説明

単一SOAを利用した全光OR論理素子具現装置及び方法

【課題】
単一半導体光増幅器の利得飽和特性を利用した、2.5Gbit/s以上の動作速度を持つ、単純な構造の全光OR論理素子具現装置及び方法の提供。
【解決手段】
入力信号パターンA及びBの論理和A+Bを演算するにあたり、A及びBのパルスパターンをそれぞれ照射信号A及びポンプ信号Bとして単一半導体光増幅器120に反対方向から入射してAB ̄を得て、光結合器132でAB ̄とBとを結合してAB ̄+B=A+Bを得ることによって論理和演算を行う、単一半導体光増幅器120の利得飽和特性を利用した全光OR論理素子具現装置の採用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単一の半導体光増幅器(以降「SOA」と記載)の利得飽和特性を利用した全光OR論理素子具現装置及び方法に関する。さらに詳細には、光コンピュータのような光回路の任意の地点から送信される光信号をポンプ信号及び照射信号として利用して全光論理動作を行う新しい全光OR論理素子を具現する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
最近の傾向を見るとシステムの高速化と大容量化に対する要求は指数関数的に増加している。また、未来の情報通信網の目的は音声信号、停止映像、動画などのマルチメディアサービス提供であるからネットワーク間の情報処理容量が数百Gbit/sから数Tbit/sに増加する。
【0003】
従って大容量のデータを高速で送信、処理及び交換するために全光信号処理技術核心技術が台頭している。特に、複雑な電気−光学変換を避けることができる全光論理動作は、全光信号処理システムの核心技術である。従って、次世代光コンピュータ及び全光信号処理分野で重要な全光論理素子の技術開発が現在活発に行われている。
【0004】
現在まで超高速光情報処理のための全光論理素子は、主に半導体光増幅器(SOA)の非線形特性を利用している。
【0005】
特に、全光OR論理素子は、SOAの非線形利得と屈折率変化を利用する超高速非線形干渉計(ultrafast nonlinear interferometer:UNI)方法[N.S.Patel、K.L.Hall and K.A.Rauschenbach、Opt.Lett.,Vol.21、1466(1996)]、SOAが集積されたマイケルスン干渉計(Michelson interferometer)方法[T.Fjelde、D.Wolfson、A.Kloch、C.Janz、A.Coquelin、I.Guillemot、F.Gaborit、F.Poingt、B.Dagens、and M.Renaud、Electron.Lett.,Vol.36、813(2000)]及びSOAの利得飽和と波長変換特性を同時に利用するXGM(cross gain modulation)方法[ビョン ヤングテ、ジョン ヨンミン、ギム ゼホン、イ ソック、ウ ドックハ、キム ソンホ、ガング グァンナム、“半導体光増幅器を利用した全光OR論理素子の具現装置”、韓国特許登録番号0452617、登録日(2004.10.04)]で具現されている。
【非特許文献1】N.S.Patel、K.L.Hall及びK.A.Rauschenbach、「Optics Letters」, 第21巻、第1466頁(1996年)
【非特許文献2】T.Fjelde、D.Wolfson、A.Kloch、C.Janz、A.Coquelin、I.Guillemot、F.Gaborit、F.Poingt、B.Dagens及びM.Renaud、「Electronics Letters」,第36巻、第813頁(2000年)
【特許文献1】韓国特許登録第0452617号(2004年)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記XGM方法を利用する全光OR論理素子は、照射信号とポンプ信号が二つのSOAを通過する。この時、SOA内で利得飽和時間に比べて利得回復時間(gain recovery time)が遅いからパルス信号の幅が増加して動作速度が2.5Gbit/s以下に制限される。
【0007】
また、上記論理素子は2個のSOAを用いるから論理素子の構造が非常に複雑である。
【0008】
従って、本発明は上記二つの短所を解決するために、単一SOAの利得飽和特性を利用して、2.5Gbit/s以上の動作速度を持つ単純な構造の新しい全光OR論理素子を具現する技術である。
【0009】
また、本発明は、既に発明された全光AND[ギム ゼホン、ギム ビョングチェ、ビョン ヤングテ、ジョン ヨンミン、イ ソック、ウ ドックハ、キム ソンホ、リ ゾンチャン、“半導体光増幅器の利得飽和を利用した全光AND論理素子”韓国特許出願番号10−2003−64638、出願日(2003.09.18)]、全光NAND[ギム ゼホン、ビョン ヤングテ、ジョン ヨンミン、イ ソック、ウ ドックハ、キム ソンホ、ガング グァンナム、“半導体光増幅器を用いた全光NAND論理素子の具現技術”韓国特許出願番号(10−2001−58131)、出願日(2001.09.20)]、全光NOR[ビョン ヤングテ、ギム ゼホン、ジョン ヨンミン、イ ソック、ウ ドックハ、キム ソンホ、リ ゾンチャン、“半導体光増幅器の利得飽和を利用した全光NOR論理素子具現装置及びその方法”韓国特許出願番号10−2003−25361、出願日(2003.04.22)]及び全光XOR[ギム ゼホン、ビョン ヤングテ、ジョン ヨンミン、イ ソック、ウ ドックハ、キム ソンホ、ガング グァンナム“半導体光増幅器を用いた全光XOR論理素子の具現方法”韓国特許登録番号0418654、登録日(2004.02.02)]の各論理素子と等しい動作原理であるXGM方式で10Gbit/s以上で動作できるから光コンピュータや全光信号処理システムの複雑な光回路を具現するのに応用できる技術である。
【0010】
本発明は上記した問題点を解決するために、単一半導体光増幅器(SOA)の利得飽和特性を利用して2.5Gbit/s以上で動作し、構造が簡単な新しい全光OR論理素子を具現するのがその目的である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記した本発明の目的を果たすための技術的思想として、本発明はポンプ信号及び照射信号がすべてパルスパターンである形態を提示する。公知技術である[ビョン ヤングテ、ジョン ヨンミン、ギム ゼホン、イ ソック、ウ ドックハ、キム ソンホ、ガング グァンナム、“半導体光増幅器を用いた全光OR論理素子の具現装置”韓国特許登録番号0452617、登録日(2004.10.04)](以降「引用文献1」と記載)でのポンプ信号はパルス形態であるが、照射信号が連続波信号(continuous wave:cw)であるので、本発明の信号とは明らかな差がある。
【0012】
特に、上記公知技術でポンプ信号がSOAを通過する時、変換された信号のパルス幅が増加する。その結果、全光OR論理動作を得るためにポンプ信号は、二つのSOAを連続に通過するから出力された信号の線幅がポンプ信号のパルス幅より相当に広くなる。従って、公知技術では全光OR論理素子の動作速度が2.5Gbit/s以下に制限されている。
【0013】
このような問題点においては、ポンプ信号及び照射信号がすべて任意のパルスパターンであり、一つのSOAが使われる時、上記動作速度の上記限界が克服される。そして、本発明では一つのSOAが利用されるから全光OR論理素子の構造が簡単になるという長所がある。
【0014】
本発明装置においては、光パルスを生成するための光パルス発生器と、当該光パルス発生器から入力信号パターンAとBを生成するためのモードロック光ファイバレーザ(MLFL)と、当該モードロック光ファイバレーザの出力光を50:50で分離するための第1光分配器と、当該第1光分配器から出力光の時間遅延を得るための第1光遅延手段と、当該第1光分配器から出力光の強さと偏光を調節するための光調節手段と、当該第1光遅延手段及び当該光調節手段からの出力光を結合させて照射信号として入力信号パターンAを発生させる第1光結合器と、当該第1光結合器からの出力光を50:50で分離するための第2光分配器と、当該第2光分配器からの出力光が時間遅延されて入力信号パターンBが発生される第2光遅延手段と、当該入力信号パターンBを50:50で分離するための第3光分配器と、当該第3光分配器で一側の入力信号パターンBをポンプ信号で増幅するためのエルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA)と、当該ポンプ信号と前記照射信号とが反対方向に入射される半導体光増幅器(SOA)と、当該半導体光増幅器からの出力信号と入力信号パターン(B)とを結合する第2光結合器と、当該第2光結合器からの出力光を検出して分析する光信号分析器と、を含むことを特徴とする、単一SOAを利用した全光OR論理素子具現装置を採用する。
【0015】
また、全光OR論理素子具現方法においては、光パルスを2.5GHzで動作し、かつ、波長が1550nmとするモードロック光ファイバレーザ(MLFL)を一旦光分配手段で分岐して並行処理した変調波形を光結合手段で再び10Gbit/sに多重化し、次いで、光分配手段にて分岐する入力信号パターンAを一方で具現し、他方で、当該入力信号パターンAを偏光調節手段と遅延手段を通して100psの時間だけ遅延させた入力信号パターンBをも並行具現し、単一SOAを利用した全光OR論理素子に反対方向から並行入力することによりOR論理値出力信号を得る、ことを順次実行することを特徴とする、単一SOAを利用した全光OR論理素子具現方法を採用する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の技術的特徴は、光コンピュータのような光回路の任意地点で伝送される光信号をポンプ信号及び照射信号として利用して全光論理動作をする論理素子から特に2.5Gbit/s以上の動作速度を持つ、構造が簡単な全光OR論理素子を具現することである。
【0017】
特に、SOAの利得飽和と波長変換特性を同時に利用するXGM(cross gain modulation)方法に具現された既存の全光OR論理素子(引用文献1)において、ポンプ信号(pump signal)と照射信号(probe signal)としては、それぞれパルスパターンと連続波(CW)のレーザ光が利用された。この場合、全光OR論理素子の動作速度は二つのSOAを通過した出力信号のパルス幅がポンプ信号のパルス幅より増加されるから動作速度が2.5Gbit/s以下に制限された。
【0018】
本発明はポンプ信号及び照射信号がすべてパルス形態であり、一つのSOAを利用して全光OR論理素子を具現するから、上記した動作速度の限界が克服され、全光OR論理素子の構造が簡単になるという長所がある。
【0019】
以上のように本発明によると、光コンピュータのような光回路の任意の地点から送信される光信号をポンプ信号と照射信号として利用して全光論理動作を行う論理素子の中から、特に2.5Gbit/s以上の動作速度を持ち、構造が簡単な全光OR論理素子を具現することができる。これは、他の単一全光論理素子(AND、OR、XOR、NOR、NAND)と共に、光コンピュータや全光信号処理システムを構成する時、主な核心技術である。
【0020】
よって、効率的な全光論理素子の集積技術が開発されると、電気信号によらず、光信号のみですべての全光回路及び全光システムの制御が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施最良形態例に対する構成及びその作用を添付した図面を参照して方法例及び装置例を詳細に説明する。
【0022】
(原理説明)
図1は、本発明の原理により、すべてパルス形態である照射信号及びポンプ信号がSOAに入射される時、生ずる利得飽和特性を示した模式図である。
【0023】
図1をよく見ると、本発明の原理は、動作速度を進めるために照射信号とポンプ信号がすべてRZ(return to zero)パターンの信号で作られる。高い光の強さを持つポンプ信号が、SOAに入射されるとSOA内で運搬者枯渇(carrier depletion)現象が生じる。よって、一定な週期のパルス(pulse)形態である照射信号がSOA内に運搬者枯渇による利得変調(gain modulation)と等しく変調されて出力されるので出力信号はポンプ信号とは反対の論理値を持つようになる。
【0024】
また、図2と同様に、パルス形態の照射信号及びポンプ信号がSOAに反対方向で入射される場合、変換された信号(converted signal)は、ポンプ信号がない時のみ出力される。
【0025】
図2は、利得飽和特性によってパルス形態の照射信号及びポンプ信号が反対方向からSOAに入射される時、変換された信号(converted signal)が発生される模式図を示したものである。
【0026】
図3(a)は、本発明による全光OR論理動作が得られる基本構成図と、(b)は、OR真理表である。
【0027】
図3(b)で、パルスがある時が“ON”状態であり、パルスがない時が“OFF”状態であると定義すると、ポンプ信号(B)が“OFF”状態である時、照射信号(A)は、SOAを通過して出力信号が“ON”状態になる。よって、図3(a)のように、A信号とB信号とがそれぞれ反対方向からSOAに注入されると、A及びBの信号のブール値AB ̄が得られる。そしてAB ̄がBと合わせられることにより、A及びBの信号の全光OR論理値であるブール値AB ̄+Bが得られる。ブール値AB ̄+Bは全光OR論理素子の真理表(b)と一致するので全光OR論理素子が単一SOAを利用して具現する。
【0028】
(装置例)
図4は、本発明の前記原理説明による全光OR論理素子を採用した本装置例を示した構成図である。
【0029】
全光OR論理動作を証明するための入力信号パターンAとBは、波長が1550nmであるモードロック光ファイバレーザ(mode−locked fiber laser;MLFL)で作られる。光パルスを生成するための光パルス発生器100によってMLFL102は、400psの周期を持つ2.5GHzで駆動する。
【0030】
MLFL102の出力光は、第1アイソレーター(isolator)104を経て第1光分配器106から50:50で分離された後、100psの時間遅延を得るためにそれぞれ遅延手段である第1光遅延器(optical delay)112、調節手段である光減衰器(Attenuator)108及び第1偏光調節器(Polarization Controller)110を通過した後、50:50第1光結合器114で合わせられることで10Gbit/sで動作する入力信号パターンA(1100)が作られる。
【0031】
そして、A(1100)は、第2光分配器116から50:50で分離された後、上側光ファイバの入射光A(1100)は、第2偏光調節器122を通過して100psの時間遅延を得るために遅延手段である第2光遅延器124を通過することにより、入力信号パターンB(0110)が作られる。
【0032】
信号B(0110)は、第3光分配器126によって50:50で分離された後、片方は、光ファイバ光増幅器(EDFA)128によって増幅され、第3光アイソレーター130を通過した後、SOAの左側面に入射される。この信号Bがポンプ信号に利用される。
【0033】
一方、第2光分配器116から下側光ファイバで分離された信号A(1100)は、第2光アイソレーター118を通過した後、SOA120の右側面に結合される。この信号Aが照射で利用される。その結果、SOAの利得飽和によって変換された出力信号は、A及びBの信号のブール値AB ̄になる。
【0034】
そしてAB ̄が、第2光結合器132で信号Bと合わせられることによりAB ̄+Bが得られる。この信号は、出力光を検出して分析する光信号分析器134によって測定される。その結果、出力信号AB ̄+Bのパルスパターンは、(1110)になるから全光OR論理素子の真理表と一致して全光OR論理素子が単一SOAを利用して具現される。
【0035】
本装置例で照射信号とポンプ信号の波長が同じであるが、波長が異なる場合にも全光OR論理素子の動作が前記方法例から得られる。この場合、別の波長の光源が更に一つ必要である。
【0036】
(方法例)
前記装置例に適用した本方法例をパルスパターン波形図を参照して具体的に説明する。
図5は、図4による全光OR論理素子の動作特性を示す図面で、SOA120に入射される照射信号パターンA(1100)及びポンプ信号パターンB(0110)を示す。
【0037】
そしてSOA120の出力信号パターンAB ̄及び当該パターンがポンプ信号B(0110)と合わせられたAB ̄+Bを示す。AB ̄+Bの信号パターンは、論理信号が(1、0)、(1、1)、(0、1)である時は、出力光があり、(0、0)である時のみ出力光がない。従って、この論理信号は図3(b)に示す全光OR論理素子の真理表と一致するので全光OR論理素子の動作特性が具現されることを確認することができる。
【0038】
図5の場合、信号A及びBのパターンは、それぞれ11001100…と01100110…の特定のパターンで作られる。従って、任意のパターンを持つパルス信号で上記全光OR論理素子が動作するべきである。
【0039】
図6は、任意のパルスパターンで作られた二つの信号パターンA及びBによって全光OR論理素子が動作する例を示す。信号A及び信号Bがすべて0である時のみ出力信号AB ̄+Bが0であるから全光OR論理動作が得られる。
【0040】
一方、本方法例は、ポンプ信号B及び照射信号Aがすべてパルスパターンであり、SOA120を一つだけ利用するという点で文献1と大きい差がある。
【0041】
上記引用文献1の場合、ポンプ信号Bがパルス形態で照射信号Aが連続波信号だからSOA120で変換された信号のパルス幅が入射されたポンプ信号Bのパルス幅より増加する。また、全光OR論理動作を得るために、2つのSOA120が利用されるため、1つのSOA120が利用される場合より2倍のパルス幅増加が生じる。その結果、動作速度が2.5Gbit/sより高い場合、全光OR論理信号パルスらが重なるため、動作速度が2.5Gbit/s以下に制限される。
【0042】
一方、公知技術[ビョン ヤングテ、ギム ゼホン、ジョン ヨンミン、イ ソック、ウ ドックハ、キム ソンホ、リ ゾンチャン、“半導体光増幅器の利得飽和を利用した全光NOR論理素子具現装置及びその方法”特許出願番号10−2003−25361、出願日(2003.04.22)](以降「引用文献2」と記載)の図4によると、単一SOA120に入射される照射信号A及びポンプ信号Bがすべてパルス形態である時、SOA120から出力されたパルス信号の幅は入射されたパルス信号の幅と殆ど似ているからパルス幅の増加があんまりない。
【0043】
よって、引用文献2の場合、全光NOR論理素子の動作速度が10Gbit/sである。本発明の場合も、上記引用文献2のように照射信号及びポンプ信号がすべてパルス形態であり、一つのSOAのみを用いるから既存の全光OR論理素子の動作速度限界が克服される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】は、本発明の原理説明においてすべてパルス形態である照射信号及びポンプ信号がSOAに入射される時に生ずる利得飽和特性を示した模式図である。
【図2】は、本発明の原理説明において、利得飽和特性によって、パルス形態の照射信号及びポンプ信号が反対方向からSOAに入射にされる時に変換された信号(converted signal)が発生される模式図である。
【図3】(a)は、本発明の原理説明において全光OR論理動作が得られる基本構成図と、(b)は、そのOR真理表である。
【図4】は、本発明の実施最良形態例において全光OR論理素子を採用した具現装置例を示した構成図である。
【図5】は、本発明の実施最良形態例における方法例を実施する全光OR論理素子に必要な照射信号パターンA(1100)及びポンプ信号パターンB(0110)、SOAの出力パターンAB ̄並びに出力される全光OR論理信号パターンAB ̄+Bの波形図である。
【図6】は、本発明の実施最良形態例における方法例の実施に当り任意のパルスパターンである照射信号パターンA及びポンプ信号パターンBによって動作する全光OR論理素子の特性図である。
【符号の説明】
【0045】
100 光パルス発生器
102 MLFL(モードロック光ファイバレーザ)
104 第1アイソレーター
106 第1光分配器
108 光減衰器
110 第1偏光調節器
112 第1光遅延器
114 50:50第1光結合器
116 第2光分配器
118 第2光アイソレーター
120 SOA(半導体光学増幅器)
122 第2偏光調節器
124 第2光遅延器
126 第3分配器
128 EDFA(光ファイバ光増幅器)
130 第3アイソレーター
132 第2光結合器
134 光信号分析器


【特許請求の範囲】
【請求項1】
光パルスを生成するための光パルス発生器と、
当該光パルス発生器から入力信号パターンA及びBを生成するためのモードロック光ファイバレーザ(MLFL)と、
当該モードロック光ファイバレーザの出力光を50:50で分離するための第1光分配器と、
当該第1光分配器からの出力光の時間遅延を得るための第1光遅延手段と、
当該第1光分配器からの出力光の強さと偏光を調節するための光調節手段と、
当該第1光遅延手段及び当該光調節手段からの出力光を結合させ、照射信号として入力信号パターンAを発生させる第1光結合器と、
当該第1光結合器からの出力光を50:50で分離するための第2光分配器と、
当該第2光分配器からの出力光に時間遅延を与えて入力信号パターンBを発生させる第2光遅延手段と、
当該入力信号パターンBを50:50で分離するための第3光分配器と、
当該第3光分配器からの一方の入力信号パターンBをポンプ信号で増幅するためのエルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA)と、
当該ポンプ信号と前記照射信号とが反対方向から入射される半導体光増幅器(SOA)と、
当該半導体光増幅器からの出力信号と入力信号パターン(B)とを結合する第2光結合器と、
当該第2光結合器からの出力光を検出して分析する光信号分析器と、を含む、
ことを特徴とする、単一SOAを利用した全光OR論理素子具現装置。
【請求項2】
前記全光OR論理素子の照射信号及びポンプ信号の波長が、
相互に同じであるか、又は、相互に異なっていても動作する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の単一SOAを利用した全光OR論理素子具現装置。
【請求項3】
前記半導体光増幅器(SOA)が、
照射信号とポンプ信号とを同時に反対方向から入射されてブール値A and not B(以降「AB ̄」と記載)を得る、
ことを特徴とする、請求項1に記載の単一SOAを利用した全光OR論理素子具現装置。
【請求項4】
前記照射信号及び前記ポンプ信号が、
すべて任意のパターンを持つパルス形態にて前記半導体光増幅器(SOA)に入射される、
ことを特徴とする、請求項3に記載の単一SOAを利用した全光OR論理素子具現装置。
【請求項5】
前記照射信号及び前記ポンプ信号が、
すべてパルス形態にて前記半導体光増幅器(SOA)に入射される時、少なくとも2.5Gbit/s以上の速度で動作することができる、
ことを特徴とする、請求項4に記載の単一SOAを利用した全光OR論理素子を具現する装置。
【請求項6】
前記第2光結合器が、
ブール値AB ̄と入力信号Bとを合わせることにより、AB ̄+Bを得て全光OR論理動作を具現する、
ことを特徴とする、請求項1又は3に記載の単一SOAを利用した全光OR論理素子具現装置。
【請求項7】
全光OR論理素子具現方法において、
光パルスを2.5GHzで動作し、かつ、波長が1550nmとするモードロック光ファイバレーザ(MLFL)を一旦光分配手段で分岐して並行処理した変調波形を光結合手段で再び10Gbit/sに多重化し、次いで、光分配手段にて分岐する「1100」の入力信号パターンAを具現する一方、当該「1100」の入力信号パターンAを偏光調節手段と遅延手段を通して100psの時間だけ遅延させ「0110」の入力信号パターンBをも並行具現して、単一SOAを利用した全光OR論理素子に反対方向から並行入力することによりOR論理値出力信号を得る、
ことを特徴とする単一SOAを利用した全光OR論理素子具現方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−126785(P2006−126785A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−191612(P2005−191612)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(399101854)コリア インスティテュート オブ サイエンス アンド テクノロジー (68)
【Fターム(参考)】