単純昇降式駐車装置
【課題】駐車装置から少し離れた位置であって、しかもパレットの昇降が確認できる安全な区域に操作者が退避した状態で、操作ボタンを押すことなく自動的にパレットの昇降移動を安全に行うことができる単純昇降式駐車装置を提供する。
【解決手段】一対の前側支柱2a,2bおよび一対の後側支柱3a,3bと、これら前側支柱2a,2bおよび後側支柱3a,3bで区画される空間領域Sを、駆動手段4の作動によって昇降自在に移動するパレット5と、車両乗入れ側に配設した操作盤6を有する操作手段7とを具え、前記操作手段7は、操作盤6内にパレット5の昇降を選択するために設けられた昇降選択スィッチ8と、操作者Pが駐車装置1から所定の距離dだけ離れた位置に設けられた作動区域OA内に待避した場合には、操作者Pを検知して駆動手段4を自動的に作動させ、かつ、操作者Pが前記作動区域OA外に移動した場合には、操作者Pを検知できなくなるため駆動手段4の作動を自動的に停止させるセンサー手段9a,9bを有することを特徴とする。
【解決手段】一対の前側支柱2a,2bおよび一対の後側支柱3a,3bと、これら前側支柱2a,2bおよび後側支柱3a,3bで区画される空間領域Sを、駆動手段4の作動によって昇降自在に移動するパレット5と、車両乗入れ側に配設した操作盤6を有する操作手段7とを具え、前記操作手段7は、操作盤6内にパレット5の昇降を選択するために設けられた昇降選択スィッチ8と、操作者Pが駐車装置1から所定の距離dだけ離れた位置に設けられた作動区域OA内に待避した場合には、操作者Pを検知して駆動手段4を自動的に作動させ、かつ、操作者Pが前記作動区域OA外に移動した場合には、操作者Pを検知できなくなるため駆動手段4の作動を自動的に停止させるセンサー手段9a,9bを有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、駐車装置から少し離れた位置であって、しかもパレットの昇降が視認できる安全な区域に操作者が退避した状態で、作動ボタンを押すことなく自動的にパレットの昇降移動を安全に行うことができる単純昇降式駐車装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来の単純昇降式駐車装置は、操作ボタン方式で大別すると、自己保持操作方式と押し続け操作方式とがある。
【０００３】
自己保持操作方式は、操作者が昇降いずれかの作動ボタンを押すと、駐車装置の制御系による作動の指令によってパレットが昇降移動を開始し、その後、操作者が作動ボタンを押し続けなくてもパレットの昇降移動は継続して行われ、パレットが所定の位置に達したとき、それをリミットスィッチ等のセンサーが検知することによって制御系による作動指令が解除されてパレットの昇降移動が停止する方式である（例えば特許文献１および２等）。
【特許文献１】特開平５−２８７９２４号公報
【特許文献２】特開平６−１２９１２７号公報
【０００４】
一方、押し続け操作方式は、操作者が昇降いずれかの作動ボタンを押すと、駐車装置の制御系による作動の指令によってパレットが昇降移動を開始するが、操作者が作動ボタンから手を離すと、その離した時点でパレットの昇降移動は停止するため、パレットが所定位置に達するまで、操作者は作動ボタンを押し続けなければならない。また、パレットが所定位置に達したときには、それをリミットスィッチ等のセンサーが検知することによって制御系による作動指令が解除されるため、その後に作動ボタンを押し続けてもパレットの昇降移動は停止したままである（例えば特許文献３等）。
【特許文献３】特開平５−２３１０１９号公報
【０００５】
自己保持操作方式は、一度作動ボタンを押してしまえば、その後、操作者が作動ボタンを押し続けなくてもパレットの昇降移動は継続して行われるため、操作者にとっては便利であるという利点を有するものの、駐車装置から離れてパレットの昇降移動が見えない場所にまで移動することができ、これは、安全上の問題がある。
【０００６】
このため、操作者が作動ボタンを押し続ける間だけパレットが昇降移動する押し続け操作方式は、操作者が駐車装置から離れることができないため、安全性に優れている。このことから、現状では押し続け操作方式の駐車装置が主流となっている。
【０００７】
しかしながら、押し続け操作方式の駐車装置100は、パレット101の昇降移動の間（例えば１〜２分程度）は、作動ボタン102を継続して押し続けなくてはならず、これは、操作者にとって疲れる操作であって不便である。特に、作動ボタンを配設した操作盤103を邪魔にならないようにするため、操作盤103を、図５に示すように高い位置に配設する場合もあり、かかる場合には、操作者は手を伸ばした状態で作動ボタン102を押し続けなくてはならないため、操作者にとっては大変な作業である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
この発明の目的は、駐車装置から少し離れた位置であって、しかもパレットの昇降が視認できる安全な区域に操作者が退避した状態で、作動ボタンを押すことなく自動的にパレットの昇降移動を安全に行うことができる単純昇降式駐車装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上記目的を達成するため、この発明の要旨構成は以下のとおりである。
（１）所定の間隔で立設した一対の前側支柱および一対の後側支柱と、これら前側支柱および後側支柱で区画される空間領域を、駆動手段の作動によって昇降自在に移動するパレットと、車両乗入れ側に配設した操作盤を有する操作手段とを具える単純昇降式駐車装置において、前記操作手段は、操作盤内にパレットの昇降を選択するために設けられた昇降選択スィッチと、操作者が駐車装置から所定の距離だけ離れた位置に設けられた作動区域内に待避した場合には、操作者を検知して駆動手段を自動的に作動させ、かつ、操作者が前記作動区域外に移動した場合には、操作者を検知できないため駆動手段の作動を自動的に停止させるセンサー手段を有することを特徴とする単純昇降式駐車装置。
【００１０】
（２）前記所定距離は、１〜２ｍの範囲である上記（１）記載の単純昇降式駐車装置。
【００１１】
（３）前記センサー手段は、地上面から１〜１．５ｍの高さ位置から実質的に水平方向にセンサー源を発して、操作盤の操作位置から前記作動区域へ退避する操作者を連続的に検知する第１位置検知センサーと、地上面から２〜２．５ｍの高さ位置から前記作動区域に向かって斜め下方にセンサー源を発して、前記作動区域に退避したときにのみ操作者を連続的に検知する第２位置検知センサーとを有する上記（１）または（２）記載の単純昇降式駐車装置。
【００１２】
（４）操作盤を前記前側支柱のいずれかの前面に配設し、第１位置検知センサーを操作盤内に配設し、第２位置検知センサーを操作盤を取り付けた前側支柱の上側部に配設する上記（３）請求項３記載の単純昇降式駐車装置。
【００１３】
（５）前記センサー手段は、前記作動区域に敷いた圧力感知センサーである上記（１）〜（４）のいずれか１項記載の単純昇降式駐車装置。
【発明の効果】
【００１４】
この発明によれば、駐車装置から少し離れた位置であって、しかもパレットの昇降が確認できる安全な区域に操作者が退避した状態で、操作ボタンを押すことなく自動的にパレットの昇降移動を安全に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１５】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図１〜図３は、この発明に従う単純昇降式駐車装置であり、図１が右側面図、図２が正面図、図３が平面図、そして図４が操作盤を示した図である。
【００１６】
この発明の駐車装置１は、所定の間隔で立設した一対の前側支柱2a,2bおよび一対の後側支柱3a,3bと、これら前側支柱2a,2bおよび後側支柱3a,3bで区画される空間領域Ｓを、例えば駆動モーターのような駆動手段４の作動によって昇降自在に移動するパレット５と、車両乗入れ側、図２では前側支柱2aに配設した操作盤６を有する操作手段７とを主に具えている。
【００１７】
そして、この発明の構成上の主な特徴は、前記操作手段７が、操作盤６内にパレット５の昇降を選択するために設けられた昇降選択スィッチ８と、操作者Ｐが駐車装置１から所定の距離ｄだけ離れた位置に設けられた作動区域ＯＡ内に待避した場合には、操作者Ｐを検知して駆動手段４を自動的に作動させ、かつ、操作者Ｐが前記作動区域ＯＡ外に移動した場合には、操作者Ｐを検知できないため駆動手段４の作動を自動的に停止させるセンサー手段９を有することにある。このように構成することによって、駐車装置１から少し離れた位置であって、しかもパレット５の昇降が視認できる安全な区域ＯＡに操作者Ｐが退避した状態で、作動ボタンを押すことなく自動的にパレット５の昇降移動を安全に行うことができる。
【００１８】
昇降選択スィッチ８は、特に構成は限定しないが、例えば、図４に示すように、キー穴10にキー（図示せず）を挿入し、上昇または下降の位置にキーを回転させることによってパレット５の昇降いずれかを選択すればよい。なお、この場合には、挿入したキーは「切」位置のみで抜けるようにする。また、図４では、操作者Ｐがパレット５の昇降移動の最中に危険であると判断した場合にパレット５の昇降移動を手動で停止させるため、操作盤６に非常停止ボタン11を設けるとともに、操作盤６の前面には保護カバー１２を設けてある。
【００１９】
センサー手段９は、操作者Ｐが駐車装置１、具体的には、操作者Ｐが所定の距離ｄ（好適には、操作盤位置Ｍから１〜２メートル）に設けられた作動区域ＯＡ内に操作盤を操作する位置Ｐ´から待避した場合には、操作者Ｐを検知して駆動手段４を自動的に作動させ、かつ、操作者Ｐが前記作動区域ＯＡ外に移動した場合には、操作者Ｐを検知できなくなることにより、駆動手段４の作動を自動的に停止させることができるように構成する。
【００２０】
図１では、センサー手段９は、地上面Ｇから１〜１．５ｍの高さＨ１の位置Ｘ１から実質的に水平方向にセンサー源Ｌ１を発して、操作盤６の操作位置Ｍから前記作動区域ＯＡへ退避する操作者Ｐを連続的に検知する第１位置検知センサー9aと、地上面Ｇから２〜２．５ｍの高さＨ２の位置Ｘ２から前記作動区域ＯＡに向かって斜め下方（好適には、垂直方向に対する角度が２５〜５５°）にセンサー源Ｌ２を発して、前記作動区域ＯＡに退避したときにのみ操作者Ｐを連続的に検知する第２位置検知センサー9bとで構成されている。
【００２１】
このように、センサー手段９を、高さと角度を変えた２個の位置検知センサー9a,9bで構成することにより、同時に検知する範囲と検知しない範囲を作り、同時に検知する範囲を作動領域ＯＡ内に設定することにより、操作者Ｐのより高い安全性を確保することができる。
【００２２】
なお、図１では、操作盤６を前記前側支柱2aの前面に配設し、第１位置検知センサー9aを操作盤６内に配設し、第２位置検知センサー9bを操作盤６を取り付けた前側支柱2aの上側部に配設する場合を示しているが、かかる構成には限定されない。
【００２３】
例えば、センサー手段９を、第２位置検知センサー9bをのみで構成してもよいし、また、位置検知センサーを３個以上設置してもよい。
【００２４】
センサー手段９としては、例えば光電センサーや赤外線センサー等が挙げられる。
また、その他のセンサー手段９として、前記作動区域ＯＡに圧力感知センサーを埋設したマットを用いてもよい。この場合には、操作者Ｐが作動領域ＯＡに退避すれば、マットを踏むことにより圧力感知センサーが検知した信号を有線または無線で駐車装置の制御系に送信することにより、上記と同様にパレット５を自動的に昇降移動させることができる。このセンサー手段は、背の高さに関係なく操作者Ｐの作動領域ＯＡへの退避を確実に検知することができる。
【００２５】
次に、この発明に従う駐車装置に車両を入出庫する方法を説明する。
まず、図１に示すように、２台の車両Ｖ１，Ｖ２が地上面Ｇと２階位置２Ｆにあるパレット５上にそれぞれ駐車している場合を考えると、地上面Ｇに駐車している車両Ｖ１は特に駐車装置１を作動させることなく自由に入出庫することができる。
【００２６】
また、２階位置２Ｆにあるパレット５上に駐車している車両Ｖ２を出庫する場合には、まず、地上面Ｇにある車両Ｖ１を出庫させた後、操作盤６の昇降選択スィッチ８用のキー穴10にキーを挿入し、キーを回転させて下降位置に合わせる。あとは、操作者Ｐが作動区域ＯＡ内に待避しさえすればよく、これによって、センサー手段９が操作者Ｐを検知して駆動手段４を作動させる結果、パレット５が地上面Ｇに達するまで自動的に下降し、パレット５が地上面Ｇに達したとき、それをリミットスィッチ等のセンサーが検知することによって制御系による作動指令が解除されて、駆動手段４の作動が停止する。なお、パレット５の下降中に万が一駐車装置１に危険な状態が生じた場合には、操作者Ｐが作動区域ＯＡから外に出れば、センサー手段９による検知ができなくなる結果、直ちにパレート５の下降が停止する。
【００２７】
次に、地上面位置Ｇにあるパレット５上に車両Ｖ２を入庫する場合には、まず、パレット５上に車両Ｖ２を入庫させ、操作盤６の昇降選択スィッチ８用のキー穴10にキーを挿入し、キーを回転させて上昇位置に合わせる。あとは、操作者Ｐが作動区域ＯＡ内に待避しさえすればよく、これによって、センサー手段９が操作者Ｐを検知して駆動手段４を作動させる結果、パレットが２階位置２Ｆに達するまで自動的に上昇し、パレット５が２階位置２Ｆに達したとき、それをリミットスィッチ等のセンサーが検知することによって制御系による作動指令が解除されて、駆動手段４の作動が停止する。なお、パレット５の上昇中に万が一駐車装置１に危険な状態が生じた場合には、操作者Ｐが作動区域ＯＡから外に出れば、センサー手段９による検知ができなくなる結果、直ちにパレート５の上昇が停止する。
【００２８】
上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
【産業上の利用可能性】
【００２９】
この発明によれば、駐車装置から少し離れた位置であって、しかもパレットの昇降が確認できる安全な区域に操作者が退避した状態で、操作ボタンを押すことなく自動的にパレットの昇降移動を安全に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【００３０】
【図１】この発明に従う単純昇降式駐車装置の右側面図である。
【図２】図１の駐車装置の正面図である。
【図３】図１の駐車装置の平面図である。
【図４】（保護カバーを開けた状態の）操作盤の正面図である。
【図５】従来の押し続け操作方式の駐車装置を説明するための概略斜視図である。
【符号の説明】
【００３１】
１ 単純昇降式駐車装置
2a,2b 前側支柱
3a,3b 後側支柱
４ 駆動手段
５ パレット
６ 操作盤
７ 操作手段
８ 昇降選択スィッチ
９ センサー手段
9a 第１位置検知センサー
9b 第２位置検知センサー
10 キー穴
11 非常停止ボタン
12 操作盤の保護カバー
【技術分野】
【０００１】
この発明は、駐車装置から少し離れた位置であって、しかもパレットの昇降が視認できる安全な区域に操作者が退避した状態で、作動ボタンを押すことなく自動的にパレットの昇降移動を安全に行うことができる単純昇降式駐車装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来の単純昇降式駐車装置は、操作ボタン方式で大別すると、自己保持操作方式と押し続け操作方式とがある。
【０００３】
自己保持操作方式は、操作者が昇降いずれかの作動ボタンを押すと、駐車装置の制御系による作動の指令によってパレットが昇降移動を開始し、その後、操作者が作動ボタンを押し続けなくてもパレットの昇降移動は継続して行われ、パレットが所定の位置に達したとき、それをリミットスィッチ等のセンサーが検知することによって制御系による作動指令が解除されてパレットの昇降移動が停止する方式である（例えば特許文献１および２等）。
【特許文献１】特開平５−２８７９２４号公報
【特許文献２】特開平６−１２９１２７号公報
【０００４】
一方、押し続け操作方式は、操作者が昇降いずれかの作動ボタンを押すと、駐車装置の制御系による作動の指令によってパレットが昇降移動を開始するが、操作者が作動ボタンから手を離すと、その離した時点でパレットの昇降移動は停止するため、パレットが所定位置に達するまで、操作者は作動ボタンを押し続けなければならない。また、パレットが所定位置に達したときには、それをリミットスィッチ等のセンサーが検知することによって制御系による作動指令が解除されるため、その後に作動ボタンを押し続けてもパレットの昇降移動は停止したままである（例えば特許文献３等）。
【特許文献３】特開平５−２３１０１９号公報
【０００５】
自己保持操作方式は、一度作動ボタンを押してしまえば、その後、操作者が作動ボタンを押し続けなくてもパレットの昇降移動は継続して行われるため、操作者にとっては便利であるという利点を有するものの、駐車装置から離れてパレットの昇降移動が見えない場所にまで移動することができ、これは、安全上の問題がある。
【０００６】
このため、操作者が作動ボタンを押し続ける間だけパレットが昇降移動する押し続け操作方式は、操作者が駐車装置から離れることができないため、安全性に優れている。このことから、現状では押し続け操作方式の駐車装置が主流となっている。
【０００７】
しかしながら、押し続け操作方式の駐車装置100は、パレット101の昇降移動の間（例えば１〜２分程度）は、作動ボタン102を継続して押し続けなくてはならず、これは、操作者にとって疲れる操作であって不便である。特に、作動ボタンを配設した操作盤103を邪魔にならないようにするため、操作盤103を、図５に示すように高い位置に配設する場合もあり、かかる場合には、操作者は手を伸ばした状態で作動ボタン102を押し続けなくてはならないため、操作者にとっては大変な作業である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
この発明の目的は、駐車装置から少し離れた位置であって、しかもパレットの昇降が視認できる安全な区域に操作者が退避した状態で、作動ボタンを押すことなく自動的にパレットの昇降移動を安全に行うことができる単純昇降式駐車装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上記目的を達成するため、この発明の要旨構成は以下のとおりである。
（１）所定の間隔で立設した一対の前側支柱および一対の後側支柱と、これら前側支柱および後側支柱で区画される空間領域を、駆動手段の作動によって昇降自在に移動するパレットと、車両乗入れ側に配設した操作盤を有する操作手段とを具える単純昇降式駐車装置において、前記操作手段は、操作盤内にパレットの昇降を選択するために設けられた昇降選択スィッチと、操作者が駐車装置から所定の距離だけ離れた位置に設けられた作動区域内に待避した場合には、操作者を検知して駆動手段を自動的に作動させ、かつ、操作者が前記作動区域外に移動した場合には、操作者を検知できないため駆動手段の作動を自動的に停止させるセンサー手段を有することを特徴とする単純昇降式駐車装置。
【００１０】
（２）前記所定距離は、１〜２ｍの範囲である上記（１）記載の単純昇降式駐車装置。
【００１１】
（３）前記センサー手段は、地上面から１〜１．５ｍの高さ位置から実質的に水平方向にセンサー源を発して、操作盤の操作位置から前記作動区域へ退避する操作者を連続的に検知する第１位置検知センサーと、地上面から２〜２．５ｍの高さ位置から前記作動区域に向かって斜め下方にセンサー源を発して、前記作動区域に退避したときにのみ操作者を連続的に検知する第２位置検知センサーとを有する上記（１）または（２）記載の単純昇降式駐車装置。
【００１２】
（４）操作盤を前記前側支柱のいずれかの前面に配設し、第１位置検知センサーを操作盤内に配設し、第２位置検知センサーを操作盤を取り付けた前側支柱の上側部に配設する上記（３）請求項３記載の単純昇降式駐車装置。
【００１３】
（５）前記センサー手段は、前記作動区域に敷いた圧力感知センサーである上記（１）〜（４）のいずれか１項記載の単純昇降式駐車装置。
【発明の効果】
【００１４】
この発明によれば、駐車装置から少し離れた位置であって、しかもパレットの昇降が確認できる安全な区域に操作者が退避した状態で、操作ボタンを押すことなく自動的にパレットの昇降移動を安全に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１５】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図１〜図３は、この発明に従う単純昇降式駐車装置であり、図１が右側面図、図２が正面図、図３が平面図、そして図４が操作盤を示した図である。
【００１６】
この発明の駐車装置１は、所定の間隔で立設した一対の前側支柱2a,2bおよび一対の後側支柱3a,3bと、これら前側支柱2a,2bおよび後側支柱3a,3bで区画される空間領域Ｓを、例えば駆動モーターのような駆動手段４の作動によって昇降自在に移動するパレット５と、車両乗入れ側、図２では前側支柱2aに配設した操作盤６を有する操作手段７とを主に具えている。
【００１７】
そして、この発明の構成上の主な特徴は、前記操作手段７が、操作盤６内にパレット５の昇降を選択するために設けられた昇降選択スィッチ８と、操作者Ｐが駐車装置１から所定の距離ｄだけ離れた位置に設けられた作動区域ＯＡ内に待避した場合には、操作者Ｐを検知して駆動手段４を自動的に作動させ、かつ、操作者Ｐが前記作動区域ＯＡ外に移動した場合には、操作者Ｐを検知できないため駆動手段４の作動を自動的に停止させるセンサー手段９を有することにある。このように構成することによって、駐車装置１から少し離れた位置であって、しかもパレット５の昇降が視認できる安全な区域ＯＡに操作者Ｐが退避した状態で、作動ボタンを押すことなく自動的にパレット５の昇降移動を安全に行うことができる。
【００１８】
昇降選択スィッチ８は、特に構成は限定しないが、例えば、図４に示すように、キー穴10にキー（図示せず）を挿入し、上昇または下降の位置にキーを回転させることによってパレット５の昇降いずれかを選択すればよい。なお、この場合には、挿入したキーは「切」位置のみで抜けるようにする。また、図４では、操作者Ｐがパレット５の昇降移動の最中に危険であると判断した場合にパレット５の昇降移動を手動で停止させるため、操作盤６に非常停止ボタン11を設けるとともに、操作盤６の前面には保護カバー１２を設けてある。
【００１９】
センサー手段９は、操作者Ｐが駐車装置１、具体的には、操作者Ｐが所定の距離ｄ（好適には、操作盤位置Ｍから１〜２メートル）に設けられた作動区域ＯＡ内に操作盤を操作する位置Ｐ´から待避した場合には、操作者Ｐを検知して駆動手段４を自動的に作動させ、かつ、操作者Ｐが前記作動区域ＯＡ外に移動した場合には、操作者Ｐを検知できなくなることにより、駆動手段４の作動を自動的に停止させることができるように構成する。
【００２０】
図１では、センサー手段９は、地上面Ｇから１〜１．５ｍの高さＨ１の位置Ｘ１から実質的に水平方向にセンサー源Ｌ１を発して、操作盤６の操作位置Ｍから前記作動区域ＯＡへ退避する操作者Ｐを連続的に検知する第１位置検知センサー9aと、地上面Ｇから２〜２．５ｍの高さＨ２の位置Ｘ２から前記作動区域ＯＡに向かって斜め下方（好適には、垂直方向に対する角度が２５〜５５°）にセンサー源Ｌ２を発して、前記作動区域ＯＡに退避したときにのみ操作者Ｐを連続的に検知する第２位置検知センサー9bとで構成されている。
【００２１】
このように、センサー手段９を、高さと角度を変えた２個の位置検知センサー9a,9bで構成することにより、同時に検知する範囲と検知しない範囲を作り、同時に検知する範囲を作動領域ＯＡ内に設定することにより、操作者Ｐのより高い安全性を確保することができる。
【００２２】
なお、図１では、操作盤６を前記前側支柱2aの前面に配設し、第１位置検知センサー9aを操作盤６内に配設し、第２位置検知センサー9bを操作盤６を取り付けた前側支柱2aの上側部に配設する場合を示しているが、かかる構成には限定されない。
【００２３】
例えば、センサー手段９を、第２位置検知センサー9bをのみで構成してもよいし、また、位置検知センサーを３個以上設置してもよい。
【００２４】
センサー手段９としては、例えば光電センサーや赤外線センサー等が挙げられる。
また、その他のセンサー手段９として、前記作動区域ＯＡに圧力感知センサーを埋設したマットを用いてもよい。この場合には、操作者Ｐが作動領域ＯＡに退避すれば、マットを踏むことにより圧力感知センサーが検知した信号を有線または無線で駐車装置の制御系に送信することにより、上記と同様にパレット５を自動的に昇降移動させることができる。このセンサー手段は、背の高さに関係なく操作者Ｐの作動領域ＯＡへの退避を確実に検知することができる。
【００２５】
次に、この発明に従う駐車装置に車両を入出庫する方法を説明する。
まず、図１に示すように、２台の車両Ｖ１，Ｖ２が地上面Ｇと２階位置２Ｆにあるパレット５上にそれぞれ駐車している場合を考えると、地上面Ｇに駐車している車両Ｖ１は特に駐車装置１を作動させることなく自由に入出庫することができる。
【００２６】
また、２階位置２Ｆにあるパレット５上に駐車している車両Ｖ２を出庫する場合には、まず、地上面Ｇにある車両Ｖ１を出庫させた後、操作盤６の昇降選択スィッチ８用のキー穴10にキーを挿入し、キーを回転させて下降位置に合わせる。あとは、操作者Ｐが作動区域ＯＡ内に待避しさえすればよく、これによって、センサー手段９が操作者Ｐを検知して駆動手段４を作動させる結果、パレット５が地上面Ｇに達するまで自動的に下降し、パレット５が地上面Ｇに達したとき、それをリミットスィッチ等のセンサーが検知することによって制御系による作動指令が解除されて、駆動手段４の作動が停止する。なお、パレット５の下降中に万が一駐車装置１に危険な状態が生じた場合には、操作者Ｐが作動区域ＯＡから外に出れば、センサー手段９による検知ができなくなる結果、直ちにパレート５の下降が停止する。
【００２７】
次に、地上面位置Ｇにあるパレット５上に車両Ｖ２を入庫する場合には、まず、パレット５上に車両Ｖ２を入庫させ、操作盤６の昇降選択スィッチ８用のキー穴10にキーを挿入し、キーを回転させて上昇位置に合わせる。あとは、操作者Ｐが作動区域ＯＡ内に待避しさえすればよく、これによって、センサー手段９が操作者Ｐを検知して駆動手段４を作動させる結果、パレットが２階位置２Ｆに達するまで自動的に上昇し、パレット５が２階位置２Ｆに達したとき、それをリミットスィッチ等のセンサーが検知することによって制御系による作動指令が解除されて、駆動手段４の作動が停止する。なお、パレット５の上昇中に万が一駐車装置１に危険な状態が生じた場合には、操作者Ｐが作動区域ＯＡから外に出れば、センサー手段９による検知ができなくなる結果、直ちにパレート５の上昇が停止する。
【００２８】
上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
【産業上の利用可能性】
【００２９】
この発明によれば、駐車装置から少し離れた位置であって、しかもパレットの昇降が確認できる安全な区域に操作者が退避した状態で、操作ボタンを押すことなく自動的にパレットの昇降移動を安全に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【００３０】
【図１】この発明に従う単純昇降式駐車装置の右側面図である。
【図２】図１の駐車装置の正面図である。
【図３】図１の駐車装置の平面図である。
【図４】（保護カバーを開けた状態の）操作盤の正面図である。
【図５】従来の押し続け操作方式の駐車装置を説明するための概略斜視図である。
【符号の説明】
【００３１】
１ 単純昇降式駐車装置
2a,2b 前側支柱
3a,3b 後側支柱
４ 駆動手段
５ パレット
６ 操作盤
７ 操作手段
８ 昇降選択スィッチ
９ センサー手段
9a 第１位置検知センサー
9b 第２位置検知センサー
10 キー穴
11 非常停止ボタン
12 操作盤の保護カバー
【特許請求の範囲】
【請求項１】
所定の間隔で立設した一対の前側支柱および一対の後側支柱と、
これら前側支柱および後側支柱で区画される空間領域を、駆動手段の作動によって昇降自在に移動するパレットと、
車両乗入れ側に配設した操作盤を有する操作手段と、
を具える単純昇降式駐車装置において、
前記操作手段は、操作盤内にパレットの昇降を選択するために設けられた昇降選択スィッチと、
操作者が駐車装置から所定の距離だけ離れた位置に設けられた作動区域内に待避した場合には、操作者を検知して駆動手段を自動的に作動させ、かつ、操作者が前記作動区域外に移動した場合には、操作者を検知できないため駆動手段の作動を自動的に停止させるセンサー手段を有することを特徴とする単純昇降式駐車装置。
【請求項２】
前記所定距離は、１〜２ｍの範囲である請求項１記載の単純昇降式駐車装置。
【請求項３】
前記センサー手段は、地上面から１〜１．５ｍの高さ位置から実質的に水平方向にセンサー源を発して、操作盤の操作位置から前記作動区域へ退避する操作者を検知する第１位置検知センサーと、地上面から２〜２．５ｍの高さ位置から前記作動区域に向かって斜め下方にセンサー源を発して、前記作動区域に退避したときにのみ操作者を検知する第２位置検知センサーとを有する請求項１または２記載の単純昇降式駐車装置。
【請求項４】
操作盤を前記前側支柱のいずれかの前面に配設し、第１位置検知センサーを操作盤内に配設し、第２位置検知センサーを操作盤を取り付けた前側支柱の上側部に配設する請求項３記載の単純昇降式駐車装置。
【請求項５】
前記センサー手段は、前記作動区域に敷いた圧力感知センサーである請求項１〜４のいずれか１項記載の単純昇降式駐車装置。
【請求項１】
所定の間隔で立設した一対の前側支柱および一対の後側支柱と、
これら前側支柱および後側支柱で区画される空間領域を、駆動手段の作動によって昇降自在に移動するパレットと、
車両乗入れ側に配設した操作盤を有する操作手段と、
を具える単純昇降式駐車装置において、
前記操作手段は、操作盤内にパレットの昇降を選択するために設けられた昇降選択スィッチと、
操作者が駐車装置から所定の距離だけ離れた位置に設けられた作動区域内に待避した場合には、操作者を検知して駆動手段を自動的に作動させ、かつ、操作者が前記作動区域外に移動した場合には、操作者を検知できないため駆動手段の作動を自動的に停止させるセンサー手段を有することを特徴とする単純昇降式駐車装置。
【請求項２】
前記所定距離は、１〜２ｍの範囲である請求項１記載の単純昇降式駐車装置。
【請求項３】
前記センサー手段は、地上面から１〜１．５ｍの高さ位置から実質的に水平方向にセンサー源を発して、操作盤の操作位置から前記作動区域へ退避する操作者を検知する第１位置検知センサーと、地上面から２〜２．５ｍの高さ位置から前記作動区域に向かって斜め下方にセンサー源を発して、前記作動区域に退避したときにのみ操作者を検知する第２位置検知センサーとを有する請求項１または２記載の単純昇降式駐車装置。
【請求項４】
操作盤を前記前側支柱のいずれかの前面に配設し、第１位置検知センサーを操作盤内に配設し、第２位置検知センサーを操作盤を取り付けた前側支柱の上側部に配設する請求項３記載の単純昇降式駐車装置。
【請求項５】
前記センサー手段は、前記作動区域に敷いた圧力感知センサーである請求項１〜４のいずれか１項記載の単純昇降式駐車装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２００６−２６５９１１（Ｐ２００６−２６５９１１Ａ）
【公開日】平成１８年１０月５日（２００６．１０．５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−８４２７４（Ｐ２００５−８４２７４）
【出願日】平成１７年３月２３日（２００５．３．２３）
【出願人】（３９５０１５４１２）新立川航空機株式會社 (2)
【公開日】平成１８年１０月５日（２００６．１０．５）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年３月２３日（２００５．３．２３）
【出願人】（３９５０１５４１２）新立川航空機株式會社 (2)
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