説明

印刷料金見積装置、印刷装置、印刷料金見積システム、印刷指示装置、印刷料金見積方法、プログラムおよび記録媒体

【課題】印刷処理に必要な料金を、電気料金を含めて正確に見積もれる印刷料金見積装置を提供する。
【解決手段】印刷料金見積部200は、消耗品の使用量及び電力使用量を推測する使用量推測部2011と、推測された消耗品の使用量及び耗品費用情報、並びに、推測された電力使用量及び電気料金情報を基に、印刷処理に必要な料金の見積を算出する見積算出部2012と、算出した見積を表示部204に表示させる表示制御部2013aとを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷処理に必要な費用を見積もる印刷料金見積装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、印刷装置においても環境負荷の低減が求められている。そこで、例えば、特許文献1には、各年の電気事業者のCO換算値を入力する入力手段と、消費電力の削減目標を設定する目標設定手段と、消費電力の削減目標と入力したCO換算値とに基づいてCO排出量を計算する計算手段と、この計算結果に従ってCO排出量の削減値を記憶する記憶手段とを有する印刷装置が開示されている。これにより、ネットワークに接続されたCO排出権付き印刷装置に関し、年度毎、電気事業者毎に変動するCO排出換算係数を、その都度最適値に変更して使用することができ、より正確なCO排出量を求めることができる。
【0003】
他方で、印刷装置での印刷処理におけるコストを見積もる装置がある。例えば、特許文献2には、ユーザの発注に応じた印刷処理にかかる消耗品の消費量の予測値を算出し、予測値に基づく印刷処理にかかるコストを見積結果として求めて、見積結果をユーザのクライアント端末に提供するシステムが、開示されている。これにより、ユーザからの発注を受けて印刷を行うようなプリントシステムにおいて、印刷全体の印刷コストの見積もりや可能な印刷設定、その設定にかかる料金などをユーザに提供できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−52414号公報(2010年3月11日公開)
【特許文献2】特開2010−61205号公報(2010年3月18日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、より詳細な印刷コストを提示するには、印刷処理に要する電気料金も見積もる必要がある。また、電気料金は印刷条件によっても変動するため、印刷処理に要する電気料金を予め見積って提示することで、見積の依頼者の環境への意識を促す、つまり印刷条件の変更を促すことができるので、印刷処理に要する電気料金を見積もることは、環境負荷低減の観点からも望まれる。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、印刷処理に必要な料金について、電気料金を含めて正確に見積もることのできる、印刷料金見積装置、印刷装置、印刷料金見積システム、印刷指示装置、印刷料金見積方法、プログラムおよび記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る印刷料金見積装置は、上記課題を解決するために、印刷装置で用いられる消耗品に関する費用の情報である消耗品費用情報、及び、電力使用量に応じた料金の情報である電気料金情報、を記憶する記憶手段と、入力された画像データ及び当該画像データの印刷条件を基に、前記印刷装置にて当該画像データを当該印刷条件で印刷処理した際の、前記消耗品の使用量及び電力使用量をそれぞれ推測する使用量推測部と、前記推測された前記消耗品の使用量及び前記記憶手段に記憶された消耗品費用情報、並びに、前記推測された電力使用量及び前記記憶手段に記憶された電気料金情報、を基に、前記印刷処理に必要な料金の見積を算出する見積算出部と、前記算出された料金の見積を出力手段に出力させる出力制御部と、を備えたことを特徴としている。
【0008】
上記構成によると、画像データ及び当該画像データの印刷条件を基に消耗品の使用量と電力使用量とを推測し、推測された消耗品の使用量及び消耗品費用情報、並びに、推測された電力使用量及び電気料金情報、を基に、印刷処理に必要な料金の見積を算出し、出力手段に出力する。
【0009】
印刷装置で用いられる消耗品には例えば、現像剤、用紙等がある。消耗品の種類が複数あれば、当然、記憶手段には、消耗品の種類毎にその消耗品に関する費用の情報である消耗品費用情報が記憶される。印刷条件には、例えば、部数、カラー印刷あるいはモノクロ印刷、片面印刷あるいは両面印刷、Nページを1面に印刷するNアップ印刷、縮小あるいは拡大、濃度、等がある。消耗品の使用量及び電力使用量は、印刷条件によって変化する。また、画像データの印字率によっても変化する。
【0010】
そこで、本発明の上記構成により、画像データ及び当該画像データの印刷条件を基に消耗品の使用量と電力使用量とを推測することで、正確に消耗品の使用量と電力使用量とを推測することができる。そして、推測された消耗品の使用量及び消耗品に関する費用の情報である消耗品費用情報並びに、推測された電力使用量及び電力使用量に応じた料金の情報である電気料金情報を基に、印刷処理に必要な料金の見積を算出することで、正確に印刷処理に必要な料金を見積もることができる。算出された料金の見積を出力手段に出力させることで、見積を、印刷処理に必要な料金の見積を依頼してきた依頼者に対して提示できる。ここで、出力手段は、例えば、表示手段(表示装置)、あるいは、印刷手段(印刷装置)であってもよい。表示手段であれば、見積の表示を行うことができる。また、印刷手段にて見積の印刷を行えば、印刷物として、依頼者に対して提供できる。
【0011】
以上により、印刷処理に必要な料金について、消耗品の使用量に応じた料金に加え、電力使用量に応じた電気料金も正確に見積もることのできる印刷指示装置を提供することができる。
【0012】
また、本発明に係る印刷料金見積装置は、上記構成に加え、前記消耗品及び当該消耗品に付随する製品の少なくとも一方に、温室効果ガスの排出権が付与されており、前記記憶手段は、前記温室効果ガスの排出権の取得に要した費用の情報である排出権取得費用情報を記憶し、前記見積算出部は、さらに、前記推測された前記消耗品の使用量及び前記排出権取得費用情報を基に、前記印刷処理に必要な料金の見積を算出してもよい。
【0013】
上記構成によると、さらに、推測された消耗品の使用量及び、消耗品及び消耗品に付随する製品の少なくとも一方に付与された温室効果ガスの排出権の取得に要した費用の情報である排出権取得費用情報を基に、印刷処理に必要な料金の見積を算出する。
【0014】
温室効果ガスの排出権の取得に要した費用についても、印刷処理に必要な料金に含めることで、温室効果ガスが付与された消耗品または消耗品に付随する製品の使用に要する温室効果ガスの発生に対する費用を、見積の依頼者に負担させることができる。よって、対環境意識の低い依頼者であっても環境への意識を喚起できる。延いては再生可能エネルギーの開発資金に充当でき、地球温暖化防止に貢献できる。
【0015】
なお、温室効果ガスの排出権の費用は、再生可能エネルギーの開発資金以外にも、再生可能エネルギー(自然エネルギー)の技術開発、建屋や設備の設置や整備、再生可能エネルギーの運転、送電網の整備(国や地域の枠を超えて他国との送電網の整備も含む)、技術供与に関する援助やその他種々の税金などに充当される費用であってもよい。
【0016】
上記構成によると、印刷装置に用いられる消耗品に温室効果ガスの排出権が付与されている場合、または、消耗品が再生品である場合に、省エネモードを受け付ける。消耗品に温室効果ガスの排出権が付与されている場合には、温室効果ガス削減事業に貢献できる。消耗品が再生品である場合にも、廃棄に伴う温室効果ガス発生を抑制して、延いては地球温暖化防止に貢献できる。このように、印刷装置に用いられる消耗品として温室効果ガス発生を削減できる物品を用いる場合に、省資源化に貢献できる省エネモードが設定でき、より環境負荷を低減することができる。
【0017】
また、本発明に係る印刷料金見積装置では、上記構成に加え、前記消耗品及び当該消耗品に付随する製品は、現像剤及び前記印刷装置に着脱可能な現像剤収容容器であり、前記消耗品費用情報は、前記現像剤を収容した前記現像剤収容容器の費用の情報であってもよい。
【0018】
上記構成によると、温室効果ガスの排出権が付与された現像剤収容容器を用いた印刷装置での印刷処理に必要な料金を、温室効果ガスの排出権の取得に要した費用も含めて、見積もることができる。
【0019】
また、本発明に係る印刷料金見積装置では、上記構成に加え、前記出力制御部は、前記印刷処理に必要な料金の見積を、前記推測された前記消耗品の使用量と前記推測された電力使用量とで項目を分けて、前記出力手段に出力させてもよい。
【0020】
上記構成によると、印刷処理に必要な料金の見積が、消耗品の使用量と推測された電力使用量とで項目を分けて出力される。よって、見積の依頼者に今回の印刷処理に必要な電力使用量を明確に把握させることができる。そのため、見積の依頼者に対して環境への意識を喚起できる。
【0021】
また、本発明に係る印刷料金見積装置では、上記構成に加え、前記印刷処理に必要な料金の見積を、前記出力手段として用いられる表示手段に表示させてもよい。
【0022】
上記構成によると、見積を表示手段に表示することで、見積を印刷する手間を省略でき、また、見積の印刷に要する温室効果ガスの発生を抑制できる。この表示手段は、印刷料金見積装置が備えるものであっても、見積を依頼してきた依頼者の有する情報処理装置が備えるものであってもよい。依頼者の有する情報処理装置が備える表示手段に印刷処理に必要な料金の見積を表示させると、依頼者は、依頼者の都合のよい時間に確認できるので、利便性がよい。また、見積を確認した依頼者に、消耗品の使用量や電力使用量を控えるよう印刷条件を変更することを促すことができる。
【0023】
また、本発明に係る印刷料金見積装置は、上記構成に加え、前記電気料金情報を外部から取得し前記記憶手段に記憶させる電気料金情報取得部を備えていてもよい。
【0024】
上記構成によると、電気料金情報取得部が電気料金情報を外部から取得し記憶手段に記憶させる。よって、記憶手段に記憶された電気料金情報を常に最新の情報に更新することができる。よって、より正確な見積を算出することができる。
【0025】
また、本発明に係る印刷料金見積装置では、上記構成に加え、前記消耗品が、あるいは、前記消耗品に付随する製品が、前記消耗品費用情報を記憶する消耗品記憶手段を備えており、前記消耗品記憶手段から前記消耗品費用情報を取得し、前記記憶手段に記憶させる消耗品費用情報取得部を備えていてもよい。
【0026】
上記構成によると、消耗品あるいは消耗品に付随する製品が備えた消耗品記憶手段に、消耗品費用情報が記憶されている場合、この消耗品費用情報を消耗品費用情報取得部が取得して、印刷料金見積装置の記憶手段に記憶させることができる。ここで、消耗品記憶手段は、例えば、ICチップ(無線ICタグや接点式CRUM)、バーコード、QRコード(登録商標)のいずれかであってもよい。また、この記憶手段に上記排出権取得費用情報を記憶しておき、この排出権取得費用情報を消耗品費用情報取得部が取得して、印刷料金見積装置の記憶手段に記憶させるようになっていてもよい。
【0027】
本発明に係る印刷装置は、上記課題を解決するために、上記何れかの印刷料金見積装置を備えたことを特徴としている。本発明に係る印刷装置が本発明に係る印刷料金見積装置を備えていることで、本発明に係る印刷装置は、上記した本発明に係る印刷料金見積装置と同様の効果を奏する。つまり、印刷装置は、自装置での印刷処理に必要な料金について、消耗品の消費量に応じた料金に加え、電力使用量に応じた電気料金も正確に見積もることが可能となる。
【0028】
本発明に係る印刷料金見積システムは、上記課題を解決するために、印刷装置と、当該印刷装置の有する各機能に応じた印刷条件を設定可能な印刷指示装置とが、ネットワーク接続した印刷料金見積システムにおいて、前記印刷指示装置は、画像データ、当該画像データの印刷条件、及び見積依頼を、前記印刷装置に送信するよう通信手段を制御する通信制御部、を備え、 前記印刷装置では、前記印刷指示装置から、画像データ、当該画像データの印刷条件、及び見積依頼を受信すると、受信した見積依頼への応答として、前記使用量推測部が受信した画像データ及び当該画像データの印刷条件に基づき、前記消耗品の使用量及び電力使用量をそれぞれ推測し、前記見積算出部が受信した画像データの印刷処理に必要な料金の見積を算出し、前記出力制御部が、前記算出された印刷処理に必要な料金の見積を、前記出力手段として用いられる通信手段に送信させ、さらに、前記印刷指示装置は、前記印刷装置が送信した前記印刷処理に必要な料金の見積を受信し、表示手段にて表示させる表示制御部を備えることを特徴とする。
【0029】
上記システムは、本発明に係る印刷見積装置を備えた印刷装置と、この印刷装置に対して印刷条件を設定可能な印刷指示装置を備えているため、印刷装置での印刷処理に必要な料金について、消耗品の消費量に応じた料金に加え、電力使用量に応じた電気料金も正確に見積もることが可能となる。
【0030】
また、本発明に係る印刷料金見積システムに用いられる印刷指示装置も、本発明の範疇に入る。本発明に係る印刷指示装置は、本発明に係る印刷料金見積装置を備えた印刷装置の有する各機能に応じた印刷条件を設定することができる。
【0031】
また、本発明に係る印刷指示装置では、上記構成に加え、前記通信制御部は、前記通信手段を制御して、当該印刷指示装置とネットワーク接続した前記印刷装置に対して、設定した印刷条件にて画像データの印刷処理を実行させる指示を送信してもよい。
【0032】
上記構成によると、印刷指示装置からネットワークを介して印刷装置に対して、設定さえた印刷条件にて画像データの印刷処理を実行させる指示を行える。よって、印刷装置とネットワークで接続された携帯端末やパーソナルコンピュータ等の情報処理装置を本発明の印刷指示装置として機能させることで、場所を選ぶことなく、印刷装置に対して、印刷処理を実行させる指示を行える。
【0033】
また、本発明に係る印刷指示装置は、上記構成に加え、前記表示手段を備えていてもよい。
【0034】
上記構成によると、表示手段を備えた携帯端末やパーソナルコンピュータ等の情報処理装置を本発明の印刷装置として機能させることができる。
【0035】
本発明に係る印刷料金見積方法は、上記課題を解決するために、画像データ及び当該画像データの印刷条件を基に、印刷装置にて当該画像データを当該印刷条件で印刷処理した際の、当該印刷装置で用いられる消耗品の使用量及び電力使用量をそれぞれ推測する使用量推測ステップと、前記推測された前記消耗品の使用量及び当該消耗品に関する費用の情報である消耗品費用情報、並びに、前記推測された電力使用量及び電力使用量に応じた料金の情報である電気料金情報、を基に、前記印刷処理に必要な料金の見積を算出する見積算出ステップと、前記算出された料金の見積を出力手段に出力させる出力制御ステップと、を含むことを特徴としている。
【0036】
上記方法によると、上記した本発明に係る印刷料金見積装置と同様の効果を奏し、印刷処理に必要な料金について、消耗品の消費量に応じた料金に加え、電力使用量に応じた電気料金も正確に見積もることが可能となる。
【0037】
また、本発明の印刷料金見積装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記印刷料金見積装置における上記各部として動作させることにより上記印刷料金見積装置をコンピュータにて実現させる印刷料金見積プログラム、及びその印刷料金見積プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0038】
これらの構成によれば、上記印刷料金見積プログラムを、コンピュータに読み取り実行させることによって、上記印刷料金見積装置と同一の作用効果を実現することができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明に係る印刷料金見積装置では、以上のように、印刷装置で用いられる消耗品に関する費用の情報である消耗品費用情報、及び、電力使用量に応じた料金の情報である電気料金情報、を記憶する記憶手段と、入力された画像データ及び当該画像データの印刷条件を基に、前記印刷装置にて当該画像データを当該印刷条件で印刷処理した際の、前記消耗品の使用量及び電力使用量をそれぞれ推測する使用量推測部と、前記推測された前記消耗品の使用量及び前記記憶された消耗品費用情報、並びに、前記推測された電力使用量及び前記記憶された電気料金情報、を基に、前記印刷処理に必要な料金の見積を算出する見積算出部と、前記算出された料金の見積を出力手段に出力させる出力制御部と、を備えている。
【0040】
印刷装置で用いられる消耗品には例えば、現像剤、用紙等がある。消耗品の種類が複数あれば、当然、記憶手段には、消耗品の種類毎にその消耗品に関する費用の情報である消耗品費用情報が記憶される。印刷条件には、例えば、部数、カラー印刷あるいはモノクロ印刷、片面印刷あるいは両面印刷、Nページを1面に印刷するNアップ印刷、縮小あるいは拡大、濃度、等がある。消耗品の使用量及び電力使用量は、印刷条件によって変化する。また、画像データの印字率によっても変化する。
【0041】
そこで、本発明の上記構成により、画像データ及び当該画像データの印刷条件を基に消耗品の使用量と電力使用量とを推測することで、正確に消耗品の使用量と電力使用量とを推測することができる。そして、推測された消耗品の使用量及び消耗品に関する費用の情報である消耗品費用情報並びに、推測された電力使用量及び電力使用量に応じた料金の情報である電気料金情報を基に、印刷処理に必要な料金の見積を算出することで、正確に印刷処理に必要な料金を見積もることができる。算出された料金の見積を出力手段に出力させることで、見積を、印刷処理に必要な料金の見積を依頼してきた依頼者に対して提示できる。ここで、出力手段は、例えば、表示手段(表示装置)、あるいは、印刷手段(印刷装置)であってもよい。表示手段であれば、見積の表示を行うことができる。また、印刷手段にて見積の印刷を行えば、印刷物として、依頼者に対して提供できる。
【0042】
以上により、印刷処理に必要な料金について、消耗品の使用量に応じた料金に加え、電力使用量に応じた電気料金も正確に見積もることのできる印刷指示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本実施の形態における印刷装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】上記印刷装置と外部装置との接続形態を示す図である。
【図3】上記印刷装置の操作パネルの一例を示す図である。
【図4】上記印刷装置の表示部に表示される見積画面の一例を示す図である。
【図5】上記印刷装置が印刷に必要な料金の見積を行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図6】上記印刷装置の概略構造の一例を示す縦断面図である。
【図7】トナーカートリッジの一例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は正面図である。
【図8】トナーカートリッジの梱包材の一例を示す図である。
【図9】本実施の形態における印刷指示装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図10】メイン画面を表示する印刷設定画面の一例を示す図である。
【図11】トナー消費量の調整を行うカラー調整画面を表示する印刷設定画面の一例を示す図である。
【図12】上記印刷指示装置の表示部に表示される見積画面の一例を示す図である。
【図13】上記印刷指示装置から上記印刷装置に対して、見積依頼しかつ印刷指示を行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明に係る実施形態につき図1〜図13を参照しつつ説明する。
【0045】
(印刷装置の機能的構成)
図1は、本実施形態の印刷装置100の機能的構成を示すブロック図である。印刷装置100は、本実施形態では、印刷機能、コピー機能、スキャン機能、FAX送受信機能、イメージ送信機能等の複数の機能を併せ持つデジタルカラー複合機(MFP:Multi Function Peripheral、或いはMulti Function Printer)であるとする。なお、イメージ送信機能には、スキャン機能で読み取り生成した画像データを、e-mailで送信する機能(scan to e-mail)や、usbメモリに格納する機能(scan to usb)が含まれる。なお、印刷装置100は、上記の機能全てを有している必要はなく、少なくとも印刷機能を有していればよい。また、上記以外の機能を有していていもよい。
【0046】
図1に示すように、印刷装置100は、印刷装置100全体を制御する制御部201と、制御部201が実行するプログラム等を記憶する記憶部202とを備えている。
【0047】
制御部201は、操作パネル50、データ通信部206、原稿搬送装置29、原稿読取部90、画像処理部208、画像形成部209、定着部210と、それぞれ接続され、印刷装置100全体を制御する。また、制御部201は、周辺機器220を制御する制御部211と接続され、周辺機器220に対する制御を行う。なお、周辺機器220は、画像形成ユニット20から出力された印刷物を、例えば、仕分けしたり、ステイプラー止めしたりする装置である。
【0048】
また、制御部201は、印刷処理に必要な料金を見積もる印刷料金見積部(印刷料金見積装置)200を備えている。このように、本実施形態では、印刷料金見積部200を、印刷装置100の構成または機能の一部として説明する。しかし、印刷料金見積部200は、印刷装置100とは別の装置として設けられていてもよい。この場合、印刷料金見積部200は、印刷装置100とは別の単独の装置として設けられていてもよいし、あるいは、印刷装置100とは別の情報処理装置の構成の一部として設けられていてもよい。印刷料金見積部200の詳細は後述する。
【0049】
データ通信部206は、通信プロトコルで通信するためのインターフェースであるLAN端子206aと、シリアル通信のためのシリアルインターフェース端子206bとを有する。データ通信部206は、制御部201からの指示に従って、LAN端子206aまたはシリアルインターフェース端子206bに接続された外部機器との間でデータを送受信する。LAN端子206aに、ネットワークに接続するためのケーブルが接続される場合、データ通信部206は、LAN端子206aを介して接続された外部機器と通信する。シリアルインターフェース端子206bは、フラッシュメモリを内蔵したメモリカードが接続可能になっており、印刷装置100はこのメモリカードからの情報を読み取ることができる。
【0050】
原稿読取部90は、後述の図6に示す原稿載置台92に載置された原稿または、原稿搬送装置29にて原稿読取位置まで搬送される原稿に、光を照射する光源と、原稿で反射した光を受光する光電変換素子とを含み、原稿のサイズに応じた原稿画像を走査する。光電変換素子は、受光した光を電気信号である画像データに変換して、画像処理部208に出力する。
【0051】
画像処理部208は、原稿読取部90から入力される画像データにシェーディング補正などの各種のデータ処理を施した後、画像形成部209に出力する。給紙部(図示しない)は、後述する給紙カセット81および手差し給紙カセット82に収納された用紙を画像形成部209に搬送する。
【0052】
画像形成部209は、後述する図6の画像形成ステーションP1〜P4に相当し、データ処理後の画像データに基づいて、給紙部(図示しない)により搬送される用紙に画像を形成する。
【0053】
画像形成部209では、後述するようにトナーカートリッジ98が着脱自在に設置される。画像形成部209には、検出部209aが設けられており、トナーカートリッジ自体の有り無しやトナーの残量を検出する。検出部209aは、例えば、磁気センサー、光センサーが用いて構成されてもよい。さらに、検出部209aは、後述するトナーカートリッジ98の記憶部150と通信可能に構成れており、トナーカートリッジ98の記憶部150から、トナーカートリッジに関する情報であるトナーカートリッジ情報を読み出せるようになっている。本実施形態では、トナーカートリッジ情報には、トナーを収容したトナーカートリッジの費用、つまりトナーカートリッジの購入費用、及び、トナーカートリッジ98に付与されたカーボンオフセットクレジットの取得に要した費用の情報とが含まれている。
【0054】
定着部210は、後述する図6の定着ユニット7に相当し、画像形成部209にて用紙上に形成されたトナー画像を溶融させて用紙に定着させる。定着部210によりトナー画像が定着した用紙は印刷物として排出される。この印刷物は、周辺機器220にて、仕分けされたり、ステイプラー止めされたりしてもよい。
【0055】
操作パネル50は、表示部204と操作部205とを備えている。表示部204は、液晶表示装置、有機ELD、電気泳動を利用した電子ペーパー等のディスプレイ、プラズマディスプレイ、プラズマチューブアレイディスプレイ、電子放出素子を用いたディスプレイ等の表示装置である。表示部51は、ユーザに対する設定画面等の指示メニューや取得した画像データに関する情報を含む画面を表示する。
【0056】
操作部205は、複数のキーを備え、キーに対応するユーザの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。操作部205が備える複数のキーは、スイッチを備えたハードキーである。なお、操作部205は、キーの一部としてタッチパネルを含んでいても、あるいはタッチパネルそのもので構成されていてもよい。操作部205がタッチパネルを含む場合、あるいはタッチパネルから構成されている場合、タッチパネルは、表示部204上に設けられる。なお、指装着型のウェアラブル・インタフェースを用いたジェスチャ入力を用いてもよい。本実施形態の操作パネル50は、タッチパネルを含んでいるものとする。本実施形態の操作パネル50の一例を図3に示す。
【0057】
印刷装置100は、図2に示すように、ネットワーク102に接続しており、ネットワーク102に接続した外部機器(例えば、携帯端末110A,PC110B,携帯電話110C等)と互いに通信が可能である。なお、携帯端末110Aや携帯電話110Cはタブレット型携帯端末装置であってもよいし、スマートフォンなどの携帯端末装置であってもよい。ネットワーク102は、狭域のネットワークであり、接続形態は有線または無線を問わない。
【0058】
また、ネットワーク102は、ゲートウェイを介して広域のネットワークであるネットワーク104に接続されており、印刷装置100は、ネットワーク104に接続した外部機器(例えば、印刷装置100を管理する管理サーバ装置101及び電力会社のサーバ装置105や、携帯端末110A,PC110B,携帯電話110C等)と通信が可能である。ネットワーク102及びネットワーク104は、例えばLAN及びインターネットであてもよい。もちろんこれらに限定されず、ネットワーク102及びネットワーク104は、それぞれ、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、ネットワーク104を構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、衛星通信インフラ103を利用して通信を行ってもよい。
【0059】
本実施形態では、印刷装置100は、狭域にある外部機器とはネットワーク102で接続し、広域にある外部機器とはネットワーク104で接続しているが、接続形態はこれらに限定されない。
【0060】
また、印刷装置100を管理する管理サーバ装置101は、例えば、印刷装置100をリースするリース会社、印刷装置100を販売する販売店、印刷装置100のメーカー、消耗品メーカー、クラウドプロバイダー(クラウドコンピューティングサービスを提供する専用事業者)等の情報処理装置である。
【0061】
図1に戻り、印刷装置100の印刷料金見積部200は、使用量推測部2011と、見積算出部2012と、出力制御部2013と、を備えている。
【0062】
また、記憶部202には、印刷装置100で用いられる消耗品に関する費用の情報である消耗品費用情報、及び、電力使用量に応じた料金の情報である電気料金情報が記憶されている。印刷装置100で用いられる消耗品として、本実施形態では、トナーと用紙とを例に挙げて説明する。また、消耗品は、後述するクリーナユニット4が備えるクリーニングブレード、感光体ドラム3、定着ユニット7等であってもよい。消耗品の種類が複数ある場合、記憶部202には、消耗品の種類毎に消耗品費用情報が記憶される。さらに、記憶部202には、トナーカートリッジ98のカーボンオフセットクレジットの取得に要した費用の情報も記憶されている。
【0063】
消耗品費用情報とは、例えば、消耗品がトナーである場合には、トナーを収容したトナーカートリッジの費用、つまりトナーカートリッジの購入費用、の情報である。また、消耗品が用紙である場合には、消耗品費用情報は、用紙の費用の情報である。消耗品がトナーであり、色毎にトナーカートリッジの購入費用が異なる場合、色毎の消耗品費用情報が記憶部202に記憶されていてもよい。また、消耗品が用紙であり、サイズ、紙質によって費用が異なる場合、サイズや紙質毎に消耗品費用情報が記憶部202に記憶されていてもよい。
【0064】
電気料金情報は、電力使用量に応じた料金の情報であり、例えば、電力の単価(例えば、円/kW・時)である。
【0065】
使用量推測部2011は、入力された画像データ及び当該画像データの印刷条件を基に、印刷装置100にて当該画像データを当該印刷条件で印刷処理した際の、消耗品の使用量及び電力使用量をそれぞれ推測する。消耗品の使用量とは、例えば、トナーの消費量、用紙の使用枚数等である。
【0066】
ここで、入力された画像データは、印刷装置100に入力された印刷対象の画像データであればどのようなデータであってもよい。例えば、印刷装置100の原稿読取部90が原稿を読み取り形成された画像データであってもよい。あるいは、データ通信部206のLAN端子206aを介して外部機器から印刷装置100が受信した画像データであってもよい。あるいは、データ通信部206のシリアルインターフェース端子206bに接続されたメモリカードから読み込んだ画像データであってもよい。
【0067】
印刷条件には、例えば、印刷枚数、部数、カラー印刷あるいはモノクロ印刷、片面印刷あるいは両面印刷、Nページを1面に印刷するNアップ印刷、縮小あるいは拡大、画像濃度、等がある。印刷条件は、操作部205から入力されてもよいし、あるいは、ネットワークを介して外部の情報処理装置から印刷装置100が受信してもよい。
【0068】
消耗品の使用量及び電力使用量は、印刷条件によって変化する。また、画像データの印字率によっても変化する。そこで、使用量推測部2011は、画像データ及び当該画像データの印刷条件を基に消耗品の使用量と電力使用量とを推測することで、正確に消耗品の使用量と電力使用量とを推測することができる。トナーの使用量は、画像濃度や印字率といったトナーが関する印刷条件とトナーの使用量とを対応付けたテーブルが記憶部202に記憶されており、これを用いて推測する。あるいは、印刷条件を設定することでトナー使用量が算出される関係式を有しており、この関係式を用いて推測するようになっていてもよい。
【0069】
用紙の使用量(枚数)は、印刷枚数から推測する。クリーニングブレードの使用量は、次のように推測する。クリーニングブレードの交換が、1万回の印刷(用紙1万枚に印刷)で行われる場合、今回の印刷枚数が50枚の場合、50÷10000が今回の使用量と推測できる。電力使用量は、印刷枚数から印刷装置100の稼動時間を算出し、印刷装置100の稼動時の消費電力と掛け合わせることで、推測する。このように、消耗品の使用量、電力使用量を推測する。なお、これらは例示である。
【0070】
見積算出部2012は、推測された消耗品の使用量及び記憶された消耗品費用情報、並びに、推測された電力使用量及び記憶された電気料金情報、を基に、印刷処理に必要な料金の見積を算出する。
【0071】
印刷処理に必要な電力の料金は、推測された電力使用量と、電気料金情報である電力の単価との積から算出される。印刷処理に必要なトナーの料金は、推測されたトナーの使用量と、トナーカートリッジの購入費用を購入時にトナーカートリッジに収容されているトナー量で叙した値と、の積から算出される。また、印刷処理に必要な用紙の料金は、推測された用紙の枚数と、用紙の単価との積から算出される。また、印刷処理に必要なクリーニングブレードの料金は、クリーニングブレードの使用量と、クリーニングブレードの購入費用との積から算出される。
【0072】
トナー及び用紙以外の、クリーニングブレード、感光体、定着装置等については、印刷処理に必要な料金を、まとめてメンテパーツ代として、算出してもよい。
【0073】
さらに、見積算出部2012は、推測されたトナーの使用量と、さらに、トナーカートリッジ98のカーボンオフセットクレジットの取得に要した費用の情報とから、印刷処理に必要なカーボンオフセットクレジットの費用の見積を算出する。
【0074】
印刷処理に必要なカーボンオフセットクレジットの費用は、推測されたトナーの使用量と、トナーカートリッジ98のカーボンオフセットクレジットの取得に要した費用を購入時にトナーカートリッジに収容されているトナー量で叙した値と、の積から算出される。
【0075】
さらに、見積算出部2012は、オプション代金、作業料、等を算出してもよい。オプション代金とは、通常の印刷処理に加え、オプション処理を行う場合にかかる費用である。これは、例えば、希望するオプションを操作部205から入力可能になっており、オプションに対する料金が記憶部202に記憶されていると、これらから見積算出部2012が算出する。作業料とは、印刷装置100が印刷ショップに設置されており、印刷ショップの作業員が行う作業が発生する場合の料金である。作業料は、例えば、発生すると推測される作業を操作部205から入力可能になっており、作業に対する料金が記憶部202に記憶されていると、これらから見積算出部2012が算出する。印刷装置100が設置された印刷ショップやコンビニエンスストア等にあって、見積の依頼者が直接印刷を行うような場合には、作業料は発生しない。なお、これらは単なる例示である。
【0076】
出力制御部2013は、算出された料金の見積を出力手段に出力させる。出力手段は、表示部204であっても、画像形成部209であっても、データ通信部206であってもよい。出力制御部2013は、表示制御部2013a、印刷制御部2013bを備えている。
【0077】
表示制御部2013aは、表示制御部2013aは、表示部204を制御するブロックである。印刷料金見積部200が、印刷料金の見積を表示する指示を受け付けると、上記のように、使用量推測部2011が消耗品の使用量及び電力使用量を推定し、見積算出部2012が見積を算出し、表示制御部2013aが、表示部204に算出された料金の見積を表示させる。例えば、操作パネル50に印刷料金の見積を表示させるコマンドボタンが設けられており、このボタンが押される(選択される)ことで、印刷料金見積部200は、印刷料金の見積を表示する指示を受け付けるようになっていればよい。
【0078】
具体的には、表示制御部2013aは、見積画面を生成し、図4に示すような見積画面600を表示部204に表示する。
【0079】
ここで、図4の見積画面600では、消耗品の使用量と推測された電力使用量とで項目を分けている。よって、見積の依頼者に今回の印刷処理に必要な電力使用量を明確に把握させることができる。そのため、見積の依頼者に対して環境への意識を喚起できる。また、トナーカートリッジ98のオフセットクレジットの取得に要した費用についても、印刷処理に必要な料金に含めることで、温室効果ガスが付与された消耗品または消耗品に付随する製品の使用に要する温室効果ガスの発生に対する費用を、見積の依頼者に負担させることができる。よって、対環境意識の低い依頼者であっても環境への意識を喚起できる。延いては再生可能エネルギーの開発資金に充当でき、地球温暖化防止に貢献できる。
【0080】
図4に示すように、表示制御部2013aは、見積画面600を表示する際、見積印刷ボタン601、保存ボタン602、設定画面ボタン603も表示する。
【0081】
見積印刷ボタン601は、見積画面600の印刷指示を行うコマンドが対応付けられている。見積印刷ボタン601が押される(選択される)と、印刷制御部2013bは、見積画面600の印刷を実行する。
【0082】
保存ボタン602は、見積画面600、印刷対象の画像データ、及び印刷条件、を対応付けて記憶部202に記憶させるコマンドに対応している。保存ボタン602が押されると、出力制御部2013は、見積画面600を、印刷対処の画像データ及び印刷条件と対応付けて、記憶部202に保存する。
【0083】
設定画面ボタン603は、印刷設定画面を表示させるコマンドに対応している。設定画面ボタン603が押されると、見積画面600は保存されずに、印刷設定画面が表示される。
【0084】
印刷制御部2013bは、画像形成部209を制御するブロックである。印刷料金見積部200が、印刷料金の見積を印刷する指示を受け付けると、上記のように、使用量推測部2011が消耗品の使用量及び電力使用量を推定し、見積算出部2012が見積を算出し、印刷制御部2013bが、画像形成部209にて算出された料金の見積を印刷させる。このとき、見積を表示部204に表示せずに、見積の印刷のみが実行されてもよい。例えば、操作パネル50に印刷料金の見積を印刷させるコマンドボタンが設けられており、このボタンが押される(選択される)ことで、印刷料金見積部200は、印刷料金の見積を印刷する指示を受け付けるようになっていればよい。印刷を行えば、印刷物として、見積の依頼者に対して提供できる。
【0085】
以上のように、印刷装置100の印刷料金見積部200は、印刷処理に必要な料金について、消耗品の使用量に応じた料金に加え、電力使用量に応じた電気料金も正確に見積もることができる。
【0086】
さらに、印刷料金見積部200は、データ取得部2014と、通信制御部2015と備えている。データ取得部2014は、消耗品費用情報、電気料金情報、排出権取得費用情報を取得し、記憶部202に記憶させるブロックである。通信制御部2015は、外部機器との通信を行うデータ通信部206を制御するブロックである。
【0087】
上記の消耗品費用情報、電気料金情報、排出権取得費用情報は、予め記憶部202に記憶されていてもよいし、操作部205から印刷装置100のユーザが入力して記憶部202に記憶させてもよい。あるいは、データ取得部2014が、次のように取得して記憶部202に記憶させてもよい。
【0088】
消耗品がトナーの場合、データ取得部2014は、検出部209aを制御し、トナーカートリッジ98の記憶部150から、トナーカートリッジ98の購入費用の情報が取得すする。さらに、本実施形態では、トナーカートリッジ98の記憶部150に、トナーカートリッジ98のカーボンオフセットクレジットの取得に要した費用の情報(排出権取得費用情報)が記憶されているので、データ取得部2014は、この情報も取得する。
【0089】
消耗品が用紙の場合は、データ取得部2014は、データ通信部206を介して、推奨される用紙のメーカー、あるいは、用紙の購入先等の、消耗品情報を記憶している機器に接続して、取得する。
【0090】
電気料金情報は、データ取得部2014が、データ通信部206を介して電気会社のサーバ装置105に接続し取得する。また、印刷装置100を管理するサーバ装置や印刷装置100の販売会社が、予め電力会社と提携してデータ取得部2014からの取得要求に応じて、電力会社が提供するように構成されていてもよい。あるいは、電力会社のサーバ装置105から、電量料金の設定が変わったときに、更新情報として、印刷装置100に送信されるようになっていてもよい。
【0091】
また、随時更新される、消耗品費用情報、電気料金情報、排出権取得費用情報のデータベースが、それぞれ、印刷装置100内部あるいは外部に存在し、データ取得部2014が、これらデータベースから取得してもよい。
【0092】
消耗品費用情報、電気料金情報、排出権取得費用情報を、データ取得部2014により、取得することで、記憶部202に記憶された、消耗品費用情報、電気料金情報、排出権取得費用情報を常に最新の情報に更新することができる。よって、より正確な見積を算出することができる。
【0093】
図5は、印刷装置100が、印刷装置100の操作パネル50から印刷処理に必要な料金の見積を指示される場合の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0094】
まず、表示部240に印刷条件を設定するための印刷設定画面を表示し(S1)、印刷条件の設定を受け付ける(S2)。印刷条件の設定は、操作パネル50から行われる。ここで、設定されなかった印刷条件については、デフォルトの値を設定値として受け付ける。次に、印刷料金の見積の表示を行う指示を受け付けたかを判定する(S3)。例えば、印刷料金の見積の表示を指示する指示ボタンが、表示部240に表示され、ユーザ(印刷装置100の操作者)がこの指示ボタンを選択することで、印刷装置100は、印刷料金の見積の表示を行う指示を受け付ける。印刷料金の見積の表示を行う指示を受け付けた場合(S3でYES)、原稿読取部90にて原稿が読み取られ(S4)、画像データが形成される。
【0095】
そして、設定された印刷条件にて画像データを印刷装置100で印刷した場合の、消耗品の使用量及び電力使用量を推測する(S5)。次に、推測された消耗品の使用量及び記憶部202に記憶された消耗品費用情報、並びに、推測された電力使用量及び記憶部202に記憶された電気料金情報、を基に、印刷処理に必要な料金の見積を算出する(S6)。そして、算出された料金の見積を基に見積画面を生成し(S7)、見積画面を表示部204に表示する(S8)。
【0096】
そして、見積の印刷指示を受け付けたかを判定する(S9)。印刷指示を受け付けた場合には(S9でYES)、画像形成部209を制御し見積画面の印刷を実行する(S10)。そして、表示部240に印刷設定画面を表示し(S12)、一連の処理を終了する。印刷指示を受け付けない場合(S9でNO)、設定画面の表示を受け付けたかを判定する(S11)。設定画面の表示を受け付けた場合には(S11でYES)、表示部240に設定画面を表示し(S12)、処理を終了する。設定画面の表示を受け付けていない場合には(S11でNO)、そのまま処理を終了する。
【0097】
また、S3で、印刷料金の見積の表示を行う指示を受け付けていない場合、印刷指示を受け付けたかを判定する(S13)。印刷指示を受け付けた場合には(S13でYES)、原稿読取部90にて原稿が読み取られ(S14)、画像データが形成される。そして、画像データの印刷を実行し(S15)、印刷設定画面の表示を行い(S12)、終了する。印刷指示を受け付けない場合には(S13でNO)、印刷設定画面の表示を行い(S12)、終了する。
【0098】
なお、本実施形態においては、印刷料金見積部(印刷料金見積装置)200を、操作パネル50を有する印刷装置100に適用した場合について説明したが、メッセージ等を表示可能な表示部204を備える装置であれば、上述したような構成の印刷装置100に限定されるものではなく、インクジェット記録装置、または、その他の装置、例えば家電製品、民生用機器(映像・音響・通信などに関連した電子機器や装置、または端末において、一般消費者による使用・一般家庭での使用を目的としているもの、または、そのことを前提に開発・設計された製品・規格を指す)や業務用機器(法人(企業や学校、官公庁)など、一般家庭以外の用途を前提として開発された製品)にも適用可能である。
【0099】
(印刷装置の構造)
図6は、本実施形態の印刷装置100の概略構造の一例を示す縦断面図である。
【0100】
図6に示されるように、印刷装置100は、画像形成ユニット20と原稿読取ユニット30とを備える。画像形成ユニット20は、4つの画像形成ステーションP1〜P4を備えている。4つの画像形成ステーションP1〜P4はそれぞれ、現像装置2、感光体ドラム3、帯電装置5、クリーナユニット4を備えており、基本的に同一の構成を有している。但し、画像形成ステーションP1〜P4は、それぞれ個々に識別情報を有しており、後述する制御部201は、画像形成ステーションP1〜P4を個々に判別できるようになっている。4つの画像形成ステーションP1〜P4を備えることで、印刷装置100は、4色のトナー(現像剤)を用いて画像を形成することができる。
【0101】
帯電装置5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、非接触型の他、ローラ型やブラシ型等の接触型の帯電器が用いられることもある。
【0102】
露光ユニット8は、帯電された感光体ドラム3の表面を、入力された画像データに応じて露光することにより、画像データに応じた静電潜像を形成するものである。なお、露光ユニット8は、レーザ出射部および反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成する他、発光素子をアレイ状に並べた、例えばELやLED書込みヘッドを用いることもできる。
【0103】
現像装置2は、それぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を、トナーを用いて顕在化することにより現像するものである。4つの現像装置2には、それぞれ黒(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)およびシアン(C)の4種類いずれかのトナーが収容されている。それぞれの感光体ドラム3上の静電潜像は、画像データに含まれる各色成分ごとに形成され、現像装置2それぞれにより現像される。各現像装置2の上方には、対応する色の補給トナーを収容したトナーカートリッジ98がそれぞれ配置されている。本実施形態の印刷装置100では、印刷使用頻度の多い黒のトナーのトナーカートリッジは2つ(K1、K2)収容されており、K1のトナーカートリッジがトナー切れになると、K2のトナーカートリッジに切り替わるよう構成されている。この構成により、印刷中断を回避している。各現像装置2には、図示しない補給経路を通って、対応するトナーカートリッジ98より補給トナーが適宜補給される。なお、トナーカートリッジ98については、図7を用いて後述する。
【0104】
クリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを、除去・回収するものである。
【0105】
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルトユニット6は、中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、中間転写ローラ64および中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。中間転写ローラ64は、4つの画像形成ステーションP1〜P4に対応して4本設けられている。
【0106】
中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63および中間転写ローラ64は、中間転写ベルト61を張架して回転駆動させる。また各中間転写ローラ64は、感光体ドラム3のトナー像を、中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスを与える。
【0107】
中間転写ベルト61は、各感光体ドラム3に接触するように設けられている。そして、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト61に順次的に重ねて転写することによって、中間転写ベルト61上に多色のトナー像を形成する機能を有している。中間転写ベルト61は、例えば厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
【0108】
感光体ドラム3から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64によって行われる。中間転写ローラ64には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ64は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施形態では転写電極としてローラ形状を使用しているが、それ以外にブラシなども用いることが可能である。
【0109】
上述したように、各感光体ドラム3上で各色相に応じて顕像化された静電像は中間転写ベルト61で積層される。このように、積層された画像情報は中間転写ベルト61の回転によって、後述の用紙と中間転写ベルト61の接触位置に配置される転写ローラ10によって用紙上に転写される。
【0110】
このとき、中間転写ベルト61と転写ローラ10は所定ニップで圧接されると共に、転写ローラ10にはトナーを用紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。さらに、転写ローラ10は上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ10もしくは中間転写ベルト駆動ローラ62の何れか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラ、または発泡性樹脂ローラ等々)が用いられる。
【0111】
また、上述したように、感光体ドラム3に接触することにより中間転写ベルト61に付着したトナー、もしくは転写ローラ10によって用紙上に転写されず中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去・回収されるように設定されている。中間転写ベルトクリーニングユニット65には、中間転写ベルト61に接触する、例えばクリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられており、クリーニングブレードが接触する中間転写ベルト61は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ63で支持されている。
【0112】
給紙カセット81は、画像形成に使用する用紙を蓄積しておくためのトレイであり、印刷装置100における露光ユニット8の下側に設けられている。また手差し給紙カセット82にも画像形成に使用する用紙を置くことができる。また、印刷装置100の上部に設けられている排紙トレイ91は、印刷済みの用紙をフェイスダウンで集積するためのトレイである。
【0113】
また印刷装置100には、給紙カセット81および手差し給紙カセット82の用紙を転写ローラ10や定着ユニット7を経由させて排紙トレイ91に送るための、略垂直形状の用紙搬送路Sが設けられている。給紙カセット81ないし手差し給紙カセット82から排紙トレイ91までの用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a,11b、複数の搬送ローラ12a〜12d,レジストローラ13、転写ローラ10、定着ユニット7等が配されている。
【0114】
搬送ローラ12a〜12dは、用紙の搬送を促進・補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。ピックアップローラ11aは、給紙カセット81の端部近傍に備えられ、給紙カセット81から用紙を1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。同様にピックアップローラ11bは、手差し給紙カセット82の端部近傍に備えられ、手差し給紙カセット82から用紙を1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。
【0115】
レジストローラ13は、用紙搬送路Sを搬送されている用紙を一旦保持するものである。そして、感光体ドラム3上のトナー像の先端と用紙の先端を合わせるタイミングで用紙を転写ローラ10に搬送する機能を有している。
【0116】
定着ユニット7は、ヒートローラ71および加圧ローラ72を備えており、ヒートローラ71および加圧ローラ72は、用紙を挟んで回転するようになっている。また、ヒートローラ71は、図示しない温度検出器からの信号に基づいて制御部201(図1参照)によって所定の定着温度となるように設定されており、加圧ローラ72とともにトナーを用紙に熱圧着することにより、用紙に転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、用紙に対して熱定着させる機能を有している。また、ヒートローラ71を外部から定着するための外部定着ベルト73が設けられている。
【0117】
次に、用紙搬送路Sを詳細に説明する。上述のように、印刷装置100には予め用紙を収納する給紙カセット81および手差し給紙カセット82が設けられている。これら給紙カセット81,82から用紙を給紙するために、ピックアップローラ11a,11bが配置され、用紙を1枚ずつ用紙搬送路Sに導くようになっている。
【0118】
給紙カセット81,82それぞれから搬送される用紙は用紙搬送路Sの搬送ローラ12aによってレジストローラ13まで搬送され、用紙の先端と中間転写ベルト61上の画像情報の先端を整合するタイミングで転写ローラ10に搬送され、用紙上に画像情報が書き込まれる。その後、用紙は定着ユニット7を通過することによって用紙上の未定着トナーが熱で溶融・固着され、その後に配された搬送ローラ12bを経て排紙トレイ91上に排出される。
【0119】
用紙搬送路Sは、用紙に対する片面印字要求のときのものであるが、これに対して両
面印字要求の時は、上記のように片面印字が終了し、定着ユニット7を通過した用紙の後端が最終の搬送ローラ12bで把持されたときに、搬送ローラ12bが逆回転することによって用紙を搬送ローラ12c,12dに導く。そして、その後レジストローラ13を経て用紙裏面に印字が行われた後に用紙が排紙トレイ91に排出される。
【0120】
原稿読取ユニット30は、主として、原稿読取部90、原稿載置台92、原稿搬送装置29を備えている。原稿載置台92に載置された原稿用紙は、原稿読取部90により、原稿画像の読み取りが行われる。原稿搬送装置29の載置台に載置された複数の原稿用紙は、順次、原稿読取部90の上部へ搬送され、原稿の画像の読み取りが行われる。
【0121】
(トナーカートリッジ)
図7(a),(b)は、トナーカートリッジ98を示す図である。図7(a)はトナーカートリッジ98の概観を示す斜視図であり、図7(b)はトナーカートリッジ98の正面図である。図7(a),(b)に示されるように、トナーカートリッジ98は、トナーカートリッジ本体141と、その正面側に設けられた記憶部150とを含む。トナーカートリッジ本体141には、4種類のトナーのうちいずれかが収容されている。トナーカートリッジ本体141の供給口143から、トナーカートリッジ本体141に収容されているトナーが対応する現像装置2に補給される。
【0122】
記憶部150は、端子153と、位置決めボス151a,151bとを備える。記憶部150は、トナーカートリッジ本体142の取付位置においてビス155a,155bにより固定されている。記憶部150は、画像形成ユニット20におけるトナーカートリッジ98のセット位置に、当該トナーカートリッジ98がセットされることで、画像形成ユニット20に設けられたコネクタと接続される。特に図示してはいないが、コネクタには、端子と位置決め孔とが形成されており、位置決め孔に記憶部150に形成された位置決めボス151a,151bが挿入されることで、記憶部150とコネクタとが位置合わせされる。記憶部150とコネクタとが接続されることにより、記憶部150の端子153とコネクタの端子とが接触するので、記憶部150と印刷装置100とは電気的に接続される。
【0123】
本実施形態では、トナーカートリッジ98は、カーボンオフセットクレジット(温室効果ガスの排出権)が付与されているものとする。カーボンオフセットは、市民,NPO/NGO,自治体,政府等の社会の構成員が、自らの温室効果ガス(COを含む)の排出量を認識し、主体的にこれを削減する努力を行うとともに、削減が困難な部分の排出量について、他の場所で実現した温室効果ガスの排出削減・吸収量(以下、「クレジット」という)を購入することにより、その排出量の全部または一部を埋め合わせる(以下、「オフセット」という)ことをいう。例えば、温室効果ガスの排出削減・吸収を実現するプロジェクト(以下、「オフセットプロジェクト」という)としては、温室効果ガス吸収事業が実施する、例えば、ブラジル植林プロジェクト(マングローブの植林)、海洋吸収事業や土壌吸収事業、二酸化炭素貯留事業である地中隔離法や海洋隔離法、または、再生可能エネルギー事業(水力発電(農業用水や砂防ダムの利用も含む)、風力発電(洋上風力発電も含む)、海流発電、地熱発電、太陽光発電、太陽熱発電、潮汐発電、振動力発電、バイオマス発電など)などのプロジェクトである。
【0124】
トナーカートリッジ98にカーボンオフセットクレジットが付与されているため、温室効果ガス削減事業に貢献できる。また、本実施形態では、トナーカートリッジ98は再生品であるとする。再生品であるため、廃棄に伴う温室効果ガス発生を抑制して、延いては地球温暖化防止に貢献できる。
【0125】
記憶部150は、少なくとも、トナーを収容したトナーカートリッジ98の費用の情報と、トナーカートリッジ98に付与されたカーボンオフセットクレジットの取得に要した費用の情報と含むトナーカートリッジ情報を記憶している。なお、ここでは記憶部150を接触式の不揮発性メモリとしているが、これに限定するものではない。記憶部150は、ICチップ、バーコード、QRコード(登録商標)のような無線を用いた非接触式であってもよい。
【0126】
また、図8に示すように、トナーカートリッジ98の梱包材160に、トナーカートリッジ98にカーボンオフセットが付与されていることを示す、カーボンオフセットマーク(登録商標)162が付されていてもよい。さらに、カーボンフットプリントマーク(登録商標)161が付されていてもよい。カーボンフットプリントマーク(登録商標)161は、商品およびサービスのライフサイクル全体(原料調達から廃棄・リサイクルまで)で排出される温室効果ガスを二酸化炭素の量に換算した換算値を示すものである。これにより、環境意識の高いユーザに対して、トナーカートリッジ98のメーカーが温室効果ガス削減に積極的に取り組んでいることを容易に視認させることができる。なお、カーボンオフセットマーク(登録商標)162や、カーボンフットプリントマーク(登録商標)は、トナーカートリッジ98自体に付されていてもよい。
【0127】
さらに、カーボンフットプリントマーク(登録商標)161に加えて、カーボンフットプリントマーク(登録商標)の説明文163が付されていてもよい。これにより、特に環境意識の高いユーザに対して、温室効果ガス削減に取り組んでいる消耗品メーカーであることを容易に視認させて、安心感を与えることができる。また、環境意識の低いユーザに対しては、温室効果ガスを削減することの重要性に気付かせてこれを促すことができ、延いては地球温暖化防止に貢献することができる。なお、温室効果ガスとしては、京都議定書で対象となったCO、CH、NO、HFC、PFCおよびSFの6種類を含む。
【0128】
CO排出量は、LCA(ライフサイクルアセスメント)手法を活用して、下記一般式で算定される。
一般式:CO排出量=Σ(活動量i×CO排出原単位)
iは上述した原材料調達から廃棄・リサイクルの活動量(プロセス)を示す。CO排出量の単位は、(kg)、(g)、(t)といった重量を表す単位で表される。ライフサイクル段階と活動量とは、次の(1)から(5)のように対応できる。
(1)原材料調達段階の活動量は、素材使用量。
(2)生産段階の活動量は、組立て重量と生産時の電力消費量。
(3)流通段階の活動量は、輸送量(輸送距離と積載率とトラック積載量との積)。
(4)使用・維持管理段階の活動量は、使用時の電力消費量。
(5)廃棄・リサイクル段階の活動量は、埋立重量とリサイクル重量。
【0129】
トナーカートリッジ98が、再生品である場合、再生するのに、トナーカートリッジの清掃、トナー充填、キャップ装着を基本とする。そのため、新品のトナーカートリッジに比べて、上記(1)と(2)とを大幅に削減できる。よって、ライフサイクルにおけるCO排出量換算値を削減することができ、再生品を複数のユーザに大量に使用して貰うことで、温室効果ガス削減枠に充当して温室効果ガス削減目標に近づけることが可能となる。なお、トナーカートリッジ98の一部が再生品であっても、全部が再生品であってもよい。
【0130】
上記では、トナーカートリッジ98を用いて説明したが、印刷装置100で使用される他の消耗品が再生品の場合にも同様にライフサイクルにおけるCO排出量換算値を削減することに効果がある。また、印刷装置100自体が再生品である場合も、もちろんライフサイクルにおけるCO排出量換算値を削減することに効果がある。
【0131】
(印刷指示装置)
さらに、本実施形態では、印刷装置100に対してネットワークで接続した印刷指示装置110から、印刷処理に必要な料金の見積を依頼(指示)できるようになっている。図2は、印刷処理に必要な料金の見積を依頼するシステム(印刷料金見積システム1)の一例である。印刷料金見積システム1では、印刷装置100と印刷指示装置110とがネットワーク102またはネットワーク104を介して接続され、互いに通信が可能である。
【0132】
印刷指示装置110は、印刷装置100を制御する装置である。印刷指示装置110は、印刷装置100の有する各機能に応じた印刷条件を設定でき、印刷装置100に対して、設定された印刷条件にて印刷対象の画像データの印刷処理を実行させる印刷指示を与える。印刷装置100は、印刷指示装置110からの各種指示を受け付けることができるように構成されている。また、印刷装置100は、印刷指示装置110にて設定された印刷条件に従って印刷対象の画像データの印刷処理を実行するよう構成されている。
【0133】
本実施形態では、印刷装置100に対して各種指示を与えるプリンタドライバがインストールされた、PC、携帯端末、携帯電話等の情報処理装置が、印刷指示装置110として機能する。よって、プリンタドライバも、本発明の範疇に入る。ここで、PC、携帯端末、携帯電話等の情報処理装置がプリンタドライバを取得する方法について説明する。携帯端末110A、PC110B、携帯電話110Cは、ネットワーク104を介して、印刷装置100のメーカーのサーバ装置と接続しており、このサーバ装置からプリンタドライバをダウンロードして、インストールする。メーカーのサーバ装置ではなく、例えば、プリンタドライバを有する専用の情報処理装置があり、そこからダウンロードするようになっていてもよい。なお、サーバ装置からインストールするのは一例であり、例えば、専用の光ディスクやUSBメモリ等からインストールしてもよい。
【0134】
プリンタドライバを取得した携帯端末110A、PC110B、携帯電話110Cは、印刷指示装置110として機能する。もちろん、携帯端末110A、PC110B、携帯電話110C以外でも、印刷装置100と通信可能であり、プリンタドライバがインストールされた情報処理装置は、印刷指示装置110として機能する。
【0135】
印刷指示装置110は、図9に示すように、制御部111と、記憶部112と、表示部113、操作部114と、通信部121と、を備えている。
【0136】
表示部113は、文字や画像の各種情報を表示するブロックである。表示部113は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electro Luminescence Display)、電気泳動を利用した電子ペーパー等のディスプレイ、プラズマディスプレイ(PDP)、プラズマチューブアレイディスプレイ(PTAD)、電子放出素子を用いたディスプレイ(FED、SED)等で構成されている。
【0137】
操作部114は、ユーザが印刷指示装置110に対して各種の指示を入力するためのブロックである。ユーザによる操作部114からの指示入力は、制御部111の受付部115が受け付ける。操作部114と表示部113とが一体となったタッチパネル等が設けられていてもよい。また、操作部114は、テンキーによる入力、キーボードやマウスによる入力が行われる構成になっていてもよい。また、指装着型のウェアラブル・インタフェースを用いたジェスチャ入力が行われる構成になっていてもよい。
【0138】
なお、本実施形態では、印刷指示装置110が表示部113及び操作部114を有しているが、印刷指示装置110が表示部113及び操作部114とは別途構成されていてもよい。例えば、印刷指示装置110が、携帯電話、携帯端末、ノート型PCである場合は、印刷指示装置110は表示部113及び操作部114を有しており、例えば、印刷指示装置110が、デスクトップ型PCである場合には、別途構成されている、ということになる。
【0139】
制御部111は、印刷指示装置110における各ブロックを統括的に制御するブロックである。また、制御部111は、ユーザからの指示入力を受け付ける受付部115、表示部113での表示を制御する表示制御部116、外部との通信を行う通信部121を制御する通信制御部117、を備える。
【0140】
表示制御部116は、表示部113に、印刷装置100印刷装置の有する各機能に応じた印刷条件を設定するための印刷設定画面を表示する。印刷設定画面は、携帯端末110A、PC110B、携帯電話110Cの場合、ユーザが操作部114を用いてプリンタドライバを起動することで表示される。
【0141】
印刷設定画面の一例を図10に示す。図10に示すように、印刷設定画面400には、複数のタブが選択可能に表示されている。図10に示す印刷設定画面400では、メインタブ411が選択され、メイン画面410が表示されている。メイン画面410は、例えば、部数、片面印刷および両面印刷の別、Nページを1面に印刷するNアップ印刷などの印刷条件を設定するための画面である。印刷条件は、これらには限定されない。
【0142】
また、印刷設定画面400は、OKボタン421と、キャンセルボタン423と、閉ボタン425とを含む。OKボタン421は、印刷設定画面400内の表示対象となる画面において設定された各種の条件を有効に設定するコマンドが関連付けられている。ユーザがOKボタン421を選択することで、受付部115がOKボタン421の選択を受け付け、印刷設定画面400においてユーザにより指定された印刷条件が有効に設定された後、印刷設定画面400の表示が終了する。
【0143】
キャンセルボタン423および閉ボタン425は、印刷設定画面400内の表示対象となる画面において設定された各種の条件を無効に設定するコマンドが関連付けられている。ユーザがキャンセルボタン423または閉ボタン425を選択し、受付部115がそれを受け付けると、印刷設定画面400においてユーザにより指定された印刷条件が無効に設定された後、印刷設定画面400の表示が終了する。
【0144】
印刷設定画面400にてカラータブ417が選択されると、図11に示すように、表示制御部116は、印刷状態を示すプレビュー画像604と共に、印刷装置100でのトナー消費量を調整するためのトナー消費量調整領域605、及び、印刷処理に必要な料金の見積を表示させるための印刷見積表示ボタン607を含む、カラー調整画面611を表示する。
【0145】
トナー消費量調整領域605には、印刷装置100でのトナー消費量を調整できるボタンが表示される。図11に示すトナー消費量調整領域605の例では、画像濃度、画像ドット密度、及び画像コントラストの調整が行えるように表示されている。図11の例では、トナー消費量(画像濃度、画像ドット密度、及び画像コントラスト)が、最小値(Low)から最大値(High)まで、5段階で選択できるように設定されている。
【0146】
トナー消費量調整領域605では、さらに、色調、色彩、明度、文字の大きさまたはフォントが調整可能に表示されてもよい。なお、これらは例示であり、トナー消費量調整領域605には、印刷装置100のトナーの消費量の設定を変更できる画面が表示されればよい。トナー消費量も印刷条件に含まれる。なお、ユーザがトナー消費量調整領域605にてトナー消費量の調整(設定)を行わなければ、トナー消費量はデフォルトに設定される。
【0147】
プレビュー画像604は、印刷指示装置110が予め有している画像であってもよいし、今回印刷指示する画像(印刷条件と共に印刷装置100に送信される画像)であってもよい。また、トナー消費量調整領域605にて調整したトナー消費量を反映して表示するようになっていてもよい。
【0148】
印刷見積表示ボタン607には、印刷装置100に対して見積依頼を送信し、印刷装置100から受信した見積のデータを表示させるコマンドが対応付けられている。よって、ユーザがトナー消費量調整領域605にてトナー消費量を調整し、印刷見積表示ボタンを押すと、印刷対象の画像データ、設定された印刷条件、見積依頼を印刷装置100に送信するよう通信部121を通信制御部117が制御する。
【0149】
印刷装置100では、画像データ、印刷条件、見積依頼を印刷指示装置110から受信すると、見積依頼への応答として、次の処理を行う。使用量推測部2011が、受信した画像データ及び当該画像データの印刷条件に基づき、消耗品の使用量及び電力使用量をそれぞれ推測する。次に、見積算出部2012が、受信した画像データの印刷処理に必要な料金の見積を算出する。そして、出力制御部2013が、データ通信部206に、前記算出された印刷処理に必要な料金の見積を印刷指示装置100に向けて送信させる。
【0150】
印刷装置100から、印刷処理に必要な料金の見積のデータを受信すると、表示制御部116は、見積画面を生成し、図12に示すような見積画面600を表示部113に表示する。なお、印刷装置100から見積依頼への応答として、印刷指示装置110が見積画面600のデータを受信した場合には、表示制御部116は、表示部113に受信した見積画面600を表示する。
【0151】
図12に示すように、表示制御部116は、見積画面600を表示する際、印刷指示ボタン608、保存ボタン609、印刷条件設定画面ボタン610も表示する。
【0152】
印刷指示ボタン608は、印刷装置100に対して、印刷対象の画像データ(見積が算出された画像データ)の印刷指示を行うコマンドが対応付けられている。ユーザは、例えば、見積画面600を確認して印刷に必要な料金に納得すれば、印刷指示ボタン608を押す(選択する)ことで、印刷対象の画像データの印刷を指示することができる。印刷ボタン608が押される(選択される)と、通信制御部117は、通信部121を制御して、印刷指示と共に、印刷対象の画像のデータ及び印刷条件を送信する。ここで、印刷装置100に見積依頼を送信した際、既に、印刷対象の画像データと印刷条件とを送信している。そこで、印刷装置100にて、印刷対象の画像データと印刷条件とを対応付けて保存し、これを識別する識別子が印刷装置100と印刷指示装置110との間で共有されている場合には、印刷ボタン608が押されると、印刷指示と識別子とを、印刷装置100に送信してもよい。
【0153】
なお、印刷ボタン608が、見積画面600の印刷を実行させるコマンドに対応していてもかまわない。
【0154】
印刷条件設定画面ボタン610は、印刷設定画面400を表示させるコマンドに対応している。ユーザが、例えば、見積画面600を確認してより印刷料金を安くしたい、あるいは、消耗品使用量を減らしたいと考えた場合には、印刷条件設定画面ボタン610を押し、印刷設定画面400で印刷条件を変更し、再度、印刷見積表示ボタン607を押す。すると、変更された印刷条件、画像データと共に、印刷装置100に対して見積依頼が送信され、印刷装置100から受信した見積のデータが表示される。
【0155】
保存ボタン609は、見積画面600、印刷対象の画像データ、及び印刷条件、を対応付けて記憶部112に記憶させるコマンドに対応している。ユーザは、印刷対象の画像データの印刷を行わず、見積画面600、印刷対処の画像データ、及び印刷条件を保存したい場合には、保存ボタン609を押すことで、記憶部112に保存させることができる。
【0156】
通信部121は、印刷指示装置110がネットワーク102やネットワーク104を介して他の装置とデータを送受信するための通信手段として機能するブロックである。印刷設定画面400にて設定された印刷条件(印刷指示装置110がユーザから受け付けた印刷条件)にて印刷処理を実行させる指示は、画像データと共に、通信部121から印刷装置100に送信される。
【0157】
図13は、印刷指示装置110が、印刷装置100に対して見積を依頼し印刷指示を行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0158】
まず、印刷指示装置110が起動されると、表示部113に印刷設定画面400を表示する(S21)。次に、印刷条件の設定を受け付ける(S22)。印刷条件は、印刷指示装置110のユーザが操作部114から設定することができ、受付部115が受け付ける。ここで、設定されなかった印刷条件については、デフォルトの値を設定値として受け付ける。次に、印刷料金の見積の表示を行う指示を受け付けたかを判定する(S23)。S23では、ユーザにより印刷見積表示ボタン607が押されたか(選択されたか)を確認する。印刷料金の見積の表示を行う指示を受け付けた場合(S23でYES)、印刷対象の画像データ、設定された印刷条件、見積依頼を、印刷装置100に送信する(S24)。印刷料金の見積の表示を行う指示を受け付けない場合(S23でNO)、S28に進む。
【0159】
なお、印刷装置100では、印刷対象の画像データ、設定された印刷条件、見積依頼を印刷指示装置110から受信すると、前述したS5及びS6の処理が実行され、見積依頼への応答として、算出した印刷処理に必要な料金の見積のデータを、印刷指示装置110に返信するものとする。
【0160】
印刷装置100から、印刷処理に必要な料金の見積りを受信すると(S25)、見積画面を生成し(S26)、表示部113に見積画面を表示する(S27)。なお、印刷装置100で、前述したS5〜S7の処理が実行され、見積依頼への応答として、印刷指示装置110が見積画面のデータを受信した場合には、S26の処理を飛ばして、S27の処理が行われる。
【0161】
そして、印刷対象の画像データの印刷指示を受け付けたかを判定する(S28)。印刷指示を受け付けた場合には(S28でYES)、印刷対象の画像データの印刷指示を印刷装置100に送信し(S29)、終了する。印刷指示を受け付けない場合(S28でNO)、印刷条件の変更を受け付けたかを判定する(S30)。印刷条件の変更を受け付けた場合には(S30でYES)、S23に戻って処理を繰り返す。印刷条件の変更を受け付けない場合には(S30でNO)、処理を終了する。
【0162】
以上のように、印刷指示装置110にて、印刷処理に必要な料金の見積を表示でき、また、印刷指示を行えるため、ユーザ(見積依頼者)によって、利便性がよい。
【0163】
なお、本実施形態では、印刷指示装置110から印刷装置100に対して見積を依頼し、印刷装置100にて見積を算出しているが、印刷指示装置110が、見積を算出するようになっていてもよい。つまり、印刷指示装置110が、印刷料金見積部200を備えていてもよい。この場合、印刷指示装置110が、消耗品費用情報及び電気料金情報を、印刷装置100あるいは他のデータベース等から取得してもよい。消耗品費用情報及び電気料金情報の取得は、印刷指示装置110あるいは印刷装置100が起動する際に、あるは、印刷設定画面400にて印刷条件の設定が行われる度に、行ってもよい。
【0164】
(プログラム・記憶媒体)
本実施形態の印刷装置100、印刷指示装置110の各ブロック、特に制御部201および制御部111は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0165】
すなわち、印刷装置100、印刷指示装置110は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラム及び各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである印刷装置100、印刷指示装置110の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、印刷装置100、印刷指示装置110に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0166】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0167】
また、印刷装置100、印刷指示装置110を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0168】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0169】
本発明は、印刷処理に必要な料金を見積もる印刷料金見積装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0170】
1 印刷料金見積システム
100 印刷装置
101 管理サーバ装置
105 サーバ装置
102 ネットワーク
103 衛星通信インフラ
104 ネットワーク
110 印刷指示装置
110A 携帯端末
110B PC
110C 携帯電話
111 制御部
112 記憶部(記憶手段)
113 表示部(表示手段)
114 操作部
115 受付部
116 表示制御部
117 通信制御部
121 通信部(通信手段)
150 記憶部(消耗品記憶手段)
200 印刷料金見積部(印刷料金見積装置)
201 制御部
202 記憶部
204 表示部(表示手段)
205 操作部
206 データ通信部(印刷装置通信手段)
209 画像形成部
209a 検出部
400 印刷設定画面
600 見積画面
601 見積印刷ボタン
608 印刷ボタン
2011 使用量推測部
2012 見積算出部
2013 出力制御部
2013a 表示制御部
2013b 印刷制御部
2014 データ取得部(電気料金情報取得部、消耗品費用情報取得部)
2015 通信制御部(印刷装置通信制御部)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置で用いられる消耗品に関する費用の情報である消耗品費用情報、及び、電力使用量に応じた料金の情報である電気料金情報、を記憶する記憶手段と、
入力された画像データ及び当該画像データの印刷条件を基に、前記印刷装置にて当該画像データを当該印刷条件で印刷処理した際の、前記消耗品の使用量及び電力使用量をそれぞれ推測する使用量推測部と、
前記推測された前記消耗品の使用量及び前記記憶された消耗品費用情報、並びに、前記推測された電力使用量及び前記記憶された電気料金情報、を基に、前記印刷処理に必要な料金の見積を算出する見積算出部と、
前記算出された料金の見積を出力手段に出力させる出力制御部と、
を備えたことを特徴とする印刷料金見積装置。
【請求項2】
前記消耗品及び当該消耗品に付随する製品の少なくとも一方に、温室効果ガスの排出権が付与されており、
前記記憶手段は、前記温室効果ガスの排出権の取得に要した費用の情報である排出権取得費用情報を記憶し、
前記見積算出部は、さらに、前記推測された前記消耗品の使用量及び前記排出権取得費用情報を基に、前記印刷処理に必要な料金の見積を算出することを特徴とする請求項1に記載の印刷料金見積装置。
【請求項3】
前記消耗品及び当該消耗品に付随する製品は、現像剤及び前記印刷装置に着脱可能な現像剤収容容器であり、前記消耗品費用情報は、前記現像剤を収容した前記現像剤収容容器の費用の情報であることを特徴とする請求項2に記載の印刷料金見積装置。
【請求項4】
前記出力制御部は、前記印刷処理に必要な料金の見積を、前記推測された前記消耗品の使用量と前記推測された電力使用量とで項目を分けて、前記出力手段に出力させる特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の印刷料金見積装置。
【請求項5】
前記出力制御部は、前記印刷処理に必要な料金の見積を、前記出力手段として用いられる表示手段に表示させることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の印刷料金見積装置。
【請求項6】
前記電気料金情報を外部から取得し前記記憶手段に記憶させる電気料金情報取得部を備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の印刷料金見積装置。
【請求項7】
前記消耗品が、あるいは、前記消耗品に付随する製品が、前記消耗品費用情報を記憶する消耗品記憶手段を備えており、
前記消耗品記憶手段から前記消耗品費用情報を取得し、前記記憶手段に記憶させる消耗品費用情報取得部を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の印刷料金見積装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の印刷料金見積装置を備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項9】
請求項8に記載の印刷装置と、当該印刷装置の有する各機能に応じた印刷条件を設定可能な印刷指示装置とが、ネットワーク接続した印刷料金見積システムにおいて、
前記印刷指示装置は、画像データ、当該画像データの印刷条件、及び見積依頼を、前記印刷装置に送信するよう通信手段を制御する通信制御部、を備え、
前記印刷装置では、前記印刷指示装置から、画像データ、当該画像データの印刷条件、及び見積依頼を受信すると、受信した見積依頼への応答として、前記使用量推測部が受信した画像データ及び当該画像データの印刷条件に基づき、前記消耗品の使用量及び電力使用量をそれぞれ推測し、前記見積算出部が受信した画像データの印刷処理に必要な料金の見積を算出し、前記出力制御部が、前記算出された印刷処理に必要な料金の見積を、前記出力手段として用いられる通信手段に送信させ、
さらに、前記印刷指示装置は、前記印刷装置が送信した前記印刷処理に必要な料金の見積を受信し、表示手段にて表示させる表示制御部を備えることを特徴とする印刷料金見積システム。
【請求項10】
請求項9に記載の印刷料金見積システムに用いられる印刷指示装置。
【請求項11】
前記通信制御部は、前記通信手段を制御して、当該印刷指示装置とネットワーク接続した前記印刷装置に対して、設定した印刷条件にて画像データの印刷処理を実行させる指示を送信することを特徴とする請求項10に記載の印刷指示装置。
【請求項12】
前記表示手段を備えることを特徴とする請求項10または11に記載の印刷指示装置。
【請求項13】
画像データ及び当該画像データの印刷条件を基に、印刷装置にて当該画像データを当該印刷条件で印刷処理した際の、当該印刷装置で用いられる消耗品の使用量及び電力使用量をそれぞれ推測する使用量推測ステップと、
前記推測された前記消耗品の使用量及び当該消耗品に関する費用の情報である消耗品費用情報、並びに、前記推測された電力使用量及び電力使用量に応じた料金の情報である電気料金情報、を基に、前記印刷処理に必要な料金の見積を算出する見積算出ステップと、
前記算出された料金の見積を出力手段に出力させる出力制御ステップと、
を含むことを特徴とする印刷料金見積方法。
【請求項14】
請求項1から7のいずれか1項に記載の印刷料金見積装置を動作させるプログラムであって、コンピュータを前記各部として機能させるための印刷料金見積プログラム。
【請求項15】
請求項14に記載の印刷料金見積プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−61607(P2013−61607A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201712(P2011−201712)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】