説明

半導体装置

【目的】素子のタ−ンオフ特性を向上させると共に、当該タ−ンオフ特性を低下させることなく、タ−ンオン特性についてもさらに向上させ、オン特性とオフ特性のトレ−ドオフの改善を図る。
【構成】N- 型半導体基板1の一方側の主面において、当該基板1中にはP型ベ−ス領域2が形成され、P型ベ−ス領域2中にはN型エミッタ領域5が形成される。P型ベ−ス領域2の近傍にはP型ソ−ス領域4が形成される。カソ−ド電極10は、P型ソ−ス領域4に接続されると共に、P型ベ−ス領域2及びN型エミッタ領域5に接続されるいわゆるショ−テッド・エミッタ構造を有する。また、P型エミッタ領域4は、P型ベ−ス領域2を取り囲むパタ−ンを有しているのがよい。さらに、P型ベ−ス領域2は、互いに電気的に接続される複数の拡散層から構成されるのがよい。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、MOSゲ−トでオン・オフできるMOSゲ−ト駆動型サイリスタ(以下、MCTという。)の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】図62は、従来のMCTの構造の一例を示すものである。このMCTの製造工程について簡単に述べる。まず、N- 型半導体基板1の裏面に、N+ バッファ層6、裏面P+ 型エミッタ層7をそれぞれ形成する。また、当該基板1の表面に、ゲ−ト酸化膜8、ポリシリコン・ゲ−ト電極9を形成する。当該基板1の表面領域に、P型ベ−ス領域2、P- 型ベ−ス領域3、P型ソ−ス領域4、及び、N型エミッタ領域5をそれぞれ拡散法により形成する。また、ゲ−ト酸化膜8の一部を開口し、カソ−ド電極10を形成すると共に、裏面からアノ−ド電極11を形成する。
【0003】次に、従来技術におけるMCTの動作原理(タ−ンオン・タ−ンオフ)について述べる。なお、図6363は、タ−ンオン動作説明図を、図64は、タ−ンオフ動作説明図を示している。また、図63及び図64中、(a)は平面図を、(b)は図62のX−X´線に沿う断面図を、(c)は図62のY−Y´線に沿う断面図をそれぞれ示している。
【0004】図63を参照ながらタ−ンオン動作について説明する。アノ−ドをプラスに、カソ−ドをマイナスに、ゲ−トをプラスにそれぞれバイアスすると、P- 型ベ−ス領域3にNチャネル反転層12が形成され、N型エミッタ領域5からN- 型ベ−ス領域(基板)1へ電子が注入される。これにより、裏面P+ 型エミッタ層7から正孔14が誘起され、N- 型ベ−ス領域1で伝導度変調を起し、P- 型ベ−ス領域3とN型エミッタ領域5が接する部分15が初期点弧領域となり、タ−ンオンをはじめる。そして、タ−ンオン領域が、N型エミッタ領域5の全域まで広がっていき、素子は完全にタ−ンオンする。
【0005】図64及び65を参照ながらタ−ンオフ動作について説明する。アノ−ドがプラスに、カソ−ドがマイナスにバイアスされ、主電流17が流れている状態で、ゲ−トをマイナスにバイアスすると、タ−ンオン時に形成されていたNチャネル領域12が消える。また、P型ベ−ス領域2及びP型ソ−ス領域4間のN- 型ベ−ス領域1表面にPチャネル反転層16が形成され、P型ベ−ス領域2、P型ソ−ス領域4及びカソ−ド電極10が短絡され、主電流中の正孔18がカソ−ド電極10から排出される。この動作により、N型エミッタ領域5からの電子の注入が止まり、主電流17が流れなくなる。これにより、N型エミッタ領域5において、P型ソ−ス領域4と対抗している領域19からタ−ンオフが始まり、最終的には、N型エミッタ領域5の全域まで広がり、タ−ンオフが完了する。
【0006】しかし、従来、MCTは、自己消弧型素子として、タ−ンオフ効率を他に優先し改善する方向で開発が進められている。このため、従来技術では、オン・ゲ−トとオフ・ゲ−トを分離し、さらにオン・ゲ−トとオフ・ゲ−トの割合も、大部分のゲ−トがオフ・ゲ−トになるような構造にしている。しかも、オン・ゲ−ト部以外の部分は、タ−ンオフ特性を向上させるため、P型ベ−ス領域2の濃度を高くし、タ−ンオフ時に形成されるP型ベ−ス領域2、Pチャネル反転層16、P型ソ−ス領域4からなるホ−ル電流の排出経路の抵抗を下げる方法が用いられている。
【0007】このため、オフゲ−ト部のタ−ンオフは良好にできるが、オンゲ−ト部におけるタ−ンオフは、P- 型ベ−ス領域3のため、不純物濃度が低くなっている。このため、短絡抵抗が低くならず、正孔電流が十分に排出されていない。つまり、オンゲ−ト部におけるタ−ンオフは、効率よく行われてない。
【0008】一方、タ−ンオン時においては、オン・ゲ−ト部からN- 型ベ−ス領域1に電子が注入されても、オン・ゲ−ト部以外のN型エミッタ領域5からの電子の注入は起こり難い。また、タ−ンオン動作は、オン・ゲ−ト領域がN型エミッタ領域5の全域へ広がっていくことにより行われている。従って、オンゲ−ト部の少ない従来の半導体装置では、タ−ンオフ特性に対しタ−ンオン特性の効率が悪く、オン特性とオフ特性のトレ−ドオフがとり難くなっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来は、オンゲ−ト部におけるタ−ンオフが効率よく行われていない。一方、タ−ン・オフ特性に対して、タ−ン・オン特性の効率が悪く、オン特性とオフ特性のトレ−ドオフがとり難いという問題がある。
【0010】本発明は、上記欠点を解決すべくなされたもので、その目的は、第一に、タ−ンオフ動作について、点弧領域の残り易いオン・ゲ−ト部のオフ特性を向上させ、素子のタ−ンオフ特性をさらに向上させること、第二に、タ−ンオフ特性を低下させることなく、タ−ンオン特性をも向上させ、オン特性とオフ特性のトレ−ドオフの改善を図ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の半導体装置は、第1導電型の半導体基板と、上記半導体基板の第1の主面側に形成される第2導電型の第1の半導体領域と、上記第1の半導体領域中に形成される第1導電型の第2の半導体領域と、上記第1及び第2の半導体領域の双方に接触して形成される第1の電極と、上記半導体基板の第2の主面側に形成される第2導電型の第3の半導体領域と、上記第3の半導体領域に接触して形成される第2の電極とを備えている。
【0012】また、上記半導体基板の第1の主面側であって上記第1の半導体領域に隣接して形成される第2導電型の第4の半導体領域と、上記半導体基板及び上記第1の半導体領域及び上記第4の半導体領域上に絶縁膜を介して形成されるゲ−ト電極とをさらに備え、上記第1の電極が上記第4の半導体領域にも接触して形成されている。
【0013】上記第1の半導体領域に接触して形成され、上記第1の半導体領域よりも不純物濃度が低い第5の半導体領域をさらに備え、上記ゲ−ト電極が上記第5の半導体領域上にも絶縁膜を介して形成されている。
【0014】上記第1の半導体領域が上記半導体基板と接する部分は、上記第5の半導体領域が上記半導体基板と接する部分よりも多くなっている。
【0015】上記半導体基板及び上記第3の半導体領域の双方に接触して形成されるバッファ層をさらに備えている。上記第2の電極は、上記第3の半導体領域及び上記バッファ層の双方に接触して形成されている。
【0016】また、本発明の半導体装置は、第1導電型の半導体基板と、上記半導体基板の第1の主面側に形成される第2導電型の第1の半導体領域と、上記第1の半導体領域中に形成される第1導電型の第2の半導体領域と、上記半導体基板の第2の主面側に形成される第2導電型の第3の半導体領域と、上記半導体基板の第1の主面側であって少なくとも上記第1の半導体領域を取り囲んで形成される第2導電型の第4の半導体領域と、上記半導体基板及び上記第1の半導体領域及び上記第4の半導体領域上に絶縁膜を介して形成されるゲ−ト電極と、上記第2及び第4の半導体領域に接触して形成される第1の電極と、上記第3の半導体領域に接触して形成される第2の電極とを備えている。
【0017】上記第1の電極は、上記第1の半導体領域にも接触して形成されている。上記第1の半導体領域に接触して形成され、上記第1の半導体領域よりも不純物濃度が低い第5の半導体領域をさらに具備し、上記ゲ−ト電極が上記第5の半導体領域上にも絶縁膜を介して形成されている。
【0018】上記第1の半導体領域が上記半導体基板と接する部分は、上記第5の半導体領域が上記半導体基板と接する部分よりも多くなっている。
【0019】上記半導体基板及び上記第3の半導体領域の双方に接触して形成されるバッファ層6をさらに備えている。上記第2の電極は、上記第3の半導体領域及び上記バッファ層の双方に接触して形成されている。
【0020】さらに、本発明の半導体装置は、第1導電型の半導体基板と、上記半導体基板の第1の主面側に形成され、互いに接続されている複数の拡散層から構成される第2導電型の第1の半導体領域と、上記第1の半導体領域中に形成される第1導電型の第2の半導体領域と、上記第2の半導体領域に接触して形成される第1の電極と、上記半導体基板の第2の主面側に形成される第2導電型の第3の半導体領域と、上記第3の半導体領域に接触して形成される第2の電極とを備える。
【0021】上記第1の電極は、上記上記第1の半導体領域にも接触して形成されている。上記半導体基板の第1の主面側であって上記第1の半導体領域2に隣接して形成される第2導電型の第4の半導体領域と、上記半導体基板及び上記第1の半導体領域及び上記第4の半導体領域上に絶縁膜を介して形成されるゲ−ト電極とをさらに備え、上記第1の電極が上記第4の半導体領域にも接触して形成される。
【0022】上記第4の半導体領域は、少なくとも上記第1の半導体領域を取り囲んで形成されている。
【0023】上記第1の半導体領域に接触して形成され、上記第1の半導体領域よりも不純物濃度が低い第5の半導体領域をさらに備え、上記ゲ−ト電極が上記第5の半導体領域上にも絶縁膜を介して形成されている。
【0024】上記第1の半導体領域が上記半導体基板と接する部分は、上記第5の半導体領域が上記半導体基板と接する部分よりも多くなっている。
【0025】上記半導体基板及び上記第3の半導体領域の双方に接触して形成されるバッファ層をさらに備えている。上記第2の電極は、上記第3の半導体領域及び上記バッファ層の双方に接触して形成されている。
【0026】上記第1の半導体領域を構成する複数の拡散層は、それらが互いに接触する部分における深さが、他の部分における深さに比べて浅くなっている。
【0027】上記第1の電極は、各々の拡散層の深さが浅くなった部分において当該拡散層と接触して形成されている。
【0028】また、本発明の半導体装置は、第1導電型の半導体基板と、上記半導体基板の第1の主面側に形成される第2導電型の第1の半導体領域と、上記第1の半導体領域中に形成される一定の深さを有する拡散層から構成され、当該拡散層の一部分が、当該拡散層の他の部分に挟まれ、当該拡散層の他の部分よりも浅くなっている第1導電型の第2の半導体領域と、上記第2の半導体領域に接触して形成される第1の電極と、上記半導体基板の第2の主面側に形成される第2導電型の第3の半導体領域と、上記第3の半導体領域に接触して形成される第2の電極とを備える。
【0029】上記第2の半導体領域を構成する拡散層の浅い部分は、当該第2の半導体領域の他の部分に比べて不純物濃度が低くなっている。
【0030】上記半導体基板の第1の主面側であって上記第1の半導体領域に隣接し、かつ上記半導体基板を間に挟んで形成される第2導電型の第4の半導体領域と、上記半導体基板及び上記第1の半導体領域及び上記第4の半導体領域上に絶縁膜を介して形成されるゲ−ト電極とをさらに備え、上記第1の電極が上記第4の半導体領域にも接触して形成されている。
【0031】上記第1の半導体領域に接触して形成され、上記第1の半導体領域よりも不純物濃度が低い第2導電型の第5の半導体領域をさらに備え、上記ゲ−ト電極が上記第5の半導体領域上にも絶縁膜を介して形成されている。
【0032】上記第1の半導体領域が上記半導体基板と接する部分は、上記第5の半導体領域が上記半導体基板と接する部分よりも多い。
【0033】上記半導体基板1及び上記第3の半導体領域の双方に接触して形成されるバッファ層をさらに備える。上記第2の電極は、上記第3の半導体領域及び上記半導体基板の双方に接触して形成されている。
【0034】また、本発明の半導体装置は、第1導電型の半導体基板と、上記半導体基板の第1の主面側に形成される一定の深さを有する拡散層から構成され、その拡散層の端部の一部分がオンゲ−ト領域となっており、かつ、当該拡散層の端部の一部分が、当該拡散層の他の部分に挟まれ、当該拡散層の他の部分よりも浅くなっている第2導電型の第1の半導体領域と、上記第1の半導体領域中に形成される第1導電型の第2の半導体領域と、上記第2の半導体領域に接触して形成される第1の電極と、上記半導体基板の第2の主面側に形成される第2導電型の第3の半導体領域と、上記第3の半導体領域に接触して形成される第2の電極とを備える。
【0035】上記オンゲ−ト領域となる第1の半導体領域の拡散層の浅い部分は、当該第1の半導体領域の拡散層の他の部分に比べて不純物濃度が低くなっている。上記第1の半導体領域の拡散層の浅い部分の不純物濃度は、1.0×1018[cm-3]以下である。
【0036】上記第1の半導体領域及び上記第2の半導体領域は、上記オンゲ−ト領域となる拡散層の浅い部分に近づくにつれて次第にその幅が狭まっており、かつ、当該第2の半導体領域上に形成されるカソ−ド電極も当該拡散層の浅い部分に近づくにつれて次第にその幅が狭まっている。
【0037】上記半導体基板の第1の主面側であって上記第1の半導体領域に隣接し、かつ上記半導体基板を間に挟んで形成される第2導電型の第4の半導体領域と、上記半導体基板上及び上記拡散層の浅い部分を含む第1の半導体領域上及び上記第4の半導体領域上にそれぞれ絶縁膜を介して形成されるゲ−ト電極とをさらに備え、上記第1の電極が上記第4の半導体領域にも接触して形成されている。
【0038】上記半導体基板及び上記第3の半導体領域の双方に接触して形成されるバッファ層をさらに備える。上記第2の電極は、上記第3の半導体領域及び上記半導体基板の双方に接触して形成されている。
【0039】また、本発明の半導体装置は、第1導電型の半導体基板と、上記半導体基板の第1の主面側に形成される第2導電型の第1の半導体領域と、上記第1の半導体領域中に形成される第1導電型の第2の半導体領域と、上記半導体基板の第2の主面側に形成される第2導電型の第3の半導体領域と、上記第1の半導体領域に隣接し、上記半導体基板を間に挟んで形成される第2導電型の第4の半導体領域と、上記半導体基板及び上記第1の半導体領域及び上記第4の半導体領域上に絶縁膜を介して形成されるゲ−ト電極と、上記第4の半導体領域に接触して形成される第1の電極と、上記第3の半導体領域に接触して形成される第2の電極と、上記第1の半導体領域(オンゲ−ト領域を除く)のみに接触し、上記第4の半導体領域側の当該第1の半導体領域上に形成される第1の低抵抗膜と、上記第4の半導体領域及び上記第1の電極の双方に接触し、上記第1の半導体領域側の当該第4の半導体領域上に形成される第2の低抵抗膜とを備える。
【0040】上記第1の低抵抗膜極は、上記第1の半導体領域中に埋め込まれ、上記第2の低抵抗膜極は、上記第4の半導体領域中に埋め込まれている。上記第1の半導体領域と上記第4の半導体領域が互いに接続されている。
【0041】上記第1の半導体領域に接触して形成され、上記第1の半導体領域よりも不純物濃度が低い第2導電型の第5の半導体領域をさらに備え、上記ゲ−ト電極が上記第5の半導体領域上にも絶縁膜を介して形成されている。
【0042】上記第1の半導体領域が上記半導体基板と接する部分は、上記第5の半導体領域が上記半導体基板と接する部分よりも多い。
【0043】上記半導体基板及び上記第3の半導体領域の双方に接触して形成されるバッファ層をさらに備えている。上記第2の電極は、上記第3の半導体領域及び上記半導体基板の双方に接触して形成されている。
【0044】
【作用】上記構成によれば、半導体装置の第1の電極が、第1の半導体領域と第2の半導体領域の双方に接続されている。これにより、タ−ンオフ時の正孔電流を、第1の半導体領域と第2の半導体領域の短絡部分からも排出でき、タ−ンオフ特性をさらに向上できる。
【0045】また、素子の耐圧を確保するためゲ−ト電極の直下に形成される不純物領域を第4の半導体領域に接続している。言い換えれば、当該第4の半導体領域が第1の半導体領域を取り囲むように形成することで、タ−ンオフ時に、正孔電流の排出され難いオンゲ−ト部の正孔電流を、当該不純物領域(第4の半導体領域)を介して第1の電極へ排出することができ、タ−ンオフ特性を向上できる。
【0046】さらに、第1の不純物領域を複数の拡散層から構成し、各々の拡散層が接触する部分の深さを、他の部分の深さよりも浅くすることで、当該浅い部分では、不純物濃度が低くなったと同様の効果を有し、タ−ンオン時に、第4の半導体領域から半導体基板へ電子が注入され易くなり、タ−ンオフ特性を劣化させずにタ−ンオン特性を向上できる。
【0047】
【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明の一実施例について詳細に説明する。まず、本願の第1の発明について説明する。図1は、本願の第1の発明の一実施例に係わる半導体装置を示している。また、図2は、図1の半導体装置の平面図を示している。なお、図1及び図2R>2において、1は、N- 型半導体基板、2は、P型ベ−ス領域、3は、P- 型ベ−ス領域、4は、P型ソ−ス領域、5は、N型エミッタ領域、6は、N+ 型バッファ層、7は、裏面P+ 型エミッタ層、8は、ゲ−ト酸化膜、9は、ポリシリコン・ゲ−ト電極、10は、カソ−ド電極、11は、アノ−ド電極である。
【0048】本発明の半導体装置は、カソ−ド電極10が、P型ベ−ス領域2とN型エミッタ領域5の双方に接続され、当該P型ベ−ス領域2とN型エミッタ領域5が短絡されている点に特徴がある(ショ−テッド・エミッタ構造)。従って、N型エミッタ領域5は、例えば、図1R>1及び図2に示されるように、P型ベ−ス領域2中に線路状に細長く形成されてもよいし、図3及び図4に示されるように、P型ベ−ス領域2中に一定の間隔で複数個形成されてもよい。また、N型エミッタ領域5は、図5に示されるように、P型ベ−ス領域2がP- 型ベ−ス領域3の近傍において基板表面に現れるように形成されてもよい。
【0049】なお、製造工程は、従来技術と同一であるが、以下に簡単に説明する。まず、N- 型半導体基板1に、N+ 型バッファ層6及び裏面P+ 型エミッタ層7をそれぞれ形成する。ゲ−ト酸化膜8及びポリシリコン・ゲ−ト電極9を形成する。この後、拡散法により、基板1の表面領域に、P型ベ−ス領域2、P- 型ベ−ス領域3、P型ソ−ス領域4及びN型エミッタ領域5をそれぞれ形成する。最後に、カソ−ド電極10及びアノ−ド電極11を形成する。
【0050】上記構成によれば、本発明の半導体装置は、カソ−ド電極10がP型ベ−ス領域2とN型エミッタ領域5の双方に接続されているショ−テッド・エミッタ構造を有している。これにより、従来技術において問題となってたタ−ンオフ特性を向上させることができる。
【0051】即ち、従来の構造では、タ−ンオフ特性を向上させるため、P型ベ−ス領域2及びP型エミッタ領域4の濃度を上げ、タ−ンオフ時に形成される、P型ベ−ス領域2 →Pチャネル反転層 →P型ソ−ス領域4 →カソ−ド電極10という主電流の正孔電流成分を排出するための経路の抵抗を下げることにより、正孔を効率よく排出させている。しかし、この方法のみでは、正孔の排出力は、主電流部とカソ−ド電極との電位差のみで決まるため、正孔の排出効率には一定の限界がある。即ち、主電流が高電流となると、N型エミッタ領域から注入される電子は、多量になり、これに伴う正孔の注入も多量となるため、Pチャネルゲ−ト部から正孔を排出するのみでは、主電流を遮断することは難しい。
【0052】本発明によれば、Pチャネルゲ−ト部から正孔を排出するのみでなく、カソ−ド電極10を、P型ベ−ス領域2とN型エミッタ領域5の双方に接続し、P型ベ−ス領域2とN型エミッタ領域5を短絡させている。このため、主電流中の正孔成分を、P型ベ−ス領域2から直接に、及び、Pチャネル反転層からP型ソ−ス領域4を経て間接に、カソ−ド電極10へ排出させることができ、タ−ンオフ時の正孔の排出効率を向上できる。
【0053】例えば、図6〜図8に示すように、アノ−ドがプラスに、カソ−ドがマイナスにバイアスされ、主電流17が流れている状態で(図6参照)、ゲ−トをカソ−ドに対しマイナスにバイアスすると、タ−ンオン時に形成されていたNチャネル領域が消える。一方、P型ベ−ス領域2及びP型ソ−ス領域4間のN- 型ベ−ス領域(基板)1表面にPチャネル反転層16が形成され、P型ベ−ス領域2 →Pチャネル反転層 →P型ソ−ス領域4 →カソ−ド電極10という経路が形成される。また、カソ−ド電極10はP型ベ−ス領域2にも接続されているため、主電流中の正孔成分は、P型ベ−ス領域2 →カソ−ド電極10という経路によっても排出される(図7及び図8参照)。つまり、主電流中の正孔成分は、二つの経路を経てカソ−ド電極へ排出されるため、従来の一つの経路のみの場合に比べて、タ−ンオフ特性がさらに向上する。
【0054】なお、タ−ンオン状態において、主電流17が流れている場合にも、主電流中の正孔成分は、P型ベ−ス領域とカソ−ド電極が短絡されている部分から排出されていることは言うまでもない。
【0055】また、上記第1の実施例においては、いわゆるショ−テッド・エミッタ構造について説明したが、P型ベ−ス領域2とN型エミッタ領域5を短絡させる手段、即ちP型ベ−ス領域2、N型エミッタ領域5及びカソ−ド電極10の形状や、面積の比率等は、P型ベ−ス領域とN型エミッタ領域がカソ−ド電極により短絡されている限り、特に限定されない。
【0056】また、本発明の半導体装置は、図9に示すように、アノ−ド電極11がN+ 型バッファ層6及び裏面P+ 型エミッタ層7に接続され、当該N+ 型バッファ層6と裏面P+ 型エミッタ層7が短絡されているものにも適用できる。
【0057】次に、本願の第2の発明について説明する。図10〜図12は、本願の第2の発明の第1の実施例に係わる半導体装置を示している。なお、図10〜図1212において、1は、N- 型半導体基板、2は、P型ベ−ス領域、3は、P- 型ベ−ス領域、4は、P型ソ−ス領域、5は、N型エミッタ領域、6は、N+ 型バッファ層、7は、裏面P+ 型エミッタ層、8は、ゲ−ト酸化膜、9は、ポリシリコン・ゲ−ト電極、10は、カソ−ド電極、11は、アノ−ド電極、20は、補助P型エミッタ領域である。
【0058】図10は、本発明に係わる半導体装置が形成されるチップ上における電極のパタ−ン配置の概略を示すものである。また、図11は、図10のXで囲った部分を詳細に示すものである。本発明に係わる半導体装置は、例えば図12に示されるように、素子の耐圧を確保するためにゲ−ト電極の直下に形成される補助P型エミッタ領域20を、タ−ンオフ時の正孔の排除に利用するため、当該補助P型エミッタ領域20とP型ソ−ス領域4とを電気的に接続したものである。
【0059】なお、製造工程は、従来技術と同一であるが、以下に簡単に説明する。まず、N- 型半導体基板1に、N+ 型バッファ層6及び裏面P+ 型エミッタ層7をそれぞれ形成する。そして、拡散法により、補助P型エミッタ領域20を形成する。ゲ−ト酸化膜8及びポリシリコン・ゲ−ト電極9を形成する。この後、拡散法により、基板1の表面領域に、P型ベ−ス領域2、P- 型ベ−ス領域3及びP型ソ−ス領域4をそれぞれ形成する。この時、P型ソ−ス領域4と補助P型エミッタ領域20とは、同時に、かつ、互いに接続されて形成できる。これにより、P型ソ−ス領域4,補助P型エミッタ領域20は、P型ベ−ス領域2を取り囲むパタ−ンを有することになる。最後に、カソ−ド電極10及びアノ−ド電極11を形成する。
【0060】次に、本発明の半導体装置の動作原理について説明する。まず、図13を参照ながらタ−ンオン動作について説明する。アノ−ドをプラスに、カソ−ドをマイナスにバイアスし、さらにゲ−トをプラスにバイアスすると、P- 型ベ−ス領域3の表面にNチャネル反転層12が形成され、N型エミッタ領域5からN- 型ベ−ス領域(基板)1へ電子13が注入される。これにより、裏面P+ 型エミッタ層7から正孔14が誘起され、この正孔14がN- 型ベ−ス領域1へ注入される。その結果、N- 型ベ−ス領域1で伝導度変調が起こり、P- 型ベ−ス領域3とN型エミッタ領域5が接する部分15が初期点弧領域となり、タ−ンオンが始まる。そして、タ−ンオン領域が、N型エミッタ領域5の全域まで広がると、素子は完全にタ−ン・オンする。
【0061】また、図14を参照ながらタ−ンオフ動作について説明する。アノ−ドがプラスに、カソ−ドがマエナスにバイアスされ、アノ−ドからカソ−ドへ主電流17が流れている状態で、ゲ−トをカソ−ドに対してマイナスにバイアスすると、タ−ンオン時に形成されていたNチャネル領域12が消える。また、P型ベ−ス領域2及びP型ソ−ス領域4間のN- 型ベ−ス領域(基板)1の表面にPチャネル反転層16が形成されると共に、P- 型ベ−ス領域3と補助P型エミッタ領域20間のN- 型ベ−ス領域1の表面にもPチャネル反転層21が形成される。
【0062】このため、N型エミッタ領域5直下のPベ−ス領域2や、N- 型ベ−ス領域1中に存在する正孔22は、P- 型ベ−ス領域3 →Pチャネル反転層16 →P型ソ−ス領域4 →カソ−ド電極10という経路、及び、P- 型ベ−ス領域3→Pチャネル反転層21 →補助P型エミッタ領域20 →P型ソ−ス領域4→カソ−ド電極10という経路の二つの経路を経て排出される。
【0063】このような動作により、N型エミッタ領域5からの電子の注入が止まり、主電流17が流れなくなる。そして、N型エミッタ領域5とP型ベ−ス領域2が対向している領域19からタ−ンオフが始まると共に、最も正孔の残り易いオンゲ−ト領域においてもPチャネル反転層21の形成により、正孔22が排出される。これにより、領域19に加え、N型エミッタ領域5とP- 型エミッタ領域3が対向している領域23でもタ−ンオフが始まり、これら領域19,23からN型エミッタ領域5の全域へタ−オフが広がり、素子はタ−ンオフする。
【0064】図15は、本願の第2の発明の第2の実施例に係わる半導体装置を示している。この実施例は、上記第1の発明であるショ−テッド・エミッタ構造と、上記第2の発明に係わる半導体装置を組み合わせたものである。
【0065】本実施例に係わる半導体装置の動作原理について説明する。なお、タ−ンオン動作は、図13における半導体装置と同様であるため、その説明は省略する。以下、タ−ンオフ動作について図16を参照しながら説明する。アノ−ドがプラスに、カソ−ドがマイナスにバイアスされ、アノ−ドからカソ−ドへ主電流17が流れている状態で、ゲ−トをカソ−ドに対してマイナスにバイアスすると、タ−ンオン時に形成されていたNチャネル領域12が消える。また、P型ベ−ス領域2及びP型ソ−ス領域4間のN- 型ベ−ス領域1の表面にPチャネル反転層16が形成されると共に、P- 型ベ−ス領域3と補助P型エミッタ領域20間のN- 型ベ−ス領域1の表面にもPチャネル反転層21が形成される。
【0066】このため、主電流中の正孔18は、P型ベ−ス領域2 →Pチャネル反転層16 →P型ソ−ス領域4 →カソ−ド電極10という経路を経て排出されると共に、正孔22は、P- 型ベ−ス領域3 →Pチャネル反転層21 →補助P型エミッタ領域20 →P型ソ−ス領域4 →カソ−ド電極10という経路を経て排出される。
【0067】また、本実施例の半導体装置はP型ベ−ス領域2がカソ−ド電極10に接続されているショ−テッド・エミッタ構造を有するため、正孔44は、P型ベ−ス領域2 →カソ−ド電極10という経路を経て排出される。これにより、正孔の排出効率がさらに向上することになる。そして、このような動作により、N型エミッタ領域5からの電子の注入が止まり、主電流17が流れなくなる。その結果、素子はタ−ンオフする。
【0068】図17及び図18は、本願の第2の発明の第3の実施例に係わる半導体装置を示している。この実施例は、上記第1の発明であるショ−テッド・エミッタ構造と、当該第2の発明に係わる半導体装置を組み合わせたものである。なお、本実施例に係わる半導体装置は、図15の第2の実施例に比べ、N型エミッタ領域5の形状が異なるのみで、他は同じであるため、その動作原理等についての説明は省略する。
【0069】図19は、本願の第2の発明の第4の実施例に係わる半導体装置を示している。この実施例は、図1212の半導体装置の導電型を反対にしたもの、即ちN- 基板1をP- 基板24に変えたものである。なお、図19R>9において、24は、P- 型半導体基板、25は、N型ベ−ス領域、26は、N- 型ベ−ス領域、27は、N型ソ−ス領域、28は、P型エミッタ領域、29は、P+ 型バッファ層、30は、裏面N+ 型エミッタ層、31は、ゲ−ト酸化膜、32は、ポリシリコン・ゲ−ト電極、33は、アノ−ド電極、34は、カソ−ド電極、35は、補助N型エミッタ領域である。
【0070】製造工程について以下に簡単に説明する。まず、P- 型半導体基板24に、N+ 型バッファ層29及び裏面N+ 型エミッタ層30をそれぞれ形成する。そして、拡散法により、補助N型エミッタ領域35を形成する。ゲ−ト酸化膜31及びポリシリコン・ゲ−ト電極32を形成する。この後、拡散法により、基板24の表面領域に、N型ベ−ス領域25、N- 型ベ−ス領域26、N型ソ−ス領域27及びP型エミッタ領域28をそれぞれ形成する。この時、N型ソ−ス領域27と補助N型エミッタ領域35とは、同時に、かつ、互いに接続されて形成できる。これにより、N型ソ−ス領域27,35は、N型ベ−ス領域25を取り囲むようなパタ−ンを有することになる。最後に、アノ−ド電極33及びカソ−ド電極34を形成する。
【0071】次に、本発明の半導体装置の動作原理について説明する。まず、図20を参照ながらタ−ンオン動作について説明する。アノ−ドをプラスに、カソ−ドをマエナスにバイアスし、さらにゲ−トをマエナスにバイアスすると、N- 型ベ−ス領域26の表面にPチャネル反転層36が形成され、P型エミッタ領域28からP- 型ベ−ス領域(基板)24へ正孔37が注入される。これにより、電子38が、裏面N+ 型エミッタ層30からP- 型ベ−ス領域24へ注入される。その結果、P- 型ベ−ス領域24で伝導度変調が起こり、N- 型ベ−ス領域26がP型エミッタ領域28と対面する部分36が初期点弧領域となり、タ−ンオンが始まる。そして、タ−ンオン領域が、P型エミッタ領域28の全域まで広がると、素子は完全にタ−ン・オンする。
【0072】また、図21を参照ながらタ−ンオフ動作について説明する。アノ−ドがプラスに、カソ−ドがマエナスにバイアスされ、アノ−ドからカソ−ドへ主電流39が流れている状態で、ゲ−トをプラスにバイアスすると、タ−ンオン時に形成されていたPチャネル反転層36が消える。また、N型ベ−ス領域25及びN型ソ−ス領域27間のP- 型ベ−ス領域24の表面にNチャネル反転層40が形成されると共に、N- 型ベ−ス領域26と補助N型エミッタ領域35間のP- 型ベ−ス領域24の表面にもNチャネル反転層42が形成される。
【0073】このため、主電流中の電子41は、N型ベ−ス領域25 →Nチャネル反転層40 →N型ソ−ス領域27 →アノ−ド電極33という経路を経て排出されると共に、N型ベ−ス領域25中の電子43は、N- 型ベ−ス領域26 →Nチャネル反転層42 →補助N型エミッタ領域35 →N型ソ−ス領域27 →アノ−ド電極33という経路を経て排出される。そして、このような動作により、P型エミッタ領域28からの正孔の注入が止まり、主電流が流れなくなる。その結果、素子はタ−ンオフする。
【0074】なお、本願の第2の発明に関する上記第1乃至第4の実施例において、これらを組み合わせたもの、例えば図12の半導体装置と図19の半導体装置を組み合わせたいわゆるダブルゲ−ト構造の半導体装置にも、本発明は有効である。また、本発明は、図22に示されるようなアノ−ド電極11がN+ 型バッファ層6及び裏面P+ 型エミッタ層7に接続され、当該N+ 型バッファ層6と裏面P+ 型エミッタ層7が短絡されているものにも適用できる。
【0075】上記構成によれば、本発明の半導体装置は、P型ソ−ス領域4と補助P型エミッタ領域20が一体として形成され、互いに電気的に接続された構造を有している。また、これらP型ソ−ス領域4,補助P型エミッタ領域20は、P型ベ−ス領域2を取り囲むようなパタ−ンを有している。これにより、従来技術において問題となってたタ−ンオフ特性をさらに向上させることができる。
【0076】即ち、従来の構造では、タ−ンオフ特性を向上させるため、P型ベ−ス領域2及びP型ソ−ス領域4の濃度を上げ、タ−ンオフ時に形成される、P型ベ−ス領域−Pチャネル反転層−P型ソ−ス領域−カソ−ド電極 という主電流の正孔電流成分を排出するための経路の抵抗を下げることにより、正孔を効率よく排出させている。しかし、この方法のみでは、正孔の排出効率の向上によりタ−ンオフし易くなるが、オンゲ−ト領域として働くP- 型ベ−ス領域3に対面するN型エミッタ領域5では、依然として正孔の排出経路の抵抗が高い。このため、正孔が排出され難く、タ−ンオンしている部分が残り、タ−ンオフの排出効率にはの限界がある。
【0077】本発明は、このようにオンゲ−ト領域となるP- 型ベ−ス領域3と接するN型エミッタ領域5においてもタ−ンオフが生じるように、P- 型ベ−ス領域3近傍のN- 型ベ−ス領域(基板)1中に、P型ソ−ス領域4と電気的に接続される補助P型エミッタ領域20を形成するものである。これにより、タ−ンオフ時において、P- 型ベ−ス領域−Pチャネル反転層−補助P型エミッタ領域−P型ソ−ス領域−カソ−ド電極 という経路からも正孔を排出できるようになるため、N型エミッタ領域のほぼ全域からタ−ンオフが生じ、その結果、タ−ンオフ効率がさらに向上する。
【0078】例えば、図14において示すように、P- 型ベ−ス領域3の近傍には、補助P型エミッタ領域20が形成され、しかもその補助P型エミッタ領域20は、P型ソ−ス領域4に接続されている。このため、N型エミッタ領域5の全周囲にP型ソ−ス領域4,補助P型エッタ領域20が存在することになる。そして、補助P型エミッタ領域20は、カソ−ド電極10に直接接続されていないが、P型ソ−ス領域4と接続されているため、実質上はカソ−ド電極10に接続されていることになる。
【0079】従って、素子は、アノ−ドがプラスに、カソ−ドがマイナスにバイアスされ、アノ−ドからカソ−ドへ主電流が流れている状態で、ゲ−トをマエナスにバイアスすると、P型ベ−ス領域2及びP型ソ−ス領域4間のN- 型ベ−ス領域(基板)1の表面にPチャネル反転層16が形成されると共に、P- 型ベ−ス領域3と補助P型エミッタ領域20間のN- 型ベ−ス領域1の表面にもPチャネル反転層21が形成される。
【0080】そして、大部分の正孔18が、主電流からP型ベ−ス領域1 →Pチャネル反転層16 →P型ソ−ス領域4 →カソ−ド電極10という経路を経て排出されると共に、P- 型ベ−ス領域3 →Pチャネル反転層21 →補助P型エミッタ領域20 →P型ソ−ス領域4 →カソ−ド電極10という経路を経ても排出される。そして、タ−ンオフ領域は、N型エミッタ領域5の所定の領域19,23からN型エミッタ領域5の全域まで広がり、素子がタ−ンオフする。
【0081】このように、従来技術では、P- ベ−ス領域ではタ−ンオフがP型ソ−ス領域と対向している部分のNエミッタ領域のみから広がってくるため、最後までタ−ンオフし難い。しかし、本発明では、これに加えて、P- ベ−ス領域からもタ−ンオフが始まるため、タ−ンオフ特性が向上することになる。また、本発明は、上記第1の発明であるショ−テッド・エミッタ構造と組み合わせることにより、正孔の排出効率がさらによくなり、タ−ンオグ特性が向上する。
【0082】次に、本願の第3の発明について説明する。図23は、本願の第3の発明の第1の実施例に係わる半導体装置を示すものである。図23において、1は、N- 型半導体基板、2は、P型ベ−ス領域、3は、P- 型ベ−ス領域、4は、P型ソ−ス領域、5は、N型エミッタ領域、6は、N+ 型バッファ層、7は、裏面P+ 型エミッタ層、8は、ゲ−ト酸化膜、9は、ポリシリコン・ゲ−ト電極、10は、カソ−ド電極、11は、アノ−ド電極である。
【0083】本発明の半導体装置は、P型ベ−ス領域2が、複数の拡散層2a,2b…から構成されているものである。但し、各々の拡散層2a,2b…は、互いに電気的に接続されていることが必要である。このような構造とすることにより、拡散層2a,2b…同士の接続部分では、拡散層の深さが比較的に浅くなり、結果として、当該接続部にP- 型ベ−ス領域が形成されたと同様の効果を有するものである。従って、タ−ンオン時において、N型エミッタ領域5からN- 型ベ−ス領域(基板)1への電子の注入が起こり易くなり、タ−ンオン特性がさらに向上するものである。
【0084】なお、製造工程は、従来技術とほぼ同一であるが、以下に簡単に説明する。まず、N- 型半導体基板1に、N+ 型バッファ層6及び裏面P+ 型エミッタ層7をそれぞれ形成する。ゲ−ト酸化膜8及びポリシリコン・ゲ−ト電極9を形成する。この後、拡散法により、基板1の表面領域に、P型ベ−ス領域2、P- 型ベ−ス領域3、P型ソ−ス領域4及びN型エミッタ領域5をそれぞれ形成する。なお、P型ベ−ス領域2形成のための拡散は、以下のように行う。まず、拡散孔を部分的に複数個設け、P型不純物を基板1中へ注入する。そして、不純物の拡散を行い、横方向拡散によって互いに拡散層2a,2b…がつながるように、かつ、当該拡散層2a,2b…の接続部分における拡散層深さが他の部分に比べて浅くなるようにP型ベ−ス領域2を形成する。最後に、カソ−ド電極10及びアノ−ド電極11をそれぞれ形成する。
【0085】次に、本発明の半導体装置の動作原理について説明する。まず、図24を参照ながらタ−ンオン動作について説明する。アノ−ドをプラスに、カソ−ドをマイナスにバイアスし、さらにゲ−トをプラスにバイアスすると、P- 型ベ−ス領域3の表面にNチャネル反転層12が形成され、N型エミッタ領域5からN- 型ベ−ス領域(基板)1へ電子13が注入される。これにより、裏面P+ 型エミッタ層7から正孔14が誘起され、この正孔14がN- 型ベ−ス領域1へ注入される。
【0086】その結果、N- 型ベ−ス領域1で伝導度変調が起こり、P型ベ−ス領域2を構成する拡散層2a,2b…が互いに接触する部分、即ちP型ベ−ス領域2の深さの浅い部分21近傍のN型エミッタ領域5から、電子22が、N- 型ベ−ス領域1に注入される。これにより、P- 型ベ−ス領域3に面する部分15のN型エミッタ領域と、P型ベ−ス領域2の深さの浅い部分21のN型エミッタ領域がそれぞれ初期点弧領域となり、タ−ンオンが始まる。そして、タ−ンオン領域が、N型エミッタ領域の全域まで広がると、素子は完全にタ−ン・オンする。
【0087】また、図25を参照ながらタ−ンオフ動作について説明する。アノ−ドがプラスに、カソ−ドがマイナスにバイアスされ、アノ−ドからカソ−ドへ主電流17が流れている状態で、ゲ−トをカソ−ドに対してマイナスにバイアスすると、タ−ンオン時に形成されていたNチャネル領域12が消える。また、P型ベ−ス領域2及びP型エミッタ領域4間のN- 型ベ−ス領域1の表面にPチャネル反転層16が形成される。
【0088】このため、Nエミッタ領域5直下のP型ベ−ス領域2、N- 型ベ−ス領域1中に存在する正孔は、N- 型ベ−ス領域1 →P型ベ−ス領域2 →Pチャネル反転層16 →P型ソ−ス領域4 →カソ−ド電極10という経路を経て排出される。なお、拡散層2a,2b…同士の接続部分が複数存在するため、言い換えればP- ベ−ス領域がP型ベ−ス領域2中に交互に複数存在するため、当該接続部分の近傍のN- 型ベ−ス領域1中に存在する正孔は、低抵抗のP型ベ−ス領域2を通って、Pチャネル反転層16 →P型ソ−ス領域4 →カソ−ド電極10という経路を経て排出される。
【0089】このような動作により、N型エミッタ領域5からの電子の注入が止まり、主電流17が流れなくなる。なお、正孔は、上述の経路で排出されるため、P型ベ−ス領域2の浅い部分、即ち高抵抗のP- ベ−ス領域の存在による電流遮断能力の低下はほとんどない。これにより、従来構造に比べ、タ−ンオン、タ−ンオフ特性のトレ−ドオフが大幅に改善される。
【0090】図26は、本願の第3の発明の第2の実施例に係わる半導体装置を示している。また、図27及び図28は、図26の半導体装置のタ−ン・オン、タ−ン・オフの動作原理図を示している。
【0091】製造工程は、第1の実施例と同様に、P型ベ−ス領域2を部分的に拡散すると共に、N型エミッタ領域5も部分的に拡散するものであり、従来技術とほぼ同一であるため、ここでは省略する。また、本実施例における半導体装置の動作原理について、タ−ンオン動作(図27参照)については、第1の実施例と同様であるため、ここでは省略し、タ−ンオフ動作のみについて以下に説明する。
【0092】図28を参照しながらタ−ンオフ動作について説明する。アノ−ドがプラスに、カソ−ドがマイナスにバイアスされ、アノ−ドからカソ−ドへ主電流17が流れている状態で、ゲ−トをカソ−ドに対してマイナスにバイアスすると、タ−ンオン時に形成されていたNチャネル反転層12(図27参照)が消える。また、P型ベ−ス領域2及びP型エミッタ領域4間のN- 型ベ−ス領域1の表面にP-チャネル反転層16が形成され、P型ベ−ス領域2、P型エミッタ領域4及びカソ−ド電極10が互いに短絡され、主電流中の正孔18がカソ−ド電極10に排出される。
【0093】また、この構造では、カソ−ド電極10により、N型エミッタ領域5とP型ベ−ス領域2が常に短絡されているため、その短絡部分からも、正孔23が排出される。これにより、タ−ンオフ時の正孔の排出効率は、さらに向上することになる。そして、このような動作により、N型エミッタ領域5からの電子の注入が止まるため、主電流17は流れなくなり、この素子は、タ−ンオフする。なお、この構造は、一般的に、ショ−テッド・エミッタ構造と呼ばれている。
【0094】以上、ここでは、2つの実施例について説明したが、この他に、第1及び第2の実施例の双方を用いるダブルゲ−ト構造や、N- 型基板をP- 型基板に変え、オンチャネル・オフチャネルをそれぞれPチャネルMOSFET、NチャネルMOSFETとした構造にも適用できることは言うまでもない。
【0095】また、本発明は、図29に示されるようなアノ−ド電極11がN+ 層6及び裏面P+ 型エミッタ層7に接続され、当該N+ 層6と裏面P+ エミッタ層7が短絡されているものにも適用できる。
【0096】上記構成によれば、本発明の半導体装置は、P型ベ−ス領域2が、複数の拡散層2a,2b…から構成されているため、各々の拡散層2a,2b…の接続部分にP- 型ベ−ス領域が実質的に形成されることになる。これにより、従来技術において問題となってたタ−ンオフ特性を向上させることができる。
【0097】即ち、従来の構造では、タ−ンオフ特性を向上させるため、P型ベ−ス領域2、P型ソ−スタ領域4の濃度を上げ、タ−ンオフ時の正孔排出経路の抵抗を下げると共に、オンゲ−ト領域は、セル内の端部に形成されたわずかなP- 型ベ−ス領域3に設けられている。このため、タ−ンオン動作は、N型エミッタ領域5の端部のP- 型ベ−ス領域3と接する部分が初期点弧領域15となり、N型エミッタ領域の中央部へ広がっていき、タ−ンオンするように構成されている。しかし、初期点弧領域15が、N型エミッタ領域の端部のわずかな領域で、その部分からN型エミッタ領域5の全域へ広がるには相当の時間がかかるため、効率が悪く、タ−ンオン特性に悪影響を与えている。
【0098】本発明では、オンゲ−ト領域部のみからタ−ンオンさせるのではなく、P型ベ−ス領域2を複数の拡散層2a,2b…で構成し、部分的に深さの浅い部分を複数設け、タ−ンオン開始時、これらの部分をN- 型ベ−ス領域1における伝導度変調の際にN型エミッタ領域5から電子が注入され易い部分とし、タ−ンオン電圧を下げている。つまり、初期点弧領域を多く設けてタ−ンオン特性を向上させるのである。
【0099】本願第3の発明によれば、以下の効果を得ることができる。即ち、P型ベ−ス領域2は、複数の拡散層2a,2b…から構成され、各々の拡散層2a,2b…は、互いに電気的に接続されている。これにより、拡散層2a,2b…同士の接続部分では、拡散層の深さが比較的に浅くなり、結果として、当該接続部分に不純物濃度の低いP- 型ベ−ス領域20,21が形成される。
【0100】このため、タ−ンオン時、アノ−ドをプラスに、カソ−ドをマエナスにバイアスし、さらにゲ−トをプラスにバイアスすると、P- 型ベ−ス領域3の表面にNチャネル反転層12が形成される。また、N型エミッタ領域5からN- 型ベ−ス領域1へ電子が注入されると、裏面P型エミッタ領域7から誘起される正孔がN- 型ベ−ス領域1へ注入される。また、P- 型ベ−ス領域3に接するN型エミッタ領域3からN- 型ベ−ス領域1へ電子が注入されると共に、P型ベ−ス領域2における深さの浅い部分20,21からも電子22がN- 型ベ−ス領域1へ注入される。
【0101】このような動作により、タ−ンオン領域が、P- 型ベ−ス領域3に接するN型エミッタ領域5と、P型ベ−ス領域2における深さの浅い部分20,21に接するN型エミッタ領域を初期点弧領域として広がっていくことになる。
【0102】このように、従来技術では、初期点弧領域がP- 型ベ−ス領域3に接するN型エミッタ領域5のみであったが、本発明では、さらにP型ベ−ス領域2における深さの浅い部分20,21に接するN型エミッタ領域も加わっている。これにより、初期点弧領域の数が多くなり、タ−ンオン特性が向上する。
【0103】また、タ−ンオフ特性については、P型ベ−ス領域2における深さの浅い部分20,21の近傍は、従来技術のP型ベ−ス領域となっているため、オフゲ−ト効率に影響をほとんど与えることがない。このように、タ−ンオフ特性を劣化させることなく、タ−ンオン特性を向上させることができ、設計におけるタ−ンオンとタ−ンオフとのトレ−ドオフは向上することとなる。
【0104】さらに、本発明では、第2の実施例で示すように、ショ−テッド・エミッタ構造と組み合わせることによって、さらに正孔の排出効率を向上させることができる。また、P型ベ−ス領域2における深さの浅い部分20,21の近傍にショ−テッド・エミッタを設ければ、タ−ンオン時の電子の注入の起こり易い部分でも、タ−ンオン特性が向上し、タ−ンオンとタ−ンオフとのトレ−ドオフを向上させることができる。
【0105】次に、本願の第4の発明について説明する。従来の技術の欄において、MCTは、自己消弧型素子として、タ−ンオフ効率を他に優先し改善する方向で開発が進められていることを既に述べている。そして、従来は、タ−ンオフ効率を向上させるべく、オン・ゲ−トとオフ・ゲ−トを分離し、さらにオン・ゲ−トとオフ・ゲ−トの割合も、大部分のゲ−トがオフ・ゲ−トになるような構造にしている。しかも、オン・ゲ−ト部以外の部分は、タ−ンオフ特性を向上させるため、P型ベ−ス領域の濃度を高くし、タ−ンオフ時に形成されるP型ベ−ス領域、Pチャネル反転層、P型ソ−ス領域からなるホ−ル電流の排出経路の抵抗を下げる方法が用いられている。
【0106】しかしながら、このような方法によりタ−ンオフ特性を向上させようとする場合には、さらに以下のような欠点がある。即ち、例えばその欠点を図65に示す従来のMCTを参照して説明すると、N型エミッタ領域5直下のNPN- + のサイリスタがタ−ンオンし、当該サイリスタが導通状態になると、N型エミッタ領域5からP型ベ−ス領域2へ電子が注入される。
【0107】そして、当該サイリスタをタ−ンオフさせる場合、ゲ−ト電極9に負の電圧を印加すると、P型ベ−ス領域2とP型ソ−ス領域4間のN- 型半導体基板1の表面にPチャネル反転層16が形成される。これにより、P型ベ−ス領域2、P型ソ−ス領域4及びカソ−ド電極10が短絡され、主電流中の正孔18がカソ−ド電極10から排出される。
【0108】ところが、かかる経路により主電流中の正孔18を排出させても、その排出量には限界があるため、N型エミッタ領域5からP型ベ−ス領域2へ注入される電子は、なかなか途絶えることがない。つまり、タ−ンオフ時に、かかる電子の注入を直ちに止めることができず、十分なタ−ンオフ特性を得ることができないという欠点がある。
【0109】図30は、本願の第4の発明の第1の実施例に係わる半導体装置を示している。また、図31及び図32は、それぞれ図30の半導体装置を三方向から詳細に示す断面図である。なお、図30乃至図32において、1は、N- 型半導体基板、2は、P型ベ−ス領域、3は、P- 型ベ−ス領域、4は、P型ソ−ス領域、5は、N型エミッタ領域、6は、N+ 型バッファ層、7は、裏面P+ 型エミッタ層、8は、ゲ−ト酸化膜、9は、ポリシリコン・ゲ−ト電極、10は、カソ−ド電極、11は、アノ−ド電極である。
【0110】本発明の半導体装置は、サイリスタが導通状態から非導通状態になる際のタ−ンオフ特性を向上させ、タ−ンオン特性とタ−ンオフ特性のトレ−ドオフを改善するものである。
【0111】このため、本発明では、N型エミッタ領域5について以下の改良を施している。即ち、当該N型エミッタ領域5は、その深さが一様ではなく、部分的に浅くなっている箇所を有している。ここで注意しなければならないのは、本発明は、上述の図3に示すように、カソ−ド電極10を、P型ベ−ス領域2とN型エミッタ領域5の双方に接続するショ−テッド・エミッタ構造とするのではなく、カソ−ド電極10は、あくまでN型エミッタ領域5にのみ接続されるが、当該N型エミッタ領域5の深さが部分的に異なるものである。
【0112】そこで、図30の半導体装置の製造工程について簡単に説明する。まず、N- 型半導体基板1に、N+ 型バッファ層6及び裏面P+ 型エミッタ層7をそれぞれ形成する。ゲ−ト酸化膜8及びポリシリコン・ゲ−ト電極9を形成する。この後、拡散法により、基板1の表面領域に、P型ベ−ス領域2、P- 型ベ−ス領域3、P型ソ−ス領域4及びN型エミッタ領域5をそれぞれ形成する。
【0113】なお、N型エミッタ領域5の形成に際しては、拡散孔を部分的に複数開孔し、P型ベ−ス領域2中にN型不純物を注入する。この後、熱処理等により、当該N型不純物を横方向拡散させ、当該不純物領域を互いに接触させる。その結果、当該不純物領域の接触部分の深さが浅くなっている一つのN型エミッタ領域5が形成される。最後に、カソ−ド電極10及びアノ−ド電極11を形成する。
【0114】上記構成によれば、本発明の半導体装置は、N型エミッタ領域5の深さが一様でなく、当該N型エミッタ領域5は、部分的に浅い箇所を有している。これにより、タ−ンオフ時において、主電流中の正孔18をP型ベ−ス領域2から排出させると、N型エミッタ領域5の浅い部分からの電子の注入は、速やかに止まるため、タ−ンオフ特性を向上させることができる。
【0115】即ち、従来の構造(図65)では、タ−ンオフ特性を向上させるため、P型ベ−ス領域2及びP型エミッタ領域4の濃度を上げ、タ−ンオフ時に形成される、P型ベ−ス領域2 →Pチャネル反転層 →P型ソ−ス領域4 →カソ−ド電極10という主電流の正孔電流成分を排出するための経路の抵抗を下げることにより、正孔を効率よく排出させている。しかし、この方法のみでは、正孔の排出力は、主電流部とカソ−ド電極との電位差のみで決まるため、正孔の排出効率には一定の限界がある。即ち、主電流が高電流となると、N型エミッタ領域から注入される電子は、多量になり、これに伴う正孔の注入も多量となるため、Pチャネルゲ−ト部から正孔を排出するのみでは、主電流を遮断することは難しい。
【0116】一方、本願の第1の発明(図3)では、Pチャネルゲ−ト部から正孔を排出するのみでなく、カソ−ド電極10を、P型ベ−ス領域2とN型エミッタ領域5の双方に接続し、P型ベ−ス領域2とN型エミッタ領域5を短絡させている。このため、主電流中の正孔成分を、P型ベ−ス領域2から直接に、及び、Pチャネル反転層からP型ソ−ス領域4を経て間接的に、カソ−ド電極10へ排出させることができ、タ−ンオフ時の正孔の排出効率を向上できる。
【0117】これに対し、本願の第4の発明では、タ−ンオフ時の動作は、基本的には従来の半導体装置(図65R>5)と同じであるが、タ−ンオフ時にN型エミッタ領域5からの電子の注入が直ちに止まるような構成を有している、即ちN型エミッタ領域5の深さが部分的に浅くなっているため、タ−ンオフ特性を向上できるものである。
【0118】次に、図31を参照して、タ−ンオン動作について説明する。まず、アノ−ドをプラスに、カソ−ドをマイナスに、ゲ−トをプラスにそれぞれバイアスすると、P- 型ベ−ス領域3にNチャネル反転層12が形成され、N型エミッタ領域5からN- 型ベ−ス領域(基板)1へ電子が注入される。これにより、裏面P+ 型エミッタ層7から正孔14が誘起され、N- 型ベ−ス領域1で伝導度変調を起し、P- 型ベ−ス領域3とN型エミッタ領域5が接する部分15が初期点弧領域となり、タ−ンオンをはじめる。そして、タ−ンオン領域が、N型エミッタ領域5の全域まで広がっていき、素子は完全にタ−ンオンする。
【0119】次に、図32を参照して、タ−ンオフ動作について説明する。まず、アノ−ドがプラスに、カソ−ドがマイナスにバイアスされ、主電流17が流れている状態で、ゲ−トをカソ−ドに対しマイナスにバイアスすると、タ−ンオン時に形成されていたNチャネル領域が消える。一方、P型ベ−ス領域2及びP型ソ−ス領域4間のN- 型ベ−ス領域(基板)1表面にPチャネル反転層16が形成され、P型ベ−ス領域2 →Pチャネル反転層 →P型ソ−ス領域4 →カソ−ド電極10という経路が形成される。これにより、主電流17中の正孔18は、当該経路を介して排出される。
【0120】一方、主電流17中の正孔がP型ベ−ス領域2から排出されると、N型エミッタ領域5からの電子の注入は、当該エミッタ領域5の浅い部分50から止まりはじめ、次第に当該エミッタ領域5の全体からの電子の注入がなくなる。これにより、主電流17が流れなくなる。
【0121】つまり、タ−ンオフ領域は、初期には、N型エミッタ領域5の浅い部分50と、P型ソ−ス領域4側のN型エミッタ領域の部分51となり、最終的には、エミッタ領域5の全体まで広がっていく。
【0122】なお、本願の第4の発明において、N型エミッタ領域5は、その深さが部分的に異なっていれば、P型ベ−ス領域2、N型エミッタ領域5及びカソ−ド電極10の形状や、面積の比率等は特に限定されない。
【0123】また、本発明の半導体装置は、図33に示すように、アノ−ド電極11がN+型バッファ層6及び裏面P+ 型エミッタ層7に接続され、当該N+ 型バッファ層6と裏面P+ 型エミッタ層7が短絡されているものにも適用できる。
【0124】図34〜図36は、本願の第4の発明の第2の実施例に係わる半導体装置を示している。なお、図3434〜図36において、1は、N- 型半導体基板、2は、P型ベ−ス領域、3は、P- 型ベ−ス領域、4は、P型ソ−ス領域、5は、N型エミッタ領域、6は、N+ 型バッファ層、7は、裏面P+ 型エミッタ層、8は、ゲ−ト酸化膜、9は、ポリシリコン・ゲ−ト電極、10は、カソ−ド電極、11は、アノ−ド電極である。
【0125】この第2の実施例では、図30に示す第1の実施例と以下の点において相違している。即ち、第1の実施例では、N型エミッタ領域5の浅い部分50は、X−X´方向に延びているが、第2の実施例では、N型エミッタ領域5の浅い部分50は、Y−Y´方向に延びている。なお、製造工程は、第1の実施例と同じである。
【0126】本実施例の半導体装置の動作原理は、基本的に第1の実施例と同じである。即ち、タ−ンオン動作は、図35に示すように、アノ−ドをプラスに、カソ−ドをマイナスに、ゲ−トをプラスにそれぞれバイアスすると、P- 型ベ−ス領域3にNチャネル反転層12が形成され、N型エミッタ領域5からN- 型ベ−ス領域(基板)1へ電子が注入される。これにより、裏面P+ 型エミッタ層7から正孔14が誘起され、N- 型ベ−ス領域1で伝導度変調を起し、P- 型ベ−ス領域3とN型エミッタ領域5が接する部分15が初期点弧領域となり、タ−ンオンをはじめる。そして、タ−ンオン領域が、N型エミッタ領域5の全域まで広がっていき、素子は完全にタ−ンオンする。
【0127】タ−ンオフ動作は、図36に示すように、アノ−ドがプラスに、カソ−ドがマイナスにバイアスされ、主電流17が流れている状態で、ゲ−トをカソ−ドに対しマイナスにバイアスすると、タ−ンオン時に形成されていたNチャネル領域が消える。一方、P型ベ−ス領域2及びP型ソ−ス領域4間のN- 型ベ−ス領域(基板)1表面にPチャネル反転層16が形成され、P型ベ−ス領域2 →Pチャネル反転層 →P型ソ−ス領域4 →カソ−ド電極10という経路が形成される。これにより、主電流17中の正孔は、当該経路を介して排出される。
【0128】一方、主電流17中の正孔がP型ベ−ス領域2から排出されると、N型エミッタ領域5からの電子の注入は、当該エミッタ領域5の浅い部分50から止まりはじめ、次第に当該エミッタ領域5の全体からの電子の注入がなくなる。これにより、主電流17が流れなくなる。
【0129】なお、図34の半導体装置においては、図3737に示すように、アノ−ド電極11がN+ 型バッファ層6及び裏面P+ 型エミッタ層7に接続され、当該N+ 型バッファ層6と裏面P+ 型エミッタ層7が短絡されていてもよい。
【0130】以上、説明した本願の第4の発明においては、上記二つの実施例に限られず、ダブルゲ−ト構造の半導体装置や、N- 型基板1をP- 型基板に変えて、オンチャネルをPチャネルMOSFET、オフチャネルをNチャネルMOSFETとする構造の半導体装置にも適用できる。
【0131】本願の第4の発明によれば、タ−ンオン特性を劣化させることなく、タ−ンオフ特性を向上させることができる。即ち、一般に、N型エミッタ領域5は、タ−ンオン特性を考慮すると、高濃度かつ深く形成するのが好ましい。しかし、かかる場合、タ−ンオフ時に、N型エミッタ領域5からの電子の注入がなかなか止まらず、タ−ンオフ特性が劣化する欠点がある。そこで、本発明では、N型エミッタ領域5を部分的に浅くする構成としている。
【0132】これにより、タ−ンオン特性を劣化させることなく、タ−ンオフ特性を向上させることができ、タ−ンオン特性とタ−ンオフ特性のトレ−ドオフを改善することができる。具体的には、従来のように、タ−ンオフ特性を向上させるために、P型ベ−ス領域2およびP型ソ−ス領域4の濃度を上げると、逆に、タ−ンオン特性が劣化する。本発明では、正孔の排出効率を高めるのではなく、N型エミッタ領域5に浅い部分(低濃度の部分)50を設け、当該N型エミッタ領域5からの電子の注入を直ちに止める点に特徴がある。
【0133】この場合、タ−ンオフの初期消孤領域は、N型エミッタ領域5の浅い部分50と、P型ソ−ス領域4側のN型エミッタ領域の部分51の二つとなり、これによりタ−ンオフ特性が向上する。従来のように、初期消孤領域がP型ソ−ス領域4側のN型エミッタ領域の部分51からなる場合に比べ、当該初期消孤領域の数が増えるからである。一方、タ−ンオン特性は、N型エミッタ領域5が部分的に浅くなっているが、そのN型エミッタ領域5の面積は従来と変わらないため、劣化することがない。N型エミッタ領域5の全体をタ−ンオンの初期消孤領域とすることができるからである。
【0134】次に、本願の第5の発明について説明する。従来の技術の欄において、MCTは、自己消弧型素子として、タ−ンオフ効率を他に優先し改善する方向で開発が進められていることを既に述べている。そして、従来は、タ−ンオフ効率を向上させるべく、オン・ゲ−トとオフ・ゲ−トを分離し、さらにオン・ゲ−トとオフ・ゲ−トの割合も、大部分のゲ−トがオフ・ゲ−トになるような構造にしている。しかも、オン・ゲ−ト部以外の部分は、タ−ンオフ特性を向上させるため、P型ベ−ス領域の濃度を高くし、タ−ンオフ時に形成されるP型ベ−ス領域、Pチャネル反転層、P型ソ−ス領域からなるホ−ル電流の排出経路の抵抗を下げる方法が用いられている。
【0135】しかしながら、このような方法によりタ−ンオフ特性を向上させようとする場合には、以下のような欠点がある。即ち、当該サイリスタをタ−ンオフさせる場合、ゲ−ト電極に負の電圧を印加すると、P型ベ−ス領域とP型ソ−ス領域間のN- 型半導体基板の表面にPチャネル反転層が形成される。これにより、P型ベ−ス領域、P型ソ−ス領域及びカソ−ド電極が短絡され、主電流中の正孔がカソ−ド電極から排出される。ところが、タ−ンオフ時、オンゲ−ト領域となるP-ベ−ス領域(例えば図64の3参照。)では、抵抗値が大きいため、当該正孔の排出が難しく、主電流を効率よく遮断できないという欠点がある。
【0136】図38は、本願の第5の発明の第1の実施例に係わる半導体装置を示している。また、図39は、図38の半導体装置のI−I´線に沿う断面図、図40は、図38の半導体装置のII−II´線に沿う断面図である。なお、図38乃至図40において、1は、N- 型半導体基板、2は、P型ベ−ス領域、4は、P型ソ−ス領域、5は、N型エミッタ領域、6は、N+ 型バッファ層、7は、裏面P+ 型エミッタ層、8は、ゲ−ト酸化膜、9は、ポリシリコン・ゲ−ト電極、10は、カソ−ド電極、11は、アノ−ド電極である。
【0137】本発明の半導体装置は、タ−ンオン特性を劣化させることなく、タ−ンオフ時におけるオンゲ−ト部の正孔の排出効率を向上させ、導通状態から非導通状態になる際のタ−ンオフ特性を向上させることにより、タ−ンオン特性とタ−ンオフ特性のトレ−ドオフを改善するものである。
【0138】そこで、本発明では、従来のP型ベ−ス領域2とP- 型ベ−ス領域3について、以下の改良を施している。即ち、本発明の半導体装置は、P- 型ベ−ス領域3を有しておらず、その代わりに、図39に示すように、オンゲ−ト部におけるP型ベ−ス領域2の部分52を浅く(低濃度となるように)形成している。これにより、当該部分52には、実質的にP- 型ベ−ス領域が形成されたのと同様の効果を有する。しかも、当該オンゲ−ト部52は、必要最小限だけ形成できるため、タ−ンオフ時に当該オンゲ−ト部が悪影響を及ぼすということがなくなる。
【0139】次に、本願の第5の発明に係わる半導体装置の製造工程について説明する。まず、N- 型半導体基板1に、N+ 型バッファ層6及び裏面P+ 型エミッタ層7をそれぞれ形成する。ゲ−ト酸化膜8及びポリシリコン・ゲ−ト電極9を形成する。
【0140】次に、図41に示すように、例えば拡散法を用いて、基板1の表面領域にP型ベ−ス領域2およびP型ソ−ス領域4をそれぞれ形成する。この際、P型ベ−ス領域2については、従来と異なり、ボロンのイオン注入時に例えばオンゲ−ト部となる部分が凹状となるように切り込み(又はスリット)53を入れておく。
【0141】すると、図42に示すように、P型ベ−ス領域2の横方向拡散を行うことにより、P型ベ−ス領域2の切り込み53がふさがり、当該切り込み部分のP型ベ−ス領域2は深さが浅く(濃度が低く)形成される。その結果、従来に比べ、P-型ベ−ス領域に相当する部分54の面積が少なくなる(必要最小限となる)。最後に、カソ−ド電極10及びアノ−ド電極11を形成する。
【0142】上記製造工程では、従来技術と比べ、P- 型ベ−ス領域を形成する工程がなくなるため、製造工程が簡略化される。しかも、オンゲ−ト領域、即ちNチャネル反転層54を形成する低濃度のP型ベ−ス領域(浅い部分)2は、横方向拡散により形成しているため、少ない面積を有することになる。これにより、従来、タ−ンオフ時に電流が止まり難くなっていたP- 型ベ−ス領域を少なくできるため、タ−ンオフ効率を向上させることができる。
【0143】なお、タ−ンオン特性については、P型ベ−ス領域2の浅い部分は、Nチャネル反転層54の形成に影響を及ぼさず、従来と同様に、NチャネルMOSFETを駆動できる。その結果、タ−ンオン時において、電子は、N型エミッタ領域5からN- 型基板1へ十分に供給されるため、タ−ンオフ動作を劣化させることがない。
【0144】次に、図43を参照して、タ−ンオン動作について説明する。まず、アノ−ドをプラスに、カソ−ドをマイナスに、ゲ−トをプラスにそれぞれバイアスすると、P型ベ−ス領域2の浅くなっている部分(オンゲ−ト領域)54、即ち低濃度のP型ベ−ス領域2にNチャネル反転層が形成され、N型エミッタ領域5からN- 型ベ−ス領域(基板)1へ電子が注入される。これにより、裏面P+ 型エミッタ層7から正孔14が誘起され、N- 型ベ−ス領域1で伝導度変調を起し、N型エミッタ領域5がオンゲ−ト領域に接する部分15が初期点弧領域となり、タ−ンオンをはじめる。そして、タ−ンオン領域が、N型エミッタ領域5の全域まで広がっていき、素子は完全にタ−ンオンする。
【0145】次に、図44を参照して、タ−ンオフ動作について説明する。まず、アノ−ドがプラスに、カソ−ドがマイナスにバイアスされ、主電流17が流れている状態で、ゲ−トをカソ−ドに対しマイナスにバイアスすると、タ−ンオン時に形成されていたNチャネル反転層12が消える。一方、P型ベ−ス領域2及びP型ソ−ス領域4間のN- 型ベ−ス領域(基板)1表面にPチャネル反転層16が形成され、P型ベ−ス領域2 →Pチャネル反転層 →P型ソ−ス領域4 →カソ−ド電極10という経路が形成される。これにより、主電流17中の正孔は、当該経路を介して排出される。
【0146】これにより、N型エミッタ領域5からの電子の注入が止まり、主電流Iが流れなくなる。なお、本発明では、初期タ−ンオフ領域19は、P型ソ−ス領域4側のN型エミッタ領域の部分となり、最終的には、エミッタ領域5の全体まで広がっていき、サイリスタはタ−ンオフする。
【0147】なお、本発明の半導体装置は、図45に示すように、アノ−ド電極11がN+型バッファ層6及び裏面P+ 型エミッタ層7に接続され、当該N+ 型バッファ層6と裏面P+ 型エミッタ層7が短絡されているものにも適用できる。
【0148】図46は、本願の第5の発明の第2の実施例に係わる半導体装置を示すものである。なお、図46において、1は、N- 型半導体基板、2は、P型ベ−ス領域、4は、P型ソ−ス領域、5は、N型エミッタ領域、6は、N+ 型バッファ層、7は、裏面P+ 型エミッタ層、8は、ゲ−ト酸化膜、9は、ポリシリコン・ゲ−ト電極、10は、カソ−ド電極、11は、アノ−ド電極である。
【0149】この第2の実施例では、図38に示す第1の実施例と以下の点において相違している。即ち、第2の実施例では、オンゲ−ト領域となるP型ベ−ス領域2の先端部を絞って狭くしたものである。具体的には、P型ベ−ス領域2、N型エミッタ領域5および当該N型エミッタ領域5上のカソ−ド電極10のそれぞれについて、オンゲ−ト部分の幅を狭くした構造としている。その他の構成は、第1の実施例と同じである。
【0150】このような構成にすることで、オンゲ−ト領域は、さらに小さくなるため、タ−ンオフ時において主電流が残る部分が極めて少なくなり、タ−ンオフ特性が向上することになる。
【0151】次に、図46の半導体装置の製造工程について説明する。まず、N- 型半導体基板1に、N+ 型バッファ層6及び裏面P+ 型エミッタ層7をそれぞれ形成する。ゲ−ト酸化膜8及びポリシリコン・ゲ−ト電極9を形成する。次に、図47に示すように、例えばイオン注入法を用いて、基板1の表面領域のP型ベ−ス領域2およびP型ソ−ス領域4の形成予定領域に、ボロンを注入する。この際、P型ベ−ス領域2の形成予定領域には、例えばオンゲ−ト部となる部分がとがっており、かつ、その先端に凹部(切り込み)53を有するようにボロンが注入される。
【0152】次に、図48に示すように、熱拡散法を用いて、P型ベ−ス領域2およびP型ソ−ス領域4をそれぞれ形成する。この時、P型ベ−ス領域2の切り込み53がふさがることになるが、当該切り込み部分のP型ベ−ス領域2は深さが浅く(濃度が低く)なっている。その結果、従来に比べ、P- 型ベ−ス領域に相当する部分54の面積が少なくなる。この後、N型エミッタ領域5、カソ−ド電極10及びアノ−ド電極11を形成する。
【0153】図49は、図46または図48のIII −III ´線に沿う断面図を示している。上記製造方法を利用することにより、P型ベ−ス領域2のオンゲ−ト部の拡散深さを浅く(濃度を低く)することができ、実質的にP- 型ベ−ス領域が形成されることになる。しかも、このP- 型ベ−ス領域は、従来に比べ、十分に小さく形成されているため、タ−ンオフ特性を向上させることができる。
【0154】なお、本実施例における半導体装置の動作は、上記第1の実施例における半導体装置の動作と同じであるため、ここでは省略することにする。なお、参考のため、図50にタ−ンオン動作についての当該半導体装置の状態を、また、図51にタ−ンオフ動作についての当該半導体装置の状態を示しておく。
【0155】なお、第2の実施例では、図52に示されるように、アノ−ド電極11をN+型バッファ層6及び裏面P+ 型エミッタ層7に接続し、当該N+ 型バッファ層6と裏面P+ 型エミッタ層7を短絡してもよい。
【0156】本願の第5の発明においては、上記二つの実施例に限られず、ダブルゲ−ト構造の半導体装置や、N- 型基板1をP- 型基板に変えて、オンチャネルをPチャネルMOSFET、オフチャネルをNチャネルMOSFETとする構造の半導体装置にも適用できる。
【0157】本願の第5の発明によれば、次のような効果を奏する。従来は、タ−ンオフ特性を向上させるために、P型ベ−ス領域2およびP型ソ−ス領域4の濃度を上げ、タ−ンオフ時に形成されるPベ−ス領域、Pチャネル反転層、P型ソ−ス領域、カソ−ド電極という正孔の排出経路の抵抗を下げることにより、正孔の排出効率を向上させ、タ−ンオフ特性を向上させている。従って、従来は、オンゲ−ト領域となるP- 型ベ−ス領域3での正孔の排出効率が悪いという欠点がある。
【0158】これに対し、本発明では、オンゲ−ト領域となるP- 型ベ−ス領域をP型ベ−ス領域2の横方向拡散により形成している。即ち、低濃度のオンゲ−ト領域は、P型ベ−ス領域2の間に形成される。このため、P型ベ−ス領域2の横方向拡散の時間、温度などを制御することにより、オンゲ−ト領域の幅、濃度などは自由に変えることができる。
【0159】従って、タ−ンオフ時には、P型ベ−ス領域2からの正孔の排出を効率よく行うことができると共に、従来のようにP- 型ベ−ス領域での主電流の残りが発生しなくなり、タ−ンオフ効率を向上できる。一方、タ−ンオン時には、従来と同様に、オンゲ−ト領域においてNチャネル反転層が形成されるため、N型エミッタ領域5からN- 型基板1へ電子の注入が行われ、タ−ンオン特性を劣化させることがない。しかも、オンゲ−ト領域は、タ−ンオン時にN型エミッタ領域5からN- 型基板1へ電子の注入を行うことができる最小の大きさに設定できるため、タ−ンオフ時においてタ−ンオフ特性に悪影響を与えることがない。
【0160】また、P型ベ−ス領域の先端部(オンゲ−ト部)およびN型エミッタ領域の先端部をそれぞれ細くすることにより、P- 型ベ−ス領域の幅の制御性が良好になると共に、タ−ンオフ時におけるエミッタ領域からの電子の注入が止まり易くなる。
【0161】このように、本発明では、タ−ンオン特性を劣化させることなく、タ−ンオフ特性を向上させることができ、タ−ンオン特性とタ−ンオフ特性のトレ−ドオフを改善することができる。
【0162】さらに、本発明では、オンゲ−ト領域となるP- 型ベ−ス領域をP型ベ−ス領域2の横方向拡散により形成しているため、従来技術で必要なP- 型ベ−ス領域の形成工程を省略することが可能である。このため、工程を簡略化又は短縮することができるという効果もある。
【0163】次に、本願の第6の発明について説明する。従来の技術の欄において、MCTは、自己消弧型素子として、タ−ンオフ効率を他に優先し改善する方向で開発が進められていることを既に述べている。そして、従来は、タ−ンオフ効率を向上させるべく、オン・ゲ−トとオフ・ゲ−トを分離し、さらにオン・ゲ−トとオフ・ゲ−トの割合も、大部分のゲ−トがオフ・ゲ−トになるような構造にしている。しかも、オン・ゲ−ト部以外の部分は、タ−ンオフ特性を向上させるため、P型ベ−ス領域の濃度を高くし、タ−ンオフ時に形成されるP型ベ−ス領域、Pチャネル反転層、P型ソ−ス領域からなるホ−ル電流の排出経路の抵抗を下げる方法が用いられている。
【0164】しかしながら、このような方法によりタ−ンオフ特性を向上させようとする場合、オフゲ−トとなるPチャネルMOSFETを構成するP型ベ−ス領域及びP型ソ−ス領域は、横方向拡散により形成される。このため、当該P型ベ−ス領域及び当該P型ソ−ス領域の濃度が低下し、PチャネルMOSFETのオン抵抗が下がらず、タ−ンオフ特性の向上の支障となっている。
【0165】これについて、さらに詳しく述べる。図53R>3は、タ−ンオフ時に当該半導体装置の特性に影響する抵抗を概念的に示すものである。
【0166】図53に示すように、タ−ンオフ時に、その特性に影響を与える抵抗は、N型エミッタ領域5の直下のP型ベ−ス領域2の拡散抵抗 RD と、PチャネルMOSFETのオン抵抗 ROnである。そして、後者のオン抵抗ROnは、さらに純粋なチャネル抵抗 Rchと、P型ベ−ス領域2及びP型ソ−ス領域4の横方向の拡散抵抗 ROB,ROSに分けることができる。
【0167】即ち、タ−ンオフ特性に影響を与えるこれら抵抗の全抵抗値 RA は、 RA = RD + Rch + ROB + ROS …(1) となる。
【0168】ここで、簡素化のため、PチャネルMOSFETの拡散抵抗分ROB+ROSを、RO でまとめると、上記(1)式は、RA = RD + Rch + RO …(2)
となる。
【0169】このように、タ−ンオフ特性に影響を与える抵抗RA を、P型ベ−ス領域2の拡散抵抗RD と、PチャネルMOSFETのチャネル抵抗Rch及び拡散抵抗ROとに分けた場合、RD を基準にしてその抵抗値を比較すると、 RO : Rch : RD = 1000 : 100 : 1 …(1) となる。
【0170】つまり、タ−ンオフ特性に最も影響を与える抵抗は、PチャネルMOSFETの拡散抵抗RO であることがわかる。従って、従来のように、P型ベ−ス領域2及びP型ソ−ス領域4の濃度を高くして、その拡散抵抗RD を下げようとしても、全体の抵抗値としてはPチャネルMOSFETの拡散抵抗RO が大きく響いてくるため、タ−ンオフ特性を効果的に向上させることが不可能である。
【0171】言い換えれば、タ−ンオフ特性を効果的に向上させるためには、まず、PチャネルMOSFETの拡散抵抗RO を低くすることが必要である。
【0172】図54は、本願の第6の発明の第1の実施例に係わる半導体装置を示している。なお、図54において、1は、N- 型半導体基板、2は、P型ベ−ス領域、3は、P- 型ベ−ス領域、4は、P型ソ−ス領域、5は、N型エミッタ領域、6は、N+ 型バッファ層、7は、裏面P+ 型エミッタ層、8は、ゲ−ト酸化膜、9は、ポリシリコン・ゲ−ト電極、10は、カソ−ド電極、11は、アノ−ド電極、55は、低抵抗膜である。
【0173】本発明の半導体装置は、サイリスタが導通状態から非導通状態になる際のタ−ンオフ特性を向上させるため、タ−ンオフ特性に最も影響を与える抵抗であるPチャネルMOSFETの拡散抵抗RO を下げ、タ−ンオン特性とタ−ンオフ特性のトレ−ドオフを改善するものである。
【0174】このため、本発明では、P型ベ−ス領域2及びP型ソ−ス領域4の表面に低抵抗膜55を形成し、PチャネルMOSFETが導通状態のとき、当該低抵抗膜55に電流を流すことでPチャネルMOSFETの拡散抵抗RO を低下させている。
【0175】この低抵抗膜55は、P型ベ−ス領域2の表面においては、N- 型基板1及びN型エミッタ領域5に接触しないように、P型ベ−ス領域2上のみに形成されている。また、低抵抗膜55は、P型ソ−ス領域4の表面においては、カソ−ド電極10とN- 型基板1の間に形成され、かつ、カソ−ド電極10に接続されている。なお、低抵抗膜55は、PチャネルMOSFETの拡散抵抗RO よりも低い抵抗値を有する膜であれば特に限定されないが、主として金属膜、さらに製造工程上から高融点金属膜(例えばタングステンシリサイド膜、チタンシリサイド膜やモリブデンシリサイド膜など)が用いられる。
【0176】次に、図54の半導体装置の製造工程について簡単に説明する。まず、N- 型半導体基板1に、N+ 型バッファ層6及び裏面P+ 型エミッタ層7をそれぞれ形成する。また、拡散法により、基板1の表面領域に、P型ベ−ス領域2、P- 型ベ−ス領域3、P型ソ−ス領域4及びN型エミッタ領域5をそれぞれ形成する。
【0177】次に、全面に低抵抗膜55を形成し、当該低抵抗膜55をパタ−ニングすることにより、P型ベ−ス領域2及びP型ソ−ス領域4の表面上に低抵抗膜55の所定のパタ−ンを形成する。
【0178】次に、ゲ−ト酸化膜8及びポリシリコン・ゲ−ト電極9を形成する。また、P型ソ−ス領域4及び及びN型エミッタ領域5上にカソ−ド電極10を、裏面のP+ 型エミッタ層7上にアノ−ド電極11をそれぞれ形成する。
【0179】次に、図55を参照して、タ−ンオン動作について説明する。まず、アノ−ドをプラスに、カソ−ドをマイナスに、ゲ−トをプラスにそれぞれバイアスすると、P- 型ベ−ス領域3にNチャネル反転層12が形成され、N型エミッタ領域5からN- 型ベ−ス領域(基板)1へ電子が注入される。これにより、裏面P+ 型エミッタ層7から正孔14が誘起され、N- 型ベ−ス領域1で伝導度変調を起し、P- 型ベ−ス領域3とN型エミッタ領域5が接する部分15が初期点弧領域となり、タ−ンオンをはじめる。そして、タ−ンオン領域が、N型エミッタ領域5の全域まで広がっていき、素子は完全にタ−ンオンする。
【0180】次に、図56を参照して、タ−ンオフ動作について説明する。まず、アノ−ドがプラスに、カソ−ドがマイナスにバイアスされ、主電流17が流れている状態で、ゲ−トをカソ−ドに対しマイナスにバイアスすると、タ−ンオン時に形成されていたNチャネル領域が消える。一方、P型ベ−ス領域2及びP型ソ−ス領域4間のN- 型ベ−ス領域(基板)1表面にPチャネル反転層16が形成される。その結果、P型ベ−ス領域2 →低抵抗膜55 →Pチャネル反転層 →低抵抗膜55 →カソ−ド電極10という経路が形成され、当該経路を介して主電流17中の正孔56がカソ−ド電極10へ排出される。
【0181】このような動作により、N型エミッタ領域5からの電子の注入が止まるため、主電流17が流れなくなる。なお、タ−ンオフ領域は、初期には、P型ソ−ス領域4側のN型エミッタ領域の部分19となり、最終的には、エミッタ領域5の全体まで広がっていく。
【0182】上記構成によれば、本発明の半導体装置は、P型ベ−ス領域2及びP型ソ−ス領域の表面上に低抵抗膜55を有している。これにより、PチャネルMOSFETの拡散抵抗R0 を下げることができ、P型ベ−ス領域2中の正孔56を、効率的に当該P型ベ−ス領域2からP型ソ−ス領域4を介してカソ−ド電極10へ排出できる。従って、タ−ンオフ特性の向上に貢献することができる。
【0183】以下、具体的に本発明の効果について述べる。図57は、本発明に係わる半導体装置について、タ−ンオフ時に当該半導体装置の特性に影響する抵抗を概念的に示すもので、従来の半導体装置の特性に影響する抵抗を概念的に示す図53に対応するものである。
【0184】従来は、専ら、タ−ンオフ特性に影響する抵抗のうち、P型ベ−ス領域2の拡散抵抗RD を下げることに重点が置かれている。これに対し、本発明は、PチャネルMOSFETの拡散抵抗RO を低くするものである。
【0185】本発明では、P型ベ−ス領域2及びP型ソ−ス領域4の表面に低抵抗膜55を形成することで、タ−ンオフ時に、P型ベ−ス領域2中の正孔を当該低抵抗膜55を介してカソ−ド電極10へ排出することを特徴とする。つまり、正孔電流は、例えば抵抗値がゼロに近いタングステンシリサイドなどの高融点金属膜を流れるため、拡散抵抗RO がなくなり、タ−ンオフ特性が向上する。
【0186】図57において、従来(図53)と同様に、タ−ンオフ特性に影響を与える抵抗を、N型エミッタ領域5の直下のP型ベ−ス領域2の拡散抵抗 RD と、PチャネルMOSFETのチャネル抵抗Rch及び拡散抵抗RO (ROS+ROB)とに分けると、これらの抵抗値の比は、 RO : Rch : RD = 100 : 100 : 1 …(1) となる。
【0187】つまり、タ−ンオフ特性に最も影響を与えるPチャネルMOSFETの拡散抵抗RO は、従来と比較すると1/10となる。このため、全抵抗値RA は、従来の1/10に低減されることになる。
【0188】このように、本発明によれば、タ−ンオフ特性に影響を与える抵抗を小さくすることができるため、正孔電流を効率よくカソ−ド電極に排出できる。従って、タ−ンオフ特性を向上させることができる。しかも、タ−ンオン特性については、何ら影響を与えることがなく、従来と同様の特性を得ることができる。つまり、タ−ンオン特性を劣化させることなく、タ−ンオフ特性を向上させることができ、タ−ンオン特性とタ−ンオフ特性のトレ−ドオフを改善することができる。
【0189】なお、本願の第6の発明において、低抵抗膜55の大きさ、形状、面積などは、当該低抵抗膜55がP型ベ−ス領域2及びP型ソ−ス領域4の表面上に形成されている限り、当該実施例に特に限定されない。
【0190】また、本発明の半導体装置は、図58に示すように、アノ−ド電極11がN+型バッファ層6及び裏面P+ 型エミッタ層7に接続され、当該N+ 型バッファ層6と裏面P+ 型エミッタ層7が短絡されているものにも適用できる。
【0191】図59は、本願の第6の発明の第2の実施例に係わる半導体装置を示している。なお、図59において、1は、N- 型半導体基板、2は、P型ベ−ス領域、3は、P- 型ベ−ス領域、4は、P型ソ−ス領域、5は、N型エミッタ領域、6は、N+ 型バッファ層、7は、裏面P+ 型エミッタ層、8は、ゲ−ト酸化膜、9は、ポリシリコン・ゲ−ト電極、10は、カソ−ド電極、11は、アノ−ド電極、55は、低抵抗膜である。
【0192】本実施例の半導体装置は、図54に示す第1の実施例に係わる半導体装置と以下の点において相違している。即ち、第1の実施例では、低抵抗膜55は、ゲ−ト酸化膜8及びゲ−ト電極9と互いに重なり合っているが、本実施例では、低抵抗膜55は、ゲ−ト酸化膜8及びゲ−ト電極9と重なり合っていない。その他の点は、第1の実施例と同じである。
【0193】これにより、低抵抗膜55は、ゲ−ト電極9及びカソ−ド電極10を形成した後に形成できる。
【0194】次に、図59の半導体装置の製造工程について簡単に説明する。まず、N- 型半導体基板1に、N+ 型バッファ層6及び裏面P+ 型エミッタ層7をそれぞれ形成する。また、ゲ−ト酸化膜8及びポリシリコン・ゲ−ト電極9をそれぞれ形成する。
【0195】この後、拡散法により、基板1の表面領域に、P型ベ−ス領域2、P- 型ベ−ス領域3、P型ソ−ス領域4及びN型エミッタ領域5をそれぞれ形成する。また、全面に低抵抗膜55を形成し、当該低抵抗膜55をパタ−ニングすることにより、P型ベ−ス領域2及びP型ソ−ス領域4の表面上に低抵抗膜55の所定のパタ−ンを形成する。
【0196】次に、低抵抗膜55の表面を酸化した後、酸化膜の一部を開孔し、P型ソ−ス領域4及び及びN型エミッタ領域5上にカソ−ド電極10を、裏面のP+ 型エミッタ層7上にアノ−ド電極11をそれぞれ形成する。
【0197】本実施例においても、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。なお、当該半導体装置の動作原理については、第1の実施例と同じであるため、ここでは省略する。
【0198】図60は、本願の第6の発明の第3の実施例に係わる半導体装置を示している。なお、図60において、1は、N- 型半導体基板、2は、P型ベ−ス領域、3は、P- 型ベ−ス領域、4は、P型ソ−ス領域、5は、N型エミッタ領域、6は、N+ 型バッファ層、7は、裏面P+ 型エミッタ層、8は、ゲ−ト酸化膜、9は、ポリシリコン・ゲ−ト電極、10は、カソ−ド電極、11は、アノ−ド電極、55は、低抵抗膜である。
【0199】この半導体装置は、第1の実施例において、オフゲ−トとなるPチャネルMOSFETをディプレッションタイプにしたものである。なお、その動作原理は、第1の実施例と同じである。本実施例においても、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0200】図61は、本願の第6の発明の第4の実施例に係わる半導体装置を示している。なお、図61において、1は、N- 型半導体基板、2は、P型ベ−ス領域、3は、P- 型ベ−ス領域、4は、P型ソ−ス領域、5は、N型エミッタ領域、6は、N+ 型バッファ層、7は、裏面P+ 型エミッタ層、8は、ゲ−ト酸化膜、9は、ポリシリコン・ゲ−ト電極、10は、カソ−ド電極、11は、アノ−ド電極、55は、低抵抗膜である。
【0201】この半導体装置は、第1の実施例において、低抵抗膜55が、P型ベ−ス領域2及びP型ソ−ス領域4中に埋め込まれたものである。なお、その動作原理は、第1の実施例と同じである。
【0202】図61の半導体装置の製造工程について簡単に説明する。まず、N- 型半導体基板1に、N+ 型バッファ層6及び裏面P+ 型エミッタ層7をそれぞれ形成する。また、ゲ−ト酸化膜8及びポリシリコン・ゲ−ト電極9をそれぞれ形成する。この後、拡散法により、基板1の表面領域に、P型ベ−ス領域2、P- 型ベ−ス領域3、P型ソ−ス領域4及びN型エミッタ領域5をそれぞれ形成する。
【0203】次に、P型ベ−ス領域2及びP型ソ−ス領域4の表面を部分的にエッチングし、所定の深さの凹部を形成する。この後、全面に低抵抗膜55を形成し、パタ−ニングすることにより、当該凹部にのみ低抵抗膜55を残存させる。さらに、低抵抗膜55の表面を酸化した後、酸化膜の一部を開孔し、低抵抗膜55及び及びN型エミッタ領域5上にカソ−ド電極10を、裏面のP+ 型エミッタ層7上にアノ−ド電極11をそれぞれ形成する。
【0204】本実施例においても、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。なお、当該半導体装置の動作原理については、第1の実施例と同じであるため、ここでは省略する。
【0205】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の半導体装置によれば、次のような効果を奏する。第一に、P型ベ−ス領域とN型エミッタ領域が共にカソ−ド電極に接続されるいわゆるショ−テッド・エミッタ構造を採用している。第二に、ゲ−ト電極直下に形成され、素子の耐圧を確保するための補助P型エミッタ領域を、カソ−ド電極に接続されるP型ソ−ス領域に接続している。第三に、P型ベ−ス領域を互いに電気的に接続される複数の拡散層から構成している。
【0206】これにより、タ−ンオフ動作について、点弧領域の残り易いオン・ゲ−ト部のオフ特性を向上させ、素子のタ−ンオフ特性を向上させることができる。また、タ−ンオフ特性を低下させることなく、タ−ンオン特性を向上させ、オン特性とオフ特性のトレ−ドオフを改善することができる。
【0207】また、第四に、N型エミッタ領域の深さが部分的に異なる、即ち不純物濃度が部分的に低くなるように構成している。第五に、オンゲ−ト領域におけるNチャネル反転層が必要最小限となるように、P- 型ベ−ス領域をP型ベ−ス領域の接合により形成している。第六に、P型ベ−ス領域及びP型ソ−ス領域上に低抵抗膜を形成することにより、タ−ンオフ特性に最も影響を与える拡散抵抗成分をなくしている。
【0208】これにより、タ−ンオン特性を低下させることなく、タ−ンオフ特性を向上させ、オン特性とオフ特性のトレ−ドオフを改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の第1の発明の一実施例に係わる半導体装置を示す図。
【図2】図1の半導体装置の平面図。
【図3】本願の第1の発明の他の実施例に係わる半導体装置を示す図。
【図4】図3の半導体装置の平面図。
【図5】本願の第1の発明の他の実施例に係わる半導体装置を示す図。
【図6】本発明の半導体装置のタ−ンオン動作を示す図。
【図7】本発明の半導体装置のタ−ンオフ動作を示す図。
【図8】本発明の半導体装置のタ−ンオフ動作を示す図。
【図9】本願の第1の発明の他の実施例に係わる半導体装置を示す図。
【図10】本発明の半導体装置が形成されるチップ上の電極のパタ−ン配置を示す図。
【図11】図10のXで囲った部分を示す図。
【図12】本願の第2の発明の第1の実施例に係わる半導体装置を示す図。
【図13】図12の半導体装置のタ−ンオン動作を示す図。
【図14】図12の半導体装置のタ−ンオフ動作を示す図。
【図15】本願の第2の発明の第2の実施例に係わる半導体装置を示す図。
【図16】図15の半導体装置の動作原理を示す図。
【図17】本願の第2の発明の第3の実施例に係わる半導体装置を示す図。
【図18】図17の半導体装置の動作原理を示す図。
【図19】本願の第2の発明の第4の実施例に係わる半導体装置を示す図。
【図20】図19の半導体装置のタ−ンオン動作を示す図。
【図21】図19の半導体装置のタ−ンオフ動作を示す図。
【図22】本願の第2の発明の他の実施例に係わる半導体装置を示す図。
【図23】本願の第3の発明の第1の実施例に係わる半導体装置を示す図。
【図24】図23の半導体装置のタ−ンオン動作を示す図。
【図25】図23の半導体装置のタ−ンオフ動作を示す図。
【図26】本願の第3の発明の第2の実施例に係わる半導体装置を示す図。
【図27】図26の半導体装置のタ−ンオン動作を示す図。
【図28】図26の半導体装置のタ−ンオフ動作を示す図。
【図29】本願の第3の発明の第3の実施例に係わる半導体装置を示す図。
【図30】本願の第4の発明の第1の実施例に係わる半導体装置を示す図。
【図31】図30の半導体装置のタ−ンオン動作を示す図。
【図32】図30の半導体装置のタ−ンオフ動作を示す図。
【図33】図30の半導体装置の変形例を示す図。
【図34】本願の第4の発明の第2の実施例に係わる半導体装置を示す図。
【図35】図34の半導体装置のタ−ンオン動作を示す図。
【図36】図34の半導体装置のタ−ンオフ動作を示す図。
【図37】図34の半導体装置の変形例を示す図。
【図38】本願の第5の発明の第1の実施例に係わる半導体装置を示す図。
【図39】図38のI−I´線に沿う断面図。
【図40】図38のII−II´線に沿う断面図。
【図41】本願の第5の発明の第1の実施例に係わる半導体装置の製造方法を示す図。
【図42】本願の第5の発明の第1の実施例に係わる半導体装置の製造方法を示す図。
【図43】図38の半導体装置のタ−ンオン動作を示す図。
【図44】図38の半導体装置のタ−ンオフ動作を示す図。
【図45】図38の半導体装置の変形例を示す図。
【図46】本願の第5の発明の第2の実施例に係わる半導体装置を示す図。
【図47】本願の第5の発明の第2の実施例に係わる半導体装置の製造方法を示す図。
【図48】本願の第5の発明の第2の実施例に係わる半導体装置の製造方法を示す図。
【図49】図46のIII −III ´線に沿う断面図。
【図50】図46の半導体装置のタ−ンオン動作を示す図。
【図51】図46の半導体装置のタ−ンオフ動作を示す図。
【図52】図46の半導体装置の変形例を示す図。
【図53】タ−ンオフ特性に影響する抵抗を概念的に示す図。
【図54】本願の第6の発明の第1の実施例に係わる半導体装置を示す図。
【図55】図54の半導体装置のタ−ンオン動作を示す図。
【図56】図54の半導体装置のタ−ンオフ動作を示す図。
【図57】本願の第6の発明の半導体装置のタ−ンオフ特性に影響する抵抗を示す図。
【図58】図54の半導体装置の変形例を示す図。
【図59】本願の第6の発明の第2の実施例に係わる半導体装置を示す図。
【図60】本願の第6の発明の第3の実施例に係わる半導体装置を示す図。
【図61】本願の第6の発明の第4の実施例に係わる半導体装置を示す図。
【図62】従来の半導体装置を示す図。
【図63】図62の半導体装置のタ−ンオン動作を示す図。
【図64】図62の半導体装置のタ−ンオフ動作を示す図。
【図65】図62の半導体装置のタ−ンオフ動作を示す図。
【符号の説明】
1 …N- 型半導体基板、
2 …P型ベ−ス領域、
3 …P- 型ベ−ス領域、
4 …P型ソ−ス領域、
5 …N型エミッタ領域、
6 …N+ バッファ層、
7 …裏面P+ 型エミッタ領域、
8 …ゲ−ト酸化膜、
9 …ポリシリコンゲ−ト電極、
10 …カソ−ド電極、
11 …アノ−ド電極、
12 …Nチャネル反転層、
13 …電子電流、
14,18,22 …正孔電流、
15 …初期点弧領域、
16,21 …Pチャネル反転層、
17 …主電流、
19,23 …初期タ−ンオフ領域、
20 …補助P型エミッタ領域、
24 …P- 型半導体基板、
25 …N型ベ−ス領域、
26 …N- 型ベ−ス領域、
27 …N型エミッタ領域、
28 …P型ソ−ス領域、
29 …P+ バッファ層、
30 …裏面N+ 型エミッタ領域、
31 …ゲ−ト酸化膜、
32 …ポリシリコンゲ−ト電極、
33 …アノ−ド電極、
34 …カソ−ド電極、
35 …補助N型エミッタ領域、
36 …Pチャネル反転層、
37 …正孔電流、
38,41,43 …電子電流、
39 …主電流、
40,42 …Nチャネル反転層、
50,51 …初期点弧領域、
52 …オンゲ−ト領域、
53 …切り込み部、
54 …Pチャネル反転層、
55 …低抵抗膜、
56 …正孔電流。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1導電型の半導体基板1と、上記半導体基板の第1の主面側に形成される第2導電型の第1の半導体領域2と、上記第1の半導体領域中に形成される第1導電型の第2の半導体領域5と、上記第1及び第2の半導体領域の双方に接触して形成される第1の電極10と、上記半導体基板の第2の主面側に形成される第2導電型の第3の半導体領域7と、上記第3の半導体領域に接触して形成される第2の電極11とを具備することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】 上記半導体基板の第1の主面側であって上記第1の半導体領域2に隣接し、かつ上記半導体基板を間に挟んで形成される第2導電型の第4の半導体領域4と、上記半導体基板1及び上記第1の半導体領域2及び上記第4の半導体領域4上に絶縁膜を介して形成されるゲ−ト電極9とをさらに具備し、上記第1の電極10が上記第4の半導体領域4にも接触して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】 上記第1の半導体領域2に接触して形成され、上記第1の半導体領域2よりも不純物濃度が低い第2導電型の第5の半導体領域3をさらに具備し、上記ゲ−ト電極9が上記第5の半導体領域3上にも絶縁膜を介して形成されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】 上記第1の半導体領域2が上記半導体基板と接する部分は、上記第5の半導体領域3が上記半導体基板と接する部分よりも多いことを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】 上記半導体基板1及び上記第3の半導体領域7の双方に接触して形成されるバッファ層6をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】 上記第2の電極11は、上記第3の半導体領域7及び上記半導体基板1の双方に接触して形成されていることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】 第1導電型の半導体基板1と、上記半導体基板の第1の主面側に形成される第2導電型の第1の半導体領域2と、上記第1の半導体領域中に形成される第1導電型の第2の半導体領域5と、上記半導体基板の第2の主面側に形成される第2導電型の第3の半導体領域7と、上記半導体基板の第1の主面側であって少なくとも上記第1の半導体領域2を取り囲んで形成される第2導電型の第4の半導体領域4と、上記半導体基板1及び上記第1の半導体領域2及び上記第4の半導体領域4上に絶縁膜を介して形成されるゲ−ト電極9と、上記第2及び第4の半導体領域に接触して形成される第1の電極10と、上記第3の半導体領域7に接触して形成される第2の電極11とを具備することを特徴とする半導体装置。
【請求項8】 上記第1の電極10は、上記第1の半導体領域2にも接触して形成されていることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】 上記第1の半導体領域2に接触して形成され、上記第1の半導体領域2よりも不純物濃度が低い第2導電型の第5の半導体領域3をさらに具備し、上記ゲ−ト電極9が上記第5の半導体領域3上にも絶縁膜を介して形成されていることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
【請求項10】 上記第1の半導体領域2が上記半導体基板と接する部分は、上記第5の半導体領域3が上記半導体基板と接する部分よりも多いことを特徴とする請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】 上記半導体基板1及び上記第3の半導体領域7の双方に接触して形成されるバッファ層6をさらに具備することを特徴とする請求項7乃至10のうちいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項12】 上記第2の電極11は、上記第3の半導体領域7及び上記半導体基板1の双方に接触して形成されていることを特徴とする請求項11に記載の半導体装置。
【請求項13】 第1導電型の半導体基板1と、上記半導体基板の第1の主面側に形成される一定の深さを有する拡散層から構成され、当該拡散層の一部分が、当該拡散層の他の部分よりも浅くなっており、かつ当該拡散層の他の部分に挟まれている第2導電型の第1の半導体領域2と、上記第1の半導体領域中に形成される第1導電型の第2の半導体領域5と、上記第2の半導体領域に接触して形成される第1の電極10と、上記半導体基板の第2の主面側に形成される第2導電型の第3の半導体領域7と、上記第3の半導体領域に接触して形成される第2の電極11とを具備することを特徴とする半導体装置。
【請求項14】 上記第1の電極10は、上記上記第1の半導体領域にも接触して形成されていることを特徴とする請求項13に記載の半導体装置。
【請求項15】 上記半導体基板の第1の主面側であって上記第1の半導体領域2に隣接し、かつ上記半導体基板を間に挟んで形成される第2導電型の第4の半導体領域4と、上記半導体基板1及び上記第1の半導体領域2及び上記第4の半導体領域4上に絶縁膜を介して形成されるゲ−ト電極9とをさらに具備し、上記第1の電極10が上記第4の半導体領域4にも接触して形成されていることを特徴とする請求項13又は14に記載の半導体装置。
【請求項16】 上記第4の半導体領域4は、少なくとも上記第1の半導体領域2を取り囲んで形成されていることを特徴とする請求項15に記載の半導体装置。
【請求項17】 上記第1の半導体領域2に接触して形成され、上記第1の半導体領域2よりも不純物濃度が低い第2導電型の第5の半導体領域3をさらに具備し、上記ゲ−ト電極9が上記第5の半導体領域3上にも絶縁膜を介して形成されていることを特徴とする請求項15又は16に記載の半導体装置。
【請求項18】 上記第1の半導体領域2が上記半導体基板と接する部分は、上記第5の半導体領域3が上記半導体基板と接する部分よりも多いことを特徴とする請求項17に記載の半導体装置。
【請求項19】 上記半導体基板1及び上記第3の半導体領域7の双方に接触して形成されるバッファ層6をさらに具備することを特徴とする請求項13乃至18のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項20】 上記第2の電極11は、上記第3の半導体領域7及び上記半導体基板1の双方に接触して形成されていることを特徴とする請求項19に記載の半導体装置。
【請求項21】 上記第1の半導体領域2を構成する拡散層の浅い部分は、当該第1の半導体領域の拡散層の他の部分に比べて不純物濃度が低くなっていることを特徴とする請求項13に記載の半導体装置。
【請求項22】 上記第1の電極10は、上記第1の半導体領域2を構成する拡散層の浅い部分において当該第1の半導体領域2に接触していることを特徴とする請求項21に記載の半導体装置。
【請求項23】 第1導電型の半導体基板1と、上記半導体基板の第1の主面側に形成される第2導電型の第1の半導体領域2と、上記第1の半導体領域中に形成される一定の深さを有する拡散層から構成され、当該拡散層の一部分が、当該拡散層の他の部分よりも浅くなっており、かつ当該拡散層の他の部分に挟まれている第1導電型の第2の半導体領域5と、上記第2の半導体領域に接触して形成される第1の電極10と、上記半導体基板の第2の主面側に形成される第2導電型の第3の半導体領域7と、上記第3の半導体領域に接触して形成される第2の電極11と、上記半導体基板の第1の主面側であって上記第1の半導体領域2に隣接し、かつ上記半導体基板を間に挟んで形成される第2導電型の第4の半導体領域4と、上記半導体基板1及び上記第1の半導体領域2及び上記第4の半導体領域4上に絶縁膜を介して形成されるゲ−ト電極9とを具備し、上記第1の電極10が上記第4の半導体領域4にも接触して形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項24】 上記第2の半導体領域5を構成する拡散層の浅い部分は、当該第2の半導体領域の他の部分に比べて不純物濃度が低くなっていることを特徴とする請求項23に記載の半導体装置。
【請求項25】 上記第1の半導体領域2に接触して形成され、上記第1の半導体領域2よりも不純物濃度が低い第2導電型の第5の半導体領域3をさらに具備し、上記ゲ−ト電極9が上記第5の半導体領域3上にも絶縁膜を介して形成されていることを特徴とする請求項23に記載の半導体装置。
【請求項26】 上記第1の半導体領域2が上記半導体基板と接する部分は、上記第5の半導体領域3が上記半導体基板と接する部分よりも多いことを特徴とする請求項25に記載の半導体装置。
【請求項27】 上記半導体基板1及び上記第3の半導体領域7の双方に接触して形成されるバッファ層6をさらに具備することを特徴とする請求項23乃至26のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項28】 上記第2の電極11は、上記第3の半導体領域7及び上記半導体基板1の双方に接触して形成されていることを特徴とする請求項27に記載の半導体装置。
【請求項29】 第1導電型の半導体基板1と、上記半導体基板の第1の主面側に形成される一定の深さを有する拡散層から構成され、その拡散層の端部の一部分がオンゲ−ト領域となっており、また、当該拡散層の端部の一部分が、当該拡散層の他の部分よりも浅くなっており、かつ当該拡散層の他の部分に挟まれている第2導電型の第1の半導体領域2と、上記第1の半導体領域中に形成される第1導電型の第2の半導体領域5と、上記第2の半導体領域に接触して形成される第1の電極10と、上記半導体基板の第2の主面側に形成される第2導電型の第3の半導体領域7と、上記第3の半導体領域に接触して形成される第2の電極11と、上記半導体基板の第1の主面側であって上記第1の半導体領域2に隣接し、かつ上記半導体基板を間に挟んで形成される第2導電型の第4の半導体領域4と、上記半導体基板1上及び上記拡散層の浅い部分を含む第1の半導体領域2上及び上記第4の半導体領域4上にそれぞれ絶縁膜を介して形成されるゲ−ト電極9とを具備し、上記第1の電極10が上記第4の半導体領域4にも接触して形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項30】 上記オンゲ−ト領域となる第1の半導体領域2の拡散層の浅い部分は、当該第1の半導体領域の拡散層の他の部分に比べて不純物濃度が低くなっていることを特徴とする請求項29に記載の半導体装置。
【請求項31】 上記第1の半導体領域2の拡散層の浅い部分の不純物濃度は、1.0×1018[cm-3]以下であることを特徴とする請求項29に記載の半導体装置。
【請求項32】 上記第1の半導体領域及び上記第2の半導体領域は、上記オンゲ−ト領域となる拡散層の浅い部分に近づくにつれて次第にその幅が狭まっており、かつ、当該第2の半導体領域上に形成されるカソ−ド電極も当該拡散層の浅い部分に近づくにつれて次第にその幅が狭まっていることを特徴とする請求項29に記載の半導体装置。
【請求項33】 上記半導体基板1及び上記第3の半導体領域7の双方に接触して形成されるバッファ層6をさらに具備することを特徴とする請求項29乃至32のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項34】 上記第2の電極11は、上記第3の半導体領域7及び上記半導体基板1の双方に接触して形成されていることを特徴とする請求項33に記載の半導体装置。
【請求項35】 第1導電型の半導体基板1と、上記半導体基板の第1の主面側に形成される第2導電型の第1の半導体領域2と、上記第1の半導体領域中に形成される第1導電型の第2の半導体領域5と、上記半導体基板の第2の主面側に形成される第2導電型の第3の半導体領域7と、上記第1の半導体領域2に隣接し、上記半導体基板を間に挟んで形成される第2導電型の第4の半導体領域4と、上記半導体基板1及び上記第1の半導体領域2及び上記第4の半導体領域4上に絶縁膜を介して形成されるゲ−ト電極9と、上記第2の半導体領域5及び第4の半導体領域4にそれぞれ接触して形成される第1の電極10と、上記第3の半導体領域7に接触して形成される第2の電極11と、上記第1の半導体領域(オンゲ−ト領域を除く)2のみに接触し、上記第4の半導体領域4側の当該第1の半導体領域2上に形成される第1の低抵抗膜55と、上記第4の半導体領域4及び上記第1の電極10の双方に接触し、上記第1の半導体領域2側の当該第4の半導体領域4上に形成される第2の低抵抗膜55とを具備することを特徴とする半導体装置。
【請求項36】 上記第1の低抵抗膜極54は、上記第1の半導体領域2中に埋め込まれ、上記第2の低抵抗膜極54は、上記第4の半導体領域4中に埋め込まれていることを特徴とする請求項35に記載の半導体装置。
【請求項37】 上記第1の半導体領域2と上記第4の半導体領域4が互いに接続されていることを特徴とする請求項35に記載の半導体装置。
【請求項38】 上記第1の半導体領域2に接触して形成され、上記第1の半導体領域2よりも不純物濃度が低い第2導電型の第5の半導体領域3をさらに具備し、上記ゲ−ト電極9が上記第5の半導体領域3上にも絶縁膜を介して形成されていることを特徴とする請求項35に記載の半導体装置。
【請求項39】 上記第1の半導体領域2が上記半導体基板と接する部分は、上記第5の半導体領域3が上記半導体基板と接する部分よりも多いことを特徴とする請求項38に記載の半導体装置。
【請求項40】 上記半導体基板1及び上記第3の半導体領域7の双方に接触して形成されるバッファ層6をさらに具備することを特徴とする請求項35乃至39のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項41】 上記第2の電極11は、上記第3の半導体領域7及び上記半導体基板1の双方に接触して形成されていることを特徴とする請求項40に記載の半導体装置。

【図1】
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【図3】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図17】
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【図16】
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【図18】
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【図19】
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【図22】
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【図20】
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【図21】
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【図23】
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【図26】
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【図24】
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【図25】
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【図29】
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【図30】
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【図27】
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【図28】
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【図33】
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【図34】
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【図31】
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【図32】
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【図37】
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【図38】
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【図35】
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【図36】
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【図39】
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【図40】
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【図49】
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【図41】
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【図42】
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【図45】
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【図46】
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【図57】
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【図43】
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【図44】
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【図47】
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【図48】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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