説明

印刷装置、印刷装置のログ記録方法、プログラム、印刷システムおよび印刷システムのログ記録方法

【課題】印刷装置のログを記録する印刷装置を提供する。
【解決手段】画像を記録媒体上に印刷する印刷部と、印刷装置に関するログを記憶領域に記録する記録部をもつ印刷装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エラー情報や動作記録のログを記録する印刷装置、印刷装置のログ記録方法、プログラム、印刷システムおよび印刷システムのログ記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、印刷装置は用途が複雑化・多様化してきており、様々な形態の印刷処理が可能になってきている。このような印刷装置では、印刷装置単体で動作状態等のログを記録させ、これをメンテナンス等に利用したい等の要望がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−35818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最近の印刷装置において、メンテナンス等を目的として、どのような使用状況で使用され、どのようなエラー等が発生したかをログとして印刷装置内の記憶領域に記録しておき、これを後で読み出してメンテナンス等に役立てたいという要望がある。
【0005】
また、印刷装置において、記録されたログに日時情報を伴わせて、印刷装置がどのような日時においてどのような経緯を経たかを記録したいという要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
課題を解決する一実施形態は、
画像を記録媒体上に印刷する印刷部と、
印刷装置に関するログを記憶領域に記録する記録部と、
を具備することを特徴とする印刷装置である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態に係る印刷装置における外観の一例を示す外観図。
【図2】同印刷装置の内部の一例を示す説明図。
【図3】同印刷装置における電気的構成の一例を示すブロック図。
【図4】印刷装置側が自主的に日時情報を要求する場合の処理を示すフローチャート。
【図5】ホスト側が自主的に日時情報を供給する場合の処理を示すフローチャート。
【図6】同印刷装置におけるログ記録処理を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係る印刷装置1を図1乃至図3を用いて、以下に詳細に説明する。本発明の一実施形態に係る印刷装置1は、図1において、プリンタエンジンを格納する制御ボックス6と、この制御ボックス6とヒンジにより回動可能に接続されているカバー7と、さらに、カバー7の正面に設けられ、印刷された記録媒体を排出する排出口3と、制御ボックス6の正面に設けられた操作部4と、操作情報や操作メニュを表示する液晶画面等を用いた表示部5を有している。
【0009】
本発明の一実施形態に係る印刷装置1は、さらに図2および図3において、カバー7を開くと、用紙ロールAを回転可能に保持する用紙保持部57と、インクリボンロールBを保持してインクリボンRを供給するリボン供給軸55と、リボン供給軸55から供給されるインクリボンRを巻き取って保持するリボン巻取軸56を有している。さらに、印刷装置1は、図2および図3に示すように、用紙保持部57に保持される用紙ロールAから供給される用紙Dを搬送する搬送ローラ10と、用紙Dを搬送するピンチローラ50と、用紙Dを検出する用紙検出センサ17と、リボン供給軸55からインクリボンRが供給される搬送路19と、インクリボンRおよび用紙Dを搬送するプラテンローラ13と、用紙Dに印刷を行うサーマルヘッド28を有しており、印刷した用紙Dは、排出口3から排出される。
【0010】
また、本発明の一実施形態に係る印刷装置1は、さらに図3の電気的構成の一例を示すブロック図を参照すると、全体の動作を制御する制御部31と、それぞれが制御部31に接続され、操作情報や設定情報、動作プログラム等が格納されているFROM32(Floating Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)33と、表示部の働きを制御する表示制御回路34と、表示制御回路34に制御される液晶画面等の表示部5と、外部に設けられたユーザ等が扱うホストコンピュータH等と通信を行う通信部16と、上述した操作部4と、上述した搬送ローラ10、プラテンローラ13、ピンチローラ50等を駆動するステッピングモータ36と、ステッピングモータ36を制御するモータ制御回路35と、上述したリボン巻取軸56を駆動するリボンモータ38と、リボンモータ38を制御するモータ制御回路37と、上述したサーマルヘッド28を制御するヘッド制御回路39を有している。
【0011】
このような構成をもつ印刷装置1は、制御部31の制御下において、操作部4またはホストコンピュータHからの操作に従って、一例として、記録媒体である用紙Dにサーマルヘッド28により印刷して、搬送ローラ10、プラテンローラ13、ピンチローラ50等により用紙Dを搬送して排出口3へと排出する。
【0012】
このような構成の印刷装置におけるログ記録処理および日時情報処理を、図4乃至図6のフローチャートを用いて、以下に詳細に説明する。図4は印刷装置側が自主的に日時情報を要求する場合の処理を示すフローチャート、図5はホスト側が自主的に日時情報を供給する場合の処理を示すフローチャート、図6は同印刷装置におけるログ記録処理を説明するフローチャートである。
【0013】
本発明の一実施形態に係る印刷装置1は、日時情報を一例としてホストコンピュータHから取得して、ログ記録に利用しているが、(1)プリンタ側が自主的に日時情報の送付を要求する場合と、(2)ホストコンピュータがプリンタに日時情報を送り、プリンタ側は受動的に取得する場合とがある。
【0014】
はじめに、(1)プリンタ側が自主的に日時情報の送付を要求する場合を、図4のフローチャートを用いて説明する。なお、この処理動作は、印刷装置1のFROM32またはRAM33に記憶されているコンピュータプログラムを制御部31により実行することで実現することができる。
【0015】
印刷装置1が接続されたホストコンピュータH(=OS)内には、印刷装置1の状態を常に監視できるプリンタドライバを動作させている。このホストコンピュータHで動作させているプリンタドライバの本来の目的は、印刷装置1への印刷データの送信及び印刷装置1の状態監視である。しかし、このプログラムは、短いサイクルで年月日/時刻情報を生成しているので、この印刷装置1の状態監視のタイミングを利用して、プリンタドライバがホストコンピュータHから取得した年月日/時刻情報を印刷装置1に通知できるような構成とする。
【0016】
これにより、印刷装置1は、プリンタドライバから通知された年月日/時刻情報を利用することが可能となり、自身のログを記録する際に付加情報として年月日/時刻情報を残すことができる。
【0017】
印刷装置1の制御部31における日付/時刻情報処理部は、通信部16を介して、ホストコンピュータHに日付/時刻情報要求信号を送信する(ステップS11)。印刷装置1の制御部31における日付/時刻情報処理部は、ホストコンピュータHから日付/時刻情報を受信すると(ステップS12)、この日付/時刻情報をRAM33等の記憶領域に保存する(ステップS13)。
【0018】
次に、(2)ホストコンピュータH側が日時情報を送付し、これを印刷装置1が受動的に受信する場合の印刷装置1の処理を図5のフローチャートを用いて説明する。なお、この処理動作は、印刷装置1のFROM32またはRAM33に記憶されているコンピュータプログラムを制御部31により実行することで実現することができる。
【0019】
印刷装置1の制御部31における日付/時刻情報処理部は、通信部16を介してホストコンピュータHから日付/時刻情報を取得すると(ステップS21)、この日付/時刻情報をRAM33等の記憶領域に保存する(ステップS22)。上述したように、ホストコンピュータHは、印刷装置1の状態を常に監視できるプリンタドライバの動作において、比較的短いサイクルで年月日/時刻情報を生成しており、この状態監視のタイミングを利用して年月日/時刻情報を印刷装置1に供給することができる。
【0020】
そして、印刷装置1の制御部31における日付/時刻情報処理部は、通信部16を介してホストコンピュータHからステータスコマンドを受信すると(ステップS23)、ステータスコマンドに対する応答信号を生成して(ステップS24)、これを通信部16を介してホストコンピュータHに送付する(ステップS25)。
【0021】
次に、印刷装置1において、ログ記録処理を図6のフローチャートを用いて詳細に説明する。印刷装置1の制御部31における日付/時刻情報処理部は、最新の日付/時刻情報をRAM33等から読み出す(ステップS31)。そして、この日付/時刻情報をログとしてRAM33に記録する(ステップS32)と共に、当該印刷装置に関するエラー情報、動作情報等をログとして同様にRAM33に記録する(ステップS33)。このような最新の日付/時刻情報を伴うログを記録することで、例えば、メンテナンス要員は、単体の印刷装置1に対してログを調査するだけで、周辺の機器を調査する等の必要がなく、当該印刷装置1の使用状況を知ることが可能となる。
【0022】
また、ホストコンピュータHは、通常動作中において印刷装置1の状態を監視する目的でプリンタドライバが印刷装置1と定期的に安定して通信を行っているため、この通信を利用することで確実に印刷装置1に日時情報を供給することが可能となる。
【0023】
以上記載した様々な実施形態は複数同時に実施することが可能であり、これらの記載により、当業者は本発明を実現することができるが、さらにこれらの実施形態の様々な変形例を思いつくことが当業者によって容易であり、発明的な能力をもたなくとも様々な実施形態へと適用することが可能である。従って、本発明は、開示された原理と新規な特徴に矛盾しない広範な範囲に及ぶものであり、上述した実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0024】
1…印刷装置、4…操作部、5…表示部、31…制御部(日付/時刻情報処理部)、28…サーマルヘッド、16…通信部、H…ホストコンピュータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を記録媒体上に印刷する印刷部と、
印刷装置に関するログを記憶領域に記録する記録部と、
を具備することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
外部装置から受信した日時情報を取得する取得部をさらに有しており、
前記記録部は、前記取得部が取得した日時情報と共に、前記印刷装置に関するログを記憶領域に記録することを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
前記印刷装置の監視機能の通信において、前記日時情報を前記外部装置から受信することを特徴とする請求項2記載の印刷装置。
【請求項4】
前記日時情報の送信を要求する要求信号を前記外部装置に送信する制御部をさらに有することを特徴とする請求項2記載の印刷装置。
【請求項5】
印刷装置において、前記印刷装置に関するログを記憶領域に記録することを特徴とする印刷装置のログ記録方法。
【請求項6】
印刷装置においてマイクロコンピュータで実行されることにより、前記印刷装置に関するログを記憶領域に記録することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項7】
日時情報を提供するホストコンピュータと、
前記ホストコンピュータから前記日時情報を取得し、印刷装置に関するログを前記日時情報と共に記憶領域に記録する印刷装置と、
を具備することを特徴とする印刷システム。
【請求項8】
ホストコンピュータとこれに接続される印刷装置からなる印刷システムのログ記録方法であって、
前記ホストコンピュータから前記印刷装置に日時情報を供給し、
前記印刷装置においては、前記日時情報と共に前記印刷装置に関するログを記憶領域に記録することを特徴とする印刷システムのログ記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−183719(P2012−183719A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−48257(P2011−48257)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】