説明

印刷装置

【課題】 簡易に所望の情報を取得することができる印刷装置を提供する。
【解決手段】 所定の画像を入力するための画像入力手段と、画像入力手段により入力された画像と対応するキーワードを登録するためのキーワード登録手段と、画像入力手段により入力された画像と、キーワード登録手段により登録されたキーワードとを関連付けて記憶する記憶手段と、所定のキーワードが選択された場合、選択されたキーワードに対応する画像を記憶手段から読み出して出力する画像出力手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザにより選択された項目に対応した画像を印刷出力する印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術例として、所定の地図領域を示す所定番号を入力する入力手段と、所定番号とこの所定番号が示す所定の地図領域とを対応させて記憶した記憶手段と、入力手段から入力された所定番号に基づき、この所定番号に対応した所定の地図領域を記憶手段から検索する地図領域検索手段と、この地図領域検索手段が検索した所定の地図領域を隣接地図領域と区別して強調表示させる信号を出力する強調表示信号出力手段とを備えることにより、使用者が所望の地図領域を簡単に認識することができる「地図表示制御装置」がある(例えば、特許文献1参照)。
また、別の従来技術例として、インターネット接続されたプリンタを登録し、情報端末のユーザがWEB上で容易にプリンタを閲覧することができる「プリンタ検索システム」がある。
【特許文献1】特許第2780521号公報
【特許文献2】特開2004−110587号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明は、ユーザの所望の位置を強調して表示する装置であり、用途が地図表示に限定されるので、ユーザは、地図上の位置以外の情報を取得することはできない。
一方、上記特許文献2記載の発明は、ユーザが情報端末を用いて、インターネットに接続されたプリンタの中から所望のプリンタを検索できるシステムであり、用途がプリンタ検索に限定されるので、ユーザは、プリンタ以外の情報を取得することはできない。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ユーザによって所望の項目(キーワード)を選択された場合、その項目に対応した画像を印刷出力することにより、簡易に所望の情報を取得することができる印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的を達成するために、請求項1記載の発明は、所定の画像を入力するための画像入力手段と、画像入力手段により入力された画像と対応するキーワードを登録するためのキーワード登録手段と、画像入力手段により入力された画像と、キーワード登録手段により登録されたキーワードとを関連付けて記憶する記憶手段と、所定のキーワードが選択された場合、選択されたキーワードに対応する画像を記憶手段から読み出して出力する画像出力手段と、を有することを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、画像データに関連付けられるキーワードは、キーワード登録手段にて任意に設定されることを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、画像データに対応付けられるキーワードは、カテゴリー分けして設定されることを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の発明において、画像及びキーワードに関連する詳細データを登録するための詳細データ登録手段をさらに有し、画像入力手段により入力された画像と、キーワード登録手段により登録されたキーワードと、詳細データ登録手段により登録された詳細データと、をそれぞれ関連付けて記憶手段に記憶することを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、所定のキーワードが選択された場合、選択されたキーワードに対応する詳細データを表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、コンビニエンスストアなどの、印刷装置を誰でも利用できるような場所において、簡易に所望の情報を取得することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0012】
本実施例は、ユーザが出力したい印刷物をキーワードから選択することにより、選択されたキーワードに関連する画像を印刷・出力する印刷装置を提案する。例えば、コンビニエンスストアなどのコピー機やプリンタ(印刷装置)を置いている場所において、その地域の地図情報を印刷出力したり、近くの施設、例えば病院へのアクセス方法や地図などを印刷出力したりすることが可能な印刷装置を提供することを目的とする。
【0013】
また、本実施例は、上記キーワード及び画像をあらかじめ設定されているものだけではなく、自由に追加、修正、削除を行うことができる印刷装置を提案する。
【0014】
また、本実施例は、キーワードをカテゴリー分けすることにより、ユーザがカテゴリーから検索して目的のキーワードへ到達することを安易にする印刷装置を提案する。
【0015】
また、本実施例は、画像とキーワードだけではなく、関連情報をあらかじめ入力しておくことにより、似たキーワードから必要な画像がどれかを判別する基準とすることができる印刷装置を提案する。
【0016】
また、本実施例は、キーワードと関連した情報を見ることにより、印刷する必要なないと判断した画像の印刷を中止する印刷装置を提案する。
【0017】
図1は、本発明の実施例である印刷装置のハードウェア構成図である。
図1に示すように、本実施例の印刷装置は、印刷装置の管理者がキーワードやカテゴリー、詳細データを入力(初期登録及び変更)したり、印刷装置のユーザがキーワードやカテゴリーを選択したりする際に使用する操作パネル1と、所定の画像を読み取り、印刷装置内に画像データとして入力する読取装置2と、操作パネル1にて登録されたキーワードやカテゴリー及び読取装置2にて入力された画像データを格納する記憶装置5と、記憶装置5に格納されている画像データを出力(印刷・表示)する出力装置4と、を有する。また、記憶装置5に格納されている、画像データ、キーワードやカテゴリー、詳細データを新たなものに変更する際に、それらのデータを取り込む元となる外部入力装置3を有する。
【0018】
また、図1に示すように、記憶装置5において、カテゴリー情報とキーワード情報とは関連付けがなされて格納され、また、キーワード情報と画像データとは関連付けがなされて格納される。
【0019】
まず、本実施例の印刷装置を用いた情報提供サービスを提供する管理者(印刷装置の管理者)が行う作業について、図2のフローチャートを参照して説明する。
本実施例では、管理者は、印刷装置において、画像データを入力した後に、その画像をキーワードと一緒に登録するかどうかを設定する。なお、本明細書において、「印刷装置の管理を行い、情報提供サービスを行う管理者」と、「印刷装置を使用し、情報提供サービスを受けるユーザ」とによるビジネスモデルを想定し、便宜上管理者とユーザとを別々にして説明しているが、両者は同一であってもよい。
【0020】
管理者はまず、印刷装置に対して所定の操作を行い、予め所定の画像データを入力する(ステップS1)。画像データの入力方法としては、読取装置2の一例であるスキャナにて読み取る方法、外部入力装置3の一例であるフロッピー(登録商標)ディスクやSDカード、CDなどの記憶媒体(記憶装置)を用いて取り込む方法、インターネットや電話回線などの外部回線を用いて入力する方法などのいずれかを用いればよい。
【0021】
次に、入力した画像データについて、キーワードと一緒に登録するかどうかを、操作パネル1に表示して管理者に問い合わせる(ステップS2)。本実施例では、画像データを入力した後に、その入力画像を登録するかどうかをユーザに問い合わせるようにしたが、この他にも、インターネットなどを通じてあらかじめキーワード登録することを設定する方法、画像データを入力する前に印刷装置の操作パネル1上に用意している登録ボタンを押すことにより設定する方法などを用いてもよい。
なお、このユーザへの問い合わせは、入力した方法によって、例えばインターネットを通じて画像データを入力した場合にはインターネットを通じて登録するかどうかを問い合わせるような形をとることが好ましい。
【0022】
ステップS2において、管理者の所定の操作により、入力された画像データとキーワードとを一緒に登録しない決定がされた場合(ステップS2/NO)、その入力画像データを出力装置4にて出力する。
【0023】
ステップS2において、管理者の所定の操作により、入力された画像データとキーワードとを一緒に登録する決定がされた場合(ステップS2/YES)、キーワード登録処理へ移行する。また、入力された画像データは記憶装置5へ保存される(ステップS3)。ここで、記憶装置5としてはHDD(ハードディスクドライブ)のような大きな容量を持つものが好ましい。この他にも、取り込んだ画像をインターネットなどの通信手段を用いて印刷装置以外の外部の記憶装置、例えばサーバなどに記憶する方法を用いてもよい。
【0024】
上記キーワード登録処理に移行すると、操作パネル1にキーワードを入力・登録するための画面を表示する。この画面において、管理者により、入力画像データに対するキーワードが入力されると、記憶装置5に格納された入力画像データと、入力されたキーワードとが関連付けされて格納される(ステップS4)。
【0025】
例えば、図3に示すように、「病院付近の地図1」が画像データとして入力された後、管理者がキーワードとして「病院名1」を入力した場合、「病院付近の地図1」の画像データに対して「病院名1」がキーワードとして関連付けられる。この関連付けは、図3において、「病院付近の地図1」には「病院名1」、「病院付近の地図2」には「病院名2」、「現在地の地図」には「現在地」、「郵便局付近の地図」には「郵便局」というように、画像データの内容が推測できるキーワードにすることが好ましい。
【0026】
なお、キーワードの入力方法については、印刷装置上の操作パネル1上で行うようにしてもよいし、インターネットを通じてパソコンで行うようにしてもよい。いずれにしても、キーワードのネーミングについて自由度を持たせるために、管理者が任意のキーワードを設定できる方法が好ましい。また、登録済みのキーワードについては、管理者の操作により、随時変更できるものとする。
【0027】
ここで、キーワードだけではユーザが本当に欲しい情報かどうかを判断しづらい状況が考えられる。つまり、上述の場合において、ユーザが「病院名1」と「病院名2」というキーワードを見ただけでは、画像の内容について判断しにくく、それらの病院が何の病院なのかわからないことがある。また、ユーザが所望の病院を検索して、その病院にこれから行くことを考えた場合、診察を行っているのかどうかが分からない。そこで、各キーワードに対して、詳細データ(例えば、診察時間、診察日、休日など、病院の詳細を示すデータ)を関連付けるようにする。
【0028】
ステップS4のキーワード登録処理の後、登録したキーワードについて詳細データを入力・登録するかどうかを、操作パネル1の表示にて管理者に問い合わせる(ステップS5)。管理者の所定の操作により、詳細データを登録する決定がされた場合(ステップS5/YES)、詳細データの登録処理に移行する。すなわち、例えば、詳細データを入力するための画面を操作パネル1に表示し、管理者は、その画面において、所望の詳細データの入力操作を行う。入力操作終了後、記憶装置5において、図3に示すように、画像データと、キーワードと、詳細データと、のそれぞれが関連付けされて格納される(ステップS6)。
【0029】
なお、ステップS5において、管理者の所定の操作により、詳細データを登録する決定がされない場合(ステップS5/NO)、詳細データの登録処理には移行せずに処理を終了する。この場合、画像データとキーワードのみが関連付けされて記憶装置5に格納される。
【0030】
さらに、ユーザが目的のキーワードへたどり易くする為に、キーワードに対してカテゴリー分割を行うようにしてもよい。このカテゴリーはあらかじめ記憶させておき、呼び出して使用することが望ましい。また、カテゴリーの追加や削除なども、キーワード登録と同様に、簡単に操作パネルやインターネットを通じて変更できるようにしておくことが望ましい。カテゴリーの下にカテゴリーがあるような入れ子状態のカテゴリーも考えられる。このキーワードと詳細データの関係及びカテゴリー分類とをまとめたものが図4である。カテゴリーを追加した際にキーワードと関連付け、及びカテゴリーを削除したときカテゴリーに登録しているキーワードも一緒に削除されないようになっていることが望ましい。
【0031】
次に、上記印刷装置を利用するユーザが行う作業について、図5のフローチャートを参照して説明する。
ユーザは、記憶装置5に格納されている画像の中から所定の画像を検索したい場合(ステップS11/YES)、操作パネル1にて検索決定の操作を行う。そして、操作パネル1に表示されたカテゴリー(図4参照)から目的の(所望の)カテゴリーを選択する(ステップS12)。本実施例では、カテゴリーを表示する方法としてディスプレイ表示としたが、他の方法としては、複数のボタンに各カテゴリーを割り振るようにしてもよい。
【0032】
ユーザが所望のカテゴリーを選択すると、その下のカテゴリーか、キーワードが表示される。ユーザは、所望のキーワードが表示されるまでカテゴリーを選択する操作を続ける。そして、所望のキーワードが操作パネル1に表示されたら、そのキーワードを選択して決定する操作を行う(ステップS13)。キーワードを決定すると、そのキーワードに関連付けられた詳細データが操作パネル1に表示される。ユーザはこの詳細データの内容を確認して、自分に必要な情報かどうかを判定する(ステップS14)。
【0033】
ここで、ユーザが自分には必要ないキーワードであると判断した場合は(ステップS14/NO)、もう一度自分の必要なキーワードを選択する操作を行う。この際に、一つ前のカテゴリーに簡単に戻れるように戻るボタンを用意しておくことが望ましい。また、この他に今まで選択してきたカテゴリーの番号順を残して表示するようにし、ユーザの希望する場所からカテゴリーを選択できるようにすることが望ましい。
【0034】
そして、ステップS14において、ユーザが必要であると判断した場合(ステップS14/YES)、操作パネル1にて印刷を行うかどうかの確認表示がされ、ユーザにより印刷決定の操作が行われた場合、任意のタイミングで、選択されたキーワードに関連付けられた画像データの印刷出力処理を行う(ステップS15)。
【0035】
以上説明したように、本実施例の印刷装置によれば、ユーザがキーワードを選択することにより、簡単に必要な情報を出力することができる。
【0036】
また、本実施例の印刷装置によれば、キーワードと画像とを関連付けて入力することにより、最新の情報を登録することができる。
【0037】
また、本実施例の印刷装置によれば、キーワードをカテゴリーに分けることにより、類似したキーワードをまとめて管理することができ、管理が容易になる。また、カテゴリーから選択させることにより、キーワードを直接選択するよりも簡単で必要な情報にあったキーワードを選択することができるようになる。
【0038】
また、本実施例の印刷装置によれば、キーワードと画像の他に、画像及びキーワードに関連する詳細情報を保持させることにより、ユーザがキーワードを選択した時に必要な情報かどうかを判断することができる。
【0039】
また、本実施例の印刷装置によれば、キーワードを選択した後に、予め設定した詳細情報を表示することにより、ユーザ自身が印刷したい情報かどうかの判定に用いることができる。
【0040】
以上、本発明の実施例について説明したが、上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、印刷機能を有する装置全般(複写機、デジタル複合機等)に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施例である印刷装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例である印刷装置における準備時の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施例である印刷装置に登録される、画像データ、キーワード、詳細データの例を示す図である。
【図4】本発明の実施例である印刷装置に登録される、カテゴリーの例を示す図である。
【図5】本発明の実施例である印刷装置における使用時の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0043】
1 操作パネル(キーワード登録手段の一例、詳細データ登録手段の一例)
2 読取装置(画像入力手段の一例)
3 外部入力装置
4 出力装置(画像出力手段の一例)
5 記憶装置(記憶手段の一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の画像を入力するための画像入力手段と、
該画像入力手段により入力された画像と対応するキーワードを登録するためのキーワード登録手段と、
前記画像入力手段により入力された画像と、前記キーワード登録手段により登録されたキーワードとを関連付けて記憶する記憶手段と、
所定のキーワードが選択された場合、選択されたキーワードに対応する画像を前記記憶手段から読み出して出力する画像出力手段と、
を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記キーワードは、前記キーワード登録手段にて任意に設定されることを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
前記キーワードは、カテゴリー分けして設定されることを特徴とする請求項1又は2記載の印刷装置。
【請求項4】
前記画像及び前記キーワードに関連する詳細データを登録するための詳細データ登録手段をさらに有し、
前記画像入力手段により入力された画像と、前記キーワード登録手段により登録されたキーワードと、該詳細データ登録手段により登録された詳細データと、を関連付けて前記記憶手段に記憶することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記所定のキーワードが選択された場合、選択されたキーワードに対応する詳細データを表示することを特徴とする請求項4記載の印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−72869(P2007−72869A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−260792(P2005−260792)
【出願日】平成17年9月8日(2005.9.8)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】