説明

単相3線式インバータ装置及び単相3線式インバータ装置制御プログラム

【課題】単相3線式インバータ装置における中間線に含まれる直流成分の抑制によるインバータ装置としての安定性の向上と上記した損失による発熱の抑制とを両立させることが可能な単相3線式インバータ装置を提供する。
【解決手段】一つの直流電源Vから単相3線式の交流電圧を生成するインバータ部IVと、単相3線式における中間線Mに含まれる直流成分の電圧値を検出する第2電圧検出部7と、直流電源Vとインバータ部IVとの間に接続され、スイッチング素子S1及びS2を用いて直流成分を抑制する中間線安定化部SVと、直流成分の電圧値が、ゼロボルトを含んで予め設定された不感帯の電圧範囲内であるとき、スイッチング素子S1及びS2におけるスイッチング動作を禁止するPWM駆動部1及び2と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は単相3線式インバータ装置及び単相3線式インバータ装置制御プログラムの技術分野に属する。より詳細には、直流電源から単相3線式の交流電圧を生成する単相3線式インバータ装置及び当該単相3線式インバータ装置用の制御プログラムの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
現在、各電力会社から一般家庭等に供給されている商用の交流電圧(いわゆる系統)は、通常、単相3線式(中間線と一方の端線間で実効値100ボルト)とされている場合が多い。これは、各家庭においていわゆる床暖房の設備や誘導加熱(IH;Induction Heating)式の電磁調理器具等が普及するようになった昨今、それらのための交流電源としての200ボルトの交流電圧が、建築工事等の際に簡単に得られるようにすることを考慮したものである。
【0003】
一方近年では、系統が停電した場合に備えて、一般家庭等においても自家発電の施設を備えることが検討されている。この場合、系統から交流電圧が供給されている場合と同じ機器(照明や電磁調理器具等)を、自家発電時においてもそのまま用いることができれば好適である。これに対して、上記自家発電の施設として普及しつつある太陽光発電システムや家庭用蓄電池システム或いは家庭用小型発電機等から出力される電力は、直流である場合が多い。そこでこのような自家発電の施設から出力されてくる直流電圧を単相3線式の交流電圧に変換する、単相3線式インバータ装置が望まれることとなる。このような単相3線式インバータ装置についての先行技術文献としては、例えば下記特許文献1及び特許文献2等がある。
【0004】
ここで、単相3線式インバータ装置においては、単相3線式における中間線(中性線と称される場合もある)の電圧(いわゆる中点電圧)を安定化して、当該中間線に直流成分が生じないようにする必要がある。即ち、単相3線式インバータ装置から出力される交流電圧を利用する負荷が通常の負荷である場合には、当該中間線に流れる直流成分は極少ないものである。しかしながら、例えば一部のハロゲンヒータなどでは、ヒータとしての電力を調整するために半波整流回路を用いるものがある。そしてこのようなハロゲンヒータが単相3線式インバータ装置の出力端に接続された場合、当該ハロゲンヒータに流れる負荷電流には、大きな直流成分が含まれることになる。またこの他に、例えばサイリスタ及びトライアーク等を用いた位相角制御をそのモータの回転制御に用いる掃除機においても、その位相角制御に誤差(アンバランス)が生じると、その誤差分が直流成分として負荷電流に含まれ得ることになる。更に言えば、負荷電流に直流成分が全く含まれない負荷は、通常では考え難い。そして、このような直流成分が中間線に流れると、当該中間線と両端線間の電圧バランスがアンバランスとなることで、その出力としての交流電圧にその直流成分がそのまま重畳される。この結果、例えば変圧器等を含む負荷が単相3線式インバータ装置の出力端に接続された場合、当該直流成分が流れ続けると、当該変圧器等のコアの飽和、及びこれによる当該変圧器等の破損を招くことになる。よってこのような中間線に含まれる直流成分は極力抑制されることが望ましい。このため従来では、例えば図3に例示するような中間線安定化部を含む単相3線式インバータ装置が用いられている。
【0005】
図3(a)に示すように従来の単相3線式インバータ装置SSは、実質的に一つと見なされる直流電源Vと、コンデンサC1及びC2と、例えばそれぞれがIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等からなるスイッチング素子S3乃至S6と、リアクトルL2及びL3と、コンデンサC3及びC4と、を含むインバータ部IVを備えており、それぞれの相に対して負荷LD1及びLD2が接続される単相3線式のインバータ装置である。この構成においてインバータ部IVに含まれているスイッチング素子S3乃至S6は、例えばパルス幅変調(Pulse Width Modulation。以下、PWMと称する)方式により、図示しないPWM駆動部により駆動される。そして、スイッチング素子S3及びS4の接続点及びスイッチング素子S5及びS6の接続点それぞれから出力されるパルス信号が、リアクトルL2及びL3並びにコンデンサC3及びC4によりそれぞれ平滑化され、単相3線式の交流電圧として負荷LD1及びLD2にそれぞれ印加される。
【0006】
ここで、図3(a)に例示する単相3線式インバータ装置SSにおいて、負荷LD1が接続されている側の相を「S相」と称し、負荷LD2が接続されている側の相を「W相」と称することとする。また、上記の構成において「実質的に一つと見なされる直流電源V」とは、例えば太陽光パネル、家庭用蓄電池システム及び家庭用小型発電機等のように、それぞれが直流電源として機能し得るが装置としては独立しているものを、纏めて一つの直流電源Vとして取り扱うことを意味する。そして、このような一つの(換言すれば、単相3線式における中間線Mが接続されない)直流電源Vから交流電圧を得るために、コンデンサC1及びC2がS相及びW相にそれぞれ接続されている。
【0007】
一方、上記従来の単相3線式インバータ装置SSには、上記負荷LD1の特性等に起因して中間線Mに含まれる上記直流成分を抑制して当該中間線Mの電圧を安定化させるための中間線安定化部SVとして、例えばそれぞれがIGBT等からなるスイッチング素子S1及びS2とリアクトルL1とが備えられている。これらスイッチング素子S1及びS2の動作により生成されるパルス信号がリアクトルL1により平滑化されて直流電圧化され、この直流電圧が中間線Mに対して加算又は減算されることにより、中間線Mに含まれる直流成分を相殺して当該中間線Mの電圧を安定化させる。
【0008】
ここで、上記中間線安定化部SVにおいて上記の直流成分が中間線Mに含まれる場合、スイッチング素子S1及びS2とリアクトルL1については動作上問題となることはないが、本来は同じ電圧が印加されるべき上記コンデンサC1とコンデンサC2との間での上記電圧バランスがアンバランスとなることになる。そしてこの結果として、負荷LD1又はLD2に印加される交流電圧の値がS相とW相との間で異なることとなってしまう。そこで従来の単相3線式インバータ装置SSでは、図3(b)の最上段及び上から二段目に例示するように、スイッチング素子S1及びS2を交互にスイッチング動作させ、且つそれぞれにおけるPWM方式の駆動信号のデューティ比を共に50%に維持することで、図3に示す電圧Vを、ちょうど電圧V(即ち中間線Mの電圧)の二倍とし、これにより中間線Mに含まれる直流成分を相殺して中間線Mの電圧を安定させていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平7−46859号公報
【特許文献2】特開平7−163153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、図3(a)に例示する単相3線式インバータ装置SSの場合、負荷LD1及びLD2に接続される機器の種類等に拘わらず、常に上記中間線安定化部SVが動作している。そして、中間線Mの電圧の安定化のためにスイッチング素子S1及びS2がPWM方式により常に駆動されることで、リアクトルL1には、その両端に図3(b)下から二段目に例示される電圧VL1が常に発生し、更にスイッチング素子S1及びS2におけるスイッチング時間及びリアクトルL1自体のインダクタンスによって定まる励磁電流IL1(図3(b)最下段参照)が常に流れることになる。これらのことは、リアクトルL1及びスイッチング素子S1及びS2における損失の発生(即ち発熱)の原因となる。このような損失の発生は、例えば系統が停電している間には常時動作するべきインバータ装置においては、周囲温度の上昇、ひいては火災にも繋がり得るものであり、大きな問題点である。
【0011】
そこで、本発明は上記の問題点に鑑みて為されものであり、その課題の一例は、単相3線式における中間線に含まれる直流成分の抑制による単相3線式インバータ装置としての安定性の向上と上記した損失による発熱の抑制とを両立させることが可能な単相3線式インバータ装置及び当該単相3線式インバータ装置用の制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、実質的に一つの直流電源から単相3線式の交流電圧を生成するインバータ部と、前記単相3線式における中間線に含まれる直流成分の電圧値を検出する第2電圧検出部等の検出手段と、前記直流電源と前記インバータ部との間に接続され、スイッチング素子を用いて前記直流成分を抑制する中間線安定化部と、前記検出された電圧値が、ゼロボルトを含んで予め設定された所定電圧範囲内であるとき、前記スイッチング素子におけるスイッチング動作を禁止するPWM駆動部等の禁止手段と、を備える。
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、単相3線式の中間線に含まれる直流成分の電圧値がゼロボルトを含む所定電圧範囲内であるとき、中間線安定化部のスイッチング素子におけるスイッチング動作を禁止するので、中間線安定化部のスイッチング素子において過度のスイッチング動作が行われることに起因する損失を抑制することができる。
【0014】
上記の課題を解決するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の単相3線式インバータ装置において、前記所定電圧範囲は、前記直流電源の電圧値と、前記インバータ部による前記直流成分の補正可能範囲と、に基づいて予め設定された所定電圧範囲であるように構成される。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、所定電圧範囲が、直流電源の電圧値と、インバータ部による直流成分の補正可能範囲と、に基づいて予め設定されているので、中間線安定化部のスイッチング素子における過度のスイッチング動作による損失を確実に抑制することができる。
【0016】
上記の課題を解決するために、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の単相3線式インバータ装置において、前記所定電圧範囲を、ゼロボルトを含んで−aボルトから+aボルト(aは正数)までの電圧範囲とした場合であって、前記直流電源の電圧値をVボルトとし、前記単相3線式の両端線と前記中間線との間にそれぞれ接続されている二つのコンデンサの最小電圧値をVcminボルトとし、b=|(V−2×Vcmin)|/2(ボルト)としたとき、b/3≦a≦b/2であるように構成される。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、所定電圧範囲を−aボルトから+aボルトまでの電圧範囲とした場合であって、直流電源の電圧値をVボルトとし、単相3線式の両端線と中間線との間にそれぞれ接続されている各コンデンサの最小電圧値をVcminボルトとし、b=|(V−2×Vcmin)|/2ボルトとしたとき、aの値がb/3以上b/2以下であるので、単相3線式インバータ装置としての安定性の向上と上記損失の抑制とを両立させることができる。
【0018】
上記の課題を解決するために、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の単相3線式インバータ装置において、a=b/2であるように構成される。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の作用に加えて、a=b/2であるので、上記安定性の向上と上記損失の抑制とを高度に両立させることができる。
【0020】
上記の課題を解決するために、請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の単相3線式インバータ装置において、正弦波信号を生成するサインジェネレータ等の正弦波生成手段と、前記検出された電圧値が前記所定電圧範囲内であるとき、前記生成された正弦波信号に基づいて前記直流成分を抑制するように前記インバータ部を制御する加算器等の制御手段と、を備える。
【0021】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、直流成分の電圧値が所定電圧範囲内であるとき、正弦波信号に基づいてインバータ部において直流成分を抑制するので、中間線安定化部のスイッチング素子が機能していない場合でも、当該中間線に含まれる直流成分を抑制して単相3線式インバータ装置としての安定性を向上させることができ、結果として当該安定性の向上と中間線安定化部における損失の抑制を両立させることができる。
【0022】
上記の課題を解決するために、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の単相3線式インバータ装置において、前記インバータ部は、インバータ部スイッチング素子と、前記インバータ部スイッチング素子をパルス幅変調方式の駆動信号により駆動するPWM駆動部等の駆動手段と、を備え、前記制御手段は、前記生成された正弦波信号と前記検出された電圧値との差分に基づいて、前記パルス幅変調方式におけるパルス幅を制御して前記直流成分を抑制するように前記駆動手段を制御するように構成される。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載の発明の作用に加えて、インバータ部がインバータ部スイッチング素子とパルス幅変調方式の駆動手段と、を備え、正弦波信号と直流成分の電圧値との差分に基づいてパルス幅変調方式のパルス幅を制御して直流成分を抑制するので、より効果的に単相3線式インバータ装置としての安定性の向上と損失の抑制を両立させることができる。
【0024】
上記の課題を解決するために、請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の単相3線式インバータ装置であって、正弦波信号を生成するサインジェネレータ等の正弦波生成手段を備える単相3線式インバータ装置に含まれるコンピュータを、前記検出された直流成分の電圧値が前記所定電圧範囲内であるとき、前記生成された正弦波信号に基づいて前記直流成分を抑制するように前記インバータ部を制御する制御手段として機能させるように構成される。
【0025】
請求項7に記載の発明によれば、直流成分の電圧値が所定電圧範囲内であるとき、正弦波信号に基づいてインバータ部において直流成分を抑制するように単相3線式インバータ装置に含まれるコンピュータが機能するので、中間線安定化部のスイッチング素子が機能していない場合でも、当該中間線に含まれる直流成分を抑制して単相3線式インバータ装置としての安定性を向上させることができ、結果として当該安定性の向上と中間線安定化部における損失の抑制を両立させることができる。
【0026】
上記の課題を解決するために、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の単相3線式インバータ装置制御プログラムにおいて、前記単相3線式インバータ装置における前記インバータ部は、インバータ部スイッチング素子と、前記インバータ部スイッチング素子をパルス幅変調方式の駆動信号により駆動するPWM駆動部等の駆動手段と、を備え、前記制御手段として機能する前記コンピュータを、前記生成された正弦波信号と前記検出された電圧値との差分に基づいて、前記パルス幅変調方式におけるパルス幅を制御して前記直流成分を抑制するように前記駆動手段を制御するように機能させるように構成される。
【0027】
請求項8に記載の発明によれば、請求項7に記載の発明の作用に加えて、インバータ部がインバータ部スイッチング素子とパルス幅変調方式の駆動手段と、を備え、正弦波信号と直流成分の電圧値との差分に基づいてパルス幅変調方式のパルス幅を制御して直流成分を抑制するように単相3線式インバータ装置に含まれるコンピュータを機能させるので、より効果的に単相3線式インバータ装置としての安定性の向上と損失の抑制を両立させることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、単相3線式インバータ装置において、中間線安定化部のスイッチング素子において過度のスイッチング動作が行われることに起因する損失を抑制することができる。
【0029】
従って、中間線に含まれる直流成分の抑制による単相3線式インバータ装置としての安定性の向上と当該損失による発熱の抑制とを両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】実施形態に係る単相3線式インバータ装置の構成を示す図である。
【図2】実施形態に係る単相3線式インバータ装置の動作を説明する図であり、(a)は実施形態に係る中間線安定化部における電圧制御可能範囲を示す概念図であり、(b)は実施形態に係る不感帯を説明する図であり、(c)は実施形態に係る中間線安定化部の動作を例示する図である。
【図3】背景技術に係る単相3線式インバータ装置を示す図であり、(a)は背景技術に係る単相3線式インバータ装置の構成を示す図であり、(b)はその動作を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
次に、本発明に係る実施形態について、図1及び図2を用いて説明する。なお以下に説明する実施形態は、直流電源から単相3線式の交流電圧を生成する単相3線式インバータ装置に本発明を適用した場合の実施形態である。
【0032】
また、図1は実施形態に係る単相3線式インバータ装置の構成を示す図であり、図2は当該単相3線式インバータ装置の動作を説明する図である。なお図1及び図2においては、図3に示した単相3線式インバータ装置SSと同一の構成部材については同一の部材番号を付して、細部の説明を省略する。
【0033】
(A)全体構成
初めに、実施形態に係る単相3線式インバータ装置Sの全体構成について、図1を用いて説明する。
【0034】
図1に示すように、実施形態に係る単相3線式インバータ装置Sには、図3に示した単相3線式インバータ装置SSと同一の直流電源Vと、スイッチング素子S1及びS2並びにリアクトルL1を含む中間線安定化部SVと、コンデンサC1及びC2と、スイッチング素子S3乃至S6、リアクトルL2及びL3並びにコンデンサC3及びC4を含むインバータ部IVと、が含まれている。これに加えて実施形態に係る単相3線式インバータ装置Sは、スイッチング素子S1をPWM駆動する禁止手段の一例としてのPWM駆動部1と、スイッチング素子S2をPWM駆動する禁止手段の一例としてのPWM駆動部2と、スイッチング素子S3及びS4を同期させてPWM駆動してW相の交流電圧を生成する駆動手段の一例としてのPWM駆動部3と、スイッチング素子S5及びS6を同期させてPWM駆動してS相の交流電圧を生成する駆動手段の一例としてのPWM駆動部4と、正弦波生成手段の一例としてのサインジェネレータ5と、図1に示す両端線間の電圧(即ち、直流電源Vの出力電圧)Vを検出する第1電圧検出部6と、図1に示す中間線Mの電圧Vを検出する検出手段の一例としての第2電圧検出部7と、除算部8と、加算器9と、制御手段の一例としての加算器10及び11と、により構成されている。
【0035】
(B)中間線安定化部の構成及び動作
次に、実施形態に係る中間線安定化部SVの構成及び動作について、図1及び図2を用いて説明する。
【0036】
図1に示す単相3線インバータ装置Sにおいて第1電圧検出部6は、例えば従来と同様の手法により上記電圧Vを検出し、その検出結果を除算器8に出力する。また第2電圧検出部7は、例えば従来と同様の手法により上記電圧Vを検出し、その検出結果を加算器9の負端子に出力する。次に除算部8は、第1電圧検出部6からの出力結果である電圧Vを2で除してV/2を算出し、その除算結果を加算器9の正端子に出力する。これにより加算器9は、正端子に入力されている除算結果(V/2)から負端子に入力されている第2電圧検出部7の検出結果Vを減算し、その減算結果SdをPWM駆動部1及び2並びに加算器10及び11それぞれの負端子に出力する。ここで、図1に示す中間線Mに直流成分が含まれている場合、加算器9から出力される減算結果Sd(即ち、V/2−Vの値)は、正又は負いずれかの当該直流成分の値を有することになる。これに対して中間線Mに直流成分が含まれていない場合、減算結果Sdの値はゼロとなる。
【0037】
次に、加算器9から出力される減算結果Sdが入力されるPWM駆動部1及び2は、当該減算結果Sd、即ち、中間線Mに含まれている直流成分の値に基づいてスイッチング素子S1又はS2のいずれか一方をPWM駆動する。
【0038】
ここで、実施形態に係るPWM駆動部1及び2によるスイッチング素子S1又はS2のPWM駆動について、具体的に図1及び図2を用いて説明する。
【0039】
上述したように、中間線Mに直流成分が含まれた場合には、上記「V/2」と「V」とが異なる(即ち、コンデンサC1及びC2それぞれの端子電圧にアンバランスが生じる)こととなる。これを言い換えれば、大きな直流成分が中間線Mに含まれることにはなり難い通常の負荷が負荷LD1又はLD2である場合、コンデンサC1及びC2それぞれの端子電圧には、アンバランスは生じないか、若しくは生じても極少ない。そしてこのような場合にまで上記中間線安定化部SVを動作させる(即ち、スイッチング素子S1及びS2を動作させる)と、上述したような単相3線式インバータ装置S全体としての損失の増大に繋がる。そこで実施形態に係る単相3線式インバータ装置Sでは、中間線Mに含まれている直流成分の値が、後述する実施形態に係るインバータ部IVの動作により補正(相殺)し得る許容範囲内の所定範囲内にある場合には、中間線安定化部SVとしての動作を禁止する。この許容範囲が後述する中間線安定化部SVにおける電圧制御可能範囲であり、上記所定範囲が本発明に係る所定電圧範囲(不感帯)に相当する。そして、当該不感帯を越えた値の直流成分が中間線Mに含まれることとなったときのみ、スイッチング素子S1又はS2のいずれか一方のみをPWM駆動して、中間線安定化部SVにより当該直流成分を相殺するようにする。
【0040】
次に、上記不感帯を用いた実施形態に係る中間線安定化部SVの動作について、具体的に説明する。
【0041】
先ず、単相3線式インバータ装置Sとして要求されている交流電圧が片相についてVRMSボルト(実効値。両相で2×VRMSボルト)である場合、コンデンサC1及びC2それぞれの端子電圧として必要とされる最小電圧Vcminは、以下の式(1)により求められる。
【0042】
Vcmin=VRMS×√2×1.1 …(1)
ここで、上記「√2(2の平方根)」は実効値VRMSに対してピーク値を考慮した値であり、また上記「1.1」は、インバータ部IVを構成するスイッチング素子S3乃至S6それぞれが飽和しない(クリップしない)ことを考慮した係数である。この最小電圧Vcminは、単相3線インバータ装置Sの機能発揮上、それぞれの相のコンデンサC1及びC2について確保されなければならないので、結局、実施形態に係る中間線安定化部SVとしての電圧制御可能範囲(片相についてVa(Va>0。以下、同様))は、直流電源Vの電圧Vと上記最小電圧Vcminを用いて以下の式(2)により求められる(図2(a)参照)。
【0043】
2×Va=V−2×Vcmin …(2)
このとき、上記最小電圧Vcminを上記式(1)により決定する際には、上述したように、スイッチング素子S3乃至S6それぞれが飽和しないことを考慮した係数(即ち、スイッチング素子S3乃至S6のスイッチング能力(スイッチング速度)を考慮した係数)が用いられる。このことから結果として、中間線安定化部SVとしての電圧制御可能範囲は、スイッチング素子S3乃至S6のスイッチング能力(言い換えれば、後述するようにインバータ部IVにおける直流成分の抑制能力(補正可能範囲))と、直流電源Vの電圧Vと、に基づいて決定されることになる。
【0044】
中間線安定化部SVとしての電圧制御可能範囲の算出についてより具体的に例えば、一般家庭用の単相3線式インバータ装置Sとして要求されている交流電圧が片相について実効値100ボルト(両相で200ボルト)である場合、上記最小電圧Vcminは、上記式(1)によれば、コンデンサC1又はC2それぞれにつき、
Vcmin=100×√2×1.1≒155(ボルト)
となる。一方、通常の単相3線式インバータ装置Sの場合、直流電源Vの電圧Vは通常370ボルト程度に設定される。よってこの場合、上記電圧制御可能範囲2×Vaは、
370−155×2=60(ボルト)
となる。つまり、上記式(2)により、「30ボルト」が片相についての電圧制御可能範囲Vaとなる。そして実施形態に係るスイッチング素子S1及びS2の駆動に当たっては、上述したように±30ボルトの範囲で最大値が50%となるようにPWM駆動すると共に、図2(b)に例示するように、例えば片相についての電圧制御可能範囲Vaの1/2を上記不感帯Nとして、その範囲内に直流成分の値が入っている場合、スイッチング素子S1及びS2の駆動を禁止する。
【0045】
ここで、図2(b)において、減算結果Sdの値がVa/2以上Va以下の範囲(即ち、S相側の電圧が高い場合)においては、スイッチング素子S2(図1参照)のみをPWM駆動部2により駆動する。このときスイッチング素子S1は開放(オフ)のままとされる。この場合にPWM駆動部2は、減算結果Sd(Va/2以上Va以下の範囲で値が変化する)に基づき、図2(b)に例示するように、スイッチング素子S2をPWM駆動する際のデューティ比を、最大値が50%となるように且つ単調増加するように制御する。これに対し、図2(b)において、減算結果Sdの値が−Va以上−Va/2以下の範囲(即ち、W相側の電圧が高い場合)においては、スイッチング素子S1(図1参照)のみをPWM駆動部1により駆動する。このときスイッチング素子S2は開放(オフ)のままとされる。この場合にPWM駆動部1は、減算結果Sd(−Va以上−Va/2以下の範囲で値が変化する)に基づき、図2(b)に例示するように、スイッチング素子S1をPWM駆動する際のデューティ比を、最大値が50%となるように且つ単調増加するように制御する。
【0046】
なお、実施形態に係る不感帯Nの範囲(その上限値及び下限値)については、当該範囲が広すぎるとスイッチング素子S1及びS2をPWM方式により駆動する際のデューティ比のゲインが高すぎることによりその動作が不安定になり、また反対に狭すぎるとスイッチング素子S1及びS2としての損失が頻繁に発生することとなって実施形態の趣旨に反する。よって不感帯Nの範囲については、これらの要素を勘案して予め例えば経験的又は実験的に定められる。本発明の発明者らは、不感帯Nの範囲の下限値については、例えば−Va/3以上−Va/2以下程度が好適であり、また上限値については、例えばVa/3以上Va/2以下程度が好適であると考えている。なお図2(b)は、不感帯Nの範囲の下限値が−Va/2であり、上限値がVa/2の場合について例示している。
【0047】
次に、例えば実施形態に係るスイッチング素子S1のみがデューティ比50%でPWM駆動される(即ち図2(b)に例示する場合において、減算結果Sdの値が−Va/2であった場合)ことにより中間線Mの直流成分が抑制されている場合の動作について、図2(c)を用いて説明する。
【0048】
実施形態に係る中間線安定化部SVにおいて、例えばスイッチング素子S1のみがデューティ比50%(スイッチング素子S1のデューティ比としての最大値)によりPWM駆動されると、リアクトルL1の両端に発生する電圧VL1及びリアクトルL1に流れる電流I(図3に例示した励磁電流IL1とは異なる)は、それぞれ図2(c)に例示されるものとなる。この場合には、スイッチング素子S2は常に開放(オフ)であることもあり、スイッチング素子S1のON/OFFが切り替わるタイミングでちょうど電圧VL1及び電流Iの変化点となる、いわゆる「ゼロ電流スイッチング」の動作となる。よって実施形態に係る中間線安定化部SVによれば、図3に例示した従来の単相3線式インバータ装置SSの中間安定化部SVに比して、より損失が少ないこととなる。
【0049】
(C)インバータ部の構成及び動作
次に、実施形態に係るインバータ部IVの構成及び動作について、図1を用いて説明する。実施形態に係る単相3線式インバータ装置Sでは、加算器9からの減算結果Sdの値が上記不感帯Nの範囲内である場合、中間線安定化部SVとしての動作は禁止される。そこでこの場合、実施形態に係るインバータ部IVの動作により、中間線安定化部SVとしての動作が禁止されている場合に中間線Mに含まれることとなる直流成分を抑制して、コンデンサC1及びC2の端子電圧を安定化させる。
【0050】
即ち、実施形態に係る単相3線式インバータ装置Sでは、図1に示すように、上記加算器9からの減算結果Sdが加算器10及び11それぞれの負端子に入力されている。一方、サインジェネレータ5からは単相3線式インバータ装置Sの出力としての交流電圧の位相に同期した位相の正弦波信号が出力され、この正弦波信号が加算器10及び11それぞれの正端子に入力される。そして加算器10及び11は、当該正弦波信号から減算結果Sdを減算し、その結果をPWM駆動部3及び4にそれぞれ出力する。
【0051】
これによりPWM駆動部3は、加算器10からの出力された減算結果がゼロとなるように(換言すれば、加算器9からの減算結果Sdがゼロとなるように)、スイッチング素子S3及びS4をPWM方式により駆動する際のデューティ比等を制御して、当該スイッチング素子S3及びS4を駆動する。一方、PWM駆動部4は、加算器11からの出力された減算結果(換言すれば減算結果Sd)がゼロとなるように、スイッチング素子S5及びS6をPWM方式により駆動する際のデューティ比等を制御して、当該スイッチング素子S5及びS6を駆動する。これらにより結果として、減算結果Sdがゼロとなるように、サインジェネレータ5からの正弦波信号を基礎としたフィードバック制御が実行されることとなり、中間線Mに含まれる直流成分(即ち減算結果Sd)が時間の経過と共に抑制されることとなる。なお、加算器9からの減算結果Sdの値が上記不感帯Nの範囲外である場合には、上述した実施形態に係る中間線安定化部SVによる直流成分の抑制動作と合わせて、上述したインバータ部IVによる直流成分の抑制動作が実行されることとなる。
【0052】
以上説明したように、実施形態に係る中間線安定化部SV及びインバータ部IVを備える単相3線式インバータ装置Sの動作によれば、中間線Mに含まれる直流成分の電圧値がゼロボルトを含む不感帯Nの電圧範囲内であるとき、中間線安定化部SVのスイッチング素子S1及びS2におけるスイッチング動作を禁止するので、スイッチング素子S1及びS2において過度のスイッチング動作が行われることに起因する損失を抑制することができる。
【0053】
また、上記不感帯Nの電圧範囲が、直流電源Vの電圧値Vと、インバータ部IVにおける直流成分の補正可能範囲(即ち、スイッチング素子S3乃至S6のスイッチング能力)と、に基づいて予め設定されているので、スイッチング素子S1及びS2における過度のスイッチング動作による損失を確実に抑制することができる。
【0054】
更に、直流電源Vの電圧値をVボルトとし、コンデンサC1及びC2の最小電圧値をVcminボルトとし、Va=|(V−2×Vcmin)|/2ボルトとしたとき、不感帯Nの下限値が−Va/2以上−Va/3以下であり、上限値がVa/3以上Va/2以下であるので、単相3線式インバータ装置Sとしての安定性と上記損失の抑制とを両立させることができる。
【0055】
更にまた、不感帯Nの下限値が−Va/2であり上限値がVa/2である場合には、上記安定性と上記損失の抑制とを高度に両立させることができる。
【0056】
また、直流成分の電圧値が不感帯Nの電圧範囲内であるとき、サインジェネレータ5からの正弦波信号に基づいてインバータ部IVにおいて直流成分を抑制するので、中間線安定化部SVのスイッチング素子S1及びS2が機能していない場合でも、中間線Mに含まれる直流成分を抑制して単相3線式インバータ装置Sとしての安定性を向上させることができ、結果として当該安定性の向上と中間線安定化部SVにおける損失の抑制を両立させることができる。
【0057】
更に、サインジェネレータ5、スイッチング素子S3乃至S6並びにPWM駆動部3及び4を備え、正弦波信号と直流成分の電圧値との差分に基づいてPWM方式のパルス幅を制御して直流成分を抑制するので、より効果的に単相3線式インバータ装置Sとしての安定性を向上と損失の抑制を両立させることができる。
【0058】
なお上述した実施形態においては、実施形態に係る不感帯Nの範囲を、複数の要素を勘案して予め例えば経験的又は実験的に定められる一定値とした。一方当該不感帯Nの範囲は上述したように、直流電源Vの電圧Vと、コンデンサC1及びC2それぞれの端子電圧における最小電圧Vcminと、に基づいて決定され、この最小電圧Vcminはスイッチング素子S3乃至S6それぞれが飽和しないことを考慮した係数を用いて定められる。そこで、直流電圧Vの電圧Vとスイッチング素子S3乃至S6に係る当該係数とを例えば監視/検出することにより、当該検出された電圧V及び係数を用いて、不感帯Nの範囲を可変とするように構成することもできる。
【0059】
また、上述した単相3線式インバータ装置Sとしての機能のうち、インバータ部IVに係るPWM駆動部3及び4の機能は、プログラムとしてマイクロコンピュータ等の汎用のコンピュータにより実現することできる。この場合の当該プログラムは、例えばコンパクトディスク等の記録媒体に記録させておいたものを当該汎用のコンピュータにより読み出して実行させても良いし、例えばインターネット等のネットワークから取得した当該プログラムを当該汎用のコンピュータにより実行させても良い。いずれの場合でも、PWM駆動部3及び4の機能をコンピュータとして実現させることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0060】
以上説明したように、本発明は、単相3線式インバータ装置の分野に広く適用可能であり、特に負荷電流に直流成分が含まれ得る負荷が接続される可能性のある単相3線式インバータ装置の分野に適用すれば顕著な作用効果が得られる。
【符号の説明】
【0061】
1、2、3、4 PWM駆動部
5 サインジェネレータ
6 第1電圧検出部
7 第2電圧検出部
8 除算部
9、10、11 加算器
S、SS 単相3線式インバータ装置
V 直流電源
C1、C2、C3、C4 コンデンサ
S1、S2、S3、S4、S5、S6 スイッチング素子
L1、L2、L3 リアクトル
LD1、LD2 負荷
M 中間線
IV インバータ部
SV 中間線安定化部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に一つの直流電源から単相3線式の交流電圧を生成するインバータ部と、
前記単相3線式における中間線に含まれる直流成分の電圧値を検出する検出手段と、
前記直流電源と前記インバータ部との間に接続され、スイッチング素子を用いて前記直流成分を抑制する中間線安定化部と、
前記検出された電圧値が、ゼロボルトを含んで予め設定された所定電圧範囲内であるとき、前記スイッチング素子におけるスイッチング動作を禁止する禁止手段と、
を備えることを特徴とする単相3線式インバータ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の単相3線式インバータ装置において、
前記所定電圧範囲は、前記直流電源の電圧値と、前記インバータ部による前記直流成分の補正可能範囲と、に基づいて予め設定された所定電圧範囲であることを特徴とする単相3線式インバータ装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の単相3線式インバータ装置において、
前記所定電圧範囲を、ゼロボルトを含んで−aボルトから+aボルト(aは正数)までの電圧範囲とした場合であって、前記直流電源の電圧値をVボルトとし、前記単相3線式の両端線と前記中間線との間にそれぞれ接続されている二つのコンデンサの最小電圧値をVcminボルトとし、
b=|(V−2×Vcmin)|/2(ボルト)
としたとき、
b/3≦a≦b/2
であることを特徴とする単相3線式インバータ装置。
【請求項4】
請求項3に記載の単相3線式インバータ装置において、a=b/2であることを特徴とする単相3線式インバータ装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の単相3線式インバータ装置において、
正弦波信号を生成する正弦波生成手段と、
前記検出された電圧値が前記所定電圧範囲内であるとき、前記生成された正弦波信号に基づいて前記直流成分を抑制するように前記インバータ部を制御する制御手段と、
を備えることを特徴する単相3線式インバータ装置。
【請求項6】
請求項5に記載の単相3線式インバータ装置において、
前記インバータ部は、
インバータ部スイッチング素子と、
前記インバータ部スイッチング素子をパルス幅変調方式の駆動信号により駆動する駆動手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記生成された正弦波信号と前記前記検出された電圧値との差分に基づいて、前記パルス幅変調方式におけるパルス幅を制御して前記直流成分を抑制するように前記駆動手段を制御することを特徴とする単相3線式インバータ装置。
【請求項7】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の単相3線式インバータ装置であって、正弦波信号を生成する正弦波生成手段を備える単相3線式インバータ装置に含まれるコンピュータを、前記検出された直流成分の電圧値が前記所定電圧範囲内であるとき、前記生成された正弦波信号に基づいて前記直流成分を抑制するように前記インバータ部を制御する制御手段として機能させることを特徴とする単相3線式インバータ装置制御プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載の単相3線式インバータ装置制御プログラムにおいて、
前記単相3線式インバータ装置における前記インバータ部は、
インバータ部スイッチング素子と、
前記インバータ部スイッチング素子をパルス幅変調方式の駆動信号により駆動する駆動手段と、
を備え、
前記制御手段として機能する前記コンピュータを、前記生成された正弦波信号と前記検出された電圧値との差分に基づいて、前記パルス幅変調方式におけるパルス幅を制御して前記直流成分を抑制するように前記駆動手段を制御するように機能させることを特徴とする単相3線式インバータ装置制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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