説明

印字ラベル作成装置

【課題】所望のラベルイメージを備えた印字ラベルを簡単に作成すると共に、メモリに格納されたラベルイメージデータを消去し、ユーザの利便性を向上する。
【解決手段】印字ラベル作成装置1は、カートリッジホルダ216と、搬送装置209と、印字ヘッド205と、メモリ206とを有する。そして、外部から取得した1つのラベルイメージデータと、当該ラベルイメージデータに対応する1つのQRコードとを、一組に関連づけてメモリ206に格納する。また、メモリ206に格納された複数組のラベルイメージデータ及びQRコードを、各組ごとに選択的にメモリ206から消去する。また、メモリ206に格納された複数組のラベルイメージデータ及びQRコードに基づき、各組のラベルイメージデータ及びQRコードをテープ203に印字することでそれぞれ1つの印字ラベルLを作成するように、印字ヘッド205を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被印字テープに対し印字を行うことにより印字ラベルを作成する印字ラベル作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被印字テープに対し印字を行って印字ラベルを作成する印字ラベル作成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術の印字ラベル作成装置(テープ印字装置)は、印字手段(サーマルヘッド)、プラテンローラ、送りローラ、及びメモリ(バッテリーバックアップRAM)等を備えている。そして、挿入する文章データと挿入される文章データとの間に改ブロックを指令する改ブロックデータを付加して文章データを作成し、その文章データを印字用のドットパターンデータに変換して、印字手段により被印字テープ(印字用テープ)に印字を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−15909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術のようにメモリを備えた印字ラベル作成装置には、メモリに予め複数のラベルイメージデータが格納されていると共に、外部からラベルイメージデータを取得し、当該取得したラベルイメージデータをメモリに格納可能な印字ラベル作成装置が存在する。しかしながら、このような印字ラベル作成装置を用いて、所望のラベルイメージを備えた印字ラベルを作成する際には、一般に、ユーザは、メモリに格納された複数のラベルイメージデータのうち、所望のラベルイメージのラベルイメージデータに対応するコード等を、例えば取扱説明書等を参照しつつ入力する必要があるため、不便である。また、外部から取得したラベルイメージデータをメモリに順次格納していると、メモリの記憶容量が一杯になってしまい、それ以上格納できなくなってしまうことが予想されるため、不便である。
【0005】
本発明の目的は、所望のラベルイメージを備えた印字ラベルを簡単に作成できると共に、メモリに格納されたラベルイメージデータを消去でき、ユーザの利便性を向上できる印字ラベル作成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1の発明は、被印字テープを供給可能なカートリッジを着脱可能なカートリッジホルダと、前記カートリッジホルダに装着した前記カートリッジから供給される前記被印字テープを搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される前記被印字テープに印字を行う印字手段と、情報を記憶するメモリと、外部から取得した1つのラベルイメージデータと、当該ラベルイメージデータに対応する1つの二次元コードとを、一組に関連づけて前記メモリに格納する格納処理手段と、前記メモリに格納された複数組の前記ラベルイメージデータ及び前記二次元コードを、各組ごとに選択的に前記メモリから消去可能な消去処理手段と、前記メモリに格納された複数組の前記ラベルイメージデータ及び前記二次元コードに基づき、各組の前記ラベルイメージデータ及び前記二次元コードを前記被印字テープに印字することでそれぞれ1つの印字ラベルを作成するように、前記印字手段を制御する印字制御手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
本願第1発明においては、所望のラベルイメージと、これに対応する二次元コードとが形成された、印字ラベルを作成することができる。すなわち、装置外部から取得した1つのラベルイメージデータと、当該ラベルイメージデータに対応する1つの二次元コードとが、格納処理手段によってメモリに格納され、記憶される。そして、印字手段は、印字制御手段の制御により、この格納されたラベルイメージデータと二次元コードとを一組にして、被印字テープに印字し、1つの印字ラベルを作成する。メモリは、このようなラベルイメージデータと二次元コードとの組を複数組格納しており、印字手段は、各組のラベルイメージデータ及び二次元コードを用いて、それぞれ1つの印字ラベルを作成することができる。
【0008】
このようにして作成された印字ラベルには、上記ラベルイメージデータに対応したラベルイメージと、それに対応する二次元コードとが形成されている。これにより、当該印字ラベルが使用されて貼られた後、当該印字ラベルの二次元コードに対し適宜の装置によって読み取りを行うだけで、当該印字ラベルに形成されたラベルイメージのラベルイメージデータを取得することができる。この結果、上記貼られた印字ラベルのラベルイメージと同一のラベルイメージを備えた新たな印字ラベルを、簡単に作成することができる。上記複数組のラベルイメージデータ及び二次元コードを各組ごとに用いて複数枚の印字ラベルを作成した場合には、当該複数枚のラベルを1枚の用紙に貼って一覧表形式とすることもできる。この場合には、ユーザは、一覧表として貼られた複数枚のラベルのラベルイメージの中から1つを選択し、当該印字ラベルの二次元コードに対して読み取りを行うことで、上記のようにして同一のラベルイメージが形成された印字ラベルを容易に作成することができる。
【0009】
また、本願第1発明の印字ラベル作成装置には、消去処理手段が備えられている。前述のようにして、外部から取得されたラベルイメージデータ及びこれに対応する二次元コードが一組になってメモリに順次格納されるが、メモリの記憶容量が一杯になった場合には、上記消去処理手段が、各組ごとに上記ラベルイメージデータ及び二次元コードを消去することができる。この場合、消去する組のラベルイメージデータ及び二次元コードについては、消去前に当該ラベルイメージデータ及び二次元コードを印字して印字ラベルを作成しておけば、メモリからは消去されてもデータとしては失われない。
【0010】
以上のように、本願第1発明においては、ラベルイメージと、これに対応した二次元コードとを形成した印字ラベルを作成することができるので、ユーザの利便性を向上することができる。
【0011】
第2の発明は、上記第1発明において、前記外部から取得された前記1つのラベルイメージデータをコード化して対応する1つの前記二次元コードを生成する、二次元コード生成手段をさらに有し、前記格納処理手段は、1つの前記ラベルイメージデータと、これに対応して前記二次元コード生成手段により生成された1つの前記二次元コードとを、一組に関連づけて前記メモリに格納し、前記印字制御手段は、前記メモリに格納された、前記ラベルイメージデータと当該ラベルイメージデータがコード化されて生成された前記二次元コードとを、一組にして前記被印字テープに印字を行い、1つの印字ラベルを作成するように前記印字手段を制御することを特徴とする。
【0012】
本願第2発明においては、外部から取得されたラベルイメージデータに対し、二次元コード生成手段が対応する二次元コードを生成し、これを格納処理手段がメモリに格納する。これにより、外部からどのような種類や態様のラベルイメージデータが取得された場合であっても、これを二次元コード化して印字した印字ラベルを作成することができる。すなわち、本願第2発明の印字ラベル作成装置においては、どのようなラベルイメージであっても、確実に再現可能な二次元コードとして、印字ラベルに記録することができる。
【0013】
第3の発明は、上記第2発明において、前記二次元コード生成手段は、前記1つのラベルイメージデータに対して最適な印字解像度情報を、当該ラベルイメージデータとともにコード化し、対応する1つの前記二次元コードを生成することを特徴とする。
【0014】
これにより、印字ラベルに形成された二次元コードを読み取って、対応するラベルイメージデータを印字してラベルイメージを形成するとき、当該ラベルイメージデータの印字に対し最適な解像度で印字を行うことができる。すなわち、当該印字を行う印字装置の通常の解像度が異なる値である場合であっても、上記最適な解像度に確実に切り替えて当該ラベルイメージデータの印字を行うことができる。これにより、最適な解像度により所望の大きさで印字できるので見栄えのよいラベルイメージを確実に形成することができる。
【0015】
第4の発明は、上記第1乃至第3発明のいずれかにおいて、前記メモリは、さらに、1つのテキストデータと、当該テキストデータをコード化した1つの二次元コードとを、一組に関連づけて記憶しており、前記印字制御手段は、前記メモリに記憶された、前記テキストデータと当該テキストデータをコード化した前記二次元コードとを、一組にして前記被印字テープに印字を行い、1つの印字ラベルを作成するように前記印字手段を制御することを特徴とする。
【0016】
これにより、ラベルイメージのみならず、テキストと、これに対応した二次元コードとを形成した印字ラベルを作成することができる。したがって、ユーザの利便性をさらに向上することができる。
【0017】
第5の発明は、上記第1乃至第4発明のいずれかにおいて、前記印字制御手段の制御に基づき前記印字手段により作成された1つの前記印字ラベルの、前記二次元コードを光学的に読み取る読み取り手段をさらに有し、前記印字制御手段は、前記メモリの記憶内容に基づき、前記読み取り手段により読み取られた前記二次元コードに対応したラベルイメージデータ又はテキストデータを前記被印字テープに印字し、新たな印字ラベルを作成するように、前記印字手段を制御することを特徴とする。
【0018】
本願第5発明の印字ラベル作成装置は、自らが作成した印字ラベルの二次元コードを読み取り可能な読み取り手段を有している。これにより、当該印字ラベルの二次元コードに対し上記読み取り手段を操作して読み取りを行わせるだけで、当該印字ラベルに形成されたラベルイメージと同一のラベルイメージを備えた印字ラベルを、簡単に再作成することができる。したがって、メモリ内に格納されたラベルイメージデータをいちいち検索し操作手段等により指定する必要があった従来構造に比べ、極めて容易に所望のラベルイメージの印字ラベルを作成することができる。
【0019】
第6の発明は、上記第5発明において、前記読み取り手段による読み取り動作を開始操作するための操作手段をさらに有することを特徴とする。
【0020】
これにより、ユーザの所望のタイミングで印字ラベルの二次元コードの読み取りを開始し、対応するラベルイメージの印字ラベルを作成することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、所望のラベルイメージを備えた印字ラベルを簡単に作成できると共に、メモリに格納されたラベルイメージデータを消去でき、ユーザの利便性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施の形態の印字ラベル作成装置を表す前面図及び右側面図である。
【図2】印字ラベル作成装置の詳細機能を表す機能ブロック図である。
【図3】印字ラベル作成装置の制御回路によって実行される、格納処理に関する制御手順の一例を表すフローチャートである。
【図4】印字ラベル作成装置の制御回路によって実行される、消去処理に関する制御手順の一例を表すフローチャートである。
【図5】ラベルイメージ及びQRコードが形成された印字ラベルを作成する際に、印字ラベル作成装置の制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図6】印字ラベルの外観の一例を表す上面図である。
【図7】複数枚の印字ラベルが貼られた用紙を表す説明図である。
【図8】テキスト及びこれに対応するQRコードが形成された印字ラベルを作成する変形例において、テキスト及びQRコードが形成された印字ラベルを作成する際に、印字ラベル作成装置の制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図9】印字ラベルの外観の一例を表す上面図である。
【図10】カメラでQRコードを読み取って新たな印字ラベルを作成する変形例において、カメラでQRコードを読み取って新たな印字ラベルを作成する際に、印字ラベル作成装置の制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図11】印字ラベルの外観の一例を表す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0024】
図1は、本実施形態の印字ラベル作成装置を表す構成図であり、図1(a)は、印字ラベル作成装置を表す前面図であり、図1(b)は、図1(a)中の矢印A方向から見た、印字ラベル作成装置の右側面図である。
【0025】
図1(a)(b)において、印字ラベル作成装置1は、装置本体2と、この装置本体2内で作成された1つの印字ラベルL(後述の図2参照)上の、二次元コードとしてのQRコード(登録商標)Rq(後述の図6参照)を光学的に読み取り可能な、カメラ211(読み取り手段)とを有する。
【0026】
装置本体2は、例えば液晶ディスプレイからなり、各種情報や各種メッセージを表示する表示部212と、ユーザにより各種操作が行われる操作部210と、装置本体2内に配設されたカッタ207(後述の図2参照)を駆動するためのカットレバー213と、例えばUniversal Serial Bus(USB)からなり、外部と接続可能なインターフェース214とを備えている。
【0027】
操作部210には、文字、記号、及び数字等を入力するための入力キーや、カメラ211による上記QRコードRqの読み取り動作を開始操作するためのシャッターキー210a(操作手段)等の種々の機能キー、等が含まれている。
【0028】
インターフェース214には、この例では、ケーブル215を介して周知のパーソナルコンピュータ等の外部装置100(後述の図2参照)が接続されている。あるいは、USBメモリ等の外部メモリが接続されていてもよい。
【0029】
カメラ211は、装置本体2の上部(図1(a)(b)中の上部)に設けられており、装置本体2において表示部212の表示面が設けられた面の反対側、すなわち下面側(図1(a)中の紙面奥面側、図1(b)中の右面側)に、レンズ211Aを備えている。このカメラ211は、ユーザによりシャッターキー210aが操作されることによって、上記QRコードRqの読み取り動作を開始する。
【0030】
図2は、印字ラベル作成装置1の詳細機能を表す機能ブロック図である。
【0031】
図2において、印字ラベル作成装置1は、通信制御部208と、制御回路202と、各種情報を記憶するメモリ206と、上記操作部210と、上記カメラ211と、上記表示部212と、上記カットレバー213と、カートリッジホルダ216と、搬送装置209(搬送手段)と、印字ヘッド205(印字手段)と、カッタ207とを有する。
【0032】
通信制御部208は、上記ケーブル215及びインターフェース214を介して接続された外部装置100との間で行われる、情報通信の制御を行う。
【0033】
制御回路202は、図示しないCPU、RAM、及びROMを備えている。この制御回路202は、RAMの一時記憶機能を利用しつつ、ROMに予め記憶された各種プログラムを実行する。これにより、印字ラベル作成装置1全体の制御を行う。また、制御回路202は、通信制御部208を介して上記ケーブル215及びインターフェース214によって外部装置100と接続されており、外部装置100とデータの送受が可能となっている。
【0034】
外部装置100は、例えば所定のウェブサーバや外部メモリ等にアクセスし、印字ラベルLに形成される1つのラベルイメージRi(後述の図6参照)を表す、1つのラベルイメージデータを取得し、その取得したラベルイメージデータを印字ラベル作成装置1に入力可能となっている。
【0035】
メモリ206は、記憶内容の追加及び消去が可能な、例えばElectrically Erasable Programmable Read−Only Memory(EEPROM)等の不揮発性メモリから構成されている。このメモリ206は、1つのラベルイメージデータと、当該ラベルイメージデータをコード化(この例ではQRコード化)した1つのQRコード(詳細にはQRコードのデータ)とを、一組に関連づけて、複数組のラベルイメージデータ及びQRコード(詳細にはQRコードのデータ)を記憶している。なお、以下、符号を付さずに「QRコード」と記載した場合は「QRコードのデータ」のことを指し、「QRコードRq」と記載した場合は「印字ラベルLに形成されたQRコード」のことを指す。また、メモリ206には、外部装置100から取得された1つのラベルイメージデータと、当該ラベルイメージデータがコード化され生成された1つのQRコードとを、一組に関連づけて格納することが可能となっている。また、メモリ206に格納された複数組のラベルイメージデータ及びQRコードは、各組ごとに選択的にメモリ206から消去することが可能となっている。
【0036】
カートリッジホルダ216は、テープ203(被印字テープ)を供給可能なカートリッジ201を着脱可能に構成されている。カートリッジ201は、テープ203を図示しないリール部材の周りに巻回したテープロール204(本来は渦巻き状であるが簡略化して同心円で図示している)を備えている。
【0037】
搬送装置209は、印字ヘッド205に対向して設けられている。この搬送装置209は、制御回路202により制御されて、カートリッジホルダ216に装着したカートリッジ201から供給される、すなわち当該カートリッジ201のテープロール204から繰り出される、テープ203を搬送する。
【0038】
印字ヘッド205は、制御回路202により制御されて、テープロール204から繰り出され搬送装置209により搬送されるテープ203に対し所望の印字を行う。
【0039】
カッタ207は、ユーザによりカットレバー213が操作されることで、印字ヘッド205による印字が終了したテープ203を所定の長さに切断して1つの印字ラベルLとする。
【0040】
以上の基本構成において、本実施形態の特徴は、外部装置100から取得した1つのラベルイメージデータと、当該ラベルイメージデータに対応する1つのQRコードとを、一組に関連づけてメモリ206に格納すること、メモリ206に格納された複数組のラベルイメージデータ及びQRコードを、各組ごとに選択的にメモリ206から消去可能なこと、及び、メモリ206に格納された複数組のラベルイメージデータ及びQRコードに基づき、各組のラベルイメージデータ及びQRコードをテープ203に印字することで、それぞれ1つの印字ラベルLを作成すること、にある。以下、それらの詳細を順次説明する。
【0041】
図3は、印字ラベル作成装置1の制御回路202によって実行される、格納処理に関する制御手順の一例を表すフローチャートである。
【0042】
図3において、このフローに示す処理は、例えばユーザが操作部210を適宜に操作することにより開始する(「START」位置)。まずステップS10で、制御回路202は、ユーザによる適宜の操作により外部装置100から出力された1つのラベルイメージデータを、ケーブル215、インターフェース214、及び通信制御部208を介して取得すなわち入力する。
【0043】
その後、ステップS20で、制御回路202は、上記ステップS10で入力された1つのラベルイメージデータと、当該ラベルイメージデータに対して最適な解像度を表す印字解像度情報(例えば「150dpi」など)とを、公知の適宜の手法によりコード化して、対応する1つのQRコードを生成する。すなわち、このステップS20で生成されたQRコードには、上記ステップS10で入力された1つのラベルイメージデータ、及び、当該ラベルイメージデータに対して最適な印字解像度情報が、コード化されている。なお、このステップS20の手順が、各請求項記載の二次元コード生成手段として機能する。
【0044】
そして、ステップS30に移り、制御回路202は、メモリ206にアクセスする。そして、上記ステップS10で入力された1つのラベルイメージデータと、当該ラベルイメージデータに対応して上記ステップS20で生成された1つのQRコードとを、一組に関連づけてメモリ206に格納する。その後、このフローに示す処理を終了する。なお、このステップS30の手順が、各請求項記載の格納処理手段として機能する。
【0045】
図4は、印字ラベル作成装置1の制御回路202によって実行される、消去処理に関する制御手順の一例を表すフローチャートである。
【0046】
図4において、このフローに示す処理は、例えばユーザが操作部210を適宜に操作することにより開始する(「START」位置)。まずステップS110で、制御回路202は、メモリ206に格納された、ユーザによる操作部210の適宜の操作により選択された少なくとも1つ以上のラベルイメージデータと、当該ラベルイメージデータがコード化されて生成されたQRコードとを、消去対象として選択する。
【0047】
その後、ステップS120で、制御回路202は、メモリ206にアクセスする。そして、メモリ206に格納された複数組のラベルイメージデータ及びQRコードのうち、上記ステップS110で消去対象として選択されたラベルイメージデータ及びQRコードを、メモリ206から消去する。すなわち、ステップS120では、制御回路202は、実質的には、メモリ206に格納された複数組のラベルイメージデータ及びQRコードを、各組ごとに選択的にメモリ206から消去する。そして、このフローに示す処理を終了する。なお、このステップS120の手順が、各請求項記載の消去処理手段として機能する。
【0048】
図5は、ラベルイメージRi及びQRコードRqが形成された印字ラベルLを作成する際に、印字ラベル作成装置1の制御回路202によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【0049】
図5において、このフローに示す処理は、例えばユーザが操作部210を適宜に操作することにより開始する(「START」位置)。まずステップS210で、制御回路202は、メモリ206に格納された、ユーザによる操作部210の適宜の操作により選択された1つのラベルイメージデータと、当該ラベルイメージデータがコード化されて生成された1つのQRコードとを、印字対象として選択する。
【0050】
その後、ステップS220で、制御回路202は、搬送装置209に制御信号を出力し、カートリッジホルダ216に装着されたカートリッジ201のテープロール204からのテープ203の繰り出し、すなわちテープ203の搬送を開始させる。
【0051】
そして、ステップS230に移り、制御回路202は、テープ203が所定量だけ搬送されたかどうかを判定する。なお、この所定量とは、例えば、テープ203の図示しない印字領域の先端が、印字ヘッド205とほぼ対向する位置に到達するだけの搬送距離(いわゆる前余白用搬送量)である。所定量搬送されるまでステップS230の判定が満たされず、ループ待機し、所定量搬送されたらステップS230の判定が満たされて、ステップS240に移る。
【0052】
ステップS240では、制御回路202は、印字ヘッド205に制御信号を出力し、搬送装置209により搬送されるテープ203の印字領域に対し、メモリ206に格納された、上記ステップS210で印字対象として選択された一組のラベルイメージデータ及びQRコードの印字を開始させる。言い換えれば、メモリ206に格納された、上記ステップS210で印字対象として選択されたラベルイメージデータ及びQRコードを一組にして、搬送装置209により搬送されるテープ203の印字領域に印字を開始するように、印字ヘッド205を制御する。
【0053】
その後、ステップS250で、制御回路202は、上記ステップS240で開始した印字ヘッド205によるテープ203の印字領域へのラベルイメージデータ及びQRコードの印字がすべて完了しているかどうかを判定する。印字がすべて完了するまでステップS250の判定が満たされず、ループ待機し、印字がすべて完了したらステップS250の判定が満たされて、ステップS260に移る。
【0054】
ステップS260では、制御回路202は、テープ203がさらに所定量(例えば印字領域のすべてがカッタ207を所定の長さ分越えるだけの搬送距離。いわゆる後余白用搬送量)だけ搬送されたかどうかを判定する。所定量搬送されるまでステップS260の判定が満たされず、ループ待機し、所定量搬送されたらステップS260の判定が満たされて、ステップS270に移る。
【0055】
ステップS270では、制御回路202は、搬送装置209に制御信号を出力し、ステップS220で開始させたテープロール204からのテープ203の繰り出し、すなわちテープ203の搬送を停止させる。
【0056】
そして、ステップS280では、制御回路202は、表示部212に表示信号を出力し、カットレバー213を操作することによりテープ203を切断可能な状態である旨の表示を行わせる。その後、このフローに示す処理を終了する。上記表示に応じてユーザがカットレバー213を操作すると、カッタ207が作動してテープ203が切断される。このカッタ207による切断によって、テープ203から印字ヘッド205による印字が行われた部分が切り離されて、1つの印字ラベルLとなる。
【0057】
なお、上記ステップS240及びステップS250では、制御回路202は、実質的には、メモリ206に格納された、上記ステップS210で印字対象として選択されたラベルイメージデータ及びQRコードを、一組にしてテープ203に印字を行い、1つの印字ラベルLを作成するように、印字ヘッド205を制御している。すなわち、メモリ206に格納された複数組のラベルイメージデータ及びQRコードに基づき、各組のラベルイメージデータ及びQRコードをテープ203に印字することで、それぞれ1つの印字ラベルLを作成するように、印字ヘッド205を制御している。したがって、ステップS240及びステップS250の手順が、各請求項記載の印字制御手段として機能する。
【0058】
図6は、上記のようにして作成された印字ラベルLの外観の一例を表す上面図である。
【0059】
図6において、印字ラベルLには、上記ラベルイメージデータに対応したラベルイメージRi、及び、当該ラベルイメージデータがコード化されて生成された上記QRコードに対応したQRコードRqが、印字により形成されている。この印字ラベルLに形成されたQRコードRqには、当該QRコードRqと共に印字ラベルLに形成されたラベルイメージRiのラベルイメージデータ、及び、当該ラベルイメージデータに対して最適な印字解像度情報が、コード化されている。
【0060】
以上説明したように、本実施形態においては、外部装置100から取得した1つのラベルイメージデータと、当該ラベルイメージデータに対応する1つのQRコードとが、一組に関連づけられてメモリ206に格納され、記憶される(図3のステップS30を参照)。そして、印字ヘッド205は、制御回路202の制御により、メモリ206に格納されたラベルイメージデータとQRコードとを一組にして、テープ203の印字領域に印字し、1つの印字ラベルLを作成する。メモリ206は、このようなラベルイメージデータとQRコードとの組を複数組格納しており、印字ヘッド205は、各組のラベルイメージデータ及びQRコードを用いて、それぞれ1つの印字ラベルLを作成することができる。
【0061】
このようにして作成された印字ラベルLには、上記ラベルイメージデータに対応したラベルイメージRiと、それに対応するQRコードRqとが形成されている(図6を参照)。これにより、当該印字ラベルLが使用されて貼られた後、当該印字ラベルLのQRコードRqに対しカメラ211によって読み取りを行うだけで、当該印字ラベルLに形成されたラベルイメージRiのラベルイメージデータを取得することができる。この結果、上記貼られた印字ラベルLのラベルイメージRiと同一のラベルイメージRiを備えた新たな印字ラベルLを、簡単に作成することができる。また、上記複数組のラベルイメージデータ及びQRコードを各組ごとに用いて複数枚の印字ラベルLを作成した場合には、図7に示すように、当該複数枚の印字ラベルLを1枚の用紙Pに貼って一覧表形式とすることもできる。この場合には、ユーザは、一覧表として貼られた複数枚の印字ラベルLのラベルイメージRiの中から1つを選択し、当該印字ラベルLのQRコードRqに対して読み取りを行うことで、上記のようにして同一のラベルイメージRiが形成された印字ラベルLを容易に作成することができる。
【0062】
また、前述のようにして、外部装置100から取得されたラベルイメージデータ及びこれに対応するQRコードが、一組になってメモリ206に順次格納されるが、不要となったラベルイメージデータ及びQRコードの組が存在する場合や、メモリ206の記憶容量が一杯になった場合には、各組ごとに上記ラベルイメージデータ及びQRコードを消去することができる。この場合、消去する組のラベルイメージデータ及びQRコードについては、消去前に当該ラベルイメージデータ及びQRコードを印字して印字ラベルLを作成しておけば、メモリ206からは消去されてもデータとしては失われない。
【0063】
以上のように、本実施形態においては、所望のラベルイメージRi及びこれに対応するQRコードRqが形成された印字ラベルLを作成することができるので、ユーザの利便性を向上することができる。
【0064】
また、本実施形態では特に、外部装置100から取得された1つのラベルイメージデータをコード化して、対応する1つのQRコードを生成する(図3のステップS20を参照)。その後、1つのラベルイメージデータと、これに対応して生成された1つのQRコードとを、一組に関連づけてメモリ206に格納する。そして、メモリ206に格納された、ラベルイメージデータと当該ラベルイメージデータがコード化されて生成されたQRコードとを、一組にしてテープ203に印字を行い、1つの印字ラベルLを作成するように、印字ヘッド205を制御する。これにより、外部装置100からどのような種類や態様のラベルイメージデータが取得された場合であっても、これをQRコード化して印字した印字ラベルLを作成することができる。すなわち、どのようなラベルイメージRiであっても、確実に再現可能なQRコードとして、印字ラベルLに記録することができる。
【0065】
また、本実施形態では特に、1つのラベルイメージデータに対して最適な印字解像度情報を、当該ラベルイメージデータとともにコード化し、対応する1つのQRコードを生成する。これにより、印字ラベルLに形成されたQRコードを読み取って、対応するラベルイメージデータを印字してラベルイメージRiを形成するとき、当該ラベルイメージデータの印字に対し最適な解像度で印字を行うことができる。すなわち、当該印字を行う印字装置の通常の解像度が異なる値である場合であっても、上記最適な解像度に確実に切り替えて当該ラベルイメージデータの印字を行うことができる。これにより、最適な解像度により所望の大きさで印字できるので見栄えのよいラベルイメージRiを確実に形成することができる。
【0066】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順次説明する。
【0067】
(1)テキスト及びこれに対応するQRコードが形成された印字ラベルを作成する場合
すなわち、テキストコード及びこれをコード化したQRコードを、一組にしてテープ203に印字を行い、テキスト及びこれに対応するQRコードRqが形成された印字ラベルLを作成するようにしてもよい。
【0068】
本変形例においては、メモリ206は、上記実施形態での記憶内容に加えさらに、印字ラベルLに形成される1つのテキストRt(後述の図9参照)を表す、1つのテキストコード(テキストデータ。例えばEpson Standard Code for Printer(ESC/P)形式のテキストコード)と、当該テキストコードをコード化(この例ではQRコード化)した1つのQRコードとを、一組に関連づけて、複数組のテキストコード及びQRコードを記憶している。
【0069】
図8は、テキストRt及びQRコードRqが形成された印字ラベルLを作成する際に、印字ラベル作成装置1の制御回路202によって実行される制御手順を表すフローチャートである。なお、この図8は、前述の図5に対応する図である。図5と同等の手順には同符号を付し、説明を適宜省略する。
【0070】
図8において、前述の図5と異なる点は、ステップS210、ステップS240、及びステップS250に代えて、ステップS210′、ステップS240′、及びステップS250′を設けた点である。
【0071】
このフローに示す処理は、例えばユーザが操作部210を適宜に操作することにより開始する(「START」位置)。まずステップS210に代えて設けたステップS210′で、制御回路202は、メモリ206に記憶された、ユーザによる操作部210の適宜の操作により選択された1つのテキストコードと、当該テキストコードをコード化したQRコードとを、印字対象として選択する。
【0072】
その後のステップS220とステップS230とは、前述の図5と同様であり、ステップS230で、テープ203が所定量だけ搬送されたかどうかを判定し、テープ203が所定量搬送されたら、ステップS230の判定が満たされて、ステップS240に代えて設けたステップS240′に移る。
【0073】
ステップS240′では、制御回路202は、印字ヘッド205に制御信号を出力し、搬送装置209により搬送されるテープ203の印字領域に対し、メモリ206に記憶された、上記ステップS210′で印字対象として選択された一組のテキストコード及びQRコードの印字を開始させる。言い換えれば、メモリ206に記憶された、上記ステップS210′で印字対象として選択されたテキストコード及びQRコードを一組にして、搬送装置209により搬送されるテープ203の印字領域に印字を開始するように、印字ヘッド205を制御する。
【0074】
そして、ステップS250に代えて設けたステップS250′に移り、制御回路202は、上記ステップS240′で開始した印字ヘッド205によるテープ203の印字領域へのテキストコード及びQRコードの印字がすべて完了しているかどうかを判定する。印字がすべて完了するまでステップS250′の判定が満たされず、ループ待機し、印字がすべて完了したらステップS250′の判定が満たされて、ステップS260に移る。
【0075】
その後のステップS260、ステップS270、及びステップS280は、前述の図5と同様であるので、説明を省略する。
【0076】
なお、上記ステップS240′及びステップS250′では、制御回路202は、実質的には、メモリ206に記憶された、上記ステップS210′で印字対象として選択されたテキストコード及びQRコードを、一組にしてテープ203に印字を行い、1つの印字ラベルLを作成するように、印字ヘッド205を制御している。したがって、ステップS240′及びステップS250′の手順も、各請求項記載の印字制御手段として機能する。
【0077】
図9は、上記のようにして作成された印字ラベルLの外観の一例を表す上面図である。
【0078】
図9において、印字ラベルLには、上記テキストコードに対応したテキストRt(この例では「ABCD」の文字)、及び、当該テキストコードをコード化した上記QRコードに対応したQRコードRqが、印字により形成されている。この印字ラベルLに形成されたQRコードRqには、当該QRコードRqと共に印字ラベルLに形成されたテキストRtのテキストコードが、コード化されている。
【0079】
以上説明した本変形例においては、メモリ206は、1つのテキストコードと、当該テキストコードをコード化した1つのQRコードとを、一組に関連づけて記憶している。そして、メモリ206に記憶された、テキストコードと当該テキストコードをコード化したQRコードとを、一組にしてテープ203に印字を行い、1つの印字ラベルLを作成するように印字ヘッド205を制御する。これにより、ラベルイメージRiのみならず、テキストRtと、これに対応したQRコードRqとを形成した印字ラベルLを作成することができる。したがって、ユーザの利便性をさらに向上することができる。
【0080】
(2)カメラでQRコードを読み取って新たな印字ラベルを作成する場合
すなわち、装置本体2内で作成された1つの印字ラベルL上の、QRコードRqをカメラ211で読み取り、その読み取ったQRコードRqに対応したラベルイメージデータ又はテキストデータをテープ203に印字し、新たな印字ラベルLを作成するようにしてもよい。
【0081】
図10は、カメラ211でQRコードRqを読み取って新たな印字ラベルLを作成する際に、印字ラベル作成装置1の制御回路202によって実行される制御手順を表すフローチャートである。なお、この図10は、前述の図5及び図8に対応する図である。図5と同等の手順には同符号を付し、説明を適宜省略する。
【0082】
図10において、前述の図5と異なる点は、ステップS210を省略し、ステップS240及びステップS250に代えて、ステップS240″及びステップS250″を設け、さらにステップS202、ステップS204、ステップS206、ステップS208、及びステップS209を新たに設けた点である。
【0083】
このフローに示す処理は、例えばユーザが操作部210を適宜に操作することにより開始する(「START」位置)。まず新たに設けたステップS202で、制御回路202は、ユーザにより前述のシャッターキー210aが操作されたかどうかを判定する。シャッターキー210aが操作されるまでステップS202の判定が満たされず、ループ待機し、シャッターキー210aが操作されたらステップS202の判定が満たされて、新たに設けたステップS204に移る。
【0084】
ステップS204では、制御回路202は、カメラ211に制御信号を出力し、1つの印字ラベルLに形成されたQRコードRqの読み取り動作を開始させる。
【0085】
その後、新たに設けたステップS206で、制御回路202は、カメラ211によるQRコードRqの読み取りが成功したかどうかを判定する。QRコードRqの読み取りが成功するまでステップS206の判定が満たされず、ループ待機する。そして、QRコードRqの読み取りが成功したらステップS206の判定が満たされて、カメラ211により読み取られたQRコードRqに対応した前述のラベルイメージデータ又は前述のテキストコードを取得し、新たに設けたステップS208に移る。
【0086】
ステップS208では、制御回路202は、カメラ211に制御信号を出力し、ステップS204で開始させたQRコードRqの読み取り動作を終了させる。
【0087】
そして、新たに設けたステップS209に移り、制御回路202は、上記ステップS206で取得されたラベルイメージデータ又はテキストコードを、印字対象に設定する。
【0088】
その後のステップS220とステップS230とは、前述の図5と同様であり、ステップS230で、テープ203が所定量だけ搬送されたかどうかを判定し、テープ203が所定量搬送されたら、ステップS230の判定が満たされて、ステップS240に代えて設けたステップS240″に移る。
【0089】
ステップS240″は、制御回路202は、印字ヘッド205に制御信号を出力し、搬送装置209により搬送されるテープ203の印字領域に対し、上記ステップS209で印字対象に設定されたラベルイメージデータ又はテキストコードの印字を開始させる。言い換えれば、メモリ206の記憶内容に基づき、搬送装置209により搬送されるテープ203の印字領域に対し、上記ステップS209で印字対象に設定されたラベルイメージデータ又はテキストコードの印字を開始するように、印字ヘッド205を制御する。
【0090】
そして、ステップS250に代えて設けたステップS250″に移り、制御回路202は、上記ステップS240″で開始した印字ヘッド205によるテープ203の印字領域へのラベルイメージデータ又はテキストコードの印字がすべて完了しているかどうかを判定する。印字がすべて完了するまでステップS250″の判定が満たされず、ループ待機し、印字がすべて完了したらステップS250″の判定が満たされて、ステップS260に移る。
【0091】
その後のステップS260、ステップS270、及びステップS280は、前述の図5と同様であるので、説明を省略する。
【0092】
なお、上記ステップS240″及びステップS250″では、制御回路202は、実質的には、メモリ206の記憶内容に基づき、カメラ211により読み取られたQRコードRqに対応したラベルイメージデータ又はテキストコードをテープ203に印字し、新たな印字ラベルLを作成するように、印字ヘッド205を制御している。したがって、ステップS240″及びステップS250″の手順も、各請求項記載の印字制御手段として機能する。
【0093】
図11は、上記のようにして作成された印字ラベルLの外観の一例を表す上面図である。なお、図11(a)は、カメラ211により読み取られたQRコードRqにコード化されているデータがラベルイメージデータであった場合に対応し、図11(b)は、カメラ211により読み取られたQRコードRqにコード化されているデータがテキストコードであった場合に対応する。
【0094】
図11(a)に示すように、カメラ211により読み取られたQRコードRqにコード化されているデータがラベルイメージデータであった場合に作成された印字ラベルLには、当該ラベルイメージデータに対応したラベルイメージRiが、印字により形成されている。
【0095】
一方、図11(b)に示すように、カメラ211により読み取られたQRコードRqにコード化されているデータがテキストコードであった場合に作成された印字ラベルLには、当該テキストコードに対応したテキストRt(この例では「ABCD」の文字)が、印字により形成されている。
【0096】
以上説明した本変形例においては、制御回路202の制御に基づき印字ヘッド205により作成された1つの印字ラベルL、すなわち自ら作成した1つの印字ラベルLの、QRコードRqを読み取り可能なカメラ211を有している(図1を参照)。そして、メモリ206の記憶内容に基づき、カメラ211により読み取られたQRコードRqに対応したラベルイメージデータ又はテキストデータをテープ203に印字し、新たな印字ラベルLを作成するように、印字ヘッド205を制御する。これにより、当該印字ラベルLのQRコードRqに対し上記カメラ211を操作して読み取りを行わせるだけで、当該印字ラベルLに形成されたラベルイメージRiと同一のラベルイメージRiを備えた印字ラベルLを、簡単に再作成することができる。したがって、メモリ206内に格納されたラベルイメージデータをいちいち検索し操作手段等により指定する必要があった従来構造に比べ、極めて容易に所望のラベルイメージRiの印字ラベルLを作成することができる。また、カメラ211による読み取り動作を開始操作するためのシャッターキー210a有しているので、ユーザの所望のタイミングで印字ラベルLのQRコードRqの読み取りを開始し、対応するラベルイメージRiの印字ラベルLを作成することができる。
【0097】
(3)その他
なお、以上においては、外部装置100から取得した1つのラベルイメージデータと、当該ラベルイメージデータをコード化した1つのQRコードとを、一組に関連づけてメモリ206に格納していたが、これに限られない。すなわち、外部装置100から取得した1つのラベルイメージデータと、当該ラベルイメージデータに予め関連付けられた1つのQRコードとを、一組に関連づけてメモリ206に格納するようにしてもよい。この場合も同様の効果を得る。
【0098】
また、以上においては、ラベルイメージデータやテキストコードに対応する二次元コードをQRコードとした場合を例にとって説明したが、これに限られず、ラベルイメージデータやテキストコードに対応する二次元コードとしては、例えばPDF417、ベリコード、マキシコード等でもよい。
【0099】
さらに、以上においては、カートリッジ201のテープロール204から繰り出された被印字テープとしてのテープ203に印字を行ってこれを切断し印字ラベルLを作成した場合を例にとって説明したが、これに限られず、基材テープと、当該基材テープとは別のカバーフィルム(被印字テープ)に印字を行い、それらを貼り合わせたテープを用いて印字ラベルLを作成する方式としてもよい。
【0100】
さらに、以上は、テープ203がリール部材の周りに巻回されてテープロール204を構成し、カートリッジ201内にそのテープロール204が配置されてテープ203が繰り出される場合を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシート(ロールに巻回されたテープを繰り出した後に適宜の長さに切断して形成したものを含む)を、所定の収納部にスタックして(例えばトレイ状のものに平積み積層して)カートリッジ化し、このカートリッジを印字ラベル作成装置1側のカートリッジホルダに装着して、上記収納部から移送、搬送して印字を行い印字ラベルLを作成するようにしてもよい。
【0101】
さらには、上記ロールを直接印字ラベル作成装置1側に着脱可能に装着する構成や、長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシートを印字ラベル作成装置1外より1枚ずつ所定のフィーダ機構によって移送し印字ラベル作成装置1内へ供給する構成も考えられ、さらにはカートリッジ201のような装置本体2側に着脱可能なものにも限られず、印字ラベル作成装置1側に着脱不能のいわゆる据え付け型あるいは一体型としてテープロール204を設けることも考えられる。この場合も同様の効果を得る。
【0102】
なお、以上において、図2中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0103】
また、図3、図4、図5等に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0104】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0105】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0106】
1 印字ラベル作成装置
100 外部装置(外部)
201 カートリッジ
203 テープ(被印字テープ)
202 制御回路
205 印字ヘッド(印字手段)
206 メモリ
209 搬送装置(搬送手段)
210a シャッターキー(操作手段)
211 カメラ(読み取り手段)
216 カートリッジホルダ
L 印字ラベル
Ri ラベルイメージ
Rq QRコード(二次元コード)
Rt テキスト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被印字テープを供給可能なカートリッジを着脱可能なカートリッジホルダと、
前記カートリッジホルダに装着した前記カートリッジから供給される前記被印字テープを搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される前記被印字テープに印字を行う印字手段と、
情報を記憶するメモリと、
外部から取得した1つのラベルイメージデータと、当該ラベルイメージデータに対応する1つの二次元コードとを、一組に関連づけて前記メモリに格納する格納処理手段と、
前記メモリに格納された複数組の前記ラベルイメージデータ及び前記二次元コードを、各組ごとに選択的に前記メモリから消去可能な消去処理手段と、
前記メモリに格納された複数組の前記ラベルイメージデータ及び前記二次元コードに基づき、各組の前記ラベルイメージデータ及び前記二次元コードを前記被印字テープに印字することでそれぞれ1つの印字ラベルを作成するように、前記印字手段を制御する印字制御手段と、
を有することを特徴とする印字ラベル作成装置。
【請求項2】
請求項1記載の印字ラベル作成装置において、
前記外部から取得された前記1つのラベルイメージデータをコード化して対応する1つの前記二次元コードを生成する、二次元コード生成手段をさらに有し、
前記格納処理手段は、
1つの前記ラベルイメージデータと、これに対応して前記二次元コード生成手段により生成された1つの前記二次元コードとを、一組に関連づけて前記メモリに格納し、
前記印字制御手段は、
前記メモリに格納された、前記ラベルイメージデータと当該ラベルイメージデータがコード化されて生成された前記二次元コードとを、一組にして前記被印字テープに印字を行い、1つの印字ラベルを作成するように前記印字手段を制御する
ことを特徴とする印字ラベル作成装置。
【請求項3】
請求項2記載の印字ラベル作成装置において、
前記二次元コード生成手段は、
前記1つのラベルイメージデータに対して最適な印字解像度情報を、当該ラベルイメージデータとともにコード化し、対応する1つの前記二次元コードを生成する
ことを特徴とする印字ラベル作成装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の印字ラベル作成装置において、
前記メモリは、さらに、
1つのテキストデータと、当該テキストデータをコード化した1つの二次元コードとを、一組に関連づけて記憶しており、
前記印字制御手段は、
前記メモリに記憶された、前記テキストデータと当該テキストデータをコード化した前記二次元コードとを、一組にして前記被印字テープに印字を行い、1つの印字ラベルを作成するように前記印字手段を制御する
ことを特徴とする印字ラベル作成装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の印字ラベル作成装置において、
前記印字制御手段の制御に基づき前記印字手段により作成された1つの前記印字ラベルの、前記二次元コードを光学的に読み取る読み取り手段をさらに有し、
前記印字制御手段は、
前記メモリの記憶内容に基づき、前記読み取り手段により読み取られた前記二次元コードに対応したラベルイメージデータ又はテキストデータを前記被印字テープに印字し、新たな印字ラベルを作成するように、前記印字手段を制御する
ことを特徴とする印字ラベル作成装置。
【請求項6】
請求項5記載の印字ラベル作成装置において、
前記読み取り手段による読み取り動作を開始操作するための操作手段をさらに有する
ことを特徴とする印字ラベル作成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−101510(P2012−101510A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−253857(P2010−253857)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】