説明

半導体基板の製造方法および半導体装置の製造方法

【課題】エッジ部に形成される段差部の傾斜を緩やかにできるSON構造を有する半導体基板の製造方法およびその半導体基板を用いた半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】第1ホール群13の外周部に第1ホール11より直径D2が小さく間隔W2が大きな第2ホール群14を形成し、その後の水素雰囲気の高温アニールで平板状の空洞を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、SON(Silicon on Nothing)構造を有する半導体基板の製造方法およびその半導体基板を用いた圧力センサなどの半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、SON構造を有するシリコン基板を用いて形成する例えば圧力センサなどの半導体装置がある。このSON構造を有するシリコン基板500の製造方法について説明する。
【0003】
図13〜図15は、従来のSON構造を有するシリコン基板の製造方法を工程順に示した要部製造工程図である。(a)は平面図、(b)は断面図である。
図13に示すように、シリコン基板51上に熱酸化膜を形成し、レジストマスク53でこの熱酸化膜をパターニングして、ホールを形成するための熱酸化膜マスク52を形成する。図中の54aはホール61をシリコン基板1に形成するための熱酸化膜マスク52の貫通孔、55aは貫通孔54aを形成するためのレジストマスク53の貫通孔、56はレジストマスク53の貫通孔群である。
【0004】
つぎに、図14に示すように、熱酸化膜マスク52を用いて異方生ドライエッチングを行い複数の同一寸法のホール61からなるホール群62を形成する。例えば、ホール61の直径D7は0.6μm程度、ホール間隔W7が0.6μm程度、ホール深さT7は5μm程度である。図16に示すように、このホール61の中心点61aは正方形格子71の格子点71aに配置され、この格子点71aの間隔W8は1.2μmである。
【0005】
つぎに、図15に示すように、熱酸化膜マスク52をウエットエッチングにより除去した後、このシリコン基板51を例えば水素雰囲気中で1150℃のアニール処理を行う。アニール処理を行うことで、マイグレーション効果により、ホール61の上部が次第に閉じて、大きな平板状の空洞63になり、SON構造を有するシリコン基板500が出来上がる。
【0006】
尚、図15において、単一のホール61で平板状の空洞63を形成した場合、ホール直径D7が小さい程、ホール間隔W7が広い程、段差部65の段差S(図15参照)は小さくなる。
【0007】
このSON構造を形成する手法は、シリコンの表面マイグレーションを利用した方法であり、シリコン基板51を水素雰囲気中や高真空中で高温の熱処理(アニール処理)することで、シリコン原子の表面拡散にて、原子レベルで表面が平坦化されることを利用したものである。
【0008】
前記の平板状の空洞63が形成される箇所と空洞63が形成されない箇所の境目(エッジ部64)には段差部65ができ、この段差は空洞63が形成される箇所が低くなる。
特許文献1では、シリコン基板の表面に複数の溝を2次元的に配列形成した後、シリコン基板に熱処理を施すことによって、複数の溝を1つの平板状の空洞に変えることで、コストの上昇や、信頼性の低下を招かずにSOI構造を形成することができることが開示されている。
【0009】
また、特許文献2では、内部に空洞を有する炭化珪素単結晶基板の製造方法を記載している。炭化珪素単結晶基板の内部に空洞を形成する工程と、前記空洞内の空間に面した前記炭化珪素単結晶基板の第1表面を前記空洞を挟んで前記第1表面に対向した前記炭化珪素単結晶基板の第2表面に比べてより高温として、前記第1表面から炭化珪素を昇華させるとともに前記昇華した炭化珪素を前記第2表面上で結晶化させる工程とを含んだ製造方法によって、厚く且つ高品質な炭化珪素単結晶基板の製造方法を提供することができることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2001−144276号公報
【特許文献2】特開2003−95797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
図15(b)に示すように、エッジ部64に形成される段差部65の傾斜66が急峻な場合には、このSON構造を有するシリコン基板500を用いて圧力センサなどの半導体装置を作製した際、パターニング工程において、図17に示すように段差部65にレジスト67が溜まりレジスト67の厚みQが厚くなってレジストマスク不良(パターンニング不良など)を発生させる。また、図18に示すように、この急峻な段差部65に配線68が形成される場合、断線69し易くなり半導体装置の信頼性が低下する。さらに、段差部65が急峻な場合には製造プロセス中に加わる熱応力で、図19に示すように、この箇所に結晶欠陥70が発生しやすくなる。結晶欠陥70が存在すると半導体装置の特性に悪影響を及ぼし、また信頼性を低下させる。これらは、SON構造(空洞63)上を含むシリコン基板51上に図示しないエピタキシャル層を形成し、圧力センサなどの半導体装置を製作した場合も同じような不都合を生じる。
【0012】
前記の特許文献1では、この段差の影響を軽減する具体的な方法として、「段差上に対応した部分のパターンについては、幅広のパターンを設ける。また、平板状の空洞を形成する前に、空洞の形成領域以外の領域を予め低下する分だけ掘り下げておくか、あるいは平板状の空洞を形成した後に低下した分だけ空洞の形成領域上のみを持ち上げるか、あるいは全面をCMPにより研磨して表面を平坦化すれば良い。」などが述べられている。しかし、これらの方法では、マスク数が増加し、製造コストを増大させる。
【0013】
前記の特許文献2では、炭化珪素単結晶基板に空洞を形成し、炭化珪素単結晶基板の内部で炭化珪素の昇華及び結晶化を行うことにより単結晶を高品質化することは記載されているが、空洞上の基板表面(エッジ部)に形成される段差部については記載されていない。
【0014】
この発明の目的は、前記の課題を解決して、エッジ部に形成される段差部の傾斜を緩やかにできるSON構造を有する半導体基板の製造方法およびその半導体基板を用いた半導体装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記の目的を達成するために、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明によれば、SON構造を有する半導体基板の製造方法において、半導体基板の表面に複数の第1ホールからなる第1ホール群と前記第1ホール群を取り囲むように配置され前記第1ホールより直径が小さく間隔が広い複数の第2ホールからなる第2ホール群を同時に形成する形成する工程と、水素雰囲気もしくは真空雰囲気で、1100℃を超える高温で熱処理して、前記第1ホール群の第1ホールと第2ホール群の第2ホールのそれぞれの上部を閉塞し一つの平板状の空洞を形成する工程と、を含む半導体基板の製造方法であって、前記の第2ホール群を形成することで、前記平板状の空洞端近傍上の表面に形成される段差部の傾斜を緩やかにする半導体基板の製造方法とする。
【0016】
また、特許請求の範囲の請求項2記載の発明によれば、請求項1に記載の発明において、前記第2ホール群を取り囲むように配置され、前記第2ホールより直径か小さく間隔が広い複数の第3ホールからなる第3ホール群を前記第2ホール群と同時に形成する工程を含むとよい。
【0017】
また、特許請求の範囲の請求項3記載の発明によれば、請求項1、2に記載の発明において、格子点が正方形配置もしくは正三角形配置される格子の各格子点に前記第1ホールの中心点、前記第2ホールの中心点および前記第3ホールの中心点がそれぞれ配置されるとよい。
【0018】
また、特許請求の範囲の請求項4記載の発明によれば、請求項1に記載の発明において、複数の第1格子点が正方形配置であり各第1格子点に前記第1ホールの各中心点を配置し、最外周に位置する前記第1格子点に接続する第2格子点で該第2格子点が正三角形配置であり各第2格子点に前記第2ホールを配置するとよい。
【0019】
また、特許請求の範囲の請求項5に記載の発明によれば、前記請求項1〜3のいずれか一項の製造方法で製造されたSON構造を有する半導体基板を用いて製造される半導体装置の製造方法において、前記半導体基板の表面にレジストを塗布し、フォトリソグラフィーでレジストマスクを形成する工程と、前記レジストマスクを用いて、前記半導体基板のSON構造上部を含む表面層に電気回路を構成する各拡散層および該拡散層を接続する電気配線を形成する工程と、
を含む半導体装置の製造方法とする。
<作用>
前記の特許文献1に記載されているように、平板状の空洞上の半導体基板表面が、空洞が形成されないその他の個所の半導体基板表面に対して少し下がる。この理由は、各トレンチホールの底で形成される空洞の体積が初期のトレンチホールの体積よりも小さくなり、先に形成する複数のトレンチホールの体積に対して、形成される平板状の空洞の体積を差し引いた分だけ、基板表面が下がるからだと考えられる。
【0020】
このことから、半導体基板にトレンチホールを配置するホール直径の寸法を、SON構造を形成する箇所でSON構造を形成しない箇所に近い側(エッジ部)のホールの直径を小さく、間隔を広くする。それにより、エッジ部付近のホール直径が小さいために深さが浅めに形成されるて、アニールによる変形が中央部よりもやや早めに進み、ホールが閉じた半導体基板表面の平坦性も進む。その結果として、半導体基板表面が下がる量が少なくなり、段差部の傾斜が緩やかになる。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、エッジ部のホールの直径を小さく、間隔を広くすることで、平板状の空洞が形成されたSON構造を有する半導体基板表面のエッジ部の段差部の傾斜が緩やかになる。
【0022】
このように段差部の傾斜が緩やかになったため、この半導体基板に圧力センサなどの半導体装置を形成した場合、レジストマスク不良が防止され、製造コストを低減できる。
また、段差部に形成される配線の断線を防止できて半導体装置の信頼性を向上できる。
【0023】
さらに、段差部付近の半導体基板内にかかる応力が緩和され、結晶欠陥の発生を防止できて、良好な半導体基板と半導体装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】この発明の第1実施例のSON構造を有する半導体基板の部製造工程図である。
【図2】図1に続く、この発明の第1実施例のSON構造を有する半導体基板の部製造工程図である。
【図3】図2に続く、この発明の第1実施例のSON構造を有する半導体基板の部製造工程図である。
【図4】ホールを配置する正方形格子の図である。
【図5】ホールの中心点を配置する格子の図であり、(a)は正三角形格子の図、(b)は正方形格子と正三角形格子が混在した図である。
【図6】第2ホール群の外周に小さな第3ホール群を配置した場合の平面図である。
【図7】この発明の第2実施例のSON構造を有する半導体基板を用いて製作した半導体装置の要部製造工程断面図である。
【図8】図7に続く、この発明の第2実施例のSON構造を有する半導体基板を用いて製作した半導体装置の要部製造工程断面図である。
【図9】図8に続く、この発明の第2実施例のSON構造を有する半導体基板を用いて製作した半導体装置の要部製造工程断面図である。
【図10】図9に続く、この発明の第2実施例のSON構造を有する半導体基板を用いて製作した半導体装置の要部製造工程断面図である。
【図11】図10に続く、この発明の第2実施例のSON構造を有する半導体基板を用いて製作した半導体装置の要部製造工程断面図である。
【図12】図11に続く、この発明の第2実施例のSON構造を有する半導体基板を用いて製作した半導体装置の要部製造工程断面図である。
【図13】従来のSON構造を有するシリコン基板の製造方法を要部製造工程図である。
【図14】図13に続く、従来のSON構造を有するシリコン基板の製造方法を要部製造工程図である。
【図15】図14に続く、従来のSON構造を有するシリコン基板の製造方法を要部製造工程図である。
【図16】ホール61の中心点を正方形格子に配置した図である。
【図17】段差部にレジストが溜まりレジストの厚みが厚くなった図である。
【図18】段差部に形成した配線が断線した図である。
【図19】段差部に結晶欠陥が発生した図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
実施の形態を以下の実施例で説明する。
<実施例1>
図1〜図3は、この発明の第1実施例のSON構造を有する半導体基板の製造方法を工程順に示した要部製造工程図である。(a)は平面図、(b)は断面図である。ここではSON構造を有するシリコン基板100を例に挙げて説明する。これらの図は概略模式図である。
【0026】
図1に示すように、単結晶のシリコン基板1上に熱酸化膜を形成し、その上にパターニングされたレジストマスク3を形成する。続いて、このレジストマスク3を用いて、異方性エッチング例えばRIE(Reactive Ion Echting)により熱酸化膜をパターニングして熱酸化膜マスク2を形成する。図中の第1貫通孔4aは、大きな第1ホールをシリコン基板1に形成するための熱酸化膜マスク2の貫通孔である。第2貫通孔4bは、小さな第2ホールをシリコン基板1に形成する熱酸化膜マスク2の貫通孔である。第3貫通孔5aは、第1貫通孔4aを形成するためのレジストマスク3の貫通孔である。第4貫通孔5bは、第2貫通孔4bを形成するレジストマスク3の貫通孔である。また第1貫通孔群6はレジストマスク3の貫通孔であり、第2貫通孔群7は第1貫通孔群6の外周部を取り囲むレジストマスク3の貫通孔群である。
【0027】
つぎに、図2に示すように、レジストマスク3を炭化して剥離した後、熱酸化膜マスク2を用いて異方性エッチング例えばRIEによりシリコン基板1の表面に2種類の複数のホール11,12を形成する。大きな第1ホール11は中央に配置され、その直径D1は0.6μm、間隔W1は0.6μm、深さT1は5μm程度である。小さな第2ホール12は外周部に第1ホール群13を取り囲むように配置され、その直径D2は0.5μm、間隔W2は0.7μm、深さT2は4μm程度である。また、第ホール11と第2ホール12の間隔W3は0.65μmである。第1ホール11の集団が第1ホール群13であり、第2ホール12の集団が第2ホール群14である。第1ホール群13の周囲を取り囲んで第2ホール群14が配置される。この第2ホール群14は2列から5列程度(図では2列)に並んだ第2ホール12で構成される。図4に示すように、第1ホール11の中心点11aおよび第2ホール12の中心点12aは同一の正方形格子15の各格子点15aに配置されている。この格子点15aの間隔W4はここでは1.2μmである。また、第1ホール11および第2ホール12は同時に形成されるため、直径の小さな第2ホール12の深さT2は直径の大きい第1ホール11の深さT1より浅くなる。また、ここではホール11,12を形成するためのマスク材として、熱酸化膜を用いたが、ホール形成のための異方性エッチングにおいて、シリコンとの選択比が高い材料であれば熱酸化膜に限ったことではない。
【0028】
つぎに、図3に示すように、熱酸化膜マスク2を除去した後、減圧下の非酸化性雰囲気、例えば熱処理温度が1150℃で、雰囲気気圧が10Torr(1330Pa)の100%水素雰囲気中にて高温アニールを行う。高温アニールを行うことにより、ホール11,12はその開口上部が閉ざされ、シリコン基板1の内部に一つの大きな平板状の空洞16が形成されSON構造を有するシリコン基板100が出来上がる。前記の熱処理温度が1100℃未満ではマイグレーションが起こりにくいので、1100℃以上がよい。また、圧力は10Torr(1330Pa)としたが、さらに高くても構わない。また、真空雰囲気で行なう場合もある。
【0029】
この平板状の空洞16の外周部近傍上の半導体表面(エッジ部17)には段差部18が形成され、この段差部18の傾斜19は、第2ホール群14を形成することによって緩やかになる。
【0030】
このように、エッジ部17に配置される第2ホール12の直径D2を第1ホール11の直径D1より小さくし、さらに第2ホール12の間隔W2を第1ホール11の間隔W1より広げることで、エッジ部17に形成される段差部18の傾斜19は緩やかになる。ここで傾斜19は勾配(X/Y)のことである。
【0031】
前記したように、段差部18の傾斜19が緩やかになることで、この箇所に形成される結晶欠陥は減少し、このシリコン基板を用いた圧力センサなどの半導体装置の特性不良が減少し、信頼性が向上する。
【0032】
また、段差部18でのレジスト溜まりが防止されて、レジストマスク3不良が減少する。
つぎに、前記の図2と異なるホールの中心点を配置する格子について説明する。
【0033】
図5は、ホールの中心点を配置する格子の図であり、同図(a)は格子点21aの配置を正三角形格子23にした図、同図(b)は第1ホールの中心点11aを配置する格子点22aを正方形格子22にし、第2ホール12の中心点12aを配置する格子点23aを正三角形格子23にした図である。各格子点21a,22a,23aの間隔は同じにする。第1ホール11および第2ホール12の直径D1,D2および間隔W1,W2は前記の場合と同じである。この場合も前記と同様の効果を得ることができる。
【0034】
図6は、第2ホール群14の外周を取り囲むように第3ホール群25を配置した場合の平面図である。第3ホール24の直径D3は第2ホール12の直径D2より小さくする。この場合は段差部18の傾斜19は図4の場合よりさらに緩やかになり好ましい。この場合も、格子点間隔は図5の場合と同じである。さらに、図示しないが、第3ホール群25の外周を取り囲むように、第3ホールより小さく間隔が広い第4ホールで構成される第4ホール群を形成する場合もある。
<実施例2>
図7〜図12は、この発明の第2実施例のSON構造を有する半導体基板を用いて製作した半導体装置の製造方法を工程順に示した要部製造工程断面図である。ここではSON構造を有するシリコン基板100を用いて製作する圧力センサ200の製造方法について説明する。SON構造は圧力センサのダイアフラムとして利用される。
【0035】
まず、図7に示すように、本発明の製造方法で製作したSON構造を有するシリコン基板100を用意する。平板状の空洞16の厚さは数μm程度である。説明を簡単にするために、空洞16は外周部で斜線16aで示すように狭くなるが,ここでは、平板状の空洞16の断面形状を長方形で示す。
【0036】
つぎに、図8に示すように、シリコン基板1上に8μm程度の厚さPのエピタキシャル層31を形成する。
つぎに、図9に示すように、エピタキシャル層31上にレジストを塗布し、圧力センサのブリッジ抵抗や電気回路などを形成するためのレジストマスク32をフォトリソグラフィーで形成する。
【0037】
つぎに、図10に示すように、このレジストマスク32を用いて圧力センサのブリッジ抵抗や電気回路などを形成するための各拡散層33を形成し、レジストマスク32を除去する。
【0038】
つぎに、図11に示すように、シリコン基板1の裏面からSON構造の空洞16に達する検出孔34を形成する。この検出孔34は圧力を検出・測定する気体や液体をダイアフラムへ導くために必要になる。
【0039】
つぎに、図12に示すように、各拡散層33を接続する配線を形成し、ケース35を被せて圧力センサ200が出来上がる。
SON構造付近表面の段差部18の傾斜19が緩やかになるため、レジストマスク3不良が防止され、製造コストを低減することができる。
【0040】
また、段差部18に形成される配線の断線を防止できる。さらに、段差部18付近のシリコン基板1内にかかる応力を小さくできて、結晶欠陥の発生を抑制できる。その結果、半導体装置の特性不良を防止でき、信頼性を高めることができる。
【符号の説明】
【0041】
1 シリコン基板
2 熱酸化膜マスク
3 レジストマスク
4a 第1貫通孔
4b 第2貫通孔
5a 第3貫通孔
5b 第4貫通孔
6 第1貫通孔群
7 第2貫通孔群
11 第1ホール
11a,12a,24a 中心点
12 第2ホール
13 第1ホール群
14 第2ホール群
15,21,22 正方形格子
15a,21a、22a,23a 格子点
16 平板状の空洞
16a 斜線
17 エッジ部
18 段差部
19 傾斜
23 正三角形格子
24 第3ホール
25 第3ホール群
31 エピタキシャル層
32 レジストマスク
33 拡散層
34 検出孔
35 ケース
100 SON構造を有するシリコン基板
200 圧力センサ
D1 第1ホールの直径
D2 第2ホールの直径
W1 第1ホールの間隔
W2 第2ホールの間隔
W3 第1ホールと第2ホールの間隔
T1 第1ホールの深さ
T2 第2ホールの深さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
SON構造を有する半導体基板の製造方法において、
半導体基板の表面に複数の第1ホールからなる第1ホール群と前記第1ホール群を取り囲むように配置され前記第1ホールより直径が小さく間隔が広い複数の第2ホールからなる第2ホール群を同時に形成する形成する工程と、
減圧下の非酸化性雰囲気で熱処理して、前記第1ホール群の第1ホールと第2ホール群の第2ホールのそれぞれの上部を閉塞し一つの平板状の空洞を形成する工程と、を含むことを特徴とする半導体基板の製造方法。
【請求項2】
前記第2ホール群を取り囲むように配置され、前記第2ホールより直径か小さく間隔が広い複数の第3ホールからなる第3ホール群を前記第2ホール群と同時に形成する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体基板の製造方法。
【請求項3】
格子点が正方形配置もしくは正三角形配置される格子の各格子点に前記第1ホールの中心点、前記第2ホールの中心点および前記第3ホールの中心点がそれぞれ配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体基板の製造方法。
【請求項4】
複数の第1格子点が正方形配置であり各第1格子点に前記第1ホールの各中心点を配置し、最外周に位置する前記第1格子点に接続する第2格子点で該第2格子点が正三角形配置であり各第2格子点に前記第2ホールを配置することを特徴とする請求項1に記載の半導体基板の製造方法。
【請求項5】
前記請求項1〜4のいずれか一項の製造方法で製造されたSON構造を有する半導体基板を用いて製造される半導体装置の製造方法において、
前記SON構造を有する半導体基板上にエピタキシャル層を形成する工程と、
前記エピタキシャル層上にレジストを塗布し、フォトリソグラフィーでレジストマスクを形成する工程と、
前記レジストマスクを用いて、前記エピタキシャル層の表面層に電気回路を構成する各拡散層および該拡散層を接続する電気配線を形成する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate