説明

印刷装置

【課題】被記録媒体に画像を印刷する際の動作モードとして、第1の動作モードと当該第1の動作モードよりも低速でかつ騒音の小さい第2の動作モードとを有する印刷装置において、前記動作モードの設定を行うためのモード判定条件を使用者の要望に応じて設定可能とすること。
【解決手段】操作パネルの液晶ディスプレイ9Aに図4(A)の画面を表示して、NVRAMに記憶された図4(B)のテーブルを書き換えることにより、静音モードが設定されるモード判定条件を、印刷ジョブを受信するインタフェースがUSBであるかLANであるか、ジョブ属性がFAX,MAIL,PC−PRINT,COPY等のいずれであるか、印刷がなされる時間帯、等を組み合わせて要望に応じて設定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷ジョブに基づいて被記録媒体に画像を印刷する印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルコンピュータ(以下、パソコンという)等の外部装置から送信された印刷ジョブに基づいて用紙等の被記録媒体に画像を印刷するプリンタ等の印刷装置が提案されている。このような印刷装置は、印刷速度の高速化が要請されており、日進月歩で印刷速度が向上しているが、印刷速度の高速化に伴って騒音が発生するといった課題も生じている。そこで、深夜は低速でかつ騒音の小さい第2の動作モードで印刷を実行し、それ以外の時間帯では通常の第1の動作モードで印刷を実行する印刷装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−182190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、前記第1の動作モードと第2の動作モードとを単純に時間に応じて設定していては、使用者の要望に十分に応えられない場合がある。例えば、当該印刷装置がオフィスに置かれているのか家庭に置かれているのかによって使用者の要望は異なる。また、家庭に置かれている印刷装置であっても、その印刷装置が寝室の近くに置かれているのか否か、主としてパソコンからの印刷ジョブを印刷するために使用されるのか、海外の家族からFAXが届く場合が多いのか、などによっても使用者の要望は異なる。
【0005】
そこで、本発明は、被記録媒体に画像を印刷する際の動作モードとして、第1の動作モードと当該第1の動作モードよりも低速でかつ騒音の小さい第2の動作モードとを有する印刷装置において、前記動作モードの設定を行うためのモード判定条件を使用者の要望に応じて設定可能とすることを目的としてなされた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達するためになされた本発明の印刷装置は、印刷ジョブを取得可能な取得手段と、前記取得手段が取得した印刷ジョブに基づいて被記録媒体に画像を印刷する印刷手段とを備え、前記印刷手段が、第1の動作モードと、当該第1の動作モードよりも低速でかつ騒音の小さい第2の動作モードとを有し、いずれかの動作モードに基づいて、前記被記録媒体に画像を印刷する印刷装置であって、少なくとも2つの設定条件を有し、使用者の操作に基づいて少なくとも1つの前記設定条件をモード判定条件として設定するモード判定条件設定手段と、前記モード判定条件設定手段によって設定されたモード判定条件に応じて、前記印刷ジョブの動作モードを判定するモード判定手段と、前記モード判定手段によって判定された動作モードに基づいて、前記印刷手段の動作モードを設定するモード設定手段と、を備えたことを特徴とする印刷装置。
【0007】
このように構成された本発明の印刷装置では、取得手段が取得した印刷ジョブに基づいて、印刷手段が被記録媒体に画像を印刷する。また、印刷手段は、第1の動作モードと、当該第1の動作モードよりも低速でかつ騒音の小さい第2の動作モードとを有している。そこで、本発明では、少なくとも2つの設定条件を有するモード判定条件設定手段が、使用者の操作に基づいて少なくとも1つの前記設定条件をモード判定条件として設定し、そのモード判定条件に応じて、モード判定手段が印刷ジョブの動作モードを判定する。
【0008】
すると、モード設定手段は、モード判定手段によって判定された動作モードに基づいて、印刷手段の動作モードを設定し、印刷手段はその動作モードで前記印刷ジョブの印刷を実行する。
【0009】
このため、本発明では、前記動作モードの設定を行うためのモード判定条件を、2つ以上の設定条件をから使用者の要望に応じて設定することができ、被記録媒体に画像を印刷する際の動作モードを使用者の要望に良好に対応したものとすることができる。
【0010】
なお、前記モード判定条件設定手段は、前記設定条件として、前記取得手段の種類、前記取得手段に接続されていて前記印刷ジョブを送信する外部装置の数、前記印刷ジョブの種類、前記印刷手段による印刷を待つ印刷ジョブのページ数、前記印刷ジョブを記憶するメモリの空き容量、または、前記印刷手段が印刷を実行する時間帯のうち、少なくとも2つを有してもよい。モード判定条件を構成する設定条件として、前記各種条件のうちの少なくとも2つが使用者の要望に応じて設定可能な場合、被記録媒体に画像を印刷する際の動作モードを、使用者の要望に一層良好に対応したものとすることができる。
【0011】
また、前記モード判定手段は、前記取得手段が前記印刷ジョブを取得するたびに、当該印刷ジョブの動作モードを判定してもよい。その場合、印刷すべき新たな印刷ジョブが取得手段によって取得されるたびに、モード判定手段が印刷ジョブの動作モードを判定する。このため、新たな印刷ジョブの取得により設定すべき動作モードが変化した場合にも、良好に対応することができる。
【0012】
例えば、第2の動作モードでの印刷中に、第1の動作モードで印刷すべき印刷ジョブを取得した場合、その印刷ジョブの印刷時には第2の動作モードに比べて騒音の大きい第1の動作モードが設定されてしまう。この場合、現在印刷中の印刷ジョブに対して低速の第2の動作モードを継続するメリットが低下する。前記のように印刷ジョブを取得するたびに動作モードの判定を行えば、そのような場合には、同一の印刷ジョブの印刷中に動作モードを第2の動作モードから第1の動作モードに変更するなどの処理が可能となる。
【0013】
そして、その場合、前記モード判定手段は、前記印刷ジョブの動作モードが、第1の動作モードであると判断し、かつ、前記印刷手段が第2の動作モードで印刷を実行中の場合、使用者に第1の動作モードに変更することの可否を確認する確認手段を、更に備え、前記モード設定手段は、前記確認手段の確認に対して使用者により前記変更を許可された場合、前記印刷手段の動作モードを第1の動作モードに変更してもよい。
【0014】
すなわち、第2の動作モードによる印刷の実行中にも、前記モード判定手段による動作モードの判定が第1の動作モードに変更される場合がある。そのような場合に、動作モード設定手段が動作モードを変更する際、確認手段は使用者に第1の動作モードに変更することの可否を確認する。そして、その確認に対して使用者が前記変更を許可した場合、モード設定手段は、印刷手段の動作モードを第1の動作モードに変更する。従って、この場合、第2の動作モードによる印刷の実行中に、使用者の要望に反して動作モードが第1の動作モードに変更されるのを抑制することができる。
【0015】
また、前記取得手段が前記印刷ジョブを取得するたびに、前記モード判定手段が動作モードを判定する本発明の印刷装置において、前記印刷手段が第2の動作モードで印刷を実行しているときに前記取得手段が取得した印刷ジョブに対して、前記モード判定手段が第1の動作モードであると判断した場合、前記モード設定手段は、前記印刷手段の動作モードを第1の動作モードに変更してもよい。前述のように、第2の動作モードでの印刷中に第1の動作モードで印刷すべき印刷ジョブを取得した場合、その印刷ジョブの印刷時には第1の動作モードが設定されてしまうので低速の第2の動作モードを継続するメリットが低下する。そこで、このように、第2の動作モードで印刷を実行しているときに動作モードを第2の動作モードから第1の動作モードに変更すれば、全ての印刷ジョブを印刷し終えるまでには第1の動作モードに変更されてしまうにも拘わらず、無意味に第2の動作モードが続行されるのを抑制することができる。
【0016】
また、前記目的を達するためになされた本発明は、印刷ジョブを取得可能な取得手段と、前記取得手段が取得した印刷ジョブに基づいて被記録媒体に画像を印刷する印刷手段とを備え、前記印刷手段が、第1の動作モードと、当該第1の動作モードよりも低速でかつ騒音の小さい第2の動作モードとを有し、いずれかの動作モードに基づいて、前記被記録媒体に画像を印刷する印刷装置であって、前記取得手段の種類、前記取得手段に接続されていて前記印刷ジョブを送信する外部装置の数、前記印刷ジョブの種類、前記印刷手段による印刷を待つ印刷ジョブのページ数、前記印刷ジョブを記憶するメモリの空き容量のうちの少なくとも1つを、使用者の操作に基づいてモード判定条件として設定するモード判定条件設定手段と、前記モード判定条件設定手段によって設定されたモード判定条件に応じて、前記印刷ジョブの動作モードを判定するモード判定手段と、前記モード判定手段によって判定された動作モードに基づいて、前記印刷手段の動作モードを設定するモード設定手段と、を備えたことを特徴とするものであってもよい。
【0017】
このように構成された本発明の印刷装置では、取得手段が取得した印刷ジョブに基づいて、印刷手段が被記録媒体に画像を印刷する。また、印刷手段は、第1の動作モードと、当該第1の動作モードよりも低速でかつ騒音の小さい第2の動作モードとを有している。そこで、本発明では、モード判定条件設定手段が、前記取得手段の種類、前記取得手段に接続されていて前記印刷ジョブを送信する外部装置の数、前記印刷ジョブの種類、前記印刷手段による印刷を待つ印刷ジョブのページ数、前記印刷ジョブを記憶するメモリの空き容量のうちの少なくとも1つの設定条件を、使用者の操作に基づいてモード判定条件として設定する。
【0018】
すると、そのモード判定条件に応じて、モード判定手段が前記印刷ジョブの動作モードを判定し、その判定された動作モードに基づいてモード設定手段が印刷手段の動作モードを設定し、印刷手段はその動作モードで前記印刷ジョブの印刷を実行する。
【0019】
このため、本発明では、前記動作モードの設定を行うためのモード判定条件を、時間以外の設定条件を用いて使用者の要望に応じて設定することができ、被記録媒体に画像を印刷する際の動作モードを使用者の要望に良好に対応したものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明が適用された印刷システムの構成を表す外観図である。
【図2】その印刷システムにおける制御系の構成を表すブロック図である。
【図3】その制御系の複合機におけるジョブ受信処理を表すフローチャートである。
【図4】その複合機における静音印刷設定画面(A)、及び、それに関連して設定されるテーブル(B)を表す説明図である。
【図5】前記複合機における印刷処理を表すフローチャートである。
【図6】その複合機における割込処理を表すフローチャートである。
【図7】前記印刷処理の変形例を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[実施の形態の全体構成]
次に、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明が適用された印刷システムの構成を表す外観図である。図1に示すように、本実施の形態の印刷システムは、印刷装置の一例としての複合機1と、その複合機1にLAN等のネットワークWを介して接続された外部装置の一例としてのパーソナルコンピュータ(以下、単にパソコンという)300とから構成されている。なお、ネットワークWには、複合機1以外にも他の複合機またはプリンタが接続されていてもよく、パソコン300は複数接続されていてもよい。また、パソコン300と複合機1とは、後述のようにUSBケーブル等を介して1対1で接続されていてもよい。
【0022】
図1に示すように、複合機1は、画像が形成される被記録媒体の一例としての用紙(図示省略)を給紙する用紙トレー2と、用紙トレー2から供給された用紙に画像を形成する本体3と、本体3の上面を完全に覆うように、本体3に開閉可能に支持された本体カバー4と、を備えている。
【0023】
本体3は、原稿(図示省略)に記載された画像を読み取る原稿読取部5(図2参照)と、用紙トレー2から供給された用紙に画像を形成する印刷手段の一例としての画像形成部6(図2参照)とを内部に備えている。原稿読取部5は、本体カバー4の下方に設けられたカバーガラス(図示省略)の上に載置された原稿、または、原稿自動搬送装置7によって搬送される原稿の画像を、イメージセンサ等によって読み取る周知のものである。また、画像形成部6は、イエロー,マゼンタ,シアン,及びブラックのトナーにて電子写真方式によって画像を形成する周知のプリンタエンジンとして構成され、前記用紙に1枚ずつ画像を印刷して用紙排出部8から排出する。更に、本体3の上面には、液晶ディスプレイ9A及び各種キーを備え、各種設定や指示を行うための操作パネル9が設けられている。
【0024】
図2は、この印刷システムにおける制御系の構成を表すブロック図である。図2に示すように、パソコン300のパソコン本体310は、CPU311、ROM312、RAM313、及び、ハードディスク装置(HDD)314を備えている。そして、このパソコン本体310には、CRT等のディスプレイ320、キーボード330、マウス340が接続されている(いずれも図1参照)。更に、パソコン本体310には、USBメモリやUSBケーブル(いずれも図示省略)を接続可能なUSBポート350(図1参照)や、前述のネットワークWと接続するためのネットワークポートインタフェース(ネットワークポートI/F)360も設けられている。
【0025】
複合機1には、前述の原稿読取部5,画像形成部6等を制御する制御部10が設けられ、この制御部10は、CPU10A,ROM10B,RAM10Cを備えたマイクロコンピュータとして構成されている。また、制御部10は、電源スイッチが切られても記憶内容が消えないようにされたNVRAM10Dも備えている。更に、この制御部10には、前述の原稿読取部5,画像形成部6,操作パネル9の他、ネットワークWを介してパソコン300と接続するためのネットワークポートインタフェース(ネットワークポートI/F)11,前記USBメモリやUSBケーブルと接続可能なUSBポート13,電話回線に接続するためのファクシミリインタフェース(ファクシミリI/F)15などが接続されている。このため、パソコン300と複合機1とは、USBポート350,13にUSBケーブルの両端をそれぞれ接続することによって互いに接続されてもよい。
【0026】
なお、前記した複合機1において、原稿読取部5,ネットワークポートインタフェース11,USBポート13,ファクシミリインタフェース15が、それぞれ取得手段に相当する。
【0027】
[実施の形態1における制御]
次に、複合機1の制御部10が実行する処理について説明する。図3は、複合機1の電源投入時にCPU10AがROM10Bに記憶されたプログラムに基づいて開始するジョブ受信処理を表すフローチャートである。
【0028】
図3に示すように、この処理では、先ず、S1(Sはステップを表す:以下同様)にて、印刷ジョブが受信されたか否かが判断される。印刷ジョブが受信されていない場合は(S1:N)、処理はそのままS1にて待機し、印刷ジョブが受信されると(S1:Y)、処理はS3へ移行する。S3では、RAM10Cの所定領域(以下、単にメモリという)に当該印刷ジョブのデータが記憶され、続くS5(モード判定手段の一例)では、その印刷ジョブに対応する動作モードが判定されて、その動作モードが当該印刷ジョブのデータと共に前記メモリに記憶される。
【0029】
ここで、複合機1の画像形成部6は、その画像形成部6を駆動するモータ(図示省略)の速度を複数の段階に切替可能に構成されるなどして、通常印刷時に使用される高速モード(第1の動作モードの一例)と、その高速モードよりも低速でかつ騒音の小さい静音モード(第2の動作モードの一例)とを有している。なお、これらの動作モードにおけるモータ制御等については、周知であるのでここでは詳述しない。
【0030】
複合機1では、図4(A)に例示するような静音印刷設定画面を液晶ディスプレイ9Aに表示することにより、どのような条件(モード判定条件の一例)のときに静音モードによる印刷を行うかを使用者が設定することができる。なお、この静音印刷設定画面は、操作パネル9に対して使用者が所定のキー入力を行ったときに液晶ディスプレイ9Aに表示される。
【0031】
図4(A)に示すように、この静音印刷設定画面は、インタフェース設定部91と、ジョブ属性設定部92と、時間帯設定部93と、ログインユーザ数設定部94と、印刷枚数設定部95と、メモリ状況設定部96とを備えている。操作パネル9のカーソルキー9B(図1参照)のうち、上下キーを押下することでカーソルを各設定部91〜96に移動させることができ、そのカーソルキー9Bの左右キーを押下することで各設定部91〜96のチェックボックスにカーソルを移動させることができる。
【0032】
そして、インタフェース設定部91,ジョブ属性設定部92,メモリ状況設定部96については、操作パネル9のOKキー9C(図1参照)を押下することで、カーソルが配置されているチェックボックスの選択または非選択を設定することができる。また、時間帯設定部93,ログインユーザ数設定部94,印刷枚数設定部95については、操作パネル9のテンキー9D(図1参照)を押下することで、適宜の数値を入力することができる。すなわち、前記静音印刷設定画面を液晶ディスプレイ9Aに表示した操作パネル9がモード判定条件設定手段に相当する。次に、各設定部91〜96について説明する。
【0033】
インタフェース設定部91:インタフェースに関する設定条件を設定するための項目で、USBポート13(USB)またはネットワークポートインタフェース11(LAN)を重複可能で選択できる。USBポート13を介して印刷ジョブが受信された場合は、USBポート13にUSBケーブルを介してパソコン300が接続されている可能性が高く、そのような使用形態はオフィスよりも一般家庭に多い。一般家庭では、大量印刷がなされる可能性は低く、複合機1の設置位置が寝室に近い場合もあるので、図4(A)の例では、「USB」のチェックボックスを選択(黒塗りの四角で表示)に設定して静音モードが実行されるようにしている。逆にLAN(ネットワークW)からネットワークポートインタフェース11を介して印刷ジョブが受信された場合は、大規模オフィスである可能性が高い。そこで、図4(A)の例では、「LAN」のチェックボックスを非選択(白抜きの四角で表示)に設定して高速モードが実行されるようにしている。
【0034】
ジョブ属性設定部92:ファクシミリインタフェース15を経由して受信されたファクシミリデータ(FAX)、当該複合機1を宛先とする電子メール(MAIL)、パソコン300から送信された印刷ジョブ(PC−PRINT)、原稿読取部5が読み取ったデータ(COPY)、通信管理レポート(REPORT)、USBポート13を経由したUSBメモリからのデータ(DirectPrint)、USBポート13を経由したデジタルカメラからのデータ(PictBridge:登録商標)、USB以外のSDカード等のメディアからのデータ(図2にて図示省略した他のインタフェースを経由してもよい)、といった印刷ジョブの属性に関する設定条件を設定するための項目である。ファクシミリデータや電子メールは、使用者の意思によらず一方的に送られてくる場合が多く、使用者が印刷完了を待っているのでもないので、低速であっても静かに印刷がなされた方がよい可能性がある。同様に、通信管理レポートも、定期的に自動的に印刷されるものなので使用者の意思によるものではなく、高速に印刷する必要はないので、静かに印刷がなされた方がよい可能性がある。そこで、図4(A)の例では、「FAX」と「MAIL」と「REPORT」とのチェックボックスを選択に設定して、静音モードが実行されるようにしている。これに対し、他の属性の印刷ジョブは、使用者の意思によって印刷がなされる場合が多いので、図4(A)の例では、それらのチェックボックスを非選択に設定して、高速モードが実行されるようにしている。
【0035】
なお、インタフェース設定部91によって設定される設定条件が取得手段の種類に、ジョブ属性設定部92によって設定される設定条件が印刷ジョブの種類に、それぞれ相当するが、取得手段の種類と印刷ジョブの種類とが1対1に対応している印刷ジョブもある。例えば、「COPY」では、取得手段は原稿読取部5であり、印刷ジョブの種類はその原稿読取部5による読取データである。また、「FAX」では、取得手段はファクシミリインタフェース15であり、印刷ジョブの種類はファクシミリデータである。そこで、本実施の形態では、これらの印刷ジョブはジョブ属性設定部92の項目で分類し、インタフェース設定部91の項目では分類していない。逆に、これらの印刷ジョブは、インタフェース設定部91の項目で分類し、ジョブ属性設定部92の項目では分類しないようにしてもよい。
【0036】
時間帯設定部93:昼間は高速モードが実行され、夜間は静音モードが実行されるようにするのが望ましい。この時間帯設定部93には、静音モードを実行すべき時間帯が数値で設定される。なお、この時間帯設定部93には、デフォルトでは00:00〜00:00等の無意味な数値が設定されている。
【0037】
ログインユーザ数設定部94:ネットワークWを介して複合機1に接続されているパソコン300の数(ログインユーザ数)が多いほど、高速で印刷する必要性が高い。また、USBポート13を介して複合機1に1台のパソコン300が接続されている場合でも、大規模オフィスでは、そのパソコン300がプリントサーバとして機能し、LAN等のネットワークを経由して多数のパソコン300が複合機1接続されている場合がある。一方、一般家庭では、USBポート13を介して1台のパソコン300が接続されている場合が多い。このように、間接または直接に複合機1に接続されているパソコン300の数(ログインユーザ数)が多いほど、高速で印刷する必要性が高い。そこで、このログインユーザ数設定部94には、静音モードを実行すべきログインユーザ数が数値で設定される。なお、このログインユーザ数設定部94には、デフォルトでは0〜0人等の無意味な数値が設定されている。
【0038】
印刷枚数設定部95:1ジョブ当たりの印刷枚数が少ない場合は、低速で印刷したとしても印刷が完了するまでにそれほど時間がかからないので高速で印刷する必要性が少なく、静かに印刷がなされた方がよい可能性がある。一方、1ジョブ当たりの印刷枚数が多いほど、高速で印刷する必要性が高い。そこで、この印刷枚数設定部95には、静音モードを実行すべき1ジョブ当たりの印刷枚数が数値で設定される。なお、この印刷枚数設定部95にも、デフォルトでは0〜0枚等の無意味な数値が設定されている。
【0039】
メモリ状況設定部96:ラスタライズに時間が掛かる印刷を行うような場合は、高速モードで印刷しても間欠印刷になる可能性があり、寧ろ静音モードで印刷した方がよい場合がある。ラスタライズの実行中はメモリの空き領域(空き容量)が減少するので、「空き領域が少ないとき」のチェックボックスを選択に設定すれば、前記のような場合に静音モードが実行される。一方、大量のファクシミリデータが受信されて印刷を待っている場合も、メモリの空き領域が減少するが、その場合は高速モードで印刷してメモリの空き領域を早急に確保するのが望ましい場合がある。更に、メモリの空き領域が十分にある場合は、前述のようにファクシミリデータは静音モードで印刷するのが望ましい場合がある。従って、複合機1が主としてFAX受信に使用される場合は、「空き領域が少ないとき」のチェックボックスを非選択に設定し、「空き領域が多いとき」のチェックボックスを選択に設定するのが望ましい。
【0040】
なお、前記「空き領域」は、印刷手段による印刷を待つジョブの総データ量に対応するパラメータである。本実施の形態では、「空き領域が多い」「空き領域が少ない」といった判定がなされる閾値が固定とされているが、時間帯設定部93等のようにその閾値を数値入力可能としてもよい。また、前記各設定部91〜96に加えて、メモリに記憶されて印刷を待つ印刷ジョブ数を設定する設定部も設けてもよい。
【0041】
NVRAM10Dには図4(B)に例示するように構成されたテーブルが記憶されており、前記のように各設定部91〜96に対する設定がなされると、その設定に応じてテーブルが書き換えられる。図4(B)に示すように、このテーブルでは、チェックボックスが選択に設定され、若しくは、デフォルト以外の数値が設定された項目が、静音印刷条件に対応する項目として、前記チェックボックスの状態と共に記憶される。なお、図4(B)では、説明の便宜上、静音印刷条件に対応する項目に丸印を付したが、NVRAM10D内では、当該項目に対して所定のフラグが付与されることは言うまでもない。
【0042】
図3に戻って、S5では、前記テーブルが参照されることにより、S3にてメモリに記憶された印刷ジョブに対応する動作モードが判定されて、その判定結果が当該印刷ジョブのデータと共に前記メモリに記憶された後、処理は前述のS1へ移行する。このように、ジョブ受信処理により、複合機1に受信されて(S1:Y)、メモリに記憶された印刷ジョブには(S3)、各印刷ジョブ毎に高速モードまたは静音モードの動作モードが対応付けられ(S5)、当該メモリに記憶される。なお、このS5の処理では、前記メモリに記憶された印刷ジョブに対して、静音モードで印刷すべきことを指示する前記テーブル上の項目が1つでもあれば、その印刷ジョブは静音モードに対応付けられる。また、このジョブ受信処理は、複合機1の電源投入中に繰り返し実行される。
【0043】
次に、図5は、複合機1の電源投入時にCPU10AがROM10Bに記憶されたプログラムに基づいて前記ジョブ受信処理とは別ルーチンで開始する印刷処理を表すフローチャートである。なお、この処理の開始時には、画像形成部6の動作モードは高速モードに初期設定される。
【0044】
図5に示すように、この処理では、先ず、S11にて、メモリが確認され、続くS13にて、そのメモリに印刷ジョブがあるか否かが判断される。印刷ジョブがない場合は(S13:N)、処理は前述のS11へ移行し、印刷ジョブがある場合は(S13:Y)、処理は続くS15へ移行する。
【0045】
S15では、メモリに各印刷ジョブと対応付けて記憶されている動作モードが取得され、続くS17にて、静音モードに切替が必要か否かが判断される。このS17では、メモリに記憶されている全ての印刷ジョブが照合され、全ての印刷ジョブが静音モードに対応付けられている場合に、静音モードに切替が必要との判断がなされる。そして、静音モードに切替が必要との判断がなされると(S17:Y)、処理はS21へ移行する。
【0046】
S21では、メモリが確認され、続くS23にて、そのメモリに新たに受信された印刷ジョブが記憶され、かつ、その印刷ジョブが高速モードに対応付けられているか否かが判断される。高速モードに対応付けられた印刷ジョブが新たに受信されていない場合は(S23:N)、処理はS25へ移行し、画像形成部6による印刷が静音モードで1ページ分なされた後、処理はS27へ移行する。S27では、前述のS11及びS21にて確認されているメモリに記憶された全ての印刷ジョブの全ページの印刷が終了したか否かが判断され、終了していない場合は(S27:N)、処理は前述のS21へ移行する。
【0047】
こうして、S21〜S27の処理が繰り返し実行される間に、全ての印刷ジョブの全ページの印刷が終了すると(S27:Y)、処理は前述のS11へ移行して、メモリに印刷ジョブが記憶されるまで待機する(S11,S13)。一方、S21〜S27の処理が繰り返し実行される間に、高速モードに対応付けられた印刷ジョブが新たに受信された場合は(S23:Y)、処理はS31へ移行する。S31では、高速モードに切り替える旨のメッセージが液晶ディスプレイ9A(LCD)に表示される。続くS33では、S31による表示中に使用者から高速モードへの切替を許可する入力(例えば、OKキー9Cの押下)がなされたか否かが判断される。高速モードへの切替を許可する入力がなされていない場合は(S33:N)、処理は前述のS25へ移行し、S21〜S27の処理による静音モードでの印刷が続行される。なお、S31,S33の処理が確認手段に相当する。
【0048】
一方、高速モードへの切替を許可する入力がなされた場合は(S33:Y)、処理はS35へ移行し、前述のS11及びS21にて確認されているそれ以降の全ての印刷ジョブの全てのページに対する印刷が高速モードで実行されて、処理は前述のS11へ移行する。すなわち、静音モードで印刷ジョブを印刷中であっても(S17:Y)、高速モードに対応した印刷ジョブが受信された場合には(S23:Y)、その印刷ジョブの印刷時には動作モードが高速モードに切り替えられてある程度の騒音が発生してしまう。従って、その場合(S23:Y)、使用者に確認した上で(S33:Y)、動作モードを静音モードの印刷ジョブの途中から高速モードに切り替えるのである(S35)。
【0049】
また、前述のS17にて、静音モードへの切替が必要ないと判断された場合には(S17:N)、処理はS17から前記S35へ直接移行して、それ以降の、全ての印刷ジョブの全てのページに対する印刷が高速モードで実行される。すなわち、S25,S35の処理は、モード設定手段に相当する。
【0050】
[実施の形態の効果及びその変形例]
このように、本実施の形態では、画像形成部6の動作モードを静音モードに切り替えるためのモード判定条件(静音印刷設定)を、前述のように複数の項目からなる設定条件から使用者の要望に応じて設定することができる。従って、各種印刷ジョブを印刷する際の画像形成部6の動作モードを使用者の要望に良好に対応したものとすることができる。
【0051】
また、本実施の形態では、静音モードで印刷ジョブを印刷中であっても(S17:Y)、高速モードに対応した印刷ジョブが受信された場合には(S23:Y)、高速モードに切り替えることができる(S35)。このため、全ての印刷ジョブを印刷し終えるまでには高速モードに切り替わってある程度の騒音が発生してしまうにも拘わらず、無意味に静音モードが続行されるのを抑制することができる。しかも、その高速モードへの切り替えも、使用者に確認した上でなされるので(S33)、使用者の要望に反して動作モードが高速モードに切り替えられるのも抑制することができる。
【0052】
より具体的には、例えば、S11にてメモリが確認されたときに、1番目の印刷ジョブも2番目の印刷ジョブも静音モードの印刷ジョブで、3番目の印刷ジョブが高速モードの印刷ジョブであった場合は、最初からS17にて否定判断され、静音モードに切り替えることなく高速モードのままで印刷が実行される(S35)。また、S11にて確認された1番目の印刷ジョブも2番目の印刷ジョブも静音モードの印刷ジョブで、1番目の印刷ジョブを印刷しようとしたとき、若しくはその1番目の印刷ジョブの印刷中に高速モードの3番目の印刷ジョブが受信された場合は(S23:Y)、使用者に確認した上で(S33:Y)、動作モードが高速モードに切り替えられる(S35)。
【0053】
なお、S35によって設定された高速モードは、前述のS11及びS21にて確認されているそれ以降の全ての印刷ジョブの全てのページに対する印刷が終了するまで継続され、その後に、処理がS11へ移行することによってS17による判断が再度なされる。
【0054】
なお、本発明は前記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。例えば、操作パネル9に、前記動作モードを強制的に静音モードに切り替える静音キーと、前記動作モードを強制的に高速モードに切り替える高速キーとを設けておけば、使用者が任意に高速モード,静音モードへの切替を実行することができる。
【0055】
図6は、そのような制御を可能にするための割込処理を表すフローチャートである。なお、この割込処理は、静音キーまたは高速キーが押下されたときに、前記印刷処理に割り込んで実行される。図6に示すように、この処理では、先ず、S51にて、当該処理のトリガとなったキーが高速キーで、高速モードへの切替が指示されたのか否かが判断される。当該処理のトリガとなったキーが高速キーである場合は(S51:Y)、処理はS53へ移行する。S53では、前述のS35と同様に、それ以降の、全ての印刷ジョブの全てのページに対する印刷が高速モードで実行され、その印刷が終了すると、S55にて前述の印刷処理がS11から再起動されて、処理が終了する。
【0056】
一方、この割込処理のトリガとなったキーが静音キーであった場合は、前述のS51では否定判断されて(S51:N)、処理はS57へ移行する。S57では、それ以降の、全ての印刷ジョブの全てのページに対する印刷が静音モードで実行され、その印刷が終了すると、前述のS55にて前述の印刷処理が再起動されて、処理が終了する。
【0057】
このように、図6に示した割込処理を実行可能にすれば、高速キーまたは静音キーを押下することによって、使用者は任意に高速モードまたは静音モードへの切替を実行することができる。なお、この割込処理は、当該割込処理による印刷中に静音キーまたは高速キーが押下されたときにも、実行中の割込処理自身に割り込んでS51から実行される。従って、高速キーまたは静音キーを押下し直すことによって、使用者は、高速モードまたは静音モードへの切替を任意に何度でも実行することができる。また、前記高速キー及び静音キーの他に、印刷ジョブの種類等に拘わらず、動作モードを一律に高速モードまたは低速モードに固定しておくため指示も入力可能にしてもよい。
【0058】
また、前記S33では、使用者による確認がなされた場合に(S33:Y)、動作モードを高速に切り替えているが(S35)、使用者によるキャンセルが指示されなかった場合に動作モードを高速に切り替えてもよく、使用者の確認等に拘わらずに動作モードを高速に切り替えてもよい。後者の場合、例えば図7に示すように、図5のS31,S33は省略することができる。
【0059】
更に、前述の各項目や設定条件としては、図4に例示したものに限らず種々の形態を考えることができ、図4(B)のテーブルはパソコン300で作成して複合機1に送信してもよい。また、前記実施の形態では、静音モードで印刷すべきことを指示する項目が1つでもあれば、その印刷ジョブは静音モードに対応付けられるが、高速モードで印刷すべきことを指示する項目が1つでもあれば、その印刷ジョブは高速モードに対応付けられてもよい。また更に、画像形成部6としては、前述のように電子写真方式でカラー画像を形成するプリンタエンジンに限らず、インクジェット方式のプリンタエンジンやモノクロのプリンタエンジンを採用することもできる。
【符号の説明】
【0060】
1…複合機 5…原稿読取部
6…画像形成部 9…操作パネル
9A…液晶ディスプレイ 10…制御部
11…ネットワークポートインタフェース 13…USBポート
15…ファクシミリインタフェース 300…パソコン
W…ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブを取得可能な取得手段と、
前記取得手段が取得した印刷ジョブに基づいて被記録媒体に画像を印刷する印刷手段とを備え、
前記印刷手段が、第1の動作モードと、当該第1の動作モードよりも低速でかつ騒音の小さい第2の動作モードとを有し、いずれかの動作モードに基づいて、前記被記録媒体に画像を印刷する印刷装置であって、
少なくとも2つの設定条件を有し、使用者の操作に基づいて少なくとも1つの前記設定条件をモード判定条件として設定するモード判定条件設定手段と、
前記モード判定条件設定手段によって設定されたモード判定条件に応じて、前記印刷ジョブの動作モードを判定するモード判定手段と、
前記モード判定手段によって判定された動作モードに基づいて、前記印刷手段の動作モードを設定するモード設定手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記モード判定条件設定手段は、前記設定条件として、前記取得手段の種類、前記取得手段に接続されていて前記印刷ジョブを送信する外部装置の数、前記印刷ジョブの種類、前記印刷手段による印刷を待つ印刷ジョブのページ数、前記印刷ジョブを記憶するメモリの空き容量、または、前記印刷手段が印刷を実行する時間帯のうち、少なくとも2つを有することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記モード判定手段は、前記取得手段が前記印刷ジョブを取得するたびに、当該印刷ジョブの動作モードを判定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記モード判定手段は、前記印刷ジョブの動作モードが、第1の動作モードであると判断し、かつ、前記印刷手段が第2の動作モードで印刷を実行中の場合、使用者に第1の動作モードに変更することの可否を確認する確認手段を、
更に備え、
前記モード設定手段は、前記確認手段の確認に対して使用者により前記変更を許可された場合、前記印刷手段の動作モードを第1の動作モードに変更することを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記印刷手段が第2の動作モードで印刷を実行しているときに前記取得手段が取得した印刷ジョブに対して、前記モード判定手段が第1の動作モードであると判断した場合、前記モード設定手段は、前記印刷手段の動作モードを第1の動作モードに変更することを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項6】
印刷ジョブを取得可能な取得手段と、
前記取得手段が取得した印刷ジョブに基づいて被記録媒体に画像を印刷する印刷手段とを備え、
前記印刷手段が、第1の動作モードと、当該第1の動作モードよりも低速でかつ騒音の小さい第2の動作モードとを有し、いずれかの動作モードに基づいて、前記被記録媒体に画像を印刷する印刷装置であって、
前記取得手段の種類、前記取得手段に接続されていて前記印刷ジョブを送信する外部装置の数、前記印刷ジョブの種類、前記印刷手段による印刷を待つ印刷ジョブのページ数、前記印刷ジョブを記憶するメモリの空き容量のうちの少なくとも1つを、使用者の操作に基づいてモード判定条件として設定するモード判定条件設定手段と、
前記モード判定条件設定手段によって設定されたモード判定条件に応じて、前記印刷ジョブの動作モードを判定するモード判定手段と、
前記モード判定手段によって判定された動作モードに基づいて、前記印刷手段の動作モードを設定するモード設定手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−179741(P2012−179741A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42704(P2011−42704)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】