説明

印刷装置

【課題】ネットワークを介して葉書印刷用電子メールを受信した場合に、この葉書印刷用電子メールを自動的に葉書状の印刷媒体に印刷することが可能となる印刷装置を提供する。
【解決手段】印刷装置2のCPU41は、ネットワーク4を介してフォーマットで作成された葉書印刷用電子メールを通信処理部35を介して取得した場合には、この葉書印刷用電子メールの10行目の「印刷様式」に従って表側テンプレートと裏側テンプレートを選択する。そして、CPU41は、この葉書印刷用電子メールの1行目〜9行目の各文字列を表側テンプレートに従って、印刷部33を介して葉書の表側に印刷する。続いて、CPU41は、葉書印刷用電子メールに画像データが添付されていない場合には、葉書印刷用電子メールの11行目以降の差し込み文字列を裏側テンプレートに従って、印刷部33を介して葉書の裏側に印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、葉書状の印刷媒体に印刷データを印刷することが可能な印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラ付き携帯電話機の普及に伴い、デジタルカメラ付き携帯電話機で撮影した画像をネットワークを介して印刷取次店に送信し、当該画像が組み込まれた葉書を印刷するようなシステムが種々提案されている。
【0003】
例えば、印刷事業者のコンピュータシステムとコンピュータネットワークで接続されたカメラ付き携帯電話機により印刷事業者へ写真入り葉書の作成及び配送を発注して写真入り葉書の発送を行うもので、カードに印刷される画像と宛先及び差出人を含むテキストデータとをカメラ付き携帯電話機よりコンピュータネットワークへ送信して印刷事業者へ写真入り葉書の作成及び配送を発注する。印刷事業者は、コンピュータネットワークを介して送られてきた画像及びテキストデータをコンピュータシステムで受信して写真入り葉書の作成及び配送を受注した後、受信した画像と所定のテキストデータとを葉書に印刷して写真入りカードを作成して配送を行う写真入りカード発送システムがある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−44355号公報(段落(0018)〜(0036)、図1〜図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に記載される構成では、年賀状や暑中見舞い、グリーティングカード等を送る場合には、印刷事業者に写真入り葉書の作成及び配送を発注する必要があり、手間がかかるという問題がある。また、カメラ付き携帯電話機から画像付き電子メールやファックスを直接送るのでは、味気なく感じるという問題がある。また、携帯電話機から画像付き電子メール又は画像無し電子メールを相手先のパーソナルコンピュータに送信し、相手先でパーソナルコンピュータを操作して印刷することが考えられるが、高齢者等のパーソナルコンピュータに不慣れな人にとっては、受信した電子メールの印刷を容易に行うことができないという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、ネットワークを介して葉書印刷用電子メールを受信した場合に、この葉書印刷用電子メールを自動的に葉書状の印刷媒体に印刷することが可能となる印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため請求項1に係る印刷装置は、葉書状の印刷媒体の両面に印刷データを印刷可能な印刷手段と、通信端末装置からネットワークを介して送信された所定フォーマットで作成された葉書印刷用メール情報を取得するメール情報取得手段と、所定文字印刷領域が設けられた複数種類の葉書テンプレートを記憶するテンプレート記憶手段と、前記メール情報取得手段を介して取得した葉書印刷用メール情報に基づいて前記葉書テンプレートを選択するテンプレート選択手段と、前記葉書印刷用メール情報から宛先情報及び差出人情報を含む前記印刷媒体の表側に印刷する表側印刷情報を抽出する表側印刷情報抽出手段と、前記葉書印刷用メール情報から差し込み文字列を含む前記印刷媒体の裏側に印刷する裏側印刷情報を抽出する裏側印刷情報抽出手段と、前記印刷手段を介して前記表側印刷情報抽出手段によって抽出された表側印刷情報を前記テンプレート選択手段によって選択された葉書テンプレートに従って前記印刷媒体の表側に印刷するように制御すると共に、前記裏側印刷情報抽出手段によって抽出された裏側印刷情報を該葉書テンプレートに従って該印刷媒体の裏側に印刷するように制御する印刷制御手段と、を備えたことを特徴とする。
ここで、葉書とは、普通葉書や年賀葉書等の他、バースディカード等のグリーティングカードや葉書形状の用紙等をいう。
【0008】
また、請求項2に係る印刷装置は、請求項1に記載の印刷装置において、前記所定文字印刷領域に前記差し込み文字列が入るように文字サイズを調整する文字サイズ調整手段を備え、前記印刷制御手段は、前記文字サイズ調整手段によって調整された差し込み文字列を該所定文字印刷領域に印刷するように制御することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る印刷装置は、請求項1又は請求項2に記載の印刷装置において、前記葉書テンプレートは、前記葉書印刷用メール情報に添付された画像情報を前記印刷媒体の裏側に印刷する画像印刷領域を含み、前記葉書印刷用メール情報に画像情報が添付されているか否かを判定する添付判定手段と、前記葉書印刷用メール情報に画像情報が添付されていると判定された場合には、該画像情報を前記テンプレート選択手段によって選択された葉書テンプレートの前記画像印刷領域に合うように調整する画像調整手段と、を備え、前記印刷制御手段は、前記画像調整手段を介して調整された画像情報を前記画像印刷領域に従って前記印刷媒体の裏側に印刷するように制御することを特徴とする。
【0010】
更に、請求項4に係る印刷装置は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の印刷装置において、前記葉書印刷用メール情報は、葉書に印刷するためのメール情報か否かを識別する識別情報と前記テンプレート選択手段が選択する葉書テンプレートを特定するテンプレート特定情報とを含み、前記宛先情報は、宛先住所と宛先名とを含み、前記差出人情報は、差出人の住所と差出人名とを含み、前記所定フォーマットは、前記識別情報と前記テンプレート特定情報と前記宛先住所と宛先名と前記差出人の住所と差出人名と前記差し込み文字列とがそれぞれ改行毎に入力されるように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る印刷装置では、通信端末装置からネットワークを介して送信された所定フォーマットで作成された葉書印刷用メール情報を取得した場合には、該葉書印刷用メール情報に基づいて葉書テンプレートを選択する。そして、この葉書印刷用メール情報から宛先情報及び差出人情報を含む表側印刷情報が抽出されて、葉書テンプレートに従って葉書の表側に印刷される。また、この葉書印刷用メール情報から差し込み文字列を含む裏側印刷情報が抽出されて、葉書テンプレートに従って葉書の裏側に印刷される。
【0012】
これにより、所定フォーマットで作成された葉書印刷用メール情報を通信端末装置からネットワークを介して印刷装置へ送信することによって、この葉書印刷用メール情報に含まれる宛先情報、差出人情報及び差し込み文字列等を自動的に葉書状の印刷媒体に印刷することが可能となる。従って、高齢者等のパーソナルコンピュータに不慣れな人でも、当該印刷装置を設置してネットワークに接続するだけで、通信端末装置からネットワークを介して送信された葉書印刷用メール情報に含まれる宛先情報、差出人情報及び差し込み文字列等が印刷された葉書状の印刷媒体を容易に入手することが可能となる。
【0013】
また、請求項2に係る印刷装置では、通信端末装置において所定文字印刷領域に合わせて差し込み文字列の文字サイズや文章等を設定しなくても、当該所定文字印刷領域に適切に収めて印刷することが可能となり、使い勝手の向上を図ることが可能となる。
【0014】
また、請求項3に係る印刷装置では、葉書印刷用メール情報に画像情報が添付されている場合には、この画像情報をテンプレート選択手段によって選択された葉書テンプレートの画像印刷領域に合うように調整して、印刷媒体の裏側に印刷することが可能となる。従って、高齢者等のパーソナルコンピュータに不慣れな人でも、当該印刷装置を設置してネットワークに接続するだけで、通信端末装置からネットワークを介して送信された画像情報と葉書印刷用メール情報に含まれる宛先情報、差出人情報及び差し込み文字列等とが印刷された葉書状の印刷媒体を容易に入手することが可能となる。
【0015】
更に、請求項4に係る印刷装置では、葉書印刷用メール情報の所定フォーマットは、識別情報とテンプレート特定情報と宛先住所と宛先名と差出人の住所と差出人名と差し込み文字列とがそれぞれ改行毎に入力されるように構成されているため、各情報を改行毎に読み出して迅速に取得することが可能となる。また、通信端末装置のユーザは、所定フォーマットに従って葉書印刷用メール情報を容易に作成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施例に係る葉書印刷システムの概略構成である。
【図2】葉書印刷システムを構成する印刷装置及び携帯電話機の回路構成を示す回路ブロック図である。
【図3】テンプレート記憶領域に記憶される葉書の表側に印刷する文字等の印刷領域を設定する表側テンプレートの一例を示す図である。
【図4】テンプレート記憶領域に記憶される葉書の裏側に印刷する文字や画像等の印刷領域を設定する裏側テンプレートの一例を示す図である。
【図5】液晶ディスプレイに表示された葉書印刷用電子メールのフォーマットの一例を示す図である。
【図6】印刷装置による受信した葉書印刷用電子メールを葉書に印刷する電子メール印刷処理を示すメインフローチャートである。
【図7】図6の「葉書印刷処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。
【図8】携帯電話機の撮像部で撮影した画像のデータファイルが添付された葉書印刷用電子メールの一例を示す図である。
【図9】図8の葉書印刷用電子メールの宛名等を葉書の表側に印刷した一例を示す図である。
【図10】図8の葉書印刷用電子メールの差し込み文字列及び添付された画像を葉書の裏側に印刷した一例を示す図である。
【図11】画像のデータファイルが添付されていない葉書印刷用電子メールの一例を示す図である。
【図12】図11の葉書印刷用電子メールの差し込み文字列を葉書の裏側に印刷した一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る印刷装置を葉書印刷システムについて、具体化した一実施例に基づいて図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例】
【0018】
先ず、本実施例に係る葉書印刷システム1の概略構成について図1に基づき説明する。
図1に示すように、本実施例に係る葉書印刷システム1は、普通葉書や年賀葉書等の他、両面に印刷が可能な葉書形状(例えば、9〜10.7cm×14〜15.4cmの長方形である。)の用紙等(以下、「葉書」という。)の両面にカラー印刷が可能な印刷装置2と、デジタルカメラ付き携帯電話機3と、ネットワーク4から基本的に構成されている。
【0019】
そして、携帯電話機3はネットワーク4を介して電子メールを印刷装置2へ送信可能に構成され、印刷装置2はネットワーク4を介して電子メールを受信可能に構成されている。また、ネットワーク4としては、例えば携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網等の通信系を使用することができる。
【0020】
また、印刷装置2は、本体11の上面部に各種操作ボタン12や液晶ディスプレイ13等を備えた操作部32が設けられている。また、本体11の底部には、両面に印刷が可能な葉書を積層した状態で収容する給紙カセット15が前面側から着脱可能に設けられている。この給紙カセット15には、葉書が、その短辺(幅)が搬送方向と直交する方向に沿うように複数枚積載して収容可能に構成されている。
【0021】
そして、印刷装置2は、後述のように携帯電話機3から葉書印刷用メール情報(以下、「葉書印刷用電子メール」という。)を受信した場合には、印刷部33(図2参照)を介して宛先の郵便番号、宛先住所、宛先名、差出人の郵便番号、差出人住所、差出人名を表側に印刷し、メッセージ等を裏側に印刷した葉書16等を表側を上にして、前面側に設けられた排出口17から排出する。また、印刷装置2は、不図示のLANケーブル等によってネットワーク4に接続されている。
【0022】
また、携帯電話機3は、背面部にCCDカメラ等によって構成される撮像部63(図2参照)が設けられ、人物や風景等を撮影して、葉書に印刷する画像を生成する。また、携帯電話機3には、電話番号の他に、宛先の郵便番号、宛先住所、宛先名、差出人の郵便番号、差出人住所、差出人名、メッセージ等を入力するためのテンキー21が設けられている。また、携帯電話機3には、撮像部63で撮影した画像やテンキー21を介して入力したメッセージ等を表示可能な液晶ディスプレイ22、スピーカ23、マイク24等が設けられている。
【0023】
次に、葉書印刷システム1を構成する印刷装置2及び携帯電話機3の回路構成について図2に基づいて説明する。
図2に示すように、印刷装置2は、印刷装置2の全体の制御を行う制御回路部31、操作部32、印刷部33、画像処理部34、通信処理部35等から構成されている。
【0024】
また、制御回路部31は、印刷装置2の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU41や、ROM42、RAM43、時間を計測するタイマ44等を備えている。また、CPU41、ROM42、RAM43、タイマ44は、不図示のバス線により相互に接続されて、相互にデータのやり取りが行われる。
【0025】
また、ROM42は、各種のプログラムを記憶させておくものであり、印刷制御プログラムや、後述の葉書印刷用電子メールを受信した場合に、葉書の表側に宛先住所等を印刷し、裏側にメッセージ等を印刷する葉書印刷処理(図6参照)等の各種プログラムが記憶されている。また、ROM42には、葉書の表側又は裏側に印刷する文字又は画像の配置領域がそれぞれ設定された複数種類の葉書テンプレート(図3、図4参照)を記憶するテンプレート記憶領域42Aが設けられている。
【0026】
そして、CPU41は、かかるROM42に記憶されている各種のプログラムに基づいて各種の演算及び制御を行なうものである。また、RAM43は、CPU41により演算された各種の演算結果や印刷データ等を一時的に記憶させておくためのものである。
更に、制御回路部31には、操作部32、印刷部33、画像処理部34、通信処理部35が接続されている。
【0027】
操作部32は、各種操作ボタン12や液晶ディスプレイ13等から構成され、電源のオンオフや葉書印刷様式の設定を行う際等に操作される。そして、制御回路部31は、各操作ボタン12の押下等により出力されるスイッチ信号に基づいて、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、操作部32としては、液晶ディスプレイ13の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。
【0028】
また、印刷部33は、不図示の用紙送り機構やカラーインクジェットヘッド等から構成されて、制御回路部31からの指示に従って、後述のように携帯電話機3から受信した宛先の郵便番号、宛先住所、宛先名、差出人の郵便番号、差出人住所、差出人名を葉書16の表側に印刷し、画像やメッセージ等を葉書16の裏側に印刷する(図7参照)。
【0029】
また、画像処理部34は、携帯電話機3から受信した電子メールに添付された画像データを葉書テンプレートに従って画像印刷領域内に収まるように調整して、制御回路部31へ出力する。
また、通信処理部35は、制御回路部31からの指示に従って、後述のように携帯電話機3との間でネットワーク4を介して所定のプロトコルに従って電子メール及び添付画像データの受信処理を行う。
【0030】
また、図2に示すように、携帯電話機3は、携帯電話機3の全体の制御を行う制御回路部61、通信処理部62、撮像部63、出力部64、入力部65等から構成されている。
この制御回路部61は、携帯電話機3の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU71や、ROM72、RAM73、時間を計測するタイマ74等を備えている。また、CPU71、ROM72、RAM73、タイマ74は、不図示のバス線により相互に接続されて、相互にデータのやり取りが行われる。
【0031】
また、ROM72は、各種のプログラムを記憶させておくものであり、テンキー21から入力された電話番号先と通話を行うように制御する通話制御プログラムや、所定フォーマットで作成された電子メールや添付画像データをネットワーク4を介して送信する送信制御プログラム等の各種プログラムが記憶されている。また、ROM72には、葉書印刷用電子メールのフォーマット(図5参照)を記憶するフォーマット記憶領域72Aが設けられている。
【0032】
そして、CPU71は、かかるROM72に記憶されている各種のプログラムに基づいて各種の演算及び制御を行なうものである。また、RAM73は、CPU71により演算された各種の演算結果や葉書印刷用電子メール等を一時的に記憶させておくためのものである。
更に、制御回路部61には、通信処理部62、撮像部63、出力部64、入力部65が接続されている。
【0033】
通信処理部62は、携帯電話回線網を介して通信を行うとともに、インターネット通信を可能とするための所定のWebブラウザ及びメールソフト等によってネットワーク4を介して電子メールや添付画像データ等の送受信を行う。
また、撮像部63は、CCDカメラ等で構成されたデジタルカメラによって風景や人物などを撮影し、デジタル画像データとして制御回路部61へ出力する。
【0034】
また、出力部64は、画像や電話番号、メッセージ等を表示する液晶ディスプレイ22や音声等を出力するスピーカ23等によって構成されている。
また、入力部65は、電話番号の他に、電子メールのメッセージ等を入力するためのテンキー21やマイク24(図1参照)、カメラ操作を行う不図示のシャッタボタン等から構成されている。
【0035】
ここで、印刷装置2のROM42のテンプレート記憶領域42Aに記憶される葉書テンプレートの一例について図3及び図4に基づいて説明する。
図3に示すように、葉書の表側に印刷する文字等の印刷領域を設定する表側テンプレート81は、縦置きの葉書の大きさにほぼ等しく形成され、その上端中央部には、宛先の郵便番号を配置する横長の配置領域81Aが設けられている。また、表側テンプレート81の右側部分には、宛先の住所Aを配置する縦長の配置領域81Bと、宛先の住所Bを配置する縦長の配置領域81Cとが並設されている。また、表側テンプレート81の中央部には、宛先名を配置する配置領域81Dが設けられている。
【0036】
また、表側テンプレート81の左側部分には、差出人の住所Aを配置する縦長の配置領域81Eと、差出人の住所Bを配置する縦長の配置領域81Fとが並設されている。また、表側テンプレート81の左端部分には、差出人名を配置する縦長の配置領域81Gが設けられている。更に、表側テンプレート81の左側部分の下端部には、差出人の郵便番号を配置する横長の配置領域81Hが設けられている。また、各配置領域81A、81Hは、横書きに設定され、各配置領域81B〜81Gは、縦書きに設定されている。
【0037】
また、図4に示すように、葉書の裏側に印刷する文字や画像等の印刷領域を設定する各裏側テンプレート91〜94は、横置きの葉書の大きさにほぼ等しく形成され、画像を横置きに配置する画像印刷領域95がほぼ全領域に設定されている。また、裏側テンプレート91の左上部分、裏側テンプレート92の右上部分、裏側テンプレート93の左下部分、及び、裏側テンプレート94の右下部分には、メッセージ等の差し込み文字列を横書きで配置する横長四角形の文字印刷領域96がそれぞれ設定されている。
【0038】
また、葉書の裏側に印刷する文字や画像等の印刷領域を設定する各裏側テンプレート98〜101は、縦置きの葉書の大きさにほぼ等しく形成され、画像を縦置きに配置する画像印刷領域102がほぼ全領域に設定されている。また、裏側テンプレート98の左上部分、裏側テンプレート99の右上部分、裏側テンプレート100の左下部分、及び、裏側テンプレート101の右下部分には、メッセージ等の差し込み文字列を縦書きで配置する縦長四角形の文字印刷領域103がそれぞれ設定されている。
【0039】
また、葉書の裏側に印刷する文字の印刷領域を設定する裏側テンプレート105は、横置きの葉書の大きさにほぼ等しく形成され、メッセージ等の差し込み文字列を横書きで配置する文字印刷領域106がほぼ全領域に設定されている。また、葉書の裏側に印刷する文字の印刷領域を設定する裏側テンプレート108は、縦置きの葉書の大きさにほぼ等しく形成され、メッセージ等の差し込み文字列を縦書きで配置する文字印刷領域109がほぼ全領域に設定されている。
【0040】
次に、携帯電話機3のROM72のフォーマット記憶領域72Aに記憶される葉書印刷用電子メールのフォーマットの一例について図5に基づいて説明する。
図5に示すように、携帯電話機3のROM72のフォーマット記憶領域72Aに記憶される葉書印刷用電子メールのフォーマット110は、携帯電話機3の「メニュー一覧」から「メール」を選択後、「テンプレート一覧」を選択し、更に、「はがきメール」を選択することによって液晶ディスプレイ15に表示される。
【0041】
フォーマット110は、1行目から10行目に各入力枠L1〜L10が設けられ、11行目以降にメッセージを入力する入力枠L11が設けられている。この入力枠L1には、葉書印刷用電子メールであることを表す「はがきメール:」が表示されるとともに、電子メールのタイトルを入力する旨を表す「(メールタイトル)」が表示されている。また、2行目の入力枠L2乃至5行目の入力枠L5には、それぞれ「宛先の郵便番号」、「宛先の住所1」、「宛先の住所2」、「宛名」を入力する旨が表示されている。
【0042】
また、6行目の入力枠L6乃至9行目の入力枠L9には、それぞれ「差出人の郵便番号」、「差出人の住所1」、「差出人の住所2」、「差出人名」を入力する旨が表示されている。また、10行目の入力枠L10には、画像やメッセージ等を葉書の裏側に配置する裏側テンプレートの種類を表す「印刷様式」を入力する旨が表示されている。更に、11行目以降の入力枠L11には、葉書の裏側に印刷するメッセージである「差し込み文字列」を入力する旨が表示されている。
【0043】
従って、フォーマット110に従って作成された葉書印刷用電子メールは、1行目から10行目において、各改行毎に「はがきメール:(メールタイトル)」、「宛先の郵便番号」、「宛先の住所1」、「宛先の住所2」、「宛名」、「差出人の郵便番号」、「差出人の住所1」、「差出人の住所2」、「差出人名」、「印刷様式」のデータが順次配置され、続いて、11行目以降に「差し込み文字列」が配置されるように構成されている。また、携帯電話機3は、この葉書印刷用電子メールに、撮像部63で撮影した画像を添付して、ネットワーク4を介して印刷装置2へ送信することができる。
【0044】
次に、このように構成された葉書印刷システム1の印刷装置2による受信した葉書印刷用電子メールを葉書に印刷する電子メール印刷処理について図6乃至図12に基づいて説明する。図6にフローチャートで示されるプログラムは、印刷装置2のROM42に記憶されており、CPU41により所定時間毎(例えば、0.1秒毎である。)に実行される。
【0045】
図6に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)11において、印刷装置2のCPU41は、RAM43に記憶するデータや各部機能の初期化を行う。つまり、CPU41は、RAM43に記憶されている各種フラグや各カウンタに「0」を代入して初期化すると共に、RAM43に設けられている印刷データを記憶する印字バッファ、受信した電子メールを記憶する電子メール記憶領域、電子メールに添付された画像ファイルを記憶する画像ファイル記憶領域等を初期化する。
【0046】
続いて、S12において、CPU41は、通信処理部35を介して、電子メールやこの電子メールに添付された画像ファイル等を受信したか否かを判定する判定処理を実行する。そして、電子メールやこの電子メールに添付された画像ファイル等を受信していない場合には(S12:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。
一方、電子メールやこの電子メールに添付された画像ファイル等を受信した場合には(S12:YES)、CPU41は、S13の処理に移行する。
【0047】
S13において、CPU41は、通信処理部35を介して、電子メール及び添付された画像ファイル等を受信して、当該電子メール及び添付された画像ファイル等をRAM43に順次記憶する。また、CPU41は、当該電子メール及び添付された画像ファイル等をRAM43に記憶する毎に、RAM43から受信カウンタのカウント値Nを読み出して「1」加算後、再度RAM43に記憶する。つまり、受信カウンタのカウント値Nは、受信した電子メールの個数を表している。
【0048】
そして、S14において、CPU41は、RAM43から順番カウンタのカウント値Pを読み出して、順番カウンタのカウント値Pに「1」を代入して、再度、RAM43に記憶する。
その後、S15において、CPU41は、RAM43から順番カウンタのカウント値Pを読み出し、このカウント値Pを受信した電子メールの順番として、当該P番目の電子メールのメールタイトル、つまり、当該P番目の電子メールの1行目の文字列を読み出す。
【0049】
続いて、S16において、CPU41は、このP番目の電子メールのメールタイトルが、葉書印刷用電子メールを表すメールタイトルか否かを判定する判定処理を実行する。具体的には、CPU41は、当該P番目の電子メールから読み出した1行目の文字列の最初の部分に、「はがきメール:」の文字列が含まれているか否かを判定する判定処理を実行する。
【0050】
そして、P番目の電子メールから読み出した1行目の文字列の最初の部分に、「はがきメール:」の文字列が含まれている場合には(S16:YES)、CPU41は、このP番目の電子メールのメールタイトルが、葉書印刷用電子メールを表すメールタイトルであると判定して、S17の処理に移行する。S17において、CPU41は、後述の「葉書印刷処理」のサブ処理(図7参照)を実行後、下記S18の処理に移行する。
【0051】
一方、P番目の電子メールから読み出した1行目の文字列の最初の部分に、「はがきメール:」の文字列が含まれていない場合には(S16:NO)、CPU41は、このP番目の電子メールのメールタイトルが、葉書印刷用電子メールを表すメールタイトルでないと判定して、S18の処理に移行する。
【0052】
S18において、CPU41は、RAM43から順番カウンタのカウント値Pを読み出して、順番カウンタのカウント値Pに「1」加算して、再度、RAM43に記憶する。
続いて、S19において、CPU41は、RAM43から順番カウンタのカウント値Pと受信カウンタのカウント値Nを読み出して、カウント値Pがカウント値Nよりも大きいか否かを判定する判定処理を実行する。
【0053】
そして、カウント値Pがカウント値N以下の場合には(S19:NO)、CPU41は、再度、S15以降の処理を実行する。
一方、カウント値Pがカウント値Nよりも大きい場合には(S19:YES)、CPU41は、当該処理を終了する。
【0054】
次に、上記S17で実行される「葉書印刷処理」のサブ処理について図7に基づいて説明する。
図7に示すように、先ず、S111において、CPU41は、RAM43から順番カウンタのカウント値Pを読み出し、このカウント値Pを受信した電子メールの順番として、当該P番目の電子メール(葉書印刷用電子メール)の2行目から5行目までの各文字列をRAM43から順次読み出し、順番に「宛先の郵便番号」、「宛先の住所1」、「宛先の住所2」、「宛名」としてRAM43に記憶する。
【0055】
そして、S112において、CPU41は、当該P番目の電子メール(葉書印刷用電子メール)の6行目から9行目までの各文字列をRAM43から順次読み出し、順番に「差出人の郵便番号」、「差出人の住所1」、「差出人の住所2」、「差出人名」としてRAM43に記憶する。
続いて、S113において、CPU41は、当該P番目の電子メール(葉書印刷用電子メール)の10行目の文字列をRAM43から読み出し、この文字列を「印刷様式」として該当する裏側テンプレートを選択してRAM43に記憶する。
【0056】
ここで、各裏側テンプレート91〜94、98〜101、105、108に対応する「印刷様式」の一例について説明する。
各裏側テンプレート91〜94は、横置きの葉書の大きさにほぼ等しく形成され、ほぼ全領域に設定された画像印刷領域95の左上部分、右上部分、左下部分、右下部分に横長四角形で横書きの文字印刷領域96がそれぞれ設定されている。これより、各裏側テンプレート91〜94の各「印刷様式」は、「横置き横書き左上」、「横置き横書き右上」、「横置き横書き左下」、「横置き横書き右下」である。
【0057】
また、各裏側テンプレート98〜101は、縦置きの葉書の大きさにほぼ等しく形成され、ほぼ全領域に設定された画像印刷領域102の左上部分、右上部分、左下部分、右下部分に縦長四角形で縦書きの文字印刷領域103がそれぞれ設定されている。これより、各裏側テンプレート98〜101の各「印刷様式」は、「縦置き縦書き左上」、「縦置き縦書き右上」、「縦置き縦書き左下」、「縦置き縦書き右下」である。
【0058】
また、裏側テンプレート105は、横置きの葉書の大きさにほぼ等しく形成され、ほぼ全領域に横書きの文字印刷領域106が設定されている。これより、裏側テンプレート105の「印刷様式」は、「横置き横書き」である。更に、裏側テンプレート108は、縦置きの葉書の大きさにほぼ等しく形成され、ほぼ全領域に縦書きの文字印刷領域109が設定されている。これより、裏側テンプレート108の「印刷様式」は、「縦置き縦書き」である。
【0059】
従って、例えば、当該P番目の電子メール(葉書印刷用電子メール)の10行目の文字列が、「横置き横書き右上」の場合には、CPU41は、裏側テンプレート92を選択してRAM43に記憶する。また、当該P番目の電子メール(葉書印刷用電子メール)の10行目の文字列が、「横置き横書き」の場合には、CPU41は、裏側テンプレート105を選択してRAM43に記憶する。
【0060】
続いて、S114において、CPU41は、当該P番目の電子メール(葉書印刷用電子メール)の11行目以降の文字列をRAM43から読み出し、各文字印刷領域96、103、106、109に挿入する「差し込み文字列」としてRAM43に記憶する。
【0061】
そして、S115において、CPU41は、RAM43から「宛先の郵便番号」、「宛先の住所1」、「宛先の住所2」、「宛名」、「差出人の郵便番号」、「差出人の住所1」、「差出人の住所2」、「差出人名」を読み出し、表側テンプレート81の各配置領域81A〜81Hに、それぞれ収まるように文字サイズを調整して配置し、葉書16(図1参照)の表側に印刷する「表側印刷データ」としてRAM43に設けられた印字バッファに記憶する。そして、CPU41は、印字バッファから「表側印刷データ」を順次読み出して、印刷部33を介して葉書16を搬送しつつ、カラーインクジェットヘッド等を介して葉書16の表側に印刷する。
【0062】
続いて、S116において、CPU41は、当該P番目の電子メール(葉書印刷用電子メール)に、携帯電話機3の撮像部63で撮影した画像のデータファイルが添付されているか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、携帯電話機3の撮像部63で撮影した画像のデータファイルが添付されている場合には(S116:YES)、CPU41は、S117に移行する。
【0063】
S117において、CPU41は、当該P番目の電子メール(葉書印刷用電子メール)に添付された画像のデータファイルをRAM43から読み出す。そして、CPU41は、この画像を各裏側テンプレート91〜94、98〜101のうちの上記S113で選択した裏側テンプレートの画像印刷領域95又は画像印刷領域102に収まるように画像サイズを調整して配置し、葉書16(図1参照)の裏側に印刷する「裏側印刷データ」としてRAM43に設けられた印字バッファに記憶する。
【0064】
また、CPU41は、RAM43から「差し込み文字列」を読み出し、この「差し込み文字列」を各裏側テンプレート91〜94、98〜101のうちの上記S113で選択した裏側テンプレートの文字印刷領域96又は文字印刷領域103に収まるように文字サイズを調整して配置し、RAM43に設けられた印字バッファの「裏側印刷データ」に上書き記憶する。
【0065】
続いて、CPU41は、印字バッファから「裏側印刷データ」を順次読み出して、印刷部33を介して葉書16を裏返して搬送しつつ、カラーインクジェットヘッド等を介して葉書16の裏側に印刷後、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、S18の処理に移行する。
【0066】
ここで、CPU41が、携帯電話機3の撮像部63で撮影した画像のデータファイルが添付された葉書印刷用電子メールを印刷した一例について図8乃至図10に基づいて説明する。
図8に示すように、CPU41が受信した電子メールは、フォーマット110に従って作成された葉書印刷用電子メールで、カメラアイコン121、つまり、後述のように「神社の風景」を携帯電話機3の撮像部63で撮影した画像のデータファイル121が添付されている。
【0067】
従って、図9に示すように、CPU41は、当該葉書印刷用電子メールから、「宛先の郵便番号」、「宛先の住所1」、「宛先の住所2」、「宛名」、「差出人の郵便番号」、「差出人の住所1」、「差出人の住所2」、「差出人名」として、「123−0012」、「東京都 ○○区」、「○○1−1」、「山田花子」、「234−5678」、「大阪市 ○○区」、「○○○3−2」、「山田太郎」を読み出す。
【0068】
そして、CPU41は、この「123−0012」、「東京都 ○○区」、「○○1−1」、「山田花子」、「234−5678」、「大阪市 ○○区」、「○○○3−2」、「山田太郎」を表側テンプレート81の各配置領域81A〜81Hに、それぞれ収まるように文字サイズを調整して配置し、葉書16の表側に印刷する「表側印刷データ」としてRAM43に設けられた印字バッファに記憶する。そして、CPU41は、印字バッファから当該「表側印刷データ」を順次読み出して、印刷部33を介して葉書16を搬送しつつ、カラーインクジェットヘッド等を介して葉書16の表側に印刷する。
【0069】
また、図10に示すように、CPU41は、当該葉書印刷用電子メールの10行目の文字列が「横置き横書き右下」であることから、裏側テンプレート94(図4参照)を選択してRAM43に記憶する。そして、CPU41は、添付された「神社の風景」の画像のデータファイル121を、裏側テンプレート94の画像印刷領域95に収まるように画像サイズを調整して配置し、葉書16の裏側に印刷する「裏側印刷データ」としてRAM43に設けられた印字バッファに記憶する。
【0070】
また、CPU41は、RAM43から「差し込み文字列」として、当該葉書印刷用電子メールの11行目以降の「暑中お見舞い申し上げます。お盆にみんなで遊びにいきますね。」を読み出し、裏側テンプレート94の文字印刷領域96に収まるように文字サイズを調整して配置し、RAM43に設けられた印字バッファの「裏側印刷データ」に上書き記憶する。
【0071】
続いて、CPU41は、印字バッファから「裏側印刷データ」を順次読み出して、印刷部33を介して葉書16を裏返して搬送しつつ、カラーインクジェットヘッド等を介して横置きの葉書16の裏側の画像印刷領域95に「神社の風景」を印刷すると共に、横置きの葉書16の右下の文字印刷領域96に「暑中お見舞い申し上げます。お盆にみんなで遊びにいきますね。」を横書きで印刷する。
【0072】
一方、図7に示すように、携帯電話機3の撮像部63で撮影した画像のデータファイルが添付されていない場合には(S116:NO)、CPU41は、S118に移行する。
S118において、CPU41は、RAM43から「差し込み文字列」を読み出し、この「差し込み文字列」を各裏側テンプレート105、108のうちの上記S113で選択した裏側テンプレートの文字印刷領域106又は文字印刷領域109に収まるように文字サイズを調整して配置し、葉書16(図1参照)の裏側に印刷する「裏側印刷データ」としてRAM43に設けられた印字バッファに記憶する。
【0073】
続いて、CPU41は、印字バッファから「裏側印刷データ」を順次読み出して、印刷部33を介して葉書16を裏返して搬送しつつ、カラーインクジェットヘッド等を介して葉書16の裏側に印刷後、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、S18の処理に移行する。
【0074】
ここで、CPU41が、画像のデータファイルが添付されていない葉書印刷用電子メールを印刷した一例について図11及び図12に基づいて説明する。
【0075】
図11に示すように、CPU41が受信した電子メールは、フォーマット110に従って作成された葉書印刷用電子メールで、カメラアイコンは表示されていない、つまり、携帯電話機3の撮像部63で撮影した画像のデータファイルは添付されていない。
また、CPU41が受信した当該電子メールの1行目の入力枠L1〜9行目の入力枠L9に入力されている内容は、上記図8に示す電子メールの1行目の入力枠L1〜9行目の入力枠L9に入力されている内容と同じである。
【0076】
このため、当該葉書印刷用電子メールの1行目〜9行目の「123−0012」、「東京都 ○○区」、「○○1−1」、「山田花子」、「234−5678」、「大阪市 ○○区」、「○○○3−2」、「山田太郎」は、表側テンプレート81の各配置領域81A〜81Hに、それぞれ収まるように文字サイズを調整して配置し、葉書16の表側に印刷する「表側印刷データ」としてRAM43に設けられた印字バッファに記憶する。そして、CPU41は、印字バッファから当該「表側印刷データ」を順次読み出して、上記図9に示すように、印刷部33を介して葉書16を搬送しつつ、カラーインクジェットヘッド等を介して葉書16の表側に印刷する。
【0077】
また、図12に示すように、CPU41は、当該葉書印刷用電子メールの10行目の文字列が「縦置き縦書き」であることから、裏側テンプレート108(図4参照)を選択してRAM43に記憶する。そして、CPU41は、RAM43から「差し込み文字列」として、当該葉書印刷用電子メールの11行目以降の「暑中お見舞い申し上げます。毎日とても暑いですが元気にしていますか?お盆にはみんなで遊びにいきますね。」を読み出し、裏側テンプレート108の文字印刷領域109に収まるように文字サイズを調整して配置し、RAM43に設けられた印字バッファの「裏側印刷データ」に記憶する。
【0078】
続いて、CPU41は、印字バッファから「裏側印刷データ」を順次読み出して、印刷部33を介して葉書16を裏返して搬送しつつ、カラーインクジェットヘッド等を介して縦置きの葉書16の裏側の文字印刷領域109に「暑中お見舞い申し上げます。毎日とても暑いですが元気にしていますか?お盆にはみんなで遊びにいきますね。」を縦書きで印刷する。
【0079】
ここで、印刷部33は、印刷手段の一例として機能する。また、携帯電話機3は、通信端末装置の一例として機能する。また、通信処理部35は、メール情報取得手段の一例として機能する。また、ROM42は、テンプレート記憶手段の一例として機能する。また、CPU41は、テンプレート選択手段、表側印刷情報抽出手段、裏側印刷情報抽出手段、印刷制御手段、文字サイズ調整手段、添付判定手段、画像調整手段の一例として機能する。
【0080】
以上詳細に説明した通り、本実施例に係る葉書印刷システム1では、印刷装置2のCPU41は、携帯電話機3からネットワーク4を介して送信されたフォーマット110で作成された葉書印刷用電子メールを通信処理部35を介して取得した場合には、この葉書印刷用電子メールの10行目の「印刷様式」に従って裏側テンプレートを選択する。そして、CPU41は、この葉書印刷用電子メールの1行目〜9行目の各文字列を読み出し、「宛先の郵便番号」、「宛先の住所1」、「宛先の住所2」、「宛名」、「差出人の郵便番号」、「差出人の住所1」、「差出人の住所2」、「差出人名」として、表側テンプレート81の各配置領域81A〜81Hに、それぞれ収まるように文字サイズを調整して配置し、印刷部33を介して葉書16の表側に印刷する。続いて、CPU41は、取得した葉書印刷用電子メールに画像データが添付されていない場合には、葉書印刷用電子メールの11行目以降の差し込み文字列を読み出し、選択した裏側テンプレートの文字印刷領域106又は文字印刷領域109に収まるように文字サイズを調整して配置し、印刷部33を介して葉書16の裏側に印刷する。
【0081】
これにより、フォーマット110で作成された葉書印刷用電子メールを携帯電話機3からネットワーク4を介して印刷装置2へ送信することによって、この葉書印刷用電子メールの2行目〜9行目の各文字列を葉書16の表側の所定位置に印刷し、葉書印刷用電子メールの11行目以降の差し込み文字列を葉書16の裏側に印刷することが可能となる。従って、高齢者等のパーソナルコンピュータに不慣れな人でも、当該印刷装置2を設置してネットワーク4に接続するだけで、携帯電話機3からネットワーク4を介して送信された葉書印刷用電子メールの宛先情報と差出人情報、及び差し込み文字列が、それぞれ表側と裏側に印刷された葉書16を容易に入手することが可能となる。
【0082】
また、携帯電話機3において葉書印刷用電子メールの2行目〜9行目の各文字列及び11行目以降の差し込み文字列の文字サイズや文章等が設定されていなくても、CPU41は、葉書印刷用電子メールの10行目で指定した印刷様式に合わせて葉書16の表側テンプレート81及び裏側テンプレート105又は裏側テンプレート108の各文字印刷領域に適切に収めて印刷することが可能となり、使い勝手の向上を図ることが可能となる。
【0083】
また、CPU41は、ネットワーク4を介して、画像のデータファイル121が添付された葉書印刷用電子メールを取得した場合には、この画像を葉書印刷用電子メールの10行目の「印刷様式」に従って選択した裏側テンプレートの画像印刷領域95又は画像印刷領域102に収まるように画像サイズを調整して配置すると共に、葉書印刷用電子メールの11行目以降の差し込み文字列を裏側テンプレートの文字印刷領域96又は文字印刷領域103に収まるように文字サイズを調整して配置し、印刷部33を介して葉書16の裏側に印刷する。
【0084】
これにより、フォーマット110で作成された葉書印刷用電子メールに、携帯電話機3の撮像部63で撮影した画像のデータファイル121を添付して、携帯電話機3からネットワーク4を介して印刷装置2へ送信することによって、この葉書印刷用電子メールの2行目〜9行目の各文字列を葉書16の表側の所定位置に印刷し、葉書印刷用電子メールの11行目以降の差し込み文字列と添付した画像とを葉書16の裏側に印刷することが可能となる。従って、高齢者等のパーソナルコンピュータに不慣れな人でも、当該印刷装置2を設置してネットワーク4に接続するだけで、携帯電話機3からネットワーク4を介して送信された葉書印刷用電子メールの宛先情報と差出人情報、及び差し込み文字列と画像が、それぞれ表側と裏側に印刷された葉書16を容易に入手することが可能となる。
【0085】
更に、葉書印刷用電子メールのフォーマット110は、識別情報としての「はがきメール:(メールタイトル」、「宛先の郵便番号」、「宛先の住所1」、「宛先の住所2」、「宛名」、「差出人の郵便番号」、「差出人の住所1」、「差出人の住所2」、「差出人名」、「印刷様式」、「差し込み文字列」が、それぞれ改行毎に入力されるように構成されている。このため、印刷装置2のCPU41は、各情報を改行毎に読み出して迅速に取得することが可能となる。また、携帯電話機3のユーザは、葉書印刷用電子メールをフォーマット110に従って容易に作成することが可能となる。
【0086】
尚、本発明は前記実施例に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。
【0087】
(A)縦置きの葉書の大きさにほぼ等しく形成された表側テンプレート81だけでなく、各配置領域81A〜81Hが横書きの「横置き横書き」の表側テンプレートを設けるようにしてもよい。そして、葉書印刷用電子メールの10行目の印刷様式が「縦置き・・・」の場合には、上記S113において、CPU41は、表側テンプレート81を選択し、一方、葉書印刷用電子メールの10行目の印刷様式が「横置き・・・」の場合には、上記S113において、CPU41は、「横置き横書き」の表側テンプレートを選択するようにしてもよい。
【0088】
(B)また、携帯電話機3からネットワーク4を介して送信された葉書印刷用電子メールや添付された画像データを、当該ネットワーク4に接続されたパーソナルコンピュータが受信して、このパーソナルコンピュータがUSB(UniversalSerial Bus)ケーブル等を介して接続された印刷装置2へ、この受信した葉書印刷用電子メールや添付された画像データを出力するように構成してもよい。
【0089】
(C)また、携帯電話機3からネットワーク4を介して送信された葉書印刷用電子メールや添付された画像データを、当該ネットワーク4に接続された携帯電話機が受信して、この携帯電話機が赤外線通信等によって印刷装置2へ、この受信した葉書印刷用電子メールや添付された画像データを出力するように構成してもよい。
【0090】
(D)また、携帯電話機3に葉書印刷用電子メールのフォーマット110を記憶したフォーマット記憶領域72Aを設けないで、ユーザがフォーマット110の入力形式を覚えておき、当該フォーマット110に従って葉書印刷用電子メールを作成して、通常の電子メールとして印刷装置2へ送信するようにしてもよい。
【0091】
(E)また、印刷装置2のCPU41は、上記S16で、P番目の電子メールから読み出した1行目の文字列の最初の部分に、「はがきメール:」の文字列が含まれていない場合には(S16:NO)、当該電子メールをそのまま葉書の表側又は裏側に印刷して、排出後、S18の処理に移行するようにしてもよい。
【0092】
(F)また、携帯電話機3に限らず、デスクトップ型パーソナルコンピュータ、ノート型コンピュータ等から印刷装置2へネットワーク4を介してフォーマット110に従って作成した葉書印刷用電子メールや添付された画像データを送信するようにしてもよい。これにより、印刷措置2へネットワーク4を介してフォーマット110に従って作成した葉書印刷用電子メールや添付された画像データを送信することによって、当該葉書印刷用電子メールや添付された画像データが印刷された葉書16を作成することが可能となる。
【符号の説明】
【0093】
1 葉書印刷システム
2 印刷装置
3 携帯電話機
4 ネットワーク
16 葉書
31、61 制御回路部
33 印刷部
35、62 通信処理部
41、71 CPU
42、72 ROM
43、73 RAM
42A テンプレート記憶領域
72A フォーマット記憶領域
81 表側テンプレート
91〜94、98〜101、105、108 裏側テンプレート
110 フォーマット
121 カメラアイコン(画像のデータファイル)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
葉書状の印刷媒体の両面に印刷データを印刷可能な印刷手段と、
通信端末装置からネットワークを介して送信された所定フォーマットで作成された葉書印刷用メール情報を取得するメール情報取得手段と、
所定文字印刷領域が設けられた複数種類の葉書テンプレートを記憶するテンプレート記憶手段と、
前記メール情報取得手段を介して取得した葉書印刷用メール情報に基づいて前記葉書テンプレートを選択するテンプレート選択手段と、
前記葉書印刷用メール情報から宛先情報及び差出人情報を含む前記印刷媒体の表側に印刷する表側印刷情報を抽出する表側印刷情報抽出手段と、
前記葉書印刷用メール情報から差し込み文字列を含む前記印刷媒体の裏側に印刷する裏側印刷情報を抽出する裏側印刷情報抽出手段と、
前記印刷手段を介して前記表側印刷情報抽出手段によって抽出された表側印刷情報を前記テンプレート選択手段によって選択された葉書テンプレートに従って前記印刷媒体の表側に印刷するように制御すると共に、前記裏側印刷情報抽出手段によって抽出された裏側印刷情報を該葉書テンプレートに従って該印刷媒体の裏側に印刷するように制御する印刷制御手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記所定文字印刷領域に前記差し込み文字列が入るように文字サイズを調整する文字サイズ調整手段を備え、
前記印刷制御手段は、前記文字サイズ調整手段によって調整された差し込み文字列を該所定文字印刷領域に印刷するように制御することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記葉書テンプレートは、前記葉書印刷用メール情報に添付された画像情報を前記印刷媒体の裏側に印刷する画像印刷領域を含み、
前記葉書印刷用メール情報に画像情報が添付されているか否かを判定する添付判定手段と、
前記葉書印刷用メール情報に画像情報が添付されていると判定された場合には、該画像情報を前記テンプレート選択手段によって選択された葉書テンプレートの前記画像印刷領域に合うように調整する画像調整手段と、
を備え、
前記印刷制御手段は、前記画像調整手段を介して調整された画像情報を前記画像印刷領域に従って前記印刷媒体の裏側に印刷するように制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記葉書印刷用メール情報は、葉書に印刷するためのメール情報か否かを識別する識別情報と前記テンプレート選択手段が選択する葉書テンプレートを特定するテンプレート特定情報とを含み、
前記宛先情報は、宛先住所と宛先名とを含み、
前記差出人情報は、差出人の住所と差出人名とを含み、
前記所定フォーマットは、前記識別情報と前記テンプレート特定情報と前記宛先住所と宛先名と前記差出人の住所と差出人名と前記差し込み文字列とがそれぞれ改行毎に入力されるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−179615(P2010−179615A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−26854(P2009−26854)
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】