説明

印刷時の断紙が少ないオフセット印刷用新聞用紙と断紙予測方法

【課題】
オフセット印刷時に断紙が発生せず、走行性、印刷作業性に優れたオフセット印刷用新聞用紙、及び、オフセット印刷用紙の断紙発生の程度を予測評価する方法を提供すること。
【解決手段】
原紙抄造時のジェットワイヤー比が0.98〜1.04となるように調整し、紙の縦方向の引張エネルギー吸収量が15.0〜20.0J/m2、かつ紙の縦方向と横方向の引張エネルギー吸収量の比が1.0〜1.3のオフセット印刷用新聞用紙を得る。製造したオフセット印刷用新聞用紙について、縦方向の引張エネルギー吸収量と、縦方向と横方向の引張エネルギー吸収量の比を予め試験することにより、オフセット輪転印刷機での断紙を予測評価する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新聞オフセット輪転機内での断紙が少ないオフセット印刷用新聞用紙、及び、オフセット印刷用紙の断紙発生の程度を予測する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オフセット印刷用新聞用紙は、一般的にメカニカルパルプ(以下、MPと記述する)や脱墨パルプ(以下、DIPと記述する)を主な原料パルプとする紙であり、紙の種類としては中・下級紙に分類される。しかし、新聞社は、最新ニュースを記事にするために新聞オフセット輪転印刷機による高速・大量印刷を行うので、オフセット印刷用新聞用紙に要求される走行性は、一般の他の印刷用紙と比べて厳しいものである。また、新聞オフセット輪転印刷機は、ここ数年のページ数の増加やカラー印刷の導入により、印刷速度の上昇や印圧、転写圧、湿し水の管理やインキローラーやブランケットの材質、インキ、刷版などを最適に組み合わせることが必要であり、オフセット印刷用新聞用紙に求められる輪転印刷機内での走行性および新聞用紙の品質は、ますます複雑で多様化している。
【0003】
一方、製紙メーカーのコストダウンや環境に対する意識の向上から、オフセット印刷用新聞用紙においてもDIPの配合率が徐々に増加しており、70%を超えるものも珍しくない。しかし、DIPの配合率が増加すると、オフセット印刷時の走行性に様々な問題が起こる可能性が高くなり、その中でも断紙の問題は最も重要視される問題の一つである。一旦、走行中に断紙が発生すると、その後の紙通し作業の増加による印刷効率の低下や、損紙の増加、ブランケット等の破損を引き起こすため、多くの印刷所で最重要課題となっている。
【0004】
断紙の原因としては、強度の低下、サイズ度の低下、傷、穴の増加などが挙げられるが、その中でもDIPの高配合は、パルプ繊維の劣化による強度低下や粘着異物による傷、穴の増加を引き起こすため、断紙の増加につながり易い。
【0005】
前記の断紙原因を克服あるいは解消できる方法が、断紙を防止する方法として有効なことは当然のことであり、この観点から、各種の断紙防止方法が提案されている。原料パルプの強度を高めることにより新聞印刷用紙の強度を高める方法としては、例えば、引張強度と引裂強度が高く、断紙等の印刷トラブルの発生を防止することができ、しかも印刷適性の良好な古紙配合新聞用紙の提供を課題として、雑誌古紙パルプを古紙パルプ製造工程において離解、粗選した後、0.12mm以下のスリットを使用して分級率10%以上で分級処理し、このパルプを5%以上含有させ、新聞用紙の引張強度を2.4kN/m以上、かつ引裂強度を380mN以上とする技術が開示されている(特許文献1参照)。新聞印刷用紙に配合する填料の平均粒子径を大きくし、また、填料とパルプの接着を促進させることにより新聞印刷用紙の強度を高める方法としては、例えば、抄造時の灰分歩留まりが高く、かつオフセット印刷時に断紙や紙粉発生が少なく、更に印刷品質に優れる中性新聞印刷用紙の提供を課題として、填料に炭酸カルシウム、凝集剤にカチオン化澱粉または架橋型カチオン化澱粉を使用し、炭酸カルシウム/カチオン化澱粉または架橋型カチオン化澱粉=100/0.5〜10.0で調製した平均粒子径5〜130μmの予備凝集填料を添加する技術が開示されている(特許文献2参照)。新聞印刷用紙の吸水抵抗性を高め、水切れ断紙を防止する方法としては、例えば、オフセット印刷時のインキ着肉性が改善され、ネッパリ現象、ベッセルピック、ブランケットパイリング、紙流れ、水切れ断紙等のトラブルを発生することがなく、良好な印刷作業性およびカラー印刷品質を有するオフセット印刷用新聞用紙の提供を課題として、原紙の両面に長鎖アルキル基を含有する酸化澱粉を主成分とする表面処理剤組成物を塗布する技術が開示されている(特許文献3参照)。しかし、これらのいずれの方法も断紙の発生を完全に抑えることは困難であった。
【0006】
【特許文献1】特開2004-91957号公報
【特許文献2】特開2005-194656号公報
【特許文献3】特開2005-232638号公報
【0007】
また、断紙と完全に相関する物性値が見つかっていないため、オフセット印刷用新聞用紙の断紙の予測評価も困難な状況にあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、オフセット印刷時に断紙が発生せず、走行性、印刷作業性に優れたオフセット印刷用新聞用紙と、その予測評価方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
紙の縦方向(以下、MDと記述する)の引張エネルギー吸収量を15.0〜20.0J/m2とし、かつ紙のMDと横方向(以下、CDと記述する)の引張エネルギー吸収量の比(MD/CD)を1.0〜1.3とすることによって、課題を解決した。
【発明の効果】
【0010】
紙のMDの引張エネルギー吸収量を15.0〜20.0 J/m2とし、かつ紙のMDとCDの引張エネルギー吸収量の比(MD/CD)を1.0〜1.3とすることにより、オフセット印刷時に断紙が発生せず、走行性、印刷作業性に優れたオフセット印刷用新聞用紙を提供できる。また、製造したオフセット印刷用新聞用紙について、MDの引張エネルギー吸収量と、MDとCDの引張エネルギー吸収量の比(MD/CD)を予め試験することにより、オフセット輪転印刷機での断紙を事前に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
一般的に紙の強度は、試験片に張力を加えて破断する時の最大荷重を幅1m当たりに換算した値(下記の式(1))である引張強さで議論することが多く、オフセット印刷用新聞用紙についても、輪転機内での断紙を論じる場合、この引張強さの高低によって断紙の発生し易さを評価することが多かった。
S=F/w・・・式(1)
ここで、Sは引張強さ(kN/m)、Fは破断までの最大荷重(N)、wは試験片の幅(mm)である。
【0012】
しかしながら、新聞オフセット輪転機内の張力は、A巻幅(1626mm)当たり0.3〜0.8kN程度、すなわち0.18〜0.49kN/mであるのに対して、一般的なオフセット印刷用新聞用紙の引張強さは、MDで2.0〜3.0kN/m、CDでも0.6〜1.0kN/m程度である。従って、オフセット印刷用新聞用紙に傷や穴が無ければ、新聞オフセット輪転機内において断紙が発生する可能性は低い。しかし、このような引張強さを有する新聞用紙でも現実には輪転機内で断紙している。この状況から、本発明者らは紙に傷や穴があって初めて、オフセット印刷用新聞用紙は新聞オフセット輪転機内で、断紙が発生すると考えている。
【0013】
本発明者らは、オフセット印刷時の断紙発生要因について鋭意検討した結果、断紙の発生には紙に存在する傷や穴の存在が強く影響することに加え、JIS P 8113で規定する紙の引張エネルギー吸収量と断紙の発生との間に極めて高い相関性があり、引張エネルギー吸収量が高いほど断紙が少ない関係にあることを見出した。この知見に基づき、オフセット印刷時に断紙の少ないオフセット印刷用新聞用紙を得るべく鋭意検討し、本発明を完成するに至った。
【0014】
引張エネルギー吸収量とは、JIS P 8113に規定されているように、紙を所定の条件で引張り、破断に要した仕事量を1m2に換算した値である。
Z=106×E/(l1×w)・・・式(2)
ここで、Zは引張エネルギー吸収量(J/m2)、Eは破断に要した仕事量(J)、l1はつかみ具間の試験片の初期長さ(mm)である。
【0015】
破断に要した仕事量は、縦軸に荷重、横軸に伸びを取った時の荷重−伸び曲線の面積に相当することから、破断までの最大荷重と破断伸びが大きいほど、破断に要した仕事量は大きくなる。また、破断までの最大荷重は、式(1)から引張強さに比例する因子である。
【0016】
従って、断紙と相関性が高い引張エネルギー吸収量を高くするためには、引張強さと破断伸びを大きくすれば良いことになる。
【0017】
一方、新聞印刷用紙に限らず、抄紙機で抄造される紙はパルプ繊維が配向しているため、紙の強度はMDとCDで異なり、MD強度>CD強度となっている。新聞印刷用紙中に存在する傷や穴を起点として断紙する場合、強度の弱いCDへまず亀裂が進行し、この亀裂が更にMDへ広がり、ついには断紙に至ると推定される。前述のように、断紙を防止するには、引張強さと破断伸びを大きくして、引張エネルギー吸収量を高くすれば良いが、これはMDのみならずCDも考慮する必要がある。CDの引張エネルギー吸収量を高めるには、紙中のパルプ繊維配向を制御して、新聞印刷用紙の引張エネルギー吸収量のMDとCDの差を小さくすることにより、断紙が起こりにくくなることを見出した。
【0018】
すなわち、MDの引張エネルギー吸収量は15.0〜20.0J/m2とし、かつMDとCDの引張エネルギー吸収量の比はMD/CD=1.0〜1.3とすることにより、断紙の発生を防止できる。
【0019】
新聞印刷用紙の引張エネルギー吸収量は、原料パルプの種類と配合率、ウェットプレスの線圧、繊維配向性等々の条件が複雑に関係しあって決定される。強度の高い原料パルプを高配合すること、あるいは、高線圧のウェットプレス処理で、パルプ繊維間結合を強化することにより、引張エネルギー吸収量を含め他の強度を高めることが可能である。しかし、新聞印刷用紙の断紙を防止するには、MDのみならずCDの引張エネルギー吸収量も高くする必要がある。すなわち、引張エネルギー吸収量のMD/CD比を小さくする必要がある。強度の高い原料パルプは、一般に高価なため配合率には限界があり、ウェットプレスの線圧を高くすると紙厚が低下する問題があり、線圧の設定にも限界がある。これらの理由からCDの引張エネルギー吸収量を高めることは極めて困難である。この状況から、繊維配向性を制御することが最も効果的であり重要であることを見出した。
【0020】
引張エネルギー吸収量のMDとCDの比の制御には、ジェットワイヤー比(J/W比)、スライスニップ開度、ワイヤーパートでの脱水プロファイル等の調整が有効であるが、特にJ/W比の調整が有効であると考えている。
【0021】
J/W比を0.98〜1.04にすることにより、MDとCDの引張エネルギー吸収量の比をMD/CD=1.0〜1.3の範囲内に入れることができる。
【0022】
本発明のオフセット印刷用新聞用紙に使用される原料パルプは、グランドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、セミケミカルパルプ(SCP)などのMP、クラフトパルプ(KP)に代表されるケミカルパルプ(CP)、これらのパルプを含む古紙を脱墨して得られるDIP、及び抄紙工程からの損紙を離解して得られる回収パルプなどを、ユーザーの要望する品質に応じて、単独、あるいは任意の比率で適宜混合して使用する。尚、DIPの配合率は最近のDIP高配合化の流れからすると、50〜100重量%の範囲がより好ましい。
【0023】
本発明のオフセット印刷用新聞用紙の原紙は、白色度や不透明度のような光学的品質、およびカラー印刷の鮮明さ等の印刷適性が優れている点から、中性抄紙法で抄造される。
【0024】
本発明のオフセット印刷用新聞用紙は填料無配合でも、配合でも良いが、不透明度を高める観点から、填料を配合することが好ましい。填料を配合する場合、填料としては中性抄紙において一般に使用されている填料が使用でき、特に限定されるものではない。例えば、クレー、焼成カオリン、デラミカオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、ホワイトカーボン等の非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛などの無機填料、尿素−ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、メラミン系樹脂、スチレン−ブタジエン系共重合体系樹脂、微小中空粒子等の有機填料が単独で、または適宜2種類以上を組み合わせて使用される。この中でも、軽質炭酸カルシウムや軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物が好ましく使用される。この軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物としては、例えば、本出願人が出願した特開2003-212539号公報、特願2004-83767号に記載の軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物が挙げられる。
【0025】
また、必要に応じて、紙料へ抄紙用薬品を適宜内添することができる。抄紙用薬品として、ポリアクリルアミド系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、カチオン化澱粉、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン−ホルマリン樹脂などの紙力増強剤、アクリルアミド−アミノメチルアクリルアミドの共重合物の塩、カチオン化澱粉、ポリエチレンイミン、ポリエチレンオキサイド、アクリルアミド−アクリル酸ナトリウム共重合物などの濾水性向上剤または歩留まり向上剤、各種のロジン系サイズ剤、エマルジョンサイズ剤、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニルコハク酸無水物(ASA)などの内添サイズ剤、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、紫外線防止剤、退色防止剤、消泡剤、スライムコントロール剤などの製紙助剤を含有してもよい。
【0026】
表面強度向上や耐水性付与、その他インク着肉性改良などを目的として、表面処理を行っても良い。表面処理剤の種類については特に制限は無いが、一例を挙げると生澱粉や、酸化澱粉、エステル化澱粉、カチオン化澱粉、酵素変性澱粉、アルデヒド化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉などの変性澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコールなどの変性アルコール、スチレンブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミドなどを単独または併用できる。その中でも表面強度向上効果に優れるヒドロキシエチル化澱粉の塗工が好ましく、ヒドロキシエチル化澱粉の中でも、澱粉をヒドロキシエチル化反応後、含水率5〜17%の固体の状態で、塩化水素ガス、塩酸、硫酸等で酸処理するか、過硫酸アンモウニウム、過酸化水素、塩素ガス等で酸化処理することにより低分子化した、乾式低分子化ヒドロキシエチル化澱粉が更に好ましい。また、表面処理剤には前記の薬剤の他に、スチレンアクリル酸、スチレンマレイン酸、オレフィン系化合物、カチオン性サイズ剤などの表面サイズ剤を併用塗布することができる。表面処理剤を塗工する場合、その両面あたりの塗工量は固形分重量で0.05〜2.0g/m2が好ましい。
【0027】
MDの引張エネルギー吸収量は、J/W比以外に、原料パルプの種類と濾水度及び配合や、填料の種類と紙中填料率、内添する紙力増強剤の種類と添加量、表面処理剤の種類と塗布量などが影響する。従って、本発明のオフセット印刷用新聞用紙では、、J/W比以外のこれらの因子を組み合わせて、MDの引張エネルギー吸収量を15.0〜20.0J/m2の範囲内に入れる。
【0028】
本発明で用いられる抄紙機は、両面脱水構造を有しているギャップフォーマー、ハイブリッドフォーマー、オントップフォーマー等が望ましいが、これに限定されるものではない。
【0029】
また、新聞用紙原紙の坪量としては、特に限定されるものではないが、34〜50g/m2である。
【0030】
製造したオフセット印刷用新聞用紙については、オフセット輪転機で印刷される前、好ましくは新聞抄紙機リールエンドの新聞巻取の段階で、MDとCDの引張エネルギー吸収量を予め測定し、MDの引張エネルギー吸収量が15.0〜20.0J/m2であり、かつ引張エネルギー吸収量がMD/CD=1.0〜1.3である新聞巻取のみを新聞印刷メーカーへ出荷することにより、オフセット輪転機での断紙を防止することができる。
【実施例】
【0031】
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。勿論、本発明はそれらに限定されるものではない。また、例中の部および%は特に断らない限り、それぞれ重量部および重量%を示す。
【0032】
オフセット印刷用新聞用紙の引張エネルギー吸収量と、断紙発生の評価方法は次のとおりである。
(1)引張エネルギー吸収量:JIS P 8113に従って、MDとCDについて測定した。
(2)断紙発生の評価:オフセット印刷機(東芝株式会社製、SYSTEM C-20)で、湿し水膜圧0.9μm、印面濃度1.15、印刷速度900rpmで18万部印刷する間の断紙を確認した。
【0033】
[実施例1]
サーモメカニカルパルプ15部、脱墨古紙パルプ75部、針葉樹漂白クラフトパルプ10部の割合で混合し、リファイナーで離解してフリーネス150ml(カナダ標準フリーネス)に調整したパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウムを絶乾パルプ当たり15固形分重量%添加した後、ツインワイヤー型抄紙機にてJ/W比0.98で抄紙を行い、坪量43g/m2のオフセット印刷用新聞用紙を得た。
【0034】
[実施例2]
J/W比を0.99とした以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を製造した。
【0035】
[実施例3]
J/W比を1.00とした以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を製造した。
【0036】
[実施例4]
J/W比を1.01とした以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を製造した。
【0037】
[実施例5]
J/W比を1.02とした以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を製造した。
【0038】
[実施例6]
J/W比を1.04とした以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を製造した。
【0039】
[比較例1]
J/W比を0.97とした以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を製造した。
【0040】
[比較例2]
J/W比を1.05とした以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を製造した。
【0041】
【表1】

【0042】
表1に示されるように、J/W比を0.98〜1.04にした実施例1〜6を、J/W比を0.97にした比較例1、J/W比を1.05にした比較例2と比較すると、実施例1〜6では紙のMDの引張エネルギー吸収量が15.0〜20.0J/m2、紙のMDとCDの引張エネルギー吸収量比(MD/CD)が1.0〜1.3となり、かつ断紙が発生しなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
JIS P 8113に規定された紙の縦方向の引張エネルギー吸収量が15.0〜20.0J/m2であり、かつ縦方向と横方向の引張エネルギー吸収量の比が1.0〜1.3であることを特徴とするオフセット印刷用新聞用紙。
【請求項2】
オフセット印刷用新聞用紙の原紙抄造時のジェット/ワイヤー比が0.98〜1.04であることを特徴とする請求項1記載のオフセット印刷用新聞用紙。
【請求項3】
中性抄紙法で抄造されることを特徴とする請求項1または2記載のオフセット印刷用新聞用紙。
【請求項4】
紙の縦方向と横方向の引張エネルギー吸収量の比から、オフセット印刷用新聞用紙の断紙発生の程度を予測する方法。

【公開番号】特開2007−247075(P2007−247075A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−68563(P2006−68563)
【出願日】平成18年3月14日(2006.3.14)
【出願人】(000183484)日本製紙株式会社 (981)
【Fターム(参考)】