説明

単環縫いミシンの糸切断方法並びにその装置

【課題】縫い始めの糸端部を短く切り揃える機能を備えた単環縫いミシンの糸切断方法並びにその装置を提供する。
【解決手段】縫い始めに糸保持用板ばね10と第1可動メス11との間で保持され被縫製物Wの上面側に残った縫い始めの糸端部4aを、縫い始めから二針目又は二針目以降の針目で、針板2の上部に配置された第2固定メス13に接触させて被縫製物Wの上面に近い位置で切断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縫い始めの針糸を短く切り揃える機能を備えた単環縫いミシンの糸切断方法並びにその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、縫製終了後に縫い糸を自動で切断する糸切断装置を備える単環縫いミシンはよく知られている(例えば、特許文献1,2参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開昭62−281995号公報
【特許文献2】特開2001−353385号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記単環縫いミシンでは、縫製終了後に縫い糸を針板の下面側で糸切断装置で切断処理しているので、糸切断後に、その切断された糸端をワイパー部材で針板の上面側へ払い上げるための糸払い機構(ワイパー装置)が必要である。また、単環縫い段ボール用ミシンでは、各種の段ボールサイズに対応するためにミシンベッドが細長いシリンダー形状になっているので、複雑な糸切断システムを針板の下部に配置することは難しい。
このため、上記糸払い機構の省略化や、単環縫い段ボール用ミシンの細長いシリンダー形状のミシンベッドへの糸切システムの組込みの簡易化を図るには、針板の上面側で糸切断処理することが求められる。
しかし、針板の上面側で糸切断処理をすると、被縫製物の上面側に縫い始めの針糸の端部が長く残ることになるため、縫い上げの美観を損ねる。このため、その長い針糸をはさみで短く切断しなければならず、作業時間が大幅に増大するという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、針板の上面側で縫い始めの針糸を自動的に短く切り揃えることができて見映えの良好な縫製仕上げ状態を得ることができ、また縫製作業時間の大幅な短縮化が図れる単環縫いミシンの糸切断方法並びにその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の単環縫いミシンの糸切断方法は、請求項1に記載のように、発明の内容を理解しやすくするために図1〜図27に付した符号を参照して説明すると、針先に糸(4)が通され昇降運動して針板(2)上の被縫製物(W)を貫通するミシン針(3)と、針板(2)の下方でミシン針(3)の糸(4)を手繰るルーパー(5)とを備え、ミシン針(3)とルーパー(5)により一本の糸(4)で縫い目を形成して行く単環縫いミシンにおいて、縫い終わりの糸端部(4b)は針板(2)の上面側に配置された第1可動メス(11)の作動で第1固定メス(12)に挟み込んで切断し、縫い始めに針板(2)の上面側に配置された糸保持用板ばね(10)のばね圧により第1可動メス(11)との間で保持され被縫製物(W)の上面側に残された縫い始めの糸の端部(4a)は、縫い始めから二針目又は二針目以降の針目で、針板(2)の上面側であって第1固定メス(12)の下側に配置された第2固定メス(13)に接触させて被縫製物(W)の上面に近い位置で切断することに特徴を有するものである。
このような構成の糸切断方法によれば、針板(2)の上面側で縫い終わりの糸端部(4b)および縫い始めの糸の端部(4a)の切断処理を行うので、従来の、縫製終了後に縫い糸を切断し、その切断された糸端をワイパー部材で針板の上面側へ払い上げる糸払い機構(ワイパー装置)を不要とする。
とくに、縫い始めの糸の端部(4a)は自動的に見映え良く短く切り揃えることができる。
【0007】
本発明の単環縫いミシンの糸切断装置は、請求項2に記載のように、発明の内容を理解しやすくするために図1〜図27に付した符号を参照して説明すると、針先に糸(4)が通され昇降運動して針板(2)上の被縫製物(W)を貫通するミシン針(3)と、針板(2)の下方でミシン針(3)の糸(4)を手繰るルーパー(5)とを備え、ミシン針(3)とルーパー(5)により一本の糸(4)で縫い目を形成して行く単環縫いミシンにおいて、被縫製物(W)の上側に、下側から上側へ順に第1固定メス(12)と、第1可動メス(11)と、糸保持用板ばね(10)を配置し、縫い終わりの糸端部(4b)を第1可動メス(11)の作動で第1固定メス(12)に挟み込んで切断する縫い終わりの糸端切断手段と、該糸端部切断手段による切断によりミシン針側に残される縫い始めの糸端部(4a)を糸保持用板ばね(10)のばね圧により第1可動メス(11)との間で保持する糸保持手段と、第1固定メス(12)と被縫製物(W)上面との間に第2固定メス(13)を配置し、縫い始めに前記糸保持手段で保持され被縫製物(W)の上面側に残された縫い始めの糸端部(4a)を、縫い始めから二針目又は二針目以降の針目で、第2固定メス(13)に接触させて被縫製物(W)の上面に近い位置で切断する縫い始めの糸端切断手段と、を備えていることに特徴を有するものである。
このような構成によると、針板の上面側において縫い終わりの糸端部および縫い始めの糸端部の切断動作がそれぞれ安定良く確実に行える。針板の上面側でそのような糸切断を行うことにより、単環縫いミシンが細長いシリンダー形状のミシンベッドを備えた段ボール用ミシンである場合にも縫い終わりの糸端切断手段と、糸保持手段、および縫い始めの糸端切断手段を含む糸切断装置を簡易に組込むことができるし、また、従来の、縫製終了後に縫い糸を切断し、その切断された糸端をワイパー部材で針板の上面側へ払い上げる糸払い機構(ワイパー装置)を不要とする。
【0008】
請求項2記載の単環縫いミシンの糸切断装置は、請求項3に記載のように、第1固定メス(12)、第1可動メス(11)、糸保持用板ばね(10)、および第2固定メス(13)を糸切断ベース(9)上に配備し、該糸切断ベース(9)に糸切断ベースブラケット(14)を一体的に結合するとともに、該糸切断ベース(9)の下面に被縫製物押え板(15)を一体的に結合してなる糸切断・被縫製物押えユニット(8)を構成し、糸切断ベースブラケット(14)を単環縫いミシンの押え棒(7)の下端に着脱可能に取り付けた構成を採用することができる。これによると、単環縫いミシンに対し糸切断・被縫製物押えユニット(8)の取り付け、取り外しが針板(2)の上側で簡単に行えるため、第1可動メス(11)、第1固定メス(12)や第2固定メス(13)の交換等のメンテナンスが容易である。
【0009】
請求項3記載の単環縫いミシンの糸切断装置は、請求項4に記載のように、糸切断・被縫製物押えユニット(8)に、先の縫製の二針目又は二針目以降で縫い始め糸を切断することにより生じて糸保持用板ばね(10)と第1可動メス(11)との間で保持された残糸を払う糸払い用エアーノズル(34)を一体的に取り付けている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の単環縫いミシンの糸切断方法およびその装置によれば、針板の上面側で縫い始めの糸端部を自動的に短く切り揃えることができるので、縫製を美しく仕上げることができ、また縫製作業時間の大幅な短縮化が図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づき説明する。図1は本発明の一実施例の単環縫いミシンを糸切断・被縫製物押えユニットを取り外した状態で示す外観斜視図、図2は同単環縫いミシンを糸切断・被縫製物押えユニットを取り付けた状態で示す外観斜視図、図3は図2の単環縫いミシンの正面図、図4は図3におけるA−A線断面図、図5は図3におけるB−B線断面図である。
【0012】
これらの図において、本発明の一実施例の単環縫いミシン1は、針先に糸4(図20参照)が通されミシンアーム1Aの先端で昇降運動してミシンベッド1Bに設けた針板2上に載置される被縫製物(段ボールあるいは布等)Wを貫通するミシン針3、針板2の下方でミシン針3の糸4を手繰り、ミシン針3と協働して一本の糸4で縫い目を形成するルーパー5(図20(b)参照)、針棒6の近傍に設けられた押え棒7、押え棒7に着脱可能に取り付けられる糸切断・被縫製物押えユニット8等を備えている。図示例の単環縫いミシン1は段ボール箱の縫い合わせ部位に継ぎしろを縫い合わせる段ボール用ミシンを示す。
【0013】
図6〜図12は糸切断・被縫製物押えユニット8を示し、図18は糸切断・被縫製物押えユニット8の分解斜視図を示しており、これらの図において、糸切断・被縫製物押えユニット8は、糸切断ベース9上に、下側から上側へ順に第2固定メス13、第1固定メス12、第1可動メス11、糸保持用板ばね10を配備し、該糸切断ベース9に糸切断ベースブラケット14を一体的に結合するとともに、該糸切断ベース9の下面に被縫製物Wを押え付けるための被縫製物押え板15を止めねじ27(図7、図12参照)等で一体的に結合してなる。糸保持用板ばね10、第1可動メス11、第1固定メス12、および第2固定メス13はそれぞれ、2本のミシン針3(二列単環縫い)に対応すべく左右一対ずつ設けている。
【0014】
更に詳しくは、図6〜図11、図18に示すように、第1固定メス12は糸切断ベース2上にねじ16で固定される。第1可動メス11は糸切断ベース9上に可動メス駆動用のエアーシリンダー17の駆動によってピン18回りに往復回動自在に取り付ける。エアーシリンダー17は糸切断ベースブラケット14に取り付けられる。エアーシリンダー17はロッド19の端部に結合したロッドエンドブラケット20を有し、ロッドエンドブラケット20に第1ロッドエンド21がボルト22で結合され、第1ロッドエンド21に第2ロッドエンド23がねじ込み結合され、第2ロッドエンド23に左の可動メスレバー24がボルト25で結合される。左の可動メスレバー24に左の第1可動メス11が左の可動メスブラケット26、ピン18を介して連結される。右の第1可動メス11は右の可動メスブラケット28、ピン18を介して右の可動メスレバー30に連結され、右の可動メスレバー30は可動メスリンク31の右端にねじ32で結合され、可動メスリンク31の左端は左の可動メスレバー24にねじ33で結合される。
【0015】
しかるときは、エアーシリンダー17のロッドエンドブラケット20が図16、図17の原位置状態から図10のように往動すると、左の第1可動メス11は第1,2ロッドエンド21,23および左の可動メスレバー24を介してピン18回りに時計方向に回動して左の第1固定メス12から離反して往動終端位置に行き、同時に右の第1可動メス11は可動メスリンク31および右の可動メスレバー30を介してピン18回りに反時計方向に回動して右の第1固定メス12から離反して往動終端位置に行く。
エアーシリンダー17のロッドエンドブラケット20が図10の往動終端位置状態から図16、図17のように復動すると、左の第1可動メス11は第1,2ロッドエンド21,23および左の可動メスレバー24を介してピン18回りに反時計方向に回動して左の第1固定メス12とかみ合い、同時に右の第1可動メス11は可動メスリンク31および右の可動メスレバー30を介してピン18回りに時計方向に回動して右の第1固定メス12とかみ合うことにより左右のミシン針糸の切断作用を行う。
【0016】
さらに糸切断・被縫製物押えユニット8は、図6、図7、図18に示すように、糸切断ベースブラケット14に糸払い用エアーノズル34をノズル取付ガイド35、ノズル取付ブラケット36をもって取り付けてなる。
【0017】
糸切断・被縫製物押えユニット8を単環縫いミシン1に取り付けるには、図2、図4、図18に示すように、糸切断ベースブラケット14の孔部37を押え棒7の下端に差し込み、ボルト38で締め付け固定するとともに、回り止め部材39aを単環縫いミシン1側の回り止め棒39bに係合させて回り止め状態に取り付ける。この取り付けにより、針板2上に載置される被縫製物Wの上側に、下側から上側へ順に第2固定メス13、第1固定メス12、第1可動メス11、糸保持用板ばね10が配置されることになる。第1可動メス11と第1固定メス12は、縫い終わりの糸端部を挟み込んで切断する縫い終わりの糸端切断手段を構成する。糸保持用板ばね10と第1可動メス11は、縫い終わりの糸端切断手段により切断されてミシン針側に残される縫い始めの糸端部を保持する縫い始めの糸端保持手段を構成する。被縫製物押え板15は、針板2上に載置される被縫製物Wがずれないように上方から被縫製物Wを押え付ける被縫製物押え手段を構成する。
第2固定メス13は第1固定メス12と被縫製物W上面との間に配置される。第2固定メス13は、縫い始めに糸保持用板ばね10と第1可動メス11との間で保持され被縫製物Wの上面側に残された縫い始めの糸の端部を縫い始めから二針目又は二針目以降の針目で切断する縫い始めの糸端切断手段を構成する。
糸切断・被縫製物押えユニット8を単環縫いミシン1から取り外すには、ボルト38を糸切断ベースブラケット14から外し、糸切断ベースブラケット14の孔部37を押え棒7の下端から抜き出す。
【0018】
図19は糸切り動作処理を示すフローチャートであり、図20〜図27は図19のフローチャートに基づく各動作図を示す。次に、これら図19、図20〜図27を参照して糸切り動作について説明する。
【0019】
図20は縫製終了後の糸切り動作開始時(ミシン針3が上死点位置で停止する)を示しており、Pは、後述するように先の縫製における二針目の途中で縫い始めの糸端部4a(図26参照)を切断することにより生じた残糸を示し、この残糸Pは糸保持用板ばね10のばね圧により第1可動メス11との間で保持されている。
【0020】
残糸Pは、図21に示すように、第1可動メス11がピン18回りに第1固定メス12から離反する方向に回動することにより糸保持用板ばね10から離れ、糸払い用エアーノズル34で吹き飛ばされる。
【0021】
次いで、縫い終わりの糸端部4bは、第1固定メス12から離反している第1可動メス11が図22に示すようにピン18回りに第1固定メス12に接近する方向に回動して第1固定メス12とかみ合うことにより切断される。このとき、ミシン針側に残る縫い始めの糸端部4aは糸保持用板ばね10のばね圧により第1可動メス11との間で保持される。
【0022】
縫い終わりの糸端部4bの切断後、被縫製物(ワーク)Wは、図23に示すように矢印X方向に排出される。このとき、ルーパー5側の縫い終わりの糸端部4bはルーパー5に引っ掛かっているので、被縫製物Wの排出に伴いルーパー5から外れた後に被縫製物Wの下面側(裏面側)へ抜け出てくる。縫い終わりの糸4bが被縫製物Wの下面側に出ていると他物との触れが少なくて解け難い。ミシン針側の糸端部4aは既述のように糸保持用板ばね10のばね圧により第1可動メス11との間で保持されている。なお、縫い終わりの糸端部4bの長さは被縫製物Wの厚さにより変わる。
【0023】
次いで、図24に示すように新規な被縫製物Wの縫製が開始される。図25は新規な被縫製物Wの縫い始めの一針目の状態を示しており、このとき、既述したようにミシン針側の縫い始めの糸端部4aは糸保持用板ばね10のばね圧により第1可動メス11との間で保持されているので、被縫製物Wの一針目が確実に形成される。
【0024】
図26は二針目の途中状態を示す。図26のように二針目の途中では、糸保持用板ばね10と第1可動メス11との間で保持されている縫い始めの糸端部4aが被縫製物Wの矢印Y方向への送りに伴い張力を加えられながら第2固定メス13に接触する角度になり、この接触により被縫製物Wの上面に近い位置で自動切断される。この結果、被縫製物Wの上面側に残り出る縫い始めの糸端部4cが短くなり、縫製製品の見映えを良好にする。
【0025】
図27は二針目以降の縫製途中の状態を示す。図26に示す工程で切断され糸保持用板ばね10と第1可動メス11との間で保持されている残糸Pは縫製中そのまま残り、既述の図21の残糸飛ばし工程にて糸払い用エアーノズル34で被縫製物Wに付着することのないように吹き飛ばされる。
【0026】
上記実施例では、縫い始めに保持され被縫製物Wの上面側に残った縫い始めの糸端部4aを、縫い始めから二針目で、第2固定メス13に接触させて被縫製物Wの上面に近い位置で切断するが、これに代えて、縫い始めに保持され被縫製物Wの上面側に残った縫い始めの糸端部4aを、二針目以降、例えば3〜5針目の所定針目で第2固定メス13に接触させて被縫製物Wの上面に近い位置で切断するもよい。
【0027】
また、上記実施例では、単環縫いミシン1の押え棒7から糸切断・被縫製物押えユニット8を簡単に取り外すことができてメンテナンスを容易にするために、第1可動メス11、第1固定メス12、糸保持用板ばね10および第2固定メス13を糸切断ベース9上に配備し、該糸切断ベース9に糸切断ベースブラケット14を一体的に結合するとともに、該糸切断ベース9の下面に被縫製物押え板15を一体的に結合してなる糸切断・被縫製物押えユニット8を構成するが、これに限られず、第1可動メス11、第1固定メス12、糸保持用板ばね10および第2固定メス13を含む糸切断装置と、被縫製物押え板15とをそれぞれ分離独立して単環縫いミシン1の針板2の上部に設置するものであってもよい。
【0028】
さらに、第1可動メス11は、上記実施例のようにピン回りに回転運動させて第1固定メス12に対し離反・接近させるに代えて、直線運動させることにより第1固定メス12に対し離反・接近するようにすることもできる。残糸Pは糸払い用エアーノズル34で吹き飛ばすに代えて、残糸吸引ホース等で吸い込むようにすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施例の単環縫いミシンを糸切断・被縫製物押えユニットを取り外した状態で示す外観斜視図である。
【図2】同単環縫いミシンを糸切断・被縫製物押えユニットを取り付けた状態で示す外観斜視図である。
【図3】図2の単環縫いミシンの正面図である。
【図4】図3におけるA−A線断面図である。
【図5】図3におけるB−B線断面図である。
【図6】糸切断・被縫製物押えユニットを上方から見た外観斜視図である。
【図7】糸切断・被縫製物押えユニットを底側から見た外観斜視図である。
【図8】糸切断・被縫製物押えユニットの正面図である。
【図9】糸切断・被縫製物押えユニットの平面図である。
【図10】図8におけるC−C線断面図である。
【図11】図9におけるD−D線断面図である。
【図12】図9におけるE−E線断面図である。
【図13】糸切断・被縫製物押えユニットの第1可動メスの作動状態を図6に相応して示す外観斜視図である。
【図14】糸切断・被縫製物押えユニットの第1可動メスの作動状態を図8に相応して示す正面図である。
【図15】糸切断・被縫製物押えユニットの第1可動メスの作動状態を図9に相応して示す平面図である。
【図16】図14におけるF−F線断面図である。
【図17】図14におけるG−G線断面図である。
【図18】糸切断・被縫製物押えユニットの分解斜視図である。
【図19】糸切り動作処理を示すフローチャートである。
【図20】縫製終了後の糸切り動作開始時を示し、(a)は外観斜視図、(b)は縫い目部分の縦断正面図、(c)は縫い目部分の縦断斜視図である。
【図21】残糸飛ばし動作図を示し、(a)は外観斜視図、(b)は縫い目部分の縦断正面図、(c)は縫い目部分の縦断斜視図である。
【図22】縫製終了後の糸切り開始動作図を示し、(a)は外観斜視図、(b)は縫い目部分の縦断正面図、(c)は縫い目部分の縦断斜視図である。
【図23】被縫製物排出動作図を示し、(a)は外観斜視図、(b)は縫い目部分の縦断正面図、(c)は縫い目部分の縦断斜視図である。
【図24】縫製動作開始時を示し、(a)は外観斜視図、(b)は縫い目部分の縦断正面図、(c)は縫い目部分の縦断斜視図である。
【図25】一針目の動作図を示し、(a)は外観斜視図、(b)は縫い目部分の縦断正面図、(c)は縫い目部分の縦断斜視図である。
【図26】二針目途中での縫い始め糸の切断動作図を示し、(a)は外観斜視図、(b)は縫い目部分の縦断正面図、(c)は縫い目部分の縦断斜視図である。
【図27】二針目以降の縫製途中の動作図を示し、(a)は外観斜視図、(b)は縫い目部分の縦断正面図、(c)は縫い目部分の縦断斜視図である。
【符号の説明】
【0030】
1 単環縫いミシン
2 針板
3 ミシン針
4 糸
4a 縫い始めの糸端部
4b 縫い終わりの糸端部
5 ルーパー
7 押え棒
8 糸切断・被縫製物押えユニット
9 糸切断ベース
10 糸保持用板ばね
11 第1可動メス
12 第1固定メス
13 第2固定メス
14 糸切断ベースブラケット
15 被縫製物押え板
34 糸払い用エアーノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
針先に糸が通され昇降運動して針板上の被縫製物を貫通するミシン針と、針板の下方でミシン針の糸を手繰るルーパーとを備え、前記ミシン針とルーパーにより一本の糸で縫い目を形成して行く単環縫いミシンにおいて、縫い終わりの糸端部は前記針板の上面側に配置された第1可動メスの作動で第1固定メスに挟み込んで切断し、縫い始めに前記針板の上面側に配置された糸保持用板ばねのばね圧により前記第1可動メスとの間で保持され前記被縫製物の上面側に残された縫い始めの糸の端部は、縫い始めから二針目又は二針目以降の針目で、前記針板の上面側であって前記第1固定メスの下側に配置された第2固定メスに接触させて被縫製物の上面に近い位置で切断することを特徴とする、単環縫いミシンの糸切断方法。
【請求項2】
針先に糸が通され昇降運動して針板上の被縫製物を貫通するミシン針と、針板の下方でミシン針の糸を手繰るルーパーとを備え、前記ミシン針とルーパーにより一本の糸で縫い目を形成して行く単環縫いミシンにおいて、前記被縫製物の上側に、下側から上側へ順に第1固定メスと、第1可動メスと、糸保持用板ばねを配置し、縫い終わりの糸端部を前記第1可動メスの作動で第1固定メスに挟み込んで切断する縫い終わりの糸端切断手段と、該糸端部切断手段による切断により前記ミシン針側に残される縫い始めの糸端部を前記糸保持用板ばねのばね圧により前記第1可動メスとの間で保持する糸保持手段と、前記第1固定メスと前記被縫製物上面との間に第2固定メスを配置し、縫い始めに前記糸保持手段で保持され前記被縫製物の上面側に残された縫い始めの糸端部を、縫い始めから二針目又は二針目以降の針目で、前記第2固定メスに接触させて被縫製物の上面に近い位置で切断する縫い始めの糸端切断手段と、を備えていることを特徴とする、単環縫いミシンの糸切断装置。
【請求項3】
前記第1固定メス、前記第1可動メス、前記糸保持用板ばね、および前記第2固定メスを糸切断ベース上に配備し、該糸切断ベースに糸切断ベースブラケットを一体的に結合するとともに、該糸切断ベースの下面に被縫製物押え板を一体的に結合してなる糸切断・被縫製物押えユニットを構成し、前記糸切断ベースブラケットを単環縫いミシンの押え棒の下端に着脱可能に取り付けている、請求項2記載の単環縫いミシンの糸切断装置。
【請求項4】
糸切断・被縫製物押えユニットに、先の縫製の二針目又は二針目以降で縫い始め糸を切断することにより生じ糸保持用板ばねと第1可動メスとの間で保持された残糸を払う糸払い用エアーノズルを一体的に取り付けている、請求項3記載の単環縫いミシンの糸切断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2010−57529(P2010−57529A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−223096(P2008−223096)
【出願日】平成20年9月1日(2008.9.1)
【出願人】(391040401)株式会社タワダ (5)
【出願人】(391005123)株式会社森本製作所 (26)
【Fターム(参考)】