説明

印刷装置および紫外線照射装置

【課題】 1台の孔版印刷装置でUVインキと非UVインキとの印刷ドラムを使用でき、操作性に優れた孔版印刷装置を含む印刷装置を実現する。
【解決手段】 着脱手段を介して孔版印刷装置本体1に装着された印刷ドラム17がUVインキ用印刷ドラムユニットまたは非UVインキ用印刷ドラムユニットの何れであるかを検出するドラムユニットインキ種類識別センサ51により、UVインキ用印刷ドラムユニットの装着が検出されたときにはUVランプ36a,36bおよびUV補助ランプ54のうちの少なくともUVランプ36a,36bを動作させてUVを照射させ、非UVインキ用印刷ドラムユニットの装着が検出されたときにはUVランプ36a,36bおよびUV補助ランプ54を不動作にさせる孔版印刷制御装置55およびUV照射制御装置56を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置に関し、さらに詳しくは紫外線硬化型インキを用いて孔版印刷を行う孔版印刷装置を含む印刷装置と、その印刷装置排紙口に接続されて排出された孔版印刷物を含む印刷物に紫外線照射を行う紫外線照射装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
孔版印刷機(以下、「孔版印刷装置」という)は、ランニング・コストが低く、高速に印刷できるため、文教市場や官公庁、組合団体、病院等における各種配布物や書式等の印刷に、また新聞の折込広告、不動産の広告、民間企業内連絡文書などの、多枚数・多部数の印刷物を得るために広く利用されている。そしてここではいつでも使いたいときに簡単に誰でもが操作できるようにと、その印刷インキは空気中では通常固まらないようなものが採用されていて、印刷ドラム部を使用の都度清掃したりする手間がかからないようになっている。この孔版インキは印刷用紙(シート状記録媒体の一例、以下「用紙」という)に浸透して擬似的に乾燥する方式のために、その印刷物は、印刷直後には未乾燥インキのために手でこすれば簡単に汚れてしまう。このことは、従来から孔版印刷装置の大きな問題点として指摘されていたが、有効な対策は未だに実施されていない。
印刷物の乾燥向上方法としては、下記のような提案はなされてきている。
すなわち、紫外線(以下、課題を解決するための手段および効果の欄を除き、「UV」と略称する)照射装置を有し、UV硬化型インキを用いて孔版印刷を行うUV硬化型インキ専用の孔版印刷装置は既に知られている(例えば特許文献1および2参照)。以下、「インク」は、この明細書ではインキと記載することとする。
【0003】
【特許文献1】実公平4−35188号公報
【特許文献2】特開平5−64878号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、実公平4−35188号公報記載の孔版印刷装置は、UV硬化型インキ(以下、「UVインキ」という)のみ使用可能なUVインキ専用の孔版印刷装置が開示されているだけで、非UVインキによる印刷を行いたい場合は別途非UVインキ用の孔版印刷装置が必要であった。
特開平5−64878号公報記載の印刷装置は、通常インキでも印刷可能との記載はあるが、用紙搬送手段を取り外す必要があり、その操作・作業が非常に面倒であった。
【0005】
そこで、本発明は、1台の孔版印刷装置でUVインキと非UVインキとの印刷ドラムを使用でき、操作性に優れた孔版印刷装置を含む印刷装置の提供を主な目的とする。その他、後述の効果・利点を得られる孔版印刷装置を含む印刷装置の提供も目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述した課題を解決して前記目的を達成するために、請求項毎の発明においては以下の手段・発明特定事項(以下、「構成」という)を採っていることを特徴とするものである。
請求項1記載の発明は、印刷済みの用紙に対して紫外線を照射する紫外線照射手段と、紫外線硬化型インキが装着された紫外線硬化型インキ用印刷ドラムと、非紫外線硬化型インキが装着された非紫外線硬化型インキ用印刷ドラムとを印刷装置本体に対して選択的に着脱可能とする着脱手段と、前記着脱手段を介して前記印刷装置本体に装着された印刷ドラムが前記紫外線硬化型インキ用印刷ドラムまたは前記非紫外線硬化型インキ用印刷ドラムの何れであるかを検出する印刷ドラム検出手段と、前記印刷ドラム検出手段により、前記紫外線硬化型インキ用印刷ドラムの装着が検出されたときには前記紫外線照射手段を動作させ、前記非紫外線硬化型インキ用印刷ドラムの装着が検出されたときには前記紫外線照射手段を不動作にさせる第1の制御手段とを有することを特徴とする印刷装置である。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の印刷装置において、印刷速度を設定する印刷速度設定手段と、前記印刷ドラム検出手段により前記紫外線硬化型インキ用印刷ドラムの装着が検出されたときであって、前記印刷速度設定手段によって設定された設定印刷速度が前記紫外線照射手段による紫外線照射に対応して予め設定されている紫外線照射用印刷速度を超えているときには、警告報知の実行および/または前記紫外線照射用印刷速度に変更する第2の制御手段とを有することを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の印刷装置において、前記紫外線が照射される印刷済みの用紙を搬送する用紙搬送手段と、前記用紙搬送手段を駆動する用紙搬送駆動手段と、前記印刷ドラム検出手段により前記紫外線硬化型インキ用印刷ドラムの装着が検出されたときに、印刷速度情報および用紙の搬送方向サイズ情報に応じて前記用紙搬送手段の搬送速度に変更するように前記用紙搬送駆動手段を制御する第3の制御手段とを有することを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1,2または3記載の印刷装置において、前記印刷ドラム検出手段により前記紫外線硬化型インキ用印刷ドラムの装着が検出されたときに、用紙種類情報、画像種類情報および定着度合いの指示情報のうちの少なくとも一つの情報に応じて、印刷済みの用紙が受ける照射エネルギーを変更するように前記紫外線照射手段を制御する第4の制御手段を有することを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4の何れか一つに記載の印刷装置において、前記着脱手段を介して前記印刷装置本体に装着された印刷ドラムのインキ色が黒色であるか否かを検出するインキ色検出手段と、前記印刷ドラム検出手段により前記紫外線硬化型インキ用印刷ドラムの装着が検出され、かつ、前記インキ色検出手段により前記黒色の紫外線硬化型インキ用印刷ドラムの装着が検出されたときに、黒色以外のインキ色の際に印刷済みの用紙が受ける照射エネルギーよりも該照射エネルギーが大きくなるように前記紫外線照射手段を制御する第5の制御手段とを有することを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項4または5記載の印刷装置において、前記紫外線照射手段は、紫外線照射ランプの出力、複数の該紫外線照射ランプの発光する数および該紫外線照射ランプと印刷済みの用紙との間隔のうちの少なくとも一つを変更することによって、印刷済みの用紙が受ける照射エネルギーを変更するように構成したことを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6の何れか一つに記載の印刷装置において、前記紫外線が照射される印刷済みの用紙を搬送する用紙搬送手段と、前記用紙搬送手段を駆動する用紙搬送駆動手段と、前記印刷ドラム検出手段により前記非紫外線硬化型インキ用印刷ドラムの装着が検出されたときであって、かつ、印刷指示がなされたときに、前記用紙搬送手段のみが駆動されるように前記用紙搬送駆動手段を制御する第6の制御手段とを有することを特徴とする。
【0013】
請求項8記載の発明は、請求項1ないし7の何れか一つに記載の印刷装置において、前記紫外線照射手段は、印刷装置本体に対して着脱可能に構成されており、前記紫外線照射手段が印刷装置本体に接続されているか否かを検出する接続検出手段と、前記接続検出手段により前記紫外線照射手段の接続が検出されたときに、第1ないし第6の制御手段による制御のうちの少なくとも第1の制御手段による制御を実行させる第7の制御手段とを有することを特徴とする。
【0014】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の印刷装置において、前記接続検出手段により前記紫外線照射手段の接続が検出されたときであって、かつ、前記印刷ドラム検出手段により前記非紫外線硬化型インキ用印刷ドラムの装着が検出されたときに、警告報知の実行をさせる第8の制御手段を有することを特徴とする。
【0015】
請求項10記載の発明は、請求項1ないし9の何れか一つに記載の紫外線照射手段と、請求項3または7記載の用紙搬送手段と、請求項3または7記載の用紙搬送駆動手段とを有することを特徴とする紫外線照射装置である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、上述したような従来の印刷装置の有する問題点および前記課題を解決して新規な印刷装置を提供することができる。主な効果を挙げれば次のとおりである。
本発明によれば、第1の制御手段は、印刷ドラム検出手段により紫外線硬化型インキ用印刷ドラムの装着が検出されたときには紫外線照射手段を動作させ、非紫外線硬化型インキ用印刷ドラムの装着が検出されたときには紫外線照射手段を不動作にさせることにより、「紫外線硬化型インキ用印刷ドラム」と「非紫外線硬化型インキ用印刷ドラム」とを着脱交換した場合でも紫外線照射手段が適切に動作し、操作性を向上させることができる。従って、紫外線照射手段による紫外線照射によって紫外線硬化型インキで印刷された印刷済みの用紙(印刷物)の乾燥向上を狙いながらも、誤って非紫外線硬化型インキ用印刷ドラムを装着したまま紫外線照射手段により紫外線照射を行うといったことを防止することができる(請求項1)。
【0017】
本発明によれば、第2の制御手段は、印刷ドラム検出手段により紫外線硬化型インキ用印刷ドラムの装着が検出されたときであって、印刷速度設定手段によって設定された設定印刷速度が紫外線照射手段による紫外線照射に対応して予め設定されている紫外線照射用印刷速度を超えているときには、警告報知の実行および/または紫外線照射用印刷速度に変更することにより、できるだけ小さな電力消費で発熱も少ない紫外線照射手段を使用しても、印刷装置の印刷速度に応じて、必要最低限の紫外線照射エネルギーで最適制御することが可能となるので、電力消費量が少なく発熱量も小さくなり、万一の場合の火災発生の危険性も回避できるとともに、紫外線照射手段からのオゾン発生量も少なくなるためオペレータの健康上の問題発生も回避され、熱による用紙の変色や波打ちも小さくなる(請求項2)。
【0018】
本発明によれば、第3の制御手段は、印刷ドラム検出手段により紫外線硬化型インキ用印刷ドラムの装着が検出されたときに、印刷速度情報および用紙の搬送方向サイズ情報に応じて用紙搬送手段の搬送速度に変更するように用紙搬送駆動手段を制御することにより、用紙搬送手段の搬送速度を紫外線硬化型インキで印刷された印刷物の乾燥向上に適合した速度に遅くするとともに、印刷済みの用紙間隔をできるだけ最小にすることが可能となるので、紫外線照射手段による紫外線照射を印刷物に有効に作用させることができる(請求項3)。
【0019】
本発明によれば、第4の制御手段は、印刷ドラム検出手段により紫外線硬化型インキ用印刷ドラムの装着が検出されたときに、用紙種類情報、画像種類情報および定着度合いの指示情報のうちの少なくとも一つの情報に応じて、印刷済みの用紙が受ける照射エネルギーを変更するように紫外線照射手段を制御することにより、用紙種類情報として例えばハガキやコート紙に印刷する場合には紫外線硬化型インキの浸透が少ないために、紫外線照射量が不十分で十分に乾燥定着させることができないといったトラブル発生を未然に防止することができ、普通紙を用いた印刷の場合には必要最低限の紫外線エネルギーに抑えることができ、また画像種類情報として例えばベタ画像部が特に多いような画像の印刷物の場合に、紫外線照射量が不十分で十分に乾燥定着させることができないといったトラブル発生を未然に防止することができ、通常の文字画像の場合には必要最低限の紫外線エネルギーに抑えることができる(請求項4)。
【0020】
本発明によれば、第5の制御手段は、印刷ドラム検出手段により紫外線硬化型インキ用印刷ドラムの装着が検出され、かつ、インキ色検出手段により黒色の紫外線硬化型インキ用印刷ドラムの装着が検出されたときに、黒色以外のインキ色の際に印刷済みの用紙が受ける照射エネルギーよりも該照射エネルギーが大きくなるように紫外線照射手段を制御することにより、黒色の紫外線硬化型インキ用印刷ドラムを装着して得られた印刷物の定着の場合には、それ以外の色の場合と比較して、紫外線の強い照射が必要となるので、黒色の紫外線硬化型インキの印刷物の場合の定着不足というトラブルを防止しながら、他の色の紫外線硬化型インキ用印刷ドラムを装着して得られた印刷物の定着の場合には、必要最小限の紫外線照射にすることができる(請求項5)。
【0021】
本発明によれば、紫外線照射手段は、紫外線照射ランプの出力、複数の該紫外線照射ランプの発光する数および該紫外線照射ランプと印刷済みの用紙との間隔のうちの少なくとも一つを変更することによって、印刷済みの用紙が受ける照射エネルギーを変更するように構成したことにより、オペレータが特に紫外線定着度合いを変更したい場合に、自分の要望に応じて定着の度合いを変更指示することが可能となるので、紫外線硬化型インキ用印刷ドラムを装着して得られた印刷物画像面のより強力な紫外線照射による定着を行うことが可能になる(請求項6)。
【0022】
本発明によれば、第6の制御手段は、印刷ドラム検出手段により非紫外線硬化型インキ用印刷ドラムの装着が検出されたときであって、かつ、印刷指示がなされたときに、用紙搬送手段のみが駆動されるように用紙搬送駆動手段を制御することにより、紫外線照射手段を接続したままでも非紫外線硬化型インキ用印刷ドラムを用いた印刷にも対応できるようになる。つまり、非紫外線硬化型インキ用印刷ドラムで非紫外線の孔版印刷を行う場合にその都度いちいち紫外線照射手段の接続を外して移動させるという面倒な操作は不要になるという効果を奏する(請求項7)。
【0023】
本発明によれば、第7の制御手段は、接続検出手段により印刷装置本体に対する紫外線照射手段の接続が検出されたときに、第1ないし第6の制御手段による制御のうちの少なくとも第1の制御手段による制御を実行させることにより、少なくとも第1の制御手段の制御に伴う前記効果を奏する他、第2ないし第6の制御手段の制御のうちの少なくとも一つの制御に伴う前記効果を奏する(請求項8)。
【0024】
本発明によれば、第8の制御手段は、接続検出手段により紫外線照射手段の接続が検出されたときであって、かつ、印刷ドラム検出手段により非紫外線硬化型インキ用印刷ドラムの装着が検出されたときに、警告報知の実行をさせることにより、紫外線照射手段が不動作状態にあるということを事前にオペレータに知らせることができ、これによりオペレータは紫外線硬化型インキを用いた印刷でない、つまり非紫外線硬化型インキを用いた通常の印刷であるということを認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態および実施例を含む本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という)を説明する。実施形態や変形例等に亘り、同一の機能および形状等を有する部材や構成部品等の構成要素については、同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がないものは適宜断わりなく省略することがある。公開特許公報等の構成要素をそのまま引用して説明する場合は、その符号に括弧を付して示し、各実施形態等のそれと区別するものとする。
【0026】
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る印刷装置の一例としての孔版印刷装置の全体構成について説明する。これは、当業者にとって周知であるためその動作とともに簡単に説明するに留める。
同図において、符号1は印刷装置本体としての孔版印刷装置本体を、符号2はUV照射装置をそれぞれ示す。孔版印刷装置は、孔版印刷装置本体1とUV照射装置2とが機械的かつ電気的に接続されて構成されている。孔版印刷装置本体1側には、UV照射装置2が孔版印刷装置本体1に機械的かつ電気的に接続されているか否かを検出する接続検出手段としての図4のみに示すUV照射装置接続検知センサ50が配設されている。
UV照射装置接続検知センサ50の具体例としては、図4に示す孔版印刷制御装置55にUV照射制御装置56を通信可能に図示しない通信ケーブルを介して接続された際に孔版印刷制御装置55がそのように認識・判断する構成からなる。また、図4のみに示すように、UV照射装置2側にも、孔版印刷装置本体1がUV照射装置21に機械的かつ電気的に接続されているか否かを検出する接続検出手段としての孔版印刷装置本体接続検知センサ49を配設してもよい。孔版印刷装置本体接続検知センサ49の具体例としては、UV照射制御装置56に孔版印刷制御装置55を前記通信ケーブルを介して接続された際にUV照射制御装置56がそのように認識・判断する構成からなる。
【0027】
孔版印刷装置本体1は、給紙トレイ7に積載された用紙Sを1枚ずつに分離して送り出す第一給紙部3と、送り出された1枚の用紙Sを所定のタイミングで孔版印刷部5に送り出す第二給紙部4と、所定タイミングで送り出された用紙Sに孔版印刷を施す孔版印刷部5と、この孔版印刷で印刷画像が形成された用紙Sを排紙搬送する排紙部6とを有している。
【0028】
第一給紙部3は、給紙トレイ7上に積載された最上の用紙Sを送り出す給紙ローラと、送り出されてきた用紙Sを1枚に分離して第二給紙部4に向けて送り出す分離ローラおよび分離部材とを具備している。第二給紙部4は、上下一対のレジストローラで構成されている。
給紙トレイ7には、給紙トレイ7上に積載された用紙Sの搬送方向サイズを含む用紙サイズを検出する用紙検出手段としての図4のみに示す用紙サイズ検出センサ57が配設されている。用紙サイズ検出センサ57の具体例としては、例えば特開2003−312914号公報の図11に示され段落「0122」〜「0125」に記載されている用紙サイズ検出手段(109)の用紙サイズ検知センサ(117)〔横サイズ検知センサ(118a,118b)および縦サイズ検知センサ(119a,119b,119c)〕と同様のものを採用している。孔版印刷装置本体1は、図1に示すように、ユーザが後述する操作パネルや給紙トレイ7に対向して各種操作が可能なフロントローディングタイプであり、用紙搬送方向Xと直交・対向する長さである用紙Sの縦サイズと、用紙搬送方向Xと平行な長さである用紙Sの横サイズ(搬送方向サイズ)とで用紙サイズ(縦×横)が決定される。
【0029】
孔版印刷部5は、製版済みのマスタ11の先端部をクランプ・保持する開閉自在なマスタクランパ16を備え製版済みのマスタ11を外周面に巻き付け回転自在な印刷ドラム17と、印刷ドラム17に第二給紙部4から送り出されてきた用紙Sを押し付ける押圧手段としてのプレスローラ18とを具備している。印刷ドラム17は、図示しないメインモータにより回転駆動される。
排紙部6は、印刷ドラム17上の製版済みのマスタ11から孔版印刷された印刷済みの用紙Sを剥離する揺動自在な分離爪19およびエアーナイフファン20と、用紙搬送方向X(排紙方向Xでもある)の上流側および下流側に配置された各ローラ間に掛け渡され複数の開孔が形成された無端の用紙搬送ベルト21およびこの用紙搬送ベルト21上に印刷済みの用紙Sを吸引する吸引ファン22を備えたベルト吸引搬送部23とを具備している。
【0030】
孔版印刷部5の右上方には、ロール状の長尺の孔版原紙11(以下、「マスタ11」という)を繰り出し可能に収容したマスタ貯容部からマスタ11を引き出しつつ穿孔製版を行う孔版製版部が配設されている。この孔版製版部では、図2に示す操作パネル58に配設されている製版スタートキー68Aからのスタート信号に基づいて、図示しない排版装置で前回の印刷に使用された使用済みのマスタを印刷ドラム17上から剥離・排版した後、あるいはこれと一部並行して製版・給版動作が起動する。
前記マスタ貯容部からマスタ11をプラテンローラ12で引き出し搬送しながらサーマルヘッド13に押し付けることで、サーマルヘッド13の図示しない多数の発熱体が選択的に発熱されることによってマスタ11に穿孔製版が行われる。製版済みのマスタ11はカッタ14で切断され、その搬送方向の下流側に配置された一対の搬送ロール15によって印刷ドラム17外周面に設けられたマスタクランパ16に供給・クランプされる。こうして製版済みのマスタ11は、印刷ドラム17の図中矢印方向の回転によってその外周面に巻き付け装着される。
【0031】
第一給紙部3および第二給紙部4の動作によって用紙Sが孔版印刷部5に給紙されると、製版済みのマスタ11を装着された印刷ドラム17にプレスローラ18が用紙Sを押圧することにより、製版済みのマスタ11の穿孔部分を通過したインキが用紙Sに転写・転移されることによって所定の孔版印刷画像が形成される。
印刷ドラム17は、図示しないインキ容器やインキ供給ポンプと一体的にユニット化されたドラムユニットを構成していて、孔版印刷装置本体1に対して簡単な操作で着脱できるようになっている。そして、UV硬化型インキが装着されたUV硬化型インキ用印刷ドラム(以下、「UVインキ用印刷ドラム」という)を備えたUVインキ用印刷ドラムユニットと、通常の非UV硬化型インキが装着された非UV硬化型インキ用印刷ドラム(以下、「非UVインキ用印刷ドラム」という)を備えた非UVインキ用印刷ドラムユニットとは別々に設定されていて、それぞれが前記着脱手段を介して孔版印刷装置本体1に対して着脱自在に構成されている。このUVインキ用印刷ドラムユニットおよび非UVインキ用印刷ドラムユニットを孔版印刷装置本体1に対して選択的に着脱可能とさせる着脱手段ないしは着脱機構(図示せず)の具体例としては、例えば実開昭61−85462号公報の第1図ないし第4図に示されている版胴支持装置と同様のものを採用している。その他、例えば特開平5−229243号公報の図2および図3等に示され段落「0021」等に記載されている保持手段(36)、把持フレーム(50)、前フレーム(51)および後フレーム(52)等から構成されているものと同様のものでも構わない。
【0032】
前記着脱手段近傍の孔版印刷装置本体1には、該着脱手段に装着されたUVインキ用印刷ドラムユニットまたは非UVインキ用印刷ドラムユニットの何れであるかを検出する印刷ドラム検出手段としての図4のみに示すドラムユニットインキ種類識別センサ51が配設されている。ドラムユニットインキ種類識別センサ51の具体例としては、例えば印刷ドラムユニット側に配設された電気コネクタ(例えば雄)と、孔版印刷装置本体1側に配設された電気コネクタ(例えば雌)との結合の組み合わせにより、孔版印刷制御装置55がその違いを電気的に検出し判断するものが採用されている。
【0033】
さらに、前記着脱手段近傍の孔版印刷装置本体1には、前記着脱手段を介して孔版印刷装置本体1に装着されたUVインキ用印刷ドラムユニットの印刷ドラムのインキ色が黒色であるか否かを検出するインキ色検出手段としての図4のみに示すドラムユニットインキ色識別センサ53が配設されている。ドラムユニットインキ色識別センサ53の具体例としては、例えば特開平8−132723号公報の図3等に示され段落「0053」〜「0054」に記載されているホール素子センサ群(20)と各マグネット(30、31,32)との組み合わせで印刷ドラムユニット内のインキ色を検出するものと同様のものを採用している。
これは、黒色インキの場合にはその顔料であるカーボンがUV(紫外線)を吸収することで、その通過を阻害するためにUVランプからのUVによるUVインキの硬化が不足になりやすいので、他の色インキの場合に比べて強い照射が必要となるからである。
【0034】
孔版印刷された印刷済みの用紙Sは、排紙部6において、分離爪19とエアーナイフファン20とによって印刷ドラム17外周面から強制的に引き剥がされて、さらにベルト吸引搬送部23を構成している吸引ファン22で図示しないモータにより回転駆動される用紙搬送ベルト21表面に吸引されながら用紙搬送方向Xの下流側に搬送される。
従来と同様に、印刷ドラム17は前記図示しないメインモータにより、また第一および第二給紙部3,4はそれぞれ図示しない駆動伝達手段を介してあるいは独立して配設された例えばステッピングモータからなる給紙モータやレジストモータによって、ベルト吸引搬送部23の用紙搬送ベルト21は前記モータにより、それぞれ後述する操作パネル58に配設された印刷速度切替キー59a,59bで設定された設定印刷速度に応じて駆動されるようになっている。
【0035】
ベルト吸引搬送部23における用紙搬送方向Xの下流側には、排紙トレイ44が孔版印刷装置本体1の前記所定の位置に接続されているか否かを検知する排紙トレイ装置検知センサ45が配設されている。排紙トレイ装置検知センサ45は、例えば透過型のフォトセンサやその装着を電気的に検出するスイッチなどが採用される。
なお、説明の簡明化のために説明を省略したが、孔版印刷装置本体1には、原稿の画像を走査光学系(スキャナ)を介して読み取る原稿読取装置と、印刷ドラム17上から使用済みのマスタを剥離して排版する図示しない排版装置と、後で図2を参照して説明する操作パネル58とが配設されている。
【0036】
次に、図1、図3および図4を参照して、UV照射装置2側の構成を詳述するが、その制御構成については孔版印刷装置本体1側の制御構成とともに説明する。
UV照射装置2は、孔版印刷装置本体1から搬送されてきた印刷済みの用紙Sを後述する紫外線照射部に搬送するベルト吸引搬送部29と、このベルト吸引搬送部29により搬送されてきた印刷済みの用紙Sに対してUV(紫外線)を照射するための、前後一対のUVランプ36a,36b、UV補助ランプ54およびランプハウジング37等から構成されるUV照射手段と、UVランプ36a,36bおよびUV補助ランプ54の印刷済みの用紙Sへの間隔である高さを変更することによって印刷済みの用紙Sが受けるUVの照射エネルギーを変更するためのUVランプ高さ位置可変駆動機構63と、ベルト吸引搬送部29における用紙搬送方向Xの下流近傍に配置され印刷済みの用紙Sを前記UV照射手段に案内する案内手段としての金属製案内板35と、この金属製案内板35における用紙搬送方向Xの下流近傍に配置されUVが照射された定着済み用紙Saを搬送する用紙搬送手段としての互いに接離自在な上下一対の下排出ローラ41および上排出ローラ42(以下、「排出ローラ対41,42」というときがある)と、この排出ローラ対41,42を駆動する用紙搬送駆動手段としてのベルト駆動モータ34と、下排出ローラ41と上排出ローラ42との圧接状態を解除するための排出ローラ押圧解除駆動機構52と、印刷済みの用紙Sまたは定着済み用紙Saの先端を揃えるためのエンドフェンス43を備えた排紙台としての排紙トレイ44とから主に構成されている。
【0037】
ベルト吸引搬送部29は、その上流端が孔版印刷装置本体1の排紙口に接続されており、用紙搬送方向Xの上流および下流側に配置された従動ローラ30および駆動ローラ31と、これらのローラ30、31間に掛け渡された無端ベルト状の用紙搬送ベルト32と、用紙搬送ベルト32上に印刷済みの用紙Sを吸引保持する吸引ファン33と、駆動ローラ31を無端ベルトを介して回転駆動する駆動手段としてのベルト駆動モータ34とから構成されている。
【0038】
2個のUVランプ36a,36bとUV補助ランプ54とは、これらのランプ36a,36b,54を上方から覆うように配設されたランプハウジング37に取り付け・支持されている。各UVランプ36a,36bとUV補助ランプ54とは、図3に示すように、ランプハウジング37と一体化されたランプユニット25を構成している。
各ランプ36a,36b,54からのUV照射により一部オゾン化されたUV照射部の空気は、図示しない吸引ファンで吸引されダクト38で搬送されて、発生したオゾンを吸収・除去するオゾンフィルタ39を通した後に排出ダクト40から外部に排出されるようになっている。
上述したとおり、紫外線照射手段は、UVランプ36a,36b、UV補助ランプ54、ハウジング37、前記吸引ファン、ダクト38、オゾンフィルタ39、排出ダクト40等で構成される。なお、紫外線照射手段には、UV照射装置2内の搬送機構(ベルト吸引搬送部29、排出ローラ対41,42およびベルト駆動モータ34等)は含まれない。
【0039】
UVランプ高さ位置可変駆動機構63は、図3に示すように、ランプユニット25を昇降可能に支持し案内する案内手段としての図示しないガイド部材(例えばレール状のガイド部材)と、ランプハウジング37に固着され上下に延在したネジ軸73と、このネジ軸73と噛み合う歯車72と、この歯車72と噛み合う歯車71を出力軸に固着された昇降モータ70とから主に構成されている。
前記ガイド部材および昇降モータ70は、UV照射装置2の本体側に固定されている。昇降モータ70としては、例えばステッピングモータが好ましく用いられる。歯車72は、UV照射装置2の本体側に図示しない軸を介して回動自在に支持されている。
ランプユニット25の初期位置は、例えばUV照射装置2の本体側に固定された図示しない透過型のフォトセンサ(あるいはリミットスイッチ)が、ランプハウジング37から外側に向けて突出形成され前記透過型のフォトセンサとランプユニット25の初期位置で係合する図示しない遮光板(あるいは前記リミットスイッチを押す部材)と係合することによって検知され、その初期位置に係る信号を図4に示すUV照射制御装置56に送信することで認識されるようになっている。
【0040】
排出ローラ押圧解除駆動機構52は、図3に示すように、UV照射装置2の本体側に回動自在に支持された軸75を介してその一端部が上排出ローラ42を回転可能に保持し、他端部がカムフォロア77を回動自在に支持するアーム74と、UV照射装置2の本体側に回動自在に支持されたカム軸76aに固着されたカム76と、カムフォロア77を常にカム76に接触させる向きに付勢する付勢手段としてのばね78と、カム軸76aに固着された図示しない歯車と、この歯車と噛み合う歯車を出力軸に固着された同図に簡略的に示すカムモータ79とから主に構成されている。カム76の初期位置も、ランプユニット25の初期位置に準じた構成で検知・認識するようになっている。カムモータ79は、UV照射装置2の本体側に固定されている。
【0041】
図2を参照して、孔版印刷装置本体1側の操作パネル58を説明する。
操作パネル58には、製版動作を始めとする一連の動作を開始するための製版スタートキー68Aと、設定された印刷枚数分の正規の印刷動作を開始するための印刷スタートキー68Bと、印刷枚数等の置数を行うテンキー69と、印刷速度を設定する印刷速度設定手段としての印刷速度切替キー59a、59bと、設定された印刷速度を表示する印刷速度表示手段としての5個のLED(発光ダイオード)からなる印刷速度表示装置60と、UV印刷の場合にUV定着度合いを指示・設定するためのUV定着度合設定手段としてのUV定着度合標準設定キー61およびUV定着度合強設定キー62と、製版・印刷設定条件等の各種の設定条件を表示・報知または変更できるようにしたり、ジャムや各種ミス等の警告表示・報知をしたりする警告表示手段・警告報知手段としての液晶表示装置64と、各種の設定条件を指示する際に用いる4個の指示キー65a,65b,65c,65d等とが配設されている。
【0042】
印刷速度切替キー59a、59bは、印刷動作に先立って印刷速度を設定する際に押下され、濃いめの画像を得たい場合あるいは雰囲気温度が低い場合等には印刷速度を遅く、薄めの画像を得たい場合あるいは雰囲気温度が高い場合等には印刷速度を速く設定する周知のものである。
印刷速度表示装置60において、黒色塗色を施した中央の「3」と表示されている3速は、通常使用される印刷速度に対応した標準印刷速度であって、印刷速度切替キー59a、59bを押下しなかった場合に自動的に設定されるようになっている。印刷速度表示装置60における最も左側の「1速」は最低速の60枚/min:60rpmに、その右隣の「2速」は75枚/min:75rpmに、「3速」の標準印刷速度は90枚/min:90rpmに、その右隣の「4速」は105枚/min:105rpmに、最も右側の「5速」は最高速の120枚/min:120rpmにそれぞれ対応して設定されている。
【0043】
UV定着度合標準設定キー61は、UV定着度合いを標準のUV定着に設定するためのものであり、UV定着度合強設定キー62は、より強力な画像面インキのUV定着を設定するためのものである。
【0044】
液晶表示装置64には、「インキ」、「用紙」、「用紙種類66」、「画像種類67」等の表示部がその階層的な表示構造によって随時表示されるようになっている。
インキの表示部には、インキ種類の表示がドラムユニットインキ種類識別センサ51とドラムユニットインキ色識別センサ53とからの検知結果に基づき自動的に表示される。同様に、用紙の表示部には、用紙サイズが用紙サイズ検出センサ57からの検知結果に基づき自動的に表示される。図示の例では、UVインキ用であって黒色の場合を示している。
用紙種類66の表示部と画像種類67の表示部には、オペレータが入力指示することになる。オペレータの操作により特に入力がない場合には、用紙種類66は「普通紙」で、画像種類67は「ベタ写真含み」になるように予め設定されている。
用紙種類66および画像種類67の操作設定例としては、オペレータが各指示キー65a,65b,65c,65dでカーソルを前記各表示部に移動させた後、所望の用紙種類、画像種類を表示させ、白黒反転表示させることで選択設定する。これに限らず、ソフトキーを備えたタッチパネル方式で選択設定したりしても構わない。
なお、UV照射装置2側にも、操作パネル48を配設してもよい。例えば、孔版印刷装置本体1側の操作パネル58に配置した製版スタートキー68A、印刷スタートキー68Bと、印刷速度切替キー59a、59bおよび印刷速度表示装置60を除き、他の各種キー、例えばUV定着度合標準設定キー61、UV定着度合強設定キー62、指示キー65a,65b,65c,65dおよびテンキー69や、液晶表示装置64等は、必要に応じてUV照射装置2側の操作パネル48に一部重複して配置してもよい。
【0045】
次に、図4を参照して、孔版印刷装置本体1およびUV照射装置2の主要な制御構成を説明する。
同図において、孔版印刷制御装置55は、それぞれ図示しない、CPU(中央演算処理装置)、I/O(入出力)ポート、ROM(読み出し専用記憶装置)、RAM(読み書き可能な記憶装置)およびタイマ等を備え、それらが図示しない信号バスによって接続された構成を有するマイクロコンピュータを具備している。孔版印刷制御装置55は、孔版印刷装置本体1内の制御基板配置部に設けられている。
UV照射制御装置56も、前記した孔版印刷制御装置55とほぼ同様のマイクロコンピュータを具備している。UV照射制御装置56は、UV照射装置2内の制御基板配置部に設けられている。孔版印刷制御装置55とUV照射制御装置56とは、相互にシリアル通信を行うことにより各種の指令信号やオン/オフ信号、あるいはデータ信号の授受をしている。
【0046】
孔版印刷制御装置55は、孔版印刷制御装置55のCPU(以下、説明の簡明化を図るため、単に「孔版印刷制御装置55」というときがある)は、操作パネル58からの各種信号および孔版印刷装置本体1内に設けられた前記した各種センサからの検知信号および前記ROMから呼び出された動作プログラムおよび関係データに基づいて、孔版製版部駆動制御回路を介してサーマルヘッド13を始めとする孔版印刷装置本体1の主として製版・給版動作、および孔版印刷部駆動制御回路を介して給紙、排紙を含む印刷動作を制御する機能を有する他、原稿読取動作および給紙動作並びに操作パネル48の液晶表示装置64も制御する機能も有し、また本実施形態に特有の後述の制御を行う制御手段としての機能も有する。
前記ROMには、孔版印刷装置本体1全体の動作プログラムや必要な関係データ等が予め記憶されており、この動作プログラムは前記CPUによって適宜呼び出される。前記RAMは、前記CPUの計算結果を一時的に記憶する機能、操作パネル58上の各種キーおよび各種センサから設定および入力されたデータ信号およびオン/オフ信号を随時記憶する機能等を有している。
【0047】
UV照射制御装置56のCPU(以下、説明の簡明化を図るため、単に「UV照射制御装置56」というときがある)は、操作パネル48からの各種信号およびUV照射装置21内に設けられた前記した各種センサからの検知信号および前記ROMから呼び出された動作プログラムおよび関係データに基づいて、搬送ベルト制御回路を介してUV照射装置2の主としてベルト吸引搬送部29および排出ローラ対41,42のベルト駆動モータ34、UVランプ点灯制御回路を介してUVランプ36a,36bおよびUV補助ランプ54、排出ローラ押圧解除駆動機構52のカムモータ79、UVランプ高さ位置可変駆動機構63の昇降モータ70、並びに操作パネル48の液晶表示装置(図示せず)を制御する機能を有し、また孔版印刷制御装置55とともに本実施形態に特有の後述の制御を行う制御手段としての機能も有する。
UV照射制御装置56の前記ROMには、UV照射装置2全体の動作プログラムや必要な関係データ等が予め記憶されており、この動作プログラムは前記CPUによって適宜呼び出される。UV照射制御装置56の前記RAMは、前記CPUの計算結果を一時的に記憶する機能、操作パネル48上の各種キーおよび各種センサから設定および入力されたデータ信号およびオン/オフ信号を随時記憶する機能等を有している。
【0048】
孔版印刷制御装置55およびUV照射制御装置56は、前記各ROMの動作プログラムを呼び出し参照しながら、以下の諸制御を行う機能を有する。
すなわち、孔版印刷制御装置55およびUV照射制御装置56は、ドラムユニットインキ種類識別センサ51からの信号に基づいて、UVインキ用印刷ドラムユニットの装着が検出されたときにはUVランプ36a,36bおよびUV補助ランプ54のうちの少なくともUVランプ36a,36bを動作させ、非UVインキ用印刷ドラムユニットの装着が検出されたときにはUVランプ36a,36bおよびUV補助ランプ54を不動作にさせる第1の制御手段としての基本的な機能を有する。
【0049】
孔版印刷制御装置55およびUV照射制御装置56は、ドラムユニットインキ種類識別センサ51からの信号に基づいて、UVインキ用印刷ドラムユニットの装着が検出されたときであって、かつ、印刷速度切替キー59a,59bによって設定された設定印刷速度がUVランプ36a,36bおよびUV補助ランプ54による紫外線照射に対応して予め設定されている紫外線照射用印刷速度を超えているときには、液晶表示装置64をして警告表示・警告報知を実行させ、および/または紫外線照射用印刷速度に変更する第2の制御手段としての機能を有する。
【0050】
孔版印刷制御装置55およびUV照射制御装置56は、ドラムユニットインキ種類識別センサ51からの信号に基づいて、UVインキ用印刷ドラムユニットの装着が検出されたときに、印刷速度切替キー59a,59bによって設定された印刷速度情報および用紙サイズ検出センサ57からの用紙Sの搬送方向サイズ情報に応じて用紙搬送ベルト32および排出ローラ対41,42の搬送速度に変更するようにベルト駆動モータ34を制御する第3の制御手段としての機能を有する。
【0051】
孔版印刷制御装置55およびUV照射制御装置56は、ドラムユニットインキ種類識別センサ51からの信号に基づいて、UVインキ用印刷ドラムユニットの装着が検出されたときに、液晶表示装置64の用紙種類66に設定された用紙種類情報、液晶表示装置64の画像種類67に設定された画像種類情報およびUV定着度合標準設定キー61またはUV定着度合強設定キー62からの指示情報のうちの少なくとも一つの情報に応じて、印刷済みの用紙Sが受けるUVの照射エネルギーを変更するようにUVランプ36a,36bおよびUV補助ランプ54を制御する第4の制御手段としての機能を有する。
【0052】
孔版印刷制御装置55およびUV照射制御装置56は、ドラムユニットインキ種類識別センサ51からの信号に基づいて、UVインキ用印刷ドラムユニットの装着が検出され、かつ、ドラムユニットインキ色識別センサ53からの信号に基づいて、黒色のUVインキ用印刷ドラムユニットの装着が検出されたときに、黒色以外のインキ色の際に印刷済みの用紙Sが受けるUVの照射エネルギーよりも該照射エネルギーが大きくなるようにUVランプ36a,36bおよびUV補助ランプ54を制御する第5の制御手段としての機能を有する。
孔版印刷制御装置55およびUV照射制御装置56は、UVランプ36a,36bおよびUV補助ランプ54の出力、UVランプ36a,36bおよびUV補助ランプ54の発光する数および該UVランプ36a,36bおよびUV補助ランプ54と印刷済みの用紙Sとの間隔を変更するようにUVランプ高さ位置可変駆動機構63の昇降モータ70のうちの少なくとも一つを変更することによって、印刷済みの用紙Sが受けるUVの照射エネルギーを変更する機能を有する。
【0053】
孔版印刷制御装置55およびUV照射制御装置56は、ドラムユニットインキ種類識別センサ51からの信号に基づいて、非UVインキ用印刷ドラムユニットの装着が検出されたときであって、かつ、印刷指示がなされたときに、ベルト吸引搬送部29および排出ローラ対41,42のみが駆動されるようにベルト駆動モータ34を制御する第6の制御手段としての機能を有する。
【0054】
孔版印刷制御装置55およびUV照射制御装置56は、UV照射装置接続検知センサ50および孔版印刷装置本体接続検知センサ49からの信号に基づいて、UV照射装置2および孔版印刷装置本体1の接続が検出されたときに、前記した孔版印刷制御装置55およびUV照射制御装置56による第1ないし第6の制御手段による制御のうちの少なくとも第1の制御手段による制御を実行させる第7の制御手段としての機能を有する。
【0055】
孔版印刷制御装置55およびUV照射制御装置56は、UV照射装置接続検知センサ50および孔版印刷装置本体接続検知センサ49からの信号に基づいて、UV照射装置2および孔版印刷装置本体1の接続が検出されたときであって、かつ、ドラムユニットインキ種類識別センサ51からの信号に基づいて、非UVインキ用印刷ドラムユニットの装着が検出されたときに、液晶表示装置64をして警告表示・警告報知の実行をさせる第8の制御手段としての機能を有する。
【0056】
前述の構成に基づき、本実施形態における孔版印刷装置本体1およびUV照射装置2の主として制御シーケンスに係る動作について、図7および図8のフローチャートを併用しながら説明する。この動作は、孔版印刷制御装置55およびUV照射制御装置56による制御の下になされるため、UVランプ36a,36b、UV補助ランプ54および各種モータ等のアクチュエータ(制御対象駆動手段)の起動、作動、停止等の詳細動作を説明する際において、孔版印刷制御装置55およびUV照射制御装置56からの指令あるいは指令信号に基づきというような表現をできるだけ省略する。図7および図8のフローチャートは、当業者であれば容易に理解して実施できる程度に記載しており、余り重要でない内容や細部の内容はかえって理解しにくくなるため適宜省略することとする。
また、孔版印刷装置本体1側で実行されるステップS1〜ステップS19までの動作と、UV照射装置2側で実行されるステップS20〜ステップS32までの動作とは、互いに密接に関連し合っているので両方をまとめて説明することとする。
【0057】
孔版印刷装置本体1は、原稿(図示せず)をスキャンし、前述したようにこの原稿画像(あるいはコントローラを介して外部入力装置としてのパーソナルコンピュータ等から入力される画像データ)に基づいて製版済みのマスタを作成し、これを巻装した印刷ドラム17上の製版済みのマスタにインキを充填する版付けないしは試し刷りと呼ばれる周知の動作を終了した後、テンキー69で印刷枚数を置数・設定して印刷スタートキー68Bを押せば、通常すぐに動作を開始するが、本実施形態では、まず、UV照射装置2が孔版印刷装置本体1に接続されているか否かがUV照射装置接続検知センサ50からの信号に基づいて確認・判断される(ステップS1)。同時に、UV照射装置2側でも孔版印刷装置本体1に接続されているか否かが孔版印刷装置本体接続検知センサ49からの信号に基づいて確認・判断される(ステップS20)。
ここで、UV照射装置2が非接続の場合には、ステップS11に進み、非UV印刷なので排紙トレイ装着検知センサ45からの信号に基づき、排紙トレイ44が装着されていることを確認してから、非UV用の製版条件で製版してそのまま指定枚数の孔版印刷を行うことになる(ステップS12)。
ステップS11において、排紙トレイ44が装着されていない場合には、液晶表示装置64に「排紙トレイを装着してください」等の警告表示を行う(ステップS13)。なお、警告表示に限らず、LED等の点灯・点滅表示でもよく、あるいはこれに代えて例えば適宜ブザー等の音声警告報知でもよいし、これらを適宜組み合わせて用いてもよい(以下、同様)。
【0058】
一方、UV照射装置2側で孔版印刷装置本体1に接続されていないと判断された場合には、ステップS28に進んで、「孔版印刷装置本体に接続してください」という旨の表示をUV照射装置2側の操作パネル48の液晶表示装置に行う。
ステップS1において、UV照射装置2が接続されている場合には、ステップS2に進んで、装着されている印刷ドラムがUVインキ用印刷ドラムユニットであるかどうかをドラムユニットインキ種類識別センサ51からの信号に基づいて確認・判断する。UVインキ用印刷ドラムユニットでない場合には「装着ドラムユニットを確認してください」といったようなドラムユニット装着ミスに係る警告表示を液晶表示装置64にし(ステップS14)、それでもUVインキ用印刷ドラムユニットへの交換がされないで、再度、印刷スタートキー68Bが押された場合(ステップS15、ステップS16)には、ステップS17に進み、UV照射装置2が接続されたままで非UV印刷をすることになるので、孔版印刷制御装置55からUV照射装置2側のUV照射制御装置56に「非UV印刷実行」の指令を出して印刷を開始する(ステップS17)。
【0059】
UV照射装置2側では、孔版印刷制御装置55からの「非UV印刷実行」の指令があった場合、孔版印刷装置本体1側のベルト吸引搬送部23により搬送されてきた印刷済みの用紙Sは、さらにUV照射装置2側におけるベルト吸引搬送部29の吸引ファン33によって用紙搬送ベルト32表面に吸引されながら用紙搬送方向Xの下流側に搬送されていき、さらに印刷済みの用紙SはUV照射装置2におけるベルト吸引搬送部29の用紙搬送ベルト32表面上に吸引ファン33によって吸い付けられながら、またベルト駆動モータ34の駆動によって金属製案内板35に沿って案内されつつ回転搬送される。
【0060】
さらにUV照射装置2では、排出ローラ押圧解除駆動機構52のカムモータ79が駆動されて上排出ローラ42の下排出ローラ41に対する押し圧を解除するとともに、各UVランプ36a,36b,54は点灯させずに、ベルト駆動モータ34が孔版印刷装置1の印刷速度に応じた速度で駆動される。こうして用紙搬送ベルト32と下排出ローラ41とで搬送された印刷済みの用紙S(印刷物)は、エンドフェンス43で受け止められてその先端を揃えられつつ排紙トレイ44上に整然と落下・積載される(ステップS21〜ステップS31)。
ステップS2において、UVインキ用ドラムユニットである場合には、さらにステップS3に進んでそれが黒インキであるかどうかを、ドラムユニットインキ色識別センサ53からの信号に基づいて確認・判断する。「黒インキ」の場合にはUV照射制御装置56に「黒インキ」の指令を出す。この場合UV照射装置2では、他の色インキの場合に比べて強い照射が必要なので、UVランプ36a,36bに加えてUV補助ランプ54も点灯させるように制御することになる(ステップS22、ステップS32)。これは、前述したとおり黒インキ中のカーボンがUV(紫外線)の通過を阻止する性質を持っているためである。
【0061】
次に、ステップS4に進み、孔版印刷制御装置55では、設定された印刷速度が3速以下であるかそれとも4速以上であるかが判断される。孔版印刷装置本体1の印刷速度は、前述したように1速(低速)から5速(高速)までの5段階から選択できるようになっている。非UV印刷なら何も問題はないが、UV印刷の場合には用紙搬送速度を低速にしないと十分なUV照射エネルギーを与えることができない。そこで、4速や5速に設定された場合には、「UV定着を確実にするために印刷速度は3速以下に設定してください」といったような警告を液晶表示装置64に表示する。または、孔版印刷制御装置55からの指令により印刷ドラム17のメインモータ(図示せず)をして自動的に強制で3速に変更してしまう。もちろん1速、2速、3速の場合にはそのままである。
孔版印刷制御装置55は、さらにUV照射制御装置56に必要な情報や指令を送信する。まずは「UV印刷」であること、次に上記で決定された印刷速度情報(1速〜3速)を送信する。また、孔版印刷装置本体1の給紙トレイ7においては用紙サイズ検出センサ57によって用紙サイズとその搬送方向長さが検知できるので、その用紙サイズ情報をUV照射制御装置56に送信する(ステップS5〜ステップS7)。
【0062】
UV照射制御装置56は、前記印刷速度情報と前記用紙サイズ情報とから最適な用紙搬送ベルト駆動速度を選択してその速度でベルト駆動モータ34を駆動する。
下表1は、UV照射制御装置56が前記印刷速度情報と前記用紙サイズ情報とから最適な用紙搬送ベルト32および排出ローラ対41,42の駆動速度を選択・決定する場合の前記ROMに関係データとして予め記憶される一例を示している(ステップS23)。
【0063】
【表1】

同表中の数値の単位は、用紙搬送ベルト32および排出ローラ対41,42による用紙搬送速度(cm/秒(sec))である。
【0064】
図5は、用紙サイズやその用紙Sの搬送方向サイズによって、用紙Sの搬送方向長さが変化することを表している。
孔版印刷装置本体1では用紙サイズに関わらず、印刷ドラム17の1回転で必ず1枚の用紙Sが送り出されるので、図6(a)に示すように、搬送される紙間スパンは用紙サイズによって変化する。同図で、A3サイズの用紙Sの長手搬送(もしくは長手送り)の場合には用紙搬送方向Xの用紙長さは420mmであり、その紙間スパンはGになる。しかしながら、これがA4サイズの用紙Sの短手搬送(短手送り)の場合には用紙搬送方向Xの用紙長さは210mmであるから、その紙間スパンはKになってしまう。この紙間スパンKのままUV照射装置2でも搬送するのは印刷時間の短縮化を図る点から好ましくないので、左側の同図(b)に示すようにUV照射装置2の用紙搬送ベルト32および排出ローラ対41,42による用紙搬送速度を遅くするようにベルト駆動モータ34を制御することによって、紙間スパンをMのように小さくする。こうすることで各ランプ36a,36b,54によるUV照射を有効に印刷物に作用させることができることになる。A3サイズの用紙Sの長手搬送の場合にも紙間スパンHをUV照射装置2の用紙搬送ベルト32および排出ローラ対41,42による用紙搬送速度を若干小さくするようにベルト駆動モータ34を制御することによって、紙間スパンHを若干小さくする。
【0065】
印刷用紙種類情報に関する用紙種類情報は、前述したようにオペレータによって操作パネル58から入力されるので、孔版印刷制御装置55はその用紙種類66の情報を操作パネル58で設定してUV照射制御装置56に送信する(ステップS8)。UV照射制御装置56は、用紙種類情報に応じてUVランプ36a,36bおよびUV補助ランプ54の出力を変更すべく調整、換言すれば印刷済みの用紙Sが受けるUVの照射エネルギーを変更するようにUVランプ36a,36bおよびUV補助ランプ54を制御する。
下表2は、UV照射制御装置56が用紙種類である紙種に応じてUVランプ出力レベルを選択決定する場合の、前記ROMに関係データとして予め記憶される一例を示している(ステップS24)。
【0066】
【表2】

同表に示すように、一般に、普通紙ではUV用インキの浸透が行われるので紙の表面に残るUV用インキ量は少なくなるが、ハガキやさらにはコート紙だとUV用インキの浸透がより少ないので、より多くのUV照射エネルギーを与えないと十分に乾燥定着させることができなくなることに基づいて設定されている。
次に、印刷画像種類に関する画像種類情報も、前述したようにオペレータによって操作パネル58から入力されるので、孔版印刷制御装置55はその情報をUV照射制御装置56に送信する(ステップS9)。UV照射制御装置56は、印刷画像種類情報に応じてUVランプ36a,36bおよびUV補助ランプ54の出力を変更すべく調整、換言すれば印刷済みの用紙Sが受けるUVの照射エネルギーを変更するようにUVランプ36a,36bおよびUV補助ランプ54を制御する。
下表3は、UV照射制御装置56が印刷画像種類に応じてUVランプ出力レベルを選択決定する場合の、前記ROMに関係データとして予め記憶される一例を示している(ステップS25)。
【0067】
【表3】

同表に示すように、一般に、ベタや写真画像がある場合に比べて、文字ものによる画像の場合には所定面積の紙の表面に転移するUV用インキ量は少なくなるので、より少ないUV照射でも十分な乾燥定着を得ることができることに基づいて設定されている。
【0068】
UVランプ36a,36bおよびUV補助ランプ54の出力の変更調整は各ランプ36a,36b,54に供給する電力を変えることで行ったり、複数のランプ36a,36b,54を用いてそのうちの何個を点灯させるかといった方法で変えることができる。
実際には、UV照射制御装置56は、オペレータにより操作パネル58のUV定着度合強設定キー62が押された場合には、孔版印刷制御装置55によって送信されてくる定着度合いの指示情報に応じてUVランプ高さ位置可変駆動機構63の昇降モータ70を駆動制御して、UVランプユニットの位置をより印刷済みの用紙Sの印刷画像搬送面に向けて降下させるのである。但し、これを過度に行うと搬送ジャムを起こしたり、定着済み用紙Saの波打ちが出やすくなったりするので注意が必要である(ステップS10)
【0069】
そして、UV照射制御装置56は、前述の表1〜表3の条件から、用紙搬送ベルト32および排出ローラ対41,42による最適な用紙搬送速度と、UVランプ36a,36bおよびUV補助ランプ54の出力とを決定する(ステップS26)。
最終的にUV照射制御装置56は、表2および表3に基づいて選択決定したUVランプ36a,36bおよびUV補助ランプ54を所定の出力で点灯させるとともに、ベルト駆動モータ34をして表1に基づいて選択決定した用紙搬送ベルト32および排出ローラ対41,42による用紙搬送速度で駆動させる(ステップS27)。
【0070】
以上述べたとおり、本発明を実施例を含む特定の実施形態等について説明したが、本発明が開示する技術的範囲は、上述した実施形態等に例示されているものに限定されるものではなく、それらを適宜組み合わせて構成してもよく、そのように組み合わせることでさらに操作性が向上することも可能である。このように、本発明の範囲内において、その必要性および用途等に応じて種々の実施形態や変形例あるいは実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、上述した孔版印刷装置に限らず、例えば、特開平7−17013号公報(特許第2790963号公報)に開示されているような印刷ドラムの外側からインキを供給する構成のもの、つまり印刷ドラム上のマスタにインキを供給して、印刷画像を用紙S上に形成するいわば凹版印刷装置とも呼べるような構成の印刷装置にも適用ないしは準用できる。換言すれば、印刷ドラムに巻装されたマスタ等を含む印刷版に非UVインキまたはUVインキを供給しながら印刷ドラム上の印刷版に用紙Sを直接的または間接的(例えば転写胴を介して)に押し付けて印刷を行う印刷装置にも適用ないしは準用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の一実施形態を示す孔版印刷装置の概略的な正面図である。
【図2】図1の孔版印刷装置における操作パネルの要部を示す平面図である。
【図3】図1の孔版印刷装置のUV照射装置におけるUVランプ高さ位置可変駆動機構および排出ローラ押圧解除駆動機構の正面図である。
【図4】図1の孔版印刷装置の孔版印刷本体およびUV照射装置の制御構成を示すブロック図である。
【図5】用紙サイズによって用紙搬送方向の長さが変化することを説明する図である。
【図6】A3サイズの用紙で長手送り(横置き)の場合と、A4サイズの用紙で短手送り(縦置き)の場合との、紙間スパンの違いを説明する図である。
【図7】図1の孔版印刷装置本体側のシーケンス動作を示すフローチャートである。
【図8】図1のUV照射装置側のシーケンス動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0073】
1 孔版印刷装置本体(印刷装置本体)
2 UV照射装置(紫外線照射装置)
5 孔版印刷部
11 マスタ
34 ベルト駆動モータ(搬送駆動手段)
36a,36b UVランプ(紫外線照射手段)
37 ランプハウジング(紫外線照射手段)
41,42 排出ローラ対(用紙搬送手段)
48 (UV照射装置側の)操作パネル
49 (UV照射装置側の)孔版印刷装置本体接続検知センサ
50 (孔版印刷装置本体側の)UV照射装置接続検知センサ(接続検出手段)
51 ドラムユニットインキ種類識別センサ(印刷ドラム検出手段)
52 排出ローラ押圧解除駆動機構(排出手段押圧解除手段)
53 ドラムユニットインキ色識別センサ(インキ色検出手段)
55 孔版印刷制御装置(第1〜第8の制御手段)
56 UV照射制御装置(第1〜第8の制御手段)
57 用紙サイズ検出センサ(用紙サイズ検出手段)
58 (孔版印刷装置本体側の)操作パネル
59a,59b 印刷速度切替キー(印刷速度設定手段)
61 UV定着度合標準設定キー(UV定着度合設定手段)
62 UV定着度合強設定キー(UV定着度合設定手段)
63 UVランプ高さ位置可変駆動機構(UV照射位置可変手段)
64 液晶表示装置(警告報知手段、警告表示手段)
66 用紙種類
67 画像種類
S 用紙(シート状記録媒体の一例)
X 用紙搬送方向
Y 用紙幅方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷済みの用紙に対して紫外線を照射する紫外線照射手段と、
紫外線硬化型インキが装着された紫外線硬化型インキ用印刷ドラムと、非紫外線硬化型インキが装着された非紫外線硬化型インキ用印刷ドラムとを印刷装置本体に対して選択的に着脱可能とする着脱手段と、
前記着脱手段を介して前記印刷装置本体に装着された印刷ドラムが前記紫外線硬化型インキ用印刷ドラムまたは前記非紫外線硬化型インキ用印刷ドラムの何れであるかを検出する印刷ドラム検出手段と、
前記印刷ドラム検出手段により、前記紫外線硬化型インキ用印刷ドラムの装着が検出されたときには前記紫外線照射手段を動作させ、前記非紫外線硬化型インキ用印刷ドラムの装着が検出されたときには前記紫外線照射手段を不動作にさせる第1の制御手段と、
を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
印刷速度を設定する印刷速度設定手段と、
前記印刷ドラム検出手段により前記紫外線硬化型インキ用印刷ドラムの装着が検出されたときであって、前記印刷速度設定手段によって設定された設定印刷速度が前記紫外線照射手段による紫外線照射に対応して予め設定されている紫外線照射用印刷速度を超えているときには、警告報知の実行および/または前記紫外線照射用印刷速度に変更する第2の制御手段と、
を有することを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
前記紫外線が照射される印刷済みの用紙を搬送する用紙搬送手段と、
前記用紙搬送手段を駆動する用紙搬送駆動手段と、
前記印刷ドラム検出手段により前記紫外線硬化型インキ用印刷ドラムの装着が検出されたときに、印刷速度情報および用紙の搬送方向サイズ情報に応じて前記用紙搬送手段の搬送速度に変更するように前記用紙搬送駆動手段を制御する第3の制御手段と、
を有することを特徴とする請求項1または2記載の印刷装置。
【請求項4】
前記印刷ドラム検出手段により前記紫外線硬化型インキ用印刷ドラムの装着が検出されたときに、用紙種類情報、画像種類情報および定着度合いの指示情報のうちの少なくとも一つの情報に応じて、印刷済みの用紙が受ける照射エネルギーを変更するように前記紫外線照射手段を制御する第4の制御手段を有することを特徴とする請求項1,2または3記載の印刷装置。
【請求項5】
前記着脱手段を介して前記印刷装置本体に装着された印刷ドラムのインキ色が黒色であるか否かを検出するインキ色検出手段と、
前記印刷ドラム検出手段により前記紫外線硬化型インキ用印刷ドラムの装着が検出され、かつ、前記インキ色検出手段により前記黒色の紫外線硬化型インキ用印刷ドラムの装着が検出されたときに、黒色以外のインキ色の際に印刷済みの用紙が受ける照射エネルギーよりも該照射エネルギーが大きくなるように前記紫外線照射手段を制御する第5の制御手段と、
を有することを特徴とする請求項1ないし4の何れか一つに記載の印刷装置。
【請求項6】
前記紫外線照射手段は、紫外線照射ランプの出力、複数の該紫外線照射ランプの発光する数および該紫外線照射ランプと印刷済みの用紙との間隔のうちの少なくとも一つを変更することによって、印刷済みの用紙が受ける照射エネルギーを変更するように構成したことを特徴とする請求項4または5記載の印刷装置。
【請求項7】
前記紫外線が照射される印刷済みの用紙を搬送する用紙搬送手段と、
前記用紙搬送手段を駆動する用紙搬送駆動手段と、
前記印刷ドラム検出手段により前記非紫外線硬化型インキ用印刷ドラムの装着が検出されたときであって、かつ、印刷指示がなされたときに、前記用紙搬送手段のみが駆動されるように前記用紙搬送駆動手段を制御する第6の制御手段と、
を有することを特徴とする請求項1ないし6の何れか一つに記載の印刷装置。
【請求項8】
前記紫外線照射手段は、印刷装置本体に対して着脱可能に構成されており、
前記紫外線照射手段が印刷装置本体に接続されているか否かを検出する接続検出手段と、
前記接続検出手段により前記紫外線照射手段の接続が検出されたときに、第1ないし第6の制御手段による制御のうちの少なくとも第1の制御手段による制御を実行させる第7の制御手段と、
を有することを特徴とする請求項1ないし7の何れか一つに記載の印刷装置。
【請求項9】
前記接続検出手段により前記紫外線照射手段の接続が検出されたときであって、かつ、前記印刷ドラム検出手段により前記非紫外線硬化型インキ用印刷ドラムの装着が検出されたときに、警告報知の実行をさせる第8の制御手段と、
を有することを特徴とする請求項8記載の印刷装置。
【請求項10】
請求項1ないし9の何れか一つに記載の紫外線照射手段と、
請求項3または7記載の用紙搬送手段と、
請求項3または7記載の用紙搬送駆動手段と、
を有することを特徴とする紫外線照射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−281658(P2006−281658A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−106207(P2005−106207)
【出願日】平成17年4月1日(2005.4.1)
【出願人】(000221937)東北リコー株式会社 (509)
【Fターム(参考)】