説明

半導体装置及びその配線部品

【課題】半導体装置において、実装密度向上とノイズ低減とを両立することができる技術を提供する。
【解決手段】プリント配線基板101上に実装されたLSI102は、プリント配線基板101から電源供給を受けるためのグランド用BGAボール105bと電源用BGAボール105aとを有し、グランド用BGAボール105bと電源用BGAボール105aは隣接している。プリント配線基板101にはデカップリングコンデンサ103が実装され、デカップリングコンデンサ103は端子113と端子114とを有している。グランド用BGAボール105bと端子113が金属電極平板110で接続され、電源用BGAボール105aと端子114が金属電極平板111で接続され、金属電極平板110と金属電極平板111の間には、厚さ1μm以下の誘電体膜112が挟み込まれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に、半導体装置の電源ノイズ低減と実装部品の高密度実装を両立させるための実装技術に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者が検討した技術として、例えば、半導体装置においては、以下の技術が考えられる。
【0003】
近年、半導体装置において、LSI(Large Scale Integrated circuit)の動作周波数の向上や消費電流の増加に伴い、電源ノイズが増加傾向にある。一方で、半導体製造プロセスの進化に伴う低電圧化によりノイズマージンが減少しており、電源ノイズ設計は極めて難しい。
【0004】
電源ノイズを下げる手段は周波数によって異なるが、数百kHzから数十MHzまでのいわゆる低周波数帯から中周波数帯は、プリント配線基板上のデカップリングコンデンサによるインピーダンスの低減により対策が施されている。前記の周波数帯の中で、低い周波数(数百kHz〜数MHz)はデカップリングコンデンサの容量が低インピーダンス化について支配的なパラメータであり、高い周波数(数MHz〜数十MHz)はデカップリングコンデンサとLSIとを繋ぐインダクタンスの値が支配的なパラメータである。すなわち、大容量のデカップリングコンデンサを低インダクタンスでLSIの電源端子に接続することが、対象の周波数範囲の低インピーダンス化に必須である。そして、系に応じた目標インピーダンス以下になるようにデカップリングコンデンサの種類や個数・実装方法を調整する必要がある。
【0005】
図9に、デカップリングコンデンサの実装例を示す。図9は、本発明の前提として検討したメモリモジュールの構成例を示す平面図である。図9に示すように、プリント配線基板901上にDRAM等のLSI902が複数個実装され、各LSI902の電源端子のすぐ近くにデカップリングコンデンサ903が配置・接続され、低インピーダンス化、低インダクタンス化を図っている。
【0006】
なお、本出願人は、発明した結果に基づき、先行技術調査を行った。その結果、特許文献1及び特許文献2が抽出された。
【0007】
特許文献1は、全体として、インターポーザ基板にシート状のコンデンサを内蔵することを主題とするものであり、薄膜コンデンサをインターポーザに埋め込み、貫通電極との構成で低ESL(等価直列インダクタンス)構造を実現しているが、本発明のようにプリント基板上のチップ部品との接続に薄膜コンデンサを利用したものではない。
【0008】
また、特許文献2は、全体として、キャパシタ実装配線基板にデカップリング用キャパイシタを内蔵することを主題とするものであり、キャパシタ実装配線基板において、キャパシタに電流を流したときに、その電流の向きと配線層に流れる電流の向きが逆方向となるように実装することにより、低ESLを実現しようとするものである。特許文献2には、
薄膜コンデンサの記載があるが、薄膜コンデンサを給電経路としたようなものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−216755号公報
【特許文献2】特開2005−294383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、前記のような半導体装置の技術について、本発明者が検討した結果、以下のようなことが明らかとなった。
【0011】
背景技術で述べた電源技術動向により、目標インピーダンスは年々低下しており、これに対応すべくコンデンサの実装方法が変化してきている。
【0012】
具体的には、数十MHz帯の電源ノイズを十分に抑えるために、LSIとデカップリングコンデンサ間を低インダクタンスで接続する実装方法が積極的に適用されてきている。低インダクタンス化で重要なのは、実装上のインダクタンスを減らす方法である。
【0013】
図10に、LSIとデカップリングコンデンサの実装例を示す。図10は、本発明の前提として検討した、LSIとデカップリングコンデンサの実装・配線例を示す断面図である。図10に示すように、プリント配線基板901上にDRAM等のLSI902とデカップリングコンデンサ903が実装されている。LSI902は、LSIチップ902aとLSIパッケージ904から構成される。LSIチップ902aは、LSIパッケージ904上に搭載され、電源端子を含むLSIチップ902aの各端子はLSIパッケージ904裏面のBGA(Ball Grid Array)ボール905と接続されている。BGAボール905は、プリント配線基板901上の各電極と接続されている。プリント配線基板901は多層配線構造となっており、LSI902に電源を供給するための電源層906とグランド層907が内蔵されている。電源用BGAボール905aと電源層906はVIA(貫通孔)908aを介して接続されている。同様に、グランド用BGAボール905bとグランド層907はVIA908bを介して接続されている。このような構成において、電源とグランド間の電源ノイズ等交流成分の電流経路909を矢印で示す。
【0014】
図10に示すように、インダクタンスの起因となる部位は複数有る。そのうち、主要なパラメータは(1)デカップリングコンデンサの実装インダクタンス(電極、電極配線、VIA)、(2)LSI−デカップリングコンデンサ間の電源プレーン、(3)デカップリングコンデンサのESL(Equivalent Series inductance:等価直列インダクタンス)の3つが挙げられる。
【0015】
従来は、(A)デカップリングコンデンサの搭載数を多くして前記(1),(3)を等価的に小さくし、(B)デカップリングコンデンサをLSIの直近に実装することで前記(2)を小さくしていた。
【0016】
しかし、この方法では、部品点数の増加や実装密度の観点で問題があった。例えばメモリモジュールの場合、従来は数十個程度であったデカップリングコンデンサの個数が最近の製品では100個を超えてきており、モジュール基板上に実装するにはデカップリングコンデンサの個数が限界に達しつつある。さらに、DRAM等のLSIの大容量化にともないチップサイズが大きくなると、モジュール基板上においてLSI近接部にデカップリングコンデンサを置く十分なスペースを確保することができなくなってきている。
【0017】
これらの問題点を解決する方法としては、薄膜コンデンサやチップコンデンサをLSI直下の基板内層に内蔵する方法がある(例えば、特許文献1及び特許文献2)。
【0018】
しかし、薄膜コンデンサの場合、容量密度やVIAの存在により十分な容量を稼げないことが問題である。また、チップコンデンサ内蔵の場合、基板厚の増加や実装インダクタンスのうち、電極部やVIAに相当するインダクタンスを減らす効果が無いこと、内蔵できる個数が限られることが問題であり、十分なインダクタンス低減効果が期待できない。両者とも、ノイズ低減効果の観点で不十分であった。
【0019】
そこで、本発明の1つの目的は、半導体装置において、実装密度向上とノイズ低減とを両立することができる技術を提供することにある。
【0020】
また、本発明の他の目的は、半導体装置において、実装部品点数を削減することができる技術を提供することにある。
【0021】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0023】
すなわち、本発明による半導体装置は、半導体集積回路と、前記半導体集積回路が実装されたプリント配線基板とを備えたものである。そして、前記半導体集積回路は、前記プリント配線基板から電源供給を受けるための第1の電極と第2の電極とを有し、前記第1の電極と前記第2の電極は隣接している。前記プリント配線基板にはデカップリングコンデンサが実装され、前記デカップリングコンデンサは第1の端子と第2の端子とを有している。前記第1の電極と前記第1の端子が第1の金属電極平板で接続され、前記第2の電極と前記第2の端子が第2の金属電極平板で接続され、前記第1の金属電極平板と前記第2の金属電極平板の間には、厚さ1μm以下の誘電体膜が挟み込まれている。
【0024】
また、本発明による配線部品は、半導体集積回路が搭載されるプリント配線基板に実装されるものであって、前記半導体集積回路の電源電極とデカップリングコンデンサとを接続するための外付け配線部品である。そして、前記配線部品は、デカップリングコンデンサの第1の端子に接続するための第1のコンデンサ用端子と、前記半導体集積回路の第1の電源電極に接続するための第1の集積回路用端子とを有する第1の金属電極平板と、前記デカップリングコンデンサの第2の端子に接続するための第2のコンデンサ用端子と、前記半導体集積回路の第2の電源電極に接続するための第2の集積回路用端子とを有する第2の金属電極平板とを備えている。前記第1の金属電極平板と前記第2の金属電極平板の間には、厚さ1μm以下の誘電体膜が挟み込まれて、薄膜コンデンサが形成されている。
【発明の効果】
【0025】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0026】
(1)低インダクタンス実装により、電源ノイズが低減する。
【0027】
(2)コンデンサ部品のレイアウト自由度の増加により、高密度実装が可能となる。
【0028】
(3)部品点数削減により、基板サイズが縮小し、低コスト化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の形態1による半導体装置の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1の半導体装置において、LSIとデカップリングコンデンサの実装例を示す平面図である。
【図3】本発明の実施の形態2による配線部品の構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図4】本発明の実施の形態3による配線部品の構成を示す平面図である。
【図5】本発明の実施の形態4による半導体装置の構成を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態5による半導体装置の構成を示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態6による半導体装置の構成を示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態7による半導体装置の構成を示す断面図である。
【図9】本発明の前提として検討したメモリモジュールの構成例を示す平面図である。
【図10】本発明の前提として検討した、LSIとデカップリングコンデンサの実装例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0031】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1による半導体装置の構成を示す断面図、図2は本実施の形態1の半導体装置において、LSIとデカップリングコンデンサの実装例を示す平面図である。
【0032】
まず、図1により、本実施の形態1による半導体装置の構成の一例を説明する。本実施の形態1の半導体装置は、例えば、DRAM等のLSIがプリント配線基板上に実装されたメモリモジュールである。図1に示すように、本実施の形態1の半導体装置は、プリント配線基板101上に、DRAM等のLSI102とデカップリングコンデンサ103と薄膜コンデンサ109などが実装されている。LSI102は、LSIチップ102aとLSIパッケージ104から構成される。LSIチップ102aは、LSIパッケージ104上に搭載され、電源端子を含むLSIチップ102aの各端子はLSIパッケージ104裏面のBGA(Ball Grid Array)ボール105と接続されている。BGAボール105は、プリント配線基板101上の各電極と接続されている。プリント配線基板101は多層配線構造となっており、LSI102に電源を供給するための電源層106とグランド層107が内蔵されている。グランド用BGAボール105bとグランド層107はVIA(貫通孔)108を介して接続されている。同様に、電源用BGAボール105aと電源層106はVIA(図示せず)を介して接続されている。
【0033】
LSI102は、プリント配線基板101から電源供給を受けるためのグランド用BGAボール(第1の電極)105bと電源用BGAボール(第2の電極)105aとを有し、グランド用BGAボール105bと電源用BGAボール105aは隣接している。
【0034】
薄膜コンデンサ109は、グランド用BGAボール105b及び電源用BGAボール105aとデカップリングコンデンサ103とを接続するための配線部材であり、金属電極平板110(第1の金属電極平板)と金属電極平板111(第2の金属電極平板)と誘電体膜112などから構成される。誘電体膜112は厚さ1μm以下の絶縁膜であり、例えばBaSrTiOナノ粒子等を含有する高誘電材からなる。そして、誘電体膜112は、金属電極平板110と金属電極平板111の間に挟み込まれている。
【0035】
また、誘電体膜112は、金属アルコキシド、金属錯体及び/又は金属カルボン酸塩を主原料とする金属酸化物アモルファス中に、前記金属酸化物アモルファスと組成又は組成比が異なる金属酸化物結晶粒子を含有するものであってもよい。また、誘電体膜112は、一般式(BaSr1−x)TiO(但し、0<x<1)で示される常誘電性結晶粒子を含有するものであってもよい。また、前記金属酸化物アモルファスは、一般式Pb(ZrTi1−y)O(但し、0<y<1)で示される金属酸化物であるものであってもよい。
【0036】
金属電極平板110は、第1のエピタキシャル電極膜で構成される。誘電体膜112は、金属電極平板110(第1のエピタキシャル電極膜)上に積層されたエピタキシャル誘電体膜で構成される。金属電極平板111は、誘電体膜112上に積層された第2のエピタキシャル電極膜で構成される。誘電体膜112(エピタキシャル誘電体膜)の構成材料はペロブスカイト構造を有する。また、誘電体膜112は、BaTiO、CaTiO、SrTiO、BaMgO、PZTのいずれかの材料を含む。金属電極平板(第1及び第2のエピタキシャル電極膜)110,111は、Pt、Au、Ir、Pb、Rh、Cu及びAgからなる金属材料群のうち少なくとも1種類以上の材料を含む。
【0037】
プリント配線基板101にはデカップリングコンデンサ103が実装され、デカップリングコンデンサ103は端子(第1の端子)113と端子(第2の端子)114とを有し、グランド用BGAボール105bと端子113が金属電極平板110で接続され、電源用BGAボール105aと端子114が金属電極平板111で接続されている。
【0038】
このような構成において、LSI102の電源とグランド間の電源ノイズ等交流成分の電流経路115を矢印で示す。
【0039】
図2は本実施の形態1において、メモリモジュールの構成例を示す平面図である。図2に示すように、プリント配線基板101上に、DRAM等のLSI102とデカップリングコンデンサ103が複数個実装されている。そして、図1で示したような構成の薄膜コンデンサ109により、LSI102裏の電源用BGAボール105aとグランド用BGAボール105bがデカップリングコンデンサ103に接続されている。このように、金属電極平板で誘電体膜を挟み込んだ薄膜コンデンサを配線部材として使用し、LSIの電源端子とデカップリングコンデンサとの間を接続することにより、低インダクタンス化が実現できる。
【0040】
次に、薄膜コンデンサ109の製造方法の一例を説明する。
【0041】
例えば、常誘電性結晶微粒子を金属アルコキシド、金属錯体および/または金属カルボン酸塩を主原料とする金属酸化物アモルファス前駆体中に分散させ、当該前駆体溶液を基板上に塗布し、乾燥,焼成することにより誘電体膜112を作製する。
【0042】
用いる常誘電性結晶微粒子は室温で常誘電性を示し、一般にコンデンサ用誘電体材料として用いられている金属酸化物であればよい。例えば、Ba,Sr,Ca,La,Ti,Ta,Zr,Cu,Fe,W,Co,Mg,Zn,Ni,Nb,Pb,Li,K,Sn,Al,Smの1種以上を含む酸化物を用いることができる。
【0043】
その製造方法は、気相法(化学気相析出法(CVD),物理気相析出法(PVD))、溶液法(金属アルコキシド法,共沈法,逆ミセル法,噴霧法等)等、金属酸化物の微粒子を形成できる方法であればよい。
【0044】
また、薄膜を得るためには、極力、微粒子間の凝集を防ぐ必要がある。金属アルコキシド、金属錯体および/または金属カルボン酸塩等を用いた溶液中での微粒子形成法が、他の方法に比べ望ましい。この場合、(BaSr1−X)TiO(但し、0≦X≦1)で示される金属酸化物は、ゾル−ゲル法により直接、結晶微粒子が得られることが知られており、この結晶微粒子を用いることができる。
【0045】
溶液中での前記(BaSr1−X)TiO結晶微粒子の合成にはBa,Sr,Tiの金属のアルコキシド,金属錯体または金属カルボン酸塩を用いることができる。
【0046】
金属アルコキシドとしては、例えばOCH、OC、OC、OC、OCOCHなどのアルコキシル基からなるアルコキシドを用いることができる。
【0047】
金属錯体化合物としては前記金属のアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ベンゾイルトリフルオロアセトン、ベンゾイルジフルオロアセトン、ベンゾイルフルオロアセトンの錯体等が挙げられる。また、金属カルボン酸塩としては、例えば、酢酸,シュウ酸等の金属カルボン酸塩を用いることができる。
【0048】
用いる常誘電性結晶微粒子の粒径は、膜厚以下であればよい。バルクで強誘電性を示す誘電体結晶の場合、一般に液相法,気相法により作製した強誘電体結晶微粒子は、粒径が小さくなるに伴い強誘電性ではなく常誘電性を示すことが知られている。
【0049】
例えば、チタン酸バリウムでは、120nm以下の粒径では強誘電性を示す正方晶ではなく、常誘電性の立方晶を示すことが知られている。したがって、バルクで強誘電性を示す誘電体をコンデンサ材料として用いる場合、室温で強誘電性を示さなくなる粒径まで微粒子化する必要がある。
【0050】
金属酸化物誘電体アモルファスを形成するための前駆体化合物としては、最終的に金属酸化物アモルファスとなる化合物であれば限定されない。金属アルコキシド、金属錯体および金属カルボン酸塩から選ばれる1種以上が好ましい。
【0051】
特に、一般式Pb(ZrTi1−y)TiO(但し、0≦y≦1)で示される金属酸化物アモルファスは高誘電率を示し、比誘電率の高い誘電体薄膜を得たい場合、上記の一般式で示される金属酸化物アモルファスに、金属酸化物微粒子を添加することは効果的である。
【0052】
金属アルコキシドとしてはBa,Sr,Ca,La,Ti,Ta,Zr,Cu,Fe,W,Co,Mg,Zn,Ni,Nb,Pb,Li,K,Sn,Al,Smなどのアルコキシドが挙げられる。例えば、OCH,OC,OC,OC,OCOCHなどのアルコキシル基からなる金属アルコキシド等を用いることができる。
【0053】
金属錯体化合物としては前記金属のアセチルアセトン,ベンゾイルアセトン,ベンゾイルトリフルオロアセトン,ベンゾイルジフルオロアセトン,ベンゾイルフルオロアセトンの錯体等が挙げられる。
【0054】
金属カルボン酸塩としては、例えば、酢酸塩などが用いられ、具体的には以下のようなものが挙げられる。酢酸バリウム,酢酸銅(II),酢酸リチウム,酢酸マグネシウム,酢酸鉛,シュウ酸バリウム,シュウ酸カルシウム,シュウ酸銅(II),シュウ酸マグネシウム,シュウ酸スズ(II)等を用いることができる。
【0055】
誘電体膜112は、金属酸化物アモルファス中に常誘電性結晶微粒子を任意の割合で含有することにより、比誘電率や誘電損失等の電気特性を変えることができる。
【0056】
常誘電性結晶微粒子と誘電体アモルファス前駆体の割合は、ペースト状態で塗布できる範囲であれば特に制限はないが、誘電特性の上からは、常誘電性結晶微粒子の添加量が、金属酸化物アモルファスと常誘電性結晶微粒子の和に対して20mol%以上でないと微粒子添加の効果が低い。また、誘電体薄膜のリーク電流の面からは80mol%以下であることが好ましい。
【0057】
塗布方法はバーコート,ディップコート,ロールコート,スピンコートなど、金属酸化物前駆体溶液の性質により各種の方法が可能である。
【0058】
形成される膜の厚さは、特に限定されるものではないが、一般的に5nm〜50μmであり、1回の塗布で所望の膜厚が得られない場合には、塗布,乾燥の工程を複数回繰り返し行った後、本焼成を行う。ここで、乾燥は50〜400℃で30秒〜15分、本焼成は200〜400℃で30分〜2時間程度行うことが望ましい。
【0059】
また、薄膜コンデンサ109は、上記した誘電体薄膜の両面に、一対の電極を対向し形成したものである。なお、誘電体薄膜と電極とを交互に積層した積層薄膜コンデンサであってもよいことは勿論である。
【0060】
薄膜コンデンサ109に用いる電極は、電気抵抗の低い導電性材料が好ましい。具体的には金,銅,ニッケル,アルミニウム,プラチナ,タングステン,モリブデン,鉄,ニオブ,チタン,ニッケル/クロム合金,鉄/ニッケル/クロム合金,窒化タンタル等が挙げられる。特に、銅は電気抵抗が小さく好ましい。
【0061】
薄膜コンデンサ109においては、基板を金属酸化物の結晶化温度付近まで加熱することなく、金属酸化物薄膜を形成することができる。この場合、絶縁層や基板材料に高温で変性し易い有機材料を用いることができる。また、電極および配線には、高温焼成下では反応を生じる酸化インジュウムや銅を用いることができる。
【0062】
したがって、本実施の形態1による半導体装置によれば、薄膜コンデンサをデカップリングコンデンサまでの給電経路として利用することで、実装密度向上とノイズ低減の両立を実現することができる。
【0063】
薄膜コンデンサを用いることで従来構造に対して、以下のような低インダクタンス化の
メリットがある。
【0064】
(1)従来構造でLSI電源端子直近にデカップリングコンデンサを配置した場合と比較して、薄膜コンデンサの場合は、通常の電源・グランドプレーンと同一幅であれば、200〜300倍の距離を離しても、ほぼ同一のインダクタンスとなる。また、幅が1/10であっても20〜30倍の距離に離しても良い。この際、薄膜コンデンサの実効インダクタンスLeffは次の式で表される。
【0065】
eff=μh・l/W
但し、μは透磁率、hは電源・グランド電極間距離(誘電体膜112の厚さ)、lは距離(金属電極平板110,111の長さ)、Wは電極幅(金属電極平板110,111の幅)である。なお、一般的なプリント配線基板の電源・グランド間距離は100μm、薄膜コンデンサの電極間距離は、0.3〜0.5μmである。
【0066】
(2)LSIとデカップリングコンデンサ間の配線用VIAが必要でなくなり、LSI部品直下の給電ループが最小となるため、デカップリングコンデンサ及びパッケージの実装インダクタンスの極小化が図れる。
【0067】
以上のメリットにより、コンデンサ実装レイアウトの自由度が高まるため、高密度実装が可能となる。
【0068】
また、前記(1)、(2)による低インダクタンス化のメリットにより、同じ目標インダクタンスに対して、従来方式より少ないコンデンサ数で目標を実現できるため、部品搭載数の削減の効果も期待でき、これらにより高密度実装が可能になる。
【0069】
(実施の形態2)
本実施の形態2は、前記実施の形態1で示した薄膜コンデンサ109を、汎用性のある外付け配線部品としたものである。
【0070】
図3は本発明の実施の形態2による配線部品の構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【0071】
図3により、本実施の形態2による配線部品の構成の一例を説明する。本実施の形態2の配線部品は、例えば、金属電極平板110,111と、誘電体膜112と、電源用BGAボール電極301と、グランド用BGAボール電極302と、コンデンサ用電極303,304などから構成される。金属電極平板110,111と、誘電体膜112は、前記実施の形態1と同じ材料で製作されている。また、誘電体膜112を挟み込んだ金属電極平板110,111からなる配線部品は、プリント配線基板101とは別の工程で製作され、この配線部品がプリント配線基板101にハンダ付けにより固定される。
【0072】
金属電極平板110は、グランド用BGAボール(第1の電源電極)105bに接続するためのグランド用BGAボール電極(第1の集積回路用端子)302と、デカップリングコンデンサ103の第1の端子に接続するためのコンデンサ用電極(第1のコンデンサ用端子)303を有している。金属電極平板111は、電源用BGAボール(第2の電源電極)105aに接続するための電源用BGAボール電極(第2の集積回路用端子)301と、デカップリングコンデンサ103の第2の端子に接続するためのコンデンサ用電極(第2のコンデンサ用端子)304を有している。なお、デカップリングコンデンサ103と、LSI102の実装が容易となるように、コンデンサ用電極303,304と、電源用BGAボール電極301と、グランド用BGAボール電極302の上面の高低差は100μm以下となっている。
【0073】
また、金属電極平板110と金属電極平板111の間に挟み込まれた誘電体膜112の厚さは、前記実施の形態1と同様に1μm以下である。また、電源用BGAボール電極301は、貫通VIA305により、下部の電極と接続され、プリント配線基板101の電極と接続できるようになっている。
【0074】
すなわち、金属電極平板110は、さらに、プリント配線基板101のグランド電極に接続するための第1の基板用端子を有し、金属電極平板111は、さらに、プリント配線基板101の電源電極に接続するための第2の基板用端子を有する。そして、グランド用BGAボール電極302と前記第1の基板用端子は、金属電極平板110の異なる面に配置され、電源用BGAボール電極301と前記第2の基板用端子は、金属電極平板111の異なる面に配置され、グランド用BGAボール電極302と前記第1の基板用端子間を電気的に接続するために誘電体膜112を貫通する電極(貫通VIA305)、又は誘電体膜112を介さないで積層された電極が存在し、電源用BGAボール電極301と前記第2の基板用端子間を電気的に接続するために誘電体膜112を貫通する電極(貫通VIA305)、又は誘電体膜112を介さないで積層された電極が存在する。
【0075】
したがって、本実施の形態2の配線部品によれば、前記実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、コンデンサ電極パターンやパッケージの電源・グランド電極パターンは汎用的であるので、汎用性のある部品化により、低コスト化が図れる。
【0076】
(実施の形態3)
本実施の形態3は、前記実施の形態2で示した外付け配線部品に対して、電極の個数を増加させたものである。
【0077】
図4は本発明の実施の形態3による配線部品の構成を示す平面図である。
【0078】
図4に示すように、金属電極平板110は、グランド用BGAボール105bに接続するための複数のグランド用BGAボール電極302a,302bと、デカップリングコンデンサ103の第1の端子に接続するための複数のコンデンサ用電極303a,303b,303cを有している。金属電極平板111は、電源用BGAボール105aに接続するための複数の電源用BGAボール電極301a,301bと、デカップリングコンデンサ103の第2の端子に接続するためのコンデンサ用電極304a,304b,304cを有している。
【0079】
したがって、本実施の形態3の配線部品によれば、前記実施の形態1及び2と同様の効果が得られるとともに、コンデンサ用電極については、電極形状により、複数のコンデンサや多端子のコンデンサにも対応することができ、BGAボール電極については、電極形状により、複数の電極に対応することができる。
【0080】
(実施の形態4)
本実施の形態4は、前記実施の形態1で示した半導体装置に対して、薄膜コンデンサの金属電極平板に薄膜抵抗を直列接続して薄膜コンデンサを介したデカップリングコンデンサまでの給電経路のQ値を下げたものである。通常、薄膜コンデンサとデカップリングコンデンサは、それぞれが有する容量・寄生インダクタンス・寄生抵抗値が異なるため、異なる共振周波数を有する。この結果、両者の共振周波数のほぼ中間の周波数でインピーダンスの反共振現象によりインピーダンスが極大値を取るため、この反共振周波数における電源ノイズを増長してしまう。この反共振周波数におけるインピーダンス極大値は給電経路のQ値を下げることで低く抑えることができ、これにより電源ノイズを低く抑えることができる。
【0081】
図5は本発明の実施の形態4による半導体装置の構成を示す断面図である。
【0082】
図5に示すように、金属電極平板111及び/又は金属電極平板110に高抵抗材料の薄膜抵抗501を直列接続する。そして、LSI102内部からみたデカップリングコンデンサ103までのループ抵抗値Rが次式を満たすように調節する。
【0083】
R=(Le/Ct)0.5|Cd−Ct|/Cd
但し、LeはLSI102内部からみたデカップリングコンデンサ103までのループインダクタンス、Ctは金属電極平板110と金属電極平板111間の容量、Cdはデカップリングコンデンサ103の容量である。なお、この式は、インダクタンスLe,抵抗Rで接続された2つの並列な容量(Ct,Cd)により発生する反共振インピーダンスが極小値を取る場合の抵抗値を、回路計算を解くことで得た式である。
【0084】
したがって、本実施の形態4による半導体装置によれば、前記実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、薄膜抵抗でループ抵抗値Rを調節することにより、インピーダンスプロファイルのQ値すなわちピーク値が下がり、さらなる電源ノイズの低減化が図れる。
【0085】
(実施の形態5)
本実施の形態5は、前記実施の形態1で示した半導体装置に対して、薄膜コンデンサの誘電体膜に有機材料を用いて、薄膜コンデンサを折り曲げ可能としたものである。
【0086】
図6は本発明の実施の形態5による半導体装置の構成を示す断面図である。
【0087】
図6に示すように、薄膜コンデンサ109aの誘電体膜112aとして有機材料(芳香族ポリアミド・ベースのポリマー材料等)を用いる。これにより、薄膜コンデンサ109aが折り曲げ可能となる。
【0088】
したがって、本実施の形態5による半導体装置によれば、前記実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、薄膜コンデンサが折り曲げ可能となるので、実装の自由度がさらに大きくなる。
【0089】
(実施の形態6)
本実施の形態6は、前記実施の形態1で示した半導体装置に対して、デカップリングコンデンサを、薄膜コンデンサにより多層のコンデンサ構造としたものである。
【0090】
図7は本発明の実施の形態6による半導体装置の構成を示す断面図である。
【0091】
図7に示すように、デカップリングコンデンサ103aは、薄膜コンデンサにより多層のコンデンサ構造を構成している。これにより、薄膜コンデンサ109と同様の工程でデカップリングコンデンサ103aを製作することが可能となる。
【0092】
したがって、本実施の形態6による半導体装置によれば、前記実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、薄膜コンデンサ109と同じ製造プロセスでデカップリングコンデンサ103aを製作することが可能となり、実装部品点数が削減され、低コスト化が図れる。
【0093】
(実施の形態7)
本実施の形態7は、前記実施の形態1で示した半導体装置に対して、通常のデカップリングコンデンサを薄膜コンデンサに接続するとともに、他のコンデンサにも接続できるように、プリント配線基板の電源層/グランド層と電源用/グランド用BGAボールの間を接続したものである。
【0094】
図8は本発明の実施の形態7による半導体装置の構成を示す断面図である。
【0095】
通常、デカップリングコンデンサ103は低周波領域のインピーダンスを下げるために大容量であることが多い。しかし大容量のコンデンサはESLも大きいので、あまり大容量のコンデンサを付加できないことがある。したがって、低周波数領域では、他のコンデンサの助けも借りてインピーダンスを下げる必要がある場合がある。また、実装のインダクタンスを減らしても、コンデンサのESLは残るので、高周波数領域においても、他のコンデンサの助けを借りてインピーダンスを下げる必要がある場合がある。
【0096】
そこで、図8に示すように、電源用BGAボール105aと電源用VIA801と電源層106を接続し、グランド用BGAボール105bとグランド用VIA108とグランド層107を接続することにより、他のコンデンサの接続が可能となる。
【0097】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0098】
例えば、前記実施の形態においては、DRAM等のLSIを搭載したメモリモジュールについて説明したが、これに限定されるものではなく、他のLSIを搭載したプリント配線基板からなる半導体装置についても適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、メモリモジュール、プリント配線基板、その他高密度実装基板などに有効である。
【符号の説明】
【0100】
101,901 プリント配線基板
102,902 LSI
102a,902a LSIチップ
103,103a,903 デカップリングコンデンサ
104,904 LSIパッケージ
105,905 BGAボール
105a,905a 電源用BGAボール
105b,905b グランド用BGAボール
106,906 電源層
107,907 グランド層
108,305,801,908a,908b VIA
109,109a 薄膜コンデンサ
110,111 金属電極平板
112,112a 誘電体膜
113,114 端子
115,909 電流経路
301,301a,301b 電源用BGAボール電極
302,302a,302b グランド用BGAボール電極
303,303a,303b,303c,304,304a,304b,304c コンデンサ用電極
501 薄膜抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体集積回路と、前記半導体集積回路が実装されたプリント配線基板とを備えた半導体装置であって、
前記半導体集積回路は、前記プリント配線基板から電源供給を受けるための第1の電極と第2の電極とを有し、
前記第1の電極と前記第2の電極は隣接しており、
前記プリント配線基板にはデカップリングコンデンサが実装され、
前記デカップリングコンデンサは第1の端子と第2の端子とを有し、
前記第1の電極と前記第1の端子が第1の金属電極平板で接続され、
前記第2の電極と前記第2の端子が第2の金属電極平板で接続され、
前記第1の金属電極平板と前記第2の金属電極平板の間には、誘電体膜が挟み込まれており、
前記第1の金属電極平板は、前記プリント配線基板の第1の電源電極に接続するための第1の基板用端子を有し、
前記第2の金属電極平板は、前記プリント配線基板の第2の電源電極に接続するための第2の基板用端子を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置において、
前記半導体集積回路の第1の電源電極に接続するための第1の集積回路用端子と前記第1の基板用端子は、前記第1の金属電極平板の異なる面に配置され、
前記半導体集積回路の第2の電源電極に接続するための第2の集積回路用端子と前記第2の基板用端子は、前記第2の金属電極平板の異なる面に配置され、
前記第1の集積回路用端子と前記第1の基板用端子間を電気的に接続するために前記誘電体膜を貫通する電極、又は前記誘電体膜を介さないで積層された電極が存在し、
前記第2の集積回路用端子と前記第2の基板用端子間を電気的に接続するために前記誘電体膜を貫通する電極、又は前記誘電体膜を介さないで積層された電極が存在することを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1記載の半導体装置において、
前記誘電体膜は、金属アルコキシドと金属錯体と金属カルボン酸塩のうち少なくとも1つを主原料とする金属酸化物アモルファス中に、前記金属酸化物アモルファスと組成又は組成比が異なる金属酸化物結晶粒子を含有することを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1記載の半導体装置において、
前記誘電体膜は、一般式(BaSr1−x)TiO(但し、0<x<1)で示される常誘電性結晶粒子を含有することを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項3記載の半導体装置において、
前記金属酸化物アモルファスは、一般式Pb(ZrTi1−y)O(但し、0<y<1)で示される金属酸化物であることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1記載の半導体装置において、
前記第1の金属電極平板は、第1のエピタキシャル電極膜で構成され、
前記誘電体膜は、前記第1のエピタキシャル電極膜上に積層されたエピタキシャル誘電体膜で構成され、
前記第2の金属電極平板は、前記誘電体膜上に積層された第2のエピタキシャル電極膜で構成され、
前記エピタキシャル誘電体膜の構成材料がペロブスカイト構造を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項6記載の半導体装置において、
前記エピタキシャル誘電体膜は、BaTiO、CaTiO、SrTiO、BaMgO、PZTのいずれかの材料を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項6記載の半導体装置において、
前記第1及び第2のエピタキシャル電極膜は、Pt、Au、Ir、Pb、Rh、Cu及びAgからなる金属材料群のうち少なくとも1種類以上の材料を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
半導体集積回路が搭載されるプリント配線基板に実装される配線部品であって、
デカップリングコンデンサの第1の端子に接続するための第1のコンデンサ用端子と、前記半導体集積回路の第1の電源電極に接続するための第1の集積回路用端子とを有する第1の金属電極平板と、
前記デカップリングコンデンサの第2の端子に接続するための第2のコンデンサ用端子と、前記半導体集積回路の第2の電源電極に接続するための第2の集積回路用端子とを有する第2の金属電極平板とを備え、
前記第1の金属電極平板と前記第2の金属電極平板の間には、誘電体膜が挟み込まれており、
前記第1の金属電極平板は、さらに、前記プリント配線基板の第1の電源電極に接続するための第1の基板用端子を有し、
前記第2の金属電極平板は、さらに、前記プリント配線基板の第2の電源電極に接続するための第2の基板用端子を有することを特徴とする配線部品。
【請求項10】
請求項9記載の配線部品において、
前記第1の集積回路用端子と前記第1の基板用端子は、前記第1の金属電極平板の異なる面に配置され、
前記第2の集積回路用端子と前記第2の基板用端子は、前記第2の金属電極平板の異なる面に配置され、
前記第1の集積回路用端子と前記第1の基板用端子間を電気的に接続するために前記誘電体膜を貫通する電極、又は前記誘電体膜を介さないで積層された電極が存在し、
前記第2の集積回路用端子と前記第2の基板用端子間を電気的に接続するために前記誘電体膜を貫通する電極、又は前記誘電体膜を介さないで積層された電極が存在することを特徴とする配線部品。
【請求項11】
請求項9記載の配線部品において、
前記第1のコンデンサ用端子と前記第2のコンデンサ用端子と前記第1の集積回路用端子と前記第2の集積回路用端子との高低差が100μm以下であることを特徴とする配線部品。
【請求項12】
請求項9記載の配線部品において、
前記第1のコンデンサ用端子と前記第2のコンデンサ用端子と前記第1の集積回路用端子と前記第2の集積回路用端子のうち少なくとも1つがそれぞれ複数あることを特徴とする配線部品。
【請求項13】
請求項1記載の半導体装置において、
前記誘電体膜を挟み込んだ前記第1及び第2の金属電極平板は、配線部品として、前記プリント配線基板とは別の工程で製作され、
前記配線部品が前記プリント配線基板にハンダ付けにより固定されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項14】
請求項1記載の半導体装置において、
前記第1の金属電極平板と前記第2の金属電極平板の両方、又はいずれか一方の一部に高抵抗材料の薄膜抵抗が含まれ、
前記半導体集積回路内部からみた前記デカップリングコンデンサまでのループ抵抗値がR=(Le/Ct)0.5|Cd−Ct|/Cd(但し、Leは前記半導体集積回路内部からみた前記デカップリングコンデンサまでのループインダクタンス、Ctは前記第1の金属電極平板と前記第2の金属電極平板間の容量、Cdは前記デカップリングコンデンサの容量)となっていることを特徴とする半導体装置。
【請求項15】
請求項1記載の半導体装置において、
前記誘電体膜は有機材料であり、
前記誘電体膜を挟み込んだ前記第1及び第2の金属電極平板は、折り曲げ可能であることを特徴とする半導体装置。
【請求項16】
請求項1記載の半導体装置において、
前記デカップリングコンデンサは、薄膜コンデンサにより多層のコンデンサ構造を構成していることを特徴とする半導体装置。
【請求項17】
請求項1記載の半導体装置において、
前記プリント配線基板は、第1の電源層と第2の電源層とを有し、
前記第1の電極と前記第1の電源層が接続され、
前記第2の電極と前記第2の電源層が接続されていることを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−51450(P2013−51450A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−270496(P2012−270496)
【出願日】平成24年12月11日(2012.12.11)
【分割の表示】特願2007−97380(P2007−97380)の分割
【原出願日】平成19年4月3日(2007.4.3)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)