説明

印刷インキ、印刷システム及び該印刷インキの製造方法

【課題】 有機溶剤を主成分とし、乾燥性、印刷安定性、物性が高いことはもとより、印刷時に、再利用可能な揮発溶剤の回収がし易い、環境保護に貢献できる溶剤回収再利用可能な印刷インキを提供する。また、該インキを用いた印刷システム、該印刷インキの製造方法を提供する。
【解決手段】 揮発性成分及び結着樹脂成分を含有するインキであって、揮発性成分の95%以上がエステル系溶剤/アルコール系溶剤/水からなり、その質量比率が50〜85%/10〜45%/5〜15%である溶剤回収再利用可能な印刷インキ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用溶剤の種類を限定し、回収を容易にした溶剤回収再利用に適する印刷インキ、印刷システム及び回収溶剤を再利用できる印刷インキの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
主に軟包装材の製造に使用されるグラビアインキは、有機溶剤型、水性型の2種類のタイプがある。その中で、プラスチックフィルムなどへ使用されるグラビアインキの90%以上が有機溶剤型インキである。これは、乾燥性、印刷安定性、物性が高く、水性型に比較し優れた特徴があるからである。一方、昨今の環境保護へ向けた取り組みの中で、有機溶剤の削減が求められている。しかしながら、水性型への切り替えでは、生産性の低下、品質の悪化が免れず、業界での移行は進んでいない。
【0003】
このような状況から、印刷後、乾燥工程により揮発した有機溶剤を燃焼処理、若しくは回収処理する取り組みが検討されている。但し、燃焼処理はCOを多量に発生させる為、地球温暖化防止の観点から好ましくない。従って、回収処理が主流となると予想される。しかしながら、現行のグラビアインキは多種多様な有機溶剤を用いている為、回収された溶剤の再使用、再利用が容易ではない。
【0004】
そこで、有機溶剤の種類を限定することで、回収、再利用の促進を図る工夫がなされている。例えば、有機溶剤を2種類とし、エステル系溶剤とアルコール系溶剤及び水を主成分とし、回収が容易とするインキが開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、アルコール成分が少なく、保存安定性に劣る傾向がある。又、エステル系、ケトン系及びアルコール系の3種の溶剤に限定したインキも紹介されているが、分離再利用の困難性が残る。特にケトン系の溶剤は回収の際に着色し易く、回収溶剤の再利用が難しい(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
水を含有せず、有機溶剤が、NPAcとIPA乃至はEAとIPAからなる2種類で95%以上を占め、回収が容易であるインキも知られているが、溶剤の溶解性が低く、樹脂の設計に制限がある。(例えば、特許文献3参照)。又、酢酸ノルマルプロピル(NPAc)とノルマルプロピルアルコール(NPA)の2成分系インキ、酢酸エチル(EA)とノルマルプロピルアルコール(NPA)の2成分系インキも知られているが、乾燥性の調整に困難なところがある(例えば、特許文献4、特許文献5参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平7−247456号公報
【特許文献2】特開平9−328646号公報
【特許文献3】特開2008−019427号公報
【特許文献4】特開2008−266370号公報
【特許文献5】特開2008−265032号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、有機溶剤を主成分とし、乾燥性、印刷安定性、物性が高いことはもとより、印刷時に、再利用可能な揮発溶剤の回収がし易い、環境保護に貢献できる溶剤回収再利用可能な印刷インキを提供することにある。また、該インキを用いた印刷システム、更に、溶剤回収再利用可能な印刷インキの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、エステル系の溶剤、アルコール系の溶剤及び水の配合バランスを検討し、溶剤の回収が容易で且つ溶剤乾燥性等、印刷時のインキの基本的特性を満足する新規の印刷インキを見出したものである。
【0009】
すなわち本発明は、第一に、揮発性成分及び結着樹脂成分を含有するインキであって、揮発性成分の95%以上がエステル系溶剤/アルコール系溶剤/水からなり、その質量比率が50〜85%/10〜45%/5〜15%である溶剤回収再利用可能な印刷インキを提供する。
【0010】
本発明は第二に、前記した溶剤回収再使用可能な印刷インキの印刷に伴って蒸発する有機溶剤を回収し、該回収溶剤を印刷時の希釈溶剤として再使用する印刷システムを提供する。
【0011】
本発明は第三に、揮発性成分及び結着樹脂成分を含有する溶剤回収再利用可能な印刷インキの製造方法であって、揮発性成分の95%以上がエステル系溶剤/アルコール系溶剤/水からなり、その質量比率が50〜85%/10〜45%/5〜15%である印刷インキで印刷する工程、印刷に伴って蒸発する有機溶剤を回収する工程、該回収溶剤と結着樹脂成分とを配合して、揮発性成分の95%以上がエステル系溶剤/アルコール系溶剤/水からなり、その質量比率が50〜85%/10〜45%/5〜15%である印刷インキを調製する工程を有する溶剤回収再利用可能な印刷インキの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、有機溶剤を主成分とし、乾燥性、印刷安定性、物性を維持しつつ、印刷時に、再利用可能な揮発溶剤の回収がし易い溶剤回収再利用可能な印刷インキが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、揮発性成分及び結着樹脂成分を含有するインキであって、揮発性成分の95%以上がエステル系溶剤/アルコール系溶剤/水からなり、その質量比率が50〜85%/10〜45%/5〜15%である溶剤回収再利用可能な印刷インキを提供する。
【0014】
本発明の溶剤回収再利用可能な印刷インキに用いるエステル系溶剤としては、公知のものを用いることができるが、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルが好ましい。特に好ましくは、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸エチルである。
【0015】
本発明の溶剤回収再利用可能な印刷インキに用いるアルコール系溶剤としては、公知のものを用いることができるが、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、エタノール、メタノールが好ましい。特に好ましくは、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、エタノールである。
【0016】
エステル系溶剤/アルコール系溶剤/水の質量比率は、好ましくは、60〜85%/10〜30%/5〜8%である。
【0017】
本発明の溶剤回収再利用可能な印刷インキに用いる結着樹脂成分としては、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、尿素結合を有するポリウレタン系樹脂のいずれか、若しくは数種を用いることが出来る。インキ皮膜に耐熱性を求めるために尿素結合を有する樹脂が有効であるが、尿素結合同士が水素結合で結びつくことでインキの粘度が高くなり印刷適性が悪化する傾向がある。本発明のインキは尿素結合と水素結合で結びつく水を5%以上含有することで、樹脂の粘度を低下させることができ、印刷適性に優れたインキとなる。
【0018】
本発明の溶剤回収再利用可能な印刷インキにおける結着樹脂成分の含有量は、例えば、5〜25%程度であることが好ましい。
【0019】
(通常の製造方法)
本発明の溶剤回収再利用可能な印刷インキの製造は、例えば、ポリウレタン樹脂に、各種顔料、エステル系溶剤、水およびアルコール系溶剤を加え、必要に応じてブロッキング防止剤、可塑剤などの添加剤、インキ流動性および分散性を改良するための界面活性剤、あるいはポリウレタン樹脂と相溶性を有する樹脂を、経時で増粘とゲル化が生じない範囲にて併用し、ボールミル、アトライター、サンドミルなどの通常の印刷インキ製造装置を用いて混練することによってなされる。
【0020】
ポリウレタン樹脂と併用できる樹脂としては、硝化綿、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩素化エチレン/プロピレン等の塩素化ポリオレフィン、エチレン/酢酸ビニル共重合体またはその塩素化樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ロジン系樹脂及びその変性物、ケトン樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられる。
【0021】
(印刷システム)
本発明は、前記した溶剤回収再使用型印刷インキの印刷に伴って蒸発する有機溶剤を回収し、該回収溶剤を印刷時の希釈溶剤として再使用する印刷システムを提供する。
【0022】
印刷機としては、既存のグラビア印刷機を使用することができる。印刷機に付属する乾燥機乃至は別途付加した乾燥機により乾燥された揮発性成分を任意の溶剤回収装置により回収することができる。例えば、活性炭式の回収装置が好ましく使用できる。回収した揮発性成分を、ガスクロマトグラフィー、比重計、屈折率等を用いて成分比率を確認し、必要があれば、新規の溶剤を追加することで成分比率を印刷中の印刷インキの溶剤成分比率に適するように補正する。補正は、バッチ式や比重計、屈折率計など連続的に測定できる装置を用いることで連続的に補正しても良い。補正後の回収溶剤を印刷機に付属する希釈溶剤タンクに供給することで、印刷インキの希釈溶剤として再使用することができる。前記した回収装置で回収した後に、分離・精製装置を付加することがより好ましい。
【0023】
(インキの製造方法)
本発明の溶剤回収再利用可能な印刷インキは、当初はそれぞれの新規購入原料を用いて通常のインキの製造方法によって製造される。本発明の溶剤回収再利用可能な印刷インキの製造方法においては、当初製造されたインキを用いて印刷した後に回収された溶剤を原料として、更に、溶剤回収再利用可能な印刷インキを製造する方法を紹介する。
【0024】
すなわち、揮発性成分の95%以上がエステル系溶剤/アルコール系溶剤/水からなり、その質量比率が50〜85%/10〜45%/5〜15%である印刷インキで印刷する工程、印刷に伴って蒸発する有機溶剤を回収する工程、該回収溶剤と結着樹脂成分とを配合して、揮発性成分の95%以上がエステル系溶剤/アルコール系溶剤/水からなり、その質量比率が50〜85%/10〜45%/5〜15%である印刷インキを調製することができる。
【0025】
元のインキの溶剤系、溶剤種数、比率を限定することで、回収した溶剤をそのまま、若しくは必要に応じて補正を行うことで次のインキの原料として採用することを可能としている。
【実施例】
【0026】
以下に、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。
【0027】
(ポリエステル樹脂1の調製)
温度計、精留塔、水分分離器、攪拌機、窒素ガス吹き込みようガラス管を取り付けたポリエステル反応容器に、ネオペンチルグリコール38部、アジピン酸50部、および酢酸亜鉛0.01部を仕込み、蒸留塔上部が100℃を超えないように徐々に加熱して、内温が220℃に保持した。酸価が5(mgKOH/g)以下になったところで10mmHg以下に減圧し、酸価が2(mgKOH/g)以下になったところでエステル化反応を終了し、酢酸ノルマルプロピル125.5部、イソプロピルアルコール50.2部を添加し、ポリエステル樹脂溶液(固形分30%)を得た。このポリオールの分子量を、GPCを用いて測定したところ重量平均分子量5000であった。これをポリエステル樹脂溶液1とする。
【0028】
(ポリウレタン樹脂1の調製例)
冷却管、攪拌機、窒素ガス吹き込みようガラス管を取り付けた4つ口フラスコに、3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸からなる平均分子量2000を100部、イソフォロンジイソシアネートを8.5部、酢酸ノルマルプロピルを180.8部仕込み、窒素ガスを導入しながら80℃で5時間ウレタン化反応を行った。その後、イソプロピルアルコールを72.3部添加し、重量平均分子量14000のポリウレタン樹脂溶液(固形分30%)を得た。
【0029】
(尿素結合を有するポリウレタン樹脂:ポリウレタンウレアAの調製例)
冷却管、攪拌機、窒素ガス吹き込みようガラス管を取り付けた4つ口フラスコに、3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸からなる平均分子量2000を100部、イソフォロンジイソシアネートを22部、酢酸ノルマルプロピルを100部仕込み、窒素ガスを導入しながら80℃で5時間ウレタン化反応を行った。その後、イソフォロンジアミンを7.6部、酢酸ノルマルプロピルを119部、イソプロピルアルコールを87.6部添加し、尿素基の導入を行った。その後、反応停止剤として、ジブチルアミンを1.8部添加し、重量平均32000のポリウレタンポリウレア樹脂ニスA(固形分 30%)を得た。
【0030】
(尿素結合を有するポリウレタン樹脂:ポリウレタンウレアBの調製例)
酢酸ノルマルプロピルを酢酸イソプロピルに変更した他は、ポリウレタンウレア樹脂溶液Aと同工程で行い、ポリウレタンウレア樹脂溶液B(固形分30%)を調製した。
【0031】
(尿素結合を有するポリウレタン樹脂 ポリウレタンウレアCの製造例)
酢酸ノルマルプロピルを酢酸エチルに、イソプロピルアルコールをノルマルプロピルアルコール変更した他は、ポリウレタンウレア樹脂溶液Aと同工程で行い、ポリウレタンウレア樹脂溶液C(固形分30%)を調製した。
【0032】
(尿素結合を有するポリウレタン樹脂 ポリウレタンウレアDの製造例)
酢酸ノルマルプロピルをプロピオン酸メチルに変更した他は、ポリウレタンウレア樹脂溶液Aと同工程で行い、ポリウレタンウレア樹脂溶液D(固形分30%)を調製した。
【0033】
(尿素結合を有するポリウレタン樹脂 ポリウレタンウレアEの製造例)
酢酸ノルマルプロピルをプロピオン酸エチルに変更した他は、ポリウレタンウレア樹脂溶液Aと同工程で行い、ポリウレタンウレア樹脂溶液E(固形分30%)を調製した。
【0034】
(インキの調製法)
表1〜3に記載の配合比率で混合した混合物をダイノーミル(ウィリー・エ・バッコーフェン社製)を用いて混練し、実施例1〜8、比較例1〜4記載のインキを調製した。
【0035】
上記で得られた実施例1〜8インキ及び比較例1〜4インキについて、以下の評価を実施した。
【0036】
(印刷適性試験:カスレ試験1)
表1記載のインキを、インキ作成に使用した同一比率の混合有機溶剤で希釈し、離合社製ザーンカップNo3で16秒になるように希釈した。それを、版深度3μmを有するグラビア版を取り付けたグラビア印刷機(DICエンジニアリング株式会社製)を用いて、片面にコロナ放電処理を施した二軸延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績株式会社製 パイレンP−2161 厚さ20μm)の処理面に印刷を行った。印刷物の印刷部分へのインキの転移度(カスレ度)を評価した。カスレ試験は、グラビア版の円周600mmφで300m/minの印刷速度での評価を行った。
(評価)
5:カスレなし
4:ごく僅かにカスレ発生
3:少しカスレ発生、実用範囲
2:カスレが顕著に確認できる
1:カスレが多発している
【0037】
(印刷適性試験:カスレ試験2)
グラビア版の円周を900mmφとし、印刷速度を120m/minに変更してカスレ試験1と同様の評価を実施した。評価基準はカスレ試験1と同様である。
【0038】
(印刷適性試験:版かぶり試験)
上記カスレ試験1の条件で印刷した時の印刷物の中で、非印刷部の汚れ具合(版かぶり度)を評価した。
(評価)
5:印刷汚れ 無し
4:印刷汚れ ごく僅かに確認できる
3:印刷汚れ 僅かに確認できる、実用範囲
2:印刷汚れが発生している
1:印刷汚れが甚だしい
【0039】
(乾燥性)
上記カスレ試験1と同条件で、グラビア版の版深度が25μmを有するグラビア版で印刷を行い、印刷物に残された溶剤量、水分量を、ガスクロマトグラフを用いて定量し、残量により評価を行った。
(評価)
1:残留溶剤、水分量が 0.5mg/m未満
2:残留溶剤、水分量が 0.5以上2.0mg/m未満
3:残留溶剤、水分量が 2.0以上5.0mg/m未満
4:残留溶剤、水分量が 5.0以上8.0mg/m未満
5:残留溶剤、水分量が 8.0mg/m以上
【0040】
(安定性)
表記載のインキを各々ガラス瓶に採取し、50度で7日間保存を行った。その後、沈殿の有無、発生量により評価を行った。
(評価)
5:沈殿なし
4:沈殿がごく僅かに確認できる
3:沈殿が僅かに確認できる、実用範囲
2:沈殿量が多い
1:沈殿量が非常に多い
【0041】
(回収・再使用性)
予め、グラビア印刷機(DICエンジニアリング株式会社製)の乾燥器の排気口から溶剤回収試験機(クレハエンジニアリング製)をダクトで繋いだ。上記カスレ試験1と同条件で、グラビア版の版深度が25μmを有するグラビア版で印刷を行い、回収装置により回収された溶剤のpHを測定した。pHの測定は、100gの水を入れた分液漏斗に100gの回収溶剤を加え、2分間振った後に水を分取し、その水のpHを測定した。
(評価)
○:pHの5以上8未満
△:pHが3以上5未満
×:pHが3未満
【0042】
【表1】

【0043】
表中の略号は以下の通りである。
NPAc:酢酸ノルマルプロピル
IPAc:酢酸イソプロピル
EA:酢酸エチル
MePr:プロピオン酸メチル
EtPr:プロピオン酸エチル
IPA:イソプロピルアルコール
NPA:ノルマルプロピルアルコール
【0044】
【表2】

【0045】
【表3】

【0046】
以上の結果から、本発明の印刷インキは、特定の2種の有機溶剤及び水を主成分とし、乾燥性、印刷安定性、及びインキの安定性も高いことはもとより、印刷時に、再利用可能な揮発溶剤の回収がし易いことが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の印刷インキは、使用溶剤の回収を容易にした溶剤回収再利用に適する印刷インキであり、有機溶剤を多く使用する一般のグラビアインキとしての使用に好ましく活用され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
揮発性成分及び結着樹脂成分を含有するインキであって、揮発性成分の95%以上がエステル系溶剤/アルコール系溶剤/水からなり、その質量比率が50〜85%/10〜45%/5〜15%であることを特徴とする印刷インキ。
【請求項2】
前記したエステル系溶剤が、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルから選ばれる1種類である請求項1に記載の印刷インキ。
【請求項3】
前記したアルコール系溶剤が、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、エタノール、メタノールから選ばれる1種類である請求項1又は2に記載の印刷インキ。
【請求項4】
ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、尿素結合を有するポリウレタン系樹脂から選ばれる1種以上の樹脂を含有する請求項1〜3の何れかに記載の印刷インキ。
【請求項5】
前記した印刷インキの印刷に伴って蒸発する有機溶剤を回収し、該回収溶剤を印刷時の希釈溶剤として再使用することを特徴とする印刷システム。
【請求項6】
前記した回収溶剤を分離・精製の後、印刷時の希釈溶剤として再使用する請求項5に記載の印刷システム。
【請求項7】
揮発性成分及び結着樹脂成分を含有する印刷インキの製造方法であって、揮発性成分の95%以上がエステル系溶剤/アルコール系溶剤/水からなり、その質量比率が50〜85%/10〜45%/5〜15%である印刷インキで印刷する工程、印刷に伴って蒸発する有機溶剤を回収する工程、該回収溶剤と結着樹脂成分とを配合して、揮発性成分の95%以上がエステル系溶剤/アルコール系溶剤/水からなり、その質量比率が50〜85%/10〜45%/5〜15%である印刷インキを調製する工程を有することを特徴とする印刷インキの製造方法。
【請求項8】
前記した回収溶剤を分離・精製する工程を有する請求項7に記載の印刷インキの製造方法。

【公開番号】特開2010−144075(P2010−144075A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−323614(P2008−323614)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(000002886)DIC株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】