説明

印刷装置、および印刷方法

【課題】この発明は、安価且つ簡単な構成によって、インク保持媒体から被転写媒体へインクを転写した後、インク保持媒体に形成される剥離跡を確実に判読不能にできる印刷装置、および印刷方法を提供することを課題とする。
【解決手段】印刷装置10は、サーマルヘッド5を介して、インクリボン1の表面に保持されたインクを被転写媒体Mの表面上に部分的に転写して情報を印刷した後、インクリボン1に形成された剥離跡を含む使用済領域にあるインクをヒートローラ6によって受像リボン7に転写する。受像リボン7は、複数回巻き戻されて使用され、剥離跡を含む使用済領域のインクが重ねて転写される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表面にインクを保持したインクリボンなどのインク保持媒体を被転写媒体に接触せしめて、インク保持媒体が保持したインクを被転写媒体へ部分的に転写することで情報を印刷する印刷装置、および印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な熱転写プリンタにおいて、情報を印刷する際、印刷される文字や画像と同じ形状のインクがインクリボンから熱転写されて剥離されるため、印刷後のインクリボンには印刷内容と同じ内容の剥離跡が形成される。従って、巻き取られたインクリボンを観察することにより、印刷内容を認識することも可能であり、印刷内容に個人情報が含まれている場合など、情報を漏洩してしまう虞があった。
【0003】
この問題を解決する方法として、一般的には、使用済インクリボンを裁断して破棄する方法や、使用済インクリボンを焼却処分する方法が考えられる。現状では、このような裁断や焼却などによって情報の漏洩を防止しているが、インクリボンそのものは一般に非常に柔らかくて伸縮性があるため、書類用の一般的な裁断機ではインクリボンが刃に融着してうまく裁断できない。また、焼却処理は基本的にユーザーサイドで処理することができず、専門業者によって処理がなされるため、情報の漏洩の可能性を完全に排除することはできない。
【0004】
このため、プリンタ内部で自動的に使用済インクリボンの剥離跡を消去し、他人の目に触れることのない環境下でインクリボンを処理する方法が望まれている。このような方法として、例えば、インクリボンのカセット内に消去用の別のインクリボンを組み込んで、剥離跡を有するインクリボンに重ねて溶着することで、剥離跡を見えなくする方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
しかし、特許文献1に開示されたように、インクリボンカセット内に別のインクリボンを組み込む方式では、プリンタ側に当該処理に必要な特別な機構が必要になるだけではなく、消耗品であるインクリボンカセット内部の構造も複雑化してしまい、且つ、情報の漏洩を防止する目的のためだけに使用する別のインクリボンも必要となり、コストアップの要因となる。
【特許文献1】特開2004−82591号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明の目的は、安価且つ簡単な構成によって、インク保持媒体から被転写媒体へインクを転写した後、インク保持媒体に形成される剥離跡を確実に判読不能にできる印刷装置、および印刷方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の印刷装置は、表面に転写用のインクを保持したインク保持媒体と、このインク保持媒体の表面に保持したインクを部分的に剥離して被転写媒体に転写することで被転写媒体上に情報を印刷する印刷部と、印刷の後、上記インク保持媒体から印刷内容が判読不能となるように、上記インク保持媒体に残留したインクを少なくとも部分的に除去する除去部と、を有する。
【0008】
また、本発明の印刷方法は、インク保持媒体の表面に保持されたインクを部分的に剥離して被転写媒体に転写することで被転写媒体上に情報を印刷する印刷工程と、印刷の後、上記インク保持媒体から印刷内容が判読不能となるように、上記インク保持媒体に残留したインクを少なくとも部分的に除去する除去工程と、を有する。
【0009】
上記発明によると、インク保持媒体で保持したインクを被転写媒体に転写して情報を印刷した後、インク保持媒体に残留したインクの少なくとも一部を除去することで、インク保持媒体に形成されるインクの剥離跡を判読不能とすることができ、情報の漏洩を防止できる。
【発明の効果】
【0010】
この発明の印刷装置は、上記のような構成および作用を有しているので、安価且つ簡単な構成によって、インク保持媒体から被転写媒体へインクを転写した後、インク保持媒体に形成される剥離跡を確実に判読不能にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1には、この発明の第1の実施の形態に係る印刷装置10の概略図を示してある。
【0012】
この印刷装置10は、表面にインクを保持したインクリボン1、表面を外側にしてインクリボン1の一端側を巻回せしめた送り出し軸2、インクリボン1の他端側を巻回せしめた巻き取り軸3、これら送り出し軸2と巻き取り軸3の間でインクリボン1の裏面側に接触して配置されたガイドローラ4、送り出し軸2とガイドローラ4との間でインクリボン1の裏面側に配置されたサーマルヘッド5、ガイドローラ4と巻き取り軸3との間でインクリボン1の裏面側に配置されたヒートローラ6、インクリボン1を挟んでヒートローラ6に対向したインクリボン1の表面側でインクリボン1と同じ方向に延設された受像リボン7、受像リボン7の両端をそれぞれ巻回せしめた2つの回転軸8a、8b、および受像リボン7をガイドする2つのガイドローラ9を有する。受像リボン7は、いかなる材質のものでも良く、廃棄処分することを考えると、再生紙など安価で且つ裁断し易い紙帯とすることが望ましい。
【0013】
また、印刷装置10は、インクリボン1の図示しない駆動機構、ヒートローラ6の図示しない駆動機構、および受像リボン7の図示しない駆動機構を同期させて動作させるための図示しない制御回路を有する。なお、インクリボン1は、この発明のインク保持媒体として機能し、サーマルヘッド5は、この発明の印刷部として機能し、ヒートローラ6および受像リボン7は、この発明の除去部として機能する。
【0014】
被転写媒体Mは、図示しない搬送機構によって図中矢印T方向に一定速度で搬送され、インクリボン1は、巻き取り軸3によって同じ速度で矢印R方向に巻き取られて被転写媒体Mに沿って同じ方向に同じ速度で走行される。この状態で、サーマルヘッド5を動作させて、インクリボン1の表面のインクが被転写媒体Mの表面に部分的に転写され、被転写媒体Mの表面上に文字などの情報が印刷される。
【0015】
図2には、被転写媒体Mの表面に印刷された文字情報の一例を示してある。このとき、サーマルヘッド5によって加熱された文字の領域だけインクが溶融されてベースフィルムから剥離され被転写媒体Mに転写される。図3には、このとき、インクリボン1側に形成されるインクの剥離跡の一例を示してある。つまり、図2に示すような文字情報を印刷することで、インクリボン1側には、文字情報と同じ模様でインクが剥離されることになる。よって、図2および図3を比較して見ると、インクリボン1側のインクの剥離跡は、被転写媒体Mの表面上に印刷された情報と一致しているのがわかる。
【0016】
このように、被転写媒体Mに情報を印刷した後、例えば図3に示すような剥離跡を有するインクリボン1は、ガイドローラ4を介して巻き取り軸3によって巻き取られる。このとき、ガイドローラ4と巻き取り軸3との間に配置されたヒートローラ6によってインクリボン1の表面が受像リボン7に押し付けられつつ加熱され、例えば図3に示したような剥離跡を有する使用済領域のインク全てが受像リボン7に転写される。なお、この際、受像リボン7は、インクリボン1と同じ方向に同じ速度で走行される。
【0017】
この状態で、インクリボン1のベースフィルムには、使用済領域以外の未使用領域のインクが残留している可能性があるものの、印刷内容を判読可能な図3に示す状態の使用済領域のインクは残っていないため、巻き取り軸3で巻き取られるインクリボン1には印刷内容に関する情報が存在しない状態となる。このため、巻き取り軸3で巻き取ったインクリボン1は、通常の廃棄物として処理しても問題は無く、印刷した情報の内容が漏洩する心配はない。
【0018】
しかし、このままだと、剥離跡を有する使用済領域のインクが転写された受像リボン7側には、例えば図3に示した剥離跡を表裏反転した状態のインクが転写されていることになり、受像リボン7を見ることで印刷した情報の内容を判読可能となってしまう。従って、このままの状態で受像リボン7を破棄することは情報の漏洩につながる可能性がある。
【0019】
このため、本実施の形態では、受像リボン7の表面に、剥離跡を有する複数の使用済領域のインクを隙間無く並べて転写した後、受像リボン7を一旦巻き戻して受像リボン7の表面に複数回重ねてインクを転写するようにした。本実施の形態では、受像リボン7を10回巻き戻して、受像リボン7上の同じ領域に概ね10回ずつインクを重ねて転写するようにした。
【0020】
これにより、印刷内容を判読可能な剥離跡を有するインクが複数回受像リボン7上で重なることになり、1つ1つの情報の判読ができなくなる。よって、上述したように10回巻き戻して使用した受像リボン7は、通常の廃棄物として処理しても問題は無く、印刷した情報の内容が漏洩する心配はない。
【0021】
以上のように、本実施の形態の印刷装置10によると、従来のサーマルヘッドを用いた熱転写方式の印刷装置の構成に、インクリボン1に残留したインクを転写するための受像リボン7およびヒートローラ6の構成を追加するだけの簡単且つ安価な構成により、インクリボン1に形成される剥離跡を確実に判読不能とすることができるとともに、受像リボン7に転写される情報も判読不能とすることができ、個人情報等の漏洩を確実に防止することができる。特に、受像リボン7を裁断が容易な紙帯により形成することで廃棄処理を容易にできる。
【0022】
図4には、上述した第1の実施の形態の印刷装置10の変形例を示してある。この変形例に係る印刷装置10’は、ヒートローラ6の代りにサーマルヘッド60を有する以外、上述した印刷装置10と同じ構造を有するため、ここでは同様に機能する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0023】
この変形例のように、ヒートローラ6の代りにサーマルヘッド60を採用することにより、受像リボン7に対して任意の毎回異なる文字情報を重ねて印刷することができる。このサーマルヘッド60で印刷する情報には意味の無い情報を選択するため、このように意味の無い情報を複数回重ねて転写された受像リボン7はそのまま廃棄できる。
【0024】
また、一方、インクリボン1側は、漏洩してはいけない個人情報などを被転写媒体Mに印刷した後、この情報、すなわちインクの剥離跡に重ねてサーマルヘッド60によって異なる情報を受像リボン7に印刷することで、被転写媒体Mに印刷した情報の判読が不能となり、情報の漏洩が防止される。或いは、サーマルヘッド60を用いることで、被転写媒体Mに印刷した文字情報の部分だけピンポイントに受像リボン7に転写することができ、文字の部分だけを効果的に除去することができる。
【0025】
例えば、サーマルヘッド60を介してインクリボン1の使用済領域を使って受像リボン7に図5に示す幾何学的なパターンを印刷した場合、図6に示すように被転写媒体Mに印刷した文字情報の部分だけ白く抜けたパターンが受像リボン7に印刷される。受像リボン7に印刷するパターンを適当なパターンにすることで、これだけでも被転写媒体Mに印刷した情報を受像リボン7から読み取ることは難しいが、よく見ると被転写媒体Mに印刷した情報を判読できてしまう。
【0026】
このため、受像リボン7を問題無く廃棄処分するためには、さらに異なる模様をインクリボン1の異なる使用済領域を用いて受像リボン7上に複数回重ねて印刷する第1の実施の形態と同様の方法を採用することが考えられる。或いは、図8に示すように、受像リボン7自体を裁断機12で裁断して廃棄してしまうことでも対応できる。後者の場合、受像リボン7の材質を紙にすることで、可とう性を有するインクリボン1のベースフィルムを裁断するより容易に受像リボン7を裁断できる。
【0027】
一方、図5に示すパターンでサーマルヘッド60を介してインクリボン1の使用済領域を用いて受像リボン7にパターンを転写すると、図7に示すようなインクの剥離跡がインクリボン1側に形成される。この場合、被転写媒体Mに情報を印刷することでインクが剥離した部位と図5のパターンを転写することでインクが剥離した部位が重なった部位は、どちらの情報であるか判別できない状態となり、見た目にはパターン以外の文字情報を判読することは難しくなる。このため、図5のパターンを適当な形状にすることで、インクリボン1を問題なく廃棄処分することができる。
【0028】
なお、図5のパターンは、上述した変形例のように、サーマルヘッド60を用いて受像リボン7に印刷する以外、図1や図8に示す装置のようにヒートローラ6を採用した装置では、ヒートローラ6の周面に図5のパターンと同じ凸状のパターンを設ける方法でも形成できる。この場合、ヒートローラ6周面のパターン状の凸部をインクリボン1の裏面側から受像リボン7に押し付けることにより、図6に示すようなパターンを受像リボン7に形成できるとともに、図7に示すような剥離跡がインクリボン1に形成される。
【0029】
図9には、この発明の第2の実施の形態に係る印刷装置20の概略図を示してある。
この印刷装置20は、上述した第1の実施の形態の印刷装置10の受像リボン7の代りに、紙片を使った転写機構22(除去部)を有する以外、第1の実施の形態の印刷装置10と同じ構造を有するため、同様に機能する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0030】
転写機構22は、インクリボン1を挟んでヒートローラ6に対向する位置でガイドローラ4と巻き取り軸3との間に配置され、インクリボン1の表面と略平行な姿勢で紙片(ここでは図示省略)をセットするためのケース23を有する。ケース23のヒートローラ6に対向する部位には、押圧ローラ24によって紙片をインクリボン1に向けて押圧するための開口23aが設けられている。
【0031】
ケース23内にセットされた紙片は、2つのガイドローラ25によって開口23a側に寄せられ、押圧ローラ24を図中矢印S方向に駆動することでインクリボン1側に押し付けられる。このとき、押圧ローラ24の押圧先には、インクリボン1を挟んでヒートローラ6があるため、紙片がインクリボン1とともに2つのローラ24、6間で挟まれてインクリボン1の表面に押し付けられることになる。この状態で、2つのガイドローラ25を正逆両方向に回転させ、紙片の表面にインクリボン1の使用済領域が転写される。
【0032】
本実施の形態においても、1回の転写では情報が漏洩してしまう可能性があるため、1枚の紙片に複数回使用済領域を重ねて転写するようにした。これにより、上述した第1の実施の形態と同様に、インクリボン1に残留した剥離跡を確実に除去できるとともに、紙片に転写したインクから印刷情報を判読不能とすることができ、個人情報などの漏洩を確実に防止できる。
【0033】
また、上述した第2の実施の形態のように、インクリボン1からインクを転写する媒体として紙片を使うことにより、第1の実施の形態の印刷装置10のように受像リボンを組み込む必要がなくなり、装置構成をより安価にできる。特に、使用する紙片の材質やサイズなどの制約が殆ど無いため、再生紙など安価に入手可能な媒体を利用できる。例えば、被転写媒体Mとして剥離紙付きのシールに情報を印刷するような運用では、シールを貼った後、剥離紙を廃棄処分することになるため、不要となる剥離紙を転写用の紙片として再利用することで、コストを抑えることができる。この場合、剥離紙の裏面側にインクを重ねて転写することで問題無く剥離紙を利用できる。
【0034】
なお、この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【0035】
例えば、上述した実施の形態では、両端をローラに巻回せしめたセパレートタイプのインクリボン1を用いた場合について説明したが、これに限らず、カセット形状で一体になったインクリボンを採用しても良い。
【0036】
また、上述した実施の形態では、被転写媒体Mとして搬送方向に沿った長さが比較的短い媒体を想定した場合について説明したが、これに限らず、印刷目的によっては、長尺またはロール紙タイプの媒体を被転写媒体Mとしても良い。
【0037】
さらに、上述した実施の形態では、表面にインクを保持したインク保持媒体としてインクリボン1を用いた印刷装置に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、例えば、インク保持媒体としてカーボン紙に残ったインクの剥離跡を除去するための装置に本発明を適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】この発明の第1の実施の形態に係る印刷装置の概略図。
【図2】図1の装置で被転写媒体に印刷される文字情報の一例を示す図。
【図3】図2の情報を印刷したときにインクリボン側に形成される剥離跡の一例を示す図。
【図4】図1の装置の変形例を示す概略図。
【図5】図4の装置に組み込まれたサーマルヘッド、または図1の装置に組み込まれたヒートローラによって受像リボンに形成されるパターンを示す概略図。
【図6】図5のパターンを用いてインクリボンの使用済領域から受像リボンに転写したパターンを示す概略図。
【図7】図6のパターンを受像リボンに形成したときにインクリボンに形成される剥離跡を示す概略図。
【図8】受像リボンを裁断する裁断装置を備えた装置構成を示す概略図。
【図9】この発明の第2の実施の形態に係る印刷装置を示す概略図。
【符号の説明】
【0039】
1…インクリボン、2…送り出し軸、3…巻き取り軸、4…ガイドローラ、5…サーマルヘッド、6…ヒートローラ、7…受像リボン、10、10’、10”、20…印刷装置、12…裁断機、22…転写機構、M…被転写媒体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に転写用のインクを保持したインク保持媒体と、
このインク保持媒体の表面に保持したインクを部分的に剥離して被転写媒体に転写することで被転写媒体上に情報を印刷する印刷部と、
印刷の後、上記インク保持媒体から印刷内容が判読不能となるように、上記インク保持媒体に残留したインクを少なくとも部分的に除去する除去部と、
を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
上記除去部は、
上記インク保持媒体に残留したインクの少なくとも一部を移し取るインク除去媒体と、
このインク除去媒体に対して上記インク保持媒体に残留したインクの少なくとも一部を移す移し手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
上記印刷部で上記インク保持媒体から被転写媒体に転写したインクの剥離跡に対して上記インク除去媒体を往復移動させる移動機構をさらに有し、
上記転写部は、上記剥離跡を含む使用済領域のインクを複数回重ねてインク除去媒体上に転写することを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
使用済のインク除去媒体を裁断する裁断機をさらに有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
上記移し手段は、上記インク除去媒体との間に上記インク保持媒体を挟んでインク保持媒体に残留したインクを加熱溶融させるとともに上記インク除去媒体に転写させるヒートローラを有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の印刷装置。
【請求項6】
上記ヒートローラの周面には、パターン状の凸部が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
上記移し手段は、上記インク除去媒体との間で上記インク保持媒体を挟む位置に設けられたサーマルヘッドを有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の印刷装置。
【請求項8】
インク保持媒体の表面に保持されたインクを部分的に剥離して被転写媒体に転写することで被転写媒体上に情報を印刷する印刷工程と、
印刷の後、上記インク保持媒体から印刷内容が判読不能となるように、上記インク保持媒体に残留したインクを少なくとも部分的に除去する除去工程と、
を有することを特徴とする印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−194893(P2008−194893A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−30784(P2007−30784)
【出願日】平成19年2月9日(2007.2.9)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】