説明

原子力設備における制御棒用安全装置

【課題】制御棒の意図しない落下を確実に防ぎ、廉価に製造でき運転中の保守点検を不要とする制御棒用の安全装置を提供する。
【解決手段】原子炉圧力壁短管(7)と駆動ハウジング(5)との間に独立部材として製造された着脱自在の多数の結合部材(12)が設けられ、各結合部材(12)が取り付け最終位置で駆動ハウジング(5)と嵌め合い結合を形成するとともに原子炉圧力壁短管(7)と嵌め合い結合を形成するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子力設備、特に沸騰水型原子炉における制御棒のための安全装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力設備、たとえば原子力発電所においては、粒子線、特に中性子線が放出される原子炉における核分裂プロセスの連鎖反応を線の吸収によりコントロールするために直線的に移動可能な制御棒が使用される。通常は群毎に束ねられるこの種の制御棒が核燃料要素の間に深く挿入されればされるほど、連鎖反応をさらに促進する粒子線がより多く吸収されるので、連鎖反応はそれに応じて緩慢に進行し、炉心への制御棒の完全挿入位置では停止状態にもたらされる。連鎖反応の状態および進行は従って制御棒のそのときの位置に関係し、これによって規定される。それぞれ所望の位置における制御棒の機械的安全性はそれゆえ運転状態の確実な調整にとって重要である。特に原子炉の停止にとって必要な制御棒最終位置における位置保全は安全技術的観点から保障されなければならない。
【0003】
沸騰水型原子炉では原子炉の循環路に高温と高圧が発生するので、機械的・液圧的に操作される制御棒駆動機構の圧力導入による取り囲み部材の駆動制御に万一故障が生じた場合には制御棒のコントロール不能による落下を防がなければならない。制御棒のコントロール不能の落下は原子炉における許容できない出力増加の危険を招き、すべての安全システムが同時に故障するような最悪時には炉心溶融に至るおそれがある。制御棒の意図しない落下を防ぐため沸騰水型原子炉では一般に安全装置が設置されており、この装置では制御棒駆動機構の駆動ハウジングがたとえばアンカープレートにより外部の遮蔽板に保持されている。この種の安全装置は一般に嵩が大きく構造的に高価な部材を含むので保守点検および費用的に問題があり、その寸法が大きいことから建造空間を制限し、設備のほかの部材へのアクセスを困難にするので、特に保守点検および取り付け作業にとって不利である。
【0004】
代替的な解決案として制御棒駆動機構を取り囲む駆動ハウジングを有する制御棒および制御棒駆動機構用の安全装置が提案されている。駆動ハウジングは原子炉圧力容器の圧力壁を貫通するように設けられ、その際駆動ハウジングは多数の連結部材により圧力壁に保持されている。この場合連結部材は一般にバヨネット式結合の構成要素として形成される。この種の安全装置は特許文献1に記載されている。ここでは駆動ハウジングと炉圧力容器の短管との間に溶接継ぎ目が設けられ、これは発電所の運転時に定期的に検査を受けなければならない。
【0005】
この文献に記載された構造では制御棒の引き抜き時に制御棒はその駆動機構とともに駆動ハウジング内におよびこれを通して捕捉される。駆動ハウジングは少なくとも1つの連結部材を介して炉圧力壁に保持されており、制御棒引き抜き時に発生する力は炉圧力容器に伝達され放出される。この構造の利点は保持機能と安全機能が組み合わされ、安全機能に対しては外部遮蔽板も駆動ハウジングをこの遮蔽板に結合するための補助的な部材も不要であることである。他方では、原子炉の圧力壁に高い衝撃力が直接伝えられるおそれがあるので原子炉圧力壁は特に頑丈に作られなければならない。特に駆動ハウジングの連結部材に結合するために設けられる圧力壁の切り欠きによって圧力壁の強度が減じられるので、圧力壁は特に厚く、少なくとも局所的に増強して形成する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】ドイツ特許出願公開第102011008202号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、上述のような装置においてそれぞれの制御棒の意図しない落下をできるだけ確実に防ぐことができ、同時にできるだけ廉価に製造でき運転中の保守点検が不要となるような装置を提供することにある。特にハウジング部材またはその他の部材の破損または解離時には制御棒の落下行程並びに発生する恐れのある漏洩断面を最小限に抑えなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題は、本発明によれば請求項1の特徴により解決される。
【0009】
これによれば、制御棒駆動機構と駆動ハウジングとを有し、この駆動ハウジングが制御棒駆動機構を取り囲み、原子炉圧力壁とその内側に配置さ原子炉圧力壁に結合されている原子炉圧力壁短管とを貫通するように形成されており、原子炉圧力壁と駆動ハウジングとの間に独立部材として製造された着脱自在の多数の結合部材が設けられ、各結合部材が取り付け最終位置において駆動ハウジングとの嵌め合い結合および原子炉圧力壁との嵌め合い結合を形成するようにされる。
【0010】
ほぼ円筒状の駆動ハウジングは以下に駆動ハウジング管という用語が用いられる。
【0011】
本発明は、制御棒駆動機構の駆動ハウジングを原子炉圧力壁に特にアンカープレートや遮蔽板などの外部部材を必要とすることなく固定し、同時に駆動ハウジングの領域における原子炉圧力壁の安定性を圧力壁に過度に大きな寸法の切り欠きを設けることにより弱めることのないようにするという考察から出発している。この目的のため保持および安全機能の両者は、圧力壁を原子炉の内部領域に延長させるとともに駆動ハウジングを同心的に取り囲む原子炉圧力壁短管に委譲される。原子炉圧力壁短管に作用する衝撃力は直接的に原子炉圧力壁に伝達される。原子炉圧力壁短管と駆動ハウジングとの結合は1つの結合部材または複数の結合部材により嵌め合い結合により形成される。
【0012】
この場合各結合部材が駆動ハウジングと原子炉圧力壁との間に嵌め合いおよび/または摩擦または荷重軽減結合を形成すると有利である。制御棒駆動機構の駆動ハウジングに作用する衝撃力は、そのベクトル成分が制御棒と駆動ハウジングの長手軸と平行に主成分を作るが、各結合部材により駆動ハウジングから炉圧力壁短管に伝達される。各結合部材の形状により駆動ハウジングを介して作用する力が駆動ハウジングおよびその中にある制御棒駆動機構の長手軸にほぼ平行に作用し、種々の方向に偏向され、緩衝作用が得られるようにすると有利である。
【0013】
各結合部材は分割形差し込みリング、特に2つの半リングを合成した2分割形リングとして形成されると有利である。このような構造はコンパクトなことと安定性の上で極めて優れており、また設置が簡単であるという特徴を有する。
【0014】
さらに差し込みリングは先細または先広がりの外側断面および/または先細または先広がりの内側断面を有するようにすると有利である。これにより駆動機構を介して差し込みリングに作用する力は駆動ハウジングおよびその中にある制御棒駆動機構の長手軸に平行に偏向して半径方向の保持力に寄与することができる。好適には楔型の独立部材である差し込みリングを使用する別の利点は、駆動ハウジング管の縦方向の破損に際しても制御棒の過大な落下または引き抜きすら以下に詳述するように確実に防ぐことができるということにある。
【0015】
その上または代替的に差し込みリングの外側および/または内側の一部に楔状および/または短管状の保持部材を設けると好適である。この種の保持部材により駆動ハウジング管の破損時の反応力を著しく減ずることができる。保持部材のために原子炉圧力壁短管の内側に対して切り欠きまたは溝を設けると、分割形差し込みリングの締め付け状態で差し込みリングは安定的に保持される。
【0016】
安全装置の特に有利な実施形態においては、各結合部材の上側範囲に安全短管の形の別のリング状の端部結合部材が設けられる。この部材は原子炉圧力壁短管と駆動ハウジングとの間に配置され、駆動ハウジングを端部側で抑える働きをする。このような端部結合部材は好適には分割形差し込みリングとして形成された結合部材を補完する。特に駆動ハウジングを端部側で抑え込むことによりおよび端部結合部材と原子炉圧力壁短管の安定した結合により全装置の特に効果的な安定化が達成される。
【0017】
端部結合部材と原子炉圧力壁短管の内側との結合のためにねじ結合を用いると好適である。このようなねじ結合は、特に高度な安定性と、軸方向に作用する力を半径方向の力成分に偏向して均等に外側に向けて分配するという特性により優れている。さらにねじ結合は工業標準規格品であり種々の大きさのものがあり廉価に入手できる。円筒形状の結合およびアダプタ部材にとって特徴的ではあるねじ結合はどこにでも用いられるが、典型的には溶接結合により形成される固定結合の代替品としてねじ結合は好適である。
【0018】
特許文献1では原子炉圧力壁短管と駆動ハウジングとの間の上側の端部側結合は溶接継ぎ目により形成されている。安全が厳しく問われている領域、特に原子力設備における溶接継ぎ目には特別な安全および検査規定が適用されるので、この溶接継ぎ目の監視には超音波検査装置による繰り返し検査が必要であり、この検査装置は検査対象の溶接継ぎ目に接近しなければならない。分割形差し込みリングとして形成された結合部材およびねじ結合を備えた端部結合部材によりこの種の溶接結合は置換することができる。これにより超音波検査は、少なくとも同等のまたはより改善された装置全体の安定性のもとに不要となる。さらに溶接継ぎ目とは異なり結合はリバーシブルであり、これは特に組み立て作業にとって有利である。超音波装置の収容場所が不要となるので、以前にあった寸法上の周辺条件の問題が解消され、特に駆動ハウジングと制御棒駆動機構との間の内部結合に対して新しい構造的な自由度が得られる(以下参照)。
【0019】
安全装置の合目的形態においては制御棒駆動機構は制御棒駆動機構と駆動ハウジングとの摩擦および/または嵌め合い結合の形成のための多数の内側連結部材を有する。多数の連結部材が用いられる場合にはこれらの連結部材は、制御棒駆動機構と駆動ハウジングの長手軸に関して種々に規定された高さ位置に配置されると有利である。
【0020】
好適には1つの内側連結部材または多数の内側連結部材がバヨネット結合の形で形成される。この種のバヨネット結合は、長手軸に関して2つの同心的に互いに配置されている中空円筒の寸法にほぼ相応する2つの部材の安定性のある同心的結合にとって特に好適である。バヨネット結合の機能については特許文献1に記載されているので、ここで再度説明することを省略する。
【0021】
少なくとも1つの内側連結部材が制御棒駆動機構と駆動ハウジングの長手軸に関し各結合部材の上側に配置されると有利である。これにより駆動ハウジング管の実質上すべての重要な破損位置がカバーされる。すなわち上側の内側連結部材が、好適には分割形差し込みリングとして形成された結合部材の下側に配置されるとしたら、結合部材と上側の内側連結部材との間の駆動ハウジング管の破損時における制御棒の著しい落下はあらゆる状況下において確実に排除することはできないであろう。上述の構成によりこれに対し制御棒の落下行程量は最悪破損位置でも数ミリメートルに限定される。これによりこのような場合に生じる漏洩断面も最小化され、原子炉圧力容器からの冷却材の著しい喪失は避けられる。
【0022】
1つの内側連結部材または多数の内側連結部材に、衝撃力を吸収するために塑性変形により形成された変形部材を設けるかこれに結合すると有利である。制御棒引き抜き時に釈放されるエネルギーの一部はこれにより吸収され、好適には分割形差し込みリングとして形成された結合部材に伝達されてもはや生じなくなる。変形部材の適当な形状付与および材料選択によりおよびこの種の変形部材を設けた内側連結部材の総数を増やすことにより安全装置の冗長性、従って信頼性が高められる。
【0023】
本発明により得られる利点は特に、炉圧力壁短管と駆動ハウジングとの間に従来設けられていた溶接継ぎ目をねじ結合に替えることにより駆動ハウジングと制御棒駆動機構との間の上側の内側バヨネット結合が、溶接継ぎ目の検査用の超音波検査装置の所要空間が不要となるので寸法的に従来よりも高い位置に配置できることにある。これにより従来外側のバヨネット結合により行われてきた連結・保持機構を炉圧力壁短管の領域に移し、この領域に配置された分割形差し込みリングと置換することができる。これはさらに以下の利点に導く。
1.炉圧力容器短管と駆動ハウジングとの間の溶接継ぎ目の繰り返し行われる超音波検査を省略することによる原子力力発電所の検査費用の低減。
2.従来の外側バヨネット結合の省略による原子炉圧力容器の床部の敷設厚さの増長の回避。
3.従来の外側バヨネット結合の省略による原子炉圧力容器の床部の領域における製造の簡略化。
4.従来の外側バヨネット結合の解離または連結のための駆動ハウジングの回転の省略による取り付けの簡略化。
5.円錐形の差し込みリングによる駆動ハウジングにおける下側の縦の破損の防止。
【0024】
以下に本発明による安全装置の一実施例を図面について詳述する。図面は著しく簡略化された概略図である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は原子力設備における制御棒用安全装置の縦断面図である。
【図2】図2は原子力設備の炉内における図1に示す安全装置の概略図である。
【0026】
図1および図2において対応する部材は同一符号を付されている。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は原子力設備の図示しない制御棒用の安全装置を概略縦断面図で示す。安全装置1は、ほぼ円筒状の形をした制御棒駆動機構6の駆動ハウジング5を有し、このハウジングは原子炉圧力容器4の圧力容器壁、略して圧力壁3の切り欠き2の中を通されている。駆動ハウジング5は原子炉圧力容器4の内部領域において原子炉圧力壁短管7により若干の遊びをもって取り囲まれている。原子炉圧力壁短管7は圧力壁3に固定結合されており、特に溶接されている。駆動ハウジング5の内部に配置された制御棒駆動機構6は、台座9内で回転可能に支承され電動駆動される回転軸8を有する。台座9はねじ10および締め付けジョー11で駆動ハウジング5に固定結合されている。
【0028】
駆動ハウジング5を原子炉圧力壁短管7に結合するためおよび駆動ハウジング5の下位の破損位置(同様に長手側の破損位置)を防止するために分割形差し込みリング12が設けられ、この差し込みリング12は取り付け状態で一方では駆動ハウジング5に、他方では原子炉圧力壁短管7の対応するリング状の溝13,14にほとんど遊びなく嵌め合わされている。圧力導入取り囲み部材の故障および破損による衝撃力は差し込みリング12を介して原子炉容器壁短管7に、そしてそこから原子炉の圧力容器壁3に伝達される。
【0029】
差し込みリング12の特殊な形状により駆動ハウジング5および制御棒駆動機構6の長手方向15に作用するこの種の反応力は一部が半径方向力に変換され、緩衝作用が実現される。長手方向15に作用する力成分は従って減じられる。この目的のため差し込みリング12はこの実施例では下側部分が楔形の横断面輪郭を有するとともに、上から下に向かって連続的に拡大する内径を有している。駆動ハウジング5の外側にある溝14は正確な補足的横断面輪郭を有する。これに対し、差し込みリング12の外径および炉容器壁短管7の内側にある溝13の内径は差し込みリング12の全長にわたり一定である。
【0030】
原子炉容器壁短管7の上側の端部範囲では駆動ハウジング5は取り付け状態で締め付けナットの形で作用する安全短管16により保全される。このため安全短管16は駆動ハウジング5と原子炉容器壁短管7の上側部分との間のリング状中間室17に係合するリング体18を有し、このリング体18と原子炉容器壁短管7との間には相応するねじ側面19を介してねじ結合が形成される。上端には安全短管16は駆動ハウジング5を半径方向内側に向かって上から押さえるリング状フランジ20を有し、このフランジは駆動ハウジング5を抑えつける働きをする。
【0031】
取り付けのため差し込みリング12は分割されており、従って少なくとも2つの別個のリングセグメント、有利には2つの半リングが互いに重ね合わせて1つの完全なリングを形成するようにされる。これらのリングセグメントは駆動ハウジング5が上側に押し上げられ安全短管16がまだないときには駆動ハウジング5の外側リング溝14に嵌めこまれる。続いて駆動ハウジング5は下側に向かって取り付け位置に低下させられ、分割形差し込みリング12の駆動ハウジング5から半径方向外側に突出している部分が炉容器壁短管7の溝13の下側の当接面21に当接し、駆動ハウジング5のそれ以上の低下を妨げる。最後に取り付けに際して安全短管16が上側から中間室17にねじ込まれるので、リングフランジ20を介して駆動ハウジング5の上昇運動はブロックされる。
【0032】
安全短管16のリング体18のための必要な中間室を用意するために、および他方では駆動ハウジング5をこれに挿入された差し込みリング12とともに問題なく上から取り付け位置に低下できるようにするために、原子炉容器壁短管7の壁厚は上側部分が薄くされる。上側に向かって開放されている溝13の上側では炉容器壁短管7の壁はそれゆえ水平段26付きのキックバックを有する。
【0033】
制御棒駆動機構6はそれぞれバヨネット結合の形状に形成された上側内側の連結部材22と下側内側の連結部材23とにより駆動ハウジング5と結合されるので、連結部材22,23はそれぞれ半径方向外側に制御棒駆動機構6の円筒状基体よりそれぞれ突出して駆動ハウジング5の内側にある対応する切り欠に係合している。上側内側の連結部材22および下側内側の連結部材23は有利には共通の連結工程により連結位置からまたは連結位置へまたは連結を解除するため開放位置へまたは連結位置へ移される。連結工程は一般に有利には並進回転運動により行われる。
【0034】
上側内側の連結部材22は長手方向に見て分割された差し込みリング12の上側に配置される。上述のように差し込みリング12の下側で生じた駆動ハウジング5の破損または亀裂の発生に際しては従って制御棒の落下行程は数ミリメートルに制限され、生じ得る漏洩断面は小さく抑えられる。
【0035】
図2は沸騰水型原子炉の原子力設備25の炉圧力容器4における図1の安全装置を制御棒24とともに示した概略図である。
【符号の説明】
【0036】
1 安全装置
2 切り欠き
3 原子炉圧力壁
4 原子炉圧力容器
5 駆動ハウジング
6 制御棒駆動機構
7 原子炉圧力壁短管
8 回転軸
9 台座
10 ねじ
11 締め付けジョー
12 差し込みリング
13 溝
14 溝
15 長手方向
16 安全短管
17 中間室
18 リング体
19 ねじ側面
20 リングフランジ
21 当接面
22 上側内側連結部材
23 下側内側連結部材
24 制御棒
25 原子力設備
26 段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御棒駆動機構(6)と、この制御棒駆動機構(6)を取り囲み原子炉圧力壁(3)およびこの圧力壁(3)の内側に配置され圧力壁(3)と結合された原子炉圧力壁短管(7)とを貫通するように形成された駆動ハウジング(5)とを備えた原子力設備(25)における制御棒(24)のための安全装置(1)において、原子炉圧力壁短管(7)と駆動ハウジング(5)との間に独立部材として製造された着脱自在の多数の結合部材(12)が設けられ、各結合部材(12)が取り付け最終位置で駆動ハウジング(5)と嵌め合い結合を形成するとともに原子炉圧力壁短管(7)と嵌め合い結合を形成することを特徴とする安全装置。
【請求項2】
各結合部材(12)が駆動ハウジング(5)と原子炉圧力壁短管(7)との間の負荷軽減結合を形成することを特徴とする請求項1記載の安全装置。
【請求項3】
各結合部材(12)が分割形差し込みリング(12)として形成されることを特徴とする請求項1または2記載の安全装置。
【請求項4】
差し込みリング(12)が軸方向に先細または先広がりの外側断面および/または先細または先広がりの内側断面を有することを特徴とする請求項3記載の安全装置。
【請求項5】
差し込みリング(12)の一部が外側面および/または内側面に楔状および/または短管状の保持部材を備えることを特徴とする請求項3または4記載の安全装置。
【請求項6】
結合部材(12)の上側領域に安全短管(16)が設けられ、原子炉圧力壁短管(7)と駆動ハウジング(5)との間に配置され、駆動ハウジング(5)を端末側で抑え込むことを特徴とする請求項1から5の1つに記載の安全装置。
【請求項7】
安全短管(16)と原子炉圧力壁短管(7)との結合のためにねじ結合が設けられることを特徴とする請求項6記載の安全装置。
【請求項8】
制御棒駆動機構がこの制御棒駆動機構(6)と駆動ハウジング(5)との摩擦結合および/または嵌め合い結合を形成するため多数の内側連結部材(22,23)を有することを特徴とする請求項1から7の1つに記載の安全装置。
【請求項9】
各内側連結部材(22,23)がバヨネット結合の構成要素であることを特徴とする請求項8記載の安全装置。
【請求項10】
内側の連結部材(22)が制御棒駆動機構(6)と駆動ハウジング(5)の長手方向に見て結合部材(12)の上側に設けられることを特徴とする請求項8または9記載の安全装置。
【請求項11】
1つまたは多数の内側連結部材(22,23)が、衝撃力の吸収のため塑性変形によって形成される変形部材を備えるかまたは変形部材と結合されることを特徴とする請求項8から10の1つに記載の安全装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−83642(P2013−83642A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−216651(P2012−216651)
【出願日】平成24年9月28日(2012.9.28)
【出願人】(501315289)アレヴァ エンペー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (61)