説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】半導体装置におけるバンプの接合強度を向上する。
【解決手段】WPP5のバンプ接合において、バンプ6が接合する柱状の電極1iに、水平方向に突出する突出部1jが形成されたことにより、バンプ6の接合強度を向上でき、さらにWPP5の組み立てにおいて、バンプ6の表面を覆うように絶縁膜1m上に樹脂7を配置し、この樹脂7を硬化させた後、樹脂7を研削してバンプ6の一部を露出させることにより、例えばポリイミドからなる絶縁膜1mを樹脂7によって覆うため、耐吸湿性を向上できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造技術に関し、特に、バンプ接合を有する半導体装置に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
チップサイズパッケージ型半導体装置において、半導体素子のフリップチップ接続面に配設された絶縁層と、前記絶縁層で少なくとも一部を覆われた素子電極と、前記素子電極上に形成された係止手段を備えたコアバンプと、前記コアバンプを被覆した外部回路接続用バンプとを備える構造が、例えば特開2006−59917号公報(特許文献1)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−59917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体装置の小型化に伴い、半導体チップの外形寸法(例えば、主面の大きさ)も小さくなる傾向にある。そのため、例えばバンプ(バンプ電極)を介して実装される半導体装置では、バンプが形成されるパッド(表面電極、素子電極)の外形寸法も小さくなる。これにより、バンプとパッドとの接合強度が低下し、パッドからバンプが剥離(破断)し易くなっている。
【0005】
なお、前記特許文献1(特開2006−59917号公報)のように、側面から迫り出す突出部(係止手段)を備えた柱状の電極(コアバンプ、導体)をパッド(素子電極)の表面に形成することで、この電極の突出部によりバンプのアンカー効果を持たせることができるが、この電極の下地の構造によっては、十分にバンプの接合強度を向上できないという課題が、本願発明者の検討により明らかとなった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、半導体装置におけるバンプの接合強度を向上することができる技術を提供することにある。
【0007】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0009】
代表的な実施の形態による半導体装置は、主面に形成された半導体素子および前記半導体素子と電気的に接続されたパッドを有する基材と、前記パッドと電気的に接続され、かつ銅からなる第1配線と、前記第1配線上に形成された第2配線と、前記第2配線の第1領域が露出するように前記第2配線上に形成された第2絶縁膜と、前記第2配線の前記第1領域に形成された柱状の電極とを有している。さらに、前記電極の表面、および前記第2配線の前記第1領域のうちの前記電極から露出する表面に接合され、かつ錫系の材料からなるバンプと、前記バンプの一部が露出するように前記第2絶縁膜上に形成された第3絶縁膜と、を含み、前記第2配線の前記第1領域は、平面視において前記パッドとは重ならない位置に配置されている。
【0010】
また、代表的な実施の形態による半導体装置の製造方法は、主面に形成された半導体素子、前記半導体素子と電気的に接続されたパッド、前記パッドが露出するように前記主面に形成された第1絶縁膜を有する基材を準備する工程、パッドと電気的に接続する銅からなる第1配線を前記第1絶縁膜上に形成する工程、第1領域を有する第2配線を前記第1配線上に形成する工程、前記第2配線の前記第1領域に柱状の電極を形成する工程を有している。さらに、前記第2配線の前記第1領域の一部が露出するように前記第2配線上に第2絶縁膜を形成する工程、前記電極の表面、および前記第2配線の前記第1領域の前記一部に接合するように錫系の材料からなる第1バンプを形成する工程、前記第1バンプの表面を覆うように前記第2絶縁膜上に第3絶縁膜を形成する工程、前記第1バンプの一部を露出させる工程を有しており、前記第2配線の前記第1領域を、平面視において前記パッドとは重ならない位置に配置する。
【発明の効果】
【0011】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0012】
半導体装置のバンプとパッドとの接合強度を向上させることができる。
【0013】
また、半導体装置の耐吸湿性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1の半導体装置の主面側の配線引き回しの一例を樹脂を透過して示す平面図である。
【図2】図1のA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。
【図3】図1の半導体装置の構造の一例を示す裏面図である。
【図4】本発明の実施の形態1の半導体装置の組み立てにおける主要工程の一例を示す部分断面図と製造フロー図である。
【図5】本発明の実施の形態1の半導体装置の組み立てにおける主要工程の一例を示す部分断面図と製造フロー図である。
【図6】本発明の実施の形態1の半導体装置の組み立てにおける主要工程の一例を示す部分断面図と製造フロー図である。
【図7】本発明の実施の形態1の半導体装置の組み立てにおける主要工程の一例を示す部分断面図と製造フロー図である。
【図8】本発明の実施の形態1の半導体装置の組み立てにおける主要工程の一例を示す部分断面図と製造フロー図である。
【図9】本発明の実施の形態1の半導体装置の組み立ての端子露出研削工程における研削方法の一例を示す部分断面図である。
【図10】本発明の実施の形態1の半導体装置の組み立てにおける主要工程の一例を示す部分断面図と製造フロー図である。
【図11】本発明の実施の形態1の半導体装置の実装構造の一例を示す断面図である。
【図12】本発明の実施の形態1の半導体装置の剪断試験の一例を示す断面図である。
【図13】本発明の実施の形態1の変形例1の半導体装置の構造を示す部分断面図である。
【図14】本発明の実施の形態2の半導体装置の組み立てにおける主要工程の一例を示す部分断面図と製造フロー図である。
【図15】本発明の実施の形態2の半導体装置の組み立てにおける主要工程の一例を示す部分断面図と製造フロー図である。
【図16】本発明の実施の形態2の半導体装置の組み立てにおける主要工程の一例を示す部分断面図と製造フロー図である。
【図17】本発明の実施の形態2の半導体装置の組み立てにおける主要工程の一例を示す部分断面図と製造フロー図である。
【図18】本発明の実施の形態2の半導体装置の組み立てにおける主要工程の一例を示す部分断面図と製造フロー図である。
【図19】本発明の実施の形態2の半導体装置の組み立ての端子露出研削工程における研削方法の一例を示す部分断面図である。
【図20】本発明の実施の形態2の半導体装置の組み立てにおける主要工程の一例を示す部分断面図と製造フロー図である。
【図21】本発明の実施の形態2の変形例1の半導体装置の構造を示す部分断面図である。
【図22】本発明の実施の形態2の変形例2の半導体装置の構造を示す部分断面図である。
【図23】本発明の実施の形態の変形例2の半導体装置の構造を示す部分断面図である。
【図24】本発明の実施の形態の変形例3の半導体装置の構造を示す部分断面図である。
【図25】本発明の実施の形態の変形例4の半導体装置の構造を示す部分断面図である。
【図26】本発明の実施の形態の変形例5の半導体装置の構造を示す部分断面図である。
【図27】本発明の実施の形態の変形例6の半導体装置の構造を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の実施の形態では特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0016】
さらに、以下の実施の形態では便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明などの関係にある。
【0017】
また、以下の実施の形態において、要素の数など(個数、数値、量、範囲などを含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良いものとする。
【0018】
また、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0019】
また、以下の実施の形態において、構成要素等について、「Aからなる」、「Aよりなる」、「Aを有する」、「Aを含む」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0021】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の半導体装置の主面側の配線引き回しの一例を樹脂を透過して示す平面図、図2は図1のA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図、図3は図1の半導体装置の構造の一例を示す裏面図である。
【0022】
図1〜図3に示す本実施の形態1の半導体装置は、WPP(Wafer Process Package)5と呼ばれるチップサイズの小型の半導体パッケージである。WPP5は、ウエハレベルCSP(Chip Size Package)等とも呼ばれ、ウエハプロセスとパッケージプロセスを一体化した製造技術によって組み立てられるものである。
【0023】
図1〜図3に示すWPP5の構成について説明すると、主面(回路形成面)1a、主面1aに形成された半導体素子(半導体集積回路)1n、半導体素子1nと電気的に接続されたパッド1c、及び主面1aとは反対側の裏面1bを有する半導体チップ(基材、半導体基板)1と、図6に示すようにパッド1cの表面が露出するように半導体チップ1の主面1aに形成された絶縁膜(第1絶縁膜、絶縁層)1dと、絶縁膜1d上に形成され、かつパッド1cと電気的に接続され、かつ銅(Cu)からなる再配線(第1配線、引き出し配線)1fと、再配線1f上に形成された上層配線(第2配線)1gとを有している。なお、絶縁膜1dは、例えば窒化シリコン(SiN)から成る。
【0024】
さらに、上層配線1gのバンプ形成領域である図2のバンプランド(第1領域)1hが露出するように、上層配線1g上に形成された絶縁膜(第2絶縁膜、絶縁層)1mと、上層配線1gのバンプランド1hに形成された柱状の電極(導体、金属膜、きのこ型電極)1iと、電極1iの表面、および上層配線1gのバンプランド1hのうちの電極1iから露出する表面に接合され、かつ錫系の材料からなるバンプ(バンプ電極)6と、バンプ6の一部が露出するように、絶縁膜1m上に形成された樹脂(絶縁層、第3絶縁膜)7とを有している。なお、絶縁膜1mは、例えばポリイミドから成る。
【0025】
ここで、図2に示すように、バンプ6は、柱状の電極1iに接合するバンプ(第1バンプ)6aと、バンプ6a上に積層されたバンプ(第2バンプ)6bとからなり、バンプ6のうち、樹脂(以下、NCFとも言う)7から外部に露出している部分は、主にバンプ6bである。ただし、WPP5の外部端子として設けられたバンプ6において、NCF7から露出するバンプ6aの量が十分得られる場合には、バンプ6a上にバンプ6bを積層しなくてもよく、この場合、バンプ6はバンプ6aのみによって構成されることになる。
【0026】
また、再配線1fは、例えば複数のパッド1cそれぞれの配置をバンプランド1hとして置き換える配線であり、したがって、上層配線1gに形成されたバンプランド1hは、平面視において、主面1aのパッド1cとは重ならない位置に配置されている。
【0027】
さらに、WPP5が有する半導体チップ1は、図1に示すように複数のパッド1cが外周部に沿って配置された周辺パッド配置のものであり、複数のパッド1cそれぞれが再配線1fによって内側に引き出され、これにより、複数のパッド1cの配置と異なった配置で複数のバンプ6がマトリクス状(例えば3列×4行)に設けられている。
【0028】
ここで、図5に示すように上層配線1gは、再配線1f上にバリア層として形成されたものであり、例えばニッケル(Ni)からなる配線層である。したがって、この上層配線1gのバンプランド1hに形成された図6に示す柱状の電極(導体)1iも、上層配線1gと同じニッケル(Ni)からなる。
【0029】
なお、柱状の電極1iは、図2に示すように、この電極1iの側面から水平方向(電極1iの表面と平行な面方向)に迫り出す(突出する)突出部1j(迫り出し部、ひさし部)を有している(本実施の形態1では、柱状の電極1iの断面形状が、略T字型となっている)。
【0030】
また、外部端子としてバンプランド1hに設けられたバンプ6(バンプ6aとバンプ6b)は、錫(Sn)系の半田材によって形成され、本実施の形態1では、例えば錫(Sn)と銀(Ag)と銅(Cu)の合金からなる、所謂鉛フリー半田材を使用している。なお、前記鉛フリー半田材とは、RoHS(Restriction of Hazardous Substances)指令に基づいて、鉛(Pb)の含有率が1000ppm(0.1wt%)以下のものを言う。なお、錫(Sn)を含有する半田材を使用した場合には、銅(Cu)が拡散しやすいことから、本実施の形態1は、前記鉛フリー半田材に限らず、鉛(Pb)を含有する半田材を使用した場合にも適用することができる。
【0031】
なお、NCF7は、フィルム状(テープ状)樹脂を熱硬化させたものであり、例えばエポキシ系樹脂等である。
【0032】
また、半導体チップ1は、例えばシリコンから成り、主面1aに形成された複数のパッド1cは、例えばアルミニウムから成る。
【0033】
また、図3に示すようにWPP5の背面(半導体チップ1の裏面1b)には、マーク8が付されている。マーク8は、例えばINDEXマーク、製品名、ロット番号、管理番号または製造国等であるが、パッケージサイズ(チップサイズ)がマーク8を付すことが可能な程度のサイズを有していない場合にはマーク8は付していなくてもよい。
【0034】
次に、図4〜図10に示す本実施の形態1の半導体装置(WPP5)の組み立てについて説明する。
【0035】
図4〜図8、及び図10は、それぞれ本発明の実施の形態1の半導体装置の組み立てにおける主要工程の一例を示す部分断面図と製造フロー図、図9は本発明の実施の形態1の半導体装置の組み立ての端子露出研削工程における研削方法の一例を示す部分断面図である。
【0036】
まず、図4のステップS1に示す「前工程ウエハ準備」を行う。ここでは、主面1a、主面1aに形成された半導体素子1n、半導体素子1nと電気的に接続されたパッド1c、パッド1cが露出するように主面1aに形成された絶縁膜(絶縁層、第1絶縁膜)1d、及び主面1aとは反対側の裏面1bを有するウエハ(半導体ウエハ、基材)2を準備する。なお、本実施の形態では、絶縁膜1dは、例えば窒化シリコン(SiN)から成る。
【0037】
その後、ステップS2に示す「シード層形成」を行う。すなわち、スパッタによって全面にシード層1eを形成する。このシード層1eは、後述するめっき工程で使用するためのものである。
【0038】
その後、ステップS3に示す「レジスト(塗布・露光)」を行う。ここでは、まず、ウエハ2の主面1aの全面(詳細には、主面1aに形成されたシード層1e上)にレジスト膜4aを形成する。そして、形成されたレジスト膜4aのうちの所定の箇所(配線パターンを形成しない箇所)をマスク3で覆う。その後、マスク3で覆われない部分(マスク3の開口部から露出した部分)を露光3aする。
【0039】
その後、ステップS4に示す「レジスト形成(現像)」を行う。すなわち、レジスト膜4aのうちの露光3aを行った領域を除去することで、シード層1eが露出するレジスト膜4aの開口部4cを形成する。
【0040】
その後、図5のステップS5に示す「CuNi再配線めっき」を行う。ここでは、まず、先の工程で形成したレジスト膜4aの開口部4cから露出するシード層1e上に後の再配線(配線パターン、めっき膜)1fを電解めっき法により形成する。その後、この再配線1f上に、この再配線1fのバリア層となる上層配線(めっき膜)1gを電解めっき法により形成する。なお、本実施の形態では、再配線1fは、例えば銅(Cu)または銅(Cu)を主成分とする金属から成る。一方、上層配線1gは、例えばニッケル(Ni)から成る。また、再配線1fは、後の工程においてバンプ(バンプ電極)6aが配置(接合)されるバンプランド(再配置パッド)1hを有している。また、本実施の形態では、このバンプランド1hは、平面視において、パッド(元パッド)1cと重ならない位置に配置されている。すなわち、再配線1fは、半導体チップ1の複数のパッド1cのそれぞれの配置(位置)を別の位置に置き換えるための配線である。また、本実施の形態では、上層配線1gを再配線1fの全上面上に形成する場合について説明したが、少なくとも、後の工程において形成される絶縁膜1mの開口部から露出する再配線1f(バンプランド1h)の領域に形成されていてもよい。ただし、再配線1fが銅(Cu)からなり、一方、この再配線1f上に配置される絶縁膜1mがポリイミドから成る場合は、再配線1fと絶縁膜1mとの密着力が、ニッケルからなる上層配線1gを介在させた場合に比べて低くなるため、半導体装置の信頼性を向上するためには、本実施の形態のように、再配線1fの全上面上に上層配線1gを形成しておくことが好ましい。
【0041】
その後、ステップS6に示す「レジスト除去」を行う。すなわち、シード層1e上に残留したレジスト膜4aを除去する。
【0042】
その後、ステップS7に示す「レジスト形成」を行う。ここでは、再配線1fにおけるバンプランド1hが露出するように、ウエハ2の主面1a上に新たなレジスト膜4bを形成する。これにより、図5のステップS7で示すように、バンプランド1h上に形成された上層配線1gのみが、レジスト膜4bの開口部4dから露出する。
【0043】
その後、図6のステップS8に示す「電解Niポストめっき(きのこ型電極)」を行う。すなわち、バンプランド1h上に形成された上層配線1gに、断面形状が略T字型の電極(柱状電極、きのこ型電極)1iを電解めっき法により形成する。なお、本実施の形態では、柱状の電極1iは、例えばニッケル(Ni)からなる。すなわち、上層配線1gと同じ金属からなるめっき膜を形成するため、形成される電極1iと上層配線1gはほぼ一体化された状態となり、この電極1iのバンプランド1h上に形成された上層配線1gに対する密着力を向上することができる。また、本実施の形態における柱状の電極1iは、レジスト膜4bの開口部4dから露出した上層配線1gにめっき膜を堆積することで形成される。詳細に説明すると、再配線1f(詳細には、再配線1fに形成された上層配線1g上)に形成されたレジスト膜4bの開口部4d(図5参照)から電極1iの一部が垂直方向(ウエハ2の厚さ方向)に突出するまでめっき膜を堆積(めっき成長)させる。そして、さらにめっき膜を堆積させることにより、レジスト膜4bの開口部4dから溢れためっき膜は、垂直方向だけでなく、水平方向(ウエハ2の主面1aと平行な方向)にもめっき成長する。すなわち、本実施の形態では、開口部4dにおいてレジスト膜4bの壁を乗り越えるところまでめっき膜を形成する。
【0044】
その後、ステップS9に示す「レジスト・シード層除去」を行う。すなわち、レジスト膜4bとシード層1eを除去する。これにより、断面視において、柱状の電極1iの側面のうちの電極1iの厚さ方向における中心よりも先端面(表面)側に位置する部分(側面)から水平方向(電極1iの表面と平行な面方向)に迫り出す(突出する)突出部1jを有する柱状の電極1iが形成される。
【0045】
その後、ステップS10に示す「絶縁層・無電解Auめっき」を行う。ここでは、まず、バンプランド1hの一部(平面視における周縁部)が露出するように、再配線1f(詳細には、再配線1fに形成された上層配線1g)上に絶縁膜1mを形成する。すなわち、絶縁膜1mを、柱状の電極1iとその周囲が露出するように形成する。なお、本実施の形態では、絶縁膜1mは例えばポリイミドから成る。そして、絶縁膜1mを形成した後、さらに、無電解めっき法により、電極1iの表面(先端面および側面を含む)にめっき膜1kを形成する。なお、本実施の形態では、このめっき膜1kは例えば金(Au)から成る。このようにめっき膜1kを形成することにより、後のバンプを構成する半田の濡れ性(電極との接合性)を向上させることができる。なお、めっき膜1kは、金(Au)以外にも、パラジウム(Pd)、またはパラジウム(Pd)と金(Au)との合金を使用してもよい。
【0046】
その後、図7のステップS11に示す「半田材印刷(ボール搭載)」を行う。ここでは、印刷法によって電極1iの表面(先端面および側面を含む)と、バンプランド1h上に形成された上層配線1gの一部(絶縁膜1mから露出した箇所)に接合するように半田材6cを供給する。なお、本実施の形態における半田材は、例えば錫(Sn)を実質的に含まない、所謂、鉛フリー半田材(RoHS(Restriction of Hazardous Substances)指令に基づいて、鉛(Pb)の含有率が1000ppm(0.1wt%)以下のもの)から成るが、これに限定されるものではなく、錫(Sn)、または錫(Sn)を主成分とする合金から成るものを使用してもよい。この時、図7のステップS11に示すように、電極1iの突出部1jの下部にも半田材6cを回り込ませておく。
【0047】
その後、ステップS12に示す「リフローバンプ形成・洗浄」を行う。ここでは、半田材6cが供給されたワーク(構造体)をリフロー炉に搬送することで半田材6cを溶融する。その後、溶融した半田材6cは、表面張力の影響により略球体状に変形する。そして、半田材6cの温度が低下し、再び固体化し、バンプランド1h上にバンプ6aが形成される。その後、バンプ6a、またはバンプ6aの近傍に残存するフラックス材を、洗浄液を用いて洗浄する。
【0048】
その後、図8のステップS13に示す「絶縁材(NCFなど)形成」を行う。ここでは、NCF(Non Conductive Film)と呼ばれる導電性粒子を含有しない絶縁性で、かつフィルム状(テープ状)の樹脂7を用いる場合を説明する。まず、バンプ6aを覆うように絶縁膜1m上に樹脂7を配置する。
【0049】
その後、ステップS14に示す「硬化ベーク」、すなわち、ベーク処理を行う。この工程により樹脂7は加熱され、溶融する。そして、溶融した樹脂7は、絶縁膜1mおよびバンプ6aの表面に付着する。その後、溶融した樹脂7を硬化することで、バンプ6aの表面(絶縁膜1mから露出した面)を覆うように、絶縁膜1m上に樹脂(樹脂層)7が形成される。
【0050】
その後、ステップS15に示す「端子露出研削」を行い、バンプ6aの一部(先端部)を樹脂7から露出させる。なお、本研削工程では、図9に示すように、樹脂7の一部とバンプ6aの一部をバイト9を用いて研削(バイト研削)して、樹脂(樹脂層)7からバンプ6aの一部を露出させる。ここで、他の研削手段として、化学的および機械的な作用による研磨、所謂、CMP(Chemical Mechanical Polishing)があるが、このステップS15では、絶縁材と金属の2種類、言い換えると、絶縁材あるいは金属の1種類のみを研磨するものではないため、バイト9を用いたバイト研削を採用することが好ましい。これにより、WPP5の実装面を平坦化することができる。また、前述のバイト研削では、図8のステップS15に示すように、電極1i上にバンプ6aの膜が残るように研削することが好ましい。これにより、電極1iの表面(メタル表面)の状態を管理する必要が無くなり、電極1iの表面(メタル表面)の状態の善し悪しの管理を省略することができる。ただし、電極1iの表面を露出させてもよいことは言うまでもない。さらに、研削後、さらにリフロー処理を行って、バンプ6aを樹脂7の表面から突出させてもよい。
【0051】
以上のステップにより、バンプを有する半導体装置の主な製造工程は完了する。しかしながら、上記のように、本実施の形態では、バンプ6aを構成する半田材の一部を除去しているため、半導体装置を実装するために必要な半田量を確保できない場合には、上記のステップ「端子露出研削」の後に、図10に示すバンプ追加処理を行ってもよい。これにより、半田の接続高さを向上させることが可能である。本ステップS16について以下に説明する。
【0052】
まず、バイト研削により絶縁膜1mからバンプ6aの露出した一部(表面)に、バンプ6aの材料と同じ材料からなるバンプ6bを配置する。このとき、フラックス(接着材)10を介しバンプ6bをバンプ6aの露出面に配置する。
【0053】
その後、ステップS17に示す「リフローバンプ形成・洗浄」を行う。ここでは、バンプ6bが供給されたワーク(構造体)をリフロー炉に搬送することでバンプ6aとバンプ6bを溶融する。これにより、溶融したバンプ6aとバンプ6bが一体化される。そして、一体化されたバンプは表面張力の影響により略球体状に変形しようとするが、本実施の形態では、樹脂7の開口径がバンプ6aの直径よりも小さいため、図10のステップS17に示すように、ひょうたん状となる。そして、半田材6cの温度が低下し、再び固体化し、樹脂7の表面から突出したバンプ6が形成される。その後、バンプ6、またはバンプ6の近傍に残存するフラックス材を、洗浄液を用いて洗浄する。
【0054】
これによって、バンプ6a上にバンプ6bを積層したことで、WPP5の外部端子であるバンプ6の半田量を十分に増やすことができ、半田接続における接続強度(実装強度)を向上させることができる。
【0055】
なお、ステップS16に示す「フラックス供給・ボール搭載」では、ペースト印刷方式で半田を供給してもよい。
【0056】
その後、ウエハ2においてダイシングによるパッケージ個片化を行ってWPP5の組み立て完了となる。その後、WPP5を別の工程に搬送して、テスト、さらには出荷等を行う。
【0057】
本実施の形態1のWPP5(半導体装置)では、そのバンプ接合において、バンプ6が接合する柱状の電極1iに、水平方向に突出する突出部1jが形成されたこと(きのこ型電極)により、バンプ6に対してアンカー効果を持たせることができ、バンプ6の接合強度を向上させることができる。
【0058】
また、WPP5では、銅(Cu)からなる再配線1f上にバリア層としてニッケル(Ni)からなる上層配線1gが形成され、かつ上層配線1gのバンプランド1hに接続される柱状の電極1iもニッケルからなることにより、半田が直接、銅(Cu)に触れる領域を無くすことができる。
【0059】
つまり、銅と半田が直接触れていると、熱を付与した際に銅が半田中に移動して銅そのものが破壊に至るという課題が発生するが、本実施の形態1のWPP5のように、半田が直接銅(Cu)に触れる領域を無くす構造とすることにより、銅の浸食を防止または低減することができる。
【0060】
また、バンプ6aの表面を覆うように絶縁膜1m上に樹脂7を配置し、この樹脂7を硬化させた後、樹脂7を研削してバンプ6aを露出させることにより、例えばポリイミドからなる絶縁膜1mを樹脂7によって覆うことができ、水分の浸入(浸透)を抑制することができる。すなわち、WPP5の耐吸湿性を向上させることができる。
【0061】
次に、WPP5の薄形化(小型化)について説明する。WPP5の薄形化を図る際には、パッケージへの個片化処理の前のウエハ状態においてウエハ(基材)2の裏面側を研削する。
【0062】
すなわち、図5のステップS5の再配線1f形成後、一例として図8のステップS15の「端子露出研削」の後で、かつ図10のステップS16の「フラックス供給・ボール搭載工程」の前、もしくはステップS17の「リフローバンプ形成・洗浄工程」の後にウエハ2の裏面を研削(バックグラインド(BG))してWPP5を薄くすることができる。
【0063】
なお、前述のBG工程により、半導体チップ1(ウエハ2)の厚さが薄くなると半導体チップ1の反りという課題が発生する。すなわち、前記BGによって半導体チップ1が薄くなり、その結果、半導体チップ1の剛性が低くなるため反りが生じ易くなる。
【0064】
そこで、半導体チップ1の反り対策として、本実施の形態1のWPP5の銅(Cu)の再配線1fを薄形化することにより、半導体チップ1(ウエハ2)の反りを低減化することができる。
【0065】
すなわち、WPP5における銅(Cu)からなる再配線1fを可能な限り薄形化することにより、BG工程で半導体チップ1の厚さが薄くなった際にもWPP5本体における剛性のバランスを保つことができ、半導体チップ1の反りの低減化を図ることができる。
【0066】
また、組み立て後のWPP5の搬送及び出荷においては、WPP5に振動や衝撃が加わる場合があるが、本実施の形態1のWPP5では、そのバンプ接合において、バンプ6が接合する柱状の電極1iに、水平方向に突出する突出部1jが形成されたこと(きのこ型電極)により、バンプ6に対してアンカー効果を持たせてバンプ6の接合強度を向上させているため、振動や衝撃が加わってもバンプ6の接合不良の発生を防止または低減することができる。
【0067】
次に、図11と図12について説明する。図11は本発明の実施の形態1の半導体装置の実装構造の一例を示す断面図、図12は本発明の実施の形態1の半導体装置の剪断試験の一例を示す断面図である。
【0068】
図11に示すように、組み立てられたWPP5は、例えば、マザーボード11等の実装基板に半田実装される。この時、WPP5の各バンプ6が対応するマザーボード11の端子11aにそれぞれ半田接続される。その際、リフロー炉に通してリフロー処理を行うため、加熱によってバンプ接合部にも熱応力が付与されるが、本実施の形態1のWPP5では、バンプ6と接合する柱状の電極1iに、水平方向に突出する突出部1jが形成されており、バンプ6に対してアンカー効果を持たせてバンプ6の接合強度を向上させているため、バンプ6の接合不良の発生を防ぐことができる。つまり、熱による膨張・収縮で応力がバンプ接合部に集中した際にも、柱状の電極1iが水平方向への突出部1jを有していることで、バンプ6の界面での剥離を防止することができる。
【0069】
また、本実施の形態1のWPP5では、絶縁膜1m上に樹脂(樹脂層)7が形成されているため、半導体チップ1の主面(回路形成面)1aの機械的な衝撃からの保護や、この主面1aへの光の浸入も抑制できる。
【0070】
また、図12は、剪断強度試験の方法を図示したものであり、組み立て後のWPP5を抜き取り検査によって検査する。すなわち、WPP5のバンプ6に対して、半導体チップ1の主面1aに沿った方向Pに押圧部材12からバンプ6に対して荷重を付与してバンプ6の剪断強度を検査するものである。
【0071】
本実施の形態1のWPP5では、前述のようにバンプ6と接合する柱状の電極1iに、水平方向に突出する突出部1jが形成されており、バンプ6に対してアンカー効果を持たせてバンプ6の接合強度を向上させているため、バンプ6の剪断強度試験においても、バンプ6の接合不良の発生回数を減らして、接合不良しにくいという結果を得ることができる。
【0072】
また、本実施の形態1では、図7のステップS11で、半田材6cをバンプランド1h(バンプ形成領域)に配置する際に、印刷方式によって配置する方式を取り上げて説明したが、バンプランド1hへの半田の配置方式は、フラックス材を用いたボール供給方式やレーザ溶融によるボール供給方式であってもよい。印刷方式は、柱状の電極1i(導体)が突出部1jを有しているため、突出部1jの下部にも半田を配置し易い(より確実に突出部1jの下部に半田を回り込ませられる)という特徴があるものの、各バンプ6を構成する半田材6cの量を均一化するという点では、ボール供給方式の方が好ましい。
【0073】
また、本実施の形態1では、WPP5の再配線1fの上の絶縁膜1m上に形成する絶縁膜としてNCFを採用した場合を説明したが、絶縁膜1m上の絶縁膜は、NCP(Non Conductive Paste、ペースト状樹脂、モールドタイプ)やスピンコートによる液状材であってもよく、NCPやスピンコート材を採用した場合でも、樹脂の場合と同様の効果を得ることができる。
【0074】
なお、NCPは、例えば液状のエポキシ系樹脂等である。一方、スピンコート材は、例えば、エポキシ系樹脂等、ポリイミド系樹脂等、エポキシ系樹脂等と反応するフラックス系樹脂等である。
【0075】
次に、本実施の形態1の変形例について説明する。
【0076】
図13は本発明の実施の形態1の変形例1の半導体装置の構造を示す部分断面図である。
【0077】
WPP5において、半導体チップ1(特に、基材(半導体基板))の厚さが比較的大きい(厚い)場合には、再配線1fの上のバリア層である上層配線1gを形成しなくてもよい。ただし、上層配線1g(バリア層)を形成しない場合、銅の浸食に耐えるために、銅(Cu)からなる再配線1fの厚さQ及び柱状の電極1iの突出部1jの厚さRを実施の形態1(図8や図10に示すWPP5)よりも大きくしなければならない。そのため、WPP5の薄型化を考慮した場合は、例えば前記実施の形態1のように、バリア層(上層配線1g)を形成することが好ましい。
【0078】
なお、図13の変形例1のWPP5では、柱状の電極(導体)1iが銅によって形成されている。銅(Cu)は、ニッケル(Ni)よりも電気抵抗が低い。
【0079】
したがって、図13のWPP5では、電極1iが銅によって形成されているため、ニッケルで形成する場合よりも電気抵抗を小さくすることができ、WPP5の電気特性を向上させることができる。
【0080】
(実施の形態2)
図14〜図18、及び図20は、それぞれ本発明の実施の形態2の半導体装置の組み立てにおける主要工程の一例を示す部分断面図と製造フロー図、図19は本発明の実施の形態2の半導体装置の組み立ての端子露出研削工程における研削方法の一例を示す部分断面図である。
【0081】
本実施の形態2は、WPP5の組み立てについて説明するものであるが、本実施の形態2のWPP5と実施の形態1のWPP5の相違点は、本実施の形態2のWPP5では、再配線1fの上に、実施の形態1のような上層配線1gが形成されていないことであり、上層配線1gの代わりとして、柱状の電極(導体、金属膜、きのこ型電極)1iの直下にUBM(Under Bump Metal)1pがバリア層(第2配線)として形成されている。すなわち、銅からなる再配線1fの浸食の対策のバリア層として、実施の形態1の上層配線1gの代わりに実施の形態2ではUBM1pが形成されている。
【0082】
なお、本実施の形態2のWPP5では、主に、柱状の電極1iが銅(Cu)からなる場合を説明する。
【0083】
また、UBM1pは、スパッタ+めっき、もしくはスパッタのみで形成するものであり、スパッタで形成する場合、例えばTi/Cu、TiN/Ti/Cu、W/Cu、Cr/Cu等であり、めっきで形成する場合、例えばCu、Ni/Au、Cu/Ni/Au、Cu/Ni/Pd/Au等である。スパッタのみで形成する場合、例えばCu/Ni/Au、Cu/Ni/Pd/Au等である。
【0084】
次に本実施の形態2のWPP5の組み立てについて説明する。
【0085】
まず、図14のステップS21に示す「前工程ウエハ準備」を行う。ここでは、主面1a、主面1aに形成された半導体素子1n、半導体素子1nと電気的に接続されたパッド1c、パッド1cが露出するように主面1aに形成された絶縁膜(絶縁層、第1絶縁膜)1d、及び主面1aとは反対側の裏面1bを有するウエハ(半導体ウエハ、基材)2を準備する。なお、本実施の形態では、絶縁膜1dは、例えば窒化シリコン(SiN)から成る。
【0086】
その後、ステップS22に示す「シード層形成」を行う。すなわち、スパッタによって全面にシード層1eを形成する。このシード層1eは、後述するめっき工程で使用するためのものである。
【0087】
その後、ステップS23に示す「レジスト(塗布・露光)」を行う。ここでは、まず、ウエハ2の主面1aの全面(詳細には、主面1aに形成されたシード層1e上)にレジスト膜4aを形成する。そして、形成されたレジスト膜4aのうちの所定の箇所(配線パターンを形成しない箇所)をマスク3で覆う。その後、マスク3で覆われない部分(マスク3の開口部から露出した部分)を露光3aする。
【0088】
その後、ステップS24に示す「レジスト形成(現像)」を行う。すなわち、レジスト膜4aのうちの露光3aを行った領域を除去することで、シード層1eが露出するレジスト膜4aの開口部4cを形成する。
【0089】
その後、図15のステップS25に示す「Cu再配線めっき」を行う。ここでは、まず、先の工程で形成したレジスト膜4aの開口部4cから露出するシード層1e上に後の再配線(配線パターン、めっき膜)1fを電解めっき法により形成する。なお、本実施の形態では、再配線1fは、例えば銅(Cu)または銅(Cu)を主成分とする金属から成る。
【0090】
その後、ステップS26に示す「レジスト・シード層除去」を行う。すなわち、再配線1fの周囲のシード層1eと、シード層1e上に残留したレジスト膜4aを除去する。
【0091】
その後、ステップS27に示す「絶縁層・シード層形成」を行う。ここでは、まず、バンプランド1hに相当する領域を開口部4dとして再配線1f上に絶縁膜(絶縁層、第2絶縁膜)1mを形成し、絶縁膜1m形成後、絶縁膜1m上と、開口部4dに露出した再配線1f上とにシード層1qを形成する。本実施の形態では、絶縁膜1mは、例えばポリイミドから成る。
【0092】
なお、この開口部4dの再配線1f上に形成するシード層1qが図16のUBM1pとなる。つまり、このシード層1qは、バンプ6a(図17参照)を配置するバンプランド1hとなるUBM1pを有しており、このバンプランド1h(UBM1p)は、平面視において、パッド(元パッド)1cと重ならない位置に配置されている。すなわち、再配線1fは、半導体チップ1の複数のパッド1cのそれぞれの配置(位置)を別の位置に置き換えるための配線である。
【0093】
その後、図16のステップS28に示す「レジスト形成」を行う。ここでは、シード層1qにおけるUBM1pの領域のみが開口部4dに露出するように新たなレジスト膜4bを形成する。
【0094】
その後、ステップS29に示す「Cuポストめっき(きのこ型電極)」を行う。すなわち、銅(Cu)めっきによってUBM1p上に、断面形状が略T字型の電極(柱状電極、きのこ型電極)1iを形成する。本実施の形態における柱状の電極1iは、レジスト膜4bの開口部4dから露出したUBM1pに銅めっきを堆積することで形成される。詳細に説明すると、シード層1q上に形成されたレジスト膜4bの開口部4dから電極1iの一部が垂直方向(ウエハ2の厚さ方向)に突出するまで銅めっき膜を堆積(めっき成長)させる。そして、さらに銅めっき膜を堆積させることにより、レジスト膜4bの開口部4dから溢れためっき膜は、垂直方向だけでなく、水平方向(ウエハ2の主面1aと平行な方向)にもめっき成長する。すなわち、本実施の形態では、開口部4dにおいてレジスト膜4bの壁を乗り越えるところまで銅めっき膜を形成する。
【0095】
その後、ステップS30に示す「レジスト・シード層除去」を行う。すなわち、絶縁膜1m上のレジスト膜4bとシード層1qを除去する。これにより、断面視において、柱状の電極1iの側面のうちの電極1iの厚さ方向における中心よりも先端面(表面)側に位置する部分(側面)から水平方向(電極1iの表面と平行な面方向)に迫り出す(突出する)突出部1jを有する柱状の電極1iが形成される。
【0096】
その後、図17のステップS31に示す「半田材印刷(ボール搭載)」を行う。ここでは、印刷法によって電極1iの表面(先端面および側面を含む)に接合するように半田材6cを供給する。なお、本実施の形態における半田材は、例えば錫(Sn)を実質的に含まない、所謂、鉛フリー半田材(RoHS(Restriction of Hazardous Substances)指令に基づいて、鉛(Pb)の含有率が1000ppm(0.1wt%)以下のもの)から成るが、これに限定されるものではなく、錫(Sn)、または錫(Sn)を主成分とする合金から成るものを使用してもよい。この時、図17のステップS31に示すように、電極1iの突出部1jの下部にも半田材6cを回り込ませておく。
【0097】
その後、ステップS32に示す「リフローバンプ形成・洗浄」を行う。ここでは、半田材6cが供給されたワーク(構造体)をリフロー炉に搬送することで半田材6cを溶融する。その後、溶融した半田材6cは、表面張力の影響により略球体状に変形する。そして、半田材6cの温度が低下し、再び固体化し、電極1iと接合するバンプ6aが形成される。その後、バンプ6a、またはバンプ6aの近傍に残存するフラックス材を、洗浄液を用いて洗浄する。
【0098】
その後、図18のステップS33に示す「絶縁材(NCFなど)形成」を行う。ここでは、NCF(Non Conductive Film)と呼ばれる導電性粒子を含有しない絶縁性で、かつフィルム状(テープ状)の樹脂7を用いる場合を説明する。まず、バンプ6aを覆うように絶縁膜1m上に樹脂7を配置する。
【0099】
その後、ステップS34に示す「硬化ベーク」、すなわち、ベーク処理を行う。この工程により樹脂7は加熱され、溶融する。そして、溶融した樹脂7は、絶縁膜1mおよびバンプ6aの表面に付着する。その後、溶融した樹脂7を硬化することで、バンプ6aの表面(絶縁膜1mから露出した面)を覆うように、絶縁膜1m上に樹脂(樹脂層)7が形成される。
【0100】
その後、ステップS35に示す「端子露出研削」を行い、バンプ6aの一部(先端部)を樹脂7から露出させる。なお、本研削工程では、実施の形態1の場合と同様に、図19に示すように、樹脂7の一部とバンプ6aの一部をバイト9を用いて研削(バイト研削)して、樹脂(樹脂層)7からバンプ6aの一部を露出させる。ここで、他の研削手段として、化学的および機械的な作用による研磨、所謂、CMP(Chemical Mechanical Polishing)があるが、このステップS35では、絶縁材と金属の2種類、言い換えると、絶縁材あるいは金属の1種類のみを研磨するものではないため、バイト9を用いたバイト研削を採用することが好ましい。これにより、WPP5の実装面を平坦化することができる。また、前述のバイト研削では、図18のステップS35に示すように、電極1i上にバンプ6aの膜が残るように研削することが好ましい。これにより、電極1iの表面(メタル表面)の状態を管理する必要が無くなり、電極1iの表面(メタル表面)の状態の善し悪しの管理を省略することができる。ただし、電極1iの表面を露出させてもよいことは言うまでもない。さらに、研削後、さらにリフロー処理を行って、バンプ6aを樹脂7の表面から突出させてもよい。
【0101】
以上のステップにより、バンプを有する半導体装置の主な製造工程は完了する。しかしながら、上記のように、本実施の形態2でも、バンプ6aを構成する半田材の一部を除去しているため、半導体装置を実装するために必要な半田量を確保できない場合には、上記のステップ「端子露出研削」の後に、図20に示すバンプ追加処理を行ってもよい。これにより、半田の接続高さを向上させることが可能である。本ステップS36について以下に説明する。
【0102】
まず、バイト研削により絶縁膜1mからバンプ6aの露出した一部(表面)に、バンプ6aの材料と同じ材料からなるバンプ6bを配置する。このとき、フラックス(接着材)10を介しバンプ6bをバンプ6aの露出面に配置する。
【0103】
その後、ステップS37に示す「リフローバンプ形成・洗浄」を行う。ここでは、バンプ6bが供給されたワーク(構造体)をリフロー炉に搬送することでバンプ6aとバンプ6bを溶融する。これにより、溶融したバンプ6aとバンプ6bが一体化される。そして、一体化されたバンプは表面張力の影響により略球体状に変形しようとするが、本実施の形態2でも、樹脂7の開口径がバンプ6aの直径よりも小さいため、図20のステップS37に示すように、ひょうたん状となる。そして、半田材6cの温度が低下し、再び固体化し、樹脂7の表面から突出したバンプ6が形成される。その後、バンプ6、またはバンプ6の近傍に残存するフラックス材を、洗浄液を用いて洗浄する。
【0104】
これによって、バンプ6a上にバンプ6bを積層したことで、WPP5の外部端子であるバンプ6の半田量を十分に増やすことができ、半田接続における接続強度(実装強度)を向上させることができる。
【0105】
なお、ステップS36に示す「フラックス供給・ボール搭載」では、ペースト印刷方式で半田を供給してもよい。
【0106】
その後、ウエハ2においてダイシングによるパッケージ個片化を行ってWPP5の組み立て完了となる。その後、WPP5を別の工程に搬送して、テスト、さらには出荷等を行う。
【0107】
本実施の形態2のWPP5(半導体装置)においても、実施の形態1のWPP5と同様に、そのバンプ接合において、バンプ6が接合する柱状の電極1iに、水平方向に突出する突出部1jが形成されたこと(きのこ型電極)により、バンプ6に対してアンカー効果を持たせることができ、バンプ6の接合強度を向上させることができる。
【0108】
また、実施の形態2のWPP5では、銅(Cu)からなる再配線1f上で、かつ柱状の電極1iの直下にバリア層としてUBM1pを形成したことにより、実施の形態1のWPP5と同様に、半田が直接、銅(Cu)に触れる領域を無くすことができる。
【0109】
つまり、銅と半田が直接触れていると、熱を付与した際に銅が半田中に移動して銅そのものが破壊に至るという課題が発生するが、本実施の形態2のWPP5においても、半田が直接銅(Cu)に触れる領域を無くす構造とすることにより、銅の浸食を防止または低減することができる。
【0110】
また、バンプ6aの表面を覆うように絶縁膜1m上に樹脂7を配置し、この樹脂7を硬化させた後、樹脂7を研削してバンプ6aを露出させることにより、例えばポリイミドからなる絶縁膜1mを樹脂7によって覆うことができ、水分の浸入(浸透)を抑制することができる。すなわち、実施の形態1と同様に、WPP5の耐吸湿性を向上させることができる。
【0111】
次に、WPP5の薄形化(小型化)について説明する。本実施の形態2のWPP5の薄形化を図る際には、実施の形態1と同様に、パッケージへの個片化処理の前のウエハ状態においてウエハ(基材)2の裏面側を研削する。
【0112】
すなわち、図15のステップS25の再配線1f形成後、一例として図18のステップS35の「端子露出研削」の後で、かつ図20のステップS36の「フラックス供給・ボール搭載工程」の前、もしくはステップS37の「リフローバンプ形成・洗浄工程」の後にウエハ2の裏面を研削(バックグラインド(BG))してWPP5を薄くすることができる。
【0113】
なお、前述のBG工程により、半導体チップ1(ウエハ2)の厚さが薄くなると半導体チップ1の反りという課題が発生する。すなわち、前記BGによって半導体チップ1が薄くなり、その結果、半導体チップ1の剛性が低くなるため反りが生じ易くなる。
【0114】
そこで、半導体チップ1の反り対策として、本実施の形態2のWPP5においても、その銅(Cu)の再配線1fを薄形化することにより、半導体チップ1(ウエハ2)の反りを低減化することができる。
【0115】
すなわち、WPP5における銅(Cu)からなる再配線1fを可能な限り薄形化することにより、BG工程で半導体チップ1の厚さが薄くなった際にもWPP5本体における剛性のバランスを保つことができ、半導体チップ1の反りの低減化を図ることができる。
【0116】
また、組み立て後のWPP5の搬送及び出荷においては、WPP5に振動や衝撃が加わる場合があるが、本実施の形態2のWPP5においても、そのバンプ接合において、バンプ6が接合する柱状の電極1iに、水平方向に突出する突出部1jが形成されたこと(きのこ型電極)により、バンプ6に対してアンカー効果を持たせてバンプ6の接合強度を向上させているため、振動や衝撃が加わってもバンプ6の接合不良の発生を防止または低減することができる。
【0117】
次に、本実施の形態2のWPP5においても、実装基板への実装時や剪断強度試験において実施の形態1のWPP5と同様の効果を得ることができる。
【0118】
すなわち、本実施の形態2のWPP5も、例えば、図11に示すようにマザーボード11等の実装基板に半田実装される。この時、WPP5の各バンプ6が対応するマザーボード11の端子11aにそれぞれ半田接続される。その際、リフロー炉に通してリフロー処理を行うため、加熱によってバンプ接合部にも熱応力が付与されるが、本実施の形態2のWPP5においても、バンプ6と接合する柱状の電極1iに、水平方向に突出する突出部1jが形成されており、バンプ6に対してアンカー効果を持たせてバンプ6の接合強度を向上させているため、バンプ6の接合不良の発生を防ぐことができる。つまり、熱による膨張・収縮で応力がバンプ接合部に集中した際にも、柱状の電極1iが水平方向への突出部1jを有していることで、バンプ6の界面での剥離を防止することができる。
【0119】
また、本実施の形態2のWPP5においても、絶縁膜1m上に樹脂(樹脂層)7が形成されているため、半導体チップ1の主面(回路形成面)1aの機械的な衝撃からの保護や、この主面1aへの光の浸入も抑制できる。
【0120】
また、図12に示す剪断強度試験においても、本実施の形態2のWPP5は、実施の形態1のWPP5と同様にバンプ6と接合する柱状の電極1iに、水平方向に突出する突出部1jが形成されており、バンプ6に対してアンカー効果を持たせてバンプ6の接合強度を向上させているため、バンプ6の剪断強度試験においても、バンプ6の接合不良の発生回数を減らして、接合不良しにくいという結果を得ることができる。
【0121】
また、本実施の形態2でも、図17のステップS31で、半田材6cを柱状の電極1iに配置する際に、印刷方式によって配置する方式を取り上げて説明したが、電極1iへの半田の配置方式は、フラックス材を用いたボール供給方式やレーザ溶融によるボール供給方式であってもよい。印刷方式は、柱状の電極1i(導体)が突出部1jを有しているため、突出部1jの下部にも半田を配置し易い(より確実に突出部1jの下部に半田を回り込ませられる)という特徴があるものの、各バンプ6を構成する半田材6cの量を均一化するという点では、ボール供給方式の方が好ましい。
【0122】
また、本実施の形態2においても、WPP5の再配線1fの上の絶縁膜1m上に形成する絶縁膜としてNCFを採用した場合を説明したが、絶縁膜1m上の絶縁膜は、NCP(Non Conductive Paste、ペースト状樹脂、モールドタイプ)やスピンコートによる液状材であってもよく、NCPやスピンコート材を採用した場合でも、樹脂の場合と同様の効果を得ることができる。
【0123】
なお、NCPは、例えば液状のエポキシ系樹脂等である。一方、スピンコート材は、例えば、エポキシ系樹脂等、ポリイミド系樹脂等、エポキシ系樹脂等と反応するフラックス系樹脂等である。
【0124】
次に、本実施の形態2の変形例について説明する。
【0125】
図21は本発明の実施の形態2の変形例1の半導体装置の構造を示す部分断面図、図22は本発明の実施の形態2の変形例2の半導体装置の構造を示す部分断面図である。
【0126】
図21の変形例1は、本実施の形態のWPP5のUBM1p上の電極(導体、金属膜、きのこ型電極)1iをニッケル(Ni)で形成したものである。このように、ニッケル(Ni)で電極1iを形成することで、上記したような、錫(Sn)系の半田材によって形成されたバンプ6bに銅(Cu)が拡散する問題を抑制できる。すなわち、電極1iの浸食を抑制できる。ただし、電気抵抗については、銅(Cu)よりもニッケル(Ni)の方が大きくなってしまうため、電気特性を向上する上では、前記実施の形態1及び2のように、銅(Cu)を用いて電極1iを形成することが好ましい。
【0127】
そこで、図22に示す変形例2は、UBM1p上の電極1iを、ニッケル(上層側)と銅(UBM側)の2層構造とするものである。すなわち、電極1iをめっき法により形成することで、ニッケル部分ではその形成を速くすることができ、また、銅部分においては電気抵抗を小さくすることができる。つまり、WPP5の組み立てのスループットを高められるとともに、電気特性も向上できる。
【0128】
以上、本発明者によってなされた発明を発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記発明の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0129】
(変形例1)
例えば、前記実施の形態1及び2では、電解めっき法により再配線1f、上層配線1g、および電極1iを形成することについて説明したが、これに限定されるものではなく、無電解めっき法を用いて形成してもよい。この場合は、シード層1eは不要となる。
【0130】
(変形例2)
また、例えば、前記実施の形態1及び2では、再配線1fの下層に、絶縁膜としてSiN膜1dのみが形成されている場合について説明したが、図23(変形例2)及び図24(変形例3)に示すように、絶縁膜(窒化シリコン膜)1dに加えて再配線1fの下層に他の絶縁膜(ポリイミド膜、絶縁層、第4絶縁膜)1rが形成されていてもよい。
【0131】
図23の変形例2は、実施の形態1で説明したバリア層がニッケルからなる上層配線1gで、かつ柱状の電極1iが同じくニッケルからなるWPP5において、再配線1fの下層に絶縁膜1dに加えて、さらに他の絶縁膜1rを形成した場合である。
【0132】
このように、WPP5において再配線1fの下層に絶縁膜1dに加えてさらに他の絶縁膜1rを形成することにより、再配線1f層の下層へのダメージを緩和することができる。なお、図23の構造において、柱状の電極1iが銅からなる場合についても同様の効果を得ることができる。
【0133】
(変形例3)
また、図24の変形例3は、実施の形態2で説明したバリア層がUBM1pで、かつ柱状の電極1iが銅からなるWPP5において、再配線1fの下層に絶縁膜1dに加えて、さらに他の絶縁膜1rを形成した場合である。
【0134】
前述の図23の変形例2と同様に、バリア層がUBM1pのWPP5においても、再配線1fの下層に絶縁膜1dに加えて、さらに他の絶縁膜1rを形成することにより、再配線1f層の下層へのダメージを緩和することができる。なお、図24の構造において、柱状の電極1iがニッケルからなる場合についても同様の効果を得ることができる。
【0135】
(変形例4)
また、前記実施の形態1及び2では、WPP5の外部端子として形成されたバンプ6が、半田のみからなる場合を説明したが、バンプ6は、図25(変形例4)に示すように、追加で接合されたバンプ6bの内部にコアボール6dを有していてもよい。
【0136】
すなわち、NCF7やNCP等の絶縁膜を研削してバンプ6aの一部を露出させた後、追加で配置する半田材をボール供給方式によって供給する場合に、図25の変形例4のように、バンプ6を、柱状の電極1iに接合するバンプ6aとバンプ6a上に積層(追加)するバンプ6bとから構成し、その際、内部にコアボール6dが設けられたバンプ6b(半田ボール)を採用するものである。なお、コアボール6dは、例えば銅または樹脂等によって形成されていることが好ましい。
【0137】
このようにバンプ6が内部にコアボール6dを有していることにより、コアボール6dが熱変化による応力を吸収するため、温度サイクル性を向上させることができる。
【0138】
(変形例5)
また、前記実施の形態1及び2では、1つの再配線1fが1つのパッド(元パッド)1cと電気的に接続される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば図26に示すように、1つの再配線1fに複数のパッド(元パッド)1cが電気的に接続されていても良い。
【0139】
(変形例6)
さらに、前記実施の形態1及び2では、WPP5における半導体チップ1のパッド1cと柱状の電極1iとが再配線1fによって電気的に接続されている場合を説明したが、図27の変形例6に示すように、WPP5は、半導体チップ1のパッド1cと柱状の電極1iとが再配線1fを介さずに電気的に接続されていてもよい。すなわち、WPP5は、パッド1cの直上にUBM1pを介して柱状の電極1iとバンプ6bとが形成されている構造であってもよい。
【0140】
ただし、このようなパッド1cの直上(元パッド1cと重なる位置)に柱状の電極1iとバンプ6bとが形成されている構造では、実施の形態1及び2のWPP5のように再配線1f層を有していない分、実施の形態1及び2に比較して反りの課題は生じ難い。すなわち、反りの課題が生じ易いWPP構造に対しては、図27の変形例6の構造は、得られる効果が少ない。
【産業上の利用可能性】
【0141】
本発明は、バンプ接合を有する電子装置とその製造技術に利用可能である。
【符号の説明】
【0142】
1 半導体チップ(基材)
1a 主面
1b 裏面
1c パッド
1d 絶縁膜
1e シード層
1f 再配線
1g 上層配線
1h バンプランド
1i 電極
1j 突出部
1k めっき膜
1m 絶縁膜
1n 半導体素子
1p UBM
1q シード層
1r 絶縁膜
2 ウエハ(基材)
3 マスク
3a 露光
4a,4b レジスト膜
4c,4d 開口部
5 WPP(半導体装置)
6,6a,6b バンプ
6c 半田材
6d コアボール
7 樹脂(樹脂層)
8 マーク
9 バイト
10 フラックス
11 マザーボード
11a 端子
12 押圧部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主面、前記主面に形成された半導体素子、前記半導体素子と電気的に接続されたパッド、および前記主面とは反対側の裏面を有する基材と、
前記パッドが露出するように、前記基材の前記主面に形成された第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜上に形成され、かつ前記パッドと電気的に接続され、かつ銅からなる第1配線と、
前記第1配線上に形成された第2配線と、
前記第2配線の第1領域が露出するように、前記第2配線上に形成された第2絶縁膜と、
前記第2配線の前記第1領域に形成された柱状の電極と、
前記電極の表面、および前記第2配線の前記第1領域のうちの前記電極から露出する表面に接合され、かつ錫系の材料からなるバンプと、
前記バンプの一部が露出するように、前記第2絶縁膜上に形成された第3絶縁膜と、
を含み、
前記第2配線の前記第1領域は、平面視において、前記パッドとは重ならない位置に配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記電極は、水平方向に突出する突出部を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記第1配線の下層に第4絶縁膜が形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記バンプは、前記電極に接合する第1バンプと前記第1バンプ上に積層された第2バンプとからなり、前記第2バンプは、内部にコアボールを有していることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
以下の工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法:
(a)主面、前記主面に形成された半導体素子、前記半導体素子と電気的に接続されたパッド、前記パッドが露出するように前記主面に形成された第1絶縁膜、および前記主面とは反対側の裏面を有する基材を準備する工程;
(b)前記工程(a)の後、前記パッドと電気的に接続する銅からなる第1配線を前記第1絶縁膜上に形成する工程;
(c)前記工程(b)の後、第1領域を有する第2配線を前記第1配線上に形成する工程;
(d)前記工程(c)の後、前記第2配線の前記第1領域に柱状の電極を形成する工程;
(e)前記工程(d)の後、前記第2配線の前記第1領域の一部が露出するように前記第2配線上に第2絶縁膜を形成する工程;
(f)前記工程(e)の後、前記電極の表面、および前記第2配線の前記第1領域の前記一部に接合するように錫系の材料からなる第1バンプを形成する工程;
(g)前記工程(f)の後、前記第1バンプの表面を覆うように前記第2絶縁膜上に第3絶縁膜を形成する工程;
(h)前記工程(g)の後、前記第1バンプの一部を露出させる工程;
ここで、
前記(c)工程で、前記第2配線の前記第1領域を、平面視において前記パッドとは重ならない位置に配置する。
【請求項6】
請求項5において、
前記(d)工程で前記第2配線の前記第1領域に前記電極を形成する際に、前記第2配線上に形成したレジスト膜の開口部から前記電極の一部が水平方向に突出するように前記開口部の前記第1領域に前記電極を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
請求項5において、
前記(h)工程で、前記第3絶縁膜と前記第1バンプとをバイト研削して前記第1バンプの一部を露出させることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
請求項7において、
前記バイト研削では、前記電極上に前記第1バンプの膜が残るように研削することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項5において、
前記(g)工程の前記第3絶縁膜としてフィルム状樹脂またはペースト状樹脂を用い、前記(g)工程で前記第1バンプの表面を覆うように前記第2絶縁膜上に前記フィルム状樹脂または前記ペースト状樹脂を配置し、その後、ベーク処理を行って前記フィルム状樹脂または前記ペースト状樹脂を硬化させることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項5において、
前記(h)工程の後、前記基材の前記裏面を研削することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項5において、
前記(f)工程で前記第1バンプを形成する際に、前記(f)工程の前に、半田印刷によって前記電極の表面および前記第2配線の前記第1領域の前記一部に接合するように錫系の半田材を塗布し、その後、前記(f)工程でリフローを行って前記第1バンプを形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項12】
請求項5において、
前記(h)工程の後、前記第1バンプの露出した前記一部に、前記第1バンプの材料と同じ材料からなる第2バンプを接合することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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