印影照合装置及びプログラム
【課題】印影の照合精度を容易に高めることができる印影照合装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】特定の印章を用いた押印により届出印及び捨印が付された押印済み帳票から届出印及び捨印を検出し、検出された届出印と捨印とを方向を対応させて重ね合わせて得られた印影と届出印に相当する印影を示すと共にROM14Cに予め記憶されている登録印情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、予め定められた誤差内で一致したと判定された場合に押印済み帳票に正規の届出印が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、予め定められた誤差内で一致しないと判定された場合に押印済み帳票に正規の主印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力する。
【解決手段】特定の印章を用いた押印により届出印及び捨印が付された押印済み帳票から届出印及び捨印を検出し、検出された届出印と捨印とを方向を対応させて重ね合わせて得られた印影と届出印に相当する印影を示すと共にROM14Cに予め記憶されている登録印情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、予め定められた誤差内で一致したと判定された場合に押印済み帳票に正規の届出印が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、予め定められた誤差内で一致しないと判定された場合に押印済み帳票に正規の主印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印影照合装置及びプログラムに係り、特に、帳票に押印された印影が正規の印影であるか否かを識別する印影照合装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
帳票をスキャナで読み取って得られたデータから届出印を示す情報を抽出する技術が知られている。しかし、届出印だけでは照合の決着がつかない場合がある。
【0003】
そこで、特許文献1では、届出印だけでは照合の決着がつかないような場合に捨印による照合を実施するという技術を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭60−142475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、正規の印章を用いて押印されることで得られた届出印であっても、印影に欠けや掠れがあると、照合の判定結果が異印となる場合があるという問題点があった。また、特許文献1に記載の技術でも捨印に欠けや掠れがあった場合には同印と判定できない可能性がある、という問題点があった。
【0006】
本発明は上記問題点を解決するために成されたものであり、印影の照合精度を容易に高めることができる印影照合装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の印影照合装置を、特定の印章を用いた押印により主印影及び副印影が付された被押印物から前記主印影及び前記副印影を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された前記主印影と前記副印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、前記主印影に相当する印影を示すと共に記憶手段に予め記憶されている印影情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記被押印物に正規の印影が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、前記判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記被押印物に正規の印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力する出力手段と、を含んで構成した。
【0008】
請求項1に記載の印影照合装置を、請求項2に記載の発明のように、前記判定手段が、前記検出手段によって検出された前記主印影と前記記憶手段に記憶されている前記印影情報により示される印影とが前記誤差内で一致したか否かを判定する前段判定手段を有し、前記前段判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記検出手段によって検出された前記主印影と前記副印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と前記記憶手段に記憶されている前記印影情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、前記出力手段が、更に、前記前段判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記正規印影情報を出力するものとしても良い。
【0009】
請求項2に記載の印影照合装置を、請求項3に記載の発明のように、前記判定手段が、前記前段判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記検出手段によって検出された前記副印影と前記記憶手段に記憶されている前記印影情報により示される印影とが前記誤差内で一致したか否かを判定する後段判定手段を更に有し、前記後段判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記検出手段によって検出された前記主印影と前記副印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、前記記憶手段に記憶されている前記印影情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、前記出力手段が、更に、前記後段判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記正規印影情報を出力するものとしても良い。
【0010】
上記目的を達成するために、請求項4に記載の印影照合装置を、特定の印章を用いた押印により主印影及び副印影が付された被押印物から前記主印影印及び前記副印影を検出する検出手段と、前記主印影に相当する印影を示すと共に記憶手段に予め記憶されている主印影情報により示される印影と前記副印影に相当する印影を示すと共に前記記憶手段に予め記憶されている副印影情報により示される印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、前記検出手段によって検出された主印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記被押印物に正規の印影が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、前記判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記被押印物に正規の印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力する出力手段と、を含んで構成した。
【0011】
請求項4に記載の印影照合装置を、請求項5に記載の発明のように、前記判定手段が、前記検出手段によって検出された前記主印影と前記記憶手段に記憶されている前記主印影情報により示される印影とが前記誤差内で一致したか否かを判定する前段判定手段を有し、前記前段判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記記憶手段に記憶されている前記主印影情報により示される印影と前記記憶手段に予め記憶されている前記副印影情報により示される印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、前記検出手段によって検出された主印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、前記出力手段が、更に、前記前段判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記正規印影情報を出力するものとしても良い。
【0012】
請求項5に記載の印影照合装置を、請求項6に記載の発明のように、前記判定手段が、前記前段判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記検出手段によって検出された前記主印影と前記記憶手段に記憶されている前記副印影情報により示される印影とが前記誤差内で一致したか否かを判定する後段判定手段を更に有し、前記後段判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記記憶手段に記憶されている前記主印影情報により示される印影と前記記憶手段に記憶されている前記副印影情報により示される印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、前記検出手段によって検出された主印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、前記出力手段が、更に、前記後段判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記正規印影情報を出力するものとしても良い。
【0013】
上記目的を達成するために、請求項7に記載の印影照合装置を、押印により複数の印影が付された被押印物から印影を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された少なくとも2つの印影が予め定められた誤差内で一致したか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記被押印物に正規の印影として予め定められた印影が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、前記判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記被押印物に前記予め定められた印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力する出力手段と、を含んで構成した。
【0014】
上記目的を達成するために、請求項8に記載のプログラムを、特定の印章を用いた押印により主印影及び副印影が付された被押印物から前記主印影及び前記副印影を検出する検出手段、前記検出手段によって検出された前記主印影と前記副印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、前記主印影に相当する印影を示すと共に記憶手段に予め記憶されている印影情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定する判定手段、並びに、前記判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記被押印物に正規の印影が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、前記判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記被押印物に正規の印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力する出力手段としてコンピュータを機能させるためのものとした。
【0015】
上記目的を達成するために、請求項9に記載のプログラムを、特定の印章を用いた押印により主印影及び副印影が付された被押印物から前記主印影印及び前記副印影を検出する検出手段、前記主印影に相当する印影を示すと共に記憶手段に予め記憶されている主印影情報により示される印影と前記副印影に相当する印影を示すと共に前記記憶手段に予め記憶されている副印影情報により示される印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、前記検出手段によって検出された主印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定する判定手段、並びに、前記判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記被押印物に正規の印影が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、前記判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記被押印物に正規の印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力する出力手段としてコンピュータを機能させるためのものとした。
【0016】
上記目的を達成するために、請求項10に記載のプログラムを、押印により複数の印影が付された被押印物から印影を検出する検出手段、前記検出手段によって検出された少なくとも2つの印影が予め定められた誤差内で一致したか否かを判定する判定手段、並びに、前記判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記被押印物に正規の印影として予め定められた印影が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、前記判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記被押印物に前記予め定められた印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力する出力手段としてコンピュータを機能させるためのものとした。
【発明の効果】
【0017】
請求項1及び請求項8に係る発明によれば、特定の印章を用いた押印により主印影及び副印影が付された被押印物から検出手段によって検出された主印影と副印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と主印影に相当する印影を示すと共に記憶手段に予め記憶されている印影情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、一致したと判定された場合に被押印物に正規の印影が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、一致しないと判定された場合に被押印物に正規の印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力する構成を有しない場合に比べ、印影の照合精度を容易に高めることができる、という効果が得られる。
【0018】
請求項2に係る発明によれば、検出手段によって検出された主印影と記憶手段に記憶されている印影情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、一致したと判定された場合に正規印影情報を出力し、一致しないと判定された場合に検出手段によって検出された主印影と副印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と記憶手段に記憶されている印影情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定する構成を有しない場合に比べ、印影の照合精度をより一層高めることができる、という効果が得られる。
【0019】
請求項3に係る発明によれば、検出手段によって検出された主印影と記憶手段に記憶されている印影情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かの判定で、予め定められた誤差内で一致しないと判定された場合に検出手段によって検出された副印影と記憶手段に記憶されている印影情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、一致したと判定された場合に正規印影情報を出力し、一致しないと判定された場合に検出手段によって検出された主印影と副印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、記憶手段に記憶されている印影情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定する構成を有しない場合に比べ、印影の照合精度をより一層高めることができる、という効果が得られる。
【0020】
請求項4及び請求項9に係る発明によれば、特定の印章を用いた押印により主印影及び副印影が付された被押印物における主印影に相当する印影を示すと共に記憶手段に予め記憶されている主印影情報により示される印影と副印影に相当する印影を示すと共に記憶手段に予め記憶されている副印影情報により示される印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、検出手段によって検出された主印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、一致したと判定された場合に被押印物に正規の印影が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、一致しないと判定された場合に被押印物に正規の印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力する構成を有しない場合に比べ、印影の照合精度を容易に高めることができる、という効果が得られる。
【0021】
請求項5に係る発明によれば、検出手段によって検出された主印影と記憶手段に記憶されている主印影情報により示される印影とが誤差内で一致したか否かを判定し、一致したと判定された場合に正規印影情報を出力し、一致しないと判定された場合に記憶手段に記憶されている主印影情報により示される印影及び記憶手段に予め記憶されている副印影情報により示される印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、検出手段によって検出された主印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定する構成を有しない場合に比べ、印影の照合精度をより一層高めることができる、という効果が得られる。
【0022】
請求項6に係る発明によれば、検出手段によって検出された主印影と記憶手段に記憶されている主印影情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かの判定で、一致しないと判定された場合に前記検出手段によって検出された主印影と記憶手段に記憶されている副印影情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、一致したと判定された場合に正規印影情報を出力し、一致しないと判定された場合に記憶手段に記憶されている主印影情報により示される印影と記憶手段に予め記憶されている副印影情報により示される印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた印影と、検出手段によって検出された主印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定する構成を有しない場合に比べ、印影の照合精度をより一層高めることができる、という効果が得られる。
【0023】
請求項7及び請求項10に係る発明によれば、押印により複数の印影が付された被押印物から印影を検出する検出手段によって検出された少なくとも2つの印影が予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、一致したと判定された場合に被押印物に正規の印影として予め定められた印影が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、一致しないと判定された場合に被押印物に前記予め定められた印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力する構成を有しない場合に比べ、印影の照合精度を容易に高めることができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施の形態に係る印影照合システムの構成の一例を示す構成図である。
【図2】第1及び第2の実施の形態に係る読取対象の押印済み帳票の一例を示す概略図である。
【図3】実施の形態に係る帳票データテーブルの一例を示す模式図である。
【図4】第1の実施の形態に係る登録印テーブルの一例を示す模式図である。
【図5】第1の実施の形態に係る印影照合処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施の形態に係る印影照合処理の具体例の説明に供する補助図である。
【図7】第2の実施の形態に係る登録印テーブルの一例を示す模式図である。
【図8】第2の実施の形態に係る印影照合処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施の形態に係る印影照合処理の具体例の説明に供する補助図である。
【図10】第3の実施の形態に係る読取対象の押印済み帳票の一例を示す概略図である。
【図11】第3の実施の形態に係る印影照合処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図12】第3の実施の形態に係る印影照合処理で検出された印影の一例を示す概略図である。
【図13】第3の実施の形態に係る印影照合処理の具体例の説明に供する補助図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態の一例について詳細に説明する。なお、本実施の形態では、銀行の店舗や地方公共団体の施設などに導入された印影照合システムを例に挙げて説明する。また、本実施の形態では、顧客が提出する各種の申請書類や変更届などの帳票に対して押印によって付された印影と事前に登録されている印影とを照合する場合について説明する。具体的には、顧客が自身で所有する特定の印章を用いて帳票に対して押印することにより主印影の一例である届出印と副印影の一例である捨印とが付された被押印物の一例である押印済み帳票に含まれる印影を読み取って得られた情報と登録印として予め登録されている印影を示す情報とを照合する場合について説明する。
【0026】
[第1の実施の形態]
先ず、図1を参照しながら、本第1の実施の形態に係る印影照合システム10の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る印影照合システム10の全体構成の一例を示す構成図である。図1に示すように、印影照合システム10は、クライアント装置12、サーバ装置14、及び通信回線16を含んで構成されており、クライアント装置12とサーバ装置14とは通信回線16を介して互いに通信可能となるように接続されている。なお、本実施の形態に係る印影照合システム10では、通信回線16として、クライアント装置12とサーバ装置14との間で専用に敷設された専用通信回線を適用している。
【0027】
クライアント装置12は、クライアント装置12全体の動作を司るCPU(中央処理装置)12Aと、CPU12Aによる各種処理プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)12Bと、各種処理プログラムや各種パラメータなどが予め記憶されたROM(Read Only Memory)12Cと、各種情報を記憶するために用いられる二次記憶部(ここでは、一例としてハードディスク装置)12Dと、各種情報を入力する(受け付ける)ために用いられる番号キー、十字キー、キーボード、マウス、タッチパネル・ディスプレイに含まれるタッチパネルなどを含んで構成された入力部12Eと、タッチパネル・ディスプレイに含まれるディスプレイを有し、各種情報を表示する表示部12Fと、画像を光学的に読み取り、読み取って得た画像を示す画像情報を出力するスキャナ12Gと、通信回線16を介してサーバ装置14に通信可能に接続され、サーバ装置14との間の各種情報の授受を司る外部インタフェース(I/F)12Hと、を含んで構成されている。これら各部は、アドレスバス、制御バス、及びシステムバスなどを含むバス12Jにより電気的に相互に接続されている。従って、CPU12Aは、RAM12B、ROM12C及び二次記憶部12Dに対するアクセスと、入力部12Eを介した各種入力情報の取得と、表示部12Fに対する各種情報の表示と、スキャナ12Gによって取得された画像情報の取得と、スキャナ12Gの動作の制御と、外部I/F12Gを介したサーバ装置14との間の各種情報の授受と、を各々行うことができる。
【0028】
一方、サーバ装置14は、サーバ装置14全体の動作を司るCPU14Aと、CPU14Aによる各種処理プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM14Bと、各種処理プログラムや各種パラメータなどが予め記憶されたROM14Cと、各種情報を記憶するために用いられる記憶手段の一例である二次記憶部(ここでは、一例としてハードディスク装置)14Dと、各種情報を入力する(受け付ける)ために用いられる番号キー、十字キー、キーボード、マウス、タッチパネル・ディスプレイに含まれるタッチパネルなどを含んで構成された入力部14Eと、タッチパネル・ディスプレイに含まれるディスプレイを有し、各種情報を表示する表示部14Fと、通信回線16を介してクライアント装置12に通信可能に接続され、クライアント装置12との間の各種情報の授受を司る外部I/F14Gと、を含んで構成されている。これら各部は、アドレスバス、制御バス、及びシステムバスなどを含むバス14Hにより電気的に相互に接続されている。従って、CPU14Aは、RAM14B、ROM14C及び二次記憶部14Dに対するアクセスと、入力部14Eを介した各種入力情報の取得と、表示部14Fに対する各種情報の表示と、外部I/F14Gを介したクライアント装置12との間の各種情報の授受と、を各々行うことができる。
【0029】
図2には、押印済み帳票の一例が示されている。図2には、帳票に「大山」との印章を用いた押印により届出印及び捨印が付された例が示されている。また、図2に示す帳票の下部には異なる2つの印章を用いて押印された検印が付されている。
【0030】
ところで、本第1の実施の形態に係る印影照合システム10では、クライアント装置12のスキャナ12Gが例えば図2に示す押印済み帳票に含まれる届出印及び捨印(以下では、これらを区別しない場合は他の印影と同様に単に「印影」という。)を含む押印済み帳票を印影と共に読み取る。そして、クライアント装置12は、スキャナ12により読み取って得られた押印済み帳票を示す押印済み帳票データをサーバ装置14に送信する。サーバ装置14は、クライアント装置12から送信された押印済み帳票データを受信し、受信した押印済み帳票データから印影に相当する画像情報を抽出し、抽出した画像情報と届出印に相当する印影である登録印として予め登録されている印影を示す登録印情報とを照合する印影照合処理を実行する。
【0031】
本第1の実施の形態に係るサーバ装置14では、印影照合処理を実現するために、帳票データテーブル及び登録印テーブルが用いられる。帳票データテーブル及び登録印テーブルはサーバ装置14の二次記憶部14Dに記憶されている。図3には、帳票データテーブルの一例である帳票データテーブル20が示されている。帳票データテーブル20は、クライアント装置12のスキャナ12Gにより押印済み帳票を読み取って得られた押印済み帳票データから印影に相当する情報を特定するために用いられるテーブルである。図3に示す例では、振込用紙や借入申請用紙などの未記入の帳票を特定する情報の一例である帳票名の帳票A〜Zの各々に対して、対応する帳票を例えばスキャナ12Gにより読み取って得た画像を示す画像情報である帳票データが対応付けられて構成されたテーブルが示されている。なお、図3には、帳票Aに対して帳票データとして帳票Aデータが対応付けられ、帳票Bに対して帳票データとして帳票Bデータが対応付けられ、帳票Zに対して帳票データとして帳票Zデータが対応付けられた例が示されている。また、帳票名に代えて各帳票を特定可能な数字や記号又はこれらの組み合わせであっても良い。
【0032】
図4には登録印テーブルの一例である登録印テーブル22が示されている。登録印テーブル22は、顧客が事前に登録印(一例として届出印に相当する印影)として登録した印影を示す登録印情報を含んで構成されたテーブルである。登録印情報により示される印影は、押印済み帳票に含まれる届出印及び捨印の少なくとも一方との照合に用いられる。図4に示す例では、顧客を特定する名前である顧客名の顧客A〜Zの各々に対して、対応する登録印として予め登録された印影を示す登録印情報が対応付けられて構成されたテーブルが示されている。なお、図4には、顧客Aに対して「大山」との登録印を示す登録印情報が対応付けられ、顧客Bに対して「飯田」との登録印を示す登録印情報が対応付けられ、顧客Zに対して「山田」との登録印を示す登録印情報が対応付られた例が示されている。
【0033】
ところで、本第1の実施の形態に係る印影照合システム10では、印影照合処理を実現するために印影照合処理に含まれる各種処理がソフトウェア構成によって実現される。つまり、本第1の実施の形態に係るサーバ装置14では、印影照合処理に含まれる各種処理がソフトウェア構成によって実現される。その一例としては、コンピュータを利用してプログラムを実行する形態が挙げられる。しかし、このようなソフトウェア構成による実現に限られるものではなく、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現しても良いことは言うまでもない。
【0034】
以下では、本第1の実施の形態に係るサーバ装置14のCPU14Aが印影照合処理プログラムを実行することにより印影照合処理を実現する場合について説明する。この場合、印影照合処理プログラムをROM14Cに各々予め記憶させておく形態や、記憶内容がコンピュータによって読み取られる記録媒体に記憶された状態で提供される形態、有線または無線による通信手段を介して配信される形態等を適用しても良い。
【0035】
図5は、クライアント装置12から送信された押印済み帳票データをサーバ装置14が受信した際にサーバ装置14のCPU14Aによって実行される印影照合処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、錯綜を回避するために、届出印及び捨印の押印対象とされる帳票の届出印が付される領域として予め定められた届出印領域に届出印が付され、捨印が付される領域として予め定められた捨印領域に捨印が付されている場合について説明する。また、ここでは、錯綜を回避するために、届出印及び捨印を帳票に付した顧客が特定されている場合について説明する。
【0036】
図5のステップ100では、帳票データテーブル20が有する帳票データと押印済み帳票データとのパターンマッチングにより帳票を特定し、特定した帳票の届出印領域の届出印を検出し、検出した届出印と登録印テーブル22に含まれる顧客に対応する登録印情報により示される印影とを照合する。
【0037】
次のステップ102では、上記ステップ100の処理で照合されて得られた結果を判定する。すなわち、上記ステップ100の処理で検出された届出印と登録印テーブル22に含まれる顧客に対応する登録印情報により示される印影とが予め定められて誤差内(例えば一致率95%以上)で一致しているか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ120に移行する一方、否定判定となった場合にはステップ104に移行する。なお、図6には、上記ステップ100の処理で検出された届出印と登録印テーブル22に含まれる顧客に対応する登録印情報により示される印影とが予め定められて誤差内で一致していない場合の一例が示されている。図6に示す例では、届出印に見逃すことができない大きな欠けがあるために届出印と登録印情報により示される印影とが予め定められて誤差内で一致せず、押印済み帳票に含まれる印影と登録印とが異印であると判定される形態が示されている。
【0038】
ステップ104では、上記ステップ100の処理で特定された帳票の捨印領域の印影を探索し、探索して印影と上記ステップ100の処理で検出された届出印とを照合した後、ステップ106に移行する。ステップ106では、上記ステップ104の処理で照合されて得られた結果を判定する。すなわち、上記ステップ104の処理で探索された印影と上記ステップ100の処理で検出された届出印との一致度が予め定められた一致度以上であるか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ118に移行する一方、肯定判定となった場合にはステップ108に移行する。ここで肯定判定となった場合には上記ステップ104の処理で探索された印影が捨印であるということを意味し、捨印が検出されたということになる(図6も参照)。
【0039】
ステップ108では、上記ステップ106の処理で検出された捨印と登録印テーブル22に含まれる顧客に対応する登録印情報により示される印影とを照合する。次のステップ110では、上記ステップ108の処理で照合されて得られた結果を判定する。すなわち、上記ステップ104の処理で検出された捨印と登録印テーブル22に含まれる顧客に対応する登録印情報により示される印影とが予め定められて誤差内で一致しているか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ120に移行する一方、否定判定となった場合にはステップ112に移行する。なお、図6には、上記ステップ106の処理で検出された捨印と登録印テーブル22に含まれる顧客に対応する登録印情報により示される印影とが予め定められて誤差内で一致していない場合の一例が示されている。図6に示す例では、捨印に見逃すことができない大きな欠けがあるために届出印と登録印情報により示される印影とが予め定められて誤差内で一致せず、押印済み帳票に含まれる印影と登録印とが異印であると判定される形態が示されている。
【0040】
ステップ112では、上記ステップ100の処理で検出された届出印と上記ステップ104の処理で検出された捨印とを方向を対応させて重ね合わせた重ね合わせ印影を作成する。図6には、重ね合わせ印影の一例が示されている。図6に示す例では、届出印の欠けが捨印の対応箇所で修正され、捨印の欠けが届出印の対応箇所で修正される形態が示されている。
【0041】
次のステップ114では、上記ステップ112の処理で作成されて得られた重ね合わせ印影と登録印テーブル22に含まれる顧客に対応する登録印情報により示される印影とを照合する。次のステップ116では、上記ステップ114の処理で照合されて得られた結果を判定する。すなわち、上記ステップ112の処理で作成されて得られた重ね合わせ印影と登録印テーブル22に含まれる顧客に対応する登録印情報により示される印影とが予め定められて誤差内で一致しているか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ120に移行する一方、否定判定となった場合にはステップ118に移行する。なお、図6には、上記ステップ112の処理で作成されて得られた重ね合わせ印影と登録印テーブル22に含まれる顧客に対応する登録印情報により示される印影とが予め定められて誤差内で一致している場合の一例が示されている。図6に示す例では、捨印の欠けが原因で捨印と登録印とが予め定められて誤差内で一致せず、かつ届出印の欠けが原因で届出印と登録印とが予め定められて誤差内で一致していないが、届出印と捨印とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と登録印とが予め定められて誤差内で一致しているので、押印済み帳票に含まれる印影と登録印とが同印である判定される形態が示されている。
【0042】
ステップ118では、押印済み帳票に正規の届出印が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力した後、本印影照合処理プログラムを終了する。
【0043】
一方、ステップ120では、押印済み帳票に正規の届出印が含まれていることを示す正規印影情報を出力した後、本印影照合処理プログラムを終了する。
なお、非正規印影情報及び正規印影情報の出力先としては表示部14Fが例示できる。この場合、例えば、非正規印影情報が表示部14Fに入力されると、表示部14Fが「帳票に正規の印影が含まれていません。(照合不成立)」とのメッセージを表示し、正規印影情報が表示部14Fに入力されると、表示部14Fが「帳票に正規の印影が含まれていません。(照合成立)」とのメッセージを表示する、という形態例が挙げられる。このような可視表示に限らず、スピーカによる可聴表示やプリンタによる永久可視表示であっても良いし、これらを組み合わせて表示しても良い。
また、非正規印影情報及び正規印影情報の少なくも一方をクライアント装置12に送信し、クライアント装置12の表示部12Fに上記メッセージを表示するようにしても良い。
更に、非正規印影情報及び正規印影情報の出力先を二次記憶部12D及び二次記憶部14Dの少なくとも一方とし、非正規印影情報及び正規印影情報を二次記憶部12D及び二次記憶部14Dの少なくとも一方に記憶させても良い。
【0044】
以上詳細に説明したように、本第1の実施の形態に係る印影照合システム10では、特定の印章を用いた押印により届出印及び捨印が付された押印済み帳票から届出印及び捨印を検出し、検出された届出印と捨印とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と届出印に相当する印影を示すと共にROM14Cに予め記憶されている登録印情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、予め定められた誤差内で一致したと判定された場合に押印済み帳票に正規の印影(一例として届出印)が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、予め定められた誤差内で一致しないと判定された場合に押印済み帳票に正規の印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力するので、このような構成を有しない場合に比べ、印影の照合精度を容易に高めることができる。
【0045】
また、本第1の実施の形態に係る印影照合システム10では、検出された届出印とROM14Cに記憶されている登録印情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、一致したと判定された場合に正規印影情報を出力し、一致しないと判定された場合に、検出された届出印と捨印とを重ね合わせて得られた重ね合わせ印影とROM14Cに記憶されている登録印情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定するので、このような構成を有しない場合に比べ、印影の照合精度をより一層高めることができる。
【0046】
また、本第1の実施の形態に係る印影照合システム10では、検出された届出印とROM14Cに記憶されている登録印情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かの判定で、一致しないと判定された場合に、検出された捨印とROM14Cに記憶されている登録印情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、一致したと判定された場合に正規印影情報を出力し、一致しないと判定された場合に、検出された届出印と捨印とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影とROM14Cに記憶されている登録印情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定するので、このような構成を有しない場合に比べ、印影の照合精度をより一層高めることができる。
【0047】
[第2の実施の形態]
上記第1の実施形態では、押印済み帳票に含まれる届出印と捨印とを重ね合わせた印影が登録印と同印か否かを判定する場合の形態例を挙げて説明したが、本第2の実施の形態では、押印済み帳票に含まれる届出印が事前に登録されている届出印と捨印とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と同印か否かを判定する場合について説明する。なお、上記第1の実施の形態で説明した構成と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0048】
図7には登録印テーブルの一例である登録印テーブル24が示されている。登録印テーブル24は、顧客が事前に登録印として登録した印影を示す登録印情報を含んで構成されたテーブルである。登録印情報は、届出印に相当する印影を示す登録届出印情報及び捨印に相当する印影を示す登録捨印情報を含んで構成されている。図7に示す例では、顧客A〜Zの各々の届出印の項目毎に、対応する登録届出印情報が対応付けられ、顧客名の顧客A〜Zの各々の捨印の項目毎に、対応する登録捨印情報が対応付けられて構成されたテーブルが示されている。なお、図7には、顧客Aの届出印の項目に対して「大山」との届出印に相当する印影を示す登録届出印情報が対応付けられ、顧客Aの捨印の項目に対して「大山」との捨印に相当する印影を示す登録捨印情報が対応付けられ、顧客Bの届出印の項目に対して「飯田」との届出印に相当する印影を示す登録届出印情報が対応付けられ、顧客Bの捨印の項目に対して登録捨印情報が対応付けられず、顧客Zの届出印の項目に対して登録届出印情報が対応付けられず、顧客Zの捨印の項目に対して「山田」との捨印に相当する印影を示す登録捨印情報が対応付られた例が示されている。
【0049】
図8は、クライアント装置12から送信された押印済み帳票データをサーバ装置14が受信した際にサーバ装置14のCPU14Aによって実行される本第2の実施の形態に係る印影照合処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、錯綜を回避するために、届出印及び捨印の押印対象とされる帳票の届出印が付される領域として予め定められた届出印領域に届出印が付され、捨印が付される領域として予め定められた捨印領域に捨印が付されている場合について説明する。また、ここでは、錯綜を回避するために、届出印及び捨印を帳票に付した顧客が特定されている場合について説明する。
【0050】
図8のステップ200では、帳票データテーブル20が有する帳票データと押印済み帳票データとのパターンマッチングにより帳票を特定し、特定した帳票の届出印領域の届出印を検出し、検出した届出印と登録印テーブル22に含まれる顧客に対応する登録届出印情報により示される印影とを照合する。
【0051】
次のステップ202では、上記ステップ200の処理で照合されて得られた結果を判定する。すなわち、上記ステップ200の処理で検出された届出印と登録印テーブル24に含まれる顧客に対応する登録届出印情報により示される印影とが予め定められて誤差内で一致しているか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ220に移行する一方、否定判定となった場合にはステップ204に移行する。なお、図9には、上記ステップ200の処理で検出された届出印と登録印テーブル24に含まれる顧客に対応する登録届出印情報により示される印影とが予め定められて誤差内で一致していない場合の一例が示されている。図9に示す例では、登録届出印情報により示される印影に見逃すことができない大きな欠けがあるために届出印と登録届出印情報により示される印影とが予め定められて誤差内で一致せず、押印済み帳票に含まれる印影と届出印として事前に登録された登録印とが異印であると判定される形態が示されている。
【0052】
ステップ204では、顧客に関する登録捨印情報が登録印テーブル24に存在しているか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ218に移行する一方、肯定判定となった場合にはステップ206に移行する。
【0053】
ステップ206では、上記ステップ200の処理で検出された届出印と登録印テーブル24に含まれる顧客に対応する登録捨印情報により示される印影とを照合した後、ステップ208に移行し、上記ステップ206の処理で照合されて得られた結果を判定する。すなわち、上記ステップ200の処理で検出された届出印と登録印テーブル24に含まれる顧客に対応する登録捨印情報により示される印影とが予め定められて誤差内で一致しているか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ220に移行する一方、否定判定となった場合にはステップ210に移行する。なお、図9には、上記ステップ200の処理で検出された届出印と登録印テーブル24に含まれる顧客に対応する登録捨印情報により示される印影とが予め定められて誤差内で一致していない場合の一例が示されている。図9に示す例では、登録捨印情報により示される印影に見逃すことができない大きな欠けがあるために届出印と登録捨印情報により示される印影とが予め定められて誤差内で一致せず、押印済み帳票に含まれる印影と捨印として事前に登録された登録印とが異印であると判定される形態が示されている。
【0054】
ステップ210では、登録印テーブル24に含まれる顧客に対応する登録届出印情報により示される印影と登録印テーブル24に含まれる顧客に対応する登録捨印情報により示される印影とを方向を対応させて重ね合わせた重ね合わせ印影を作成する。図9には、登録印テーブル24に含まれる顧客に対応する登録届出印情報により示される印影と登録印テーブル24に含まれる顧客に対応する登録捨印情報により示される印影とを方向を対応させて重ね合わせた重ね合わせ印影の一例が示されている。図9に示す例では、登録届出印情報により示される印影の欠けが登録捨印情報により示される印影の対応箇所で修正され、登録捨印情報により示される印影の欠けが登録届出印情報により示される印影の対応箇所で修正される形態が示されている。
【0055】
次のステップ212では、上記ステップ200の処理で検出された届出印と上記ステップ210の処理で作成されて得られた重ね合わせ印影とを照合する。次のステップ214では、上記ステップ212の処理で照合されて得られた結果を判定する。すなわち、上記ステップ200の処理で検出された届出印と上記ステップ210の処理で作成されて得られた印影とが予め定められて誤差内で一致しているか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ218に移行する一方、否定判定となった場合にはステップ220に移行する。なお、図9には、上記ステップ200の処理で検出された届出印と上記ステップ210の処理で作成されて得られた印影とが予め定められて誤差内で一致している場合の一例が示されている。図9に示す例では、登録届出印情報により示される印影の欠けが原因で届出印と予め定められて誤差内で一致せず、かつ登録捨印情報により示される印影の欠けが原因で届出印と予め定められて誤差内で一致していないが、上記ステップ200の処理で検出された届出印と上記ステップ210の処理で作成されて得られた重ね合わせ印影と届出印とが予め定められて誤差内で一致しているので、押印済み帳票に含まれる印影と登録印とが同印である判定される形態が示されている。
【0056】
ステップ218では、押印済み帳票に正規の届出印が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力した後、本印影照合処理プログラムを終了する。
【0057】
一方、ステップ220では、押印済み帳票に正規の届出印が含まれていることを示す正規印影情報を出力した後、本印影照合処理プログラムを終了する。
なお、非正規印影情報及び正規印影情報の出力先としては表示部14Fが例示できる。この場合、例えば、非正規印影情報が表示部14Fに入力されると、表示部14Fが「帳票に正規の印影が含まれていません。(照合不成立)」とのメッセージを表示し、正規印影情報が表示部14Fに入力されると、表示部14Fが「帳票に正規の印影が含まれていません。(照合成立)」とのメッセージを表示する、という形態例が挙げられる。このような可視表示に限らず、スピーカによる可聴表示やプリンタによる永久可視表示であっても良いし、これらを組み合わせて表示しても良い。
また、非正規印影情報及び正規印影情報の少なくも一方をクライアント装置12に送信し、クライアント装置12の表示部12Fに上記メッセージを表示するようにしても良い。
更に、非正規印影情報及び正規印影情報の出力先を二次記憶部12D及び二次記憶部14Dの少なくとも一方とし、非正規印影情報及び正規印影情報を二次記憶部12D及び二次記憶部14Dの少なくとも一方に記憶させても良い。
【0058】
以上詳細に説明したように、本第2の実施の形態に係る印影照合システム10では、特定の印章を用いた押印により届出印及び捨印が付された押印済み帳票から届出印及び捨印を検出し、届出印に相当する印影を示すと共にROM14Cに予め記憶されている登録届出印情報により示される印影と捨印に相当する印影を示すと共にROM14Cに予め記憶されている登録捨印情報により示される印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、検出された届出印とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、一致したと判定された場合に押印済み帳票に正規の印影が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、一致しないと判定された場合に押印済み帳票に正規の印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力するので、このような構成を有しない場合に比べ、印影の照合精度を容易に高めることができる。
【0059】
また、本第2の実施の形態に係る印影照合システム10では、検出された届出印とROM14Cに記憶されている登録届出印情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、一致したと判定された場合に前記正規印影情報を出力し、一致しないと判定された場合にROM14Cに記憶されている登録届出印情報により示される印影とROM14Cに予め記憶されている登録捨印情報により示される印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、検出された届出印とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定するので、印影の照合精度をより一層高めることができる。
【0060】
また、本第2の実施の形態に係る印影照合システム10では、検出された届出印とROM14Cに記憶されている登録届出印情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かの判定で、一致しないと判定された場合に、検出された届出印とROM14Cに記憶されている登録捨印情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、一致したと判定された場合に正規印影情報を出力し、一致しないと判定された場合に、ROM14Cに記憶されている登録届出印情報により示される印影及びROM14Cに記憶されている登録捨印情報により示される印影を重ね合わせて得られた印影と、検出された届出印とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定するので、印影の照合精度をより一層高めることができる。
【0061】
[第3の実施の形態]
上記各実施の実施形態では、事前に登録された登録印を用いて押印済み帳票に正規の印影として予め定められた印影が存在しているか否かを判定する場合の形態例を挙げて説明したが、本第3の実施の形態では、事前に登録された登録印を用いずに押印済み帳票に正規の印影として予め定められた印影が存在しているか否かを判定する場合について説明する。なお、上記各実施の形態で説明した構成と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0062】
図10には、押印済み帳票の一例が示されている。図10には、帳票に「高雷」との印章を用いて届出印及び捨印が付されると共に、異なる2つの印章を用いて押印された検印1,2が付された例が示されている。
【0063】
図11は、クライアント装置12から送信された押印済み帳票データをサーバ装置14が受信した際にサーバ装置14のCPU14Aによって実行される本第3の実施の形態に係る印影照合処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、錯綜を回避するために、届出印及び捨印の押印対象とされる帳票の届出印が付される領域として予め定められた届出印領域に届出印が付され、捨印が付される領域として予め定められた捨印領域に捨印が付されている場合について説明する。また、ここでは、錯綜を回避するために、届出印及び捨印を帳票に付した顧客が特定されている場合について説明する。
【0064】
図11のステップ300では、受信した押印済み帳票データに対応する帳票データを帳票データテーブル20から取得した後、ステップ302に移行し、上記ステップ300の処理で取得された帳票データにより示される帳票の画像に対して、印影の探索を実施する。
【0065】
次のステップ304では、上記ステップ302の処理で探索されることによって一例として図12に示すように複数の印影(ここでは一例としてNo.1の届出印、No.2の捨印、No.3の検印1、及びNo.4の検印2)が検出され、検出された印影同士を比較し、予め定められた誤差内(例えば一致率が95%以上)で一致している印影を検出する。なお、本第3の実施の形態では、一致率が95%未満の場合には不一致と判定される。例えば、図13に示すように、一致率が20%や5%の場合は不一致と判定され、この結果、異印と判定される。また、図13に示す例では、「高雷」との印影同士の一致率が95%以上であるため、同印と判定され、それ以外の印影の組み合わせの一致率は95%を大きく下回っているため、異印と判定される。
【0066】
次のステップ306では、上記ステップ304の処理で予め定められた誤差内で一致している印影が検出されたか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ308に移行する一方、否定判定となった場合にはステップ310に移行する。
【0067】
ステップ308では、押印済み帳票に正規の届出印が含まれていることを示す正規印影情報を出力した後、本印影照合処理プログラムを終了する。
【0068】
一方、ステップ310では、押印済み帳票に正規の届出印が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力した後、本印影照合処理プログラムを終了する。
なお、非正規印影情報及び正規印影情報の出力先としては表示部14Fが例示できる。この場合、例えば、非正規印影情報が表示部14Fに入力されると、表示部14Fが「帳票に正規の印影が含まれていません。(照合不成立)」とのメッセージを表示し、正規印影情報が表示部14Fに入力されると、表示部14Fが「帳票に正規の印影が含まれていません。(照合成立)」とのメッセージを表示する、という形態例が挙げられる。このような可視表示に限らず、スピーカによる可聴表示やプリンタによる永久可視表示であっても良いし、これらを組み合わせて表示しても良い。
また、非正規印影情報及び正規印影情報の少なくも一方をクライアント装置12に送信し、クライアント装置12の表示部12Fに上記メッセージを表示するようにしても良い。
更に、非正規印影情報及び正規印影情報の出力先を二次記憶部12D及び二次記憶部14Dの少なくとも一方とし、非正規印影情報及び正規印影情報を二次記憶部12D及び二次記憶部14Dの少なくとも一方に記憶させても良い。
【0069】
以上詳細に説明したように、本第3の実施の形態に係る印影照合システム10では、押印により複数の印影が付された押印済み帳票から印影を検出し、検出された少なくとも2つの印影が予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、一致したと判定された場合に押印済み帳票に正規の印影として予め定められた印影(一例として届出印)が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、一致しないと判定された場合に押印済み帳票に正規の印影として予め定められた印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力するので、このような構成を有しない場合に比べ、印影の照合精度を容易に高めることができる。
【0070】
なお、上記各実施の形態では、クライアント装置12及びサーバ装置14を備えた印影照合システム10を例に挙げて説明したが、クライアント装置12及びサーバ装置14で分散処理するのではなく、例えば1台のコンピュータで集中して実行するようにしても良い。この場合の1台のコンピュータに帳票データテーブル及び登録印テーブルを格納させておくと共に、上記第1〜第3の実施の形態で説明した何れかの印影照合処理プログラムを導入しておけば良い。
【0071】
また、上記第2の実施の形態では、印影照合処理プログラムに登録印テーブル24に含まれる顧客に対応する登録届出印情報により示される印影と登録印テーブル24に含まれる顧客に対応する登録捨印情報により示される印影とを方向を対応させて重ね合わせた重ね合わせ印影を作成するステップが含まれているが、これに限らず、事前に印影同士を方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影を示す情報を登録印テーブル24に予め登録しておいても良い。このように事前に作成しておいた重ね合わせ印影を使用することで、印影照合処理の過程で重ね合わせ印影を作成せずに済むので、処理の高速化が期待できる。
【0072】
また、上記第1の実施の形態で説明した印影照合処理と上記第2の実施の形態で説明した印影照合処理との双方を併用しても良い。この場合、上記ステップ100の処理で検出された届出印と上記ステップ104の処理で検出された捨印とを重ね合わせた印影と、登録印テーブル24に含まれる顧客に対応する登録届出印情報により示される印影と登録印テーブル24に含まれる顧客に対応する登録捨印情報により示される印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、が予め定められた誤差内で一致しているか否かを判定することで、より高精度の印影照合を実現することができる。
【0073】
また、上記第3の実施の形態で説明した印影照合処理プログラムに上記第1又は第2の実施の形態で説明した印影照合処理プログラムを組み込んでも良い。例えば、図8に示す印影照合処理プログラムのステップ200の前段階で図11に示す印影照合処理プログラムのステップ300〜306を挿入し、ステップ306で肯定判定となった場合にステップ220に移行し、否定判定となった場合にステップ218に移行するプログラムとしても良い。この他にも、例えば、図8に示す印影照合処理プログラムのステップ214とステップ218との間に図11に示す印影照合処理プログラムのステップ300〜306を挿入し、ステップ306で肯定判定となった場合にステップ220に移行し、否定判定となった場合にはステップ218に移行するプログラムとしても良い。なお、図5に示す印影照合プログラムに対して図11に示す印影照合プログラムを組み込む場合も同様にすれば良い。このように上記第3の実施の形態で説明した印影照合処理プログラムに上記第1又は第2の実施の形態で説明した印影照合処理プログラムを組み込むことで、より高精度の印影照合を実現することができる。
【符号の説明】
【0074】
10 印影照合システム
14 サーバ装置
14A CPU
14C ROM
【技術分野】
【0001】
本発明は、印影照合装置及びプログラムに係り、特に、帳票に押印された印影が正規の印影であるか否かを識別する印影照合装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
帳票をスキャナで読み取って得られたデータから届出印を示す情報を抽出する技術が知られている。しかし、届出印だけでは照合の決着がつかない場合がある。
【0003】
そこで、特許文献1では、届出印だけでは照合の決着がつかないような場合に捨印による照合を実施するという技術を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭60−142475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、正規の印章を用いて押印されることで得られた届出印であっても、印影に欠けや掠れがあると、照合の判定結果が異印となる場合があるという問題点があった。また、特許文献1に記載の技術でも捨印に欠けや掠れがあった場合には同印と判定できない可能性がある、という問題点があった。
【0006】
本発明は上記問題点を解決するために成されたものであり、印影の照合精度を容易に高めることができる印影照合装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の印影照合装置を、特定の印章を用いた押印により主印影及び副印影が付された被押印物から前記主印影及び前記副印影を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された前記主印影と前記副印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、前記主印影に相当する印影を示すと共に記憶手段に予め記憶されている印影情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記被押印物に正規の印影が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、前記判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記被押印物に正規の印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力する出力手段と、を含んで構成した。
【0008】
請求項1に記載の印影照合装置を、請求項2に記載の発明のように、前記判定手段が、前記検出手段によって検出された前記主印影と前記記憶手段に記憶されている前記印影情報により示される印影とが前記誤差内で一致したか否かを判定する前段判定手段を有し、前記前段判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記検出手段によって検出された前記主印影と前記副印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と前記記憶手段に記憶されている前記印影情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、前記出力手段が、更に、前記前段判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記正規印影情報を出力するものとしても良い。
【0009】
請求項2に記載の印影照合装置を、請求項3に記載の発明のように、前記判定手段が、前記前段判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記検出手段によって検出された前記副印影と前記記憶手段に記憶されている前記印影情報により示される印影とが前記誤差内で一致したか否かを判定する後段判定手段を更に有し、前記後段判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記検出手段によって検出された前記主印影と前記副印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、前記記憶手段に記憶されている前記印影情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、前記出力手段が、更に、前記後段判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記正規印影情報を出力するものとしても良い。
【0010】
上記目的を達成するために、請求項4に記載の印影照合装置を、特定の印章を用いた押印により主印影及び副印影が付された被押印物から前記主印影印及び前記副印影を検出する検出手段と、前記主印影に相当する印影を示すと共に記憶手段に予め記憶されている主印影情報により示される印影と前記副印影に相当する印影を示すと共に前記記憶手段に予め記憶されている副印影情報により示される印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、前記検出手段によって検出された主印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記被押印物に正規の印影が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、前記判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記被押印物に正規の印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力する出力手段と、を含んで構成した。
【0011】
請求項4に記載の印影照合装置を、請求項5に記載の発明のように、前記判定手段が、前記検出手段によって検出された前記主印影と前記記憶手段に記憶されている前記主印影情報により示される印影とが前記誤差内で一致したか否かを判定する前段判定手段を有し、前記前段判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記記憶手段に記憶されている前記主印影情報により示される印影と前記記憶手段に予め記憶されている前記副印影情報により示される印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、前記検出手段によって検出された主印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、前記出力手段が、更に、前記前段判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記正規印影情報を出力するものとしても良い。
【0012】
請求項5に記載の印影照合装置を、請求項6に記載の発明のように、前記判定手段が、前記前段判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記検出手段によって検出された前記主印影と前記記憶手段に記憶されている前記副印影情報により示される印影とが前記誤差内で一致したか否かを判定する後段判定手段を更に有し、前記後段判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記記憶手段に記憶されている前記主印影情報により示される印影と前記記憶手段に記憶されている前記副印影情報により示される印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、前記検出手段によって検出された主印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、前記出力手段が、更に、前記後段判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記正規印影情報を出力するものとしても良い。
【0013】
上記目的を達成するために、請求項7に記載の印影照合装置を、押印により複数の印影が付された被押印物から印影を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された少なくとも2つの印影が予め定められた誤差内で一致したか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記被押印物に正規の印影として予め定められた印影が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、前記判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記被押印物に前記予め定められた印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力する出力手段と、を含んで構成した。
【0014】
上記目的を達成するために、請求項8に記載のプログラムを、特定の印章を用いた押印により主印影及び副印影が付された被押印物から前記主印影及び前記副印影を検出する検出手段、前記検出手段によって検出された前記主印影と前記副印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、前記主印影に相当する印影を示すと共に記憶手段に予め記憶されている印影情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定する判定手段、並びに、前記判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記被押印物に正規の印影が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、前記判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記被押印物に正規の印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力する出力手段としてコンピュータを機能させるためのものとした。
【0015】
上記目的を達成するために、請求項9に記載のプログラムを、特定の印章を用いた押印により主印影及び副印影が付された被押印物から前記主印影印及び前記副印影を検出する検出手段、前記主印影に相当する印影を示すと共に記憶手段に予め記憶されている主印影情報により示される印影と前記副印影に相当する印影を示すと共に前記記憶手段に予め記憶されている副印影情報により示される印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、前記検出手段によって検出された主印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定する判定手段、並びに、前記判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記被押印物に正規の印影が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、前記判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記被押印物に正規の印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力する出力手段としてコンピュータを機能させるためのものとした。
【0016】
上記目的を達成するために、請求項10に記載のプログラムを、押印により複数の印影が付された被押印物から印影を検出する検出手段、前記検出手段によって検出された少なくとも2つの印影が予め定められた誤差内で一致したか否かを判定する判定手段、並びに、前記判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記被押印物に正規の印影として予め定められた印影が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、前記判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記被押印物に前記予め定められた印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力する出力手段としてコンピュータを機能させるためのものとした。
【発明の効果】
【0017】
請求項1及び請求項8に係る発明によれば、特定の印章を用いた押印により主印影及び副印影が付された被押印物から検出手段によって検出された主印影と副印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と主印影に相当する印影を示すと共に記憶手段に予め記憶されている印影情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、一致したと判定された場合に被押印物に正規の印影が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、一致しないと判定された場合に被押印物に正規の印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力する構成を有しない場合に比べ、印影の照合精度を容易に高めることができる、という効果が得られる。
【0018】
請求項2に係る発明によれば、検出手段によって検出された主印影と記憶手段に記憶されている印影情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、一致したと判定された場合に正規印影情報を出力し、一致しないと判定された場合に検出手段によって検出された主印影と副印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と記憶手段に記憶されている印影情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定する構成を有しない場合に比べ、印影の照合精度をより一層高めることができる、という効果が得られる。
【0019】
請求項3に係る発明によれば、検出手段によって検出された主印影と記憶手段に記憶されている印影情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かの判定で、予め定められた誤差内で一致しないと判定された場合に検出手段によって検出された副印影と記憶手段に記憶されている印影情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、一致したと判定された場合に正規印影情報を出力し、一致しないと判定された場合に検出手段によって検出された主印影と副印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、記憶手段に記憶されている印影情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定する構成を有しない場合に比べ、印影の照合精度をより一層高めることができる、という効果が得られる。
【0020】
請求項4及び請求項9に係る発明によれば、特定の印章を用いた押印により主印影及び副印影が付された被押印物における主印影に相当する印影を示すと共に記憶手段に予め記憶されている主印影情報により示される印影と副印影に相当する印影を示すと共に記憶手段に予め記憶されている副印影情報により示される印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、検出手段によって検出された主印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、一致したと判定された場合に被押印物に正規の印影が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、一致しないと判定された場合に被押印物に正規の印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力する構成を有しない場合に比べ、印影の照合精度を容易に高めることができる、という効果が得られる。
【0021】
請求項5に係る発明によれば、検出手段によって検出された主印影と記憶手段に記憶されている主印影情報により示される印影とが誤差内で一致したか否かを判定し、一致したと判定された場合に正規印影情報を出力し、一致しないと判定された場合に記憶手段に記憶されている主印影情報により示される印影及び記憶手段に予め記憶されている副印影情報により示される印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、検出手段によって検出された主印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定する構成を有しない場合に比べ、印影の照合精度をより一層高めることができる、という効果が得られる。
【0022】
請求項6に係る発明によれば、検出手段によって検出された主印影と記憶手段に記憶されている主印影情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かの判定で、一致しないと判定された場合に前記検出手段によって検出された主印影と記憶手段に記憶されている副印影情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、一致したと判定された場合に正規印影情報を出力し、一致しないと判定された場合に記憶手段に記憶されている主印影情報により示される印影と記憶手段に予め記憶されている副印影情報により示される印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた印影と、検出手段によって検出された主印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定する構成を有しない場合に比べ、印影の照合精度をより一層高めることができる、という効果が得られる。
【0023】
請求項7及び請求項10に係る発明によれば、押印により複数の印影が付された被押印物から印影を検出する検出手段によって検出された少なくとも2つの印影が予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、一致したと判定された場合に被押印物に正規の印影として予め定められた印影が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、一致しないと判定された場合に被押印物に前記予め定められた印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力する構成を有しない場合に比べ、印影の照合精度を容易に高めることができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施の形態に係る印影照合システムの構成の一例を示す構成図である。
【図2】第1及び第2の実施の形態に係る読取対象の押印済み帳票の一例を示す概略図である。
【図3】実施の形態に係る帳票データテーブルの一例を示す模式図である。
【図4】第1の実施の形態に係る登録印テーブルの一例を示す模式図である。
【図5】第1の実施の形態に係る印影照合処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施の形態に係る印影照合処理の具体例の説明に供する補助図である。
【図7】第2の実施の形態に係る登録印テーブルの一例を示す模式図である。
【図8】第2の実施の形態に係る印影照合処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施の形態に係る印影照合処理の具体例の説明に供する補助図である。
【図10】第3の実施の形態に係る読取対象の押印済み帳票の一例を示す概略図である。
【図11】第3の実施の形態に係る印影照合処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図12】第3の実施の形態に係る印影照合処理で検出された印影の一例を示す概略図である。
【図13】第3の実施の形態に係る印影照合処理の具体例の説明に供する補助図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態の一例について詳細に説明する。なお、本実施の形態では、銀行の店舗や地方公共団体の施設などに導入された印影照合システムを例に挙げて説明する。また、本実施の形態では、顧客が提出する各種の申請書類や変更届などの帳票に対して押印によって付された印影と事前に登録されている印影とを照合する場合について説明する。具体的には、顧客が自身で所有する特定の印章を用いて帳票に対して押印することにより主印影の一例である届出印と副印影の一例である捨印とが付された被押印物の一例である押印済み帳票に含まれる印影を読み取って得られた情報と登録印として予め登録されている印影を示す情報とを照合する場合について説明する。
【0026】
[第1の実施の形態]
先ず、図1を参照しながら、本第1の実施の形態に係る印影照合システム10の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る印影照合システム10の全体構成の一例を示す構成図である。図1に示すように、印影照合システム10は、クライアント装置12、サーバ装置14、及び通信回線16を含んで構成されており、クライアント装置12とサーバ装置14とは通信回線16を介して互いに通信可能となるように接続されている。なお、本実施の形態に係る印影照合システム10では、通信回線16として、クライアント装置12とサーバ装置14との間で専用に敷設された専用通信回線を適用している。
【0027】
クライアント装置12は、クライアント装置12全体の動作を司るCPU(中央処理装置)12Aと、CPU12Aによる各種処理プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)12Bと、各種処理プログラムや各種パラメータなどが予め記憶されたROM(Read Only Memory)12Cと、各種情報を記憶するために用いられる二次記憶部(ここでは、一例としてハードディスク装置)12Dと、各種情報を入力する(受け付ける)ために用いられる番号キー、十字キー、キーボード、マウス、タッチパネル・ディスプレイに含まれるタッチパネルなどを含んで構成された入力部12Eと、タッチパネル・ディスプレイに含まれるディスプレイを有し、各種情報を表示する表示部12Fと、画像を光学的に読み取り、読み取って得た画像を示す画像情報を出力するスキャナ12Gと、通信回線16を介してサーバ装置14に通信可能に接続され、サーバ装置14との間の各種情報の授受を司る外部インタフェース(I/F)12Hと、を含んで構成されている。これら各部は、アドレスバス、制御バス、及びシステムバスなどを含むバス12Jにより電気的に相互に接続されている。従って、CPU12Aは、RAM12B、ROM12C及び二次記憶部12Dに対するアクセスと、入力部12Eを介した各種入力情報の取得と、表示部12Fに対する各種情報の表示と、スキャナ12Gによって取得された画像情報の取得と、スキャナ12Gの動作の制御と、外部I/F12Gを介したサーバ装置14との間の各種情報の授受と、を各々行うことができる。
【0028】
一方、サーバ装置14は、サーバ装置14全体の動作を司るCPU14Aと、CPU14Aによる各種処理プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM14Bと、各種処理プログラムや各種パラメータなどが予め記憶されたROM14Cと、各種情報を記憶するために用いられる記憶手段の一例である二次記憶部(ここでは、一例としてハードディスク装置)14Dと、各種情報を入力する(受け付ける)ために用いられる番号キー、十字キー、キーボード、マウス、タッチパネル・ディスプレイに含まれるタッチパネルなどを含んで構成された入力部14Eと、タッチパネル・ディスプレイに含まれるディスプレイを有し、各種情報を表示する表示部14Fと、通信回線16を介してクライアント装置12に通信可能に接続され、クライアント装置12との間の各種情報の授受を司る外部I/F14Gと、を含んで構成されている。これら各部は、アドレスバス、制御バス、及びシステムバスなどを含むバス14Hにより電気的に相互に接続されている。従って、CPU14Aは、RAM14B、ROM14C及び二次記憶部14Dに対するアクセスと、入力部14Eを介した各種入力情報の取得と、表示部14Fに対する各種情報の表示と、外部I/F14Gを介したクライアント装置12との間の各種情報の授受と、を各々行うことができる。
【0029】
図2には、押印済み帳票の一例が示されている。図2には、帳票に「大山」との印章を用いた押印により届出印及び捨印が付された例が示されている。また、図2に示す帳票の下部には異なる2つの印章を用いて押印された検印が付されている。
【0030】
ところで、本第1の実施の形態に係る印影照合システム10では、クライアント装置12のスキャナ12Gが例えば図2に示す押印済み帳票に含まれる届出印及び捨印(以下では、これらを区別しない場合は他の印影と同様に単に「印影」という。)を含む押印済み帳票を印影と共に読み取る。そして、クライアント装置12は、スキャナ12により読み取って得られた押印済み帳票を示す押印済み帳票データをサーバ装置14に送信する。サーバ装置14は、クライアント装置12から送信された押印済み帳票データを受信し、受信した押印済み帳票データから印影に相当する画像情報を抽出し、抽出した画像情報と届出印に相当する印影である登録印として予め登録されている印影を示す登録印情報とを照合する印影照合処理を実行する。
【0031】
本第1の実施の形態に係るサーバ装置14では、印影照合処理を実現するために、帳票データテーブル及び登録印テーブルが用いられる。帳票データテーブル及び登録印テーブルはサーバ装置14の二次記憶部14Dに記憶されている。図3には、帳票データテーブルの一例である帳票データテーブル20が示されている。帳票データテーブル20は、クライアント装置12のスキャナ12Gにより押印済み帳票を読み取って得られた押印済み帳票データから印影に相当する情報を特定するために用いられるテーブルである。図3に示す例では、振込用紙や借入申請用紙などの未記入の帳票を特定する情報の一例である帳票名の帳票A〜Zの各々に対して、対応する帳票を例えばスキャナ12Gにより読み取って得た画像を示す画像情報である帳票データが対応付けられて構成されたテーブルが示されている。なお、図3には、帳票Aに対して帳票データとして帳票Aデータが対応付けられ、帳票Bに対して帳票データとして帳票Bデータが対応付けられ、帳票Zに対して帳票データとして帳票Zデータが対応付けられた例が示されている。また、帳票名に代えて各帳票を特定可能な数字や記号又はこれらの組み合わせであっても良い。
【0032】
図4には登録印テーブルの一例である登録印テーブル22が示されている。登録印テーブル22は、顧客が事前に登録印(一例として届出印に相当する印影)として登録した印影を示す登録印情報を含んで構成されたテーブルである。登録印情報により示される印影は、押印済み帳票に含まれる届出印及び捨印の少なくとも一方との照合に用いられる。図4に示す例では、顧客を特定する名前である顧客名の顧客A〜Zの各々に対して、対応する登録印として予め登録された印影を示す登録印情報が対応付けられて構成されたテーブルが示されている。なお、図4には、顧客Aに対して「大山」との登録印を示す登録印情報が対応付けられ、顧客Bに対して「飯田」との登録印を示す登録印情報が対応付けられ、顧客Zに対して「山田」との登録印を示す登録印情報が対応付られた例が示されている。
【0033】
ところで、本第1の実施の形態に係る印影照合システム10では、印影照合処理を実現するために印影照合処理に含まれる各種処理がソフトウェア構成によって実現される。つまり、本第1の実施の形態に係るサーバ装置14では、印影照合処理に含まれる各種処理がソフトウェア構成によって実現される。その一例としては、コンピュータを利用してプログラムを実行する形態が挙げられる。しかし、このようなソフトウェア構成による実現に限られるものではなく、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現しても良いことは言うまでもない。
【0034】
以下では、本第1の実施の形態に係るサーバ装置14のCPU14Aが印影照合処理プログラムを実行することにより印影照合処理を実現する場合について説明する。この場合、印影照合処理プログラムをROM14Cに各々予め記憶させておく形態や、記憶内容がコンピュータによって読み取られる記録媒体に記憶された状態で提供される形態、有線または無線による通信手段を介して配信される形態等を適用しても良い。
【0035】
図5は、クライアント装置12から送信された押印済み帳票データをサーバ装置14が受信した際にサーバ装置14のCPU14Aによって実行される印影照合処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、錯綜を回避するために、届出印及び捨印の押印対象とされる帳票の届出印が付される領域として予め定められた届出印領域に届出印が付され、捨印が付される領域として予め定められた捨印領域に捨印が付されている場合について説明する。また、ここでは、錯綜を回避するために、届出印及び捨印を帳票に付した顧客が特定されている場合について説明する。
【0036】
図5のステップ100では、帳票データテーブル20が有する帳票データと押印済み帳票データとのパターンマッチングにより帳票を特定し、特定した帳票の届出印領域の届出印を検出し、検出した届出印と登録印テーブル22に含まれる顧客に対応する登録印情報により示される印影とを照合する。
【0037】
次のステップ102では、上記ステップ100の処理で照合されて得られた結果を判定する。すなわち、上記ステップ100の処理で検出された届出印と登録印テーブル22に含まれる顧客に対応する登録印情報により示される印影とが予め定められて誤差内(例えば一致率95%以上)で一致しているか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ120に移行する一方、否定判定となった場合にはステップ104に移行する。なお、図6には、上記ステップ100の処理で検出された届出印と登録印テーブル22に含まれる顧客に対応する登録印情報により示される印影とが予め定められて誤差内で一致していない場合の一例が示されている。図6に示す例では、届出印に見逃すことができない大きな欠けがあるために届出印と登録印情報により示される印影とが予め定められて誤差内で一致せず、押印済み帳票に含まれる印影と登録印とが異印であると判定される形態が示されている。
【0038】
ステップ104では、上記ステップ100の処理で特定された帳票の捨印領域の印影を探索し、探索して印影と上記ステップ100の処理で検出された届出印とを照合した後、ステップ106に移行する。ステップ106では、上記ステップ104の処理で照合されて得られた結果を判定する。すなわち、上記ステップ104の処理で探索された印影と上記ステップ100の処理で検出された届出印との一致度が予め定められた一致度以上であるか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ118に移行する一方、肯定判定となった場合にはステップ108に移行する。ここで肯定判定となった場合には上記ステップ104の処理で探索された印影が捨印であるということを意味し、捨印が検出されたということになる(図6も参照)。
【0039】
ステップ108では、上記ステップ106の処理で検出された捨印と登録印テーブル22に含まれる顧客に対応する登録印情報により示される印影とを照合する。次のステップ110では、上記ステップ108の処理で照合されて得られた結果を判定する。すなわち、上記ステップ104の処理で検出された捨印と登録印テーブル22に含まれる顧客に対応する登録印情報により示される印影とが予め定められて誤差内で一致しているか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ120に移行する一方、否定判定となった場合にはステップ112に移行する。なお、図6には、上記ステップ106の処理で検出された捨印と登録印テーブル22に含まれる顧客に対応する登録印情報により示される印影とが予め定められて誤差内で一致していない場合の一例が示されている。図6に示す例では、捨印に見逃すことができない大きな欠けがあるために届出印と登録印情報により示される印影とが予め定められて誤差内で一致せず、押印済み帳票に含まれる印影と登録印とが異印であると判定される形態が示されている。
【0040】
ステップ112では、上記ステップ100の処理で検出された届出印と上記ステップ104の処理で検出された捨印とを方向を対応させて重ね合わせた重ね合わせ印影を作成する。図6には、重ね合わせ印影の一例が示されている。図6に示す例では、届出印の欠けが捨印の対応箇所で修正され、捨印の欠けが届出印の対応箇所で修正される形態が示されている。
【0041】
次のステップ114では、上記ステップ112の処理で作成されて得られた重ね合わせ印影と登録印テーブル22に含まれる顧客に対応する登録印情報により示される印影とを照合する。次のステップ116では、上記ステップ114の処理で照合されて得られた結果を判定する。すなわち、上記ステップ112の処理で作成されて得られた重ね合わせ印影と登録印テーブル22に含まれる顧客に対応する登録印情報により示される印影とが予め定められて誤差内で一致しているか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ120に移行する一方、否定判定となった場合にはステップ118に移行する。なお、図6には、上記ステップ112の処理で作成されて得られた重ね合わせ印影と登録印テーブル22に含まれる顧客に対応する登録印情報により示される印影とが予め定められて誤差内で一致している場合の一例が示されている。図6に示す例では、捨印の欠けが原因で捨印と登録印とが予め定められて誤差内で一致せず、かつ届出印の欠けが原因で届出印と登録印とが予め定められて誤差内で一致していないが、届出印と捨印とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と登録印とが予め定められて誤差内で一致しているので、押印済み帳票に含まれる印影と登録印とが同印である判定される形態が示されている。
【0042】
ステップ118では、押印済み帳票に正規の届出印が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力した後、本印影照合処理プログラムを終了する。
【0043】
一方、ステップ120では、押印済み帳票に正規の届出印が含まれていることを示す正規印影情報を出力した後、本印影照合処理プログラムを終了する。
なお、非正規印影情報及び正規印影情報の出力先としては表示部14Fが例示できる。この場合、例えば、非正規印影情報が表示部14Fに入力されると、表示部14Fが「帳票に正規の印影が含まれていません。(照合不成立)」とのメッセージを表示し、正規印影情報が表示部14Fに入力されると、表示部14Fが「帳票に正規の印影が含まれていません。(照合成立)」とのメッセージを表示する、という形態例が挙げられる。このような可視表示に限らず、スピーカによる可聴表示やプリンタによる永久可視表示であっても良いし、これらを組み合わせて表示しても良い。
また、非正規印影情報及び正規印影情報の少なくも一方をクライアント装置12に送信し、クライアント装置12の表示部12Fに上記メッセージを表示するようにしても良い。
更に、非正規印影情報及び正規印影情報の出力先を二次記憶部12D及び二次記憶部14Dの少なくとも一方とし、非正規印影情報及び正規印影情報を二次記憶部12D及び二次記憶部14Dの少なくとも一方に記憶させても良い。
【0044】
以上詳細に説明したように、本第1の実施の形態に係る印影照合システム10では、特定の印章を用いた押印により届出印及び捨印が付された押印済み帳票から届出印及び捨印を検出し、検出された届出印と捨印とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と届出印に相当する印影を示すと共にROM14Cに予め記憶されている登録印情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、予め定められた誤差内で一致したと判定された場合に押印済み帳票に正規の印影(一例として届出印)が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、予め定められた誤差内で一致しないと判定された場合に押印済み帳票に正規の印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力するので、このような構成を有しない場合に比べ、印影の照合精度を容易に高めることができる。
【0045】
また、本第1の実施の形態に係る印影照合システム10では、検出された届出印とROM14Cに記憶されている登録印情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、一致したと判定された場合に正規印影情報を出力し、一致しないと判定された場合に、検出された届出印と捨印とを重ね合わせて得られた重ね合わせ印影とROM14Cに記憶されている登録印情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定するので、このような構成を有しない場合に比べ、印影の照合精度をより一層高めることができる。
【0046】
また、本第1の実施の形態に係る印影照合システム10では、検出された届出印とROM14Cに記憶されている登録印情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かの判定で、一致しないと判定された場合に、検出された捨印とROM14Cに記憶されている登録印情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、一致したと判定された場合に正規印影情報を出力し、一致しないと判定された場合に、検出された届出印と捨印とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影とROM14Cに記憶されている登録印情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定するので、このような構成を有しない場合に比べ、印影の照合精度をより一層高めることができる。
【0047】
[第2の実施の形態]
上記第1の実施形態では、押印済み帳票に含まれる届出印と捨印とを重ね合わせた印影が登録印と同印か否かを判定する場合の形態例を挙げて説明したが、本第2の実施の形態では、押印済み帳票に含まれる届出印が事前に登録されている届出印と捨印とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と同印か否かを判定する場合について説明する。なお、上記第1の実施の形態で説明した構成と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0048】
図7には登録印テーブルの一例である登録印テーブル24が示されている。登録印テーブル24は、顧客が事前に登録印として登録した印影を示す登録印情報を含んで構成されたテーブルである。登録印情報は、届出印に相当する印影を示す登録届出印情報及び捨印に相当する印影を示す登録捨印情報を含んで構成されている。図7に示す例では、顧客A〜Zの各々の届出印の項目毎に、対応する登録届出印情報が対応付けられ、顧客名の顧客A〜Zの各々の捨印の項目毎に、対応する登録捨印情報が対応付けられて構成されたテーブルが示されている。なお、図7には、顧客Aの届出印の項目に対して「大山」との届出印に相当する印影を示す登録届出印情報が対応付けられ、顧客Aの捨印の項目に対して「大山」との捨印に相当する印影を示す登録捨印情報が対応付けられ、顧客Bの届出印の項目に対して「飯田」との届出印に相当する印影を示す登録届出印情報が対応付けられ、顧客Bの捨印の項目に対して登録捨印情報が対応付けられず、顧客Zの届出印の項目に対して登録届出印情報が対応付けられず、顧客Zの捨印の項目に対して「山田」との捨印に相当する印影を示す登録捨印情報が対応付られた例が示されている。
【0049】
図8は、クライアント装置12から送信された押印済み帳票データをサーバ装置14が受信した際にサーバ装置14のCPU14Aによって実行される本第2の実施の形態に係る印影照合処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、錯綜を回避するために、届出印及び捨印の押印対象とされる帳票の届出印が付される領域として予め定められた届出印領域に届出印が付され、捨印が付される領域として予め定められた捨印領域に捨印が付されている場合について説明する。また、ここでは、錯綜を回避するために、届出印及び捨印を帳票に付した顧客が特定されている場合について説明する。
【0050】
図8のステップ200では、帳票データテーブル20が有する帳票データと押印済み帳票データとのパターンマッチングにより帳票を特定し、特定した帳票の届出印領域の届出印を検出し、検出した届出印と登録印テーブル22に含まれる顧客に対応する登録届出印情報により示される印影とを照合する。
【0051】
次のステップ202では、上記ステップ200の処理で照合されて得られた結果を判定する。すなわち、上記ステップ200の処理で検出された届出印と登録印テーブル24に含まれる顧客に対応する登録届出印情報により示される印影とが予め定められて誤差内で一致しているか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ220に移行する一方、否定判定となった場合にはステップ204に移行する。なお、図9には、上記ステップ200の処理で検出された届出印と登録印テーブル24に含まれる顧客に対応する登録届出印情報により示される印影とが予め定められて誤差内で一致していない場合の一例が示されている。図9に示す例では、登録届出印情報により示される印影に見逃すことができない大きな欠けがあるために届出印と登録届出印情報により示される印影とが予め定められて誤差内で一致せず、押印済み帳票に含まれる印影と届出印として事前に登録された登録印とが異印であると判定される形態が示されている。
【0052】
ステップ204では、顧客に関する登録捨印情報が登録印テーブル24に存在しているか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ218に移行する一方、肯定判定となった場合にはステップ206に移行する。
【0053】
ステップ206では、上記ステップ200の処理で検出された届出印と登録印テーブル24に含まれる顧客に対応する登録捨印情報により示される印影とを照合した後、ステップ208に移行し、上記ステップ206の処理で照合されて得られた結果を判定する。すなわち、上記ステップ200の処理で検出された届出印と登録印テーブル24に含まれる顧客に対応する登録捨印情報により示される印影とが予め定められて誤差内で一致しているか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ220に移行する一方、否定判定となった場合にはステップ210に移行する。なお、図9には、上記ステップ200の処理で検出された届出印と登録印テーブル24に含まれる顧客に対応する登録捨印情報により示される印影とが予め定められて誤差内で一致していない場合の一例が示されている。図9に示す例では、登録捨印情報により示される印影に見逃すことができない大きな欠けがあるために届出印と登録捨印情報により示される印影とが予め定められて誤差内で一致せず、押印済み帳票に含まれる印影と捨印として事前に登録された登録印とが異印であると判定される形態が示されている。
【0054】
ステップ210では、登録印テーブル24に含まれる顧客に対応する登録届出印情報により示される印影と登録印テーブル24に含まれる顧客に対応する登録捨印情報により示される印影とを方向を対応させて重ね合わせた重ね合わせ印影を作成する。図9には、登録印テーブル24に含まれる顧客に対応する登録届出印情報により示される印影と登録印テーブル24に含まれる顧客に対応する登録捨印情報により示される印影とを方向を対応させて重ね合わせた重ね合わせ印影の一例が示されている。図9に示す例では、登録届出印情報により示される印影の欠けが登録捨印情報により示される印影の対応箇所で修正され、登録捨印情報により示される印影の欠けが登録届出印情報により示される印影の対応箇所で修正される形態が示されている。
【0055】
次のステップ212では、上記ステップ200の処理で検出された届出印と上記ステップ210の処理で作成されて得られた重ね合わせ印影とを照合する。次のステップ214では、上記ステップ212の処理で照合されて得られた結果を判定する。すなわち、上記ステップ200の処理で検出された届出印と上記ステップ210の処理で作成されて得られた印影とが予め定められて誤差内で一致しているか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ218に移行する一方、否定判定となった場合にはステップ220に移行する。なお、図9には、上記ステップ200の処理で検出された届出印と上記ステップ210の処理で作成されて得られた印影とが予め定められて誤差内で一致している場合の一例が示されている。図9に示す例では、登録届出印情報により示される印影の欠けが原因で届出印と予め定められて誤差内で一致せず、かつ登録捨印情報により示される印影の欠けが原因で届出印と予め定められて誤差内で一致していないが、上記ステップ200の処理で検出された届出印と上記ステップ210の処理で作成されて得られた重ね合わせ印影と届出印とが予め定められて誤差内で一致しているので、押印済み帳票に含まれる印影と登録印とが同印である判定される形態が示されている。
【0056】
ステップ218では、押印済み帳票に正規の届出印が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力した後、本印影照合処理プログラムを終了する。
【0057】
一方、ステップ220では、押印済み帳票に正規の届出印が含まれていることを示す正規印影情報を出力した後、本印影照合処理プログラムを終了する。
なお、非正規印影情報及び正規印影情報の出力先としては表示部14Fが例示できる。この場合、例えば、非正規印影情報が表示部14Fに入力されると、表示部14Fが「帳票に正規の印影が含まれていません。(照合不成立)」とのメッセージを表示し、正規印影情報が表示部14Fに入力されると、表示部14Fが「帳票に正規の印影が含まれていません。(照合成立)」とのメッセージを表示する、という形態例が挙げられる。このような可視表示に限らず、スピーカによる可聴表示やプリンタによる永久可視表示であっても良いし、これらを組み合わせて表示しても良い。
また、非正規印影情報及び正規印影情報の少なくも一方をクライアント装置12に送信し、クライアント装置12の表示部12Fに上記メッセージを表示するようにしても良い。
更に、非正規印影情報及び正規印影情報の出力先を二次記憶部12D及び二次記憶部14Dの少なくとも一方とし、非正規印影情報及び正規印影情報を二次記憶部12D及び二次記憶部14Dの少なくとも一方に記憶させても良い。
【0058】
以上詳細に説明したように、本第2の実施の形態に係る印影照合システム10では、特定の印章を用いた押印により届出印及び捨印が付された押印済み帳票から届出印及び捨印を検出し、届出印に相当する印影を示すと共にROM14Cに予め記憶されている登録届出印情報により示される印影と捨印に相当する印影を示すと共にROM14Cに予め記憶されている登録捨印情報により示される印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、検出された届出印とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、一致したと判定された場合に押印済み帳票に正規の印影が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、一致しないと判定された場合に押印済み帳票に正規の印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力するので、このような構成を有しない場合に比べ、印影の照合精度を容易に高めることができる。
【0059】
また、本第2の実施の形態に係る印影照合システム10では、検出された届出印とROM14Cに記憶されている登録届出印情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、一致したと判定された場合に前記正規印影情報を出力し、一致しないと判定された場合にROM14Cに記憶されている登録届出印情報により示される印影とROM14Cに予め記憶されている登録捨印情報により示される印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、検出された届出印とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定するので、印影の照合精度をより一層高めることができる。
【0060】
また、本第2の実施の形態に係る印影照合システム10では、検出された届出印とROM14Cに記憶されている登録届出印情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かの判定で、一致しないと判定された場合に、検出された届出印とROM14Cに記憶されている登録捨印情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、一致したと判定された場合に正規印影情報を出力し、一致しないと判定された場合に、ROM14Cに記憶されている登録届出印情報により示される印影及びROM14Cに記憶されている登録捨印情報により示される印影を重ね合わせて得られた印影と、検出された届出印とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定するので、印影の照合精度をより一層高めることができる。
【0061】
[第3の実施の形態]
上記各実施の実施形態では、事前に登録された登録印を用いて押印済み帳票に正規の印影として予め定められた印影が存在しているか否かを判定する場合の形態例を挙げて説明したが、本第3の実施の形態では、事前に登録された登録印を用いずに押印済み帳票に正規の印影として予め定められた印影が存在しているか否かを判定する場合について説明する。なお、上記各実施の形態で説明した構成と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0062】
図10には、押印済み帳票の一例が示されている。図10には、帳票に「高雷」との印章を用いて届出印及び捨印が付されると共に、異なる2つの印章を用いて押印された検印1,2が付された例が示されている。
【0063】
図11は、クライアント装置12から送信された押印済み帳票データをサーバ装置14が受信した際にサーバ装置14のCPU14Aによって実行される本第3の実施の形態に係る印影照合処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、錯綜を回避するために、届出印及び捨印の押印対象とされる帳票の届出印が付される領域として予め定められた届出印領域に届出印が付され、捨印が付される領域として予め定められた捨印領域に捨印が付されている場合について説明する。また、ここでは、錯綜を回避するために、届出印及び捨印を帳票に付した顧客が特定されている場合について説明する。
【0064】
図11のステップ300では、受信した押印済み帳票データに対応する帳票データを帳票データテーブル20から取得した後、ステップ302に移行し、上記ステップ300の処理で取得された帳票データにより示される帳票の画像に対して、印影の探索を実施する。
【0065】
次のステップ304では、上記ステップ302の処理で探索されることによって一例として図12に示すように複数の印影(ここでは一例としてNo.1の届出印、No.2の捨印、No.3の検印1、及びNo.4の検印2)が検出され、検出された印影同士を比較し、予め定められた誤差内(例えば一致率が95%以上)で一致している印影を検出する。なお、本第3の実施の形態では、一致率が95%未満の場合には不一致と判定される。例えば、図13に示すように、一致率が20%や5%の場合は不一致と判定され、この結果、異印と判定される。また、図13に示す例では、「高雷」との印影同士の一致率が95%以上であるため、同印と判定され、それ以外の印影の組み合わせの一致率は95%を大きく下回っているため、異印と判定される。
【0066】
次のステップ306では、上記ステップ304の処理で予め定められた誤差内で一致している印影が検出されたか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ308に移行する一方、否定判定となった場合にはステップ310に移行する。
【0067】
ステップ308では、押印済み帳票に正規の届出印が含まれていることを示す正規印影情報を出力した後、本印影照合処理プログラムを終了する。
【0068】
一方、ステップ310では、押印済み帳票に正規の届出印が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力した後、本印影照合処理プログラムを終了する。
なお、非正規印影情報及び正規印影情報の出力先としては表示部14Fが例示できる。この場合、例えば、非正規印影情報が表示部14Fに入力されると、表示部14Fが「帳票に正規の印影が含まれていません。(照合不成立)」とのメッセージを表示し、正規印影情報が表示部14Fに入力されると、表示部14Fが「帳票に正規の印影が含まれていません。(照合成立)」とのメッセージを表示する、という形態例が挙げられる。このような可視表示に限らず、スピーカによる可聴表示やプリンタによる永久可視表示であっても良いし、これらを組み合わせて表示しても良い。
また、非正規印影情報及び正規印影情報の少なくも一方をクライアント装置12に送信し、クライアント装置12の表示部12Fに上記メッセージを表示するようにしても良い。
更に、非正規印影情報及び正規印影情報の出力先を二次記憶部12D及び二次記憶部14Dの少なくとも一方とし、非正規印影情報及び正規印影情報を二次記憶部12D及び二次記憶部14Dの少なくとも一方に記憶させても良い。
【0069】
以上詳細に説明したように、本第3の実施の形態に係る印影照合システム10では、押印により複数の印影が付された押印済み帳票から印影を検出し、検出された少なくとも2つの印影が予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、一致したと判定された場合に押印済み帳票に正規の印影として予め定められた印影(一例として届出印)が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、一致しないと判定された場合に押印済み帳票に正規の印影として予め定められた印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力するので、このような構成を有しない場合に比べ、印影の照合精度を容易に高めることができる。
【0070】
なお、上記各実施の形態では、クライアント装置12及びサーバ装置14を備えた印影照合システム10を例に挙げて説明したが、クライアント装置12及びサーバ装置14で分散処理するのではなく、例えば1台のコンピュータで集中して実行するようにしても良い。この場合の1台のコンピュータに帳票データテーブル及び登録印テーブルを格納させておくと共に、上記第1〜第3の実施の形態で説明した何れかの印影照合処理プログラムを導入しておけば良い。
【0071】
また、上記第2の実施の形態では、印影照合処理プログラムに登録印テーブル24に含まれる顧客に対応する登録届出印情報により示される印影と登録印テーブル24に含まれる顧客に対応する登録捨印情報により示される印影とを方向を対応させて重ね合わせた重ね合わせ印影を作成するステップが含まれているが、これに限らず、事前に印影同士を方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影を示す情報を登録印テーブル24に予め登録しておいても良い。このように事前に作成しておいた重ね合わせ印影を使用することで、印影照合処理の過程で重ね合わせ印影を作成せずに済むので、処理の高速化が期待できる。
【0072】
また、上記第1の実施の形態で説明した印影照合処理と上記第2の実施の形態で説明した印影照合処理との双方を併用しても良い。この場合、上記ステップ100の処理で検出された届出印と上記ステップ104の処理で検出された捨印とを重ね合わせた印影と、登録印テーブル24に含まれる顧客に対応する登録届出印情報により示される印影と登録印テーブル24に含まれる顧客に対応する登録捨印情報により示される印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、が予め定められた誤差内で一致しているか否かを判定することで、より高精度の印影照合を実現することができる。
【0073】
また、上記第3の実施の形態で説明した印影照合処理プログラムに上記第1又は第2の実施の形態で説明した印影照合処理プログラムを組み込んでも良い。例えば、図8に示す印影照合処理プログラムのステップ200の前段階で図11に示す印影照合処理プログラムのステップ300〜306を挿入し、ステップ306で肯定判定となった場合にステップ220に移行し、否定判定となった場合にステップ218に移行するプログラムとしても良い。この他にも、例えば、図8に示す印影照合処理プログラムのステップ214とステップ218との間に図11に示す印影照合処理プログラムのステップ300〜306を挿入し、ステップ306で肯定判定となった場合にステップ220に移行し、否定判定となった場合にはステップ218に移行するプログラムとしても良い。なお、図5に示す印影照合プログラムに対して図11に示す印影照合プログラムを組み込む場合も同様にすれば良い。このように上記第3の実施の形態で説明した印影照合処理プログラムに上記第1又は第2の実施の形態で説明した印影照合処理プログラムを組み込むことで、より高精度の印影照合を実現することができる。
【符号の説明】
【0074】
10 印影照合システム
14 サーバ装置
14A CPU
14C ROM
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の印章を用いた押印により主印影及び副印影が付された被押印物から前記主印影及び前記副印影を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された前記主印影と前記副印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、前記主印影に相当する印影を示すと共に記憶手段に予め記憶されている印影情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記被押印物に正規の印影が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、前記判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記被押印物に正規の印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力する出力手段と、
を含む印影照合装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記検出手段によって検出された前記主印影と前記記憶手段に記憶されている前記印影情報により示される印影とが前記誤差内で一致したか否かを判定する前段判定手段を有し、前記前段判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記検出手段によって検出された前記主印影と前記副印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と前記記憶手段に記憶されている前記印影情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、
前記出力手段は、更に、前記前段判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記正規印影情報を出力する請求項1に記載の印影照合装置。
【請求項3】
前記判定手段は、前記前段判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記検出手段によって検出された前記副印影と前記記憶手段に記憶されている前記印影情報により示される印影とが前記誤差内で一致したか否かを判定する後段判定手段を更に有し、前記後段判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記検出手段によって検出された前記主印影と前記副印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、前記記憶手段に記憶されている前記印影情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、
前記出力手段は、更に、前記後段判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記正規印影情報を出力する請求項2に記載の印影照合装置。
【請求項4】
特定の印章を用いた押印により主印影及び副印影が付された被押印物から前記主印影印及び前記副印影を検出する検出手段と、
前記主印影に相当する印影を示すと共に記憶手段に予め記憶されている主印影情報により示される印影と前記副印影に相当する印影を示すと共に前記記憶手段に予め記憶されている副印影情報により示される印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、前記検出手段によって検出された主印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記被押印物に正規の印影が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、前記判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記被押印物に正規の印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力する出力手段と、
を含む印影照合装置。
【請求項5】
前記判定手段は、前記検出手段によって検出された前記主印影と前記記憶手段に記憶されている前記主印影情報により示される印影とが前記誤差内で一致したか否かを判定する前段判定手段を有し、前記前段判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記記憶手段に記憶されている前記主印影情報により示される印影と前記記憶手段に予め記憶されている前記副印影情報により示される印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、前記検出手段によって検出された主印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、
前記出力手段は、更に、前記前段判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記正規印影情報を出力する請求項4に記載の印影照合装置。
【請求項6】
前記判定手段は、前記前段判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記検出手段によって検出された前記主印影と前記記憶手段に記憶されている前記副印影情報により示される印影とが前記誤差内で一致したか否かを判定する後段判定手段を更に有し、前記後段判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記記憶手段に記憶されている前記主印影情報により示される印影と前記記憶手段に記憶されている前記副印影情報により示される印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、前記検出手段によって検出された主印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、
前記出力手段は、更に、前記後段判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記正規印影情報を出力する請求項5に記載の印影照合装置。
【請求項7】
押印により複数の印影が付された被押印物から印影を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された少なくとも2つの印影が予め定められた誤差内で一致したか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記被押印物に正規の印影として予め定められた印影が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、前記判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記被押印物に前記予め定められた印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力する出力手段と、
を含む印影照合装置。
【請求項8】
コンピュータを、
特定の印章を用いた押印により主印影及び副印影が付された被押印物から前記主印影及び前記副印影を検出する検出手段、
前記検出手段によって検出された前記主印影と前記副印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、前記主印影に相当する印影を示すと共に記憶手段に予め記憶されている印影情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定する判定手段、
並びに、前記判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記被押印物に正規の印影が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、前記判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記被押印物に正規の印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力する出力手段として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
コンピュータを、
特定の印章を用いた押印により主印影及び副印影が付された被押印物から前記主印影印及び前記副印影を検出する検出手段、
前記主印影に相当する印影を示すと共に記憶手段に予め記憶されている主印影情報により示される印影と前記副印影に相当する印影を示すと共に前記記憶手段に予め記憶されている副印影情報により示される印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、前記検出手段によって検出された主印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定する判定手段、
並びに、前記判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記被押印物に正規の印影が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、前記判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記被押印物に正規の印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力する出力手段として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
コンピュータを、
押印により複数の印影が付された被押印物から印影を検出する検出手段、
前記検出手段によって検出された少なくとも2つの印影が予め定められた誤差内で一致したか否かを判定する判定手段、
並びに、前記判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記被押印物に正規の印影として予め定められた印影が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、前記判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記被押印物に前記予め定められた印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力する出力手段として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
特定の印章を用いた押印により主印影及び副印影が付された被押印物から前記主印影及び前記副印影を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された前記主印影と前記副印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、前記主印影に相当する印影を示すと共に記憶手段に予め記憶されている印影情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記被押印物に正規の印影が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、前記判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記被押印物に正規の印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力する出力手段と、
を含む印影照合装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記検出手段によって検出された前記主印影と前記記憶手段に記憶されている前記印影情報により示される印影とが前記誤差内で一致したか否かを判定する前段判定手段を有し、前記前段判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記検出手段によって検出された前記主印影と前記副印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と前記記憶手段に記憶されている前記印影情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、
前記出力手段は、更に、前記前段判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記正規印影情報を出力する請求項1に記載の印影照合装置。
【請求項3】
前記判定手段は、前記前段判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記検出手段によって検出された前記副印影と前記記憶手段に記憶されている前記印影情報により示される印影とが前記誤差内で一致したか否かを判定する後段判定手段を更に有し、前記後段判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記検出手段によって検出された前記主印影と前記副印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、前記記憶手段に記憶されている前記印影情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、
前記出力手段は、更に、前記後段判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記正規印影情報を出力する請求項2に記載の印影照合装置。
【請求項4】
特定の印章を用いた押印により主印影及び副印影が付された被押印物から前記主印影印及び前記副印影を検出する検出手段と、
前記主印影に相当する印影を示すと共に記憶手段に予め記憶されている主印影情報により示される印影と前記副印影に相当する印影を示すと共に前記記憶手段に予め記憶されている副印影情報により示される印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、前記検出手段によって検出された主印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記被押印物に正規の印影が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、前記判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記被押印物に正規の印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力する出力手段と、
を含む印影照合装置。
【請求項5】
前記判定手段は、前記検出手段によって検出された前記主印影と前記記憶手段に記憶されている前記主印影情報により示される印影とが前記誤差内で一致したか否かを判定する前段判定手段を有し、前記前段判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記記憶手段に記憶されている前記主印影情報により示される印影と前記記憶手段に予め記憶されている前記副印影情報により示される印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、前記検出手段によって検出された主印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、
前記出力手段は、更に、前記前段判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記正規印影情報を出力する請求項4に記載の印影照合装置。
【請求項6】
前記判定手段は、前記前段判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記検出手段によって検出された前記主印影と前記記憶手段に記憶されている前記副印影情報により示される印影とが前記誤差内で一致したか否かを判定する後段判定手段を更に有し、前記後段判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記記憶手段に記憶されている前記主印影情報により示される印影と前記記憶手段に記憶されている前記副印影情報により示される印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、前記検出手段によって検出された主印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定し、
前記出力手段は、更に、前記後段判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記正規印影情報を出力する請求項5に記載の印影照合装置。
【請求項7】
押印により複数の印影が付された被押印物から印影を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された少なくとも2つの印影が予め定められた誤差内で一致したか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記被押印物に正規の印影として予め定められた印影が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、前記判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記被押印物に前記予め定められた印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力する出力手段と、
を含む印影照合装置。
【請求項8】
コンピュータを、
特定の印章を用いた押印により主印影及び副印影が付された被押印物から前記主印影及び前記副印影を検出する検出手段、
前記検出手段によって検出された前記主印影と前記副印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、前記主印影に相当する印影を示すと共に記憶手段に予め記憶されている印影情報により示される印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定する判定手段、
並びに、前記判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記被押印物に正規の印影が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、前記判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記被押印物に正規の印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力する出力手段として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
コンピュータを、
特定の印章を用いた押印により主印影及び副印影が付された被押印物から前記主印影印及び前記副印影を検出する検出手段、
前記主印影に相当する印影を示すと共に記憶手段に予め記憶されている主印影情報により示される印影と前記副印影に相当する印影を示すと共に前記記憶手段に予め記憶されている副印影情報により示される印影とを方向を対応させて重ね合わせて得られた重ね合わせ印影と、前記検出手段によって検出された主印影とが予め定められた誤差内で一致したか否かを判定する判定手段、
並びに、前記判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記被押印物に正規の印影が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、前記判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記被押印物に正規の印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力する出力手段として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
コンピュータを、
押印により複数の印影が付された被押印物から印影を検出する検出手段、
前記検出手段によって検出された少なくとも2つの印影が予め定められた誤差内で一致したか否かを判定する判定手段、
並びに、前記判定手段によって前記誤差内で一致したと判定された場合に前記被押印物に正規の印影として予め定められた印影が含まれていることを示す正規印影情報を出力し、前記判定手段によって前記誤差内で一致しないと判定された場合に前記被押印物に前記予め定められた印影が含まれていないことを示す非正規印影情報を出力する出力手段として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図6】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図6】
【図9】
【公開番号】特開2013−47908(P2013−47908A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186424(P2011−186424)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591051645)株式会社OKIソフトウェア (173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591051645)株式会社OKIソフトウェア (173)
【Fターム(参考)】
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