説明

印刷システム、プリンタードライバー、及びコピー機

【課題】トナーセーブモードの使い勝手を向上することを目的とする。
【解決手段】コンピューターは、印刷装置の給紙装置ごとの着色剤のセーブ処理を行う着色剤セーブモードのオン又はオフの設定を予め記憶する。コンピューターは、給紙装置の選択を含む印刷指示を受け付けて、選択された給紙装置と当該給紙装置の着色剤セーブモードのオン又はオフの設定とに基づいて印刷コマンドを生成し、印刷装置に送信する。印刷装置は、コンピューターから送信された印刷コマンドに基づいて、着色剤セーブモードがオンである場合には着色剤をセーブする所定の処理を行って、印刷データを生成し、印刷コマンドで選択された給紙装置を使用して印刷を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンター、複合機、コピー機等の画像形成装置、当該画像形成装置を含む画像形成システム、及び当該画像形成装置を制御するドライバープログラムに関し、特に、トナーセーブに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンター、複合機、コピー機等の画像形成装置には、通常モードよりもトナーの消費量を低減するトナーセーブモードを有するものがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−276058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ユーザーがトナーセーブモードを使用したい場合として、例えば、下書きやメモを印刷する場合、片面が印刷済みの用紙(いわゆる裏紙)に印刷を行う場合、などがある。このように、ユーザーにとって重要性が低いデータについて、ユーザーはトナーセーブモードを使うことが多い。
【0005】
しかし、従来のトナーセーブモードを有するプリンターでは、ユーザーは、トナーセーブモードで印刷を行いたい場合、例えば、PC等のホストコンピューターで動作するプリンタードライバーの設定ウィンドウにおいて、トナーセーブモードの設定をON(有効)にする必要がある。そのため、トナーセーブモードを使用する場合には、ユーザーは、印刷の度にトナーセーブモードの設定をONにする必要があり、使い勝手が悪い。特に、通常モードよりもトナーセーブモードで印刷する場合がより多いユーザーにとっては、このような設定方法は利便性を欠く。
【0006】
そこで、本発明は、トナーセーブモードの使い勝手を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するための本発明の第一の態様は、1又は2以上の給紙装置を有する印刷装置と、コンピューターとを備える印刷システムであって、前記コンピューターは、前記給紙装置ごとの着色剤のセーブ処理を行う着色剤セーブモードのオン又はオフの設定を予め記憶し、前記給紙装置の選択を含む印刷指示を受け付ける設定受付手段と、前記印刷指示で選択された給紙装置と当該給紙装置の着色剤セーブモードのオン又はオフの設定とに基づいて印刷コマンドを生成し、前記印刷装置に送信するコマンド送信手段と、を有し、前記印刷装置は、前記コンピューターから送信された印刷コマンドに基づいて、着色剤セーブモードがオンである場合には着色剤をセーブする所定の処理を行って、印刷データを生成し、前記印刷コマンドで選択された給紙装置を使用して印刷を行う印刷制御手段と、を有する、ことを特徴とする。
【0008】
上記の課題を解決するための本発明の第二の態様は、1又は2以上の給紙装置を有する印刷装置と、コンピューターとを備える印刷システムであって、前記コンピューターは、前記給紙装置ごとの着色剤のセーブ処理を行う着色剤セーブモードのオン又はオフの設定を予め記憶し、前記給紙装置の選択を含む印刷指示を受け付ける設定受付手段と、前記印刷指示で選択された給紙装置と当該給紙装置の着色剤セーブモードのオン又はオフとに基づいて、着色剤セーブモードがオンである場合には着色剤をセーブする所定の処理を行って、印刷コマンドを生成し、前記印刷装置に送信するコマンド送信手段と、を有し、前記印刷装置は、前記コンピューターから送信された印刷コマンドに基づいて、印刷データを生成し、選択された給紙装置を使用して印刷を行う印刷制御手段と、を有する、ことを特徴とする。
【0009】
ここで、上記のいずれかの印刷システムであって、前記設定受付手段は、前記選択された給紙装置についての着色剤セーブモードのオン又はオフの設定を受け付け、前記コマンド送信手段は、前記選択された給紙装置について受け付けられた着色剤セーブモードのオン又はオフの設定に基づいて印刷コマンドを生成する、ことを特徴としていてもよい。
【0010】
また、上記の印刷システムであって、前記設定受付手段は、予め記憶した前記給紙装置ごとの着色剤セーブモードのオン又はオフの設定の変更を受け付ける、ことを特徴としていてもよい。
【0011】
上記の課題を解決するための本発明の第三の態様は、1又は2以上の給紙装置を有する印刷装置に印刷コマンドを送信する装置としてコンピューターを機能させるプリンタードライバープログラムであって、前記給紙装置ごとの着色剤のセーブ処理を行う着色剤セーブモードのオン又はオフの設定を予め記憶し、前記給紙装置の選択を含む印刷指示を受け付ける設定受付手段と、前記印刷指示で選択された給紙装置と当該給紙装置の着色剤セーブモードのオン又はオフとに基づいて印刷コマンドを生成し、前記印刷装置に送信するコマンド送信手段として、前記コンピューターを機能させることを特徴とする。
【0012】
上記の課題を解決するための本発明の第四の態様は、1又は2以上の給紙装置を有する印刷装置に印刷コマンドを送信する装置としてコンピューターを機能させるプリンタードライバープログラムであって、前記給紙装置ごとの着色剤のセーブ処理を行う着色剤セーブモードのオン又はオフの設定を予め記憶し、前記給紙装置の選択を含む印刷指示を受け付ける設定受付手段と、前記印刷指示で選択された給紙装置と当該給紙装置の着色剤セーブモードのオン又はオフとに基づいて、着色剤セーブモードがオンである場合には着色剤をセーブする所定の処理を行って、印刷コマンドを生成し、前記印刷装置に送信するコマンド送信手段として、前記コンピューターを機能させることを特徴とする。
【0013】
上記の課題を解決するための本発明の第五の態様は、1又は2以上の給紙装置を有するコピー機であって、前記給紙装置ごとの着色剤のセーブ処理を行う着色剤セーブモードのオン又はオフの設定を予め記憶し、前記給紙装置の選択を含むコピー指示を受け付ける設定受付手段と、前記コピー指示に基づいてスキャンデータを生成する読取制御手段と、前記コピー指示で選択された給紙装置と当該給紙装置の着色剤セーブモードのオン又はオフの設定とに基づいて、着色剤セーブモードがオンである場合には着色剤をセーブする所定の処理を行って、印刷データを生成し、選択された給紙装置を使用して印刷を行う印刷制御手段と、を有する、ことを特徴とする。
【0014】
ここで、上記のコピー機であって、ユーザーの操作を受け付ける操作パネルを有し、前記設定受付手段は、前記操作パネルを介して、前記選択された給紙装置についての着色剤セーブモードのオン又はオフの設定を受け付け、前記印刷制御手段は、前記選択された給紙装置について受け付けられた着色剤セーブモードのオン又はオフの設定に基づいて印刷データを生成する、ことを特徴としていてもよい。
【0015】
また、上記のいずれかのコピー機であって、前記給紙装置はそれぞれ、着色剤セーブモードのオン又はオフを設定可能な物理的なスイッチを有し、前記設定受付手段は、前記スイッチを介して、予め記憶した前記給紙装置ごとの着色剤セーブモードのオン又はオフの設定の変更を受け付ける、ことを特徴としていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る印刷システム3のハードウェア構成の概略を示すブロック図。
【図2】印刷システム3の機能構成を示すブロック図。
【図3】トナーセーブ設定情報120・220の構成例を示す図。
【図4】給紙装置の選択を行うインターフェイス画面の一例を示す図。
【図5】印刷品質の設定を行うインターフェイス画面の一例を示す図。
【図6】選択された給紙装置のトナーセーブモードの設定を行うインターフェイス画面の一例を示す図。
【図7】給紙装置ごとのトナーセーブモードの初期設定を行うインターフェイス画面の一例を示す図。
【図8】プリンター2の給紙装置ごとのトナーセーブモードの設定方法の一例を説明する図。
【図9】印刷システム3における印刷処理を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る印刷システム3のハードウェア構成の概略を示すブロック図である。
【0019】
画像形成システムとしての印刷システム3は、画像形成装置としてのプリンター2と、プリンター2を制御するホストコンピューター1とを備える。ホストコンピューター1とプリンター2は、例えば、LANなどのネットワークを介して通信することができる。ホストコンピューター1は、プリンタードライバープログラムがインストールされ、当該プリンタードライバープログラムによりプリンター2を制御する。
【0020】
もちろん、印刷システム3は、複数のホストコンピューター1を複数備えていてもよい。そして、それぞれのホストコンピューター1がプリンター2と通信するようにしてもよい。
【0021】
ホストコンピューター1は、例えば、各種演算を行うCPU10と、各種プログラムやデータを格納するHDD(Hard Disk Drive)等の補助記憶装置11と、LANなどのネットワークを介して外部装置と通信を行うネットワークインターフェイス(I/F)12と、USB(Universal Serial Bus)ポートやUSBコントローラーを備えUSBにより外部装置と通信を行うUSBインターフェイス(I/F)13と、起動に必要なプログラムやデータを予め格納するROM14と、CPU10が実行するプログラムやデータを格納するRAM15と、キーボードやマウス等の入力装置16と、ユーザーインターフェイス画面などを表示するLCDなどのディスプレイ17とを備える、一般的なコンピューターである。
【0022】
プリンター2は、例えば、コントローラー20と、印刷エンジン30と、操作パネル40とを備える、一般的なレーザー方式のページプリンターである。詳細は後述するが、プリンター2は、トナーセーブモードを有する。
【0023】
コントローラー20は、例えば、CPU21と、ROM22と、RAM23と、メモリー制御ASIC(Application Specific Integrated Circuit)24と、印刷制御ASIC25と、入出力(I/O)制御ASIC26と、ネットワークインターフェイス(I/F)27と、USBインターフェイス(I/F)28とを備える。
【0024】
CPU21は、所定のプログラムを実行して、プリンター2を統合的に制御する。ROM22は、データやプログラム等を格納している不揮発性メモリーであり、例えば、フラッシュメモリーである。ROM22は、メモリー制御ASIC24ではなく、I/O制御ASIC26に接続されていてもよい。RAM23は、データおよびプログラム等を一時的に記憶する揮発性メモリーであり、例えば、DDR−SDRAMである。
【0025】
メモリー制御ASIC24は、ROM22およびRAM23へのアクセスを制御するユニットである。メモリー制御ASIC24は、例えば、ネットワークI/F27およびI/O制御ASIC26、もしくはUSB I/F28およびI/O制御ASIC26を介して外部装置から送られてきた、印刷対象の画像データをRAM23に格納する。また、例えば、RAM23に格納された画像データを、印刷制御ASIC25に出力する。
【0026】
印刷制御ASIC25は、印刷エンジン30において処理可能な印刷データを生成し、印刷エンジン30による印刷を制御するユニットである。印刷制御ASIC25は、例えば、RAM23から画像データを読み出し、所定の画像処理(例えば、色変換、圧縮、伸張、2値化)を施して印刷データを生成する。そして、生成した印刷データを印刷エンジン30に送信して印刷を実行させる。
【0027】
I/O制御ASIC26は、I/O装置やI/F装置を制御するユニットである。本実施形態では、I/O制御ASIC26は、I/O装置としての操作パネル40と、I/F装置としてのネットワークI/F27およびUSB I/F28と接続されている。もちろん、ハードディスクドライブ、パラレルI/F等が接続されていてもよい。I/O制御ASIC26は、例えば、ネットワークI/F27もしくはUS BI/F28を介して、外部装置から送信されたデータをCPU21に転送したり、CPU21から送信されたデータを外部装置に転送したりする。また、例えば、操作パネル40から出力される信号をCPU21に転送したり、CPU21から送られた描画データを操作パネル40に転送したりする。
【0028】
ネットワークI/F27は、ホストコンピューター1などのネットワーク上の外部装置と通信を行うユニットである。ネットワークI/F27は、例えば、ネットワークコントローラー、ネットワークコネクタ等を含む。
【0029】
USB I/F28は、ホストコンピューター1などの外部装置と通信を行うユニットである。USB I/F28は、例えば、USBコントローラー、USBコネクタ等を含む。
【0030】
印刷エンジン30は、印刷制御ASIC25から供給されたデータを、印刷媒体に印刷するユニットである。印刷エンジン30は、例えば、トナーカートリッジ、感光体ドラム、レーザー光照射機構、転写機構、紙送り機構、給紙機構、排紙機構などを有するレーザー方式のエンジンである。
【0031】
本実施形態では、給紙機構は、印刷媒体が収納される給紙トレイ及び給紙トレイから紙送り機構へと印刷媒体を送り出す給紙装置を含み、給紙トレイごとに給紙装置を有する、ものとして説明する。また、本実施形態では、給紙装置が3つであるものとして説明する。もちろん、給紙装置の数は3つに限られず、1又は2以上であればよい。また、印刷エンジン30は、レーザー方式に限られず、インクジェット方式であってもよい。
【0032】
操作パネル40は、ユーザーとプリンター2との間の入出力インターフェイスとして、プリンター2の筐体に設けられているユニットである。操作パネル40は、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ(Electro-Luminescence Display)などのディスプレイと、タッチパネルと、ハードスイッチ等を有する。
【0033】
もちろん、上記のホストコンピューター1およびプリンター2の構成は、本願発明の特徴を説明するにあたって主要構成を説明したのであって、上記に限られない。また、一般的なコンピューターおよびプリンターが備える他の構成を排除するものではない。
【0034】
図2は、印刷システム3の機能構成を示すブロック図である。
【0035】
ホストコンピューター1は、プリンタードライバー部100を有する。プリンタードライバー部100は、設定受付部110と、印刷コマンド生成部130とを有する。設定受付部110は、トナーセーブ設定情報120を有する。
【0036】
プリンタードライバー部100は、例えば、CPU10が補助記憶装置11からRAM15にロードしたプリンタードライバープログラムを実行することにより実現される。プリンタードライバープログラムは、例えば、ネットワーク上のサーバーからダウンロードされて、ホストコンピューター1にインストールされ、もしくは更新される。もちろん、持ち運び可能な記録媒体に予め記録されており、当該記録媒体から読み取られて、ホストコンピューター1にインストールされ、もしくは更新されてもよい。
【0037】
なお、ホストコンピューター1は、OS部やアプリケーション部(いずれも不図示)を有していてもよい。OS部やアプリケーション部は、例えば、CPU10が補助記憶装置11からRAM15にロードした所定のOSプログラムやアプリケーションプログラムを実行することにより実現される。
【0038】
プリンタードライバー部100は、例えば、印刷に関する設定を受け付けるためのインターフェイス画面の表示制御処理、当該インターフェイス画面を介したユーザーの操作の入力制御処理、アプリケーション部から受け付けた印刷対象のデータの印刷を指示する印刷コマンド(印刷ジョブ)等を生成する印刷コマンド生成処理、印刷コマンドをプリンター2に送信する送信処理などを行う。このような処理を行うため、プリンタードライバー部100は、設定受付部110、および印刷コマンド生成部130を有する。
【0039】
設定受付部110は、印刷に関する設定を記憶及び管理する。また、印刷に関する設定の変更、印刷開始の指示を受け付ける。
【0040】
例えば、設定受付部110は、各種の印刷設定を受け付けるためのインターフェイス画面をディスプレイ17に表示させる。また、入力装置16を介して、インターフェイス画面上の印刷設定の変更等を受け付ける。また、設定受付部110は、アプリケーション部の印刷画面等を介して、印刷対象データの印刷開始の指示をユーザーから受け付けた場合、インターフェイス画面上に設定された各種の印刷設定を取得し、当該印刷設定に基づいて印刷コマンドを生成するように印刷コマンド生成部130に要求する。
【0041】
本実施形態では、設定受付部110は、プリンター2の給紙装置ごとに、トナーセーブモードのON/OFF(有効/無効)の設定を管理する。そのため、設定受付部110は、例えば図3に示すような、トナーセーブ設定情報120を有する。トナーセーブ設定情報120は、給紙装置ごとのエントリーを有する。各エントリーは、給紙装置を識別する情報である給紙装置ID121と、トナーセーブモードのON/OFFを示す情報であるトナーセーブON/OFF情報122とを含んでいる。
【0042】
各エントリーのトナーセーブON/OFF情報122の当初の初期値は、例えば、「OFF」とすることができる。なお、後述するように、トナーセーブON/OFF情報122は、ユーザーの操作により変更可能であり、ユーザーが変更した値が初期値として設定される。
【0043】
もちろん、上記のトナーセーブ設定情報120の構成は、一例であり、上記に限られない。また、トナーセーブ設定情報120を管理する方法は、テーブルを用いた方法に限られない。
【0044】
以下に、本実施形態の特徴的な、給紙装置ごとのトナーセーブモードのON/OFFの設定方法について説明する。
【0045】
入力装置16を介したユーザーの操作によりプリンタードライバー部100が起動されると、設定受付部110は、例えば図4及び5に示すような、各種の印刷設定を受け付けるためのインターフェイス画面500をディスプレイ17に表示させる。そして、入力装置16を介して、インターフェイス画面500上の各種印刷設定の設定を受け付ける。
【0046】
インターフェイス画面500は、タブにより切り替え可能な、基本設定画面510、応用設定画面520、環境設定画面、およびユーティリティ画面を含んでいる。また、インターフェイス画面500は、インターフェイス画面500上の各種印刷設定を印刷コマンドの生成に使用する印刷設定として適用するためのOKボタン501、および各種印刷設定の適用を中止するキャンセルボタン502を含んでいる。
【0047】
図4に示すように、基本設定画面510は、印刷に関する基本的な設定をするための欄として、例えば、印刷に用いる給紙装置を選択するための給紙装置欄511を含んでいる。図5に示すように、応用設定画面520は、印刷に関する応用的な設定をするための欄として、例えば、印刷品質の詳細設定をするための詳細設定ボタン521を含んでいる。
【0048】
応用設定画面520上で詳細設定ボタン521の選択を受け付けた場合、設定受付部110は、例えば図6に示すような、選択されている給紙装置のトナーセーブモードのON/OFF設定を受け付けるためのインターフェイス画面600を表示する。そして、選択されている給紙装置のトナーセーブモードのON/OFFの設定を受け付ける。
【0049】
インターフェイス画面600は、印刷の品質や色に関する設定をするための欄を含み、また、インターフェイス画面500の給紙装置欄511で選択されている給紙装置についてトナーセーブモードのON/OFFを設定するためのトナーセーブ欄610と、給紙装置ごとのトナーセーブモードのON/OFFの初期設定をするための初期設定ボタン611とを含んでいる。また、インターフェイス画面600は、インターフェイス画面600上の各設定を印刷設定として適用するためのOKボタン601、および各設定の適用を中止するキャンセルボタン602を含んでいる。
【0050】
インターフェイス画面600を表示する際、設定受付部110は、給紙装置欄511に設定されている給紙装置のIDを特定し、トナーセーブ設定情報120を参照して、当該給紙装置IDのエントリーのトナーセーブON/OFF情報122を取得する。そして、取得したトナーセーブON/OFF情報122(ONまたはOFF)に対応する情報をトナーセーブ欄610に表示する。
【0051】
例えば、給紙装置欄511に給紙装置3が設定されており(図4参照)、給紙装置3のトナーセーブON/OFF情報122がONに設定されている場合(図3参照)、トナーセーブ欄610はONに設定される(図6では、チェックボックスがチェックされている)。
【0052】
上述のように、ユーザーは、トナーセーブ欄610の設定を自由に変更できる。ただし、トナーセーブON/OFF情報122の内容は変化しない。すなわち、インターフェイス画面600が表示された際の、トナーセーブ欄610のデフォルトの設定は、トナーセーブON/OFF情報122に従う。
【0053】
インターフェイス画面600上で初期設定ボタン611の選択を受け付けた場合、設定受付部110は、例えば図7に示すような、給紙装置ごとのトナーセーブモードのON/OFFの初期設定を行うためのインターフェイス画面700を表示する。そして、給紙装置ごとのトナーセーブモードのON/OFFの初期設定を受け付ける。
【0054】
インターフェイス画面700は、給紙装置ごとのトナーセーブモードのON/OFFを設定するための初期設定欄711〜713と、プリンター2に設定されている、給紙装置ごとのトナーセーブモードのON/OFFをプリンター2から取得するための設定取得ボタン710とを含んでいる。また、インターフェイス画面700は、インターフェイス画面700上の各設定を各給紙装置の初期設定として適用するためのOKボタン701、および各設定の適用を中止するキャンセルボタン702を含んでいる。
【0055】
インターフェイス画面700を表示する際、設定受付部110は、トナーセーブ設定情報120を参照して、各給紙装置のトナーセーブON/OFF情報122を取得する。そして、取得した各給紙装置のトナーセーブON/OFF情報122(ONまたはOFF)に対応する情報を、初期設定欄711〜713に表示する。
【0056】
例えば、給紙装置3のトナーセーブON/OFF情報122がONに設定されている場合(図3参照)、初期設定欄713はONに設定される(図7では、チェックボックスがチェックされている)。
【0057】
インターフェイス画面700上でOKボタン701の選択を受け付けた場合、設定受付部110は、各給紙装置の初期設定欄711〜713の設定を、トナーセーブ設定情報120のトナーセーブON/OFF情報122に反映する。また、インターフェイス画面600のトナーセーブ欄610にも反映する。なお、OKボタン701が選択された場合、インターフェイス画面700の表示は消去されるようにすることができる。
【0058】
インターフェイス画面700上で設定取得ボタン710の選択を受け付けた場合、設定受付部110は、各給紙装置に設定されているトナーセーブモードのON/OFFを示す情報(トナーセーブ設定情報220)を要求するコマンドをプリンター2に送信する。当該情報をプリンター2から受信すると、設定受付部110は、受信した各給紙装置のトナーセーブON/OFF情報222(ONまたはOFF)に対応する情報を、初期設定欄711〜713に表示する。
【0059】
上述のように、ユーザーは、初期設定欄711〜713の設定を自由に変更できる。また、ユーザーは、設定取得ボタン710を選択することにより、初期設定欄711〜713の設定をプリンター2の設定と同じに変更できる。ただし、OKボタン701を選択しなければ、トナーセーブON/OFF情報122の内容は変化しない。
【0060】
以上、本実施形態の特徴的な、プリンタードライバー部100における給紙装置ごとのトナーセーブモードのON/OFFの設定方法について説明した。もちろん、上記のインターフェイス画面の構成や画面遷移は一例であり、上記に限られない。
【0061】
図2に戻って、印刷コマンド生成部130は、設定受付部110から印刷要求を受け付けると、インターフェイス画面上に設定された各種の印刷設定を、設定受付部110から取得する。また、アプリケーション部を介して指定された印刷対象のデータを取得する。また、各種印刷設定と印刷対象データとを含む印刷コマンドを生成する。そして、生成した印刷コマンドをプリンター2に送信し、当該印刷コマンドに基づく印刷を実行させる。
【0062】
本実施形態では、印刷コマンドには、給紙装置欄511で選択された給紙装置を識別する情報と、トナーセーブ欄610で設定された当該給紙装置についてのトナーセーブモードのON/OFFを示す情報とが含まれる。
【0063】
プリンター2は、印刷制御部200を有する。印刷制御部200は、設定受付部210と、印刷データ生成部230とを有する。設定受付部210は、トナーセーブ設定情報220を有する。
【0064】
印刷制御部200は、例えば、主に、CPU21がROM22からRAM23にロードした所定のプログラムを実行することにより実現される。一部の処理は印刷制御ASIC25により実現されてもよい。所定のプログラムは、例えば、ネットワーク上のサーバーからダウンロードされて、更新されてもよい。
【0065】
印刷制御部200は、例えば、印刷に関する設定を受け付けるためのインターフェイス画面の表示制御処理、当該インターフェイス画面を介したユーザーの操作の入力制御処理、ホストコンピューター1から受信した印刷コマンドに従って印刷データを生成する処理などを行う。また、印刷制御部200は、生成した印刷データに基づいて印刷エンジン30を制御し、印刷媒体への印刷を実行する。このような処理を行うため、印刷制御部200は、設定受付部210、および印刷データ生成部230を有する。
【0066】
設定受付部210は、印刷に関する設定を記憶及び管理する。また、印刷に関する設定の変更、印刷開始の指示、印刷コマンドを受け付ける。
【0067】
例えば、設定受付部210は、各種の印刷設定を受け付けるためのインターフェイス画面(不図示)を操作パネル40に表示させる。そして、操作パネル40を介して、インターフェイス画面上の印刷設定の変更等を受け付ける。また、設定受付部210は、ホストコンピューター1から印刷コマンドを受け付けた場合、当該印刷コマンドに従って印刷データを生成するように印刷データ生成部230に要求する。
【0068】
本実施形態では、設定受付部210は、プリンター2の給紙装置ごとに、トナーセーブモードのON/OFFの設定を管理する。そのため、設定受付部210は、例えば図3に示すような、トナーセーブ設定情報220を有する。トナーセーブ設定情報220は、給紙装置ごとのエントリーを有する。各エントリーは、給紙装置を識別する情報である給紙装置ID221と、トナーセーブモードのON/OFFを示す情報であるトナーセーブON/OFF情報222とを含んでいる。
【0069】
もちろん、上記のトナーセーブ設定情報220の構成は、一例であり、上記に限られない。また、トナーセーブ設定情報220を管理する方法は、テーブルを用いた方法に限られない。
【0070】
設定受付部210は、操作パネル40を介して、給紙装置ごとのトナーセーブモードのON/OFFの設定を受け付け、トナーセーブ設定情報220のトナーセーブON/OFF情報222に反映する。また、設定受付部210は、各給紙装置に設定されているトナーセーブモードのON/OFFを示す情報(トナーセーブ設定情報220)を要求するコマンドをホストコンピューター1から受信した場合、トナーセーブ設定情報220をホストコンピューター1に送信する。
【0071】
上記のように、ユーザーは、プリンター2の給紙装置ごとのトナーセーブモードのON/OFFの設定を、操作パネル40を介して自由に変更できる。また、ユーザーの操作に合わせて、トナーセーブON/OFF情報222の内容も変化する。
【0072】
もちろん、プリンター2における給紙装置ごとのトナーセーブモードのON/OFFの設定は、上記のような操作パネル40を介した設定方法に限られない。例えば、図8に示すように、給紙装置31〜給紙装置33(給紙装置1〜3)が、トナーセーブモードのON/OFFを切り替え可能なハードスイッチ34〜36をそれぞれ備えるようにしてもよい。すなわち、ハードスイッチ34〜36のON/OFFは、設定受付部210により検知され、トナーセーブ設定情報220のトナーセーブON/OFF情報222に反映される。
【0073】
図2に戻って、印刷データ生成部230は、設定受付部210から印刷要求を受け付けると、印刷コマンドに含まれる各種の印刷設定と印刷対象データとに基づいて印刷データを生成する。また、生成した印刷データに基づいて印刷エンジン30を制御し、印刷媒体への印刷を実行する。
【0074】
本実施形態では、印刷データ生成部230は、印刷コマンドに含まれる、選択された給紙装置を識別する情報と、当該給紙装置についてのトナーセーブモードのON/OFFを示す情報とに基づいて、トナーセーブモードにより印刷を実行するか否かを判定する。選択された給紙装置のトナーセーブモードがONである場合、印刷データ生成部230は、使用するトナー量を削減するための所定の処理を行って、印刷データを生成する。OFFである場合、通常の所定の処理を行って、印刷データを生成する。
【0075】
使用するトナー量を削減するための所定の処理としては、例えば、印刷対象の画像データのCMYKの階調値(濃度値)を、所定のトナーの削減率に応じて削減した階調値(濃度値)に変換する処理を採用することができる。もちろん、トナーセーブの方法は、これに限られず、例えば、レーザー露光量や現像バイアスを変更してトナーの消費量を低減する方法、CMYK画像を2値化したドットデータを所定の削減率に応じて間引く方法などであってもよい。
【0076】
なお、トナー量を削減するための所定の処理は、プリンタードライバー部100で実行されるようにしてもよい。この場合、プリンター2は、トナー量を削減するための所定の処理は行わない。また、印刷コマンドに、選択された給紙装置についてのトナーセーブモードのON/OFFを示す情報を含めなくてもよい。
【0077】
以上の各構成要素は、ホストコンピューター1およびプリンター2の、トナーセーブモードに関する構成を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。構成要素の分類の仕方や名称によって、本願発明が制限されることはない。ホストコンピューター1およびプリンター2の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0078】
図9は、印刷システム3における印刷処理を示すフロー図である。
【0079】
S10では、設定受付部110は、印刷指示を受け付ける。具体的には、設定受付部110は、例えば、アプリケーション部の印刷画面等を介して、印刷対象データの印刷開始の指示をユーザーから受け付ける。そして、インターフェイス画面上に設定されている各種の印刷設定を取得し、当該印刷設定に基づいて印刷コマンドを生成するように印刷コマンド生成部130に要求する。そして、処理をS11に進める。
【0080】
S11では、印刷コマンド生成部130は、印刷コマンドを生成する。具体的には、印刷コマンド生成部130は、インターフェイス画面上に設定されている各種の印刷設定を、設定受付部110から取得する。また、アプリケーション部を介して指定された印刷対象のデータを取得する。そして、各種印刷設定と印刷対象データとを含む印刷コマンドを生成する。そして、処理をS12に進める。
【0081】
S12では、印刷コマンド生成部130は、印刷コマンドをプリンター2へ送信する。具体的には、印刷コマンド生成部130は、S11で生成した印刷コマンドをプリンター2へ送信する。そして、本フローを終了する。
【0082】
S20では、設定受付部210は、ホストコンピューター1から印刷コマンドを受信する。具体的には、設定受付部210は、ホストコンピューター1から印刷コマンドを受信すると、当該印刷コマンドに従って印刷データを生成するように印刷データ生成部230に要求する。そして、処理をS21に進める。
【0083】
S21では、印刷データ生成部230は、印刷コマンドによる印刷をトナーセーブモードで実行するか否かを判定する。具体的には、印刷データ生成部230は、印刷コマンドに含まれる、給紙装置を識別する情報と、当該給紙装置についてのトナーセーブモードのON/OFFを示す情報とに基づいて、トナーセーブモードにより印刷を実行するか否かを判定する。トナーセーブモードがONである場合(S21:YES)、処理をS22に進める。トナーセーブモードがOFFである場合(S21:NO)、処理をS23に進める。
【0084】
S22では、印刷データ生成部230は、トナーセーブモードにより印刷データを生成する。具体的には、印刷データ生成部230は、使用するトナー量を削減するための所定の処理を行って、印刷データを生成する。そして、処理をS24に進める。
【0085】
S23では、印刷データ生成部230は、通常モードにより印刷データを生成する。具体的には、印刷データ生成部230は、具体的には、印刷データ生成部230は、通常の所定の処理を行って、印刷データを生成する。そして、処理をS24に進める。
【0086】
S24では、印刷データ生成部230は、印刷を実行する。具体的には、印刷データ生成部230は、S22又はS23で生成した印刷データに基づいて印刷エンジン30を制御し、印刷コマンドで指定された給紙装置の印刷媒体への印刷を実行する。
【0087】
以上の図8の各処理単位は、ホストコンピューター1およびプリンター2の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって、本願発明が制限されることはない。ホストコンピューター1およびプリンター2の処理は、処理内容に応じて、さらに多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割することもできる。
【0088】
以上、本発明の一実施形態について説明した。本実施形態によれば、画像形成装置おけるトナーセーブモードの使い勝手を向上することができる。
【0089】
すなわち、本実施形態では、トナーセーブモードのON/OFFの初期設定を、予め設定可能である。ユーザーがトナーセーブモードを通常モードよりも優先的に使用したい場合には、トナーセーブモードの初期設定をONにしておけばよい。ユーザーは、印刷の度にトナーセーブモードの設定を行う必要がない。
【0090】
また、本実施形態では、トナーセーブモードのON/OFFを給紙装置ごとに設定することができる。ユーザーが、特定の給紙装置を用いた印刷についてトナーセーブモードで優先的に印刷をしたい場合には、当該給紙装置のトナーセーブモードの初期設定をONにしておけばよい。ユーザーは、印刷の度にトナーセーブモードの設定を行う必要がない。
【0091】
また、本実施形態では、給紙装置ごとのトナーセーブモードのON/OFFを画像形成装置に直接設定することができる。そして、ホストコンピューターのドライバープログラムが画像形成装置の設定を取得して、初期設定として反映することができる。このような構成により、画像形成装置の設定をデフォルトの設定として使用することができる。また、画像形成装置の設定を複数ユーザー共通のデフォルト設定として使用することができる。
【0092】
以上の本発明の実施形態は、本発明の要旨と範囲を例示することを意図し、限定するものではない。多くの代替物、修正および変形例が当業者にとって明らかである。
【0093】
例えば、上記の実施形態では、画像形成装置も給紙装置ごとのトナーセーブモードの設定を記憶しているが、記憶しないようにしてもよい。そして、画像形成装置は、ドライバーからの印刷コマンドのみにより、給紙装置ごとのトナーセーブモードのON/OFFの指定を受け付けて印刷を実行するようにしてもよい。
【0094】
また、例えば、上記の実施形態では、ドライバーに記憶されているトナーセーブモードの初期設定が優先的に印刷に適用されるが、画像形成装置に記憶されているトナーセーブモードの初期設定が優先的に印刷に適用されるようにしてもよい。具体的には、設定受付部110は、プリンタードライバー部100が起動されたときに、印刷制御部200が記憶しているトナーセーブ設定情報220を取得して、トナーセーブ設定情報120に反映するようにする。また、設定受付部110は、トナーセーブ設定情報120に基づいて設定内容を表示だけするようにし、ユーザーが設定変更をできないようにする。なお、この場合、印刷コマンドにトナーセーブモードのON/OFFを示す情報を含めなくてもよい。
【0095】
上記のような構成とすれば、画像形成装置に記憶されているトナーセーブモードの設定が優先的に印刷に適用される。また、複数のユーザー全員に対して強制的に共通のトナーセーブモードの設定を使用させることができる。
【0096】
また、例えば、ドライバーにおける給紙装置の選択において、「自動選択」を設定できるようにしてもよい。「自動選択」とは、印刷対象のデータで指定された用紙サイズやドライバーで選択された用紙サイズ等に応じて、画像形成装置が適切な給紙装置を自動的に選択する機能である。
【0097】
具体的には、トナーセーブ設定情報120に、「自動選択」のエントリーを含めておく。そして、「自動選択」が選択された場合には、印刷コマンド生成部130は、給紙装置「自動選択」を識別する情報と、当該給紙装置「自動選択」についてのトナーセーブモードのON/OFFを示す情報とを印刷コマンドに含める。印刷データ生成部230は、印刷に適切な給紙装置を自動的に選択するとともに、印刷コマンドに含まれるトナーセーブモードのON/OFFに従って印刷データを生成する。
【0098】
上記のような構成とすれば、「自動選択」の場合でも、トナーセーブモードの初期設定を設定することができる。なお、「自動選択」の場合は、実際に選択された給紙装置の画像形成装置側の初期設定を優先的に印刷に適用してもよい。また、「自動選択」の場合は、ドライバー側の給紙装置ごとの初期設定を画像形成装置に送り、実際に選択された給紙装置の初期設定を印刷に適用するようにしてもよい。
【0099】
また、例えば、給紙装置ごとのトナーセーブモードのON/OFF設定方法は、コピー機能を有するコピー機や複合機等の画像形成装置が、単体でコピーを実行する場合にも、同様に適用できる。
【0100】
具体的には、画像形成装置は、スキャナーエンジン、印刷エンジン、操作パネル、コントローラー等で構成される。コントローラーには、操作パネルを介してコピー設定を受け付ける設定受付部と、コピー設定に基づいてスキャナーエンジンを制御して画像のスキャンを実行する読取制御部と、コピー設定に基づいてスキャンされた画像データを処理して印刷を実行する印刷制御部とが実現される。
【0101】
ここで、設定受付部は、トナーセーブ設定情報(図3と同様)を有し、給紙装置ごとのトナーセーブのON/OFFの設定を有する。そして、上述の実施形態の設定受付部110と同様に、デフォルト設定はトナーセーブ設定情報に従う。また、設定受付部は、コピーの度に、トナーセーブ設定情報の内容を変更することなく、トナーセーブのON/OFFの選択を受け付け可能である。また、設定受付部は、トナーセーブ設定情報の内容の変更を受け付けることも可能である。
【0102】
設定受付部は、操作パネル等を介してコピーの指示を受け付けると、読取制御部に指示してスキャンを実行させる。また、設定受付部は、読取制御部によりスキャンされた画像データに基づいて印刷制御部に印刷を実行させる。このとき印刷制御部は、設定受付部からコピー設定を取得し、指定された給紙装置のトナーセーブモードがONであるか否かを判定する。ONである場合には、トナーを削減する所定の処理を行って、印刷を実行する。
【0103】
上記の構成によれば、コピー機能を有する画像形成装置が単体で動作する場合においても、トナーセーブモードの使い勝手を向上することができる。もちろん、給紙装置ごとにトナーセーブモードのON/OFFを切り替え可能なハードスイッチを有していてもよい。また、コピー機能を有するコピー機や複合機等の画像形成装置は、プリンター機能も有し、ドライバーから印刷指示をもらうようにしてもよい。
【0104】
また、例えば、選択されている給紙装置とともにトナーセーブのON又はOFFを表示するようにしてもよい。
【0105】
具体的には、設定受付部110は、給紙装置欄511(図4)に設定されている給紙装置のIDを特定し、トナーセーブ設定情報120(図3)を参照して、当該給紙装置IDのエントリーのトナーセーブON/OFF情報122を取得する。そして、取得したトナーセーブON/OFF情報122(ONまたはOFF)に対応する情報を、給紙装置を特定する情報とともに給紙装置欄511に表示する。例えば、「給紙装置3」が選択されている場合、「給紙装置3(トナーセーブON)」の様に表示する。なお、トナーセーブOFFの場合、その情報は表示しなくてもよい。
【0106】
また、例えば、給紙装置の選択とともに、トナーセーブのON又はOFFを設定できるようにしてもよい。
【0107】
具体的には、基本設定画面510は、給紙装置欄511の近隣(例えば、右や下)に、トナーセーブ欄610(図6)と同様の機能を有するトナーセーブ欄を含むようにする。設定受付部110は、給紙装置欄511に設定されている給紙装置のトナーセーブON/OFF情報122(ONまたはOFF)に対応する情報を、給紙装置欄511の近隣のトナーセーブ欄に表示する。
【0108】
例えば、給紙装置欄511に給紙装置3が設定されており(図4参照)、給紙装置3のトナーセーブON/OFF情報122がONに設定されている場合(図3参照)、給紙装置欄511の近隣のトナーセーブ欄はONに設定される(チェックボックスであれば、チェックされる)。
【0109】
設定受付部110は、給紙装置欄511の近隣のトナーセーブ欄により、給紙装置欄511で選択されている給紙装置のトナーセーブモードのON/OFFの設定を受け付ける。ただし、トナーセーブON/OFF情報122の内容は変化しない。すなわち、ユーザーは、初期設定に関わらず、一時的にトナーセーブのON又はOFFを変更することができる。
【0110】
なお、本明細書に記載された各種の修正や変形例は適宜組み合わせてよい。
【符号の説明】
【0111】
1:ホストコンピューター、2:プリンター、3:印刷システム、10:CPU、11:補助記憶装置、12:ネットワークインターフェイス(I/F)、13:USBインターフェイス(I/F)、14:ROM、15:RAM、16:入力装置、17:ディスプレイ、20:コントローラー、21:CPU、22:ROM、23:RAM、24:メモリー制御ASIC、25:印刷制御ASIC、26:入出力(I/O)制御ASIC、27:ネットワークインターフェイス(I/F)、28:USBインターフェイス(I/F)、30:印刷エンジン、31〜33:給紙装置、34〜36:ハードスイッチ、40:操作パネル、100:プリンタードライバー部、110:設定受付部、120:トナーセーブ設定情報、121:給紙装置ID、122:トナーセーブON/OFF情報、130:印刷コマンド生成部、200:印刷制御部、210:設定受付部、220:トナーセーブ設定情報、221:給紙装置ID、222:トナーセーブON/OFF情報、230:印刷データ生成部、500:インターフェイス画面、501:OKボタン、502:キャンセルボタン、510:基本設定画面、511:給紙装置欄、520:応用設定画面、521:詳細設定ボタン、600:インターフェイス画面、601:OKボタン、602:キャンセルボタン、610:トナーセーブ欄、611:初期設定ボタン、700:インターフェイス画面、701:OKボタン、702:キャンセルボタン、710:設定取得ボタン、711〜713:初期設定欄

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は2以上の給紙装置を有する印刷装置と、コンピューターとを備える印刷システムであって、
前記コンピューターは、
前記給紙装置ごとの着色剤のセーブ処理を行う着色剤セーブモードのオン又はオフの設定を予め記憶し、前記給紙装置の選択を含む印刷指示を受け付ける設定受付手段と、
前記印刷指示で選択された給紙装置と、当該給紙装置の着色剤セーブモードのオン又はオフの設定とに基づいて印刷コマンドを生成し、前記印刷装置に送信するコマンド送信手段と、を有し、
前記印刷装置は、
前記コンピューターから送信された印刷コマンドに基づいて、着色剤セーブモードがオンである場合には着色剤をセーブする所定の処理を行って、印刷データを生成し、前記印刷コマンドで選択された給紙装置を使用して印刷を行う印刷制御手段と、を有する、
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
1又は2以上の給紙装置を有する印刷装置と、コンピューターとを備える印刷システムであって、
前記コンピューターは、
前記給紙装置ごとの着色剤のセーブ処理を行う着色剤セーブモードのオン又はオフの設定を予め記憶し、前記給紙装置の選択を含む印刷指示を受け付ける設定受付手段と、
前記印刷指示で選択された給紙装置と当該給紙装置の着色剤セーブモードのオン又はオフとに基づいて、着色剤セーブモードがオンである場合には着色剤をセーブする所定の処理を行って、印刷コマンドを生成し、前記印刷装置に送信するコマンド送信手段と、を有し、
前記印刷装置は、
前記コンピューターから送信された印刷コマンドに基づいて、印刷データを生成し、選択された給紙装置を使用して印刷を行う印刷制御手段と、を有する、
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の印刷システムであって、
前記設定受付手段は、前記選択された給紙装置についての着色剤セーブモードのオン又はオフの設定を受け付け、
前記コマンド送信手段は、前記選択された給紙装置について受け付けられた着色剤セーブモードのオン又はオフの設定に基づいて印刷コマンドを生成する、
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項4】
請求項3に記載の印刷システムであって、
前記設定受付手段は、予め記憶した前記給紙装置ごとの着色剤セーブモードのオン又はオフの設定の変更を受け付ける、
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項5】
1又は2以上の給紙装置を有する印刷装置に印刷コマンドを送信する装置としてコンピューターを機能させるプリンタードライバープログラムであって、
前記給紙装置ごとの着色剤のセーブ処理を行う着色剤セーブモードのオン又はオフの設定を予め記憶し、前記給紙装置の選択を含む印刷指示を受け付ける設定受付手段と、
前記印刷指示で選択された給紙装置と当該給紙装置の着色剤セーブモードのオン又はオフとに基づいて印刷コマンドを生成し、前記印刷装置に送信するコマンド送信手段として、
前記コンピューターを機能させることを特徴とするプリンタードライバープログラム。
【請求項6】
1又は2以上の給紙装置を有する印刷装置に印刷コマンドを送信する装置としてコンピューターを機能させるプリンタードライバープログラムであって、
前記給紙装置ごとの着色剤のセーブ処理を行う着色剤セーブモードのオン又はオフの設定を予め記憶し、前記給紙装置の選択を含む印刷指示を受け付ける設定受付手段と、
前記印刷指示で選択された給紙装置と当該給紙装置の着色剤セーブモードのオン又はオフとに基づいて、着色剤セーブモードがオンである場合には着色剤をセーブする所定の処理を行って、印刷コマンドを生成し、前記印刷装置に送信するコマンド送信手段として、
前記コンピューターを機能させることを特徴とするプリンタードライバープログラム。
【請求項7】
1又は2以上の給紙装置を有するコピー機であって、
前記給紙装置ごとの着色剤のセーブ処理を行う着色剤セーブモードのオン又はオフの設定を予め記憶し、前記給紙装置の選択を含むコピー指示を受け付ける設定受付手段と、
前記コピー指示に基づいてスキャンデータを生成する読取制御手段と、
前記コピー指示で選択された給紙装置と当該給紙装置の着色剤セーブモードのオン又はオフの設定とに基づいて、着色剤セーブモードがオンである場合には着色剤をセーブする所定の処理を行って、印刷データを生成し、選択された給紙装置を使用して印刷を行う印刷制御手段と、を有する、
ことを特徴とするコピー機。
【請求項8】
請求項7に記載のコピー機であって、
ユーザーの操作を受け付ける操作パネルを有し、
前記設定受付手段は、前記操作パネルを介して、前記選択された給紙装置についての着色剤セーブモードのオン又はオフの設定を受け付け、
前記印刷制御手段は、前記選択された給紙装置について受け付けられた着色剤セーブモードのオン又はオフの設定に基づいて印刷データを生成する、
ことを特徴とするコピー機。
【請求項9】
請求項7又は8に記載のコピー機であって、
前記給紙装置はそれぞれ、着色剤セーブモードのオン又はオフを設定可能な物理的なスイッチを有し、
前記設定受付手段は、前記スイッチを介して、予め記憶した前記給紙装置ごとの着色剤セーブモードのオン又はオフの設定の変更を受け付ける、
ことを特徴とするコピー機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−146016(P2011−146016A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−112918(P2010−112918)
【出願日】平成22年5月17日(2010.5.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】