説明

印刷管理システム、印刷管理装置、印刷管理方法、印刷管理プログラム、課金管理装置、課金管理方法および課金管理プログラム

【課題】印刷装置で使用者が消費するインク量に応じて適切に課金すること。
【解決手段】プリンター1で使用可能なインク量を記憶する使用可能カウンター17c(印刷使用可能量記憶部)、インク量に更なるインク量を加算する加算制御部17d(印刷使用量加算部)、カウンター17cが記憶している値に基づいて印刷可否判定を実行する印刷管理制御部17(印刷管理制御部)を備えるプリンター1(印刷装置および印刷管理装置の一部)、インク量を加算する加算要求信号を課金管理装置へ送信するPC30(加算要求送信部)、ならびに、当該加算要求信号に応じて課金し、加算許可信号をPC30へ送信する課金サーバー40(課金管理装置)とを備え、プリンター1は、課金サーバー40からの加算許可信号に含まれるインク量を使用可能カウンター17cのインク量に加算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷管理システム、印刷管理装置、印刷管理方法、印刷管理プログラム、課金管理装置、課金管理方法および課金管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、消耗物品の枯渇に伴う機器の不稼動状態や消耗物品の枯渇に伴う不便さを回避するために、サービス受給者に納入する消耗物品のうち、実際に使用した消耗物品に対してのみ課金対象とすることにより、予測といった不確実な方法を採ることなしに、不必要な出費を抑制することができる方法およびシステム等に関する技術内容が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4397534号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
消耗物品の交換を前提とした機器については、予備としての消耗物品を購入して用意しておかなければならないという問題があるが、上述の特許文献1で示されるように、現在必要とする数以上の消耗物品を予備として保持し、実際に使用したインクカートリッジについて課金対象とすることで、不必要な出費を抑制することができる。
【0005】
ところで、消耗物品の交換を前提とした機器の一例である着脱式のインクカートリッジを使用した印刷装置では、印刷ヘッドのフラッシングの際、クリーニングのための強制的なインク吸引の際などにもインクを消費するため、これらの頻度が高いほど1つのインクカートリッジで印刷できる枚数が少なくなるという問題がある。ここで、特許文献1に開示される方法およびシステムにおいて、課金対象となる単位はインクカートリッジの使用数単位であるため、印刷ヘッドのフラッシング等で消費されたインク量の多少にかかわらず、インクカートリッジの使用数単位で課金されてしまう。
【0006】
本発明は、上記の事情に基づき為されたもので、その目的とするところは、印刷装置で使用者が消費するインク量に応じて適切に課金することができる印刷管理システム、印刷管理装置、印刷管理方法、印刷管理プログラム、課金管理装置、課金管理方法および課金管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するため、本発明の一側面である印刷管理システムは、印刷管理装置、および課金管理装置を備える印刷管理システムであって、印刷管理装置は、自装置で管理している印刷装置で使用可能なインク量を記憶する印刷使用可能量記憶部と、印刷使用可能量記憶部が記憶しているインク量に更なるインク量を加算する印刷使用可能量加算部と、印刷使用可能量記憶部が記憶しているインク量に基づいて印刷装置での印刷処理の可否判定を実行する印刷管理制御部と、印刷装置で使用可能なインク量を加算する加算要求信号を課金管理装置へ送信する加算要求送信部と、を備え、課金管理装置は、印刷管理装置の加算要求送信部からの加算要求信号を受信する加算要求受信部と、加算要求受信部で受信した加算要求信号に応じて、加算するインク量に応じた課金処理を実行する課金処理実行部と、課金処理実行部で課金処理が実行された後に、加算するインク量を含む加算許可信号を印刷管理装置へ送信する加算許可信号送信部と、を備え、印刷管理装置の印刷使用可能量加算部は、加算許可信号送信部からの加算許可信号に含まれるインク量を印刷使用可能量記憶部に記憶されているインク量に加算するものである。なお、ここでいう「インク量」には、通常のインク量という意味の他に、「インクドット数」が含まれる。
【0008】
このように構成する場合、印刷管理装置は、自己が管理する印刷装置で使用可能なインク量を管理し、当該印刷装置において使用可能なインク量に基づいて印刷が実行される。また、印刷使用可能量加算部によって印刷使用可能量記憶部に所定の数が加算されることで、上述した印刷装置において使用できるインク量が加算される。また、印刷使用可能量加算部に加算する所定の数については、加算要求送信部が課金管理装置に対して要求する。そして、課金管理装置は、当該要求に基づいた課金処理を実行後、加算するインク量を含む加算許可信号を印刷管理装置へ送信する。当該加算許可信号を受信した印刷管理装置は、当該加算許可信号に基づいて印刷装置において使用可能なインク量を加算する。このように、使用者にとっては、印刷装置で消費するインク量に応じて費用を支払うことが可能となり、印刷装置を製造および/または販売した会社にとっては、当該印刷装置のインクの使用状況に応じて課金する仕組みを実現する印刷管理システムとなる。
【0009】
また、本発明の他の一側面は、上述の印刷管理システムの構成要素である印刷管理装置に係るものである。すわなち、課金管理装置と通信可能な印刷管理装置であって、当該印刷管理装置で管理している印刷装置で使用可能なインク量を記憶する印刷使用可能量記憶部と、印刷使用可能量記憶部が記憶しているインク量に更なるインク量を加算する印刷使用可能量加算部と、印刷使用可能量記憶部が記憶しているインク量に基づいて印刷装置での印刷処理の可否判定を実行する印刷管理制御部と、印刷装置で使用可能なインク量を加算する加算要求信号を課金管理装置へ送信する加算要求送信部と、を備え、印刷使用可能量加算部は、加算要求送信部から送信した加算要求信号に対する課金管理装置からの応答に基づいて印刷使用可能量記憶部に記憶されているインク量に加算するものである。
【0010】
このように構成する場合、印刷管理装置は、自己が管理する印刷装置で使用可能なインク量を管理し、当該印刷装置において使用可能なインク量に基づいて印刷が実行される。また、印刷使用可能量加算部によって印刷使用可能量記憶部に所定の数が加算されることで、上述した印刷装置において使用できるインク量が加算される。また、印刷使用可能量加算部に加算するインク量については、加算要求送信部が課金管理装置に対して要求し、課金管理装置からの応答に基づいて加算することができる。すなわち、使用者にとっては、印刷装置で消費するインク量に応じて費用を支払うことが可能となり、印刷装置を製造および/または販売した会社にとっては、当該印刷装置のインクの使用状況に応じて課金する仕組みを実現する印刷管理装置となる。
【0011】
また、本発明の他の一側面は、上述の印刷管理装置の構成に加えて、所定の時点からの印刷装置で使用されたインク量の累計を記憶する累計印刷使用量記憶部と、をさらに備え、印刷管理制御部は、印刷使用可能量記憶部が記憶しているインク量と、累計印刷使用量記憶部が記憶しているインク量とを比較し、当該比較結果に基づいて印刷装置での印刷処理の可否判定を実行することが好ましい。
【0012】
このように構成する場合、上述した効果に加えて、所定の時点からの印刷装置で使用されたインク量の累計と使用可能とされるインク量とを比較することで、所定の時点から印刷使用量を記録し、所定の時点から使用されたインク量に基づいて印刷可否判定を厳密に実行することが可能となる。
【0013】
また、本発明の他の一側面は、上述した印刷管理装置が実行する印刷管理方法に係るものである。すなわち、課金管理装置と通信可能な印刷管理装置が実行する印刷管理方法であって、印刷管理装置が、当該印刷管理装置で管理している印刷装置で使用可能なインク量を印刷使用可能量記憶部に記憶するステップ、記憶するステップにて印刷使用可能量記憶部に記憶されたインク量に更なるインク量を加算するステップ、印刷使用可能量記憶部が記憶しているインク量に基づいて印刷装置での印刷処理の可否判定を実行するステップ、並びに、印刷装置で使用可能なインク量を加算する加算要求信号を課金管理装置へ送信するステップ、を有し、加算するステップでは、送信するステップで送信した加算要求信号に対する課金管理装置からの応答に基づいて印刷使用可能量記憶部に記憶されているインク量に加算するものである。
【0014】
このように構成する場合、印刷管理装置が実行する印刷管理方法は、自己が管理する印刷装置で使用可能なインク量を管理し、当該印刷装置において使用可能なインク量に基づいて印刷が実行される。また、加算するステップによって印刷使用可能量記憶部に所定の数が加算されることで、上述した印刷装置において使用できるインク量が加算される。また、印刷使用可能量加算部に加算する所定の数については、加算要求信号を送信するステップで課金管理装置に対して要求し、課金管理装置からの応答に基づいてインク量を加算することができる。すなわち、使用者にとっては、印刷装置で消費するインク量に応じて費用を支払うことが可能となり、印刷装置を製造および/または販売した会社にとっては、当該印刷装置のインクの使用状況に応じて課金する仕組みを実現する印刷管理方法となる。
【0015】
また、本発明の他の一側面は、コンピューターを上述した印刷管理装置として機能させるための印刷管理プログラムに係るものである。すなわち、コンピューターを、印刷装置で使用可能なインク量を記憶する印刷使用可能量記憶手段、印刷使用可能量記憶部が記憶しているインク量に更なるインク量を加算する印刷使用可能量加算手段、印刷使用可能量記憶手段が記憶しているインク量に基づいて印刷装置での印刷処理の可否判定を実行する印刷管理制御手段、並びに印刷装置で使用可能なインク量を加算する加算要求信号を課金管理装置へ送信する加算要求送信手段、として機能させ、印刷使用可能量加算手段は、加算要求送信手段から送信した加算要求信号に対する課金管理装置からの応答に基づいて印刷使用可能量記憶手段に記憶されているインク量に加算するものである。
【0016】
このように構成する場合、印刷管理装置として機能させる印刷管理プログラムは、コンピューターを自己が管理する印刷装置で使用可能なインク量を管理し、当該印刷装置において使用可能なインク量に基づいて印刷が実行されるように機能させる。また、印刷使用可能量加算手段によって印刷使用可能量記憶手段に所定の数が加算されることで、上述した印刷装置において使用できるインク量が加算される。また、印刷使用可能量加算手段に加算する所定の数については、加算要求送信手段により課金管理装置に対して要求し、課金管理装置からの応答に基づいてインク量を加算することができる。すなわち、使用者にとっては、印刷装置で消費するインク量に応じて費用を支払うことが可能となり、印刷装置を製造および/または販売した会社にとっては、当該印刷装置のインクの使用状況に応じて課金する仕組みを実現する印刷管理プログラムとなる。
【0017】
また、本発明の他の一側面は、上述の印刷管理システムの構成要素である課金管理装置に係るものである。すわなち、印刷装置で使用されるインク量を管理する上述した印刷管理装置からの加算要求信号を受信する加算要求受信部と、加算要求受信部で受信した加算要求信号に応じて、加算するインク量に応じた課金処理を実行する課金処理実行部と、課金処理実行部で課金処理が実行された後に、加算するインク量を含む加算許可信号を印刷管理装置へ送信する加算許可信号送信部と、を備えるものである。
【0018】
このように構成する場合、課金管理装置が、使用者が印刷管理装置で管理するインク量を加算したい場合に送信される加算要求信号を受信すると共に、当該加算要求信号に応じた課金処理を実行するのみで、即時に印刷管理装置で管理するインク量を加算させることが可能となる。
【0019】
また、本発明の他の一側面は、上述した課金管理装置が実行する課金管理方法である。すなわち、課金管理装置が実行する課金管理方法であって、当該課金管理装置と通信可能な上述した印刷管理装置からの加算要求信号を受信するステップ、受信するステップにて受信した加算要求信号に応じて、加算するインク量に応じた課金処理を実行するステップ、並びに、課金処理を実行するステップで課金処理が実行された後に、加算するインク量を含む加算許可信号を印刷管理装置へ送信するステップと、を有するものである。
【0020】
このように構成する場合、上述した課金管理装置が実行する課金管理方法は、使用者が印刷管理装置で管理するインク量を加算したい場合に送信される加算要求信号を受信すると共に、当該加算要求信号に応じた課金処理を実行するのみで、即時に印刷管理装置で管理するインク量を加算させることが可能となる。
【0021】
また、本発明の他の一側面は、コンピューターを上述した課金管理装置として機能させるための課金管理プログラムである。すなわち、コンピューターを、印刷装置で使用されるインク量を管理する上述した印刷管理装置からの加算要求信号を受信する加算要求受信手段、加算要求受信手段で受信した加算要求信号に応じて、加算するインク量に応じた課金処理を実行する課金処理実行手段、並びに、課金処理実行手段で課金処理が実行された後に、加算するインク量を含む加算許可信号を印刷管理装置へ送信する加算許可信号送信手段、として機能させるための課金管理プログラムである。
【0022】
このように構成する場合、上述した課金管理装置として機能させるための課金管理プログラムは、コンピューターを、使用者が印刷管理装置で管理するインク量を加算したい場合に送信される加算要求信号を受信すると共に、当該加算要求信号に応じた課金処理を実行するのみで、即時に印刷管理装置で管理するインク量を加算させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施例に係るプリンターの外観構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示すプリンターの概略構成と、プリンターと通信可能なPC、およびPCとインターネット網を介して接続可能な課金サーバーとを説明するためのブロック図である。
【図3】図2に示すジョブ情報記憶部に記憶されるジョブ情報履歴の一例を模式的に示す表である。
【図4】図1に示すプリンターが実行する印刷ジョブ情報の記録処理およびインクドットカウント値の比較処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】図1に示すプリンターで使用可能なインク使用可能量が専用のICカードを使用して加算する処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】図2に示すPCと課金サーバーとの間で実行されるプリンター1で使用可能なインク使用可能量を加算する処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る印刷管理システム、印刷管理装置、印刷管理方法、印刷管理プログラム、課金管理装置、課金管理方法および課金管理プログラムの実施例について説明する。本発明の印刷管理方法については、印刷管理装置の動作と共に説明し、課金管理方法については課金管理装置の動作と共に説明することとする。
【0025】
(プリンター1の外観構成等)
図1は、本発明の実施例に係るプリンター1の外観構成を示す斜視図である。図1に示すプリンター1は、複数種のインクを使用し、記録媒体である用紙に印刷処理を実行するインクジェット方式の印刷装置、いわゆるインクジェットプリンターであり、後述するPC30(図2)と接続される。なお、プリンター1およびPC30が請求項の印刷管理装置の一例に対応するが、どちらか一方に、請求項の印刷管理装置の機能を全て有するように構成してもよい。
【0026】
プリンター1は、使用者が印刷によって実際に使用したインク量に応じて課金を行うシステムを実現するために、印刷ジョブに対応したインク使用量と、プリンター1にて使用可能なインク使用可能量とを情報として保持し、所定のタイミングで比較することにより、使用されるインク量に応じた課金が行われるように構成されている。また、プリンター1側の都合により、印刷が失敗したような場合や、プリンター1が適切に稼動するために使用されるインクについては課金されないように構成されている。すなわち、このプリンター1では、利用者にとっては、実際の印刷処理以外の使用によって不必要に課金が行われてしまうことによるストレスが低減され、また、プリンター1を販売する会社側にとっては実質的なインクの使用に応じた課金を行うことができる仕組みが実現されている。以下、このプリンター1について具体的に説明する。
【0027】
図1に示すプリンター1は、前面上部パネル2及びケースカバー3から構成される。前面上部パネル2には、プリンター1の電源ON/OFFを行うための電源スイッチ4、印刷用紙が格納される印刷用紙格納部5、プリンター1の状態を使用者に通知する複数のLEDランプ6、装着部開閉カバー7、およびICカード挿入口8が配置されている。印刷用紙格納部5及び装着部開閉カバー7は、下部に設けられたヒンジ(不図示)を介していずれも前方に開閉可能に設けられている。
【0028】
印刷用紙格納部5の内部には、印刷用紙(不図示)が格納されており、印刷用紙格納部5を開くことにより、印刷用紙の交換または補充が可能となる。一方、装着部開閉カバー7の内部には、着脱式のインクカートリッジ(不図示)が装着されており、装着部開閉カバー7を開くことにより、当該インクカートリッジの着脱が可能になる。本実施例では、インクカートリッジは、カートリッジケース内にイエロー、シアン、マゼンダおよびブラックの4色のインクパックを一つまたは別々にパッケージングしたものであり、プリンター1は、これら4色のインクを用いて印刷用紙上に文字、図形といった画像の印刷を実行することができる。なお、インクカートリッジは、本実施例で示した以外の色数を有するもの(たとえば、1〜3色のもの、あるいは5色以上のものなど)、あるいは本実施例で示した色の組み合わせ以外のものとしてもよい。
【0029】
また、このプリンター1では、ICカード挿入口8を備えており、このICカード挿入口8に専用のICカードを挿入することで、プリンター1を製造/販売する会社と当該プリンター1の使用者との間で締結されたインク使用可能量の契約情報を読み取ることが可能となっている。ただし、インク使用可能量の契約情報がプリンター1の製造出荷時点で既に設定されているようにしてもよい。また、このプリンター1では、後述するPC30(図2)を使用者が操作し、当該契約で定められたインク量以上にインクを使用したい場合には、後述する課金サーバー40(図2)との間で、所定のインク使用可能量分の料金を前もって決済することで、当該プリンター1で使用可能なインク量を加算することも可能である。なお、プリンター1を製造/販売する会社と使用者との間で締結されたインク使用可能量の契約情報の詳細については後述する。
【0030】
(プリンター1、PC30、および課金サーバー40の概略構成等)
図2は、図1に示すプリンター1の概略構成と、プリンター1と通信可能なPC30、およびPC30とインターネット網100を介して接続可能な課金サーバー40とを説明するためのブロック図である。また、プリンター1は、ICカードスロット20(図1のICカード挿入口8と対応)に挿入された専用のICカードから上述した契約情報などを読み取ることが可能となっている。
【0031】
プリンター1は、たとえば、シリアル、パラレル、USB(Universal Serial Bus)、Bluetoothのいずれか、またはこれら複数の通信インタフェースを介して、PC30と通信可能に接続されており、PC30から送信される各種コマンドに応じて動作する。PC30は、使用者の操作に応じて、印刷にあたって必要な各種動作を指示するコマンド、または印刷すべき画像に応じたデータとからなる印刷ジョブをプリンター1に対して送信する。また、PC30から送信される各印刷ジョブには他の印刷ジョブと識別するための印刷ジョブIDが付与されている。プリンター1は、このPC30から送信された印刷ジョブに応じて動作することにより、印刷処理を実行する。課金サーバー40は、PC30とインターネット網100を介してプリンター1にて使用者が追加で使用したいインク量に応じて課金処理を実行すると共に、PC30を介して要求された当該インク量をプリンター1に付与する処理を実行するためのサーバーである。
【0032】
図2に示すように、プリンター1は、受信部11と、受信バッファー12と、コマンド解析部13と、印刷バッファー14と、印刷制御部15と、主制御部16と、印刷管理制御部17と、ジョブ情報記憶部18と、送信部19およびICカードスロット20とを備えている。また、図2に示す印刷管理制御部17(請求項の印刷管理制御部の一例)は、印字制御部17aと、累計使用量カウンター17b(請求項の累計印刷使用量記憶部の一例)と、使用可能カウンター17c(請求項の印刷使用可能量記憶部の一例)と、加算制御部17d(請求項の印刷使用可能量加算部の一例)とから構成されている。
【0033】
受信部11は、PC30から送信される各種コマンドや印刷データを受信する。受信バッファー12は、受信部11がPC30から受信した制御コマンドや印刷データを一時的に保持する。受信バッファー12によって受信されたデータは、コマンド解析部13に順次読み出されて解析され、制御コマンドの場合は主制御部16に送信され、印刷データの場合には印刷バッファー14にDMA(Direct Memory Access)転送などにより転送されて一時保存される。
【0034】
印刷バッファー14に一時保存された印刷データは、印刷制御部15によってデータ展開処理が行われてデータ変換され、印刷ヘッド(不図示)のノズル列に対応したドットパターンデータが生成されて印刷バッファー14に記憶される。このドットパターンデータは、例えば2ビットの階調情報データであり、印刷ヘッドの各ノズルから噴射されるインクが噴射されない、小ドットのインクを噴射する、中ドットのインクを噴射する、大ドットのインクを噴射する、のいずれかを示すものである。印刷制御部15は、この印刷バッファー14に記憶されたドットパターンデータを基に印刷ヘッドを駆動し、印刷用紙上に画像を形成することができる。印刷制御部15は、正常に印刷処理が終了すると、その旨を主制御部16へ通知する。
【0035】
主制御部16は、コマンド解析部13で読み出され、そこから送信された各種コマンドに基づいて、指示内容に応じた印刷制御処理、紙送り処理などの各種処理を実行する。また、主制御部16は、ある一つの印刷ジョブに対応する印刷が成功したか否かについて判断する。主制御部16が判断した印刷結果の成功可否は、後述するジョブ情報記憶部18に記録される。
【0036】
ここで、印刷が成功したとは、印刷ジョブを開始する印刷ジョブ開始コマンドを主制御部16がコマンド解析部13から受信してから、印刷ジョブが終了した旨を印刷制御部15から通知されるまでの間に実行されたコマンドが全て正常に処理され、印刷ジョブに対応した画像が全て印刷用紙上に形成され、正しく印刷処理が実行された状態を指す。一方、印刷が成功しなかった、すなわち印刷が失敗したとは、たとえば印刷用紙切れ、インク切れ、各種カバー開、その他のエラーなどにより、印刷ジョブ開始コマンドを主制御部16がコマンド解析部13から受信してから、印刷ジョブ終了コマンドを受信するまでの間のコマンドが正常に処理されない、または処理が途中で中断してしまいタイムアウトとなって、印刷が実行できないまたは中断されてしまう状態を指す。
【0037】
主制御部16が印刷結果の成功可否を判断する理由は、後述する印字制御部17aが印刷用紙上に噴射されたインクドット数をそのままカウントする性質のものであるため、印刷ジョブに対応する印刷が最後まで完全に行われない場合であっても、正常に印刷された場合と同じようにインクドット数としてカウントし、課金対象として記録しないようにするためである。
【0038】
続いて、請求項の印刷管理制御部の一例である印刷管理制御部17について説明する。印刷管理制御部17は、使用者とプリンター1を製造および/または販売した会社との間で締結されたインク使用可能量の契約に基づいて印刷処理を管理、制御することができるように構成されている。ここで、インク使用可能量の契約とは、たとえば、使用者が所定の代金を前もって支払うことにより所定の期間毎(たとえば1ヶ月毎)に使用できるインク量が定められた契約などであり、この契約に反しない範囲(つまり、インク使用可能量の契約で定められたインク量の範囲)に基づいて使用者はプリンター1を使用することができる。以下、印刷管理制御部17を構成する各要素について説明する。
【0039】
印字制御部17aは、主制御部16から受け渡されたインクドット数について所定の処理を実行して、処理後の値をインクドットカウント値として累計使用量カウンター17bに加算する。ここで、印字制御部17aが実行する所定の処理とは、印刷バッファー14に記憶された印刷データまたはその印刷データを基に生成されたドットパターンデータに基づき、印刷ヘッドから噴射されるインク量をドット単位で色毎のドット数としてカウントし、これらの総和を算出し(以下、インクドット数の総和を「インクドットカウント値」という)、算出したインクドットカウント値を累計使用量カウンター17bに加算する処理のことである。また、印字制御部17aが算出した各色のインクドット数は、後述するジョブ情報記憶部18に記憶される。
【0040】
なお、印刷ヘッドから噴射されるインクは、小ドット、中ドット、大ドットなどドットの大きさおよびインク量が異なる。ここで、上述した印字制御部17aが実行する所定の処理は、ドットの大きさに関係なく、色毎に単純にカウントする方法としてもよいが、これらのインク量が異なるため、この差を考慮したドット数としてカウントすることが好ましい。すなわち、印字制御部17aが実行する所定の処理は、各ドットのインク量の差を考慮して比較用のドット数として変換して算出するようにしてもよい。たとえば、印字制御部17aは、小ドットの1ドットを「1」としてカウントする場合には、中ドットの1ドットは「2」、大ドットの1ドットは「4」などとそのインク量の差に応じて変換し、総ドット数を算出するようにしてもよい。また、印字制御部17aが実行する所定の処理は、インクドット数単位ではなく、インク量そのものを求めて、比較、管理する方法を採用するようにしてもよい。その場合には、印字制御部17aが実行する所定の処理は、各ドットの大きさ毎に標準的なインク量を予め記憶しておき、噴射された大きさ毎のドット数と、当該標準的なインク量とをそれぞれ乗算し、乗算したそれぞれの色の総和を使用されたインク量として求めるようにしてもよい。
【0041】
また、印字制御部17aは、フラッシング動作により印刷ヘッドから噴射されたインクや、インク吸引手段(不図示)により印刷ヘッドから吸引されたインク、目詰まり回復動作又はインク充填動作により使用されたインクなど、インクを印刷ヘッドから良好に噴射させるために使用されたインクおよび/または印刷が正常に完了しなかったときに使用されたインクについては、累計使用量カウンター17bに加算しないことが好ましい。
【0042】
また、印字制御部17aは、インクカートリッジがインクエンドとなった場合でも、インクカートリッジ内にインクが残存している場合もあるが、この残存インクについてカウントしないことが好ましい。すなわち、印字制御部17aは、インクが実際に印刷用紙上に噴射されると共に、使用者の印刷指示によって正常に印刷がなされたときのインクについてカウント対象とするように制御することが好ましい。
【0043】
なお、使用されたインクを累計使用量カウンター17bに加算しない方法としては、PC30から送信されたコマンドを上述したフラッシング動作、吸引動作、目詰まり回復動作、インク充填動作などの処理と通常の印刷処理との違いがわかるように設定し、主制御部16がコマンドの種類から印字加算可否判定を実行し、ジョブ情報記憶部18に当該情報については記録しない、または加算判定フラグ(たとえば、「1」は加算する、「0」は加算しないなど)を記録することにより実現できる。その他にも、印刷制御部15が、印刷バッファー14に該当する印刷データが存在せず、前記の動作をするときは主制御部16に対してその旨を通知するようにしてもよい。
【0044】
また、印字制御部17aは、使用可能カウンター17cに記憶されているインクドットカウント値を印刷処理実行毎または所定のタイミング毎に参照し、参照した値が累計使用量カウンター17bに記憶されているインクドットカウント値より小さいか否かを判定することで、使用者とプリンター1を製造および/または販売した会社との間で締結されたインク使用可能量の範囲内で使用されているか否かを判断するようにしてもよい。
【0045】
累計使用量カウンター17bは、所定の時点からプリンター1で使用されたインクドットカウント値を記憶しておくものである。ここで、所定の時点とは、たとえば、プリンター1が製造されて、使用者が購入して使用を開始した時点、または使用を開始して保証期間が経過した時点などである。なお、累計使用量カウンター17bは、所定の時点からプリンター1で使用されたインクドットカウント値を記憶するものであるが、使用可能カウンター17cと等しくなったときは、当該使用可能カウンター17cに記憶されているインクドットカウント値と共にリセットされるようにしてもよい。これにより、プリンター1が長期間使用されるにつれて、無限にインクドットカウント値が増大してしまうことによるメモリー領域が不足してしまう不都合を解消することができる。
【0046】
加算制御部17dは、ICカードスロット20に挿入された専用のICカードから読み取られたインク使用可能量の契約の情報に基づいて、使用可能カウンター17cに記憶されているインクドットカウント値に更なるインク量を加算する。なお、この更なるインク量は、プリンター1の製造時、または販売時において、所定の期間毎(たとえば1ヶ月毎)に使用できるインク使用可能量が定められていてもよい。専用のICカードから読み取られたインク使用可能量の契約には、たとえば、使用者を識別する情報、使用開始日、使用可能期間、加算されるインク使用可能量(インクドットカウント値またはインク量を表す情報)などが含まれる。
【0047】
ジョブ情報記憶部18は、主制御部16が記録する印刷ジョブ情報および印字制御部17aにより算出された各色のインクドット数情報をジョブ情報履歴として形成する記憶領域であり、電源オフ時にもその値を保持できるように、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)やフラッシュROM(Read Only Memory)等の不揮発性記憶媒体上に設定されている。
(印刷ジョブ情報例)
図3は、図2に示すジョブ情報記憶部18に記録されるジョブ情報履歴の一例を模式的に示す表である。主制御部16は、少なくとも各印刷ジョブに含まれる印刷ジョブIDと、その印刷ジョブに対応して使用された色毎のインクドット数と、印刷日時情報と、印刷ジョブに対応する印刷結果とを関連づけてジョブ情報記憶部18に記録する。本実施例では、使用されたインクドット数は、印字制御部17aがカウントしたインクドット数としてインク色毎(ここではC:シアン、M:マゼンタ、Y:イエロー、K:ブラックの4色)に表される。
【0048】
また、印刷結果は、各印刷ジョブIDに関連づけて記録されるものであり、たとえば図3の場合では、成功した場合にはフラグとして印刷結果の欄に「0」を、そして失敗した場合には「1」を付して示すことができる。図3からわかるように、ジョブ情報記憶部18を参照することにより、各印刷ジョブに対してどの程度のインクが色毎に消費されたのかをインクドット数を基準として把握するとともに、その印刷ジョブが正しく終了し、かつ正常な印刷処理がなされたかどうかを確認することができる。
【0049】
続いて、PC30の構成について説明する。PC30は、いわゆるパーソナルコンピューターなどであり、図示しないが、CPU(請求項の印刷管理装置の加算要求送信部の一例)、HDD、キーボード、ディスプレイ、および通信インタフェースを備えている。なお、使用者がPC30を操作して、課金サーバー40との間で実行する処理については後述する。
【0050】
続いて、課金サーバー40の構成について説明する。課金サーバー40は、PC30と同様に、いわゆるパーソナルコンピューター、またはサーバー用途の専用のコンピューターなどであり、図示しないが、CPU(請求項の課金管理装置の加算要求受信部、課金処理実行部、および加算許可信号送信部の一例)、HDD、キーボード、ディスプレイ、および通信インタフェースを備えている。なお、PC30から送信されたインク使用可能量の加算要求に応じて実行する処理については後述する。
【0051】
(印刷ジョブ情報の記録処理およびインクドットカウント値比較処理)
次に、プリンター1で実行される印刷ジョブ情報の記録処理およびインクドット数比較処理について説明する。図4は、図1に示すプリンター1で実行される印刷ジョブ情報の記録処理およびインクドットカウント値の比較処理の流れを示すフローチャートである。
【0052】
プリンター1では、PC30から送信される印刷ジョブを受信部11が受信するまで待機し、受信部11が印刷ジョブを受信すると、以下の処理が開始される(START)。印刷制御部15は、受信した印刷ジョブを基に印刷イメージデータとしてのドットパターンデータを印刷バッファー14に生成する(ステップS11)。その後、印刷制御部15は、この生成されたドットパターンデータに応じて、印刷ヘッドを駆動し、印刷用紙上への印刷処理を実行すると共に、ドットパターンデータを基にして当該印刷に伴って使用されるインクドット数を色毎に算出する(ステップS12)。
【0053】
主制御部16は、印刷ジョブを参照しつつ、印刷制御部15による印刷処理を監視し、印刷ジョブが正しく処理されたか否かを判断する(ステップS13)。主制御部16は、ステップS13において、印刷ジョブが正しく処理されたと判断された場合には、受信した印刷ジョブ中に含まれるジョブIDに印刷成功を示すフラグ(ここでは0)を付して、算出されたインクドット数とともに印刷ジョブ情報としてジョブ情報記憶部18に記録する(ステップS14)。
【0054】
一方、主制御部16は、ステップS13において、印刷ジョブが正しく処理されなかったと判断された場合には、受信した印刷ジョブ中に含まれるジョブIDに印刷失敗を示すフラグ(ここでは1)を付して、算出されたドット数とともに印刷ジョブ情報としてジョブ情報記憶部18に記録する(ステップS15)。
【0055】
主制御部16は、ステップS14またはステップS15の処理後に、ジョブ情報記憶部18に記録された印刷ジョブ情報であって、正常に処理されたものに含まれる色毎のインクドット数を印刷管理制御17へ受け渡す(ステップS16)。なお、ステップS16の処理は、ステップS15の処理後ではなく、所定のタイミング毎に主制御部16がジョブ情報記憶部18を参照するようにし、前回参照したときから新規に記録されている印刷ジョブ情報がある場合に印刷管理制御部17へ受け渡すようにしてもよい。印刷管理制御部17の一要素である印字制御部17aは、主制御部16から受け渡されたインクドット数を上述したような所定の処理を実行後の値(すなわち、インクドットカウント値)を累計使用量カウンター17bに加算する(ステップS17)。
【0056】
そして、印字制御部17aは、累計使用量カウンター17bに記憶されているインクドットカウント値と、使用可能カウンター17cに記憶されているインクドットカウント値とを比較する(ステップS18)。印字制御部17aは、累計使用量カウンター17bに記憶されているインクドットカウント値が使用可能カウンター17cに記憶されているインクドットカウント値と等しい場合もしくは大きい場合(ステップS18でYES)には、ステップS18の判定時以降の印刷処理を禁止する制御信号を主制御部16へ出力し(ステップS19)、処理を終了する(END)。ステップS19で送信された印刷処理を禁止する制御信号を受信した主制御部16は、インク使用可能量が契約の使用範囲の限度に達したため印刷できない旨をPC30へ通知する。なお、主制御部16は、PC30へ通知する代わりに、プリンター1のLED6を点滅させるなどしてプリンター1側で出力するようにしてもよい。
【0057】
また、ステップS19において、印字制御部17aは、累計使用量カウンター17bに記憶されているインクドットカウント値と、使用可能カウンター17cに記憶されているインクドットカウント値との差分が所定値よりも小さくなった場合には、送信部19を介してその旨を警告する信号をPC30へ通知するようにしてもよい。なお、印字制御部17aは、上述した差分とプリンター1での1枚あたりに使用される平均的なインクドットカウント値とから印刷可能枚数を算出し、この印刷可能枚数情報をPC30へ通知するようにしてもよい。
【0058】
一方、印字制御部17aは、累計使用量カウンター17bに記憶されているインクドットカウント値が使用可能カウンター17cに記憶されているインクドットカウント値より小さい場合(ステップS18でNO)には、そのまま処理を終了する(END)。
【0059】
(専用のICカードによるインク使用可能量加算処理の説明)
次に、専用のICカードをプリンター1のICカード挿入口8に挿入し、読み取られたインク使用可能量の情報に基づいてプリンター1で使用可能なインク使用可能量を加算する処理について説明する。図5は、図1に示すプリンター1で使用可能なインク使用可能量が加算される処理の流れを示すフローチャートである。なお、この処理の前提として、専用のICカードには少なくとも使用可能なインクドット数に関する情報が保持されているものとする。また、使用者が、プリンター1の会社から送付された専用のICカードまたは電気店などで購入した専用のICカードをICカード挿入口8(図1)に挿入し、加算制御部17d(図2)には、ICカードスロット20(図2)に挿入されたこのICカードに記録されている使用可能なインクドット数が予め記憶されている状態とする。
【0060】
加算制御部17dは、ICカードから読み取った契約情報に含まれる所定期間のタイミングで以下の処理を開始する(START)。印字制御部17aに加算制御部17dに記憶されている印刷で使用可能なインクドット数を受け渡す(ステップS21)。加算制御部17dからインクドット数を受け渡された印字制御部17aは、このインクドット数を使用可能カウンター17cに記憶されているインクドットカウント値に加算し(ステップS22)、処理を終了する(END)。
【0061】
(課金サーバー40との通信によるインク使用可能量加算処理の説明)
次に、プリンター1の使用者がPC30を操作して課金サーバー40との間でプリンター1において使用可能なインク使用可能量を加算する処理について説明する。図6は、図2に示すPC30と課金サーバー40との間で実行されるプリンター1で使用可能なインク使用可能量を加算する処理の流れを示すフローチャートである。なお、この処理の前提として、プリンター1とPC30とは1対1で対応する関係であり、使用者の情報は不図示の決済サーバーに予め登録されており、インターネット網100経由で電子決済ができ、かつこの決済サーバーと課金サーバー40とはデータの授受が可能に構成されているものとする。ただし、プリンター1とPC30とが1対多の関係とする環境を構築する場合には、プリンター1とPC30との間で認証等の機能を備えることが好ましい。
【0062】
使用者は、プリンター1で使用可能なインク使用可能量を加算したい場合には、PC30を操作して、インターネット網100を介して課金サーバー40へ接続して、加算要求を送信する(START)。たとえば、使用者は、課金サーバー40からの応答によって表示されるインク使用可能量を加算できるサイト内の案内に応じて、PC30を操作し、加算要求を実行する(ステップS31)。
【0063】
PC30からの加算要求を受け取った課金サーバー40は、使用者の所望する加算要求に応じたインク使用可能量の料金を算出し、この料金分の決済が可能な決済サーバーへ移動するように促す画面をPC30に対して送信する(ステップS32)。使用者は、PC30に対して送信された画面の案内に応じて所望するインク使用可能量相当の決済を決済サーバーとの間で実行する(ステップS33)。
【0064】
PC30から、決済サーバーと間で所望するインク使用可能量の決済が正常に完了した通知を課金サーバー40へ通知されると、課金サーバー40は、決済サーバーとの間でその決済処理の正当性を確認した後に、PC30から要求された所望のインク使用可能量を許可する情報を送信する(ステップS34)。PC30は、課金サーバー40から所望のインク使用可能量を許可する情報を受信すると、この情報をプリンター1へ送信して(ステップS35)、処理を終了する(END)。なお、プリンター1内では、図5に示したステップS22以降の処理を実行し、プリンター1で使用可能なインク使用可能量が加算される。
【0065】
以上、説明したように、本実施例のプリンター1と、PC30、課金サーバー40から構成されるシステムによれば、プリンター1の印刷で使用可能なインク量が管理され、このプリンター1の印刷で使用可能なインク量に基づいて印刷が実行される。また、プリンター1が備える加算制御部17dによって使用可能カウンター17cに所定の数が加算されることで、プリンター1の印刷で使用できるインク量が加算される。これにより、たとえば、プリンター1の使用者とこのプリンター1を製造および/または販売した会社間において所定のインク量を使用できる契約を締結した場合に、所定のタイミングで、インク量がプリンター1の使用可能カウンター17cへ加算される。また、そのように構成された場合には、プリンター1の印刷で使用するためのインク量が定期的に加算されると共に、使用者が更にプリンター1を使用することを所望する場合には、課金サーバー40へ加算要求をPC30から送信することにより印刷で使用するためのインク量を加算することも可能となる。すなわち、使用者にとっては、実際にプリンター1の印刷で使用するインク量に応じて費用を支払うことが可能となると共に、プリンター1を製造および/または販売した会社にとっては、このプリンター1のインクの使用状況に応じて課金する印刷管理システムを実現することが可能となる。
【0066】
また、このシステムの構成要素であるプリンター1は、プリンター1で使用可能なインク量を記憶する使用可能カウンター17c(請求項の印刷使用可能量記憶部の一例)と、この使用可能カウンター17cが記憶しているインク使用可能量に更なるインク量を加算する加算制御部17d(請求項の印刷使用可能量加算部の一例)と、使用可能カウンター17cが記憶しているインク使用可能量に基づいて印刷処理の可否判定を実行する印字制御部17a(請求項の印刷管理制御部の一例)とを備え、PC30は、プリンター1の印刷で使用可能なインク量の加算を要求する加算要求信号を課金サーバー40へ送信するCPU(請求項の加算要求送信部の一例)を少なくとも備え、プリンター1の加算制御部17dは、PC30のCPUから送信した加算要求信号に対する課金サーバー40(請求項の課金管理装置の一例)からの応答に基づいて使用可能カウンター17cに記憶されているインク使用可能量に加算するものである。これにより、プリンター1において使用可能なインク量が管理され、使用可能なインク量に基づいて印刷が実行される。また、PC30のCPUから送信した加算要求信号に対する課金サーバー40からの応答に基づいてプリンター1の使用可能カウンター17cに所定の数が加算されることで、プリンター1で使用できるインク量が加算される。これにより、たとえば、プリンター1の使用者とこのプリンター1を製造および/または販売した会社間の契約により、インク使用契約を締結した場合に、所定のタイミングで、使用可能なインク量がプリンター1へ加算される。すなわち、このプリンター1は、使用者にとっては、実際にプリンター1の印刷で使用するインク量に応じて費用を支払うことが可能となると共に、プリンター1を製造および/または販売した会社にとっては、このプリンター1のインクの使用状況に応じて課金することができるものである。
【0067】
更に、プリンター1は、所定の時点からの印刷装置で使用されたインク量の累計を記憶する累計使用量カウンター17bをさらに備え、印刷管理制御部17は、使用可能カウンター17cが記憶しているインク量と、累計使用量カウンター17bが記憶しているインク量とを比較し、この比較結果に基づいて印刷処理の可否判定を実行するようにしている。これにより、所定の時点からの印刷装置で使用されたインク量の累計と使用可能とされるインク量とを比較することで、所定の時点から印刷使用量を記録し、所定の時点から使用されたインク量に基づいて印刷可否判定を厳密に実行することが可能となる。
【0068】
また、上述のシステムの構成要素である課金サーバー40は、使用されるインク量を管理するプリンター1と接続可能なPC30からの加算要求信号を受信し、受信した加算要求信号に応じて、加算するインク量に応じた課金処理をPC30との間で実行し、課金処理が実行された後に、加算するインク量を含む加算許可信号をプリンター1へ送信するCPU(請求項の課金管理装置の加算要求受信部、課金処理実行部、および加算許可信号送信部の一例)を備えるものである。これにより、使用者がプリンター1で管理するインク使用可能量を加算したい場合に、PC30から課金サーバー40へ要求を送信すると共に、課金処理を実行するのみで、即時にプリンター1で管理するインク使用可能量に加算することが可能となる。
【0069】
また、他の観点として、着脱式のインクカートリッジを使用したプリンター1では、1つのインクカートリッジに含まれるインクは数cc程度であり、大量に印刷する場合にはインクがすぐに無くなり、印刷が継続できないという問題がある。このような問題を解消するために、プリンター1を製造する会社側も、着脱式のインクカートリッジを搭載したプリンター1ではなく、固定式でより大容量のインクを保持できるインクカートリッジを搭載したプリンター1を検討しているが、インク量を販売価格に加算する必要があるため、高額になるという問題を抱えていた。しかしながら、このような課金方法を採用することにより、固定式のインクカートリッジを備えるプリンター1が搭載するインク量のコストを価格に転嫁することなく販売することが可能になる。さらに、固定式のインクカートリッジを備えるプリンター1とした場合には、着脱式のインクカートリッジとは異なり、インクカートリッジをリサイクルしなくてもよくなり、消耗品の回収にかかる費用が低減される。
【0070】
<変形例>
以上、本発明の一実施例について述べたが、本発明はこれ以外にも種々変形可能である。例えば、上述した実施例では、印刷管理装置は、プリンター1側に、請求項の印刷管理制御部、累計印刷使用量記憶部、印刷使用可能量記憶部、加算制御部、加算タイミング通知部が実現され、PC30側に、加算要求送信部の機能が実現されているが、各機能がプリンター1、PC30のどちらに構成されていてもよい。
【0071】
また、上述の実施例および変形例においては、プリンター1の加算制御部17dが、専用のICカードから読み取った契約情報に基づいて加算するタイミングを決定していたが、加算制御部17dに対し、使用可能カウンター17cが記憶しているインク使用可能量に所定の数を加算するタイミングを通知するRTC(不図示)を備えるようにしてもよい。これにより、たとえば、加算タイミングを1ヶ月毎と設定することにより、自動的かつ定期的にインク量をプリンター1に加算することが可能となる。
【0072】
また、上述の実施例および変形例においては、プリンター1にICカード挿入口8を備えた構成を例示して説明している。しかしながら、プリンター1の使用者とこのプリンター1を製造および/または販売した会社間の契約情報が読み取れるものであれば、ICカード挿入口8を備えていないプリンター1としてもよい。たとえば、専用のICカードに記憶されている情報をUSBメモリー(不図示)などに外部記憶媒体に記憶すると共に、このUSBメモリーをプリンター1に差し込むことによって加算制御部17dに読み込むようにしてもよい。また、専用のICカードとしたが、その他の用途がある汎用のICカードを使用するようにしても構わない。
【0073】
また、上述の実施例および変形例においては、専用のICカードに記憶されている情報としては、使用可能なインク量に関する情報を例示して説明している。しかしながら、ICカードには、所定期間内における印刷可能枚数といった情報を保持し、印刷管理制御部17では印刷枚数単位で管理、制御するように構成してもよい。なお、その場合には、1枚あたりの標準的なインクドット数を予め記憶しておき、印字制御部17aにて変換処理を行うことが好ましい。また、契約条件によっては、インクの使用制限がない旨の情報を専用のICカードに記憶しておき、この情報を加算制御部17dが読み取ったときには、印字制御部17aに通知して、使用可能カウンター17cの数値いかんに関わらず、プリンター1の使用を可能とする制御をするようにしてもよい。
【0074】
また、上述の実施例および変形例においては、PC30からプリンター1の管理状況を積極的に知ることができる構成とはしていない。しかしながら、プリンター1の印刷管理制御部17は、PC30からの要求に応じて、累計使用量カウンター17bに記憶しているインク累計使用量および/または使用可能カウンター17cに記憶しているインク使用可能量についてPC30へ送信するようにしてもよい。これにより、使用者は、PC30からインク使用状況送信要求を送信することにより、今までに使用されたインクドット数およびその時点での使用可能なインクドット数を容易に入手することが可能で、利用状況に応じて、専用のICカードを追加購入する、またはインク使用契約の条件を見直すことができる。
【0075】
さらに、プリンター1の主制御部16は、PC30からの要求に応じて、ジョブIDに対応する使用インク量及び印刷結果をPC30へ送信するようにしてもよい。これにより、使用者は、PC30からジョブIDを指定したジョブ情報送信要求を送信することにより、印刷毎に使用されたインク量についての情報を容易に入手し、これらの情報から将来的なコスト削減等の対策に利用することができる。
【0076】
また、上述の実施例および変形例においては、累計使用量カウンター17bの値と使用可能カウンター17cの値とを比較して累計使用量カウンター17bの値が使用可能カウンター17cの値と等しくなったときまたは累計使用量カウンター17bの値の方が大きくなったときは、比較判定時以降の印刷処理を禁止する制御信号を主制御部16へ送信するようにしている(図4のステップS19)。しかしながら、上述の場合であっても印刷が継続できるように警告する制御信号をPC30へ送信するのみとし、その後、累計使用量カウンター17bの値が使用可能カウンター17cの値から所定の閾値を超えた場合、または連続して実行される一連のジョブが終了した場合は、印刷処理を禁止する制御信号を主制御部16へ送信し、その後の印刷処理を制限するようにしてもよい。これにより、使用者が緊急を要する場合や連続して印刷しているときに使用可能なインク量が不足して途中で印刷できなくなるような状況を、ある程度の割合で回避することができ、プリンター1の評価を著しく低下させることがなくなる。
【0077】
また、上述の実施例および変形例においては、累計使用量カウンター17bを備えるプリンター1としている。しかしながら、累計使用量カウンター17bを備えていないプリンター1としてもよく、その場合には、印字制御部17aは、使用可能カウンター17cに記憶されているインクドットカウント値から印刷処理で使用されたインクドット数を減算していき、使用可能カウンター17cに記憶されているインクドットカウント値がゼロになった時点で、印刷を禁止または警告する制御信号をPC30へ送信するようにしてもよい。なお、そのように構成した場合であっても、プリンター1の印刷管理制御部17は、プリンター1が使用するインクドット数のうち、フラッシング動作により印刷ヘッドから噴射されたインクや、印刷ヘッドから吸引されたインク、目詰まり回復動作、またはインク充填動作により使用されたインクなど、インクを印刷ヘッドから良好に噴射させるために使用されたインク、印刷が正常に完了しなかったときに使用されたインクについては、使用者により使用されたインクとはみなさずに、使用可能カウンター17cに記憶されているインクドットカウント値から減算しないことが好ましい。これにより、プリンター1が実行するフラッシング動作により印刷ヘッドから噴射されたインクや、印刷ヘッドから吸引されたインク、目詰まり回復動作、またはインク充填動作により使用されたインクなど、インクを印刷ヘッドから良好に噴射させるために使用されたインク、印刷が正常に完了しなかったときに使用されたインクについては課金対象とならないため、使用者にとっては、実際の印刷で使用されたインク量にのみ課金される方法となるためより好ましいものとなる。
【0078】
また、上述の実施例および変形例においては、PC30から印刷処理を開始する印刷処理要求(印刷開始コマンドおよび印刷データ)が送信された後に、この印刷処理要求は必ず実行することを前提とした上で、プリンター1の印刷管理制御部17によって比較判定時以降の印刷処理を禁止するまたは警告するように構成されている。しかしながら、PC30から印刷処理要求が送信されてきた際に、この印刷処理についてプリンター1の印刷管理制御部17によって印刷可否を判定し、この判定に基づいて印刷処理を禁止するまたは警告するように構成してもよい。たとえば、累計使用量カウンター17bを備えていないプリンター1の印字制御部17aが、使用可能カウンター17cに記憶されているインクドットカウント値から印刷処理で使用されたインクドット数を減算していき、使用可能カウンター17cに記憶されているインクドットカウント値がゼロまたは不足していると判定した時点で、印刷を禁止または警告するものとして構成する。そして、PC30から印刷処理を開始する印刷処理要求が送信されてきた場合には、印字制御部17aは、印刷処理に含まれる印刷データに対して図4に示すステップS12のインクドット数の算出まで実行し、その後に使用可能カウンター17cに記憶されているインクドットカウント値と比較して、このインクドットカウント値の方が印刷データから算出されたインクドット数より大きいまたは等しい場合には当該印刷処理の続行を許可すると共に、正常に印刷された後に印刷データのインクドット数を使用可能カウンター17cから減算する。一方、印字制御部17aは、使用可能カウンター17cに記憶されているインクドットカウント値の方が印刷データから算出されたインクドット数より小さい場合には、印刷を禁止または警告する制御とするようにしてもよい。
【0079】
また、上述の実施例および変形例においては、使用者が実際に使用したインク量に基づいて課金される仕組みを実現しているが、次のような仕組みを加えるまたは代替してもよい。たとえば、上述したような、プリンター1が使用するインクドット数のうち、フラッシング動作により印刷ヘッドから噴射されたインクや、印刷ヘッドから吸引されたインク、目詰まり回復動作、またはインク充填動作により使用されたインクなど、インクを印刷ヘッドから良好に噴射させるために使用されたインク、印刷が正常に完了しなかったときに使用されたインクについては、使用者により使用されたインクとはみなさない構成としたプリンター1のインクカートリッジに、印刷管理制御部17の累計使用量カウンター17bの機能を少なくとも備えたICチップを取り付けておく。そして、専用のICカードを使用者が購入することで、所定のインク量を購入し、プリンター1で印刷を実行する。使用者がインクカートリッジを全て使用した後に、プリンター1のインクカートリッジを使用者から回収し、ICチップに記憶されている累計使用量カウンター17bのインクドットカウント値に対応する費用と、ICカードを購入した費用の差額を計算し、残金を使用者に返還するようにしてもよい。このような方法を採用しても、使用者にとっては実際に印刷で使用したインク量にのみ課金される方法と同等の効果を奏するため、より好ましいものとなる。
【0080】
また、上述の実施例および変形例においては、プリンター1の累計使用量カウンター17bおよび/または使用可能カウンター17cにインクドットカウント値を保持する構成としているが、これらの値を、プリンター1以外にも保持する構成、すなわち、PC30内、または課金サーバー40内において保持する構成としてもよい。これにより、たとえば、プリンター1内に保持されている情報と、PC30内に保持されている情報、または課金サーバー40内に保持されている情報とを比較することで、不正に変更されているか否かを判定することができる。
【0081】
さらに、課金サーバー40内においても、プリンター1の累計使用量カウンター17bおよび使用可能カウンター17cに保持されているインクドットカウント値に相当する情報を保持させる構成とした場合、プリンター1のフラッシング動作により印刷ヘッドから噴射されたインクや、インク吸引手段により印刷ヘッドから吸引されたインク、目詰まり回復動作又はインク充填動作により使用されたインクなど、インクが印刷ヘッドから噴射可能にするため使用されたインクについてはそのまま加算する構成としてもよい。なお、そのような構成を採用する場合には、たとえば、プリンター1のジョブ情報記憶部18に、プリンター1の上述した動作であることがわかる情報を処理後に記憶しておき、課金サーバー40側で、プリンター1のジョブ情報記憶部18の情報を参照し、課金対象となるか否かの判定を行うようにしてもよい。このようにしても、プリンター1で課金対象の判別を行うことなく、実際の使用に応じた課金を行うことが可能となる。
【0082】
または、プリンター1が使用するインクドット数のうち、フラッシング動作により印刷ヘッドから噴射されたインクや、印刷ヘッドから吸引されたインク、目詰まり回復動作、またはインク充填動作により使用されたインクなど、インクを印刷ヘッドから良好に噴射させるために使用されたインク、印刷が正常に完了しなかったときに使用されたインクについて累計使用量カウンター17bにそのまま加算する構成としたプリンター1であっても、プリンター1の使用頻度等に応じたインク使用量を推測する所定の処理(たとえば、累計使用量カウンター17bに記憶されたインク使用量の10%を推測値とするなど)を課金サーバー40側で予め設定しておき、所定の処理により算出された値分のインク使用量については課金対象としない、インク使用量分のインクドットカウント数をプリンター1側に返還するような処理をする、または、インク使用量分に相当する現金を使用者へ返還するようにしてもよい。このようにしても、プリンター1で課金対象の判別を行うことなく、実際の印刷に使用されたインク量に応じた課金を行うことと同等の仕組みの実現が可能となる。
【0083】
また、上述の実施例および変形例においては、インクジェット方式のプリンター1を例示して説明している。しかしながら、インク量が把握可能なものであれば、インクジェット方式のプリンター1には限られない。例えば、ジェルジェット方式のプリンター、トナー方式のプリンター、ドットインパクト方式のプリンター等、種々のプリンターに対して、本発明を適用することが可能である。また、上述の実施の形態におけるプリンター1は、プリンター機能以外の機能(スキャナー機能、コピー機能等)を備える構成のような、複合的な機器の一部であってもよい。
【0084】
また、上述した請求項における各装置の機能は、ハードウエア的に実現されていても良く、ソフトウエア的に実現されていても良い。たとえば、上述した印刷管理制御部17に相当する機能を備えた集積回路をプリンター1に備える構成としてもよい。また、上述した印刷管理制御部17に相当する機能を実現する手段として機能させるための印刷管理プログラム、または課金サーバー40のCPUに相当する機能を実現する手段とし機能させるための課金管理プログラムを、たとえば、CD、DVD、各種メモリー等に記憶させておき、かかる印刷管理プログラムまたは課金管理プログラムをコンピューターに読み込ませて、上述の各処理を実行する装置として構成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0085】
1:プリンター(請求項の印刷管理装置の一部の一例)、17:印刷管理制御部(請求項の印刷管理制御部の一例)、17b:累計使用量カウンター(請求項の累計印刷使用量記憶部の一例)、17c:使用可能カウンター(請求項の印刷使用可能量記憶部の一例)、17d:加算制御部(請求項の印刷使用可能量加算部の一例)、30:PC(請求項の印刷管理装置の一部の一例)、40:課金サーバー(請求項の課金管理装置の一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷管理装置、および課金管理装置を備える印刷管理システムであって、
前記印刷管理装置は、
自装置で管理している印刷装置で使用可能なインク量を記憶する印刷使用可能量記憶部と、
前記印刷使用可能量記憶部が記憶している前記インク量に更なるインク量を加算する印刷使用可能量加算部と、
前記印刷使用可能量記憶部が記憶しているインク量に基づいて前記印刷装置での印刷処理の可否判定を実行する印刷管理制御部と、
前記印刷装置で使用可能なインク量を加算する加算要求信号を前記課金管理装置へ送信する加算要求送信部と、
を備え、
前記課金管理装置は、
前記印刷管理装置の加算要求送信部からの加算要求信号を受信する加算要求受信部と、
前記加算要求受信部で受信した加算要求信号に応じて、加算するインク量に応じた課金処理を実行する課金処理実行部と、
前記課金処理実行部で課金処理が実行された後に、加算するインク量を含む加算許可信号を前記印刷管理装置へ送信する加算許可信号送信部と、を備え、
前記印刷管理装置の印刷使用可能量加算部は、
前記加算許可信号送信部からの加算許可信号に含まれるインク量を前記印刷使用可能量記憶部に記憶されているインク量に加算することを特徴とする印刷管理システム。
【請求項2】
課金管理装置と通信可能な印刷管理装置であって、
自装置で管理している印刷装置で使用可能なインク量を記憶する印刷使用可能量記憶部と、
前記印刷使用可能量記憶部が記憶している前記インク量に更なるインク量を加算する印刷使用可能量加算部と、
前記印刷使用可能量記憶部が記憶しているインク量に基づいて前記印刷装置での印刷処理の可否判定を実行する印刷管理制御部と、
前記印刷装置で使用可能なインク量を加算する加算要求信号を前記課金管理装置へ送信する加算要求送信部と、を備え、
前記印刷使用可能量加算部は、
前記加算要求送信部から送信した加算要求信号に対する前記課金管理装置からの応答に基づいて前記印刷使用可能量記憶部に記憶されているインク量に加算することを特徴とする印刷管理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の印刷管理装置であって、
所定の時点からの前記印刷装置で使用されたインク量の累計を記憶する累計印刷使用量記憶部と、をさらに備え、
前記印刷管理制御部は、前記印刷使用可能量記憶部が記憶しているインク量と、前記累計印刷使用量記憶部が記憶しているインク量とを比較し、当該比較結果に基づいて前記印刷装置での印刷処理の可否判定を実行することを特徴とする印刷管理装置。
【請求項4】
課金管理装置と通信可能な印刷管理装置が実行する印刷管理方法であって、
前記印刷管理装置が、
自装置で管理している印刷装置で使用可能なインク量を印刷使用可能量記憶部に記憶するステップ、
前記記憶するステップにて前記印刷使用可能量記憶部に記憶された前記インク量に更なるインク量を加算するステップ、
前記印刷使用可能量記憶部が記憶しているインク量に基づいて前記印刷装置での印刷処理の可否判定を実行するステップ、並びに、
前記印刷装置で使用可能なインク量を加算する加算要求信号を前記課金管理装置へ送信するステップ、を有し、
前記加算するステップでは、
前記送信するステップで送信した加算要求信号に対する前記課金管理装置からの応答に基づいて前記印刷使用可能量記憶部に記憶されているインク量に加算することを特徴とする印刷管理方法。
【請求項5】
コンピューターを、
印刷装置で使用可能なインク量を記憶する印刷使用可能量記憶手段、
前記印刷使用可能量記憶部が記憶している前記インク量に更なるインク量を加算する印刷使用可能量加算手段、
前記印刷使用可能量記憶手段が記憶しているインク量に基づいて前記印刷装置での印刷処理の可否判定を実行する印刷管理制御手段、並びに
前記印刷装置で使用可能なインク量を加算する加算要求信号を課金管理装置へ送信する加算要求送信手段、として機能させ、
前記印刷使用可能量加算手段は、
前記加算要求送信手段から送信した加算要求信号に対する前記課金管理装置からの応答に基づいて前記印刷使用可能量記憶手段に記憶されているインク量に加算することを特徴とする印刷管理プログラム。
【請求項6】
印刷装置で使用されるインク量を管理する請求項2または3に記載の印刷管理装置からの加算要求信号を受信する加算要求受信部と、
前記加算要求受信部で受信した加算要求信号に応じて、加算するインク量に応じた課金処理を実行する課金処理実行部と、
前記課金処理実行部で課金処理が実行された後に、加算するインク量を含む加算許可信号を前記印刷管理装置へ送信する加算許可信号送信部と、
を備えることを特徴とする課金管理装置。
【請求項7】
課金管理装置が実行する課金管理方法であって、
自装置と通信可能な請求項2または3に記載の印刷管理装置からの加算要求信号を受信するステップ、
前記受信するステップにて受信した加算要求信号に応じて、加算するインク量に応じた課金処理を実行するステップ、並びに、
前記課金処理を実行するステップで課金処理が実行された後に、加算するインク量を含む加算許可信号を前記印刷管理装置へ送信するステップと、
を有することを特徴とする課金管理方法。
【請求項8】
コンピューターを、
印刷装置で使用されるインク量を管理する請求項2または3に記載の印刷管理装置からの加算要求信号を受信する加算要求受信手段、
前記加算要求受信手段で受信した加算要求信号に応じて、加算するインク量に応じた課金処理を実行する課金処理実行手段、並びに、
前記課金処理実行手段で課金処理が実行された後に、加算するインク量を含む加算許可信号を前記印刷管理装置へ送信する加算許可信号送信手段、として機能させるための課金管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−22549(P2012−22549A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−160338(P2010−160338)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】