説明

半導体ダイのコンタクト構造および方法

【課題】よりよい緩衝を半導体デバイスの金属化層に配置された誘電体層に提供する。
【解決手段】複数の誘電体層および導電層を含む基板、複数の導電層の最上層の1つと電気的に接続し、約15,000Åより大きい厚さを有する金属コンタクト、および金属コンタクトと電気的に接続したコネクタを含む半導体デバイス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイスに関し、特に、半導体ダイのコンタクトを形成するシステムおよび方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、半導体ダイは、アクティブデバイス(active device)、アクティブデバイスへの接続を形成する金属化層、および金属化層(およびアクティブデバイス)に信号と電力を提供する入力/出力(I/O)コンタクトを含む。金属化層は、一般的に、アクティブデバイスおよびI/Oコンタクトの間(および個別のアクティブデバイス間)の必要な全ての接続を提供するための一連の誘電体層および金属層を含む。これらの誘電体層は、約2.9〜3.8の間の誘電率(k値)を有する低k誘電体材料、約2.5より小さいk値を有する超低k(ULK)誘電体材料、または約2.5〜約2.9の間のk値を有する極低k(ELK)誘電体材料、または低k誘電体材料のいくつかの組み合わせより形成され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、これらの低k、ULK、およびELK材料は、金属化層の電気的特徴を改善して、半導体デバイスの全体の速度または効率を上げるように用いることはできるものの、これらの材料は、重大な構造上の欠点もある。半導体デバイスでは、これらの材料の全てが、それらに加わる応力を処理するのに他の誘電体材料よりも大きな困難を有する。そのようなものとして、低k、ULK、およびELK材料は、低k、ULK、およびELK材料に過大な圧力が加えられた時、剥離または亀裂を生じ易い。この剥離または亀裂は、半導体デバイスを損傷または破壊するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの実施の形態によれば、半導体デバイスは、複数の誘電体層および導電層を有する基板を含む。金属コンタクトは、複数の導電層の最上層の1つと電気的に接続しており、金属コンタクトは、約15,000Åより大きい厚さを有する。コネクタは、金属コンタクトと電気的に接続している。
【0005】
もう1つの実施の形態によれば、半導体デバイスは、複数の金属層を有する基板を含む。金属コンタクトは、複数の金属層の最上層の1つと電気的に接続しており、金属コンタクトは、約15,000Åより大きい厚さを有する。導電性ピラーは、金属コンタクトと電気的に接続している。
【0006】
またもう1つの実施の形態によれば、半導体デバイスを製造する方法は、基板を提供するステップと、基板上に複数の導電層および誘電体層を形成するステップを含み、誘電体層は導電層の間に配置される。保護(passivation)層は、複数の導電層の最上層の1つの上に形成される。金属コンタクトは、保護層に形成され、複数の導電層の最上層の1つと接続しており、金属コンタクトは、約15,000Åより大きい厚さを有する。導電性ピラーは、保護層の上に形成され、導電性ピラーは、金属コンタクトと電気的に接続される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の各実施の形態によれば、よりよい緩衝を金属化層に配置された低k誘電体層、ELK誘電体層、および/またはULK誘電体層に提供することができる。また、本発明の各実施の形態によれば、金属化層に配置された低k誘電体層、ELK誘電体層、および/またはULK誘電体層上の規格化応力は、これらの低k誘電体層、ELK誘電体層、および/またはULK誘電体層の破壊点(failing point)以下に減少されることもできる。よって、金属化層の誘電体層が他の物体によって損傷、剥離、または亀裂を生じることなく、より粗野な処理、運送、および使用を可能にする。
【0008】
なお、この開示およびその利点のより完全な理解のために、添付の図面と併せて解釈される以下の記載を参照する。
【0009】
異なる図面の対応する数字および符号は、一般的に特に示されない限り、対応の部分を意味する。図面は、さまざまな実施の形態の関連性のある局面を明確に示すために描かれるもので、縮尺に描かれるとは限らない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】1つの実施の形態による基板、金属化層、第1金属コンタクト、および第1保護層を含む半導体ダイを示している。
【図2】1つの実施の形態による第2保護層およびコンタクトパッドの形成を示している。
【図3】1つの実施の形態による第3保護層および第2保護層上のマスクの形成を示している。
【図4】1つの実施の形態による導電性ピラーの形成を示している。
【図5】1つの実施の形態による導電性ピラーの形成を示している。
【図6】1つの実施の形態による不動態化(post-passivation)相互接続構造の形成を示している。
【図7】1つの実施の形態によるコンタクトバンプの形成を示している。
【図8】導電性ピラーが第1金属コンタクトと接触して形成された1つの実施の形態を示している。
【図9】導電性ピラーが第1金属コンタクトと接触して形成された1つの実施の形態を示している。
【図10】第1金属コンタクトの厚さの範囲に関連した利点を示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態の製造および使用が以下に詳細に論じられる。しかしながら、本開示は、さまざまな特定の文脈において具現化され得る多くの適用可能な発明の概念を提供する。論じられる特定の実施の形態は、単に本発明を製造および使用する特定の態様を例示するのみであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0012】
本開示は、特定の文脈において、即ち、導電性ピラー構造の実施の形態に関連して述べられる。しかしながら、本開示は、他のコンタクト構造に応用されてもよい。
【0013】
図1を参照して、基板101、金属化層103、第1金属コンタクト105、および第1保護層107を含むウエハ100の断面図を示している。基板101は、ドープされたまたはドープされていないバルクシリコン、またはシリコンオンインシュレータ(SOI)基板の活性層を含み得る。一般的にSOI基板は、シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、SOI、シリコンゲルマニウムオンインシュレータ(SGOI)、またはその組み合わせなどの半導体材料の層を含む。用いることができる他の基板は、多層基板、傾斜基板、またはハイブリッド方位(hybrid orientation)基板を含む。トランジスタ、コンデンサ、レジスタなどのさまざまなアクティブデバイス(図示せず)は、基板101内に、あるいは基板の表面上に、任意の好適な方法を用いて形成され得る。
【0014】
金属化層103は、基板101上に形成され、さまざまなアクティブデバイスに接続するように設計されて機能回路を形成する。金属化層103は、交互の誘電体層(例えば、第1誘電体層109および第2誘電体層111)および導電層(例えば、第1導電層113および最上層の第2導電層115)より形成され得、任意の好適なプロセス(例えば、堆積、ダマシン、デュアルダマシンなど)によって形成され得る。4層の交互の誘電体層および導電層が図1に示されているが、金属化層103内に配置される誘電体層および導電層の正確な数は、ウエハ100の全体の設計で決まり、4層より多く、または少なく(第2誘電体層111および第1導電層113の間の点線に示されるように)なり得る。
【0015】
金属化層103の誘電体層(例えば、第1誘電体層109および第2誘電体層111)は、例えば、約2.9〜3.8の間の誘電率(k値)を有する低k誘電体材料、約2.5より小さいk値を有する超低k(ULK)誘電体材料、約2.5〜約2.9の間のk値を有する極低k(ELK)誘電体材料、または低k誘電体材料のいくつかの組み合わせなどにより形成され得る。k値の低下に伴って、金属化層103の誘電体層は、より脆弱になり、剥離または亀裂し易くなる。
【0016】
第1保護層107は、最上層の第2導電層115上に形成され得、酸化物または窒化ケイ素などの誘電体材料を含み得るが、他の好適な誘電体、例えば、高k誘電体、またはこれらの材料の任意の組み合わせが代替的に用いられてもよい。第1保護層107は、他の任意のプロセスが代替的に用いられてもよいが、プラズマ化学気相成長(PECVD)プロセスを用いて形成され得る。第1保護層107は、約0.6μm〜約1.4μmの間、例えば、約1μmの厚さを有することができる。
【0017】
第1金属コンタクト105は、第1保護層107内に配置される。第1金属コンタクト105は、最上層の導電層115および外部コンタクトパッド(図2を参照に以下に述べられる)の間のコンタクトとしての役割を果たす。第1金属コンタクト105は、タングステン、アルミニウム、または銅合金などの他の硬い材料が代替的に用いられてもよいが、銅などの硬い材料を含み得る。第1金属コンタクト105は、ダマシンまたはデュアルダマシンプロセスを用いて形成され得、銅が第1保護層107の開口内に過充填され、続いて、化学機械研磨(CMP)などのプロセスによって、余分な銅を除去するステップを含むことができる。しかしながら、任意の好適な材料(例えば、アルミニウムなど)および任意の好適なプロセス(例えば堆積およびエッチング)が代替的に用いられて、第1金属コンタクト105を形成してもよい。
【0018】
第1金属コンタクト105は、第1金属コンタクト105が金属化層103に配置される誘電体層(例えば、第1誘電体層109および第2誘電体層111)の緩衝層としての役割を果たすことができる厚さを有するように形成され得る。そのようなものとして、第1金属コンタクト105は、約15,000Åより大きい、例えば約20,000Åの厚さを有するように形成され得る。第1金属コンタクト105がこの範囲の厚さで、銅などの硬い金属で製作される時、第1金属コンタクト105は、よりよい緩衝を金属化層103に配置された低k誘電体層、ELK誘電体層、および/またはULK誘電体層に提供することができる。この追加の緩衝化(buffering)は、金属化層103の誘電体層が他の物体によって損傷、剥離、または亀裂を生じることなく、より粗野な処理、運送、および使用を可能にする。
【0019】
図2は、第2保護層201およびコンタクトパッド203の形成を示している。第2保護層201は、第1金属コンタクト105を保護するため、第1保護層107および第1金属コンタクト105上に形成してもよい。第2保護層201は、図1に関連して上記に論じた第1保護層107と同様の方式にて同様の材料から形成してもよく、または代替的に第1保護層107および第2保護層201は、互いと異なる材料より形成してもよい。
一旦形成されると、第2保護層201は、好適なマスキングおよび除去プロセス(例えばフォトリソグラフィマスクおよびエッチングプロセス)によってパターン化され得、第1金属コンタクト105と電気的に接続をするコンタクトパッド203の形成を考慮し得る。
【0020】
コンタクトパッド203は、ウエハ100の回路(アクティブデバイスおよび金属化層103を含む)から、第1金属コンタクト105を介してウエハ100の他のデバイス(図示されていない)への接続を提供する。コンタクトパッド203は、アルミニウム/銅合金であり得、第2保護層201上にアルミニウム/銅合金の初期層を形成し、かつ第1金属コンタクト105と電気的接触することで形成され得る。一旦、アルミニウム/銅合金の初期層が形成されると、図2に示されるように、フォトリソグラフィーおよびエッチングなどの好適な技術がアルミニウム/銅合金をパターン化するため用いられ、コンタクトパッド203を形成することができる。コンタクトパッド203は、約10,000Å〜約50,000Åの間、例えば約25,000Åの厚さを有するように形成され得る。
【0021】
しかしながら、当業者なら認識するであろうが、コンタクトパッド203を形成する上述のプロセスは、1つの材料および形成方法にすぎない。他の好適な材料、例えば、アルミニウム、金、銀、ニッケル、銅、タングステン、チタン、タンタル、前述の化合物、前述の合金、前述の多層構造、前述の複合物、前述の組み合わせを含む(しかしこれに限定されるものではない)材料が用いられ得る。また、異なる材料は、異なる形成方法、例えばスパッタリング、または更にはデュアルダマシンプロセスなどを必要とする可能性がある。これらの材料および形成方法の全ては、代替的に用いられてよく、かつそれぞれ本発明の範囲内に含まれることを十分に意図するものである。
【0022】
図3は、第2保護層201上の第3保護層301、バンプ下地金属(UBM)302、およびマスク303の形成を示している。第3保護層301は、ウエハ100が遭遇する可能性のある次のプロセスおよび他の環境の間に、第2保護層201およびコンタクトパッド203を物理的損傷および環境的損傷から保護するために、第2保護層201およびコンタクトパッド203上に形成することができる。第3保護層301は、代替的に第1保護層107と第2保護層201と異なる材料より形成されてもよいが、第3保護層301は、第1保護層107と第2保護層201(図1および図2にそれぞれ関連して上記に説明した)と同様の材料で、かつ同様のプロセスによって形成されてもよい。
【0023】
一旦、第3保護層301が第2保護層201およびコンタクトパッド203上に形成されると、さらなる接続用のコンタクトパッド203の一部を露出するように、開口が第3保護層301を穿通して形成され得る。開口は、好適なマスキングおよび除去プロセス、例えば好適なフォトリソグラフィマスクおよびエッチングプロセスによって形成され得る。しかしながら、上述の開示のパターンニングプロセスは、単に代表的なプロセスとして意図されるにすぎず、他の好適なパターンニングプロセスがコンタクトパッド203の一部を露出するため代わりに用いられてもよい。
【0024】
この段階では、選択的なポリイミド(PI)コーティング304は、第3保護層301を保護するように用いられ得る。PIコーティング304は、約2.5μm〜約12μmの間、例えば、約4μmの厚さの例えば、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、またはエポキシなどの絶縁材料で第3保護層301をコーティングすることによって形成され得る。あるいは又、PIコーティング304は、ポリイミド溶液をスプレーするか、第3保護層301をポリイミド溶液に浸すかのどちらかによって形成され得る。任意の好適な形成方法が用いられ得る。接続が下方のコンタクトパッド203に形成されるようにするために、PIコーティング304は、好適なマスキングおよびエッチングプロセスによってパターン化され、第3保護層301によって既に露出されたコンタクトパッド203のこれらの部分を露出し得る。
【0025】
一旦、第3保護層301がパターン化されると、UBM302は、コンタクトパッド203と接触して形成され得る。UBM302は、チタンおよび銅合金の層を含み得る。しかしながら、多くの好適な材料および層の配置、例えば、チタン/銅/ニッケルの配置、クロム/クロム−銅合金/銅/金の配置、チタン/チタンタングステン/銅の配置、または銅/ニッケル/金の配置などの配置があり、UBM302の形成に適合することが当業者に認識されるであろう。UBM302に用いられ得る任意の好適な材料または材料の層は、本発明の範囲内に含まれることを十分に意図するものである。
【0026】
UBM302は、各層をPIコーティング304および第3保護層301上、かつ開口の内部に沿って共形して形成することによって作出され得る。各層の形成は、スパッタリング、CVD、またはめっきプロセスを用いて行われ得るが、例えば蒸着またはPECVDプロセスなどの他の形成のプロセスも所望の材料に応じて用いられ得る。UBM302は、約0.1μm〜約2μmの間、例えば約0.5μmの厚さを有して形成され得る。
【0027】
一旦、第3保護層301、PIコーティング304、およびUBM302が形成されると、マスク303がUBM302上に形成され得る。1つの実施の形態では、マスク303は、ドライフィルムであり得、層間絶縁用フィルム(Ajinomoto Build-Up Film; ABF)などの有機材料を含み得る。あるいは又、マスク303は、フォトレジスト材料で形成され得る。一旦形成されると、マスク303は、コンタクトパッド203上のUBM302への導電性ピラー開口305を形成するために、パターン化され得る。
【0028】
1つの実施の形態では、導電性ピラー開口305は、導電性ピラー開口305内に形成される次の導電性ピラー400の所望のサイズおよび形状(図4に関連して以下に述べられる)に形成される。導電性ピラー開口305は、約10μm〜約200μmの幅の間、例えば約80μmの幅、かつ約3,000Å〜約60,000Åの間、例えば約40,000Åの第3保護層301の底部表面に対する深さを有することができる。
【0029】
図4は、導電性ピラー開口305(図3を参照)に導電性ピラー400を選択的に充填するのを示している。導電性ピラー400は、コンタクトパッド203およびウエハ100のデバイスとの間の電気的な接続となり、信号および電力が金属化層103に伝送され、かつ最後に基板101に配置されたアクティブデバイス(図示されていない)に伝送されるようにする。
【0030】
導電性ピラー400は、下方のUBM302と接触して形成され得、導電性材料から形成され得る。1つの実施の形態では、導電材料は銅または銅合金などの金属を含み得るが、他の金属、例えばアルミニウム、銀、金、その組み合わせなども用いられ得る。導電性ピラー400は、例えば電気めっきなどの好適なプロセスによって形成され得、約60μmより小さい厚さ、または更には約30μm〜約50μmの間の厚さを有することができる。一旦、導電ピラー400が形成されると、例えば、ニッケル含有層、銅含有層、またはスズ含有層から形成された選択的な導電性バリア層(図示されていない)が形成され、導電性ピラー400上に形成され得る。
【0031】
次に、図5に示されるように、マスク303(図3および図4を参照)は、好適な除去プロセスを用いて除去され、UBM302がパターン化され、かつ保護層501が導電性ピラー400上に形成される。マスク303の除去により、導電性ピラー開口305の形状(図3を参照)で導電性ピラー400を残される。一旦マスク303が除去されると、UBM302の部分は、好適なフォトリソグラフィマスキングおよびエッチングプロセスによって除去されて、不必要な材料を除去し、かつ金属コンタクト203および導電性ピラー400の間の接続としてUBM302を残すことができる。
【0032】
マスク303が除去されて、UBM302がパターン化された後、保護層501は、導電ピラー400の側壁に沿って形成され得る。保護層501は、後に続くプロセス中または使用中の環境的損傷または物理的損傷から、下方の導電性ピラー400を覆いかつ保護する。保護層501は、スズから形成することができ、約500Å〜約5,000Åの間、例えば約2,000Åの厚さまで、浸漬めっきプロセスを用いて側壁につけられ得る。しかしながら、これらの材料およびプロセスは、模範的なものを意図するにすぎず、他の好適な方法および材料も代替的に用いられてよい。例えば、保護層501は、無電解パラジウム置換金(ENEPIG)のプロセスによって、または簡単に無電解ニッケル浸漬金(ENIG)プロセスによってニッケルパラジウム合金で形成され得る。
【0033】
図6は、コンタクトパッド203(図5を参照)が第2保護層201に沿って延伸した不動態化(post-passivation)相互接続(PPI)構造601で置き換えられたもう1つの実施の形態を示している。PPI構造601は、導電性ピラー400を第1金属コンタクト105に電気的に接続させ、導電性ピラー400の位置を第1金属コンタクト105の直接上方の領域に限定する代わりに、導電性ピラー400がウエハ100の任意の所望の位置に配置されるようにする。
【0034】
この実施の形態では、PPI601は、CVDまたはスパッタリングなどの好適な形成プロセスによってチタン銅合金のシード層(図示されていない)を始めに形成することによって形成される。フォトレジスト(図示されていない)は、シード層を覆うように形成され、続いてフォトレジストはパターン化されて、シード層の、PPI601が所望に位置する部分を露出する。
【0035】
一旦フォトレジストが形成されてパターン化されると、銅などの導電性材料603は、めっきなどの堆積プロセスによってシード層上に形成され得る。導電材料603は、約1μm〜約10μmの間、例えば、約5μmの厚さを有するように形成され得る。しかしながら、上述の材料および方法は、導電性材料603を形成するのに好適であるが、これらの材料は単に模範的なものにすぎない。他の任意の好適な材料、例えばAlCuまたはAuおよび他の任意の好適な形成プロセス、例えばCVDまたはPVDが導電材料603を形成するのに代替的に用いられてもよい。
【0036】
一旦導電材料603が形成されると、フォトレジストは好適な除去プロセスによって除去され得る。また、フォトレジストの除去後、フォトレジストによって覆われたシード層のこれらの部分は、例えば、導電材料603をマスクとして用いる好適なエッチプロセスによって除去される。
【0037】
シード層の除去後、第3保護層301、PIコーティング304、UBM302、導電性ピラー400、および保護層501は、第1金属コンタクト105と接触した状態で、PPI601の任意の所望の部分上に形成される。この実施の形態では、第3保護層301、PIコーティング304、UBM302、導電性ピラー400、および保護層501は、例えば図3〜図6に関連して上記に説明した任意の好適なプロセスによって形成され得る。しかしながら、PPI601の使用は、導電性ピラー400が例えば最適化、配置、または他の任意の原因などの理由により所望される任意の位置に配置されるようにする。
【0038】
図7は、導電性ピラー400(例えば図6)がコンタクトバンプ701に置き換えられたもう1つの実施の形態を示している。この実施の形態では、UBM302およびマスク303が形成された後、コンタクトバンプ701は、マスク303の開口に形成される。コンタクトバンプ701は、例えばスズ、または、例えば銀、鉛フリー(無しの)スズ、または銅などの他の好適な材料を含み得る。コンタクトバンプ701がスズはんだバンプである1つの実施の形態では、コンタクトバンプ701は、例えば電気めっき、蒸着、印刷などの一般的に用いられる方法によって、約100μmの厚さのスズ層を初期に形成することによって形成することができる。一旦、コンタクトバンプ701がマスク303の開口に形成されると、マスク303は、剥離(stripping)などの好適な除去プロセスを用いて除去され、UBM302は、図5Aに関連して上記に説明したようにパターン化され得る。一旦マスク303が除去されると、リフローが行われ、コンタクトバンプ701が丸い上表面を形成する。
【0039】
図8〜図9は、コンタクトパッド203(図2〜図6)が含まれず、かつ導電性ピラー400が第1金属コンタクト105で接触して形成されたもう1つの実施の形態を示している。第1金属コンタクト105と接触した導電性ピラー400を形成することにより、コンタクトパッド203は、除去され、よってウエハ100の全体の製造プロセスを簡素化できる。
【0040】
まず、図8を参照して、第1金属コンタクト105と接触した導電性ピラー400を形成するために、第1金属コンタクト105および第2保護層201は、図1および図2に関連して上記に説明した形成と同様に形成される。第2保護層201は、第1金属コンタクト105の一部を露出する開口を形成するようにパターン化される。続いて、コンタクトパッド203を形成する代わりに、PIコーティング304は、第2保護層201の上方、かつトレンチ内に形成され、かつ第1金属コンタクト105をカバーする。
【0041】
一旦形成されると、第1金属コンタクト105の上表面を露出するために、PIコーティング304は、トレンチの底部から除去される。この除去は、好適なマスキングおよび除去プロセス、例えばフォトリソグラフィクマスクおよびエッチングプロセスを用いて行われてよい。また、除去プロセスは、トレンチの側壁からPIコーティング304を選択的に除去可能であるが、1つの実施の形態では、PIコーティング304は、続いて形成される導電性ピラー400を分離(isolate)するように、トレンチの側壁から除去されない。
【0042】
図9は、PIコーティング304上の導電性ピラー400と保護層501の形成を示す。
導電性ピラー400は第1金属コンタクト105と接触している。導電性ピラー400は、図3〜図5に関連して上記に説明したプロセスと同様のプロセスによって形成され得る。しかしながら、本実施の形態では、導電性ピラー400は、導電性ピラー400から金属化層103へのより小さい抵抗の流れを考慮するために、前述の図2〜図6に示されたコンタクトパッド203の代わりに第1金属コンタクト105と接触して形成される。
【0043】
図10は、第1金属コンタクト105の厚さの範囲で、ここで述べられた実施の形態を用いて得られる予想外の利点を示している。図に示されるように、1つの実施の形態では、鉛フリーはんだバンプに対して5/3μm Cu/NiめっきのUBM、かつ約14,000Åのアルミニウムコンタクトパッドを用いる。第1金属コンタクト105の厚さがx軸に沿って、図1に関連して上記に説明した臨界範囲内に延伸された時、下方のELK誘電体層上の規格化応力は、規格化応力が下方のELK誘電体層の破壊点(failing point)以下に減少される。また、図10は、1つの実施の形態では、約14,000Åのアルミニウムコンタクトパッドが用いられて、上部金属の厚さの増加が規格化ELK応力を破壊点以下に低下させ得ることも示している。そのようなものとして、半導体ダイは、より少ない不良かつより高い信頼性をもって加工、輸送および使用の危険により良く耐えることができる。
【0044】
本開示およびその利点が詳述されてきたが、本開示の精神及び範囲を逸脱しない限りにおいては、添付の請求の範囲によって定義され、本開示の精神および範囲を逸脱せずに、ここで種々の変更、代替、および改変ができることが当業者に認識されるであろう。例えば多くの異なる材料およびプロセスが導電性ピラーを形成するのに用いられてよい。これらの全ての材料およびプロセスは、本開示の範囲内に完全に含まれることを意図する。
【0045】
更に、本願の範囲は、本明細書に述べられたプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、およびステップの特定の実施の形態を限定するものではない。ここに述べられた対応する実施の形態のように実質的に同じ機能を行う、または実質的に同じ結果となる、現存の、または後に開発される本開示、プロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、またはステップからより明白になることが当業者に認識されるであろう。よって、添付の請求は、このようなプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、またはステップをこれらの範囲内に含むことを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の誘電体層および導電層を含む基板、
前記複数の導電層のうちの最上層と電気的に接続しており、約15,000Åより大きい厚さを有する金属コンタクト、
前記金属コンタクトと電気的に接続しているコネクタ、および
前記金属コンタクトと前記コネクタを接続するコンタクトパッド、
を含む半導体デバイス。
【請求項2】
前記コンタクトパッドは、アルミニウムを含む請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
複数の誘電体層および導電層を含む基板、
前記複数の導電層のうちの最上層と電気的に接続しており、約15,000Åより大きい厚さを有する金属コンタクト、
前記金属コンタクトと電気的に接続しているコネクタ、および
前記金属コンタクトと前記コネクタを接続する不動態化相互接続、
を含む半導体デバイス。
【請求項4】
前記不動態化相互接続は、アルミニウムを含む請求項3に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
半導体デバイスを製造する方法であって、前記方法は、
基板を提供するステップ、
前記基板上に複数の導電層およびこれら導電層の間に配置される誘電体層を形成するステップ、
前記複数の導電層のうちの最上層上に保護層を形成するステップ、
前記保護層内にて前記複数の導電層のうちの最上層と接続する、約15,000Åより大きい厚さを有する金属コンタクトを形成するステップ、および
前記保護層上に、前記金属コンタクトと電気的に接続する導電性ピラーを形成するステップを含む方法。
【請求項6】
導電性ピラーを形成する前に前記金属コンタクトの上にコンタクトパッドを形成するステップを更に含む請求項5に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−110443(P2013−110443A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−48132(P2013−48132)
【出願日】平成25年3月11日(2013.3.11)
【分割の表示】特願2010−243342(P2010−243342)の分割
【原出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(500262038)台湾積體電路製造股▲ふん▼有限公司 (198)
【氏名又は名称原語表記】Taiwan Semiconductor Manufacturing Company,Ltd.
【住所又は居所原語表記】8,Li−Hsin Rd.6,Hsinchu Science Park,Hsinchu,Taiwan 300−77,R.O.C.