説明

医療診断目的のためのエンドセリン形成の測定方法、ならびに、このような方法を実施するための抗体およびキット

実際に生物学的活性を有するエンドセリンも、その直接的な前駆体であるビッグエンドセリンも含まない、プロセッシングされた最初のプレプロ-またはプロエンドセリンの比較的に寿命が長いペプチド断片、特にはC末端ペプチド断片を測定する、医療診断目的のための、ヒト患者の全血、血漿または血清における、重篤な病気、特に心臓病、炎症、敗血症および癌におけるエンドセリンの形成を測定するin vitro方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液(全血、血漿または血清)における、対応するプロエンドセリンのペプチド断片、特に、プレプロエンドセリン-1の比較的に寿命が長いC末端の部分ペプチドを測定することによる、特に敗血症診断、心臓病診断、例えば、癌診断、および/または、一般的には、エンドセリンが病気の進行に重要な役割を果たす病的状態の診断における医療診断目的のための、重篤な病気におけるエンドセリンの形成を測定する方法に関する。
【0002】
単純に、用語「エンドセリン」を本明細書において使用する場合は、この用語は主にエンドセリン-1(ET-1)を表す。しかしながら、対応する記述は、エンドセリンの他のアイソフォームにも頻繁に適応することができ、それゆえ、エンドセリン-1への制限は、頻繁に不必要であり、本発明は、また、より広い意味で他のエンドセリンを含むことを意図する。
【0003】
本記載においては、用語「診断」は、一般的に、特に、予後/早期予後および治療に付随するモニターリングを含むことを意図する単純化した一般的な用語として使用する。
【0004】
測定は、特に、特定の免疫診断方法によって、とりわけ、少なくとも1つの標識した抗体を使用するタイプのイムノアッセイ(サンドイッチアッセイ;競合アッセイ、例えば、SPALTまたはSPART原理による)によって行なわれる。
【背景技術】
【0005】
21個のアミノ酸を含むペプチドであるエンドセリン-1(ET-1)は、最も強力な既知の血管収縮剤である。Yanagisawaら[27:角括弧における数字は添付の参考文献のリストに関する]による1988年の発見から、生合成、作用機構および病気との関連性が、包括的に調査され、話題のレビュー論文として要約されている[1、7、12、17、24]。エンドセリンには、異なる遺伝子によってコードされている3つのアイソファーム(エンドセリン-1、エンドセリン-2、エンドセリン-3)が存在し、エンドセリン-1は、最も高い濃度で存在し、最も能力が高い。エンドセリン-1は、内皮細胞、肺、心臓、腎臓および脳内で合成される。ヒトのエンドセリン-1遺伝子の最初の翻訳産物は、212個のアミノ酸を含むペプチドであるプレプロエンドセリン-1(配列番号1)である。分泌工程においては、プレプロエンドセリンの短いN-末端のシグナル配列(アミノ酸1-17)が、シグナルペプチダーゼによって除去される。得られたプロエンドセリンは、その後に、二塩基性アミノ酸上でプロテアーゼフリンによるプロセシングを受け、38個のアミノ酸を含む生物学的に不活性なペプチドであるビッグエンドセリン(配列番号3)が得られ、ビッグエンドセリンから、最終的に、成熟した生物学的に活性なエンドセリン-1(配列番号2)がエンドセリン転換酵素(ECE)によって形成される。エンドセリンは、筋肉細胞、ミオサイトおよび繊維目細胞上に位置する特定の受容体への結合を介して作用する。この結合によって、カルシウム流出、ホスホリパーゼCの活性化およびNa/K ATPaseの阻害がもたらされる。血管収縮作用に加えて、エンドセリンは、また、増殖調節特性も有する。
【0006】
エンドセリン(特に、エンドセリン-1)の観察され推定される多くの重要な生理学的効果の観点から、同定されたときから免疫診断測定のための様々なアッセイが開発され、特にヒトの血漿におけるエンドセリンの測定のために使用されている。このような測定の結果は、多くの刊行物の対象となっている。
【0007】
エンドセリン-1およびビッグエンドセリンの血漿における濃度の上昇が、様々な臨床像について開示されている[17]。これらには、心臓病[1](とりわけ、肺高血圧[21]、アテローム性動脈硬化[13]、うっ血性心不全[25]、心筋梗塞[20])、敗血症および敗血症ショック[11、22、23]、癌[2、3、15、18]などが含まれる。
【0008】
血漿サンプルにおけるエンドセリンの測定のために使用されるイムノアッセイ([17]のレビューを参照)は、特に、ラジオイムノアッセイタイプ(コンペティターとして標識したエンドセリン-1を使用)またはEIA/ELISAタイプに属するものであり、エンドセリンの測定またはエンドセリンの免疫反応性の測定のみを目的とするものであった。RIAタイプのアッセイは、特異性が低く、エンドセリン配列を含む関連ペプチドも測定してしまう。
【0009】
しかしながら、エンドセリン-1(ET-1)が血液中で極めて短い滞留時間しか有しておらず、1-2分後には血液から除去されることが見出された[6]。血液および血漿中のエンドセリン-1は安定であると考えられているので[6]、他の組織への分布および受容体への迅速且つ高い親和性を有する結合は、短い滞留時間についての最も重要な理由として考えられている。結果として、特定の組織および体液においては、例えば血漿よりも相当に高い濃度のエンドセリン-1が求まる[1、7]。これらの状況から、血漿サンプル中のET-1の測定の妥当性について、重要な疑問が投げかけられている[17]。実際に、血漿サンプルで検出され、特定の血液における移行状態のみを反映する瞬間的なET-1濃度は、エンドセリン(ET-1)の生理学的効果にとっては重要ではなく、むしろ、生命体に存在する全ての遊離したおよび結合した(例えば組織におよび受容体に結合した)生理学的なET-1濃度が、より極めて妥当であるということが考えられている。
【0010】
ET-1前駆体、所謂ビッグエンドセリン(「big ET-1」;配列番号3)の測定は、ET-1の測定よりも有用である。なぜならば、血液中の「big ET-1」の滞留時間は、big ET-1から遊離したET-1の滞留時間よりも大幅に長いからである。それゆえ、多くの研究においては、この「ビッグエンドセリン」が、実際のエンドセリンに代えて測定されていた。特に、特異的な測定のために、プロセシングを受けたET-1および他のエンドセリンから、ビッグエンドセリン-1を信頼性をもって区別することができるサンドイッチタイプのアッセイが使用されていた[4、8、10]。これらにおいて、特定の病気における測定された増加したETの免疫反応性は、big ETが原因とすることができることが示された。
【0011】
big-ET-1の選択的な測定は、微々たる改良しかもたらさず、問題点に対する実質的な解決策はもたらさなかった。なぜならば、ビッグエンドセリンも血液中で迅速にプロセッシングを受けてエンドセリンとなってしまうからである[1、5、9]。それゆえ、ビッグエンドセリンは、同じように、相対的に短い生物学的半減期を有しており(20-25分)、結果として、血漿で測定できるビッグエンドセリンの測定値は、瞬間的な血漿濃度しか表しておらず、エンドセリンの実際に生理学的に有効な濃度を反映していない。病気の状態下で生理学的に形成され、既にプロセッシングを受け組織または受容体に結合したET-1は、big-ET-1の測定においては血漿中で測定されない。生理学的に活性なエンドセリンの総量は、それゆえ、ビッグエンドセリンの測定でも低く見積もられる。big-ET-1の酵素的切断によって形成する、ET-1以外のbig-ET-1のC末端ペプチド断片(プレプロエンドセリンのアミノ酸74-90またはビッグエンドセリンのアミノ酸20-38)の補足的な特異的測定を実施する試みによって、このペプチドは、ET-1よりも更に不安定であり、それゆえ測定に適さないことが示された[10]。
【0012】
先行技術では、ビッグエンドセリンの範囲以外のプロエンドセリンの範囲を評価するために、ただ1つの市販の競合試験(N-末端18-50の範囲、Phoenix Pharmaceuticalsから購入可能;WO 00/22439に開示された敗血症診断のための使用)のみが開示されている。このアッセイを使用した評価すべき分析物の安定性および特性については、如何なる情報も開示されていない。
【特許文献1】WO 00/22439
【特許文献2】US-A-4822733
【特許文献3】EP-B1-180492
【特許文献4】EP-B1-539477
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、ビッグエンドセリンおよびエンドセリンの内因的形成、すなわち、生理学的な総濃度およびエンドセリンの作用を、血漿におけるETまたはbig ETのデータの測定よりも迅速に反映させるアッセイ方法を開発することである。
【0014】
このような方法は、有効であるべきであり、通常の使用が可能であり、様々な生理学的条件下における、特に敗血症またはエンドセリンの上昇値が関与する他の生理学的条件下における、ET(ET-1)および/またはその前駆体の生理学的産生についての信頼できる値を提供することができるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的は、本発明により、ETまたはbig ETではなく、比較的に寿命が長い、ETまたはbig ET配列を含まないプレプロエンドセリンまたはプロエンドセリンの部分ペプチド、特に、pre-pro ET-1の少なくともアミノ酸168-212を含むC-末端部分ペプチドを、ヒト患者の全血、血漿または血清サンプルにおいて、診断目的のために測定することによって達成される。
【0016】
請求項1は、本発明の教示に関する。本発明の有用性および現在の好ましい実施形態は、従属請求項に記載する。
【0017】
本発明は、エンドセリンの直接的な前駆体ではないプレプロエンドセリンのこれらの部分が、測定目的に適しており、血液サンプルにおいて信頼性および高い臨床的妥当性を有して測定することができる寿命が長いペプチドを含むことを、本出願人が見出すことができた実験に基づく。
【0018】
エンドセリン-1は、より長い前駆体分子であるプレプロエンドセリン(配列番号1)、または、プレプロエンドセリンから得られる分泌型のプロエンドセリンのプロセッシングによって生理学的に形成される。このプロセッシングの間に、ビッグエンドセリン(およびエンドセリン)に加えて、更なるペプチドが、主として化学量論的な量で形成されるが、その更なるペプチドは、現在のところ、特別な調査対象にはなっておらず、その可能性ある更なるプロセッシングおよび安定性については、現在まで如何なる開示もなされていない。本出願人による研究の初期においては、少なくとも1つの仮説の更なるペプチド切断サンプルが血液サンプル(全血、血漿または血清サンプル)に存在し、比較的に安定であることが証明され、その切断産物が、血漿で実際に測定可能なエンドセリンの濃度と独立して、エンドセリンの生理学的形成の測定として作用するのに適することが示されることを期待した。
【0019】
それゆえ、このような切断産物の評価は、「エンドセリンの形成」の測定として請求項に企図する、生理学的なエンドセリン濃度または産生の測定を求める方法に相当するであろう。この用語は、−プロエンドセリンからのエンドセリン-1について、1つの経路のみの形成、すなわち、1つの既知の経路のみの形成を仮定すれば−病気と関連して形成されるエンドセリン-1の生理学的濃度は、予めプロセッシングを受けたプレプロエンドセリンまたはプロエンドセリンの量のみに対応することができるという事実を参考に使用される。ビッグエンドセリンまたはエンドセリンに加えて、同じ化学量論的濃度で形成される部分ペプチドが、受容体に結合もせず組織への送達もされない、安定な「代謝的に無駄な産物」であるならば、それらは血液中に存在するはずである。必ずしも特定の生理学的機構を暗示することを希望するわけではなく、「エンドセリンの形成の決定または測定」は、それゆえ、「分泌性の活性」の測定または「分泌性のプロエンドセリン産生」の測定としてもみなすことができる。
【0020】
本出願においては、測定するペプチド断片は、「寿命が長い」ことを特徴とする。この用語は、測定するペプチド断片の血液(全血)での滞留時間が、エンドセリンまたはビッグエンドセリンの滞留時間よりも相当に長いことを意味する。特に、「寿命が長い」とは、全血または血漿における得られたこのようなペプチド断片が、更なる迅速なタンパク質切断に供されることなく、そして、エンドセリンの受容体への結合速度および切断断片のタンパク質切断速度に比較して、実質的に遅い速度で血液および代謝から除去されることを意味する。
【0021】
より長い安定性または「寿命が長い特性」が原因で、このような断片の存在下で、既に経過した分泌活性に関する情報が、問題の無い測定に少なくとも適した期間保存される。例えば、エンドセリン前駆体が、一回の短い期間での分泌で遊離するならば、特定の時間の後に測定することができる「寿命が長い」断片の量は、血液中で測定するペプチド断片の生理学的な半減期に関連する量のみが減少した、元来分泌した量に対応する。一方、例えば、生理学的工程において、多かれ少なかれ連続的なエンドセリン前駆体の産生が想定されるならば、前駆体の前者の生理学的産生は、その生理学的クリアランス速度にしたがって、同じ期間に起こるペプチド断片の濃度減少のみが減少した、前記の意味で寿命が長いペプチド断片の測定濃度に蓄積的に反映する。活性なエンドセリンまたはその前駆体ビッグエンドセリンは、長い間プロセッシングされ、または、同じ期間血液から取り除かれ、そして、例えば、受容体に結合することができ、もはや検出できない。ペプチド断片がより寿命が長くなれば、または、そのクリアランス速度がより低くなれば、バイオマーカーの、すなわちエンドセリンの前記「形成」の正確性に対する測定時間の影響がより少なくなる。比較的に長い期間にわたって一定な濃度は、本文脈においては、形成とクリアランスについてバランスが取れていることを意味する。もしも濃度が減少すれば、このことは、例えば分子の貯蔵所が枯渇したために、前駆体分子(例えばプロエンドセリン)の分泌が中断したことを暗示し、観察された濃度変化は、クリアランス速度のみによって決定される。
【0022】
それゆえ、既知の生理学的機能を有さない寿命が長いペプチド断片の測定結果は、完全に寿命が短い活性ペプチドまたは類似の比較的に寿命が短い前駆体の測定とは定性的に且つ定量的に異なる結果を供給する。
【0023】
以下により詳細に開示する本発明者による実験によって、前記したアプローチがエンドセリンの形成の測定の場合に有益な結果をもたらすことが示された。
【0024】
実施した実験および最も重要な結果は、図面を参照にして、以下により正確に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明による方法は、最も一般的な態様においては、重篤な病気における、エンドセリンの、特にエンドセリン-1の形成の間接的な測定のための、全血、血漿または血清サンプル、すなわち患者の血液中の、エンドセリン-1またはその前駆体ビッグエンドセリンのアミノ酸配列を含まない、プロエンドセリン-1の比較的に寿命が長いペプチド断片の測定に関する。好ましい実施形態によれば、測定するペプチド断片は、プレプロエンドセリン-1のアミノ酸配列部位168-181および部位200-212に対応するアミノ酸配列を有するペプチドに結合する2つの抗体が結合するC-末端断片である。
【0026】
本発明の実際的な実施のためには、例えば、より広範囲な詳細な実験のために使用される、以下により正確に記載するタイプの非競合的サンドイッチアッセイが、特に好ましく供給される。
【0027】
競合イムノアッセイと比較して、非競合サンドイッチイムノアッセイ(2-部位イムノアッセイ)は、多くの利点を有する。その利点には、このアッセイが、固相アッセイ(ヘテロジーニアスアッセイ)よりも良好にデザインされ、ハンドリングの観点からより丈夫にすることができ、より高感度の測定結果を得ることができ、オートマチック化および連続測定により適しているという事項が含まれる。更にその上、このアッセイは、1つのタイプの抗体しか用いない競合イムノアッセイと比較して、更なる情報も得ることができる。それは、サンドイッチイムノアッセイが認識するのは、サンドイッチ形成のために用いた抗体の両方の結合部位が、同じ分子上に存在する分子またはペプチドだけであるからである。
【0028】
使用することができる抗体は、基本的に、任意の適したモノクローナルおよび/またはポリクローナル抗体とすることができるが、今のところ、アフィニティ精製したポリクローナル抗体が好ましい。
【0029】
特に好ましくは、抗体は、プレプロエンドセリン-1の短いアミノ酸配列およびN-末端での付加的なシステイン残基に対応する合成ペプチド配列を含む抗原で、動物(特にヒツジ)を免疫することによって得られる。以下の実施例においては、特に、アミノ酸配列161-181および200-212に結合する抗体、ならびに、アッセイにおけるそれらの使用を開示する。しかしながら、実験の経過において、アミノ酸部位184-203および136-148にそれなりに結合する更なる抗体も使用した。これらの更なる抗体を用いた測定において得られた付加的な結果は、本出願のみにおいて全体的に論じる。
【0030】
好ましい実施態様においては、この方法は、一方の抗体が、任意の望む固相上、例えばコートしたテストチューブ(例えばポリスチレンのチューブ;「Coated Tubes;CT」)の壁、またはマイクロタイタープレート(例えばポリスチレンのプレート)、もしくは粒子上(例えばマグネティック粒子)に固定され、対して、他方の抗体が、直接検出可能な標識を有する残基、または、選択的に標識に結合して形成されたサンドイッチ構造を検出することができる残基を有するような、ヘテロジーニアス・サンドイッチイムノアッセイとして実施される。適した固相を用いた、遅れてその後に行う固定化も可能である。
【0031】
基本的に、記載したタイプのアッセイにおいて使用される全ての標識手法を使用することができる。この手法は、放射性同位体、酵素、蛍光、化学発光または生物発光標識、および、全血サンプルにおいて測定するための所謂ポイント・オブ・ケア(POC)または加速試験のために用いられる、直接的に任意に検出可能な色素標識(例えば金原子および色素粒子)を含む。ヘテロジーニアス・サンドイッチイムノアッセイの場合、2つの抗体は、ホモジーニアス・アッセイに関する以下に記載のタイプの検出システムのパーツを有することができる。
【0032】
それゆえ、加速試験として本発明による方法を企図することも、本発明の範囲内に含まれる。
【0033】
本発明の方法は、更にその上、2つの抗体および検出するペプチド断片から形成されるサンドイッチ複合体が、液相に存在し続けるようなホモジニアスな方法としてデザインされることができる。この場合、両方の抗体が1つのサンドイッチとして一体化した場合に、シグナル産生またはシグナル誘導を導くことができる検出システムのパーツで、両方の抗体を標識することが好ましい。このような方法は、特に、蛍光増幅または蛍光消光検出方法としてデザインすることができる。このタイプの特に好ましい方法は、例えば、US-A-4822733、EP-B1-180492またはEP-B1-539477およびこれらに引用されている周知技術に記載されているような、ペアを組んで使用される検出試薬の使用に関する。これらの試薬によって、1つの免疫複合体中に両方の標識された構成要素を含んでいる反応産生物のみを、反応混合液中から直接、選択的に検出する測定を行うことができる。例としては、前記出願の教示を使用している、ブランド名TRACE(登録商標)(Time Resolved Amplified Cryptate emission)およびKRYPTOR(登録商標)で利用できる方法を参照せよ。
【0034】
本出願による実験において、本発明によるプレプロエンドセリン-1のC-末端ペプチド断片の測定によって、非常に興味深く適切な結果が得られることが示された。以下に示すように、この言質は、敗血症の診断だけでなく、心臓病の診断および癌診断にも適用される。
【0035】
更にその上、本発明によるアッセイは、特に、所謂複合パラメーター診断の一部として、特に心臓病診断の領域および敗血症と癌診断の領域の両方における実施にも有用であることができると想定される。更に、測定されるパラメーターは、例えば、心臓病のパラメーターANP、BNP、proANP、proADMおよびproBNP、または例えば抗ガングリオシド抗体、タンパク質プロカルシトニン、CA125、CA19-9、S100B、S100Aタンパク質、LASP-1、可溶性サイトケラチンフラグメント、特にCYFRA21、TPSおよび/もしくは可溶性サイトケラチン-1フラグメント(sCY1F)、ペプチドインフラミンおよびCHP、他のペプチドプロホルモン、グリシン-N-アシルトランスフェラーゼ(GNAT)、カルバモイルホスフェートシンターゼ1(CPS1)ならびにC-反応性タンパク質(CRP)からなる群から選択される敗血症のパラメーター、またはこれらのフラグメントである。前記複合パラメーターの場合、複数のパラメーターの測定結果を同時にまたは並行して測定し、例えば、臨床的に有意なパラメーターの相関関係を利用するコンピュータープログラムを用いて、それらを評価することが企図される。
【0036】
好ましいアッセイの構成要素の調製、サンドイッチタイプのアッセイの好ましい実施形態の方法、ならびに、このようなアッセイを用いて得られるコントロールのヒトおよび敗血症の患者、心臓病の患者および癌患者のEDTA血漿中のC-末端ペプチド断片の測定結果を記載することによって、本発明を以下により詳細に説明する。
【実施例】
【0037】
(実験セクション)
(A.対象と方法)
〈1.ペプチド合成〉
既知のヒトのプレプロエンドセリン-1(配列番号1)のアミノ酸配列から、3つの範囲を選択した(Pos. 168-181、184-203、200-212)。それぞれの場合においてN-末端にシステイン残基を付け足して、これらの範囲を可溶性ペプチドとして標準的な方法によって化学的に合成し、精製し、質量分析および逆相HPLCを用いて品質管理を行って、一定分量で凍結乾燥した(JERINI AG, Berlin, Germany)。ペプチドのアミノ酸配列を以下に示す。
【0038】
【表1】

【0039】
更にその上、以下のペプチドを、アッセイをキャリブレーションするための標準として合成した:
標準ペプチド PSW44 (169-212)
SSEEHLRQTRSETMRNSVKSSFHDPKLKGKPSRERYVTHNRAHW
(配列番号7)
【0040】
〈2.コンジュゲーションおよび免疫〉
前記ペプチドPCT15およびPCW14を、MBS(m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)を用いて、キャリアタンパク質KLH(スカシ貝ヘモシアニン;keyhole limpet hemocyanin)に結合させた(cf. PIERCE, Rockford, IL, USAの取扱説明書「NHS ester Maleimide Crosslinkers」を使用)。これらのコンジュゲートを用いて、ヒツジを以下のスキームに従って免疫した:それぞれのヒツジに、最初に100μgのコンジュゲート(コンジュゲートのペプチド画分に基づく質量データ)を与え、その後、4週間間隔で、それぞれ50μgのコンジュゲート(コンジュゲートのペプチド画分に基づく質量データ)を与えた。免疫を開始してから4ヶ月から、ヒツジ当たり700mlの血液を、4週間間隔で取り出し、遠心することにより血液から抗血清を得た。コンジュゲーション、免疫および抗血清の取得は、MicroPharm, Carmarthenshire, UKによって行われた。
【0041】
〈3.抗体の精製〉
ワンステップ方法で、免疫後4ヶ月してから回収した抗血清から、ペプチド特異的抗体を調製した。
【0042】
この目的のため、最初に、ペプチドPCT15およびPCW14を、SulfoLink Gelに結合させた(cf.製品の取扱説明書PIERCE, Rockford, IL, USAの「SulfoLink Kit」を使用)。それぞれの場合において、結合のために、ゲル5ml当り5mgのペプチドを用いた。
【0043】
両方のペプチドに対するヒツジ抗血清からのペプチド特異的な抗体のアフィニティ精製は、以下の方法で行った。
【0044】
ペプチドカラムを、最初に、交互に3回、10mlの溶出バッファー(50mMクエン酸、pH2.2)および結合バッファー(100mMリン酸ナトリウム、0.1%Tween、pH6.8)を用いて洗浄した。100mlのヒツジ抗血清を、0.2μmフィルターに通し、カラム物質を加えた。この目的のため、ゲルは、10mlの結合バッファーを用いて定量的にリンスしておいた。インキュベーションは、一晩室温で攪拌しながら行った。そのバッチを、定量的に空のカラム(NAP 25, Pharmacia, emptied)へと移した。流れ出した分は捨てた。その後、タンパク質を含まない250mlの結合バッファーを用いて洗浄した(洗浄の際の溶出液のタンパク質含量は、0.02より小さい280nmの吸光度を示した)。溶出バッファーを洗浄したカラムに加えて、1mlフラクションを集めた。各フラクションのタンパク質含量は、BCA方法によって求めた(cf. PIERCE, Rockford, IL, USAの取扱説明書を使用)。タンパク質の濃度が0.8mg/mlより多いフラクションをプールした。BCA方法を用いてプールしたタンパク質を求めたところ、抗-PCT15抗体0407-pAkについては97mgの収率および抗-PCW14抗体0410-pAkについては60mgの収率で得られた。
【0045】
<4.標識>
抗-PCW14 0410-pAk抗体は以下のように処理した。
【0046】
取扱説明書に従って、500μlの精製した抗体を、NAP-5ゲルろ過カラム(Pharmacia)を用いて、1mlの100mMリン酸カリウムバッファー(pH8.0)で再緩衝化した。抗体溶液のタンパク質濃度を求めたところ、1.5mg/mlの値であった。
【0047】
抗体の化学発光標識のために、10μlのMA70アクリジニウムNHSエステル(1mg/ml;HOECHST Behring)を67μlの抗体溶液に加えて、15分間室温でインキュベートした。その後、423μlの1Mグリシンを加えて、更に10分間インキュベートした。更にその後、取扱説明書に従って、標識反応を行ったバッチを、NAP-5ゲルろ過カラム(Pharmacia)を用いて、1mlの移動相A(50mMリン酸カリウム、100mM NaCl、pH7.4)で再緩衝化し、低分子量成分を除いた。抗体に結合しなかった標識成分の最終的な成分を取り除くために、ゲルろ過HPLCを行った(カラム:Waters Protein Pak SW300)。サンプルをアプライし、移動相Aを用いて、流速1ml/minでクロマトグラフィーを行った。フローフォトメーターを用いて、280nmおよび368nmの波長を測定した。抗体の標識された程度としての368nm/280nmの吸光度比は、ピークで0.10であった。モノマー抗体を含むフラクション(リテンションタイム:8−10分)を集め、3mlの100mMリン酸ナトリウム、150mM NaCl、5%ウシ血清アルブミン、0.1%アジ化ナトリウム、pH7.4中に加えた。
【0048】
<5.カップリング>
抗-PCT15抗体0407-pAkは以下のように処理した。
【0049】
照射殺菌5mlポリスチレンチューブ(Greiner)を、以下のように、精製抗体でコートした:
抗体を、50mM Tris、100mM NaCl、pH7.8で希釈し、濃度を6.6μg/mlとした。300μlのこの溶液を、それぞれのチューブにピペッティングした。チューブを20時間、22℃でインキュベートした。溶液を吸引して除去した。その後、それぞれのチューブを4.2mlの10mMリン酸ナトリウム、2%Karion FP、0.3%ウシ血清アルブミン、pH6.5で満たした。20時間後、溶液を吸引して除去した。最後に、チューブを、真空乾燥機内で乾燥させた。
【0050】
(B.イムノアッセイの実施およびその評価)
以下の組成のアッセイバッファーを調製した:
100mMリン酸ナトリウム、150mM NaCl、5%ウシ血清アルブミン、0.1%非特異的ヒツジIgG、0.1%アジ化ナトリウム、pH7.4。
【0051】
プレプロエンドセリン-1の部位169-212に対応する前記した化学的に合成したペプチド(ペプチドPSW44)を、標準物質として用いた。このペプチドを連続して標準ウマ血清(SIGMA)を用いて希釈した。ペプチドの重量による濃度を、このように調製した標準から求めた。
【0052】
明らかに健康なヒトのEDTA血漿、敗血症の患者のEDTA血漿および様々な心臓病の患者のEDTA血漿を、サンプルとして測定した。
【0053】
50μlの標準またはサンプルおよび200μlのアッセイバッファーを、テストチューブへとピペッティングした。2時間22℃で攪拌しながらインキュベートした。更にその後、チューブ当たり1mlの洗浄溶液(0.1% Tween20)で4回洗浄し、洗浄液を除去した。その後、200μlのアッセイバッファー(1ミリオンRPU(relative light units:相対発光量)のMA70標識抗を含む)をピペッティングした。2時間22℃で攪拌しながらインキュベートした。更にその後、チューブ当たり1mlの洗浄溶液(0.1% Tween20)で4回洗浄し、洗浄液を除去し、チューブに結合した化学発光をルミノメーター(BERTHOLD, LB952T;base reagents from BRAHMS AG)で測定した。
【0054】
MultiCalc(spline fit)ソフトフェアを用いて、サンプルの濃度を、標準曲線から求めた。
【0055】
(C.結果)
開発したサンドイッチイムノアッセイ(部位168-181および200-212に対する抗体)を使用して測定可能な分析物を、以下では、C-末端プロエンドセリンすなわちCt-プロエンドセリンと称する。開発した試験についての典型的な標準曲線を図1に示す。試験によって、実質的に50pg/mlよりも低いCt-プロエンドセリン濃度も求めることができる。
【0056】
サンプルまたは測定溶液における不十分な安定性が原因で、C-末端ペプチド断片の測定において、問題が予期されるかどうかという疑問を調べるために、5つの敗血症血清を、それぞれ調製後すぐ、および、室温で12時間保存後で測定した。結果を、図2に要約する。それらによって、12日間の保存後に、免疫活性は、最初に測定した免疫活性と約93%実質的に変化していなかった。この検出された安定性は、ハンドリングに関する観点から、診断のためには大いに有利である。
【0057】
本試験によって、心臓病および敗血症患者の血漿を測定した。得られた結果を、図3aおよび3bに示す。全ての試験した心臓病の臨床像については、通常のコントロールと比較して、増加した値が見出された。増加した値は、また、SIRS(全身性炎症反応症候群)および敗血症症状を有する患者についても見出された。臨床的感度(健康なコントロールに基づいて、100%特異性)は、病気の重篤性とともに増加した:敗血症32.3%、重篤な敗血症65.5%および敗血症ショック75%。
【0058】
前記したサンドイッチアッセイの抗体の1つを、プレプロエンドセリン-1のアミノ酸184-203を検出する抗体に置き換えて改良したアッセイを使用してサンプルを測定した場合、予期したように、実質的に同じ結果が得られた。
【0059】
一方、使用した抗体の1つが、プレプロエンドセリンのN-末端により近く位置するアミノ酸配列(32-52または136-148)を認識する場合、健康なヒトと比較して、上昇した測定値は得られなかった。このことは、プロエンドセリンそのものは、測定した血漿サンプル中に存在しておらず、ビッグエンドセリンの形成のみ生じるタンパク質分解プロセッシングを受けるわけではなく、遊離したC-末端配列93-212が更に切断され、この切断には、アミノ酸149-167の範囲に存在する少なくとも1つの切断部位が必要であることを示している。この言及は、実験した病気を有する患者の血漿に適用される。しかしながら、例えば、完全なC-末端断片93-212が、他の患者群において保持され、その選択的測定が診療的に適切な結果をもたらすことができることは除外することはできない。
【0060】
[参考文献]




【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】図1は、ヒトの血漿におけるC-末端プロエンドセリンペプチド配列の測定のための、プレプロエンドセリン-1の部位168-181および200-212に対応するアミノ酸配列に結合する2つの抗体を用いた、現在の好ましいサンドイッチアッセイについての、典型的な標準曲線を示す。前記サンドイッチアッセイは、実施例において、より正確に開示する。
【図2】図2は、図1によるアッセイにおいては、敗血症および心臓病患者に由来するEDTA血漿サンプルの、室温での12時間保存に対して、如何なる有意な免疫活性の損失も生じなかったことを示す図を示す。
【図3a】図3aは、明らかに健康なヒトについての測定と比較した、異なる病気/診断を有するヒト患者の5つの群の血漿の測定を示す;点線は、健康なヒトで観察された最大値を示す(健康なコントロールに基づく、100%特異性についての線)。
【図3b】図3bは、患者血漿の更なる4つの群についての、図3aに対応する図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレプロエンドセリン-1のアミノ酸93-212の範囲のペプチド配列に対応するペプチドに結合する抗体によって認識される、プレプロエンドセリン-1(配列番号1)のC末端断片を測定することによって、エンドセリン-1(配列番号2)およびビッグエンドセリン-1(配列番号3)の形成を測定する、医療診断目的のための、ヒト患者の全血、血漿または血清における、重篤な病気、特に心臓病、炎症、敗血症および癌におけるエンドセリンの形成を測定するin vitro方法。
【請求項2】
生物学的液体における前記測定を、測定するペプチド断片のみを特異的に認識する少なくとも1つの標識した抗体を用いて実施するイムノアッセイを使用して実施する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記イムノアッセイが、競合イムノアッセイまたはサンドイッチイムノアッセイである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
プレプロエンドセリン-1のアミノ酸168-212(配列番号7)の範囲のペプチド配列に対応するペプチドに結合する抗体によって認識される、前記プレプロエンドセリン-1のC末端断片を測定する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
プレプロエンドセリン-1のアミノ酸168から212(配列番号7)を有するC末端断片を測定するために、プレプロエンドセリン-1のアミノ酸168-181を有するペプチド配列、アミノ酸184-203を有するペプチド配列およびアミノ酸200-212を有するペプチド配列から選択される2つの異なるペプチド配列に結合する抗体のペアを使用する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
測定するペプチド断片の定量的または半定量的な測定のための方法である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
イムノクロマトグラフィーによるポイント・オブ・ケア試験または他の加速試験である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記測定のために使用される抗体が、モノクローナル抗体および/またはアフィニティ精製したポリクローナル抗体である、請求項4から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
ペプチド(配列番号4)、ペプチド(配列番号5)およびペプチド(配列番号6)から選択される合成ペプチドを含む抗原を用いて動物を免疫することによって得られる抗体を使用する、請求項4から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
一方の抗体が標識され、他方の抗体が固相に結合し、または、固相に選択的に結合できる2つの抗体を、前記測定のために使用する、請求項4から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
第一抗体および第二抗体の両方が液体反応混合液中に分散して存在しており、検出するペプチド断片への両方の抗体の結合後に、測定溶液中に生じたサンドイッチ複合体の検出を可能とする測定可能なシグナルが発生するように、蛍光または化学発光消光または増幅に基づく標識システムの部分である第一の標識構成要素が第一抗体に結合しており、およびこの標識システムの第二の標識構成要素が第二抗体に結合している2つの抗体を、前記測定のために使用する、請求項4から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記標識システムが、蛍光または化学発光色素、特にシアニンタイプの色素と組み合わせた希土類クリプテートまたはキレートを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
診断のため、重篤度の測定および予後診断のため、ならびに敗血症の経過における治療をモニターリングのために使用する、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
敗血症の診断と関連する少なくとも1つの更なるパラメーターを同時に測定する複合パラメーター測定の一部として実施する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
敗血症の診断と関連する更なるパラメーターまたは複数のパラメーターが、抗-ガングリオシド抗体、タンパク質プロカルシトニン、CA125、CA19-9、S100B、S100Aタンパク質、LASP-1、可溶性サイトケラチンフラグメント、特にCYFRA21、TPSおよび/または可溶性サイトケラチン-1フラグメント(sCY1F)、ペプチドインフラミンおよびCHP、プロホルモンproANP、proBNPまたはproADMの断片、グリシン-N-アシルトランスフェラーゼ(GNAT)、カルバモイルホスフェートシンターゼ1(CPS1)およびC-反応性タンパク質(CRP)またはこれらのフラグメントからなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
心臓病の診断領域で使用される、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
心臓病の診断と関連する更なるパラメーターを同時に測定する複合パラメーター測定の一部として実施する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
癌の診断領域で使用される、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
癌の診断と関連する更なるパラメーターを同時に測定する複合パラメーター測定の一部として実施する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
プレプロエンドセリン-1のアミノ酸168-181、184-203および200-212に対応するアミノ酸配列からなるペプチドに特異的に結合する抗体。
【請求項21】
アフィニティ精製したポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体である、請求項20に記載の抗体。
【請求項22】
少なくとも、(a)請求項20または21に記載の第一抗体、(b)請求項20または21に記載の異なる第二抗体、および、(c)プレプロエンドセリンのアミノ酸168-203または168-212を少なくとも含むアミノ酸配列を有する標準ペプチドを含み、一方の抗体が標識され、他方が固定されているか固定化可能である、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法を実施するためのキット。
【請求項23】
前記固定された抗体が、テストチューブ(CT)の壁上で固体された形態で存在する、請求項22に記載のキット。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【公表番号】特表2007−522462(P2007−522462A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−552548(P2006−552548)
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【国際出願番号】PCT/EP2005/001359
【国際公開番号】WO2005/078456
【国際公開日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(501154389)ベー・エル・アー・ハー・エム・エス・アクティエンゲゼルシャフト (29)
【Fターム(参考)】