説明

印刷物の共同見積りシステム及びサーバコンピュータ

【課題】複数のユーザによる共同の印刷物見積りを可能にする。
【解決手段】複数のユーザ端末10,12,14とASPサーバ20が通信ネットワーク100を介して接続される。ASPサーバ20は、あるユーザ端末から送信された印刷用紙サイズ及び印刷ページ数を含む印刷条件データを受信すると、その時点より前にあるユーザ端末以外の他のユーザ端末から受信した印刷用紙サイズを基準印刷用紙サイズに換算して積算した累積印刷ページ数に対応する単価を決定し、概算見積りを算出して、あるユーザ端末に提供する。ユーザ端末が多いほど累積印刷ページが増大し単価が低下する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は共同見積りシステム、特に印刷物の共同見積りに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザの利便性を向上させることを目的として、コンピュータシステムを用いた共同購入システムあるいは入札システムが提案されている。
【0003】
下記の特許文献1には、コンテンツの共同購入を思い立った利用者Aが勧誘者となり、利用者Aが保有する携帯電話から、携帯電話の識別情報と、共同購入候補者である利用者B、Cが保有する携帯電話の識別情報を共同購入要求に含めて管理サーバに送ることが記載されている。管理サーバは、勧誘メッセージを利用者B,Cの携帯電話へ送り、同意情報を収集する。そして、収集された同意情報に基づいて共同購入契約が成立した場合に、管理サーバは利用者A,B,Cの携帯電話に購入対象コンテンツのダウンロードに関する情報として購入対象コンテンツのURLを送ることが記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、共同購入のセッションに参加しているユーザ端末毎に表示されるWebページの情報の編集又は該Webページ内において商品の決定が行われると、該編集があったこと又は商品の決定が行われたことがユーザ端末に通知されることが記載されている。連携データベースを用いることで、代表者を立てることなく、グループの参加者がグループのメンバとともにページ情報を共有し、各々が購入物品の追加、変更等を行うものとしている。
【0005】
また、特許文献3には、商品取引装置が、購入希望者の購入希望商品の仕様、規格や購入を希望する予約有効期間を含む商品検索条件からなる予測処理命令を購入希望者端末から受信して、商品の仕入れ予測に必要な情報を予め記憶した仕入予測情報記憶部を参照し、商品検索条件に合致する商品に関する仕入予測処理を仕入予測処理部で行うことが記載されている。仕入予測結果を通信手段により購入希望者端末へ送信し、仕入予測結果に対応する応答として、購入を希望する商品の数量、価格及び当該商品に関する希望サービスを含む購入条件を購入希望者端末から受信して予約情報として予約情報記憶部に記憶することが記載されている。
【0006】
また、特許文献4には、半導体製造委託者が製造を委託する半導体チップの機能仕様、性能、チップサイズ、製造コスト、納期等の要求仕様を指定することで、半導体チップの製造に必要なマスクを製造するのに最適な条件となるマスク機と、マスクを用いて半導体チップを製造するのに最適な条件となるFabを選定する電子入札方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−115047号公報
【特許文献2】特開2007−249557号公報
【特許文献3】特開2004−62693号公報
【特許文献4】特開2005−64040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、印刷物に関しては、種々の印刷コンテンツ、種々の印刷用紙、種々の印刷サイズ、種々の製本形態が存在し得ることから、いわゆる商品の共同購入システムに類するシステムを構築することが困難であり、印刷物を希望するユーザは、自身の希望する印刷条件及び印刷部数に応じた単価等で印刷物を注文せざるを得ない問題があった。また、ユーザ毎に印刷条件が多様であることから、全てを電子化することは困難であり、結局、ユーザと印刷業者とが面接して条件を詰めざるを得ないのが実状であり、ユーザの利便性に欠ける問題もあった。
【0009】
例えば、あるユーザAは、A4の片面で300部の印刷を希望しており、別のユーザBは、A3の両面で100部の印刷を希望しているものとすると、従来の共同購入システムでは購入すべき商品の属性が互いに一致していることを前提としているため、ユーザAの希望とユーザBの希望は互いに一致せず、共同購入システムで処理することは困難である。また、ユーザAが印刷を希望する条件の全てをコンピュータシステムで入力しようとすると、用紙サイズや製本形態のみならず、用紙のグレードや印刷コンテンツの色合い、構図、文字の配置、フォント等の細かい条件も全て入力しなければならず、手間がかかるだけでなく、希望通りに条件を入力できない場合も生じ得る。このため、電子化のメリットをユーザ、印刷業者ともに十分に享受できない事態が生じ得る。
【0010】
本発明の目的は、印刷を希望する複数のユーザが共同して印刷物の単価を設定することが可能であり、これによりユーザ及び印刷業者の利便性を向上させることができる印刷物の共同見積りシステム及びこれに用いるサーバコンピュータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、印刷物の共同見積りシステムであって、複数のユーザ端末と、前記ユーザ端末と通信ネットワークで接続されたサーバコンピュータとを備え、前記ユーザ端末は、印刷用紙サイズ及び印刷ページ数を含む印刷条件データを前記通信ネットワークを介して前記サーバコンピュータに送信し、前記サーバコンピュータは、前記ユーザ端末から送信された、印刷用紙サイズ及び印刷ページ数を含む印刷条件データを前記通信ネットワークを介して受信する受信手段と、累積印刷ページ数と単価との関係を記憶する記憶手段と、前記複数のユーザ端末のうち、あるユーザ端末から送信された前記印刷用紙サイズ及び印刷ページ数を含む前記印刷条件データを受信すると、その時点より前に前記あるユーザ端末以外の他の1又は複数のユーザ端末から受信した前記印刷用紙サイズを基準印刷用紙サイズに換算して積算した累積印刷ページ数に対応する単価を前記記憶手段にアクセスして読み出し、読み出した単価に、前記あるユーザ端末から送信された前記印刷用紙サイズを前記基準印刷用紙サイズに換算した印刷ページ数を乗じて概算見積りを算出する制御手段と、前記あるユーザ端末に前記概算見積りのデータを送信する送信手段を備え、前記あるユーザ端末は、前記概算見積りのデータを受信して表示することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、印刷物の共同見積りシステム用のサーバコンピュータであって、前記サーバコンピュータは、複数のユーザ端末と通信ネットワークで接続され、前記サーバコンピュータは、前記ユーザ端末から送信された、印刷用紙サイズ及び印刷ページ数を含む印刷条件データを前記通信ネットワークを介して受信する受信手段と、累積印刷ページ数と単価との関係を記憶する記憶手段と、前記複数のユーザ端末のうち、あるユーザ端末から送信された前記印刷用紙サイズ及び印刷ページ数を含む前記印刷条件データを受信すると、その時点より前に前記あるユーザ端末以外の他の1又は複数のユーザ端末から受信した前記印刷用紙サイズを基準印刷用紙サイズに換算して積算した累積印刷ページ数に対応する単価を前記記憶手段にアクセスして読み出し、読み出した単価に、前記あるユーザ端末から送信された前記印刷用紙サイズを前記基準印刷用紙サイズに換算した印刷ページ数を乗じて概算見積りを算出する制御手段と、前記あるユーザ端末に前記概算見積りのデータを送信する送信手段を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の印刷物の共同見積りシステムあるいはサーバコンピュータにおいて、1つの実施形態では、前記制御手段は、前記あるユーザ端末に前記概算見積りのデータを送信した後に、前記あるユーザ端末の前記印刷条件を用いて前記累積印刷ページ数を更新する。
【0014】
また、本発明のシステムあるいはサーバコンピュータにおいて、他の実施形態では、前記制御手段は、所定の締切時点における前記累積印刷ページに対応する単価を最終単価とし、前記最終単価に、前記あるユーザ端末から送信された前記印刷用紙サイズを前記基準印刷用紙サイズに換算した印刷ページ数を乗じて見積りを算出し、前記送信手段は、前記あるユーザ端末に前記見積りのデータを送信する。
【0015】
さらに、本発明のシステムあるいはサーバコンピュータにおいて、他の実施形態では、前記基準印刷用紙はA4サイズであり、前記制御手段は、前記印刷用紙サイズがA4より大きい場合にはA4の2ページとして換算し、前記印刷用紙サイズがA4より小さい場合にはA4の1ページとして換算する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、多くのユーザが共同で参加するほど累積印刷ページ数が増大して単価が低下するので、ユーザの利便性が著しく向上する。本発明では、印刷条件が異なる複数のユーザでも、換算された累積ページ数による単価を共同利用できるので、利便性が高い。また、印刷物を提供する印刷業者にとっても、新規ユーザの獲得が容易化される。また、本発明では、見積書の発行までをユーザに提供することで、その後の詳細な打ち合わせ等を円滑に進めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】システムの全体構成図である。
【図2】システムのシーケンス図である。
【図3】システムの概算見積り処理フローチャートである。
【図4】A4片面換算を示す説明図である。
【図5】累積ページ数に応じた単価を規定するテーブル説明図である。
【図6】ユーザ端末に表示される画面説明図(その1)である。
【図7】ユーザ端末に表示される画面説明図(その2)である。
【図8】ユーザ端末に表示される画面説明図(その3)である。
【図9】ユーザ端末に表示される画面説明図(その4)である。
【図10】ユーザ端末に表示される画面説明図(その5)である。
【図11】ユーザ端末のプリンタから出力される見積書の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
【0019】
図1に、本実施形態における印刷物の共同見積りシステムの全体構成図を示す。印刷物の共同見積りシステムは、通信ネットワークで複数のコンピュータが互いに接続されたコンピュータシステムで構成され、より特定的には、インターネット等の公衆通信ネットワークで接続されたサーバ・クライアントシステムで構成される。
【0020】
図1において、インターネット等の通信ネットワーク100には、複数のユーザ端末10,12,14が接続されるとともに、ASPサーバ20が接続される。さらに、通信ネットワーク100には、印刷業者の管理者端末30が接続される。
【0021】
ユーザ端末10,12,14は、印刷物を希望するユーザがそれぞれ利用する端末であり、通信ネットワーク100を介してASPサーバ20にアクセスし、ASPサーバ20に対して種々のデータを送信するとともに、ASPサーバ20から種々のデータを受信する。ユーザ端末10,12,14は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット端末、携帯電話等の任意のネットワーク機器でよい。また、本実施形態では、ユーザ端末10,12,14の3つを示しているが、この数については任意である。
【0022】
ASPサーバ20は、印刷業者が管理するサーバであり、入出力制御部21と、制御部22と、処理プログラムが格納された記憶装置23と、データベース24,25,26を備える。データベース24は、過去の印刷物の累積単価を記憶するデータベースであり、月日毎に最終的に決定された単価を記憶する。データベース25は、印刷物の累積ページ毎の単価をテーブルとして記憶するデータベースである。ここで、累積ページとは、所定の基準用紙サイズ、例えばA4の片面ページに換算した場合の累積ページを意味する。これについては、さらに後述する。データベース26は、ユーザの各種情報を記憶するデータベースである。
【0023】
ASPサーバ20の入出力制御部21は、ユーザ端末10,12,14から送信されたデータを受信して制御部22に供給するとともに、制御部22から送信されたデータを通信ネットワーク100を介してユーザ端末10,12,14に送信する。また、管理者端末30から送信されたデータを受信して制御部22に供給するとともに、制御部22から送信されたデータを管理者端末30に送信する。
【0024】
ASPサーバ20の制御部22は、具体的にはCPUあるいはMPUであって、ユーザ端末10,12,14から送信されたデータに基づいて、印刷を希望するユーザの累積ページ数を算出し、算出した累積ページ数に応じた単価を算出して概算見積りを演算する。累積ページ数とは、上記のようにA4片面に換算した場合の累積ページ数である。具体的には、以下の通りである。ユーザとして印刷を希望するユーザA,B,Cが存在し、ユーザAはユーザ端末10を使用し、ユーザBはユーザ端末12を使用し、ユーザCはユーザ端末14を使用して印刷希望条件をそれぞれ入力してASPサーバ20に送信するものとする。ユーザAはA4片面で30部、ユーザBはA4両面で40部、ユーザCはA3片面で50部を希望しているものとすると、制御部22は、ユーザAについてはA4片面の印刷希望であるからそのまま30ページとし、ユーザBについてはA4片面に換算して2×40=80ページと算出する。また、ユーザCについては、A3片面はA4の2ページ分に相当するものと換算し、2×50=100ページと算出する。そして、これらを累計して、30ページ+80ページ+100ページ=210ページと演算する。そして、制御部22は、データベース25にアクセスして累積ページに応じた単価を読み出し、この単価に応じて各ユーザA,B,C毎に概算見積りを演算する。データベース25には累積ページ毎の単価を規定するテーブルが記憶されているが、累積ページ数が増大するほど単価が低下していくことは言うまでもない。制御部22は、演算して得られた概算見積りを各ユーザA,B,C毎に送信するとともに、管理者端末30にも送信する。
【0025】
管理者端末30は、印刷業者が使用する端末であり、ASPサーバ20を介してユーザ端末10,12,14から送信されたデータを受信し、かつ、概算見積りを受信する。印刷業者は、受信した概算見積りに基づいて、各ユーザA,B,Cに対して個別に訪問し、各ユーザA,B,Cが希望する印刷の詳細条件を詰め、最終的な見積りを作成するとともに各ユーザA,B,Cとの合意に基づいて各ユーザA,B,Cの希望する条件で印刷を実行し、作成した印刷物を各ユーザA,B,Cに提供する。
【0026】
本実施形態のシステムでは、
(1)印刷用紙サイズ、片面/両面の相違によらず、基準のA4片面に換算して累積ページを算出して単価を算出することで、複数のユーザが共同で見積りに参画でき、参画するユーザ数が多いほど単価低下のメリットを享受できること
(2)概算見積りを算出して各ユーザに提供し、その後、この概算見積りを基礎として各ユーザ毎に印刷の詳細を詰めて決定していること、つまり、システムはあくまで概算見積りを作成する段階にとどめ、その後は直接的に打ち合わせて(いわゆる「オフライン」で)、詳細を決定していること
に留意されたい。
【0027】
図2に、本実施形態における印刷物の共同見積りシステムの流れを示すシーケンス図を示す。なお、ユーザ端末10,12,14はそれぞれ同様の機能を有するため、図ではこれらの端末を代表してユーザ端末10のみを示す。
【0028】
まず、ユーザAは、ユーザ端末10を用いてASPサーバ20に対して資料請求データを送信する。具体的には、ユーザ端末10がASPサーバ20にアクセスすると、ASPサーバ20は所望のWebページをユーザ端末10に送信し、ユーザ端末10は任意のWebブラウザでこのWebページを画面上に表示する。Webページには本実施形態における印刷物の共同見積りに関する説明が表示されるとともに、資料請求データを送信するためのボタンが表示される。ユーザAは、ユーザ端末10に表示されたWebページにおけるこのボタンを操作(クリック操作あるいはタッチ操作)することで、資料要求データをASPサーバ20に送信する。なお、ユーザAは、資料要求データとして、自身の会社名や部署名、担当者名、連絡電話番号、所在地、電子メールアドレス等も併せてユーザ端末10からASPサーバ20に送信する。
【0029】
ASPサーバ20は、ユーザ端末10から送信された資料請求データを受信し、ユーザ情報として管理者端末30に送信する。なお、制御部22は、このときのユーザ情報をデータベース26に登録してもよい。
【0030】
管理者端末30は、ASPサーバ20から送信されたユーザ情報を受信してその記憶装置に登録するとともに、当該ユーザに対して新たに本システムを利用するための必要なID及びパスワードを発行し、資料、ID及びパスワードを通信ネットワーク100を介してユーザ端末10に送信する。なお、資料、ID及びパスワードは、管理者端末30からユーザ端末10に送信するのではなく、ASPサーバ20を介してユーザ端末10に送信してもよい。また、資料、ID及びパスワードは、通信ネットワーク100を介することなく、郵送等によりオフラインでユーザAに提供してもよい。
【0031】
資料、ID及びパスワードを受け取ったユーザAは、ユーザ端末10を用いてASPサーバ20に再びアクセスし、受け取ったID及びパスワードを入力してASPサーバ20の見積りサービスにログインする。そして、ユーザ端末10から見積りに必要な印刷条件を入力し、印刷条件データとしてASPサーバ20に送信する。必要な印刷条件とは、具体的には以下の通りである。
(a)ページ数
(b)部数
(c)用紙サイズ
(d)製本形態
(e)納期
【0032】
なお、製本形態とは、バラ、平綴じ、中綴じ、無線綴じ、アジロ綴じ、くるみ、がんだれ等の区別である。
【0033】
ASPサーバ20は、ユーザ端末10から印刷条件データを受信すると、制御部22により概算見積りを作成する。概算見積りを作成するに際しては、制御部22は、上記のようにA4片面を基準とし、A4片面に換算して累積ページを算出し、データベース25に記憶されたテーブルを参照することで累積ページに対応する単価を読み出し、この単価を用いて概算見積りを算出する。なお、データベース25に製本形態毎の単価をテーブルとして記憶しておき、制御部22はこのテーブルも参照することで累積ページに応じた単価、及び製本形態に応じた単価を読み出し、これらの単価を用いて概算見積りを算出することもできる。
【0034】
ASPサーバ20は、概算見積りを算出すると、算出した概算見積りデータをユーザ端末10に送信する。
【0035】
ユーザ端末10は、ASPサーバ20から概算見積りデータを受信すると、概算見積りを表示装置に表示する。ユーザAは、この概算見積りの内容を確認し、同意すると、表示装置に表示された見積確定ボタンを操作する。ユーザ端末10は、このボタン操作に応じて、見積確定データをASPサーバ20に送信する。また、見積書発行ボタンは見積書の印刷を実行するためのボタンであり、ユーザ端末10はこのボタン操作に応じて見積書を出力する。
【0036】
ASPサーバ20は、ユーザ端末10から見積確定データを受信すると、この時点でユーザAが希望する印刷条件を反映させることで現在の累積ページを更新する。また、ASPサーバ20は、見積確定データを管理者端末30に送信する。
【0037】
さらに、ASPサーバ20は、締切時点における累積ページに応じて最終単価を決定し、最終単価を用いて再計算した見積書データをユーザ端末10に送信する。また、締切時点までにASPサーバ20にアクセスして印刷条件を送信した他の全てのユーザ端末12,14にも、最終単価を用いて見積書を再計算し、再計算した見積書データを送信する。また、ASPサーバ20は、管理者端末30にも、全てのユーザ端末10,12,14に送信したそれぞれの再計算見積書データを送信する。管理者端末30は、ASPサーバ20から見積書データを受信すると、見積書を出力する。管理者は、管理者端末30が出力した見積書をトリガとして、ユーザAを個別に訪問し、出力された見積りを基準として印刷の詳細についてユーザAと打ち合わせ、最終的な印刷条件を確定して印刷を実行する。もちろん、ユーザAの印刷条件が見積書で設定された条件の範囲内で収まる場合には、見積書に記載された金額と同一金額で印刷を実行することになろう。なお、図において管理者端末30からユーザ端末10に向けて破線矢印としているのは、この訪問は通信ネットワーク100を介するものではなく、オフラインで実行されることを示したものである。
【0038】
図3に、ASPサーバ20の制御部22が実行する概算見積り処理の詳細フローチャートを示す。
【0039】
まず、ユーザAは、ユーザ端末10からページ数、部数、用紙サイズ、製本形態、納期を入力する(S101〜S105)。これらのデータは、印刷条件データとしてユーザ端末10からASPサーバ20に送信される。
【0040】
ASPサーバ20の制御部22は、これらのデータを受信すると、用紙サイズのデータを用いてA4片面に換算したページ数を算出する(S106)。例えば、印刷条件がA4片面で300部の場合には、そのまま300ページとする。印刷条件がA4両面で300部の場合には、2×300=600ページとする。印刷条件がA3片面で300部の場合には、A3片面をA4の2ページ分と換算し、2×300=600ページとする。印刷条件がA3両面で300部の場合には、2×2×300=1,200ページとする。印刷条件がB4片面で300部の場合には、A3の場合と同様にA4の2ページ分と換算し、2×300=600ページとする。印刷条件がB5片面で300部の場合には、そのまま300ページとする。
【0041】
要するに、制御部22は、用紙サイズがA4よりも大きい場合には、A4で2ページ分に相当するものとして換算し、その一方で、用紙サイズがA4よりも小さい場合には、A4で1ページに相当するものとして換算する。
【0042】
制御部22は、次に、現時点における複数のユーザB,C,・・・のA4片面換算の累積ページに応じた単価をデータベース25に記憶されたテーブルから読み出し(S107)、この単価にユーザAのA4片面換算したページ数を乗じることで概算見積りを算出する(S108)。現時点までの累積ページを表すページ変数Pは、制御部22のメモリに記憶しておく。例えば、現時点における複数のユーザ、つまり概算見積りを算出する対象のユーザAを除く、他のユーザの累積ページに応じた現時点の単価が23円であり、ユーザAのA4片面換算のページが300ページである場合には、23円×300=6,900円と概算見積りが算出される。算出された概算見積りは、ユーザ端末10に送信される。
【0043】
なお、単価を算出する基準期間、すなわち複数のユーザからの印刷要求を累積する期間は、例えば当日の午前0時から午後12時までの24時間(1日単位)とすることができる。ユーザAが午前10時にASPサーバ20にアクセスし、午前0時から午前10時までの他のユーザの累積ページ数が10,000ページであり、これに応じた単価が24.25円であるとすると、この24.25円を単価としてユーザAの概算見積りが算出される。もちろん、これ以後において他のユーザが本システムにアクセスして印刷条件を入力すると、その度に累積ページが増大して単価が低下していくことになるから、午前10時の時点における単価と、午後12時の時点における単価は一般に異なることになる。従って、ユーザAに対して算出された概算見積りは、午後12時の時点で最終的に単価が決定された後に更新ないし訂正されることになる。また、S108で算出された概算見積りをユーザ端末10に送信する際には、いつの時点における単価を基準として作成されたものであるか、あるいは、最終的な単価はこれと異なることを明示しておくことが好適であろう。複数のユーザが順次参加する場合には累積ページは順次増大するから、午後12時の時点における最終的な単価は、当該日における最安値である。
【0044】
制御部22のメモリに記憶された累積ページ変数Pは、ユーザ端末10から見積確定データが送信された時点で更新される。すなわち、現時点の累積ページ変数Pに対し、見積確定データが送信されたときのユーザ端末10から送信されたA4換算ページがPaである場合、新たな累積ページ変数はP+Paと更新されて再びメモリに記憶される。次のユーザが本システムを利用する場合、その時点の累積ページ変数は、このP+Paである。
【0045】
日毎に決定された最終単価は、データベース24に記憶されるから、ASPサーバ20の制御部22は、適宜、データベース24にアクセスして任意の日における最終単価をユーザ端末10に送信することができる。午前10時に本サービスを利用したユーザAが、この日の最終単価を知りたい場合には、その日の午後12時以降にASPサーバ20にアクセスすることで最終単価を知り得る。
【0046】
因みに、単価を算出する際の基準となる複数のユーザをまとめた累積ページは、図2で示したように、ユーザ端末10から見積確定データが送信された時点である。すなわち、ユーザAが単に印刷条件を入力しただけでは累積ページは更新されず、ユーザAが見積の内容を確認し、これに合意して見積確定ボタンを操作して見積書を発行した時点で更新されるので、いわゆる「冷やかし」や「遊び半分」により累積ページが更新されることはなく、この点で単価の信頼性が確保されるといえる。
【0047】
図4に、ASPサーバ20の制御部22で実行されるA4片面換算の処理をテーブル形式で示す。製作部数を300部とした場合の処理である。印刷条件がA4片面の場合にはそのままであり、A4片面換算合計は300ページである。印刷条件がA4両面の場合、A4片面換算で2ページであるから、合計は2×300=600ページである。印刷条件がA3片面の場合、A4片面換算で2ページであるから、合計は2×300=600ページである。印刷条件がA3両面の場合、A4片面換算で4ページであるから、合計は4×300=1,200ページである。以下同様であり、A4片面で200ページの場合にはそのままであり、合計は200×300=60,000ページである。用紙サイズ、片面/両面の相違によらず、全てをA4片面に換算してしまうことで、統一的に処理して累積することが可能であり、この点において種々の印刷条件を欲する複数のユーザが互いに共同するメリットが生じる。
【0048】
図5に、データベース25に記憶される累積ページ毎の単価を規定するテーブルの一例を示す。累積ページは、2,500ページ毎に区分され、各区分毎に単価が規定される。すなわち、累積ページが1〜2,500ページでは25円、2,501〜5,000ページでは24.75円、5,001〜7,500ページでは24.5円、・・・・、75,001ページ以上では17.5円等である。ASPサーバ20の制御部22は、ユーザがアクセスした時点における累積ページに対応する単価をこのテーブルから読み出し、当該ユーザに適用して概算見積りを算出する。また、制御部22は、ユーザ端末10からの要求に応じ、このテーブルをデータベース25から読み出してユーザ端末10に送信してもよい。
【0049】
次に、本実施形態においてユーザ端末10の表示装置に表示される具体的な画面例について説明する。
【0050】
図6に、ユーザがユーザ端末10を用いてASPサーバ20にアクセスした場合に最初に表示される画面例を示す。ASPサーバ20を管理する印刷業者のWebページである。画面の中央には、本システム、すなわち印刷物の共同見積りシステムが提供するサービスの内容を表す名称100が表示される。画面では、本サービスの名称として、複数のユーザが共同して印刷物の見積りを行う点に着目して、「みんなdeみつもり」と表示している。「みんなdeみつもり」サービスは、複数のユーザの印刷条件をA4ページに換算して累積し、見積書を発行するものであるから、名称の近傍にその旨が表示される。また、名称100の下部には、本サービスの概要説明108が表示される。本サービスの特徴は、印刷する内容が違っても、印刷する紙質が違っても、用紙サイズが違っても全てはA4のページ換算で単価が決まるものであるから、この点が表示される。
【0051】
また、画面の右下には、資料請求ボタン102が表示され、資料請求を希望するユーザAはこの資料請求ボタン102を操作することでASPサーバ20に資料請求データを送信する。
【0052】
また、画面の左側には、IDとパスワードを入力するフィールド104が表示され、既にID及びパスワードを取得しているユーザAはこのフィールドに自身のID及びパスワードを入力し、ログインボタン106を操作してASPサーバ20に送信する。
【0053】
図7に、ASPサーバ20にログインした後にユーザ端末10の表示装置に表示される画面例を示す。画面右上には、ログインしたユーザに対して営業を担当する印刷業者の担当者名が表示される。ユーザAは、疑問が生じた場合にはこの担当者に適宜問い合わせることができる。
【0054】
また、画面の左上には、前日の決定単価114が表示される。図では、決定単価が24円と表示されている。この決定単価は、データベース24に記憶されている日毎の最終単価(午後12時時点の単価)である。前日の決定単価114の下には、現時点の累積A4ページ換算数量116が表示される。具体的には、A4片面に換算した累積ページ数と、この累積ページに対応する現時点の単価、現時点の単価のバー表示、残り時間である。現時点の単価のバー表示は、上限が25円、下限が17.5円(上限と下限については、図5のテーブルを参照)のバーにおいて現時点の単価がどの位置に該当するのかを表示したものであり、累積ページが増大するほど、このバー表示における現在単価の位置が順次下方に移動していく。単価は、既述したように午前0時から午後12時の24時間におけるその都度の累積ページで決定される。午後12時を経過した時点で単価はクリアされ、その翌日は上限値である25円からスタートし、その日の累積ページに応じて順次低下していく。
【0055】
画面の右には、見積りを行うために印刷条件を入力するためのフィールド110が表示される。ユーザAは、印刷条件として、ページ数、部数、用紙サイズ、製本形態、納期を入力する。なお、用紙サイズは、B5、A4、B4、A3から選択して入力するようになっており、B4とA3はA4で2ページの換算になることが注記される。また、納期については、通常(データ受取後、中3日の翌営業日に納品)の他、通常+3営業日、通常+5営業日、通常+10営業日のいずれかから選択して入力するようになっている。ユーザAは、画面左に表示された現時点の単価を確認しつつ、これらの項目を入力し、概算見積りボタン112を操作してASPサーバ20に送信する。
【0056】
なお、画面の左に表示される単価は、現時点の累積ページに応じた単価であり、ユーザAがフィールド110に入力したページ数や部数、用紙サイズが反映されていない単価であるが、ユーザAは、ASPサーバ20のデータベース25に記憶されたテーブルを要求することにより価格表をユーザ端末10に表示させ(画面における「価格表はこちらからご覧いただけます」を操作)、自身の印刷条件が反映されたならば得られるであろう単価を事前に知ることができる。具体的には、現時点の単価は累積ページが42,500ページで単価が21円であるが、自身の印刷条件が反映されたならば累積ページが44,000ページになる場合には、単価が21円からさらに20.75円に低下することを知り得る。
【0057】
また、画面の下部中央には、印刷業者の担当者に問い合わせする際のボタン118が表示される。さらに、画面の左下には、ユーザが会社のある部署の担当者である場合に、同じ会社の別の部署の担当者を紹介するためのボタン119も表示される。ユーザAがこのボタン119を操作すると、当該別の部署の担当者のデータを入力するための画面が表示され、必要な項目に入力した後にASPサーバ20に送信される。ASPサーバ20は、新たに紹介された当該別の部署の担当者あてに資料等を送信ないし送付する。この機能により、本サービスを利用しようとするユーザが累積的に増大し得る。
【0058】
図8に、図7の画面において概算見積りボタン112を操作した場合にユーザ端末10に表示される画面例を示す。ユーザAの入力した印刷条件における単価と概算見積り120が表示される。また、この見積りがいつの時点の単価で算出されたものであるかを示す注記122が表示される。
【0059】
画面下には、3つのボタン、すなわち見積り条件変更ボタン124、見積書発行ボタン126、営業マンコールボタン128が表示される。ユーザAが見積り条件変更ボタン124を操作すると、ユーザ端末10から見積り条件変更要求データがASPサーバ20に送信される。ASPサーバ20は、このデータを受信すると、再び図7の画面をユーザ端末10に表示して印刷条件の再入力をユーザに促す。ユーザAが見積書発行ボタン126を操作すると、図9の画面に移行する。見積書を発行するために必要な事項を入力するための画面である。ユーザAが営業マンコールボタン128を操作すると、同様に図9の画面に移行する。
【0060】
図9に、図8の画面において見積書発行ボタン126(あるいは営業マンコールボタン128)を操作した場合にユーザ端末10に表示される画面例を示す。ユーザAの社名、部署名、所在地が自動で表示される他(これらのデータは、資料請求時に既に入力されており、ASPサーバ20のデータベース26あるいは管理者端末30に登録されている)、担当者名と連絡電話番号を入力するようになっている。また、見積書発行ボタン126を操作した場合には連絡用電子メールのアドレスを入力し、営業マンコールボタン128を操作した場合にはアポイント希望日時を入力するようになっている。これらのフィールド130について入力すると、ユーザ端末10からASPサーバ20に送信される。
【0061】
図10に、フィールド130に入力してASPサーバ20に送信した場合に、ユーザ端末10に表示される画面例を示す。ユーザAの社名等が概算見積り140とともに表示され、画面下に見積確定ボタン142が表示される。また、概算見積り140には、最終的には締切時点(午後12時時点)の単価を適用する旨の注記が表示される。繰り返すが、ユーザAが概算見積りを行う際の単価は、その時点における累積ページに対応した単価であって午後12時時点の最終単価ではないから、概算見積りがさらに安くなる可能性があることをユーザAに知らせる必要があるからである。
【0062】
図10において、ユーザAが見積確定ボタン142を操作すると、ユーザ端末10から見積確定データがASPサーバ20に送信される。ASPサーバ20は、ユーザ端末10から見積確定データを受信すると、ユーザAの印刷条件を累積ページに反映させて累積ページを更新する。すなわち、例えばユーザAが印刷条件を入力した時点の累積ページが42,500ページであり、ユーザAがA4で40ページ、600部を入力したとすると(図7参照)、更新後の累積ページは、42,500+(40×600)=66,500ページとなる。従って、ユーザAの次にユーザBがASPサーバ20にアクセスするものとすると、ユーザBのユーザ端末12の表示装置に表示される図7の画面では、その累積ページが66,500ページとして表示されることになる。因みに、この累積ページに対応する単価は18.5円であるから(図5参照)、単価も18.5円と表示される。ユーザAの概算見積りも、単価が21円から18.5円に変更されることから、少なくともこの差額分は変更されることになろう。また、ASPサーバ20は、累積ページを更新するとともに、見積確定データを管理者端末30に送信する。管理者端末30を用いる印刷業者は、この見積確定データを受信することで、ユーザAが概算見積りを確定させたことを知ることができ、これをトリガとして、ユーザAを訪問して印刷条件の詳細について打ち合わせを行う。また、ユーザAが見積確定ボタン142を操作すると、ユーザ端末10には見積書を印刷するための画面とともに、見積書印刷ボタンが表示される。
【0063】
図11に、ユーザAが見積書印刷ボタンを操作した場合に、ユーザ端末10に接続されたプリンタから出力される見積書の一例を示す。見積内容150が単価とともに記載されており、ユーザAはこの見積書に基づいて印刷業者と詳細な打ち合わせを行うことができる。なお、管理者端末30にも見積確定データがASPサーバ20から送信されるから、印刷業者も、管理者端末30から同様の見積書を印刷することができ、両者が同一内容の見積書に基づいて詳細な打ち合わせを行うことができる。
【0064】
以上のように、本実施形態では、複数のユーザの印刷条件をA4片面に換算して累積して単価を算出しているので、複数のユーザがより多く参加するほど単価がその分だけ安くなり、ユーザの利便性を高めることができる。また、印刷業者にとっても、複数のユーザが本システムを利用することで、新規のユーザを獲得し易くなるため、営業活動に活用することができる。さらに、本実施形態では、印刷条件の入力から印刷物の提供までの全てを電子化するのではなく、概算見積りの段階にとどめ、それ以後の詳細については印刷業者とユーザとの間の直接的な打ち合わせを行うことを前提としているため、ユーザの利便性がさらに向上する。本システムは、オンライン処理とオフライン処理とを巧みに組み合わせて印刷物を提供するシステムということができる。
【0065】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0066】
例えば、本実施形態では、A4片面を基準としてこれに換算して累積ページを算出しているが、他の用紙、例えばB5片面その他を基準としてもよいのは言うまでもない。但し、一般的にはA4を基準とするのが社会通念上好ましいと考えられる。
【0067】
また、本実施形態では、累積の基準期間として午前0時から午後12時までとしているが、この期間も任意に設定ないし変更できることは言うまでもない。例えば、午前0時から午後1時までを基準期間とする等である。
【0068】
また、本実施形態では、ユーザが見積確定ボタン142を操作した時点で累積ページ及び単価を更新しているが、ユーザが印刷条件を入力した時点で累積ページ及び単価を更新することもできる。この場合、ユーザは、自身の印刷条件が累積ページに反映され、自身の印刷条件が反映された単価を用いた概算見積もりを得ることができる。もちろん、この場合においても、最終的な単価は基準期間の締切時点における単価である。
【0069】
また、本実施形態では、ASPサーバ20のデータベース25に、図5で示すような累積ページ毎の単価を規定するテーブルを記憶しているが、累積ページ数を変数とする単価の関数を記憶してもよい。要するに、累積ページ数と単価との関係を記憶しておけばよい。
【0070】
さらに、本実施形態において、最終単価が決定した後に再計算した見積書をASPサーバ20からユーザ端末10のみならず、ユーザ端末12,14にも送信しているが、制御部22は、データベース26に記憶されたユーザ情報から該当するユーザのメールアドレスを読み出すことで、自動的にユーザ端末10,12,14に送信できる。そして、図2に示すように、最終単価を用いた見積書は管理者端末30にも同様に送信されるから、ユーザ、印刷業者ともに最終単価を用いた見積書に基づいて詳細を打ち合わせることができる。
【0071】
なお、本実施形態において、先に本サービスを利用したユーザの方が後に利用したユーザよりも概算見積り時点の単価が高いことになるが、最終的には締切時点の単価が一律に適用されるため不都合はない。
【符号の説明】
【0072】
10,12,14 ユーザ端末、20 ASPサーバ、21 入出力制御部、22 制御部、23 記憶部、24,25,26 データベース、30 管理者端末、100 通信ネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷物の共同見積りシステムであって、
複数のユーザ端末と、
前記ユーザ端末と通信ネットワークで接続されたサーバコンピュータと、
を備え、
前記ユーザ端末は、印刷用紙サイズ及び印刷ページ数を含む印刷条件データを前記通信ネットワークを介して前記サーバコンピュータに送信し、
前記サーバコンピュータは、
前記ユーザ端末から送信された、印刷用紙サイズ及び印刷ページ数を含む印刷条件データを前記通信ネットワークを介して受信する受信手段と、
累積印刷ページ数と単価との関係を記憶する記憶手段と、
前記複数のユーザ端末のうち、あるユーザ端末から送信された前記印刷用紙サイズ及び印刷ページ数を含む前記印刷条件データを受信すると、その時点より前に前記あるユーザ端末以外の他の1又は複数のユーザ端末から受信した前記印刷用紙サイズを基準印刷用紙サイズに換算して積算した累積印刷ページ数に対応する単価を前記記憶手段にアクセスして読み出し、読み出した単価に、前記あるユーザ端末から送信された前記印刷用紙サイズを前記基準印刷用紙サイズに換算した印刷ページ数を乗じて概算見積りを算出する制御手段と、
前記あるユーザ端末に前記概算見積りのデータを送信する送信手段と、
を備え、
前記あるユーザ端末は、前記概算見積りのデータを受信して表示する
ことを特徴とする印刷物の共同見積りシステム。
【請求項2】
請求項1記載の印刷物の共同見積りシステムにおいて、
前記制御手段は、前記あるユーザ端末に前記概算見積りのデータを送信した後に、前記あるユーザ端末の前記印刷条件を用いて前記累積印刷ページ数を更新する
ことを特徴とする印刷物の共同見積りシステム。
【請求項3】
請求項1,2のいずれかに記載の印刷物の共同見積りシステムにおいて、
前記制御手段は、所定の締切時点における前記累積印刷ページに対応する単価を最終単価とし、前記最終単価に、前記あるユーザ端末から送信された前記印刷用紙サイズを前記基準印刷用紙サイズに換算した印刷ページ数を乗じて見積りを算出し、
前記送信手段は、前記あるユーザ端末に前記見積りのデータを送信する
ことを特徴とする印刷物の共同見積りシステム。
【請求項4】
請求項1,2のいずれかに記載の印刷物の共同見積りシステムにおいて、
前記基準印刷用紙はA4サイズであり、
前記制御手段は、前記印刷用紙サイズがA4より大きい場合にはA4の2ページとして換算し、前記印刷用紙サイズがA4より小さい場合にはA4の1ページとして換算することを特徴とする印刷物の共同見積りシステム。
【請求項5】
印刷物の共同見積りシステム用のサーバコンピュータであって、
前記サーバコンピュータは、複数のユーザ端末と通信ネットワークで接続され、
前記サーバコンピュータは、
前記ユーザ端末から送信された、印刷用紙サイズ及び印刷ページ数を含む印刷条件データを前記通信ネットワークを介して受信する受信手段と、
累積印刷ページ数と単価との関係を記憶する記憶手段と、
前記複数のユーザ端末のうち、あるユーザ端末から送信された前記印刷用紙サイズ及び印刷ページ数を含む前記印刷条件データを受信すると、その時点より前に前記あるユーザ端末以外の他の1又は複数のユーザ端末から受信した前記印刷用紙サイズを基準印刷用紙サイズに換算して積算した累積印刷ページ数に対応する単価を前記記憶手段にアクセスして読み出し、読み出した単価に、前記あるユーザ端末から送信された前記印刷用紙サイズを前記基準印刷用紙サイズに換算した印刷ページ数を乗じて概算見積りを算出する制御手段と、
前記あるユーザ端末に前記概算見積りのデータを送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする印刷物の共同見積りシステム用のサーバコンピュータ。
【請求項6】
請求項5記載のサーバコンピュータにおいて、
前記制御手段は、前記あるユーザ端末に前記概算見積りのデータを送信した後に、前記あるユーザ端末の前記印刷条件を用いて前記累積印刷ページ数を更新する
ことを特徴とする印刷物の共同見積りシステム用のサーバコンピュータ。
【請求項7】
請求項5,6のいずれかに記載のサーバコンピュータにおいて、
前記制御手段は、所定の締切時点における前記累積印刷ページに対応する単価を最終単価とし、前記最終単価に、前記あるユーザ端末から送信された前記印刷用紙サイズを前記基準印刷用紙サイズに換算した印刷ページ数を乗じて見積りを算出し、
前記送信手段は、前記あるユーザ端末に前記見積りのデータを送信する
ことを特徴とする印刷物の共同見積りシステム用のサーバコンピュータ。
【請求項8】
請求項5,6のいずれかに記載のサーバコンピュータにおいて、
前記基準印刷用紙はA4サイズであり、
前記制御手段は、前記印刷用紙サイズがA4より大きい場合にはA4の2ページとして換算し、前記印刷用紙サイズがA4より小さい場合にはA4の1ページとして換算することを特徴とする印刷物の共同見積りシステム用のサーバコンピュータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−29964(P2013−29964A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165242(P2011−165242)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(594171160)株式会社 弘久社 (3)
【Fターム(参考)】