説明

印刷管理システム

【課題】 詳細な文書印刷のアクセス管理を行うことが可能な印刷管理システムを提供する。
【解決手段】 クライアントコンピュータ1と、文書アクセス管理サーバ2と、プリンタ3とがネットワーク接続され、文書アクセス管理サーバ2は、印刷を行うユーザのアクセス権管理を行う印刷管理システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クライアントコンピュータと、文書アクセス管理サーバと、プリンタとがネットワーク接続された印刷管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
クライアントコンピュータとプリンタとがネットワーク接続された印刷管理システムにおいて、社外秘の文書などといった機密文書を取り扱う際には細心の注意が必要となる。印刷された文書を紛失したり、他人の目につかないようにしたりといった、印刷物の管理を徹底することが当然必要であるが、その機密文書を印刷するときに無闇に印刷ができないように様々なやり方でもって情報を保護する方法が考えられている。
例えば、ユーザコードを入力しないと印刷できないとか、パスワードを入力しないと出力できないといったような印刷できる人物を限定する方法、印刷ログを管理するといったような印刷物の管理を徹底する方法等がある。従来技術において、例えば特許文献1では、印刷を行う利用者ごとにアクセス権を設定したテーブルを用意しておき、そのアクセス権によって印刷の可否を判断し、制御を行うシステムについて述べられている。
【特許文献1】特開平6−175794号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述の特許文献1記載の技術によって、ユーザごとに権限を設定することはできるが、このシステム単位が対象になっており、上記従来技術では文書単位でユーザ権限の設定を細かに設定することはできない。
本発明は、詳細な文書印刷のアクセス管理を行うことが可能な印刷管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、クライアントコンピュータと、文書アクセス管理サーバと、プリンタとがネットワーク接続され、文書アクセス管理サーバは、印刷を行うユーザのアクセス権管理を行う印刷管理システムを最も主要な特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の印刷管理システムにおいて、文書アクセス管理サーバは、登録された文書ごとに設定されたアクセス権および、印刷を行おうとするユーザのアカウントのチェックを行い、その結果によって文書の印刷権限の制御を行う印刷管理システムを主要な特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の印刷管理システムにおいて、文書アクセス管理サーバは、登録された文書ごとに印刷可能枚数、および現在までに印刷された枚数を管理する印刷管理システムを主要な特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の印刷管理システムにおいて、登録されている文書の印刷可能枚数をユーザ単位で設定する機能を有する印刷管理システムを主要な特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1記載の印刷管理システムにおいて、登録されている文書に対して、ユーザごとに設定する印刷オプション機能をあらかじめ登録しておく印刷管理システムを主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によって、文書単位での印刷権限の制御が行えるようになる。例えば、あるユーザが印刷可能な文書はこれとこれ、別のユーザが印刷可能なのはこれとこれ、といった具合に、ユーザ単位でのより細かな設定が可能となる。
また、印刷された枚数を把握することができるため、機密文書の管理がより詳細に行えるようになる。また、印刷枚数を管理するため、ユーザが不必要に多く印刷を行ってしまうのを抑制できるといった効果も期待できる。
また、ユーザごとに印刷された枚数の把握をすることができるため、機密文書の管理がより詳細に行えるようになる。また、印刷枚数を管理するため、ユーザが不必要に多く印刷を行ってしまうのを抑制できるといった効果も期待できる。
また、機密文書の印刷をむやみに行うことを制御できるため、より強固な文書の管理を行うことができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る印刷管理システムの構成図である。
本実施の形態に係る印刷管理システムは、クライアントコンピュータ1と、文書アクセス管理サーバ(以下、サーバ)2と、プリンタ3とがネットワーク接続されることで構成されている。
サーバ2は、ログ管理部11、アカウント管理部12、文書管理部13を有し、印刷を行うユーザのアクセス権管理を行う。具体的には、サーバ2は、登録された文書ごとに設定されたアクセス権、及び印刷を行おうとするユーザのアカウントのチェックを行い、その結果によって文書の印刷権限の制御を行う。
ここで、本実施の形態に係る印刷管理システムの第1の処理例について説明する。
第1の実施の形態に係る印刷管理システムに登録されているあるユーザがクライアントコンピュータ1上において、サーバ2上に登録されている文書データの印刷を行うとする。そのとき、先ずサーバ2ではそのユーザのアカウントのチェックを行う。サーバ2に登録されている文書ごとにその文書を印刷することが可能なユーザが設定されていて、印刷指示を行ったユーザのアカウントがその文書の印刷可能ユーザであるのならば印刷が行われる。そして、印刷が行われたのであれば印刷を行ったユーザ名、印刷文書名、印刷枚数等の情報がサーバ2の管理する印刷ログに記録される。ユーザがその文書の印刷を行う権限を持っていなかったのであれば、そのユーザはその文書を印刷することはできず、印刷命令は破棄される。
図2は本発明の印刷管理システムにおける第1の処理例を示すフローチャートである。この場合、図2(a)に示すように、予めクライアントコンピュータ1からサーバ2に文書登録(S1)と、印刷可能なユーザの設定(S2)が行われているものとする。なお、このような文書登録、ユーザ設定処理は必要なだけ繰り返し行うようにされる。
このような状態のもとで、クライアントコンピュータ1からサーバ2上に登録されている文書データの印刷指示があった場合、図2(b)に示すように、サーバ2は印刷する文書を選択して(S3)して印刷指示を行う(S4)。次に、印刷指示したユーザは印刷権限があるかどうかの判別を行い(S5)、印刷権限があれば、プリンタ3から印刷文書を出力し(S6)、サーバのログに印刷を行ったユーザ名、印刷文書名、印刷枚数等の情報を記録して(S7)処理を終えることになる。一方、ユーザが印刷権限を持っていなかったのであれば、その旨を通知して(S8)、処理を終えることになる。
【0007】
次に、本実施の形態に係る印刷管理システムの第2の処理例について説明する。
サーバ2は、システムに登録されている文書ごとに印刷可能枚数の情報を管理している。その文書が印刷される都度枚数はカウントアップされていき、印刷枚数が印刷可能枚数を上回るとその文書の印刷を行うことはできなくなる。ある文書を印刷権限のあるユーザが印刷したときは、印刷を行ったユーザ名、印刷文書名、印刷枚数等の情報がサーバ2の管理する印刷ログに記録される。
図3は本発明の印刷管理システムにおける第2の処理例を示すフローチャートである。この場合も図3(a)に示すように、予めクライアントコンピュータ1からサーバ2に文書登録(S11)、印刷可能なユーザの設定(S12)、印刷可能な枚数設定(S13)が行われているものとする。なお、このような文書登録、設定処理は必要なだけ繰り返し行うようにされる。
このような状態のもとで、クライアントコンピュータ1からサーバ2上に登録されている文書データの印刷指示があった場合、図3(b)に示すように、サーバ2は印刷する文書を選択して(S14)して印刷指示を行う(S15)。次に、印刷指示したユーザは印刷権限があるかどうかの判別を行い(S16)、印刷権限があれば、次に印刷可能枚数内かどうかの判別を行い(S17)、印刷可能枚数内であれば、プリンタ3から印刷文書を出力し(S18)、印刷枚数をインクリメント(S19)した後、サーバのログに印刷を行ったユーザ名、印刷文書名、印刷枚数等の情報を記録して(S20)、処理を終えることになる。一方、ユーザが印刷権限を持っていなかったのであれば、その旨を通知して(S21)、ステップS20に進む。
【0008】
次に、本実施の形態に係る印刷管理システムの第3の処理例について説明する。
システムに登録されている文書ごとに設定された印刷可能枚数を、さらにサーバ2が管理しているユーザのアカウント別に割り当てる。文書およびユーザごとに設定された印刷可能枚数によって、ユーザごとに印刷できる枚数を制限することができる。各ユーザはその文書に対して自分自身に割り当てられた枚数以上を印刷することができない。印刷可能枚数内の範囲で印刷を行いそれが完了した場合、印刷を行ったユーザ名、印刷文書名、印刷枚数等の情報がサーバ2の管理する印刷ログに記録される。
図4は本実施の形態に係る印刷管理システムにおける第3の処理例を示すフローチャートである。この場合は、図4(a)に示すように、予めクライアントコンピュータ1からサーバ2に文書登録(S31)、印刷可能なユーザの設定(S32)、ユーザごとに印刷可能枚数の設定(S33)が行われているものとする。なお、このような文書登録、設定処理は必要なだけ繰り返し行うようにされる。
このような状態のもとで、クライアントコンピュータ1からサーバ2上に登録されている文書データの印刷指示があった場合、図4(b)に示すように、サーバ2は印刷する文書を選択して(S34)印刷指示を行う(S35)。次に、印刷指示したユーザは印刷権限があるかどうかの判別を行い(S36)、印刷権限があれば、次に印刷可能枚数内かどうかの判別を行い(S37)、印刷可能枚数内であれば、プリンタ3から印刷文書を出力し(S38)、印刷枚数をインクリメント(S39)した後、サーバのログに印刷を行ったユーザ名、印刷文書名、印刷枚数等の情報を記録して(S40)、処理を終えることになる。一方、ユーザが印刷権限を持っていなかったのであれば、その旨を通知して(S41)、ステップS40に進んで処理を終えることになる。
【0009】
次に、本実施の形態に係る印刷管理システムの第4の処理例について説明する。
サーバ2が管理しているユーザのアカウントごとに、より詳細な印刷権限の設定を行うことが可能である。システムに登録されている文書ごとに各ユーザが設定することが可能な印刷設定項目を割り当てる。設定できる項目として例えば、枚数、両面/片面、集約、カラー/モノクロ印刷、パンチ、ステープル、用紙サイズ変更等がある。
ユーザはシステムに登録された文書を印刷する時には、それぞれ自分に割り当てられた権限に見合った範囲で印刷設定を変更することができる。印刷を行った際には、印刷を行ったユーザ名、印刷文書名、印刷枚数、印刷時に設定した項目等の情報がサーバ2の管理するログに記録される。
図5は本実施の形態に係る印刷管理システムにおける第4の処理例を示すフローチャートである。
この場合は、図5(a)に示すように、予めクライアントコンピュータ1からサーバ2に文書登録(S51)、印刷可能なユーザの設定(S52)、ユーザごとに印刷可能な項目の設定(S53)が行われているものとする。なお、このような文書登録、設定処理は必要なだけ繰り返し行うようにされる。
このような状態のもとで、クライアントコンピュータ1からサーバ2上に登録されている文書データの印刷指示があった場合、図5(b)に示すように、サーバ2は印刷する項目を選択して(S54)、必要な印刷設定のための印刷指示(S55)を行う。次に、印刷指示したユーザは印刷権限があるかどうかの判別を行い(S56)、印刷権限があれば、次にユーザの印刷権限にあう印刷設定内容かどうかの判別を行い(S57)、権限に合う印刷設定内容であれば、プリンタ3から印刷文書を出力し(S58)、印刷枚数をインクリメント(S59)した後、サーバのログに印刷を行ったユーザ名、印刷文書名、印刷枚数等の情報を記録して(S60)、処理を終えることになる。一方、ユーザが印刷権限を持っていなかったのであれば、その旨を通知して(S61)、ステップS60に進んで処理を終えることになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態に係る印刷管理システムの構成図。
【図2】本実施の形態に係る印刷管理システムにおける第1の処理例を示すフローチャート。
【図3】本実施の形態に係る印刷管理システムにおける第2の処理例を示すフローチャート。
【図4】本実施の形態に係る印刷管理システムにおける第3の処理例を示すフローチャート。
【図5】本実施の形態に係る印刷管理システムにおける第4の処理例を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0011】
1 クライアントコンピュータ、2 文書アクセス管理サーバ、3 プリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアントコンピュータと、文書アクセス管理サーバと、プリンタとをネットワークを介して接続して構成される印刷管理システムにおいて、前記文書アクセス管理サーバにより印刷を行うユーザのアクセス権管理を行うことを特徴とする印刷管理システム。
【請求項2】
請求項1記載の印刷管理システムにおいて、前記文書アクセス管理サーバは、登録された文書ごとに設定されたアクセス権、及び印刷を行うユーザのアカウントチェックを行い、その結果によって文書の印刷権限の制御を行うことを特徴とする印刷管理システム。
【請求項3】
請求項1記載の印刷管理システムにおいて、前記文書アクセス管理サーバは、登録された文書ごとに印刷可能枚数、及び現在までに印刷された枚数の管理を行うことを特徴とする印刷管理システム。
【請求項4】
請求項1記載の印刷管理システムにおいて、登録されている文書の印刷可能枚数をユーザ単位で設定する機能を有することを特徴とする印刷管理システム。
【請求項5】
請求項1記載の印刷管理システムにおいて、登録されている文書に対して、ユーザごとに設定する印刷オプション機能をあらかじめ登録しておくことを特徴とする印刷管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−11669(P2006−11669A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−185640(P2004−185640)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】