説明

印刷プレートを結合するための感圧性接着剤

【課題】印刷プレートを結合するための感圧性接着剤を提供する。
【解決手段】モノマーのフリーラジカル共重合によって得ることができる少なくとも1つのベースポリマー成分を含む架橋感圧性接着剤2であって、モノマーが、a)アルキル基中に2〜10個のC原子を有する直鎖アクリルエステルと、b)−20℃以下の(DIN53765に関するDSC測定に基づく)ガラス転移温度Tを有する分岐非環状アクリルエステルと、c)8重量%〜15重量%のアクリル酸と、d)任意に、10重量%までのさらなる共重合性モノマーとであり、直鎖アクリルエステルと分岐アクリルエステルとの比が、質量分率で1:6〜10:1の範囲内であることを特徴とする架橋感圧性接着剤2。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直鎖および分岐アクリルエステル、およびまたアクリル酸を共重合することによって得ることができるポリマーをベースとする架橋感圧性接着剤、および可撓性の印刷プレートを結合するためのその種の感圧性接着剤の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷業界では、例えば印刷原版によって紙にデザインを転写するための様々な技法が知られている。1つの可能な技法は、フレキソ印刷として知られている。
【0003】
フレキソ印刷プロセスでは、可撓性の印刷プレートが、印刷シリンダまたは印刷スリーブに結合される。そのようなプレートは、例えば、フォトポリマーの層が塗布されたポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)から構成され、光にさらすことによって、対応する印刷レリーフをそこに写すことができる。この場合、印刷シリンダまたは印刷スリーブへのプレートの結合は、PETフィルムを介して行われる。
【0004】
結合操作のために、両面感圧性接着テープを使用することが一般的であり、このテープは、非常に精密な要件を課される。印刷操作のためには、感圧性接着テープは、ある特定の硬度、またある特定の弾性を有する必要がある。上記の要件に従って、得られる印刷画像が所望の結果となるように、これらの特性を非常に正確に設定しなければならない。同様に、印刷プレートが両面感圧性接着テープから外れないように、または感圧性接着テープがシリンダまたはスリーブから外れないように、結合強度も十分でなければならないので、感圧性接着剤にも同様に精密な要件が課される。これは、40〜60℃の高い温度、および比較的高い印刷速度でさえ当てはまる。しかし、この特性に加えて、感圧性接着剤は、印刷操作後に印刷プレートから再び剥がすことができるように着脱可能な接着特性を有する必要もある(両方の構成要素を再び使用することができることを保証するために、そのような再剥離性に関して、感圧性接着テープを印刷シリンダまたは印刷スリーブに残渣なく接着結合することができるだけでなく、プレートにも残渣なく接着結合することができなければならない)。比較的長期間(6ヶ月まで)にわたる結合の後でさえ、この剥離性が残っている必要がある。さらに、通常は印刷プレートが複数回使用されるので、感圧性接着テープと特に印刷プレートとを、壊れないように、すなわちあまり力を加えずに引き離すことができることが望ましい。さらに、印刷プレートまたはシリンダもしくはスリーブに残渣が残らないようにすべきである。したがって、要するに、この用途に適した両面感圧性接着テープに課される要件は非常に精密である。
【0005】
企図される感圧性接着剤(PSA)には、例えば、欧州特許出願公開第760389A号(特許文献1)に記載されているものなど天然ゴムをベースとするものがある。しかし、上記の使用目的に関して、ポリアクリレートベースのPSAを含む感圧性接着テープも使用される。例えば、国際公開第03/057497A号(特許文献2)に、上記の使用目的のためのブロックコポリマーベースのアクリレートPSAが記載されている。国際公開第2004/067661A号(特許文献3)は、少なくとも49.5重量%の範囲の軟性アクリルモノマー(T<−30℃)、少なくとも10重量%の範囲の少なくとも1つの硬性、環状、または直鎖(メタ)アクリルエステルモノマー(T≧30℃)、およびまた少なくとも0.5重量%の範囲の官能化硬性(メタ)アクリル酸/エステルモノマー(T≧30℃)をベースとするPSAを特徴とする感圧性接着テープを開示し、このPSAは、2段階のプロセスで調製される。アクリル酸を含む上記の成分の最後のものは、10重量%までの分率で存在してよいことが報告されている。しかし、この成分がアクリル酸として選択される場合に、所要の感圧性接着特性を保ちながら、対応する高い分率でこの成分をどのようにして共重合することができるか、またはアクリル酸の分率が感圧性接着特性にどの程度の影響を及ぼすかについては教示されていない。それに応じて、与えられている例はすべて、所要の使用特性に対する硬性モノマーの効果の予想(これについては以下を参照のこと)に対応して、PSA中でわずか2重量%のアクリル酸分率を示す。得られる材料の耐溶剤性は扱われていない。
【0006】
しかし、従来技術から知られているPSAには、ある問題が伴う。それらのPSAは、実際、使用時に高い信頼性で印刷シリンダおよび印刷スリーブに印刷プレートを結合するのに非常に良く適しており、その後の良好な再剥離性も有するが、それにもかかわらず、結合された接合部に浸入することがある溶剤と接触して接着結合の不良が生じる。これは、特に、プリンタのインクを除去するために、結合された印刷プレートを洗浄すべきときに当てはまる。これを行う通常の技法は、プレートからインクを洗浄して落とすために、インク自体のための溶剤としても働く溶剤を大量に使用することである。しかし、そのような操作では、感圧性接着テープに対するプレートの結合の縁部がゆがむことは避けられない。これにより、感圧性接着テープの接着剤がプレートに対する所要の接着性を失うので、プレートが剥がれる。それにより生じるフラップは、実際に印刷装置内でのプレート・フラップに関わる機械的な問題、すなわちシステム故障を引き起こさない場合には、印刷インクがこすり付くことにより、さらなる印刷動作を妨げる。したがって、実用上、従来技術の接着剤を用いて取り付けられた印刷プレートは、片面感圧性接着テープによって、または液体接着剤もしくはホットメルト接着剤によってプレート縁部を封止することによって溶剤から保護しなければならない。この追加の封止操作には、かなりの余分な出費および労力がかかり、特に液体またはホットメルト接着剤が使用されるときには、取外しの際に高価な印刷プレートを傷付けるおそれがある。
【0007】
したがって、従来技術で提示される欠点を有さず、プレート縁部をさらに封止せずに上述した用法を実現する感圧性接着剤を開発する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許出願公開第760389A号
【特許文献2】国際公開第03/057497A号
【特許文献3】国際公開第2004/067661A号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、溶剤の影響下でさえ、特にPET(ポリエチレンテレフタレート)への効果的で確実な結合を保証し、それでも、長期間の後でさえ再剥離できる感圧性接着剤を提供することである。好ましくは、その感圧性接着剤は、特に印刷プレートの結合に適しており、その際、印刷プレートは、溶剤の影響下で縁部が浮き上がる傾向がない、またはかなり小さい。
【0010】
驚くべきことに、少なくとも8重量%のアクリル酸分率を有し、また、規定の比の共重合される直鎖アクリルエステルと分岐非環状アクリルエステルとを有する感圧性接着剤によって、この目的を実現することができた。
【0011】
感圧性接着剤は、特に、(必要であれば、例えば粘着付与樹脂などさらなる成分を適切に添加することによって)使用温度で(特に規定しない限り、室温で)永久粘着性があり、また永久接着性があり、かつ複数の基板に対して、接触するとすぐに接着する、特に瞬間接着性(「タック」と呼ばれる)をもって接着するポリマー材料である。それらの感圧性接着剤は、使用温度でさえ、溶剤または熱によっては活性化せず、通常はいくらかの圧力の影響によって、結合を行う対象の基板を濡らすことができ、材料と基板との間で接着に十分な相互作用が生じるのに十分な程度まで濡らす。この目的に重要な影響パラメータとしては、圧力および接触時間が挙げられる。特に、PSAの特別な特性は、とりわけそれらの粘弾性特性に起因する。
【0012】
原則的には、PSAは、様々な化学的種類のポリマーをベースとして調製することができる。感圧性接着特性は、PSAのベースとなるポリマーを重合するのに使用されるモノマーの特性および比率と、それらの平均モル質量およびモル質量分布と、PSAへの添加剤、例えば粘着付与樹脂や可塑剤等の特性および量とを含めた因子によって影響を受ける。
【0013】
粘弾性特性を得るために、PSAの親ポリマーのベースとなるモノマー、また存在するPSAの任意のさらなる成分は、特に、PSAが使用温度未満(すなわち、通常は室温未満)のガラス転移温度Tを有するように選択される(ここで、ガラス転移温度は、通常は擬似定常状態下で、有利には示差走査熱量測定法(DSC)によって決定される;DIN53765。特に指示がない限り、本明細書では、ガラス転移温度は、DIN53765での測定に関連する)。
【0014】
ガラス転移温度Tよりも低い温度では、PSAは、脆性弾性(ガラス状アモルファス、または部分結晶性)挙動を示す。ここでは、感圧性接着挙動が生じる可能性はない。ガラス転移温度Tよりも高い温度では、材料は、それらの組成に従って温度の増加に伴って多かれ少なかれ軟化し、特定の温度範囲内で感圧性接着特性に適した粘性値を取り、その後、さらに高温では非常に高い移動性になり、それでも(それらが事前に分解されない限り)感圧性接着特性を有する。
【0015】
PSAとしての適合性に関する別の基準は、粘着性基準である。ポリマー材料は、結合時に接着をもたらすことができ、かつボンドラインから流れないように、十分な粘着性を有さなければならない。例えば、架橋反応(高分子間に橋を架けるリンクの形成)など適切な粘着性向上手段によって、ポリマー材料が感圧性接着特性を示す温度範囲を調節する、拡大する、および/またはシフトすることができる。したがって、PSAの使用範囲は、材料の流動性と粘着性との間で調節することによって最適化することができる。
【0016】
アクリル酸は、「硬性」コモノマーである。すなわち、材料中のアクリル酸の分率が高ければ高いほど、予想されるコモノマーのガラス転移温度が高くなる。これは、PSA用のベースポリマーとしてのコポリマーの適合性、および特にPSAの取付挙動に対して比較的大きな影響をもつ。本明細書において、取付挙動とは、特に、接着テープが対象の感圧性接着層によって基板に結合されるときの瞬間接着性を表す。したがって、良好な取付挙動の場合、効果的で信頼性の高い接着を行うために、弱い力で短時間だけ圧着すればよい。
【0017】
非常に大量のアクリル酸の共重合により、使用温度(すなわち特に室温)に非常に近い、さらには使用温度を超えるほどの高いコポリマーのガラス転移温度の範囲に容易に達し、そのため、PSAに関するベースポリマーとして使用することはできない。
【0018】
コモノマーのガラス転移温度を再び戻すために、さらなるコモノマーとして軟性モノマー、すなわちガラス転移温度が低いモノマーを使用することによって、この効果を補償する試みが成されている。
【0019】
コモノマーのガラス転移温度の計算に関して、従来技術では、Foxの式(E1)を使用できる可能性が述べられている(T.G.Fox、Bull.Am.Phys.Soc.1(1956)123)参照)
【0020】
【数1】

式(E1)で、nは、使用されるモノマーの通し番号を表し、wは、それぞれのモノマーnの質量分率(重量%)を表し、Tg,nは、それぞれのモノマーnのホモポリマーのそれぞれのガラス転移温度を単位Kで表す。
【0021】
これは、ガラス転移温度が、各場合に使用されるコモノマーの質量分率の直接的な関数として変化することを示す。したがって、この式によれば、対応するホモポリマーが最低のガラス転移温度を有するようなモノマーとのみアクリル酸を共重合させることによって、ガラス転移温度のさらなる減少を実現することができ、それにより最良の取付挙動を有するコモノマーを得られると当業者は予想されよう。効果的な取付挙動とは、本明細書においては、接着テープにプレートが取り付けられる(両面接着テープは、他方の接着面で印刷シリンダまたは印刷スリーブ、すなわち湾曲した表面にも結合される)ときの効果的な瞬間接着性を表す。したがって、弱い力で短時間だけ圧着すれば、接着剤テープにプレートが効果的に接着する。
【0022】
驚くべきことに、予想される効果は、現実を十分には表していないことが判明した。多量のアクリル酸を有するコポリマーは、さらなるコモノマーとして少なくとも1つの直鎖「軟性」アクリルエステルおよび少なくとも1つの分枝「軟性」アクリルエステルが有意な質量分率で存在するときに、最良の取付挙動を示すことが観察された。
【0023】
ポリマー系内でアクリル酸分率を増加させ、それでも良好な取付特性を有することにより、印刷シリンダおよび印刷スリーブに印刷プレートを良好に結合するPSAシステムを提供することができ、このPSAシステムは、比較的多量の溶剤の影響下でさえ、縁部が浮き上がる傾向を示さず、またはその傾向が非常に小さく、それにもかかわらず優れた再剥離性を有し、これは、長期間の結合の後でさえ、結合された基板にPSAの残渣を残さずに、(典型的には結合操作のために使用される接着テープの層としての)PSA層を印刷プレートから取り外すことができることを意味する。
【課題を解決するための手段】
【0024】
したがって、主クレームは、1つまたは複数のベースポリマー成分を含む架橋感圧性接着剤であって、(1つまたは複数の)ベース成分を、モノマーのフリーラジカル共重合によって得ることができ、該モノマーが、
a)アルキル基中に2〜10個のC原子を有する直鎖アクリルエステルと、
b)−20℃以下の(DIN53765に関するDSC測定に基づく)ガラス転移温度Tを有する分岐非環状アクリルエステルと、
c)8重量%〜15重量%のアクリル酸と、
d)10重量%未満のさらなる共重合性モノマーとであり、
本発明によれば、直鎖アクリルエステルと分岐アクリルエステルとの比が、質量分率で1:6〜10:1の範囲内である架橋感圧性接着剤を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の1つの特に好ましい実施形態では、PSAがただ1つのベースポリマー成分を含み、特に有利には、ベースポリマー成分が成分a)〜c)に限定され、それにより、ベースポリマー成分は、上記の質量分率での、アルキル基中に2〜14個のC原子を有する直鎖アクリルエステル、−20℃以下のガラス転移温度Tを有する分岐非環状アクリルエステル、およびアクリル酸以外のさらなる共重合モノマーをベースとしない。
【0026】
本発明のPSAの1つの特徴は、上記のもの以外の成分およびコモノマー(特に可塑化するもの)を伴わないことである。したがって、例えば、環状の炭化水素構成ブロックを有するコモノマーを完全になくすことができる。
【0027】
アルキル基中に2〜10個のC原子を有する直鎖アクリルエステルは、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘプチルアクリレート、n−オクチルアクリレート,n−ノニルアクリレート、およびn−デシルアクリレートである。
【0028】
−20℃以下のガラス転移温度T(DIN53765によるDSC測定に基づく)を有する分岐非環状アクリルエステルは、ホモポリマーが−20℃以下のガラス転移温度Tを有するアクリルエステルである。この種の分岐非環状アクリルエステルとして、2−エチルヘキシルアクリレート(EHA)、2−プロピルヘプチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソブチルアクリレート、イソアミルアクリレート、および/またはイソデシルアクリレートからなる群から選択されるアクリル酸のC4〜C12アルキルエステルを使用することが好ましい。
【0029】
本発明によれば、分岐非環状アクリルエステルとして、2−エチルヘキシルアクリレート(EHA)、2−プロピルヘプチルアクリレート、および/またはイソオクチルアクリレート(より正確には、一価イソオクタノールの混合物、すなわちイソヘプテン混合物からヒドロホルミル化およびその後の水素化によって得ることができるアルコールから誘導することができるアルコール成分を有するアクリルエステル)を使用すると特に有利であることが判明している。
【0030】
非常に好ましいPSAは、種類a)からの正確に1つのモノマーと、種類b)からの1つのモノマーと、アクリル酸とからベースポリマーが誘導されるものであり、特に好ましくは、種類a)からのモノマーとしてブチルアクリレート、種類b)からのモノマーとして2−エチルヘキシルアクリレートが選択される。
【0031】
ベースポリマー成分中のアクリル酸の分率は、所望の使用範囲内での適合性を調節する優れた手段を提供する。アクリル酸分率が上がるにつれて、低温での(室温よりも低い温度での)取付挙動の質が低下するが、溶剤の影響下での縁部の浮き上がり(edge lifting)に関する質(以下では耐溶剤性と定義する;試験方法2:耐溶剤性によって定量化可能)は高まる。
【0032】
7重量%〜10重量%、好ましくは少なくとも9重量%のアクリル酸分率が、依然として非常に良好な取付挙動を示し、低温(室温よりも低い温度;ここでは、例えば15℃)での十分な耐溶剤性を示す。直鎖アクリルエステル(例えば、ブチルアクリレート)と分岐非環状アクリルエステル(例えば、2−エチルヘキシルアクリレート)との比を変えずに、アクリル酸分率が少なくとも10%まで増加された場合、縁部の浮き上がり挙動をさらに改善することができ、しかし取付挙動は低温で低下し、それでも室温付近およびそれよりも上の温度では依然として優れている。したがって、例えば、11重量%のアクリル酸の場合、低い温度(例えば15℃)での十分な取付挙動、および良好な耐溶剤性が依然として見られる。低温での組立挙動がそれほど重要でない場合、アクリル酸分率を例えば12重量%(低温で依然として十分な組立挙動)または13重量%(特に、高い温度での組立てのため)までさらに増加させることによって、優れた耐溶剤性を観察することができる。
【0033】
任意に、10重量%までの量で使用されるさらなる共重合性モノマーとして、特に限定せずに、当業者に知られているC=C二重結合を含むすべてのフリーラジカル重合性モノマーまたはモノマー混合物を使用することができる。これに関して例として挙げられるモノマーは、以下のものを含む。
メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、sec−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、tert−ブチルフェニルアクリレート、tert−ブチルフェニルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、ラウリルアクリレート、n−ウンデシルアクリレート、ステアリルアクリレート、トリデシルアクリレート、ベヘニルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロペンチルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、2−ブトキシエチルアクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシルアクリレート、3,5−ジメチルアダマンチルアクリレート、4−クミルフェニルメタクリレート、シアノエチルアクリレート、シアノエチルメタクリレート、4−ビフェニリルアクリレート、4−ビフェニリルメタクリレート、2−ナフチルアクリレート、2−ナフチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、無水マレイン酸、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート、アリルアルコール、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ブトキシエチルアクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、メチル3−メトキシアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、ブチルジグリコールメタクリレート、エチレングリコールアクリレート、エチレングリコールモノメチルアクリレート、メトキシ−ポリエチレングリコールメタクリレート350、メトキシ−ポリエチレングリコールメタクリレート500、プロピレングリコールモノメタクリレート、ブトキシジエチレングリコールメタクリレート、エトキシトリエチレングリコールメタクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルアクリレート、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N−(1−メチルウンデシル)アクリルアミド、N−(n−ブトキシメチル)アクリルアミド、N(ブトキシメチル)メタクリルアミド、N−(エトキシメチル)アクリルアミド、N−(n−オクタデシル)アクリルアミドおよびまたN,N−ジアルキル−置換アミド、例えばN,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−tert−オクチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルエーテル、例えばビニルメチルエーテル、エチルビニルエーテル、およびビニルイソブチルエーテル、ビニルエステル、例えば酢酸ビニル、塩化ビニル、ハロゲン化ビニル、塩化ビニリデン、ハロゲン化ビニリデン、ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルフタルイミド、N−ビニルラクタム、N−ビニルピロリドン、スチレン、α−およびp−メチルスチレン、α−ブチルスチレン、4−n−ブチルスチレン、4−n−デシルスチレン、3,4−ジメトキシスチレン、マクロモノマー、例えば、2−ポリスチレン−エチルメタクリレート(4000〜13000g/molの分子量MW)、ポリ(メチルメタクリレート)−エチルメタクリレート(MW2000〜8000g/mol)。
【0034】
例として挙げたモノマーは、有利には、(例えば電子ビーム、UVによる)後続の放射線架橋に対応する官能基を含むように選択することができる。
【0035】
さらに、直鎖アクリルエステルと分岐非環状アクリルエステルとの比を変えるとき、直鎖アクリルエステル成分または分岐アクリルエステル成分の小さな分率は受け入れられなくなることが判明している。これは、低温での取付挙動が不十分になり、室温でさえ良好な値を取らなくなるからである。
【0036】
本発明によれば、室温以上で十分な取付挙動を保証するためには、直鎖アクリルエステルと分岐アクリルエステルとの比が、質量分率で1:5〜9:1の範囲内、好ましくは1:3〜5:1の範囲内、特に1:2〜4:1の範囲内である。
【0037】
直鎖アクリルエステルと分岐アクリルエステルとの比が質量分率で1.5:1〜3.5:1、特に2:1〜3:1の範囲内であると、依然として低温(例えば15℃)の場合でさえ最良の取付挙動が見られるので特に好ましい。このとき、この種のPSAは、低温範囲でも依然として良好に使用することができる。
【0038】
また、上記の項目(アクリル酸分率、成分同士の比)は、原則的には、本発明により有利なものとして提示される他の直鎖アクリルエステルおよび分岐非環状アクリルエステルにも当てはまる。
【0039】
本発明のPSAの1つの有利な実施形態では、ベースポリマー成分は、PSAの少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも98重量%であり、あるいは、2つ以上のベースポリマーが存在する場合には、総計でのベースポリマー成分が、PSAの少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも98重量%である。1つの特に有利な実施形態では、PSAは、1つまたは複数の架橋ベースポリマー成分から独占的に構成される。
【0040】
PSAの架橋は、使用時の粘着不良、すなわち接着剤の層内部での断裂などを防止する。この架橋は、当業者にそれ自体よく知られている方法に従って達成することができる。
【0041】
高いアクリル酸分率により、PSAは、高い分率の極性基を有する。したがって、特に例えばポリエチレンテレフタレートなどの極性表面上で、極間相互作用により、時間とともにPSAの一部で剥離が強まることが予想され、これは、通常は、基板への結合の強化をもたらし、したがって容易に再剥離できなくなる。しかし、驚くべきことに、比較的長期間の結合の後でさえ、このPSAは、依然として簡単に残渣なく印刷プレートから引き離すことができ、したがって、この要件にも本発明のPSAが申し分なく適合する。
【0042】
さらに、本発明は、感圧性接着剤の2つの外層を有する両面接着テープを提供し、そのうち、少なくとも印刷プレートを結合する働きをする層が、本発明の感圧性接着剤によって実現される。この接着テープの構成は、その他の点では、例えば、図1における国際公開第2004/067661A号で示される種類の従来技術のものと同じであってよい(該特許文献の16頁35行以下の関連の説明も参照のこと)。しかし、特に、印刷シリンダまたは印刷スリーブに印刷プレートを結合するための従来技術から知られている種類の他の接着テープ設計も、本発明に従って実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】国際公開第2004/067661A号で示される接着テープの構成
【実施例】
【0044】
以下の本文の目的は、説明する実験の選択によって本発明の主題を不要に限定することは意図せずに、実験に基づいて本発明のPSAの利点を提示することである。
【0045】
サンプルの製造:
例1
フリーラジカル重合に慣用されている2Lガラス製反応器に、20.0gのアクリル酸、99.2gの2−エチルヘキシルアクリレート、280.8gのブチルアクリレート、150.0gのアセトン、および150.0gの特殊沸点スピリット60/95を装入した。そこに、45分間、撹拌しながら窒素ガスを通した後、反応器を58℃に加熱し、10gのアセトン中の0.16gの2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル)(Vazo67、DuPont社製)を添加した。その後、外部加熱浴を75℃に加熱し、一定の気化冷却(外部温度75℃)下で反応を行った。1時間の反応時間の後、10gのアセトン中の0.24gの2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル)(Vazo67、DuPont社製)を添加した。3時間後、バッチを、45gのアセトンおよび45gの特殊沸点スピリット60/95で希釈した。5時間30分の反応時間の後、10gのアセトン中の0.60gのビス(4−tert−ブチルシクロヘキサニル)ペルオキシジカーボネート(Perkadox16、Akzo Nobel社製)を添加した。7時間の反応時間の後、10gのアセトン中の0.60gのビス(4−tert−ブチルシクロヘキサニル)ペルオキシジカーボネート(Perkadox16、Akzo Nobel社製)を添加した。10時間の反応時間の後、バッチを、45gのアセトンおよび45gの特殊沸点スピリット60/95で希釈した。24時間の反応時間の後、反応を中止し、バッチを室温まで冷却した。
【0046】
その後、このポリマーを、アセトンと特殊沸点スピリット60/95との1:1混合物で、30%の固体含有量まで希釈し、1gのアルミニウム(III)アセチルアセトネートと混合した。得られたPSAの特性を、両面接着剤アセンブリにおいて評価した。
【0047】
例2
フリーラジカル重合用の慣用の2Lガラス製反応器に、28.0gのアクリル酸、97.2gの2−エチルヘキシルアクリレート、274.8gのブチルアクリレート、150.0gのアセトン、および150.0gの特殊沸点スピリット60/95を装入した。そこに、45分間、撹拌しながら窒素ガスを通した後、反応器を58℃に加熱し、10gのアセトン中の0.16gの2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル)(Vazo67、DuPont社製)を添加した。その後、外部加熱浴を75℃に加熱し、一定の気化冷却(外部温度75℃)下で反応を行った。1時間の反応時間の後、10gのアセトン中の0.24gの2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル)(Vazo67、DuPont社製)を添加した。3時間後、バッチを、45gのアセトンおよび45gの特殊沸点スピリット60/95で希釈した。5時間30分の反応時間の後、10gのアセトン中の0.60gのビス(4−tert−ブチルシクロヘキサニル)ペルオキシジカーボネート(Perkadox16、Akzo Nobel社製)を添加した。7時間の反応時間の後、10gのアセトン中の0.60gのビス(4−tert−ブチルシクロヘキサニル)ペルオキシジカーボネート(Perkadox16、Akzo Nobel社製)を添加した。10時間の反応時間の後、バッチを、45gのアセトンおよび45gの特殊沸点スピリット60/95で希釈した。24時間の反応時間の後、反応を中止し、バッチを室温まで冷却した。
【0048】
その後、このポリマーを、アセトンと特殊沸点スピリット60/95との1:1混合物で、30%の固体含有量まで希釈し、1gのアルミニウム(III)アセチルアセトネートと混合した。得られたPSAの特性を、両面接着剤アセンブリにおいて評価した。
【0049】
例3
フリーラジカル重合用の慣用の2Lガラス製反応器に、36.0gのアクリル酸、95.2gの2−エチルヘキシルアクリレート、268.8gのブチルアクリレート、150.0gのアセトン、および150.0gの特殊沸点スピリット60/95を装入した。そこに、45分間、撹拌しながら窒素ガスを通した後、反応器を58℃に加熱し、10gのアセトン中の0.16gの2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル)(Vazo67、DuPont社製)を添加した。その後、外部加熱浴を75℃に加熱し、一定の気化冷却(外部温度75℃)下で反応を行った。1時間の反応時間の後、10gのアセトン中の0.24gの2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル)(Vazo67、DuPont社製)を添加した。3時間後、バッチを、45gのアセトンおよび45gの特殊沸点スピリット60/95で希釈した。5時間30分の反応時間の後、10gのアセトン中の0.60gのビス(4−tert−ブチルシクロヘキサニル)ペルオキシジカーボネート(Perkadox16、Akzo Nobel社製)を添加した。7時間の反応時間の後、10gのアセトン中の0.60gのビス(4−tert−ブチルシクロヘキサニル)ペルオキシジカーボネート(Perkadox16、Akzo Nobel社製)を添加した。10時間の反応時間の後、バッチを、45gのアセトンおよび45gの特殊沸点スピリット60/95で希釈した。24時間の反応時間の後、反応を中止し、バッチを室温まで冷却した。
【0050】
その後、このポリマーを、アセトンと特殊沸点スピリット60/95との1:1混合物で、30%の固体含有量まで希釈し、1gのアルミニウム(III)アセチルアセトネートと混合した。得られたPSAの特性を、両面接着剤アセンブリにおいて評価した。
【0051】
例4
フリーラジカル重合用の慣用の2Lガラス製反応器に、44.0gのアクリル酸、93.2gの2−エチルヘキシルアクリレート、254.8gのブチルアクリレート、150.0gのアセトン、および150.0gの特殊沸点スピリット60/95を装入した。そこに、45分間、撹拌しながら窒素ガスを通した後、反応器を58℃に加熱し、10gのアセトン中の0.16gの2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル)(Vazo67、DuPont社製)を添加した。その後、外部加熱浴を75℃に加熱し、一定の気化冷却(外部温度75℃)下で反応を行った。1時間の反応時間の後、10gのアセトン中の0.24gの2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル)(Vazo67、DuPont社製)を添加した。3時間後、バッチを、45gのアセトンおよび45gの特殊沸点スピリット60/95で希釈した。5時間30分の反応時間の後、10gのアセトン中の0.60gのビス(4−tert−ブチルシクロヘキサニル)ペルオキシジカーボネート(Perkadox16、Akzo Nobel社製)を添加した。7時間の反応時間の後、10gのアセトン中の0.60gのビス(4−tert−ブチルシクロヘキサニル)ペルオキシジカーボネート(Perkadox16、Akzo Nobel社製)を添加した。10時間の反応時間の後、バッチを、45gのアセトンおよび45gの特殊沸点スピリット60/95で希釈した。24時間の反応時間の後、反応を中止し、バッチを室温まで冷却した。
【0052】
その後、このポリマーを、アセトンと特殊沸点スピリット60/95との1:1混合物で、30%の固体含有量まで希釈し、1gのアルミニウム(III)アセチルアセトネートと混合した。得られたPSAの特性を、両面接着剤アセンブリにおいて評価した。
【0053】
例5
フリーラジカル重合用の慣用の2Lガラス製反応器に、48.0gのアクリル酸、92.0gの2−エチルヘキシルアクリレート、260.0gのブチルアクリレート、150.0gのアセトン、および150.0gの特殊沸点スピリット60/95を装入した。そこに、45分間、撹拌しながら窒素ガスを通した後、反応器を58℃に加熱し、10gのアセトン中の0.16gの2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル)(Vazo67、DuPont社製)を添加した。その後、外部加熱浴を75℃に加熱し、一定の気化冷却(外部温度75℃)下で反応を行った。1時間の反応時間の後、10gのアセトン中の0.24gの2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル)(Vazo67、DuPont社製)を添加した。3時間後、バッチを、45gのアセトンおよび45gの特殊沸点スピリット60/95で希釈した。5時間30分の反応時間の後、10gのアセトン中の0.60gのビス(4−tert−ブチルシクロヘキサニル)ペルオキシジカーボネート(Perkadox16、Akzo Nobel社製)を添加した。7時間の反応時間の後、10gのアセトン中の0.60gのビス(4−tert−ブチルシクロヘキサニル)ペルオキシジカーボネート(Perkadox16、Akzo Nobel社製)を添加した。10時間の反応時間の後、バッチを、45gのアセトンおよび45gの特殊沸点スピリット60/95で希釈した。24時間の反応時間の後、反応を中止し、バッチを室温まで冷却した。
【0054】
その後、このポリマーを、アセトンと特殊沸点スピリット60/95との1:1混合物で、30%の固体含有量まで希釈し、1gのアルミニウム(III)アセチルアセトネートと混合した。得られたPSAの特性を、両面接着剤アセンブリにおいて評価した。
【0055】
例6
フリーラジカル重合用の慣用の2Lガラス製反応器に、52.0gのアクリル酸、90.8gの2−エチルヘキシルアクリレート、257.2gのブチルアクリレート、150.0gのアセトン、および150.0gの特殊沸点スピリット60/95を装入した。そこに、45分間、撹拌しながら窒素ガスを通した後、反応器を58℃に加熱し、10gのアセトン中の0.16gの2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル)(Vazo67、DuPont社製)を添加した。その後、外部加熱浴を75℃に加熱し、一定の気化冷却(外部温度75℃)下で反応を行った。1時間の反応時間の後、10gのアセトン中の0.24gの2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル)(Vazo67、DuPont社製)を添加した。3時間後、バッチを、45gのアセトンおよび45gの特殊沸点スピリット60/95で希釈した。5時間30分の反応時間の後、10gのアセトン中の0.60gのビス(4−tert−ブチルシクロヘキサニル)ペルオキシジカーボネート(Perkadox16、Akzo Nobel社製)を添加した。7時間の反応時間の後、10gのアセトン中の0.60gのビス(4−tert−ブチルシクロヘキサニル)ペルオキシジカーボネート(Perkadox16、Akzo Nobel社製)を添加した。10時間の反応時間の後、バッチを、45gのアセトンおよび45gの特殊沸点スピリット60/95で希釈した。24時間の反応時間の後、反応を中止し、バッチを室温まで冷却した。
【0056】
その後、このポリマーを、アセトンと特殊沸点スピリット60/95との1:1混合物で、30%の固体含有量まで希釈し、1gのアルミニウム(III)アセチルアセトネートと混合した。得られたPSAの特性を、両面接着剤アセンブリにおいて評価した。
【0057】
例7
フリーラジカル重合用の慣用の2Lガラス製反応器に、48.0gのアクリル酸、352.0gの2−エチルヘキシルアクリレート、150.0gのアセトン、および150.0gの特殊沸点スピリット60/95を装入した。そこに、45分間、撹拌しながら窒素ガスを通した後、反応器を58℃に加熱し、10gのアセトン中の0.16gの2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル)(Vazo67、DuPont社製)を添加した。その後、外部加熱浴を75℃に加熱し、一定の気化冷却(外部温度75℃)下で反応を行った。1時間の反応時間の後、10gのアセトン中の0.24gの2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル)(Vazo67、DuPont社製)を添加した。3時間後、バッチを、45gのアセトンおよび45gの特殊沸点スピリット60/95で希釈した。5時間30分の反応時間の後、10gのアセトン中の0.60gのビス(4−tert−ブチルシクロヘキサニル)ペルオキシジカーボネート(Perkadox16、Akzo Nobel社製)を添加した。7時間の反応時間の後、10gのアセトン中の0.60gのビス(4−tert−ブチルシクロヘキサニル)ペルオキシジカーボネート(Perkadox16、Akzo Nobel社製)を添加した。10時間の反応時間の後、バッチを、45gのアセトンおよび45gの特殊沸点スピリット60/95で希釈した。24時間の反応時間の後、反応を中止し、バッチを室温まで冷却した。
【0058】
その後、このポリマーを、アセトンと特殊沸点スピリット60/95との1:1混合物で、30%の固体含有量まで希釈し、1gのアルミニウム(III)アセチルアセトネートと混合した。得られたPSAの特性を、両面接着剤アセンブリにおいて評価した。
【0059】
例8
フリーラジカル重合用の慣用の2Lガラス製反応器に、48.0gのアクリル酸、292.0gの2−エチルヘキシルアクリレート、60.0gのブチルアクリレート、150.0gのアセトン、および150.0gの特殊沸点スピリット60/95を装入した。そこに、45分間、撹拌しながら窒素ガスを通した後、反応器を58℃に加熱し、10gのアセトン中の0.16gの2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル)(Vazo67、DuPont社製)を添加した。その後、外部加熱浴を75℃に加熱し、一定の気化冷却(外部温度75℃)下で反応を行った。1時間の反応時間の後、10gのアセトン中の0.24gの2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル)(Vazo67、DuPont社製)を添加した。3時間後、バッチを、45gのアセトンおよび45gの特殊沸点スピリット60/95で希釈した。5時間30分の反応時間の後、10gのアセトン中の0.60gのビス(4−tert−ブチルシクロヘキサニル)ペルオキシジカーボネート(Perkadox16、Akzo Nobel社製)を添加した。7時間の反応時間の後、10gのアセトン中の0.60gのビス(4−tert−ブチルシクロヘキサニル)ペルオキシジカーボネート(Perkadox16、Akzo Nobel社製)を添加した。10時間の反応時間の後、バッチを、45gのアセトンおよび45gの特殊沸点スピリット60/95で希釈した。24時間の反応時間の後、反応を中止し、バッチを室温まで冷却した。
【0060】
その後、このポリマーを、アセトンと特殊沸点スピリット60/95との1:1混合物で、30%の固体含有量まで希釈し、1gのアルミニウム(III)アセチルアセトネートと混合した。得られたPSAの特性を、両面接着剤アセンブリにおいて評価した。
【0061】
例9
フリーラジカル重合用の慣用の2Lガラス製反応器に、48.0gのアクリル酸、236.0gの2−エチルヘキシルアクリレート、116.0gのブチルアクリレート、150.0gのアセトン、および150.0gの特殊沸点スピリット60/95を装入した。そこに、45分間、撹拌しながら窒素ガスを通した後、反応器を58℃に加熱し、10gのアセトン中の0.16gの2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル)(Vazo67、DuPont社製)を添加した。その後、外部加熱浴を75℃に加熱し、一定の気化冷却(外部温度75℃)下で反応を行った。1時間の反応時間の後、10gのアセトン中の0.24gの2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル)(Vazo67、DuPont社製)を添加した。3時間後、バッチを、45gのアセトンおよび45gの特殊沸点スピリット60/95で希釈した。5時間30分の反応時間の後、10gのアセトン中の0.60gのビス(4−tert−ブチルシクロヘキサニル)ペルオキシジカーボネート(Perkadox16、Akzo Nobel社製)を添加した。7時間の反応時間の後、10gのアセトン中の0.60gのビス(4−tert−ブチルシクロヘキサニル)ペルオキシジカーボネート(Perkadox16、Akzo Nobel社製)を添加した。10時間の反応時間の後、バッチを、45gのアセトンおよび45gの特殊沸点スピリット60/95で希釈した。24時間の反応時間の後、反応を中止し、バッチを室温まで冷却した。
【0062】
その後、このポリマーを、アセトンと特殊沸点スピリット60/95との1:1混合物で、30%の固体含有量まで希釈し、1gのアルミニウム(III)アセチルアセトネートと混合した。得られたPSAの特性を、両面接着剤アセンブリにおいて評価した。
【0063】
例10
フリーラジカル重合用の慣用の2Lガラス製反応器に、48.0gのアクリル酸、172.0gの2−エチルヘキシルアクリレート、180.0gのブチルアクリレート、150.0gのアセトン、および150.0gの特殊沸点スピリット60/95を装入した。そこに、45分間、撹拌しながら窒素ガスを通した後、反応器を58℃に加熱し、10gのアセトン中の0.16gの2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル)(Vazo67、DuPont社製)を添加した。その後、外部加熱浴を75℃に加熱し、一定の気化冷却(外部温度75℃)下で反応を行った。1時間の反応時間の後、10gのアセトン中の0.24gの2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル)(Vazo67、DuPont社製)を添加した。3時間後、バッチを、45gのアセトンおよび45gの特殊沸点スピリット60/95で希釈した。5時間30分の反応時間の後、10gのアセトン中の0.60gのビス(4−tert−ブチルシクロヘキサニル)ペルオキシジカーボネート(Perkadox16、Akzo Nobel社製)を添加した。7時間の反応時間の後、10gのアセトン中の0.60gのビス(4−tert−ブチルシクロヘキサニル)ペルオキシジカーボネート(Perkadox16、Akzo Nobel社製)を添加した。10時間の反応時間の後、バッチを、45gのアセトンおよび45gの特殊沸点スピリット60/95で希釈した。24時間の反応時間の後、反応を中止し、バッチを室温まで冷却した。
【0064】
その後、このポリマーを、アセトンと特殊沸点スピリット60/95との1:1混合物で、30%の固体含有量まで希釈し、1gのアルミニウム(III)アセチルアセトネートと混合した。得られたPSAの特性を、両面接着剤アセンブリにおいて評価した。
【0065】
例11
フリーラジカル重合用の慣用の2Lガラス製反応器に、48.0gのアクリル酸、112.0gの2−エチルヘキシルアクリレート、240.0gのブチルアクリレート、150.0gのアセトン、および150.0gの特殊沸点スピリット60/95を装入した。そこに、45分間、撹拌しながら窒素ガスを通した後、反応器を58℃に加熱し、10gのアセトン中の0.16gの2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル)(Vazo67、DuPont社製)を添加した。その後、外部加熱浴を75℃に加熱し、一定の気化冷却(外部温度75℃)下で反応を行った。1時間の反応時間の後、10gのアセトン中の0.24gの2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル)(Vazo67、DuPont社製)を添加した。3時間後、バッチを、45gのアセトンおよび45gの特殊沸点スピリット60/95で希釈した。5時間30分の反応時間の後、10gのアセトン中の0.60gのビス(4−tert−ブチルシクロヘキサニル)ペルオキシジカーボネート(Perkadox16、Akzo Nobel社製)を添加した。7時間の反応時間の後、10gのアセトン中の0.60gのビス(4−tert−ブチルシクロヘキサニル)ペルオキシジカーボネート(Perkadox16、Akzo Nobel社製)を添加した。10時間の反応時間の後、バッチを、45gのアセトンおよび45gの特殊沸点スピリット60/95で希釈した。24時間の反応時間の後、反応を中止し、バッチを室温まで冷却した。
【0066】
その後、このポリマーを、アセトンと特殊沸点スピリット60/95との1:1混合物で、30%の固体含有量まで希釈し、1gのアルミニウム(III)アセチルアセトネートと混合した。得られたPSAの特性を、両面接着剤アセンブリにおいて評価した。
【0067】
例12
フリーラジカル重合用の慣用の2Lガラス製反応器に、48.0gのアクリル酸、72.0gの2−エチルヘキシルアクリレート、280.0gのブチルアクリレート、150.0gのアセトン、および150.0gの特殊沸点スピリット60/95を装入した。そこに、45分間、撹拌しながら窒素ガスを通した後、反応器を58℃に加熱し、10gのアセトン中の0.16gの2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル)(Vazo67、DuPont社製)を添加した。その後、外部加熱浴を75℃に加熱し、一定の気化冷却(外部温度75℃)下で反応を行った。1時間の反応時間の後、10gのアセトン中の0.24gの2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル)(Vazo67、DuPont社製)を添加した。3時間後、バッチを、45gのアセトンおよび45gの特殊沸点スピリット60/95で希釈した。5時間30分の反応時間の後、10gのアセトン中の0.60gのビス(4−tert−ブチルシクロヘキサニル)ペルオキシジカーボネート(Perkadox16、Akzo Nobel社製)を添加した。7時間の反応時間の後、10gのアセトン中の0.60gのビス(4−tert−ブチルシクロヘキサニル)ペルオキシジカーボネート(Perkadox16、Akzo Nobel社製)を添加した。10時間の反応時間の後、バッチを、45gのアセトンおよび45gの特殊沸点スピリット60/95で希釈した。24時間の反応時間の後、反応を中止し、バッチを室温まで冷却した。
【0068】
その後、このポリマーを、アセトンと特殊沸点スピリット60/95との1:1混合物で、30%の固体含有量まで希釈し、1gのアルミニウム(III)アセチルアセトネートと混合した。得られたPSAの特性を、両面接着剤アセンブリにおいて評価した。
【0069】
例13
フリーラジカル重合用の慣用の2Lガラス製反応器に、48.0gのアクリル酸、32.0gの2−エチルヘキシルアクリレート、320.0gのブチルアクリレート、150.0gのアセトン、および150.0gの特殊沸点スピリット60/95を装入した。そこに、45分間、撹拌しながら窒素ガスを通した後、反応器を58℃に加熱し、10gのアセトン中の0.16gの2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル)(Vazo67、DuPont社製)を添加した。その後、外部加熱浴を75℃に加熱し、一定の気化冷却(外部温度75℃)下で反応を行った。1時間の反応時間の後、10gのアセトン中の0.24gの2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル)(Vazo67、DuPont社製)を添加した。3時間後、バッチを、45gのアセトンおよび45gの特殊沸点スピリット60/95で希釈した。5時間30分の反応時間の後、10gのアセトン中の0.60gのビス(4−tert−ブチルシクロヘキサニル)ペルオキシジカーボネート(Perkadox16、Akzo Nobel社製)を添加した。7時間の反応時間の後、10gのアセトン中の0.60gのビス(4−tert−ブチルシクロヘキサニル)ペルオキシジカーボネート(Perkadox16、Akzo Nobel社製)を添加した。10時間の反応時間の後、バッチを、45gのアセトンおよび45gの特殊沸点スピリット60/95で希釈した。24時間の反応時間の後、反応を中止し、バッチを室温まで冷却した。
【0070】
その後、このポリマーを、アセトンと特殊沸点スピリット60/95との1:1混合物で、30%の固体含有量まで希釈し、1gのアルミニウム(III)アセチルアセトネートと混合した。得られたPSAの特性を、両面接着剤アセンブリにおいて評価した。
【0071】
例14
フリーラジカル重合用の慣用の2Lガラス製反応器に、48.0gのアクリル酸、352.0gのブチルアクリレート、150.0gのアセトン、および150.0gの特殊沸点スピリット60/95を装入した。そこに、45分間、撹拌しながら窒素ガスを通した後、反応器を58℃に加熱し、10gのアセトン中の0.16gの2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル)(Vazo67、DuPont社製)を添加した。その後、外部加熱浴を75℃に加熱し、一定の気化冷却(外部温度75℃)下で反応を行った。1時間の反応時間の後、10gのアセトン中の0.24gの2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル)(Vazo67、DuPont社製)を添加した。3時間後、バッチを、45gのアセトンおよび45gの特殊沸点スピリット60/95で希釈した。5時間30分の反応時間の後、10gのアセトン中の0.60gのビス(4−tert−ブチルシクロヘキサニル)ペルオキシジカーボネート(Perkadox16、Akzo Nobel社製)を添加した。7時間の反応時間の後、10gのアセトン中の0.60gのビス(4−tert−ブチルシクロヘキサニル)ペルオキシジカーボネート(Perkadox16、Akzo Nobel社製)を添加した。10時間の反応時間の後、バッチを、45gのアセトンおよび45gの特殊沸点スピリット60/95で希釈した。24時間の反応時間の後、反応を中止し、バッチを室温まで冷却した。
【0072】
その後、このポリマーを、アセトンと特殊沸点スピリット60/95との1:1混合物で、30%の固体含有量まで希釈し、1gのアルミニウム(III)アセチルアセトネートと混合した。得られたPSAの特性を、両面接着剤アセンブリにおいて評価した。
【0073】
比較例R1:合成ゴムPSA
20重量部のKraton(登録商標)D1118(スチレン/ブタジエン/スチレントリブロックコポリマー、ジブロック約76重量%、ブロックポリスチレン含有量:31重量%、Kraton Polymer社製)、40重量部のKraton(登録商標)D1101(スチレン/ブタジエン/スチレントリブロックコポリマー、ジブロック約18重量%、ブロックポリスチレン含有量:31重量%、Kraton Polymer社製)、30重量部のDercolyte(登録商標)A115(α−ピネン樹脂、軟化温度:約115℃、DRT社製)、および10重量部のWingtack(登録商標)10(液状炭化水素樹脂、Goodyear社製)を、トルエンとベンゼンとの50:50混合物中に溶解し、40%の固体含有量にした。老化防止剤として、0.5部のIrganox(登録商標)1010(立体障害フェノール;Ciba Additive社製)を添加し、UV吸収剤として、0.5部のTinuvin(登録商標)P(市販のUV吸収剤、Ciba Additive社製)を添加した。得られたPSAの特性を、両面接着剤アセンブリにおいて評価した。
【0074】
比較例R2:国際公開第2004/067661A号の例1に対応するPSA
フリーラジカル重合用の慣用の2Lガラス製反応器に、8gのアクリル酸、272gの2−エチルヘキシルアクリレート、120gのイソボルニルアクリレート、および266gの1:1のアセトン:特殊沸点スピリット60/95を装入した。そこに、45分間、撹拌しながら窒素ガスを通した後、反応器を58℃に加熱し、10gのアセトン中の0.2gのアゾイソブチロニトリル(AIBN、Vazo64(商標)、DuPont社製)を添加した。その後、外部加熱浴を75℃に加熱し、一定の気化冷却(外部温度75℃)下で反応を行った。1時間の反応時間の後、アセトンの10g中に溶解したさらなる0.2gのAIBNを添加した。5時間の反応時間後、10gのアセトン中の0.8gのビス(4−tert−ブチルシクロヘキサニル)ペルオキシジカーボネート(Perkadox16、Akzo Nobel社製)を添加した。6時間後、バッチを、100gの特殊沸点スピリット60/95で希釈した。7時間の反応時間の後、10gのアセトン中の0.8gのビス(4−tert−ブチルシクロヘキサニル)ペルオキシジカーボネート(Perkadox16、Akzo Nobel社製)を添加した。10時間後、バッチを、150gの特殊沸点スピリット60/95で希釈した。24時間の反応時間の後、反応を中止し、バッチを室温まで冷却した。その後、ポリアクリレートを、0.6重量%のアルミニウム(III)アセチルアセトネート(3%強度溶液、アセトン)と混合し、特殊沸点スピリット60/95で、30%の固体含有量に希釈した。得られたPSAの特性を、両面接着剤アセンブリにおいて評価した。
【0075】
両面PSAテープアセンブリの製造:
まず、両面をトリクロロ酢酸でエッチングした厚さ23μmのPETフィルムの上に、例1〜14、R1およびR2からのPSAを溶液から塗膜した。120℃で15分間乾燥させた後、接着剤塗膜量は50g/mであった。塗膜したフィルムを、接着剤の側で、両面シリコン被覆PETフィルム(裏打ち材)と積層した。その後、アセンブリのエッチングしたPETフィルムの塗膜していない側に、転写キャリアによって、市販のアクリレート接着剤を塗膜量20g/mで積層し、厚さ500μmおよび密度270kg/mのPE−EVA発泡体をその上に積層した。次いで、この発泡体キャリアに、転写キャリアによって、先のアセンブリの塗膜していない側(露出している感圧アクリレート層)に市販のアクリレートPSAを塗膜量50g/mで積層した。
【0076】
試験方法1:取付挙動
試験対象の両面接着剤アセンブリから、250mm×150mmの寸法のサンプルを切断した。これらのサンプルを、露出させた市販の感圧性アクリレートの層によって、サンプルの短縁部がシリンダの長手方向に沿うように直径110mmの鋼製シリンダに結合した。次いで、裏打ち材を剥がして、本発明によるPSAの層を露出させた。このようにして結合した接着剤アセンブリサンプルの上に、長さ210mm×幅120mm×厚さ2.54mmの寸法のDuPont社製Cyrel HOSからの全面露光印刷プレートを、下にある接着剤アセンブリが各縁部で20mmはみ出るように、本発明によるPSAに接着した(接着剤アセンブリサンプルに対して中心に貼着した)。
【0077】
印刷プレートを貼着する手順は、プレートの短縁部(横方向縁部)の1つを、接着剤アセンブリサンプルの短縁部の1つからその縁部に平行に20mmの距離でサンプルに貼着することを含む。次いで、この縁部から、プラスチック・ローラ(幅100mm、直径30mm、ショアー硬さA45)を使用してプレートを延ばした。このローリング運動は、印刷シリンダの長手方向で、垂直に行い、プレートの各長手方向縁部からプレートの反対の長手方向縁部へ、次いで再びその逆に、連続的に行った。ローリング速度は、横方向で10m/分であった。同時に、印刷シリンダを表面速度0.6m/分で回転させ、それにより、プラスチック・ローラが、印刷プレートに対して、プレートの第2の横方向縁部の方向にジグザグ運動をした。この手順は、プレートがその全面にわたって押圧されたときに終了させた。使用した変数は、縁部の浮き上がりが観察されることなく、プレートをその全面にわたって接着剤アセンブリに取り付けるのに必要なプラスチック・ローラの最小押圧力であった。
【0078】
各場合に、50±5%の相対大気湿度で、3つの異なる温度(15℃、25℃、35℃)で試験を行った。
【0079】

【0080】
試験方法2:耐溶剤性
試験サンプルの取付けは、試験方法1(取付挙動)で指定したのと同様に、縁部が浮き上がることなくプレートをその全面にわたって取り付けるのに必要な、相応の押圧力で行った。印刷シリンダの向き(位置)は、結合させるプレートの両方の短縁部がシリンダの回転軸よりも上の高さ(上を向いたシリンダの露出領域)に位置するようにした。
【0081】
ピペットを使用して溶剤混合物(1/8酢酸エチル/1/8n−プロパノール/6/8エタノール)を両方の縁部に1分間塗布し、それにより、縁部は常時、溶剤の影響下にあった。塗布した溶剤の量は、両方の縁部が溶剤で永久的に濡らされるのにちょうど十分なものであった(試験条件:25℃、50±5%の相対大気湿度)。
【0082】
濡れ時間が終わった後、シリンダを、その縁部の1つを下にして置き、余剰の溶剤を逃がした。
【0083】
プレートの短縁部が接着剤アセンブリから浮き上がっているかどうかを検査で調べた。この縁部の浮き上がりの1つの尺度は、もはや接着されていない印刷プレートの区域(浮き上がった印刷プレート区域)の測定長さLであり、これは、濡れ時間の終了から60分後に接線方向で測定した、露出縁部から、依然として結合が損なわれていない最初の点までの長さである(図1参照:1=印刷プレート、2=接着剤アセンブリ、3=印刷シリンダ、L=浮き上がった印刷プレート区域の長さ)。
【0084】

【0085】
接着結合したアセンブリ試料を用いて、一連の測定を行って、様々な温度での取付挙動、およびまたアクリル酸分率の関数としての耐溶剤性(溶剤の影響下での縁部の浮き上がり挙動)を求め(例1〜6、表1参照)、また、さらなる一連の測定を行って、上記の特性に対する、直鎖アクリルエステルと分岐アクリルエステルとの比の影響を試験した(例5および7〜14、表2参照)。比較例の試料(R1およびR2)に関して、様々な温度での取付挙動、およびまた耐溶剤性を検査した(表3参照)。
【0086】
【表1】

【0087】
【表2】

【0088】
【表3】

【0089】
特に有利と実証された感圧性接着剤は、12重量%のアクリル酸と、ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートとから誘導され、2−エチルヘキシルアクリレートとブチルアクリレートとが1:2〜1:3の比で存在するベースポリマーによって提供される接着剤であった。
【0090】
合成ゴムをベースとする比較例のPSA R1と、アクリル酸分率がわずか2重量%の比較例の接着剤R2とは、好ましくない耐溶剤性を示すことが分かった。
【符号の説明】
【0091】
1 印刷プレート
2 接着剤アセンブリ
3 印刷シリンダ
L 浮き上がった印刷プレート区域の長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノマーのフリーラジカル共重合によって得ることができる少なくとも1つのベースポリマー成分を含む架橋感圧性接着剤であって、前記モノマーが、
a)アルキル基中に2〜10個のC原子を有する直鎖アクリルエステルと、
b)−20℃以下のガラス転移温度T(DIN53765に関するDSC測定に基づく)を有する分岐非環状アクリルエステルと、
c)8重量%〜15重量%のアクリル酸と、
d)任意に、10重量%までのさらなる共重合性モノマーとであり、
前記直鎖アクリルエステルと前記分岐アクリルエステルとの比が、質量分率で1:6〜10:1の範囲内であることを特徴とする架橋感圧性接着剤。
【請求項2】
前記1つまたは複数のベースポリマー成分が、前記感圧性接着剤の少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも98重量%を成すことを特徴とする請求項1に記載の感圧性接着剤。
【請求項3】
前記アクリル酸分率が、共重合すべきモノマーの総量に基づいて、8重量%〜12.5重量%の範囲内、特に11重量%〜12重量%の範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載の感圧性接着剤。
【請求項4】
前記アクリル酸分率が、共重合すべきモノマーの総量に基づいて、12.5重量%〜13.5重量%の範囲内、特に13重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の感圧性接着剤。
【請求項5】
前記直鎖アクリルエステルと前記分岐アクリルエステルとの比が、質量分率で1:5〜9:1の範囲内、特に1:2〜4:1の範囲内であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の感圧性接着剤。
【請求項6】
前記直鎖アクリルエステルと前記分岐アクリルエステルとの比が、質量分率で1.5:1〜3.5:1の範囲内、特に2:1〜3:1の範囲内であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の感圧性接着剤。
【請求項7】
直鎖アクリルエステルとしてブチルアクリレートが使用され、分岐アクリルエステルとして2−エチルエキシルアクリレートが使用されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の感圧性接着剤。
【請求項8】
湾曲した表面に可撓性の印刷プレートを結合するための請求項1〜7のいずれか一つに記載の感圧性接着剤の使用。
【請求項9】
湾曲した表面に可撓性の印刷プレートを結合するための感圧性接着剤の使用であって、前記感圧性接着剤が、10mm未満、特に5mm未満の縁部の浮き上がりに対応する試験方法2による耐溶剤性を有することを特徴とする感圧性接着剤の使用。
【請求項10】
前記感圧性接着剤が、10mm未満、特に5mm未満の縁部の浮き上がりに対応する試験方法2による耐溶剤性を有することを特徴とする請求項8に記載の感圧性接着剤の使用。

【図1】
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【公開番号】特開2010−215907(P2010−215907A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−48739(P2010−48739)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(509120403)テーザ・ソシエタス・ヨーロピア (118)
【Fターム(参考)】