説明

印刷処理方法及び印刷処理装置

【課題】破棄される記録紙上に印刷された情報が漏洩してしまうのを防止する。
【解決手段】事前印刷モードで印刷処理を開始すると、所定ページ分の事前印刷を実行して停止し、印刷処理の継続が指示されると、次のページから印刷処理を開始する(ステップ100〜112)。また、継続印刷が指示されなかったときには、連続紙を引き戻すことにより事前印刷のページの先頭を、再印刷可能な位置まで引き戻すと共に、HDDに記憶している該当ページのジョブデータを読み出し、テキストデータ、イメージデータごとなどのマスクデータを生成し、生成したマスクデータに基づいた印刷処理を行う(ステップ114〜142)。これにより事前印刷で印刷した文字やイメージがマスキングされ、目視ができない状態にされて排出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続紙、カット紙などの記録紙を用いて印刷ジョブに基づいた印刷処理を実行する画像形成装置などの印刷処理装置に係り、詳細には、記録紙に対して印刷処理を行うときの印刷処理方法及び印刷処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタなどの画像形成装置によって各種の情報が印刷される記録媒体には、A4サイズなどの所定サイズにカットされている用紙(カット紙)のほかに、所定幅で長尺に形成された連続紙がある。
【0003】
連続用紙を用いた印刷処理には、連続紙に予め設定されているフォームを形成し、例えば、ホストコンピュータから入力される顧客ごと情報を印刷することにより、請求書などを作成する帳票印刷などがあり、短時間に多量の印刷処理が行われることが多い。
【0004】
一方、連続紙を用いて多量の印刷処理を行うときには、予め印字濃度などの印字品質が適正であるか否かを予め確認したり、印字位置が連続紙に形成されているフォームにあった適正な位置であるか否かの確認が行われるようになっている。
【0005】
例えば、連続紙などをセットするときに、セット位置に物理的なズレが生じると、印刷される文字、イメージ、バーコードなどの情報の印刷物上での位置がずれたり、間隔が変わってしまうことがあり、また、印字濃度が適正でないために、かすれなどが生じてしまうことがある。
【0006】
このような印字品質の低い印刷物は、破棄される対象となってしまう。このために、印字品質の確認を怠って印刷処理を行うと、多量の用紙の損失や時間の損失を生じてしまうことになる。
【0007】
ここから、本番の印刷処理に先立って、印字位置、印字品質を確認する事前印刷が重要となっている。
【0008】
ところで、事前印刷を行うときには、予めテスト印刷用として設定されているダミーデータを用いるのではなく、ホストコンピュータから数ページ分の実データをテスト用として送信し、印刷処理装置で、このデータに対する印刷処理を行ったり、ホストコンピュータから送信された実データの印刷途中でオペレータが一時停止を指示して、印刷結果を確認する方法がある。
【0009】
ここで、実データを用いて事前印刷を行った場合、印刷物の仕上がり品質に問題があると、その印刷結果を破棄することになるが、このときに破棄される印刷物には、実データに基づいた顧客情報などが記録されているために、顧客情報の漏洩などのセキュリティ上の問題が生じる。
【0010】
このような破棄される印刷物に対するセキュリティ上の問題は、事前印刷のみならず、印刷途中でエラーが発生したときや、印刷を途中で停止したときなど、破棄される印刷物に対して生じることになる。
【0011】
ここから、緊急停止機能、自動排紙機能及び両面印刷機能を用いて、破棄される印刷物からの情報漏洩を防止する提案がなされている(例えば、特許文献1参照。)。
【0012】
この提案では、予め機密情報であるか否かを指定し、機密情報として指定されているデータの印刷処理を行っているときに緊急停止されると、自動排紙機能を用いて、該当情報が記録された記録用紙の両面印刷機能を用いた反転搬送を繰り返しながら、黒ベタなどで塗りつぶして排出するようにしている。
【0013】
これにより、破棄される記録紙に印刷された情報が塗りつぶされるので、該当記録用紙上の情報が見られてしまうのを防止することができる。
【0014】
しかしながら、この提案では、連続紙や、事前印刷を行った印刷物、既に排出された記録紙から印刷ミス等を発見したときには、その記録紙上に印刷された情報を見られないようにすることは困難となっている。
【特許文献1】特開2000−177185号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、印刷途中の情報は勿論、事前印刷などに用いられた記録紙上の情報を、的確に目視できなくして、破棄されることになる印刷物からの情報漏洩を的確に防止可能とする印刷処理方法及び印刷処理装置を提供する琴を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために本発明は、記録紙を搬送しながら印刷ジョブのジョブデータに基づいた印刷処理を行う印刷処理方法であって、印刷処理した前記記録紙上の特定領域を再印刷が可能となる位置まで前記記録紙を引き戻すと共に、前記特定領域内の印刷情報をマスキングするマスキングデータを生成し、前記記録紙の前記特定領域に前記マスキングデータに基づいた印刷処理を行う、ことを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、記録紙を搬送しながら印刷ジョブに基づいた印刷処理を行うときに、例えば、印刷した情報の漏洩対策が必要であるが、印刷ミスなどが生じたために破棄されるか破棄される可能性のある領域などの特定領域の印刷処理が終了すると、該当特定領域への再印刷が可能となる位置まで、記録紙を引き戻す。これと共に、特定領域に印刷している印刷情報をマスキングするためのマスクデータを生成する。
【0018】
この後に、マスクデータに基づいた特定領域への印刷処理を行う。これにより、特定領域に印刷している印刷情報を確認ができなくすることができ、この記録用紙の特定領域を破棄したとしても、印刷情報が漏洩してしまうのを確実に防止することができる。
【0019】
また、本発明は、前記ジョブデータを記憶手段に記憶しながらジョブデータに基づいた印刷処理を行い、前記マスキングデータを、前記記憶手段に記憶されている前記特定領域の前記ジョブデータに基づいて生成することを特徴とし、前記マスキングデータを、前記ジョブデータに基づいて前記記録紙に印刷した文字ないしイメージごとに生成することを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、特定領域に印刷したジョブデータに基づいてマスクデータを生成する。これにより、不要な領域をマスキングすることなく、印刷情報のみの的確なマスキングが可能となる。
【0021】
このときに、文字ごとやイメージごとに、そのサイズに応じてマスクデータを生成することにより、印刷処理を行うための消耗品の消費を抑えることができる。
【0022】
また、本発明は、前記記録紙が連続紙であることを特徴とし、前記特定領域が、印刷位置ないし印刷される画像品質の確認用とする事前印刷領域であることを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、記録紙として連続紙を適用することにより、記録紙の引き戻しが容易となる。また、連続紙に印刷処理するときには、予め設定されたフォームで多量のジョブデータを用いた印刷処理を行うときに、印刷品質の確認を行う事前印刷を行うことがある。
【0024】
このときに、事前印刷を行った領域を特定領域としてマスキングすることにより、ジョブデータを事前印刷に用いても、ジョブデータの漏洩を確実に防止することができる。
【0025】
このような本発明が適用される印刷処理装置は、記録紙を搬送しながら印刷ジョブに基づいた印刷処理を行う印刷処理装置であって、前記印刷ジョブのジョブデータを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記ジョブデータに基づいて生成した印刷データに基づいて印刷処理を実行する印刷処理手段と、前記印刷処理手段によって印刷処理された特定領域が印刷処理手段による再印刷が可能となる位置まで前記記録紙を引き戻す引き戻し手段と、前記引き戻し手段によって引き戻した前記記録紙の前記特定領域に印刷した前記ジョブデータを前記記憶手段から読み出して、ジョブデータに応じたマスキングデータを生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された前記マスキングデータに基づいた前記印刷処理手段による印刷処理を行う再印刷制御手段と、を含むものであれば良い。
【0026】
この発明によれば、印刷処理の終了した記録紙を引き戻し手段によって引き戻し、マスキングデータに基づいて印刷処理する。これにより、記録紙の特定領域に印刷した印刷情報のマスキングを的確に行うことができる。
【0027】
このような本発明の印刷処理装置は、前記印刷処理手段によって印刷処理された前記記録紙を前記引き戻し手段によって引き戻し可能に貯留する第1のバッファ手段と、前記引き戻し手段によって引き戻された前記記録紙を再送可能に貯留する第2のバッファ手段と、を含むことができる。
【0028】
この第1及び第2のバッファ手段を設けることにより、引き戻す記録用紙に損傷等を与えることなく、的確なマスキングが可能となる。
【0029】
また、本発明の印刷処理装置は、前記印刷処理手段によって印刷処理された前記記録紙を、前記引き戻し手段によって引き戻すか否かを指示する指示手段を含むことができ、このときに、前記引き戻し手段によって引き戻される前記記録紙の前記特定領域が、印刷処理を開始するときに画像品質の確認用として印刷処理される領域として指示することができる。すなわち、事前確認用の印刷領域を特定領域として指示することにより、該当領域の的確なマスキングが可能となる。
【0030】
また、本発明は、前記生成手段が、前記記録紙の前記特定領域に印刷した文字ないしイメージごとに前記マスクデータを生成することが好ましく、また、前記記録紙として連続紙を適用することができる。
【発明の効果】
【0031】
以上説明したように本発明によれば、印刷処理が終了した特定領域への再印刷が可能となる位置へ、記録紙を引き戻し、この特定領域に対してマスクデータに基づいた印刷処理を行う。これにより、特定情報に印刷された印刷情報の的確なマスキングを行うことができる。
【0032】
このときに、特定領域の印刷処理に用いたジョブデータに基づいてマスキングデータを生成することにより、印刷処理に用いる消耗品の消費を抑えながら、的確なマスキング処理を、円滑に行うことができるという優れた効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下に、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。図1には、本実施の形態に適用した印刷処理装置10の概略構成を示している。この印刷処理装置10は、プリント装置12と、前処理装置14及び後処理装置16を含んでいる。また、プリント装置12には、記録紙に対して印刷処理(印字処理)を実行するプリントエンジン12Aが形成されている。
【0034】
本実施の形態に適用した印刷処理装置10では、記録紙の一例として、所定幅で長尺の連続紙18が用いられており、これにより、印刷処理装置10では、帳票印刷等が可能となっている。
【0035】
前処理装置14は、連続紙18が巻き芯20にロール状に巻き取られた連続紙ロール22が装填されるようになっており、連続紙18は、この連続紙ロール22の最外周から引き出されてプリント装置12へ送り込まれるようになっている。
【0036】
プリント装置12には、第1現像部24、第2現像部26、第1定着部28及び第2定着部30が設けられ、連続紙18を第1現像部24、第2現像部26、第1定着部28及び第2定着部30の順で搬送する搬送路32が形成されている。
【0037】
第1現像部24と第1定着部28は、搬送路32を搬送される連続紙18の一方の面に対向され、第2現像部26と第2定着部30は、連続紙18の他方の面に対向されている。
【0038】
また、第1現像部24には、感光体ドラム34が設けられ、第2現像部26には、感光体ドラム36が設けられており、第1現像部24及び第2現像部26では、電子写真プロセスを適用して感光体ドラム34、36に印刷データに応じた画像(トナー像)を形成する。また、第1現像部24及び第2現像部26では、感光体ドラム34、36のそれぞれに対向して転写ロール38が設けられている。
【0039】
第1現像部24では、感光体ドラム34と転写ロール38との間で連続紙18を挟持して、感光体ドラム34に形成した画像を連続紙18の一方の面に転写する。また、第2現像部26では、感光体ドラム36と転写ロール38との間で連続紙18を挟持して、感光体ドラム36に形成した画像を連続紙18の他方の面に転写する。
【0040】
第1定着部28及び第2定着部30には、連続紙18に対向してハロゲンランプなどの加熱手段40が設けられており、この加熱手段40によって連続紙18の表面を加熱し、連続紙18に転写されている画像(トナー)を溶融させて定着する。
【0041】
これにより、プリント装置12では、連続紙18の表裏両面への印刷処理が可能となっている。なお、第1現像部24及び第2現像部26は、例えば、C、M、Y、Kのトナーを用いてフルカラーの画像を形成するものであっても良く、K色などのトナーを用いて単色画像を形成するものであっても良い。
【0042】
また、第1現像部24と第1定着部26又は第2現像部26と第2定着部30の一方を省略し、連続紙18の片面に印刷処理を行うものであっても良い。
【0043】
さらに、このような第1現像部24、第2現像部26、第1定着部28及び第2定着部30は、電子写真プロセスを用いて連続紙などの記録用紙に画像を形成する公知の構成を適用することができ、ここでは、詳細な説明を省略する。
【0044】
プリント装置12では、画像形成の終了した連続紙18を、後処理装置16へ向けて送り出す。後処理装置16には、巻き芯42が装着されており、連続紙18の先端が巻き芯42に連結されることにより、後処理装置16では、プリント装置12から排出される連続紙18を、巻き芯42にロール状に巻き取るようになっている。
【0045】
ところで、印刷処理装置10には、前処理装置14とプリント装置12の間に、バッファ装置44が配設され、プリント装置12と後処理装置16の間にバッファ装置46が配設されている。前処理装置14から送り出された連続紙18は、バッファ装置44を通過してプリント装置12へ送り込まれ、プリント装置12から排出される連続紙18は、バッファ装置46を通過して、後処理装置16へ送られる。
【0046】
バッファ装置44、46には、ロール48が所定間隔で対で配置されている。また、バッファ装置44には、ロール48の間に、ダンスロール50Aが上下移動可能に設けられ、バッファ装置46には、ロール48の間にダンスロール50Bが上下移動可能に設けられている。
【0047】
バッファ装置44、46では、ダンスロール50A、50Bが下方へ向けて付勢されることにより、連続紙18に所定の張力を付与している。また、バッファ装置44、46では、ダンスロール50A又はダンスロール50Bの上下移動によって連続紙18の搬送路長が換えられるようになっており、これにより、所定長さ分の連続紙18を貯留できるようになっている。
【0048】
なお、バッファ装置44では、通常、図1に実線で示すようにダンスロール50Aが上方に移動されており、ダンスロール50Aの下方移動によって連続紙18の貯留が可能となっている(図1に二点鎖線で示す)。また、バッファ装置46は、通常、図1に実線で示すようにダンスロール50Bが下方移動されており、所定長さの連続紙18を貯留しながら後処理装置16へ送り出すようになっていると共に、ダンスロール50Bの上方移動(図1に二点鎖線で示す)によって貯留している連続紙18をプリント装置12へ戻すことができるようになって入る。
【0049】
一方、プリント装置12は、連続紙18の挿入側(バッファ装置44側)に逆送手段として搬送ロール52が対で配置されており、この搬送ロール52によって連続紙18をバッファ装置44から引き出しながら装置内部へ送り込むようになっている。
【0050】
また、プリント装置12には、逆送手段として連続紙18の排出側(バッファ装置46側)に、搬送ロール54が対で配置されており、この搬送ロール54によって印字の終了した連続紙18をバッファ装置46へ送り出すようになっている。
【0051】
また、プリント装置12では、搬送ロール52及び搬送ロール54の逆転駆動が可能となっており、搬送ロール52、54が逆転駆動されることにより、搬送ロール54は、バッファ装置46から連続紙18を引き出しながら、装置内部へ送り込み、搬送ロール52は、装置内部の連続紙18を引き出しながらバッファ装置44へ送り出す。
【0052】
このとき、バッファ装置46のダンスローラ50Bが上方移動すると共に、バッファ装置44のダンスロール50Aが下方移動することにより、前処理装置14から後処理装置16の間で、連続紙18に弛みが生じるのを防止するようにしている。
【0053】
図2には、プリント装置12に設けられて、プリント装置12の全体を統括的に制御するコントローラ部60の概略構成を示している。
【0054】
コントローラ部60は、CPU62、ROM64、RAM66及びHDD68を備え、これらがバス70に接続された一般的構成のマイクロコンピュータを含んでいる。これにより、コントローラ部60では、ROM64ないしHDD68に記憶された各種のプログラムに基づいた処理の実行が可能となっている。
【0055】
また、コントローラ部60には、ホストI/F部72、エンジンI/F部74が設けられており、ホストI/F部72及びエンジンI/F部74が、バス70に接続されている。
【0056】
エンジンI/F部74には、プリンタエンジン12Aが接続しており、これにより、コントローラ部60では、プリンタエンジン14での印刷処理及び印刷処理の制御を行う。プリンタエンジン12Aは、コントローラ部60から入力される印刷データに基づいた印刷処理を行う一般的構成を適用することができる。
【0057】
一方、ホストI/F部72には、メインフレームとなるホストコンピュータ76が接続されるようになっており、これにより、プリント装置12を備えた印刷処理装置10は、ホストコンピュータ76から出力される印刷ジョブに基づいた印刷処理が可能となっている。
【0058】
このような印刷処理装置10とホストコンピュータ76の間に、プリンタコントローラを設け、ホストコンピュータ76と複数の印刷処理装置10(プリント装置12)が接続され、デュアルプリントシステム又はマルチプリントシステムが形成されるものであっても良い。また、印刷処理装置10とホストコンピュータ76の間にRIP装置を設け、ホストコンピュータ76から出力される印刷ジョブから、プリンタエンジン12Aでの印刷処理に用いる印刷データ(例えばラスタデータ)を生成する展開処理(RIP処理)を行い、RIP処理された画像データが、プリント装置12のコントローラ部60に入力されるようにしても良い。
【0059】
また、コントローラ部60では、記憶手段としてHDD68を用い、ホストコンピュータ76から入力される印刷ジョブ(ジョブデータ)を、順にHDD68に格納しながら、HDD68に格納しているジョブデータを順に読み出して印刷データとしてプリンタエンジン12Aへ出力することにより、プリンタエンジン12Aで印刷処理が行われるようにしている。
【0060】
なお、ここでは、記録手段の一例としてHDD68を用いるが、これに限らず、印刷ジョブをRAM66などの他の記憶媒体に格納するものであっても良い。
【0061】
コントローラ部60には、NVRAM78が設けられており、このNVRAM78に、プリント装置12の作動中に取得される各種のログデータが格納されると共に、プリンタエンジン12Aで印刷処理するときの印字位置を決定する位置情報や、印字濃度などの印字品質を決定する画質情報などの各種の情報(パラメータ)の設定値が格納される。
【0062】
一方、コントローラ部60には、パネルI/F部80が設けられ、このパネルI/F部80が、バス70に接続されている。また、プリント装置12には、操作パネル72が設けられており、この操作パネル72がパネルI/F部80に接続している。
【0063】
操作パネル82は、タッチディスプレイ又はディスプレイと各種のキーが設けられた一般的構成を適用することができ、コントローラ部60では、ディスプレイに表示に基づいた各種の入力操作、プリント装置12の作動操作などが可能となるようにしている。
【0064】
すなわち、コントローラ部60では、操作パネル82の図示しないディスプレイ上に各種のUI(ユーザーインターフェイス)を表示し、この表示に基づいたキー操作によって、各種の設定処理が可能となっている。また、コントローラ部60では、操作パネル82上で設定された位置情報や画質情報の設定値を含む各種のパラメータ値が、NVRAM78に記憶され、記録されたパラメータ値に基づいた印刷処理が、プリンタエンジン12Aで実行されるようにしている。
【0065】
メインフレームとして設けられているホストコンピュータ76では、例えば、図示しないデータベースから顧客ごとの情報を取得し、取得した情報から所定のフォームのジョブデータを生成し、生成したジョブデータを、印刷ジョブとして出力する。
【0066】
一方、印刷処理装置10では、予め設定されたフォームが印刷された連続紙18が前処理装置14に装填された状態で、ホストコンピュータ76から前記印刷ジョブが入力されることにより、入力された印刷ジョブに基づいた印刷処理を実行する。このとき、プリンタ装置12では、例えば、480ページ/min程度の印刷速度で、連続紙18へ連続して印刷処理を実行するようになっている。
【0067】
また、プリント装置12では、連続紙18に対する印字位置及び印字濃度などが適正に設定されていることにより、連続紙18に形成されたフォームに合わせた適正な位置に、適正な濃度で、文字や、キャラクタ、シンボルマークなどの印刷が可能となっている。
【0068】
このようなプリント装置12が設けられた印刷処理装置10では、新たな印刷ジョブを開始するときや、用紙切れなどによって前処理装置14に新たな連続紙ロール22を装填するときなどに、連続紙18上の印字位置や、印字濃度などの印刷品質等を確認する事前確認モードの選択が可能となっている。なお、事前確認モードを選択するか否かは、予め操作パネル82の図示しないディスプレイに所定のUIを表示して行うことができるようにしている。
【0069】
プリント装置12では、連続紙18が適正にセットされることにより、連続紙18の各ページの設定位置への印刷処理が可能となっているが、連続紙をセットするときに、物理的な位置ズレが生じると、印字位置がずれる。ここから、プリント装置12のコントローラ部60では、操作パネル82からのキー操作などによって印字位置(以下、位置情報とする)の調整が可能となっている。また、コントローラ部60では、操作パネル82のディスプレイに所定のUIを表示して、画質情報の設定/変更が可能となっている。
【0070】
コントローラ部60では、位置情報、画質情報が設定されると、その設定値を例えば、NVRAM78に記憶し、NVRAM78に記憶している位置情報及び画質情報の設定値を読み出して、プリンタエンジン12Aでの印刷処理を行うようにしている。
【0071】
一方、コントローラ部60では、事前印刷を行うときに、印刷データとしてホストコンピュータ76から送信されてHDD68に格納している印刷ジョブを用いるようにしており、これにより、事前印刷を行ったときの印刷出力が適正であれば、そのまま、該当印刷ジョブに対する印刷処理を実行するようにし、事前印刷を行うことによる印刷時間のロスや、用紙(連続紙18)の損失を抑えるようにしている。
【0072】
これに対して、事前印刷を行ったときの印刷出力から、印刷位置、印刷品質の調整を行う必要が生じると、該当印刷出力を破棄しなければならないことがある。
【0073】
ここで、コントローラ部60では、印刷処理が行われたにもかかわらず、破棄しなければならないページ(連続紙18上の領域、破棄対象領域)が発生すると、搬送ロール52、54を逆転駆動して、連続紙18をバッファ装置44へ引き戻すことにより、破棄しなければならないページの先頭を、再印刷可能な位置へ戻すようにしている。
【0074】
このとき、印刷処理装置10では、バッファ装置44及びバッファ装置46を設けることにより、前処理装置44へ連続紙18を巻き戻したり、後処理装置16から連続紙18を送り出す必要が生じないようにしている。
【0075】
これと共に、コントローラ部60では、HDD68に格納している印刷ジョブを読み出し、連続紙18上に印刷した文字、キャラクタ、画像などのそれぞれをマスクするマスクデータを生成する。
【0076】
この後に、コントローラ部60では、生成したマスクデータに応じた印刷処理を行うようにプリンタエンジン12Aの作動を制御する。
【0077】
これにより、連続紙18上の破棄されるページが、マスクデータによってマスキングされて、後処理装置16に巻き取られるようにし、破棄するページに印刷した情報が見えないようにされる。
【0078】
ここで、本実施の形態の作用として、事前印刷を例に、印刷処理装置10での印刷処理を説明する。
【0079】
印刷処理装置10では、所定の連続紙18がセットされた状態で、ホストコンピュータ76で作成された印刷ジョブが、プリント装置12のコントローラ部60で受信すると、この印刷ジョブをHDD68に格納しながら、印刷ジョブに基づいた印刷データをプリンタエンジン12Aへ出力して、印刷処理を実行する。
【0080】
これにより、プリント装置12(プリンタエンジン12A)では、搬送ロール52によって前処理装置14から送り出される連続紙18を引き入れ、この連続紙18が、搬送路32に沿って搬送される。
【0081】
また、プリントエンジン12Aでは、搬送路32に沿って搬送される連続紙18に対して、第1現像部24と第1定着部28ないし第2現像部26と第2定着部30によって印刷データに基づいた印刷処理を行う。
【0082】
搬送ロール54は、印刷データに基づいた印刷処理の終了した連続紙18を後処理装置16へ向けて送り出す。これにより、印刷処理の終了した連続紙18は、後処理装置16で順次巻き芯42に巻き取られる。
【0083】
これにより、例えば、図4に示されるフォーム90が形成された連続紙18を用いたときに、図5に示されるように、フォーム90に合わせた文字や印影92などを印刷することができる。なお、このとき、一つのフォーム90が、連続紙18上での1ページ分に相当する。また、例えば、矢印F方向を、印刷処理時の連続紙18の搬送方向とすることができる。
【0084】
ところで、印刷処理装置10のプリント装置12に設けているコントローラ部60では、事前確認モードが選択されていると、新たな印刷ジョブに対する印刷処理を開始するとき、新たな連続紙18がセットされたとき、エラーの発生によって連続紙18への印刷処理が一時停止したときなど、印字位置、印字画質に変化が生じる可能性のあるとして予め設定された状態が発生した後に印刷処理を開始するときに、事前確認モードを適用した印刷処理が開始される。
【0085】
図3には、事前確認モード(事前確認処理)で印刷処理を開始するときの概略を示している。
【0086】
このフローチャートでは、印刷開始が指示されると実行され、最初のステップ100では、受信した印刷ジョブ又はHDD68に格納している印刷ジョブから、事前印刷に用いるページ数分のジョブデータを読み込む。
【0087】
次のステップ102では、読み込んだジョブデータに対してコマンド解析等を行うことにより展開処理(RIP処理)を実行し、該当ページ数分の印刷データを生成する。なお、ホストコンピュータ76から送信された印刷ジョブを受信しながら印刷処理を開始するときには、該当印刷ジョブをHDD68に格納しながら行う。また、ホストコンピュータとの間でRIP装置が設けられるなどして既に展開処理された印刷データを受信するか、この印刷データがHDD68に格納されているときには、ステップ102の処理を省略することもできるが、ここでは、コントローラ部60で展開処理を実行するものとして説明する。
【0088】
このようにして、事前確認を行うための印刷データを生成すると、ステップ104では、この印刷データに基づいた印刷処理を実行し、所定ページ数分の印刷処理を行うと、ステップ106へ移行し、印刷処理を一時停止する。
【0089】
これにより、印刷処理装置10のオペレータが、事前印刷の印刷結果から、連続紙18に形成されているフォームに間違いがないか(用紙間違いがないか)、印刷位置が適切か、印字濃度が適切か否かなどの印刷品質の確認を行うことができる。
【0090】
また、印刷品質の確認を行ったオペレータは、確認結果に基づいた入力操作を行う。このとき、印刷品質が適正であれば、そのまま印刷処理を継続するように入力可能となっている。また、用紙間違いなどが発生しているときには、新たな連続紙18をセットするために今回の印刷処理を終了する旨の入力を行うことができる。
【0091】
さらに、印刷品質の調整が必要であれば、印刷品質の調整を行うと共に、再度の事前確認を行うかの入力を行うことができる。すなわち、印刷印字品質の調整を行ったが、事前印刷の印刷結果は、正規の印刷出力として用い、次のページから、調整した印字品質での印刷処理を行うときには、印刷処理の継続を入力し、また、調整した印刷品質による仕上がりを確認したいときには、再度、事前印刷を行うように入力する。
【0092】
ステップ108では、所定の入力操作が完了したか否かを確認し、上記したいずれかの入力操作が完了すると、ステップ108で肯定判定してステップ110へ移行する。
【0093】
このステップ110では、印刷処理を継続するように入力されたか否かを確認し、印刷処理を継続するように入力されたときには、ステップ110で肯定判定してステップ112へ移行し、事前印刷に適用したページの次のページから、通常の印刷処理を開始する。このとき、事前印刷の印刷結果に基づいた品質情報(位置情報、画質情報など)の調整が行われているときには、調整された品質情報に基づいた印刷処理を行う。
【0094】
これに対して、継続した印刷処理が選択されなかったときには、ステップ110で否定判定される。これにより、コントローラ部60では、事前印刷の印刷結果に対するマスキング処理を開始する。
【0095】
マスキング処理は、先ず、ステップ114で、連続紙18の引き戻し処理を行う。この引き戻し処理は、搬送ロール52及び搬送ロール54を逆転駆動して、連続紙18をバッファ装置44へ向けて搬送する。このとき、搬送路32に設けている駆動用のロール等も合わせて逆転駆動することが好ましく、これにより、連続紙18を円滑に搬送することができる。
【0096】
また、引き戻し処理は、印刷の終了したページ(事前印刷を行ったページ)の先頭を、例えば、第1現像部24の上流側の所定位置まで戻し、該当ページに対する再度の印刷処理が可能となるようにする。
【0097】
すなわち、図5に示される連続紙18上の印刷結果において、矢印X位置が、事前印刷を実行したときの先頭位置であるときには、この矢印X位置が、第1現像部24の上流側の所定位置となるように、連続紙18を逆搬送する。
【0098】
図3に示すフローチャートでは、連続紙18の引き戻し処理を行うと共に、ステップ116で、事前印刷に適用したページのジョブデータをHDD68から読み出す。この後に、各ページに対するマスキングデータを生成する。
【0099】
このマスキングデータの生成は、先ず、ステップ118で、HDD68から読み込んだジョブデータからコマンド解析を行う。この後、ステップ120では、解析結果から、テキストデータの抽出を行い、ステップ122では、テキストデータが存在するか否かを確認する。
【0100】
また、ステップ124では、イメージデータの抽出を行い、ステップ126では、イメージデータが存在するか否かを確認する。さらに、ステップ128では、バーコードデータの抽出を行い、ステップ130では、バーコードデータが存在するか否かを確認する。
【0101】
これにより、テキストデータが存在するときには、ステップ122で肯定判定してステップ132へ移行し、文字マスクデータを生成する。また、イメージデータ領域が存在するときには、ステップ126で肯定判定してステップ134へ移行し、イメージマスクデータを生成する。さらに、バーコードデータ領域が存在するときには、ステップ130で肯定判定してステップ136へ移行し、バーコードマスクデータを生成する。
【0102】
すなわち、図5に示されるように、フォーム90に合わせて各種の文字が印刷されているときには、それぞれの文字を印刷するためのジョブデータがテキストデータとして抽出される。また、印影92などのイメージを印刷するためのジョブデータは、イメージデータとして抽出される。なお、ここでは、バーコードデータの例示を省略している。
【0103】
ここで、テキストデータに対するマスクデータである文字マスクデータは、例えば、各文字のフォントサイズに合わせ、印刷している文字を覆うように生成する。また、イメージデータに対するイメージマスクデータは、該当イメージを覆う領域をマスクするように生成する。
【0104】
このようにして、マスクデータを生成すると、ステップ138では、生成したマスクデータを展開処理することにより、文字マスク、イメージマスク、バーコードマスクを印字する印刷データを生成する。
【0105】
この後、ステップ140では、生成した印刷データに基づいてマスク印刷処理を実行する。これにより、図6に示されるように、先に連続紙18上に印刷された各文字をマスキングするマスク94や印影90(図5参照)などをマスキングするマスク96が印刷される。
【0106】
また、マスク印刷処理が終了すると、ステップ142では、印刷処理を終了するか否か、すなわち、用紙間違いなどのために、一旦、印刷処理を終了するように指示されているか、又は、再度、事前印刷処理を行うように指示されているかを確認する。
【0107】
これにより、例えば、再度の事前印刷処理を行うように指示されているときには、ステップ142で否定判定して、ステップ100へ戻ることにより事前印刷処理、すなわち、調整された画質情報の設定に基づいた事前印刷処理を行う。
【0108】
このように、印刷処理装置10では、事前印刷を行ったときに、印刷結果を破棄する可能性が生じると、該当印刷結果に対して、マスキング処理を実行する。これにより、印刷結果を見られることがなく、印刷された情報が漏洩してしまうのを確実に防止することができる。
【0109】
また、印刷処理装置10では、マスキング処理を行うときに、文字ごと、イメージごとにマスクデータを生成するので、マスキング処理を行うときのトナーなどの消耗品の消費を抑えることができる。すなわち、該当ページ全体をマスキングする方法もあるが、このためには、多量のトナーなどの消耗品が必要となるが、領域を限定してマスキング処理を行うことにより消耗品の消費を抑えることができる。
【0110】
なお、ここでは、テキストデータ領域、イメージデータ領域及びバーコードデータ領域に区分けして、印字領域の抽出を行っているが、印刷領域を抽出するときの区分けはこれに限るものではなく、例えば、バーコードデータ領域をイメージデータ領域としてみなして、テキストデータ領域とイメージデータ領域の抽出を行うようにしても良い。また、テキストデータ領域とイメージデータ領域の区分けも行わず、印刷領域として抽出するようにしても良い。
【0111】
また、以上説明した本実施の形態では、事前印刷を例にマスキング処理を説明したが、マスキング処理の適用はこれに限るものではない。例えば、連続紙18を用いて印刷処理を行っているときに、印刷ミスなどが発生した時には、例えば、該当領域を指定して、マスキング処理を行うものであっても良い。すなわち、印刷ミスが検出されたときに、該当する印刷出力の先頭が、第1現像部24の上流側の所定位置となるように連続紙18を引き戻すと共に、HDD68に記憶している該当印刷ジョブのジョブデータに基づいてマスクデータを生成し、生成したマスクデータに基づいた印刷処理を実行する。
【0112】
これにより、印刷ミスが生じている各ページに印刷された文字やイメージなどを的確に隠すことができる。
【0113】
また、本実施の形態では、印刷処理装置10として、プリント装置12に、前処理装置14、後処理装置16及び、バッファ装置44、46を用いているが、例えば、プリント装置12、前処理装置14、後処理装置16にバッファ装置44、46の機能を合わせ持たすようにしてもよい。
【0114】
このとき、例えば、前処理装置14で連続紙18の巻き戻しを可能とし、後処理装置16で連続紙18の送り出しが可能となる構成であっても良い。
【0115】
さらに、以上説明した本実施の形態は、本発明の構成を限定するものではない。例えば、本実施の形態では、巻き芯20にロール状に巻き取られた連続紙18を例に説明したが、これに限らず、ミシン目などが予め形成され、このミシン目で折りたたまれた連続紙を用いるものであっても良い。
【0116】
また、本実施の形態では、連続紙を用いた印刷処理におけるマスキング処理を例に説明したが、本発明は、カット紙を用いた印刷処理を行うときに適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本実施の形態に適用した印刷処理装置の概略構成図である。
【図2】印刷処理装置のプリント装置に形成される制御部の概略構成図である。
【図3】マスキング処理が適用される印刷処理の一例を示す流れ図である。
【図4】連続紙に形成する1ページ分のフォームの一例を示す概略図である。
【図5】図4の連続紙への印刷結果の一例を示す概略図である。
【図6】図6の印刷結果に対するマスキング処理結果の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0118】
10 印刷処理装置
12 プリント装置
12A プリンタエンジン
14 前処理装置
16 後処理装置
18 連続紙(記録紙)
24 第1現像部(印刷処理手段)
26 第2現像部(印刷処理手段)
28 第1定着部(印刷処理手段)
30 第2定着部(印刷処理手段)
44 バッファ装置(第2のバッファ手段)
46 バッファ装置(第1のバッファ手段)
52、54 搬送ロール(引き戻し手段)
60 コントローラ部(印刷処理手段、生成手段、再印刷制御手段)
68 HDD(記憶手段)
82 操作パネル(指示手段)
90 フォーム
94、96 マスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録紙を搬送しながら印刷ジョブのジョブデータに基づいた印刷処理を行う印刷処理方法であって、
印刷処理した前記記録紙上の特定領域を再印刷が可能となる位置まで前記記録紙を引き戻すと共に、
前記特定領域内の印刷情報をマスキングするマスキングデータを生成し、
前記記録紙の前記特定領域に前記マスキングデータに基づいた印刷処理を行う、
ことを特徴とする印刷処理方法。
【請求項2】
前記ジョブデータを記憶手段に記憶しながらジョブデータに基づいた印刷処理を行い、
前記マスキングデータを、前記記憶手段に記憶されている前記特定領域の前記ジョブデータに基づいて生成することを特徴とする請求項1に記載の印刷処理方法。
【請求項3】
前記マスキングデータを、前記ジョブデータに基づいて前記記録紙に印刷した文字ないしイメージごとに生成することを特徴とする請求項2に記載の印刷処理方法。
【請求項4】
前記記録紙が連続紙であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の印刷処理方法。
【請求項5】
前記特定領域が、印刷位置ないし印刷される画像品質の確認用とする事前印刷領域であることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の印刷処理方法。
【請求項6】
記録紙を搬送しながら印刷ジョブに基づいた印刷処理を行う印刷処理装置であって、
前記印刷ジョブのジョブデータを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記ジョブデータに基づいて生成した印刷データに基づいて印刷処理を実行する印刷処理手段と、
前記印刷処理手段によって印刷処理された特定領域が印刷処理手段による再印刷が可能となる位置まで前記記録紙を引き戻す引き戻し手段と、
前記引き戻し手段によって引き戻した前記記録紙の前記特定領域に印刷した前記ジョブデータを前記記憶手段から読み出して、ジョブデータに応じたマスキングデータを生成する生成手段と、
前記生成手段によって生成された前記マスキングデータに基づいた前記印刷処理手段による印刷処理を行う再印刷制御手段と、
を含むことを特徴とする印刷処理装置。
【請求項7】
前記印刷処理手段によって印刷処理された前記記録紙を前記引き戻し手段によって引き戻し可能に貯留する第1のバッファ手段と、
前記引き戻し手段によって引き戻された前記記録紙を再送可能に貯留する第2のバッファ手段と、
を含むことを特徴とする請求項6に記載の印刷処理装置。
【請求項8】
前記印刷処理手段によって印刷処理された前記記録紙を、前記引き戻し手段によって引き戻すか否かを指示する指示手段を含むことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の印刷処理装置。
【請求項9】
前記引き戻し手段によって引き戻される前記記録紙の前記特定領域が、印刷処理を開始するときに画像品質の確認用として印刷処理される領域であることを特徴とする請求項6から請求項8の何れか1項に記載の印刷処理装置。
【請求項10】
前記生成手段が、前記記録紙の前記特定領域に印刷した文字ないしイメージごとに前記マスクデータを生成することを特徴とする請求項6から請求項9の何れか1項に記載の印刷処理装置。
【請求項11】
前記記録紙として連続紙を搬送しながら印刷処理を行うことを特徴とする請求項6から請求項10の何れか1項に記載の印刷処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−168322(P2007−168322A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−370514(P2005−370514)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】