説明

印刷装置の給紙方法及び給紙機構

【課題】 印刷用紙のミスフィードや重送を回避するとともに、予め手作業により捌き作業を行うなどの前処理を排除する。安定した給紙動作を確保し、重送要因を排除するとともに、紙面を保護し、印刷品質への悪影響を排除する。
【解決手段】 トレイ2にセットされた印刷用紙Pt…の最上面Ptuにピックアップローラ3を載置し、給紙時に、ピックアップローラ3を回転駆動機構4により回転させことにより印刷用紙Ptを前方へ送り出す給紙方法であって、ピックアップローラ3を、印刷用紙Ptの前端位置よりも所定距離だけ後方に位置するホームポジションXhに配するとともに、給紙時に、ピックアップローラ3を、非回転状態にロックし、かつ印刷用紙Ptの紙面に対して平行方向前方へ所定ストロークLsだけ移動させるとともに、この移動途中又は当該移動終了後に、ロックを解除してピックアップローラ3を回転させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積載された印刷用紙の最上面に載置したピックアップローラを回転させことにより印刷用紙を前方へ送り出す印刷装置の給紙方法及び給紙機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、積載された印刷用紙の最上面にピックアップローラを載置し、給紙時に、回転駆動機構により少なくともピックアップローラを回転させことにより印刷用紙を前方へ送り出す印刷装置の給紙機構は知られており、例えば、特許文献1には、給紙トレイに収容される最上位の用紙に接離しながら用紙を送り出すピックアップローラと、送り出される用紙を給送する給紙ローラと、給紙ローラに対して押圧する方向に弾性的に付勢されるリタードローラとにより構成される給紙手段と、給紙手段の下流部に配置する搬送ローラ装置、および、給紙トレイ内で用紙を所定の高さに上昇させるために、用紙上昇手段を設けてなる画像形成装置の給紙装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−215497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した従来の給紙装置(給紙機構)は、次のような問題点があった。
【0005】
第一に、例えば、くるみ製本に用いる表紙を印刷する場合、表紙の素材には厚紙やコート紙等の各種素材が用いられるため、ピックアップローラを回転させて送り出す給紙機構(給紙方法)では、必ずしも十分に対応できない場合が生じる。具体的には、図12(a)に示すように、積載された印刷用紙Pt…が厚紙であって裁断された切口Ptc…を有する場合、この切口Ptc…にはバリ等が発生しており、このまま給紙カセット(給紙トレイ)にセットし、ピックアップローラを載置して回転させても厚紙Pt…は相互に分離しにくく、ミスフィード(繰出不良)や重送を生じやすい。したがって、現実には、予め手作業により捌き作業(分離作業)を行うなどの前処理が必要となる。
【0006】
第二に、ピックアップローラは、積載された印刷用紙の最上面に載置するため、ローラ支持部材の一端に支持されるとともに、このローラ支持部材の他端が給紙ローラ(フィードローラ)の支軸に回動変位可能に支持される。このため、給紙開始によりピックアップローラを回転させた際に、ピックアップローラによる下方向へのモーメントが発生し、印刷用紙の最上面に対してピックアップローラによる無用な荷重が付加される。特に、この際に発生する荷重Wは、図12(b)に示すように、不安定な挙動になるとともに、過大な荷重Wpも付加される。結局、安定給紙を確保しにくく、更なる重送要因になるとともに、紙面を保護する観点からも不十分となり、印刷品質に悪影響を及ぼす虞れもある。
【0007】
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した印刷装置の給紙方法及び給紙機構の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る印刷装置Mの給紙方法は、上述した課題を解決するため、トレイ2にセットされた印刷用紙Pt…の最上面Ptuにピックアップローラ3を載置し、給紙時に、少なくともピックアップローラ3を回転駆動機構4により回転させことにより印刷用紙Ptを前方へ送り出す給紙方法であって、ピックアップローラ3を、印刷用紙Ptの前端位置よりも所定距離だけ後方に位置するホームポジションXhに配するとともに、給紙時に、ピックアップローラ3を、非回転状態にロックし、かつ印刷用紙Ptの紙面に対して平行方向前方へ所定ストロークLsだけ移動させるとともに、この移動途中又は当該移動終了後に、当該ロックを解除してピックアップローラ3を回転させるようにしたことを特徴とする。
【0009】
この場合、発明の好適な態様により、印刷用紙Ptがピックアップローラ3により送り出された後に、ピックアップローラ3の回転に対してトルクリミッタ5により一定の負荷トルクを付与し、かつ印刷用紙Ptの紙面に対して平行方向後方へ移動させることによりピックアップローラ3をホームポジションXhまで戻すことができる。
【0010】
一方、本発明に係る印刷装置Mの給紙機構1は、上述した課題を解決するため、トレイ2にセットされた印刷用紙Pt…の最上面Ptuに載置し、回転駆動機構4により回転することにより印刷用紙Ptを前方へ送り出す少なくともピックアップローラ3を備える給紙機構であって、印刷用紙Ptの前端位置よりも所定距離だけ後方に位置するホームポジションXhに配したピックアップローラ3と、このピックアップローラ3を印刷用紙Ptの紙面に対して平行方向前方又は後方へ移動させるローラ移動機構6と、ピックアップローラ3を非回転状態にロック可能又はロック解除可能なロック機構7と、少なくとも、回転駆動機構4,ローラ移動機構6及びロック機構7を制御可能なコントローラ8とを備えることを特徴とする。
【0011】
この場合、発明の好適な態様により、ピックアップローラ3に対して一定の負荷トルクを付与可能又は付与解除可能であって、コントローラ8により制御可能なトルクリミッタ5を設けることができる。また、ピックアップローラ3の前方には、上下に配したフィードローラ9及びリタードローラ10を設けることができる。他方、印刷用紙Ptは、少なくとも厚紙を含む普通紙以外の印刷用紙に適用し、当該印刷用紙Ptを給紙する非通常給紙モードを設けることができる。また、普通紙の給紙を行う通常給紙モードを設け、給紙モード選択部11により通常給紙モード又は非通常給紙モードを選択可能に構成することができる。さらに、非通常給紙モードには、少なくとも、厚紙の給紙を行う厚紙給紙モードと再生紙の給紙を行う再生紙給紙モードを設けることができる。なお、厚紙給紙モードには、給紙時に、ピックアップローラ3を、非回転状態にロックした状態で、印刷用紙Ptの紙面に対して平行方向前方へ所定ストロークLsだけ移動させ、この移動途中又は当該移動終了後に、当該ロックを解除してピックアップローラ3を回転させる制御機能を設けることができるとともに、再生紙給紙モードには、任意の給紙時における給紙開始時と次の給紙時における給紙開始時の、印刷用紙Pt…の最上面Ptuに当接するピックアップローラ3の周面位置を異ならせる制御機能を設けることができる。
【発明の効果】
【0012】
このような本発明に係る印刷装置Mの給紙方法及び給紙機構1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
【0013】
(1) ピックアップローラ3を、印刷用紙Ptの前端位置よりも所定距離だけ後方に位置するホームポジションXhに配するとともに、給紙時に、ピックアップローラ3を、非回転状態にロックし、かつ印刷用紙Ptの紙面に対して平行方向前方へ所定ストロークLsだけ移動させるようにしたため、当該前方への移動により、積載された印刷用紙Pt…に対して前方へのシゴキを与え、各印刷用紙Pt…間の有効な捌き(分離)を行うことができる。これにより、各印刷用紙Pt…のミスフィード(繰出不良)や重送を回避できるとともに、特に、予め手作業により捌き作業(分離作業)を行うなどの前処理を排除することができる。
【0014】
(2) 給紙時に、ピックアップローラ2を、非回転状態にロックし、かつ印刷用紙Ptの紙面に対して平行方向前方へ所定ストロークLsだけ移動させるとともに、この移動途中又は当該移動終了後に、当該ロックを解除してピックアップローラ3を回転させるようにしたため、印刷用紙Pt…の最上面Ptuに対してピックアップローラ3による無用な荷重が付加される不具合を回避できる。これにより、安定した給紙動作を確保し、重送要因を排除できるとともに、紙面を保護し、印刷品質への悪影響を排除できる。
【0015】
(3) 好適な態様により、印刷用紙Ptがピックアップローラ3により送り出された後に、ピックアップローラ3の回転に対してトルクリミッタ5により一定の負荷トルクを付与し、かつ印刷用紙Ptの紙面に対して平行方向後方へ移動させることによりピックアップローラ3をホームポジションXhまで戻すようにすれば、当該後方への移動により、積載された印刷用紙Pt…に対して後方へのシゴキを与え、各印刷用紙Pt…間の予備的な捌き(分離)を行うことができるため、次に行う給紙時における印刷用紙Pt…のミスフィード(繰出不良)や重送の更なる回避を行うことができる。
【0016】
(4) 好適な態様により、ピックアップローラ3の前方に、上下に配したフィードローラ9及びリタードローラ10を設ければ、一般的な給紙機構におけるフィードローラ9及びリタードローラ10の機能をそのまま利用できるため、印刷用紙Pt…の重送をより有効かつ確実に防止できる。
【0017】
(5) 好適な態様により、印刷用紙Ptに、少なくとも厚紙を含む普通紙以外の印刷用紙に適用し、当該印刷用紙Ptを給紙する非通常給紙モードを設ければ、普通紙以外の厚紙,コート紙,再生紙,トレーシングペーパ,プラスチックフィルム等の各種印刷用紙Pt…に対して給紙を円滑かつ的確に行うことができる。
【0018】
(6) 好適な態様により、普通紙の給紙を行う通常給紙モードを設け、給紙モード選択部11により通常給紙モード又は非通常給紙モードを選択可能に構成すれば、普通紙及び普通紙以外の各種印刷用紙に利用(兼用)できるため、利便性及び汎用性を高めることができる。
【0019】
(7) 好適な態様により、非通常給紙モードに再生紙給紙モードを設けるとともに、この再生紙給紙モードに、任意の給紙時における給紙開始時と次の給紙時における給紙開始時の、印刷用紙Pt…の最上面Ptuに当接するピックアップローラ3の周面位置を異ならせる制御機能を設ければ、再生紙のように紙粉が多く付着し、給紙を行う際に、紙粉がピックアップローラ3に付着するような場合であっても、次の給紙時には、その付着した部位以外の周面を印刷用紙Pt…の最上面Ptuに当接させることができるため、紙粉によりピックアップローラ3がスリップするなどの不具合を回避し、紙粉の多い再生紙であっても確実に給紙することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の好適実施形態に係る印刷装置の給紙機構の要部を示す一部断面側面構成図、
【図2】同給紙機構の機能説明図、
【図3】同給紙機構の一部断面平面構成図、
【図4】同給紙機構を備える印刷装置の給紙ユニットの全体を示す外観斜視図、
【図5】同給紙機構の制御系を示すブロック系統図、
【図6】同給紙機構の厚紙給紙モードの動作を説明するためのフローチャート、
【図7】同給紙機構の厚紙給紙モードの動作説明図、
【図8】同給紙機構の厚紙給紙モードの動作を示すタイミングチャート、
【図9】同給紙機構の普通紙給紙モードの動作説明図、
【図10】同給紙機構の普通紙給紙モードの動作を示すタイミングチャート、
【図11】同給紙機構の再生紙給紙モードの動作説明図、
【図12】同再生紙給紙モードの動作を示すタイミングチャート、
【図13】背景技術における問題点の説明図、
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
【0022】
まず、本実施形態に係る印刷装置Mの給紙機構1の構成について、図1〜図5を参照して説明する。
【0023】
図4は、印刷装置Mに備える手差方式の給紙機構1を有する給紙ユニットUの外観を示す。給紙ユニットUは手差形式の給紙トレイ(トレイ)2を備え、この給紙トレイ2は、印刷装置Mの外装部に設けた開口部Moから外方に突出し、この給紙トレイ2には、積載した多数の印刷用紙Pt…をセットすることができる。そして、この給紙トレイ2の前部に本実施形態に係る給紙機構1を配設する。給紙機構1は、給紙トレイ2の前部に一体に設けた枠形のベースフレーム20を備え、このベースフレーム20の上面20uに給紙機構1の主要部を配設するとともに、ベースフレーム20の内側に印刷用紙Pt…を前部一部を装填可能に構成する。
【0024】
給紙機構1は、図1に示すように、ローラ類として、上述した給紙トレイ2にセットされた印刷用紙Pt…の最上面Ptuに載置するピックアップローラ3と、このピックアップローラ3の前方に配し、かつ上下に配したフィードローラ9及びリタードローラ10を備えるとともに、さらに、このフィードローラ9及びリタードローラ10の前方には上下に配した一対の搬送ローラ21及び22を備える。このように、本実施形態に係る給紙機構1では、基本的な構成として、ピックアップローラ3の前方に、上下に配したフィードローラ9及びリタードローラ10を設けるため、一般的な給紙機構におけるフィードローラ9及びリタードローラ10の機能をそのまま利用でき、印刷用紙Pt…の重送をより有効かつ確実に防止できる。
【0025】
一方、図4に示すように、ベースフレーム20の上面における左右方向略中央には、コの字形をなし、中間部位を上面部としたサブフレーム23を固定するとともに、図3に示すように、このサブフレーム23の左右の側面部間を貫通するメインシャフト24を設ける。このメインシャフト24は左右の側面部に取付けた不図示のベアリング等により回動自在に支持される。したがって、その位置は固定される。そして、サブフレーム23の内側には、メインシャフト24により一端側が回動自在に支持される第一リンク部材25を配するとともに、この第一リンク部材25の他端側(先端側)に、左右一対のシャフト部26,27により一端側が回動自在に支持される第二リンク部材28を配し、この第二リンク部材28の他端側(先端側)に、ローラシャフト29により回動自在に支持されるピックアップローラ3を配する。この際、ピックアップローラ3は、印刷用紙Ptの前端位置よりも所定距離だけ後方に位置するように考慮し、この後方の位置をホームポジションXhとする。
【0026】
また、メインシャフト24の一端側は、電磁クラッチを用いたフィードクラッチ31の出力軸に結合するとともに、フィードクラッチ31の入力軸は回転伝達部32を介してベースフレーム20の側面20pに取付けたフィードモータ(サーボモータ)33の回転シャフトに結合する。なお、回転伝達部32として、図1は模式的(原理的)に伝達ベルト方式により描いたが、ダイレクト方式やギア方式等、その伝達形態は問わない。さらに、第一伝達ギア34をメインシャフト24におけるフィードクラッチ31側に、第二伝達ギア35をシャフト部26に、第三伝達ギア36をローラシャフト29の一端側に、それぞれ固定し、第一伝達ギア34と第二伝達ギア35、第二伝達ギア35と第三伝達ギア36をそれぞれ回転伝達可能に噛合させる。これにより、フィードモータ33の回転は、回転伝達部32,フィードクラッチ31,第一伝達ギア34,第二伝達ギア35,第三伝達ギア36を介してピックアップローラ3に伝達可能となる回転駆動機構4が構成される。この場合、フィードクラッチ31をONにすれば、回転を伝達し、フィードクラッチ31をOFFにすれば、回転の伝達を解除することができる。
【0027】
一方、メインシャフト24の他端側には、第四伝達ギア37を固定するとともに、この第四伝達ギア37の近傍に、電磁クラッチを用いたロードクラッチ38を配設する。そして、ロードクラッチ38の入力軸に第五伝達ギア39を固定し、この第五伝達ギア39と第四伝達ギア37を回転伝達可能に噛合させるとともに、ロードクラッチ38の出力軸には一定の負荷トルクを付与可能なトルクリミッタ5を結合する。これにより、ロードクラッチ38をONにすれば、ピックアップローラ3に対して、トルクリミッタ5から一定の負荷トルクを付与し、ロードクラッチ38をOFFにすれば、当該負荷トルクの付与を解除することができる。
【0028】
さらに、ローラシャフト29の他端側には、伝達リンク部材41の一端側を回動自在に連結し、この伝達リンク部材41の他端側を、印刷用紙Ptの表面に対して平行方向前方に延出させるとともに、伝達リンク部材41の他端には従動部41sを一体に設ける。なお、伝達リンク部材41は、ガイド部42により上下の位置が規制される。従動部41sは、対峙する一対の垂直面41f,41rを有し、この垂直面41fと41r間に円盤カム43を係合させる。円盤カム43は円形に形成し、中央位置から離間した偏心位置に支軸44を固定するとともに、この支軸44には第八伝達ギア49を固定する。また、円盤カム43の近傍には、スライドモータ(サーボモータ)45を配設し、このスライドモータ45の回転シャフトに第六伝達ギア46を固定する。さらに、第六伝達ギア46と第八伝達ギア49間には、位置が固定された支軸により回動自在に支持される第七伝達ギア48を配設し、第七伝達ギア48と第六伝達ギア46、第七伝達ギア48と第八伝達ギア49をそれぞれ回転伝達可能に噛合させる。これにより、スライドモータ45の回転は、第六伝達ギア46,第七伝達ギア48,第八伝達ギア49を介して円盤カム43に伝達され、円盤カム43の回動角により従動部41s、即ち、伝達リンク部材41が前後方向へ変位する。この結果、図2に示すように、ピックアップローラ3が印刷用紙Ptの紙面に対して平行方向前方又は後方へ移動するローラ移動機構6が構成される。
【0029】
なお、フィードモータ33とフィードクラッチ31間の回転伝達部32には、分岐伝達部51を介在させ、フィードモータ33の回転を前述したフィードローラ9及びリタードローラ10を回転させる回転駆動機構に伝達する。また、フィードクラッチ31とフィードモータ33はロック機構7を構成し、フィードクラッチ31をONにすれば、フィードモータ33のディテントトルクによりピックアップローラ3を非回転状態にロックし、フィードクラッチ31をOFFにすれば、当該ロックを解除することができる。
【0030】
他方、図5に示すように、前述した、回転駆動機構4,ローラ移動機構6及びロック機構7を制御するコントローラ8を備える。コントローラ8は、印刷装置Mの全体を制御する機能を備え、CPU,メモリ,電源ユニット等を含むコンピュータ機能を有するコントローラ本体61を有する。コントローラ本体61には、前述したフィードモータ33をサーボ回路62を介して接続するとともに、前述したスライドモータ45をサーボ回路63を介して接続し、さらに、前述したフィードクラッチ31及びロードクラッチ38を接続する。一方、フィードローラ9の搬送方向前方には、送り出される印刷用紙Ptの前端及び後端を検出する第一用紙センサ64を配設するとともに、搬送ローラ21の搬送方向前方には、搬送される印刷用紙Ptの前端及び後端を検出する第二用紙センサ65を配設し、この第一用紙センサ64と第二用紙センサ65はコントローラ本体61に接続する。
【0031】
また、コントローラ本体61には、各種の表示を行うディスプレイ66を接続するとともに、各種の設定及び選択等の入力操作を行う操作部(入力部)67を接続する。特に、操作部67には、本実施形態に係る給紙方法に関連する給紙モード選択部11が付属する。本実施形態に係る給紙方法は、印刷用紙Ptに、少なくとも厚紙を含む普通紙以外の印刷用紙に適用し、当該印刷用紙Ptを給紙する非通常給紙モードを備える。この非通常給紙モードには、後述する厚紙の給紙を行う厚紙給紙モードと再生紙の給紙を行う再生紙給紙モードを備えるとともに、普通紙の給紙を行う通常給紙モードも備えており、給紙モード選択部11により、通常給紙モード,厚紙給紙モード,再生紙給紙モードを選択することができる。このように、普通紙の給紙を行う通常給紙モードを設け、給紙モード選択部11により通常給紙モード又は非通常給紙モードを選択可能に構成したため、普通紙及び普通紙以外の各種印刷用紙に利用(兼用)でき、利便性及び汎用性を高めることができる利点がある。
【0032】
さらに、コントローラ本体61には、プログラムメモリ68,データメモリ69,データベース70が付属する。特に、プログラムメモリ68には、本実施形態に係る給紙方法を含む上述した通常給紙モード及び非通常給紙モード(厚紙給紙モード,再生紙給紙モード)を実行するためのシーケンスプログラム(制御プログラム)を格納する。その他、図5において、52は給紙トレイ2に後端に付設した用紙ストッパ機構を示す。この用紙ストッパ機構52は、固定壁53の上端にスプリング等により付勢された弾性ヒンジ部54により支持される弾性ストッパ壁55を備えており、上端側の印刷用紙Pt…が後方へ変位した際には、その変位を許容することができる。
【0033】
次に、本実施形態に係る給紙方法を含む給紙機構1の動作、特に、厚紙給紙モードの動作について、図6に示すフローチャート,図7及び図8を参照して説明する。
【0034】
厚紙給紙モードは、給紙時に、ピックアップローラ3を、非回転状態にロックし、かつ印刷用紙Ptの紙面に対して平行方向前方へ所定ストロークLsだけ移動させるとともに、この移動途中又は当該移動終了後に、当該ロックを解除してピックアップローラ3を回転させる基本的な制御機能を備えている。
【0035】
以下、具体的な動作について説明する。まず、印刷装置Mの電源スイッチをONにする(ステップS1)。そして、操作部67に付属する給紙モード選択部11により、給紙モードの選択、更には印刷枚数,印刷濃度等の必要な印刷条件の設定を行う(ステップS2)。本実施形態に係る印刷装置Mでは、普通紙の印刷に適した通常給紙モード,厚紙の給紙に適した厚紙給紙モード及び再生紙の給紙に適した再生紙給紙モードを備えるため、給紙モード選択部11により厚紙給紙モードを選択する。なお、この時点においては、図5に示すように、ピックアップローラ3は印刷用紙(厚紙)Pt…の最上面Ptuに載置され、かつホームポジションXhに位置する。
【0036】
必要な印刷条件の設定が終了したならスタートキーをONにする(ステップS3,S4)。これにより、ピックアップローラ3がホームポジションXhから前進移動する(ステップS5)。図8中、t1時点が前進開始時を示す。この場合、t1時点でフィードクラッチ31がONになるとともに、スライドモータ45が正回転側ONになる。フィードクラッチ31のONにより、ピックアップローラ3はフィードモータ33に接続されるが、フィードモータ33はOFFにする。これにより、ピックアップローラ3はフィードモータ33のディテントトルクにより非回転状態にロックされる。また、スライドモータ45の正回転側ONにより、スライドモータ45の回転が円盤カム43に伝達され、これにより、伝達リンク部材41が前方へ移動するとともに、ピックアップローラ3は回転がロックされた状態で前方(矢印Ff方向)へ移動する。この際、ピックアップローラ3は、印刷用紙Ptの紙面に対して平行方向前方へ移動するため、回転時に発生するモーメントにより印刷用紙Pt…がピックアップローラ3から垂直方向の荷重を受けることはない。さらに、ピックアップローラ3の回転はロックされているため、ピックアップローラ3の周面と印刷用紙Ptの最上面Ptu間の摩擦により最上部の印刷用紙Ptが前方に引張られる。これにより、積載された印刷用紙Pt…に対して前方向への捌き(分離)処理が行われるとともに、最上部の印刷用紙Ptが前方に送り出される(ステップS6)。
【0037】
このような厚紙給紙モード(本実施形態に係る給紙方法)によれば、ピックアップローラ3を、印刷用紙Ptの前端位置よりも所定距離だけ後方に位置するホームポジションXhに配するとともに、給紙時に、ピックアップローラ3を、非回転状態にロックし、かつ印刷用紙Ptの紙面に対して平行方向前方へ所定ストロークLsだけ移動させるようにしたため、当該前方への移動により、積載された印刷用紙Pt…に対して前方へのシゴキを与え、各印刷用紙Pt…間の有効な捌き(分離)を行うことができる。これにより、各印刷用紙Pt…のミスフィード(繰出不良)や重送を回避できるとともに、特に、予め手作業により捌き作業(分離作業)を行うなどの前処理を排除することができる。
【0038】
そして、t1時点から予め設定した移動時間Tmが経過した図8に示すt2時点に達すれば、フィードモータ33がONになり、図7(b)に示すように、ピックアップローラ3及びフィードローラ9、更には搬送ローラ21及び22が矢印Rf方向に回転し、搬送可能状態となる(ステップS7,S8)。なお、リタードローラ10は矢印Rr方向に逆回転し、重送防止が図られる。これにより、ピックアップローラ3は前方への移動途中で回転を開始し、印刷用紙Ptはピックアップローラ3の回転及び前方への移動により前方へ送り出される。したがって、ピックアップローラ3における回転時のモーメントがほとんど発生しない。この後、ピックアップローラ3はホームポジションXhから所定ストロークLsだけ移動し、最前進位置Xfに到達したならスライドモータ45はOFFとなる(図8中、t3時点)。
【0039】
このように、給紙時に、ピックアップローラ2を、非回転状態にロックし、かつ印刷用紙Ptの紙面に対して平行方向前方へ所定ストロークLsだけ移動させるとともに、この移動途中又は当該移動終了後に、当該ロックを解除してピックアップローラ3を回転させるようにしたため、印刷用紙Pt…の最上面Ptuに対してピックアップローラ3による無用な荷重が付加される不具合を回避できる。これにより、安定した給紙動作を確保し、重送要因を排除できるとともに、紙面を保護し、印刷品質への悪影響を排除できる。
【0040】
一方、印刷用紙Ptが送り出されれば、t4時点で第一用紙センサ64により印刷用紙Ptの先端が検出され、この後、t5時点で第二用紙センサ65により印刷用紙Ptの先端が検出される。このため、第二用紙センサ65により印刷用紙Ptの先端を検出したなら、予め設定した遅延時間Trが経過したt6時点でフィードクラッチ31をOFFにする。これにより、ピックアップローラ3の回転が停止する(ステップS9,S10)。
【0041】
この後、t7時点において第一用紙センサ64により印刷用紙Ptの後端を検出したならロードクラッチ38をONにするとともに、スライドモータ45を逆回転側ONにする。これにより、ピックアップローラ3は後退移動する(ステップS11)。この際、図7(c)に示すように、ピックアップローラ3は、最前進位置Xfから後方(矢印Fr方向)へ移動するとともに、ロードクラッチ38はONのため、ピックアップローラ3に対してトルクリミッタ5が接続され、ピックアップローラ3の回転に対して一定の負荷トルクが矢印Rc方向に付加される。したがって、ピックアップローラ3の周面と印刷用紙Ptの最上面Ptu間の摩擦により最上部の印刷用紙Ptが後方に引張られ、積載された印刷用紙Pt…に対して後方向への捌き(分離)処理が行われる(ステップS12)。この際、図7(c)に示すように、上端側の印刷用紙Pt…が後方にズレるため、このズレは弾性ストッパ壁55が弾性変位することにより許容される。
【0042】
このように、印刷用紙Ptがピックアップローラ3により送り出された後に、ピックアップローラ3の回転に対してトルクリミッタ5により一定の負荷トルクを付与し、かつ印刷用紙Ptの紙面に対して平行方向後方へ移動させることによりピックアップローラ3をホームポジションXhまで戻すようにすれば、当該後方への移動により、積載された印刷用紙Pt…に対して後方へのシゴキを与え、各印刷用紙Pt…間の予備的な捌き(分離)を行うことができるため、次に行う給紙時における印刷用紙Pt…のミスフィード(繰出不良)や重送の更なる回避を行うことができる。
【0043】
なお、t8時点において第二用紙センサ65により印刷用紙Ptの後端を検出したなら、予め設定した遅延時間Ttが経過したt9時点でフィードモータ33を停止する。さらに、この後、t10時点でピックアップローラ3がホームポジションXhに到達すれば、スライドモータ45を停止するとともに、ロードクラッチ38をOFFにする(ステップS13,S14)。以後、印刷処理が継続する場合には、同様の給紙処理が繰り返して行われる(ステップS15,S5…)。
【0044】
次に、厚紙給紙モード以外の他の給紙モードについて、図9〜図12を参照して説明する。
【0045】
図9及び図10には、通常給紙モードを選択した場合の動作を示す。通常給紙モードは、普通紙の給紙に適しており、いわば従来の一般的な給紙方法となる。したがって、印刷用紙(普通紙)Ptに対しては、ピックアップローラ3の回転のみで送り出しを行い、ピックアップローラ3の前方及び後方への移動は行わない。
【0046】
給紙の開始により、図10に示すt1時点でフィードクラッチ31がONになり、t2時点でフィードモータ33がONになる。この状態を図9に示す。これにより、ピックアップローラ3が回転し、印刷用紙Ptの送り出しを行うとともに、フィードローラ9,搬送ローラ21及び22が回転し、搬送可能状態になる。なお、リタードローラ10が逆回転して重送防止が図られる。そして、第一用紙センサ64がt5時点で印刷用紙Ptの後端を検出すれば、フィードクラッチ31をOFFにし、さらに、第二用紙センサ65がt6時点で印刷用紙Ptの後端を検出すれば、フィードモータ33の回転を停止する。通常給紙モードでは、このような一般的な給紙動作が繰り返される。
【0047】
他方、図11及び図12には、再生紙給紙モードを選択した場合の動作を示す。再生紙給紙モードは、少なくとも任意の給紙時における給紙開始時と次の給紙時における給紙開始時の、印刷用紙Pt…の最上面Ptuに当接するピックアップローラ3の周面位置を異ならせる基本的な制御機能を備えている。再生紙の場合、紙粉が多く付着し、給紙を行う際に、紙粉がピックアップローラ3に付着してしまうことも少なくない。したがって、再生紙給紙モードは、このような再生紙の給紙に適している。
【0048】
給紙の開始により、図12に示すt1時点において、フィードクラッチ31及びフィードモータ33が共にONすれば、ピックアップローラ3はホームポジションXhにおいて回転し、印刷用紙(再生紙)Ptの給紙が行われる。この後、t4時点で第一用紙センサ64により印刷用紙Ptの後端を検出すれば、フィードクラッチ31をOFFにしてピックアップローラ3の回転を停止するとともに、t5時点で第二用紙センサ65により印刷用紙Ptの後端を検出すれば、フィードモータ33の回転を停止する。これにより、前述した普通紙(通常給紙モード)と同様の給紙動作が行われる。図11に仮想線で示すピックアップローラ3がこのときの状態を示している。同図に示すように、紙粉が付着した再生紙の給紙を行った場合、印刷用紙Ptの最上面Ptuに対面するピックアップローラ3の周面には紙粉Dpが付着する。
【0049】
このため、再生紙給紙モードでは、図12に示すt4時点で第一用紙センサ64により印刷用紙Ptの後端を検出、即ち、印刷用紙Ptがピックアップローラ3を通過し終えたことを検出したなら、スライドモータ45を予め設定した作動時間Tsだけ正回転側ONにする。この場合、ロードクラッチ38はOFFのままである。これにより、ピックアップローラ3はホームポジションXhから変更位置Xeに移動するが、ピックアップローラ3は移動に伴って空転(受動回転)する。この結果、ピックアップローラ3の周面に付着した紙粉Dpも移動し、例示の場合、約90゜程度回転移動する。
【0050】
したがって、次の給紙時には、t7時点でフィードクラッチ31及びフィードモータ33が共にONし、同様の給紙処理が行われるが、この際、印刷用紙Pt…の最上面Ptuに当接するピックアップローラ3の周面位置は、直前の給紙時とは異なることになる。そして、上述したt4時点に対応するt10時点に到達した際には、スライドモータ45を予め設定した作動時間Tsだけ逆回転側ONにし、ピックアップローラ3を変更位置XeからホームポジションXhに戻す。以上の給紙動作を毎回繰り返すことにより、紙粉Dpが付着するピックアップローラ3の周面位置を、少なくとも直前の給紙時に対して異ならせることができる。特に、作動時間Tsの選定や作動時間Tsの長さを給紙毎に異ならせるなどの設定を行えば、紙粉Dpの付着位置を給紙時毎にランダムに分散させることができる。
【0051】
よって、このような再生紙給紙モードを用いれば、任意の給紙時における給紙開始時と次の給紙時における給紙開始時の、印刷用紙Pt…の最上面Ptuに当接するピックアップローラ3の周面位置を異ならせることができるため、次の給紙時には、その付着した部位以外の周面を印刷用紙Pt…の最上面Ptuに当接させることができるため、紙粉Dpによりピックアップローラ3がスリップするなどの不具合を回避し、紙粉Dpの多い再生紙であっても確実に給紙することができる。
【0052】
以上、好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,数値,手法(方法)等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
【0053】
例えば、実施形態では、手差形式の給紙トレイ2を例示したがカセット形式であってもよい。また、実施形態に係る給紙構造1における細部の構成は例示であって、同様の機能を有する他の部品や構成により置換することができる。したがって、例えば、例示のフィードモータ45の代わりにリニアモータを利用し、このリニアモータによりローラシャフト29等を直接移動させてもよい。他方、非通常給紙モードとして、厚紙給紙モードと再生紙給紙モードを例示したが、他の印刷用紙、例えば、コート紙,トレーシングペーパ,プラスチックフィルム等の他の印刷用紙にそれぞれ適したモードを設定することができ、このような非通常給紙モードを設けることにより各種印刷用紙Pt…の給紙を円滑かつ的確に行うことができる。なお、厚紙給紙モード(再生紙給紙モードも同様)とは、厚紙を用いるという用途の趣旨ではなく、厚紙に適したモードの趣旨である。したがって、厚紙の場合と同様に捌きの必要がある各種印刷用紙を厚紙給紙モードにより給紙することができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明に係る給紙方法及び給紙機構は、印刷機及びコピー機等の各種印刷装置をはじめ、発券機や金融端末機等の印刷機能(印刷装置)を内蔵する各種機器に利用することができる。
【符号の説明】
【0055】
1:給紙機構,2:トレイ,3:ピックアップローラ,4:回転駆動機構,5:トルクリミッタ,6:ローラ移動機構,7:ロック機構,8:コントローラ,9:フィードローラ,10:リタードローラ,11:給紙モード選択部,M:印刷装置,Pt…:印刷用紙,Ptu:最上面,Xh:ホームポジション,Ls:所定ストローク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレイにセットされた印刷用紙の最上面にピックアップローラを載置し、給紙時に、少なくとも前記ピックアップローラを回転駆動機構により回転させことにより前記印刷用紙を前方へ送り出す印刷装置の給紙方法において、前記ピックアップローラを、前記印刷用紙の前端位置よりも所定距離だけ後方に位置するホームポジションに配するとともに、給紙時に、前記ピックアップローラを、非回転状態にロックし、かつ前記印刷用紙の紙面に対して平行方向前方へ所定ストロークだけ移動させるとともに、この移動途中又は当該移動終了後に、前記ロックを解除して前記ピックアップローラを回転させることを特徴とする印刷装置の給紙方法。
【請求項2】
前記印刷用紙が前記ピックアップローラにより送り出された後に、前記ピックアップローラの回転に対してトルクリミッタにより一定の負荷トルクを付与し、かつ前記印刷用紙の紙面に対して平行方向後方へ移動させることにより前記ピックアップローラを前記ホームポジションまで戻すことを特徴とする請求項1記載の印刷装置の給紙方法。
【請求項3】
トレイにセットされた印刷用紙の最上面に載置し、回転駆動機構により回転することにより前記印刷用紙を前方へ送り出す少なくともピックアップローラを備える印刷装置の給紙機構において、前記印刷用紙の前端位置よりも所定距離だけ後方に位置するホームポジションに配した前記ピックアップローラと、このピックアップローラを前記印刷用紙の紙面に対して平行方向前方又は後方へ移動させるローラ移動機構と、前記ピックアップローラを非回転状態にロック可能又はロック解除可能なロック機構と、少なくとも、前記回転駆動機構,前記ローラ移動機構及び前記ロック機構を制御可能なコントローラとを備えることを特徴とする印刷装置の給紙機構。
【請求項4】
前記ピックアップローラに対して一定の負荷トルクを付与可能又は付与解除可能であって、前記コントローラにより制御可能なトルクリミッタを備えることを特徴とする請求項3記載の印刷装置の給紙機構。
【請求項5】
前記ピックアップローラの前方には、上下に配したフィードローラ及びリタードローラを備えることを特徴とする請求項3又は4記載の印刷装置の給紙機構。
【請求項6】
前記印刷用紙は、少なくとも厚紙を含む普通紙以外の印刷用紙に適用し、当該印刷用紙を給紙する非通常給紙モードを設けることを特徴とする請求項3,4又は5記載の印刷装置の給紙機構。
【請求項7】
普通紙の給紙を行う通常給紙モードを設け、給紙モード選択部により前記通常給紙モード又は前記非通常給紙モードを選択可能に構成することを特徴とする請求項6記載の印刷装置の給紙機構。
【請求項8】
前記非通常給紙モードには、少なくとも、厚紙の給紙を行う厚紙給紙モードと再生紙の給紙を行う再生紙給紙モードを備えることを特徴とする請求項6又は7記載の印刷装置の給紙機構。
【請求項9】
前記厚紙給紙モードは、給紙時に、前記ピックアップローラを、非回転状態にロックした状態で、前記印刷用紙の紙面に対して平行方向前方へ所定ストロークだけ移動させ、この移動途中又は当該移動終了後に、前記ロックを解除して前記ピックアップローラを回転させる制御機能を備えることを特徴とする請求項8記載の印刷装置の給紙機構。
【請求項10】
前記再生紙給紙モードは、任意の給紙時における給紙開始時と次の給紙時における給紙開始時の、前記印刷用紙の最上面に当接する前記ピックアップローラの周面位置を異ならせる制御機能を備えることを特徴とする請求項8記載の印刷装置の給紙機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−207581(P2011−207581A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−76906(P2010−76906)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000214836)長野日本無線株式会社 (140)
【Fターム(参考)】