半導体発光素子の点灯装置およびそれを用いた照明器具
【課題】半導体発光素子の調光下限付近において、間欠的な電流分流制御による過渡現象を利用して時間的にレベルが変化する過渡電圧または過渡電流を半導体発光素子に重畳させることにより、色温度の変化は許容しつつ、発光強度のばらつきやちらつきを低減する。
【解決手段】
半導体発光素子2に直流電流を供給する直流電源(コンバータ回路1)と、前記直流電源または前記半導体発光素子2と並列に接続された分流抵抗R1とスイッチング素子Q2の直列回路(分流回路5)と、前記分流抵抗R1と並列または直列に接続されたリアクタンス要素(コンデンサC2)とを備え、前記スイッチング素子Q2のオン時またはオフ時に前記リアクタンス要素に生じる過渡電圧または過渡電流を前記半導体発光素子2に重畳させる。
【解決手段】
半導体発光素子2に直流電流を供給する直流電源(コンバータ回路1)と、前記直流電源または前記半導体発光素子2と並列に接続された分流抵抗R1とスイッチング素子Q2の直列回路(分流回路5)と、前記分流抵抗R1と並列または直列に接続されたリアクタンス要素(コンデンサC2)とを備え、前記スイッチング素子Q2のオン時またはオフ時に前記リアクタンス要素に生じる過渡電圧または過渡電流を前記半導体発光素子2に重畳させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(LED)のような半導体発光素子の点灯装置およびそれを用いた照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特許第4,420,745号公報)によれば、照明用LEDの点灯駆動回路において、DC電流レベルの増減で調光を行い、そのDC電流レベルの増減によるLEDの色温度の変化を防止する為に、調光時のDC電流にピーク電流レベルを一定に設定したパルス電流を重畳させることが提案されている。また、特許文献2(特開2009−277514号公報)によれば、LED負荷に第1の電流と第2の電流を交互に供給する点灯回路を備え、第1の電流はLED負荷が所定の色を発する定格近傍の電流とし、第2の電流は調光信号部からの調光信号を受けて電流を可変とすることにより、LEDが発光する色のシフトを少なくしながら調光する技術が開示されている。
【0003】
特許文献3(特開2007−234415号公報)によれば、調光下限付近では、直流電源部から照明用LEDに一定の直流電流を供給すると共に、前記直流電流の一部を分流する分流回路を照明用LEDと並列に設けることにより、照明用LEDを低光束まで安定に調光点灯させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4,420,745号公報(図2)
【特許文献2】特開2009−277514号公報(図1)
【特許文献3】特開2007−234415号公報(図10−図12)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献3では、分流回路に間欠電流ではなく、定常電流を流す構成となっていたので、不飽和領域で動作する能動素子やその制御回路が必要であった。これに対して、分流回路に間欠電流を流す構成とすれば、能動素子はオンオフ制御だけで良いから、制御が容易となる。その反面、電流・電圧波形を解析してみると、分流回路に流れる間欠電流によって、浮遊容量や寄生インダクタンスに起因する振動電流が発生する恐れがあることが分かった。
【0006】
そこで、その振動電流をむしろ有用な電流として活用し、従来のような電流レベルが一定のパルス電流(特許文献1、2参照)に代えて、時間的にレベルが変化する過渡電圧または過渡電流を重畳させるように構成すれば、簡単な構成でLEDの発光強度のばらつきを解消したり、ちらつきを低減できるとの知見を得た。特許文献1、2の技術では、LEDの色温度の変化を防止する為に、電流レベルが一定のパルス電流を重畳させる必要があるので、回路構成が複雑になるという課題があった。
【0007】
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、半導体発光素子の調光下限付近において、間欠的な電流分流制御による過渡現象を利用して時間的にレベルが変化する過渡電圧または過渡電流を半導体発光素子に重畳させることにより、色温度の変化は許容しつつ、発光強度のばらつきやちらつきを低減することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、上記の課題を解決するために、図1に示すように、半導体発光素子2に直流電流を供給する直流電源(コンバータ回路1)と、前記直流電源または前記半導体発光素子2と並列に接続された分流抵抗R1とスイッチング素子Q2の直列回路(分流回路5)と、前記分流抵抗R1と並列または直列に接続されたリアクタンス要素(コンデンサC2)とを備え、前記スイッチング素子Q2のオン時またはオフ時に前記リアクタンス要素に生じる過渡電圧または過渡電流を前記半導体発光素子2に重畳させることを特徴とするものである。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1記載の半導体発光素子の点灯装置において、前記リアクタンス要素はコンデンサC2を含むことを特徴とする(図1)。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2記載の半導体発光素子の点灯装置において、前記分流抵抗R1は前記スイッチング素子Q2のオフ時に前記コンデンサC2の電荷を放電する放電抵抗を兼ねることを特徴とする(図1)。
【0011】
請求項4の発明は、請求項2記載の半導体発光素子の点灯装置において、前記分流抵抗R1は前記スイッチング素子Q2のオフ時に前記コンデンサC2に電荷を充電する充電抵抗を兼ねることを特徴とする(図11)。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の半導体発光素子の点灯装置において、前記分流抵抗R1は巻線型抵抗器であり、前記リアクタンス要素は前記巻線型抵抗器のインダクタンス成分L2を含むことを特徴とする(図12)。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の半導体発光素子の点灯装置において、前記リアクタンス要素はLC共振回路を含むことを特徴とする(図7)。
【0014】
請求項7の発明は、請求項6記載の半導体発光素子の点灯装置において、前記分流抵抗R1は前記LC共振回路のQを低下させるダンパー抵抗を兼ねることを特徴とする(図7)。
【0015】
請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の半導体発光素子の点灯装置において、前記スイッチング素子Q2は調光下限付近でオンオフ駆動され、前記直流電源は、前記スイッチング素子Q2がオンオフ駆動される調光下限付近では、全点灯時に比べて小さい略一定の電流を出力するように制御されることを特徴とする。
【0016】
請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の半導体発光素子の点灯装置において、第2の分流抵抗と第2のスイッチング素子の直列回路(第2の分流回路6)を前記直流電源と並列に接続したことを特徴とする(図9)。
【0017】
請求項10の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載の半導体発光素子の点灯装置を備える照明器具である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、調光下限付近では、間欠的な電流分流制御を利用して時間的にレベルが変化する過渡電圧または過渡電流を半導体発光素子に重畳させることができるから、半導体発光素子の色温度の変化は許容しつつ、発光強度のばらつきやちらつきを低減することができる。また、スイッチング素子のオンオフ周波数を適切に設定することで、ビデオ撮影時においてもフリッカが生じないように制御することができる。さらに、定格点灯時や調光下限付近以外の調光点灯時においては、間欠的な電流分流制御のためのスイッチング素子をオフさせておくことで、自動的に過渡電圧、過渡電流の重畳を停止させることができる。これにより、分流抵抗による電力ロスは発生しないし、余分な過渡電圧、過渡電流によるノイズ等の弊害も発生しない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態1の回路図である。
【図2】本発明の動作説明図である。
【図3】本発明と従来例の調光下限付近の点灯状態の違いを示す説明図である。
【図4】本発明の実施形態1の動作波形図である。
【図5】本発明の実施形態1の動作波形図である。
【図6】本発明の実施形態1の配線長を最短化したときの動作波形図である。
【図7】本発明の実施形態1の一変形例の回路図である。
【図8】本発明の実施形態1の一変形例の動作波形図である。
【図9】本発明の実施形態2の回路図である。
【図10】本発明の実施形態2の動作波形図である。
【図11】本発明の実施形態3の回路図である。
【図12】本発明の実施形態4の回路図である。
【図13】本発明の直流電源として用いるコンバータ回路の他の例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1の回路図である。図1の点灯装置は、入力直流電源Vdcを電圧変換して、負荷となる半導体発光素子2に直流電流を供給するコンバータ回路1を備えている。コンバータ回路1は、絶縁型の高周波トランスT1と、その1次側巻線n1に直列接続されたスイッチング素子Q1と、2次側巻線n2に直列接続されたダイオードD1と、ダイオードD1を介して充電される平滑コンデンサC1よりなるフライバック型のDC−DCコンバータ回路である。高周波トランスT1の1次側巻線n1にはスナバ回路4を並列接続しておくことが一般的である。入力直流電源Vdcは、例えば商用交流電源を整流平滑した直流電源であっても良い。
【0021】
スイッチング素子Q1は制御回路3により数十[kHz]の高周波でオンオフ制御される。スイッチング素子Q1がオンすると、入力直流電源VdcからトランスT1の1次側巻線n1に漸増電流が流れて、トランスT1に電磁エネルギーが蓄積される。スイッチング素子Q1がオフすると、トランスT1の巻線電圧は反転し、トランスT1の2次側巻線n2からダイオードD1を介して平滑コンデンサC1に充電電流が流れる。平滑コンデンサC1は、前記スイッチング素子Q1のオンオフによる脈動成分を平滑化して半導体発光素子2に平滑化された直流電流が流れるように容量を設定されている。スイッチング素子Q1のオン幅を調節することにより、平滑コンデンサC1に供給されるエネルギーを調節できる。
【0022】
試作機では、スイッチング素子Q1の制御は、30[kHz]の固定周波数でオン幅を可変とした。また、コンデンサC1は1[μF]とし、半導体発光素子2は32個(16個×2)のLEDを直列接続したLEDモジュールを接続した。
【0023】
半導体発光素子2が接続される出力コネクタCN2と並列に分流抵抗R1とスイッチング素子Q2の直列回路を接続し、分流抵抗R1と並列にリアクタンス要素としてコンデンサC2を接続した。分流抵抗R1は、2.7[kΩ]、3[W]の抵抗を2個直列接続したものを用いた。コンデンサC2は1100[pF]とした。
【0024】
スイッチング素子Q2は全点灯時または調光下限付近以外の調光点灯時においては、オフ状態に維持されており、コンバータ回路1のスイッチング素子Q1のオン幅を調節することにより半導体発光素子2を調光制御する。全点灯時には、半導体発光素子2には数百[mA](例えば300[mA])程度の大きな電流が流れる。コンバータ回路1のスイッチング素子Q1のオン幅を下限付近まで調節することにより、8[mA]程度まで点灯電流を絞ることが出来る。
【0025】
この状態でスイッチング素子Q2を数[kHz](試作機では5[kHz])の低周波でオンオフさせる。すると、スイッチング素子Q2のオンデューティ(一周期に占めるオン期間の割合)が大きくなるにつれて、抵抗R1に分流される電流が増加するので、半導体発光素子2に流れる点灯電流は減少し、調光度合いが深くなる。このとき、分流回路5には、時間的にレベル変化する過渡電圧が発生することを本発明者らは波形観測により確認した(図4参照)。
【0026】
図4において、上段の波形図は、半導体発光素子2の順電圧Vf、コンデンサC2の電流Ic2、スイッチング素子Q2のゲート電圧Vg2であり、下段の波形図は、その時間軸を拡大して表示した図である。時間軸を10等分した1区画は、波形図の下欄に表示のように、上段の波形図では50[μs]、下段の波形図では100[ns]である。図中、波形図の左端(縦軸)に、4→、1→、2→のように表示されているのは、それぞれチャネルCh4、Ch1、Ch2のゼロ点である。各チャネルCh4、Ch1、Ch2の振幅軸の1区画(全8区画中)は、波形図の下欄に表示のように、それぞれ50[V]、2[A]、10[V]である。以下の波形図においても、振幅スケール、時間スケールは波形図の下欄に表示されている。
【0027】
図1の回路では、ダイオードD2が図示された箇所に挿入されていることにより、分流回路5に発生する過渡電圧は大容量の平滑コンデンサC1にクランプされることなく、半導体発光素子2に印加され、半導体発光素子2に過渡電流が流れる(図5参照)。
【0028】
図5において、上段の波形図は、半導体発光素子2の順電圧Vf、順電流If、スイッチング素子Q2のゲート電圧Vg2であり、下段の波形図は、その時間軸を拡大して表示した図である。チャネルCh1(順電流If)の振幅軸の1区画は、100[mA]としている。
【0029】
図4、図5から明らかなように、半導体発光素子2の順電圧Vfにはスイッチング素子Q2がオンされるたびに過渡的な振動電圧が重畳される。これにより、図2(a)に示すように、ばらつきの大きい動作点Pから、ばらつきの小さい動作点Qまでの間で時間の経過と共に動作点がスイープする。その結果、LEDの色温度は変化してしまうが、低光束領域で発生する個々のLEDの明るさのばらつきを解消できることを確認した(図3参照)。
【0030】
図3は、16個のLEDを直列接続した光源モジュールを正面から撮影した画像であり、(a)は時間的に変化する過渡電圧を重畳した場合の点灯状態、(b)は過渡電圧を重畳しない場合の点灯状態を示している。過渡電圧は図2(b)に示すように、数[ns]〜数百[ns]という短時間の振動電圧で良く、ビデオ撮影時の干渉を避けるには、数[kHz]の周期で印加するのが良い。
【0031】
《動作原理の解析》
ところで、図1の分流回路5は、CR回路とスイッチング素子Q2よりなる回路であるから、本来は振動電流は流れないはずである。ところが、図4、図5の波形図を見ると、実際には振動電流が流れていた。これはコンデンサC2の容量成分と共振するインダクタンス成分が何処かに存在していることを意味する。
【0032】
本発明者らは、振動電流の原因を探求するべく、回路構成は図1と同じまま、コンデンサC2のリード線の長さを変えて、電流・電圧波形を観測してみた。図4、図5の波形を観測したときには、コンデンサC2は約10[cm]のリード線を介して接続されていた。このリード線を可能な限り短くして、波形を観測してみると、図6のような結果となり、振動電流が小さくなり、それに伴ない、過渡電圧も小さくなることが分かった。
【0033】
図5と図6の対比から、コンデンサC2と直列のインダクタンス成分が振動電流に寄与しているとの知見を得て、今度は、意図的に振動電流を大きくするべく、図7に示すように、2.2[μH]のインダクタL2をコンデンサC2と直列に接続した。他の回路定数は図1と同じである。図7の回路について、波形を観測してみると、図8のような結果となり、図5、図6の場合に比べて振動電流が大きくなり、それに伴ない、過渡電圧も大きくなることが分かった。
【0034】
図6、図8において、上段の波形図は、半導体発光素子2の順電圧Vf、順電流If、スイッチング素子Q2のゲート電圧Vg2であり、下段の波形図は、その時間軸を拡大して表示した図である。チャネルCh1(順電流If)の振幅軸の1区画は、図6では100[mA]、図8では500[mA]としている。順電流Ifの瞬間最大値は、図6では70[mA]と小さいのに対して、図8では500[mA]と大きく、それに伴ない、順電圧Vfの瞬間最大値は、図6では90[V]と小さいのに対して、図8では150[V]と大きくなっている。調光レベルは、いずれも順電流Ifの実効値が60[μA]となる調光下限付近である。図5、図6、図8を対比すると、コンデンサC2と直列のインダクタンス成分が大きくなるほど、振動電流が大きくなり、それに伴ない、過渡電圧も大きくなることが分かる。
【0035】
以上の実験を通じて、コンデンサC2と直列のインダクタンス成分が振動電流の原因であるとの確証が得られた。したがって、適切な値のインダクタL2をコンデンサC2と直列に挿入することにより、所望の大きさの振動電流が流れて、半導体発光素子2の順電圧Vfに所望の大きさの過渡電圧を重畳させることができることになる。
【0036】
しかしながら、図7の回路において、調光制御のために、分流回路5のスイッチング素子Q2のオンデューティを広範囲に変化させると、それに伴なって過渡電圧が異常昇圧される場合があることが分かった。そこで、過渡電圧が異常昇圧されないように改変した実施形態について、以下に説明する。
【0037】
(実施形態2)
図9は本発明の実施形態2の回路図である。本実施形態では、過渡現象回路として作用する第1の分流回路5とは別に、調光専用の第2の分流回路6を付加したことを特徴とする。第1の分流回路5のスイッチング素子Q3は、LC共振回路の振動電流を流すために、逆方向電流を通電可能なスイッチング素子を使用しているが、第2の分流回路6のスイッチング素子Q2は、必ずしも逆方向電流が通電可能である必要は無い。ここでは、各スイッチング素子Q2、Q3として、いずれも逆方向電流を通電可能なMOSFETを使用している。
【0038】
第2の分流回路6において、分流抵抗R1としては、図1の実施形態1と同様に、2.7[kΩ]、3[W]の抵抗を2個直列接続したものを用いた。平滑コンデンサC1の容量は、図1の実施形態1と同様に、1[μF]とした。スイッチング素子Q2のオンオフ周波数は5[kHz]とし、そのオンデューティを可変とした。
【0039】
また、過渡現象回路として用いる第1の分流回路5において、抵抗R2は100[kΩ]とし、抵抗R1に比べると抵抗値を大きく設定した。このため、第1の分流回路5のスイッチング素子Q3がオンされても、その分流電流は小さく、調光への寄与は小さい。抵抗R2は、スイッチング素子Q3のオフ期間中にコンデンサC2の電荷を放電させるリセット機能と、共振回路のQを下げて振動電流を早期に減衰させるダンパー抵抗としての役割を有している。試作機では、スイッチング素子Q3のオンオフ周波数は5[kHz]とし、そのオンデューティは80[%]で固定とした。
【0040】
次に、調光専用の第2の分流回路6の動作を説明する。スイッチング素子Q2がオンすると、分流抵抗R1を介して電流が分流されるので、スイッチング素子Q2のオンデューティ(一周期に占めるオン期間の割合)が増加するにつれて、平滑コンデンサC1の電圧は低下し、半導体発光素子2の順電圧Vfは低下する。平滑コンデンサC1と分流抵抗R1の時定数は、C1×R1=10-6×(2.7+2.7)×103 =5.4×10-3であり、スイッチング素子Q2のオンオフ周期(0.2×10-3[秒])に比べて十分に大きいから、スイッチング素子Q2のオンオフによる脈動成分は平滑コンデンサC1により平滑化されることになる。スイッチング素子Q2のオンデューティが大きいと平滑コンデンサC1の電圧は低くなり、オンデューティが小さいと平滑コンデンサC1の電圧は高くなる。
【0041】
図10は、半導体発光素子2の順電圧Vf、スイッチング素子Q2、Q3のゲート電圧Vg2、Vg3であり、順電圧Vf(チャネルCh2)の振幅軸の1区画は20[V]、ゲート電圧Vg2,Vg3(チャネルCh3,Ch4)の振幅軸の1区画は10[V]としている。図中、3→、4→のように表示されているのは、チャネルCh3,Ch4のゼロ点であり、←2のように反転表示されているのは、チャネルCh2(順電圧Vf)のゼロ点である。時間軸の1区画は100[μs]としている。
【0042】
図10の上段の例では、スイッチング素子Q2のオンデューティが0.3[%]と小さいので、平滑コンデンサC1の電圧は高くなり、半導体発光素子2に印加される順電圧Vfは約80[V]と高くなっている。このとき、半導体発光素子2に流れる順電流Ifは7.36[mA](実効値)であった。
【0043】
図10の下段の例では、スイッチング素子Q2のオンデューティが70[%]と大きいので、平滑コンデンサC1の電圧は低くなり、半導体発光素子2に印加される順電圧Vfは約52[V]と低くなっている。このとき、半導体発光素子2に流れる順電流Ifは9[μA](実効値)であった。
【0044】
図10の上段、下段のいずれの例においても、スイッチング素子Q3のオンデューティは80[%]と一定であり、順電圧Vfに重畳される過渡電圧が異常昇圧されることはなかった。なお、順電圧Vfに重畳される過渡電圧の大きさが調光状態に応じて適切な値となるように、スイッチング素子Q3のオンデューティも可変としても良い。
【0045】
以上の実施形態では、リアクタンス要素として、コンデンサとインダクタによるLC共振回路を用いたが、以下の実施形態3、4で例示するように、リアクタンス要素はコンデンサ単独またはインダクタ単独であっても良い。
【0046】
(実施形態3)
図11は本発明の実施形態3の回路図である。本実施形態では、分流抵抗R1と直列に接続されるリアクタンス要素としてコンデンサC2を使用している。コンデンサC2の容量は、スイッチング素子Q2のオン時に半導体発光素子2に過渡電圧を印加できる程度の小容量([pF]オーダー)のもので良い。
【0047】
スイッチング素子Q2は、制御回路3により数[kHz](例えば5[kHz])の低周波でオンオフ制御され、そのオンデューティ(一周期に占めるオン期間の割合)が大きくなるにつれて、半導体発光素子2の調光度合いが深くなるように制御される。スイッチング素子Q3は、スイッチング素子Q2がオフされている期間中に、短時間オンされるように制御される。スイッチング素子Q3のオン時間を可変とすることにより、コンデンサC2に充電される電圧の大きさを制御することができる。すなわち、スイッチング素子Q3のオン時間が長いと、コンデンサC2に充電される電圧は高くなり、スイッチング素子Q3のオン時間が短いと、コンデンサC2に充電される電圧は低くなる。
【0048】
このコンデンサC2に充電された電圧は、次にスイッチング素子Q2がオンされたときに、コンデンサC1の電圧と重畳されて、スイッチング素子Q3に内蔵された逆並列ダイオードを介して、半導体発光素子2に印加される。したがって、半導体発光素子2の順電圧Vfは、図2(b)に示すように、調光点灯時の電圧(コンデンサC1の電圧)に対して、周期的にコンデンサC2の放電による過渡電圧を重畳したような波形となる。これにより、図2(a)に示すように、ばらつきの大きい動作点Pからばらつきの小さい動作点Qに瞬間的に移行させた後、指数関数的に減衰するコンデンサC2の過渡電圧に応じて、ばらつきの大きい元の動作点Pまで時間の経過とともにスイープさせることができる。
【0049】
なお、コンデンサC2の充電電圧を制御するために、スイッチング素子Q3を不飽和領域で動作させても良い。例えば、スイッチング素子Q2のオフ期間が短いときは、スイッチング素子Q3のオン抵抗が小さくなるように制御し、スイッチング素子Q2のオフ期間が長いときには、スイッチング素子Q3のオン抵抗が大きくなるように制御すれば、スイッチング素子Q2のオンデューティにかかわらず、コンデンサC2の充電電圧が略一定となるように制御できる。
【0050】
(実施形態4)
図12は本発明の実施形態4の回路図である。本実施形態では、分流抵抗R1と直列に接続されるリアクタンス要素としてインダクタL2を使用している。インダクタL2のインダクタンス成分は、スイッチング素子Q2のオフ時に半導体発光素子2に過渡電圧を印加できる程度の比較的小さな値([μH]オーダー)のもので良い。例えば、抵抗R1が巻線型抵抗器で構成されている場合、その巻線コイルのインダクタンス成分を利用しても構わない。もちろん、個別素子としてインダクタL2を抵抗R1と直列に接続しても良い。
【0051】
スイッチング素子Q2がオンのとき、分流抵抗R1、インダクタL2、スイッチング素子Q2を介して電流が流れる。これにより、スイッチング素子Q2のオンデューティ(一周期に占めるオン期間の割合)が大きくなるにつれて、半導体発光素子2の調光度合いが深くなるように制御される。
【0052】
また、スイッチング素子Q2がオフすると、その瞬間にインダクタL2に逆方向電圧が誘起されるから、昇圧チョッパと同様の原理により、コンデンサC1の正極→抵抗R1→インダクタL2→ダイオードD3→半導体発光素子2→コンデンサC1の負極の経路で過渡電流が流れる。このとき、インダクタL2に誘起される電圧は、スイッチング素子Q2のオンデューティに応じて変化する場合もあるが、ツェナーダイオードZD2のツェナー電圧を越えると、ツェナーダイオードZD2によりクランプされるから、過渡電圧が異常昇圧されることは防止できる。
【0053】
例えば、ツェナーダイオードZD2としてツェナー電圧Vzd2が40[V]の素子を接続しておけば、過渡電圧が40[V]以上に昇圧されることは防止できる。
【0054】
なお、図12のようなツェナーダイオードZD2を用いた異常昇圧防止回路は、図7の回路においても適用できる。すなわち、図7の回路において、ダイオードD2と並列に異常昇圧防止用のツェナーダイオードZD2を接続するか、あるいは、図7のダイオードD2を図12のようなツェナーダイオードZD2に置き換える。その場合、半導体発光素子2の順電圧VfがコンデンサC1の電圧Vc1とツェナーダイオードZD2のツェナー電圧Vzd2の和の電圧を越えるような場合には、ツェナーダイオードZD2が導通することにより、過渡電圧が異常昇圧されることは防止できる。
【0055】
(実施形態5)
上述の各実施形態では、コンバータ回路1としてフライバック型のDC−DCコンバータ回路を用いたが、フォワード型のDC−DCコンバータ回路に置き換えても構わない。また、絶縁型のコンバータ回路に限定されるものではなく、図13(a)〜(d)に例示するような各種の非絶縁型のコンバータ回路に置き換えても構わない。同図(a),(b)は降圧チョッパ回路1a,1b、同図(c)は昇圧チョッパ回路1c、同図(d)は昇降圧チョッパ回路1dの例である。いずれの回路においても、スイッチング素子Q1を高周波でオンオフすることにより、入力端子A−B間の直流電圧を電圧変換して出力端子C−D間に出力するものである。平滑コンデンサC1以降の回路構成については、実施形態1〜4で述べたいずれかの構成を用いれば良い。
【0056】
以上の各実施形態において、半導体発光素子2はLEDの直列回路を例示したが、並列回路であっても良いし、直並列回路であっても良い。また、発光ダイオードに限定されるものではなく、例えば有機EL素子等であっても良い。また、スイッチング素子はMOSFETに限定されるものではなく、例えばダイオードを逆並列接続したバイポーラトランジスタなどであっても良い。
【0057】
本発明の点灯装置は、光源モジュールと共に照明器具の筐体内に収納しても良いし、照明器具の筐体内には光源モジュールのみを収納し、点灯装置は器具本体とは別に外付けとしても良い。
【符号の説明】
【0058】
1 コンバータ回路
2 半導体発光素子
5 分流回路
Q2 スイッチング素子
R1 分流抵抗
C2 コンデンサ(リアクタンス要素)
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(LED)のような半導体発光素子の点灯装置およびそれを用いた照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特許第4,420,745号公報)によれば、照明用LEDの点灯駆動回路において、DC電流レベルの増減で調光を行い、そのDC電流レベルの増減によるLEDの色温度の変化を防止する為に、調光時のDC電流にピーク電流レベルを一定に設定したパルス電流を重畳させることが提案されている。また、特許文献2(特開2009−277514号公報)によれば、LED負荷に第1の電流と第2の電流を交互に供給する点灯回路を備え、第1の電流はLED負荷が所定の色を発する定格近傍の電流とし、第2の電流は調光信号部からの調光信号を受けて電流を可変とすることにより、LEDが発光する色のシフトを少なくしながら調光する技術が開示されている。
【0003】
特許文献3(特開2007−234415号公報)によれば、調光下限付近では、直流電源部から照明用LEDに一定の直流電流を供給すると共に、前記直流電流の一部を分流する分流回路を照明用LEDと並列に設けることにより、照明用LEDを低光束まで安定に調光点灯させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4,420,745号公報(図2)
【特許文献2】特開2009−277514号公報(図1)
【特許文献3】特開2007−234415号公報(図10−図12)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献3では、分流回路に間欠電流ではなく、定常電流を流す構成となっていたので、不飽和領域で動作する能動素子やその制御回路が必要であった。これに対して、分流回路に間欠電流を流す構成とすれば、能動素子はオンオフ制御だけで良いから、制御が容易となる。その反面、電流・電圧波形を解析してみると、分流回路に流れる間欠電流によって、浮遊容量や寄生インダクタンスに起因する振動電流が発生する恐れがあることが分かった。
【0006】
そこで、その振動電流をむしろ有用な電流として活用し、従来のような電流レベルが一定のパルス電流(特許文献1、2参照)に代えて、時間的にレベルが変化する過渡電圧または過渡電流を重畳させるように構成すれば、簡単な構成でLEDの発光強度のばらつきを解消したり、ちらつきを低減できるとの知見を得た。特許文献1、2の技術では、LEDの色温度の変化を防止する為に、電流レベルが一定のパルス電流を重畳させる必要があるので、回路構成が複雑になるという課題があった。
【0007】
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、半導体発光素子の調光下限付近において、間欠的な電流分流制御による過渡現象を利用して時間的にレベルが変化する過渡電圧または過渡電流を半導体発光素子に重畳させることにより、色温度の変化は許容しつつ、発光強度のばらつきやちらつきを低減することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、上記の課題を解決するために、図1に示すように、半導体発光素子2に直流電流を供給する直流電源(コンバータ回路1)と、前記直流電源または前記半導体発光素子2と並列に接続された分流抵抗R1とスイッチング素子Q2の直列回路(分流回路5)と、前記分流抵抗R1と並列または直列に接続されたリアクタンス要素(コンデンサC2)とを備え、前記スイッチング素子Q2のオン時またはオフ時に前記リアクタンス要素に生じる過渡電圧または過渡電流を前記半導体発光素子2に重畳させることを特徴とするものである。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1記載の半導体発光素子の点灯装置において、前記リアクタンス要素はコンデンサC2を含むことを特徴とする(図1)。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2記載の半導体発光素子の点灯装置において、前記分流抵抗R1は前記スイッチング素子Q2のオフ時に前記コンデンサC2の電荷を放電する放電抵抗を兼ねることを特徴とする(図1)。
【0011】
請求項4の発明は、請求項2記載の半導体発光素子の点灯装置において、前記分流抵抗R1は前記スイッチング素子Q2のオフ時に前記コンデンサC2に電荷を充電する充電抵抗を兼ねることを特徴とする(図11)。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の半導体発光素子の点灯装置において、前記分流抵抗R1は巻線型抵抗器であり、前記リアクタンス要素は前記巻線型抵抗器のインダクタンス成分L2を含むことを特徴とする(図12)。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の半導体発光素子の点灯装置において、前記リアクタンス要素はLC共振回路を含むことを特徴とする(図7)。
【0014】
請求項7の発明は、請求項6記載の半導体発光素子の点灯装置において、前記分流抵抗R1は前記LC共振回路のQを低下させるダンパー抵抗を兼ねることを特徴とする(図7)。
【0015】
請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の半導体発光素子の点灯装置において、前記スイッチング素子Q2は調光下限付近でオンオフ駆動され、前記直流電源は、前記スイッチング素子Q2がオンオフ駆動される調光下限付近では、全点灯時に比べて小さい略一定の電流を出力するように制御されることを特徴とする。
【0016】
請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の半導体発光素子の点灯装置において、第2の分流抵抗と第2のスイッチング素子の直列回路(第2の分流回路6)を前記直流電源と並列に接続したことを特徴とする(図9)。
【0017】
請求項10の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載の半導体発光素子の点灯装置を備える照明器具である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、調光下限付近では、間欠的な電流分流制御を利用して時間的にレベルが変化する過渡電圧または過渡電流を半導体発光素子に重畳させることができるから、半導体発光素子の色温度の変化は許容しつつ、発光強度のばらつきやちらつきを低減することができる。また、スイッチング素子のオンオフ周波数を適切に設定することで、ビデオ撮影時においてもフリッカが生じないように制御することができる。さらに、定格点灯時や調光下限付近以外の調光点灯時においては、間欠的な電流分流制御のためのスイッチング素子をオフさせておくことで、自動的に過渡電圧、過渡電流の重畳を停止させることができる。これにより、分流抵抗による電力ロスは発生しないし、余分な過渡電圧、過渡電流によるノイズ等の弊害も発生しない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態1の回路図である。
【図2】本発明の動作説明図である。
【図3】本発明と従来例の調光下限付近の点灯状態の違いを示す説明図である。
【図4】本発明の実施形態1の動作波形図である。
【図5】本発明の実施形態1の動作波形図である。
【図6】本発明の実施形態1の配線長を最短化したときの動作波形図である。
【図7】本発明の実施形態1の一変形例の回路図である。
【図8】本発明の実施形態1の一変形例の動作波形図である。
【図9】本発明の実施形態2の回路図である。
【図10】本発明の実施形態2の動作波形図である。
【図11】本発明の実施形態3の回路図である。
【図12】本発明の実施形態4の回路図である。
【図13】本発明の直流電源として用いるコンバータ回路の他の例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1の回路図である。図1の点灯装置は、入力直流電源Vdcを電圧変換して、負荷となる半導体発光素子2に直流電流を供給するコンバータ回路1を備えている。コンバータ回路1は、絶縁型の高周波トランスT1と、その1次側巻線n1に直列接続されたスイッチング素子Q1と、2次側巻線n2に直列接続されたダイオードD1と、ダイオードD1を介して充電される平滑コンデンサC1よりなるフライバック型のDC−DCコンバータ回路である。高周波トランスT1の1次側巻線n1にはスナバ回路4を並列接続しておくことが一般的である。入力直流電源Vdcは、例えば商用交流電源を整流平滑した直流電源であっても良い。
【0021】
スイッチング素子Q1は制御回路3により数十[kHz]の高周波でオンオフ制御される。スイッチング素子Q1がオンすると、入力直流電源VdcからトランスT1の1次側巻線n1に漸増電流が流れて、トランスT1に電磁エネルギーが蓄積される。スイッチング素子Q1がオフすると、トランスT1の巻線電圧は反転し、トランスT1の2次側巻線n2からダイオードD1を介して平滑コンデンサC1に充電電流が流れる。平滑コンデンサC1は、前記スイッチング素子Q1のオンオフによる脈動成分を平滑化して半導体発光素子2に平滑化された直流電流が流れるように容量を設定されている。スイッチング素子Q1のオン幅を調節することにより、平滑コンデンサC1に供給されるエネルギーを調節できる。
【0022】
試作機では、スイッチング素子Q1の制御は、30[kHz]の固定周波数でオン幅を可変とした。また、コンデンサC1は1[μF]とし、半導体発光素子2は32個(16個×2)のLEDを直列接続したLEDモジュールを接続した。
【0023】
半導体発光素子2が接続される出力コネクタCN2と並列に分流抵抗R1とスイッチング素子Q2の直列回路を接続し、分流抵抗R1と並列にリアクタンス要素としてコンデンサC2を接続した。分流抵抗R1は、2.7[kΩ]、3[W]の抵抗を2個直列接続したものを用いた。コンデンサC2は1100[pF]とした。
【0024】
スイッチング素子Q2は全点灯時または調光下限付近以外の調光点灯時においては、オフ状態に維持されており、コンバータ回路1のスイッチング素子Q1のオン幅を調節することにより半導体発光素子2を調光制御する。全点灯時には、半導体発光素子2には数百[mA](例えば300[mA])程度の大きな電流が流れる。コンバータ回路1のスイッチング素子Q1のオン幅を下限付近まで調節することにより、8[mA]程度まで点灯電流を絞ることが出来る。
【0025】
この状態でスイッチング素子Q2を数[kHz](試作機では5[kHz])の低周波でオンオフさせる。すると、スイッチング素子Q2のオンデューティ(一周期に占めるオン期間の割合)が大きくなるにつれて、抵抗R1に分流される電流が増加するので、半導体発光素子2に流れる点灯電流は減少し、調光度合いが深くなる。このとき、分流回路5には、時間的にレベル変化する過渡電圧が発生することを本発明者らは波形観測により確認した(図4参照)。
【0026】
図4において、上段の波形図は、半導体発光素子2の順電圧Vf、コンデンサC2の電流Ic2、スイッチング素子Q2のゲート電圧Vg2であり、下段の波形図は、その時間軸を拡大して表示した図である。時間軸を10等分した1区画は、波形図の下欄に表示のように、上段の波形図では50[μs]、下段の波形図では100[ns]である。図中、波形図の左端(縦軸)に、4→、1→、2→のように表示されているのは、それぞれチャネルCh4、Ch1、Ch2のゼロ点である。各チャネルCh4、Ch1、Ch2の振幅軸の1区画(全8区画中)は、波形図の下欄に表示のように、それぞれ50[V]、2[A]、10[V]である。以下の波形図においても、振幅スケール、時間スケールは波形図の下欄に表示されている。
【0027】
図1の回路では、ダイオードD2が図示された箇所に挿入されていることにより、分流回路5に発生する過渡電圧は大容量の平滑コンデンサC1にクランプされることなく、半導体発光素子2に印加され、半導体発光素子2に過渡電流が流れる(図5参照)。
【0028】
図5において、上段の波形図は、半導体発光素子2の順電圧Vf、順電流If、スイッチング素子Q2のゲート電圧Vg2であり、下段の波形図は、その時間軸を拡大して表示した図である。チャネルCh1(順電流If)の振幅軸の1区画は、100[mA]としている。
【0029】
図4、図5から明らかなように、半導体発光素子2の順電圧Vfにはスイッチング素子Q2がオンされるたびに過渡的な振動電圧が重畳される。これにより、図2(a)に示すように、ばらつきの大きい動作点Pから、ばらつきの小さい動作点Qまでの間で時間の経過と共に動作点がスイープする。その結果、LEDの色温度は変化してしまうが、低光束領域で発生する個々のLEDの明るさのばらつきを解消できることを確認した(図3参照)。
【0030】
図3は、16個のLEDを直列接続した光源モジュールを正面から撮影した画像であり、(a)は時間的に変化する過渡電圧を重畳した場合の点灯状態、(b)は過渡電圧を重畳しない場合の点灯状態を示している。過渡電圧は図2(b)に示すように、数[ns]〜数百[ns]という短時間の振動電圧で良く、ビデオ撮影時の干渉を避けるには、数[kHz]の周期で印加するのが良い。
【0031】
《動作原理の解析》
ところで、図1の分流回路5は、CR回路とスイッチング素子Q2よりなる回路であるから、本来は振動電流は流れないはずである。ところが、図4、図5の波形図を見ると、実際には振動電流が流れていた。これはコンデンサC2の容量成分と共振するインダクタンス成分が何処かに存在していることを意味する。
【0032】
本発明者らは、振動電流の原因を探求するべく、回路構成は図1と同じまま、コンデンサC2のリード線の長さを変えて、電流・電圧波形を観測してみた。図4、図5の波形を観測したときには、コンデンサC2は約10[cm]のリード線を介して接続されていた。このリード線を可能な限り短くして、波形を観測してみると、図6のような結果となり、振動電流が小さくなり、それに伴ない、過渡電圧も小さくなることが分かった。
【0033】
図5と図6の対比から、コンデンサC2と直列のインダクタンス成分が振動電流に寄与しているとの知見を得て、今度は、意図的に振動電流を大きくするべく、図7に示すように、2.2[μH]のインダクタL2をコンデンサC2と直列に接続した。他の回路定数は図1と同じである。図7の回路について、波形を観測してみると、図8のような結果となり、図5、図6の場合に比べて振動電流が大きくなり、それに伴ない、過渡電圧も大きくなることが分かった。
【0034】
図6、図8において、上段の波形図は、半導体発光素子2の順電圧Vf、順電流If、スイッチング素子Q2のゲート電圧Vg2であり、下段の波形図は、その時間軸を拡大して表示した図である。チャネルCh1(順電流If)の振幅軸の1区画は、図6では100[mA]、図8では500[mA]としている。順電流Ifの瞬間最大値は、図6では70[mA]と小さいのに対して、図8では500[mA]と大きく、それに伴ない、順電圧Vfの瞬間最大値は、図6では90[V]と小さいのに対して、図8では150[V]と大きくなっている。調光レベルは、いずれも順電流Ifの実効値が60[μA]となる調光下限付近である。図5、図6、図8を対比すると、コンデンサC2と直列のインダクタンス成分が大きくなるほど、振動電流が大きくなり、それに伴ない、過渡電圧も大きくなることが分かる。
【0035】
以上の実験を通じて、コンデンサC2と直列のインダクタンス成分が振動電流の原因であるとの確証が得られた。したがって、適切な値のインダクタL2をコンデンサC2と直列に挿入することにより、所望の大きさの振動電流が流れて、半導体発光素子2の順電圧Vfに所望の大きさの過渡電圧を重畳させることができることになる。
【0036】
しかしながら、図7の回路において、調光制御のために、分流回路5のスイッチング素子Q2のオンデューティを広範囲に変化させると、それに伴なって過渡電圧が異常昇圧される場合があることが分かった。そこで、過渡電圧が異常昇圧されないように改変した実施形態について、以下に説明する。
【0037】
(実施形態2)
図9は本発明の実施形態2の回路図である。本実施形態では、過渡現象回路として作用する第1の分流回路5とは別に、調光専用の第2の分流回路6を付加したことを特徴とする。第1の分流回路5のスイッチング素子Q3は、LC共振回路の振動電流を流すために、逆方向電流を通電可能なスイッチング素子を使用しているが、第2の分流回路6のスイッチング素子Q2は、必ずしも逆方向電流が通電可能である必要は無い。ここでは、各スイッチング素子Q2、Q3として、いずれも逆方向電流を通電可能なMOSFETを使用している。
【0038】
第2の分流回路6において、分流抵抗R1としては、図1の実施形態1と同様に、2.7[kΩ]、3[W]の抵抗を2個直列接続したものを用いた。平滑コンデンサC1の容量は、図1の実施形態1と同様に、1[μF]とした。スイッチング素子Q2のオンオフ周波数は5[kHz]とし、そのオンデューティを可変とした。
【0039】
また、過渡現象回路として用いる第1の分流回路5において、抵抗R2は100[kΩ]とし、抵抗R1に比べると抵抗値を大きく設定した。このため、第1の分流回路5のスイッチング素子Q3がオンされても、その分流電流は小さく、調光への寄与は小さい。抵抗R2は、スイッチング素子Q3のオフ期間中にコンデンサC2の電荷を放電させるリセット機能と、共振回路のQを下げて振動電流を早期に減衰させるダンパー抵抗としての役割を有している。試作機では、スイッチング素子Q3のオンオフ周波数は5[kHz]とし、そのオンデューティは80[%]で固定とした。
【0040】
次に、調光専用の第2の分流回路6の動作を説明する。スイッチング素子Q2がオンすると、分流抵抗R1を介して電流が分流されるので、スイッチング素子Q2のオンデューティ(一周期に占めるオン期間の割合)が増加するにつれて、平滑コンデンサC1の電圧は低下し、半導体発光素子2の順電圧Vfは低下する。平滑コンデンサC1と分流抵抗R1の時定数は、C1×R1=10-6×(2.7+2.7)×103 =5.4×10-3であり、スイッチング素子Q2のオンオフ周期(0.2×10-3[秒])に比べて十分に大きいから、スイッチング素子Q2のオンオフによる脈動成分は平滑コンデンサC1により平滑化されることになる。スイッチング素子Q2のオンデューティが大きいと平滑コンデンサC1の電圧は低くなり、オンデューティが小さいと平滑コンデンサC1の電圧は高くなる。
【0041】
図10は、半導体発光素子2の順電圧Vf、スイッチング素子Q2、Q3のゲート電圧Vg2、Vg3であり、順電圧Vf(チャネルCh2)の振幅軸の1区画は20[V]、ゲート電圧Vg2,Vg3(チャネルCh3,Ch4)の振幅軸の1区画は10[V]としている。図中、3→、4→のように表示されているのは、チャネルCh3,Ch4のゼロ点であり、←2のように反転表示されているのは、チャネルCh2(順電圧Vf)のゼロ点である。時間軸の1区画は100[μs]としている。
【0042】
図10の上段の例では、スイッチング素子Q2のオンデューティが0.3[%]と小さいので、平滑コンデンサC1の電圧は高くなり、半導体発光素子2に印加される順電圧Vfは約80[V]と高くなっている。このとき、半導体発光素子2に流れる順電流Ifは7.36[mA](実効値)であった。
【0043】
図10の下段の例では、スイッチング素子Q2のオンデューティが70[%]と大きいので、平滑コンデンサC1の電圧は低くなり、半導体発光素子2に印加される順電圧Vfは約52[V]と低くなっている。このとき、半導体発光素子2に流れる順電流Ifは9[μA](実効値)であった。
【0044】
図10の上段、下段のいずれの例においても、スイッチング素子Q3のオンデューティは80[%]と一定であり、順電圧Vfに重畳される過渡電圧が異常昇圧されることはなかった。なお、順電圧Vfに重畳される過渡電圧の大きさが調光状態に応じて適切な値となるように、スイッチング素子Q3のオンデューティも可変としても良い。
【0045】
以上の実施形態では、リアクタンス要素として、コンデンサとインダクタによるLC共振回路を用いたが、以下の実施形態3、4で例示するように、リアクタンス要素はコンデンサ単独またはインダクタ単独であっても良い。
【0046】
(実施形態3)
図11は本発明の実施形態3の回路図である。本実施形態では、分流抵抗R1と直列に接続されるリアクタンス要素としてコンデンサC2を使用している。コンデンサC2の容量は、スイッチング素子Q2のオン時に半導体発光素子2に過渡電圧を印加できる程度の小容量([pF]オーダー)のもので良い。
【0047】
スイッチング素子Q2は、制御回路3により数[kHz](例えば5[kHz])の低周波でオンオフ制御され、そのオンデューティ(一周期に占めるオン期間の割合)が大きくなるにつれて、半導体発光素子2の調光度合いが深くなるように制御される。スイッチング素子Q3は、スイッチング素子Q2がオフされている期間中に、短時間オンされるように制御される。スイッチング素子Q3のオン時間を可変とすることにより、コンデンサC2に充電される電圧の大きさを制御することができる。すなわち、スイッチング素子Q3のオン時間が長いと、コンデンサC2に充電される電圧は高くなり、スイッチング素子Q3のオン時間が短いと、コンデンサC2に充電される電圧は低くなる。
【0048】
このコンデンサC2に充電された電圧は、次にスイッチング素子Q2がオンされたときに、コンデンサC1の電圧と重畳されて、スイッチング素子Q3に内蔵された逆並列ダイオードを介して、半導体発光素子2に印加される。したがって、半導体発光素子2の順電圧Vfは、図2(b)に示すように、調光点灯時の電圧(コンデンサC1の電圧)に対して、周期的にコンデンサC2の放電による過渡電圧を重畳したような波形となる。これにより、図2(a)に示すように、ばらつきの大きい動作点Pからばらつきの小さい動作点Qに瞬間的に移行させた後、指数関数的に減衰するコンデンサC2の過渡電圧に応じて、ばらつきの大きい元の動作点Pまで時間の経過とともにスイープさせることができる。
【0049】
なお、コンデンサC2の充電電圧を制御するために、スイッチング素子Q3を不飽和領域で動作させても良い。例えば、スイッチング素子Q2のオフ期間が短いときは、スイッチング素子Q3のオン抵抗が小さくなるように制御し、スイッチング素子Q2のオフ期間が長いときには、スイッチング素子Q3のオン抵抗が大きくなるように制御すれば、スイッチング素子Q2のオンデューティにかかわらず、コンデンサC2の充電電圧が略一定となるように制御できる。
【0050】
(実施形態4)
図12は本発明の実施形態4の回路図である。本実施形態では、分流抵抗R1と直列に接続されるリアクタンス要素としてインダクタL2を使用している。インダクタL2のインダクタンス成分は、スイッチング素子Q2のオフ時に半導体発光素子2に過渡電圧を印加できる程度の比較的小さな値([μH]オーダー)のもので良い。例えば、抵抗R1が巻線型抵抗器で構成されている場合、その巻線コイルのインダクタンス成分を利用しても構わない。もちろん、個別素子としてインダクタL2を抵抗R1と直列に接続しても良い。
【0051】
スイッチング素子Q2がオンのとき、分流抵抗R1、インダクタL2、スイッチング素子Q2を介して電流が流れる。これにより、スイッチング素子Q2のオンデューティ(一周期に占めるオン期間の割合)が大きくなるにつれて、半導体発光素子2の調光度合いが深くなるように制御される。
【0052】
また、スイッチング素子Q2がオフすると、その瞬間にインダクタL2に逆方向電圧が誘起されるから、昇圧チョッパと同様の原理により、コンデンサC1の正極→抵抗R1→インダクタL2→ダイオードD3→半導体発光素子2→コンデンサC1の負極の経路で過渡電流が流れる。このとき、インダクタL2に誘起される電圧は、スイッチング素子Q2のオンデューティに応じて変化する場合もあるが、ツェナーダイオードZD2のツェナー電圧を越えると、ツェナーダイオードZD2によりクランプされるから、過渡電圧が異常昇圧されることは防止できる。
【0053】
例えば、ツェナーダイオードZD2としてツェナー電圧Vzd2が40[V]の素子を接続しておけば、過渡電圧が40[V]以上に昇圧されることは防止できる。
【0054】
なお、図12のようなツェナーダイオードZD2を用いた異常昇圧防止回路は、図7の回路においても適用できる。すなわち、図7の回路において、ダイオードD2と並列に異常昇圧防止用のツェナーダイオードZD2を接続するか、あるいは、図7のダイオードD2を図12のようなツェナーダイオードZD2に置き換える。その場合、半導体発光素子2の順電圧VfがコンデンサC1の電圧Vc1とツェナーダイオードZD2のツェナー電圧Vzd2の和の電圧を越えるような場合には、ツェナーダイオードZD2が導通することにより、過渡電圧が異常昇圧されることは防止できる。
【0055】
(実施形態5)
上述の各実施形態では、コンバータ回路1としてフライバック型のDC−DCコンバータ回路を用いたが、フォワード型のDC−DCコンバータ回路に置き換えても構わない。また、絶縁型のコンバータ回路に限定されるものではなく、図13(a)〜(d)に例示するような各種の非絶縁型のコンバータ回路に置き換えても構わない。同図(a),(b)は降圧チョッパ回路1a,1b、同図(c)は昇圧チョッパ回路1c、同図(d)は昇降圧チョッパ回路1dの例である。いずれの回路においても、スイッチング素子Q1を高周波でオンオフすることにより、入力端子A−B間の直流電圧を電圧変換して出力端子C−D間に出力するものである。平滑コンデンサC1以降の回路構成については、実施形態1〜4で述べたいずれかの構成を用いれば良い。
【0056】
以上の各実施形態において、半導体発光素子2はLEDの直列回路を例示したが、並列回路であっても良いし、直並列回路であっても良い。また、発光ダイオードに限定されるものではなく、例えば有機EL素子等であっても良い。また、スイッチング素子はMOSFETに限定されるものではなく、例えばダイオードを逆並列接続したバイポーラトランジスタなどであっても良い。
【0057】
本発明の点灯装置は、光源モジュールと共に照明器具の筐体内に収納しても良いし、照明器具の筐体内には光源モジュールのみを収納し、点灯装置は器具本体とは別に外付けとしても良い。
【符号の説明】
【0058】
1 コンバータ回路
2 半導体発光素子
5 分流回路
Q2 スイッチング素子
R1 分流抵抗
C2 コンデンサ(リアクタンス要素)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体発光素子に直流電流を供給する直流電源と、前記直流電源または前記半導体発光素子と並列に接続された分流抵抗とスイッチング素子の直列回路と、前記分流抵抗と並列または直列に接続されたリアクタンス要素とを備え、前記スイッチング素子のオン時またはオフ時に前記リアクタンス要素に生じる過渡電圧または過渡電流を前記半導体発光素子に重畳させることを特徴とする半導体発光素子の点灯装置。
【請求項2】
前記リアクタンス要素はコンデンサを含むことを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子の点灯装置。
【請求項3】
前記分流抵抗は前記スイッチング素子のオフ時に前記コンデンサの電荷を放電する放電抵抗を兼ねることを特徴とする請求項2記載の半導体発光素子の点灯装置。
【請求項4】
前記分流抵抗は前記スイッチング素子のオフ時に前記コンデンサに電荷を充電する充電抵抗を兼ねることを特徴とする請求項2記載の半導体発光素子の点灯装置。
【請求項5】
前記分流抵抗は巻線型抵抗器であり、前記リアクタンス要素は前記巻線型抵抗器のインダクタンス成分を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半導体発光素子の点灯装置。
【請求項6】
前記リアクタンス要素はLC共振回路を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の半導体発光素子の点灯装置。
【請求項7】
前記分流抵抗は前記LC共振回路のQを低下させるダンパー抵抗を兼ねることを特徴とする請求項6記載の半導体発光素子の点灯装置。
【請求項8】
前記スイッチング素子は調光下限付近でオンオフ駆動され、前記直流電源は、前記スイッチング素子がオンオフ駆動される調光下限付近では、全点灯時に比べて小さい略一定の電流を出力するように制御されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の半導体発光素子の点灯装置。
【請求項9】
第2の分流抵抗と第2のスイッチング素子の直列回路を前記直流電源と並列に接続したことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の半導体発光素子の点灯装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の半導体発光素子の点灯装置を備える照明器具。
【請求項1】
半導体発光素子に直流電流を供給する直流電源と、前記直流電源または前記半導体発光素子と並列に接続された分流抵抗とスイッチング素子の直列回路と、前記分流抵抗と並列または直列に接続されたリアクタンス要素とを備え、前記スイッチング素子のオン時またはオフ時に前記リアクタンス要素に生じる過渡電圧または過渡電流を前記半導体発光素子に重畳させることを特徴とする半導体発光素子の点灯装置。
【請求項2】
前記リアクタンス要素はコンデンサを含むことを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子の点灯装置。
【請求項3】
前記分流抵抗は前記スイッチング素子のオフ時に前記コンデンサの電荷を放電する放電抵抗を兼ねることを特徴とする請求項2記載の半導体発光素子の点灯装置。
【請求項4】
前記分流抵抗は前記スイッチング素子のオフ時に前記コンデンサに電荷を充電する充電抵抗を兼ねることを特徴とする請求項2記載の半導体発光素子の点灯装置。
【請求項5】
前記分流抵抗は巻線型抵抗器であり、前記リアクタンス要素は前記巻線型抵抗器のインダクタンス成分を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半導体発光素子の点灯装置。
【請求項6】
前記リアクタンス要素はLC共振回路を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の半導体発光素子の点灯装置。
【請求項7】
前記分流抵抗は前記LC共振回路のQを低下させるダンパー抵抗を兼ねることを特徴とする請求項6記載の半導体発光素子の点灯装置。
【請求項8】
前記スイッチング素子は調光下限付近でオンオフ駆動され、前記直流電源は、前記スイッチング素子がオンオフ駆動される調光下限付近では、全点灯時に比べて小さい略一定の電流を出力するように制御されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の半導体発光素子の点灯装置。
【請求項9】
第2の分流抵抗と第2のスイッチング素子の直列回路を前記直流電源と並列に接続したことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の半導体発光素子の点灯装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の半導体発光素子の点灯装置を備える照明器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−4478(P2013−4478A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−137791(P2011−137791)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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