説明

印刷方法、デジタルカメラ、プログラム及びプリンタ

【課題】デジタルカメラで撮影した画像を撮影後即座に印刷する場合等に適した印刷方法、通信モジュール、及びプログラムを提供する。
【解決手段】映像を電気信号に変換し、画像データとして記憶媒体に記憶するデジタルカメラと、画像データに基づく画像を用紙に印刷するプリンタと、が通信可能に接続されたネットワークシステムにおいて、デジタルカメラをネットワークに接続されたか判定し、デジタルカメラがネットワークに接続された際に、デジタルカメラにおいて記憶されている画像データのうち、少なくとも最後に記憶された画像データをプリンタに送信する。そして、送信された画像データに基づく画像をプリンタで印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラで撮影した画像を撮影後即座に印刷する場合等に適した印刷方法、デジタルカメラ、プログラム及びプリンタを提供することを目的とする。
【背景技術】
【0002】
近年、AV機器やパソコン、情報家電等を、ハブ又はルータ等を介して相互に接続し、ハードウェア資源又はソフトウェア資源を共有できるようにするネットワークシステム(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN:local Area Network))が提案されている。例えば、DLNA(Digital Living Network Alliance)により、このネットワークシステムにおける技術仕様が策定されている。以下、DLNAにより策定された仕様(DLNAガイドライン)に準拠した機器を、DLNA対応機器と呼ぶこととする。
DLNA対応機器には、静止画や動画、音楽等のデジタルコンテンツを保存する機器(以下、DMS(Digital Media Server)と称する)、DMSから提供されたデジタルコンテンツを再生する機器(以下、DMP(Digital Media Player)と称する)、DMSから提供されたデジタルコンテンツ(例えば、画像データ)に基づいて画像を印刷する機器(以下、DMPr(Digital Media Printer)と称する)等がある。
【0003】
図9は、複数のDLNA対応機器を、LANを介して接続したネットワーク構成の一例を示す説明図である。
図9に示すように、例えば、パーソナルコンピュータ(以下、パソコンと称する)51、HDDレコーダ52等がDMSとなり得る。また、例えば、パソコン51、テレビジョン受像機53、オーディオシステム54等がDMPとなり得る。DMPrは、ネットワーク対応のプリンタ55である。
このようなDLNA対応機器が接続されたネットワークシステム5では、例えば、HDDレコーダ52に保存されているビデオコンテンツをテレビジョン受像機53やパソコン(DMP)51で再生させたり、パソコン(DMS)51に保存されている音楽コンテンツをオーディオシステム54で再生させたりすることができる。
【0004】
また、例えば、パソコン51に保存されている画像をプリンタ55により印刷することができる。具体的には、ユーザは、印刷する画像をパソコン51上で選択し、印刷を指示する。すると、パソコン51は、ユーザによって選択された画像の印刷を指示するデータ(印刷指示データ)をプリンタ55に送信する。プリンタ55は、この印刷指示データに基づいて印刷を指示された画像データを送信するように要求する。パソコン51は、プリンタ55からの要求に応じて画像データを転送する。そして、プリンタ55は、転送された画像データに基づいて画像を印刷する。
【0005】
このネットワークに接続されたプリンタ55を利用して、デジタルカメラ56により記憶媒体(例えば、メモリカード)に記憶された画像データに基づく画像(以下において、「撮影された画像」と同義)をプリンタ55で印刷することができる。この場合には、例えば、パソコン51に画像データを一旦保存する、または、画像データが記憶された記憶媒体57をパソコン51に読取可能に装着する。そして、パソコン51において印刷する画像を選択し、印刷することとなる。
【0006】
一方、デジタルカメラとプリンタをUSBケーブル等により直接接続したり、画像データが記憶された記憶媒体をプリンタに直接装着したりして、デジタルカメラで撮影した画像を容易にプリンタで印刷する技術が提案されている(例えば、特許文献1、2)。
特許文献1には、デジタルカメラとプリンタとが機能的に結合されてなる印刷システムにおいて、印刷済みの画像を履歴ファイルとしてデジタルカメラ側で記憶しておくことで、その後に撮影された一連の写真を印刷対象としてプリンタに印刷させる技術が開示されている。
また、特許文献2では、メモリカード等の記憶媒体から画像データを読み出し、その中から選択手段によって範囲(例えば、撮影日)を限定された画像データのみを出力するプリンタが開示されている。
【0007】
また、DPOF(Digital Print Order Format)対応のデジタルカメラでは、記憶媒体に記憶された画像データに対して、印刷する画像の選択や枚数を指定することができる。DPOFとは、デジタルカメラで撮影した画像を印刷するときの指定方法を定めた規格である。この印刷に関するデータが書き込まれた記憶媒体をDPOF対応のプリンタに装着すると、簡単に指定通りの印刷を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−158696号公報
【特許文献2】特開2006−5835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、デジタルカメラの利用形態として、例えば、テーマパークやパーティ等に訪れた客を撮影したり、試し撮りをしたりする場合がある。このような場合は、その場で撮影結果(写真の仕上がり)を確認できるように、デジタルカメラにより撮影した画像を簡単な操作で手軽に印刷できることが望ましい。
しかしながら、上述した従来の技術では、デジタルカメラにより撮影した後、デジタルカメラをパソコンやプリンタに接続して印刷する画像を選択したり、デジタルカメラから記憶媒体を取り出してパソコンやプリンタに装着したりする必要があり不便である。
【0010】
本発明は、デジタルカメラで撮影した画像を撮影後即座に印刷する場合等に適した印刷方法、デジタルカメラ、プログラム及びプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するため、映像を電気信号に変換し、画像データとして記憶媒体に記憶するデジタルカメラと、画像データに基づく画像を用紙に印刷するプリンタと、が通信可能に接続されたネットワークシステムにおける印刷方法であって、
前記デジタルカメラのシャッターボタンが押されるたびにネットワークへの接続を試みる第1ステップと、
前記デジタルカメラがネットワークに接続されたか判定する第2ステップと、
前記デジタルカメラがネットワークに接続された際に、前記デジタルカメラにおいて記憶されている画像データのうち、最後に記憶された画像データだけを自動的に前記プリンタに送信する第3ステップと、
前記プリンタで前記送信された画像データに基づく画像を印刷する第4ステップと、を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の印刷方法において、
前記第3ステップでは、前記画像データに対応して前記記憶媒体に記憶されている画像データに関する情報に基づいて、前記最後に記憶された画像データを特定することを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の印刷方法において、
前記第4ステップの後、印刷された画像データに関する情報を印刷履歴情報として記憶する第5ステップを備え、
前記第3ステップにおいて、前記最後に記憶された画像データに関する情報と前記印刷履歴情報とを比較し、両者が同じ場合には前記プリンタに画像データを送信しないことを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の印刷方法において、
前記デジタルカメラは、無線LANを介してネットワークに接続されることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明は、映像を電気信号に変換し、画像データとして記憶媒体に記憶するとともに、前記記憶媒体に記憶されている画像データに基づく画像を用紙に印刷するプリンタと通信可能に接続されたデジタルカメラであって、
シャッターボタンが押されるたびにネットワークへの接続を試みる第1手段と、
当該デジタルカメラがネットワークに接続されたか判定する第2手段と、
当該デジタルカメラがネットワークに接続された際に、前記記憶媒体に記憶されている画像データのうち、最後に記憶された画像データだけを自動的に前記プリンタに送信する第3手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のデジタルカメラにおいて、
前記第3手段は、前記画像データに対応して前記記憶媒体に記憶されている画像データに関する情報に基づいて、前記最後に記憶された画像データを特定することを特徴とする。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のデジタルカメラにおいて、
前記プリンタで前記画像データに基づく画像が印刷された後、当該印刷された画像データに関する情報を印刷履歴情報として記憶し、
前記第3手段は、前記最後に記憶された画像データに関する情報と前記印刷履歴情報とを比較し、両者が同じ場合には前記プリンタに画像データを送信しないことを特徴とする。
【0018】
請求項8に記載の発明は、請求項5〜7のいずれか一項に記載のデジタルカメラにおいて、
無線LANを介してネットワークに接続されることを特徴とする。
【0019】
請求項9に記載の発明は、映像を電気信号に変換し、画像データとして記憶媒体に記憶するとともに、前記記憶媒体に記憶されている画像データに基づく画像を用紙に印刷するプリンタと通信可能に接続されたデジタルカメラのコンピュータに、
前記デジタルカメラのシャッターボタンが押されるたびにネットワークへの接続を試みる第1機能と、
前記デジタルカメラがネットワークに接続されたか判定する第2機能と、
前記デジタルカメラがネットワークに接続された際に、前記記憶媒体に記憶されている画像データのうち、最後に記憶された画像データだけを自動的に前記プリンタに送信させる第3機能と、を実現させることを特徴とするプログラムである。
【0020】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の印刷方法に用いられるプリンタである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、デジタルカメラで撮影した最後の画像を、プリンタにより容易に印刷させることができるので、撮影結果を手軽に確認することができる。例えば、テーマパークやパーティ等に訪れた客を撮影したり、試し撮りをしたりする場合等、デジタルカメラで撮影した画像を撮影後即座に印刷したい場合に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1実施形態に係るネットワークシステム1の概略構成を示す説明図である。
【図2】データ通信モジュール10とデジタルカメラ11の接続態様の一例を示す外観斜視図である。
【図3】データ通信モジュール10の要部構成の一例を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態のネットワークシステム1における印刷処理の一例について示すフローチャートである。
【図5】第2実施形態に係るネットワークシステム2の概略構成を示す説明図である。
【図6】デジタルカメラ20の要部構成の一例を示すブロック図である。
【図7】第2実施形態のネットワークシステム2における印刷処理の一例について示すフローチャートである。
【図8】第1実施形態の変形例に係るネットワークシステム3の概略構成を示す説明図である。
【図9】複数のDLNA対応機器を、LANを介して接続したネットワーク構成の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るネットワークシステム1の概略構成を示す説明図である。
図1に示すように、第1実施形態に係るネットワークシステム1は、データ通信モジュール10とネットワーク対応プリンタ12とがLANに接続されて構成される。
データ通信モジュール10は、例えばネットワークに接続された無線LANアクセスポイント(図示略)に無線LANにより接続される。また、データ通信モジュール10は、デジタルカメラ11と例えばUSB接続される。
プリンタ12は、例えばネットワークに接続されたハブ又はルータ(図示略)にLANケーブルにより接続される。
【0025】
このように、第1実施形態では、データ通信モジュール10を用いてデジタルカメラ11をネットワークに接続することにより、デジタルカメラ11とプリンタ12を通信可能とし、デジタルカメラ11で撮影された画像をプリンタ12で印刷できるようにしている。
なお、図示を省略するが、ネットワークには、データ通信モジュール10やプリンタ12の他、パソコンやHDDレコーダ、オーディオシステム等の機器を接続することができる。
【0026】
第1実施形態では、データ通信モジュール10及びプリンタ12として、DLNAガイドラインに準拠した機器(いわゆるDNLA対応機器)を採用している。つまり、データ通信モジュール10はデジタルカメラ11が接続されることによりDMS(Digital Media Server)として機能し、プリンタ12はDMPr(Digital Media Printer)として機能する。
DLNAガイドラインでは、UPnPをベースとして、メディア・フォーマット(JPEG、LPCM、MPEG2)、メディア転送(HTTP)、通信プロトコル(IPv4)、ネットワーク接続性(有線LAN、無線LAN)等、機器が共通に対応すべき機器間の接続条件が策定されている。
【0027】
DLNA対応機器同士であれば、単にネットワークに接続するだけで、特別な設定なしに相互接続してコンテンツを共有できるようになる。したがって、プリンタ12がネットワークに接続され、デジタルカメラ11が接続されたデータ通信モジュール10がネットワークに接続されると、相互に通信可能な状態となる。そして、デジタルカメラ11の記憶媒体(例えば、メモリカード)に記憶された画像データを、データ通信モジュール10を介してプリンタ12に提供することで、プリンタ12で画像データに基づく画像を印刷することができる。
【0028】
また、デジタルカメラ11が接続されたデータ通信モジュール10は、ネットワーク内でDMSとして機能するので、デジタルカメラ11の記憶媒体に記憶されている画像データ(画像コンテンツ)をネットワークに接続されているDMP(Digital Media Player)に対して公開する。このとき、公開する画像コンテンツは、デジタルカメラ11の記憶媒体に記録されている全部又は一部(例えば、最後に記憶された画像コンテンツ)とすることができ、予めデータ通信モジュール10で設定される。
【0029】
図2は、データ通信モジュール10とデジタルカメラ11の接続態様の一例を示す外観斜視図である。
図2に示すように、第1実施形態のデータ通信モジュール10は、例えば、デジタルカメラ11にUSB接続するための接続端子(図3のUSBインターフェース104)を底面部に備えたクレードルであり、デジタルカメラ11とUSBインターフェース104をケーブルレスで接続可能に構成されている。
【0030】
クレードル型のデータ通信モジュール10にデジタルカメラ11をセットすると、両者はUSB接続され、データ通信モジュール10はDMSとして機能するようになる。このような構成とすることで、データ通信モジュール10とデジタルカメラ11を、USBケーブルを用いることなく簡単に接続することができるので、利便性に優れる。
なお、データ通信モジュール10とデジタルカメラ11をUSBケーブルで接続する構成としてもよい。
【0031】
図3は、データ通信モジュール10の要部構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、データ通信モジュール10は、CPU101、ROM102、RAM103、USBインターフェース104、LANインターフェース105、無線LANモジュール106、EEPROM107を備えて構成される。
【0032】
CPU101は、データ通信モジュール10の各部から入力される入力信号等に応じて、ROM102に格納された各種プログラムを実行し、データ通信モジュール10の各部を制御する。
例えば、CPU101は、データ通信モジュール10にデジタルカメラ11が接続された状態において、DMPからの要求に応じてデジタルカメラ11の記憶媒体に記憶されている画像コンテンツを公開する。また例えば、CPU101は、データ通信モジュール10にデジタルカメラ11が接続されたことを契機として、デジタルカメラ11の記憶媒体に記憶されている画像データに基づく画像の印刷をプリンタ12に指示する。
【0033】
ROM102は、例えば、フラッシュメモリ等の書込・消去可能な不揮発性半導体メモリで構成され、CPU101によって処理を実行するための各種プログラムを記憶している。例えば、接続されたデジタルカメラ11の記憶媒体に記憶されている画像コンテンツをDMPに対して公開するためのプログラム(図示略)や、デジタルカメラ11が接続されたときにプリンタ12に印刷を指示する印刷指示プログラム102a等を記憶している。
RAM103は、揮発性メモリで構成され、CPU101によって各種プログラムが実行される際に生じる処理結果や、入力されたデータ等をワークエリアに記憶する。
【0034】
USBインターフェース104は、データ通信モジュール10とデジタルカメラ11をUSB接続するためのインターフェースであり、デジタルカメラ11の記憶媒体に記録されている画像データ、及び画像データに関する情報(例えば、ファイル名、撮影日時)等を取得する。
【0035】
LANインターフェース105は、LANケーブルを介してデータ通信モジュール10をネットワークに接続するためのインターフェースであり、ネットワークに接続されているプリンタ12やその他のDMPとのデータ送受信を可能とする。
【0036】
無線LANモジュール106は、データ通信モジュール10をネットワークに無線接続するためのモジュールであり、ネットワークに接続されているプリンタ12やその他のDMPとのデータ送受信を可能とする。例えば、ネットワークに接続された無線LANアクセスポイント(図示略)を経由してネットワークに接続する。
【0037】
EEPROM107は、書込・消去可能な不揮発性半導体メモリで構成され、例えば、CPU101による印刷指示に基づいてプリンタ12に送信した画像データに関する情報(例えば、ファイル名、撮影日時等)を印刷履歴情報として記憶する。
この画像データに関する情報は、デジタルカメラ11の記憶媒体に、画像データに対応して記憶されている。例えば、デジタルカメラ用の画像フォーマットであるDCFに準拠したデジタルカメラであれば、画像データに順次ファイル名が付与されるとともに、これに対応してデジタルカメラの機種や撮影日時、サムネイルなどの情報が記憶媒体に記憶されるので、そのうちのファイル名と撮影日時を画像データに関する情報として利用する。
EEPROM107内に印刷履歴情報を残すことで、一度印刷指示した画像データについて、誤って再度印刷指示がなされるのを防止することができる。
【0038】
このように、第1実施形態のデータ通信モジュール10は、デジタルカメラ11と接続するためのカメラ接続部(USBインターフェース104)と、ネットワークに接続するためのネットワーク接続部(LANインターフェース105、無線LANモジュール106)と、デジタルカメラの記憶媒体に記憶されている画像データに基づく画像の印刷をプリンタ12に指示する制御部(CPU101)と、を備える。
また、プリンタ12に送信した画像データに関する情報を印刷履歴情報として記憶する記憶部(EEPROM107)を備える。
【0039】
なお、第1実施形態のデジタルカメラ11、プリンタ12については、一般に流通しているものを利用できる。簡単に説明すると、デジタルカメラ11は、映像を電気信号に変換し、画像データとして記憶媒体に記憶する撮影モジュールと、データ通信モジュール10にUSB接続するためのインターフェースを備えるものであればよい。プリンタ12は、画像データに基づく画像を用紙(例えば、写真用の台紙)に印刷する印刷モジュールと、ネットワークに接続するためのインターフェースを備えるものであればよい。
【0040】
図4は、第1実施形態のネットワークシステム1における印刷処理の一例について示すフローチャートである。図4では、データ通信モジュール10における印刷指示処理と、プリンタ12における印刷処理を分けて示している。
データ通信モジュール10における印刷指示処理は、CPU101がROM102内の印刷指示プログラム102aを実行することにより実現される。また、プリンタ12における印刷処理は、プリンタ12内のCPUが所定のプログラムを実行して印刷モジュールを制御することにより実現される。
なお、この処理が実行される前提として、データ通信モジュール10とプリンタ12は電源が投入され、ネットワークに接続された状態となっているものとする。
【0041】
以下、データ通信モジュール10における印刷指示処理を主幹として説明する。
ステップS101では、USBインターフェース104にデジタルカメラ11が接続されたか判定する。例えば、ユーザが、クレードル型のデータ通信モジュール10にデジタルカメラ11を置くと、デジタルカメラ11が接続されたと判定される。
つまり、デジタルカメラ11がデータ通信モジュール10を介してネットワークに接続されたか判定していることとなる。そして、デジタルカメラ11が接続されたと判定した場合にはステップS102に移行する。
【0042】
ステップS102では、デジタルカメラ11において記憶されている画像データの中から最後に記憶された画像データ(すなわち、最後に撮影した画像のデータ)を検索する。このとき、デジタルカメラ11の記憶媒体に記憶されている画像データに関する情報(ファイル名、撮影日時)を参照して、最後に記憶された画像データを特定する。
【0043】
ステップS103では、最後に記憶された画像データが以前にプリンタ12に送信され印刷されたものであるか判定する。具体的には、最後に記憶された画像データに関する情報と、EEPROM107に記憶されている印刷履歴情報とを比較することにより判定する。例えば、画像データに関する情報であるファイル名と撮影日時が一致した場合に、既に印刷されたものと判定することとなる。
そして、最後に記憶された画像データが未印刷であると判定した場合はステップS104に移行し、既に印刷済みであると判定した場合は処理を終了する。つまり、一度印刷した画像データについては自動的に印刷されないようにしている。
【0044】
ステップS104では、最後に記憶された画像データに基づく画像の印刷を指示するデータ(印刷指示データ)をプリンタ12に送信する。この印刷指示データには、印刷する画像データのファイル名や、印刷に関するフォーマット(例えば、写真の縁有り、縁なし、用紙の大きさ等)等が含まれる。
これに対して、プリンタ12では、印刷指示データを受信すると(ステップS201で“YES”)、DMSであるデータ通信モジュール10に、印刷する画像データを要求する(ステップS202)。
【0045】
ステップS105では、プリンタ12から印刷すべき画像データの要求があるか判定する。そして、プリンタ12から画像データの要求を受けたと判定した場合に、ステップS106に移行する。
ステップS106では、プリンタ12からの画像データの要求に応じて、画像データを送信する。
これに対して、プリンタ12では、画像データを受信すると(ステップS203で“YES”)、受信した画像データに基づく画像を印刷する(ステップS204)。
ステップS107では、プリンタ12に送信した画像データに関する情報を印刷履歴情報としてEEPROM107に記憶する。この印刷履歴情報は、次回の印刷処理時のステップS103において参照されることとなる。
【0046】
このように、第1実施形態に係るネットワークシステム1では、デジタルカメラ11がネットワークに接続されたか判定し(ステップS101)、デジタルカメラ11がネットワークに接続された際に、デジタルカメラ11において記憶されている画像データのうち、少なくとも最後に記憶された画像データをプリンタ12に送信し(ステップS104、S105)、プリンタ12で前記送信された画像データに基づく画像を印刷する(ステップS203)。
これにより、デジタルカメラ11で撮影した最後の画像を、プリンタ12により容易に印刷させることができるので、撮影結果を手軽に確認することができる。例えば、テーマパークやパーティ等に訪れた客を撮影したり、試し撮りをしたりする場合等、デジタルカメラ11で撮影した画像を撮影後即座に印刷したい場合に好適である。
【0047】
また、最後に記憶された画像データだけをプリンタ12に送信するので、実際には印刷する必要のない画像が印刷されるのを防止できる。すなわち、第1実施形態に係るネットワークシステム1は、最後に撮影した画像を手軽にプリンタ12で印刷するためのものである。なお、ネットワークに接続されたデジタルカメラ11のUI(User Interface)を操作することにより、他の画像をプリンタ12で印刷することもできる。
また、画像データに対応してデジタルカメラ11の記憶媒体に記憶されている画像データに関する情報(ファイル名、撮影日時等)に基づいて、最後に記憶された画像データを特定する(ステップS102)ので、最後に記憶された画像データを正確に特定することができる。
【0048】
また、印刷された画像データに関する情報を印刷履歴情報としてEEPROM107に記憶し(ステップS106)、最後に記憶された画像データに関する情報と印刷履歴情報とを比較し、両者が同じ場合にはプリンタ12に画像データを送信しない(ステップS103で“NO”)ので、一度印刷した画像が再度印刷されるのを防止できる。
【0049】
さらに、第1実施形態のネットワークシステム1において、デジタルカメラ11は、データ通信モジュール10を介して無線LANでネットワークに接続されるので、デジタルカメラ11(データ通信モジュール10)から離れた場所にプリンタ12を設置することができ、利便性に優れる。
また、デジタルカメラ11は、データ通信モジュール10を介してネットワークに接続されるので、USBインターフェースを有する一般的なデジタルカメラ11を利用することができ、汎用性に優れる。
【0050】
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態に係るネットワークシステム2の概略構成を示す説明図である。第1実施形態に係るネットワークシステム1とは、データ通信モジュール10を備えていない点が相違する。
【0051】
図5に示すように、第2実施形態に係るネットワークシステム2は、デジタルカメラ20とネットワーク対応プリンタ21とがLANに接続されて構成される。
デジタルカメラ20は、例えばネットワークに接続された無線LANアクセスポイント(図示略)に無線LANにより接続される。
プリンタ21は、例えばネットワークに接続されたハブ又はルータ(図示略)にLANケーブルにより接続される。
すなわち、第2実施形態では、第1実施形態におけるデータ通信モジュール10の機能をデジタルカメラ20に備えるようにしている。
【0052】
このように、第2実施形態では、デジタルカメラ20を無線LANによりネットワークに接続してプリンタ21と通信可能とし、デジタルカメラ20で撮影された画像をプリンタ21で印刷できるようにしている。
なお、図示を省略するが、ネットワークには、デジタルカメラ20やプリンタ21の他、パソコンやHDDレコーダ、オーディオシステム等の機器を接続することができる。
【0053】
第2実施形態では、デジタルカメラ20及びプリンタ21として、DLNAガイドラインに準拠した機器(いわゆるDNLA対応機器)を採用している。つまり、デジタルカメラ20はDMS(Digital Media Server)として機能し、プリンタ21はDMPr(Digital Media Printer)として機能する。
【0054】
したがって、プリンタ21がネットワークに接続され、デジタルカメラ20がネットワークに接続されると、相互に通信可能な状態となる。そして、デジタルカメラ20の記憶媒体(例えば、メモリカード)に記憶された画像データをプリンタ21に提供することで、プリンタ21で画像データに基づく画像を印刷することができる。
【0055】
また、デジタルカメラ20は、ネットワーク内でDMSとして機能するので、デジタルカメラ20の記憶媒体に記憶されている画像データ(画像コンテンツ)をネットワークに接続されているDMP(Digital Media Player)に対して公開する。このとき、公開する画像コンテンツは、デジタルカメラ20の記憶媒体に記録されている全部又は一部(例えば、最後に記憶された画像コンテンツ)とすることができ、例えば、デジタルカメラ20の操作部206(図6)により設定することができる。
【0056】
図6は、デジタルカメラ20の要部構成の一例を示すブロック図である。
図6に示すように、デジタルカメラ20は、CPU201、ROM202、RAM203、カメラモジュール204、無線LANモジュール205、操作部206、表示部207、カードインターフェース208、EEPROM209を備えて構成される。なお、図示を省略するが、パソコン等と接続するためのUSBインターフェースを備えるようにしてもよい。
【0057】
CPU201は、デジタルカメラ20の各部から入力される入力信号等に応じて、ROM202に格納された各種プログラムを実行し、デジタルカメラ20の各部を制御する。
例えば、CPU201は、カメラモジュール204を制御して画像を撮影する。また、CPU201は、デジタルカメラ20がネットワークに接続された状態において、DMPからの要求に応じて記憶媒体Mに記憶されている画像コンテンツを公開する。また例えば、CPU201は、操作部206からの入力を契機として、記憶媒体Mに記憶されている画像データに基づく画像の印刷をプリンタ21に指示する。
【0058】
ROM202は、例えば、フラッシュメモリ等の書込・消去可能な不揮発性半導体メモリで構成され、CPU201によって処理を実行するための各種プログラムを記憶している。例えば、カメラモジュール204により画像を撮影するための撮影プログラム202a、記憶媒体Mに記憶されている画像コンテンツをDMPに対して公開するためのプログラム(図示略)、プリンタ21に印刷を指示する印刷指示プログラム202b等を記憶している。
RAM203は、揮発性メモリで構成され、CPU201によって各種プログラムが実行される際に生じる処理結果や、入力されたデータ等をワークエリアに記憶する。
【0059】
カメラモジュール204は、映像を電気信号に変換し、画像データとして記憶媒体Mに記憶する。デジタルカメラ20は、DCFに準拠しており、画像データに順次ファイル名を付与するとともに、これに対応してデジタルカメラ20の機種や撮影日時、サムネイルなどの情報を記憶媒体Mに記憶する。そのうちのファイル名と撮影日時を画像データに関する情報として利用する。
【0060】
無線LANモジュール205は、デジタルカメラ20をネットワークに無線接続するためのモジュールであり、ネットワークに接続されているプリンタ21やその他のDMPとのデータ送受信を可能とする。例えば、ネットワークに接続された無線LANアクセスポイント(図示略)を経由してネットワークに接続する。これにより、デジタルカメラ20を容易にネットワークに接続することができ、プリンタ21に印刷を指示することができる。
【0061】
操作部206は、画像を撮影するためのシャッターボタンやプリンタ21に印刷指示を行うための印刷指示ボタン、各種設定を行う複数の操作ボタンを備えて構成される。この操作部206において、所定の操作(例えば、印刷指示ボタンの押下)を行うことでネットワーク接続されたプリンタ21に印刷指示を行うことができる。
表示部207は、例えば、液晶パネル等で構成され、撮影時に撮影対象となる画像を表示したり、記憶媒体Mに記憶されている画像データの情報を表示したりする。
操作部206と表示部207を協働させることで、ネットワークシステム2において、所望の画像の印刷指示を行ったり、画像コンテンツを公開したりすることができる。
【0062】
カードインターフェース208は、メモリカード等の記憶媒体Mを装着するためのインターフェースである。カードインターフェース208に装着された記憶媒体Mに、撮影された画像のデータ(画像データ)及び画像データに関する情報が記憶されることとなる。
【0063】
EEPROM209は、書込・消去可能な不揮発性半導体メモリで構成され、例えば、CPU201による印刷指示に基づいてプリンタ21に送信した画像データに関する情報(例えば、ファイル名、撮影日時等)を印刷履歴情報として記憶する。この画像データに関する情報は、記憶媒体Mに画像データに対応して記憶されている。
EEPROM209内に印刷履歴情報を残すことで、一度印刷指示した画像データについて、誤って再度印刷指示がなされるのを防止することができる。
【0064】
このように、第2実施形態のデジタルカメラ20は、映像を電気信号に変換し画像データとして記憶媒体Mに記憶する撮影部(カメラモジュール204)と、ネットワークに接続するためのネットワーク接続部(無線LANモジュール205)と、記憶媒体Mに記憶されている画像データに基づく画像の印刷を指示するための操作部206と、操作部206からの入力信号に基づいてプリンタ21に印刷を指示する制御部(CPU201)と、を備える。
また、プリンタ21に送信した画像データに関する情報を印刷履歴情報として記憶する記憶部(EEPROM209)を備える。
【0065】
なお、第2実施形態のプリンタ21については、一般に流通しているものを利用できる。つまり、プリンタ21は、画像データに基づく画像を用紙(例えば、写真用の台紙)に印刷する印刷モジュールと、ネットワークに接続するためのインターフェースを備えるものであればよい。
【0066】
図7は、第2実施形態のネットワークシステム2における印刷処理の一例について示すフローチャートである。図7では、デジタルカメラ20における印刷指示処理と、プリンタ21における印刷処理を分けて示している。また、ステップS303以降の処理及びプリンタ21における印刷処理は第1実施形態と同様であるので、該当部分については簡単に説明する。
【0067】
デジタルカメラ20における印刷指示処理は、CPU201がROM202内の印刷指示プログラム202bを実行することにより実現される。また、プリンタ21における印刷処理は、プリンタ21内のCPUが所定のプログラムを実行して印刷モジュールを制御することにより実現される。
なお、この処理が実行される前提として、プリンタ21は電源が投入され、ネットワークに接続された状態となっているものとする。
【0068】
以下、デジタルカメラ20における印刷指示処理を主幹として説明する。
ステップS301では、ユーザにより印刷指示ボタンが押下されることに伴い、操作部206から印刷を指示する操作信号が入力されたか判定する。そして、印刷を指示する操作信号が入力されたと判定した場合にはステップS302に移行する。
【0069】
ステップS302では、無線LANによりデジタルカメラ20をネットワークに接続する。ステップS302において、リンクが確立されるとネットワークに接続されたと判定し、ステップS303に移行する。
このように、第2実施形態では、ユーザによって印刷を指示する所定の操作ボタンが操作されたことを契機に、自動的にネットワークに接続する。そして、リンクが確立された後、印刷指示処理を進行させる。言い換えると、デジタルカメラ20がネットワークに接続されたか判定し、ネットワークに接続された際に印刷指示処理を進行させるようにしている。
【0070】
ステップS303では、デジタルカメラ20において記憶されている画像データの中から最後に記憶された画像データ(すなわち、最後に撮影した画像のデータ)を検索する。このとき、デジタルカメラ20の記憶媒体Mに記憶されている画像データに関する情報(ファイル名、撮影日時)を参照して、最後に記憶された画像データを特定する。
【0071】
ステップS304では、最後に記憶された画像データが以前にプリンタ21に送信され印刷されたものであるか判定する。そして、最後に記憶された画像データが未印刷であると判定した場合はステップS305に移行し、既に印刷済みであると判定した場合は処理を終了する。
ステップS305では、最後に記憶された画像データに基づく画像の印刷を指示するデータ(印刷指示データ)をプリンタ21に送信する。これに対して、プリンタ21では、印刷指示データを受信すると(ステップS401で“YES”)、デジタルカメラ20に、印刷する画像データを要求する(ステップS402)。
【0072】
ステップS306では、プリンタ21から印刷すべき画像データの要求があるか判定する。そして、プリンタ21から画像データの要求を受けたと判定した場合に、ステップS307に移行する。
ステップS307では、プリンタ21からの画像データの要求に応じて、画像データを送信する。
これに対して、プリンタ21では、画像データを受信すると(ステップS403で“YES”)、受信した画像データに基づく画像を印刷する(ステップS404)。
ステップS307では、プリンタ21に送信した画像データに関する情報を印刷履歴情報としてEEPROM107に記憶する。この印刷履歴情報は、次回の印刷処理時のステップS304において参照されることとなる。
【0073】
このように、第2実施形態に係るネットワークシステム2では、デジタルカメラ20がネットワークに接続されたか判定し(ステップS301、S302)、デジタルカメラ20がネットワークに接続された際に、デジタルカメラ20において記憶されている画像データのうち、少なくとも最後に記憶された画像データをプリンタ21に送信し(ステップS305、S306)、プリンタ21で前記送信された画像データに基づく画像を印刷する(ステップS403)。
【0074】
これにより、デジタルカメラ20で撮影した最後の画像を、プリンタ21により容易に印刷させることができるので、撮影結果を手軽に確認することができる。例えば、テーマパークやパーティ等に訪れた客を撮影したり、試し撮りをしたりする場合等、デジタルカメラ20で撮影した画像を撮影後即座に印刷したい場合に好適である。
また、第1実施形態のデータ通信モジュール10のような機器を別途用意する必要はないので、さらに利便性に優れる。ユーザは、印刷を指示するための操作ボタンを押下するという極めて簡単な操作により、デジタルカメラ20をネットワークに接続させ、最後に記憶した画像を印刷することができる。
【0075】
また、最後に記憶された画像データだけをプリンタ21に送信するので、実際には印刷する必要のない画像が印刷されるのを防止できる。すなわち、第2実施形態に係るネットワークシステム2は、最後に撮影した画像を手軽にプリンタ21で印刷するためのものである。なお、デジタルカメラ20の操作部206を操作することにより、他の画像をプリンタ21で印刷することもできる。
また、画像データに対応してデジタルカメラ20の記憶媒体に記憶されている画像データに関する情報(ファイル名、撮影日時等)に基づいて、最後に記憶された画像データを特定する(ステップS303)ので、最後に記憶された画像データを正確に特定することができる。
【0076】
また、印刷された画像データに関する情報を印刷履歴情報としてEEPROM209に記憶し(ステップS307)、最後に記憶された画像データに関する情報と印刷履歴情報とを比較し、両者が同じ場合にはプリンタ21に画像データを送信しない(ステップS3
04で“NO”)ので、一度印刷した画像が再度印刷されるのを防止できる。
また、デジタルカメラ20は、無線LANによりネットワークに接続されるので、デジタルカメラ20から離れた場所にプリンタ12を設置することができ、利便性に優れる。
【0077】
第2実施形態では、ユーザにより操作部206の印刷指示ボタンが押下されることに伴い印刷指示処理を実行する(ステップS301で“YES”)が、シャッターボタンが押下されることに伴い印刷指示処理を実行するようにしてもよい。このように、印刷指示ボタンとシャッターボタンが兼用されることにより、シャッターボタンが押されるたびに撮影画像が印刷されるため、印刷指示ボタンの押下操作が不要となる。
この場合、シャッターボタンが押下されるたびにネットワークに接続を試みることになりCPU101の負担が増大する虞がある。そこで、ネットワークへの接続ボタンを別に設け、デジタルカメラ20がネットワークに接続された状態ではシャッターボタンの押下操作に応じて印刷指示処理を実行するようにし、ネットワークに接続されていない状態では印刷指示ボタンの押下操作に応じて印刷指示処理を実行するようにしてもよい。
【0078】
(変形例)
図8は、第1実施形態の変形例に係るネットワークシステム3の概略構成を示す説明図である。
【0079】
図8に示すように、変形例に係るネットワークシステム3は、パーソナルコンピュータ(以下、パソコンと称する)30とネットワーク対応プリンタ32とがLANに接続されて構成される。
パソコン30及びプリンタ32は、例えばネットワークに接続されたハブ又はルータ(図示略)にLANケーブルにより接続される。また、パソコン30は、デジタルカメラ31と例えばUSB接続される。
【0080】
このように、変形例では、パソコン30を用いてデジタルカメラ31をネットワークに接続することにより、デジタルカメラ31とプリンタ32を通信可能とし、デジタルカメラ31で撮影された画像をプリンタ32で印刷できるようにしている。
なお、図示を省略するが、ネットワークには、パソコン30やプリンタ32の他、HDDレコーダ、オーディオシステム等の機器を接続することができる。
【0081】
すなわち、変形例は、第1実施形態のデータ通信モジュール10の代わりに、パソコン30を適用している点が相違する。つまり、コンピュータにデータ通信モジュール10の機能を実現させるプログラムをパソコン30にインストールしている。
具体的には、デジタルカメラ31がネットワーク接続された際に、デジタルカメラ31によって記憶された画像データのうち、少なくとも最後に記憶された画像データをプリンタ32に送信させる機能と、送信された画像データに基づく画像をプリンタ32で印刷させる機能と、を実現させるプログラムが、パソコン30にインストールされている。
【0082】
上述したように、本発明は、一般に流通しているパソコン30に、上記プログラムをインストールすることにより実現可能となる。
なお、このときに、ネットワークシステム3における印刷処理のフローチャートは図4に示すフローチャートと同様となる。また、パソコン30ではなく、プリンタ32に上述したプログラムをインストールすることにより実現することも可能である。
【0083】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、第1、第2実施形態では、最後に記憶された画像データだけを自動的に印刷するようにしているが、最後に記憶された画像データを含む複数の画像データを印刷するようにしてもよい。例えば、デジタルカメラの連写機能等を利用した場合は、最後に記憶された画像データを含む複数の画像データを印刷できるようにした方が好ましい。このとき、複数の画像データの選別方法については、例えば、最後の画像データと比較して、撮影日時が所定時間前(例えば1分前)の画像データを全て対象とする。
また、第1実施形態及びその変形例では、デジタルカメラとデータ通信モジュール又はパソコンとの接続形態として、USB接続を利用した場合について説明したが、Blue Toothを利用することもできる。
また、第1、第2実施形態では、デジタルカメラをネットワークに接続した際に、自動的に印刷処理を実行するようにしているが、デジタルカメラにより記憶された画像データをUSBメモリ等のマスストレージデバイスに移動した場合は、このマスストレージデバイスをネットワークに接続した際に、自動的に印刷処理を実行するようにしてもよい。
【0084】
本発明は、デジタルカメラにおいて最後に記憶された画像を印刷するのに適した印刷方法であるが、かかる技術を応用すると、デジタルカメラにおいて最後に記憶された画像をテレビジョン受像機等の表示装置に表示させることが可能となる。
【0085】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0086】
1 ネットワークシステム
10 データ通信モジュール
11 デジタルカメラ
12 ネットワーク対応プリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を電気信号に変換し、画像データとして記憶媒体に記憶するデジタルカメラと、画像データに基づく画像を用紙に印刷するプリンタと、が通信可能に接続されたネットワークシステムにおける印刷方法であって、
前記デジタルカメラのシャッターボタンが押されるたびにネットワークへの接続を試みる第1ステップと、
前記デジタルカメラがネットワークに接続されたか判定する第2ステップと、
前記デジタルカメラがネットワークに接続された際に、前記デジタルカメラにおいて記憶されている画像データのうち、最後に記憶された画像データだけを自動的に前記プリンタに送信する第3ステップと、
前記プリンタで前記送信された画像データに基づく画像を印刷する第4ステップと、を備えることを特徴とする印刷方法。
【請求項2】
映像を電気信号に変換し、画像データとして記憶媒体に記憶するとともに、前記記憶媒体に記憶されている画像データに基づく画像を用紙に印刷するプリンタと通信可能に接続されたデジタルカメラであって、
シャッターボタンが押されるたびにネットワークへの接続を試みる第1手段と、
当該デジタルカメラがネットワークに接続されたか判定する第2手段と、
当該デジタルカメラがネットワークに接続された際に、前記記憶媒体に記憶されている画像データのうち、最後に記憶された画像データだけを自動的に前記プリンタに送信する第3手段と、を備えることを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項3】
映像を電気信号に変換し、画像データとして記憶媒体に記憶するとともに、前記記憶媒体に記憶されている画像データに基づく画像を用紙に印刷するプリンタと通信可能に接続されたデジタルカメラのコンピュータに、
前記デジタルカメラのシャッターボタンが押されるたびにネットワークへの接続を試みる第1機能と、
前記デジタルカメラがネットワークに接続されたか判定する第2機能と、
前記デジタルカメラがネットワークに接続された際に、前記記憶媒体に記憶されている画像データのうち、最後に記憶された画像データだけを自動的に前記プリンタに送信させる第3機能と、を実現させることを特徴とするプログラム。
【請求項4】
請求項1に記載の印刷方法に用いられるプリンタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−147480(P2012−147480A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−82054(P2012−82054)
【出願日】平成24年3月30日(2012.3.30)
【分割の表示】特願2007−254060(P2007−254060)の分割
【原出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】