説明

印刷管理システム、及び印刷管理方法

【課題】プリントサービスとジョブログ監査サービスとMFPとからなる情報処理システムにおいて、ジョブログ保存に要する通信負荷やリソース消費の無駄を軽減すること。
【解決手段】プリントサービス400は、MFP110で印刷要求を行ったユーザが属している組織がジョブログ監査サービス600を利用している場合(S806でYes)、MFP110からの印刷要求に対する応答にジョブログ生成不要の指示情報を含める(S808)。さらに、そのとき、プリントサービスは、自身でジョブログを生成し、ジョブログ監査サービス600に送信する(S809,S810)。また、MFP110は、印刷要求に対する応答にジョブログ生成不要の指示情報を含まれている場合、該印刷要求に基づくジョブのジョブログの生成を行わないように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷管理システム、及び印刷管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタ、スキャナ、ファクシミリ、複写機、および、それらを一体化した複合機(Multi Function Peripheral、以下MFPとする。)といったディジタル機器の高機能化や、インターネット上のサービスの普及に伴い、それらを連携させるような利用形態が提案されている。
【0003】
一例として、インターネット上のプリントサービスに文書を入稿しておき、その文書データそのもの、もしくは、その文書の印刷データをMFPが取得して印刷するという利用形態が挙げられる。
【0004】
また、最近では、情報漏洩の抑止や、情報漏洩者を追跡する目的で、上記のようなディジタル機器が行ったジョブの画像データを含むログ(以下、ジョブログとする。)を生成し、監査用のサーバに蓄積するシステムが開発されている。
【0005】
さらに、複数のMFPを組み合わせて使用するジョブを実行する際に、ジョブの種類に基づいて、どの装置がジョブログを取得するかを判断し、ジョブログの重複取得を避けるものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−048286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
インターネット上のプリントサービス及びジョブログ監査サービスを利用する場合、従来では、プリントを実行するMFPなどの機器は、まず、インターネット上にあるプリントサービスから印刷データを受け取り、プリントを行う。そして、印刷実行時のジョブログを生成し、生成したジョブログを、再びインターネット上のサービスに送り返すようなデータの流れとなる。このようなデータの流れでは、データ通信の経路が冗長となるため、機器を介することなくジョブログをプリントサービスからジョブログ監査サービスに送信可能にすることが望まれる。
【0008】
しかしながら、プリントサービスでジョブログを生成するようにした場合、印刷を実行する機器においてもジョブログを生成してしまうため、ジョブログ生成が重複してしまうことになり、機器のリソースを無駄に消費することになってしまう。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものである。本発明の目的は、プリントサービスを利用した印刷を行った場合のジョブログ保存に要する通信負荷やリソース消費の無駄を軽減することができる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、インターネット上の印刷サービスを提供する印刷システムと、ジョブログを蓄積するデータベースシステムと、イントラネット内の画像形成装置とを含む印刷管理システムであって、前記印刷システムは、前記画像形成装置からの印刷要求に基づき前記画像形成装置に対して印刷データを送信する印刷データ送信手段と、前記データベースシステムにジョブログを蓄積すべきユーザを特定可能な情報を記憶する記憶手段と、前記印刷要求に対応するユーザの情報から該ユーザが前記ジョブログを蓄積すべきユーザと特定された場合、前記印刷データ送信手段が送信した印刷データに基づくジョブで処理される画像データを含むジョブログを生成して前記データベースシステムに送信するジョブログ生成手段と、を有し、前記データベースシステムは、前記印刷システムから受信したジョブログを蓄積する蓄積手段を有し、前記画像形成装置は、前記印刷システムに対して印刷要求を送信し、前記印刷システムから送信される印刷データを受信する要求受信手段と、
前記印刷システムから受信した印刷データに基づくジョブを処理する場合、当該ジョブで処理する画像データをジョブログとして記憶しないように制御するジョブログ制御手段とを有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、印刷サービスを利用した印刷を行った場合のジョブログ保存に要する通信負荷やリソース消費の無駄を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施例を示す印刷管理システムを適用可能な情報処理システムの全体の構成の一例を示す図である。
【図2】サーバ群101やサーバ群102を形成している各サーバの内部構成の一例を示すブロック図である。
【図3】MFP110の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本発明におけるサーバ群101によって提供されるプリントサービスのソフトウェア構成の一例を示す図である。
【図5】本発明におけるMFP110のソフトウェア構成の一例を示す図である。
【図6】本発明におけるサーバ群102によって提供されるジョブログ監査サービスのソフトウェア構成例を示す図である。
【図7】MFP110が動作要求を受け付けた際の動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】実施例1のプリントサービス400がMFP110からリクエストを受信する際の動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】実施例2のプリントサービス400がMFP110からリクエストを受信する際の動作の一例を示すフローチャートである。
【図10】実施例3のプリントサービス400がMFP110からリクエストを受信する際の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明の一実施例を示す印刷管理システムを適用可能な情報処理システムの全体の構成の一例を示す図である。
本発明の印刷管理システムとしての情報処理システム100は、サービスを提供するサーバ群101、102と、それらのサービスを使用するMFP(Multi Function Peripheral)110、PC(パーソナルコンピュータ)120、及び、それらを接続するネットワーク150、160等を有する。
【0015】
サーバ群101は、インターネット上の印刷サービスであるプリントサービスを提供する印刷システムを構成する。サーバ群102は、ジョブログを蓄積するジョブログ監査サービスを提供するデータベースシステムを構成する。また、ネットワーク150はインターネットであり、ネットワーク160は企業内ネットワーク(イントラネット)等のLANである。なお、MFP110やPC120は、複数あってもよい。
【0016】
図2は、サーバ群101やサーバ群102を形成している各サーバの内部構成の一例を示すブロック図である。
CPU211を含む制御部210は、サーバ群101の各サーバの動作を制御する。CPU211は、ROM212やHDD214にコンピュータ読み取り可能に記録された制御プログラムを読み出して、後述するフローチャートに示す処理を含むサーバの各種制御処理を実行する。
【0017】
RAM213は、CPU211の主メモリ、ワークエリアなどの一時記憶領域として用いられる。HDD(ハードディスク)214は、画像データや各種プログラムを記憶する。なお、HDD214の代わりに、SSD(ソリッドステートドライブ)等を用いてもよい。
【0018】
ネットワークI/F(ネットワークインタフェース)215は、制御部210をネットワークに接続し、ネットワーク上の別の装置との情報の送受信を行う。バス216は、制御部210内の各ブロックを接続するバスである。
【0019】
図3は、MFP110の内部構成の一例を示すブロック図である。
CPU311を含む制御部310は、MFP110全体の動作を制御する。CPU311は、ROM312にコンピュータ読み取り可能に記録された制御プログラムを読み出して、後述するフローチャートに示す処理を含むMFPの各種制御処理を実行する。
【0020】
RAM313は、CPU311の主メモリ、ワークエリアなどの一時記憶領域として用いられる。HDD314は、画像データや各種プログラムを記憶する。
操作部I/F(操作部インタフェース)315は、制御部310と操作部320とを接続する。操作部320には、タッチパネル機能を有する液晶表示部やキーボードなどが備えられている。
【0021】
プリンタI/F(プリンタインタフェース)316は、制御部310とプリンタ321とを接続する。プリンタ321で印刷すべき画像データは、プリンタI/F316を介して制御部310からプリンタ321に転送され、プリンタ321において用紙などの記録シート上に印刷される。
【0022】
スキャナI/F(スキャナインタフェース)317は、制御部310とスキャナ322とを接続する。スキャナ322は、スキャナ322にセットされた原稿上の画像を読み取って画像データを生成し、スキャナI/F317を介して制御部310に入力する。
【0023】
ネットワークI/F(ネットワークインタフェース)318は、制御部310(MFP110)をネットワークに接続し、ネットワーク上の別の装置との情報の送受信を行う。バス319は、制御部310内の各ブロックを接続するバスである。
【0024】
図4は、本発明におけるサーバ群101によって提供されるプリントサービスのソフトウェア構成の一例を示す図である。
図4に示すプリントサービス400の各機能部は、サーバ群101を構成する各サーバ装置のCPU211が、ROM212又はHDD214にコンピュータ読み取り可能に記録されている制御プログラムを、RAM213を一時記憶領域として使用しながら実行することにより実現される。また、プリントサービス400は、記憶領域としてRAM213やHDD214を利用する。
【0025】
リクエスト処理部401は、PC120上のウェブブラウザやアプリケーション、MFP110などからの要求を受信する。また、リクエスト処理部401は、認証要求を受け取った場合に、要求に含まれるユーザを識別するためのユーザID及びパスワードを解釈し、顧客情報記憶部411内の情報と照合を行い、プリントサービス400の正規な利用者であるかの確認を行う。また、リクエスト処理部401は、必要に応じて入稿処理部402やプリント処理部403に、受信した処理要求を渡す。
【0026】
入稿処理部402は、リクエスト処理部401で別のサービスが持つ文書を取得するような要求を受信した場合に、そのサービスに対して文書取得要求を行い、その文書を入稿文書として取得する処理を行う。また、入稿処理部402は、リクエスト処理部401で文書を直接受信した場合に、その文書を入稿文書として格納する処理を行う。このとき、入稿処理部402は、入稿処理を識別するための入稿IDを発行し、入稿文書と、入稿処理を要求してきたユーザのユーザID、及び、そのユーザが所属するテナントのテナントIDを、入稿IDと関連付けて、入稿データ記憶部412に保存する。なお、テナントとは、プリントサービスの利用契約をしている組織・団体のことであり、プリントサービスのユーザは、いずれかのテナントに属しているものとする。
【0027】
プリント処理部403は、リクエスト処理部401で、MFP110からプリント要求を受信した場合に、指定された入稿文書の印刷データを生成し、MFP110に送信する。即ち、リクエスト処理部401とプリント処理部403は、MFP110からの印刷要求に基づきMFP110に対して印刷データを送信する印刷データ送信機能を実現する。
【0028】
ジョブログ生成部404は、プリントの要求を行ったユーザが所属するテナントが、ジョブログ監査サービス600(図6)を利用している場合に、そのプリント要求に対するプリントのジョブログを生成する。ここで生成されるジョブログには、プリント処理部403が生成した印刷データに対応する画像データが含まれる。
【0029】
顧客情報記憶部411は、プリントサービスの利用契約をしているテナントの情報と、各テナントに属するユーザの情報を格納している。テナントの情報としては、テナントIDとテナント名、ジョブログ監査サービスを利用しているか否かなどの情報を持つ。ユーザの情報としては、ユーザIDと認証用のパスワード、所属テナントのテナントIDなどの情報を持つ。即ち、顧客情報記憶部411は、ジョブログ監査サービスにジョブログを蓄積すべきユーザを特定可能な情報を記憶する。
【0030】
図5は、本発明におけるMFP110のソフトウェア構成の一例を示す図である。
図5に示すMFP110の各機能部は、CPU311が、ROM312またはHDD314にコンピュータ読み取り可能に記録されている制御プログラムを、RAM313を一時記憶領域として使用しながら実行することにより実現される。また、MFP110の各機能部は、必要に応じて記憶領域としてRAM313やHDD314を利用する。
【0031】
操作制御部501は、操作部320が備える表示パネルに画面を表示させたり、操作部320で行われる操作の入力情報を受け付け、必要に応じて他の機能部に情報を伝達したりする。
【0032】
要求受信部502は、ネットワークを介して送信されてくる要求を受信し、必要に応じて他の処理部に情報を伝達する。
プリント要求部503は、操作部320の操作や要求受信部502で受信した指示に従って、プリントサービス400にアクセスし、印刷データを取得する。
【0033】
ジョブ管理部504は、操作制御部501や要求受信部502が受け付けた要求およびプリント要求部503が取得した印刷データに基づくジョブの生成や、生成したジョブの実行とジョブログのHDD314への記録、ジョブのステータス管理などを行う。また、ジョブ管理部504は、ジョブの処理内容に応じて、ユニット制御部505に対して指示を行う。さらに、ジョブ管理部504は、印刷データに基づくジョブを処理する場合、当該ジョブで処理する画像データをジョブログとして記憶するか否かを制御するジョブログ制御機能を有する(詳細は後述する)。
【0034】
ユニット制御部505は、ジョブ管理部504からの指示に従い、プリンタ321やスキャナ322を動作させる。また、ユニット制御部505は、プリンタ321やスキャナ322のステータスをジョブ管理部504に通知する。
【0035】
ジョブログ送信部506は、ジョブログ監査サービス600にアクセスするための認証情報と、ジョブログを保存する際に関連付けるためのテナントIDとを持つ。そして、ジョブログ送信部506は、予め設定されたタイミングで、ジョブログ監査サービス600に認証要求を行い、HDD314に記録されたジョブログを読み出して、テナントIDと共にジョブログをジョブログ監査サービス600に送信する。
【0036】
図6は、本発明におけるサーバ群102によって提供されるジョブログ監査サービスのソフトウェア構成例を示す図である。
図6に示すジョブログ監査サービス600の各機能部は、サーバ群102を構成する各サーバ装置のCPU211が、ROM212またはHDD214にコンピュータ読み取り可能に記録されている制御プログラムを、RAM213を一時記憶領域として使用しながら実行することにより実現される。また、ジョブログ監査サービス600は、記憶領域としてRAM213やHDD214を利用する。
【0037】
ジョブログ受信部601は、プリントサービス400や、MFP110から送信されてくるジョブログとテナントIDとを受信し、ジョブログ画像処理部602に渡す。
ジョブログ画像処理部602は、必要に応じてジョブログに含まれる画像データに対して、OCR処理、解像度変換などを行い、画像データに含まれるテキスト情報を抽出したり、保存する画像データのサイズを縮小したりする。そして、ジョブログ画像処理部602は、そのような処理によって得られた画像やテキストのデータとジョブログの属性情報とを、ジョブログと一緒に受信したテナントIDと関連付けて、ジョブログデータベース611に記録する。
【0038】
ジョブログ監査部603は、ジョブログを監査するためのUIを備えたウェブアプリケーションであり、PC120上のウェブブラウザなどからの指示に従って、ジョブログデータベース611内のジョブログを検索し、PC120上のウェブブラウザなどに表示する。
【0039】
次に、MFP110が動作要求を受け付けた際の動作について、図7のフローチャートを用いて説明する。
図7は、MFP110が動作要求を受け付けた際の動作の一例を示すフローチャートである。なお、図7のフローチャートに示す各ステップは、MFP110のCPU311がROM312またはHDD314にコンピュータ読み取り可能に記録されている制御プログラムを実行することで、図5に示したMFP110の各処理部が動作することにより実現される。
【0040】
S701において、ジョブ管理部504は、操作制御部501又は要求受信部502から渡される処理要求が、プリントサービス400を利用する処理かどうかを判定する。
そして、プリントサービス400を利用する処理であると判定した場合(S701でYes)、ジョブ管理部504は、S702に処理を遷移させる。
一方、プリントサービス400を利用する処理でないと判定した場合(S701でNo)、ジョブ管理部504は、S706に処理を遷移させる。
【0041】
S702では、プリント要求部503が、操作制御部501もしくは要求受信部502から入力された認証情報を用いて、プリントサービス400に認証要求を送信し、認証結果を受信する。
【0042】
次に、S703において、プリント要求部503が、上記S702で受信した認証結果がOKか否かを判定する。
そして、認証がNGであると判定した場合(S703でNo)、プリント要求部503は、MFP110が受け付けた処理要求に対する動作を終了させる。
【0043】
一方、認証がOKであると判定した場合(S703でYes)、プリント要求部503は、S704に処理を遷移させる。なお、認証OKの場合、上記認証結果には、上記処理要求に対応するセッション識別情報が含まれ、以後のプリントサービス400へのリクエストには、このセッション識別情報を含めるものとするが、以下の説明においては省略する。
【0044】
S704では、プリント要求部503が、プリントサービス400に対して、ユーザID、印刷する入稿情報の入稿IDを指定して印刷の要求を行い、該印刷要求に対応する印刷データを取得する。なお、ユーザが操作部320を使用して操作を行っている場合、印刷可能な入稿文書の一覧をプリントサービス400から取得して操作部320に表示し、ユーザに印刷する文書を選択させるようにしてもよい。プリント要求部503が取得した印刷データは、ジョブ管理部504に渡され、それを元に、ジョブ管理部504がジョブを生成する。
【0045】
次に、S705において、ジョブ管理部504は、生成したジョブの印刷データに含まれるジョブログ生成フラグが「false」であるかどうかを判定する。なお、このジョブログ生成フラグは、プリントサービスにより印刷データに含められた送信されるものであり、ジョブログ生成フラグの値が「false」の場合、このジョブログ生成フラグは、ジョブログ生成不要の指示情報となる。
【0046】
そして、ジョブログ生成フラグが「false」であると判定した場合(S705でYes)、ジョブ管理部504は、S707に処理を遷移させる。
一方、ジョブログ生成フラグが「false」でない(「true」もしくはジョブログ生成フラグが存在しない)と判定した場合(S705でNo)、ジョブ管理部504は、S706に処理を遷移させる。
【0047】
S706では、ジョブ管理部504が、ジョブの実行に先立って、当該ジョブで処理する画像データを含むジョブログを生成しHDD314に記録し、S707に処理を遷移させる。
【0048】
S707では、ジョブ管理部504が、必要に応じてユニット制御部505に指示を行いながらジョブの実行を行い、本フローチャートの処理を終了する。即ち、印刷データにジョブログ生成フラグ「false」(ジョブログ生成不要の指示情報)が含まれる場合、ジョブ管理部504は、当該ジョブで処理する画像データをジョブログとして記憶しないように制御する。
【0049】
なお、上記S706で生成されたジョブログは、ジョブログ送信部506により、予め設定されたタイミングで読み出され、テナントIDと共にジョブログ監査サービス600に送信される。そして、MFPからジョブログとテナントIDを受信したジョブログ監査サービス600は、該ジョブログから得られた画像やテキストのデータとジョブログの属性情報とを、ジョブログと一緒に受信したテナントIDと関連付けて、ジョブログデータベース611に記録する。
【0050】
次に、実施例1のプリントサービス400が、MFP110からリクエストを受信する際の動作について、図8のフローチャートを用いて説明する。
図8は、実施例1のプリントサービス400がMFP110からリクエストを受信する際の動作の一例を示すフローチャートである。なお、図8のフローチャートに示す各ステップは、サーバ群101を構成する各サーバ装置のCPU211が、ROM212又はHDD214にコンピュータ読み取り可能に記録されている制御プログラムを実行することで、図4に示したプリントサービス400の各処理部が動作することにより実現される。
【0051】
S801において、リクエスト処理部401は、MFP110から認証情報を受信すると、S802に処理を進める。
S802では、リクエスト処理部401は、上記S801で受信した認証情報に含まれるユーザIDとパスワードを、顧客情報記憶部411内の情報と照合し、一致するものがある(認証OK)かどうかを判定する。
【0052】
そして、一致するものがある(認証OK)と判定した場合(S802でYes)、リクエスト処理部401は、処理をS804へ遷移させる。
一方、一致するものがない(認証NG)と判定した場合(S802でNo)、リクエスト処理部401は、処理をS803へ遷移させる。
S803では、リクエスト処理部401が、認証NGの結果をMFP110に応答し、処理を終了する。
【0053】
S804では、リクエスト処理部401が、認証OKの結果と、以後の通信で用いるセッション識別情報とをMFP110に応答する。また、このとき、リクエスト処理部401はこのセッション識別情報を一時的に記憶しておく。以後のMFP110からのリクエストには、このセッション識別情報が含まれ、リクエスト処理部401はそれを一時的に記憶しているセッション識別情報と比較して、セッションが認証されているかどうかの検証を行うが、以下の説明においては省略する。
【0054】
次に、S805において、リクエスト処理部401は、MFP110から印刷要求を受信する。リクエスト処理部401は、受信した印刷要求の情報をプリント処理部403に渡す。
【0055】
次に、S806において、プリント処理部403が、顧客情報記憶部411を参照し、上記S802で認証したユーザの所属しているテナントが、ジョブログ監査サービス600を利用しているか否かを判定する。
【0056】
そして、ユーザの所属しているテナントがジョブログ監査サービス600を利用していないと判定した場合(S806でNo)、プリント処理部403は、S807へ処理を遷移させる。
【0057】
一方、ユーザの所属しているテナントがジョブログ監査サービス600を利用していると判定した場合(S806でYes)、プリント処理部403は、S808へ処理を遷移させる。
【0058】
S807では、プリント処理部403は、印刷要求で指定された入稿IDを持つ入稿情報についての印刷データを生成し、MFP110に送信する。なお、印刷データ生成の際、プリント処理部403は、印刷データに含まれるジョブログ生成フラグを「true」に設定する。そして、S807の処理を終了すると、本フローチャートの処理を終了する。
【0059】
S808では、プリント処理部403は、上記S807と同様に、印刷データを生成し、MFP110に送信する。ただし、プリント処理部403がジョブログ生成フラグを「false」に設定する点が、上記S807とは異なる。なお、ジョブログ生成フラグの値が「false」の場合、このジョブログ生成フラグはMFP110に対するジョブログ生成不要の指示情報となる。
【0060】
次に、S809では、プリント処理部403は、ジョブログ生成部404にジョブログの生成を指示する。このとき、プリント処理部403は、プリント要求を行ったユーザが所属するテナントのテナントIDも一緒に、ジョブログ生成部404に渡す。
【0061】
次に、S810において、ジョブログ生成部404は、上記S809の指示に基づいて生成したジョブログ(プリント処理部403が生成した印刷データに対応する画像データを含む)と、プリント要求を行ったユーザが所属するテナントのテナントIDとを関連付けて、ジョブログ監査サービス600に送信する。そして、本フローチャートの処理を終了する。
【0062】
即ち、プリントサービス400は、印刷要求に対応するユーザの情報から該ユーザがジョブログを蓄積すべきユーザと特定された場合、MFP110に送信した印刷データに基づくジョブで処理される画像データを含むジョブログを生成して、ジョブログ監査サービス600に送信する。
【0063】
なお、ジョブログ監査サービス600は、上記S810においてプリントサービスから送信されたジョブログとテナントIDを受信すると、該ジョブログから得られた画像やテキストのデータとジョブログの属性情報とを、ジョブログと一緒に受信したテナントIDと関連付けて、ジョブログデータベース611に記録する。
【0064】
以上のように、実施例1では、ジョブログ監査サービス600とプリントサービスとを利用する場合において、ジョブログ監査サービス600を利用するユーザがプリントサービス400を使用した印刷を行う場合は、MFPでジョブログを生成しないように構成する。この構成により、MFPのジョブログ生成に関わるリソースや通信の負荷を軽減できると共に、プリントサービスのジョブログとMFPのジョブログの双方を、ジョブログ監査サービスに一元的に保存することができる。また、このとき、コンビニエンスストアなどの公共の場に設置されているようなMFPでプリントサービスを使用した場合のジョブログを保存することも可能となる。なお、ジョブログ監査サービスを使用しない場合は、プリントサービスを使用したとしても、MFPが一元的にジョブログを生成して、ローカルの環境(例えばHDD314)にジョブログを保存することもできる。
【0065】
なお、上記実施例の説明では、MFP110は、ジョブログ生成フラグが「false」の印刷データに基づくジョブを処理する場合、当該ジョブのジョブログを生成しないように制御する構成を説明した。
【0066】
しかし、MFP110は、プリントサービスから受信した印刷データに基づくジョブを処理する場合、当該ジョブのジョブログを生成しないようにし、一方、プリントサービス以外から受信した印刷データに基づくジョブを処理する場合には、当該ジョブのジョブログを生成するように制御する構成としてもよい。なお、上記プリントサービス以外から受信した印刷データを、MFP110が属するイントラネット内の装置を送信元とする印刷データとしてもよい。
【0067】
なお、本実施例では、ジョブログ監査サービス600が、プリントサービス400やMFP110から受信したジョブログから属性情報を取得し、ジョブログデータベース611に記録する構成を説明した。しかし、プリントサービス400やMFP110でジョブログの属性情報を生成し、ジョブログに含めてジョブログ監査サービス600に送信してもよい。
【実施例2】
【0068】
次に、本発明の実施例2について説明する。
上記実施例1では、プリントサービス400を利用した印刷のジョブログは、常に印刷を指示したユーザが所属するテナントに関連付けて保存されていた。このため、印刷が行われるMFP110を所有しているテナントが、印刷を指示したユーザが所属しているテナントとは異なる場合に、MFP110を所有しているテナントにジョブログが関連付けられなかった。
【0069】
実施例2では、このような、印刷が行われるMFP110を所有しているテナントが、印刷を指示したユーザが所属しているテナントとは異なる場合でも、MFP110を所有しているテナントにジョブログを関連付け可能に構成するものである。なお、以下では、実施例1と共通する部分の説明は省略し、差異のある部分についてのみ説明する。
【0070】
実施例2では、MFP110のプリント要求部503は、MFPを識別するためのMFPIDを持つ。このIDは、プリントサービス400を利用するための事前設定の際に、プリントサービス400に接続して取得するものとする。この取得の際、プリントサービス400の顧客情報記憶部411に、そのMFPを所有するテナントのテナントIDと関連付けられて、MFPIDが登録される。即ち、顧客情報記憶部411は実施例1で示した情報の加え、ジョブログ監査サービス600にジョブログを蓄積すべき画像形成装置を特定可能な情報と、該画像形成装置が属する組織の組織情報を記憶する。そして、MFP110のプリント要求部503は、図7のフローチャートのS704で、プリントサービス400に印刷要求を行う際、自身のMFPIDを要求に含めて送信する。
【0071】
以下、実施例2のプリントサービス400が、MFP110からリクエストを受信する際の動作について、図9のフローチャートを用いて説明する。
図9は、実施例2のプリントサービス400がMFP110からリクエストを受信する際の動作の一例を示すフローチャートである。なお、図9のフローチャートに示す各ステップは、サーバ群101を構成する各サーバ装置のCPU211が、ROM212又はHDD214にコンピュータ読み取り可能に記録されている制御プログラムを実行することで、図4に示したプリントサービス400の各処理部が動作することにより実現される。なお、図9のS901〜S904のステップは、それぞれ図8のS801〜S804と同様であるため、その説明は省略する。
【0072】
S905において、リクエスト処理部401は、MFP110から印刷要求を受信する。この印刷要求には、印刷対象の入稿情報の入稿IDと、要求を行ったMFPのMFPIDが含まれる。リクエスト処理部401は、受信した印刷要求の情報をプリント処理部403に渡す。
【0073】
次に、S906において、プリント処理部403が、上記印刷要求で指定された入稿IDを持つ入稿情報についての印刷データを生成する。このとき、プリント処理部403は、印刷データに含まれるジョブログ生成フラグを「true」で初期化する。
【0074】
次に、S907において、プリント処理部403は、顧客情報記憶部411を参照し、ユーザの所属しているテナントが、ジョブログ監査サービス600を利用しているか否かを判断する。
【0075】
そして、ユーザの所属しているテナントがジョブログ監査サービス600を利用していないと判定した場合(S907でNo)、プリント処理部403は、S910へ処理を遷移させる。
【0076】
一方、ユーザの所属しているテナントがジョブログ監査サービス600を利用していると判定した場合(S907でYes)、プリント処理部403は、S908へ処理を遷移させる。
【0077】
S908では、プリント処理部403は、印刷データに含めるジョブログ生成フラグの値を「false」にする。
次に、S909において、プリント処理部403は、プリントサービス400で生成するジョブログを保存する際に関連付けるテナントの情報(ジョブログ保存テナント)として、ユーザが所属するテナントのテナントIDを設定する(RAM213上に保持しておく)。そして、S910に処理を遷移させる。
【0078】
S910では、プリント処理部403が、顧客情報記憶部411を参照し、印刷要求に含まれているMFPIDから、そのMFPを所有しているテナントのテナントIDを取得する。さらに、プリント処理部403、上記MFPを所有しているテナントのテナントIDと、上記ユーザが所属するテナントIDとが異なるか否かを判定する。
【0079】
そして、MFPを所有しているテナントのテナントIDとユーザが所属するテナントIDとが異なると判定した場合(S910でYes)、プリント処理部403は、S911に処理を遷移させる。
【0080】
一方、MFPを所有しているテナントのテナントIDとユーザが所属するテナントIDとが同じであると判定した場合(S910でNo)、プリント処理部403は、S914に処理を遷移させる。
【0081】
S911では、プリント処理部403は、上記MFPを所有しているテナントを用いて顧客情報記憶部411を参照し、MFPを所有するテナントが、ジョブログ監査サービス600を利用しているか否かを判定する。
【0082】
そして、MFPを所有するテナントがジョブログ監査サービス600を利用していると判定した場合(S911でYes)、プリント処理部403は、S912へ処理を遷移させる。
【0083】
一方、MFPを所有するテナントがジョブログ監査サービス600を利用していないと判定した場合(S911でNo)、プリント処理部403は、S914へ処理を遷移させる。
【0084】
S912では、プリント処理部403は、印刷データに含めるジョブログ生成フラグの値を「false」にする。
次に、S913において、プリント処理部403は、上述したジョブログ保存テナントとして、MFPを所有するテナントのテナントIDを設定する(RAM213上に保持しておく)。なお、上記S909にて、既に、ジョブログ保存テナントとして、ユーザが所属するテナントのテナントIDが設定されている場合には、ユーザが所属するテナントのテナントIDに加えて、さらにMFPを所有するテナントのテナントIDを、ジョブログ保存テナントとして追加設定するものとする。そして、S914に処理を遷移させる。
【0085】
S914では、プリント処理部403が、ジョブログ生成フラグを含む印刷データをMFP110に送信する。
次に、S915では、プリント処理部403は、上記S914で送信した印刷データに含まれるジョブログ生成フラグが「true」であるかどうか判定する。
そして、上記S914で送信した印刷データに含まれるジョブログ生成フラグが「true」であると判定した場合(S915でYes)、プリント処理部403は、本フローチャートの処理を終了する。
【0086】
一方、上記S914で送信した印刷データに含まれるジョブログ生成フラグが「false」であると判定した場合(S915でNo)、プリント処理部403は、S916へ処理を遷移させる。
【0087】
S916では、プリント処理部403は、ジョブログ生成部404にジョブログの生成を指示する。このとき、プリント処理部403は、ジョブログ生成部404にジョブログ保存テナントの情報を渡す。上記指示により、ジョブログ生成部404は、ジョブログを生成する。
【0088】
S917では、ジョブログ生成部404は、上記生成したジョブログと、上記設定したジョブログ保存テナントで指定されているテナントID(ユーザが所属するテナントのテナントID、MFPを所有するテナントのテナントIDのいずれか、又は双方)とを、ジョブログ監査サービス600に送信する。
【0089】
なお、ジョブログ監査サービス600は、上記S917においてプリントサービスから送信されたジョブログとテナントIDを受信すると、該ジョブログから得られた画像やテキストのデータとジョブログの属性情報とを、ジョブログと一緒に受信したテナントID(ユーザが所属するテナントのテナントID、MFPを所有するテナントのテナントIDのいずれか、又は双方)と関連付けて、ジョブログデータベース611に記録する。
【0090】
以上のようなフローにより、プリントサービスを使用した場合のジョブログの保存動作は、以下のようになる。
まず、ユーザの所属するテナントはジョブログ監査サービス600を利用しておらず、MFPを所有するテナントはジョブログ監査サービス600を利用している場合、MFPを所有するテナントにのみ、ジョブログを関連付けて保存する。
【0091】
また、ユーザの所属するテナントはジョブログ監査サービス600を利用しており、MFPを所有するテナントはジョブログ監査サービス600を利用していない場合、ユーザの所属するテナントにのみ、ジョブログを関連付けて保存する。
【0092】
また、ユーザの所属するテナントと、MFPを所有するテナントとが異なっており、どちらのテナントもジョブログ監査サービス600を利用している場合、双方のテナントにジョブログを関連付けて保存する。
【0093】
即ち、プリントサービス400は、印刷要求に対応する画像形成装置の情報から該画像形成装置がジョブログを蓄積すべき画像形成装置と特定された場合、該画像形成装置が属する組織の組織情報(テナントID)を含むジョブログを、ジョブログ監査サービス600に送信する。
【0094】
以上のように、実施例2では、印刷が行われるMFP110を所有しているテナントが、印刷を指示したユーザが所属しているテナントとは異なる場合に、双方のテナントに関連付けてジョブログを保存することができる。
【実施例3】
【0095】
次に、本発明の実施例3について説明する。
上記実施例2では、他テナントに属するユーザが行った印刷のジョブログを、MFPを所有するテナントにおいても保存する構成であった。このため、他テナントに属するユーザが行った印刷のジョブログは不要であるテナントには不都合となる場合も考えられる。
【0096】
実施例3では、他テナントに属するユーザが行った印刷のジョブログは不要であるテナント(MFPを所有するテナント)においては、他テナントに属するユーザが行った印刷のジョブログを保存しないように構成する。なお、以下では、実施例1及び実施例2と共通する部分の説明は省略し、差異のある部分についてのみ説明する。
【0097】
実施例3では、プリントサービス400の顧客情報記憶部411は、テナント毎に、他テナントに所属するユーザが行った印刷のジョブログを保存するか否かの設定情報を記憶している。この設定情報は、テナント内の管理権限を持つユーザが設定できるものとする。即ち、顧客情報記憶部411は、上記実施例2に示した情報に加え、他の組織に属するユーザに対応するジョブログを蓄積すべき組織の組織情報を記憶する。
【0098】
以下、実施例3のプリントサービス400が、MFP110からリクエストを受信する際の動作について、図10のフローチャートを用いて説明する。
図10は、実施例3のプリントサービス400がMFP110からリクエストを受信する際の動作の一例を示すフローチャートである。なお、図10のフローチャートに示す各ステップは、サーバ群101を構成する各サーバ装置のCPU211が、ROM212又はHDD214にコンピュータ読み取り可能に記録されている制御プログラムを実行することで、図4に示したプリントサービス400の各処理部が動作することにより実現される。このフローチャートでは、実施例2で説明した図9のフローチャートのS911とS912との間に新たなステップ(S1001)が入る。それ以外のステップについては、実施例2と同一であるため、説明は省略する。即ち、図10のS901〜S911、S912〜S917のステップは、それぞれ図9のS901〜S911、S912〜S917と同様である。
【0099】
実施例3では、S911において、MFPを所有するテナントがジョブログ監査サービス600を利用していると判定した場合(Yes)、プリント処理部403は、S1001において、顧客情報記憶部411を参照し、MFPを所有するテナントが、他テナントに所属するユーザが行った印刷のジョブログを保存する設定かどうかを判定する。
【0100】
そして、MFPを所有するテナントが他テナントに所属するユーザが行った印刷のジョブログを保存する設定であると判定した場合(S1001でYes)、プリント処理部403は、S912に処理を遷移させる。
【0101】
一方、MFPを所有するテナントが他テナントに所属するユーザが行った印刷のジョブログを保存する設定でないと判定した場合(S1001でNo)、プリント処理部403は、S914に処理を遷移させる。
【0102】
即ち、プリントサービス400は、印刷要求に対応する画像形成装置の情報から該画像形成装置がジョブログを蓄積すべき画像形成装置と特定された場合、印刷要求に対応するユーザの情報から特定される組織と印刷要求に対応する画像形成装置の情報から特定される組織とが異なり、且つ前記画像形成装置の情報から特定される組織が他の組織に属するユーザに対応するジョブログを蓄積すべき組織と特定された場合に、前記画像形成装置の情報から特定される組織の組織情報(テナントID)を含むジョブログを、ジョブログ監査サービス600に送信する。
【0103】
以上のように、実施例3では、印刷が行われるMFP110を所有しているテナントが、印刷を指示したユーザが所属しているテナントとは異なる場合に、MFP110を所有するテナントにジョブログを保存するか否かを設定することができる。これにより、テナント毎に、自テナントのジョブログの保存ポリシーに従った設定が可能となる。
【0104】
以上示したように、本発明によれば、ユーザがプリントサービスを利用した印刷を行った場合、ユーザのジョブログ監査サービスの利用状況に応じてジョブログの生成箇所を制御し、ジョブログ保存に要する通信負荷やリソース消費の無駄を軽減することができる。
【0105】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
また、上記各実施例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0106】
(他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0107】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施例の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。即ち、上述した各実施例及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0108】
100 情報処理システム
110 MFP
400 プリントサービス
403 プリント処理部
404 ジョブログ生成部
411 顧客情報記憶部
503 プリント要求部
504 ジョブ管理部
600 ジョブログ監査サービス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネット上の印刷サービスを提供する印刷システムと、ジョブログを蓄積するデータベースシステムと、イントラネット内の画像形成装置とを含む印刷管理システムであって、
前記印刷システムは、
前記画像形成装置からの印刷要求に基づき前記画像形成装置に対して印刷データを送信する印刷データ送信手段と、
前記データベースシステムにジョブログを蓄積すべきユーザを特定可能な情報を記憶する記憶手段と、
前記印刷要求に対応するユーザの情報から該ユーザが前記ジョブログを蓄積すべきユーザと特定された場合、前記印刷データ送信手段が送信した印刷データに基づくジョブで処理される画像データを含むジョブログを生成して前記データベースシステムに送信するジョブログ生成手段と、を有し、
前記データベースシステムは、
前記印刷システムから受信したジョブログを蓄積する蓄積手段を有し、
前記画像形成装置は、
前記印刷システムに対して印刷要求を送信し、前記印刷システムから送信される印刷データを受信する要求受信手段と、
前記印刷システムから受信した印刷データに基づくジョブを処理する場合、当該ジョブで処理する画像データをジョブログとして記憶しないように制御するジョブログ制御手段とを有する、
ことを特徴とする印刷管理システム。
【請求項2】
前記ジョブログ制御手段は、前記印刷システムとは異なる送信元から送信された印刷データに基づくジョブを処理する場合には、当該ジョブで処理する画像データをジョブログとして記憶し、当該記憶した画像データとその属性情報とをジョブログとして前記データベースシステムに送信する、ことを特徴とする請求項1に記載の印刷管理システム。
【請求項3】
前記印刷システムとは異なる送信元から送信された印刷データとは、前記イントラネット内の装置を送信元とする印刷データである、ことを特徴とする請求項2に記載の印刷管理システム。
【請求項4】
前記印刷データ送信手段は、前記印刷要求に対応するユーザの情報から該ユーザが前記ジョブログを蓄積すべきユーザと特定された場合、ジョブログ生成不要の指示情報を含む印刷データを前記画像形成装置に対して送信するものであり、
前記ジョブログ制御手段は、処理するジョブの印刷データにジョブログ生成不要の指示情報が含まれている場合、当該ジョブで処理する画像データをジョブログとして記憶しないように制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の印刷管理システム。
【請求項5】
前記ジョブログ制御手段は、処理するジョブの印刷データにジョブログ生成不要の指示情報が含まれていない場合、当該ジョブで処理する画像データをジョブログとして記憶し、当該記憶した画像データを、ジョブログとして前記データベースシステムに送信する、ことを特徴とする請求項4に記載の印刷管理システム。
【請求項6】
前記記憶手段はさらに、前記ジョブログを蓄積すべきユーザが属する組織の組織情報を記憶するものであり、
ジョブログ生成手段は、前記印刷要求に対応するユーザの情報から該ユーザが前記ジョブログを蓄積すべきユーザと特定された場合、該ユーザが属する組織の組織情報を含むジョブログを前記データベースシステムに送信する、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の印刷管理システム。
【請求項7】
前記記憶手段はさらに、前記データベースシステムにジョブログを蓄積すべき画像形成装置を特定可能な情報と、該画像形成装置が属する組織の組織情報を記憶するものであり、
ジョブログ生成手段は、前記印刷要求に対応する画像形成装置の情報から該画像形成装置が前記ジョブログを蓄積すべき画像形成装置と特定された場合、該画像形成装置が属する組織の組織情報を含むジョブログを前記データベースシステムに送信する、ことを特徴とする請求項6に記載の印刷管理システム。
【請求項8】
前記記憶手段はさらに、他の組織に属するユーザに対応するジョブログを蓄積すべき組織の組織情報を記憶するものであり、
前記印刷データ送信手段は、前記印刷要求に対応するユーザの情報から特定される組織と前記印刷要求に対応する画像形成装置の情報から特定される組織とが異なる場合で、且つ前記画像形成装置の情報から特定される組織が前記他の組織に属するユーザに対応するジョブログを蓄積すべき組織と特定された場合に、前記画像形成装置の情報から特定される組織の組織情報を含むジョブログを前記データベースシステムに送信する、ことを特徴とする請求項7に記載の印刷管理システム。
【請求項9】
前記ジョブログを蓄積すべきユーザは、前記印刷サービスの利用契約をしている組織に属するユーザである、ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の印刷管理システム。
【請求項10】
インターネット上の印刷サービスを提供する印刷システムと、ジョブログを蓄積するデータベースシステムと、イントラネット内の画像形成装置とを含む印刷管理システムにおける印刷管理方法であって、
前記印刷システムの印刷データ送信手段が、前記画像形成装置からの印刷要求に基づき前記画像形成装置に対して印刷データを送信する印刷データ送信ステップと、
前記印刷システムのジョブログ生成手段が、前記印刷要求に対応するユーザの情報と管理手段に管理される前記データベースシステムにジョブログを蓄積すべきユーザを特定可能な情報から、該ユーザが前記ジョブログを蓄積すべきユーザと特定された場合、前記印刷データ送信手段が送信した印刷データに基づくジョブで処理される画像データとその属性情報を含むジョブログを生成して前記データベースシステムに送信するジョブログ生成ステップと、
前記データベースシステムの蓄積手段が、前記印刷システムから受信したジョブログを蓄積する蓄積ステップと、
前記画像形成装置の要求受信手段が、前記印刷システムに対して印刷要求を送信し、前記印刷システムから送信される印刷データを受信する要求受信ステップと、
前記画像形成装置のジョブログ制御手段が、前記印刷システムから受信した印刷データに基づくジョブを処理する場合、当該ジョブで処理する画像データをジョブログとして記憶しないように制御するジョブログ制御ステップと、
を有することを特徴とする印刷管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−30044(P2013−30044A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166515(P2011−166515)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】