説明

医薬のスクリーニング方法

【課題】 自己免疫疾患、移植片対宿主病などの疾患の予防や治療に有効な医薬のスクリーニング方法を提供する。
【解決手段】 免疫細胞における刺激添加後のCARMA1のリン酸化、又はCARMA1とTAK1の相互作用を指標にして医薬のスクリーニングを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自己免疫疾患、移植片対宿主病、アレルギー性疾患、及びガンなどの疾患の予防又は治療に有効な医薬のスクリーニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
B細胞抗原受容体(BCR)の活性化は細胞増殖、未成熟ナイーブBリンパ球の生存、成熟B細胞のエフェクター機能などを調節する多くのシグナル経路を開始する(非特許文献1など参照)。その中でNF-κBの活性化につながるシグナル経路が非常に重要な役割を果たしている(非特許文献2など参照)。
NF-κBを活性化するシグナルの共通の特徴はIKKα及びIKKβの2つの触媒サブユニットおよびNEMO/IKKγの調節サブユニットからなるIκBキナーゼ(IKK)複合体の活性化である。IKKの活性化がIκBのリン酸化及びそれに伴う分解を引き起こし、NF-κBタンパク質を核に移行させる。BCRシグナルは主にこの経路によってNF-κBを活性化させる。
しかしながら、NF-κBはCD40及びToll様受容体(TLR)のような他の刺激によっても活性化されることから、BCRシグナル特異的なNF-κB活性化経路が存在することが示唆されていた(非特許文献3など参照)。
【0003】
BCRシグナルではプロテインキナーゼC(PKC)βが活性化され、これがIKKの活性化に重要である(非特許文献4など参照)。また、NF-κBの活性化には、MAP3Kファミリーに属する別のタンパク質キナーゼであるTAK1がIKKの活性化に関与することも知られている(非特許文献5または6など参照)。BCR刺激によるNF-κBの活性化では、PKCβに加えてさらに、CARMA1、Bcl10及びMALT1のアダプター分子が必要であることが知られている(非特許文献7など参照)。実際、これらの因子のいずれかを欠損したB細胞ではBCR刺激によるIKKの活性化が起こらなかった(非特許文献8〜10など参照)。
しかしながら、これらの分子がどのようにしてBCRシグナルに関与しているかは十分に解明されておらず、これらの分子を利用して医薬をスクリーニングするということは試みられていなかった。また、これまでにも、NF-κBの活性化を抑制する薬剤が免疫抑制剤として使用されていたが、免疫細胞特異的にNF-κBの活性化を抑制するものではなく、改良が望まれていた。
【非特許文献1】Nat. Rev. Immunol. 2:354-363, 2002
【非特許文献2】Nat. Rev. Immunol. 2:725-734, 2002
【非特許文献3】Cell. 109 Suppl:S81-96, 2002
【非特許文献4】Curr. Opin. Immunol. 16:367-373, 2004
【非特許文献5】J. Mol. Biol. 326:105-115, 2003
【非特許文献6】J. Biol. Chem. 278:48928-48934, 2003
【非特許文献7】Nat. Rev. Immunol. 4:348-359, 2004
【非特許文献8】Curr. Biol. 13:1252-1258, 2003
【非特許文献9】Immunity. 18:751-762, 2003
【非特許文献10】Curr. Biol. 13:1247-1251, 2003
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
B細胞などの免疫細胞におけるNF-κBの活性化を特異的に抑制することができれば、自己免疫疾患、移植片対宿主病、アレルギー、ガンなどに対する有効な治療法が提供できると考えられる。そこで、本発明は、自己免疫疾患、移植片対宿主病、アレルギー、ガンなどの疾患の予防又は治療に有効な医薬のスクリーニング方法を提供することを課題とする

【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、BCR刺激によるNF-κBの活性化には、CARMA1のリン酸化及びそれに伴うCARMA1とTAK1の相互作用が重要であることを見出した。これらを指標にすることにより自己免疫疾患等の疾患の予防薬または治療薬が効率よくスクリーニングできることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)CARMA1及びTAK1を発現する免疫細胞に化合物を添加し、さらに免疫細胞活性化刺激を加えた後、CARMA1のリン酸化、またはCARMA1とTAK1の相互作用を測定することを特徴とする、医薬のスクリーニング方法。
(2)免疫細胞がB細胞である、(1)の医薬のスクリーニング方法。
(3)B細胞がDT40細胞である、(2)の医薬のスクリーニング方法。
(4)医薬が自己免疫疾患、移植片対宿主病、アレルギー疾患、またはガンに対する医薬である、(1)〜(3)のいずれかの医薬のスクリーニング方法。
(5)CARMA1及びTAK1を発現する免疫細胞に化合物を添加し、さらに免疫細胞活性化刺激を加えた後、CARMA1のリン酸化、またはCARMA1とTAK1の相互作用を測定することを特徴とする、化合物のNF-κB活性化阻害能の評価方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明のスクリーニング方法によれば、自己免疫疾患、移植片対宿主病、アレルギー疾患、ガン等の疾患の予防薬または治療薬を効率よくスクリーニングすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明のスクリーニング方法では、免疫細胞における活性化刺激添加後の、CARMA1のリン酸化またはそれに伴うCARMA1とTAK1の相互作用を指標とする。
【0009】
ここで、免疫細胞とは、CARMA1とTAK1を発現し、刺激に応答してNF-κBが活性化される細胞であれば特に制限されないが、リンパ細胞が好ましく、B細胞またはT細胞がより好ましく、B細胞が特に好ましい。スクリーニングに用いる免疫細胞は脾臓などの組織から単離された細胞であってもよいし、株化された培養細胞であってもよい。ヒト由来細胞、マウス由来細胞、ニワトリ由来細胞、その他の動物由来細胞のいずれであってもよい。株化された培養B細胞として具体的には、例えば、ニワトリ由来のDT40細胞を用いることができる。この細胞はこの分野の研究者に一般的に使用されている細胞であるが、例えば、RIKEN細胞バンクから入手可能である。また、マウス成熟B細胞株A20、マウス未熟B細胞株WEHI、ヒトT細胞株Jurkat等を用いることもできる。これらの細胞はAmerican Type Culture
Collection (ATCC)などから入手することができる。
なお、これらの細胞におけるNF-κBの活性化は、NF-κBの核移行、NF-κBのDNAへの結合、標的遺伝子の発現の亢進のほか、IκBのリン酸化や分解などを指標にして確認することができる。
【0010】
CARMA1は膜結合型グアニル酸キナーゼファミリーに特徴的なPDZ、SH3、及びGUKドメインのモチーフを有し、様々なシグナル分子を膜サブドメインにつなぎとめるscaffoldタンパク質である(EMBO J. 21:5184-5194, 2002)。CARMA1としては、例えば、配列番号2のアミノ酸配列を有するヒトCARMA1が挙げられる。このヒトCARMA1をコードする塩基配列を配列番号1に示す。ただし、本発明のスクリーニング方法に用いられるCARMA1はこれに限定されず、BCR刺激によってリン酸化され、TAK1と相互作用するものであれば、配列番号2のアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸が置換、欠失、または挿入されたアミノ
酸配列を有するタンパク質であってもよい。ここで、数個とは2〜100個、好ましくは2〜50個、より好ましくは2〜20個をいう。この中にはマウスなど他の動物由来のCARMA1も含まれる。
CARMA1の発現はウエスタンブロッティングやRT-PCR、ノザンブロッティングなどで確認することができる。
【0011】
TAK1はMAP3Kファミリーに属するキナーゼである(J. Mol. Biol. 326:105-115, 2003)。TAK1としては、例えば、配列番号4のアミノ酸配列を有するヒトTAK1が挙げられる。このヒトTAK1をコードする塩基配列を配列番号3に示す。ただし、本発明のスクリーニング方法に用いられるTAK1はこれに限定されず、刺激によってリン酸化されたCARMA1と相互作用するものであれば、配列番号4のアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸が置換、欠失、または挿入されたアミノ酸配列を有するタンパク質を用いてもよい。ここで、数個とは2〜50個、好ましくは2〜20個、より好ましくは2〜10個をいう。この中にはマウスなど他の動物由来のTAK1も含まれる。
TAK1の発現はウエスタンブロッティングやRT-PCR、ノザンブロッティングなどで確認することができる。
【0012】
CARMA1のリン酸化を指標にしてスクリーニングを行う場合、CARMA1及びTAK1を発現する免疫細胞に化合物を添加し、活性化刺激を添加後、該細胞におけるCARMA1のリン酸化を測定し、CARMA1のリン酸化を阻害する化合物を医薬候補化合物として選択する。
免疫細胞活性化刺激としては、NF-κBを活性化させる刺激であれば特に制限されないが、抗IgM抗体や細胞表面抗原に対する抗体などが挙げられる。また、CpGオリゴヌクレオチド(CpG ODN)、BAFF(J Exp Med. 1999 Jun 7;189(11):1747-56.)、CD40リガンドなどを活性化刺激として用いることもできる。
なお、評価化合物の添加と活性化刺激の添加は同時に行ってもよい。
CARMA1のリン酸化は、抗リン酸化セリン/スレオニン抗体、抗リン酸化CARMA1抗体や32P-ATPなどを用いて測定することができる。CARMA1特異的リン酸化を調べるために、抗CARMA1抗体を用いて免疫沈降などによりCARMA1を分離した後に、抗リン酸化セリン/スレオニン抗体などを用いてCARMA1のリン酸化を測定することが好ましい。また、必ずしも抗CARMA1抗体を用いる必要はなく、CARMA1をFlag、Mycなどのタグが結合した形で免疫細胞に発現させた場合、抗Flag抗体や抗Myc抗体などのタグを認識する抗体を用いて免疫沈降してもよい。
CARMA1のリン酸化は刺激後早期に起こるため、刺激添加後、短時間でのCARMA1のリン酸化を評価することが好ましい。ここで、短時間とは、例えば、30秒〜5分が例示される。
【0013】
CARMA1とTAK1の相互作用を指標にしてスクリーニングを行う場合、CARMA1及びTAK1を発現する免疫細胞に化合物を添加し、刺激後のCARMA1とTAK1の相互作用を測定し、CARMA1とTAK1の相互作用を阻害する化合物を医薬候補化合物として選択する。
両者の相互作用を解析する方法としては、例えば、免疫沈降を用いる方法を挙げることができる。すなわち、CARMA1とTAK1とを発現する免疫細胞に化合物を加え、活性化刺激添加後に、一方のタンパク質に対する抗体等で複合体を回収したのち、他方のタンパク質を、そのタンパク質に対する抗体等を用いて検出することにより、両者のタンパク質の相互作用に与える被検化合物の影響を評価することができる。この場合において、両タンパク質は細胞が内因的に発現するタンパク質であってもよいが、どちらかまたは両方のタンパク質を外来的に細胞で発現させることもできる。免疫細胞内でタンパク質を外来的に発現させる場合、例えば、上述したようなCARMA1またはTAK1をコードする遺伝子を、pSV2neo,pcDNA I,pCD8などの外来遺伝子発現用のベクターに挿入することで発現させることができる。なお、これらのタンパク質はMycタグやFlagタグなどのペプチドタグとの融合タンパク質として発現させてもよい。
【0014】
CARMA1とTAK1の相互作用は、また、2−ハイブリッド法によって解析することもできる。2−ハイブリッド法においては、CARMA1またはTAK1のどちらか一方のタンパク質またはその部分ペプチドを、GAL4 DNA結合領域等と融合させた融合タンパク質を発現する第1のベクター、そして他方のタンパク質またはその部分ペプチドをVP16またはGAL4等の転写活性化領域と融合させた融合タンパク質を発現する第2のベクターをそれぞれ構築し、これらを、レポーター遺伝子をコードするベクターと共に細胞に導入して、被検化合物を含む試料の存在下でレポーター活性を指標に化合物のアッセイを行う。CARMA1とTAK1との相互作用によりレポーター遺伝子の発現が誘導されるが、被検化合物により両者のタンパク質の相互作用が阻害されると、レポーター遺伝子の発現が抑制される。レポーター遺伝子としては、例えば、LacZ遺伝子、CAT遺伝子、ルシフェラーゼ遺伝子、GFP遺伝子等が挙げられるが、これらに制限されない。
CARMA1とTAK1の相互作用もまた、刺激後早期に起こるため、刺激添加後、短時間でのCARMA1とTAK1の相互作用を評価することが好ましい。
【0015】
上記のようなスクリーニング方法によって得られる医薬は、免疫細胞におけるNF-κBの活性化を抑制するため、自己免疫疾患、移植の際に拒絶反応を呈する移植片対宿主病、ガン、アレルギーなどの治療薬や予防薬として有用である。自己免疫疾患としては、全身性エリテマトーデス、進行性全身性硬化症、多発性筋炎、慢性関節リウマチなどが挙げられ、アレルギーとしては、アトピー型気管支喘息、アトピー性皮膚炎、及びアレルギー性鼻炎や花粉症等のアレルギー性鼻炎などが挙げられる。ガンとしては白血病などが挙げられる。
【0016】
スクリーニングの対象とする化合物としては特に制限はなく、例えば、低分子合成化合物であってもよいし、天然物に含まれる化合物であってもよい。また、ペプチドであってもよい。スクリーニングには個々の被検化合物を用いてもよいが、化合物ライブラリーを用いてもよい。
なお、CARMA1及びTAK1を発現する免疫細胞に化合物を添加し、さらに免疫細胞活性化刺激を加えた後、CARMA1のリン酸化、またはCARMA1とTAK1の相互作用を測定することによって、化合物のNF-κB活性化阻害能の評価する方法も本発明に含まれる。
【実施例】
【0017】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0018】
<材料と方法>
野生型及び変異型DT40細胞は10%ウシ胎児血清、1%ニワトリ血清、50μM 2-ME ( Sigma-Aldrich社)、4mM L-グルタミン、及び抗生物質を含むRPMI 1640 (GIBCOTM;Invitrogen社)を用いて培養した。野生型C57BL/6JマウスはClea Japan社から購入した。抗CARMA1抗体は合成ペプチド(CLQFVSRSENKYKRMNSNERVRI:配列番号5)を用いてウサギを免疫することによって作製した。抗IκBα抗体は大腸菌で発現させたGST融合ニワトリIκBα(アミノ酸番号1-103)を用いてウサギを免疫することによって作製した。抗ニワトリIgM モノクローナル抗体M4(J. Exp. Med. 198:1841-1851, 2003)をB細胞抗原受容体(BCR)刺激に用いた。抗ERK抗体、抗JNK抗体、抗TAK1モノクローナル抗体(C9)、抗Bcl10モノクローナル抗体(331.3)、抗MALT1抗体はSanta Cruz Biotechnology Incより購入した。抗リン酸化PKCβ(T 500)抗体、抗PKCβII抗体、抗CARMA1抗体、抗TAK1抗体は Abcam社から購入した。抗IKKγモノクローナル抗体はBD pharmingen社から購入した。抗リン酸化ERK抗体、抗リン酸化IκBαモノクローナル抗体(5A5)、抗リン酸化IKKα/β(S177 /S181) 及び抗リン酸化スレオニン抗体はCell Signaling Technology Incから購入した。抗リン酸化セリン抗体はZymed社から購入した。抗リン酸化セリン抗体と抗リン酸化スレオニン抗体の混合物
を抗リン酸化セリン/スレオニン抗体として用いた。抗Flagモノクローナル抗体(M2)はSIGMA社から購入した。
【0019】
報告されているマウスのPKCβII, CARMA1, 及びTAK1の配列に基づいて、expressed sequence tag (EST) データベースを用いてニワトリホモログを検索し、DT40 細胞からのRNAを用いてRT-PCRによりそれぞれのニワトリcDNAを得た。PKCβII, CARMA1, 及びTAK1のゲノムクローンをそれぞれの配列に基づいたオリゴヌクレオチド及びゲノムDNAの鋳型を用いてPCRにより得た。
マウスPKCβII のATP結合領域に相当するエクソンを含むニワトリゲノムフラグメントをneoまたは hisDカセットに置換することで、ターゲッティングベクターpPKCβII-neo および pPKCβII-hisDを構築した。ニワトリCARMA1 のエクソン2-7のゲノムフラグメントをneo 及び hisD カセットで置換することによって、CARMA1のターゲッティングベクターを設計した。マウスTAK-1のATP結合領域に相当するニワトリゲノムフラグメントをneo 及び hisD カセットで置換することによって、TAK1のターゲッティングベクターを設計した。これらのターゲッティングベクターをDT40細胞にトランスフェクトし、PKCβII欠損 DT40 細胞、CARMA1欠損 DT40 細胞、TAK1欠損 DT40 細胞を得た。各欠損型DT40細胞の細胞表面のBCRの発現をAllophycocyanin (Dojindo社)結合抗ニワトリIgM 抗体 (Bethyl社)及びFACSCaliburTM (Becton Dickinson社)を用いて確認した。
【0020】
Flag結合マウス野生型TAK1及びその変異型cDNAをPCRによって調製した。K63W点突然変異(63位のリジンをトリプトファンに置換する変異)を有するキナーゼ不活化TAK1, 内部配列(アミノ酸401−530)を欠損したdA TAK1、および C末端配列(アミノ酸531−579)を欠損したdB TAK1 を作製した。各cDNAをIRES-GFP(J. Exp. Med. 201:333-339, 2005)とともにpApuroベクターにクローン化した。これらのコンストラクトを各欠損型DT40細胞にエレクトロポレーションによってトランスフェクトした。
【0021】
免疫沈降は、細胞をプロテアーゼ阻害剤及びフォスファターゼ阻害剤を含むNP-40溶解バッファーを用いて溶解し、細胞溶解物を各抗体及びプロテインG-セファロース(Amersham Biosciences社)とともにインキュベートすることにより行った。
ウエスタンブロッティングは以下のようにして行った。すなわち、免疫沈降物または細胞溶解物をSDS-PAGEに供し、polyvinyldifluoride (PVDF) 膜 (Bio-Rad Laboratories社)に移し、ワサビペルオキシダーゼ標識抗体(Amersham Biosciences社)又はアルカリフォスファターゼ標識抗体(Santa Cruz Biotechnology社)と反応させた後、ブロット膜を洗浄し、SuperSignal West Dura Extended Duration Substrate (PIERCE社) または BCIP/NBT Color Development system (Promega社)を用いて検出した。
【0022】
NF-κBのDNA結合活性は電気泳動移動度シフトアッセイ(EMSA)によって解析した。すなわち、M4 (10 mg/ml)で処理したDT40 細胞 (2 x 106個) の核抽出物を調製し、NF-κB のDNA結合領域特異的プローブ(5'-CAACGGCAGGGGAATTCCCCTCTCCTT-3':配列番号6)とインキュベートし、電気泳動し、オートラジオグラフィーにより検出した。
【0023】
IKK及びTAK1のキナーゼアッセイは以下のようにして行った。M4 (10 mg/ml)で刺激したDT40 細胞 (2 × 107個) を1% NP-40 溶解バッファーで溶解した。細胞溶解物を1 μg の抗IKKγモノクローナル抗体または1 μg の抗Flag モノクローナル抗体を用いて免疫沈降し、40 μl のプロテインG-セファロースでインキュベートした。ビーズを溶解バッファーで3回、キナーゼバッファー(25 mM Tris, pH 7.5, 5 mM β-Glycerolphosphate, 2 mM DTT, 0.1 mM Na3VO4, 10 mM MgCl2)で2回洗浄した。次いで、免疫沈降物を100 mM ATPを含むキナーゼバッファーで再懸濁し、GST-IκBα(マウスIκBαのN末端の1-72アミノ酸をGSTと結合させたもの) またはGST-IKKβ(ヒトIKKβの活性ループのアミノ酸 DLGYAKELDQGSLCTSFVGTLQYLAPELLEQQ (配列番号7)もしくはその変異体DLGYAKELDQGALCTAFVGTLQYLAP
ELLEQQ(配列番号8)をGSTに結合させたもの) をそれぞれ0.2 μg ずつ、IKK または TAK1の基質として添加した。30° C で30分インキュベートした後、SDSバッファーを加えて5分ボイルして反応を終結させた。サンプルをSDS-PAGEで分離し、PVDF膜に転写し、抗リン酸化IκBαモノクローナル抗体、または抗リン酸化IKKα/β抗体を用いて検出した。
JNKキナーゼアッセイは、JNKキナーゼアッセイキット(Cell Signaling社)を用い、製品のマニュアルにしたがって行った。
【0024】
<実験結果>
野生型DT40細胞 (wt)、PKCβ欠損DT40細胞(PKCβ-/-) 及びCARMA1欠損DT40細胞(CARMA1-/-)におけるBCRを介したIKKの活性化を調べた(図1)。図1の上段(2段)では1レーンあたり107 個の細胞を IKK キナーゼアッセイに供した。IKKの活性化はGST-IκBαのリン酸化を指標にし、抗リン酸化IκBαモノクローナル抗体を用いて検出した。図1中段(2段)では、IκBαの分解を抗IκBα抗体を用いたウエスタンブロッティングによって測定した。図1下段(1段)では、NF-κB活性を電気泳動移動度シフトアッセイ(EMSA)によって調べた。
その結果、PKCβ欠損細胞およびCARMA1欠損細胞ではいずれも、BCR刺激を加えてもIKKの活性化、IκBαの分解およびNF-κB 活性化はおこらなかった。なお、このNF-κB 活性化の欠失はBCRの発現低下によるものではなかった。これらの結果から、BCR刺激によるIKKの活性化にはPKCβ及び CARMA1が重要であることがわかった。
【0025】
IKKの活性化にはIKKαまたは IKKβのリン酸化が重要であることが知られている。したがって、その候補キナーゼとして、TAK1を選択し、BCRシグナルにおける役割を調べた。
まず、BCR刺激によって TAK1 が実際に活性化されるかどうかを調べた。C57BL/6Jマウスの脾臓からB細胞を調製し、抗マウスIgM F(ab)2 (anti-m)を用いて刺激した。約4 x 107 個の細胞からの細胞質抽出物を抗TAK1抗体を用いて免疫沈降し、沈降物をインビトロキナーゼアッセイに供した。TAK1活性として、TAK1の自己リン酸化を抗リン酸化セリン/スレオニン抗体を用いて検出した。その結果、BCR刺激後3分以内にTAK1が活性化されることがわかった (図 2 A)
【0026】
次に、DT40細胞においてBCR 刺激後のFlag結合TAK1のセリン/スレオニンのリン酸化状態をモニターした。TAK1欠損 DT40細胞にFlag結合野生型TAK1 (TAK1 wt) 又はFlag結合キナーゼ不活性化TAK1 (TAK1 K63W) をトランスフェクトした。細胞溶解物(2 x 107 個/ レーン) を抗Flagモノクローナル抗体を用いて免疫沈降し、沈降物を抗セリン/スレオニン抗体を用いたウエスタンブロッティングによって解析した。
このFlag結合TAK1はBCR 刺激後3分以内にリン酸化を受けたが、キナーゼ欠損変異体はほとんどリン酸化されなかった (図 2 D上段)。これらのことから、TAK1 はBCR 刺激によって活性化されることがわかった。
【0027】
次に、TAK1欠損DT40 細胞 (TAK-/-) 、DT40 野生型細胞(wt)における、IKK 活性、IκBαの分解及びNF-κB の活性化を図1と同様にして調べた。図2 Bに示すように、BCR刺激によるNF-κBの活性化はTAK1欠損DT40 細胞では消失した。
次に、TAK1 のERK 及びJNKに対する効果を調べた。ERKの活性化は全細胞溶解物(1 x 106 細胞/ レーン) について、抗リン酸化p44/p42 MAPK ポリクローナル抗体を用いたウエスタンブロッティングを行うことによって解析した。JNKの活性化は、2 x 107 個の細胞を用いてインビトロキナーゼアッセイを行うことにより解析した。その結果、ERKキナーゼはTAK1欠損細胞においてBCR刺激によって通常に活性化された。一方、JNKの活性化は完全に消失した(図2 C)。また、TAK1欠損細胞に野生型TAK1を導入するとBCR刺激によるIKK 及び JNK の活性化は回復したが、キナーゼ欠損変異体を導入しても回復しなかった (図2
D)。これらのことから、TAK1 キナーゼ活性が DT40 細胞におけるBCR刺激によるIKK 及び JNKの活性化に必要であることがわかった。
【0028】
上記のようにTAK1欠損DT40 細胞は、PKCβ欠損細胞及びCARM1欠損細胞と同様にBCRを介したIKK活性化の欠損を示した。これは、TAK1とPKCβ/CARMA1の間に何らかの関係があることが考えられた。そこで、まず、PKCβ及びCARMA1に対するTAK1欠損の影響を調べた。
野生型 (wt) 又は TAK1欠損DT40 細胞において、抗リン酸化PKCβ抗体(T500; ヒト PKCβスレオニン500に相当)を用いてPKCβ自身のリン酸化状態を調べることによって、PKCβ活性を測定した。その結果、TAK1欠損 DT40 細胞ではPKCβ活性は野生型DT40細胞と比べては変化しなかった (図3 A)。したがって, BCR刺激によるIKKの活性化経路では、PKCβはTAK1の上流に位置することが考えられた。
【0029】
次に、野生型 (wt) 又は TAK1欠損DT40 細胞における CARMA1 のリン酸化を、4 x 107 個の細胞からの細胞質抽出物を抗CARMA1 抗体を用いて免疫沈降し、抗リン酸化セリン/スレオニン抗体(P-ST)を用いてウエスタンブロッティングを行うことにより解析した。その結果、野生型DT40 細胞ではBCR刺激によってCARMA1 がリン酸化されることがわかった。このCARMA1のリン酸化はTAK1欠損細胞においても見られた。しかし、その程度は刺激後3分で野生型細胞と比較して約20 % まで減少し、このリン酸化は10分間は続かなかった(図3 B)。これらのことから TAK1 はCARMA1のリン酸化を開始するというよりはむしろ維持するために働いていることが考えられた。
【0030】
また、TAK-/-, PKCβ-/-細胞 又はTAK-/-, CARMA1-/- DT40 細胞にFlag融合野生型TAK1
(TAK1 wt) をトランスフェクトし、TAK1の活性化状態を上記(図2 D)と同様にして測定した。その結果、PKCβまたは CARMA1の欠損時には, 抗リン酸化セリン/スレオニン抗体によるブロッティングで調べたTAK1の活性化は野生型DT40 細胞と比較して大幅に減少していた (図3 C)。以上のことから、PKCβおよびCARMA1を介した反応がBCR刺激におけるTAK1活性の亢進に重要であることが示唆された。
【0031】
TAK1 からIKKの活性化につながる経路をさらに解明するために、TAK1 がDT40 細胞においてCARMA1と相互作用するかについて調べた。これらの相互作用は、Flag融合野生型TAK1を発現させたTAK1欠損DT40細胞の細胞溶解物を抗Flagモノクローナル抗体を用いて免疫沈降し、抗CARMA1抗体を用いてウエスタンブロッティングを行うことにより解析した。また、C57BL/6Jマウスの脾臓からB 細胞を調製し、抗マウスIgM F(ab)2 (anti-m)を用いて刺激し、4 x 107 個の細胞からの細胞質抽出物を抗CARMA1抗体を用いて免疫沈降し、沈降物について抗TAK1抗体を用いてウエスタンブロッティングを行った。
その結果、TAK1 と CARMA1 の相互作用は刺激3分後DT40 細胞で観察された (図4 A)。この誘導的な相互作用はBCR刺激初代培養B細胞でも見られた(図4 B)。
【0032】
この相互作用の重要性について調べるために、TAK1 変異体を作製し(図5A)、その機能を調べた。各種TAK1変異体をTAK1欠損DT40細胞にトランスフェクトした。細胞溶解物(サンプルあたり2 x 107 細胞) を抗Flag モノクローナル抗体を用いて免疫沈降し、抗CARMA1抗体を用いてウエスタンブロッティングを行った(図5B)。また、IκBαの分解を図1と同様にして検出した(図5C)。さらに、図5Aに示す各コンストラクトをTAB1とともに293T細胞に一過的にトランスフェクトし、各変異体TAK1の活性を調べた(図5D)。細胞を溶解し、抗Flagモノクローナル抗体を用いて免疫沈降し、得られた免疫複合体をGST-IKKβを基質に用いてキナーゼアッセイに供した。図5Dのレーン1(*)では, 177位及び181位のセリンがアラニンに置換されたIKKβのGST融合タンパク質をネガティブコントロールの基質として用いた。
その結果、dB変異体とは異なり, dA変異体はBCR刺激によってCARMA1 と相互作用せず、IKKを活性化しなかった(図5B, C)。免疫沈降されたdA変異体が293T 細胞で過剰発現させたときに野生型と同様のキナーゼ活性を示したことから、これはキナーゼ活性の消失によるものではなく相互作用の欠如によるものであると考えられた(図5 D)。以上より、BCR
刺激後, TAK1 はCARMA1 に結合し, IKK の活性化をもたらすことがわかった。
【0033】
TAK1 とCARMA1の相互作用についてさらに詳しく調べた。
まず、野生型 (wt) 又はPKCβ欠損DT40細胞における CARMA1 のリン酸化を免疫沈降及びウエスタンブロットを行うことによって測定した。その結果、PKCβ欠損細胞では CARMA1 のリン酸化はBCR刺激によって誘導されなかった(図6 A)。
TAK1 とCARMA1の相互作用は、Flag融合野生型TAK1を発現させた、TAK1欠損DT40細胞又はTAK1欠損PKCβ欠損DT40細胞の細胞溶解物を抗Flagモノクローナル抗体を用いて免疫沈降し、抗CARMA1抗体を用いてウエスタンブロッティングすることによって解析した。その結果、PKCβ欠損DT40 細胞ではTAK1とCARMA1の相互作用も大きく減少した。図6Aと図6Bを比較すると、BCR刺激3分後の CARMA1 のリン酸化状態がTAK1とCARMA1の相互作用の状態とよく相関することがわかった。
さらに、PKCβ欠損細胞におけるCARMA1とBcl10 又はMALT1の相互作用を、4 x 107 個の細胞からの細胞質抽出物について抗CARMA1抗体を用いて免疫沈降し、抗Bcl10抗体又は抗MALT1抗体を用いてウエスタンブロッティングを行うことにより解析した(図6C)。その結果、CARMA1 が Bcl10 およびMALT1 とも相互作用することが明らかとなり、その相互作用の程度はCARMA1のリン酸化状態と相関した。これらの結果から、CARMA1はリン酸化され、それによってTAK1やBcl10、MALTと相互作用することが考えられた。
【0034】
以上の結果から、リン酸化されたCARMA1と相互作用することにより、TAK1はその基質であるIKKに近づきやすくなり、これによってIKKのリン酸化が促進されるという可能性が考えられた。そこで、IKK がBCR 刺激後にCARMA1 と相互作用するか、およびその相互作用はPKCβ依存的かについて調べた。
まず、野生型DT40細胞及びPKCβ欠損細胞の溶解物(ぞれぞれ2 x 107個)について抗IKKγモノクローナル抗体を用いて免疫沈降し、抗CARMA1抗体を用いたウエスタンブロッティングによって解析した(図7A)。その結果、CARMA1とIKKγの相互作用は野生型細胞でのみ見られ、PKCβ依存的であることがわかった。
Flag融合野生型TAK1導入細胞またはFlag融合キナーゼ活性欠損型TAK1導入細胞からの細胞溶解物を抗Flag モノクローナル抗体を用いて免疫沈降し、GST-IKKβを基質に用いてインビトロキナーゼアッセイを行った(図7B)。その結果、野生型TAK1のみ、刺激後に、GST-IKKβをリン酸化した。レーン 4 (*)では, 177位及び181位のセリンがアラニンに置換されたIKKβのGST融合タンパク質をネガティブコントロールの基質として用いた。これらのサイトがTAK1によってリン酸化されていることが明らかとなった。以上の結果から、TAK1がIKKキナーゼのひとつであることが示唆された。
【0035】
以上の結果から、BCR刺激によるNF-κBの活性化には以下のようなモデルが考えられた(図8)。
まず、BCR刺激によりSyk及びBtkなどのタンパク質チロシンキナーゼが活性化される。Btk はホスホリパーゼC-γ2 (PLC-γ2)のいくつかのtyrosine 残基をリン酸化し、それによりプロテインキナーゼ Cβ(PKCβ)が活性化される。活性化されたPKCβはCARMA1をリン酸化する。それによってTAK1がリン酸化されたCARMA1 に結合する。一方、IKK複合体はおそらく Bcl10/ MALT1 複合体を介してリン酸化CARMA1に結合する。これらの相互作用はTAK1 にIKKを引き寄せ、IKK複合体のリン酸化、NF-κBの活性化をもたらす。
なお、本実施例ではB細胞におけるNF-κBの活性化経路について示したが、T細胞においてもCARMA1及びTAK1の存在が知られており、同様のメカニズムでNF-κBが活性化されると考えられる。したがって、本発明のスクリーニング方法はT細胞を用いても行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】各細胞におけるB細胞抗原受容体(BCR)を介したIKKの活性化を示す図(写真)。野生型DT40細胞 (wt), PKCβ欠損DT40細胞(PKCβ-/-) 及びCARMA1欠損DT40細胞(CARMA1-/-)におけるBCRを介したIKKの活性化を、IKKキナーゼアッセイ(上段)、ウエスタンブロッティングによるIκBα分解の測定(中段)、電気泳動移動度シフトアッセイ(EMSA)によるNF-κB 活性の測定によって調べた(下段)。下図では、NF-κB 複合体の位置を矢印で示した。
【図2】BCR刺激によるIKKの活性化に対するTAK1の影響を示す図(写真)。(A)はBCR刺激後のTAK1の自己リン酸化を抗リン酸化セリン/スレオニン抗体を用いて検出した図である。(B)はTAK1欠損DT40 細胞 (TAK-/-) 、DT40 野生型細胞(wt)における、IKK 活性、IκBαの分解, 及びNF-κBの活性化を示す図である。(C)はERKおよびJNKの活性化をウエスタンブロッティングによって解析した図である。(D)はTAK1欠損 DT40細胞に野生型TAK1 (TAK1 wt) 又はキナーゼ不活性型TAK1 (TAK1 K63W) を導入したときのTAK1の自己リン酸化、IKK 活性、IκBα分解およびJNK活性化を示す図である。
【図3】TAK1とPKCβとCARMA1の関係を示す図(写真)。(A)は野生型 (wt) 又は TAK1欠損DT40 細胞におけるPKCβ活性の測定結果を示す図。(B)は野生型 (wt) 又は TAK1欠損DT40 細胞における CARMA1 のリン酸化を示す図。(C)は各欠損DT40細胞にTAK1を導入したときのTAK1活性を示す図。
【図4】TAK1とCARMA1の相互作用を示す図(写真)。(A)は抗Flagモノクローナル抗体を用いて免疫沈降し、抗CARMA1抗体を用いてウエスタンブロッティングを行った結果を示す。(B)は抗CARMA1抗体を用いて免疫沈降し、抗TAK1抗体を用いてウエスタンブロッティングを行った結果を示す。
【図5】TAK1 とCARMA1 の相互作用のNF-κB 活性化に対する影響を示す図(写真)。(A)は各TAK1 変異体コンストラクトの模式図である。(B)は各変異体TAK1とCARMA1の相互作用を示す。(C)は各変異体TAK1を導入した細胞におけるIκBαの分解を示す。(D)は各変異体TAK1によるIKKβのリン酸化を示す。
【図6】TAK1 とCARMA1の相互作用に対するPKCβの影響を示す図(写真)。(A)は野生型 (wt) 又はPKCβ欠損DT40細胞におけるCARMA1 のリン酸化を示す。(B)は野生型 (wt) 又はPKCβ欠損DT40細胞におけるTAK1 とCARMA1の相互作用を示す。(C)は野生型 (wt) 又はPKCβ欠損DT40細胞におけるCARMA1とBcl10 又は MALT1 の相互作用を示す。
【図7】TAK1 によるIKKのリン酸化を示す図(写真)。(A)は野生型 (wt) 又はPKCβ欠損DT40細胞におけるIKKとCARMA1の相互作用を示す。(B)は野生型TAK1またはキナーゼ活性欠損型TAK1導入細胞におけるIKKβのリン酸化を示す。
【図8】B細胞抗原受容体刺激によるNF-κBの活性化のモデル図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CARMA1及びTAK1を発現する免疫細胞に化合物を添加し、さらに免疫細胞活性化刺激を加えた後、CARMA1のリン酸化、またはCARMA1とTAK1の相互作用を測定することを特徴とする、医薬のスクリーニング方法。
【請求項2】
免疫細胞がB細胞である、請求項1に記載の医薬のスクリーニング方法。
【請求項3】
B細胞がDT40細胞である、請求項2に記載の医薬のスクリーニング方法。
【請求項4】
医薬が自己免疫疾患、移植片対宿主病、アレルギー疾患、またはガンに対する医薬である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の医薬のスクリーニング方法。
【請求項5】
CARMA1及びTAK1を発現する免疫細胞に化合物を添加し、さらに免疫細胞活性化刺激を加えた後、CARMA1のリン酸化、またはCARMA1とTAK1の相互作用を測定することを特徴とする、化合物のNF-κB活性化阻害能の評価方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−89496(P2007−89496A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−284318(P2005−284318)
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(503359821)独立行政法人理化学研究所 (1,056)
【Fターム(参考)】