説明

単列化装置

【課題】複数列の柱状容器群を束ねている紐を単列化のために切断した際に、自由になった紐が不具合を引き起こすことを防止する。
【解決手段】単列化装置100は、複数列からなる柱状容器1が紐12で束ねられた柱状容器群10を単列化する。単列化装置100は、柱状容器群10を第1方向Aに搬送する第1搬送機構20と、第1搬送機構20によって送り込まれる柱状容器群10を一列の状態で第2方向Bに搬送する第2搬送機構30と、柱状容器群10の単列化の際に、柱状容器群10を束ねている紐12を切断する切断機構40と、切断機構40によって切断された紐が垂れ下がることを防止する防止機構50とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数列からなる柱状容器が紐で束ねられた柱状容器群を単列化する単列化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビール樽は、市場から回収される際に、例えば5×5本単位でパレット上に載置され紐で束ねられた状態でビール工場に運搬される。ビール工場では、紐で束ねられた複数列の樽群をパレット上から降ろした後に単列化して洗浄装置や検査装置等に搬送する。この単列化の際に、複数列の樽を束ねていた紐が切断される。
【特許文献1】特開2004−59189号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
樽群を束ねていた紐を切断すると、紐が自由になるので垂れ下がる。この紐が搬送機構に引っ掛かったり、樽によって踏まれたりすることがある。紐が搬送機構に引っ掛かると、搬送機構の構成部品等に引き込まれて搬送機構の故障の原因になりうる。また、紐が樽によって踏まれると、それによって拘束されている紐に他の樽が引っ掛かって、当該他の樽が転倒する可能性がある。
【0004】
本発明は、このような課題認識を基礎としてなされたものであり、例えば、複数列の柱状容器群を束ねている紐を単列化のために切断した際に、自由になった紐が不具合を引き起こすことを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の単列化装置は、複数列からなる柱状容器が紐で束ねられた柱状容器群を単列化する単列化装置に係り、該単列化装置は、柱状容器群を第1方向に搬送する第1搬送機構と、前記第1搬送機構によって送り込まれる柱状容器群を一列の状態で第2方向に搬送する第2搬送機構と、柱状容器群の単列化の際に、該柱状容器群を束ねている紐を切断する切断機構と、前記切断機構によって切断された紐が垂れ下がることを防止する防止機構とを備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、例えば、複数列の柱状容器群を束ねている紐を単列化のために切断した際に、自由になった紐が不具合を引き起こすことを防止することできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。
【0008】
図1〜図4は、本発明の好適な実施形態の単列化装置の構成を模式的に示す平面図である。図5は、図2に示す状態における単列化装置の斜視図である。
【0009】
本発明の好適な実施形態の単列化装置100は、複数列からなる柱状容器(例えば、ビール樽)1が紐12で束ねられた柱状容器群10を単列化する装置として構成されている。柱状容器群10は、例えば、1列が5本で構成された柱状容器1を5列に配列して構成されうる。
【0010】
単列化装置100は、柱状容器群10を第1方向Aに搬送する第1搬送機構(コンベア)20と、第1搬送機構20によって送り込まれる柱状容器群10を1列(単列)の状態で第2方向Bに搬送する第2搬送機構(コンベア)30とを備えている。第1方向Aと第2方向Bとは、典型的には、90度とされるが、他の角度にすることもできる。第1搬送機構20は、柱状容器群10を単列用の搬送機構である第2搬送機構30に対して1列ずつ供給し、これにより複数列からなる柱状容器群10が単列化される。
前述のように、単列化装置100に供給される柱状容器群10は、紐12で束ねられている。紐12は、例えば、運搬の際に柱状容器群10を構成する柱状容器1が転倒することを防止する。単列化装置100は、柱状容器群10の単列化の際に、柱状容器群10を束ねている紐12を切断する切断機構40を有する。切断機構40は、例えば、第1搬送機構10の側方(例えば、両側方のうち、第2搬送機構30の搬送方向Bの下流側)に配置されうる。切断機構40は、例えば、ナイフと、該ナイフを昇降させる昇降機構とを含んで構成されうる。そのような切断機構40は、第1搬送機構20が柱状物品群10を移動させる際には、ナイフを上方等に退避させ、紐12を切断する際には、ナイフを下降させるように構成されうる。
【0011】
柱状容器群10を束ねていた紐12が切断機構40によって切断されると、紐12が自由な状態になる。これによって紐12が搬送面まで垂れ下がると、第1搬送機構20又は第2搬送機構30に引っ掛かったり、柱状容器1に踏まれたりしうる。紐12が第1搬送機構20又は第2搬送機構30に引っ掛かると、それらの構成部品等に引き込まれ第1搬送機構20又は第2搬送機構30の故障を引き起こしうる。また、紐12が柱状容器1によって踏まれると、それによって拘束されている紐に他の柱状容器1が引っ掛かって、当該他の柱状容器が転倒する可能性がある。例えば、図4において、紐12が柱状容器1aによって踏まれ、その状態で柱状容器1bが第2方向Bに駆動されると、柱状容器1aに踏まれて拘束されている紐12に柱状容器1bが引っ掛かって第2方向B側に転倒する可能性がある。このような不具合は、搬送方向が第1方向Aから第2方向Bに切り替わる部分の周辺、その中でも、第2方向Bの下流側において起こりやすい。
【0012】
このような不具合を解消するために、単列化装置100は、切断機構40によって切断された紐12が垂れ下がることを防止する垂れ下がり防止機構50を備えている。垂れ下がり防止機構50は、例えば、図5に示すように、垂れ下がってくる紐12を受ける紐受け部51と、紐受け部51を支持する支持部52とを含んで構成されうる。紐受け部51は、柱状容器1の移動を妨げないように、例えば、弾性部材(柱状容器1の移動に伴って曲がる部材)で構成される。
次に、図1〜図5を参照しながら、単列化装置100の動作例を説明する。まず、紐12で束ねられた柱状容器群10が、例えばパレット上から降ろされて、図1に示すように、第1搬送機構10によって所定位置(紐12を切断するための位置)まで搬送される。次いで、図2に示すように、切断機構40によって紐12が切断される。切断機構40は、例えば、柱状容器1よりも高い退避位置に退避されていたナイフを下方に移動させることによって紐12を切断し、その後、ナイフを再び退避位置に退避させる。
切断された紐12は、図2及び図5に例示的に示すように、垂れ下がり防止機構50によって垂れ下がりが防止される。なお、垂れ下がり防止機構50は、紐12の垂れ下がりが問題となる部分のみに配置されれば十分である。図1〜図5に示す例では、垂れ下がり防止機構50は、搬送方向が第1方向Aから第2方向Bに切り替わる部分の周辺のうち、第2方向Bの下流側に配置されている。
【0013】
紐12の切断の後、柱状物品1或いは柱状物品群10は、図3及び図4に順に示すように、第2搬送機構20によって更に搬送され、1列ずつ第2搬送機構30に送り込まれる。これにより、第2搬送機構30上において柱状容器1は単列の状態となり、そのまま次工程の装置に搬送される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の好適な実施形態の単列化装置の構成を模式的に示す平面図である。
【図2】本発明の好適な実施形態の単列化装置の構成を模式的に示す平面図である。
【図3】本発明の好適な実施形態の単列化装置の構成を模式的に示す平面図である。
【図4】本発明の好適な実施形態の単列化装置の構成を模式的に示す平面図である。
【図5】図2に示す状態における単列化装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0015】
1 柱状容器
10 柱状容器群
12 紐
20 第1搬送機構
30 第2搬送機構
40 切断装置
50 垂れ下がり防止機構
51 紐受け部
52 支持部
100 単列化装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数列からなる柱状容器が紐で束ねられた柱状容器群を単列化する単列化装置であって、
柱状容器群を第1方向に搬送する第1搬送機構と、
前記第1搬送機構によって送り込まれる柱状容器群を一列の状態で第2方向に搬送する第2搬送機構と、
柱状容器群の単列化の際に、該柱状容器群を束ねている紐を切断する切断機構と、
前記切断機構によって切断された紐が垂れ下がることを防止する防止機構と、
を備えることを特徴とする単列化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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