説明

印刷装置

【課題】従来の印刷装置では、印刷品位を向上させることが困難である。
【解決手段】Y方向に搬送される記録シートWに対向した状態で記録シートWに印刷を施す吐出ヘッド33と、吐出ヘッド33よりもY方向の上流側に設けられ、吐出ヘッド33と記録シートWとの間のギャップを規制する第1規制ローラー12aと、吐出ヘッド33よりもY方向の下流側に設けられ、吐出ヘッド33と記録シートWとの間のギャップを規制する第2規制ローラー12bと、記録シートWの吐出ヘッド33側とは反対側で吐出ヘッド33、第1規制ローラー12a及び第2規制ローラー12bに対向する位置に設けられ、記録シートWを支持するテーブル装置7と、テーブル装置7を吐出ヘッド33側に向かって付勢する付勢部材81と、を有する、ことを特徴とする印刷装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、印刷装置の1つとしてインクジェットプリンターがある。インクジェットプリンターでは、従来、用紙の印字面を押圧することによって印字面の高さを規制する押圧部材を有するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−115197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されたインクジェットプリンターでは、紙送りローラーと搬送ローラーとで用紙に張力を付与することによって、用紙を中空に浮かせた状態で用紙に印字を行うことができる。そして、このインクジェットプリンターでは、紙送りローラーと搬送ローラーとの間に、押圧部材が設けられている。この押圧部材によって、用紙の印字面とヘッドとのギャップを一定に保つことができる。
【0005】
ところで、用紙には、例えば、湿度や印字などによって用紙中の水分量が変化すると、カールやしわなどが発生することがある。上記特許文献1に記載されたインクジェットプリンターでは、用紙を中空に浮かせた状態で用紙に印字が行われるので、中空に浮いた領域において、用紙にカールやしわが発生することがある。この結果、用紙の印字面とヘッドとのギャップが変化してしまう。用紙の印字面とヘッドとのギャップが変化すると、印字における品位が低下しやすくなる。
つまり、従来の印刷装置では、印刷品位を向上させることが困難であるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]搬送方向に搬送される印刷媒体に対向した状態で前記印刷媒体に印刷を施す印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドよりも前記搬送方向の上流側で、前記印刷媒体の前記印刷ヘッド側に設けられ、前記印刷ヘッドと前記印刷媒体との間のギャップを規制する第1規制部材と、前記印刷ヘッドよりも前記搬送方向の下流側で、前記印刷媒体の前記印刷ヘッド側に設けられ、前記印刷ヘッドと前記印刷媒体との間のギャップを規制する第2規制部材と、前記印刷媒体の前記印刷ヘッド側とは反対側で前記印刷ヘッド、前記第1規制部材及び前記第2規制部材に対向する位置に設けられ、前記印刷媒体を前記印刷媒体の前記印刷ヘッド側とは反対側から支持する支持装置と、前記支持装置を前記印刷ヘッド側に向かって付勢する付勢部材と、を有する、ことを特徴とする印刷装置。
【0008】
この適用例の印刷装置では、印刷媒体を支持する支持装置が設けられている。支持装置によって、印刷媒体のしわなどの発生を低く抑えやすくすることができる。
支持装置は、付勢部材によってヘッド側に向かって付勢される。そして、支持装置に支持される印刷媒体は、第1規制部材と第2規制部材とによって規制される。これにより、印刷ヘッドと印刷媒体との間のギャップが規制される。
この結果、この印刷装置では、印刷ヘッドと印刷媒体との間のギャップを保ちやすくすることができるので、印刷品位を向上させやすくすることができる。
【0009】
[適用例2]上記の印刷装置であって、前記第1規制部材及び前記第2規制部材は、前記印刷媒体に接した状態で回転可能なローラーで構成されている、ことを特徴とする印刷装置。
【0010】
この適用例では、第1規制部材や第2規制部材と印刷媒体との間の摩擦力を軽減しやすくすることができる。
【0011】
[適用例3]上記の印刷装置であって、前記支持装置は、前記印刷媒体を支持した状態で回転可能なベルトを有している、ことを特徴とする印刷装置。
【0012】
この適用例では、支持装置と印刷媒体との間の摩擦力を軽減しやすくすることができる。
【0013】
[適用例4]上記の印刷装置であって、前記支持装置は、前記印刷媒体を吸着させる吸着装置を有している、ことを特徴とする印刷装置。
【0014】
この適用例では、印刷媒体を支持装置に吸着させることができるので、印刷ヘッドと印刷媒体との間のギャップを一層保ちやすくすることができる。
【0015】
[適用例5]上記の印刷装置であって、前記吸着装置は、吸引により前記印刷媒体を吸着させる、ことを特徴とする印刷装置。
【0016】
この適用例では、吸引により印刷媒体を吸着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態における液滴吐出装置の概略の構成を示す斜視図。
【図2】本実施形態における液滴吐出装置の概略の構成を示す斜視図。
【図3】本実施形態におけるキャリッジを図1中のA視方向に見たときの正面図。
【図4】本実施形態におけるヘッドユニットの底面図。
【図5】図3中のB−B線における断面図。
【図6】本実施形態におけるテーブル装置を図2中のC視方向に見たときの側面図。
【図7】本実施形態における液滴吐出装置の概略の構成を示すブロック図。
【図8】本実施形態における印刷処理の流れを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面を参照しながら、印刷装置の1つである液滴吐出装置を例に、実施形態について説明する。なお、各図面において、それぞれの構成を認識可能な程度の大きさにするために、構成や部材の縮尺が異なっていることがある。
【0019】
第1実施形態における液滴吐出装置1は、図1に示すように、送出装置3と、巻取装置5と、テーブル装置7と、キャリッジ9と、キャリッジ搬送装置11と、第1規制ローラー12aと、第2規制ローラー12bと、を有している。
キャリッジ9には、ヘッドユニット13と、2個の照射装置15と、が設けられている。
液滴吐出装置1では、ヘッドユニット13と記録シートWとの平面視での相対位置を変化させつつ、ヘッドユニット13から液状体を液滴として吐出させることによって、記録シートWに液状体で所望の印刷パターンを印刷することができる。なお、図中のY方向は記録シートWの送り方向を示し、X方向は平面視でY方向とは直交する方向を示している。また、X方向及びY方向によって規定されるXY平面と直交する方向は、Z方向として規定される。
【0020】
記録シートWは、ロール19aとして液滴吐出装置1にセットされる。ロール19aには、印刷する前の記録シートWが巻き取られている。記録シートWは、送出装置3によって、ロール19aから巻きほどかれてから、ヘッドユニット13に対向しつつ、Y方向に沿って巻取装置5側に向かって送り出される。
液状体で印刷パターンが印刷された記録シートWは、搬送方向であるY方向においてヘッドユニット13よりも下流側で、巻取装置5によってロール19bとして巻き取られる。
このように、液滴吐出装置1では、ロールトゥロールの形態で記録シートWに印刷を行うことができる。
【0021】
送出装置3は、送出ローラー21と、送出モーター23と、を有している。
また、巻取装置5は、巻取ローラー25と、巻取モーター27と、を有している。
送出ローラー21及び巻取ローラー25は、図2に示すように、それぞれ、X方向に延在している。送出ローラー21及び巻取ローラー25は、Y方向に互いに間隔をあけた状態で並んでいる。送出ローラー21及び巻取ローラー25は、それぞれ、回転可能に構成されている。
上述したロール19aは、送出ローラー21にセットされる。また、印刷パターンが印刷された記録シートWは、巻取ローラー25によってロール19bとして巻き取られる。記録シートW(図1)は、搬送経路28に沿ってY方向に送られる。
送出モーター23は、送出ローラー21を回転駆動するための動力を発生する。送出モーター23からの動力は、動力伝達機構29aを介して送出ローラー21に伝達される。
巻取モーター27は、巻取ローラー25を回転駆動するための動力を発生する。巻取モーター27からの動力は、動力伝達機構29bを介して巻取ローラー25に伝達される。
【0022】
テーブル装置7は、図2に示すように、平面視で送出ローラー21と巻取ローラー25との間に設けられている。テーブル装置7は、平面視で搬送経路28に重なる位置に設けられている。
テーブル装置7は、搬送経路28のヘッドユニット13側とは反対側(本実施形態では下側)に設けられている。テーブル装置7は、ヘッドユニット13側に向けられた載置面7aを有している。
テーブル装置7は、載置面7aで記録シートWを下側から支えることによって、記録シートWの平坦性を維持させる。
【0023】
ヘッドユニット13は、キャリッジ9を図1中のA視方向に見たときの正面図である図3に示すように、ヘッドプレート31と、吐出ヘッド33と、を有している。
吐出ヘッド33は、底面図である図4に示すように、ノズル面35を有している。ノズル面35には、複数のノズル37が形成されている。なお、図4では、ノズル37をわかりやすく示すため、ノズル37が誇張され、且つノズル37の個数が減じられている。
吐出ヘッド33において、複数のノズル37は、Y方向に沿って配列する12本のノズル列39を構成している。12本のノズル列39は、X方向に互いに隙間をあけた状態で並んでいる。各ノズル列39において、複数のノズル37は、Y方向に沿って所定のノズル間隔Pで形成されている。
【0024】
以下において、12本のノズル列39のそれぞれが識別される場合に、ノズル列39a、ノズル列39b、ノズル列39c、ノズル列39d、ノズル列39e、ノズル列39f、ノズル列39g、ノズル列39h、ノズル列39i、ノズル列39j、ノズル列39k、及びノズル列39mという表記が用いられる。
吐出ヘッド33において、ノズル列39aとノズル列39bとは、互いにY方向にP/2の距離だけずれている。ノズル列39c及びノズル列39dも、互いにY方向にP/2の距離だけずれている。同様に、ノズル列39e及びノズル列39fも、互いにY方向にP/2の距離だけずれており、ノズル列39g及びノズル列39hも、互いにY方向にP/2の距離だけずれている。同様に、ノズル列39i及びノズル列39jも、互いにY方向にP/2の距離だけずれており、ノズル列39k及びノズル列39mも、互いにY方向にP/2の距離だけずれている。
【0025】
吐出ヘッド33は、図3中のB−B線における断面図である図5に示すように、ノズルプレート46と、キャビティープレート47と、振動板48と、複数の圧電素子49と、を有している。
ノズルプレート46は、ノズル面35を有している。複数のノズル37は、ノズルプレート46に設けられている。
キャビティープレート47は、ノズルプレート46のノズル面35とは反対側の面に設けられている。キャビティープレート47には、複数のキャビティー51が形成されている。各キャビティー51は、各ノズル37に対応して設けられており、対応する各ノズル37に連通している。各キャビティー51には、図示しないタンクから機能液53が供給される。
【0026】
振動板48は、キャビティープレート47のノズルプレート46側とは反対側の面に設けられている。振動板48は、Z方向に振動(縦振動)することによって、キャビティー51内の容積を拡大したり、縮小したりする。
複数の圧電素子49は、それぞれ、振動板48のキャビティープレート47側とは反対側の面に設けられている。各圧電素子49は、各キャビティー51に対応して設けられており、振動板48を挟んで各キャビティー51に対向している。各圧電素子49は、駆動信号に基づいて、伸張する。これにより、振動板48がキャビティー51内の容積を縮小させる。このとき、キャビティー51内の機能液53に圧力が付与される。その結果、ノズル37から、機能液53が液滴55として吐出される。吐出ヘッド33による液滴55の吐出法は、インクジェット法の1つである。インクジェット法は、塗布法の1つである。
【0027】
上記の構成を有する吐出ヘッド33は、図3に示すように、ノズル面35がヘッドプレート31から突出した状態で、ヘッドプレート31に支持されている。
キャリッジ9は、図3に示すように、ヘッドユニット13を支持している。ここで、ヘッドユニット13は、ノズル面35がZ方向の下方に向けられた状態でキャリッジ9に支持されている。
なお、本実施形態では、縦振動型の圧電素子49が採用されているが、機能液53に圧力を付与するための加圧手段は、これに限定されず、例えば、下電極と圧電体層と上電極とを積層形成した撓み変形型の圧電素子も採用され得る。また、加圧手段としては、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズルから液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーターなども採用され得る。さらに、発熱体を用いてノズル内に泡を発生させ、その泡によって機能液53に圧力を付与する構成も採用され得る。
【0028】
本実施形態では、機能液53として、光の照射を受けることによって硬化が促進する機能液53が採用されている。本実施形態では、機能液53の硬化を促進させる光として図3に示す紫外光57が採用されている。
機能液53は、樹脂材料、光重合開始剤及び溶媒などを、成分として含んでいる。これらの成分に、顔料や染料等の色素や、親液性や撥液性等の表面改質材料などの機能性材料を添加することによって固有の機能を有する機能液53を生成することができる。顔料や染料等の色素を含有する機能液53は、例えば、記録シートWに印刷する画像を形成するための機能液53として採用され得る。以下において、記録シートWに印刷する画像を形成するための機能液53は、画像塗料と呼ばれる。
【0029】
また、機能液53の成分としての樹脂材料に、例えば、アクリル系の樹脂材料などの光透過性を有する樹脂材料を採用することによって、光透過性を有する機能液53を構成することができる。このような光透過性を有する機能液53は、例えば、クリアインクとしての用途が考えられる。以下において、光透過性を有する機能液53は、透光塗料と呼ばれる。
クリアインクの用途としては、例えば、画像を被覆するオーバーコート層としての用途や、画像を形成する前の下地層としての用途などが考えられる。以下において、下地層として適用される機能液53は、下地塗料と呼ばれる。
下地塗料としては、透光塗料だけでなく、透光塗料に種々の顔料を添加した機能液53を採用することもできる。
機能液53における樹脂材料は、樹脂膜を形成する材料である。このような樹脂材料としては、常温で液状であり、重合させることによってポリマーとなる材料であれば特に限定されない。樹脂材料としては、粘性が小さいものが好ましく、オリゴマーの形態であるのが好ましい。さらに、樹脂材料としては、モノマーの形態であることが一層好ましい。
光重合開始剤は、ポリマーの架橋性基に作用して架橋反応を進行させる添加剤である。光重合開始剤としては、例えば、ベンジルジメチルケタールなどが採用され得る。本実施形態では、光重合開始剤として、ラジカル型の光重合開始剤が採用されている。ラジカル型の光重合開始剤としては、例えば、チバ・ジャパン(株)社製のイルガキュア819などが採用され得る。
溶媒は、樹脂材料の粘度を調整するためのものである。
【0030】
本実施形態では、機能液53として、相互に色が異なる5種類の画像塗料と、1種類の透光塗料とが採用されている。5種類の画像塗料において、相互に異なる色は、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)及びホワイト(W)である。
なお、以下において、5種類の機能液53を色ごとに識別する場合に、機能液53Y、機能液53M、機能液53C、機能液53K、及び機能液53Wという表記が用いられる。また、透光塗料に対応する機能液53は、機能液53Tという表記が用いられる。
本実施形態では、異なる5色の画像塗料(機能液53)が採用されているので、画像におけるカラー表示が実現され得る。
吐出ヘッド33において、前述した12本のノズル列39(図4)は、機能液53の色ごとに区分されている。本実施形態では、ノズル列39a及びノズル列39bに属するノズル37は、機能液53Kを液滴55として吐出する。ノズル列39c及びノズル列39dに属するノズル37は、機能液53Cを液滴55として吐出する。ノズル列39e及びノズル列39fに属するノズル37は、機能液53Mを液滴55として吐出する。ノズル列39g及びノズル列39hに属するノズル37は、機能液53Yを液滴55として吐出する。ノズル列39i及びノズル列39jに属するノズル37は、機能液53Wを液滴55として吐出する。ノズル列39k及びノズル列39mに属するノズル37は、機能液53Tを液滴55として吐出する。
【0031】
2個の照射装置15は、図3に示すように、それぞれ、X方向にヘッドユニット13を挟んで互いに対峙する位置に設けられている。以下において、2個の照射装置15のそれぞれを識別する場合に、照射装置15a及び照射装置15bという表記が用いられる。
照射装置15a及び照射装置15bは、それぞれ、紫外光57を発する光源59を有している。光源59からの紫外光57は、吐出ヘッド33から吐出された機能液53の硬化を促進させる。機能液53は、紫外光57の照射を受けると、硬化が促進する。
光源59としては、例えば、LED、LD、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマランプ等の種々の光源59が採用され得る。
【0032】
キャリッジ搬送装置11は、図2に示すように、架台61と、ガイドレール63と、を有している。
架台61は、X方向に延在しており、テーブル装置7及び搬送経路28をX方向にまたいでいる。架台61は、搬送経路28を挟んでテーブル装置7に対峙しており、搬送経路28を挟んで載置面7aに対向している。架台61は、支柱67aと支柱67bとによって支持されている。支柱67a及び支柱67bは、平面視で搬送経路28を挟んでX方向に互いに対峙する位置に設けられている。支柱67a及び支柱67bは、それぞれ、テーブル装置7の載置面7aよりもZ方向の上方に突出している。これにより、架台61とテーブル装置7との間には、隙間が保たれている。
【0033】
ガイドレール63は、架台61のテーブル装置7側に設けられている。ガイドレール63は、X方向に沿って延在しており、架台61のX方向における幅にわたって設けられている。
前述したキャリッジ9は、ガイドレール63に支持されている。キャリッジ9がガイドレール63に支持された状態において、吐出ヘッド33のノズル面35は、Z方向においてテーブル装置7側に向いている。キャリッジ9は、ガイドレール63によってX方向に沿って案内され、X方向に往復動可能な状態でガイドレール63に支持されている。なお、平面視で、キャリッジ9がテーブル装置7に重なっている状態において、ノズル面35とテーブル装置7の載置面7aとは、互いに隙間を保った状態で対向する。
【0034】
キャリッジ9は、図示しない移動機構及び動力源によって、X方向に往復動可能に構成されている。移動機構としては、例えば、ボールねじとボールナットとを組み合わせた機構や、リニアガイド機構などが採用され得る。また、本実施形態では、キャリッジ9をX方向に沿って移動させるための動力源として、後述するキャリッジ搬送モーターが採用されている。キャリッジ搬送モーターとしては、ステッピングモーター、サーボモーター、リニアモーターなどの種々のモーターが採用され得る。
キャリッジ搬送モーターからの動力は、移動機構を介してキャリッジ9に伝達される。これにより、キャリッジ9は、ガイドレール63に沿って、すなわちX方向に沿って往復移動することができる。つまり、キャリッジ搬送装置11は、キャリッジ9に支持されたヘッドユニット13を、X方向に沿って往復移動させることができる。
【0035】
第1規制ローラー12aは、図2に示すように、記録シートWの搬送方向であるY方向において、ヘッドユニット13よりも上流側に設けられている。
また、第2規制ローラー12bは、記録シートWの搬送方向であるY方向において、ヘッドユニット13よりも下流側に設けられている。第1規制ローラー12a及び第2規制ローラー12bは、それぞれ、X方向に沿って延在している。
第1規制ローラー12a及び第2規制ローラー12bは、それぞれ、図1に示すように、Z方向において、記録シートWのテーブル装置7側とは反対側、すなわち記録シートWのヘッドユニット13側に設けられている。第1規制ローラー12a及び第2規制ローラー12bは、それぞれ、記録シートWを挟んでテーブル装置7に対向する位置に設けられている。
第1規制ローラー12a及び第2規制ローラー12bは、それぞれ、外周が記録シートWに接した状態で回転可能に構成されている。記録シートWは、第1規制ローラー12a及び第2規制ローラー12bのそれぞれと、テーブル装置7とによって挟持された状態で搬送される。
【0036】
ここで、テーブル装置7の構成について詳細を説明する。
テーブル装置7は、テーブル装置7を図2中のC視方向に見たときの側面図である図6に示すように、第1ローラー71aと、第2ローラー71bと、サクションベルト73と、サクションボックス75と、駆動モーター77と、吸引装置78と、を有している。
第1ローラー71aは、記録シートWの搬送方向であるY方向において、吐出ヘッド33よりも上流側に設けられている。また、第2ローラー71bは、記録シートWの搬送方向であるY方向において、吐出ヘッド33よりも下流側に設けられている。つまり、第1ローラー71a及び第2ローラー71bは、XY平面に対する平面視で、Y方向に吐出ヘッド33を挟んで互いに対峙する位置に設けられている。これらの第1ローラー71a及び第2ローラー71bは、それぞれ、X方向に沿って延在している。
【0037】
サクションベルト73は、無端ベルトで構成されており、第1ローラー71aと第2ローラー71bとに架け渡されている。サクションベルト73には、外周と内周との間を貫通する複数のサクション孔(図示せず)が設けられている。
サクションボックス75は、第1ローラー71aと第2ローラー71bとの間に設けられており、且つサクションベルト73の内側に納められている。サクションボックス75には、記録シートW側に天板部75aが設けられている。天板部75aには、サクションボックス75の内側と外側との間を貫通する複数のサクション孔75bが設けられている。
【0038】
サクションボックス75の内部の圧力状態は、例えば吸引ファンや吸引ポンプなどの吸引装置78によって、大気圧よりも低い気圧に減圧された状態(以下、減圧状態と呼ぶ)に保たれる。これにより、サクションボックス75の外側の大気が、サクション孔75bからサクションボックス75の内部に吸引される。この結果、サクションベルト73に載置された記録シートWには、サクションベルト73のサクション孔(図示せず)を介して、サクションベルト73への吸着力が作用する。これにより、記録シートWを、テーブル装置7に吸着保持することができる。
【0039】
テーブル装置7は、Z方向に昇降可能に構成されており、付勢部材81によって、吐出ヘッド33側に付勢されている。テーブル装置7の上昇位置は、第1規制ローラー12a及び第2規制ローラー12bによって規制される。このため、テーブル装置7に吸着保持された記録シートWは、テーブル装置7と第1規制ローラー12a及び第2規制ローラー12bとによって挟持される。
駆動モーター77は、第2ローラー71bを回転駆動するための動力を発生する。駆動モーター77からの動力は、動力伝達機構79を介して第2ローラー71bに伝達される。これにより、テーブル装置7と第1規制ローラー12a及び第2規制ローラー12bとによって挟持された記録シートWが、搬送方向であるY方向に搬送され得る。
【0040】
液滴吐出装置1は、図7に示すように、上記の各構成の動作を制御する制御部111を有している。制御部111は、CPU(Central Processing Unit)113と、駆動制御部115と、メモリー部117と、を有している。駆動制御部115及びメモリー部117は、バス119を介してCPU113に接続されている。
また、液滴吐出装置1は、キャリッジ搬送モーター121と、入力装置129と、表示装置131と、を有している。
キャリッジ搬送モーター121、入力装置129、及び表示装置131は、それぞれ、入出力インターフェイス133とバス119とを介して制御部111に接続されている。
【0041】
キャリッジ搬送モーター121は、キャリッジ9を駆動するための動力を発生させる。
入力装置129は、各種の加工条件を入力する装置である。
表示装置131は、加工条件や、作業状況を表示する装置である。
液滴吐出装置1を操作するオペレーターは、表示装置131に表示される情報を確認しながら、入力装置129を介して種々の情報を入力することができる。
なお、送出モーター23、巻取モーター27、駆動モーター77、吐出ヘッド33、2個の照射装置15、及び吸引装置78も、それぞれ、入出力インターフェイス133とバス119とを介して制御部111に接続されている。
【0042】
CPU113は、プロセッサーとして各種の演算処理を行う。駆動制御部115は、各構成の駆動を制御する。メモリー部117は、RAM(Random Access Memory)や、ROM(Read Only Memory)などを含んでいる。メモリー部117には、液滴吐出装置1における動作の制御手順が記述されたプログラムソフト135を記憶する領域や、各種のデータを一時的に展開する領域であるデータ展開部137などが設定されている。データ展開部137に展開されるデータとしては、例えば、印刷すべきパターンが示される印刷データや、印刷処理等のプログラムデータなどが挙げられる。
駆動制御部115は、モーター制御部141と、吐出制御部145と、照射制御部147と、吸引制御部149と、表示制御部153と、を有している。
【0043】
モーター制御部141は、CPU113からの指令に基づいて、送出モーター23の駆動と、巻取モーター27の駆動と、駆動モーター77の駆動と、キャリッジ搬送モーター121の駆動と、を個別に制御する。
吐出制御部145は、CPU113からの指令に基づいて、吐出ヘッド33の駆動を制御する。
照射制御部147は、CPU113からの指令に基づいて、照射装置15a及び照射装置15bのそれぞれにおける光源59の発光状態を個別に制御する。
吸引制御部149は、CPU113からの指令に基づいて、吸引装置78の駆動を制御する。
表示制御部153は、CPU113からの指令に基づいて、表示装置131の駆動を制御する。
【0044】
ここで、液滴吐出装置1における印刷処理について説明する。
液滴吐出装置1では、制御部111が入力装置129から入出力インターフェイス133及びバス119を介して印刷データを受け取ると、CPU113によって図8に示す印刷処理が開始される。
ここで、印刷データは、機能液53(液状体)で記録シートWに印刷すべきパターンを指示するものであり、印刷すべきパターンがビットマップ状に表現されている。記録シートWへのパターンの印刷は、吐出ヘッド33を記録シートWに対向させた状態で、吐出ヘッド33を記録シートWに対して相対的に往復移動させながら、吐出ヘッド33から液滴55を所定周期で吐出させることによって行われる。
【0045】
印刷処理では、CPU113は、まず、ステップS1において、キャリッジ搬送指令をモーター制御部141(図7)に出力する。このとき、モーター制御部141は、キャリッジ搬送モーター121の駆動を制御して、キャリッジ9を印刷エリアの往路開始位置に移動させる。ここで、印刷エリアは、平面視で、図2に示すテーブル装置7の載置面7aと、吐出ヘッド33によってX方向に沿って描かれる軌跡とが重なり合う領域である。往路開始位置は、キャリッジ9を往復移動させるときの往路が開始する位置である。本実施形態では、往路開始位置は、X方向において、テーブル装置7の支柱67a側に位置している。往路開始位置は、平面視で、テーブル装置7の外側に位置している。
【0046】
次いで、ステップS2において、CPU113は、シート搬送指令をモーター制御部141(図7)に出力する。このとき、モーター制御部141は、巻取モーター27の駆動と、送出モーター23の駆動と、駆動モーター77の駆動とを制御して、記録シートWの印刷すべき領域を印刷エリアに移動させる。このとき、モーター制御部141は、巻取モーター27及び送出モーター23を、それぞれ、記録シートWを送出装置3(図1)から巻取装置5側に向けて搬送する向きに駆動させる。また、モーター制御部141は、駆動モーター77を、巻取装置5の動作に連動させて駆動させる。これにより、巻取装置5による記録シートWの搬送と、テーブル装置7による記録シートWの搬送とを連動させることができる。
【0047】
次いで、ステップS3において、CPU113は、送出モーター23と駆動モーター77とに対する静止指令をモーター制御部141(図7)に出力する。このとき、モーター制御部141は、送出モーター23の駆動と、駆動モーター77の駆動とを制御して、送出モーター23と駆動モーター77とを静止させる。
このとき、送出モーター23は、電気的に静止した状態、すなわちブレーキがかかった状態に制御される。また、このとき、駆動モーター77には、電力の供給が停止される。このため、駆動モーター77は、空転可能な状態になる。
他方で、巻取モーター27は、駆動された状態が維持されている。このため、記録シートWは、搬送が停止し、且つY方向に互いに遠ざかる向きに引っ張られる。これにより、記録シートWには、Y方向に沿って張力が付与される。
次いで、ステップS4において、CPU113は、吸引指令を吸引制御部149(図7)に出力する。このとき、吸引制御部149は、吸引装置78の駆動を制御して、吸引装置78を作動させる。これにより、テーブル装置7に記録シートWが吸着する。
【0048】
次いで、ステップS5において、CPU113は、キャリッジ走査指令をモーター制御部141(図7)に出力する。このとき、モーター制御部141は、キャリッジ搬送モーター121の駆動を制御して、キャリッジ9の往復移動を開始させる。
ここで、キャリッジ9の往復移動では、キャリッジ9は、上述した往路開始位置と復路開始位置との間を往復移動する。つまり、往路開始位置から復路開始位置で折り返して往路開始位置に戻る経路がキャリッジ9の1往復である。このため、本実施形態では、往路開始位置から復路開始位置に向かう経路がキャリッジ9の往路である。他方で、復路開始位置から往路開始位置に向かう経路がキャリッジ9の復路である。
なお、復路開始位置は、X方向にテーブル装置7(図2)を挟んで往路開始位置に対峙する位置である。復路開始位置は、平面視で、テーブル装置7の外側に位置している。このため、往路開始位置と復路開始位置とは、平面視で、テーブル装置7をX方向に挟んで互いに対峙している。
次いで、ステップS6において、CPU113は、照射装置15aに対する照射指令を照射制御部147(図7)に出力する。このとき、照射制御部147は、照射装置15aの光源59の駆動を制御して、照射装置15aの光源59を点灯させる。
【0049】
次いで、ステップS7において、CPU113は、吐出指令を吐出制御部145(図7)に出力する。このとき、吐出制御部145は、吐出ヘッド33の駆動を制御して、印刷データに基づいて、各ノズル37から液滴55を吐出させる。これにより、往路での印刷が行われる。
次いで、ステップS8において、CPU113は、キャリッジ9の位置が復路開始位置に到達したか否かを判定する。このとき、キャリッジ9の位置が復路開始位置に到達した(Yes)と判定されると、処理がステップS9に移行する。他方で、キャリッジ9の位置が復路開始位置に到達していない(No)と判定されると、キャリッジ9の位置が復路開始位置に到達するまで処理が待機される。
【0050】
ステップS9において、CPU113は、吐出停止指令を吐出制御部145(図7)に出力する。このとき、吐出制御部145は、吐出ヘッド33の駆動を停止して、各ノズル37からの液滴55の吐出を停止させる。これにより、往路での印刷が終了する。
次いで、ステップS10において、CPU113は、照射装置15aに対する停止指令を照射制御部147(図7)に出力する。このとき、照射制御部147は、照射装置15aの光源59の駆動を制御して、照射装置15aの光源59を消灯させる。
次いで、ステップS11において、CPU113は、吸引解除指令を吸引制御部149(図7)に出力する。このとき、吸引制御部149は、吸引装置78を停止させる。これにより、テーブル装置7への記録シートWの吸着が解除される。
【0051】
次いで、ステップS12において、CPU113は、シート搬送指令をモーター制御部141(図7)に出力する。このとき、モーター制御部141は、巻取モーター27の駆動と、送出モーター23の駆動と、駆動モーター77の駆動とを制御して、記録シートWの新たに印刷すべき領域を印刷エリアに移動させる。このとき、モーター制御部141は、巻取モーター27及び送出モーター23を、それぞれ、記録シートWを送出装置3(図1)から巻取装置5側に向けて搬送する向きに駆動させる。また、モーター制御部141は、駆動モーター77を、巻取装置5の動作に連動させて駆動させる。これにより、巻取装置5による記録シートWの搬送と、テーブル装置7による記録シートWの搬送とを連動させることができる。
【0052】
次いで、ステップS13において、CPU113は、送出モーター23と駆動モーター77とに対する静止指令をモーター制御部141(図7)に出力する。このとき、モーター制御部141は、送出モーター23の駆動と、駆動モーター77の駆動とを制御して、送出モーター23と駆動モーター77とを静止させる。
このとき、ステップS3のときと同様に、記録シートWは、搬送が停止し、且つY方向に互いに遠ざかる向きに引っ張られる。これにより、記録シートWには、Y方向に沿って張力が付与される。
次いで、ステップS14において、CPU113は、吸引指令を吸引制御部149(図7)に出力する。このとき、吸引制御部149は、吸引装置78の駆動を制御して、吸引装置78を作動させる。これにより、テーブル装置7に記録シートWが吸着する。
【0053】
次いで、ステップS15において、CPU113は、照射装置15bに対する照射指令を照射制御部147(図7)に出力する。このとき、照射制御部147は、照射装置15bの光源59の駆動を制御して、照射装置15bの光源59を点灯させる。
次いで、ステップS16において、CPU113は、吐出指令を吐出制御部145(図7)に出力する。このとき、吐出制御部145は、吐出ヘッド33の駆動を制御して、印刷データに基づいて、各ノズル37から液滴55を吐出させる。これにより、復路での印刷が行われる。
次いで、ステップS17において、CPU113は、キャリッジ9の位置が往路開始位置に到達したか否かを判定する。このとき、キャリッジ9の位置が往路開始位置に到達した(Yes)と判定されると、処理がステップS18に移行する。他方で、キャリッジ9の位置が往路開始位置に到達していない(No)と判定されると、キャリッジ9の位置が往路開始位置に到達するまで処理が待機される。
【0054】
ステップS18において、CPU113は、吐出停止指令を吐出制御部145(図7)に出力する。このとき、吐出制御部145は、吐出ヘッド33の駆動を停止して、各ノズル37からの液滴55の吐出を停止させる。これにより、復路での印刷が終了する。
次いで、ステップS19において、CPU113は、照射装置15bに対する停止指令を照射制御部147(図7)に出力する。このとき、照射制御部147は、照射装置15bの光源59の駆動を制御して、照射装置15bの光源59を消灯させる。
次いで、ステップS20において、CPU113は、吸引解除指令を吸引制御部149(図7)に出力する。このとき、吸引制御部149は、吸引装置78を停止させる。これにより、テーブル装置7への記録シートWの吸着が解除される。
次いで、ステップS21において、CPU113は、印刷データが終了したか否かを判定する。このとき、印刷データが終了した(Yes)と判定されると、処理が終了する。他方で、印刷データが終了していない(No)と判定されると、処理がステップS2に移行する。
【0055】
本実施形態において、記録シートWが印刷媒体に対応し、吐出ヘッド33が印刷ヘッドに対応し、第1規制ローラー12aが第1規制部材に対応し、第2規制ローラー12bが第2規制部材に対応し、テーブル装置7が支持装置に対応し、サクションベルト73がベルトに対応し、サクションボックス75が吸着装置に対応している。
本実施形態では、テーブル装置7は、記録シートWをZ方向の下方から支持した状態で、付勢部材81によって吐出ヘッド33側に向かって付勢される。この状態において、記録シートWは、第1規制ローラー12aと第2規制ローラー12bとによって、Z方向の高さ位置が規制される。この結果、吐出ヘッド33と記録シートWとの間のギャップを、記録シートWの厚みによらずに、一定に保ちやすくすることができる。これにより、液滴吐出装置1における印刷品位を向上させやすくすることができる。
【0056】
また、本実施形態では、第1規制ローラー12a及び第2規制ローラー12bが、それぞれ、記録シートWに接した状態で回転可能なローラーで構成されている。このため、第1規制ローラー12a及び第2規制ローラー12bと記録シートWとの間の摩擦力を軽減しやすくすることができる。これにより、液滴吐出装置1における印刷品位を一層向上させやすくすることができる。
また、本実施形態では、テーブル装置7は、記録シートWを支持した状態で回転可能なサクションベルト73を有している。このため、テーブル装置7と記録シートWとの間の摩擦力を軽減しやすくすることができる。これにより、液滴吐出装置1における印刷品位を一層向上させやすくすることができる。
また、本実施形態では、テーブル装置7は、サクションボックス75を有している。これにより、記録シートWをテーブル装置7に吸着保持させることができる。このため、吐出ヘッド33と記録シートWとの間のギャップを、一層一定に保ちやすくすることができる。この結果、液滴吐出装置1における印刷品位を一層向上させやすくすることができる。
【0057】
なお、本実施形態では、印刷処理のステップS3及びステップS13のそれぞれの処理において、送出モーター23を静止させる処理が採用されている。これにより、記録シートWに、Y方向に沿った張力が付与される。しかしながら、記録シートWへのY方向に沿った張力の付与方法は、これに限定されない。記録シートWへのY方向に沿った張力の付与方法としては、例えば、印刷処理のステップS3及びステップS13のそれぞれの処理において、送出モーター23の駆動方向を逆転させる方法も採用され得る。
また、本実施形態では、付勢部材81(図6)として、圧縮ばねが採用されているが、付勢部材81は、これに限定されない。付勢部材81としては、例えば、引張りばねも採用され得る。引張りばねの場合においても、テーブル装置7を吐出ヘッド33側に付勢する態様で付勢部材81が設けられる。
【0058】
また、本実施形態では、記録シートWに機能液53を塗布する方法として、塗布法の1つであるインクジェット法が採用されている。しかしながら、塗布法は、インクジェット法に限定されず、ディスペンス法なども採用され得る。しかしながら、インクジェット法を採用することは、記録シートWの任意の箇所に任意の量の機能液53を塗布しやすい点で好ましい。
また、本実施形態では、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック及びホワイトの5種類の画像塗料が採用されている。しかしながら、画像塗料の色は、これらの5種類に限定されない。画像塗料の色としては、例えば、これらの5種類にライトシアンやライトマゼンタなどを加えた7種類等、1種類以上の任意の種類の画像塗料が採用され得る。
また、本実施形態では、ヘッドユニット13と記録シートWとの平面視での相対位置を変化させつつ、ヘッドユニット13から液状体を液滴として吐出させることによって、記録シートWに液状体で所望の印刷パターンを印刷するシリアルヘッド型の液滴吐出装置を採用したが、ライン型のヘッドであって、記録シートWに対して位置を調整した状態で固定されたラインヘッドと、ラインヘッドの記録シートWの搬送経路28下流側に配置された照射装置と、を備えたラインヘッド型の液滴吐出装置の形態をとることもできる。
この実施形態によれば、記録シートWを停止することなく連続搬送しながら、ラインヘッドで機能液53を吐出させ、続けて照射装置で機能液53を硬化させることができる。
【符号の説明】
【0059】
1…液滴吐出装置、3…送出装置、5…巻取装置、7…テーブル装置、7a…載置面、12a…第1規制ローラー、12b…第2規制ローラー、13…ヘッドユニット、15a,15b…照射装置、19a,19b…ロール、28…搬送経路、33…吐出ヘッド、35…ノズル面、53…機能液、55…液滴、71a…第1ローラー、71b…第2ローラー、73…サクションベルト、75…サクションボックス、75a…天板部、75b…サクション孔、77…駆動モーター、78…吸引装置、79…動力伝達機構、81…付勢部材、W…記録シート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向に搬送される印刷媒体に対向した状態で前記印刷媒体に印刷を施す印刷ヘッドと、
前記印刷ヘッドよりも前記搬送方向の上流側で、前記印刷媒体の前記印刷ヘッド側に設けられ、前記印刷ヘッドと前記印刷媒体との間のギャップを規制する第1規制部材と、
前記印刷ヘッドよりも前記搬送方向の下流側で、前記印刷媒体の前記印刷ヘッド側に設けられ、前記印刷ヘッドと前記印刷媒体との間のギャップを規制する第2規制部材と、
前記印刷媒体の前記印刷ヘッド側とは反対側で前記印刷ヘッド、前記第1規制部材及び前記第2規制部材に対向する位置に設けられ、前記印刷媒体を前記印刷媒体の前記印刷ヘッド側とは反対側から支持する支持装置と、
前記支持装置を前記印刷ヘッド側に向かって付勢する付勢部材と、を有する、
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記第1規制部材及び前記第2規制部材は、前記印刷媒体に接した状態で回転可能なローラーで構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記支持装置は、前記印刷媒体を支持した状態で回転可能なベルトを有している、
ことを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記支持装置は、前記印刷媒体を吸着させる吸着装置を有している、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記吸着装置は、吸引により前記印刷媒体を吸着させる、
ことを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−116099(P2012−116099A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268093(P2010−268093)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】