説明

印刷装置、その制御方法及びプログラム

【課題】ユーザにとって使い勝手がよく、必要な印刷画像だけを印刷履歴として保存できる印刷装置を提供する。
【解決手段】印刷した画像と当該画像に係る印刷条件とを印刷履歴として記憶装置に保存する印刷装置において、前記記憶装置に保存された画像と同一の画像が、同一の印刷条件又は異なる印刷条件で印刷されたかどうかを判定し(ステップS302、S305)、同一の画像が異なる印刷条件で印刷されたと判定した場合は、印刷履歴として保存された画像並びに当該画像の印刷条件、及び、新たに印刷された画像並びに当該画像の印刷条件から印刷履歴として保存しておくものを選択可能とする(ステップS303、S306)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷画像を印刷履歴として記憶媒体に保存する印刷装置、その制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタやコピー機等の印刷装置において、一度印刷した画像を後日にもう一度同じように印刷を行いたい場合やセキュリティの面で、後からどのような画像が印刷されたかを調べたりできるようにしておきたい場合がある。
【0003】
このような理由により、従来より、印刷画像を印刷履歴として記憶媒体に保存する方法がある(例えば、特許文献1を参照のこと)。これは、印刷画像を記憶媒体に常に保存しておいて、印刷物が不正使用された際に、その印刷物の出所等を特定可能にするものである。
【0004】
また、上記とは別に、印刷後に印刷履歴として残すか残さないかの選択を促がし、印刷履歴を保存する方法がある(例えば、特許文献2を参照のこと)。これは、印刷後にプリンタがユーザに対して印刷履歴として保存するか、しないかを尋ねることにより、不要な画像を印刷履歴として保存しないようするものである。
【0005】
【特許文献1】特開平06−270477号公報
【特許文献2】特開2002−259082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、コンパクトプリンタ等の写真データを印刷する装置において、ユーザは印刷条件を様々に変えることができる。これにより、ユーザは好きに設定した明るさや、コントラスト、シャープネス等によって個々の好みの条件で印刷を行うことができ、様々な印刷条件で同じ画像を印刷することができる。
【0007】
上記のような事情を考慮した場合に、上述した従来の方法では下記のような問題点がある。
【0008】
特許文献1に記載の方法では、プリンタ等で、常に印刷画像を印刷履歴として記憶媒体に保存を行うため、印刷条件を変えて同じ画像を複数枚印刷した場合は、後日に印刷履歴を参照しても、どの印刷条件で印刷したものが一番気に入ったものか良くわからない。
【0009】
また、特許文献2に記載の方法では、N回目の印刷後に、N−1回目の印刷画像を残すか残さないかの判断を行うことができない。ユーザからすれば、異なる印刷条件で同じ画像を印刷し、事後的に自分の気に入ったものを選択して印刷履歴として残したい場合もある。また、毎回、印刷履歴に残すか尋ねられるのはユーザにとって煩わしいとも考えられる。
【0010】
また、印刷履歴に基づく履歴印刷を行う場合には、気に入ったものの中から更に選択して、本当に気に入った画像を選択したいとも考えられる。しかし、特許文献1に記載の方法では画像が多すぎて選択が困難となり得るし、特許文献2に記載の方法では、本当に気に入ったものをうまく選択できないとも考えられる。
【0011】
本発明は係る実情に鑑みてなされたものであり、第一の目的として、ユーザにとって使い勝手がよく、必要な印刷画像だけを印刷履歴として保存できる印刷装置等を提供することを目的とする。また、第二の目的として、履歴印刷を行う場合に、ユーザに履歴画像をわかりやすく表示する印刷装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の印刷装置は、印刷した画像と当該画像に係る印刷条件とを印刷履歴として記憶装置に保存する印刷履歴保存手段と、前記記憶装置に保存された画像と同一の画像が、同一の印刷条件又は異なる印刷条件で印刷されたかどうかを判定する印刷画像判定手段と、前記印刷画像判定手段が、同一の画像が同一の印刷条件で印刷されたと判定した場合は、新たに印刷された画像について印刷履歴を保存しない一方、同一の画像が異なる印刷条件で印刷されたと判定した場合は、印刷履歴として保存された画像並びに当該画像の印刷条件、及び、新たに印刷された画像並びに当該画像の印刷条件から印刷履歴として保存しておくものを選択可能とする印刷履歴管理手段とを有することを特徴とする。
また、本発明の印刷装置の制御方法は、印刷した画像と当該画像に係る印刷条件とを印刷履歴として記憶装置に保存する印刷装置の制御方法であって、前記記憶装置に保存された画像と同一の画像が、同一の印刷条件又は異なる印刷条件で印刷されたかどうかを判定する印刷画像判定ステップと、前記印刷画像判定ステップで、同一の画像が同一の印刷条件で印刷されたと判定した場合は、新たに印刷された画像について印刷履歴を保存しない一方、同一の画像が異なる印刷条件で印刷されたと判定した場合は、印刷履歴として保存された画像並びに当該画像の印刷条件、及び、新たに印刷された画像並びに当該画像の印刷条件から印刷履歴として保存しておくものを選択可能とする印刷履歴管理ステップとを有することを特徴とする。
また、本発明のプログラムは、印刷した画像と当該画像に係る印刷条件とを印刷履歴として記憶装置に保存する印刷装置の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記記憶装置に保存された画像と同一の画像が、同一の印刷条件又は異なる印刷条件で印刷されたかどうかを判定する印刷画像判定ステップと、前記印刷画像判定ステップで、同一の画像が同一の印刷条件で印刷されたと判定した場合は、新たに印刷された画像について印刷履歴を保存しない一方、同一の画像が異なる印刷条件で印刷されたと判定した場合は、印刷履歴として保存された画像並びに当該画像の印刷条件、及び、新たに印刷された画像並びに当該画像の印刷条件から印刷履歴として保存しておくものを選択可能とする印刷履歴管理ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
また、本発明の他の印刷装置は、印刷した画像と当該画像に係る印刷条件とを印刷履歴として記憶装置に保存する印刷履歴保存手段と、前記記憶装置に保存された画像と同一の画像が、異なる印刷条件で印刷されたかどうかを判定する印刷画像判定手段とを有し、前記印刷画像判定手段が、同一の画像が異なる印刷条件で印刷されたと判定した場合は、異なる印刷条件で印刷された同一の画像を関連付けて保存するようにしたことを特徴とする。
また、本発明の他の印刷装置の制御方法は、印刷した画像と当該画像に係る印刷条件とを印刷履歴として記憶装置に保存する印刷装置の制御方法であって、前記記憶装置に保存された画像と同一の画像が、異なる印刷条件で印刷されたかどうかを判定する印刷画像判定ステップと、前記印刷画像判定ステップで、同一の画像が異なる印刷条件で印刷されたと判定した場合は、異なる印刷条件で印刷された同一の画像を関連付けて保存するステップとを有することを特徴とする。
また、本発明の他のプログラムは、印刷した画像と当該画像に係る印刷条件とを印刷履歴として記憶装置に保存する印刷装置の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記記憶装置に保存された画像と同一の画像が、異なる印刷条件で印刷されたかどうかを判定する印刷画像判定ステップと、前記印刷画像判定ステップで、同一の画像が異なる印刷条件で印刷されたと判定した場合は、異なる印刷条件で印刷された同一の画像を関連付けて保存するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、印刷装置で印刷履歴を保存する場合に、ユーザにとって煩わしさのない使い勝手が良好な態様で、必要な印刷履歴のみを保存しておくことができる。また、履歴印刷を行う場合に、ユーザに対して選択可能な画像をわかりやすく表示できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であって、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更可能なものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0015】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るプリンタ100のシステム構成を示す図である。図1において、100はプリンタである。101は電源装置であり、プリンタ100全体に電源の供給を行う。102は各種メモリーカードをセットするカードリーダであり、メモリーカードに記録された画像データを読み出すことができる。103は通信部であり、デジタルカメラ等の外部機器と接続を行うことによって外部機器から送信される画像データの受信を行うことができる。なお、本実施の形態では取り扱う画像データとしては、典型的にはJPEG形式の画像が挙げられるが、その他の形式の画像データも取り扱うことができるものとする。104はIO制御部であり、通信部103とカードリーダ102のどちらを有効にするかの判断を行い、また同時に有効にならないように排他制御を行う。
【0016】
105は不揮発性メモリ(ROM)であり、プリンタ100を制御するプログラムや、プリンタ100を操作するためのメニュー画像データ等を記憶する。106はプリンタ100全体を制御するシステム制御部であり、ROM105に記憶されたプログラムに従ってプリンタ100全体の制御を行う。107は揮発性メモリ(RAM)であり、IO制御部104を通して通信部103又はカードリーダ102から読み出した画像データの保持を行ったり、システム制御の際の作業領域として使用されたりする。
【0017】
108は画像処理部であり、RAM107やROM105から読み出された画像データの伸張処理やリサイズ、レイアウトの配置等を行う。画像処理部108は画像データがJPEG形式であれば、伸長処理として、JPEG形式からYUV形式へ変換する。
【0018】
109はRAM107内に用意されたVRAM領域であり、画像表示装置110に表示する画像を保持する。RAM107やROM105に保持された画像データを画像処理部108が伸張とリサイズを行いVRAM領域109に保持することにより、画像表示装置110に任意の画像を表示することが可能となる。110は画像表示装置であり、VRAM領域109に保持された画像データの読み出しを行って印刷画像の表示や、メニュー画像の表示を行う。
【0019】
111はUI操作部であり、電源釦、印刷釦や印刷条件設定釦、または画像表示装置110に表示されたメニューを操作するためのメニュー操作釦等の各種操作釦を有する。112は画像補正部であり、ユーザが設定した印刷条件に応じて画像処理部108で作成されたYUV画像等に対して、明るさ、コントラスト、色等の各種補正処理を行う。
【0020】
113は印刷画像生成部であり、114は印刷部である。本実施の形態において印刷部114は、昇華型の熱転写記録方式であり、インクシートと用紙(記録紙)とが一体になったインクカートリッジを採用する。インクシートは、用紙の印画領域を覆ってそのサイズとほぼ等しいサイズでイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各インク層とオーバーコート(OC)層が並べて設けられたものである。印刷部114は、Y・M・C・OCの各層ずつ熱転写しては、用紙を記録開始位置に戻し、用紙上にインク層を、順次重ねて転写する。そのため、印刷画像生成部113では、画像補正部112によって補正されたYUV形式からYMC形式への変換を行う。
【0021】
115は補助記憶装置であり、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等で構成され、画像補正後のYUV画像やJPEG画像等の画像データ、印刷した際の印刷条件等を保存しておくことができる。
【0022】
<第1の実施の形態に係るプリンタ100の全体動作>
次に、プリンタ100の動作について説明する。図2は、本実施の形態に係るプリンタ100の全体動作を示すフローチャートである。ここで説明する動作は、メモリーカードから画像データを転送して印刷を行う場合を想定しており、プリンタ100の電源を投入した後になされる。また、ここで説明する動作についての制御は、システム制御部106がROM105に記憶されたプログラムを読み出して実行することでなされる。
【0023】
まずステップS201においてシステム制御部106は、プリンタ100の電源が切られたかどうかの判断を行う。ここで、電源が切られていなければステップS202へ進み、電源が切られていれば処理を終了する。
【0024】
ステップS202においては、システム制御部106は、プリンタ100にインクカートリッジがセットされているかどうかの検出を行う。ここで、インクカートリッジがセットされていなければステップS201に戻り、セットされていればステップS203へ進む。
【0025】
ステップS203においては、システム制御部106は、インクカートリッジに記録紙が残っているかどうかの検出を行う。ここで、記録紙が残っていればステップS204へ進み、そうでなければステップS201へ戻る。
【0026】
ステップS204においては、システム制御部106は、カードリーダ102にメモリーカードが挿入されているかどうかの判断を行う。ここで、メモリーカードが挿入されていればステップS205へ進み、そうでなければステップS206へ進む。
【0027】
ステップS206においては、システム制御部106は、後述する印刷結果情報の初期化を行う。また、ステップS205においては、システム制御部106は、UI操作部111にある印刷設定釦が押されたかどうかの判断を行う。ここで、印刷設定釦が押されていればステップS207へ進み、そうでなければステップS208へ進む。
【0028】
ステップS207においては、システム制御部106は、印刷条件設定を行う。印刷条件設定は、画像表示装置110に表示された印刷条件メニューに従って、ユーザがUI操作部111にあるメニュー操作釦を操作することでなされる。印刷条件設定では、印刷画像の明るさやコントラスト、色変換等の各種補正処理やレイアウトの構成等の印刷条件の設定を行うことができる。印刷条件設定後は、システム制御部106はステップS208へ進む。
【0029】
ステップS208においては、システム制御部106は、UI操作部111にある印刷釦が押されたかどうかの判断を行う。ここで、印刷釦が押されていればステップS209へ進み、そうでなければステップS201に戻る。
【0030】
ステップS209においては、システム制御部106は、メモリーカードから画像データをRAM107へ読み出し、画像処理部108により画像処理を行う。ここでの画像処理では、ROM105に保存されている初期印刷条件設定又はステップS207で設定した印刷条件設定に基づいて、例えばJPEG形式からYUV形式への画像データの変換と各種画像補正処理が行われる。
【0031】
次にステップS210においては、システム制御部106は、印刷を行うためにYUV形式からYMC形式への変換等を行い、その後に印刷処理を行う。そして、ステップS211では、次に説明する「履歴管理処理A」が行われ、ステップS201へ戻る。
【0032】
<履歴管理処理A>
以下、図2のステップS211の「履歴管理処理A」について図3を用いて説明する。この処理は、電源投入後の図2のステップS210の印刷処理後にシステム制御部106で行われる。概要としては、電源投入後に行われる印刷ごとに、印刷された画像のファイルパスと過去に印刷された画像のファイルパスとの比較、及び印刷された時の印刷条件と過去に印刷された時の印刷条件との比較を行い、比較結果に応じて印刷履歴の管理方法を変更する。ここで、上記印刷された画像とは、図2のステップS210の印刷処理で印刷された画像をいい、上記印刷された時の印刷条件とは、図2のステップS210の印刷処理の時の印刷条件をいう。また、過去に印刷された画像とは、ステップS210で印刷された以前にプリンタ100で印刷された画像をいい、過去に印刷された時の印刷条件とは、過去に印刷された画像の印刷条件をいい、これらは印刷履歴として保存されている。また、以下の説明では、印刷された画像のファイルパスを「LatestFilePass」、過去に印刷された画像のファイルパスを「PastFilePass」と称す。また、印刷された時の印刷条件を「LatestCondition」、過去に印刷された時の印刷条件を「PastCondition」と称す。
【0033】
まずステップS301においてシステム制御部106は、PastFilePassとPastConditionを取得する。これらは、過去に印刷を行った時に、後述するステップS304でRAM107内の印刷結果情報記憶領域に一時的に保存されたものである。この領域はRAM107に確保された領域であり、図4は、その概念図を示している。
【0034】
図4において、401は印刷された画像のファイルパス、402は後述するステップS303で印刷画像や印刷条件等が履歴として保存される補助記憶装置115のアドレスを示している。403は、マニュアル明るさ、マニュアルコントラスト、マニュアルシャープネスの各種設定値等の印刷条件を示している。なお、本実施の形態では、電源投入後にはPastFilePassとPastConditionには初期値が与えられおり、初期値を0とする。システム制御部106は、この印刷結果情報記憶領域に保存された印刷結果情報を基に、新たに印刷された画像と既に印刷履歴として保存されている画像の比較を行うようにしている。
【0035】
また、上述した図2のステップ206の印刷結果情報の初期化処理は、印刷結果情報に初期値を代入する処理である。この処理は、メモリーカードが異なると、異なる画像でも同じファイルパスである場合があるので、同じ画像が印刷されたかどうかの判断が付かない場合を回避するために行う。そのため、メモリーカードが抜かれると印刷結果情報を初期化して、過去に印刷された画像の印刷結果情報を消去するようにしている。なお、本実施の形態では、メモリーカードから画像を読み出す場合を説明しているため、この処理を設けている。デジタルカメラ等からUSB接続して画像を読み出す場合には、USB接続が解除された時点で、印刷結果情報を初期化して、過去に印刷された印刷画像に印刷結果情報を消去するようにする。
【0036】
図3に戻り、次にステップS302においてシステム制御部106は、PastFilePassとLatestFilePassとの比較を行う。ここで、同一であればステップS305へ進み、そうでなければステップS303へ進む。
【0037】
ステップS305においては、システム制御部106は、PastConditionとLatestConditionとの比較を行う。ここで、同一であればそのまま処理を終了し、そうでなければステップS306へ進む。ステップS306においては、システム制御部106は、図5を用いて後述する履歴保存選択処理Aを行い、処理を終える。なお、ステップS302及びS305に係る判定は、本発明でいう印刷画像判定手段の一処理例に対応する。
【0038】
一方、ステップS303において、システム制御部106は、LatestConditionやステップS210で生成された画像補正処理後のYUV、印刷される際に使われるYMC画像等の印刷画像、印刷条件を、印刷履歴として保存する。保存については、補助記憶装置115のアドレスXに保存する。ここで、Xは、この処理のたびに、システム制御部106が補助記憶装置115の空いている記憶領域を調べて通知するアドレスとする。そして、次にステップS304においてシステム制御部106は、以下の代入式を用いて、RAM107内の印刷結果情報記憶領域を更新して処理を終了する。なお、ステップS303の処理は、本発明でいう印刷履歴保存手段の一処理例に対応する。
【0039】
PastFilePass=LatestFilePass
PastCondition=LatestCondition
HistoryAddress=X
【0040】
<履歴保存選択処理A>
続いて、図3のステップS306の履歴保存選択処理Aついて図5を用いて説明する。この処理は、PastFilePassとLatestFilePassが同一で、LatestConditionとPastConditionが異なる場合に行われる。つまり、印刷された画像が過去に印刷した画像と同一で、これらの印刷条件が異なる場合に行われ、そして、これらの画像の内のうちのどれを履歴として保存したいかをユーザに選択可能とする。
【0041】
まずステップS501〜S503においてシステム制御部106は、PastFilePassの印刷画像とLatestFilePassの印刷画像の両方とも印刷履歴として保存するか、両方とも保存しないか、どちらか一つだけ保存するかをユーザに尋ねる。具体的には、画像表示装置110に選択画面を表示してユーザに尋ねる。このときの画像表示装置110に表示する選択画面の一例を図6に示す。
【0042】
図6に示す選択画面おいては、601にPastFilePassの印刷画像とLatestFilePassの印刷画像を表示するとともに、602に選択中の印刷画像の印刷条件を表示する。また、603には印刷履歴として保存する画像の選択方法を示す。このような選択画面を表示することで、ユーザは容易に印刷履歴として保存する画像を選択することが可能となる。
【0043】
そして、PastFilePassの印刷画像、LatestFilePassの印刷画像を両方とも印刷履歴として保存する場合はステップS504へ進む。また、両方とも保存しない場合はステップS506へ進む。また、保存したい印刷画像を選択する場合はステップS503へ進む。
【0044】
ステップS504ではシステム制御部106は、LatestFilePassの印刷画像やLatestCondition等を新たに補助記憶装置115のアドレスXに印刷履歴として保存し、ステップS505で下記の代入式より印刷結果情報を更新する。
【0045】
PastCondition=LatestCondition
HistoryAddress=X
【0046】
また、ステップS506ではシステム制御部106は、すでに保存されているPastFilePassの印刷履歴を消去し、続いてステップS507で、前述した印刷結果情報の初期化を行い、処理を終了する。
【0047】
また、ステップS503ではシステム制御部106は、PastFilePassの印刷画像、LatestFilePassの印刷画像のどちらを印刷履歴として保存すると選択されたかの判断を行う。ここで、後者を保存すると選択された場合はステップS508へ進み、前者を保存すると選択された場合は処理を終える。
【0048】
ステップS508ではシステム制御部106は、すでに保存されているPastFilePassの印刷履歴を消去し、ステップS509へ進む。そしてステップS509、S510では、ステップS504、S505と同じ処理が行われる。なお、図5で説明した処理は、本発明でいう印刷履歴保存手段及び印刷履歴管理手段の一処理例に対応する。
【0049】
以上で本発明の第1の実施の形態を説明した。この第1の実施の形態では、同じ画像が続けて印刷されているかどうか、この場合の印刷条件は同じかどうかの比較を行い、比較結果に応じて、印刷履歴の管理方法を変更するようにした。具体的には、同じ印刷条件で同じ画像が印刷された場合は新たに印刷履歴として保存しない一方、異なる印刷条件で同じ画像が印刷された場合はユーザに対して印刷履歴として残すものを選択させ、必要なものだけを印刷履歴として残せるようにした。このような構成により、ユーザは常に印刷履歴を残すかを尋ねられる煩わしさから開放され、また不要な印刷履歴を保存せず、必要な印刷履歴のみを保存しておくことができる。例えば、プリントミス、設定ミス等により同じ画像を印刷条件を変えて印刷してしまった場合には、必要な印刷画像だけを印刷履歴として残すことが可能となる。
【0050】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について図7〜図11を参照して詳細に説明する。第1の実施の形態では、違う印刷条件で同じ画像が2回続けて印刷を行われるたびに、ユーザに対して、これらの印刷画像を履歴として残すかの選択を促がしていた。第2の実施の形態では、相互に異なる印刷条件で同じ画像の印刷をN回行った場合に、そのN回目の印刷後にユーザに対して印刷履歴の選択を促がすようにする(Nは、3以上とする)。なお、本実施の形態に係るプリンタは、第1の実施の形態で説明したプリンタ100と同様のため、説明は省略し、同符号にて説明をする。
【0051】
<第2の実施の形態に係るプリンタ100の全体動作>
図7は、本実施の形態に係るプリンタ100の全体動作を示すフローチャートである。この動作は、システム制御部106がROM105に記憶されたプログラムを読み出して実行することでなされる。
【0052】
まずステップS701においてシステム制御部106は、プリンタ100の電源が切られたかどうかの判断を行う。ここで、電源が切られていなければステップS703へ進み、電源が切られていればステップS702へ進む。
【0053】
ステップS702においては、システム制御部106は、後述する履歴保存選択処理Bを行い、その後処理を終える。また、ステップS703においては、システム制御部106は、プリンタ100にインクカートリッジがセットされているかどうかの検出を行う。ここで、インクカートリッジがセットされていなければステップS701に戻り、セットされていればステップS704に進む。
【0054】
ステップS704においては、システム制御部106は、インクカートリッジに記録紙が残っているかどうかの検出を行う。ここで、記録紙が残っていればステップS705へ進み、そうでなければステップS701へ戻る。
【0055】
ステップS705においては、システム制御部106は、カードリーダ102にメモリーカードが挿入されているかどうかの判断を行う。ここで、メモリーカードが挿入されていればステップS707へ進み、そうでなければステップS706へ進む。
【0056】
ステップS706においては、システム制御部106は、後述する履歴保存選択処理Bを行い、ステップS701に戻る。また、ステップS707においては、システム制御部106は、UI操作部111にある印刷設定釦が押されたかどうかの判断を行う。ここで、印刷設定釦が押されていればステップS708へ進み、そうでなければステップS709へ進む。
【0057】
ステップS708においては、システム制御部106は、印刷条件設定を行う。印刷条件設定は、画像表示装置110に表示された印刷条件メニューに従って、ユーザがUI操作部111にあるメニュー操作釦を操作することでなされる。印刷条件設定では、印刷画像の明るさやコントラスト、色変換等の各種補正処理やレイアウトの構成等の印刷条件の設定を行うことができる。
【0058】
次にステップS709においては、システム制御部106は、UI操作部111にある印刷釦が押されたかどうかの判断を行う。ここで、印刷釦が押されていればステップS710へ進み、そうでなければステップS701に戻る。
【0059】
ステップS710においては、システム制御部106は、メモリーカードから画像データをRAM107へ読み出し、画像処理部108により画像処理を行う。ここでの画像処理では、ROM105に保存されている初期印刷条件設定又はステップS708で設定した印刷条件設定に基づいて、例えばJPEG形式からYUV形式の変換と各種補正処理が行われる。
【0060】
次にステップS711においては、システム制御部106は、印刷を行うためにYUV形式からYMC形式への変換等を行い、その後に印刷処理を行う。そして、ステップS712では、次に説明する「履歴管理処理B」が行われステップS701へ戻る。
【0061】
<履歴管理処理B>
以下、図7のステップS712の「履歴管理処理B」について図8を用いて説明する。この処理は、電源投入後の図7のステップS711の印刷処理後にシステム制御部106で行われる。概要としては、電源投入後に行われる印刷ごとに、印刷された画像ファイルパスと過去に印刷された画像のファイルパスとの比較、及び印刷された時の印刷条件と過去に印刷された時の印刷条件との比較を行う。更には、ファイルパスが同一で印刷条件が異なる場合に、何回目の印刷であるかを検証する。そして、比較結果、検証結果に応じて印刷履歴の管理方法を変更する。ここで、上記の印刷された画像とは、図7のステップS711の印刷処理された画像をいい、上記の印刷された時の印刷条件とは、図7のステップS711の印刷処理の時の印刷条件をいう。また、過去に印刷された画像とは、ステップS711で印刷された以前にプリンタ100で印刷された画像をいい、過去に印刷された時の印刷条件とは、過去に印刷された画像の印刷条件をいい、これらは印刷履歴として保存されている。また、印刷回数とは、相互に異なる印刷条件で同じ画像が印刷された回数、換言すれば、印刷された同じ画像についての所定数の異なる印刷条件の数をいう。また、以下の説明では、印刷された画像のファイルパスを、「LatestFilePass」、過去に印刷された画像のファイルパスを、「PastFilePass」と称す。また、印刷された時の印刷条件並びに印刷回数を、「LatestCondition[PrintCount]」、過去に印刷された時の印刷条件を、「PastCondition[PrintCount]」で示す。
【0062】
まずステップS801においてシステム制御部106は、PastFilePassと、PastCondition[1]、PastCondition[2]・・・PastCondition[PrintCount]を取得する。ここで取得する情報は、過去に印刷を行った時に、後述するステップS805又はステップS810でRAM107内の印刷結果情報記憶領域に一時的に保存されたものである。この領域はRAM107に確保された領域であり、図9は、その概念図を示している。
【0063】
図9において、901は異なる印刷条件で同じ画像が連続して印刷された回数「PrintCount」(N)、902は印刷された画像のファイルパスを示している。903は、後述するステップS807で印刷画像や印刷条件等が印刷履歴として保存される補助記憶装置のアドレスを示し、904は、マニュアル明るさ、マニュアルコントラスト、マニュアルシャープネスの各種設定値等の印刷条件を示している。ここで本実施の形態では、PrintCount901には、上限回数「Max PrintCount」が設けられており、この回数以内まで、アドレス903及び印刷条件904を印刷結果情報記憶領域に保存するようにしている。なお、電源投入後にはPastFilePassとPastConditionとPrintCountには初期値が与えられおり、本実施の形態では初期値を0としている。
【0064】
図8に戻り、次にステップS802においてシステム制御部106は、PastFilePassとLatestFilePassとの比較を行う。ここで、同一であればステップS803へ進み、そうでなければステップS804へ進む。
【0065】
ステップS804においては、後述する履歴保存選択処理Bが行われる。詳細は後述するが履歴保存選択処理Bでは、異なる条件で複数回印刷された印刷画像のうちの一つ又は複数を印刷履歴として保存しておくかを選択させるとともに、複数回印刷されていない画像については印刷履歴として保存するように処理が行われる。
【0066】
その後のステップS805では、システム制御部106は、LatestConditionやステップS711で生成した画像補正処理後のYUV、印刷される際に使われるYMC画像等の印刷画像、印刷条件等を印刷履歴として補助記憶装置115に保存する。保存については、補助記憶装置115のアドレスXに保存する。ここで、Xは、この処理のたびに、システム制御部106が補助記憶装置115の空いている記憶領域を調べて通知してくれるアドレスとする。
【0067】
次にステップS806においては、システム制御部106は、印刷結果情報の初期化を行う。ここで、初期化とは、PastFilePass、PastCondition[1]、PastCondition[2]・・・PastCondition[PrintCount]、N(図9、901)を全て0にすることを言う。
【0068】
そしてステップS807においては、システム制御部106は、下記のような代入式を用いて、RAM107内の印刷結果情報記憶領域を更新して処理を終了する。
【0069】
PastFilePass=LatestFilePass
PastCondition[0]=LatestCondition
HistoryAddress[0]=X
【0070】
一方、ステップS803においては、システム制御部106は、PastCondition[1]、PastCondition[2]・・・PastCondition[PrintCount]と、LatestConditionとの比較を行う。ここで、一つでもLatestConditionと同じであればそのまま処理が終了し、そうでなければステップS808へ進む。
【0071】
ステップS808においては、システム制御部106は、PrintCountのインクリメントを行う。
【0072】
次にステップS809においては、システム制御部106は、PrintCountがMAX PrintCount未満であるかどうかの比較を行う。ここで、MAX PrintCount未満であればステップS810へ進み、そうでなければステップS804へ進む。
【0073】
ステップS810においては、システム制御部106は、印刷画像や印刷条件(LatestCondition)を印刷履歴として補助記憶装置115に保存する。つまり、PrintCountがMAX PrintCount未満である場合は、新たに印刷された画像は、印刷履歴として保存されることになる。なお、ステップS810の処理は、本発明でいう印刷履歴保存手段に一処理例に対応する。そして、次にステップS811においてシステム制御部106は、以下の代入式を用いて、RAM107内の印刷結果情報記憶領域を更新し処理を終了する。
【0074】
PastFilePass=LatestFilePass
PastCondition[PrintCount]=LatestCondition
HistoryAddress[PrintCount]=X
【0075】
また、ステップS809でPrintCountがMAX PrintCountを超えていた場合のステップS804では、次に説明する「履歴保存選択処理B」が行われる。なお、ステップS802、S803、S809の判定は、本発明でいう印刷画像判定手段の一処理例に対応する。
【0076】
<履歴保存選択処理B>
続いて、図8のステップS804の「履歴保存選択処理B」について図10を用いて説明する。この処理は、ステップS802でPastFilePassと、LatestFilePassとが異なる場合、又はステップS809でPrintCountがMAX PrintCountを超えた場合に行われる。そしてPrintCountがMAX PrintCountを超えた場合は、異なる印刷条件で同じ画像が印刷された"PrintCount+1"枚の印刷画像(PastImage[0,1・・PrintCount])からどれを保存するかをユーザに尋ねる。
【0077】
まずステップS1001においてシステム制御部106は、印刷結果情報記憶領域に記憶されているPrintCountが0であるかどうかの検出を行う。PrintCountが0でなければステップS1002へ進み、そうであれば処理が終了する。
【0078】
ステップS1002、S1003においては、システム制御部106は、PastImage[0,1・・PrintCount]を全て印刷履歴として補助記憶装置115に保存するか、又はすべて保存しないか、又は選択したものを保存するかを選択させる。具体的には、画像表示装置110に選択画面を表示してユーザに尋ねる。このときの画像表示装置110に表示する選択画面の一例を図11に示す。
【0079】
図11に示す選択画面においては、1101にPastImage[0,1・・PrintCount]を表示するとともに、1102に選択中の画像の印刷条件を表示する。また、1103には印刷履歴に残す画像の選択方法を表示して、ユーザが印刷履歴に保存したい画像を選択できるようにする。このような選択画面を表示することで、ユーザは容易に印刷履歴として残す画像を選択することが可能となる。
【0080】
そして、PastImage[0,1・・PrintCount]全て印刷履歴として保存する場合はステップS1005へ進み、すべて保存しない場合はステップS1004へ、保存したい画像を選択する場合はステップS1006へ進む。
【0081】
ステップS1004ではシステム制御部106は、すでに保存されているPastImage[0,1・・PrintCount]の印刷履歴を消去し、ステップS1005へ進む。
【0082】
また、ステップS1006ではシステム制御部106は、図11の選択画面にてユーザが選択した、印刷履歴に保存したい画像を取得する。そして、続くステップS1007で既に保存されている画像のうちユーザが選択したもの以外の印刷履歴を消去してステップS1005へ進む。
【0083】
そしてステップS1005ではシステム制御部106は、図8のステップS806と同様に印刷結果情報の初期化を行う。その後は、ステップS805に進み、それ以降の処理を行う。つまり、所定数の異なる印刷条件で印刷された同じ画像を全て印刷履歴として保存するときは、その後連続して同じ画像を異なる印刷条件で印刷する場合でも、一旦リセットするようにする。なお、図10で説明した処理は、本発明でいう印刷履歴保存手段及び印刷履歴管理手段の一処理例に対応する。
【0084】
また、ステップS702、S706においても履歴保存選択処理Bを行うようにしていが、これらのタイミングで履歴保存処理Bを行うようにすれば、所定のN回の印刷を行わずに印刷処理をやめてしまう場合にも、印刷履歴を選択して残すことができる。
【0085】
以上で本発明の第2の実施の形態を説明した。この第2の実施の形態では、同じ画像が続けて印刷されているかどうか、この場合の印刷条件は同じかどうか、相互に異なる印刷条件で所定の回数だけ同じ画像が印刷されたかどうかを調べ、これらの結果に応じて、印刷履歴の管理方法を変更するようにした。具体的には、同じ印刷条件で同じ画像が印刷された場合は新たに印刷履歴を保存しないようした。また、所定数の相互に異なる印刷条件で同じ画像が印刷された場合は所定の回数分だけある印刷画像のうち印刷履歴として残すものを選択させ、必要なものだけを印刷履歴として残せるようにした。このような構成により、所定の回数の印刷後にのみユーザに対して印刷履歴の選択を促すため、ユーザは常に印刷履歴を残すかを尋ねられる煩わしさからより開放され、また不要な印刷履歴を保存せず、必要な印刷履歴のみを保存しておくことができる。例えば、プリントミス、設定ミス等により相互に異なる印刷条件で同じ画像を印刷してしまった場合には、相互に異なる印刷条件で所定の回数だけ印刷した後に、所定の回数分だけある印刷画像の中からユーザが必要な印刷結果のみを印刷履歴として残せる。
【0086】
なお、第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、異なる印刷条件で印刷された同じ画像の印刷履歴が複数保存される場合がある。この際に、これらを関連付けしておけば、事後的に行う、保存した印刷履歴に基づく履歴印刷において、画像の選択が容易となる。その方法としては、補助記憶装置115において印刷画像や印刷条件を保存する際に、異なる印刷条件で印刷された同じ画像のHistoryAddressも保存しておくようにする。
【0087】
例えば、図5のステップ504では、図12に示すリンク1201のように、補助記憶装置115内の印刷履歴保存領域に異なる条件で同じ画像が保存されたアドレスを指しておけば、もう一方の画像と関連付けて保存することが可能である。同様に、図8のステップS810でも、図13(a)に示すリンク1301、1302のようにリスト構造を持たせて、次々と異なる条件で同じ画像が保存されたアドレスを指していけばいい。また、図10のステップS1006では、不要な履歴が消去されるが、この場合は、前後の印刷履歴のアドレスを記憶するようにしてやれば、図13(b)のリンク1303、1304のようにリストを組みなおすことができる。
このように異なる印刷条件で印刷された同じ画像を関連付けることで、図14に示すように、履歴印刷を行う際に、同じ画像で印刷された履歴を区別して表示することができる(1401)。これは、上下の画像は異なる画像が並んでおり、左右の画像は同じ画像で異なる印刷条件で印刷された画像が並んでいる。よって、履歴印刷を行う場合に、ユーザに対して履歴画像をわかりやすく表示できる。
【0088】
また、本実施の形態では、RAM107内に記憶した印刷結果情報を基に、電源投入後に連続して同じ画像が異なる印刷条件で印刷された場合に、印刷履歴として保存するかどうかを選択させるようにしたが、補助記憶装置115から逐次情報を読み出しても良い。この場合においても、ユーザは常に印刷履歴を残すかを尋ねられる煩わしさから開放され、また不要な印刷履歴を保存せず、必要な印刷履歴のみを保存しておくことができる。
【0089】
また、本発明を実現するために、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコード(コンピュータプログラム)を記録した記憶媒体を用いても良い。この場合には記憶媒体をシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによって本発明の目的が達成される。
【0090】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、プログラムコード自体及びそのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0091】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0092】
また、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(基本システム或いはオペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行う場合も含まれることは言うまでもない。
【0093】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれてもよい。この場合には、書き込まれたプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るプリンタのシステム構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るプリンタの全体動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るプリンタの履歴管理処理Aについて示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るプリンタのRAMにおいて確保された印刷結果情報記憶領域を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るプリンタの履歴保存選択処理Aについて示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係るプリンタがユーザに対して印刷履歴として保存しておくものを尋ねる際に表示する選択画面の一例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るプリンタの全体動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るプリンタの履歴管理処理Bについて示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るプリンタのRAMにおいて確保された印刷結果情報記憶領域を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係るプリンタの履歴保存選択処理Bについて示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係るプリンタがユーザに対して印刷履歴として保存しておくものを尋ねる際に表示する選択画面の一例を示す図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係るプリンタが同じ画像に係る印刷履歴を関連付けして保存する方法を説明する図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係るプリンタが同じ画像に係る印刷履歴を関連付けして保存する方法を説明する図である。
【図14】関連付けされて保存された印刷履歴に含まれる印刷画像を表示する際の画面を示す図である。
【符号の説明】
【0095】
100 プリンタ
101 電源装置
102 カードリーダ
103 通信部
104 IO制御部
105 不揮発性メモリ(ROM)
106 システム制御部
107 揮発性メモリ(RAM)
108 画像処理部
109 VRAM領域
110 画像表示装置
111 UI操作部
112 画像補正部
113 印刷画像生成部
114 印刷部
115 補助記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷した画像と当該画像に係る印刷条件とを印刷履歴として記憶装置に保存する印刷履歴保存手段と、
前記記憶装置に保存された画像と同一の画像が、同一の印刷条件又は異なる印刷条件で印刷されたかどうかを判定する印刷画像判定手段と、
前記印刷画像判定手段が、同一の画像が同一の印刷条件で印刷されたと判定した場合は、新たに印刷された画像について印刷履歴を保存しない一方、
同一の画像が異なる印刷条件で印刷されたと判定した場合は、印刷履歴として保存された画像並びに当該画像の印刷条件、及び、新たに印刷された画像並びに当該画像の印刷条件から印刷履歴として保存しておくものを選択可能とする印刷履歴管理手段とを有することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記印刷画像判定手段は、前記記憶装置に保存された画像と同一の画像が所定数の相互に異なる印刷条件で印刷されたかどうかを判定し、
前記印刷履歴管理手段は、同一の画像が所定数の相互に異なる印刷条件で印刷された場合に、印刷履歴として保存された画像並びに当該画像の印刷条件、及び、新たに印刷された画像並びに当該画像の印刷条件から印刷履歴として保存しておくものを選択可能とすることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記印刷画像判定手段は、新たに印刷された画像のファイルパス及び印刷条件と、前記記憶装置に保存された画像のファイルパス及び印刷条件とを比較して判定を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記記憶装置に保存した画像のファイルパス及び印刷条件を、一時的に記憶するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記印刷履歴保存手段は、異なる印刷条件で印刷された同一の画像を保存する場合、これらを関連付けて保存することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記記憶装置に印刷履歴として保存された画像を表示する際、前記関連付けて保存された画像を並べて表示するようにしたことを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
印刷した画像と当該画像に係る印刷条件とを印刷履歴として記憶装置に保存する印刷装置の制御方法であって、
前記記憶装置に保存された画像と同一の画像が、同一の印刷条件又は異なる印刷条件で印刷されたかどうかを判定する印刷画像判定ステップと、
前記印刷画像判定ステップで、同一の画像が同一の印刷条件で印刷されたと判定した場合は、新たに印刷された画像について印刷履歴を保存しない一方、
同一の画像が異なる印刷条件で印刷されたと判定した場合は、印刷履歴として保存された画像並びに当該画像の印刷条件、及び、新たに印刷された画像並びに当該画像の印刷条件から印刷履歴として保存しておくものを選択可能とする印刷履歴管理ステップとを有することを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項8】
印刷した画像と当該画像に係る印刷条件とを印刷履歴として記憶装置に保存する印刷装置の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記記憶装置に保存された画像と同一の画像が、同一の印刷条件又は異なる印刷条件で印刷されたかどうかを判定する印刷画像判定ステップと、
前記印刷画像判定ステップで、同一の画像が同一の印刷条件で印刷されたと判定した場合は、新たに印刷された画像について印刷履歴を保存しない一方、
同一の画像が異なる印刷条件で印刷されたと判定した場合は、印刷履歴として保存された画像並びに当該画像の印刷条件、及び、新たに印刷された画像並びに当該画像の印刷条件から印刷履歴として保存しておくものを選択可能とする印刷履歴管理ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項9】
印刷した画像と当該画像に係る印刷条件とを印刷履歴として記憶装置に保存する印刷履歴保存手段と、
前記記憶装置に保存された画像と同一の画像が、異なる印刷条件で印刷されたかどうかを判定する印刷画像判定手段とを有し、
前記印刷画像判定手段が、同一の画像が異なる印刷条件で印刷されたと判定した場合は、異なる印刷条件で印刷された同一の画像を関連付けて保存するようにしたことを特徴とする印刷装置。
【請求項10】
前記記憶装置に印刷履歴として保存された画像を表示する際、前記関連付けて保存された画像を並べて表示するようにしたことを特徴とする請求項9に記載の印刷装置。
【請求項11】
印刷した画像と当該画像に係る印刷条件とを印刷履歴として記憶装置に保存する印刷装置の制御方法であって、
前記記憶装置に保存された画像と同一の画像が、異なる印刷条件で印刷されたかどうかを判定する印刷画像判定ステップと、
前記印刷画像判定ステップで、同一の画像が異なる印刷条件で印刷されたと判定した場合は、異なる印刷条件で印刷された同一の画像を関連付けて保存するステップとを有することを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項12】
印刷した画像と当該画像に係る印刷条件とを印刷履歴として記憶装置に保存する印刷装置の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記記憶装置に保存された画像と同一の画像が、異なる印刷条件で印刷されたかどうかを判定する印刷画像判定ステップと、
前記印刷画像判定ステップで、同一の画像が異なる印刷条件で印刷されたと判定した場合は、異なる印刷条件で印刷された同一の画像を関連付けて保存するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−137524(P2010−137524A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−318862(P2008−318862)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】