説明

印刷装置

【課題】 印刷のために電子マネーによって前課金された金額と印刷結果に対する金額との差額の精算が行われない事態の発生を低減させることができる印刷装置を提供する。
【解決手段】 課金処理部13は、印刷条件に基づいて前課金額を計算し、計算した前課金額でカードリーダ18によってカード19に課金する。ジョブ制御部14は、前課金が終了すると、印刷ジョブを開始し、最終ページの1つ前のページまで印刷する。そして、最終ページの画像データを生成して累積金額が確定したとき、累積金額が前課金額より少ないと、最終ページを印刷する前に、印刷を停止する。課金処理部13は、再度カード19をかざすことを要求するメッセージをUI制御部12に表示する。このメッセージに応答してカード19がかざされ、カード情報が一致すると、返金処理を行う。ジョブ制御部14は、返金処理の後、最終ページの印刷を再開する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷などに対する対価を前金で電子マネーによって支払った差額の返金を行うことができる印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置には、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置から送信される印刷データを受信して印刷する印刷装置、あるいはメモリカードリーダやユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus;以下「USB」という)端子を経由して、メモリカードやUSBメモリに記憶されている画像データをダイレクト印刷する印刷装置がある。
【0003】
このような印刷装置の中には、電子マネーがチャージされた集積回路(Integrated
Circuit:以下「IC」という)カードの提示による印刷前課金を行うための装置が接続され、印刷後に実際に印刷に要した金額と電子マネーによる前課金済みの金額との間に差額が生じた場合、ICカードの再提示を要求して、差額を返金するものがある。
【0004】
前課金を行う理由は、印刷ジョブの途中で残金不足となり、最後まで印刷できないケースや、排紙される前にICカードをカードリーダからはずすことによって、課金されることなく、正当に代金を支払わずに印刷物を持ち帰るケースなど、ユーザあるいは管理者にとって不都合なケースが考えられるためである。
【0005】
前課金を行う場合、印刷装置は、カラー印刷であるのかモノクロ印刷であるのかの区別、および印刷ページ数によって、支払うべき代金を計算する。印刷ページ数は、印刷ジョブに関する情報に含まれており、印刷装置は、印刷するページ数を容易に把握することができる。しかし、入力された印刷データがカラーであるのかモノクロであるのかを、印刷開始前に短時間で判定することが困難であるため、ユーザがカラー印刷およびモノクロ印刷のうちのいずれであるのかを指定し、その指定に応じて前課金を行うのが一般的である。
【0006】
たとえば、カラー印刷とモノクロ印刷とが混在するカラーモノクロ混在ジョブを、モノクロ指定で印刷する場合、全ページをモノクロで印刷し、全ページについてモノクロ印刷による価格で課金する。また、カラーモノクロ混在ジョブをカラー指定で印刷する場合、全ページをカラーで印刷し、モノクロページが含まれていても、全ページについてカラー印刷の価格で課金する。しかし、全ページをカラー印刷する場合、モノクロページもカラー印刷の価格で課金されるため、ユーザにとってはデメリットとなる。
【0007】
このように、モノクロの印刷データは、カラー印刷が指定されていても、モノクロ印刷になるため、ユーザがカラー印刷を指定する場合、前課金した金額と実際に印刷した結果に対する金額とに差額が生じる可能性がある。印刷データがカラーかモノクロかを自動的に判別して印刷するカラーモノクロ自動モードとして印刷することが望まれるが、カラーかモノクロかを判別するためには、印刷データをシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック(Cyan-Magenta-Yellow-Black:略称CMYK)データに変換する必要があり、時間のかかる処理を行わなければならない。すなわち、正確な金額を課金するためには、印刷前に全ページをCMYKデータに変換する処理が必要であり、ユーザを長時間待たせることになってしまう。ユーザを長時間待たせることなく、上述したユーザのデメリットを解消するためには、差額が生じたときに、その差額を確実にユーザに返金する技術が必要である。
【0008】
また、印刷ジョブの途中にユーザが印刷をキャンセルした場合や印刷設定を変更した場合などにも、前課金した金額と実際の印刷結果に対する金額とに差額が生じるケースが発生し得る。このように前課金した金額と実際の印刷結果に対する金額とに差額が生じたケースに、その差額を確実にユーザに返金する技術を実現することが課題となる。
【0009】
特許文献1には、第1の従来技術である対価徴収システムが開示されている。この対価徴収システムは、選択されたすべての印刷ジョブにかかる対価の額を、ICカード内の残額から減算し、対価の徴収を行った後、印刷が行われる。印刷処理が正常に完了する前に途中で停止したときは、ICカードがかざされた場合に未処理分の対価の払い戻しが行われる。
【0010】
特許文献2には、第2の従来技術である課金システムが開示されている。この課金システムは、予想印刷金額を口座から電子マネーとして引き落として預かり金とする。そして、印刷が終了すると、預かり金と印刷金額との差額を未精算金とし、未精算金があるときに表示される精算画面に応答して、ICカードをタッチすると、口座と未精算金とに基づいて精算を行う。
【0011】
特許文献3には、第3の従来技術である電子マネーによる課金および返金機能を有するジョブ実行装置が開示されている。このジョブ実行装置は、ジョブの実行に必要な使用金額を、ジョブの開始前に課金し、残金が生じた場合、所定の期間内に、決済用媒体を決済装置にセットすることによって返金が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2007−140990号公報
【特許文献2】特開2007−299293号公報
【特許文献3】特開2009−301244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、第1〜第3の従来技術は、いずれも、前課金した金額と印刷結果に対する金額とに差額が生じたとき、ICカード等の再提示によって返金等の精算を行うものであるが、ユーザが印刷完了後に印刷さされた記録紙のみを持ち帰り、精算処理を忘れる可能性がある。さらに、精算処理が行われなかった場合、次の印刷ジョブの開始をどうするのか、精算されなかった差額をどのようにユーザに精算してもらうのかという課題も考えられる。
【0014】
本発明の目的は、印刷のために電子マネーによって前課金された金額と印刷結果に対する金額との差額の精算が行われない事態の発生を低減させることができる印刷装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、チャージされた電子マネーの金額が記録された記録媒体が接触または接近したとき、該記録媒体に記録される金額の読み出しおよび書き換えを行うことができる記録手段と、
印刷データを予め定める印刷条件に基づいて印刷する印刷手段と、
印刷データを予め定める印刷条件に基づいて印刷するのに要すると予測される代金の予測金額を計算し、記録媒体に記録された金額を記録手段によって読み出し、読み出した金額から前記予測金額を減算し、記録媒体に記録された金額を前記減算した金額に記録手段によって書き換えることによって前課金を行う前課金手段と、
前課金手段によって前課金が行われると、印刷手段による印刷を開始させ、印刷手段に印刷を開始させた後、前記予測金額に変化を生じさせる予測金額変化要因が発生すると、印刷に関する処理である印刷処理を停止する制御手段とを含み、
前課金手段は、制御手段によって印刷処理が停止されると、前記予測金額変化要因の発生に伴い変化する予測金額を再計算し、再計算した予測金額に基づいて、記録媒体に記録された金額を記録手段によって書き換えることによって精算し、
制御手段は、前課金手段が書き換えを行ったとき、印刷処理を再開することを特徴とする印刷装置である。
【0016】
また本発明は、前記印刷処理は、前記印刷手段によって印刷する処理を含み、
前記制御手段は、前記印刷手段による印刷を停止することによって、印刷処理を停止することを特徴とする。
【0017】
また本発明は、前記印刷手段は、印刷データを印刷媒体に印刷し、
印刷された印刷媒体を保持する保持手段と、保持手段に保持される印刷媒体の取り出しを抑止する抑止手段とをさらに含み、
前記印刷処理は、印刷された印刷媒体が取り出される処理を含み、
前記制御手段は、保持手段に保持される印刷媒体の取り出しを抑止手段によって抑止することによって、印刷処理を停止することを特徴とする。
【0018】
また本発明は、前記制御手段は、前記印刷手段が最終ページの1つ前のページの印刷を終了し、最終ページの印刷を開始する前に、予測金額変化要因が発生したか否かを確認することを特徴とする。
【0019】
また本発明は、前記制御手段は、前記印刷手段が各ページの印刷を終了し、次のページの印刷を開始する前に、予測金額変化要因が発生したか否かを確認することを特徴とする。
【0020】
また本発明は、印刷データがカラーかモノクロかに応じて印刷するカラーモノクロ自動モードを含む印刷モードを指定する指定手段と、
前記印刷手段に印刷させるための印刷データおよび該印刷データのページ数を含む印刷情報を入力する入力手段と、
情報を報知する報知手段とをさらに含み、
前記予め定める印刷条件は、少なくとも、入力手段によって入力された印刷情報に含まれるページ数および指定手段によって指定された印刷モードとを含み、
前記前課金手段は、指示手段によって指示された印刷モードがカラーモノクロ自動モードであるとき、全ページをカラーで印刷すると仮定して前記予測金額を計算し、
前記予測金額変化要因は、カラーモノクロ自動モードで印刷した代金の金額が前記予測金額に一致しないという第1の予測金額変化要因を含み、
前記制御手段は、第1の予測金額変化要因が発生すると、印刷手段に印刷を停止させ、
前記前課金手段は、
記録媒体を記録手段に接触または接近させるように要求する旨を報知手段に報知させ、
報知手段による報知に応答して、記録媒体が記録手段に接触または接近されると、前記再計算した予測金額に基づいて、記録媒体に記録された金額を記録手段によって書き換えることを特徴とする。
【0021】
また本発明は、記憶手段をさらに含み、
前記記録媒体は、該記録媒体の所有者を識別するための所有者識別情報が記録され、
前記前課金手段は、
前課金を行うとき、記録媒体に記録される所有者識別情報を記録手段によって読み出し、
前記報知手段による報知に応答して、予め定める時間内に、記録媒体が記録手段に接触または接近されないとき、前記再計算された予測金額と、前課金のときに読み出した所有者識別情報とを対応付けて記憶手段に記憶することを特徴とする。
【0022】
また本発明は、記憶手段をさらに含み、
前記記録媒体は、該記録媒体の所有者を識別するための所有者識別情報が記録され、
前記前課金手段は、
前課金を行うとき、記録媒体に記録される所有者識別情報を記録手段によって読み出し、
前記報知手段による報知に応答して、予め定める時間内に、記録媒体が記録手段に接触または接近されると、記録手段によって記録媒体から所有者識別情報を読み出し、読み出した所有者識別情報が、前課金のときに読み出した所有者識別情報と異なるとき、前記再計算された予測金額と、前課金のときに読み出した所有者識別情報とを対応付けて記憶することを特徴とする。
【0023】
また本発明は、前記前課金手段は、記録媒体が記録手段に接触または接近されると、記録手段によって記録媒体から所有者識別情報を読み出し、読み出した所有者識別情報が、記憶手段に前記再計算された予測金額に対応付けて記憶される所有者識別情報に一致するとき、記憶手段に記憶される前記再計算された予測金額に基づいて、所有者識別情報が一致した記録媒体に記録された金額を記録手段によって書き換えることによって精算し、
前記制御手段は、前課金手段が書き換えを行った後、入力手段によって入力される新たな印刷情報に含まれる印刷データを印刷手段に印刷させることを特徴とする。
【0024】
また本発明は、他の印刷装置と情報を送受信する通信手段をさらに含み、
前記前課金手段は、
記録媒体が記録手段に接触または接近されると、記録手段によって記録媒体から所有者識別情報を読み出し、読み出した所有者識別情報を通信手段によって他の印刷装置に送信し、
他の印刷装置から、該他の印刷装置の記憶手段に、送信された所有者識別情報に一致する所有者識別情報およびその所有者識別情報に対応付けられた再計算された予測金額が記憶されている旨、および記憶手段に記憶されていた予測金額を、通信手段によって受信すると、通信手段によって受信した予測金額に基づいて、記録媒体に記録された金額を記録手段によって書き換えることを特徴とする。
【0025】
また本発明は、前記記録媒体は、該記録媒体の所有者を識別するための所有者識別情報が記録され、
サーバ装置と情報を送受信する通信手段をさらに含み、
前記前課金手段は、
前課金を行うとき、記録媒体に記録される所有者識別情報を記録手段によって読み出し、
前記報知手段による報知に応答して、予め定める時間内に、記録媒体が記録手段に接触または接近されないとき、または、前記報知手段による報知に応答して、予め定める時間内に、記録媒体が記録手段に接触または接近され、記録手段によって記録媒体から読み出した所有者識別情報が、前記読み出した所有者識別情報と異なるとき、前記再計算された予測金額と前記読み出した所有者識別情報とを通信手段によって、サーバ装置に送信して、サーバ装置に記憶させることを特徴とする。
【0026】
また本発明は、情報を報知する報知手段をさらに含み、
前記前課金手段は、記録媒体を記録手段に接触または接近することによって印刷を中止することができる旨を、前記制御手段が印刷手段に印刷を開始させた後、報知手段に報知させ、
前記制御手段は、報知手段による報知に応答して、記録媒体が記録手段に接触または接近されたとき、印刷手段に印刷を停止させ、
前記前課金手段は、
制御手段によって印刷手段による印刷が停止されると、印刷の中止を確認する確認情報を報知手段に報知させ、
報知手段による確認情報の報知に応答して、印刷の中止を指示する印刷中止情報が入力手段によって入力されると、予測金額を再計算し、再計算した予測金額に基づいて、記録媒体に記録された金額を記録手段によって書き換えることによって精算し、
前記制御手段は、前課金手段が書き換えを行ったとき、印刷手段に印刷を終了させることを特徴とする。
【0027】
また本発明は、情報を表示する表示手段をさらに含み、
前記予測金額変化要因は、前記予め定める印刷条件を変更する要因である第2の予測金額変化要因を含み、
前記前課金手段は、記録媒体を記録手段に接触または接近することによって、前記予め定める印刷条件を変更することができる旨を、前記制御手段が印刷手段に印刷を開始させた後表示手段に表示させ、
前記制御手段は、表示手段による表示に応答して、記録媒体が記録手段に接触または接近されたとき、印刷手段に印刷を停止させ、
前記前課金手段は、制御手段によって印刷手段による印刷が停止されると、第2の予測金額変化要因によって変更された予め定める印刷条件に基づいて、予測金額を再計算し、再計算した予測金額が前課金した金額よりも少ないとき、その差額を、記録手段によって記録媒体に返金することを特徴とする。
【0028】
また本発明は、情報を表示する表示手段をさらに含み、
前記予測金額変化要因は、前記予め定める印刷条件を変更する要因である第2の予測金額変化要因を含み、
前記前課金手段は、記録媒体を記録手段に接触または接近することによって、前記予め定める印刷条件を変更することができる旨を、前記制御手段が印刷手段に印刷を開始させた後表示手段に表示させ、
前記制御手段は、表示手段による表示に応答して、記録媒体が記録手段に接触または接近されたとき、印刷手段に印刷を停止させ、
前記前課金手段は、制御手段によって印刷手段による印刷が停止されると、第2の予測金額変化要因によって変更された予め定める印刷条件に基づいて、予測金額を再計算し、再計算した予測金額が前課金した金額よりも多いとき、その差額を追加料金として、記録手段によって記録媒体に課金することを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、記録手段は、チャージされた電子マネーの金額が記録された記録媒体が接触または接近したとき、該記録媒体に記録される金額の読み出しおよび書き換えを行うことができる。印刷手段は、印刷データを予め定める印刷条件に基づいて印刷する。前課金手段は、印刷データを予め定める印刷条件に基づいて印刷するのに要すると予測される代金の予測金額を計算し、記録媒体に記録された金額を記録手段によって読み出し、読み出した金額から前記予測金額を減算し、記録媒体に記録された金額を前記減算した金額に記録手段によって書き換えることによって前課金を行う。制御手段は、前課金手段によって前課金が行われると、印刷手段による印刷を開始させ、印刷手段に印刷を開始させた後、前記予測金額に変化を生じさせる予測金額変化要因が発生すると、印刷に関する処理である印刷処理を停止する。さらに、前課金手段は、制御手段によって印刷処理が停止されると、前記予測金額変化要因の発生に伴い変化する予測金額を再計算し、再計算した予測金額に基づいて、記録媒体に記録された金額を記録手段によって書き換えることによって精算する。そして、制御手段は、前課金手段が書き換えを行ったとき、印刷処理を再開する。
【0030】
したがって、予測金額変化要因が発生する場合、たとえば前課金を行う印刷システムにおいて差額が生じる可能性がある場合、印刷処理を停止、すなわち印刷ジョブの動作に制限を施すことによって、ユーザに記録媒体、たとえばカードの提示を促し、差額の精算処理がなされないという事態を低減させる。すなわち、印刷のために電子マネーによって前課金された金額と印刷結果に対する金額との差額の精算が行われない事態の発生を低減させることができる。
【0031】
また本発明によれば、前記印刷処理は、前記印刷手段によって印刷する処理を含む。そして、前記制御手段は、前記印刷手段による印刷を停止することによって、印刷処理を停止するので、印刷手段を制御することによって、印刷処理、つまり印刷ジョブを停止し、差額の精算処理を行うことができる。
【0032】
また本発明によれば、前記印刷手段は、印刷データを印刷媒体に印刷する。保持手段は、印刷された印刷媒体を保持し、抑止手段は、保持手段に保持される印刷媒体の取り出しを抑止する。前記印刷処理は、印刷された印刷媒体が取り出される処理を含む。そして、前記制御手段は、保持手段に保持される印刷媒体の取り出しを抑止手段によって抑止することによって、印刷処理、つまり印刷ジョブを停止する。したがって、最終ページまでの印刷が終了しても、差額の精算処理が済むまで、印刷された印刷媒体の取り出しが抑止されているので、差額の精算処理がなされないという事態を低減させることができる。
【0033】
また本発明によれば、前記制御手段は、前記印刷手段が最終ページの1つ前のページの印刷を終了し、最終ページの印刷を開始する前に、予測金額変化要因が発生したか否かを確認する。したがって、最終ページを印刷するためには、差額の精算処理が必要であり、差額の精算処理がなされないという事態を低減させることができる。
【0034】
また本発明によれば、前記制御手段は、前記印刷手段が各ページの印刷を終了し、次のページの印刷を開始する前に、予測金額変化要因が発生したか否かを確認する。したがって、課金後に変更が生じたことを早くユーザに知らせることができる。
【0035】
また本発明によれば、指定手段は、印刷データがカラーかモノクロかに応じて印刷するカラーモノクロ自動モードを含む印刷モードを指定する。入力手段は、前記印刷手段に印刷させるための印刷データおよび該印刷データのページ数を含む印刷情報を入力する。報知手段は、情報を報知する。前記予め定める印刷条件は、少なくとも、入力手段によって入力された印刷情報に含まれるページ数および指定手段によって指定された印刷モードとを含む。前記前課金手段は、指示手段によって指示された印刷モードがカラーモノクロ自動モードであるとき、全ページをカラーで印刷すると仮定して前記予測金額を計算する。前記予測金額変化要因は、カラーモノクロ自動モードで印刷した代金の金額が前記予測金額に一致しないという第1の予測金額変化要因を含む。さらに、前記制御手段は、第1の予測金額変化要因が発生すると、印刷手段に印刷を停止させる。そして、前記前課金手段は、記録媒体を記録手段に接触または接近させるように要求する旨を報知手段に報知させ、報知手段による報知に応答して、記録媒体が記録手段に接触または接近されると、前記再計算した予測金額に基づいて、記録媒体に記録された金額を記録手段によって書き換える。
【0036】
したがって、差額の返金がある場合、印刷ジョブの終了前に再度記録媒体、たとえばカードをかざすように要求してカードに差額を返金した後、印刷を再開することで、ユーザに対して返金処理忘れを防止することができる。
【0037】
また本発明によれば、前記記録媒体は、該記録媒体の所有者を識別するための所有者識別情報が記録される。前記前課金手段は、前課金を行うとき、記録媒体に記録される所有者識別情報を記録手段によって読み出し、前記報知手段による報知に応答して、予め定める時間内に、記録媒体が記録手段に接触または接近されないとき、前記再計算された予測金額と、前課金のときに読み出した所有者識別情報とを対応付けて記憶手段に記憶する。
【0038】
したがって、記録媒体を記録手段に接触または接近させるように要求する旨が報知され続けると、たとえば返金のために表示したカード要求メッセージが表示され続けると、次のユーザが誤って記録媒体、たとえばカードをかざすことも考えられる。管理者が設定した所定時間を経過した場合は、前のユーザに関する情報、つまり所有者識別情報を保存してメッセージ表示を消すことで、次のユーザへの影響を最小限にすることができる。
【0039】
また本発明によれば、前記記録媒体は、該記録媒体の所有者を識別するための所有者識別情報が記録される。前記前課金手段は、前課金を行うとき、記録媒体に記録される所有者識別情報を記録手段によって読み出し、前記報知手段による報知に応答して、予め定める時間内に、記録媒体が記録手段に接触または接近されると、記録手段によって記録媒体から所有者識別情報を読み出し、読み出した所有者識別情報が、前課金のときに読み出した所有者識別情報と異なるとき、前記再計算された予測金額と、前課金のときに読み出した所有者識別情報とを対応付けて記憶する。
【0040】
したがって、仮に次のユーザが別の記録媒体、たとえばカードをかざしたとき、カードを照合して異なるカードと判定したら差額の返金は行わず、一旦返金すべきカードの所有者識別情報、つまりカード情報と返金額とを記憶しておき、次のユーザの印刷ジョブを開始することができる。すなわち、返金処理忘れによって印刷装置がロックされることを防止することができる。
【0041】
また本発明によれば、前記前課金手段は、記録媒体が記録手段に接触または接近されると、記録手段によって記録媒体から所有者識別情報を読み出し、読み出した所有者識別情報が、記憶手段に前記再計算された予測金額に対応付けて記憶される所有者識別情報に一致するとき、記憶手段に記憶される前記再計算された予測金額に基づいて、所有者識別情報が一致した記録媒体に記録された金額を記録手段によって書き換えることによって精算する。そして、前記制御手段は、前課金手段が書き換えを行った後、入力手段によって入力される新たな印刷情報に含まれる印刷データを印刷手段に印刷させる。したがって、ユーザが返金処理を忘れた場合であっても、次回再度記録媒体、たとえばカードをかざすことによって返金処理を行うことができる。
【0042】
また本発明によれば、通信手段は、他の印刷装置と情報を送受信する。前記前課金手段は、記録媒体が記録手段に接触または接近されると、記録手段によって記録媒体から所有者識別情報を読み出し、読み出した所有者識別情報を通信手段によって他の印刷装置に送信し、他の印刷装置から、該他の印刷装置の記憶手段に、送信された所有者識別情報に一致する所有者識別情報およびその所有者識別情報に対応付けられた再計算された予測金額が記憶されている旨、および記憶手段に記憶されていた予測金額を、通信手段によって受信すると、通信手段によって受信した予測金額に基づいて、記録媒体に記録された金額を記録手段によって書き換える。したがって、特定の印刷装置で発生した返金額を、ネットワークに接続された他の印刷装置でも返金することが可能となり、ユーザの利便性が向上する。
【0043】
また本発明によれば、前記記録媒体は、該記録媒体の所有者を識別するための所有者識別情報が記録される。通信手段は、サーバ装置と情報を送受信する。前記前課金手段は、前課金を行うとき、記録媒体に記録される所有者識別情報を記録手段によって読み出し、前記報知手段による報知に応答して、予め定める時間内に、記録媒体が記録手段に接触または接近されないとき、または、前記報知手段による報知に応答して、予め定める時間内に、記録媒体が記録手段に接触または接近され、記録手段によって記録媒体から読み出した所有者識別情報が、前記読み出した所有者識別情報と異なるとき、前記再計算された予測金額と前記読み出した所有者識別情報とを通信手段によって、サーバ装置に送信して、サーバ装置に記憶させる。
【0044】
したがって、各印刷装置内で所有者識別情報、つまりカード情報と返金額とを管理するのではなく、サーバ装置で一元管理することによって、管理者の利便性が向上する。たとえば、印刷装置の置き換えや廃棄時に印刷装置内に返金額の情報が残ることを意識しなくてよい。
【0045】
また本発明によれば、報知手段は、情報を報知する。前記前課金手段は、記録媒体を記録手段に接触または接近することによって印刷を中止することができる旨を、前記制御手段が印刷手段に印刷を開始させた後、報知手段に報知させる。前記制御手段は、報知手段による報知に応答して、記録媒体が記録手段に接触または接近されたとき、印刷手段に印刷を停止させる。前記前課金手段は、制御手段によって印刷手段による印刷が停止されると、印刷の中止を確認する確認情報を報知手段に報知させ、報知手段による確認情報の報知に応答して、印刷の中止を指示する印刷中止情報が入力手段によって入力されると、予測金額を再計算し、再計算した予測金額に基づいて、記録媒体に記録された金額を記録手段によって書き換えることによって精算する。そして、前記制御手段は、前課金手段が書き換えを行ったとき、印刷手段に印刷を終了させる。
【0046】
したがって、印刷を中止した後、すなわち印刷ジョブのキャンセル終了後に、記録媒体、たとえばカードをかざして差額を返金するのではなく、カードをかざすことで、印刷の中止を確認する状態、たとえばキャンセル実行キーが押下可能状態となり、押下したタイミングで返金することで、ジョブキャンセル時の返金処理忘れを防止することができる。
【0047】
また本発明によれば、表示手段は、情報を表示する。前記予測金額変化要因は、前記予め定める印刷条件を変更する要因である第2の予測金額変化要因を含む。前記前課金手段は、記録媒体を記録手段に接触または接近することによって、前記予め定める印刷条件を変更することができる旨を、前記制御手段が印刷手段に印刷を開始させた後表示手段に表示させる。前記制御手段は、表示手段による表示に応答して、記録媒体が記録手段に接触または接近されたとき、印刷手段に印刷を停止させる。そして、前記前課金手段は、制御手段によって印刷手段による印刷が停止されると、第2の予測金額変化要因によって変更された予め定める印刷条件に基づいて、予測金額を再計算し、再計算した予測金額が前課金した金額よりも少ないとき、その差額を、記録手段によって記録媒体に返金する。
【0048】
したがって、印刷中、たとえば印刷ジョブの実行途中で、予め定める印刷条件、たとえば印刷設定が変更されて返金額が生じたとき、印刷ジョブ終了後に記録媒体、たとえばカードをかざして差額を返金するのではなく、カードをかざすことで設定変更が可能な状態となり、設定変更が確定したタイミングで返金を可能にすることで、ユーザに対する返金処理忘れを防止することができる。
【0049】
また本発明によれば、表示手段は、情報を表示する。前記予測金額変化要因は、前記予め定める印刷条件を変更する要因である第2の予測金額変化要因を含む。前記前課金手段は、記録媒体を記録手段に接触または接近することによって、前記予め定める印刷条件を変更することができる旨を、前記制御手段が印刷手段に印刷を開始させた後表示手段に表示させる。前記制御手段は、表示手段による表示に応答して、記録媒体が記録手段に接触または接近されたとき、印刷手段に印刷を停止させる。そして、前記前課金手段は、制御手段によって印刷手段による印刷が停止されると、第2の予測金額変化要因によって変更された予め定める印刷条件に基づいて、予測金額を再計算し、再計算した予測金額が前課金した金額よりも多いとき、その差額を追加料金として、記録手段によって記録媒体に課金する。
【0050】
したがって、印刷中、たとえば印刷ジョブの実行途中で、予め定める印刷条件、たとえば印刷設定が変更されて追加料金が生じたとき、印刷ジョブ終了後に記録媒体、たとえばカードをかざして課金するのではなく、カードをかざすことで印刷設定の変更が可能な状態となり、印刷設定の変更が終了したタイミングで課金することで、ユーザに対する課金処理漏れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施形態である印刷装置10を含む印刷システム1の構成を示すブロック図である。
【図2】印刷装置10の構成を示すブロック図である。
【図3】従来技術による差額の返金方法の一例を説明するための図である。
【図4】印刷装置10による差額の返金方法の一例を説明するための図である。
【図5】従来技術による差額の返金方法の他の例を説明するための図である。
【図6】印刷装置10による差額の返金方法の他の例を説明するための図である。
【図7】印刷装置10が実行する第1の返金処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】印刷装置10が実行する返金確認処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】印刷装置10が実行するカード情報記憶処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】印刷装置10またはサーバ装置30が実行する登録返金処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11A】印刷装置10が実行する差額返金処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11B】印刷装置10が実行する差額返金処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の他の実施形態である印刷装置50の正面図である。
【図13】印刷装置50が実行する第2の返金処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図14】印刷装置10が実行する第3の返金処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1は、本発明の一実施形態である印刷装置10を含む印刷システム1の構成を示すブロック図である。印刷システム1は、印刷装置10、クライアント装置20およびサーバ装置30を含んで構成される。
【0053】
図1には、3台の印刷装置10を示しているが、印刷装置10の台数は、3台に限定されるものではなく、1台もしくは2台でもよいし、あるいは4台以上であってもよい。印刷装置10、クライアント装置20およびサーバ装置30は、いずれもネットワーク40に接続され、それぞれの装置の間でネットワーク40を介してお互いに情報を送受信することができる。ネットワーク40は、たとえばローカルエリアネットワーク(Local Area Network:略称LAN)、ワイドエリアネットワーク(Wide Area Network:略称WAN)あるいはインターネットなどによって構成される。印刷装置10が1台である場合、クライアント装置20、サーバ装置30およびネットワーク40はなくてもよい。
【0054】
印刷装置10は、たとえばプリンタ装置、複写装置、ファクシミリ装置、スキャナ装置、もしくはドキュメントファイリング装置、またはこれらの装置が有するいくつかの機能が複合された複合装置によって構成され、少なくともプリント機能を有する装置であればよい。印刷装置10は、ネットワーク40を介して受信する印刷データ、および印刷装置10に着脱可能な外部記憶媒体、たとえばユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus;以下「USB」という)メモリに記憶される印刷データを読み出して印刷することができる。
【0055】
クライアント装置20は、たとえばパーソナルコンピュータあるいはプリントサーバ装置によって構成され、印刷ジョブを、ネットワークを介して印刷装置10に送信し、印刷装置10に印刷ジョブを実行させて印刷を行わせる。印刷ジョブは、印刷対象である印刷データを記録紙などの印刷媒体に印刷する仕事である。印刷ジョブは、印刷に関する処理である印刷処理であり、印刷データを印刷媒体に印刷する処理、および印刷された印刷媒体が後述する排紙トレイから取り出される処理を含む。印刷情報である印刷ジョブは、印刷データおよび属性情報を含む。属性情報は、たとえば印刷ページ数などの情報である。印刷データは、PCL(Printer Control Language)やPDL(Page Description
Language)などのプリント記述言語で記述されるデータである。サーバ装置30は、印刷装置10から送信される情報を管理する装置である。
【0056】
図2は、印刷装置10の構成を示すブロック図である。印刷装置10は、入出力(
Input/Output:略称I/O)制御部11、ユーザインタフェース(User Interface:略称UI)制御部12、課金処理部13、ジョブ制御部14、画像生成部15、エンジン制御部16、記憶部17、図示しない中央処理装置(Central Processing Unit:略称CPU)および図示しないエンジン部を含んで構成される。
【0057】
通信手段であるI/O制御部11は、ネットワーク40に接続され、ネットワーク40に接続される他の印刷装置10、クライアント装置20およびサーバ装置30と情報の送受信を行う。I/O制御部11は、ジョブ制御部14から受け取る情報をこれらの装置に送信し、これらの装置から受信する情報、たとえば印刷ジョブをジョブ制御部14に送る。また、I/O制御部11は、着脱可能な外部記憶装置、たとえばUSBメモリを装着可能であり、装着された外部記憶装置から、該外部記憶装置に記憶される印刷データおよび属性情報を読み出すことができ、読み出した印刷データおよび属性情報を、印刷ジョブとしてジョブ制御部14に送る。
【0058】
UI制御部12は、情報を入力する入力部および情報を出力する出力部を含む。UI制御部12は、たとえばタッチパネルによって構成される場合、入力部は、指などが触れた位置を表す位置情報を入力するタッチセンサによって構成され、入力された位置情報を、課金処理部13またはジョブ制御部14に送る。出力部は、情報を表示する表示部によって構成され、課金処理部13またはジョブ制御部14から受け取る情報を表示する。課金処理部13またはジョブ制御部14は、たとえば操作キーを表示部に表示させ、入力部から入力される位置情報によって、どの操作キーが操作されたかを特定する。UI制御部12は、指定手段、入力手段および報知手段である。表示部は、表示手段である。
【0059】
課金手段である課金処理部13には、カードリーダ18が接続される。記録手段であるカードリーダ18は、たとえば接触型または非接触型のカードがかざされたとき、情報を送受信し、カードに情報を書き込み、あるいはカードから情報を読み出す。カードをカードリーダ18にかざすとは、接触型のカードをカードリーダ18に接触させること、あるいは非接触型のカードをカードリーダ18に接触あるいは接近させることをいう。たとえばカードが非接触型の集積回路(Integrated Circuit:略称IC)カードであれば、ICカードをカードリーダ18に接近、たとえば10cm以下の距離に接近させると、カードリーダ18は、RFID(Radio Frequency Identification)方式の無線通信によって、ICカードに記録される情報の読み書きを行う。
【0060】
記録媒体であるカードは、予め電子マネーがチャージされている。カードは、情報を記録する記録部を含み、チャージされている電子マネーの金額、およびカード情報が、その記録部に記録されている。記録部は、たとえば磁気記録媒体あるいは半導体メモリなどによって構成される。カード情報は、カードの所有者を認識するための所有者識別情報である。電子マネーは、金銭を電子化したデータである。電子マネーをICカードなどにチャージするとは、使用可能な電子マネーの金額をICカードなどに記録することをいう。以下、ICカードに記録される電子マネーから、代金あるいは不足分の電子マネーを徴収することを、課金という。また、徴収した代金のうち取り過ぎた分の電子マネーをICカードに戻すことを、返金という。
【0061】
カードリーダ18は、カードがカードリーダ18にかざされたことを検出すると、カードがカードリーダ18にかざされたことを検出した旨を課金処理部13に知らせる。また、カードリーダ18は、カードがカードリーダ18から離れたことを検出すると、カードがカードリーダ18から離れたことを検出した旨を課金処理部13に知らせる。課金処理部13は、情報をカードリーダ18に送り、カードリーダ18が課金処理部13から受け取った情報をカードに書き込み、また、カードリーダ18がカードから読み出した情報をカードリーダ18から受け取る。本実施形態では、カードリーダ18は、印刷装置10とは独立した装置として構成しているが、印刷装置10に含める構成としてもよい。
【0062】
課金処理部13は、カードに記録される電子マネーの金額を、カードリーダ18に書き換えさせることによって課金あるいは返金を行う。また、予め定める印刷条件(以下単に「印刷条件」という)に基づいて、課金すべき代金の金額を計算し、カードに記録される電子マネーの金額を読み出し、読み出した金額から、計算した金額を減算し、減算した金額によって、カードに記録される金額を、カードリーダ18に書き換えさせることによって課金する。印刷条件は、記憶部17に記憶される印刷設定および印刷ジョブの属性情報によって規定される条件である。印刷設定は、たとえば印刷指定、用紙サイズおよび印刷部数などの情報を含む。印刷ジョブの属性情報は、印刷ページ数などの情報を含む。印刷指定は、カラーで印刷するのか、モノクロで印刷するのか、または印刷データに応じてカラーまたはモノクロで印刷するのかの指定である。
【0063】
さらに、課金処理部13は、課金後、実際に印刷した印刷結果による代金の金額が課金した金額よりも少ないときは、その差額分の金額について、カードに記録される電子マネーの金額をカードリーダ18に書き換えさせて返金する。また、課金後、実際に印刷した印刷結果による代金の金額が課金した金額よりも多いときは、その差額分の金額について、カードに記録される電子マネーの金額をカードリーダ18に書き換えさせて、追加料金として課金する。返金および追加料金の課金は、精算である。
【0064】
制御手段であるジョブ制御部14は、印刷ジョブの受付から印刷終了までのジョブの実行およびジョブの管理を行い、I/O制御部11、UI制御部12、課金処理部13、画像生成部15およびエンジン制御部16を制御する。ジョブ制御部14は、ネットワーク40に接続されるクライアント装置20、または装着された外部記憶装置からの印刷ジョブを、I/O制御部11から受け取る。ジョブ制御部14は、受け取った印刷ジョブに含まれる印刷データを、画像生成部15に送る。
【0065】
画像生成部15は、ジョブ制御部14から受け取る印刷データを解析して、印刷データに基づいて、図示しないエンジン部で印刷するための画像データを生成し、生成した画像データをジョブ制御部14に送る。ジョブ制御部14は、画像生成部15から受け取る画像データをエンジン制御部16に送り、印刷を開始させる。エンジン制御部16は、ジョブ制御部14から受け取る画像データを図示しないエンジン部に送るとともに、図示しないエンジン部を駆動制御する。図示しないエンジン部は、エンジン制御部16から受け取る画像データに基づいて、記録紙などの印刷媒体に画像を形成する画像形成装置によって構成される。エンジン制御部16および図示しないエンジン部は、印刷手段である。
【0066】
記憶手段である記憶部17は、たとえば半導体メモリあるいはハードディスク装置などの記憶装置によって構成され、CPUによって実行されるプログラム、およびCPUがプログラムを実行するために必要な情報を記憶する。CPUがプログラムを実行するために必要な情報は、印刷ジョブに係る情報、各ページがカラーであるかモノクロであるかを示すカラーモノクロ情報、カードから読み出したカード情報、カードに課金した課金額、実際に印刷した印刷結果による代金の金額、カードに課金した課金額と実際に印刷した印刷結果による代金の金額との差額などの情報を含む。印刷ジョブに係る情報は、印刷データおよび属性情報を含む。カードから読み出したカード情報は、カード情報、およびチャージされている電子マネーの金額を含む。
【0067】
課金処理部13、ジョブ制御部14、画像生成部15およびエンジン制御部16は、CPUが記憶部17に記憶されるプログラムを実行することによって実現される機能である。課金処理部13、ジョブ制御部14、画像生成部15およびエンジン制御部16は、記憶部17に記憶される情報の読み出し、および記憶部17への情報の書き込みが可能である。
【0068】
まず、実例を示して、カードに課金した課金額と実際に印刷した印刷結果による代金の金額とに差額が生じ、差額を返金する例を説明する。たとえば、カラーによる印刷の代金を1ページ50円、およびモノクロによる印刷の代金を1ページ10円であると仮定し、カラーが3ページで、モノクロが2ページの合計5ページの印刷ジョブAを例にすると、モノクロ指定での印刷の場合、10円×5枚=50円であり、カラー指定での印刷の場合、50円×5枚=250円であり、カラーモノクロ自動モードであるカラーモノクロ自動指定での印刷の場合、50円×3枚+10円×2枚=170円である。モノクロ指定とは、印刷データのページがカラーであってもモノクロであってもモノクロで印刷することを指定するものであり、カラー指定とは、印刷データのページがカラーであってもモノクロであってもカラーで印刷することを指定するものであり、カラーモノクロ自動指定とは、印刷データのページがカラーであると、カラーで印刷し、印刷データのページがモノクロであると、モノクロで印刷することを指定するものである。
【0069】
印刷データのページがモノクロである場合、カラーで印刷しても、印刷結果はモノクロであるため、ユーザにとっては、カラーとモノクロとの差額分損したことになる。したがって、ユーザは、カラーモノクロ自動指定を選択する。
【0070】
しかしながら、印刷するページがカラーであるのかモノクロであるのかは、印刷データを、実際に印刷するためのビットマップ情報、つまり上述した画像データに変換する処理の過程で判定するため、すべてのページについて変換が行われたときに、初めてカラーのページ数とモノクロのページ数とが確定するが、この処理は、相当の時間を要するものである。したがって、印刷を早く完了させるために、印刷装置10は、カラーモノクロ自動指定の場合、カラー指定として計算して課金し、印刷終了後に、差額を返金することとしている。
【0071】
図3は、従来技術による差額の返金方法の一例を説明するための図である。従来技術による印刷装置90は、図2に示した構成と同じ構成であり、重複を避けるため説明は省略する。
【0072】
印刷装置90は、カラーモノクロ自動指定で印刷ジョブAを実行するとき、シーケンスS1で、カラー指定で印刷したときの代金の金額を計算し、計算した金額、つまり250円でカードリーダ18によってカード19に課金する。シーケンスS2で、印刷装置90は、第1ページ〜第5ページ(図では「P1」〜「P5」と記す)を順次印刷して排紙する。このとき、第1,4,5ページがカラーであり、第2,3ページがモノクロであるので、実際に印刷した印刷結果による代金の金額は170円である。したがって、前課金した金額250円との差額80円を返金する必要がある。
【0073】
印刷装置90は、シーケンスS3で、UI制御部12に、返金額80円がある旨、およびカード19をカードリーダ18にかざすことを要求するメッセージを表示する。このメッセージの表示に応答して、ユーザがカード19をカードリーダ18にかざし、かざされたカード19に記録されるカード情報が、前課金を行ったカード19のカード情報と一致すると、印刷装置90は、シーケンスS4で、差額80円をカードリーダ18によってカード19に返金する。しかし、このメッセージの表示に応答して、ユーザがカード19をカードリーダ18にかざさずに、印刷物を持ち帰った場合、この差額は、返金されない。
【0074】
図4は、印刷装置10による差額の返金方法の一例を説明するための図である。シーケンスS11は、図3に示したシーケンスS1と同じであり、重複を避けるため説明は省略する。
【0075】
シーケンスS12で、印刷装置10は、第1ページ〜第4ページを順次印刷して排紙する。印刷装置10は、第5ページの画像データを生成した後、第5ページを印刷する前に、シーケンスS13で、印刷を停止し、UI制御部12に、返金額80円がある旨、およびカード19をカードリーダ18にかざすことを要求する旨のメッセージを表示する。このとき、第1,4,5ページがカラーであり、第2,3ページがモノクロであるので、実際に印刷した印刷結果となるべき代金の金額は170円である。したがって、前課金した金額250円との差額80円を返金する必要がある。
【0076】
シーケンスS13でのメッセージの表示に応答して、シーケンスS14で、ユーザがカード19をカードリーダ18にかざすと、シーケンスS15で、印刷装置10は、かざされたカード19に記録されるカード情報と、前課金を行ったカード19のカード情報とが一致するか否かを判定し、一致すると、差額80円をカードリーダ18によってカード19に返金する。印刷装置10は、返金後、シーケンスS16で、最終ページを印刷して排紙する。
【0077】
この場合、差額の返金が行われた後、最終ページを印刷して排紙するので、カード19をカードリーダ18にかざさせて、返金した後でないと、ユーザは、最終ページを取得することができず、返金漏れを低減することができる。
【0078】
印刷装置10は、シーケンスS13でのメッセージの表示の後、シーケンスS13での表示に応答して、ユーザがカード19をカードリーダ18にかざしたか否かを所定時間監視する。予め定める時間である所定時間は、印刷装置10の管理者が設定可能に構成され、たとえば3分間が設定される。シーケンスS13での表示の後、所定時間内にユーザがカード19をカードリーダ18にかざさないとき、前課金を行ったカード19のカード情報に対応付けてその差額を返金額として記憶部17に記憶する。そして、シーケンスS13でのメッセージの表示を消去した後、当該印刷ジョブを終了し、次のジョブの受付を可能とする。ユーザが、シーケンスS13での表示に気がつかず、カード19をカードリーダ18にかざさずに、印刷されて排紙された4ページの印刷物を持ち帰った場合、印刷したページは、カラー2ページおよびモノクロ2ページであり、実際に印刷した印刷結果による代金の金額は120円となり、差額は130円である。
【0079】
さらに、印刷装置10は、シーケンスS13でのメッセージの表示の後、予め定める時間内に、他のユーザがカード19をカードリーダ18にかざし、かざされたカード19のカード情報が、記憶部17に記憶するカード情報と一致しないとき、前課金を行ったカード19のカード情報に対応付けてその差額を返金額として記憶部17に記憶する。そして、シーケンスS13での表示を消去した後、当該印刷ジョブを終了し、カードリーダ18にかざされた他のユーザのカード19に対応する印刷ジョブを開始する。
【0080】
返金できなかった差額が返金額として記憶部17に記憶されている状態で、カードリーダ18にかざされたカード19に記録されるカード情報が、記憶部17に記憶される当返金額に対応付けて記憶されるカード情報に一致するとき、記憶部17に記憶される当該返金額を、カードリーダ18によってカード19に精算した後、当該返金額および当該返金額に対応付けられたカード情報を記憶部17から消去した後、カードリーダ18にかざされたカード19に対応する印刷ジョブを新たに開始する。
【0081】
また、印刷装置10は、他の印刷装置10に記憶される返金額の返金処理を行ってもよい。具体的には、印刷装置10は、カード19がカードリーダ18にかざされ、カード19に記録されるカード情報を読み出したとき、読み出したカード情報を、I/O制御部11によって他の印刷装置10に送信する。以下、カード情報を他の印刷装置10に送信した印刷装置10を、印刷装置Xという。カード情報を受信した他の印刷装置10は、自印刷装置10の記憶部17に、受信したカード情報に一致するカード情報であって、返金額と対応付けられたカード情報があるか否かを判定する。返金額と対応付けられたカード情報があるときは、返金額がある旨およびその返金額を印刷装置Xに送信する。以下、返金額がある旨およびその返金額を印刷装置Xに送信した他の印刷装置10を印刷装置Yという。
【0082】
返金額がある旨およびその返金額を受信した印刷装置Xは、UI制御部12に、返金すべき返金額がある旨、およびカード19をカードリーダ18にかざすことを要求する旨のメッセージを、UI制御部12に表示する。このメッセージの表示に応答して、ユーザがカード19をカードリーダ18にかざすと、印刷装置Xは、かざされたカード19に記録されたカード情報が、印刷装置Yから受信したカード情報に一致するか否かを判定し、一致すると、印刷装置Yから受信した返金額をカードリーダ18によってカード19に返金する。印刷装置Xは、返金後、返金が完了したことを示す返金完了を、印刷装置Yに送信する。印刷装置Yは、返金完了を受信すると、記憶部17に記憶した返金額およびその返金額に対応付けられたカード情報を消去する。印刷装置Xは、返金後、カードリーダ18にかざされたカード19に対応する印刷ジョブを新たに開始する。
【0083】
印刷装置Xは、ネットワーク40に接続されるすべての印刷装置10ではなく、一部の印刷装置10にのみ、かざされたカード19のカード情報を送信するように構成してもよい。具体的には、各印刷装置10を識別するための印刷装置識別情報を個々の印刷装置10に付与しておき、カード情報を送信すべき印刷装置10の印刷装置識別情報を個々の印刷装置10の記憶部17に設定しておき、各印刷装置10は、記憶部17に設定されている印刷情報識別情報が示す印刷装置10にのみカード情報を送信する。
【0084】
また、返金すべき返金額をサーバ装置30で一元管理するように構成してもよい。印刷装置10は、返金すべき返金額が生じた場合、その返金額をカード情報に対応付けて記憶部17にするのではなく、I/O制御部11によって、その返金額をカード情報に対応付けて、サーバ装置30に送信する。サーバ装置30は、受信した返金額および対応付けられたカード情報を、対応付けてサーバ装置30の図示しない記憶装置に記憶する。
【0085】
印刷装置10は、カード19がカードリーダ18にかざされ、カード19に記録されるカード情報を読み出したとき、印刷装置10は、読み出したカード情報を、I/O制御部11によってサーバ装置30に送信する。以下、サーバ装置30に送信した印刷装置10を、印刷装置Zという。サーバ装置30は、サーバ装置30の記憶装置に、受信したカード情報に一致するカード情報であって、返金額と対応付けられたカード情報があるか否かを判定する。返金額と対応付けられたカード情報があるときは、返金額がある旨およびその返金額を印刷装置Zに送信する。
【0086】
返金額がある旨およびその返金額を受信した印刷装置Zは、UI制御部12に、返金すべき返金額がある旨、およびカード19をカードリーダ18にかざすことを要求する旨のメッセージを表示する。このメッセージの表示に応答して、ユーザがカード19をカードリーダ18にかざすと、印刷装置Zは、かざされたカード19に記録されるカード情報が、サーバ装置30から受信したカード情報に一致するか否かを判定し、一致すると、サーバ装置30から受信した返金額をカードリーダ18によってカード19に返金する。印刷装置Zは、返金後、返金が完了したことを示す返金完了を、サーバ装置30に送信する。サーバ装置30は、返金完了を受信すると、記憶装置に記憶した返金額およびカード情報のうち、印刷装置Zに送信した返金額およびその返金額に対応付けられたカード情報を消去する。印刷装置Zは、返金後、カードリーダ18にかざされたカード19に対応する印刷ジョブを新たに開始する。
【0087】
図5は、従来技術による差額の返金方法の他の例を説明するための図である。この例は、印刷ジョブが、ジョブの途中でキャンセルされる場合、あるいは印刷の設定変更が行われる場合の例である。たとえば、モノクロによる印刷の代金を1ページ10円であると仮定し、モノクロのページが5ページの印刷ジョブBを例にすると、モノクロ指定での印刷の場合、10円×5枚=50円であり、2ページ目を印刷中に印刷ジョブがキャンセルされた場合、モノクロで2ページ印刷したことになるので、実際に印刷した印刷結果による代金の金額は20円である。
【0088】
印刷装置90は、モノクロ指定で印刷ジョブBを実行するとき、シーケンスS21で、モノクロ指定で印刷したときの代金の金額を計算し、計算した金額、つまり50円でカードリーダ18によってカード19に課金する。シーケンスS22で、2ページ目を印刷中に、ユーザが印刷ジョブをキャンセルする。印刷ジョブのキャンセルは、たとえばUI制御部12に表示されるキャンセルするための操作キーを操作することによって行われる。
【0089】
2ページ目を印刷中に印刷ジョブがキャンセルされると、シーケンスS23で、印刷装置90は、2ページまでの排紙を行い、3ページ目以降の印刷データを記憶部17から削除する。実際に印刷した印刷結果による代金の金額は20円であるので、課金した金額50円に対して差額30円を返金する必要がある。シーケンスS24で、印刷装置90は、UI制御部12に、返金額30円がある旨、およびカード19をカードリーダ18にかざすことを要求する旨のメッセージを表示する。このメッセージの表示に応答して、ユーザがカード19をカードリーダ18にかざし、かざされたカード19に記録されたカード情報が、前課金したカード19のカード情報に一致すると、印刷装置90は、シーケンスS25で、差額30円をカードリーダ18によってカード19に返金する。しかし、このメッセージの表示に応答して、ユーザがカード19をカードリーダ18にかざさずに、印刷物を持ち帰った場合、この差額は、返金されない。
【0090】
図6は、印刷装置10による差額の返金方法の他の例を説明するための図である。シーケンスS31は、図5に示したシーケンスS21と同じであり、重複を避けるため説明は省略する。シーケンスS32で、印刷装置10は、「ジョブキャンセルあるいは印刷設定変更を行う場合は再度カードをかざしてください」というメッセージを、UI制御部12の表示部に表示する。ユーザが印刷ジョブをキャンセルする場合あるいは印刷設定変更を行う場合、印刷装置10は、ユーザがカード19をカードリーダ18にかざし、かざしている状態を維持している間、印刷ジョブをキャンセルするためのキャンセルキーあるいは印刷の設定変更を行うための印刷設定変更キーを、UI制御部12の表示部に表示する。ユーザは、そのキャンセルキーを操作することによって印刷ジョブのキャンセルが可能であり、またはその印刷設定変更キーを操作することによって印刷設定変更が可能である。たとえば、2ページ目を印刷中に、ユーザがカード19をカードリーダ18にかざすと、シーケンスS33で、印刷装置90は、2ページまでの印刷および排紙を行い、印刷を停止する。
【0091】
シーケンスS34で、印刷装置10は、カード19がカードリーダ18にかざされている状態が維持されている間、キャンセルキーおよび印刷設定変更キーを、UI制御部12の表示部に表示する。シーケンスS35で、ユーザがキャンセルキーを操作すると、シーケンスS26で、印刷装置10は、3ページ目以降の印刷データを記憶部17から削除し、返金額30円をカードリーダ18によってカード19に返金する。キャンセルキーおよび印刷設定変更キーのいずれも操作されずに、カード19がカードリーダ18から離されると、印刷装置10は、停止していた印刷ジョブを再開する。
【0092】
シーケンスS35で、ユーザがキャンセルキーの代わりに、印刷設定変更キーを操作したときは、印刷装置10は、印刷設定変更画面をUI制御部12の表示部に表示する。印刷の設定変更が行なわれると、印刷装置10は、変更後の印刷設定による印刷条件で、課金すべき予測金額を再計算し、再度カード19をカードリーダ18にかざすことを要求する旨のメッセージをUI制御部12に表示する。このメッセージの表示に応答して、カード19がカードリーダ18にかざされると、再計算した予測金額で再課金し、停止していた印刷ジョブを再開する。全ページをカラーで印刷すると仮定して予測金額を算出し、モノクロでの印刷のページが生じたことは、第1の予測金額変化要因であり、印刷設定変更のための操作は、第2の予測金額変化要因である。
【0093】
図7は、印刷装置10が実行する第1の返金処理の処理手順を示すフローチャートである。ジョブ制御部14がI/O制御部11から印刷ジョブを受け取ると、ステップA1に移る。以下、図4に示した印刷ジョブAの例で補足しながら説明する。
【0094】
ステップA1では、ジョブ制御部14は、受け取った印刷ジョブを記憶部17に記憶し、印刷ジョブを受け取った旨を課金処理部13に知らせる。課金処理部13は、ジョブ制御部14から印刷ジョブを受け取った旨を知らされると、印刷条件に基づいて、課金すべき代金の金額(以下「前課金額」ともいう)を計算する。具体的には、課金処理部13は、印刷ジョブの属性情報である印刷ページ数、および印刷設定に設定される印刷指定に基づいて、前課金額を計算する。印刷モードである印刷指定は、モノクロ指定、カラー指定、およびカラーモノクロ自動指定のうちのいずれか1つの指定が可能である。たとえば、印刷ジョブAの例では、印刷ページ数が5ページで、印刷指定がカラーモノクロ自動指定であるので、前課金額は、50円×5=250円である。
【0095】
ステップA2では、課金処理部13は、カード19があるか否かを判定する。カードリーダ18から、カード19がカードリーダ18にかざされた旨を知らされると、カード19があると判定し、ステップA3に進む。課金処理部13は、カードリーダ18から、カード19がカードリーダ18にかざされた旨を知らされないと、カード19がないと判定し、ステップA2に戻り、カード19がカードリーダ18にかざされるのを待つ。カードリーダ18は、カード19がカードリーダ18にかざされると、カード19に記録されるカード情報を読み出し、読み出したカード情報を課金処理部13に送る。課金処理部13は、カード19があると判定すると、カードリーダ18からカード情報を受け取り、受け取ったカード情報を記憶部17に記憶する。
【0096】
ステップA3では、課金処理部13は、返金確認処理を行う。返金確認処理は、かざされたカード19に対して返金すべき返金額があるか否かを判定し、返金すべき返金額があるとき、カード19への返金を行う処理であり、詳細は後述する。
【0097】
ステップA4では、課金処理部13は、前課金処理を行う。具体的には、課金処理部13は、カード19に記録される電子マネーの金額をカードリーダ18に読み出すように指示し、カードリーダ18が読み出した金額をカードリーダ18から受け取る。そして、受け取った金額から、ステップA1で計算した前課金額を減算する。そして、減算した金額でカード19に記録される金額を書き換えることによって前課金するようにカードリーダ18に指示する。カードリーダ18は、課金処理部13から指示された金額でカード19に記録される金額を書き換えて前課金を行う。課金処理部13は、前課金が終了すると、前課金が終了した旨をジョブ制御部14に知らせる。
【0098】
ステップA5では、ジョブ制御部14は、前課金が終了した旨を課金処理部13から受けとると、印刷ジョブを開始する。具体的には、I/O制御部11から受け取った印刷ジョブの印刷データを画像生成部15に送る。画像生成部15は、ジョブ制御部14から受け取った印刷データのデータ解析を行う。この印刷データは、PCLやPDLなどのプリント記述言語で記述される。画像生成部15は、この印刷データを実際に印刷するための画像データに変換する処理を行い、その処理の過程で、印刷しようとしている対象の1ページがカラーのページであるのかモノクロのページであるのかを判定する。各ページがカラーのページであるのかモノクロのページであるの判定をデータ解析という。画像データは、実際に印刷するためのビットマップ情報である。
【0099】
ステップA6では、画像生成部15は、1ページ分の画像データを生成する。画像生成部15は、生成した1ページ分の画像データ、およびデータ解析結果、つまり印刷するページがカラーのページであるのかモノクロのページであるのかを示す解析結果をジョブ制御部14に送る。ジョブ制御部14は、画像生成部15から受け取った解析結果を課金処理部13に送る。
【0100】
ステップA7では、課金処理部13は、実際の累積金額を計算する。具体的には、ジョブ制御部14から受け取った解析結果に基づいて、当該解析結果に係るページを印刷する代金の金額を計算し、計算した金額を、これまでの累積金額に加算する。累積金額は、解析結果に係るページを印刷する代金の金額を累積した金額である。たとえば、印刷ジョブAの例では、1ページ目の場合、累積金額は、50円である。
【0101】
ステップA8では、ジョブ制御部14は、最終ページであるか否かを判定する。印刷中の印刷ジョブの印刷データのすべてのページが、画像生成部15で画像データに変換されているとき、最終ページであると判定し、ステップA9に進む。印刷中の印刷ジョブの印刷データのすべてのページが、画像生成部15で画像データに変換されていないとき、最終ページでないと判定し、ステップA18に進む。
【0102】
ステップA9では、課金処理部13は、ステップA1で計算した前課金額と、累積金額とを比較する。たとえば、印刷ジョブAの例では、カラーが3ページおよびモノクロが2ページであるので、累積金額は、170円である。前課金額は、250円であるので、80円を返金する必要がある。ステップA10では、課金処理部13は、返金があるか否かを判定する。ステップA1で計算した前課金額と累積金額とが異なるとき、返金があると判定し、ステップA11に進む。ステップA1で計算した前課金額と累積金額とが一致するとき、返金がないと判定し、ステップA17に進む。印刷ジョブAの例では、80円の差額があるので、返金ありと判定され、ステップA11に進む。
【0103】
課金処理部13は、ステップA1で計算した前課金額と累積金額とが異なるとき、ステップA1で計算した前課金額から累積金額を減算し、減算結果を返金額として、ステップA11に進む。また、ステップA1で計算した前課金額と累積金額とが一致するとき、返金が不要である旨をジョブ制御部14に知らせる。
【0104】
ステップA11では、課金処理部13は、返金処理が必要である旨をユーザに通知するため、返金額をUI制御部12(図7では「オペ」と記す)に表示する。ステップA12では、課金処理部13は、返金額をUI制御部12に表示後、所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間が経過したとき、ステップA19に進み、所定時間が経過していないとき、ステップA13に進む。ステップA13では、課金処理部13は、カード19があるか否かを判定する。課金処理部13は、カードリーダ18から、カード19がカードリーダ18にかざされた旨を知らされると、カード19があると判定し、ステップA14に進む。カードリーダ18から、カード19がカードリーダ18にかざされた旨を知らされないと、カード19がないと判定し、ステップA12に戻る。
【0105】
ステップA14では、課金処理部13は、カードリーダ18から、カードリーダ18がカード19から読み出したカード情報を受け取り、受け取ったカード情報を照合する。具体的には、課金処理部13は、カードリーダ18から受け取ったカード情報と、記憶部17に記憶されるカード情報、つまり前課金を行ったカード19のカード情報とを比較する。ステップA15では、課金処理部13は、カード情報が一致したか否かを判定する。課金処理部13は、カードリーダ18から受け取ったカード情報と、記憶部17に記憶されるカード情報、つまり前課金を行ったカード19のカード情報とが一致すると、カード情報が一致したと判定し、ステップA16に進む。課金処理部13は、カードリーダ18から受け取ったカード情報と、記憶部17に記憶されるカード情報、つまり前課金を行ったカード19のカード情報とが一致しないと、カード情報が一致しなかったと判定し、ステップA19に進む。
【0106】
ステップA16では、課金処理部13は、返金処理を行う。具体的には、課金処理部13は、カード19に記録される電子マネーの金額をカードリーダ18に読み出すように指示し、カードリーダ18が読み出した金額をカードリーダ18から受け取る。そして、課金処理部13は、受け取った金額に、ステップA10で算出した返金額を加算し、加算した金額でカード19に記録される金額を書き換えることによって返金するようにカードリーダ18に指示する。カードリーダ18は、課金処理部13から指示された金額でカード19に記録される金額を書き換えて返金を行う。課金処理部13は、返金が終了すると、返金が終了した旨をジョブ制御部14に知らせる。
【0107】
ステップA17では、ジョブ制御部14は、課金処理部13から、返金が不要である旨、または返金が終了した旨を知らされると、画像生成部15から受け取った最終ページの画像データを、エンジン制御部16に送る。エンジン制御部16は、ジョブ制御部14から受け取った最終ページの画像データを、図示しないエンジン部に送り、印刷させ、印刷後印刷した最終ページを排紙させる。ジョブ制御部14は、エンジン制御部16から排紙が完了したことを知らされると、第1の返金処理を終了する。
【0108】
ステップA18では、ジョブ制御部14は、画像生成部15から受け取った1ページ分の画像データを、エンジン制御部16に送る。エンジン制御部16は、ジョブ制御部14から受け取った1ページ分の画像データを、図示しないエンジン部に送り、印刷させ、印刷後印刷したページを排紙させる。ジョブ制御部14は、エンジン制御部16から排紙が完了したことを知らされると、ステップA6に戻り、最終ページになるまで、ページごとにステップA6〜A8を繰り返す。
【0109】
ステップA19では、ジョブ制御部14は、カード情報記憶処理を行って、第1の返金処理を終了する。カード情報記憶処理は、カード情報および返金額などの情報を記憶部17に記憶する処理であり、詳細は後述する。第1の返金処理が終了した後、ジョブ制御部14がI/O制御部11から新たな印刷ジョブを受け取ると、ステップA1に移る。
【0110】
図8は、印刷装置10が実行する返金確認処理の処理手順を示すフローチャートである。図7に示したステップA3が実行されると、ステップB1に移る。返金確認処理は、ユーザに対して返金すべき返金額が存在するか否かを確認し、返金すべき返金額が存在するとき、返金を行う処理である。
【0111】
ステップB1では、課金処理部13は、返金管理対象を検索する。具体的には、記憶部17に登録されている返金管理対象を検索する。返金管理対象は、管理者によって予め記憶部17に登録されている。印刷システム1が1台の印刷装置10のみで構成される場合、返金管理対象は、自印刷装置10のみである。印刷システム1が複数の印刷装置10を含んで構成され、個々の印刷装置10が、返金すべき返金額と、該返金額を返金すべきカード19のカード情報とを記憶する場合、返金管理対象は、自印刷装置10および他の印刷装置10である。印刷システム1が複数の印刷装置10およびサーバ装置30を含んで構成され、サーバ装置30が、返金すべき返金額と、該返金額を返金すべきカード19のカード情報とを一元管理する場合、返金管理対象は、サーバ装置30である。以下、他の印刷装置10およびサーバ装置30を外部装置という。
【0112】
ステップB2では、課金処理部13は、外部装置であるか否かを判定する。課金処理部13は、返金管理対象として記憶部17に登録されている装置が外部装置であるとき、ステップB3に進み、返金管理対象として記憶部17に登録されている装置が外部装置でないとき、ステップB5に進む。
【0113】
ステップB3では、課金処理部13は、返金確認要求を外部装置に送信する。具体的には、課金処理部13は、ジョブ制御部14に返金確認要求を外部装置に送信するように要求する。返金確認要求は、返金すべき返金額と、該返金額を返金すべきカード19のカード情報とを記憶するとき、返金額通知を返信することを要求する命令である。返金額通知は、返金すべき返金額を記憶する旨、ならびに該返金額、および該返金額を返金すべきカード19のカード情報を含む。ジョブ制御部14は、課金処理部13から返金確認要求を外部装置に送信するように要求されると、返金確認要求を外部装置に送信するように、I/O制御部11に指示する。ジョブ制御部14から指示を受けたI/O制御部11は、返金確認要求を指示された他の印刷装置10またはサーバ装置30に送信する。
【0114】
ステップB4では、課金処理部13は、返金額通知があったか否かを判定する。I/O制御部11が外部装置から返金額通知を受信し、受信した返金額通知をジョブ制御部14に送り、ジョブ制御部14がI/O制御部11から受け取った返金額通知を課金処理部13に送り、課金処理部13がジョブ制御部14から返金額通知を受け取ると、課金処理部13は、返金額通知があったと判定し、ステップB5に進む。I/O制御部11が外部装置から返金額通知を受信しないため、課金処理部13がジョブ制御部14から返金額通知を受け取らないと、課金処理部13は、返金額通知がなかったと判定し、ステップB4に戻る。
【0115】
ステップB5では、課金処理部13は、返金額があるか否かを判定する。具体的には、ステップB2での判定で、返金管理対象として記憶部17に登録されている装置が外部装置でない場合、課金処理部13は、記憶部17に、返金すべき返金額と、該返金額を返金すべきカード19のカード情報とが記憶され、そのカード情報が、図7に示したステップA2でカードリーダ18から受け取ったカード情報と一致するとき、返金額があると判定し、ステップB6に進む。課金処理部13は、記憶部17に、返金すべき返金額と、該返金額を返金すべきカード19のカード情報とが記憶され、そのカード情報が、図7に示したステップA2でカードリーダ18から受け取ったカード情報と一致しないとき、または記憶部17に、返金すべき返金額と、該返金額を返金すべきカード19のカード情報とが記憶されていないとき、返金額がないと判定し、ステップB7に進む。
【0116】
また、ステップB5では、課金処理部13は、ステップB4の判定で、返金額通知があった場合、返金額が「0」でないとき、返金額があると判定し、ステップB6に進み、返金額が「0」であるとき、返金額がないと判定し、ステップB7に進む。
【0117】
ステップB6では、課金処理部13は、返金処理を行う。具体的には、課金処理部13は、カード19に記録される電子マネーの金額をカードリーダ18に読み出すように指示し、カードリーダ18が読み出した金額をカードリーダ18から受け取る。そして、ステップB2での判定で、返金管理対象として記憶部17に登録されている装置が外部装置でない場合は、受け取った金額に、記憶部17に記憶される返金額を加算し、ステップB4の判定で、返金額通知があった場合は、受け取った金額に、返金額通知に含まれる返金額を加算する。そして、課金処理部13は、加算した金額でカード19に記録される金額を書き換えることによって返金するようにカードリーダ18に指示する。カードリーダ18は、課金処理部13から指示された金額でカード19に記録される金額を書き換えて返金を行う。
【0118】
ステップB7では、課金処理部13は、次の返金管理対象があるか否かを判定する。記憶部17に返金管理対象として登録されている次の装置があるとき、次の返金管理対象があると判定し、ステップB2に戻り、記憶部17に返金管理対象として登録されている次の装置がないとき、次の返金管理対象がないと判定し、返金確認処理を終了する。
【0119】
図9は、印刷装置10が実行するカード情報記憶処理の処理手順を示すフローチャートである。図7に示したステップA19が実行されると、ステップC1に移る。カード情報記憶処理は、ユーザが返金処理を行わなかったために、印刷装置10に返金額が残った場合に、その返金額を記憶する処理であり、引き続くジョブを実行可能とするために行われる処理である。
【0120】
ステップC1では、課金処理部13は、サーバ管理であるか否かを判定する。サーバ管理は、サーバ装置30が、返金すべき返金額と、該返金額を返金すべきカード19のカード情報とを一元管理することである。サーバ管理でない場合は、サーバ装置30による管理は行わず、各印刷装置10が、返金すべき返金額と、該返金額を返金すべきカード19のカード情報とを管理する。サーバ管理であるか否かは、管理者によって予め記憶部17に記憶されている。記憶部17にサーバ管理であることが記憶されていると、サーバ管理であると判定し、ステップC2に進み、記憶部17にサーバ管理であることが記憶されていないと、サーバ管理でないと判定し、ステップC4に進む。
【0121】
ステップC2では、課金処理部13は、カード情報および返金額の登録をサーバ装置30に要求する。具体的には、課金処理部13は、ジョブ制御部14に、カード情報および返金額を送り、送ったカード情報および返金額の登録を要求する返金登録要求をサーバ装置30に送信するように要求する。カード情報は、図7に示したステップA2でカードリーダ18から受け取ったカード情報であり、返金額は、図7に示したステップA9で算出した返金額である。返金登録要求は、該返金登録要求とともに送信するカード情報および返金額の登録を要求する命令である。
【0122】
ジョブ制御部14は、課金処理部13から返金登録要求をサーバ装置30に送信するように要求されると、課金処理部13から受け取ったカード情報および返金額とともに、返金登録要求を、サーバ装置30に送信するように、I/O制御部11に指示する。ジョブ制御部14から指示を受けたI/O制御部11は、カード情報および返金額、ならびに返金登録要求をサーバ装置30に送信する。サーバ装置30は、印刷装置10からカード情報および返金額、ならびに返金登録要求を受信すると、受信したカード情報および返金額を、サーバ装置30の記憶装置に対応付けて記憶し、登録完了通知を、返金登録要求を送信した印刷装置10に送信する。登録完了通知は、サーバ装置30が、受信したカード情報および返金額をサーバ装置30の記憶装置に記憶して登録が完了した旨を知らせる通知である。
【0123】
ステップC3では、課金処理部13は、登録完了通知を受け取ったか否かを判定する。I/O制御部11がサーバ装置30から登録完了通知を受信し、受信した登録完了通知をジョブ制御部14に送り、ジョブ制御部14がI/O制御部11から受け取った登録完了通知を課金処理部13に送り、課金処理部13がジョブ制御部14から登録完了通知を受け取ると、課金処理部13は、登録完了通知があったと判定し、カード情報記憶処理を終了する。I/O制御部11がサーバ装置30から登録完了通知を受信しないため、課金処理部13がジョブ制御部14から登録完了通知を受け取らないと、課金処理部13は、登録完了通知がなかったと判定し、ステップC3に戻る。
【0124】
ステップC4では、課金処理部13は、カード情報および返金額を記憶部17に記憶してカード情報記憶処理を終了する。カード情報は、図7に示したステップA2でカードリーダ18から受け取ったカード情報であり、返金額は、図7に示したステップA9で算出した返金額である。
【0125】
図10は、印刷装置10またはサーバ装置30が実行する登録返金処理の処理手順を示すフローチャートである。印刷装置10の電源が投入され動作可能状態になると、ステップD1に移る。または、サーバ装置30の電源が投入され動作可能状態になると、ステップD1に移る。まず、サーバ装置30の場合について説明する。サーバ装置30が実行する登録返金処理は、サーバ装置30が返金額とカード情報とを一元管理する場合の例である。
【0126】
ステップD1では、サーバ装置30は、要求があるか否かを判定する。要求は、印刷装置10からの要求であり、たとえば返金登録要求および返金確認要求などの要求である。ステップD1は、要求待ち状態である。サーバ装置30は、印刷装置10から要求を受信すると、要求があると判定し、ステップD2に進み、印刷装置10から要求を受信しないと、要求がないと判定し、ステップD1に戻る。
【0127】
ステップD2では、サーバ装置30は、カード情報を照会する。具体的には、サーバ装置30は、要求とともに受信したカード情報が、サーバ装置30の記憶装置に記憶されているかを照会する。ステップD3では、サーバ装置30は、カード情報が登録されているか否かを判定する。要求とともに受信したカード情報がサーバ装置30の記憶装置に登録されていると、ステップD4に進み、要求とともに受信したカード情報がサーバ装置30の記憶装置に登録されていないと、ステップD8に進む。
【0128】
ステップD4では、サーバ装置30は、返金登録要求であるか否かを判定する。ステップD1で受信した要求が返金登録要求であると、ステップD5に進み、ステップD1で受信した要求が返金登録要求でないと、ステップD9に進む。ステップD5では、サーバ装置30は、返金登録要求とともに受信した返金額を、返金登録要求とともに受信したカード情報に対応付けて、サーバ装置30の記憶装置に記憶して登録する。ステップD6では、サーバ装置30は、完了を通知する。具体的には、サーバ装置30は、登録完了通知を、ステップD1で受信した要求を送信した印刷装置10に送信する。ステップD7では、サーバ装置30は、通知を完了し、ステップD1の要求待ち状態に戻る。
【0129】
ステップD8では、サーバ装置30は、要求とともに受信したカード情報を、サーバ装置30の記憶装置に登録して、ステップD4に進む。ステップD9では、サーバ装置30は、返金確認要求であるか否かを判定する。ステップD1で受信した要求が返金確認録要求であると、ステップD10に進み、ステップD1で受信した要求が返金確認要求でないと、ステップD1に戻る。
【0130】
ステップD10では、サーバ装置30は、要求とともに受信したカード情報が、返金額と対応付けて記憶装置に記憶されているカード情報に一致すると、記憶装置に記憶される返金額を、ステップD1で受信した要求を送信した印刷装置10に送信して、ステップD7に進む。要求とともに受信したカード情報が、返金額と対応付けて記憶装置に記憶されているカード情報に一致しないと、金額を「0」とする返金額を、ステップD1で受信した要求を送信した印刷装置10に送信して、ステップD7に進む。
【0131】
つぎに、印刷装置10の場合について説明する。印刷装置10が実行する登録返金処理は、各印刷装置10が、自印刷装置10で生じた返金額とカード情報とを管理し、他の印刷装置にそのカード情報が記録されたカード19がかざされたとき、そのカード19に返金することを可能とする例である。印刷装置10の場合は、ステップD2〜D6,D8のステップは処理しない。すなわち、ステップD1の次にステップD9が続き、ステップD10の後にステップD7が続く。
【0132】
ステップD1では、課金処理部13は、要求があるか否かを判定する。課金処理部13は、I/O制御部11が他の印刷装置10から要求を受信し、要求を受信した旨がジョブ制御部14から課金処理部13に知らされると、要求があると判定し、ステップD9に進む。I/O制御部11が他の印刷装置10から要求を受信せず、要求を受信した旨がジョブ制御部14から課金処理部13に知らされないと、要求がないと判定し、ステップD1に戻る。I/O制御部11が他の印刷装置10から要求を受信したとき、要求とともに受信されたカード情報は、ジョブ制御部14を介して課金処理部13に送られる。
【0133】
ステップD9では、課金処理部13は、返金確認要求であるか否かを判定する。ステップD1で受信した要求が返金確認録要求であると、ステップD10に進み、ステップD1で受信した要求が返金確認要求でないと、ステップD1に戻る。
【0134】
ステップD10では、課金処理部13は、要求とともに受信されたカード情報が、返金額と対応付けて記憶部17に記憶されているカード情報に一致すると、記憶部17に記憶される返金額を、ステップD1で受信した要求を送信した他の印刷装置10に送信して、ステップD7に進む。要求とともに受信されたカード情報が、返金額と対応付けて記憶部17に記憶されているカード情報に一致しないと、金額を「0」とする返金額を、ステップD1で受信した要求を送信した他の印刷装置10に送信して、ステップD7に進む。ステップD7では、課金処理部13は、通知を完了し、ステップD1の要求待ち状態に戻る。
【0135】
図11Aおよび図11Bは、印刷装置10が実行する差額返金処理の処理手順を示すフローチャートである。差額返金処理は、ユーザ操作に起因する差額の返金処理である。ユーザ操作は、ユーザ指示による印刷ジョブのキャンセル操作と、ユーザ指示による印刷設定の変更操作とを含む。課金に係わる印刷設定の変更は、印刷指定の変更、用紙サイズの変更、および印刷部数の変更を含む。印刷指定の変更は、たとえば印刷ジョブが実行されている途中で、モノクロ指定をカラー指定に変更することである。
【0136】
ステップE1〜E4,E7〜E19,E28は、図7に示したステップA1〜A17,A19と同じであり、重複を避けるため説明は省略する。以下、図6に示した印刷ジョブBの例で補足しながら説明する。印刷ジョブBの例では、ステップE1で、印刷ページ数が5ページで、印刷指定がモノクロ指定であるので、前課金額は、10円×5=50円となる。
【0137】
ステップE5では、課金処理部13は、「ジョブキャンセルあるいは印刷設定変更を行う場合は再度カードをかざしてください」というメッセージを、UI制御部12の表示部に表示する。ステップE6では、課金処理部13は、カード19がないか否かを判定する。カードリーダ18から、カード19がカードリーダ18にかざされた旨を知らされないと、カード19がないと判定し、ステップE7に進む。カードリーダ18から、カード19がカードリーダ18にかざされた旨を知らされると、カード19があると判定し、ステップE7に進む。印刷ジョブBの例では、2ページ目の印刷が開始された後3ページ目のデータ解析の前に、カード19がカードリーダ18にかざされ、ステップE21に進む。
【0138】
「ジョブキャンセルあるいは印刷設定変更を行う場合は再度カードをかざしてください」というメッセージは、カードをカードリーダ18に接触または接近することによって印刷を中止することができる旨、あるいはカードをカードリーダ18に接触または接近することによって、前記予め定める印刷条件を変更することができる旨である。
【0139】
ステップE20では、ジョブ制御部14は、画像生成部15から受け取った1ページ分の画像データを、エンジン制御部16に送る。エンジン制御部16は、ジョブ制御部14から受け取った1ページ分の画像データを、図示しないエンジン部に送り、印刷させ、印刷後印刷したページを排紙させる。ジョブ制御部14は、エンジン制御部16から排紙が完了したことを知らされると、ステップE6に戻り、ジョブキャンセルがなければ、最終ページになるまで、ページごとにステップE6〜E10を繰り返す。
【0140】
ステップE21では、課金処理部13は、カード情報を照会する。具体的には、課金処理部13は、カードリーダ18から受け取ったカード情報が記憶部17に記憶されているかを検索する。ステップE21では、課金処理部13は、カード情報が一致するか否かを判定する。カードリーダ18から受け取ったカード情報が、記憶部17に記憶されているいずれかのカード情報に一致すると、カード情報が一致したと判定し、カード19がかざされた旨をジョブ制御部14に送り、ステップE23に進む。カードリーダ18から受け取ったカード情報が、記憶部17に記憶されているいずれのカード情報にも一致しないと、カード情報が一致しなかったと判定し、ステップE7に進む。
【0141】
ステップE23では、ジョブ制御部14は、印刷を停止する。具体的には、ジョブ制御部14は、課金処理部13からカード19がかざされた旨を受け取ると、画像生成部15およびエンジン制御部16に対する制御を停止する。ステップE24では、課金処理部13は、キャンセルキーおよび印刷設定変更キーを有効にする。具体的には、課金処理部13は、キャンセルキーおよび印刷設定変更キーを、UI制御部12の表示部に表示し、キャンセルキーおよび印刷設定変更キーに対する操作を可能とする。
【0142】
この実施形態では、カードをかざすことによって、キャンセルキーおよび印刷設定変更キーをUI制御部12の表示部に表示しているが、キャンセルキーおよび印刷設定変更キーをUI制御部12の表示部に常時表示する構成としてもよい。この場合、キャンセルキーおよび印刷設定変更キーの表示の明暗を変化させることによって、キャンセルキーおよび印刷設定変更キーの操作が可能であるか否かを表す。たとえば、キャンセルキーおよび印刷設定変更キーが明るく表示されているときは、操作可能とし、キャンセルキーおよび印刷設定変更キーが暗く表示されているときは、操作不能とする。すなわち、「ジョブキャンセルあるいは印刷設定変更を行う場合は再度カードをかざしてください」というメッセージがUI制御部12の表示部に表示されているとき、キャンセルキーおよび印刷設定変更キーを暗く表示し、カードがかざされたとき、キャンセルキーおよび印刷設定変更キーを明るく表示する。
【0143】
ステップE25では、課金処理部13は、ユーザの操作がキャンセルであるか印刷設定変更であるかを判定する。UI制御部12からタッチセンサに触れられた位置を知らされたとき、触れられた位置がキャンセルキーを表示した位置であると、キャンセルであると判定し、ステップE11に進む。UI制御部12からタッチセンサに触れられた位置を知らされたとき、触れられた位置が印刷設定変更キーを表示した位置であると、印刷設定変更であると判定し、ステップE26に進む。キャンセルキーは、確認情報である。印刷設定変更キーを表示した位置であって、タッチセンサに触れられた位置を表す情報は、印刷中止情報である。
【0144】
ステップE26では、課金処理部13は、印刷の設定変更が行われた後、変更後の印刷設定による印刷条件で、印刷結果に対する代金の金額を再計算する。ステップE27では、課金処理部13は、返金処理または課金処理を行って、ステップE7に進む。具体的には、再計算した金額が、すでにカード19に課金した金額よりも少ない場合、その差額分を返金額として返金処理を行う。差額は、前課金した金額から累積金額を減算した金額である。返金処理は、ステップE18、つまり図7に示したステップA16での処理と同じである。印刷ジョブBの例では、3ページ分がキャンセルされ、2ページ分が印刷されたので、累積金額は20円となる。前課金した金額50円よりも累積金額20円が少ないので、その差額30円は返金額となり、30円が返金処理される。
【0145】
再計算した金額が、すでにカード19に課金した金額よりも多い場合、その差額分を追加料金として課金処理する。この課金処理では、課金処理部13は、カード19に記録される電子マネーの金額をカードリーダ18に読み出すように指示し、カードリーダ18が読み出した金額をカードリーダ18から受け取る。そして、受け取った金額から追加料金の金額を減算し、減算した金額でカード19に記録される金額を書き換えることによって、追加料金を課金するようにカードリーダ18に指示する。カードリーダ18は、課金処理部13から指示された金額でカード19に記録される金額を書き換えて、追加料金の課金を行う。課金処理部13は、返金処理または課金処理が終了すると、返金処理または課金処理が終了した旨をジョブ制御部14に知らせる。
【0146】
たとえば、2ページ目の印刷が開始された後3ページ目のデータ解析の前に、カード19がカードリーダ18にかざされ、引き続き印刷設定変更キーが操作されて、モノクロ指定がカラー指定に変更された場合、再計算した課金額は、2ページがモノクロ印刷で20円であり、残り3ページがカラー印刷で150円であるので、合計170円となる。すでに課金した課金額が50円であるので、その差額120円は、追加料金となり、120円が課金処理される。また、逆に、2ページ目の印刷が開始された後3ページ目のデータ解析の前に、カラー指定をモノクロ指定に印刷設定変更した場合は、すでに課金した課金額250円と再計算した課金額130円との差額120が返金処理される。
【0147】
図12は、本発明の他の実施形態である印刷装置50の正面図である。印刷装置50は、図1に示した印刷装置10に記録紙固定部材52を追加した構成であり、記録紙固定部材52以外に関する部分は、印刷装置10と同じであり、重複を避けるために説明は省略する。印刷装置50は、印刷された記録紙53を保持するための排紙トレイ51を有する。保持手段である排紙トレイ51は、排紙された記録紙53を重ねて保持する。抑止手段である記録紙固定部材52は、排紙トレイ51に保持されている記録紙53を押圧して、人が排紙トレイ51から記録紙53を取り除くことを抑止する。記録紙固定部材52は、記録紙53を押圧しない状態と、記録紙53を押圧している状態とを有し、これらの状態の切り換えを駆動する図示しない駆動部を含む。図12では、記録紙固定部材52は、記録紙53を押圧しない状態を示し、記録紙固定部材52aは、記録紙53を押圧している状態を示す。記録紙固定部材52は、課金処理部13からの指示によって、駆動部が駆動され、記録紙53を押圧しない状態と記録紙53を押圧している状態とが切り換えられる。
【0148】
図13は、印刷装置50が実行する第2の返金処理の処理手順を示すフローチャートである。ジョブ制御部14がI/O制御部11から印刷ジョブを受け取ると、ステップF1に移る。ステップF1〜F9,F13〜F18,F20,F21は、図7に示したフローチャートのステップA1〜A9,A11〜A16,A18,A19と同じであり、重複を避けるために説明は省略する。
【0149】
ステップF10では、ジョブ制御部14は、画像生成部15から受け取った最終ページの画像データを、エンジン制御部16に送る。エンジン制御部16は、ジョブ制御部14から受け取った最終ページの画像データを、図示しないエンジン部に送り、印刷させ、印刷後印刷した最終ページを排紙トレイ51に排紙させる。
【0150】
ステップF11では、課金処理部13は、返金があるか否かを判定する。ステップF1で計算した前課金額と累積金額とが異なるとき、返金があると判定し、ステップF12に進む。ステップF1で計算した前課金額と累積金額とが一致するとき、返金がないと判定し、第2の返金処理を終了する。課金処理部13は、ステップF1で計算した前課金額と累積金額とが異なるとき、ステップF1で計算した前課金額から累積金額を減算し、減算結果を返金額として、ステップF12に進む。また、ステップF1で計算した前課金額と累積金額とが一致するとき、返金が不要である旨をジョブ制御部14に知らせる。
【0151】
ステップF12では、課金処理部13は、記録紙固定部材52によって記録紙53を押圧して固定する。記録紙53を固定することによって、排紙トレイ51に排紙した記録紙53が排紙トレイ51から取り出されることを抑止する。
【0152】
ステップF19では、課金処理部13は、記録紙固定部材52による記録紙53の押圧を止めて固定を解除し、第2の返金処理を終了する。記録紙53の固定を解除することによって、排紙トレイ51に排紙した記録紙53の取り出しを可能とする。
【0153】
このように、印刷装置50が実行する第2の返金処理では、最後のページまで印刷するが、返金が必要であるときは、排紙トレイ51に排紙した記録紙53を記録紙固定部材52で固定することによって、返金が完了するまで、記録紙53の排紙トレイ51からの取り出しを抑止し、差額の精算が行われない事態の発生を低減させることができる。
【0154】
図14は、印刷装置10が実行する第3の返金処理の処理手順を示すフローチャートである。印刷装置10は、第1の返金処理では、返金があるとき、最終ページの印刷前に、一旦印刷を停止して返金を行ったが、第3の返金処理では、各ページを印刷するごとに、返金があるときは、各ページの印刷前に、一旦印刷を停止して返金を行う。ジョブ制御部14がI/O制御部11から印刷ジョブを受け取ると、ステップG1に移る。ステップG1〜G15,G18は、図7に示したフローチャートのステップA1〜A7,A9〜A16,A19と同じであり、重複を避けるために説明は省略する。
【0155】
ステップG16では、ジョブ制御部14は、画像生成部15から受け取った1ページ分の画像データを、エンジン制御部16に送る。エンジン制御部16は、ジョブ制御部14から受け取った1ページ分の画像データを、図示しないエンジン部に送り、印刷させ、印刷後印刷したページを排紙させる。ジョブ制御部14は、エンジン制御部16から排紙が完了したことを知らされると、ステップG17に進む。
【0156】
ステップG17では、ジョブ制御部14は、全ページの排紙が完了したか否かを判定する。全ページの排紙が完了したとき、第3の返金処理を終了し、全ページの排紙が完了していないとき、ステップG5に戻り、全ページの排紙が完了するまで、ステップG5〜G16,G18を繰り返す。
【0157】
このように、カードリーダ18は、チャージされた電子マネーの金額が記録されたカード19が接触または接近したとき、該カード19に記録される金額の読み出しおよび書き換えを行うことができる。エンジン制御部16および図示しないエンジン部は、印刷データを予め定める印刷条件に基づいて印刷する。課金処理部13は、印刷データを予め定める印刷条件に基づいて印刷するのに要すると予測される代金の予測金額を計算し、カード19に記録された金額をカードリーダ18によって読み出し、読み出した金額から前記予測金額を減算し、カード19に記録された金額を前記減算した金額にカードリーダ18によって書き換えることによって前課金を行う。ジョブ制御部14は、課金処理部13によって前課金が行われると、エンジン制御部16および図示しないエンジン部による印刷を開始させ、エンジン制御部16および図示しないエンジン部に印刷を開始させた後、前記予測金額に変化を生じさせる予測金額変化要因が発生すると、印刷に関する処理である印刷処理を停止する。さらに、課金処理部13は、ジョブ制御部14によって印刷処理が停止されると、前記予測金額変化要因の発生に伴い変化する予測金額を再計算し、再計算した予測金額に基づいて、カード19に記録された金額をカードリーダ18によって書き換えることによって精算する。そして、ジョブ制御部14は、課金処理部13が書き換えを行ったとき、印刷処理を再開する。
【0158】
したがって、予測金額変化要因が発生する場合、たとえば前課金を行う印刷システムにおいて差額が生じる可能性がある場合、印刷処理を停止することによって、すなわち印刷ジョブの動作に制限を施すことによって、ユーザにカード19の提示を促し、差額の精算処理がなされないという事態を低減させる。すなわち、印刷のために電子マネーによって前課金された金額と印刷結果に対する金額との差額の精算が行われない事態の発生を低減させることができる。
【0159】
さらに、前記印刷処理は、エンジン制御部16および図示しないエンジン部によって印刷する処理を含む。そして、ジョブ制御部14は、エンジン制御部16および図示しないエンジン部による印刷を停止することによって、印刷処理を停止するので、エンジン制御部16および図示しないエンジン部を制御することによって、印刷処理、つまり印刷ジョブを停止し、差額の精算処理を行うことができる。
【0160】
さらに、エンジン制御部16および図示しないエンジン部は、印刷データを印刷媒体に印刷する。排紙トレイ51は、印刷された印刷媒体、たとえば記録紙53を保持し、記録紙固定部材52は、排紙トレイ51に保持される記録紙53の取り出しを抑止する。前記印刷処理は、印刷された記録紙53が取り出される処理を含む。そして、ジョブ制御部14は、排紙トレイ51に保持される記録紙53の取り出しを記録紙固定部材52によって抑止することによって、印刷処理、つまり印刷ジョブを停止する。したがって、最終ページまでの印刷が終了しても、差額の精算処理が済むまで、印刷された印刷媒体の取り出しが抑止されているので、差額の精算処理がなされないという事態を低減させることができる。
【0161】
さらに、ジョブ制御部14は、エンジン制御部16および図示しないエンジン部が最終ページの1つ前のページの印刷を終了し、最終ページの印刷を開始する前に、予測金額変化要因が発生したか否かを確認する。したがって、最終ページを印刷するためには、差額の精算処理が必要であり、差額の精算処理がなされないという事態を低減させることができる。
【0162】
さらに、ジョブ制御部14は、エンジン制御部16および図示しないエンジン部が各ページの印刷を終了し、次のページの印刷を開始する前に、予測金額変化要因が発生したか否かを確認する。したがって、課金後に変更が生じたことを早くユーザに知らせることができる。
【0163】
さらに、UI制御部12は、印刷データがカラーかモノクロかに応じて印刷するカラーモノクロ自動指定を含む印刷指定を指定する。UI制御部12は、エンジン制御部16および図示しないエンジン部に印刷させるための印刷データおよび該印刷データのページ数を含む印刷ジョブを入力する。UI制御部12は、情報を報知する。前記予め定める印刷条件は、少なくとも、UI制御部12によって入力された印刷ジョブに含まれるページ数およびUI制御部12によって指定された印刷指定とを含む。課金処理部13は、指示手段によって指示された印刷指定がカラーモノクロ自動指定であるとき、全ページをカラーで印刷すると仮定して前記予測金額を計算する。前記予測金額変化要因は、カラーモノクロ自動指定で印刷した代金の金額が前記予測金額に一致しないという第1の予測金額変化要因を含む。さらに、ジョブ制御部14は、第1の予測金額変化要因、つまり全ページをカラーで印刷すると仮定して予測金額を算出し、モノクロでの印刷のページが生じたことが発生すると、エンジン制御部16および図示しないエンジン部に印刷を停止させる。そして、課金処理部13は、カード19をカードリーダ18に接触または接近させるように要求する旨をUI制御部12に報知させ、UI制御部12による報知に応答して、カード19がカードリーダ18に接触または接近されると、前記再計算した予測金額に基づいて、カード19に記録された金額をカードリーダ18によって書き換える。
【0164】
したがって、差額の返金がある場合、印刷ジョブの終了前に再度カード19をかざすように要求してカード19に差額を返金した後、印刷を再開することで、ユーザに対して返金処理忘れを防止することができる。
【0165】
さらに、カード19は、該カード19の所有者を識別するためのカード情報が記録される。課金処理部13は、前課金を行うとき、カード19に記録されるカード情報をカードリーダ18によって読み出し、UI制御部12による報知に応答して、予め定める時間内に、カード19がカードリーダ18に接触または接近されないとき、前記再計算された予測金額と、前課金のときに読み出したカード情報とを対応付けて記憶手段に記憶する。
【0166】
したがって、カード19をカードリーダ18に接触または接近させるように要求する旨が報知され続けると、たとえば返金のために表示したカード要求メッセージが表示され続けると、次のユーザが誤ってカード19をかざすことも考えられる。管理者が設定した所定時間を経過した場合は、前のユーザに関する情報、つまりカード情報を保存してメッセージ表示を消すことで、次のユーザへの影響を最小限にすることができる。
【0167】
さらに、カード19は、該カード19の所有者を識別するためのカード情報が記録される。課金処理部13は、前課金を行うとき、カード19に記録されるカード情報をカードリーダ18によって読み出し、UI制御部12による報知に応答して、予め定める時間内に、カード19がカードリーダ18に接触または接近されると、カードリーダ18によってカード19からカード情報を読み出し、読み出したカード情報が、前課金のときに読み出したカード情報と異なるとき、前記再計算された予測金額と、前課金のときに読み出したカード情報とを対応付けて記憶する。
【0168】
したがって、仮に次のユーザが別のカード19をかざしたとき、カード19を照合して異なるカード19と判定したら差額の返金は行わず、一旦返金すべきカード19のカード情報、つまりカード情報と返金額とを記憶しておき、次のユーザの印刷ジョブを開始することができる。すなわち、返金処理忘れによって印刷装置がロックされることを防止することができる。
【0169】
さらに、課金処理部13は、カード19がカードリーダ18に接触または接近されると、カードリーダ18によってカード19からカード情報を読み出し、読み出したカード情報が、記憶手段に前記再計算された予測金額に対応付けて記憶されるカード情報に一致するとき、記憶部17に記憶される前記再計算された予測金額に基づいて、カード情報が一致したカード19に記録された金額をカードリーダ18によって書き換えることによって精算する。そして、ジョブ制御部14は、課金処理部13が書き換えを行った後、UI制御部12によって入力される新たな印刷ジョブに含まれる印刷データをエンジン制御部16および図示しないエンジン部に印刷させる。したがって、ユーザが返金処理を忘れた場合であっても、次回再度カード19をかざすことによって返金処理を行うことができる。
【0170】
さらに、I/O制御部11は、他の印刷装置と情報を送受信する。課金処理部13は、カード19がカードリーダ18に接触または接近されると、カードリーダ18によってカード19からカード情報を読み出し、読み出したカード情報をI/O制御部11によって他の印刷装置に送信し、他の印刷装置から、該他の印刷装置の記憶部17に、送信されたカード情報に一致するカード情報およびそのカード情報に対応付けられた再計算された予測金額が記憶されている旨、および記憶部17に記憶されていた予測金額を、I/O制御部11によって受信すると、I/O制御部11によって受信した予測金額に基づいて、カード19に記録された金額をカードリーダ18によって書き換える。したがって、特定の印刷装置で発生した返金額を、ネットワークに接続された他の印刷装置でも返金することが可能となり、ユーザの利便性が向上する。
【0171】
さらに、カード19は、該カード19の所有者を識別するためのカード情報が記録される。I/O制御部11は、サーバ装置と情報を送受信する。課金処理部13は、前課金を行うとき、カード19に記録されるカード情報をカードリーダ18によって読み出し、UI制御部12による報知に応答して、予め定める時間内に、カード19がカードリーダ18に接触または接近されないとき、または、UI制御部12による報知に応答して、予め定める時間内に、カード19がカードリーダ18に接触または接近され、カードリーダ18によってカード19から読み出したカード情報が、前記読み出したカード情報と異なるとき、前記再計算された予測金額と前記読み出したカード情報とをI/O制御部11によって、サーバ装置に送信して、サーバ装置に記憶させる。
【0172】
したがって、各印刷装置内でカード情報、つまりカード情報と返金額とを管理するのではなく、サーバ装置で一元管理することによって、管理者の利便性が向上する。たとえば、印刷装置の置き換えや廃棄時に印刷装置内に返金額の情報が残ることを意識しなくてよい。
【0173】
さらに、UI制御部12は、情報を報知する。課金処理部13は、カード19をカードリーダ18に接触または接近することによって印刷を中止することができる旨、たとえば「ジョブキャンセルあるいは印刷設定変更を行う場合は再度カード19をかざしてください」というメッセージを、ジョブ制御部14がエンジン制御部16および図示しないエンジン部に印刷を開始させた後、UI制御部12に報知させる。ジョブ制御部14は、UI制御部12による報知に応答して、カード19がカードリーダ18に接触または接近されたとき、エンジン制御部16および図示しないエンジン部に印刷を停止させる。課金処理部13は、ジョブ制御部14によってエンジン制御部16および図示しないエンジン部による印刷が停止されると、印刷の中止を確認する確認情報、たとえばキャンセルキーをUI制御部12に報知させ、UI制御部12による確認情報の報知に応答して、印刷の中止を指示する印刷中止情報、たとえば印刷設定変更キーを表示した位置であって、タッチセンサに触れられた位置を表す情報が、UI制御部12によって入力されると、予測金額を再計算し、再計算した予測金額に基づいて、カード19に記録された金額をカードリーダ18によって書き換えることによって精算する。そして、ジョブ制御部14は、課金処理部13が書き換えを行ったとき、エンジン制御部16および図示しないエンジン部に印刷を終了させる。
【0174】
したがって、印刷を中止した後、すなわち印刷ジョブのキャンセル終了後に、カード19をかざして差額を返金するのではなく、カード19をかざすことで、印刷の中止を確認する状態、たとえばキャンセル実行キーが押下可能状態となり、押下したタイミングで返金することで、ジョブキャンセル時の返金処理忘れを防止することができる。
【0175】
さらに、UI制御部12の表示部は、情報を表示する。前記予測金額変化要因は、前記予め定める印刷条件を変更する要因である第2の予測金額変化要因、つまり印刷設定変更のための操作を含む。課金処理部13は、カード19をカードリーダ18に接触または接近することによって、前記予め定める印刷条件を変更することができる旨、たとえば「ジョブキャンセルあるいは印刷設定変更を行う場合は再度カード19をかざしてください」というメッセージを、ジョブ制御部14がエンジン制御部16および図示しないエンジン部に印刷を開始させた後表示部に表示させる。ジョブ制御部14は、UI制御部12の表示部による表示に応答して、カード19がカードリーダ18に接触または接近されたとき、エンジン制御部16および図示しないエンジン部に印刷を停止させる。そして、課金処理部13は、ジョブ制御部14によってエンジン制御部16および図示しないエンジン部による印刷が停止されると、第2の予測金額変化要因によって変更された予め定める印刷条件に基づいて、予測金額を再計算し、再計算した予測金額が前課金した金額よりも少ないとき、その差額を、カードリーダ18によってカード19に返金する。
【0176】
したがって、印刷中、たとえば印刷ジョブの実行途中で、予め定める印刷条件、たとえば印刷設定が変更されて返金額が生じたとき、印刷ジョブ終了後にカード19をかざして差額を返金するのではなく、カード19をかざすことで設定変更が可能な状態となり、設定変更が確定したタイミングで返金を可能にすることで、ユーザに対する返金処理忘れを防止することができる。
【0177】
さらに、UI制御部12の表示部は、情報を表示する。前記予測金額変化要因は、前記予め定める印刷条件を変更する要因である第2の予測金額変化要因、つまり印刷設定変更のための操作を含む。課金処理部13は、カード19をカードリーダ18に接触または接近することによって、前記予め定める印刷条件を変更することができる旨、たとえば「ジョブキャンセルあるいは印刷設定変更を行う場合は再度カード19をかざしてください」というメッセージを、ジョブ制御部14がエンジン制御部16および図示しないエンジン部に印刷を開始させた後表示部に表示させる。ジョブ制御部14は、UI制御部12の表示部による表示に応答して、カード19がカードリーダ18に接触または接近されたとき、エンジン制御部16および図示しないエンジン部に印刷を停止させる。そして、課金処理部13は、ジョブ制御部14によってエンジン制御部16および図示しないエンジン部による印刷が停止されると、第2の予測金額変化要因によって変更された予め定める印刷条件に基づいて、予測金額を再計算し、再計算した予測金額が前課金した金額よりも多いとき、その差額を追加料金として、カードリーダ18によってカード19に課金する。
【0178】
したがって、印刷中、たとえば印刷ジョブの実行途中で、予め定める印刷条件、たとえば印刷設定が変更されて追加料金が生じたとき、印刷ジョブ終了後にカード19をかざして課金するのではなく、カード19をかざすことで印刷設定の変更が可能な状態となり、印刷設定の変更が終了したタイミングで課金することで、ユーザに対する課金処理漏れを防止することができる。
【符号の説明】
【0179】
1 印刷システム
10,50 印刷装置
11 I/O制御部
12 UI制御部
13 課金処理部
14 ジョブ制御部
15 画像生成部
16 エンジン制御部
17 記憶部
18 カードリーダ
19 カード
20 クライアント装置
30 サーバ装置
40 ネットワーク
51 排紙トレイ
52 記録紙固定部材
53 記録紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャージされた電子マネーの金額が記録された記録媒体が接触または接近したとき、該記録媒体に記録される金額の読み出しおよび書き換えを行うことができる記録手段と、
印刷データを予め定める印刷条件に基づいて印刷する印刷手段と、
印刷データを予め定める印刷条件に基づいて印刷するのに要すると予測される代金の予測金額を計算し、記録媒体に記録された金額を記録手段によって読み出し、読み出した金額から前記予測金額を減算し、記録媒体に記録された金額を前記減算した金額に記録手段によって書き換えることによって前課金を行う前課金手段と、
前課金手段によって前課金が行われると、印刷手段による印刷を開始させ、印刷手段に印刷を開始させた後、前記予測金額に変化を生じさせる予測金額変化要因が発生すると、印刷に関する処理である印刷処理を停止する制御手段とを含み、
前課金手段は、制御手段によって印刷処理が停止されると、前記予測金額変化要因の発生に伴い変化する予測金額を再計算し、再計算した予測金額に基づいて、記録媒体に記録された金額を記録手段によって書き換えることによって精算し、
制御手段は、前課金手段が書き換えを行ったとき、印刷処理を再開することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記印刷処理は、前記印刷手段によって印刷する処理を含み、
前記制御手段は、前記印刷手段による印刷を停止することによって、印刷処理を停止することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記印刷手段は、印刷データを印刷媒体に印刷し、
印刷された印刷媒体を保持する保持手段と、保持手段に保持される印刷媒体の取り出しを抑止する抑止手段とをさらに含み、
前記印刷処理は、印刷された印刷媒体が取り出される処理を含み、
前記制御手段は、保持手段に保持される印刷媒体の取り出しを抑止手段によって抑止することによって、印刷処理を停止することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記印刷手段が最終ページの1つ前のページの印刷を終了し、最終ページの印刷を開始する前に、予測金額変化要因が発生したか否かを確認することを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記印刷手段が各ページの印刷を終了し、次のページの印刷を開始する前に、予測金額変化要因が発生したか否かを確認することを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項6】
印刷データがカラーかモノクロかに応じて印刷するカラーモノクロ自動モードを含む印刷モードを指定する指定手段と、
前記印刷手段に印刷させるための印刷データおよび該印刷データのページ数を含む印刷情報を入力する入力手段と、
情報を報知する報知手段とをさらに含み、
前記予め定める印刷条件は、少なくとも、入力手段によって入力された印刷情報に含まれるページ数および指定手段によって指定された印刷モードとを含み、
前記前課金手段は、指示手段によって指示された印刷モードがカラーモノクロ自動モードであるとき、全ページをカラーで印刷すると仮定して前記予測金額を計算し、
前記予測金額変化要因は、カラーモノクロ自動モードで印刷した代金の金額が前記予測金額に一致しないという第1の予測金額変化要因を含み、
前記制御手段は、第1の予測金額変化要因が発生すると、印刷手段に印刷を停止させ、
前記前課金手段は、
記録媒体を記録手段に接触または接近させるように要求する旨を報知手段に報知させ、
報知手段による報知に応答して、記録媒体が記録手段に接触または接近されると、前記再計算した予測金額に基づいて、記録媒体に記録された金額を記録手段によって書き換えることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項7】
記憶手段をさらに含み、
前記記録媒体は、該記録媒体の所有者を識別するための所有者識別情報が記録され、
前記前課金手段は、
前課金を行うとき、記録媒体に記録される所有者識別情報を記録手段によって読み出し、
前記報知手段による報知に応答して、予め定める時間内に、記録媒体が記録手段に接触または接近されないとき、前記再計算された予測金額と、前課金のときに読み出した所有者識別情報とを対応付けて記憶手段に記憶することを特徴とする請求項6に記載の印刷装置。
【請求項8】
記憶手段をさらに含み、
前記記録媒体は、該記録媒体の所有者を識別するための所有者識別情報が記録され、
前記前課金手段は、
前課金を行うとき、記録媒体に記録される所有者識別情報を記録手段によって読み出し、
前記報知手段による報知に応答して、予め定める時間内に、記録媒体が記録手段に接触または接近されると、記録手段によって記録媒体から所有者識別情報を読み出し、読み出した所有者識別情報が、前課金のときに読み出した所有者識別情報と異なるとき、前記再計算された予測金額と、前課金のときに読み出した所有者識別情報とを対応付けて記憶することを特徴とする請求項6に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記前課金手段は、記録媒体が記録手段に接触または接近されると、記録手段によって記録媒体から所有者識別情報を読み出し、読み出した所有者識別情報が、記憶手段に前記再計算された予測金額に対応付けて記憶される所有者識別情報に一致するとき、記憶手段に記憶される前記再計算された予測金額に基づいて、所有者識別情報が一致した記録媒体に記録された金額を記録手段によって書き換えることによって精算し、
前記制御手段は、前課金手段が書き換えを行った後、入力手段によって入力される新たな印刷情報に含まれる印刷データを印刷手段に印刷させることを特徴とする請求項7または8に記載の印刷装置。
【請求項10】
他の印刷装置と情報を送受信する通信手段をさらに含み、
前記前課金手段は、
記録媒体が記録手段に接触または接近されると、記録手段によって記録媒体から所有者識別情報を読み出し、読み出した所有者識別情報を通信手段によって他の印刷装置に送信し、
他の印刷装置から、該他の印刷装置の記憶手段に、送信された所有者識別情報に一致する所有者識別情報およびその所有者識別情報に対応付けられた再計算された予測金額が記憶されている旨、および記憶手段に記憶されていた予測金額を、通信手段によって受信すると、通信手段によって受信した予測金額に基づいて、記録媒体に記録された金額を記録手段によって書き換えることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1つに記載の印刷装置。
【請求項11】
前記記録媒体は、該記録媒体の所有者を識別するための所有者識別情報が記録され、
サーバ装置と情報を送受信する通信手段をさらに含み、
前記前課金手段は、
前課金を行うとき、記録媒体に記録される所有者識別情報を記録手段によって読み出し、
前記報知手段による報知に応答して、予め定める時間内に、記録媒体が記録手段に接触または接近されないとき、または、前記報知手段による報知に応答して、予め定める時間内に、記録媒体が記録手段に接触または接近され、記録手段によって記録媒体から読み出した所有者識別情報が、前記読み出した所有者識別情報と異なるとき、前記再計算された予測金額と前記読み出した所有者識別情報とを通信手段によって、サーバ装置に送信して、サーバ装置に記憶させることを特徴とする請求項6に記載の印刷装置。
【請求項12】
情報を報知する報知手段をさらに含み、
前記前課金手段は、記録媒体を記録手段に接触または接近することによって印刷を中止することができる旨を、前記制御手段が印刷手段に印刷を開始させた後、報知手段に報知させ、
前記制御手段は、報知手段による報知に応答して、記録媒体が記録手段に接触または接近されたとき、印刷手段に印刷を停止させ、
前記前課金手段は、
制御手段によって印刷手段による印刷が停止されると、印刷の中止を確認する確認情報を報知手段に報知させ、
報知手段による確認情報の報知に応答して、印刷の中止を指示する印刷中止情報が入力手段によって入力されると、予測金額を再計算し、再計算した予測金額に基づいて、記録媒体に記録された金額を記録手段によって書き換えることによって精算し、
前記制御手段は、前課金手段が書き換えを行ったとき、印刷手段に印刷を終了させることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項13】
情報を表示する表示手段をさらに含み、
前記予測金額変化要因は、前記予め定める印刷条件を変更する要因である第2の予測金額変化要因を含み、
前記前課金手段は、記録媒体を記録手段に接触または接近することによって、前記予め定める印刷条件を変更することができる旨を、前記制御手段が印刷手段に印刷を開始させた後表示手段に表示させ、
前記制御手段は、表示手段による表示に応答して、記録媒体が記録手段に接触または接近されたとき、印刷手段に印刷を停止させ、
前記前課金手段は、制御手段によって印刷手段による印刷が停止されると、第2の予測金額変化要因によって変更された予め定める印刷条件に基づいて、予測金額を再計算し、再計算した予測金額が前課金した金額よりも少ないとき、その差額を、記録手段によって記録媒体に返金することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項14】
情報を表示する表示手段をさらに含み、
前記予測金額変化要因は、前記予め定める印刷条件を変更する要因である第2の予測金額変化要因を含み、
前記前課金手段は、記録媒体を記録手段に接触または接近することによって、前記予め定める印刷条件を変更することができる旨を、前記制御手段が印刷手段に印刷を開始させた後表示手段に表示させ、
前記制御手段は、表示手段による表示に応答して、記録媒体が記録手段に接触または接近されたとき、印刷手段に印刷を停止させ、
前記前課金手段は、制御手段によって印刷手段による印刷が停止されると、第2の予測金額変化要因によって変更された予め定める印刷条件に基づいて、予測金額を再計算し、再計算した予測金額が前課金した金額よりも多いとき、その差額を追加料金として、記録手段によって記録媒体に課金することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−37987(P2012−37987A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−175818(P2010−175818)
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】