説明

単極光学波長セレクタ

【課題】光通信および情報伝送システムにおけるチャネルブロックに利用できる新規な光ファイバの単極波長選択スイッチの構造を提供する。
【解決手段】入力光信号は、ビームが光学操作されるシステム面に関してS偏光のような定義された偏光を有する光ビームに変換される。ビームはシステム平面中で横に拡大され、次に好ましくは回折格子によってビームの拡大と同じ面で空間で分散される。光は、各ピクセルが個々の波長に作用するように波長分散方向に沿ってピクセル化された偏光切換素子、好ましくは液晶セルを通して方向付けられる。適切な制御電圧がピクセルに印加されると、そのピクセルを通過している光信号の偏光がSからPの偏光のように回転する。次に、すべてのピクセルからの分散波長のビームは、再結合され、スイッチ出力で別の偏光子に向けて通過され、選ばれた偏光成分だけが出ることを許されるように、位置合わせされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動作が波長に依存する高速光スイッチの分野に関し、特に、光通信システム中のチャネルブロッカー(遮断器)として使用される高速光スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
光通信の分野では、デジタルまたはアナログ情報を伝えるための光キャリアとして光の波長を利用することが知られている。また、異なる波長を使って、一組すなわち1チャンネルの情報を他のものから識別することができる。多数の波長が1つのファイバ上に結合されるすなわち多重化される場合、これは波長分割多重方式(WDM)と称されている。そのようなWDMの使用は、システム全体のバンド幅を広げる。例えば、2つの波長を転送する1つのファイバは、1つの波長を転送するファイバの2倍のバンド幅を有する。一般的には、1つのファイバで多数のチャネルが伝えられる。チャネル間隔が小さくなる程、ファイバで送信できるチャネル数は増大する。最近、国際電気通信連合(International Telecommunications Union)は、利用可能な光バンド幅の高い利用を保証するために、100GHz(約0.8nmの波長離隔距離に等しい)の周波数分離の光信号チャネルを有する高密度WDM(「DWDM」)ネットワーク規格を提案し、また、より高密度の規格が想定されている。DWDMネットワークの性能要件(バンド幅、漏話、偏光依存の損失、偏光モード分散および挿入損等のための要件)は、より厳格になっている。さらに、光のチャネル間隔を減少させることによって容量を増大させるという将来の努力が、光学系の構成要素についてのさらなる改良を必要とするであろうということは予見できる。
【0003】
PCT出願中の出願番号PCTIL02/00511では、ここにその全体が参照によって組み込まれるが、波長選択スイッチが開示されており、そこでは、入力光信号が空間で波長分散を生じ、また2つの好ましくは直角な平面に偏光分割される。波長分散は好ましくは回折格子によって行われ、また偏光分割は偏光ビームスプリッタによって行われる。各ピクセルが別個の波長チャネルに作用するように、液晶偏光変調器などの偏光回転素子は、波長分散方向に沿ってピクセル化され、各ピクセルに印加された制御電圧によって各ピクセルを通過する光信号の偏光が回転するように、動作する。偏光の変調された信号は、それぞれ入力信号をそれぞれ分散および分割するのに使われたと同様な分散および偏光結合の両素子によって、波長の再結合および偏光の再結合を受ける。出力偏光再結合器で、結果として生じる出力信号が向けられる方向は、特定の波長チャネルの偏光が偏光変調ピクセルによって回転させられたか否かによって決まる。高速の波長選択の光学スイッチは、したがって、WDMスイッチへの応用に使用できるように提供される。そのようなスイッチは、また、チャネル遮断器としての使用のために、1x1構成で提供され得る。しかし、2チャネルの入力および出力ポートの使用は、スイッチをそのような使用のために不必要に複雑にする。さらに、解像度および挿入損は、初めから、単極、単チャネル切替えのために組み立てられたスイッチで達成できるものに比較して、それよりも劣っているかもしれない。
【0004】
それ故、安く製造することができ、また簡単な導入のために小型であり、信頼でき、非常に低い挿入損、高い波長解像度および安定した性能をネットワークのさまざまな環境条件下で有する、光ファイバの単極波長選択光学スイッチの要求が存在する。
【0005】
本明細書の本項および他の項で言及された前記刊行物のそれぞれの開示事項は、全体のそれぞれが参照されることにより、ここに組み込まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、光通信および情報伝送システムにおけるチャネルブロックに利用できる新規な光ファイバの単極波長選択スイッチの構造を提供することにある。スイッチは最小構成要素を用い、したがって、そのようなシステムで大規模使用のために経済的に組み立てることができる。そのスイッチ構造は、また、波長選択可変光減衰器として使用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
それ故、本発明の好ましい実施例に従って波長選択スイッチが提供される。該波長選択スイッチでは、入力光信号は、最初に、ビームの光学操作が行われるシステム平面に関して定義された偏光を有する光ビームに変換される。このシステム平面の光学操作は、以下に記載される。この「定義された偏光」は、好ましくは一般的に定義された方向を有する直線偏光とすることができ、これに代えて、好ましくは、定義された方向へ偏光が回転する円偏光ビームである。本明細書で使用されまた主張されるように、「直線偏光」なる用語は、所望の方向に単一の直線偏光を有することを意図した偏光ビームを指し、その所望の方向以外の方向で、まだいくつかの偏光成分を含むことができることを理解できるであろう。同様に、本明細書で使用されまた主張されるように、「円偏光」なる用語は、それが、所望の回転方向に円偏光を有することを意図した偏光ビームを指し、僅かに長円形であるかもしれない方向で、まだいくつかの偏光成分を含むことができると理解されよう。
【0008】
一般的な直線偏光を用いる好適な実施例のために、偏光切換は、好ましくは、出力ポートの約1半を覆う1/2波長板を有するYVOなどの複屈折結晶によって行うことができる。そのような素子は、中国、福州のJDSU-Casix社からC偏光子として市販されており、この名称は今や当該技術分野で共通に総称的に使用されている。そのような実施例のために、円柱レンズ望遠鏡システムなどのいずれの代替方法をも利用することができるが、S偏光として定義された結果として生じる一般に直線的に偏光された出力ビーム(光線)は、次に、システム平面、すなわちS偏光の方向に平行な平面に、好ましくは1対のアナモフィックプリズムによって横に拡大される。ビームは、次に、好ましくは回折格子によって、ビームの拡大と同じ面で空間的に波長分散を生じる。
【0009】
光は、偏光切換素子、好ましくは、各ピクセルが個々の波長に作用するように波長分散方向にピクセル化された液晶セルを通して方向付けられる。適切な制御電圧がピクセルに印加されるとき、そのピクセルを通過している光信号の偏光はSからP偏光に回転する。好ましくは、入力ビームを分散させるために使われたと同様な回折格子によって、ピクセルのすべてからの波長分散したビームは再結合され、スイッチ出力へ向けて進む。この出力では、好ましくは、他のC偏光子が、S偏光だけが出ることを許され、P偏光がブロックされるように、入力C偏光子と同じ偏光方向に位置合わせされて配置されている。消光比を増大させるために、出力ビームがこのC偏光子に入力する前に、S偏光方向に平行に整列された直線偏光子を任意に配置することができる。偏光を回転させないピクセルを通過した波長光は、したがって、前記スイッチの小さな挿入損分だけ減衰して該スイッチから出力される。他方、前記C偏光子はS偏光だけを透過し、P偏光がブロックされるように整列されているので、SからPへ偏光方向を回転させるピクセルを通過した波長光は、強く減衰され、通常、前記スイッチから出ることを阻止される。各ピクセルが特定の波長と関連しているので、結果として生じる効果は、波長に依存したオン/オフの光学スイッチのそれである。各チャネルは、液晶セルピクセルのスイッチング速度に従って切り換え可能であり、それ故、WDMまたはDWDMスイッチへの応用に好適である。
【0010】
円偏光の光線を使う実施例のために、円偏光は、好ましくは、初めに生成される直線偏光のビームの光路に1/4波長板を挿入することによって生成される。しかし、円偏光のビームを作り出す従来技術のうちの如何なる代替的な方法をも用いることができる。偏光切換素子、好ましくは、液晶セルは、適切な制御電圧がピクセルに印加されるとき、そのピクセルを通過している光の偏光の対称性が反転するように、例えば、時計方向すなわち右回りの偏光信号が反時計方向すなわち左回りに変換されるように、配置され、逆もまた同様である。このようにして、その出力が入力信号に関して対称な偏光を有するかあるいは液晶セルによって反対称な偏光に変換されているかに応じて、スイッチ出力で特定のピクセルを通過した光を遮断しまたは通すことは、扱い易くなる。液晶セルあるいはその等価物を通過した後、円偏光は、好ましくはスイッチの出力側で直線偏光に戻され、これにより直線偏光子および/またはC偏光子による出力ビームの単純な阻止または転送が可能になる。偏光の対称性を反転させないピクセルを通過した波長光は、したがって、スイッチの小さな挿入損分だけ弱められ、該スイッチから出力される。他方、逆対称モードに偏光の対称性を反転させるピクセルを通過した波長光は、強く減衰され、通常、前記スイッチから出ることを阻止される。
【0011】
スイッチの種々の構成要素の相互の整列方向は、その動作効率について重要な役割を果たす。そのため、直線偏光の好適な実施例のために、アナモフィックプリズムペアは、好ましくは、入射角がブリュースター角近傍の入射角になるように、入射ビームのS偏光に関して位置合わせされる。そのため、この入射角で、S偏光成分は最適効率によってプリズムペアを透過し、より低い挿入損を結果として生じる。同様に、格子線の方向と直角な平面中のビームの拡大は、高い波長解像度を保証する。さらに、格子線の方向と直角な、入射ビームのS偏光面は、最適な回折格子効率を保証する。
【0012】
以下3つの特徴の組合せ、すなわち、回折格子分散平面と同一面での解像度に有利なビーム拡大の使用、最適な回折格子効率を提供する偏光の選択使用、および多数の偏光選択素子の直列使用による偏光の選択使用は、従来の光学的スイッチに比較して、波長解像度が向上しまたオン/オフ減衰比が増大した波長選択単極スイッチをもたらす。さらに、横方向にビームを拡大し、また圧縮するアナモフィックプリズムペアの使用は、そのような1次元の拡大を生成するために使うことができる他の代替要素を使用するよりも、一般的に、その透過状態にあるときのスイッチに、より少ない挿入損を結果として生じる。さらに、そのようなスイッチは、同様な機能を実行できる従来のスイッチよりもコンパクトであり、割安に構成することができる。
【0013】
上記に説明した実施例では、前記システムを横切る光のS偏光方向は、ビームを拡大する平面およびビームを分散する平面の両面に平行である。この実施例は、それ故、光の最適な透過特性および最も低いスイッチ挿入損を提供する。しかしながら、スイッチは、他の好適な実施例によれば、また、光の偏光の方向が拡大および分散の方向との平行以外の角度で動作することが理解されるであろう。しかし、その場合、スイッチ効率は一般的に低下する。本発明の構成要素のオリエンテーション平面に関連する基本的な特徴は、ビーム拡大方向がビーム分散の方向と平行なるように作られていることである。
【0014】
さらに、上記に説明した実施例では、偏光選択要素の配列は、偏光回転素子がスイッチ操作されたときそれを透過する光が前記スイッチから出ることを阻止され、スイッチ操作されていないピクセルを通り抜けた光はスイッチを透過するように、定義されているが、これは、従来、「常開放」スイッチと呼ばれている。本発明が逆のモードで等しく効果的に作用するであろうことは、理解されよう。すなわち、スイッチ操作を受けていないピクセルを通過した光が遮断され、またスイッチ操作されたピクセルを通過した光が当該スイッチから出るように偏光回転素子がプログラムされまた偏光感知素子が整列される。これは、従来、「常閉接」スイッチと呼ばれている。
【0015】
本発明のスイッチの他の好適な実施例によれば、偏光回転子の後に反射面を使用して、制御を受けた偏光が入射路に戻るようにこれを方向付けるように操作し、スイッチの構成要素の数を、最初に述べた透過型の実施例のほぼ半分にまで、大幅に減少することが可能になる。
【0016】
本発明の上記の好適な実施例は、入射光信号の所望の波長成分のすべてを基本的に完全に透過させるかあるいは所望の波長成分の透過を完全に阻止するように設計されたスイッチとして、すべて説明されている。本発明のさらなる好適な実施例によれば、同様なスイッチ構造は、波長依存可変光減衰器として動作するように配置することができる。この実施例では、ピクセルに適用される信号は、偏光アナライザ(検光子)を透過する偏光の部分的成分が出力で変化するように、そのピクセルを通り抜ける偏光が予め定義した中間配列へ回転するように決められる。ピクセルを通過する偏光の回転変化は、そのピクセルに対応する波長で転送される光のレベルが最小および最大の伝送レベル間で変化することを可能にする。
【0017】
本発明の他の好適な実施例に従って提供される波長選択光スイッチは、
(a)複数の波長成分を有する入力光を受け、予め定義された偏光を出力する偏光変換素子と、
(b)予め定義された前記偏光を所定の平面内で拡大するためのビーム拡大素子と、
(c)予め定義された前記偏光の拡大光を受け、また予め定義された前記偏光の前記拡大光の波長成分を所定の前記平面内に分散する第1の分散素子と、
(d)予め定義された前記偏光の前記拡大光の分散された前記波長成分を受ける偏光切換素子であって個々のピクセルが前記拡大光の個々の波長成分と関連づけられるように前記分散方向に沿って全体的にピクセル化され、少なくとも1つのピクセルが該ピクセルに適用される制御信号に従って該ピクセルを通過する前記偏光を切り換えるように動作する偏光切換素子と、
(e)前記偏光切換素子からの光を受け前記光の個々の波長成分を多重波長出力光に結合する第2の分散素子と、
(f)前記多重波長出力光が所定の前記平面内に圧縮されるように整列されたビーム圧縮素子と、
(g)圧縮された前記多重波長出力光を受け、所定の偏光を有する前記多重波長出力光のそれらの成分のみが透過するように整列された偏光選択素子とを含む。
【0018】
上記の所定の偏光は、好ましくは、予め定義された前記偏光に対称または反対称な偏光を有することができる。
【0019】
さらに、予め定義された前記偏光は、全体的に円偏光または全体的に直線偏光とすることができる。
【0020】
本発明のさらに他の好適な実施例に従って、上記で説明された波長選択光学スイッチは、また好ましくは、予め定義された前記偏光の前記拡大光の前記分散波長成分を前記偏光切換素子上に焦点を合わせる少なくとも一つの第1の収束素子と、前記偏光切換素子を通過後の前記光の前記分散波長成分を収集するための第2の収束素子とを含む。これに代えて、好ましくは、前記第1の分散素子は予め定義された偏光の前記拡大光の前記分散波長成分を前記偏光切換素子上に焦点を合わせるように動作し、前記第2の分散素子は前記偏光切換素子を通過後の前記光の前記分散波長成分を収集するように動作することができる。
【0021】
所定の前記平面は、好ましくは前記直線偏光の方向にほぼ平行あるいは直角とすることができる。さらに、前記ピクセルに適用される前記制御信号は、好ましくは、前記ピクセルを通過する光の偏光方向を基本的に90度まで回転させることができる。
【0022】
さらに、本発明のさらなる好適な実施例によれば、前記偏光変換素子は、全体的な直線偏光の少なくとも一つの出力ビームの偏光方向が前記入力光の偏光に依存しないようなものである。
【0023】
本発明のさらに他の好適な実施例に従って、前記ビーム拡大素子およびビーム圧縮素子は、一つのアナモフィックプリズム、単一プリズムまたは円柱レンズ望遠鏡とすることができる。さらに、前記波長選択光スイッチは、また、前記偏光切換素子の前の光路に配置された第1の直線偏光素子、および前記偏光切換素子の後の光路に配置された第2の直線偏光素子の少なくとも一方を含むことができる。
【0024】
本発明のさらに他の好適な実施例に従って提供される波長選択スイッチモジュールは、複数の上記した波長選択スイッチを含み、波長に依存する少なくとも2つの前記スイッチは、分散素子、収束素子および偏光回転素子のうちの少なくとも一つの素子を共通に使用する。
【0025】
本発明の他の好適な実施例に従って提供される波長選択光スイッチは、
(a)複数の波長成分を有する入力光を受け、予め定義された偏光を出力する偏光変換素子と、
(b)予め定義された前記偏光を所定の平面内で拡大するためのビーム拡大素子と、
(c)予め定義された前記偏光の拡大光を受け、また予め定義された前記偏光の前記拡大光の波長成分を所定の前記平面内に分散する分散素子と、
(d)予め定義された前記偏光の前記拡大光の分散された前記波長成分を受ける偏光切換素子であって個々のピクセルが前記拡大光の個々の波長成分と関連づけられるように前記分散方向に沿って全体的にピクセル化され、少なくとも1つのピクセルが該ピクセルに適用される制御信号に従って該ピクセルを通過する前記偏光を切り換えるように動作する偏光切換素子と、
(e)前記偏光切換素子の近傍に配置され、また前記光が反射して前記偏光切換素子の前記ピクセルを通って戻るように、前記ピクセルを通過する前記光が入射する側に関して偏光切換素子の遠位側に配置された反射面とを含む。
【0026】
上述の反射型スイッチでは、予め定義された前記偏光は、好ましくは全体的に円偏光または全体的に直線偏光のいずれかとすることができる。偏光が全体的な直線偏光であるならば、好ましくは、ピクセルに適用される制御信号は前記ピクセルを通って戻った後の前記波長成分の光の偏光方向を基本的に90度まで回転させる。さらに、ピクセルを通って戻る光は、好ましくはスイッチから出力のために前記偏光変換素子を通って戻るように方向付けられる。
【0027】
本発明のさらに他の好適な実施例に従って、上記のような波長選択光スイッチが提供され、前記入力光(ビーム)は入力ファイバから得られ、前記スイッチからの出力のために前記ピクセルを通って戻る前記光は出力ファイバに方向付けられ、前記スイッチはさらに前記入力ファイバの光から前記出力ファイバの光を分離するためのサーキュレータを含む。
【0028】
これに代えて、また好ましくは、波長選択光スイッチは、好ましくは、前記偏光切換素子と前記反射面の間に配置された消光比を有する直線偏光子を含み、該直線偏光子は前記直線偏光の偏光方向に本質的に平行な偏光方向を有し、前記ピクセルに適用される前記制御信号は、前記直線偏光子を通って前方へ伝えられる前記波長成分の前記光が全体的に前記消光比で減衰されるように、前記ピクセルを通過する前記波長成分の前記偏光方向を基本的に90度だけ回転させる。さらに、前記反射面から反射された前記波長成分の光は、前記波長成分の前記光の減衰が前記直線偏光子の消光比の自乗にほぼ比例するように、前記直線偏光子を通って戻るときにも全体的に前記消光比で減衰されても良い。
【0029】
本発明の好適な実施例に従って、さらに提供される波長選択光スイッチは、
(a)複数の波長成分を有するファイバ光信号が入力し、複数の波長成分を有する光を出力するデュアルファイバコリメータと、
(b)前記デュアルファイバコリメータからの前記出力光を受け、また予め定義された偏光を出力する第1の偏光変換素子と、
(c)予め定義された前記偏光を所定の平面内で拡大するためのビーム拡大素子と、
(d)予め定義された前記偏光の拡大光を受け、また予め定義された前記偏光の前記拡大光の波長成分を所定の前記平面内に分散する分散素子と、
(e)予め定義された前記偏光の前記拡大光の分散された前記波長成分を受ける偏光切換素子であって個々のピクセルが前記拡大光の個々の波長成分と関連づけられるように前記分散方向に沿って全体的にピクセル化され、少なくとも1つのピクセルが該ピクセルに適用される制御信号に従って該ピクセルを通過する前記偏光を切り換えるように動作する偏光切換素子と、
(f)前記直線偏光の前記波長成分が前記ビーム拡大素子および前記分散素子を通って戻るように方向付けられ、また前記分散素子が前記出力光の個々の波長成分を多重波長出力光に結合するように、前記偏光切換素子に関連して配置される少なくとも2つの反射面と、
(g)第2の偏光変換素子であって所定の前記偏光を有する前記多重波長出力光の一部が透過しまた前記デュアルビームコリメータ通って前記スイッチから出力されるように整列された第2の偏光変換素子とを含む。
【0030】
上述の波長選択光スイッチでは、予め定義された前記偏光は、全体的に円偏光または全体的に直線偏光とすることができる。後者の場合、ピクセルに適用される制御信号は、好ましくは、前記ピクセルを通過する光の偏光方向を基本的に90度まで回転させることができる。
【0031】
上述のデュアルファイバコリメータ構成を有する複数の波長選択光スイッチのいずれかが、ビーム偏位素子を含むことができる。該ビーム偏位素子は、前記デュアルファイバコリメータからの光ビーム出力を受け該ビームを前記第1の偏光変換素子に方向付け、また前記第2の偏光変換素子からの前記出力光を受け該出力光を前記デュアルファイバコリメータに向けるように、動作する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明は、ここに添付の図面を参照しての以下の詳細な説明からより充分に理解され、高く評価されるであろう。
【0033】
図1を参照するに、該図は本発明の好適な実施例に従って構成されかつ動作する光ファイバの、単極波長選択光スイッチを概略的に示す。そのようなスイッチは、それが1つの入力チャネルを1つの出力チャネルに切り換えることができるので、1×1スイッチとして知られている。図示の好適なスイッチ構造は、また、波長可変選択光減衰器として動作する。前記スイッチ構造は、波長選択性能を有することから、光学情報スイッチングすなわちルーティングネットワークの可変チャンネルブロッカー(遮断器)あるいは減衰器として動作することができるように、予め選択された所望の波長を切り換えるか、あるいは減衰することができる。
【0034】
図1に示された好適な実施例は、最初に、そのスイッチングあるいは減衰機能に基本的な直線偏光を用いて説明されている。切り換えまたは減衰を受ける信号は、入力ファイバ8からコリメータ10へ、またそこから好ましくは、中国、福州のJDSU-Casix社から市販されているようなC偏光子12に入力する。C偏光子は、好ましくはYVO4などの複屈折結晶から成り、該結晶は入力信号を2つの相互に直角なSおよびP偏光成分に分割するように動作する。前記結晶の出力ポートの適切な一半上に置かれた1/2波長板は、C偏光子から出る両ビームが、この好適な実施例の説明の目的のために、図面の平面内にあると定義されるのと同じ偏光方向すなわちS偏光を有するように、P偏光成分を回転させる。その結果、スイッチへの入力点での光の偏光方向の瞬間の方向の如何に拘わらず、2つの空間変位した前記入力信号の両S偏光成分が生成される。ファイバを透過した光信号の偏向方向が一般に未知であることから、この結果は重要である。本発明の前記スイッチは個々の成分ビームを個々に利用せずに前記両成分の合計を利用して動作するので、2つの空間変位した両S偏光成分の強度比は入力偏光方向に依存するが、この従属関係は一般に重要ではない。
【0035】
C偏光子12の消光比は、一般に30dBの次数(オーダー)を有する。消光比を増大させるために、米国、ニューヨーク州のCorningに在るCorning社から入手可能なPolarcor(商標)素子などの直線偏光子14を前記C偏光子の出力にオプションで配置することができ、該直線偏光子は、望ましくないP偏光成分を減少させるために、前記C偏光子から出る光のS偏光方向に平行に整列される。前記スイッチの動作モードの以下の説明から理解されるように、消光比が高いほど、前記スイッチによって得られるオン/オフ比は高くなる。
【0036】
S偏光ビームは、次に、横方向へ拡大するビーム拡大器によって、好ましくは図面平面と直角な方向には殆ど拡大されることなく、前記図面平面に平行な方向に拡大される。最も好ましくは、アナモフィックプリズムペア15、16が用いられる。前記プリズムペアの倍率は、基本的には、両プリズムの相互の角度位置によって決まるが、他方、該両プリズム間の隔離距離は前記ビームの横方向変位を決める。一方向への拡大を達成するアナモフィックプリズムペアの好ましい使用は、価格および配列の容易さが考慮される場合には、例えば円柱レンズ望遠鏡または単一プリズムよりもむしろ有利である。単一プリズムの実施例は、入力ビームに平行ではなくまた比較的低い拡大率を有する出力ビームを結果として生じるという不利をもつ。2つのプリズムを用いた解決策は、円柱レンズを用いる解決策に比べて、以下に説明されているように、そのようなプリズムペアへの入射角をブリュースター角の近傍に設定できるので有利であり、このブリュースター角では、P偏光成分がプリズムペアを透過する効率は、円柱レンズ望遠鏡を透過する効率よりもずっと低い。したがって、これは、円柱レンズを使用するシステムに比べて、システム全体のブロック(遮断)効果を改善する。
【0037】
広げられたビームは、次に、回折格子18に向けられ、該回折格子は前記光ビームを図面平面内でその個々の波長成分に分散するように動作する。回折格子線の方向のビームに直角な方向へ広げられたビームを使用することにより、より高い解像力の達成が可能となり、また、これにより前記スイッチの波長解像度の鮮鋭度が増大し、50GHzのチャネル間隔およびその近傍のような高密度DWDMシステムでそれが動作することを可能にする。前記回折格子は、より低次の単純な回折格子またはより高い次数のエシェル格子か否かに拘わらず、好ましくは、最大の効率と、分散の要求されるレベルとの双方を有するように選択された次数で動作する。前記回折格子は、切り換えられるべき分散波長の範囲が回折されて結像レンズ20を通って戻るように、位置合わせされる。前記スイッチは、また、格子に無関係の偏光で動作することが理解されるであろうが、前記格子は、前記モジュールの消光比をさらに増大させるように、S偏光方向に高い回折効率を示し、P偏光成分に低い回折効率を示すように、選択されることが好ましい。
【0038】
これに代えて、また好ましくは、P偏光に高い効率を示す回折格子を使うことができる。この場合、以下に記載し、図4Bに関連して示すように、P偏光は、円柱レンズを通過する場合、アナモフィックプリズムペアを通過する場合よりも高い効率を示すので、以上に述べた理由により、横方向へのビームの拡大のために、アナモフィックプリズムペアではなく、円柱レンズ望遠鏡を使うことが有利であろう。
【0039】
これに代えて、好ましくは、回折格子は、位置19に回転することができ、該位置では、前記回折格子は負の次数モードで動作する。この場合、入力ファイバ50、コリメータ52、C偏光子56、直線偏光子54およびの1対のアナモフィックプリズム58、59から成る入力モジュールは、回折格子19と結像レンズ20との間の光軸の内側に位置することから、したがって、スイッチモジュールの全横幅を減少させることができる。図1では、この内側入力モジュールからの光ビーム経路は、概略的に拡大された状態で示されているが、他方、前記外側入力モジュールでは図面の明瞭化のために、入力ファイバ8から光軸のみが描かれている。
【0040】
図1には、入力光信号の多数の波長成分を一般的に表すために、回折格子18または19からの2つの分散ビームが描かれている。一方の分散された波長が破線で示され、他方が実線で示されている。分散されたビームは、レンズ20によって、偏光回転素子24、好ましくは液晶セルの平面上に焦点を合わせられる。この素子は、図1に示すように、該素子の異なるピクセルのそれぞれに異なる分散波長が当たるように、波長の分散方向へピクセル化されている。第1の適正な駆動電圧Vが、好ましくは従来よく知られた前記素子の表面を覆う透明電極によって前記ピクセルに印加されると、該ピクセルを通り抜けている光の偏光は、SからP偏光へ好ましくは90度回転する。この回転の効果は、以下に説明される。第2の適切な電圧がそのピクセルに印加されると、光はS偏光を不変の状態で通過する。
【0041】
液晶セル24を通過後、偏光変調を受けたビームは前記スイッチモジュールの出力側を通過する。該スイッチモジュールは、好ましくは、前記した入力側のそれらと相補的な構成要素を有する。したがって、前記モジュールの出力側は、好ましくは、折り曲げ(folding)ミラー30と、結像レンズ対20、32に従来よく知られているように最適な伝達特性を提供すべく入力集束レンズ20から好ましくは距離2fを隔てた相補的な結像レンズ32と、前記所望の波長の分散光を受けて再結合するように動作する回折格子34と、横方向に拡大されたビームを一対の本質的に対称なコリメートされたビームにコリメートすべく動作するアナモフィックプリズムペア36、38と、入力ポートでコリメート(平行に)されたこの対をなすビームを受光し単一の結合されたビームを出力するC偏光子42と、この単一出力ビームを出力ファイバ46に供給するコリメータ44とを含む。前記入力側におけると同様に、出力回折格子34の負の一次回折または他の負の次数を利用することにより、回折格子34を前記コリメータレンズ32に結合する線の内側に、出力ファイバおよび該出力ファイバに関連付けられた構成要素を配置することができる。一般的に、前記モジュールの対称性を維持するために、入力および出力の両回折格子は、好ましくは同じ次数で動作する。従来よく知られているように、最適な光の転送効率を提供するために、回折格子間距離は、好ましくは4fである。消光比をより一層増大させるために、P偏光方向を有する波長光が前記偏光子の透過を阻止されるように、図面の平面に平行な偏光方向を有するように整列された直線偏光子40を出力C偏光子42の前に配置することができる。
【0042】
オフ状態における前記スイッチの減衰は、2つの垂直なSおよびPの両偏光間の全体的な消光比(ER)によって決まる。この全体的な消光比は、C偏光子ER、回折格子ER、プリズムERおよびモジュール配列の組合せに起因する。偏光が前記液晶セルの中で回転しなかった波長の光は、任意(オプション)の直線偏光子40と、事実上減衰を受けなかった出力C偏光子42とを通過し、これにより、前記スイッチは、その特定の波長にとって、オン状態で在り続ける。透過信号中の唯一の減少は、そのときの前記スイッチの挿入損から生じる。前記液晶素子の各ピクセル駆動回路は、このように、前記システムの動作の要求によって、異なる瞬間での異なる波長を調子を合わせて通過させるかまたは遮断するために、通信または情報制御システムによってプログラム制御を受けることができる。
【0043】
C偏光子12、42の出力の近くに配置される直線偏光子14、40以外にも、消光比をなお一層増大させるために、好ましくは、付加の直線偏光子26、28を液晶セル24のどちらの側へも配置することができる。
【0044】
液晶セルが一般的に使われるネマチックの結晶タイプを有し、ラビング方向がそれを横切る光の偏光方向に関し45度であるならば、ピクセルを横切る電圧が最大減衰すなわち遮断のために設定される場合、ピクセルを通過する間に光りが受ける位相差はπであり、これに対し、駆動電圧が最大である場合、セルの自然複屈折で生じる2πの位相変化が発生し、挿入損は最小である。従来よく知られた如何なる代替タイプの液晶素子をも、同様に好ましく使用することができ、また、その主要な必要条件は、全体的な透過または遮断機能を提供すべく、前記スイッチ構造の出力側で、そのときに分析できる光の偏光変化を発生させる能力を有することである。
【0045】
パッケージフットプリントの減少のために、集束レンズ20および偏光回転セル24間の通路で、ビームは、反射ミラー22によって、また同様にセル24の出力経路側のミラー30で、好ましくは折り曲げられる。他の折り曲げミラーは、また、モジュールサイズをより一層減少させるために、モジュール中の適切な他の場所で使用することができる。
【0046】
図1の好適な実施例で示された前記スイッチ構造が、減衰器として使われるとき、偏光回転素子24の種々のピクセルに印加される駆動電圧Vは、上記したように、そのピクセルを横切る光信号の減衰に必要なレベルが出力で得られるように、90度以外の偏光回転を提供できるように決められる。
【0047】
さらに直線偏光素子14および40(または54および40)が好ましくは1/4波長板によって置換される場合、光は円偏光ビームに変換され、図1のスイッチまたは減衰器構造は、前記液晶素子24の各ピクセルを通過する光の円偏光の回転方向を変えることにより、上記に説明したように、動作可能である。これに代えて、好ましくは、付加的な1/4波長板25、37(または55、37)を前記した直線偏光子14、40の後および前にそれぞれ追加することにより、1/4波長板への入力がより完全に直線偏光となることから、より完全な円偏光出力が結果として生じる。そのような実施例では、直線偏光子26、28が不要になるであろう。
【0048】
図2Aを参照するに、該図は、図1に示された好適な実施例の分散回折格子18と収束回折格子34との間の分散ビーム光学経路の分散方向に直角な平面の概略的な側断面図であり、好ましくは前記液晶素子24から各レンズの焦点距離の間隔fを隔てた一対のレンズ20、32によって、光が前記液晶素子上に収束しまた該液晶素子から結像される方法を示す。構成要素は、図1で用いられたそれらと同じ参照符号を付されている。先に述べたように、2つの回折格子間の距離は、好ましくは、4fであるように設計される。
【0049】
前記偏光回転素子上への分散した光の波長成分およびそこからの光の結像の焦点合わせを行うレンズの使用に代えて、好ましくは、凹面格子をこれらの機能の一方または両方のために、使用することができる。次に、図2Bを参照するに、該図は分散方向と直角な平面の図であり、そのような実施例を示す。凹面の分散回折格子21は、液晶素子24の平面の上に入射する拡大された光を分散し、またそれの焦点を合わせ、凹面の分散回折格子35は液晶素子24を通過後の光の分散波長成分を収集し、好ましくは、前記ビーム圧縮器へ向けて生じる多重波長ビームをコリメート(平行に)する。さらに他の一層好適な実施例によれば、これらの機能のいずれか一方をレンズで達成し、他方を凹面回折格子を用いて達成することができる。
【0050】
次に図3を参照するに、該図は図1に示された好適な実施例のC偏光子12の概略図である。C偏光子は、好ましくは出力ポートのP偏光側に1/2波長板13を有するYVO4などの複屈折結晶を含む。オプションの直線偏光子14は、消光比の改善のために組み込まれており、S偏光方向に平行に整列され、出力ビームの両部分内に配置されている。個々のPおよびSの偏光成分は、図面に示された2つの出力ビーム上に明示されている。
【0051】
次に、図4Aを参照するに、該図は、図1に示された好適な実施例のアナモフィックプリズムペア15、16の概略図であり、前記C偏光子からの全体寸法dを有する細い光が全体寸法Dに一方向へのみ本質的に横に如何に拡大されるかを示す。倍率は、好ましくは、プリズム頂角、プリズム素材およびプリズム間相互の角度の関数として、×2および×6あるいはそれ以上の間に設定することができる。プリズム間の間隔は、入出力ビーム間の光軸変位を決める。この2つのビームは、好ましくは相互に平行にされる。
【0052】
次に図4Bを参照するに、該図は、図1の実施例に使用するためのビームの横方向への拡大の他の好適な方法を示す概略図であり、円柱レンズ21および23を含む円柱レンズ望遠鏡システムを用いる。前記C偏光子からの全体寸法dの細い光は、図4Bの上部に示されているように、全体寸法Dに一方向へのみ本質的に横に拡大され、他方、垂直方向には、図4B下部に示されているように、拡大は全く発生しない。
【0053】
次に、図5を参照するに、該図はさらに他の本発明に好適な実施例に従って構成されかつ動作する波長選択スイッチの概略図である。この好適な実施例は、反射型の実施例であるという点で、図1に示されたそれと異なり、共通の構成要素は、等価的ではあるが、反転されたすなわち前記スイッチの入出力側での鏡像機能が使用されている。この方法では、スイッチを構成するために必要とされる構成要素の数は、図1に示された透過型の実施例のそれの殆ど半分にまで減少する。しかしながら、切換られた出力信号から入力信号を正確に分離するために、追加の構成要素が前記スイッチの「入力」端に要求される。
【0054】
図5で、入力信号60は、好ましくは、サーキュレータ62、コリメータ64、同じ偏光の、好ましくはS偏光の出力ビームを得るためのC偏光子66、S偏光方向に平行に整列された付加の直線偏光子68および一対のアナモフィックプリズム69、70を経て適用される。前記プリズム対によって図面の平面方向に横に拡大されたビームは、回折格子72に当たり、また波長分散した前記光は、集束レンズ74に向けられ、該収束レンズは好ましくはピクセル化された液晶セルである偏光回転素子76を経て焦点を合わせる。合焦レンズ74に代えて、図2Bの実施例に関連して先に説明したように、回折格子72を図5の反射型の実施例に要求される合焦および分散の両機能を果たすように、凹面回折格子とすることができる。前記液晶素子は、適切なスイッチング電圧が特定のピクセルに適用されるときに、該ピクセルで前記液晶セルが1/4波長板として機能し、当該ピクセルを透過する直線偏光を円偏光に変換するように、選ばれる。これに代わる第2の所定の電圧が適用されても、偏光に変化は生じない。前記液晶セルの通過後、前記光は前記液晶セルに近接して配置された反射面80に当たり、反射され前記液晶セルを経て戻る。前記反射面は、好ましくは、前記液晶セルの背面上に適当な被覆を用いて形成することにより、前記液晶セルの一部とすることができる。反射の効果は、前記ピクセルを経ての戻り路で、ビームの伝播方向に関連して円回転の実際の方向を反転することであり、該ピクセルに前記の適切なスイッチング電圧が適用されているならば、円偏光が直線偏光に戻されるように変換されるが、この直線偏光は、元来位置合わせされたS偏光からP偏光まで90度の偏光回転を受ける。ピクセルが前記した他方の印加電圧を受けているならば、偏光の状態は不変である。
【0055】
その後、前記光は、その入射経路と同じ経路に沿って戻るように、継続する。C偏光子66は、前記液晶セル内でその偏光方向をP偏光に切り換えられた波長の光に対して、今度はブロッカー(遮断器)として動作するが、不変のS偏光の波長光の透過を許す。この透過光は、サーキュレータ62から出力ファイバ82に向けられ、このサーキュレータ62で前記スイッチを出る。先の例におけると同様に、任意に組み込まれた直線偏光子68は、スイッチの消光比を増大させるために使われている。
【0056】
上記の実施例中で、前記液晶セルは、それが起動しているときには1/4波長板として動作し、偏光が90度の回転を受けるように選択され、90度の偏光回転の結果、前記セルを通って戻った後に、光学直線偏光子68が設置されていればこのオプションの直線偏光子に関連して、C偏光子66でブロック(遮断)が生じる。この好適な実施例では、オフ減衰レベルは、直線偏光子68が設けられていれば該直線偏光子の消光比とともに、C偏光子66の消光比に依存する。
【0057】
上記に説明した配置に代えて、好ましくは、図5に破線で示されたアイテム78である直線偏光子を液晶セル76と反射面80との間に置くことができる。この場合、前記液晶セルは、それが起動させられているとき、1/2波長板として動作するように選択され、その結果、偏光は、前記セルを通る前進経路で丁度90度、S偏光からP偏光へ回転する。位置78にある前記直線偏光子は、その消光比によって、起動されたピクセルを通過して前進するようなビームを減衰させるように、S偏光方向に平行に整列される。前記ミラーで反射した後、引き返すP偏光ビームは再び偏光子78を通り、総減衰が偏光子78の消光比の自乗に依存するように、そこで強度は再び消光比によって減衰される。この好適な実施例のオン/オフ比は、したがって、C偏光子66の出力に直線偏光子68を有する実施例または如何なる直線偏光子をも有しない実施例のそれらよりも、かなり優れている。この強い減衰を受けたビームは再び「1/2波長板」を起動された液晶セル76を横切り、ここで、その偏光は、回転して再びS偏向方向に戻り、また前記連結構成要素を経て戻り、前記出口ファイバ82から出る。特定のピクセルを横切る電圧が、該ピクセルを透過する光の偏向方向を不変のままにおくとき、その光は、前記スイッチを通るC偏光子66までの帰路でS偏光を保持し、最終的に、前記スイッチの挿入損分だけ減衰されてファイバ82を通って前記スイッチを出る。
【0058】
次に図6を参照するに、該図は図5の好適な実施例の分散回折格子72と反射面80との間の分散ビームの光路を概略的に示す側断面図である。反射型の実施例の場合、光は、最高の光の性能を提供するために好ましくは前記反射表面から距離fの間隔をおいた単一レンズ74により、液晶素子76を通して、また本例では直線偏光子78を通して、反射面80に焦点が合う。ここで、fは前記レンズの焦点距離である。前記構成要素は、図5中で使用されたと同様な参照文字が付されている。
【0059】
次に、本発明のスイッチ構成の他の好適な実施例の概略図であり、分散平面と直角な平面で見た図7を参照する。図7では、図面が不明瞭になることを避けるために、種々の光線は、それらの中心線によってのみ描き出されている。この実施例は、図5に示されたものと、デュアルファイバコリメータ84が出力信号ファイバ99から入力信号ファイバ83を分離するために使われているという点で、異なる。これに代えて、好ましくは、入力および出力の両信号の分離は、互いに小さな相互の角度で位置合わせされた2つのシングルファイバコリメータを使って、行うことができる。デュアルファイバコリメータ84からの出力ビーム87は、好ましくは、図7の実施例で好適に示されているようなダハプリズム(屋根型プリズム)88などのビーム屈曲素子に入力される。このプリズムは、システム光軸からのデュアルファイバコリメータの出口のずれを修正するために、ビーム87を屈折させるように動作する。このずれは、ダハプリズム88の動作を示すために、図7では誇張されている。次に、入力ビームは、両出力ビームがS偏光方向を有するように、好ましくはC偏光子89に入力する。前記光は、次に、S偏光の光の転送および前記スイッチの消光比の増大のために位置合わせされたオプションの直線偏光子91を通過し、次に、好ましくは、アナモフィックプリズムペア92によって横方向に拡大される。横への拡大方向が図面の平面と直角であるので、それは図7では明らかでない。拡大された光線は、次に、回折格子94によって好ましくは紙面と直角な方向へ波長分散を受け、結像レンズ96によって二等辺直角プリズムの45度の面に焦点を合わせられる。前記プリズムまたはミラーの斜辺面は、ピクセル化された液晶素子97上に光を反射し、該液晶素子のピクセル化された軸は図面の平面と直角に伸びる。これに代えて、好ましくは、ビームに45度で位置合わせされたミラーを使って反射させることができる。前記レンズは、前記ピクセルの平面に前記光の焦点が合い、異なる波長が前記素子の異なるピクセルに到来するように、配置される。前記ピクセルは、特定のピクセルを通過している波長が遮断されるかあるいは透過されるかに応じて、各ピクセルを通過している光の偏光をSからP偏光へ回転させず、あるいは回転させるべく制御される。
【0060】
前記液晶を通った後、前記光は、好ましくは、二等辺直角プリズムの他方の45度(または45度に傾斜したミラー)に入射し、その斜辺面から全体的に内部で反射され、レンズ96によって回折格子94に戻されて結像され、該回折格子で拡散した波長成分が再結合される。拡大されたビームは、次に、アナモルフィックプリズムペア92によって圧縮され、オプションの直線偏光子91に出会う。該直線偏光子は、回転したP偏光で光を遮断し、あるいはそのままの回転しなかったS偏光で光を通すように、動作する。S偏光の透過したビームは、次に他のC偏光子90で再結合し、ダハプリズム88を経てデュアルファイバコリメータ84の第2のポート86に方向付けられ、ここから伝達信号が出力ファイバ99を経て出る。図7に示した実施例では、それぞれ単一構成要素が、前記液晶素子の入出力の両側のために、オプションの直線偏光子91、ビーム拡大92、ビーム分散94およびビーム収束96の機能を実行するのに用いられたが、望ましくは、入出力側で等しい別々の入出力構成要素をうまく使用することができることが理解できるであろう。
【0061】
図1、5および7に示された種々の実施例は、透過型であるか反射型であるかに拘わらず、また液晶素子のピクセルへの適切な駆動電圧によって波長の選択的な減衰器として動作し、あるいは直線偏光の代わりに円偏光を使って動作可能であることが理解できよう。
【0062】
次に図8を参照するに、該図は、本発明のさらに他の好適な実施例による複数チャネルの波長選択スイッチモジュールの略図である。当該実施例は、図8の実施例中で、一対の1×1スイッチが他のそれの上部に積み重ねられ、また好ましくは、共通の圧縮素子100、101、共通の集束レンズ102、103および共通の液晶セル104を利用する以外、図2に概略的に示された光学的な動作断面図に同様である。液晶セルへの適切な制御電圧の適用は、同時に、両方のチャネルを切り換える。これらの共通の構成要素の共有によって、そのような実施例は、よりコンパクトで、構成要素の経済的な装置を1つのパッケージに組み立てることを可能にする。
【0063】
次に図9を参照するに、該図は、本発明のさらに他の好適な実施例による複数チャネルの波長選択スイッチモジュールの略図である。この実施例は、液晶セル102、104およびそれらに関連づけられた集束レンズ105が独立しているが、分散回折格子110、111だけが前記スイッチを経て転送される2つのチャネルに共通であることにおいて、図8の実施例のそれと異なる。このようにして、各チャネルは、共通の回折格子の使用によって同じ波長で動作するが、各チャネルを独立的にブロック(遮断)することができる。
【0064】
図8および9に示された複合ユニットの実施例は、透過型のスイッチの実施例として示されているが、同様なパッケージ共有技術を図5に示された反射型の実施例に適用できることが理解できよう。同様に、図8および9の各前記モジュールには、1対のスイッチだけが示されているが、同じパッケージ共有技術をまた各モジュール中の2以上のスイッチに適用できることが理解できよう。さらに、チャネル冗長性を有するスイッチングすなわちブロッキング能力を提供するのに有益な多重パラレル波長選択スイッチを提供するために、そのようなスイッチスタッキング技術の例が、従来技術として、上記のPCT出願番号PCT IL02/00511に記載されており、参照によりその全体がここに組み入れられる。
【0065】
本発明が、特に上記に示されまた説明されたところに制限されないことは当業者にとって理解できるであろう。むしろ、本発明の範囲は、上記の記述を読むことにより当業者が思い浮かぶ先行技術にない変更や修正と同様に、上記の様々な特徴のコンビネーションおよびサブコンビネーションの両方を含む。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の好適な実施例により構成され、動作する単極の波長選択光スイッチを概略的に示す。
【図2A】図1に示された好適な実施例の一部による分散ビームの光路の概略的な側断面図であり、前記スイッチの好適な代替的収束配列を示す。
【図2B】図1に示された好適な実施例の一部による分散ビームの光路の概略的な側断面図であり、前記スイッチの好適な代替的収束配列を示す。
【図3】図1に示された好適な実施例のC偏光子の概略的な断面図である。
【図4A】本発明のスイッチに必要なビーム拡大を生成するのに好適な代替的方法を示す概略図であり、図1に示された好適な実施例のアナモフィックプリズム対の概略図である。
【図4B】本発明のスイッチに必要なビーム拡大を生成するのに好適な代替的方法を示す概略図であり、好ましいビーム拡大を実行するための円柱レンズ望遠鏡を示す。
【図5】個々の入力および出力信号にサーキュレータを用いる本発明のさらに他の好適な実施例に係るスイッチの反射の具体例を示す概略図である。
【図6】図5に示された好適な反射スイッチ例の一部によって分散ビームの光路を概要的に示す側断面図である。
【図7】本発明の他の好適な実施例に係る、コンパクトな構成の一部についての、図1および図5のスイッチの構成の代替例の概略図である。
【図8】本発明のさらに他の好適な実施例に係るマルチチャンネル波長選択スイッチモジュールを概略的に示す図面であり、1つのパッケージ中で積み重ねられた一対の1×1スイッチを含み、共通の回折格子、レンズおよび液晶セルを利用する。
【図9】共通の回折格子を用いる点以外は図8と同様な他のマルチチャンネル波長選択スイッチモジュールの概略図である。
【符号の説明】
【0067】
8、50 入力ファイバ
10、44、52 コリメータ
12、42、56、66、89、90 C偏光子(偏光変換素子および偏光選択素子)
14、26、28、40、54、68、78、91 直線偏光子
15、16、36、38、58、59、69、70、92 アナモフィックプリズムペア(ビーム拡大素子およびビーム圧縮素子)
18、19、34、72、94、100、101、110、111 回折格子(第1および第2の分散素子)
20、32、74、96、102、105 結像(収束)レンズ
21、23 円柱レンズ(ビーム拡大素子およびビーム圧縮素子、第1および第2の分散素子)
24、76、97、104、102、104 偏光回転素子、液晶セル(偏光切換素子)
22、30 折り曲げミラー
46 出力ファイバ
62 サーキュレータ
80、95、98 反射面
84 デュアルファイバーコリメータ
88 ダハプリズム(ビーム偏位素子)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の波長成分を有する入力光を受け、予め定義された偏光を出力する偏光変換素子と、
予め定義された前記偏光を所定の平面内で拡大するためのビーム拡大素子と、
予め定義された前記偏光の拡大光を受け、また当該予め定義された前記偏光の前記拡大光の波長成分を所定の前記平面内に分散する第1の分散素子と、
予め定義された前記偏光の前記拡大光の分散された前記波長成分を受ける偏光切換素子であって個々のピクセルが前記拡大光の個々の波長成分と関連づけられるように前記分散方向に沿って全体的にピクセル化され、少なくとも1つのピクセルが該ピクセルに適用される制御信号に従って該ピクセルを通過する前記偏光を切り換えるように動作する偏光切換素子と、
前記偏光切換素子からの光を受け前記光の個々の波長成分を多重波長出力光に結合する第2の分散素子と、
前記多重波長出力光が所定の前記平面内に圧縮されるように整列されたビーム圧縮素子と、
圧縮された前記多重波長出力光を受け、所定の偏光を有する前記多重波長出力光のそれらの成分のみが透過するように整列された偏光選択素子とを含む、波長を選択可能な光学スイッチ。
【請求項2】
前記所定の偏光は、予め定義された前記偏光に対称な偏光を有する、請求項1に記載の波長選択光学スイッチ。
【請求項3】
前記所定の偏光は、予め定義された前記偏光に反対称な偏光を有する、請求項1に記載の波長選択光学スイッチ。
【請求項4】
予め定義された前記偏光は、全体的に円偏光である、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の波長選択光学スイッチ。
【請求項5】
予め定義された前記偏光は全体的に直線偏光である、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の波長選択光学スイッチ。
【請求項6】
さらに、予め定義された前記偏光の前記拡大光の前記分散波長成分を前記偏光切換素子上に焦点を合わせる少なくとも一つの第1の収束素子と、前記偏光切換素子を通過後の前記光の前記分散波長成分を収集するための第2の収束素子とを含む、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の波長選択光学スイッチ。
【請求項7】
前記第1の分散素子は予め定義された偏光の前記拡大光の前記分散波長成分を前記偏光切換素子上に焦点を合わせるように動作する、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の波長選択光学スイッチ。
【請求項8】
前記第2の分散素子は前記偏光切換素子を通過後の前記光の前記分散波長成分を収集するように動作する、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の波長選択光学スイッチ。
【請求項9】
所定の前記平面は前記直線偏光の方向にほぼ平行である、請求項5ないし8のいずれか一項に記載の波長選択光学スイッチ。
【請求項10】
所定の前記平面は前記直線偏光の方向とほぼ直角である、請求項5ないし8のいずれか一項に記載の波長選択光学スイッチ。
【請求項11】
前記ピクセルに適用される前記制御信号は前記ピクセルを通過する光の偏光方向を基本的に90度まで回転させる、請求項5ないし10のいずれか一項に記載の波長選択光学スイッチ。
【請求項12】
前記偏光変換素子は、その出力の一部の全体に1/2波長板を有する複屈折結晶である、請求項5ないし10のいずれか一項に記載の波長選択光学スイッチ。
【請求項13】
前記偏光変換素子は、全体的な直線偏光の少なくとも一つの出力ビームの偏光方向が前記入力光の偏光に依存しないようなものである、請求項5ないし10のいずれか一項に記載の波長選択光学スイッチ。
【請求項14】
出力の一部の全体に1/2波長板を有する前記複屈折結晶は、C偏光子である、請求項1ないし10のいずれか一項に記載の波長選択光学スイッチ。
【請求項15】
さらに、その出力の一部の全体に1/2波長板を有する前記複屈折結晶の出力に直線偏光子を含む、請求項12ないし14のいずれか一項に記載の波長選択光学スイッチ。
【請求項16】
前記ビーム拡大素子および前記ビーム圧縮素子の少なくとも一方は一対のアナモフィックプリズムである、請求項1ないし15のいずれか一項に記載の波長選択光学スイッチ。
【請求項17】
前記ビーム拡大素子および前記ビーム圧縮素子の少なくとも一方は単一プリズムである、請求項1ないし16のいずれか一項に記載の波長選択光学スイッチ。
【請求項18】
前記ビーム拡大素子および前記ビーム圧縮素子の少なくとも一方は円柱レンズを含む、請求項1ないし17のいずれか一項に記載の波長選択光学スイッチ
【請求項19】
さらに、前記偏光切換素子の前の光路に配置された第1の直線偏光素子、および前記偏光切換素子の後の光路に配置された第2の直線偏光素子の少なくとも一方を含む、請求項1ないし18のいずれか一項に記載の波長選択光学スイッチ。
【請求項20】
前記偏光切換素子は液晶セルである、請求項1ないし19のいずれか一項に記載の波長選択光学スイッチ。
【請求項21】
請求項1ないし20に記載の複数の波長選択光学スイッチを含む波長選択スイッチモジュールであって、波長に依存する少なくとも2つの前記スイッチは、分散素子、収束素子および偏光回転素子のうちの少なくとも一つの素子を共通に使用する、波長選択スイッチモジュール。
【請求項22】
複数の波長成分を有する入力光を受け、予め定義された偏光を出力する偏光変換素子と、
予め定義された前記偏光を所定の平面内で拡大するためのビーム拡大素子と、
予め定義された前記偏光の拡大光を受け、また予め定義された前記偏光の前記拡大光の波長成分を所定の前記平面内に分散する分散素子と、
予め定義された前記偏光の前記拡大光の分散された前記波長成分を受ける偏光切換素子であって個々のピクセルが前記拡大光の個々の波長成分と関連づけられるように前記分散方向に沿って全体的にピクセル化され、少なくとも1つのピクセルが該ピクセルに適用される制御信号に従って該ピクセルを通過する前記偏光を切り換えるように動作する偏光切換素子と、
前記偏光切換素子の近傍に配置され、また前記光が反射して前記偏光切換素子の前記ピクセルを通って戻るように、前記ピクセルを通過する前記光が入射する側に関して偏光切換素子の遠位側に配置された反射面とを含む、波長選択光学スイッチ。
【請求項23】
予め定義された前記偏光は全体的に円偏光である、請求項22に記載の波長選択光学スイッチ。
【請求項24】
予め定義された前記偏光は全体的に直線偏光である、請求項22に記載の波長選択光学スイッチ。
【請求項25】
前記ピクセルに適用される前記制御信号は、前記ピクセルを通って戻った後の前記波長成分の光の偏光方向を基本的に90度まで回転させる、請求項24に記載の波長選択光学スイッチ。
【請求項26】
前記ピクセルを通って戻る前記光は前記スイッチからの出力のために前記偏光変換素子を通って戻るように方向付けられる、請求項22ないし25のいずれか一項に記載の波長選択光学スイッチ。
【請求項27】
前記入力光は入力ファイバから得られ、前記スイッチからの出力のために前記ピクセルを通って戻る前記光は出力ファイバに方向付けられ、前記スイッチはさらに前記入力ファイバの光から前記出力ファイバの光を分離するためのサーキュレータを含む、請求項22ないし26のいずれか一項に記載の波長選択光学スイッチ。
【請求項28】
消光比を有し前記偏光切換素子と前記反射面との間に配置された直線偏光子を含み、該直線偏光子は前記直線偏光の偏光方向に本質的に平行な偏光方向を有し、前記ピクセルに適用される前記制御信号は、前記直線偏光子を通って前方へ伝えられる前記波長成分の前記光が全体的に前記消光比で減衰されるように、前記ピクセルを通過する前記波長成分の前記偏光方向を基本的に90度だけ回転させる、請求項24に記載の波長選択光学スイッチ。
【請求項29】
前記反射面から反射された前記波長成分の光は、前記波長成分の前記光の減衰が全体的に前記直線偏光子の消光比の自乗にほぼ比例するように、前記直線偏光子を通って戻るときにも全体的に前記消光比で減衰される、請求項28に記載の波長選択光学スイッチ。
【請求項30】
複数の波長成分を有するファイバ光信号が入力し、複数の波長成分を有する光を出力するデュアルファイバコリメータと、
前記デュアルファイバコリメータからの前記出力光を受け、また予め定義された偏光を出力する第1の偏光変換素子と、
予め定義された前記偏光を所定の平面内で拡大するためのビーム拡大素子と、
予め定義された前記偏光の拡大光を受け、また予め定義された前記偏光の前記拡大光の波長成分を所定の前記平面内に分散する分散素子と、
予め定義された前記偏光の前記拡大光の分散された前記波長成分を受ける偏光切換素子であって個々のピクセルが前記拡大光の個々の波長成分と関連づけられるように前記分散方向に沿って全体的にピクセル化され、少なくとも1つのピクセルが該ピクセルに適用される制御信号に従って該ピクセルを通過する前記偏光を切り換えるように動作する偏光切換素子と、
前記直線偏光の前記波長成分が前記ビーム拡大素子および前記分散素子を通って戻るように方向付けられ、また前記分散素子が前記出力光の個々の波長成分を多重波長出力光に結合するように、前記偏光切換素子に関連して配置される少なくとも2つの反射面と、
第2の偏光変換素子であって所定の前記偏光を有する前記多重波長出力光の一部が透過しまた前記デュアルビームコリメータ通って前記スイッチから出力されるように整列された第2の偏光変換素子とを含む、波長選択光学スイッチ。
【請求項31】
予め定義された前記偏光は全体的に円偏光である、請求項30に記載の波長選択光学スイッチ。
【請求項32】
予め定義された前記偏光は全体的に直線偏光である、請求項30に記載の波長選択光学スイッチ。
【請求項33】
前記ピクセルに適用される前記制御信号は前記ピクセルを通過する光の偏光方向を基本的に90度まで回転させる、請求項32に記載の波長選択光学スイッチ。
【請求項34】
また、前記デュアルファイバコリメータからの光ビーム出力を受け該ビームを前記第1の偏光変換素子に方向付け、また前記第2の偏光変換素子からの前記出力光を受け該出力光を前記デュアルファイバコリメータに向けるように、動作するビーム偏位素子を含む、請求項30に記載の波長選択光学スイッチ。

【図1】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−519010(P2007−519010A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−510896(P2005−510896)
【出願日】平成15年11月26日(2003.11.26)
【国際出願番号】PCT/IL2003/001002
【国際公開番号】WO2005/052507
【国際公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(504380323)エクステラス インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】