説明

印刷機の給紙機構

【課題】複数の給紙経路を有する給紙機構において、いずれの給紙経路を搬送されて来た用紙であっても、同一の撓みを形成でき、その結果、各給紙経路を搬送されて来た用紙の斜行を正確に補正できる、印刷機の給紙機構を、提供する。
【解決手段】給紙経路を通って搬送されて来た用紙をレジストローラ対15、15に突き当てて撓ませることによって、用紙の斜行を補正するようになっている、印刷機の給紙機構において、主給紙経路14に副給紙経路45がレジストローラ対の搬送方向上流側において合流しており、その合流部100とレジストローラ対との間の給紙経路部分140に、用紙の撓み部分を収容するための撓み空間部8が、形成されており、両給紙経路14、45は、レジストローラ対に向かって上側に膨らむように湾曲して、配置されており、撓み空間部8は、給紙経路部分140の上方側に、形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給紙経路を通って搬送されて来た用紙をレジストローラ対に突き当てて撓ませることによって、用紙の斜行を補正するようになっている、印刷機の給紙機構に、関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、印刷機においては、レジストローラ対を利用して、印刷部へ送り出す用紙の斜行を補正している。すなわち、印刷機は、給紙経路を通って搬送されて来た用紙をレジストローラ対に突き当てて撓ませることによって、用紙の斜行を補正する、給紙機構を、備えている。これは、複数の給紙経路がレジストローラ対の搬送方向上流側で合流している場合でも、同様である。そのような給紙機構は、例えば、特許文献1、2に開示されており、給紙経路には、用紙の撓み部分を収容するための撓み空間部が、形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−108481号公報
【特許文献2】特開平10−157878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の機構では、2つの給紙経路の合流部より搬送方向上流側において、各給紙経路に、撓み空間部が形成されている。このため、2つの給紙経路においては、レジストローラ対に突き当てられた用紙の撓み具合に、差異が生じ、それ故、斜行の補正に差異が生じ、その結果、補正が不十分となる恐れがある。
【0005】
特許文献2の機構では、2つの給紙経路の合流部に、1個の撓み空間部が形成されている。しかし、2つの給紙経路においては、合流部に向かう給紙方向が異なっているため、用紙の撓み具合に差異が生じ、それ故、斜行の補正に差異が生じ、その結果、補正が不十分となる恐れがある。
【0006】
本発明は、複数の給紙経路を有する給紙機構において、いずれの給紙経路を搬送されて来た用紙であっても、同一の撓みを形成でき、その結果、各給紙経路を搬送されて来た用紙の斜行を正確に補正できる、印刷機の給紙機構を、提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、給紙経路を通って搬送されて来た用紙をレジストローラ対に突き当てて撓ませることによって、用紙の斜行を補正するようになっている、印刷機の給紙機構において、複数の前記給紙経路が前記レジストローラ対の搬送方向上流側において合流しており、その合流部と前記レジストローラ対との間の給紙経路部分に、用紙の撓み部分を収容するための撓み空間部が、形成されており、複数の前記給紙経路は、前記レジストローラ対に向かって同じ側に膨らむように湾曲して、配置されており、前記撓み空間部は、前記給紙経路部分の膨らんだ側に、形成されている、ことを特徴としている。
【0008】
本発明は、更に、次のような限定構成(A)及び/又は(B)を採用するのが好ましい。
【0009】
(A)複数の前記給紙経路は、前記レジストローラ対に向かって上側に膨らむように湾曲して、配置されており、前記撓み空間部は、前記給紙経路部分の上方側に、形成されている。
【0010】
(B)複数の前記給紙経路が、主給紙経路及び副給紙経路を含んでおり、前記副給紙経路は、前記主給紙経路に対して下方から合流しており、その合流部においては、前記副給紙経路が、前記主給紙経路を構成する下側ガイド部材に開口しており、その開口部の搬送方向上流側の端縁が、用紙に対して、前記副給紙経路を構成するガイド部材よりも低抵抗を示すように、構成されている。
【0011】
前記構成(B)は、更に、次のような限定構成(a)又は(b)を採用するのが好ましい。
【0012】
(a)前記端縁が、樹脂又は金属からなる薄板を有しており、前記薄板は、用紙と接触する先端部が撓むことができるように、可撓性を有している。
【0013】
(b)前記端縁に、用紙に対して、前記副給紙経路を構成するガイド部材よりも低抵抗を示す材料が、コーティングされている。
【0014】
本発明は、更に、次のような限定構成(C)を採用するのが好ましい。
【0015】
(C)前記印刷機が、両面印刷機であり、用紙の表面に印刷を行うために、給紙トレイの用紙を搬送する、主給紙経路と、用紙の裏面に印刷を行うために、再給紙トレイの用紙を搬送する、副給紙経路と、を有しており、前記副給紙経路は、前記主給紙経路に対して下方から合流している。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、それぞれの給紙経路を通って搬送されて来た用紙を、1個の撓み空間部に向けて、同じような形態を呈するように、撓ませることができる。したがって、それぞれの給紙経路を搬送されて来た用紙に対して、同じように斜行の補正を行うことができる。よって、複数の給紙経路を有する場合でも、用紙の斜行を正確に補正できる。
【0017】
前記構成(A)によれば、給紙経路を搬送される用紙の先端に、重力によって、下向きの力が働くので、用紙を円滑に搬送できる。また、撓み空間部においては、用紙の撓みを解消する方向に重力が働いて、用紙が前後方向に広がろうとするので、用紙の先端がレジストローラ対にしっかりと突き当たり、その結果、用紙の斜行の補正をより正確に行うことができる。
【0018】
前記構成(B)によれば、副給紙経路から主給紙経路への用紙の搬送を開口部の端縁が妨げるのを、防止できる。したがって、副給紙経路を搬送される用紙がジャムするのを防止できる。また、副給紙経路を搬送されて来た用紙を十分に撓ませることができる。
【0019】
前記構成(a)によれば、副給紙経路を搬送される用紙の、ジャムや撓み不足を、薄板という簡単な構成によって、防止できる。
【0020】
前記構成(b)によれば、副給紙経路を搬送される用紙の、ジャムや撓み不足を、コーティングという簡単な構成によって、防止できる。
【0021】
前記構成(C)によれば、両面印刷機における用紙の斜行の補正を正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態の給紙機構を有する両面印刷機を示す断面略図である。
【図2】図1における給紙機構の拡大図である。
【図3】図1における合流部の拡大図である。
【図4】図3の更なる拡大図である。
【図5】図3に相当する図であり、主給紙経路における作動を示す図である。
【図6】図3に相当する図であり、副給紙経路における作動を示す図である。
【図7】図3に相当する図であり、従来の給紙機構の主給紙経路における作動を示す図である。
【図8】図3に相当する図であり、従来の別の例の給紙機構の副給紙経路における作動を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明の一実施形態の給紙機構を有する両面印刷機を示す断面略図である。この両面印刷機10は、画像読取部10Aと本体10Bとからなっている。本体10Bは、本発明の給紙機構を有する給紙部1と、印刷部2と、排紙部3と、再給紙部4と、製版部5と、排版部6と、を有している。なお、図においては、給紙部1側を「前側」と称し、排紙部3側を「後側」と称する。
【0024】
給紙部1は、給紙トレイ11上の用紙Pを、サバキ部材12に対向した給紙ローラ13によって、主給紙経路14を通して、一対のレジストローラ15に当接するまで、搬送するようになっている。印刷部2は、レジストローラ15によって所定のタイミングで送り出されて来た用紙Pを、押圧ローラ21によって版胴22に押し付けることによって、印刷処理するようになっている。排紙部3は、印刷された用紙Pを、吸引搬送ベルト機構31によって、排紙トレイ32上に送り出すようになっている。排紙トレイ32は、排紙トレイ32上の用紙Pを、再給紙部4の再給紙トレイ41上に送り出すことができるようになっている。再給紙部4は、再給紙トレイ41上の用紙Pを、搬送機構42、再給紙ローラ43、及び中間搬送ローラ44によって、副給紙経路45を通して、一対のレジストローラ15に当接するまで、搬送するようになっている。ここでは、二対の中間搬送ローラ44が設けられている。なお、副給紙経路45は、レジストローラ15より搬送方向上流側において主給紙経路14に合流している。一方、製版部5は、ロール51から引き出した孔版原紙Qを、プラテンローラ52及びサーマルヘッド53によって製版処理して、版胴22に取り付けるようになっている。サーマルヘッド53は、画像読取部10Aによって得られた画像データを孔版原紙Qに製版するようになっている。排版部6は、印刷処理に使用した孔版原紙Qすなわち使用済原紙Qを、引き込みローラ61によって、版胴22から引き離して、収納ロール62に巻き付けるようになっている。
【0025】
すなわち、両面印刷機10においては、まず、製版部5が作動し、それによって、孔版原紙Q1に表面印刷用の画像データが製版され、製版済の孔版原紙Q1が版胴22に取り付けられる。次に、給紙部1、印刷部2、及び排紙部3が作動し、それによって、給紙トレイ11上の所定枚数の用紙Pが主給紙経路14を通って1枚ずつ印刷部2に給紙され、用紙Pの表面に表面画像が印刷され、印刷処理後の用紙Pが排紙トレイ32上に積載される。次に、排版部6及び製版部5が作動し、それによって、表面印刷に使用された使用済原紙Q1が版胴22から引き離されて収納ロール62に巻き付けられると共に、新たな孔版原紙Q2に裏面印刷用の画像データが製版され、製版済の孔版原紙Q2が版胴22に取り付けられる。一方、排紙トレイ32上の全ての用紙Pが、再給紙トレイ41上に送り出される。そして、再給紙部4、印刷部2、及び排紙部3が作動し、それによって、再給紙トレイ41上の用紙Pが副給紙経路45を通って1枚ずつ印刷部2に給紙され、用紙Pの裏面に裏面画像が印刷され、印刷処理後の用紙Pが排紙トレイ32上に積載される。こうして、用紙Pの両面に画像が印刷される。
【0026】
なお、給紙部1においては、給紙機構によって、用紙Pの斜行が補正されるようになっている。すなわち、主給紙経路14を通って搬送されて来た用紙Pは、レジストローラ15に当接して撓むことによって、斜行が補正され、また、副給紙経路45を通って搬送されて来た用紙Pも、レジストローラ15に当接して撓むことによって、斜行が補正される。
【0027】
図2は、図1における給紙部1の給紙機構の拡大図である。主給紙経路14と副給紙経路45とは、レジストローラ15の搬送方向上流側において、合流している。図3は、その合流部100の拡大図であり、図4は、更なる拡大図である。
【0028】
主給紙経路14は、斜め下方からレジストローラ15に向かっている。副給紙経路45は、略下方から主給紙経路14に合流している。したがって、主給紙経路14及び副給紙経路45は、レジストローラ15に向かって上側に膨らむように湾曲して、配置されている。主給紙経路14は、上側ガイド部材141と下側ガイド部材142とが対向して構成されている。副給紙経路45は、前側ガイド部材451と後側ガイド部材452とが対向して構成されている。合流部100において、副給紙経路45は、下側ガイド部材142に形成された開口部101によって、主給紙経路14に連通している。
【0029】
より具体的には、合流部100において、副給紙経路45の前側ガイド部材451の下流端部4511は、開口部101の直前において主給紙経路14の下側ガイド部材142に沿って直線的に並設されている。また、後側ガイド部材452の下流端部4521は、開口部101に対して鋭角に配置されている。
【0030】
そして、本発明の給紙機構においては、主給紙経路14の、合流部100とレジストローラ15との間の部分140(図2)に、1個の撓み空間部8が形成されている。撓み空間部8は、部分140の、膨らんだ側に、すなわち、上方側に、形成されている。具体的には、撓み空間部8は、上側ガイド部材141の、搬送方向上流側部分1411と搬送方向下流側部分1412とが、共に上方向に且つ互いに搬送方向の逆方向に、反ることによって、形成されている。また、撓み空間部8は、ジャム時の処理のために手を差し込むことができるように、開口81を有している。
【0031】
更に、本発明の給紙機構においては、開口部101の搬送方向上流側の端縁102に、薄板82が設けられている。薄板82は、樹脂又は金属でできている。樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートを使用するのが好ましい。金属としては、例えば、ステンレスを使用するのが好ましい。薄板82は、先端部821が開口部101内に少し突出して設けられており、また、先端部821が開口部101を貫通する方向(矢印R方向)に撓むことができるように、可撓性を有している。このような薄板82を設けることにより、端縁102は、用紙Pに対して、副給紙経路45の前側ガイド部材451よりも低抵抗を示すようになっている。
【0032】
前記構成の給紙機構において、用紙Pは、次のように撓むことによって、その斜行が補正される。
【0033】
[主給紙経路14の場合]
図5に示されるように、主給紙経路14を搬送されて来た用紙Pは、レジストローラ15に当接すると、撓み空間部8に向けて撓む。すなわち、撓み空間部8には、用紙Pの撓み部分P1が入り込む。
【0034】
[副給紙経路45の場合]
図6に示されるように、副給紙経路45を搬送されて来た用紙Pは、開口部101を通過して、主給紙経路14を通って、レジストローラ15に当接すると、撓み空間部8に向けて撓む。すなわち、撓み空間部8には、用紙Pの撓み部分P2が入り込む。
【0035】
なお、前記両場合において、撓み空間部8に向けて撓むのは、主給紙経路14の部分140において、少しだけ上側に膨らむように湾曲しているからである。特に、このように、主給紙経路14及び副給紙経路45が部分140において上側に膨らんでいると、次のような利点(i)、(ii)がある。
(i)部分140を搬送される用紙Pの先端に、重力によって、下向きの力が働く。それ故、用紙Pは、円滑に搬送される。
(ii)撓み空間部8においては、用紙Pの撓みを解消する方向に重力が働いて、用紙Pが前後方向に広がろうとする。それ故、用紙Pの先端がレジストローラ15にしっかりと突き当たり、その結果、用紙Pの斜行の補正がより正確に行われる。
【0036】
このように、主給紙経路14を搬送されて来た用紙Pも、副給紙経路45を搬送されて来た用紙Pも、同じ撓み空間部8に向けて、同じような形態を呈するように撓む。すなわち、撓み部分P1と撓み部分P2とは、略同じ形態を呈している。したがって、前者の用紙Pも、後者の用紙Pも、同じように斜行が補正される。
【0037】
したがって、主給紙経路14を搬送されて来た用紙Pに対しても、副給紙経路45を搬送されて来た用紙Pに対しても、斜行の補正を正確に行うことができる。
【0038】
ちなみに、主給紙経路14の部分140の上方側に撓み空間部8が形成されていない場合には、主給紙経路14を搬送されて来た用紙Pは、図7に示されるように、部分P3のようにレジストローラ15付近で撓んだり、又は、部分P4のように給紙ローラ13付近で撓んだり、又は、両部分P3、P4のように2箇所で撓んだりする。したがって、主給紙経路14を搬送されて来た用紙Pと、副給紙経路45を搬送されて来た用紙Pとは、撓み具合が大きく異なっている。よって、この場合には、用紙Pに対する斜行の補正が不十分となる。
【0039】
また、副給紙経路45を搬送されて来た用紙Pは、開口部101の端縁102に接触しながら、主給紙経路14に入っていく。このとき、端縁102が滑りにくい性状を有していると、端縁102は用紙Pに対して高い抵抗を示すこととなり、図8に示されるように、用紙Pが、副給紙経路45内でも部分P5のように撓んでしまう。その結果、用紙Pが、搬送されにくくなり、ジャムが発生する恐れがあるとともに、部分P6のように、撓みが不足して、用紙Pの斜行の補正が不十分となる恐れがある。
【0040】
しかるに、前記構成の給紙機構においては、薄板82が設けられているので、副給紙経路45を搬送されて来た用紙Pは、図6に示されるように、開口部101の端縁102において、薄板82を撓ませながら、主給紙経路14に入っていく。すなわち、薄板82があるために、端縁102は、図8の場合に比して、用紙Pに対して低い抵抗を示す。したがって、端縁102は、副給紙経路45における用紙Pの搬送を妨げない。よって、用紙Pがジャムする恐れを解消できる。
【0041】
なお、薄板82は、先端部821が主給紙経路14内に突出していても、主給紙経路14を搬送される用紙Pに接触すると、撓んで退避する。したがって、薄板82は、主給紙経路14における搬送を妨げることはなく、また、ジャムを発生させる恐れもない。
【0042】
(変形形態)
(1)前記実施形態では、主給紙経路14及び副給紙経路45は、レジストローラ15に向かって上側に膨らむように湾曲して、配置されており、撓み空間部8は、部分140の上方側に形成されている。しかるに、主給紙経路14及び副給紙経路45は、レジストローラ15に向かって下側に膨らむように湾曲して、配置され、撓み空間部8は、部分140の下方側に形成されてもよい。
【0043】
(2)端縁102に、例えば、フッ素樹脂をコーティングしてもよい。この場合においても、薄板82を設けた場合と同様に、端縁102は、用紙Pに対して、副給紙経路45の前側ガイド部材451よりも低抵抗を示す。したがって、端縁102は、副給紙経路45における用紙Pの搬送を妨げない。なお、コーティング材料は、用紙Pに対して、副給紙経路45の前側ガイド部材451よりも低抵抗を示す材料であれば、すなわち、用紙Pに対する端縁102の抵抗を低減できるものであれば、フッ素樹脂に限らない。
【0044】
(3)端縁102を、用紙Pの滑りが円滑となるような、例えば丸い形に、加工してもよい。この場合においても、薄板82を設けた場合と同様に、端縁102は、用紙Pに対して、低抵抗を示す。したがって、端縁102は、副給紙経路45における用紙Pの搬送を妨げない。
【0045】
(4)端縁102に対して、前記(2)及び前記(3)の形態を組み合わせて採用してもよい。
【0046】
(5)本発明の給紙機構は、給紙経路を3つ以上有する場合にも、同様に適用できる。
【0047】
(6)本発明の給紙機構は、前記実施形態の両面印刷機に限らず、複写機、インクジェット印刷機、その他の方式の印刷機に、適用できる。例えば、片面印刷機の場合には、前記実施形態と同様の給紙トレイ11からの経路を主給紙経路とし、脱着可能なカセット式給紙トレイからの経路を副給紙経路として、本発明の給紙機構を適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の給紙機構は、複数の給紙経路を有する場合でも、用紙の斜行を正確に補正できるので、産業上の利用価値が大である。
【符号の説明】
【0049】
8 撓み空間部 10 両面印刷機 11 給紙トレイ 14 主給紙経路
15 レジストローラ 41 再給紙トレイ 45 副給紙経路 P 用紙
82 薄板 821 先端部 100 合流部 101 開口部 102 端縁
140 (給紙経路の)部分 142 下側ガイド部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給紙経路を通って搬送されて来た用紙をレジストローラ対に突き当てて撓ませることによって、用紙の斜行を補正するようになっている、印刷機の給紙機構において、
複数の前記給紙経路が前記レジストローラ対の搬送方向上流側において合流しており、
その合流部と前記レジストローラ対との間の給紙経路部分に、用紙の撓み部分を収容するための撓み空間部が、形成されており、
複数の前記給紙経路は、前記レジストローラ対に向かって同じ側に膨らむように湾曲して、配置されており、
前記撓み空間部は、前記給紙経路部分の膨らんだ側に、形成されている、
ことを特徴とする印刷機の給紙機構。
【請求項2】
複数の前記給紙経路は、前記レジストローラ対に向かって上側に膨らむように湾曲して、配置されており、
前記撓み空間部は、前記給紙経路部分の上方側に、形成されている、
請求項1記載の印刷機の給紙機構。
【請求項3】
複数の前記給紙経路が、主給紙経路及び副給紙経路を含んでおり、
前記副給紙経路は、前記主給紙経路に対して下方から合流しており、
その合流部においては、前記副給紙経路が、前記主給紙経路を構成する下側ガイド部材に開口しており、
その開口部の搬送方向上流側の端縁が、用紙に対して、前記副給紙経路を構成するガイド部材よりも低抵抗を示すように、構成されている、
請求項1又は2に記載の印刷機の給紙機構。
【請求項4】
前記端縁が、樹脂又は金属からなる薄板を有しており、
前記薄板は、用紙と接触する先端部が撓むことができるように、可撓性を有している、
請求項3記載の印刷機の給紙機構。
【請求項5】
前記端縁に、用紙に対して、前記副給紙経路を構成するガイド部材よりも低抵抗を示す材料が、コーティングされている、
請求項3記載の印刷機の給紙機構。
【請求項6】
前記印刷機が、両面印刷機であり、用紙の表面に印刷を行うために、給紙トレイの用紙を搬送する、主給紙経路と、用紙の裏面に印刷を行うために、再給紙トレイの用紙を搬送する、副給紙経路と、を有しており、
前記副給紙経路は、前記主給紙経路に対して下方から合流している、
請求項1〜5のいずれか1つに記載の印刷機の給紙機構。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−112452(P2013−112452A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258982(P2011−258982)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(390002129)デュプロ精工株式会社 (351)
【Fターム(参考)】