部材90が回動自在に配設されている。この解除操作部材90は、筐体41の側周面から端部が突起する解除レバー91と、L字状の4つのアーム92と、解除レバー91、および4つのアーム92を筐体41の中央部で軸支する軸体93と、を備えている。
【0096】
4つのアーム92は、軸体93の中心回り略等間隔の4方向(中心回りに互いが約45°にずれた4方向)に延設するように配設されている。そして、各アーム92の端部には、斜面を有する突起部92aが配設されている。なお、L字状の各アーム92は、軸体93回り、同一方向側へ突起部92aが延設されるように、軸体93に配設されている。
【0097】
アンカ機構部85は、図29に示すように、各ワイヤ46〜49が接続されるベース体86と、このベース体86上で進退移動するアンカ部材87と、このアンカ部材87を付勢するバイアスバネ88と、を有している。
【0098】
ベース体86は、上面部に各ワイヤ46〜49が接続されている箱形状部を有し、この箱形状の底面部が板状に延設しているアンカ保持体86aを備えている。ベース体86は、アンカ保持体86aの底面が延設する板状部分に孔部86bが形成され、この板状部分の両側部に上方へ延設されたアンカ部材87を直進ガイドする縁部86cが設けられている。なお、各アンカ機構部85は、各孔部86bが筐体41に接続される複合ケーブル4の各保持体81〜84に対向するように筐体41内に配置される。
【0099】
アンカ部材87は、板体の一端上に突起して、他端側へ斜面87bが臨む三角柱形状の凸部87aと、他端側から中央側に向けて形成された凹状の切欠部87cと、を有している。なお、アンカ部材87は、凸部87aの斜面87bと反対側の端面にバイアスバネ88が接続されている。
【0100】
このアンカ部材87は、アンカ保持体86aの板状部分の上面で縁部86cに沿って進退自在に配置される。また、バイアスバネ88は、アンカ部材87をアンカ保持体86aの板状部材に形成された孔部86b側となる他端方向へ付勢するように、アンカ保持体86aの箱形状内で接続される。
【0101】
本実施の形態の観察方向操作装置(観察方向操作手段)となる操作ユニット5では、操作レバー43(ここでは不図示)の傾倒操作に応じてワイヤ46〜49が牽引弛緩されると、筐体41内の各アンカ機構部85が垂直方向(上下方向)に進退移動する構成となっている。なお、その他、本実施の形態におけるカメラシステム1の各構成要素は、第1の実施の形態と同じである。
【0102】
以上に説明した本実施の形態のカメラシステム1の構成では、図30に示すように、複合ケーブル4が操作ユニット5の筐体41に挿入されて接続されるとき、各保持体81〜84が各アンカ保持体86aの孔部86bに挿入される。このとき、各保持体81〜84は、アンカ部材87の端部に接触する。すると、アンカ部材87は、バイアスバネ88の付勢力に抗して、バイアスバネ88の付勢方向とは逆方向となる箱形状部側に押し込まれる。
【0103】
そして、複合ケーブル4が筐体41のケーブル配置孔41bに配設されたボールプランジャ60によって、係止凹部35が係止された位置まで挿入されると同時に、各保持体81〜84が各アンカ保持体86aの孔部86bに貫通した状態となり、アンカ部材87がバイアスバネ88の付勢力によって、孔部86b側へ移動する。
【0104】
このとき、各保持体81〜84に接続されている各操作ワイヤ26〜29が各アンカ部材87の切欠部87cに入り込み、各保持体81〜84の底面部が各アンカ部材87に当接して、ベース体86の孔部86bから抜け落ちないように保持される(図31参照)。
【0105】
つまり、複合ケーブル4を操作ユニット5の筐体41に接続するとき、一度に(ワンタッチで)各保持体81〜84が各アンカ部材87に保持されて、図32に示すように、各保持体81〜84が各アンカ機構部85に連結される。
【0106】
そして、操作ユニット5の操作レバー43が傾倒操作されると、この操作レバー43の傾倒方向に応じて各アンカ機構部85が垂直方向(上下方向)に進退移動する。そのため、各アンカ機構部85に連結された、それぞれの保持体81〜84も筐体41内で垂直方向(上下方向)に進退移動する。こうして、各保持体81〜84に接続された、それぞれの操作ワイヤ26〜29が牽引弛緩されて、カメラ2の撮像ユニット15の観察(視野)方向が変更される。
【0107】
このように構成された本実施の形態のカメラシステム1も、勿論、第1の実施の形態と同じ効果を奏し、体外側から操作ユニット5の操作レバー43の傾倒操作に基づいて、体内である腹腔101に設置されたカメラ2の観察(視野)方向をユーザの所望の方向へ容易に変更できるので操作性が向上し、かつ、その操作に基づいた観察(視野)変更の応答性能が良い構成とすることができる。
【0108】
なお、複合ケーブル4を操作ユニット5から取り外すとき、各アンカ機構部85から各保持体81〜84を解除するため、ユーザは、解除操作部材90を解除レバー91によって軸体93回りに回動操作する。すると、各アーム92も軸体93回りに回動して、各アンカ機構部85に向けて移動する。
【0109】
そして、各アーム92の突起部92aは、それぞれのアンカ機構部85のアンカ部材87に形成された凸部87aに当接する。このとき、凸部87aの斜面87bに突起部92aの斜面に接触して、バイアスバネ88の付勢力に抗して、アンカ部材87をバイアスバネ88の付勢方向とは逆方向となる箱形状部側に押し込む(図33参照)。
【0110】
すると、各アンカ部材87に底面部が当接されていた、それぞれの保持体81〜84は、各アンカ部材87の移動によって、当接保持が解除される。こうして、各ベース体86の孔部86bに貫挿した、それぞれの保持体81〜84が孔部86bを通過できる状態となり、各アンカ機構部85から各保持体81〜84を抜き取ることができる。
【0111】
したがって、複合ケーブル4を操作ユニット5から取り外すことができる状態となる。なお、解除操作部材90の軸体93に回動付勢バネを設けて、この回動付勢バネによって、各アーム92の突起部92aがアンカ機構部85から離間する回動方向へ付勢するようにしても良い。
【0112】
(第4の実施の形態)
次に、図34から図42を用いて、本発明の腹腔カメラシステムに係る第4の実施の形態について、以下に説明する。なお、図34から図42は、本発明の第4の実施の形態に係り、図34は複合ケーブルの先端に配設された係止体の構成を示す斜視図、図35は複合ケーブルの先端に配設された係止体の構成を示す断面図、図36は係止体を保持するアンカ機構部を説明するための断面図、図37は第1の変形例の係止体を保持するアンカ機構部を説明するための断面図、図38は第2の変形例の係止体を保持するアンカ機構部を説明するための断面図、図39は第3の変形例に係り、観察方向制御ユニットの構成を示す斜視図、図40は観察方向制御ユニットのレバー保持部の構成を示す部分断面図、図41は第4の変形例に係り、観察方向制御ユニットの構成を示す斜視図、図42はアンカ機構部を保持するストッパ構成を説明するための断面図である。
また、以下の説明においても、上述した第1の実施の形態のカメラシステム1と同一の構成要素について同じ符号を用い、それら構成要素の詳細な説明を省略する。
【0113】
本実施の形態のカメラシステム1は、図34、および図35に示す、カメラ2から延設された複合ケーブル4の口金32の端面部分で突没する板状の接続部となる4つの保持体111〜114を備え、図36に示すように、操作ユニット5の筐体41内で各ワイヤ46〜49の牽引弛緩操作によって上下方向に進退移動し、各保持体111〜114を掛止して連結する連結機構であるアンカ機構部120を具備している。
【0114】
詳述すると、本実施の形態の4つの保持体111〜114は、それぞれが細長い板状であって、複合ケーブル4の端部に配設される口金32の中心回りに4等分した位置に、口金32の端面にて突没自在に配設されている。これら4つの保持体111〜114は、中途部において、複合ケーブル4内に挿通配置された各操作ワイヤ26〜29が接続されている。
【0115】
4つの保持体111〜114は、口金32の外径方向の側部において、ここでの上部側となる先端側の中途部分を切り欠いて形成された凹部111a〜114aを有している。
【0116】
これら4つの保持体111〜114は、口金32内に形成されたガイド孔115によって、垂直方向(上下方向)への進退移動が直進ガイドされる。なお、4つの保持体111〜114は、中途部に段部111b〜114bが形成され、ここでの下部となる基端部に外向する突起部111c〜114cが形成されている。
【0117】
各保持体111〜114は、段部111b〜114bがガイド孔115の壁面に接触して直進ガイドされ、突起部111c〜114cが口金32におけるガイド孔115が下部で開口する周辺部に当接することで上方への移動が規制される。なお、各保持体111〜114は、電気接点部34内における絶縁部材の上面端部がストッパとなって、突起部111c〜114cが形成される基端面に当接することで、下方への移動が規制される。
また、各保持体111〜114は、口金32の外径方向の上端角部が切り取られて形成された斜面部111d〜114dを有している。
【0118】
本実施の形態の観察方向操作装置(観察方向操作手段)となる操作ユニット5には、各保持体111〜114を掛止して保持する4つのアンカ機構部120が、筐体41の中心回り略等間隔の外径方向(中心回りに互いが約45°にずれた外径方向)に配設され、それぞれが上下方向(垂直方向)に筐体41内部で直進ガイドされた状態で進退自在に配設されている(図36参照)。
【0119】
4つのアンカ機構部120のそれぞれは、筐体41内に挿通配置された各ワイヤ46-49に接続され、筐体41に形成されたガイド孔132によって上下方向への移動が直進ガイドされる。
【0120】
また、各アンカ機構部120は、下部側に各保持体111〜114が挿入されて保持されるアンカ部120aを有し、このアンカ部120aの側部からピン支持部120bが筐体41の外径側に向かって水平方向へ延設されている。なお、各アンカ機構部120は、筐体41に接続される複合ケーブル4の各保持体111〜114に対向するように筐体41内に配置される。
【0121】
ピン支持部120bには、ロック/解除ピン121が貫挿され、このロック/解除ピン121をアンカ部120a側に付勢するバイアスバネ123が内部に配設されている。ロック/解除ピン121は、ピン支持部120b内にバイアスバネ123に当接する外向フランジ121aを有し、アンカ部120a側の一端部に斜めに切り取られた斜面部121bが形成されている。このロック/解除ピン121は、筐体41の側部から延設された他端部にツマミ122が配設されている。
【0122】
なお、筐体41は、ガイド孔132に連通し、アンカ機構部120、およびロック/解除ピン121が上下に進退移動できるように、空間形成されたスライド溝131を有している。また、アンカ機構部120は、アンカ部120aが外方へ向けて段部形成されており、このアンカ部120aの段部上面が筐体41におけるスライド溝131を形成するガイド孔132の周囲の面に当接することで、上方への移動が規制される。さらに、アンカ機構部120は、アンカ部120aの下面が筐体41におけるスライド溝131を形成する下部内面に当接して、下方への移動が規制される。
【0123】
以上に説明した本実施の形態のカメラシステム1の構成では、複合ケーブル4が操作ユニット5の筐体41に挿入されて接続されるとき、各保持体111〜114が各アンカ機構部120のアンカ部120aに下方から上方へ向けて挿入される。このとき、各保持体111〜114は、上端部がアンカ部120a内で突出するロック/解除ピン121に接触する。
【0124】
すると、各保持体111〜114の斜面部111d〜114dがロック/解除ピン121の斜面部121bに接触して、ロック/解除ピン121がバイアスバネ123の付勢力に抗して、バイアスバネ123の付勢方向とは逆方向となる筐体41の外径側に水平移動して押し込まれる。
【0125】
さらに、各保持体111〜114がアンカ部120a内に挿入されると、ロック/解除ピン121の端部がバイアスバネ123の付勢によって各保持体111〜114の側部に沿って接触された状態となる。そして、複合ケーブル4が筐体41のケーブル配置孔41bに配設されたボールプランジャ60(ここでは不図示)によって、係止凹部35が係止された位置まで挿入されると同時に、各保持体111〜114の凹部111a〜114aにロック/解除ピン121の端部が嵌まり込み係合する。
【0126】
こうして、各保持体111〜114は、各アンカ機構部120に接続保持される。つまり、複合ケーブル4を操作ユニット5の筐体41に接続するとき、一度に(ワンタッチで)各保持体111〜114が各アンカ部120a内で保持されて、各保持体111〜114が各アンカ機構部120に連結される。
【0127】
そして、操作ユニット5の操作レバー43が傾倒操作されると、この操作レバー43の傾倒方向に応じて各アンカ機構部120が垂直方向(上下方向)に進退移動する。そのため、各アンカ機構部120に連結された、それぞれの保持体111〜114も筐体41内で垂直方向(上下方向)に進退移動する。こうして、各保持体111〜114に接続された、それぞれの操作ワイヤ26〜29が牽引弛緩されて、カメラ2の撮像ユニット15の観察(視野)方向が変更される。
【0128】
このように構成された本実施の形態のカメラシステム1も、勿論、第1の実施の形態と同じ効果を奏し、体外側から操作ユニット5の操作レバー43の傾倒操作に基づいて、体内である腹腔101に設置されたカメラ2の観察(視野)方向をユーザの所望の方向へ容易に変更できるので操作性が向上し、かつ、その操作に基づいた観察(視野)変更の応答性能が良い構成とすることができる。
【0129】
なお、複合ケーブル4を操作ユニット5から取り外すとき、各アンカ機構部120から各保持体111〜114を解除するため、ユーザは、ロック/解除ピン121を手前、つまり、筐体41の外方へ引っ張る。すると、ロック/解除ピン121は、バイアスバネ123の付勢力に抗して、筐体41の外径側に水平移動して、各保持体111〜114の凹部111a〜114aとの係合保持が解除される。そのため、各保持体111〜114は、各アンカ部120aから抜き取ることができる。こうして、複合ケーブル4を操作ユニット5から取り外すことができる状態となる。
【0130】
なお、アンカ機構部120は、ロック/解除ピン121を用いた構成に限定されることなく、例えば、図37、または図38に示すような構成としても良い。
【0131】
(第1の変形例)
具体的には、図37に示すように、アンカ部120a内に、各保持体111〜114の各凹部111a〜114aを係合保持する板バネ124を設けても良い。
【0132】
この板バネ124は、ビス125によってアンカ部120a内に固定され、一端部に設けられた円弧状の嵌入部124aを有している。この嵌入部124aが各保持体111〜114の各凹部111a〜114aに嵌まり込むことで、各保持体111〜114が各アンカ部120a内で保持される。
【0133】
このような構成では、複合ケーブル4が操作ユニット5の筐体41に挿入されて接続されるとき、各保持体111〜114の斜面部111d〜114dが板バネ124の嵌入部124aに接触して、嵌入部124aが板バネ124の付勢力に抗して、各保持体111〜114の側面に乗り上げるように接触して、その後、各凹部111a〜114aに嵌まり込んで係合する。こうして、各保持体111〜114が各アンカ機構部120に連結される。
【0134】
また、複合ケーブル4を操作ユニット5から取り外すとき、ユーザは、所定の力で複合ケーブル4を引っ張ることで、各凹部111a〜114aに係合する板バネ124の嵌入部124aが外れて、各保持体111〜114と各アンカ機構部120との連結が解除される。
【0135】
(第2の変形例)
また、図38に示すように、アンカ部120a内に、各保持体111〜114の各凹部111a〜114aを係合保持する回動自在なL字状の係止体126を配設しても良い。
【0136】
この係止体126は、回動軸127に軸支され、ねじりコイルバネ126aによって、回動軸127回りの一方に付勢されている。また、係止体126は、各保持体111〜114に近接する端部に斜面部126bが形成されている。なお、ここでの、解除/解除ピン121は、筐体41の外方側にバイアスバネ123によって付勢されている。
【0137】
このような構成では、複合ケーブル4が操作ユニット5の筐体41に挿入されて接続されるとき、各保持体111〜114の斜面部111d〜114dが係止体126の斜面部126bに接触して、ねじりコイルバネ126aの付勢力に抗して、係止体126が回動軸127回り一方向に回動される。そのため、係止体126は、各保持体111〜114の側面に一端部が乗り上げるように接触して、その後、その一端部が各凹部111a〜114aに嵌まり込んで係合する。こうして、各保持体111〜114が各アンカ機構部120に連結される。
【0138】
また、複合ケーブル4を操作ユニット5から取り外すとき、ユーザは、ロック/解除ピン121を筐体41側に押し込むことで、ロック/解除ピン121の端部が係止体126に当接して、係止体126が回動軸127回り他方向に回動される。すると、係止体126と各凹部111a〜114aとの係合が外れて、各保持体111〜114と各アンカ機構部120との連結が解除される。
【0139】
なお、上述した各実施の形態の観察方向操作装置(観察方向操作手段)となる操作ユニット5は、傾倒操作によってカメラ2の視野方向を変更する操作レバー43の構成に限定されることなく、例えば、図39から図41に示すような構成としても良い。
【0140】
(第3の変形例)
具体的には、図39に示す、ここでの操作ユニット5は、4つのスライドレバー143a〜143dが中心回り略等間隔の4方向(中心回りに互いが約45°にずれた4方向)にスライド自在に配設された十字状の板体142が筐体41の上部に連設されている。
【0141】
各スライドレバー143a〜143dは、外向フランジ145aを備えた軸145を有している。板体142の4方に延設された部位には、各スライドレバー143a〜143dの軸145、および外向フランジ145aを収容し、所定の摩擦抵抗を有して各スライドレバー143a〜143dを保持するボックス状のレバー保持部144が配設されている。このレバー保持部144は、各スライドレバー143a〜143dの軸145を直進ガイドする長溝146が上面中央の長手方向に形成されている。なお、各スライドレバー143a〜143dの軸145には、ワイヤ挿通路51に挿通配置された各ワイヤ46〜49が接続されている。
【0142】
このような操作ユニット5では、各スライドレバー143a〜143dがスライド操作されることで、各ワイヤ46〜49が牽引弛緩され、カメラ2の撮像ユニット15の観察(視野)方向をユーザの所望の方向へ容易に変更できる構成となっている。
【0143】
なお、各スライドレバー143a〜143dは、レバー保持部144に所定の摩擦抵抗を有して配設されているため、各ワイヤ46〜49の牽引弛緩量を保持するように、スライド移動した位置で停止し、カメラ2の撮像ユニット15の観察(視野)方向の位置が維持されるようになっている。つまり、カメラ2の視野を固定する、ここでの視野固定手段が構成されている。また、レバー保持部144には、各スライドレバー143a〜143dによる各ワイヤ46〜49の牽引弛緩量を保持して制動するブレーキ機構を設けても良い。
【0144】
また、板体142は、4つの延出部分に、カメラ2を傾ける方向を示す指標部を設けても良い。したがって、ユーザは、指標部に応じて、各スライドレバー143a〜143dを操作することで、所望の方向へカメラ2の撮像ユニット15の観察(視野)方向を変更することができる。
【0145】
(第4の変形例)
また、図41に示す、ここでの操作ユニット5は、略円柱状の筐体41の長手軸(上下方向に沿った軸)に沿って上下にスライド自在に移動する4つのスライドレバー146a〜146dが中心回り略等間隔の4方向(中心回りに互いが約45°にずれた4方向)に配設されている。
【0146】
各スライドレバー146a〜146dは、図42に示すように、アンカ機構部120の上部に一体的に接続され、筐体41の外径方向にL字状に折れ曲がって演設するシャフト128に接続されている。このシャフト128は、筐体41に形成されたガイド溝147によって、上下方向のスライドが直進ガイドされる。つまり、ここでの操作ユニット5は、筐体41内に、アンカ機構部120に接続される各ワイヤ46〜49が配設されていない構成となっている。
【0147】
このような操作ユニット5では、各スライドレバー146a〜146dが上下方向にスライド操作されることで、これに応じて、アンカ機構部120が上下に移動し、カメラ2の撮像ユニット15の観察(視野)方向をユーザの所望の方向へ容易に変更できる構成となっている。
【0148】
また、アンカ機構部120は、上端側部に突起128aが形成されている。この突起128aは、ガイド溝147の筐体41の内径側の壁部に配設されたストッパ129の複数の突起129aに引っ掛かる。そのため、アンカ機構部120は、各スライドレバー146a〜146dにより上下方向に移動された位置で停止する。これにより、カメラ2の傾きが任意の場所で保持される。つまり、カメラ2の視野を固定する、ここでの視野固定手段が構成されている。
【0149】
(第5の実施の形態)
次に、図43から図45を用いて、本発明の腹腔カメラシステムに係る第5の実施の形態について、以下に説明する。なお、図43から図45は、本発明の第5の実施の形態に係り、図43は複合ケーブルに配設される係止体の構成を示す斜視図、図44は係止体を保持するアンカ機構部の構成を示す断面図、図45はアンカ機構部が係止体を保持して移動する状態を示す断面図である。
また、以下の説明においても、上述した第1の実施の形態のカメラシステム1と同一の構成要素について同じ符号を用い、それら構成要素の詳細な説明を省略する。
【0150】
本実施の形態のカメラシステム1は、図43に示す、カメラ2から延設された複合ケーブル4の口金32に4つの保持体151〜154を備え、図44に示すように、操作ユニット5の筐体41内で各ワイヤ46〜49の牽引弛緩操作によって水平方向(横方向)に進退移動し、各保持体151〜154を磁力で把持するアンカ機構部150を具備している。
【0151】
詳述すると、本実施の形態の4つの保持体151〜154は、複合ケーブル4の端部に配設される口金32の中心回り4方向(中心回りに互いが約45°にずれた4方向)に配設されている。これら4つの保持体151〜154のそれぞれは、複合ケーブル4内に挿通配置されている各操作ワイヤ26〜29に接続されている。
【0152】
各保持体151〜154は、口金32に形成された各孔部151a〜154aに着脱自在に係合配置される。つまり、口金32は、4つの保持体151〜154が各孔部151a〜154aに係合している状態では、各孔部151a〜154aが塞がれて略円柱状となる。なお、口金32の上端面中央部には、操作ユニット5の筐体41内に配設された電気コネクタ159(図44参照)に接続される電気接点部34bが配置されている。
【0153】
本実施の形態の観察方向操作装置(観察方向操作手段)となる操作ユニット5は、図44に示すように、金属片などの磁性体である各保持体151〜154を磁力により吸着して保持する4つのアンカ機構部150が、筐体41の中心回り略等間隔の4方向(中心回りに互いが約45°にずれた4方向)に延在し、それぞれが水平方向(横方向)に筐体41内部で直進ガイドされた状態で進退自在に配設されている。
【0154】
各アンカ機構部150は、各ワイヤ46〜49が接続された軸部材155と、この軸部材155の一端に配設され、各保持体151〜154を磁力で吸着保持する磁石156と、軸部材155に外挿して、磁石156を筐体41の中央に付勢するバイアスバネ157と、を有して構成されている。なお、軸部材155は、筐体41に形成されたガイド孔158によって、水平方向(横方向)の移動が直進ガイドされている。また、磁石156は、永久磁石でも、電磁石でも良い。
【0155】
本実施の形態の観察方向操作装置(観察方向操作手段)となる操作ユニット5では、操作レバー43(ここでは不図示)の傾倒操作に応じてワイヤ46〜49が牽引弛緩されると、筐体41内の各アンカ機構部150が水平方向(横方向)に進退移動する構成となっている。なお、その他、本実施の形態におけるカメラシステム1の各構成要素は、第1の実施の形態と同じである。
【0156】
以上に説明した本実施の形態のカメラシステム1の構成では、筐体41のケーブル配置孔41bに配設されたボールプランジャ60によって、口金32の係止凹部35が係止される位置まで、複合ケーブル4が操作ユニット5の筐体41に挿入されると、各保持体151〜154が各アンカ機構部150の磁石156に吸着される。
【0157】
そして、操作ユニット5は、操作レバー43(ここでは不図示)の傾倒操作に応じてワイヤ46〜49が牽引弛緩され、各アンカ機構部150の磁石156が吸着している各保持体151〜154と共に、バイアスバネ157の付勢力に抗して、筐体41の中心から外方へ進退移動する(図45参照)。
【0158】
そのため、各アンカ機構部150に吸着保持された、それぞれの保持体151〜154も筐体41内で水平方向(横方向)に進退移動する。こうして、各保持体151〜154に接続された、それぞれの操作ワイヤ26〜29が牽引弛緩されて、カメラ2の撮像ユニット15の観察(視野)方向が変更される。
【0159】
このように構成された本実施の形態のカメラシステム1も、勿論、第1の実施の形態と同じ効果を奏し、体外側から操作ユニット5の操作レバー43の傾倒操作に基づいて、体内である腹腔101に設置されたカメラ2の観察(視野)方向をユーザの所望の方向へ容易に変更できるので操作性が向上し、かつ、その操作に基づいた観察(視野)変更の応答性能が良い構成とすることができる。
【0160】
(第6の実施の形態)
次に、図46から図50を用いて、本発明の腹腔カメラシステムに係る第6の実施の形態について、以下に説明する。なお、図46から図50は、本発明の第6の実施の形態に係り、図46は複合ケーブルが接続される観察方向変更操作ユニットの構成を示す斜視図、図47は複合ケーブルに配設される係止体の構成を示す断面図、図48は観察方向変更操作ユニットの構成を示す断面図、図49は図48の4XIX−4XIX線に沿った観察方向変更操作ユニットの構成を示す断面図、図50は操作レバーと保持体の磁石の一例構成を示す斜視図である。
また、以下の説明においても、上述した第1の実施の形態のカメラシステム1と同一の構成要素について同じ符号を用い、それら構成要素の詳細な説明を省略する。
【0161】
図46に示すように、本実施の形態の観察方向操作装置(観察方向操作手段)となる操作ユニット5は、筐体41の下面で開口するケーブル配置孔41bが筐体41の中心から偏芯した位置に設けられている。また、操作ユニット5は、筐体41の上面にて突没する、ここでの連結機構であるアンカ機構部となる4つの操作レバー171〜174と、これら4つの操作レバー171〜174に囲まれて、筐体41の上面中央に配設される回動レバー175を備えている。
【0162】
本実施の形態の複合ケーブル4は、口金32内に、円柱状の金属などの磁性体から形成された4つの保持体161〜164が先端から順に縦列配置されている。これら4つの保持体161〜164には、各操作ワイヤ26〜29が接続されている。また、4つの保持体161〜164の下部には、非磁性部161a〜164aが設けられている。
【0163】
上述の操作ユニット5は、図48、および図49に示すように、回動レバー175が上部中央に接続された外形円柱状の回動部となる回動体176を有し、この回動体176が筐体41に収容された状態で、ベアリング177を介して回動自在に配設されている。
【0164】
回動体176は、中心回りの略等間隔の位置、つまり中心回りに互いが約45°にずれた位置に各操作レバー171〜174を上下方向にスライド保持する4つの孔部176aが設けられている。また、回動体176は、中心回りの略等間隔の外周部、つまり中心回りに互いが約45°にずれた外周部分に凹部176bが形成されている(図49参照)。
【0165】
これら凹部176bが筐体41に設けられたボールプランジャ178に係合することで、回動体176の回動位置が規定される。また、回動体176の外周部には、外方へ突起したストッパ176cが配設されている。このストッパ176cがボールプランジャ178を乗り越えることなく当接し、回動体176の回動を規制する。つまり、回動体176は、ストッパ176cがボールプランジャ178に当接すると、それ以上の回動ができないため、略360°しか回動しないように構成されている。
【0166】
回動体176の各孔部176aに配設された各操作レバー171〜174は、孔部176a内に位置する端部に外向フランジ171a〜174aを有し、この外向フランジ171a〜174aの端面(下面)に磁石171b〜174bが配設されている。なお、外向フランジ171a〜174aは、各操作レバー171〜174が回動体176の各孔部176aから抜け落ちないようにしている。
なお、その他、本実施の形態におけるカメラシステム1の各構成要素は、第1の実施の形態と同じである。
【0167】
以上に説明した本実施の形態のカメラシステム1の構成では、筐体41のケーブル配置孔41bに配設されたボールプランジャ60によって、口金32の係止凹部35が係止される位置まで、複合ケーブル4が操作ユニット5の筐体41に挿入される。このとき、複合ケーブル4の口金32における最上に位置する保持体161が操作レバー171の磁石171bに対向して、この磁石171bに吸着される。なお、このとき、操作ユニット5の回動体176は、ストッパ176cに最も近接した凹部176bが筐体41に設けられたボールプランジャ178に係合して回動位置が規定された状態の初期位置とする。
【0168】
そして、ユーザによって回動レバー175が操作され、次に凹部176bがボールプランジャ178に係合する位置まで、回動体176が回動操作される。すると、口金32における上方から2つめの保持体163が操作レバー173の磁石173bに対向して、この磁石173bに吸着される。
【0169】
さらに、次に凹部176bがボールプランジャ178に係合する位置まで、回動レバー175が操作されて、回動体176が回動し、口金32における上方から3つめの保持体162が操作レバー172の磁石172bに対向して、この磁石173bに吸着される。最後に、凹部176bがボールプランジャ178に係合する位置まで回動体176が回動されると、口金32における最下に位置した保持体164が操作レバー174の磁石174bに対向して、この磁石174bに吸着される。
【0170】
つまり、4つの保持体161〜164のそれぞれが各操作レバー171〜174の磁石171b〜174bに吸着されて孔部176a内に持ち上げられる。
【0171】
この状態から、各操作レバー171〜174が上下方向にスライド操作されることで、各保持体161〜164も上下に移動する。そのため、各保持体161〜164に接続された操作ワイヤ26〜29が牽引弛緩されて、カメラ2の撮像ユニット15の観察(視野)方向が変更される。
【0172】
このように構成された本実施の形態のカメラシステム1も、勿論、第1の実施の形態と同じ効果を奏し、体外側から操作ユニット5の操作レバー43の傾倒操作に基づいて、体内である腹腔101に設置されたカメラ2の観察(視野)方向をユーザの所望の方向へ容易に変更できるので操作性が向上し、かつ、その操作に基づいた観察(視野)変更の応答性能が良い構成とすることができる。
【0173】
なお、図50に示すように、各操作レバー171〜174の各磁石171b〜174bは、極性(SN極)が表裏ではなく、表面で左右に分けえられたものとして、各保持体161〜164を磁石にして、極性(SN極)が表裏ではなく、表面で左右に分けえられたものとしても良い。このような構成では、各操作レバー171〜174の各磁石171b〜174bと各保持体161〜164が異極で対向したとき、互いが磁力吸着される状態となり、操作レバー171〜174を回転させて各磁石171b〜174bと各保持体161〜164を同極にしたとき、互いが斥力反発するようにして、接続/解除を切替えられるようになる。
【0174】
(第7の実施の形態)
次に、図51から図56を用いて、本発明の腹腔カメラシステムに係る第7の実施の形態について、以下に説明する。なお、図51から図56は、本発明の第7の実施の形態に係り、図51は複合ケーブルの先端に配設された係止体の構成を示す斜視図、図52は係止体を保持するアンカ機構部の構成を示す斜視図、図53はアンカ機構部の構成を示す断面図、図54はアンカ機構部が配置された円筒ギヤの構成を示す斜視図、図55は観察方向変更操作ユニットの構成を示す断面図、図56は観察方向変更操作ユニットの構成を示す斜視図
である。
また、以下の説明においても、上述した第1の実施の形態のカメラシステム1と同一の構成要素について同じ符号を用い、それら構成要素の詳細な説明を省略する。
【0175】
本実施の形態のカメラシステム1は、図51、および図52に示す、カメラ2から延設された複合ケーブル4の口金32の端面部分に配設される4つの保持体181〜184を備え、図52から図55に示すように、操作ユニット5の筐体41内で各ワイヤ46〜49の牽引弛緩操作によって上下方向に進退移動し、各保持体181〜184を掛止して連結する連結機構であるアンカ機構部190を具備している。
【0176】
詳述すると、本実施の形態の4つの保持体181〜184は、それぞれ、上面から突起部181a〜184aを有した円柱形状をしており、複合ケーブル4の端部に配設される口金32の中心回りに4等分した位置に、口金32の端面に当接して配設されている。これら4つの保持体181〜184は、複合ケーブル4内に挿通配置された各操作ワイヤ26〜29が接続されている。
【0177】
本実施の形態の観察方向操作装置(観察方向操作手段)となる操作ユニット5は、図52から図54に示すように、各保持体181〜184の突起部181a〜184aを把持する4つのアンカ機構部190が、筐体41の中心回り略等間隔の4方向(中心回りに互いが約45°にずれた4方向)に配設されている。これら4つのアンカ機構部190は、それぞれが上下方向(垂直方向)に筐体41内部で直進ガイドされた状態で進退自在に配設されている。
【0178】
各アンカ機構部190は、外周部にネジ溝191aが刻設された管(パイプ)状の軸体191と、この軸体191の先端部分に外挿し、中途部に外向突起したギヤ部193が設けられた、円柱ブロック形状のチャック部192と、を有している。
【0179】
軸体191は、ここでの下方端部に小径のコレット部194を有し、このコレット部194から上方へ向けて外向するテーパ194bが形成されている。なお、軸体191には、コレット部194から上部方向に、複数、例えば4つのスリット194aが形成されている。この軸体191は、上端部が各操作ワイヤ26〜29に接続されている。
【0180】
チャック部192は、内面に軸体191のネジ溝191aと螺合する内面ギヤ192aが刻設され、下端部がコレット部194上部に形成された軸体191のテーパ194bの外面に内面が接触するテーパ192bが設けられている。つまり、各アンカ機構部190は、チャック部192が回動して軸体191に対して上下に移動し、コレット部194のスリット194aの幅が締め付けにより閉じられる、所謂、簡易構造のドリルチャック機構となっている。
【0181】
各アンカ機構部190は、図54、および図55に示すように、筐体41内で外方と内方の周面部にギヤ溝201a,201bが形成されている円筒ギヤ201によって、チャック部192が軸体191に対して回動される。
【0182】
なお、各アンカ機構部190は、円筒ギヤ201の内周に刻設されたギヤ溝201bに、それぞれのギヤ部193が噛合される。また、4つのアンカ機構部190は、円筒ギヤ201の中心回り略等間隔の4つの位置(中心回りに互いが約45°にずれた4つの位置)で筐体41内に配置されている。なお、各アンカ機構部190は、筐体41に接続される複合ケーブル4の各保持体181〜184に対向するように筐体41内に配置される。
【0183】
そして、4つのアンカ機構部190は、筐体41に形成された4つのガイド孔211のそれぞれに軸体191が挿通配置され、上下方向に直進ガイドされた状態となっている。なお、軸体191は、チャック部192と共に回動しないように、例えば、ガイド孔211に形成される突起と係合するキー溝を備えていたり、ガイド孔211と軸体191の断面形状がDカット形状となっていたりしている。
【0184】
なお、本実施の形態の円筒ギヤ201は、その中心位置が筐体41の中心軸上に配置されている。そして、筐体41には、図55、および図56に示すように、側面部から一部が突出するローレット202を有し、このローレット202の回動操作によって、円筒ギヤ201を回動させる複数、ここでは3つのギヤ203〜205によって構成されたギヤ列が設けられている。つまり、ローレット202が回動されると、その回動がギヤ203〜205のギヤ列を介して、円筒ギヤ201に伝達される。
【0185】
そして、4つのアンカ機構部190は、円筒ギヤ201の回動がチャック部192に伝達される。こうして、4つのアンカ機構部190は、チャック部192が軸体191に対して上下に移動し、コレット部194が開閉する。
【0186】
本実施の形態の観察方向操作装置(観察方向操作手段)となる操作ユニット5では、操作レバー43(ここでは不図示)の傾倒操作に応じてワイヤ46〜49が牽引弛緩されると、筐体41内の各アンカ機構部190が垂直方向(上下方向)に進退移動する構成となっている。なお、その他、本実施の形態におけるカメラシステム1の各構成要素は、第1の実施の形態と同じである。
【0187】
以上に説明した本実施の形態のカメラシステム1の構成では、複合ケーブル4が操作ユニット5の筐体41に挿入されて接続されると、各保持体181〜184の突起部181a〜184aが各アンカ機構部190のコレット部194内に挿入される。そして、ユーザによってローレット202が回動操作されると、4つのアンカ機構部190の各コレット部194が閉じて、挿入された突起部181a〜184aを把持する。
【0188】
こうして、複合ケーブル4を操作ユニット5の筐体41に接続後に、各保持体181〜184が各アンカ機構部190に連結される。
【0189】
そして、操作ユニット5の操作レバー43が傾倒操作されると、この操作レバー43の傾倒方向に応じて各アンカ機構部190が垂直方向(上下方向)に進退移動する。そのため、各アンカ機構部190に連結された、それぞれの保持体181〜184も筐体41内で垂直方向(上下方向)に進退移動する。こうして、各保持体181〜184に接続された、それぞれの操作ワイヤ26〜29が牽引弛緩されて、カメラ2の撮像ユニット15の観察(視野)方向が変更される。
【0190】
このように構成された本実施の形態のカメラシステム1も、勿論、第1の実施の形態と同じ効果を奏し、体外側から操作ユニット5の操作レバー43の傾倒操作に基づいて、体内である腹腔101に設置されたカメラ2の観察(視野)方向をユーザの所望の方向へ容易に変更できるので操作性が向上し、かつ、その操作に基づいた観察(視野)変更の応答性能が良い構成とすることができる。
【0191】
(第8の実施の形態)
次に、図57から図61を用いて、本発明の腹腔カメラシステムに係る第8の実施の形態について、以下に説明する。なお、図57から図61は、本発明の第8の実施の形態に係り、図57は複合ケーブルの端部構成を示す斜視図、図58は固定ユニットの構成を示す斜視図、図59はワイヤ分岐部の構成を示す平面図、図60は複合ケーブルが接続された固定ユニットの構成を示す断面図、図61は操作ワイヤを保持する保持手段の一例を示すワイヤ分岐部の断面図である。
また、以下の説明においても、上述した第1の実施の形態のカメラシステム1と同一の構成要素について同じ符号を用い、それら構成要素の詳細な説明を省略する。
【0192】
本実施の形態の複合ケーブル4は、図57に示すように、4つの操作ワイヤ26〜29と通信ケーブル10のそれぞれが口金32の端部から延出されている。また、操作ワイヤ26〜29のそれぞれの延出端には、複合ケーブル4からの抜け止めを兼ねる凸部26c〜29cが設けられている。
【0193】
これら凸部26c〜29cは、それぞれが取り付けられる操作ワイヤ26〜29を個別に牽引したとき、例えば、カメラ2の撮像ユニット15が撮影する画像の上下左右に応じて、カメラ2の角度を変更できるように、操作方向が容易に認識できるような指標部を設けると良い。なお、ここでの通信ケーブル10は、延出端に、体外装置のCCU7(図1参照)に電気的に接続される電気コネクタ(不図示)が設けられている。
【0194】
本実施の形態のカメラシステム1では、操作ユニット5に変えて、図58から図60に示す、腹腔101に導入されたカメラ2を体壁である腹壁102に留置固定するための、ここでの留置固定装置(留置固定手段)となる固定ユニット200を備えている。
【0195】
固定ユニット200は、患者の腹部上に載置されるワイヤ分岐部210が下部に設けられた筐体207を備え、この筐体207の中央から上下方向に貫通するように、カメラ2の複合ケーブル4が挿通する孔部207aが形成されている。
【0196】
また、固定ユニット200には、カメラ2の複合ケーブル4を体外側にて固定する固定レバー208が設けられている。この固定レバー208の中途部には、複合ケーブル4が貫挿する孔部208aが形成されている。この孔部208aは、その位置が固定ユニット200の筐体207に形成された孔部207aの位置とズレが生じるように、筐体207内に設けられたバネ209によって、筐体207の一側方向へ付勢されている。
【0197】
つまり、ユーザは、筐体207の孔部207aと、固定レバー208の孔部208aが略一致する位置まで、固定レバー208をバネ209の付勢力に抗して筐体207内へ押し込むことで、複合ケーブル4を固定ユニット200の筐体207に対して容易に相対移動(スライド移動)することができる。
【0198】
なお、カメラ2、および観察方向制御ユニット3(図1など参照)は、複合ケーブル4、および複合ケーブル4に挿通する通信ケーブル10のそれぞれが共に患者から離れる体外側へ牽引されて、複合ケーブル4の口金32が固定ユニット200に接続される。また、通信ケーブル10は、固定ユニット200の孔部207aの上部開口から導出される。このようにして、カメラ2は、複合ケーブル4に挿通する通信ケーブル10に吊り上げられた状態で、通信ケーブル10が固定ユニット200内で保持される。こうして、カメラ2は、腹腔101内の腹壁102に観察方向制御ユニット3を介して腹腔101内に安定した状態で留置固定される。
【0199】
なお、ワイヤ分岐部210は、ゴムなどの弾性体から形成された円筒ブロック体であって、筐体207の下面に固着されている。このワイヤ分岐部210は、筐体207の孔部207aと連通し、複合ケーブル4の口金32が接続される接続孔部210aが中央に形成されている。ワイヤ分岐部210には、側周部で開口し、接続孔部210aに連通する4つの操作ワイヤ挿通路211が接続孔部210aの中心回り略等間隔の4方向(中心回りに互いが約45°にずれた4方向)に延設されている。
【0200】
また、ワイヤ分岐部210は、下面から操作ワイヤ挿通路211に向かって、接続孔部210aから操作ワイヤ挿通路211に沿って連通する4つのスリット212が形成されている。各スリット212は、複合ケーブル4の口金32が固定ユニット200に接続されるときに、各操作ワイヤ26〜29を各操作ワイヤ挿通路211内に挿通配置するためにワイヤ分岐部210の下面から通過させて各操作ワイヤ挿通路211に入れ込むためのものである。
【0201】
また、各操作ワイヤ挿通路211に挿通配置された各操作ワイヤ26〜29には、ワイヤ分岐部210の側周面から延出する根元部分に、抜け止めのために、クリップなどの係止部218が配設される。なお、ワイヤ分岐部210の側周部分に、図61に示すような、各操作ワイヤ挿通路211の上部側に各操作ワイヤ26〜29を挟み込んで係止する切込部213を形成しても良い。これにより、抜け止め用の係止部218を各操作ワイヤ26〜29に取り付けなくても良くなる。
【0202】
以上から、本実施の形態のカメラシステム1も、体外側からの2つの操作ワイヤ26,27の操作に基づいて、体内である腹腔101に設置されたカメラ2の観察(視野)方向をユーザの所望の方向へ容易に変更することができ、かつ操作に基づいた観察(視野)可変の応答性能が良い構成となっている。
【0203】
また、各実施の形態に記載した発明は、その実施の形態、および変形例に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記各実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得るものである。
【0204】
例えば、各実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、述べられている課題が解決でき、述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得るものである。
【符号の説明】
【0205】
1…腹腔カメラシステム
2…腹腔内設置カメラ
3…観察方向制御ユニット
4…複合ケーブル
5…観察方向変更操作ユニット
6…通信ケーブル
7…カメラコントロールユニット
8…ケーブル
9…モニタ
10…通信ケーブル
11…本体部
11a…カバーガラス
12…制御部
15…撮像ユニット
16…照明部
17…固体撮像素子
18…対物レンズ群
21…カメラ固定部
21a…円弧面
21b…球面凹部
21c…孔部
22…腹壁固定部
22a…球面凹部
22b…孔部
23…回動部
23a…ワイヤ挿通孔部
24,25…プーリ
26-29…操作ワイヤ
26a-29a…保持体
26b-29b…凹部
26c-29c…凸部
30…カバーキャップ
31…掛止ワイヤ
32…口金
32a…孔部
33…キー溝
34…電気接点部
35…係止凹部
41…筐体
41a…凹部
41b…ケーブル配置孔
41d…長溝
42…脚部
42a…腕部
42b…凸部
42c…孔部
42d…孔部
43…操作レバー
44…軟性カバーブーツ
45…球体
47…バイアスバネ
46-49…ワイヤ
50…凹部
51…ワイヤ挿通路
52…プーリ
53…ガイド孔
54…ラック
55…解除ボタン
55a…コイルバネ
56…空間部
56a…保持体ガイド面
56b…ガイド孔
57…アンカ
57a…ブロック体
57b…ガイドアーム
57c…スリット
58…バイアスバネ
59…電気コネクタ
59a…電気コネクタ
60…ボールプランジャ
61…ケーブル係止部材
62…バイアスバネ
63…係止体
63a…切欠部
64…解除レバー
65…保持部
101…腹腔
102…腹壁
L…クリアランス
O…撮影光軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導入された体内の体壁に留置固定され、前記体内を撮像する撮像手段と、
複数の操作ワイヤを有し、前記複数の操作ワイヤの牽引弛緩によって前記撮像手段の観察方向を変更する観察方向制御手段と、
前記複数の操作ワイヤが挿通し、前記撮像手段が前記体壁に留置固定された状態において、体外側に引き出されるケーブルと、
前記複数の操作ワイヤの各端部に配設された保持体と、
体外側で前記ケーブルが接続され、前記保持体を保持して、前記複数の操作ワイヤに連結する連結機構を備えて、前記体外側から前記観察方向制御手段を操作する観察方向操作手段と、
を備えることを特徴とする医療装置。
【請求項2】
前記観察方向操作手段は、前記複数の操作ワイヤの牽引弛緩位置を保持して、前記撮像手段の観察方向を固定する視野固定手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記観察方向操作手段は、前記連結機構による前記保持体の保持を解除する解除手段を備えたことを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の医療装置。
【請求項4】
前記連結機構は、前記ケーブルの前記観察方向操作手段への接続と同時に前記複数の保持体を保持することを特徴とする請求項3に記載の医療装置。
【請求項5】
前記連結機構は、前記保持体を係止するアンカを備えていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の医療装置。
【請求項6】
前記連結機構は、磁性体から形成された前記保持体を磁力によって吸着保持する磁石を備えていることを請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の医療装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【公開番号】特開2012−50589(P2012−50589A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−194725(P2010−194725)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】