説明

単一の弁スリーブを有する弁アッセンブリ

弁アッセンブリは、凹部及びフランジ面を有するハウジングと、凹部の中に配置される弁スリーブと、を含んでいれば望ましい。スリーブは、中心軸の周囲に通路を画定する、外面及び内面を有する環を含んでいれば望ましく、外面及び内面は、壁を画定するために互いから半径方向に間隔を空けて配置されている。壁は、第1の端部分及び第1の端部分から軸方向に間隔を空けて配置される第2の端部分と、第1の端部分から第2の端部分まで均等な材料特性と、を有している。第1の端部分は、凹部の中の環を支持するリップを画定し、更に第1の支持部材の少なくとも一部を包み込む第1の室を画定すれば望ましい。第2の端部分は、フランジと係合する外面に沿ってフランジ部分を画定し、更に第2の支持部材の少なくとも一部を包み込む第2の室を画定すれば望ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略的には、流れ制御弁及びその構造の分野に関する。より厳密には、本発明は、弁構成要素及び接続部に密封面を提供するエラストマースリーブを含む流れ制御弁の内部構成要素に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばナイフゲート弁又はラインブラインド弁のような流れ制御弁は、流体の流れを制御するために使用され、鉱業、パルプ工業又は製紙業などで遭遇する研磨スラリー及び腐食性スラリーと一緒に使用することに特に良好な適性を有し得る。技術的によく知られているゲート弁の1つの形態は、連結されると弁ハウジングを形成する二等分の部分から構成されるハウジング及びそれを貫通する通路を含んでいる。ハウジングの対向する側面には、パイプラインの中に弁を設置するための接続部があり、例えばハウジングをパイプのフランジ端部にボルト締めすることができる。弁を通る流体の流れを制御するために、弁は、作動時2つの弁の二等分部分の間で平行移動する又は移動するゲートを含んでいる。弁の二等分部分は、各々弁スリーブを配置するスリーブ凹部を画定している。弁スリーブは、通路を画定するために軸方向に揃えられ、弁に密封機能を提供している。凹部に弁スリーブを着座させるために、スリーブは、スリーブ凹部の形状に適合するためにリッジ又はリップを備えているように構成されている。2つの弁のスリーブは、ゲートが弁を通る流体流れを許容する開構成にある時、接触して互いに密封しあい、同時に弁ハウジングからの流体漏洩を実質的に防止している。ゲートが閉位置にある時、対向するスリーブは、接触してゲートを密封し、ゲートに対して集まる流体がハウジングから漏洩することを実質的に防止している。1つの代表的な弁ハウジング及びスリーブアッセンブリは、TYCO FLOW CONTROLデータシート「Clarkson KGDウェーハ型スラリーナイフゲート弁5.08cm(2インチ)から60.96cm(24インチ)」(2005年)で示されるようなTYCO FLOW CONTROL社製のCLARKSON KGD WAFER STYLE SLURRY KNIFE GATE VALVEを含んでいる。他の既知の弁及び弁スリーブは、例えば米国特許第4,895,181号及び第5,730,149号などに表示及び記載されている。
【0003】
弁スリーブは、弁ゲートとの間に密封面を作り出すだけでなく、弁スリーブは、更に、弁ハウジングのフランジ表面又は弁ハウジングと連結される他の配管要素と係合するために支持面を提供している。既知の弁スリーブは、スリーブが弁ハウジングのスリーブ凹部の内部に配置されるシート部分及びハウジングのフランジ面と係合するためのフランジを形成するためにシート部分にスナップ留めされる別個の支持円板を有するツーピース構造を採用している。別個の支持円板は、標準的には、弁ハウジングが連結されるパイプに合う大きさになっている。更に、支持円板は、標準的には、隣接するパイプが接触して擦れる可能性のある表面を提供するためにより硬質のプラスチック又は他の硬質の材料でできている。更に、支持円板を形成する材料は、スリーブのシート部分の材料とは異なっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
支持円板は、硬質の材料でできているので、フランジ表面との間に密閉性の高い密封を提供する能力は、幾つかの作動状態では制限される場合がある。更に、支持円板は、弁シート部分とは異なる材料から構成されているので、フランジ及びその支持円板は、シート部分と同程度の化学的耐性を有していない場合がある。従って、フランジ及びその支持円板は、亀裂又は破断のような長期疲労を起こしやすい可能性がある。更に、硬化支持円板の非弾性に起因して、支持円板は、弁を配管アッセンブリの中へ連結するフランジボルトによる過圧縮に耐えることができない又はそれに対する弾性を有していない場合がある。代替的な既知のスリーブ設計は、一体化された支持円板部分を含んでいる。しかしながら、それらの代替的な設計は、フランジボルトの過圧縮の問題を効果的に解決していない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
凹部及びフランジを有する弁を密封するための弁スリーブの望ましい実施形態は、第1の軸の周囲に配置された支持リング、第2の軸の周囲に配置された環状支持プレート、及び第3の軸の周囲に配置され、その中を通る通路を画定するために第3の軸の周囲に途切れることなく半径方向に配置されたワンピース壁を有する環を含んでいる。壁は、環の第1の端面を画定するシート部分を含んでいて、弁の凹部の環を支持するために壁に沿ってリップを有していれば望ましい。支持リングがシート部分を半径方向に支持するために環と同軸になるように、支持リングは、シート部分に包み込まれれば望ましい。シート部分は、第3の軸に対する第1の半径を画定すれば更に望ましい。壁は、環の第2の端面を画定するフランジ部分を更に含んでおり、弁のフランジと係合するために第1の半径より大きい第3の軸に対する第2の半径を有している。支持プレートがフランジ部分を軸方向に支持するために環と同軸になるように、環状支持プレートは、フランジ部分に包み込まれれば望ましい。
【0006】
フランジ部分は、第2の端面に沿って配置される開口部を有する第3の軸から半径方向に配置された少なくとも1つの室を画定すれば更に望ましい。望ましい実施形態では、室は、フランジ部分からシート部分の中へ軸方向に伸張している。別の望ましい実施形態では、フランジ部分は、第1の部分及び第1の部分の周囲で半径方向に配置された第2の部分を有しており、第1の部分は、環状支持プレートを包み込む第1の厚さを画定しており、第2の部分は、弁のフランジを密封するガスケットを形成する第2の厚さを画定している。
【0007】
フランジ部分は、環が第1の端面から第2の端面まで均質な材料特性を有するように、シート部分と一緒に形成されれば望ましい。弁スリーブは、単一構造を有していて、更に、エラストマー材料から形成されることができれば更に望ましい。
【0008】
弁スリーブの別の望ましい実施形態では、スリーブは、第1の端部分及び第1の端部分から軸方向に間隔を空けて配置された第2の端部分を有する壁を含んでおり、壁は、第1の端部分から第2の端部分まで均質な材料特性を有している。壁は、第1の支持部材の少なくとも一部を包み込む第1の室を画定する第1の部分及び第2の支持部材の少なくとも一部を包み込む第2の室を画定する第2の部分を含んでいれば望ましい。壁は、第2の部分から第1の部分まで軸方向に伸張する第3の室を画定すれば更に望ましい。第1及び第2の室は、第3の室の少なくとも一部と交差すれば望ましい。別の望ましい実施形態では、スリーブは、更に、室の中に配置されるピンプラグを含んでいる。
【0009】
弁アッセンブリの望ましい実施形態は、凹部及びフランジ面を有するハウジング及び凹部の中に配置される弁スリーブを含んでいる。スリーブは、中心軸の周囲の通路を画定する、外面及び内面を有する環を含んでいれば望ましく、外面及び内面は、壁を画定するように互いに半径方向に間隔を空けて配置されている。壁は、第1の端部分及び第1の端部分から軸方向に間隔を空けて配置された第2の端部分と、第1の端部分から第2の端部分まで均質な材料特性と、を有している。第1の端部分は、凹部の環を支持するリップを画定していて、第1の支持部材の少なくとも一部を包み込む第1の室を更に画定していれば望ましい。第2の端部分は、フランジと係合する外面に沿ってフランジ部分を画定していて、第2の支持部材の少なくとも一部を包み込む第2の室を更に画定していれば望ましい。
【0010】
別の望ましい実施形態は、弁スリーブを形成する方法を提供している。方法は、第1の支持体を金型室の中の部材の周囲に配置することと、第2の支持体を第1の支持体から軸方向に間隔を空けて及び部材の周囲に配置することと、単一構造の本体を形成するために第1の支持体の少なくとも一部及び第2の支持体の少なくとも一部をエラストマー材料の中に包み込むことと、によって達成され得る。第1の支持体を部材の周囲に配置することは、環状プレートを部材の周囲に配置することを含んでいれば望ましく、プレートは、中心軸に対して半径方向に伸張している。更に、エラストマー材料を導入することは、材料の射出成型を含んでいれば望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】弁スリーブを有する弁の平面図である。
【図2】弁スリーブを有する弁の側面図である。
【図3】弁スリーブを有する弁の断面図である。
【図4】弁スリーブを有する弁の断面図である。
【図5】弁スリーブの例示的な実施形態である。
【図5A】図5の弁スリーブの断面図である。
【図5B】図5の弁スリーブの断面詳細図である。
【図5C】弁スリーブと共に使用するためのピンプラグの例示的な実施形態である。
【図5D】図5Cのピンプラグの平面図である。
【図6】別の弁スリーブの例示的な実施形態である。
【図6A】図5の弁スリーブの断面図である。
【図6B】図5の弁スリーブの断面詳細図である。
【図7】弁スリーブの中で使用するための例示的な支持リングである。
【図8】弁スリーブの中で使用するためのリングプレートの例示的な実施形態である。
【図9】弁スリーブを形成する金型の例示的な実施形態である。
【図9A】図9の金型の断面図である。
【図9B】図9の金型の断面詳細図である。
【図10】本発明の実施形態による弁スリーブの代替的な実施形態の斜視図である。
【図10A】本発明の実施形態による図10に示されるスリーブの断面図を図解している。
【図10B】本発明の実施形態による(図10Aの断面Bとして特定される)詳細断面図を図解している。
【図10C】本発明の実施形態による弁スリーブの背面平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成している添付図面は、本発明の代表的な実施形態を図解しており、先に提示した概要及びこれより後に提示する詳細説明と併せて、本発明の特徴を説明することに役立つ。望ましい実施例は、添付する特許請求の範囲の中で列挙されるような本発明の実施例であることを理解されたい。
【0013】
図1から図4で示すように、本明細書において下文で説明する新規な弁スリーブと共に使用するための例示的な弁10が提供されている。弁10は、管路又は他の適切な流体管の中へ同軸上に挿入されるように作られるハウジング12を含んでいる。ハウジング12は、弁10を通る材料の流れのための、その中を通る管路と軸方向に揃えられ得る管接続口又は通路14を含んでいる。図2で示されるように、弁10は、各々が軸方向に伸張する開口部を画定している内面を有する2つの同様に対向する二等分部分によって作られていれば望ましい。各ハウジングの二等分部分の開口部は、更に、弁10を密封するために、本明細書に記載の新規の弁スリーブを含む弁スリーブ20を着座させる又は受けるためにスリーブ凹部を備えているように構成されれば望ましい。弁10の代表的な実施形態は、米国特許第3,945,604号、第4,257,447号、第4,688,597号、第4,895,181号、第5,271,426号、第5,890,700号及び第5,370,149号に表示及び記載されており、当該特許をそれぞれ添付書類AからGとして本明細書に添付し、更に、当該特許が、弁スリーブを受けるように構成された弁を開示する範囲において、その全体を参考文献としてここに引用する。互いに接触して隣接するハウジング12の2つの二等分部分に関して、図3に見られるように、開口部は、対向する弁スリーブ20の端面が弁の通路14を画定及び密封するために互いに接触するように軸方向に揃えられている。弁スリーブ20は、シート部分26に対して遠位方向に伸張し、リップ部分21を有するシート端面22を備えていて終端するフランジ部分24を有していれば望ましい。リップ部分21は、弁ハウジング12のスリーブ凹部のシート部分26に適合する及び当該シート部分を固定するように構成されたリッジ23を含んでいる場合がある。組み立てられた弁ハウジング12の二等分部分は、材料が中を通って流れることができる通路14の周囲に密封を形成するべく着座した弁スリーブ20のリップ21が互いに係合するように共に連結されている。通路14は、実質的に円形断面を画定していれば望ましいが、開口部が、本明細書の下文でより詳細に説明されるように弁10を密封するために弁スリーブ20を適正に着座させることができるのであれば、例えば正方形、楕円形又は多角形などの他の幾何学形状でも可能である。
【0014】
ハウジング12と連結されていれば望ましいのは、通路14の中を通る材料の流れを制御するためのゲート16である。ゲート16は、弁10を通る材料の流れを許容する通路14から離れて配置された開放位置及びその中を通る材料の流れを禁ずるために通路14の内部に配置された及び当該通路14の軸方向に対して直角に配置された閉鎖位置を有している。開放位置から閉鎖位置まで移動する間、ゲート16は、2つの弁スリーブ20の間で平行移動するように構成されている。図3及び図4に示されるように、ゲート16は、開放位置から部分的な閉鎖位置まで動いている。ゲート16が、閉鎖位置へ平行移動する時、ゲート16は、弁10の周囲の密封を維持するためにゲート16のそれぞれの側部に位置付けられたそれぞれの弁スリーブ20の端面22と係合する。ゲート16は、通路14の中及び外の往復運動のために取り付けられれば望ましい。ゲート16のより低い縁は、対向する弁スリーブ20のシート端面22に位置付けられる係合されたリップ21の分離を容易にするために、示されるような比較的鋭い直線ナイフ縁を提供するように先細になっていれば望ましい。開放及び閉鎖位置の間でゲート16を動かすために、ゲート16は、空気圧又は油圧シリンダ及びピストンロッド装置の様式であれば望ましい、アクチュエータ(図示せず)を更に含んでいる。或いは、アクチュエータは、更に手回し車又は要求される直線運動をゲート16に提供するように構成された電動式モータードライブであってもよい。
【0015】
弁スリーブ20のフランジ部分24は、ハウジング12の中で弁スリーブ20を支持するように構成されている。フランジ部分24は、ハウジング12のフランジ面の凹部の中に着座することによって、図1の例示的な実施形態に示されるように、ハウジング12のフランジ面18と係合している。フランジ部分24は、更に、配管要素、例えば弁10と連結されたパイプのフランジ面と係合するように構成されている。
【0016】
発明者は、新しい又は既存の弁10と共に使用するためのワンピース弁スリーブ20’を提供するために、フランジ部分24’及びシート部分26’を単一構造に組み込んだ、図5に示されるような新しい弁スリーブ20’を発見した。弁スリーブ20’は、シート部分26’がゲート16によって加えられる応力に対して弾力的に弾性を有することができるようにする、及び更に、フランジ部分24’がフランジボルト又は弁10をパイプアッセンブリの中で保持する他の連結装置によって与えられる圧縮力に対して弾性を有することができる、エラストマー材料でできていれば望ましい。
【0017】
弁スリーブ20’は、標準的には、弁ハウジング12と係合するための外面28’及び中心軸A−Aをその中に有する通路14’を画定する内面30’を有する環又は他のリングの形状をした本体である。フランジ部分24’に沿う外面28’は、中心軸A−Aに対してシート部分26’に沿う外面28’によって画定される半径方向距離より大きければ望ましい、中心軸A−Aからの半径方向距離を画定している。図5Aで示しているのは、スリーブ20’の断面図である。外面及び内面28’、30’は、弁スリーブ20’の本体を形成するために、半径方向に間隔を空けて配置され且つ通路14’の中心軸A−Aの周囲で囲まれれば望ましい環状壁32’を画定している。スリーブ20’は、単一構造でできていれば望ましいので、壁32’は、図5Bでより詳細に示されるように、フランジ端面19’を有しているフランジ部分24’を含む近位第1端部分を有している。壁32’は、シート部分26’に向かって軸方向に伸張しており、シート端面22’を備えた遠位第2端部分で終端している。スリーブ20’は、単一構造であるので、壁32’は、フランジ端面19’からシート端面22’まで伸張する均質な材料特性を有していれば望ましい。
【0018】
壁32’のシート部分26’に沿う外面28’は、既存の弁10の中へ挿入可能であるように、先に記載したような既知の弁スリーブのシート部分26の外面と実質的に同様に構成されていれば望ましい。より具体的には、シート部分26’は、弁スリーブをハウジング12のスリーブ凹部の中に固定するため及び更に対向する弁スリーブ又はゲート16のどちらかとの密封係合を容易にするために弁ハウジング12の中の内部溝と係合する弁スリーブの端部のリップ部分21’を含んでいれば望ましい。リップ部分21は、シート部分26’に沿って配置された係止ビード又はリッジ23’を含んでいれば望ましい。リッジ23’は、弁スリーブ20’の全体軸長Lの凡そ中間点に、より厳密には、フランジ端面19’から測定されたLの約53%に位置付けられていれば望ましい。リッジ23’は、シート部分26に沿って壁32’の半径方向の最外部分を画定し且つ弁スリーブ20’をその中に支持するためにハウジング12の中の凹部と係合するように構成されれば更に望ましい。リッジ23’は、弁10がパイプアッセンブリに設置されない時、スリーブ20’がハウジング12から落下することを防止するような構成にすることができる。リッジ23’は、更に、弁スリーブ20’とハウジング12との間で移動する可能性のあるスラリー又は他の材料の集合を抑制することができる。
【0019】
リッジ23’の遠位部分であるリップ部分21’は、中心軸A−Aに向かって半径方向で先細になっている。半径方向の先細部は、第1の先細部分25’及び第2の先細部分27’を有していれば望ましい。第1の先細部分25’は、通路14’の中心軸に対して平行な線に対して第1の角度αを画定しており、第2の先細部分27’は、通路14’の中心軸に対して垂直な角度に対して第2の角度βを画定している。第1の角度αは、約5度(5°)から約15度(15°)であれば望ましく、約10度(10°)であればより望ましい。第2の角度βは、約15度(15°)から約25度(25°)であれば望ましく、約21から23度(21°から23°)であればより望ましい。
【0020】
外面28’は、更にリップ部分21’を画定するために壁32’の内面30’と共に連続的な遷移を画定していれば望ましい。より厳密には、第2先細部分27’は、内面30’の第1の曲線状部分34’に続いている。曲線状部分34’は、弁10の対向するスリーブ20’のリップ部分21’又は流れ制御ゲート16のどちらかと係合する曲線状の面を画定するために、通路14’に対して凸形であれば望ましい。凸曲線状部分は、約3.81ミリメートル(0.15インチ)から約6.35ミリメートル(0.25インチ)までの範囲の、約4.826ミリメートル(0.19インチ)であればより望ましい、曲率半径を画定している。
【0021】
弁スリーブ20’の望ましい実施形態では、弁スリーブ20’を通る材料の貫流を容易にし、更に乱流及び/又は材料の層成を回避することができる面を画定するために、内面30’は、軸方向に曲線状部分34’に続く追加の曲線状部分を含み得る。内面30’は、内面30’ に沿って溝を画定するために、第1の曲線状面34’と直列に続く第2の曲線状面36’及び第3の曲線状面38’含んでいれば望ましい。曲線状面は、材料の貫流を容易にする曲率半径を備えた、通路14’に対する凹形又は凸形として構成され得る。第2の曲線状面36’は、凹形であり、約1.905ミリメートル(0.75インチ)から約3.175ミリメートル(1.25インチ)の曲率半径を画定していれば望ましく、約2.54ミリメートル(1インチ)であればより望ましい。第3の曲線状面38’は、凹形であり、約6.35ミリメートル(0.25インチ)から約1.27ミリメートル(0.5インチ)の、約9.525ミリメートル(0.375インチ)であればより望ましい、曲率半径を画定している。連続的な曲線状面36’、38’は、内面30’ に沿って、シート部分26’ の周辺で円周状であれば望ましい、半径方向溝を画定しており、当該溝は、通路14’を貫通する材料の流れを容易にし、スリーブ20’の中で材料の層成を最小に抑える。
【0022】
弁スリーブ20”の代替的な実施形態では、図6、図6A及び図6Bに示されるように、内面30”は、内面30” に沿って代替的な溝を画定するように、第1の曲線状面34と直列に続く第2の曲線状面36”、第3の曲線状面38”及び第4の曲線状面40”を含み得る。第2の曲線状面36”は、凸形であり、約7.62ミリメートル(0.30インチ)から約1.143ミリメートル(0.45インチ)の曲率半径を画定していれば望ましく、約9.525ミリメートル(0.375インチ)であればより望ましい。第3の曲線状面38”は、凹形であり、約1.5875ミリメートル(0.625インチ)から約1.778ミリメートル(0.7インチ)の、約1.62814ミリメートル(0.641インチ)であればより望ましい、曲率半径を画定している。第3の曲線状面38”がスリーブ20”の反跳効果を促進することができるという理由から、第3の曲線状面38”の望ましい曲率半径は、ゲート16のサイクルの間、弁10からのパージを減らすことができることを発明者は発見した。第4の曲線状面40”は、凸形であり、約7.62ミリメートル(0.30インチ)から約1.143ミリメートル(0.45インチ)の、約9.525ミリメートル(0.375インチ)であればより望ましい、曲率半径を画定している。連続的な曲線状面36”、38”及び40”は、内面30’ に沿って、シート部分26”の周辺で円周状であれば望ましい、半径方向溝を画定しており、当該溝は、通路14’を貫通する材料の流れを容易にし、スリーブ20”の中で材料の層成を最小に抑える。
【0023】
壁32’の外面及び内面28’、30’は、通路14’の中心軸A−Aの周囲で囲まれた一定の側面を画定していれば望ましい。円周方向で一定の側面は、弁スリーブ20’をスリーブ20’の半径方向の配向性に関して配慮せずに弁ハウジング12の中へ挿入することを可能にする。或いは、外面28’又は内面30’のどちらかは、通路14’の中心軸の周囲で部分的に囲まれる第1の側面及び通路14’の残りの部分で囲まれる、第1とは異なる第2の側面を画定してもよい。例えば、内面の曲線状面36’、38’は、内面30’ に沿って実質的な半円周溝を画定するように中心軸A−Aの周囲で約180°に亘って囲まれてもよい。
【0024】
内面30’の側面が、通路14’の中心軸A−Aの周囲で囲まれた1つ又はそれ以上の曲線状の面を含む所では、通路14’の直径は、中心軸に沿った方向で変化し得る。内面30’によって画定される1つ又はそれ以上の直径は、弁10’の公称弁寸法を画定している。例えば、内面30’が、約14.605センチメートル(5.75インチ)の間に内部溝を備えている約15.24センチメートル(6インチ)のフランジ端面19’の入力直径及びシート端面22’の約15.24センチメートル(6インチ)の出力直径を画定する所では、弁スリーブ20’及び弁10の公称寸法は、15.24センチメートル(6インチ)である。
【0025】
壁32’の外面及び内面28’、30’の間に位置付けられるのは、例えば図5Bに示されるような室33’である。室33’は、シート部分26’の中に位置付けられ、リップ部分21’の中に位置付けられれば望ましく、リッジ23’の遠位に位置付けられればより望ましい。更に、室33’は、半径方向で、内面30’より外面28’により近接している。寸法Tが外面28’及び内面30’の間の半径方向距離である所では、室33’及び外面28’の間の半径方向間隔tは、弁スリーブ20’の全ての公称寸法に関して厚さTの約11.5%であることが分かっている。更に、フランジ端面19’からシート端面22’の間の軸方向距離が長さLである所では、フランジ端面19’から室33’の断面区域の中心点の周囲までの軸方向距離xは、長さLの約65%である。
【0026】
室33’は、例えば、ゲート16が開及び閉位置の間にある時にゲート16によって弁スリーブ20’に与えられる剪断力に対する半径方向の抵抗を提供するために、支持体又は補強要素をシート部分26’の中に収納するように構成されている、又は包み込むように構成されておればより望ましい。室33’は、管状リング形状支持体を収納する実質的に円形断面を有するリングを画定するように、通路14’の中心軸A−Aの周囲で途切れていなければ望ましい。或いは、室33’は、対応する形状の支持体を収納する、平面図において及び/又は断面として例えば長方形又は他の多角形のような、任意の他の幾何学形状であり得る。更に、代替案では、複数の室は、複数の補強要素を個別に収納するためにシート部分26’の中で通路14’の中心軸A−Aの周囲で半径方向に配置され得る。
【0027】
室33’は、図7に示される、補強リング100を包み込むために実質的にリング形状になっていれば望ましい。補強リング100は、軟鋼からできていれば望ましいが、十分な半径方向強さを証明されたリングであれば、他の鋼鉄、合金及び又は合成物を使用することもできる。室33’の場所は、リング100の場所を決定づけている。補強リング100の特定の構造及び位置は、2つの主要な利点、即ち(1)リング100は、リッジ23を半径方向に支持し、柔軟なスリーブ材料がサイクルの間、ゲート16に追従することを回避すること、及び(2)補強リング100は、弁ハウジング12の中に設置された対向するスリーブ20’の位置を揃えることを容易にすること、をもたらす。弁10のゲート16が下向きに動いて閉位置に移動する間、補強リング100は、圧縮性のスリーブ材料によって相対的に取り囲まれているリングの位置のおかげで、プレートの先細の下側ナイフ縁がより容易にリップを分離させるために対向する弁スリーブ20’のリップ21’間の密封圧縮の幾らかを軽減するように支点として若干機能する。その際、スリーブは、ゲートを取り囲む空間の中へ移動し、この動作は、スリーブ材料をリップ21の区域から引き戻す。これは、次にシート端面22’間で摺動自在に誘導される下向きに動くゲートと対向するリップ21’との間の摩擦を減らす。このようにして、補強リング100は、対向するスリーブ20’とゲート16との間に良好に滑らかに軽減された摩擦滑動接触を提供する。
【0028】
壁32’の外面及び内面28’、30’は、フランジ端面19’から始まっている。フランジ端面19’は、配管アッセンブリの別の配管要素のフランジ面と係合するために中心軸A−Aに対して実質的に垂直であれば望ましい。図5Bを再び参照すると、フランジ端面19’は、中心通路14’への開口部を画定する外周15’及び内周13’を含んでいる。フランジ面19’は、内周及び外周13’、15’が実質的に円形であり、それぞれが、通路14’の中心軸と共線的な中心点を備えた内径ID及び外径ODを画定している状態で、環状又はリング形状の平面を画定していれば望ましい。或いは、内周及び外周13’、15’は、フランジ端面19’が弁ハウジング12のフランジ面と係合することができ、材料が弁スリーブ20の通路14’を通って流れることができるのであれば、例えば長方形又は多角形などの任意の幾何学形状であり得る。
【0029】
外面及び内面28’、30’は、フランジ部分24’を画定するためにフランジ端面19’から軸方向に伸張している。フランジ部分24’に沿う外面28’は、第1の棚42’を画定すれば望ましく、第2の棚44’を画定すればより望ましい。第1の棚42’は、弁スリーブ20’の単一構造になったフランジ部分24’からシート部分26’までの遷移を画定しており、ハウジング12のフランジ面の凹部又は他の面と係合するフランジ部分24’の軸方向厚さを更に画定している。
【0030】
第2の棚44’は、第1の棚42によって画定される軸方向厚さとは異なっていて、より小さければ望ましいフランジ部分24’の軸方向厚さを画定している。第2の棚44’は、フランジ部分24’のガスケット部分11’を更に画定するように、第1の棚部分の周囲で囲まれれば望ましい。ガスケット部分11’は、適切な密封を配管アッセンブリの弁10に提供し、それによって別個のガスケット材料の必要性を無くすような軸方向の厚さでできていれば望ましい。従って、ガスケット部分11’は、フランジ部分24’がハウジング12のボルト穴パターンに半径方向で揃えられ得るように構成されれば望ましい。このような次第で、ガスケット部分11’は、ハウジング12のボルト穴パターンを透写するために図5に示されるような、1つ又はそれ以上の放射状に配置されたスカラップ又は孔隙17’を含んでいれば望ましい。ガスケット部分11’は、弁10及び隣接する配管要素との間に密封を提供することができるので、別個のガスケット要素の必要性を無くしている。その上、ガスケット部分11’は、弁が連結されるべきパイプ寸法とは無関係であるように構成され得る。発明者は、配管アッセンブリの弁10及びスリーブ20’の5,000サイクルテストで、完全な密封は、フランジボルトに最低でも47.45Nmから54.23Nm(35ft−lbから40ft−lb)のトルクを加圧した時に達成されることを発見した。支持円板を備えたツーピーススリーブ設計を採用した既知のスリーブは、適切な密封を作り出すために135.58Nmから162.70Nm(100ft−lbから120ft−lb)と同等のトルクを必要とする可能性がある。
【0031】
弁10が別の要素と連結される時、弁スリーブ20’のフランジ部分24’の過圧縮に耐えるためにフランジ部分24’は、例えば図5Bに示されるように、別の室46’を画定するように構成されている。室46’は、壁32’の中で完全に密閉されるように、内面30’及び外面28’の間に配置されれば望ましい。弁スリーブ20’が設置される時、室46’をハウジング12のフランジ面18の凹部の中に位置付けるように、室46’は、第1の棚42’に隣接して位置付けられればより望ましい。室46’は、室46’が完全にスリーブ20’のフランジ部分24’の中に位置付けられるように、第1の棚44’に近接する点まで軸方向に伸張していれば望ましい。
【0032】
室46’は、軸方向支持及び/又は例えば弁10を配管アッセンブリと連結するフランジボルトによって与えられる圧縮力などに対する圧縮抵抗を提供する補強要素を提供するために、支持体をフランジ部分24’の中に収納するように構成されている、又は包み込むように構成されていればより望ましい。室46’は、リング形状支持体を収納するためのリングを画定するように、通路14’の中心軸の周囲で途切れていなければ望ましい。或いは、室46’は、相当する形状の支持体を収納するために、例えば長方形又は他の多角形のような、任意の他の幾何学形状であり得る。更に、代替案では、中心軸の周囲に且つフランジ部分24’の中で半径方向に配置される複数の室は、複数の補強要素を収納するために提供され得る。
【0033】
室46’は、図8に示されるように、リング形状支持体又はプレート200を包み込む長方形断面を有する実質的なリング形状になっていれば望ましい。プレート200は、プレート200が弁スリーブ20’の室46’の中で完全に収納されるように、各々が望ましい寸法を有する内径及び外径を画定している。弁スリーブ20’が公称15.24センチメートル(6インチ)弁用に構成される1つの実施例では、望ましいプレート200は、約20.32センチメートル(8インチ)の外径、16.002センチメートル(6.3インチ)であればより望ましい約15.24センチメートル(6インチ)の内径及び約4.8ミリメートル(3/16インチ)の均一の厚さを有している。プレート100は、例えばHRMS ASTM36、ステンレス又は他の適する鋼鉄のような鋼鉄でできていれば望ましい。或いは、プレート100は、圧縮強度及び軸方向支持を弁スリーブ20’のフランジ部分24’に提供することができる任意の他の材料でできていてもよい。
【0034】
再び図5を参照すると、弁スリーブ20’のフランジ端面19’は、中心軸から半径方向に間隔を空けて配置された1つ又はそれ以上の開口部50’を含み得る。開口部50’は、実質的に円形であれば望ましいが、例えば長方形又は他の多角形形状のような他の幾何学形状でも可能である。図5Bに示されるように、壁32’は、外面及び内面28’の間で且つ開口部50’と連通するように配置された少なくとも1つの軸方向に伸張する第3の室52’を更に画定している。第3の室52’は、中心軸A−Aと平行で且つ半径方向に間隔を空けて配置されれば望ましい中心軸に沿って円形断面区域を有する実質的に円筒形であれば望ましい。室52’は、フランジ端面19’から遠位方向に伸張しており、フランジ部分24’からシート部分26’の中へ伸張しており、シート端面22’の近くで終端していれば望ましい。第1及び第2の室、33’、46’が通路14の中心軸A−Aを途切れずに囲む所では、第3の室52’は、第1及び第2の室33’、46’と連通していれば望ましい。
【0035】
弁スリーブ20’は、各々が中心軸A−Aの周囲に放射状に均等に配置された1つの開口部50’を有する複数の室52’を含み得る。例えば、図6に示されるように、スリーブ20”は、約22.5°ずつ間隔を空けて配置された16個の室52”を有していてもよく、或いはスリーブ20’は、図5に示されるように、各々が約90°ずつ間隔を空けて配置された4つの室52’を有していてもよい。室の数は、室52’を画定する縁の周囲でスリーブ20’の応力集中を最小に抑えるために最小に抑えられれば望ましい。既知の弁と同様に、室52’の数は、弁の公称寸法によって変化してもよい。或いは、室52’の全容積とスリーブ20’の全容積との間の関係は、弁寸法には関係なく提供され得る。
【0036】
ピンプラグ60は、例えば図5Cに示されるように、追加的な支持をスリーブ20’へ提供し、更に如何なる応力集中の存在又は影響も最小に抑える目的で室52’の1つ又はそれ以上の中へ挿入するために提供され得る。全ての室52’は、ピンプラグ60で実質的に充填されればより望ましい。ピンプラグ60は、フランジ端面19’の開口部50’の断面区域を実質的に充填するような寸法になったベース端部61’を有する円筒形の軸方向に伸張する部材であれば望ましい。ピンプラグ60は、室52’の中でピンプラグ60を位置決めする挿入端部62を更に含んでいる。挿入端部62は、ピンプラグ60がベース端部61から軸方向に狭くなって先細になるような寸法であれば望ましい。更に、挿入端部62は、ピン60が実質的に室52’を充填するようにベース端部61から軸方向に間隔を空けて配置されれば望ましい。ピン60は、壁32’の第1の室33’の中へ軸方向に伸張していなければ望ましい。挿入端部62は、軸方向に伸張し、室52を完全に充填し、その上第1の室33’と交差することを避けるように延長部63を更に含み得る。延長部63は、第1の室33’と壁32’の間に位置付けられる室52’の一部を実質的に充填し、それによって室33’の骨組みとなるように、図5Dに示されるように、半円断面を画定していれば望ましい。ピン60は、ゴム材料でできていれば望ましく、更に、弁本体20’の壁32’と実質的に同様の材料でできていてもよい。従って、ピン60は、壁32’と実質的に同様のデュロメータであれば望ましい、又は代替的には壁32’より硬質又は軟質であってもよい。更に代替品では、ピン60’は、プラスチック、弾性独立気泡フォーム又はピン60に成形されることができ、更にスリーブ20を支持することができる任意の他の材料から作られてもよい。
【0037】
述べたように、弁スリーブ20’は、弁ハウジング12の中へ挿入するために単一の又はワンピース構造でできている。弁スリーブ20’は、トランスファ成形又は圧縮成形を含む成型工程によって作られれば望ましく、射出成型を含んでいればより望ましい。弁スリーブ20’を形成するために、補強要素リング100及びプレート200は、金型300の中に位置付けられ、エラストマー材料がその中へ導入される。材料は硬化することを許され、弁スリーブ20’を形成することになる。
【0038】
図9で示されるのは、弁スリーブ20を形成する金型300の平面図である。金型300は、図9Aの断面に示されるように、中心軸を有する室302と、中心軸に沿って室302を通って軸方向に伸張する中心又はコア部材304と、トランスファ成形又は圧縮成形を手段として、射出成型を手段とすればより望ましいが、弁スリーブ本体20’を形成するために弾性材料を室302の中へ導入するために室302と連通する少なくとも1つの入力管接続口305と、を画定する内面を含んでいる。金型300の内面は、円筒形であれば望ましく、中心部材304も、室302が実質的に環状又はリング形状であるように円筒形であれば望ましい。金型300の内面及び中心部材304は、弁スリーブ形成の間、弁スリーブ20’の外面30’及び内面28’をそれぞれ画定するように形成されている。より具体的には、金型300の内面及び中心部材304は、上述のように、弁スリーブ20’のフランジ部分24’及びシート部分26’の外面及び内面を画定するように形成されている。図9Bに示されるように、室302を画定する金型300の内面は、スリーブ20’の壁32’の輪郭を描いている。
【0039】
金型300’は、金型300の内面を形成し、室302を画定するように、まとめて軸方向に連結され、中心軸に沿って中心に揃えられた底プレート306、中心プレート308及び最上プレート310を含んでいれば望ましい。中心部材304は、金型300と連結され、室302の中へ導入され得るが、或いは底プレート306に形成された中心凹部と係合し得ればより望ましい。
【0040】
弁スリーブ20’を形成するために、補強要素又は支持体は、エラストマ―材料による封入に先立って室302の中に位置付けられる。より具体的には、リング100は、シート部分26’を形成するための室302の一部分の中に配置され、リングプレート200は、フランジ部分24’を形成するための室302の一部分の中に配置される。リング100及びリングプレート200を室302の中に位置付けるために、金型300は、中心部材304の周囲に放射状に配置される1つ又はそれ以上の位置決めピン312を含んでいる。十分な数の位置決めピン312が、中心部材304を囲むように中心部材304の周囲に放射状に配置されていれば望ましい。ベースプレート314は、位置決めピン312がベースプレート306のピンホールに揃えられ、その中を通して挿入されて中心部材304の周囲で円周方向に位置付けられるように、底プレート306と係合する。
【0041】
位置決めピン312は、それぞれが中心部材304と軸方向に平行に伸張する実質的に円筒形部材であれば望ましい。位置決めピン312は、リングプレート304を弁スリーブ20’のフランジ部分24’を形作る室302の一部分の中で軸方向に及び半径方向に位置付けるように、リングプレート304と係合するような寸法及び構成になっている。図8を参照すると、リングプレート200は、1つ又はそれ以上の孔隙210を画定すれば望ましい。孔隙210は、位置決めピン312と相応して係合するために実質的に円形になっている。位置決めピン312及び孔隙210は、プレート200及び位置決めピン312が互いに係合するのであれば、任意の幾何学形状を画定してもよい。スリーブ20’を形成する間、リングプレート200は、任意の利用できる位置決めピン312が利用可能な孔隙210を通って挿入されるように、1つ又はそれ以上の利用できる位置決めピン312で揃えられる。位置決めピン312が金型の中心部材304を囲んでいれば望ましいので、リングプレート200は、適宜、中心に置かれ、中心部材304を囲む。
【0042】
位置決めピン312は、中心部材304の周囲で且つ弁スリーブ20’のシート部分の中でリング100を放射状に位置付けるように構成されれば更に望ましい。図9Bに示されるように、位置決めピン312は、弁スリーブ20’のシート部分26’を形成する室302の中に位置付けられる切り込み313を1つの端部に含めば望ましい。切り込み313は、金型300の中心軸に平行な垂直面と、中心軸に垂直な水平面と、を有する直角を形成すれば望ましい。弁スリーブ20’を形成する間、リング100は、位置決めピン312の上に配置される。リング100は、切り込み313の垂直面及び水平面と係合し、それによってリング100を中心部材304に揃え、中心部材304の周囲でリング100を囲むことになるような寸法及び構成になっている。
【0043】
金型300は、リング100及びリンプレート200をそれぞれシート部分26’及びフランジ部分24’の中で更に適正に軸方向に揃えるように構成されれば望ましい。リング100及びリングプレート200の適正な軸方向の位置決めを容易にするため、ベースプレート314は、底プレート306と係合するばね(図示せず)を含んでいれば望ましい。ばねは、成型工程の間、金型300の残りの部分に対する位置決めピン312の軸方向のずれを許容する。弁スリーブ20’を射出成型する望ましい方法では、組み立て金型300は、室302に位置付けられたリング100及びリングプレート200を備えていて、先に説明したように、ベースプレート314のばねを圧縮し、室302に対して位置決めピン312を軸方向に平行移動させるプレス機の中に設置される。エラストマー材料を金型300の中へ導入すると、リング100及びリングプレート200が弁スリーブ20’のシート部分26’及びフランジ部分24’にそれぞれ適正に包み込まれるように、位置決めピン312の軸方向の平行移動は、室302の中でリング100及びリングプレート200を軸方向に適正に位置付ける。
【0044】
弁スリーブ20’は、リング100及びリングプレート200の両方が、エラストマー材料に完全に包み込まれるように形成される。金型300の入力管接続口305は、エラストマー材料が金型300の中へ放射状に均等に注入されるように最上プレート310に位置付けられれば望ましい。より具体的には、入力管接続口305は、エラストマー材料が中心部材304の周囲で実質的に360°に均等に分配されるように、金型300の中心軸に揃えられれば望ましい。
【0045】
支持体部材100、200の包み込みを容易にするために、リング100及びリングプレートは、金型全体に亘ってエラストマー材料を分配するように構成され得る。例えば、再び図8を参照すると、リングプレート200は、ピン係合孔隙210の間に配置される1つ又はそれ以上の孔隙212を含み得る。孔隙212は、リングプレート200の周囲及び室302全体に亘るエラストマー材料の流れを円滑にする三角形状であれば望ましい。より具体的には、孔隙212は、室302に入るエラストマー材料が導入され、封入し得るリングプレート200に、より大きい表面積を提供している。
【0046】
金型300は、圧縮成形又はトランスファ成型加工用に構成され得るが、発明者は、射出成型工程において金型300を使用すれば、トランスファ成形又は圧縮成形に施すスリーブ成形にかかる時間を90パーセントを超えて低減することができることを発見した。例えば、公称15.24センチメートル(6インチ)弁スリーブ20’を形成するための圧縮成形又はトランスファ成形加工が約45分から約50分かかる所では、同じスリーブ20’は、約4分から5分を必要とするであろう。エラストマー材料を金型300の中へ注入し、更に適切な設定時間の後、弁スリーブ20’は成形され、先に述べたワンピース構造として形成される。成形スリーブ20’は、その後金型から取り外される。位置決めピン312は、エラストマー材料から分離し、それによってフランジ部分24’の開口部50’及び壁32’の中の軸方向に伸張する室52’を画定する。リング100及びリングプレート200は、弁スリーブ20’に完全に封入された状態を保つ。
【0047】
最終加工工程は、弁10で使用される構成部品を準備するために成形された弁スリーブ20’に施される。望ましい注入工程は、スリーブ20’の通路14’にエラストマー材料を残してもよい。余分な材料は、除去されれば望ましく、スリーブ20’の内面30’は、通路14’が、材料が流れやすい滑らかな表面を有するように処理される。材料が成型工程で使用されることができるのであれば、例えば天然ゴムのような任意の適切なエラストマー材料を、弁スリーブを形成するために使用することができる。スリーブを形成することに利用される材料は、弁10が取り入れられるべき環境にうまく適合するように選択されれば望ましい。従って、使用される用途に応じて、スリーブ20’を形成するのに適切なエラストマー材料は、ゴム状物質、EPDM−HTP、ニトリル及びニトリルHTP、ハイパロン及びフルオロエラストマーを、これらに限定されないが、含んでいる。更に、スリーブ20’は、均質な材料から作られれば望ましいので、弁スリーブ20’は、全体に亘って実質的に同じ耐薬品性を有している傾向がある。
【0048】
図10は、フランジ部分424及びシート部分426を有する弁スリーブ400の代替的な実施形態の斜視図を図示している。弁スリーブ400は、新しい又は既存の弁10と共に使用するためにワンピーススリーブを提供するように単一構造を有している。図5で図示されるスリーブと同様に、スリーブ400は、シート部分426がゲート16(図3及び図4で図示)によって加えられる応力に対して弾力的に弾性を有することを可能にし、更にフランジ部分424がフランジボルト又は弁10をパイプアッセンブリの中に保持する他の連結装置によって与えられる圧縮力に対して弾性を有することができるようにするエラストマー材料でできていれば望ましい。弁スリーブ400は、標準的には、弁ハウジング12と係合するための外面428及びその中を通る中心軸A−Aを有する通路414を画定する内面430を有する環又は他のリングの形状をした本体である。フランジ部分424に沿う外面428は、中心軸A−Aに対するシート部分426に沿う外面によって画定される半径方向より大きければ望ましい中心軸A−Aからの半径方向距離を画定している。
【0049】
図10Aは、スリーブ400’の断面図を図示しており、図10Bは、弁スリーブの壁の詳細断面図(図10AにおいてBと特定される)を図示している。外面及び内面428、430は、弁スリーブ400の本体を形成するために通路414の中心軸A−Aの周囲で半径方向に間隔を空けて配置され、その周囲で囲まれれば望ましい環状壁432を画定している。壁432は、均質な材料特性を有しており、壁432がシート部分426まで軸方向に伸張し、シート端面422を備える遠位第2端部分で終端するフランジ端面419を有するフランジ部分424を含んでいる。壁432のシート部分426に沿う外面428は、既存の弁の中へ挿入することができるように構成されれば望ましい。より具体的には、シート部分426は、ハウジング12のスリーブ凹部の中で弁スリーブを固定するために弁ハウジング12の中の内部溝と係合する、弁スリーブの端部にあるリップ部分421を含んでいれば望ましい。リップ部分421は、弁スリーブ400の長さLのほぼ中間点に、より厳密にはフランジ端面419から測定された長さLの約53%に位置すれば望ましい、シート部分426に沿って配置される係止ビード又はリッジ423を含んでいれば望ましい。リッジ423は、シート部分426に沿って壁432の半径方向最外部分を画定しており、弁スリーブ400を支持するためにハウジング12の中で凹部と係合するために構成されている。リッジ423は、弁10がパイプアッセンブリに設置されない時、スリーブ400がハウジング12から落下することを防止するような構成にすることができ、弁スリーブとハウジングとの間で移動する可能性のあるスラリー又は他の材料の集合を抑制することができる。
【0050】
リッジ423から遠位方向の、リップ部分421は、中心軸A−Aに向かって半径方向で先細になっており、第1の先細部分425及び第2の先細又は斜め部分427を有している。第1の先細部分425は、通路414の中心軸に平行な線に対して第1の角度αを画定しており、第2の先細又は斜めの部分427は、通路414の中心軸に垂直な角度に対して第2の角βを画定している。第1の角度αは、約5度(5°)から約15度(15°)であれば望ましく、約10度(10°)であればより望ましい。第2の角度βは、約15度(15°)から約25度(25°)であれば望ましく、約21度(21°)から約23度(23°)であればより望ましい。
【0051】
外面428は、更にリップ部分422を画定するために壁432の内面430と共に連続的な遷移を画定している。特に、斜め部分427は、弁10が開位置にある時、対向するスリーブ400の対応部分と、又は弁10が閉位置にある又は閉じる工程の時、流れ制御ゲート16と、係合する曲線状面を画定するために通路414に対して凸形であれば望ましい、第1の曲線状部分434に続いている。凸曲線状部分422は、約3.81ミリメートル(0.15インチ)から約6.35ミリメートル(0.25インチ)までの範囲の、約4.826ミリメートル(0.19インチ)であればより望ましい、曲率半径を画定している。内面430は、第2の曲線状部分436及び第3の曲線状部分438を含んでいる。内面430は、内面430に沿って溝436’を画定するように、第1の曲線状面434と直列に続く第2の曲線状面436及び第3の曲線状面438を含んでいる。曲線状面は、弁10の寸法に応じて特定の曲率半径を備えて、通路414に対して凹形又は凸形として構成され得る。例えば、第2の曲線状面436は、約3.302ミリメートル(0.130インチ)の曲率半径を備えた凹形であってもよく、第3の曲線状面438は、同じく約3.302ミリメートル(0.130インチ)の曲率半径を備えた凹形であってもよい。曲線状面436、438は、ゲート16が閉位置にある時又はゲート16が閉じる工程の時スリーブ400に対してばねとして働く、内面430に沿って半径方向溝436’を画定している。半径方向溝436’は、例えば約2.7686ミリメートル(0.109インチ)の曲率半径を有していてもよい。見れば分かるように、半径方向溝436’は、図5Bの実施形態について示された曲線状面36’及び38’及び図6Bで示された曲線状面36”及び38”によって形成された半径方向溝と比べてより大きい。特に、ゲート16が第1の曲線状面434を通過する時、ゲート16は、壁432に対して力を加え、x及びy方向に壁432を圧縮する。半径方向溝436’は、スリーブ400の反跳又はばね様効果を提供している。更に、半径方向溝436’が無い場合、ゲート16によって加えられる圧縮力は、スリーブ400が係合されるハウジング12のそれぞれの二等分部分に対して方向xに及び/又は方向yに、壁432及び曲線状面434をゲート16の経路の中へ押し付けるであろう。このようにして、半径方向溝436’は、ゲート16がスリーブ400を通過する時に壁432の一部が押し込まれる空洞又は空間を提供している。
【0052】
図5及び図6に関して開示された実施形態と同様に、室433は、壁432の内面428及び外面430の間に位置付けられている。室433は、シート部分426のリップ部分421の中に位置付けられ、リッジ423の遠位に位置付けられればより望ましい。更に室433は、内面430より外面428に半径方向でより近接している。寸法Tが外面428及び内面430の間の半径方向距離である所では、室433及び外面428の間の半径方向間隔は、弁スリーブ400の全ての公称寸法に関して厚さTの約11.5%であることが分かった。更に、フランジ端面419からシート端面422の間の軸方向距離が長さLである所では、フランジ端面419から室433の断面区域の中心点の周囲までの軸方向距離は、長さLの約65%である。室433は、通路414の中心軸A−Aの周囲で途切れておらず、環状リング形状支持体又は補強要素を収納する実質的に円形断面を有するリング状の室を画定している。この補強要素は、例えば、ゲート16が開及び閉位置の間にある時にゲート16によって弁スリーブ400に与えられる剪断力に対する半径方向の抵抗を提供している。室433は、実質的に円形断面を有しているように説明されているが、他の幾何学形状を取り入れてもよい。図7は、室433の中で収納され得る補強リング100を図示している。図7に関して説明したように、補強リング100は、リッジ423に半径方向支持を提供しており、柔軟なスリーブ材料が開及び閉サイクルの間、ゲート16に追従することを回避している。更に、補強リング100は、弁ハウジング12の中に設置された対向するスリーブ400の位置を揃えることを容易にすることができる。
【0053】
図10Bを参照すると、壁432の内面430及び外面428は、フランジ端面419から始まっている。フランジ端面419は、配管アッセンブリの別の配管要素のフランジ面と係合するために中心軸A−Aに対して実質的に垂直であれば望ましい。フランジ端面419は、内周点が内面430によって画定され、外周が実質的に円形である外面428によって画定され、それぞれが通路414の中心軸と共線的な中心点を備えた内径ID及び外径ODを画定している状態で、環状又はリング形状の平面を画定している。内面430及び外面428は、フランジ部分424を画定するためにフランジ端面419から軸方向に伸張している。フランジ部分424に沿う外面428は、第1の棚442及び第2の棚424aを画定している。第1の棚442は、弁スリーブ400の単一構造になったフランジ部分424からシート部分426までの遷移を画定しており、ハウジング12のフランジ面の凹部又は他の面と係合するフランジ部分424の軸方向厚さを更に画定している。第2の棚424aは、第1の棚424からフランジ面419までの遷移を画定している。第1のOリング451aは、スリーブ400の周辺で円周方向に内面430に向けて位置付けられ、第2のOリングは、スリーブ400の周辺で円周方向に外面428に向けて位置付けられ、そこでは、それぞれのOリングは、ハウジング12との密封を提供している。それらのOリングは、図5Bに示されるガスケット部分11’に取って代わり、弁が配管システムと連結される時には密封を提供するように構成され得る。それらのOリングは、取り入れられるエラストマー材料の寸法及び型に応じて20.34Nm(15ft−lb)ほどの小さいトルクで及び配管アッセンブリのフランジボルト場所では47.45Nmから54.23Nm(35ft−lbから40ft−lb)のトルクで、密封効果を提供している。
【0054】
弁10が工程パイプと連結される時にフランジ部分424の過圧縮に耐えるために、室446は、壁432の中に密閉された補強要素を収納している。特に、室446は、棚442の近くに位置付けられ、室446がスリーブ400のフランジ部分424の中に完全に位置付けられるように、第1の棚に近接する点まで軸方向に伸張している。室446は、図8に示されるプレート200と同様の概ね長方形の断面を有するリング形状支持体を収納するように構成されている。前に述べたとおり、プレートは、補強要素として働いており、軸方向支持及び/又は例えば弁10を工程パイプアッセンブリと連結するフランジボルトによって与えられる圧縮力への抵抗を提供している。室446は、リング形状の補強要素を収納するリング及び/又は複数の補強要素を画定するように通路414の中心軸の周囲で途切れていない。プレート200は、その成型工程の間に機械的結合のためにスリーブ400を提供するように構成された、複数の孔隙210、212を備えて図8で描写されている。一例として、公称15.24センチメートル(6インチ)弁用に構成された弁スリーブ400、プレート200は、約20.32センチメートル(8インチ)の外径、約15.24センチメートル(6インチ)の内径、16.002センチメートル(6.3インチ)であればより望ましいが、約3.429ミリメートル(0.135インチ)の均一の厚さ、を有している。
【0055】
再び図10Bを参照すると、壁432は、外面428と内面430との間に配置され、スリーブ400の周辺の或る点で開口部450と連通する(図10C参照)少なくとも1つの軸方向に伸張する第3の室452を更に画定している。第3の室452は実質的には、中心軸A−Aと平行な中心軸に沿い且つ中心軸A−Aから半径方向に間隔を空けて配置された円形断面区域を有する、円筒形になっている。室452は、フランジ面419から遠位方向に伸張しており、フランジ部分424からシート部分426の中へ伸張して、シート端面422の近くで終端している。第1の室433及び第2の室446が通路414の中心軸A−Aを途切れなく囲んでいる所では、第3の室452は、第1の室433及び第2の室446と連通している。第3の室452は、第1の室433の中に補強リング100を配置するための成型工程の間使用される。特に、第3の室452は、凡そ第1の室433の中心軸に近い点まで斜めの部分427に向かって伸張している延長部分452aを有している。比較すると、図5Bで示される第3の室52’は、第1の室433を超えて伸張している上部分を有している。図10Bで示されるような延長部分452aの縮小された寸法は、図5C及び図5Dで示されるプラグ60のようなプラグが配置されているより小さい室を提供しており、更に第1の室433の中に収納される補強要素のための適切な配置用のアクセスを提供している。図5C及び図5Dで示されるものと同様であるピンプラグは、補強リングがスリーブ400の中に成形された後、室452の中に配置される。ピンプラグ60は、スリーブ400に追加的な支持を提供しており、更に如何なる応力集中の存在又は影響も最小に抑えている。しかしながら、第3の室452の延長部分452aは、図5Bで示される室32’の対応する部分より短いので、プラグ60の延長部分63は、第3の室452の中に配置されたプラグに関しても同様に短いであろう。更に、プラグ60は、延長部分63が第1の室433と交差することを回避しながら、更に第3の室452の中に追加的な支持を提供するように構成されている。その他の点では、図5C及び図5Dで示されるプラグ60のベース端部61及び挿入端部62は、室452の中に挿入するために使用されるプラグと実質的に同じである。
【0056】
図10Cは、スリーブ400の周辺に間隔を空けて配置される1つ又はそれ以上の開口部450を有するフランジ部分424を示している弁スリーブ400の背面平面図である。各開口部450は、実質的に円形であり、室452の中に収納される支持リングを位置付けるための手段を提供するため及び室446の中に支持プレートを位置付けるために円筒形の第3の室452の中へ伸張している。第1のOリング451aは、スリーブ400の周辺で円周方向に伸張しており、第2のOリング451bは、スリーブ400の周辺で円周方向に伸張している。スリーブ400は、成型工程の間室446の中に収納されるプレートを支持するために使用される、スリーブ400の周辺に間隔を空けて配置される孔隙412を更に含んでいる。開口部450及び孔隙412の説明は、図9、図9A及び図9B及びそれに関連付けられた詳細説明に関連して先に記載されている。ピンプラグ60は、追加的な支持をスリーブ400に提供し更に如何なる応力集中の存在又は影響も最小に抑えるように開口部450を経由して室452の1つ又はそれ以上の中へ挿入するために提供されている。ピン60は、ゴム材料及び/又はスリーブ400の壁432と実質的に同様の材料でできていれば望ましい。プラスチック及び同等の材料でできたプラグ60は、弁作動時、スリーブ400の内側をプロセス媒体に曝す時に亀裂を起こしやすいことが分かった。更に、スリーブ20’を形成するための図9で示される金型300は、スリーブ400を形成するために使用される金型とは異なっている。特に、成型工程の間、金型の残りの部分に対して位置決めピンの軸方向のずれを許容する図9の実施形態で使用されるばねは、この代替的な実施形態では使用されていない。
【0057】
本発明は、特定の実施形態を参照しながら開示されてきたが、添付の特許請求の範囲で画定される本発明の分野及び範囲を逸脱することなく記載された実施形態に対して数多くの修正、改変、変更を行うことは可能である。従って、本発明は、記載された実施形態に限定されるように意図されるものではなく、以下の特許請求の範囲の言葉によって画定される全範囲及びその等価物を有するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート弁を密封するスリーブにおいて、
弁ハウジングと係合するように構成されたフランジ部分と、前記弁のゲート部分と係合するように構成された密封部分と、を画定する単一構造の本体であって、前記本体は、中を貫通して軸方向に伸張する通路を画定する概ね円形の形状を有しており、前記本体は、内壁及び外壁を有している本体と、
前記密封部分の周囲に伸張する前記内壁の第1の曲線状面であって、前記第1の曲線状面は、前記弁の前記ゲート部分と係合するように構成されている、第1の曲線状面と、
前記第1の曲線状面に続いている前記内壁の第2の曲線状面であって、前記第2の曲線状面は、前記内壁の周囲に伸張しており、前記第2の曲線状面は、前記本体に対して凹形である、第2の曲線状面と、
前記凹形第2の面によって画定される半径方向溝であって、前記半径方向溝は、前記弁の前記ゲート部分に対して付勢されるばね様力を提供するように構成された半径方向溝と、
前記内面及び前記外面の間の前記本体に封入される少なくとも1つの支持部材であって、前記部材は、前記密封部分を軸方向で実質的に支持するように、前記内面から前記外面まで或る方向で半径方向に伸張する面を有している、少なくとも1つの支持部材と、を備えているスリーブ。
【請求項2】
前記支持部材は、前記本体の中で円周方向に伸張する室の中に収納されている、請求項1に記載のスリーブ。
【請求項3】
前記支持部材は、第1の支持部材であり、前記本体は、前記第1の支持部材から軸方向に間隔を空けて配置される第2の支持部材を含んでいる、請求項2に記載のスリーブ。
【請求項4】
前記室は、第1の室であり、前記第2の支持部材は、前記本体の中で円周方向に伸張する第2の室の中に収納されており、前記第2の支持部材は、前記フランジ部分を支持するように構成されている、請求項3に記載のスリーブ。
【請求項5】
前記第2の室から前記第1の室まで伸張する第3の室を更に備えている、請求項4に記載のスリーブ。
【請求項6】
前記第3の室は、前記密封部分の中で前記通路を途切れずに囲っている、請求項5に記載のスリーブ。
【請求項7】
前記フランジ部分は、前記軸方向に伸張する前記本体の中の前記第3の室と連通する少なくとも1つの開口部を含んでいる、請求項1に記載のスリーブ。
【請求項8】
前記第2の室の中に配置されるピンプラグを更に備えている、請求項4に記載のスリーブ。
【請求項9】
前記第3の室の中に配置されるピンプラグを更に備えている、請求項5に記載のスリーブ。
【請求項10】
前記外壁に向けて前記シート部分に沿って配置されるリップ部分を更に備えており、前記リップ部分は、前記弁の一部との密封係合を提供するように構成される、請求項1に記載のスリーブ。
【請求項11】
前記本体は、エラストマー材料から形成される、請求項1に記載のスリーブ。
【請求項12】
前記本体及び前記ピンは、エラストマー材料から形成される、請求項8に記載のスリーブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【公表番号】特表2012−511679(P2012−511679A)
【公表日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−540799(P2011−540799)
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【国際出願番号】PCT/US2009/066948
【国際公開番号】WO2010/068583
【国際公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(311016499)タイコ、バルブズ、アンド、コントロールズ、リミテッド、パートナーシップ (3)
【氏名又は名称原語表記】TYCO VALVES & CONTROLS LP
【Fターム(参考)】