印刷ジョブの調整された同時印刷
【課題】プリンタのローカルユーザインターフェースを介して印刷ファイルが選択され、印刷コマンドが入力されたときにだけ、印刷ファイルを印刷するように構成された印刷サービスおよび複数のプリンタを含むネットワークシステムにおけるデジタル印刷ファイルの分散印刷を提供する。
【解決手段】第1のステップで、印刷サービスが、印刷ファイルを受け取り、その印刷ファイルを記憶して、記憶された印刷ファイル上の情報を複数のプリンタに配信する。第2のステップで、プリンタの1つにおいて、ローカル又は遠隔で、印刷ファイルに関する印刷プロセスが開始され、前記印刷プロセスがアクティブである最中に、同一の印刷ファイルに関する印刷プロセスが、その他のプリンタの1つまたは複数においてローカルで開始される。印刷中、印刷サービスは必要な部数を共同で印刷するようにプリンタを制御する。
【解決手段】第1のステップで、印刷サービスが、印刷ファイルを受け取り、その印刷ファイルを記憶して、記憶された印刷ファイル上の情報を複数のプリンタに配信する。第2のステップで、プリンタの1つにおいて、ローカル又は遠隔で、印刷ファイルに関する印刷プロセスが開始され、前記印刷プロセスがアクティブである最中に、同一の印刷ファイルに関する印刷プロセスが、その他のプリンタの1つまたは複数においてローカルで開始される。印刷中、印刷サービスは必要な部数を共同で印刷するようにプリンタを制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、限られた時間間隔内で要求された部数のドキュメントをもたらすために複数のプリンタが1つの印刷ジョブを同時に処理する分散印刷に関する。
【0002】
また、本発明は、本発明による方法が実施される印刷システム、およびコンピュータが本発明の方法を行うようにさせるコンピュータソフトウェアにも関する。
【背景技術】
【0003】
分散印刷は、例えば、複数のプリンタおよびスケジューラを含むシステムを説明している米国特許第5,287,194号明細書に開示されている。所望の時間間隔内で印刷ジョブを処理させるため、印刷スケジューラが、ジョブの長さを判定し、可用なプリンタを点検する。印刷スケジューラは、そのジョブに最も適したプリンタを選択し、次に、そのプリンタが時間内にそのジョブを完了できるかどうかを調べる。完了できない場合、印刷スケジューラは、第1のプリンタが時間内に完了できないジョブの部分を引き受ける別のプリンタを選択する。このようにして、ジョブは、別のプリンタによってそれぞれが処理されるいくつかの部分に分割することができる。米国特許第5,995,721号が、スケジュール設定プロセスに介入し、例えば、プリンタが自身の場所からあまりにも遠く離れているため、その印刷ジョブを処理して欲しくない特定のプリンタを拒否する機会を操作者に与えることによって前述のスケジュール設定方法を改良している。
【0004】
一般に、知られている分散印刷システムは、印刷ジョブを部分に分割して複数のプリンタに送るスケジューラによって集中制御される。
【0005】
いくつかの部数の印刷ファイルを迅速に印刷する別の手法は、本出願者の欧州特許出願公開第1 229 724号で開示しているいわゆる非連鎖対話式印刷システムにおける同時印刷である。この特定の形態の印刷では、印刷ファイルが、印刷のためにサブミットされるが、プリンタのコンソールにおいて操作者によって選択され、開始されない限り、決して印刷されない。複数のプリンタを含むネットワーク化されたシステムでは、印刷ジョブは、接続されたプリンタの任意のものにおける選択、およびそれに続く印刷に供される。印刷ジョブは、選択リストから特に除去されるまで選択可能なままであり、1つのプリンタにおいて、別のプリンタにおいて処理されている最中に選択されて開始されることさえ可能である。このようにして、いくつかのプリンタを組にしてより多くの部数の印刷ファイルを印刷することができる。
【0006】
この解決策は、印刷が集中制御されないという点、すなわち、あるプリンタをプロセスに含めるイニシアティブがプリンタの操作者によってとられるという点で、かつ、印刷ジョブが、スケジューラによってプリンタにプッシュされるのではなく、プリンタによってネットワーク内のソースからプルされるという点、前述した従来技術の方法とは異なる。この手法の利点は、プリンタが、異なる時点で印刷プロセスに参加できることである。例えば、プリンタが、空の印刷用紙トレイまたは紙詰まりなどの修復可能な障害のために印刷ジョブを扱うことができない場合、動作するようにプリンタを復元した後、その他のプリンタにおいて既に実行されている生成プロセスに参加させることができる。これにより、大幅な柔軟性が与えられる。
【0007】
ただし、この手法の欠点は、所望の合計部数に達するため、操作者が、一方のプリンタから他方のプリンタに行き、同一の印刷ジョブを開始して、各プリンタによって印刷される部数を指定しなければならないことである。また、処理中にプリンタの1つが、印刷用紙を使い尽くしたことなどの動作不良を生じた場合、その動作不良が修正されるまで所望の部数が完了されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,287,194号
【特許文献2】米国特許第5,995,721号
【特許文献3】欧州特許出願公開第1 229 724号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、非連鎖対話式印刷の方法を、欠点を解決しながらも、そのような形態の印刷の利点を保つように改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、デジタル印刷ファイルが、印刷イメージデータと、印刷されるべき必要な部数などのジョブ情報を特定するメタデータとを含み、プリンタが、ローカルメモリと、入力手段およびディスプレイを有するローカルオペレータ制御ユニットとを備え、対話式印刷を可能にするように、すなわち、オペレータ制御ユニットを介して印刷ファイルが選択され、印刷コマンドが入力されたときにだけ印刷ファイルを印刷するように構成された印刷サービスおよび複数のプリンタを含むネットワークシステムにおいてデジタル印刷ファイルを印刷するための方法であって、印刷サービスが印刷ファイルを受け取り、ストーレッジの中に記憶し、メタデータを含む記憶された印刷ファイル上の情報を複数のプリンタに配信する第1のステップを含む方法が、プリンタの1つにおいて第1の印刷ファイルに関する印刷プロセスを開始して、前記印刷プロセスがアクティブである最中にプリンタの別の1つにおいて第1の印刷ファイルに関する対話式印刷プロセスを開始し、印刷サービスが、前記第1の印刷ファイルを処理するプリンタを制御して、前記印刷ファイルのメタデータの中で指定される必要な部数に等しい合計部数の第1の印刷ファイルを共同で印刷する第2のステップによって改良される。
【0011】
本発明によれば、印刷サービスは、生成プロセスに関与するプリンタの進行を把握し、印刷ファイルの部数を印刷するイニシアティブをプリンタに任せながら、プリンタの組が、要求される部数を超えて印刷することを防止する。この解決策の1つの利点は、サーバまたは操作者が全く介入することなく、その他のプリンタが、故障したプリンタの割当て分を引き受けることによって関与するプリンタのいずれの動作不良も自動的に補償されることである。
【0012】
本発明の実施形態では、印刷ファイルを共同で印刷するプリンタは、前記第1の印刷ファイルの各部数の仕上がりを印刷サービスに報告し、第1の印刷ファイルのそれぞれの新しい部数の印刷を開始するために印刷サービスから許可を獲得し、印刷サービスは、前記第1の印刷ファイルのメタデータに含まれる部数を参照して前記許可を与える。これは、プロセスの堅実な制御を保ちながらも、イニシアティブを個々のプリンタに任せる有利な方法である。
【0013】
印刷サービスは、ネットワークに接続されたサーバとして実施することができるが、それぞれの接続されたプリンタが、その他のプリンタにおけるサーバプロセスに論理接続されたサーバプロセスを備えたシステムにおける分散印刷サービスプロセスとして実施してもよい。
【0014】
本発明のさらなる実施形態では、以降、タンデムジョブと呼ぶ少なくとも2つのプリンタにおける調整された同時処理のための印刷ファイルが、自らをタンデムジョブとして特定するメタデータアイテムを含む。プリンタの1つにおいてそのような印刷ジョブが開始されたとき、印刷サービスが、プリンタにおける印刷プロセスを調整することに自動的にとりかかる。
【0015】
別の実施形態では、印刷ファイルは、タンデムジョブとして指定されないが、印刷ジョブを開始する操作者が、その時点で、そのジョブがタンデムジョブとして扱われるべきことを示すことができる。そのような指示が行われると、印刷サービスが、生成プロセスをさらに調整する。
【0016】
本発明のその他の実施形態および利点を以下に添付の図面を参照して説明し、図面では、同一の符号が、対応する要素を示している。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明による、複数のワークステーションおよびプリンタと印刷サーバを含むネットワークシステムの一般的な概要を示す図である。
【図2】例示的な印刷デバイスを示す図である。
【図3】非連鎖印刷サーバの態様を示す図である。
【図4】ある状況における表示イメージとともにプリンタのオペレータ制御パネルを示す図である。
【図5】ある状況における表示イメージとともにプリンタのオペレータ制御パネルを示す図である。
【図6】ワークステーションにおけるプリンタドライバの注文ウインドウを示す図である。
【図7】ある状況における表示イメージとともにプリンタのオペレータ制御パネルを示す図である。
【図8】ある状況における表示イメージとともにプリンタのオペレータ制御パネルを示す図である。
【図9】ある状況における表示イメージとともにプリンタのオペレータ制御パネルを示す図である。
【図10】ある状況における表示イメージとともにプリンタのオペレータ制御パネルを示す図である。
【図11】ワークステーションにおけるプリンタドライバの注文ウインドウを示す図である。
【図12】ある状況における表示イメージとともにプリンタのオペレータ制御パネルを示す図である。
【図13】ある状況における表示イメージとともにプリンタのオペレータ制御パネルを示す図である。
【図14】タンデム印刷ジョブに関するプリンタ制御プログラムを示す流れ図である。
【図15】タンデム印刷ジョブに関するサーバ機能における制御プログラムを示す流れ図である。
【図16】タンデム印刷ジョブに関するサーバ機能における制御プログラムを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、ネットワーク10にすべて接続された複数のワークステーション11A、11B、11C、複数のプリンタ1A、1B、1C、および印刷サーバUPSを含むネットワークシステムの一般的な概要を示している。
【0019】
プリンタはそれぞれ、ディスプレイおよびキーを備え、プリンタのオペレータ制御ユニットに接続された操作のためのオペレータ制御パネル160を備えている。プリンタは、この例で該当するようにデジタル複写機として実現することができるが、適切なオペレータ制御ユニットおよび制御パネルを備えたプリンタそのものとして実現してもよい。
【0020】
以下の説明では、「印刷ファイル」という用語と「印刷ジョブ」という用語を区別なく使用する。これらの用語は、同一のエンティティに関連するものとし、ただし、同一のエンティティの異なる態様が強調されている。すなわち、データファイルの態様および管理上の態様がそれぞれ強調されている。
【0021】
本発明の概念の範囲内では、印刷のためにネットワーク10を介してデバイス1A、1B、1Cのいずれかに送られるデジタルデータファイルは、第1のタイプのものであるか、または第2のタイプのものである。第1のタイプのファイルは、直接に、すなわち、装置の操作者による更なるアクションなしに、印刷されることを必要とし、他方、第2のタイプのファイルは、装置のメモリの中に記憶されることだけを必要とし、操作者が、オペレータ制御パネルを介してそのファイルを選択することによって装置において印刷を明示的に要求するまで印刷されないことを必要とする。関与するファイルのタイプは、ファイルに追加された属性から明白である。
【0022】
第1のタイプのデータファイルの処理は、本説明では、自動印刷(Automatic Printing:AP)と呼ぶ。第2のタイプのデータファイルの処理は、「対話式印刷」(Interacitve Printing:IP)と呼ぶ。
【0023】
AP印刷ジョブは、特定のプリンタにサブミットされ、原則として、そのプリンタによって扱われるが、IP印刷ジョブは、すべてのプリンタ、またはプリンタの事前定義されたグループによって自動的に分担され、それらのデバイスの任意のものにおける選択および処理に供され、したがって、ユーザは、自分の印刷ジョブを印刷するためにプリンタの1つを自由に選択することができる。これを、以降、「非連鎖印刷」と呼ぶ。対話式印刷の概念、および非連鎖印刷の概念は、同時係属の欧州特許出願公開第1 229 724号明細書で詳述している。
【0024】
一般に、「非連鎖印刷」の概念は、以下に説明するサーバ機能および印刷データ記憶機能を含み、これらの機能はともに、いくつかの方法の1つで、システム内の異なる物理的場所において実施することができるプロセスである。
【0025】
一般的なプロセスは、以下のとおりである。
【0026】
ワークステーションによってサブミットされた印刷ファイルが、サーバ機能によって受け取られる。サーバ機能は、印刷データを関連するストーレッジの中に記憶し、本明細書で「メタデータ」と呼ぶ印刷ファイルの識別データ(ユーザ名並びにファイル名、システムにおける印刷ファイルの到着時刻、及び必要な部数などの印刷設定を含む)を取り出す。次に、サーバ機能が、そのメタデータをすべての接続されたプリンタに送る。
【0027】
プリンタはすべて、管理システムの中にジョブを含み、実際の印刷データをローカルで記憶していない可能性があるものの、ジョブを印刷のために選択可能にする。次に、ユーザがプリンタの1つのコンソールにおいてあるジョブを選択したとき、プリンタは、サーバ機能のストーレッジから印刷データをダウンロードし、そのジョブを印刷する。
【0028】
ジョブを印刷した後、プリンタは、その趣旨のメッセージをサーバ機能に送り、サーバ機能は、管理システムおよび選択リストの中でその印刷ジョブに「印刷済み」としてマークを付けるようにすべてのプリンタに命令する。ジョブに「印刷済み」としてマーク付けることは、リストの中のファイル名の隣にマーク(「チェック印」)を表示することによって行うことができる。
【0029】
印刷ジョブがプリンタのいずれかのコンソールにおいてユーザによって削除されたとき、そのプリンタは、その趣旨のメッセージをサーバ機能に送り、サーバ機能は、そのジョブの印刷データをストーレッジから削除して、管理システムからそのジョブのメタデータを削除するようにすべてのプリンタに命令する。サーバ機能の中に「タイムアウト」機能を含めて、システムにおける印刷ファイルの到着時刻から所定の時間間隔が経過した後、ストーレッジから印刷ジョブの印刷データを自動的に消去して、管理システムからその印刷ジョブを削除するようにプリンタに命令することができる。
【0030】
非連鎖印刷は、いくつかの方法で技術的に実施することができる。3つの実施態様例を以下に説明する。図1を参照する。
【0031】
第1の実施態様では、UPSが、サーバ機能と関連する記憶機能をともに行う。UPSは、大容量ハードディスクを有するPCであることが可能である。この実施形態では、ワークステーション11A、11B、11Cにおけるプリンタドライバが、IP印刷ジョブをUPSにサブミットするようにプログラミングされる。UPSは、すべての印刷ファイルを受け取り、記憶して、メタデータを取り出し、そのメタデータをすべての接続されたプリンタに送る。動作の際、専用プリンタ1A、1B、1Cが、そのジョブを自らの管理システムの中に含め、印刷のために選択可能にする。ただし、プリンタ1A、1B、1Cは、実際の印刷データを自らのディスク上に記憶することはしていない。次に、ユーザが、プリンタの1つのコンソールにおいてジョブを選択したとき、プリンタは、UPSから対応する印刷データをダウンロードし、そのジョブを印刷する。
【0032】
ハードウェアが第1の実施態様と同様である第2の実施態様では、印刷ファイルは、ユーザが選択した(またはユーザのプリンタドライバにおいてプログラミングされた)特定のプリンタにサブミットされる。印刷ファイルを受け取ると、宛先のプリンタは、そのファイルを内部に記憶し、ジョブのメタデータを取り出し、そのメタデータをUPSに送り、UPSが、残りのサーバ機能を果たす。したがって、UPSは、メタデータをその他のプリンタに伝送する。その他のプリンタはすべて、そのジョブを管理システムの中に含め、印刷のために選択可能にする。次に、ユーザがプリンタの1つのコンソールにおいてジョブを選択し、そのジョブの印刷データがそのプリンタにおいてローカルで記憶されていない場合、プリンタは、対応する印刷データを記憶しているプリンタからその印刷データをダウンロードし、ジョブを印刷する。
【0033】
第3の実施態様では、サーバ機能および関連する印刷データ記憶が、完全に分散される。したがって、物理サーバデバイスは必要とされない。印刷ファイルは、前述したのと全く同じ方法でプリンタの1つにサブミットされる。印刷ファイルを受け取ると、宛先のプリンタは、そのファイルを内部に記憶し、メタデータを取り出し、そのメタデータをその他のプリンタに送る。その他のプリンタはすべて、ジョブを自らの管理システムの中に含め、印刷のために選択可能にする。次に、ユーザがプリンタの1つのコンソールにおいてジョブを選択し、そのジョブの印刷データがそのプリンタにおいてローカルで記憶されていない場合、プリンタは、その印刷データを記憶しているプリンタからそのデータをダウンロードし、ジョブを印刷する。
【0034】
図2は、本発明で使用するための、この例ではデジタル複写機である例示的な印刷デバイスの構成部分を示す図である。
【0035】
デバイス1Aは、スキャナ、プリンタ、メモリ、および専用制御ユニットを含む印刷サブシステム2を備え、デバイスのこの部分は、従来どおりであり、本発明を実現するものではないため図示していない。
【0036】
さらに、デバイス1Aは、ローカルネットワーク10を介して送り込まれるデジタルイメージデータを印刷するのに必要とされる以下のようないくつかのユニットも含む。すなわち、
・処理プロセスを管理し、存在するすべての複写ジョブ、走査ジョブ、および印刷ジョブに関して管理システムの維持も行う、本明細書で以下JobManagerと呼ぶ管理ユニット12、
・要素12aとして示す、JobManager12によって維持されるジョブに関する管理システム(データベース)、
・デバイス1Aの操作のためにディスプレイおよびキーを有する装置筐体上のオペレータ制御パネル160を備え、以下UserInterface(UI)とも呼ばれるオペレータ制御ユニット13、
・デジタル環境からネットワーク10を介してデジタルデータを受け取り、伝送するための入力/出力ハンドラ15、
・印刷ファイル用の記憶ユニット20、
・とりわけ、ユーザの許可およびアクセスコードの管理を行うアカウンティング−セキュリティユニット27、
・非連鎖印刷サーバ(UPS)と通信するためにJobManager12とネットワーク10の間で接続された非連鎖印刷クライアント(UPC)29、および
・ネットワーク10を介して、このケースでは別のプリンタである印刷データ記憶機能から印刷データファイルをフェッチするためのフェッチモジュール30である。
【0037】
図3は、非連鎖印刷サーバUPSの態様を示す図である。非連鎖印刷サーバUPSは、すべてのプロセスを制御するUPSモジュールそのもの31、および仮想プリンタサーバ32を含む。UPSモジュール31は、3つのデータベースを維持し、1つ(33)は、アカウンティング−セキュリティ情報、とりわけ、ユーザの許可を含み、1つ(34)は、システム内のすべてのジョブのメタデータのリストを含み、また1つ(35)は、接続されたプリンタに関する情報を含む。さらに、UPSは、ワークステーション、プリンタ、およびUPSを、例えば、よく知られているSNTPプロトコルを使用して同期させるためのタイムサーバ36を含む。
【0038】
仮想プリンタサーバ(VPS)32は、プリンタとUPSモジュール31の間の通信を管理する。VPS32は、印刷ジョブを受け取ったこと、印刷ジョブを開始したこと、印刷ジョブを終了したこと、動作不良などのプリンタでイベントが生じた際にプリンタとメッセージを交換する。さらに、VPS32は、
プリンタが停止したとき、および
プリンタが起動したときにそのことを感知する。
【0039】
UPSのアカウンティング−セキュリティデータベース33と、プリンタのアカウンティング−セキュリティデータベース(27)は、それらが同一の情報を含むことを確実にするために同期される。許可および信用の変更があれば、システム管理者によってUPSのデータベースに入力され、次に、UPSによってプリンタ内部の対応するデータベースに自動的に配信される。また、未知のユーザの印刷ファイルがプリンタに到着し、そのプリンタのJobManager12がユーザ名を取り出し、プリンタのアカウンティング−セキュリティデータベース27を更新した場合、前記JobManagerは、UPSにも通知し、UPSは、それに応じて自らのデータベース33を更新して、その他のプリンタに通知する。
【0040】
プリンタのオペレータ制御ユニット13に属するオペレータ制御パネル160が、図4に示されており、LCDディスプレイなどの表示スクリーン60と、いくつかのキー、すなわち、開始キー61、数字キー62、訂正キー63、停止キー68、選択キー64A〜E、65A〜D、およびキークラスタ66A〜Dを含む。以上すべての要素は、オペレータ制御ユニット13に接続され、オペレータ制御ユニット13は、キーの操作に応答して、JobManager12に信号を送り、表示スクリーン60の制御も行ってオプションおよびメッセージを操作者に表示する。
【0041】
選択キー64A〜Eは、デバイス機能を選択するためのものであり、デバイス機能は、それ自体、キー65A〜Dによって選択されることが可能なセットにグループ化される。キー65A〜Dの下の見出しが、セット、すなわち、片面、両面、ステープル、拡大などの「基本設定」、印刷用紙プロパティを選択するための「用紙設定」、およびより薄い/より濃い、余白シフトなどの「特別設定」等を指定している。各機能グループに関して、機能に関する代替の設定のリストが、各キー64A〜Eの上の欄に選択のために示されている。選択キーを作動させることにより、操作者は、例えば、循環パターンに従って、異なる設定を選択することができる。左端の欄は、基本デバイス機能に、すなわち、「複写」、「印刷」、または「走査」に専用である。
【0042】
また、オペレータ制御パネル19は、部数設定を示す数字ディスプレイ70も含む。
【0043】
次に、第2のタイプの印刷ファイルを扱う手続き(対話式印刷のための)を説明する。この説明は、特に明記しない限り、前述した第2の実施形態(印刷ファイルが、プリンタの1つにサブミットされて記憶され、メタデータがUPSを介して配信される)に当てはまる。当該分野の当業者が他の実施態様に必要な変更を考案することは容易であろう。
【0044】
JobManager12は、記憶ユニット20の中に記憶された印刷のためのすべてのデータファイルの識別データが入力される管理システム12aを維持する。新しいファイルがネットワークを介して受け取られた際、JobManager12は、そのファイルの識別データ(メタデータ)を取り出し、その識別データを所有者/送信側の名前に関連して管理システム12aに入力する。さらに、JobManagerは、印刷ファイルのメタデータ、およびプリンタ自体を特定するコードをUPC29を介してUPSに送る。また、UPSから他の印刷ジョブのメタデータを受け取ると、JobManager12は、そのメタデータを管理システム12aに入力する。
【0045】
UPSは、仮想プリンタサーバ32を介して新たに受け取られた印刷ファイル(APまたはIP)のメタデータを受け取り、そのメタデータをジョブリスト34の中に記憶する。次に、UPSは、VPS32を介してメタデータおよびデバイス識別子コードをその他の専用プリンタ(例えば、1B)に送る。このようにして、第1のタイプ(AP)の印刷ファイルさえ、他の接続されたプリンタによって印刷することができる。
【0046】
操作者は、第2のタイプの特定のデータファイルが印刷されることを望む場合、オペレータ制御パネル160を介してプリンタにそのように命令しなければならない。第1に、操作者は、キー64Aで「印刷」機能を選択しなければならない。これに応えて、オペレータ制御ユニット13が、すべてのアクティブなユーザ名(システム内で第2のタイプの少なくとも1つの印刷ジョブを有するユーザ名)のリストを送るようにJobManager12に要求する。図4に示すとおり、オペレータ制御ユニットは、ディスプレイ上で、キー64Bの上の欄にユーザリストを表示し、その後、ユーザが、自分の名前を選択することができる。リストが余りにも長くて完全に表示できない場合、リストの一部分をディスプレイ上に示し、スターキー66を使用してスクロールすることが可能である。最初、表示の焦点は、特定のプリンタに印刷ジョブを最後にサブミットしたユーザ(この例では、「エベルトセン(Evertsen)」)に当てられている。
【0047】
リストは、メタデータが知られているジョブをシステム内のいずれかのプリンタに送ったすべてのユーザを含むものと理解されたい。
【0048】
ユーザは、自分の名前を選択した後、キー64Cを操作して自身の印刷ジョブの概要を獲得する。これに応答して、JobManagerが、現行のユーザの対話式印刷ジョブおよび自動印刷ジョブの現行のリストを作成し、そのリストをオペレータ制御ユニット13に送り、オペレータ制御ユニット13は、このリストをディスプレイ60上で選択を行うためにユーザに表示する。表示イメージを図5に示している。各ジョブのサブミット時刻が、ファイル名の横に示されている。「チェック」印が、既に印刷されたファイルのファイル名の左側に示されている。リストが長すぎて完全に表示することができない場合、リストの一部分がディスプレイ上に示され、スターキー66を使用してスクロールをすることが可能である。最初、表示の焦点は、特定のプリンタに最後にサブミットされた印刷ジョブ(この例では、「内部報告書」)に当てられる。この実施形態では、キー64C〜Eは、ファイル管理のための機能を有する。キー64Cは、現行のユーザのすべての印刷ジョブを選択するためのものであり、キー64Dは、新たに到着した印刷ジョブだけを選択するためのものであり、またキー64Eは、あらゆる選択されたジョブを削除するためのものである。
【0049】
印刷ジョブの選択に応答して、対応する印刷データファイルが、記憶ユニット20から取り出され(またはフェッチモジュール30によって別のストーレッジからフェッチされ)、印刷可能なデータに変換されて、印刷サブシステム2において印刷される。
【0050】
印刷ジョブの選択の後、開始キー61を操作することによって印刷プロセスが開始される。
【0051】
データファイルは、印刷が済んだとき、原則として、ユーザ自身によって、または装置のマネージャによって除去されるまで記憶ユニット20の中に記憶されたままである。この目的で、ユーザは、選択されたファイルの除去のためのコマンドを与える。これに応答して、JobManager12が、記憶ユニット20からファイルを削除するコマンドを送り、そのファイルの識別データを管理システム12aから取り除く。所定の時間間隔が経過した後に印刷ファイルを自動的に削除するように「タイムアウト」機能を提供してもよい。
【0052】
非連鎖印刷は、主に対話式印刷ジョブを目的としているが、自動印刷ジョブ(APジョブ)もサブミットすることができる。自動印刷ジョブは、通常、その印刷ジョブがサブミットされた特定のプリンタによって処理され、これは、そのプリンタのJobManagerが自動印刷ジョブを受け入れないモード(このモードは、特定の特権を有する操作者が設定することができる)になっていない限り行われる。自動印刷ジョブを受け入れないモードになっている場合、JobManagerは、印刷ファイルを第2の種類(IP)の印刷ファイルに変換し、前述したとおり、さらに続行する。
【0053】
自動印刷ジョブを受け取ったプリンタも、そのことをUPSに報告し、UPSは、その他のプリンタに通知する。次に、その他のプリンタが、そのジョブを印刷のために選択可能にする。印刷された後、APジョブは、ユーザによって意図的に、または自動的に削除されるまで、記憶されたままになる。
【0054】
印刷ジョブは、1つのプリンタで開始されたとき、その他のプリンタにおいて選択可能なままであり、最初に言及したマシンで依然として実行されながら、その他のプリンタで開始されることさえ可能である。この特徴は、大量の部数のドキュメントの迅速な生成のために、いくつかのプリンタが配置される複写部門で使用されることが可能である。一般に、本発明の概念を活用するのに、メタデータがとりわけ、印刷されるべき部数を含む前述した非連鎖印刷の技術的な実施態様のいずれかにおいて、印刷ファイルが、非連鎖プリンタサーバ機能にサブミットされる。次に、操作者が、部数を設定することに煩わされずに、いくつかの接続されたプリンタにおいて印刷ジョブを開始する。これらのプリンタは、部数の印刷ファイルを並列に印刷する。サーバ機能が、印刷プロセスの進行を把握し、すべての関与するプリンタによって印刷された合計部数が、メタデータの中で指定された必要な部数に達した時点で停止するようにプリンタに命令する。
【0055】
この概念の大きな利点は、関与するプリンタにおける印刷プロセスに障害があれば、その障害が、その他の関与するプリンタがより多くの部数を印刷することによって自動的に補償されることである。したがって、この手続きは、非常に堅固である。
【0056】
以下は、以降、タンデム印刷と呼ぶ複数のプリンタによって印刷注文を並列に仕上げるという特徴を活用するため、また円滑にするための本発明による技術的措置の説明である。
【0057】
第1の実施形態では、タンデム印刷が、前述した非連鎖印刷の技術的実施態様のいずれかで、完全にプリンタサーバ機能において実施される。したがって、サブミットサイト(ワークステーション)において印刷ジョブをタンデムジョブとして定義することは必要ない。通常の印刷ジョブは、サーバ機能にサブミットされ、サーバ機能が、その印刷ジョブを利用可能なプリンタのすべてにおいて、または少なくとも複数において選択可能にする。次に、操作者が、そのジョブがタンデムジョブとして、すなわち、あらかじめ指定された合計部数のジョブとして実行されるのを望むことを表明して、プリンタのいくつかで印刷ジョブを選択し、開始する。別法として、操作者が印刷ジョブをタンデムジョブとして開始しない場合、異なるマシンにおける処理は、完全に独立であり、各プリンタにおいて設定された部数が印刷される。また、設定の部数は、プリンタのいずれにおいても(そのプリンタに関して)変更することができる。
【0058】
図6は、ワークステーション11A〜Cにおけるプリンタドライバの注文ウインドウを示している。プリンタドライバは、印刷ジョブをプリンタにサブミットするためのプログラムである。注文ウインドウは、スクリーン上のアプリケーションウインドウ内の「印刷」記号をユーザがクリックしたときにワークステーション表示スクリーン上にポップアップし、その時点で、ユーザは、必要な部数、片面印刷または両面印刷などの印刷ジョブに関する指定を注文ウインドウに入力することができる。
【0059】
注文ウインドウは、いくつかのボックス210、220、230、および240を含み、印刷指定設定のためのラジオボタンおよびチェックボックス、ならびに、現在、「55」という値を有する必要な部数に関する数字ボックス250を伴っている。チェックボックス275が、印刷ジョブを対話式ジョブ(第2のタイプの印刷ファイル)として定義するためのものである。注文ウインドウの一番下に、実際のサブミットプロセスを開始するためのキー270(「OK」)を含むいくつかの「ソフト」キーが存在する。
【0060】
印刷ファイルを受け取ると、サーバ機能は、そのジョブのメタデータをプリンタに配信し、プリンタは、前述した方法で、そのジョブを自らのローカル操作コンソールにおける選択に供する。
【0061】
図7は、当該の印刷ジョブ「分析」が示され、操作者によって既に選択されているプリンタの1つの操作パネルを描いている。数字ディスプレイ70が、プリンタドライバにおいてプログラミングされた必要な部数を示している。操作者は、この時点で、キー61を操作することによって印刷ジョブを開始することができる。また、操作者は、印刷ジョブを開始する前に印刷ジョブの設定のいずれの変更を行うこともできる。このプロセスで操作者が必要な部数を変更した場合、プリンタのJobManager12が、その新しい数でジョブのメタデータを更新し、更新されたメタデータをサーバ機能に伝える。次に、サーバ機能が、その変更をその他のプリンタに伝える。
【0062】
前述したとおり、この印刷ジョブは、その他のプリンタにおいて選択可能なままであり、依然として、その他のプリンタにおいても開始されることが可能である。図8は、同一の印刷ジョブ「分析」が選択されている第2の他のプリンタの操作パネルを示している。メッセージウインドウ67は、この時点で、そのジョブが第1のマシンにおいて既にアクティブである(すなわち、印刷中である)ことを表明するメッセージを示す。
【0063】
操作者は、この時点で、操作者が開始キー61を作動させたときに表示スクリーン60上に現れる強制ダイアログウインドウ71内で操作者に示されるとおり(図9)、2つのオプションを有する。
【0064】
第1のオプションは、第1のプリンタとは独立に第2のプリンタにおいて印刷ジョブを開始することであり、その場合、ジョブは、完全にメタデータに従って、この場合、メタデータの中で指定された55部を印刷することに従って印刷される。また、操作者は、この時点で、メタデータの中で指定された設定を取り消して、ジョブの設定の変更を行うこともできる。変更された設定は、第2のプリンタに関してだけ有効である。
【0065】
第2のオプションは、印刷ジョブをタンデムジョブとして開始することである。その場合、ジョブは、サーバ機能の調整の下で、第1のプリンタにおいて実行され、また場合により、印刷プロセスに参加したその他のプリンタにおいても実行されている印刷プロセスに依存して印刷される。図10は、ジョブをタンデムジョブとして印刷している状態における操作パネルを描いている。メッセージウインドウ67は、この時点で、現在の部数がそのプリンタにおいて印刷されていることを特定し、現在の部数は、そのジョブを印刷することに関与しているすべてのプリンタに関しての累積数である。この状況では、印刷ジョブは、メタデータに従って印刷され、メタデータは、第2のプリンタにおいて変更することができない。これを明確にするため、ディスプレイ60の設定部分がグレーにされる。ただし、必要な部数は、依然として、印刷中に変更することができ、関与するプリンタのいずれにおいても変更することができる。必要な部数の変更に印刷管理を適合させるための手続きを図16に関連して後述する。
【0066】
次に、タンデム印刷の第2の実施形態を説明する。この実施形態では、印刷ジョブは、プリンタドライバにおいてタンデムジョブとして指定されなければならず、次に、そのジョブを扱うことが、非連鎖印刷の技術的実施態様のいずれかで、プリンタサーバ機能によってさらに行われる。
【0067】
図11は、前述した第2の実施形態によるプリンタドライバの注文ウインドウを示している。図6に示したプリンタドライバ注文ウインドウの要素に加えて、この注文ウインドウは、印刷ジョブが通常のジョブか、またはタンデムジョブとして定義されるラジオボタンを有するボックス260を含む。ボタン「タンデムジョブ」が選択された場合、プリンタドライバは、ジョブをタンデムジョブとして印刷サーバ機能に知らせる適切なフラグを印刷ファイルデータの中で設定する。
【0068】
サーバ機能は、この種類のジョブのメタデータをプリンタに配信し、これにより、ジョブが印刷のために選択可能になる。操作者がジョブを選択し、そのジョブが、その他のプリンタの1つにおいてまだ開始されていない場合、操作者には、そのジョブがタンデムジョブであることをメッセージウインドウ67が表明する図12に示した表示イメージが提示される。操作者は、この時点で、開始ボタン61を操作することによってジョブを印刷することを始めることができる。次に、操作者が別のプリンタにおいて同一のジョブを選択した際、そのプリンタのディスプレイは、ジョブが既にアクティブであり、第1のマシン(およびそのジョブを印刷する他のマシン)で印刷されていることを表明する図13に示したイメージを提示する。操作者は、この時点で、ジョブを印刷することを始めることができ、必要な部数の生成に参加することができるが、設定を変更することはできない。したがって、表示イメージの設定部分は、グレーにされる。ただし、必要な部数は、依然として、印刷中に変更することができ、関与するプリンタのいずれにおいても変更することができる。必要な部数の変更に印刷管理を適合させるための手続きを図16に関連して以下に説明する。
【0069】
タンデム印刷の前述した第1の実施形態の変形形態では、ジョブは、サブミット時にタンデムジョブとして指定されているが、図9に示す強制ダイアログ71が、この時点で、値「タンデムジョブ」にあらかじめ設定されている。このあらかじめ設定された値は、この時点で、操作者が「別個のジョブ」オプションを選択することによって取り消すことができる。
【0070】
前述した両方の実施形態において、プリンタが、例えば、両面印刷ができないため、またはステープルを使い尽くしたため、操作パネルにおいて選択されている印刷ジョブを印刷ファイルにおける指定に従って印刷できないことが生じる可能性がある。その場合、プリンタは、その旨、告げるメッセージを表示し、ジョブの指定に従ってそのジョブを印刷することができる別のプリンタを利用するように操作者に勧告する。これに関する手続きが、本出願者の欧州特許出願公開第1 229 724号で開示されており、本発明によるプリンタにおいて実施することができる。本発明のケースでは、タンデムジョブに関して印刷指定を変更することができないので、操作者は、それでも、指定に従って印刷することができないマシンにおいて印刷ジョブを開始することができ、そのプリンタが、そのジョブを「できる限り良好に」印刷する。
【0071】
操作者が、自身が居合わせているプリンタにおける、またはジョブを印刷することに関与しているすべてのプリンタにおける実行中のタンデム印刷ジョブを即時に停止するのを望むことが生じる可能性がある。操作者は、制御パネル160上の訂正キー63を押すことにより停止することができる。これに応じて、強制ダイアログが、表示スクリーン60上に現れ、操作者が、そのプリンタだけにおいてローカル印刷プロセスを停止することを所望するか、またはすべての他の関与するプリンタにおける印刷プロセスも停止することを所望するかを尋ね、操作者は、訂正キー63を再び押すことにより(ローカルプロセス)、または停止キー68を押すことにより(すべてのプリンタ)、どちらを所望するかを示すことができる。第1のケースでは、プリンタが、サイクルを低下させ、新しい強制ダイアログが表示スクリーン60上に現れて、操作者がそのプリンタにおけるローカル印刷プロセスを終了させることを所望するかどうかを尋ね、操作者は、停止キー68を操作することによってそれを承認するか、または印刷プロセスを再開することを所望する場合、開始キー61を操作することによってそれを承認することができる。開始キーを操作する前に、操作者は、ジョブ設定を変更することができ、詳細には、操作者は、すべてのプリンタによって印刷される必要な合計部数を変更することができる。
【0072】
第1の強制ダイアログの際に、停止キー69が押された場合、すべての関与するプリンタは、サイクルを低下させ、プロセスを終了する。それでも、印刷ファイルは、関与するプリンタのローカルストーレッジの中に残される。
【0073】
次に、図14を参照して、タンデム印刷ジョブの生成中にサーバ機能と通信するためにプリンタのJobManager12内部で実行されているプログラムを説明する。このプログラムは、プリンタの操作者が、そのプリンタの操作パネルにおいてタンデム印刷ジョブを開始したときに(また、タンデムジョブが既に別のプリンタにおいて実行されているときにも)開始される。同じプログラムが、操作者が第2のプリンタをプロセスに参加させることによって通常の印刷ジョブをタンデム印刷ジョブに変更した際にも開始される。その場合、プログラムは、オペレータが操作しているプリンタにおいて開始するだけでなく、ジョブを通常の印刷ジョブとして印刷していたプリンタにおいても支配する。最後に説明した通常の印刷ジョブは、対話式印刷ジョブであることが可能であるが、前述したとおり、自動印刷ジョブであってもよい。
【0074】
第1に(S1)、JobManager12が、関与するプリンタのグループ内で既に仕上げられた部数(各プリンタが、印刷ジョブの部数を仕上げたことをプリンタのコミュニティに、例えば、ブロードキャストすることによって報告する)が、そのジョブのメタデータの中で指定された必要な部数より少ないかどうかを調べる。少なくない場合、プリンタは、印刷することを始めない(S2)。仕上げられた部数が実際に少ない場合、JobManagerは、ジョブの1部を印刷することを始める許可をサーバ機能に要求する(S3)。サーバ機能が許可を与えた場合(S4)、プリンタは、1部を印刷し(S5)、与えなかった場合、ステップS1に戻る。その1部を仕上げた後、JobManagerは、その旨、サーバ機能に報告し(S7)、ステップS1に戻る。ステップS7は、その1部が完全に仕上げられる少し前に、例えば、最後の用紙が依然として出力トレイに搬送されている最中に実行して、新しい許可を要求することで時間が無駄にならないようにすることができることが理解されよう。
【0075】
次に、図15を参照して、タンデム印刷ジョブの生成を制御するためのサーバ機能内で実行されるプログラムを説明する。このプログラムは、プリンタが、そのプリンタの操作パネルにおけるタンデム印刷ジョブの選択を報告したときに(また、別のプリンタにおいてタンデムジョブが既に実行されているとき、および操作者が、第2のプリンタをプロセスに参加させることによって通常の印刷ジョブをタンデム印刷ジョブに変更したときにも)開始される。
【0076】
サーバ機能は、プリンタが印刷ジョブの1部を印刷することを始めるための許可を要求するのを待つ(S10)。次に、サーバ機能は、与えられた許可の実際の数(ジョブが通常のジョブとして開始されている場合、許可なしに印刷されたそのジョブの仕上げられた部数も含む)が、メタデータの中で指定された必要な部数より少ないかどうかを調べる(S11)。許可は、関連する部数が印刷済みである場合でも、有効なままであることを理解されたい。許可の数の方が少ない場合、サーバ機能は、1部を印刷する許可を要求側のプリンタに与える(S12)。少なくない(すべての必要な部数が印刷されているか、または少なくとも開始されている)場合、サーバ機能は、許可を拒否し(S13)、許可が与えられたすべての部数が仕上げられていると報告されているかどうかを調べる(S14)。仕上げられていると報告されている場合、ジョブは完了であり、サーバは、プロセスを終了する(S15)。ステップS14で、すべての許可された部数が仕上げられていると報告されているわけではない場合、サーバ機能はプリンタ障害が報告されているかどうかを調べる(S16)。この場合、プリンタが印刷していた部数は仕上げられることがないからである。障害が報告されていない場合、サーバは、ステップS14に戻り、戻る際に、すべての部数が仕上げられるまで待ちループに入る。ステップS16で、プリンタ障害が検出された場合、サーバ機能は、障害が生じたプリンタに与えられた許可を撤回し(S17)、ステップS10に戻る。障害が生じたプリンタの許可の撤回により、与えられた許可の数が減少するので、この時点で、別のプリンタが関連する部数を印刷する余地が存在する。
【0077】
図16は、操作者が、タンデム印刷ジョブの処理中にアクティブなプリンタのいずれかの操作パネルにおいて必要な部数を変更した際に、サーバ機能によって行われる手続きを示す図である。プリンタのJobManager12が、例えば、ブロードキャストすることにより、変更された数をサーバ機能、およびその他の関与するプリンタに報告し、これに応じて、サーバ機能がメモリの中の数を更新する(S20)。次に、サーバ機能は、新しい数が、その時点で与えられている部数を印刷することを始める許可の合計数に等しいか、またはそれより大きいかを調べる(S21)。許可の合計数に等しいか、またはそれより大きい場合、手続きはそのままである(S22)。というのは、特別なアクションは全く行われる必要がないからである。ただし、許可の数が新しく要求された部数より既に大きい場合、分散印刷プロセスは、多すぎる部数をもたらし、過度な部数または印刷用紙を制限するアクションがとられなければならない。その場合、サーバ機能は、依然として可能である場合、仕上げられた部数が新しく要求された部数を超えるのを防止するのに必要なだけの数の許可を撤回する(S23)。この数は、以下の数式による計算によって見出される。
NW=MIN(P−F,P−R)
ただし、
NW=撤回されるべき許可の数
P=与えられた許可の数
F=仕上げられたと報告された部数
R=(新しい)必要な部数
【0078】
この数を基準として、サーバ機能は、停止されるべきプリンタを選択する。すべてのプリンタが停止されなければならないわけではない場合、サーバ機能は、最新の許可を受け取ったプリンタを選択し、できる限り早期に停止するように命令し(S24)、過度にもたらされる印刷用紙の数が最小限に抑えられるようにする。次に、サーバ機能は、手続きを終了する(S22)。
【0079】
前述した機構は、例えば、印刷されるべきドキュメントに誤りが検出された場合、すべての関与するプリンタを一斉に停止させるためにも使用することができる。これを行うのに、必要な部数を0に変更しなければならない。それに応えて、すべてのプリンタが、サーバ機能によって停止させられる。これは、単に、該当の印刷ジョブを選択し、必要な部数を0に設定して、開始キー61を操作することによってプリンタを「開始する」ことによって、まだタンデムジョブに関与していないプリンタからでも行うことができる。
【0080】
タンデムジョブが印刷された後、関与するプリンタのリスト、およびプリンタのそれぞれによって印刷された部数が、例えば、表示スクリーン60上の適切な見出しによってその目的に指定されたキー64A〜Eの1つを操作することにより、操作者によって行われた要求があったときに印刷されることが可能である。サーバ機能は、そのようなリストを作成するために必要なすべてのデータを有し、要求時にリストを容易に作成することができる。
【0081】
特に小さい印刷ジョブと大量の部数の場合、サーバ機能とプリンタの間で大量の通信が行われ、ネットワーク負荷が大きい。これは、指定された部数、例えば、5部のブロックを一斉に印刷するための許可を与えることによって低減することができる。
【0082】
特別な形態の印刷ファイルとして、前述のプリンタとして使用されるデジタル複写機のいずれかのスキャナなどのスキャナにおいてドキュメントを走査することによって生成されたイメージ、または一連のイメージがある。本発明の変形形態では、走査されたイメージも、接続されたプリンタにおける選択および印刷に供される印刷ファイルのリストに含められる。そのような走査されたファイルは、「複写ジョブ」という呼び方、走査ファイルが作成された複写機の識別、および走査の時刻によって識別することができる。アカウンティングがアクティブである場合、走査ファイルの識別のためアカウント名を使用することができる。そのような走査された印刷ファイルは、本発明に明確に含まれる。
【0083】
以上、本発明を説明したが、本発明を多くの方法で変形できることが明白であろう。当該分野の当業者には明らかなそのような変形形態および修正形態は、頭記の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0084】
UPS 非連鎖印刷サーバ
1A、1B、1C プリンタ
2 印刷サブシステム
10 ネットワーク
11A、11B、11C ワークステーション
12 管理ユニット
12a 管理システム(データベース)
13 オペレータ制御ユニット
15 入力/出力ハンドラ
20 記憶ユニット
27 アカウンティング−セキュリティユニット
29 非連鎖印刷クライアント
30 フェッチモジュール
31 非連鎖印刷サーバモジュール
32 仮想プリンタサーバ
33、34、35 データベース
36 タイムサーバ
160 オペレータ制御パネル
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、限られた時間間隔内で要求された部数のドキュメントをもたらすために複数のプリンタが1つの印刷ジョブを同時に処理する分散印刷に関する。
【0002】
また、本発明は、本発明による方法が実施される印刷システム、およびコンピュータが本発明の方法を行うようにさせるコンピュータソフトウェアにも関する。
【背景技術】
【0003】
分散印刷は、例えば、複数のプリンタおよびスケジューラを含むシステムを説明している米国特許第5,287,194号明細書に開示されている。所望の時間間隔内で印刷ジョブを処理させるため、印刷スケジューラが、ジョブの長さを判定し、可用なプリンタを点検する。印刷スケジューラは、そのジョブに最も適したプリンタを選択し、次に、そのプリンタが時間内にそのジョブを完了できるかどうかを調べる。完了できない場合、印刷スケジューラは、第1のプリンタが時間内に完了できないジョブの部分を引き受ける別のプリンタを選択する。このようにして、ジョブは、別のプリンタによってそれぞれが処理されるいくつかの部分に分割することができる。米国特許第5,995,721号が、スケジュール設定プロセスに介入し、例えば、プリンタが自身の場所からあまりにも遠く離れているため、その印刷ジョブを処理して欲しくない特定のプリンタを拒否する機会を操作者に与えることによって前述のスケジュール設定方法を改良している。
【0004】
一般に、知られている分散印刷システムは、印刷ジョブを部分に分割して複数のプリンタに送るスケジューラによって集中制御される。
【0005】
いくつかの部数の印刷ファイルを迅速に印刷する別の手法は、本出願者の欧州特許出願公開第1 229 724号で開示しているいわゆる非連鎖対話式印刷システムにおける同時印刷である。この特定の形態の印刷では、印刷ファイルが、印刷のためにサブミットされるが、プリンタのコンソールにおいて操作者によって選択され、開始されない限り、決して印刷されない。複数のプリンタを含むネットワーク化されたシステムでは、印刷ジョブは、接続されたプリンタの任意のものにおける選択、およびそれに続く印刷に供される。印刷ジョブは、選択リストから特に除去されるまで選択可能なままであり、1つのプリンタにおいて、別のプリンタにおいて処理されている最中に選択されて開始されることさえ可能である。このようにして、いくつかのプリンタを組にしてより多くの部数の印刷ファイルを印刷することができる。
【0006】
この解決策は、印刷が集中制御されないという点、すなわち、あるプリンタをプロセスに含めるイニシアティブがプリンタの操作者によってとられるという点で、かつ、印刷ジョブが、スケジューラによってプリンタにプッシュされるのではなく、プリンタによってネットワーク内のソースからプルされるという点、前述した従来技術の方法とは異なる。この手法の利点は、プリンタが、異なる時点で印刷プロセスに参加できることである。例えば、プリンタが、空の印刷用紙トレイまたは紙詰まりなどの修復可能な障害のために印刷ジョブを扱うことができない場合、動作するようにプリンタを復元した後、その他のプリンタにおいて既に実行されている生成プロセスに参加させることができる。これにより、大幅な柔軟性が与えられる。
【0007】
ただし、この手法の欠点は、所望の合計部数に達するため、操作者が、一方のプリンタから他方のプリンタに行き、同一の印刷ジョブを開始して、各プリンタによって印刷される部数を指定しなければならないことである。また、処理中にプリンタの1つが、印刷用紙を使い尽くしたことなどの動作不良を生じた場合、その動作不良が修正されるまで所望の部数が完了されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,287,194号
【特許文献2】米国特許第5,995,721号
【特許文献3】欧州特許出願公開第1 229 724号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、非連鎖対話式印刷の方法を、欠点を解決しながらも、そのような形態の印刷の利点を保つように改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、デジタル印刷ファイルが、印刷イメージデータと、印刷されるべき必要な部数などのジョブ情報を特定するメタデータとを含み、プリンタが、ローカルメモリと、入力手段およびディスプレイを有するローカルオペレータ制御ユニットとを備え、対話式印刷を可能にするように、すなわち、オペレータ制御ユニットを介して印刷ファイルが選択され、印刷コマンドが入力されたときにだけ印刷ファイルを印刷するように構成された印刷サービスおよび複数のプリンタを含むネットワークシステムにおいてデジタル印刷ファイルを印刷するための方法であって、印刷サービスが印刷ファイルを受け取り、ストーレッジの中に記憶し、メタデータを含む記憶された印刷ファイル上の情報を複数のプリンタに配信する第1のステップを含む方法が、プリンタの1つにおいて第1の印刷ファイルに関する印刷プロセスを開始して、前記印刷プロセスがアクティブである最中にプリンタの別の1つにおいて第1の印刷ファイルに関する対話式印刷プロセスを開始し、印刷サービスが、前記第1の印刷ファイルを処理するプリンタを制御して、前記印刷ファイルのメタデータの中で指定される必要な部数に等しい合計部数の第1の印刷ファイルを共同で印刷する第2のステップによって改良される。
【0011】
本発明によれば、印刷サービスは、生成プロセスに関与するプリンタの進行を把握し、印刷ファイルの部数を印刷するイニシアティブをプリンタに任せながら、プリンタの組が、要求される部数を超えて印刷することを防止する。この解決策の1つの利点は、サーバまたは操作者が全く介入することなく、その他のプリンタが、故障したプリンタの割当て分を引き受けることによって関与するプリンタのいずれの動作不良も自動的に補償されることである。
【0012】
本発明の実施形態では、印刷ファイルを共同で印刷するプリンタは、前記第1の印刷ファイルの各部数の仕上がりを印刷サービスに報告し、第1の印刷ファイルのそれぞれの新しい部数の印刷を開始するために印刷サービスから許可を獲得し、印刷サービスは、前記第1の印刷ファイルのメタデータに含まれる部数を参照して前記許可を与える。これは、プロセスの堅実な制御を保ちながらも、イニシアティブを個々のプリンタに任せる有利な方法である。
【0013】
印刷サービスは、ネットワークに接続されたサーバとして実施することができるが、それぞれの接続されたプリンタが、その他のプリンタにおけるサーバプロセスに論理接続されたサーバプロセスを備えたシステムにおける分散印刷サービスプロセスとして実施してもよい。
【0014】
本発明のさらなる実施形態では、以降、タンデムジョブと呼ぶ少なくとも2つのプリンタにおける調整された同時処理のための印刷ファイルが、自らをタンデムジョブとして特定するメタデータアイテムを含む。プリンタの1つにおいてそのような印刷ジョブが開始されたとき、印刷サービスが、プリンタにおける印刷プロセスを調整することに自動的にとりかかる。
【0015】
別の実施形態では、印刷ファイルは、タンデムジョブとして指定されないが、印刷ジョブを開始する操作者が、その時点で、そのジョブがタンデムジョブとして扱われるべきことを示すことができる。そのような指示が行われると、印刷サービスが、生成プロセスをさらに調整する。
【0016】
本発明のその他の実施形態および利点を以下に添付の図面を参照して説明し、図面では、同一の符号が、対応する要素を示している。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明による、複数のワークステーションおよびプリンタと印刷サーバを含むネットワークシステムの一般的な概要を示す図である。
【図2】例示的な印刷デバイスを示す図である。
【図3】非連鎖印刷サーバの態様を示す図である。
【図4】ある状況における表示イメージとともにプリンタのオペレータ制御パネルを示す図である。
【図5】ある状況における表示イメージとともにプリンタのオペレータ制御パネルを示す図である。
【図6】ワークステーションにおけるプリンタドライバの注文ウインドウを示す図である。
【図7】ある状況における表示イメージとともにプリンタのオペレータ制御パネルを示す図である。
【図8】ある状況における表示イメージとともにプリンタのオペレータ制御パネルを示す図である。
【図9】ある状況における表示イメージとともにプリンタのオペレータ制御パネルを示す図である。
【図10】ある状況における表示イメージとともにプリンタのオペレータ制御パネルを示す図である。
【図11】ワークステーションにおけるプリンタドライバの注文ウインドウを示す図である。
【図12】ある状況における表示イメージとともにプリンタのオペレータ制御パネルを示す図である。
【図13】ある状況における表示イメージとともにプリンタのオペレータ制御パネルを示す図である。
【図14】タンデム印刷ジョブに関するプリンタ制御プログラムを示す流れ図である。
【図15】タンデム印刷ジョブに関するサーバ機能における制御プログラムを示す流れ図である。
【図16】タンデム印刷ジョブに関するサーバ機能における制御プログラムを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、ネットワーク10にすべて接続された複数のワークステーション11A、11B、11C、複数のプリンタ1A、1B、1C、および印刷サーバUPSを含むネットワークシステムの一般的な概要を示している。
【0019】
プリンタはそれぞれ、ディスプレイおよびキーを備え、プリンタのオペレータ制御ユニットに接続された操作のためのオペレータ制御パネル160を備えている。プリンタは、この例で該当するようにデジタル複写機として実現することができるが、適切なオペレータ制御ユニットおよび制御パネルを備えたプリンタそのものとして実現してもよい。
【0020】
以下の説明では、「印刷ファイル」という用語と「印刷ジョブ」という用語を区別なく使用する。これらの用語は、同一のエンティティに関連するものとし、ただし、同一のエンティティの異なる態様が強調されている。すなわち、データファイルの態様および管理上の態様がそれぞれ強調されている。
【0021】
本発明の概念の範囲内では、印刷のためにネットワーク10を介してデバイス1A、1B、1Cのいずれかに送られるデジタルデータファイルは、第1のタイプのものであるか、または第2のタイプのものである。第1のタイプのファイルは、直接に、すなわち、装置の操作者による更なるアクションなしに、印刷されることを必要とし、他方、第2のタイプのファイルは、装置のメモリの中に記憶されることだけを必要とし、操作者が、オペレータ制御パネルを介してそのファイルを選択することによって装置において印刷を明示的に要求するまで印刷されないことを必要とする。関与するファイルのタイプは、ファイルに追加された属性から明白である。
【0022】
第1のタイプのデータファイルの処理は、本説明では、自動印刷(Automatic Printing:AP)と呼ぶ。第2のタイプのデータファイルの処理は、「対話式印刷」(Interacitve Printing:IP)と呼ぶ。
【0023】
AP印刷ジョブは、特定のプリンタにサブミットされ、原則として、そのプリンタによって扱われるが、IP印刷ジョブは、すべてのプリンタ、またはプリンタの事前定義されたグループによって自動的に分担され、それらのデバイスの任意のものにおける選択および処理に供され、したがって、ユーザは、自分の印刷ジョブを印刷するためにプリンタの1つを自由に選択することができる。これを、以降、「非連鎖印刷」と呼ぶ。対話式印刷の概念、および非連鎖印刷の概念は、同時係属の欧州特許出願公開第1 229 724号明細書で詳述している。
【0024】
一般に、「非連鎖印刷」の概念は、以下に説明するサーバ機能および印刷データ記憶機能を含み、これらの機能はともに、いくつかの方法の1つで、システム内の異なる物理的場所において実施することができるプロセスである。
【0025】
一般的なプロセスは、以下のとおりである。
【0026】
ワークステーションによってサブミットされた印刷ファイルが、サーバ機能によって受け取られる。サーバ機能は、印刷データを関連するストーレッジの中に記憶し、本明細書で「メタデータ」と呼ぶ印刷ファイルの識別データ(ユーザ名並びにファイル名、システムにおける印刷ファイルの到着時刻、及び必要な部数などの印刷設定を含む)を取り出す。次に、サーバ機能が、そのメタデータをすべての接続されたプリンタに送る。
【0027】
プリンタはすべて、管理システムの中にジョブを含み、実際の印刷データをローカルで記憶していない可能性があるものの、ジョブを印刷のために選択可能にする。次に、ユーザがプリンタの1つのコンソールにおいてあるジョブを選択したとき、プリンタは、サーバ機能のストーレッジから印刷データをダウンロードし、そのジョブを印刷する。
【0028】
ジョブを印刷した後、プリンタは、その趣旨のメッセージをサーバ機能に送り、サーバ機能は、管理システムおよび選択リストの中でその印刷ジョブに「印刷済み」としてマークを付けるようにすべてのプリンタに命令する。ジョブに「印刷済み」としてマーク付けることは、リストの中のファイル名の隣にマーク(「チェック印」)を表示することによって行うことができる。
【0029】
印刷ジョブがプリンタのいずれかのコンソールにおいてユーザによって削除されたとき、そのプリンタは、その趣旨のメッセージをサーバ機能に送り、サーバ機能は、そのジョブの印刷データをストーレッジから削除して、管理システムからそのジョブのメタデータを削除するようにすべてのプリンタに命令する。サーバ機能の中に「タイムアウト」機能を含めて、システムにおける印刷ファイルの到着時刻から所定の時間間隔が経過した後、ストーレッジから印刷ジョブの印刷データを自動的に消去して、管理システムからその印刷ジョブを削除するようにプリンタに命令することができる。
【0030】
非連鎖印刷は、いくつかの方法で技術的に実施することができる。3つの実施態様例を以下に説明する。図1を参照する。
【0031】
第1の実施態様では、UPSが、サーバ機能と関連する記憶機能をともに行う。UPSは、大容量ハードディスクを有するPCであることが可能である。この実施形態では、ワークステーション11A、11B、11Cにおけるプリンタドライバが、IP印刷ジョブをUPSにサブミットするようにプログラミングされる。UPSは、すべての印刷ファイルを受け取り、記憶して、メタデータを取り出し、そのメタデータをすべての接続されたプリンタに送る。動作の際、専用プリンタ1A、1B、1Cが、そのジョブを自らの管理システムの中に含め、印刷のために選択可能にする。ただし、プリンタ1A、1B、1Cは、実際の印刷データを自らのディスク上に記憶することはしていない。次に、ユーザが、プリンタの1つのコンソールにおいてジョブを選択したとき、プリンタは、UPSから対応する印刷データをダウンロードし、そのジョブを印刷する。
【0032】
ハードウェアが第1の実施態様と同様である第2の実施態様では、印刷ファイルは、ユーザが選択した(またはユーザのプリンタドライバにおいてプログラミングされた)特定のプリンタにサブミットされる。印刷ファイルを受け取ると、宛先のプリンタは、そのファイルを内部に記憶し、ジョブのメタデータを取り出し、そのメタデータをUPSに送り、UPSが、残りのサーバ機能を果たす。したがって、UPSは、メタデータをその他のプリンタに伝送する。その他のプリンタはすべて、そのジョブを管理システムの中に含め、印刷のために選択可能にする。次に、ユーザがプリンタの1つのコンソールにおいてジョブを選択し、そのジョブの印刷データがそのプリンタにおいてローカルで記憶されていない場合、プリンタは、対応する印刷データを記憶しているプリンタからその印刷データをダウンロードし、ジョブを印刷する。
【0033】
第3の実施態様では、サーバ機能および関連する印刷データ記憶が、完全に分散される。したがって、物理サーバデバイスは必要とされない。印刷ファイルは、前述したのと全く同じ方法でプリンタの1つにサブミットされる。印刷ファイルを受け取ると、宛先のプリンタは、そのファイルを内部に記憶し、メタデータを取り出し、そのメタデータをその他のプリンタに送る。その他のプリンタはすべて、ジョブを自らの管理システムの中に含め、印刷のために選択可能にする。次に、ユーザがプリンタの1つのコンソールにおいてジョブを選択し、そのジョブの印刷データがそのプリンタにおいてローカルで記憶されていない場合、プリンタは、その印刷データを記憶しているプリンタからそのデータをダウンロードし、ジョブを印刷する。
【0034】
図2は、本発明で使用するための、この例ではデジタル複写機である例示的な印刷デバイスの構成部分を示す図である。
【0035】
デバイス1Aは、スキャナ、プリンタ、メモリ、および専用制御ユニットを含む印刷サブシステム2を備え、デバイスのこの部分は、従来どおりであり、本発明を実現するものではないため図示していない。
【0036】
さらに、デバイス1Aは、ローカルネットワーク10を介して送り込まれるデジタルイメージデータを印刷するのに必要とされる以下のようないくつかのユニットも含む。すなわち、
・処理プロセスを管理し、存在するすべての複写ジョブ、走査ジョブ、および印刷ジョブに関して管理システムの維持も行う、本明細書で以下JobManagerと呼ぶ管理ユニット12、
・要素12aとして示す、JobManager12によって維持されるジョブに関する管理システム(データベース)、
・デバイス1Aの操作のためにディスプレイおよびキーを有する装置筐体上のオペレータ制御パネル160を備え、以下UserInterface(UI)とも呼ばれるオペレータ制御ユニット13、
・デジタル環境からネットワーク10を介してデジタルデータを受け取り、伝送するための入力/出力ハンドラ15、
・印刷ファイル用の記憶ユニット20、
・とりわけ、ユーザの許可およびアクセスコードの管理を行うアカウンティング−セキュリティユニット27、
・非連鎖印刷サーバ(UPS)と通信するためにJobManager12とネットワーク10の間で接続された非連鎖印刷クライアント(UPC)29、および
・ネットワーク10を介して、このケースでは別のプリンタである印刷データ記憶機能から印刷データファイルをフェッチするためのフェッチモジュール30である。
【0037】
図3は、非連鎖印刷サーバUPSの態様を示す図である。非連鎖印刷サーバUPSは、すべてのプロセスを制御するUPSモジュールそのもの31、および仮想プリンタサーバ32を含む。UPSモジュール31は、3つのデータベースを維持し、1つ(33)は、アカウンティング−セキュリティ情報、とりわけ、ユーザの許可を含み、1つ(34)は、システム内のすべてのジョブのメタデータのリストを含み、また1つ(35)は、接続されたプリンタに関する情報を含む。さらに、UPSは、ワークステーション、プリンタ、およびUPSを、例えば、よく知られているSNTPプロトコルを使用して同期させるためのタイムサーバ36を含む。
【0038】
仮想プリンタサーバ(VPS)32は、プリンタとUPSモジュール31の間の通信を管理する。VPS32は、印刷ジョブを受け取ったこと、印刷ジョブを開始したこと、印刷ジョブを終了したこと、動作不良などのプリンタでイベントが生じた際にプリンタとメッセージを交換する。さらに、VPS32は、
プリンタが停止したとき、および
プリンタが起動したときにそのことを感知する。
【0039】
UPSのアカウンティング−セキュリティデータベース33と、プリンタのアカウンティング−セキュリティデータベース(27)は、それらが同一の情報を含むことを確実にするために同期される。許可および信用の変更があれば、システム管理者によってUPSのデータベースに入力され、次に、UPSによってプリンタ内部の対応するデータベースに自動的に配信される。また、未知のユーザの印刷ファイルがプリンタに到着し、そのプリンタのJobManager12がユーザ名を取り出し、プリンタのアカウンティング−セキュリティデータベース27を更新した場合、前記JobManagerは、UPSにも通知し、UPSは、それに応じて自らのデータベース33を更新して、その他のプリンタに通知する。
【0040】
プリンタのオペレータ制御ユニット13に属するオペレータ制御パネル160が、図4に示されており、LCDディスプレイなどの表示スクリーン60と、いくつかのキー、すなわち、開始キー61、数字キー62、訂正キー63、停止キー68、選択キー64A〜E、65A〜D、およびキークラスタ66A〜Dを含む。以上すべての要素は、オペレータ制御ユニット13に接続され、オペレータ制御ユニット13は、キーの操作に応答して、JobManager12に信号を送り、表示スクリーン60の制御も行ってオプションおよびメッセージを操作者に表示する。
【0041】
選択キー64A〜Eは、デバイス機能を選択するためのものであり、デバイス機能は、それ自体、キー65A〜Dによって選択されることが可能なセットにグループ化される。キー65A〜Dの下の見出しが、セット、すなわち、片面、両面、ステープル、拡大などの「基本設定」、印刷用紙プロパティを選択するための「用紙設定」、およびより薄い/より濃い、余白シフトなどの「特別設定」等を指定している。各機能グループに関して、機能に関する代替の設定のリストが、各キー64A〜Eの上の欄に選択のために示されている。選択キーを作動させることにより、操作者は、例えば、循環パターンに従って、異なる設定を選択することができる。左端の欄は、基本デバイス機能に、すなわち、「複写」、「印刷」、または「走査」に専用である。
【0042】
また、オペレータ制御パネル19は、部数設定を示す数字ディスプレイ70も含む。
【0043】
次に、第2のタイプの印刷ファイルを扱う手続き(対話式印刷のための)を説明する。この説明は、特に明記しない限り、前述した第2の実施形態(印刷ファイルが、プリンタの1つにサブミットされて記憶され、メタデータがUPSを介して配信される)に当てはまる。当該分野の当業者が他の実施態様に必要な変更を考案することは容易であろう。
【0044】
JobManager12は、記憶ユニット20の中に記憶された印刷のためのすべてのデータファイルの識別データが入力される管理システム12aを維持する。新しいファイルがネットワークを介して受け取られた際、JobManager12は、そのファイルの識別データ(メタデータ)を取り出し、その識別データを所有者/送信側の名前に関連して管理システム12aに入力する。さらに、JobManagerは、印刷ファイルのメタデータ、およびプリンタ自体を特定するコードをUPC29を介してUPSに送る。また、UPSから他の印刷ジョブのメタデータを受け取ると、JobManager12は、そのメタデータを管理システム12aに入力する。
【0045】
UPSは、仮想プリンタサーバ32を介して新たに受け取られた印刷ファイル(APまたはIP)のメタデータを受け取り、そのメタデータをジョブリスト34の中に記憶する。次に、UPSは、VPS32を介してメタデータおよびデバイス識別子コードをその他の専用プリンタ(例えば、1B)に送る。このようにして、第1のタイプ(AP)の印刷ファイルさえ、他の接続されたプリンタによって印刷することができる。
【0046】
操作者は、第2のタイプの特定のデータファイルが印刷されることを望む場合、オペレータ制御パネル160を介してプリンタにそのように命令しなければならない。第1に、操作者は、キー64Aで「印刷」機能を選択しなければならない。これに応えて、オペレータ制御ユニット13が、すべてのアクティブなユーザ名(システム内で第2のタイプの少なくとも1つの印刷ジョブを有するユーザ名)のリストを送るようにJobManager12に要求する。図4に示すとおり、オペレータ制御ユニットは、ディスプレイ上で、キー64Bの上の欄にユーザリストを表示し、その後、ユーザが、自分の名前を選択することができる。リストが余りにも長くて完全に表示できない場合、リストの一部分をディスプレイ上に示し、スターキー66を使用してスクロールすることが可能である。最初、表示の焦点は、特定のプリンタに印刷ジョブを最後にサブミットしたユーザ(この例では、「エベルトセン(Evertsen)」)に当てられている。
【0047】
リストは、メタデータが知られているジョブをシステム内のいずれかのプリンタに送ったすべてのユーザを含むものと理解されたい。
【0048】
ユーザは、自分の名前を選択した後、キー64Cを操作して自身の印刷ジョブの概要を獲得する。これに応答して、JobManagerが、現行のユーザの対話式印刷ジョブおよび自動印刷ジョブの現行のリストを作成し、そのリストをオペレータ制御ユニット13に送り、オペレータ制御ユニット13は、このリストをディスプレイ60上で選択を行うためにユーザに表示する。表示イメージを図5に示している。各ジョブのサブミット時刻が、ファイル名の横に示されている。「チェック」印が、既に印刷されたファイルのファイル名の左側に示されている。リストが長すぎて完全に表示することができない場合、リストの一部分がディスプレイ上に示され、スターキー66を使用してスクロールをすることが可能である。最初、表示の焦点は、特定のプリンタに最後にサブミットされた印刷ジョブ(この例では、「内部報告書」)に当てられる。この実施形態では、キー64C〜Eは、ファイル管理のための機能を有する。キー64Cは、現行のユーザのすべての印刷ジョブを選択するためのものであり、キー64Dは、新たに到着した印刷ジョブだけを選択するためのものであり、またキー64Eは、あらゆる選択されたジョブを削除するためのものである。
【0049】
印刷ジョブの選択に応答して、対応する印刷データファイルが、記憶ユニット20から取り出され(またはフェッチモジュール30によって別のストーレッジからフェッチされ)、印刷可能なデータに変換されて、印刷サブシステム2において印刷される。
【0050】
印刷ジョブの選択の後、開始キー61を操作することによって印刷プロセスが開始される。
【0051】
データファイルは、印刷が済んだとき、原則として、ユーザ自身によって、または装置のマネージャによって除去されるまで記憶ユニット20の中に記憶されたままである。この目的で、ユーザは、選択されたファイルの除去のためのコマンドを与える。これに応答して、JobManager12が、記憶ユニット20からファイルを削除するコマンドを送り、そのファイルの識別データを管理システム12aから取り除く。所定の時間間隔が経過した後に印刷ファイルを自動的に削除するように「タイムアウト」機能を提供してもよい。
【0052】
非連鎖印刷は、主に対話式印刷ジョブを目的としているが、自動印刷ジョブ(APジョブ)もサブミットすることができる。自動印刷ジョブは、通常、その印刷ジョブがサブミットされた特定のプリンタによって処理され、これは、そのプリンタのJobManagerが自動印刷ジョブを受け入れないモード(このモードは、特定の特権を有する操作者が設定することができる)になっていない限り行われる。自動印刷ジョブを受け入れないモードになっている場合、JobManagerは、印刷ファイルを第2の種類(IP)の印刷ファイルに変換し、前述したとおり、さらに続行する。
【0053】
自動印刷ジョブを受け取ったプリンタも、そのことをUPSに報告し、UPSは、その他のプリンタに通知する。次に、その他のプリンタが、そのジョブを印刷のために選択可能にする。印刷された後、APジョブは、ユーザによって意図的に、または自動的に削除されるまで、記憶されたままになる。
【0054】
印刷ジョブは、1つのプリンタで開始されたとき、その他のプリンタにおいて選択可能なままであり、最初に言及したマシンで依然として実行されながら、その他のプリンタで開始されることさえ可能である。この特徴は、大量の部数のドキュメントの迅速な生成のために、いくつかのプリンタが配置される複写部門で使用されることが可能である。一般に、本発明の概念を活用するのに、メタデータがとりわけ、印刷されるべき部数を含む前述した非連鎖印刷の技術的な実施態様のいずれかにおいて、印刷ファイルが、非連鎖プリンタサーバ機能にサブミットされる。次に、操作者が、部数を設定することに煩わされずに、いくつかの接続されたプリンタにおいて印刷ジョブを開始する。これらのプリンタは、部数の印刷ファイルを並列に印刷する。サーバ機能が、印刷プロセスの進行を把握し、すべての関与するプリンタによって印刷された合計部数が、メタデータの中で指定された必要な部数に達した時点で停止するようにプリンタに命令する。
【0055】
この概念の大きな利点は、関与するプリンタにおける印刷プロセスに障害があれば、その障害が、その他の関与するプリンタがより多くの部数を印刷することによって自動的に補償されることである。したがって、この手続きは、非常に堅固である。
【0056】
以下は、以降、タンデム印刷と呼ぶ複数のプリンタによって印刷注文を並列に仕上げるという特徴を活用するため、また円滑にするための本発明による技術的措置の説明である。
【0057】
第1の実施形態では、タンデム印刷が、前述した非連鎖印刷の技術的実施態様のいずれかで、完全にプリンタサーバ機能において実施される。したがって、サブミットサイト(ワークステーション)において印刷ジョブをタンデムジョブとして定義することは必要ない。通常の印刷ジョブは、サーバ機能にサブミットされ、サーバ機能が、その印刷ジョブを利用可能なプリンタのすべてにおいて、または少なくとも複数において選択可能にする。次に、操作者が、そのジョブがタンデムジョブとして、すなわち、あらかじめ指定された合計部数のジョブとして実行されるのを望むことを表明して、プリンタのいくつかで印刷ジョブを選択し、開始する。別法として、操作者が印刷ジョブをタンデムジョブとして開始しない場合、異なるマシンにおける処理は、完全に独立であり、各プリンタにおいて設定された部数が印刷される。また、設定の部数は、プリンタのいずれにおいても(そのプリンタに関して)変更することができる。
【0058】
図6は、ワークステーション11A〜Cにおけるプリンタドライバの注文ウインドウを示している。プリンタドライバは、印刷ジョブをプリンタにサブミットするためのプログラムである。注文ウインドウは、スクリーン上のアプリケーションウインドウ内の「印刷」記号をユーザがクリックしたときにワークステーション表示スクリーン上にポップアップし、その時点で、ユーザは、必要な部数、片面印刷または両面印刷などの印刷ジョブに関する指定を注文ウインドウに入力することができる。
【0059】
注文ウインドウは、いくつかのボックス210、220、230、および240を含み、印刷指定設定のためのラジオボタンおよびチェックボックス、ならびに、現在、「55」という値を有する必要な部数に関する数字ボックス250を伴っている。チェックボックス275が、印刷ジョブを対話式ジョブ(第2のタイプの印刷ファイル)として定義するためのものである。注文ウインドウの一番下に、実際のサブミットプロセスを開始するためのキー270(「OK」)を含むいくつかの「ソフト」キーが存在する。
【0060】
印刷ファイルを受け取ると、サーバ機能は、そのジョブのメタデータをプリンタに配信し、プリンタは、前述した方法で、そのジョブを自らのローカル操作コンソールにおける選択に供する。
【0061】
図7は、当該の印刷ジョブ「分析」が示され、操作者によって既に選択されているプリンタの1つの操作パネルを描いている。数字ディスプレイ70が、プリンタドライバにおいてプログラミングされた必要な部数を示している。操作者は、この時点で、キー61を操作することによって印刷ジョブを開始することができる。また、操作者は、印刷ジョブを開始する前に印刷ジョブの設定のいずれの変更を行うこともできる。このプロセスで操作者が必要な部数を変更した場合、プリンタのJobManager12が、その新しい数でジョブのメタデータを更新し、更新されたメタデータをサーバ機能に伝える。次に、サーバ機能が、その変更をその他のプリンタに伝える。
【0062】
前述したとおり、この印刷ジョブは、その他のプリンタにおいて選択可能なままであり、依然として、その他のプリンタにおいても開始されることが可能である。図8は、同一の印刷ジョブ「分析」が選択されている第2の他のプリンタの操作パネルを示している。メッセージウインドウ67は、この時点で、そのジョブが第1のマシンにおいて既にアクティブである(すなわち、印刷中である)ことを表明するメッセージを示す。
【0063】
操作者は、この時点で、操作者が開始キー61を作動させたときに表示スクリーン60上に現れる強制ダイアログウインドウ71内で操作者に示されるとおり(図9)、2つのオプションを有する。
【0064】
第1のオプションは、第1のプリンタとは独立に第2のプリンタにおいて印刷ジョブを開始することであり、その場合、ジョブは、完全にメタデータに従って、この場合、メタデータの中で指定された55部を印刷することに従って印刷される。また、操作者は、この時点で、メタデータの中で指定された設定を取り消して、ジョブの設定の変更を行うこともできる。変更された設定は、第2のプリンタに関してだけ有効である。
【0065】
第2のオプションは、印刷ジョブをタンデムジョブとして開始することである。その場合、ジョブは、サーバ機能の調整の下で、第1のプリンタにおいて実行され、また場合により、印刷プロセスに参加したその他のプリンタにおいても実行されている印刷プロセスに依存して印刷される。図10は、ジョブをタンデムジョブとして印刷している状態における操作パネルを描いている。メッセージウインドウ67は、この時点で、現在の部数がそのプリンタにおいて印刷されていることを特定し、現在の部数は、そのジョブを印刷することに関与しているすべてのプリンタに関しての累積数である。この状況では、印刷ジョブは、メタデータに従って印刷され、メタデータは、第2のプリンタにおいて変更することができない。これを明確にするため、ディスプレイ60の設定部分がグレーにされる。ただし、必要な部数は、依然として、印刷中に変更することができ、関与するプリンタのいずれにおいても変更することができる。必要な部数の変更に印刷管理を適合させるための手続きを図16に関連して後述する。
【0066】
次に、タンデム印刷の第2の実施形態を説明する。この実施形態では、印刷ジョブは、プリンタドライバにおいてタンデムジョブとして指定されなければならず、次に、そのジョブを扱うことが、非連鎖印刷の技術的実施態様のいずれかで、プリンタサーバ機能によってさらに行われる。
【0067】
図11は、前述した第2の実施形態によるプリンタドライバの注文ウインドウを示している。図6に示したプリンタドライバ注文ウインドウの要素に加えて、この注文ウインドウは、印刷ジョブが通常のジョブか、またはタンデムジョブとして定義されるラジオボタンを有するボックス260を含む。ボタン「タンデムジョブ」が選択された場合、プリンタドライバは、ジョブをタンデムジョブとして印刷サーバ機能に知らせる適切なフラグを印刷ファイルデータの中で設定する。
【0068】
サーバ機能は、この種類のジョブのメタデータをプリンタに配信し、これにより、ジョブが印刷のために選択可能になる。操作者がジョブを選択し、そのジョブが、その他のプリンタの1つにおいてまだ開始されていない場合、操作者には、そのジョブがタンデムジョブであることをメッセージウインドウ67が表明する図12に示した表示イメージが提示される。操作者は、この時点で、開始ボタン61を操作することによってジョブを印刷することを始めることができる。次に、操作者が別のプリンタにおいて同一のジョブを選択した際、そのプリンタのディスプレイは、ジョブが既にアクティブであり、第1のマシン(およびそのジョブを印刷する他のマシン)で印刷されていることを表明する図13に示したイメージを提示する。操作者は、この時点で、ジョブを印刷することを始めることができ、必要な部数の生成に参加することができるが、設定を変更することはできない。したがって、表示イメージの設定部分は、グレーにされる。ただし、必要な部数は、依然として、印刷中に変更することができ、関与するプリンタのいずれにおいても変更することができる。必要な部数の変更に印刷管理を適合させるための手続きを図16に関連して以下に説明する。
【0069】
タンデム印刷の前述した第1の実施形態の変形形態では、ジョブは、サブミット時にタンデムジョブとして指定されているが、図9に示す強制ダイアログ71が、この時点で、値「タンデムジョブ」にあらかじめ設定されている。このあらかじめ設定された値は、この時点で、操作者が「別個のジョブ」オプションを選択することによって取り消すことができる。
【0070】
前述した両方の実施形態において、プリンタが、例えば、両面印刷ができないため、またはステープルを使い尽くしたため、操作パネルにおいて選択されている印刷ジョブを印刷ファイルにおける指定に従って印刷できないことが生じる可能性がある。その場合、プリンタは、その旨、告げるメッセージを表示し、ジョブの指定に従ってそのジョブを印刷することができる別のプリンタを利用するように操作者に勧告する。これに関する手続きが、本出願者の欧州特許出願公開第1 229 724号で開示されており、本発明によるプリンタにおいて実施することができる。本発明のケースでは、タンデムジョブに関して印刷指定を変更することができないので、操作者は、それでも、指定に従って印刷することができないマシンにおいて印刷ジョブを開始することができ、そのプリンタが、そのジョブを「できる限り良好に」印刷する。
【0071】
操作者が、自身が居合わせているプリンタにおける、またはジョブを印刷することに関与しているすべてのプリンタにおける実行中のタンデム印刷ジョブを即時に停止するのを望むことが生じる可能性がある。操作者は、制御パネル160上の訂正キー63を押すことにより停止することができる。これに応じて、強制ダイアログが、表示スクリーン60上に現れ、操作者が、そのプリンタだけにおいてローカル印刷プロセスを停止することを所望するか、またはすべての他の関与するプリンタにおける印刷プロセスも停止することを所望するかを尋ね、操作者は、訂正キー63を再び押すことにより(ローカルプロセス)、または停止キー68を押すことにより(すべてのプリンタ)、どちらを所望するかを示すことができる。第1のケースでは、プリンタが、サイクルを低下させ、新しい強制ダイアログが表示スクリーン60上に現れて、操作者がそのプリンタにおけるローカル印刷プロセスを終了させることを所望するかどうかを尋ね、操作者は、停止キー68を操作することによってそれを承認するか、または印刷プロセスを再開することを所望する場合、開始キー61を操作することによってそれを承認することができる。開始キーを操作する前に、操作者は、ジョブ設定を変更することができ、詳細には、操作者は、すべてのプリンタによって印刷される必要な合計部数を変更することができる。
【0072】
第1の強制ダイアログの際に、停止キー69が押された場合、すべての関与するプリンタは、サイクルを低下させ、プロセスを終了する。それでも、印刷ファイルは、関与するプリンタのローカルストーレッジの中に残される。
【0073】
次に、図14を参照して、タンデム印刷ジョブの生成中にサーバ機能と通信するためにプリンタのJobManager12内部で実行されているプログラムを説明する。このプログラムは、プリンタの操作者が、そのプリンタの操作パネルにおいてタンデム印刷ジョブを開始したときに(また、タンデムジョブが既に別のプリンタにおいて実行されているときにも)開始される。同じプログラムが、操作者が第2のプリンタをプロセスに参加させることによって通常の印刷ジョブをタンデム印刷ジョブに変更した際にも開始される。その場合、プログラムは、オペレータが操作しているプリンタにおいて開始するだけでなく、ジョブを通常の印刷ジョブとして印刷していたプリンタにおいても支配する。最後に説明した通常の印刷ジョブは、対話式印刷ジョブであることが可能であるが、前述したとおり、自動印刷ジョブであってもよい。
【0074】
第1に(S1)、JobManager12が、関与するプリンタのグループ内で既に仕上げられた部数(各プリンタが、印刷ジョブの部数を仕上げたことをプリンタのコミュニティに、例えば、ブロードキャストすることによって報告する)が、そのジョブのメタデータの中で指定された必要な部数より少ないかどうかを調べる。少なくない場合、プリンタは、印刷することを始めない(S2)。仕上げられた部数が実際に少ない場合、JobManagerは、ジョブの1部を印刷することを始める許可をサーバ機能に要求する(S3)。サーバ機能が許可を与えた場合(S4)、プリンタは、1部を印刷し(S5)、与えなかった場合、ステップS1に戻る。その1部を仕上げた後、JobManagerは、その旨、サーバ機能に報告し(S7)、ステップS1に戻る。ステップS7は、その1部が完全に仕上げられる少し前に、例えば、最後の用紙が依然として出力トレイに搬送されている最中に実行して、新しい許可を要求することで時間が無駄にならないようにすることができることが理解されよう。
【0075】
次に、図15を参照して、タンデム印刷ジョブの生成を制御するためのサーバ機能内で実行されるプログラムを説明する。このプログラムは、プリンタが、そのプリンタの操作パネルにおけるタンデム印刷ジョブの選択を報告したときに(また、別のプリンタにおいてタンデムジョブが既に実行されているとき、および操作者が、第2のプリンタをプロセスに参加させることによって通常の印刷ジョブをタンデム印刷ジョブに変更したときにも)開始される。
【0076】
サーバ機能は、プリンタが印刷ジョブの1部を印刷することを始めるための許可を要求するのを待つ(S10)。次に、サーバ機能は、与えられた許可の実際の数(ジョブが通常のジョブとして開始されている場合、許可なしに印刷されたそのジョブの仕上げられた部数も含む)が、メタデータの中で指定された必要な部数より少ないかどうかを調べる(S11)。許可は、関連する部数が印刷済みである場合でも、有効なままであることを理解されたい。許可の数の方が少ない場合、サーバ機能は、1部を印刷する許可を要求側のプリンタに与える(S12)。少なくない(すべての必要な部数が印刷されているか、または少なくとも開始されている)場合、サーバ機能は、許可を拒否し(S13)、許可が与えられたすべての部数が仕上げられていると報告されているかどうかを調べる(S14)。仕上げられていると報告されている場合、ジョブは完了であり、サーバは、プロセスを終了する(S15)。ステップS14で、すべての許可された部数が仕上げられていると報告されているわけではない場合、サーバ機能はプリンタ障害が報告されているかどうかを調べる(S16)。この場合、プリンタが印刷していた部数は仕上げられることがないからである。障害が報告されていない場合、サーバは、ステップS14に戻り、戻る際に、すべての部数が仕上げられるまで待ちループに入る。ステップS16で、プリンタ障害が検出された場合、サーバ機能は、障害が生じたプリンタに与えられた許可を撤回し(S17)、ステップS10に戻る。障害が生じたプリンタの許可の撤回により、与えられた許可の数が減少するので、この時点で、別のプリンタが関連する部数を印刷する余地が存在する。
【0077】
図16は、操作者が、タンデム印刷ジョブの処理中にアクティブなプリンタのいずれかの操作パネルにおいて必要な部数を変更した際に、サーバ機能によって行われる手続きを示す図である。プリンタのJobManager12が、例えば、ブロードキャストすることにより、変更された数をサーバ機能、およびその他の関与するプリンタに報告し、これに応じて、サーバ機能がメモリの中の数を更新する(S20)。次に、サーバ機能は、新しい数が、その時点で与えられている部数を印刷することを始める許可の合計数に等しいか、またはそれより大きいかを調べる(S21)。許可の合計数に等しいか、またはそれより大きい場合、手続きはそのままである(S22)。というのは、特別なアクションは全く行われる必要がないからである。ただし、許可の数が新しく要求された部数より既に大きい場合、分散印刷プロセスは、多すぎる部数をもたらし、過度な部数または印刷用紙を制限するアクションがとられなければならない。その場合、サーバ機能は、依然として可能である場合、仕上げられた部数が新しく要求された部数を超えるのを防止するのに必要なだけの数の許可を撤回する(S23)。この数は、以下の数式による計算によって見出される。
NW=MIN(P−F,P−R)
ただし、
NW=撤回されるべき許可の数
P=与えられた許可の数
F=仕上げられたと報告された部数
R=(新しい)必要な部数
【0078】
この数を基準として、サーバ機能は、停止されるべきプリンタを選択する。すべてのプリンタが停止されなければならないわけではない場合、サーバ機能は、最新の許可を受け取ったプリンタを選択し、できる限り早期に停止するように命令し(S24)、過度にもたらされる印刷用紙の数が最小限に抑えられるようにする。次に、サーバ機能は、手続きを終了する(S22)。
【0079】
前述した機構は、例えば、印刷されるべきドキュメントに誤りが検出された場合、すべての関与するプリンタを一斉に停止させるためにも使用することができる。これを行うのに、必要な部数を0に変更しなければならない。それに応えて、すべてのプリンタが、サーバ機能によって停止させられる。これは、単に、該当の印刷ジョブを選択し、必要な部数を0に設定して、開始キー61を操作することによってプリンタを「開始する」ことによって、まだタンデムジョブに関与していないプリンタからでも行うことができる。
【0080】
タンデムジョブが印刷された後、関与するプリンタのリスト、およびプリンタのそれぞれによって印刷された部数が、例えば、表示スクリーン60上の適切な見出しによってその目的に指定されたキー64A〜Eの1つを操作することにより、操作者によって行われた要求があったときに印刷されることが可能である。サーバ機能は、そのようなリストを作成するために必要なすべてのデータを有し、要求時にリストを容易に作成することができる。
【0081】
特に小さい印刷ジョブと大量の部数の場合、サーバ機能とプリンタの間で大量の通信が行われ、ネットワーク負荷が大きい。これは、指定された部数、例えば、5部のブロックを一斉に印刷するための許可を与えることによって低減することができる。
【0082】
特別な形態の印刷ファイルとして、前述のプリンタとして使用されるデジタル複写機のいずれかのスキャナなどのスキャナにおいてドキュメントを走査することによって生成されたイメージ、または一連のイメージがある。本発明の変形形態では、走査されたイメージも、接続されたプリンタにおける選択および印刷に供される印刷ファイルのリストに含められる。そのような走査されたファイルは、「複写ジョブ」という呼び方、走査ファイルが作成された複写機の識別、および走査の時刻によって識別することができる。アカウンティングがアクティブである場合、走査ファイルの識別のためアカウント名を使用することができる。そのような走査された印刷ファイルは、本発明に明確に含まれる。
【0083】
以上、本発明を説明したが、本発明を多くの方法で変形できることが明白であろう。当該分野の当業者には明らかなそのような変形形態および修正形態は、頭記の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0084】
UPS 非連鎖印刷サーバ
1A、1B、1C プリンタ
2 印刷サブシステム
10 ネットワーク
11A、11B、11C ワークステーション
12 管理ユニット
12a 管理システム(データベース)
13 オペレータ制御ユニット
15 入力/出力ハンドラ
20 記憶ユニット
27 アカウンティング−セキュリティユニット
29 非連鎖印刷クライアント
30 フェッチモジュール
31 非連鎖印刷サーバモジュール
32 仮想プリンタサーバ
33、34、35 データベース
36 タイムサーバ
160 オペレータ制御パネル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷サービスおよび複数のプリンタを含むネットワークシステムにおいてデジタル印刷ファイルを印刷する方法であって、
前記デジタル印刷ファイルが、印刷イメージデータと、印刷されるべき必要な部数などのジョブ情報を指定するメタデータとを含み、
前記プリンタが、ローカルメモリと、入力手段およびディスプレイを有するローカルオペレータ制御ユニットとを備え、対話式印刷を可能にするように、すなわち、前記オペレータ制御ユニットを介して印刷ファイルが選択され、印刷コマンドが入力されたときにだけ前記印刷ファイルを印刷するように構成され、
前記印刷サービスが、印刷ファイルを受け取り、前記印刷ファイルをストーレッジの中に記憶し、メタデータを含む前記記憶された印刷ファイル上の情報を複数の前記プリンタに配信する第1のステップを含み、前記プリンタの1つにおいて第1の印刷ファイルに関する印刷プロセスを開始し、前記印刷プロセスがアクティブである最中に、前記プリンタの別の1つにおいて前記第1の印刷ファイルに関する対話式印刷プロセスを開始し、前記印刷サービスが、前記印刷ファイルの前記メタデータの中で指定された必要な部数に等しい前記第1の印刷ファイルの合計部数を共同で印刷するように前記第1の印刷ファイルを処理する前記プリンタを制御する第2のステップを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1のステップが、
前記印刷サービスにおいて印刷ファイルを受け取るステップと、
前記印刷ファイルをストーレッジの中に記憶するステップと、
前記印刷サービスによって前記印刷ファイルの前記メタデータの少なくとも一部を取り出すステップと、
前記印刷サービスによって前記取り出されたメタデータを複数の前記プリンタに伝送するステップと、
前記複数のプリンタによって前記メタデータを受け取り、前記メタデータを前記複数のプリンタのそれぞれの前記オペレータ制御ユニットに存在するローカルファイル選択機構の中に含めるステップとを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の印刷ファイルを印刷する前記プリンタが、前記第1の印刷ファイルの各部の仕上がりを前記印刷サービスに報告し、前記第1の印刷ファイルのそれぞれの新しい部を印刷することを始めるための許可を前記印刷サービスから獲得し、前記印刷サービスが、前記第1の印刷ファイルの前記メタデータに含まれる部数を参照して前記許可を与える請求項1に記載の方法。
【請求項4】
操作者によるプリンタでの選択に応えて、選択された印刷ファイルの印刷データを前記ストーレッジからフェッチし、前記印刷ファイルを印刷するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
関連するメタデータを有するすべてのプリンタに印刷ファイルのステータス変更を伝えるステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
印刷ファイルのステータス変更が、前記ステータス変更が行われるプリンタによって前記印刷サービスに報告され、前記印刷サービスが、前記関連するメタデータを有するプリンタに対して報告されたステータス変更を伝える請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記プリンタのローカル印刷選択機構を印刷ファイルの報告されたステータス変更に従って更新するステップをさらに含む請求項5に記載の方法。
【請求項8】
ステータス変更が、
前記印刷ファイルの1部に関する印刷プロセスを開始することと、
前記印刷ファイルの1部に関する印刷プロセスを終了することと、
前記印刷ファイルを削除することと、
プリンタの前記オペレータ制御ユニットを使用して操作者が必要な部数を変更することとを含む請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記印刷サービスによって、前記ファイルの前記メタデータを含め、すべての印刷ファイルのリストを前記システム内に維持するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記印刷サービスが、前記ネットワークに接続されたサーバとして実施される請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
それぞれの接続されたプリンタが、その他のプリンタにおけるサーバプロセスに論理接続されたサーバプロセスを備え、前記サーバプロセスが、分散印刷サービスを共同で形成する請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも2つのプリンタにおける調整された同時処理のための印刷ファイルが、前記印刷ファイルを少なくとも2つのプリンタにおける調整された同時処理のための印刷ファイルとして特定するメタデータアイテムを含む請求項1に記載の方法。
【請求項13】
デジタル印刷ファイルが、印刷イメージデータと、印刷されるべき必要な部数などのジョブ情報を指定するメタデータとを含む、デジタル印刷ファイルを印刷するための印刷システムであって、
ローカルメモリと、入力手段およびディスプレイを有するローカル制御ユニットとをそれぞれが備え、対話式印刷を行うように、すなわち、オペレータ制御ユニットを介して印刷ファイルが選択され、印刷コマンドが入力されたときにだけ前記印刷ファイルを印刷するように構成されたファイル選択機構を含む複数のプリンタと、
印刷ファイルを受け取り、前記印刷ファイルをストーレッジの中に記憶し、メタデータを含む前記記憶された印刷ファイル上の情報を複数の前記プリンタに配信するように構成された印刷サービスと、
前記プリンタ、前記印刷サービス、および1つまたは複数のパーソナルワークステーションを互いに接続するためのネットワークとを含み、
前記印刷サービスが、前記プリンタの1つにおいて第1の印刷ファイルに関する印刷プロセスを開始することを許可するように構成され、前記印刷プロセスがアクティブである最中に、前記プリンタの別の1つにおいて前記第1の印刷ファイルに関する対話式印刷プロセスを開始すること、および
前記印刷サービスが、前記印刷ファイルの前記メタデータの中で指定された必要な部数に等しい前記第1の印刷ファイルの合計部数を共同で印刷するように前記第1の印刷ファイルを処理する前記プリンタを制御するように構成されていることを特徴とする印刷システム。
【請求項14】
前記印刷サービスが、
印刷ファイルを受け取るための受信モジュールと、
前記印刷ファイルを記憶するためのストーレッジと、
前記印刷ファイルのメタデータの少なくとも一部を取り出すための取出しモジュールと、
前記取り出されたメタデータを複数の前記プリンタに伝送するための伝送モジュールとを含む請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
プリンタの前記制御ユニットが、印刷ファイルの各部の仕上がりを前記印刷サービスに報告するため、および前記印刷ファイルのそれぞれの新しい部を印刷することを始めるための許可を前記印刷サービスから獲得するための通信モジュールを含む請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記プリンタが、プリンタにおいて操作者によって選択された印刷ファイルの印刷データを前記ストーレッジからフェッチするためのフェッチモジュールをさらに含む請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記印刷サービスが、関連するメタデータを有するすべてのプリンタに対して印刷ファイルのステータス変更を伝えるための通信ユニットをさらに含む請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
ステータス変更が、
前記印刷ファイルの1部に関する印刷プロセスを開始することと、
前記印刷ファイルの1部に関する印刷プロセスを終了することと、
前記印刷ファイルを削除することと、
プリンタの前記オペレータ制御ユニットを使用して操作者が必要な部数を変更することとを含む請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記印刷サービスが、前記ネットワークに接続されたサーバとして実施される請求項13から18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
それぞれの接続されたプリンタが、その他のプリンタにおけるサーバプロセスに論理接続されたサーバプロセスを備え、前記サーバプロセスが、分散印刷サービスを共同で形成する請求項13から18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
コンピュータにおいて実行されたとき、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法を実行するためのコンピュータプログラム。
【請求項22】
機械読取可能な媒体に記憶された請求項21に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項1】
印刷サービスおよび複数のプリンタを含むネットワークシステムにおいてデジタル印刷ファイルを印刷する方法であって、
前記デジタル印刷ファイルが、印刷イメージデータと、印刷されるべき必要な部数などのジョブ情報を指定するメタデータとを含み、
前記プリンタが、ローカルメモリと、入力手段およびディスプレイを有するローカルオペレータ制御ユニットとを備え、対話式印刷を可能にするように、すなわち、前記オペレータ制御ユニットを介して印刷ファイルが選択され、印刷コマンドが入力されたときにだけ前記印刷ファイルを印刷するように構成され、
前記印刷サービスが、印刷ファイルを受け取り、前記印刷ファイルをストーレッジの中に記憶し、メタデータを含む前記記憶された印刷ファイル上の情報を複数の前記プリンタに配信する第1のステップを含み、前記プリンタの1つにおいて第1の印刷ファイルに関する印刷プロセスを開始し、前記印刷プロセスがアクティブである最中に、前記プリンタの別の1つにおいて前記第1の印刷ファイルに関する対話式印刷プロセスを開始し、前記印刷サービスが、前記印刷ファイルの前記メタデータの中で指定された必要な部数に等しい前記第1の印刷ファイルの合計部数を共同で印刷するように前記第1の印刷ファイルを処理する前記プリンタを制御する第2のステップを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1のステップが、
前記印刷サービスにおいて印刷ファイルを受け取るステップと、
前記印刷ファイルをストーレッジの中に記憶するステップと、
前記印刷サービスによって前記印刷ファイルの前記メタデータの少なくとも一部を取り出すステップと、
前記印刷サービスによって前記取り出されたメタデータを複数の前記プリンタに伝送するステップと、
前記複数のプリンタによって前記メタデータを受け取り、前記メタデータを前記複数のプリンタのそれぞれの前記オペレータ制御ユニットに存在するローカルファイル選択機構の中に含めるステップとを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の印刷ファイルを印刷する前記プリンタが、前記第1の印刷ファイルの各部の仕上がりを前記印刷サービスに報告し、前記第1の印刷ファイルのそれぞれの新しい部を印刷することを始めるための許可を前記印刷サービスから獲得し、前記印刷サービスが、前記第1の印刷ファイルの前記メタデータに含まれる部数を参照して前記許可を与える請求項1に記載の方法。
【請求項4】
操作者によるプリンタでの選択に応えて、選択された印刷ファイルの印刷データを前記ストーレッジからフェッチし、前記印刷ファイルを印刷するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
関連するメタデータを有するすべてのプリンタに印刷ファイルのステータス変更を伝えるステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
印刷ファイルのステータス変更が、前記ステータス変更が行われるプリンタによって前記印刷サービスに報告され、前記印刷サービスが、前記関連するメタデータを有するプリンタに対して報告されたステータス変更を伝える請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記プリンタのローカル印刷選択機構を印刷ファイルの報告されたステータス変更に従って更新するステップをさらに含む請求項5に記載の方法。
【請求項8】
ステータス変更が、
前記印刷ファイルの1部に関する印刷プロセスを開始することと、
前記印刷ファイルの1部に関する印刷プロセスを終了することと、
前記印刷ファイルを削除することと、
プリンタの前記オペレータ制御ユニットを使用して操作者が必要な部数を変更することとを含む請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記印刷サービスによって、前記ファイルの前記メタデータを含め、すべての印刷ファイルのリストを前記システム内に維持するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記印刷サービスが、前記ネットワークに接続されたサーバとして実施される請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
それぞれの接続されたプリンタが、その他のプリンタにおけるサーバプロセスに論理接続されたサーバプロセスを備え、前記サーバプロセスが、分散印刷サービスを共同で形成する請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも2つのプリンタにおける調整された同時処理のための印刷ファイルが、前記印刷ファイルを少なくとも2つのプリンタにおける調整された同時処理のための印刷ファイルとして特定するメタデータアイテムを含む請求項1に記載の方法。
【請求項13】
デジタル印刷ファイルが、印刷イメージデータと、印刷されるべき必要な部数などのジョブ情報を指定するメタデータとを含む、デジタル印刷ファイルを印刷するための印刷システムであって、
ローカルメモリと、入力手段およびディスプレイを有するローカル制御ユニットとをそれぞれが備え、対話式印刷を行うように、すなわち、オペレータ制御ユニットを介して印刷ファイルが選択され、印刷コマンドが入力されたときにだけ前記印刷ファイルを印刷するように構成されたファイル選択機構を含む複数のプリンタと、
印刷ファイルを受け取り、前記印刷ファイルをストーレッジの中に記憶し、メタデータを含む前記記憶された印刷ファイル上の情報を複数の前記プリンタに配信するように構成された印刷サービスと、
前記プリンタ、前記印刷サービス、および1つまたは複数のパーソナルワークステーションを互いに接続するためのネットワークとを含み、
前記印刷サービスが、前記プリンタの1つにおいて第1の印刷ファイルに関する印刷プロセスを開始することを許可するように構成され、前記印刷プロセスがアクティブである最中に、前記プリンタの別の1つにおいて前記第1の印刷ファイルに関する対話式印刷プロセスを開始すること、および
前記印刷サービスが、前記印刷ファイルの前記メタデータの中で指定された必要な部数に等しい前記第1の印刷ファイルの合計部数を共同で印刷するように前記第1の印刷ファイルを処理する前記プリンタを制御するように構成されていることを特徴とする印刷システム。
【請求項14】
前記印刷サービスが、
印刷ファイルを受け取るための受信モジュールと、
前記印刷ファイルを記憶するためのストーレッジと、
前記印刷ファイルのメタデータの少なくとも一部を取り出すための取出しモジュールと、
前記取り出されたメタデータを複数の前記プリンタに伝送するための伝送モジュールとを含む請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
プリンタの前記制御ユニットが、印刷ファイルの各部の仕上がりを前記印刷サービスに報告するため、および前記印刷ファイルのそれぞれの新しい部を印刷することを始めるための許可を前記印刷サービスから獲得するための通信モジュールを含む請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記プリンタが、プリンタにおいて操作者によって選択された印刷ファイルの印刷データを前記ストーレッジからフェッチするためのフェッチモジュールをさらに含む請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記印刷サービスが、関連するメタデータを有するすべてのプリンタに対して印刷ファイルのステータス変更を伝えるための通信ユニットをさらに含む請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
ステータス変更が、
前記印刷ファイルの1部に関する印刷プロセスを開始することと、
前記印刷ファイルの1部に関する印刷プロセスを終了することと、
前記印刷ファイルを削除することと、
プリンタの前記オペレータ制御ユニットを使用して操作者が必要な部数を変更することとを含む請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記印刷サービスが、前記ネットワークに接続されたサーバとして実施される請求項13から18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
それぞれの接続されたプリンタが、その他のプリンタにおけるサーバプロセスに論理接続されたサーバプロセスを備え、前記サーバプロセスが、分散印刷サービスを共同で形成する請求項13から18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
コンピュータにおいて実行されたとき、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法を実行するためのコンピュータプログラム。
【請求項22】
機械読取可能な媒体に記憶された請求項21に記載のコンピュータプログラム製品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−152935(P2010−152935A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−85337(P2010−85337)
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【分割の表示】特願2003−293755(P2003−293755)の分割
【原出願日】平成15年8月15日(2003.8.15)
【出願人】(390039435)オセ−テクノロジーズ・ベー・ヴエー (103)
【氏名又は名称原語表記】OCE’−NEDERLAND BESLOTEN VENNOOTSHAP
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−85337(P2010−85337)
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【分割の表示】特願2003−293755(P2003−293755)の分割
【原出願日】平成15年8月15日(2003.8.15)
【出願人】(390039435)オセ−テクノロジーズ・ベー・ヴエー (103)
【氏名又は名称原語表記】OCE’−NEDERLAND BESLOTEN VENNOOTSHAP
【Fターム(参考)】
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