説明

原子炉内機器形状計測装置および原子炉内機器形状計測方法

【課題】段取り替えを要することなく計測対象を撮影可能であり、かつ撮影した画像からより正確な表面形状を計測可能な原子炉内機器形状計測装置および原子炉内機器形状計測方法を提案する。
【解決手段】原子炉内機器形状計測装置1は、計測対象MOを撮影するカメラ2と、計測対象MOの表面に沿ってカメラ2を走査して撮影範囲が部分的に重なり合う複数の画像を撮影可能にする移動装置3と、一対の画像間の視差から計測対象MOの表面形状を表す複数の測定点を有する仮表面形状情報を複数の画像から順次に演算する形状演算装置5と、仮表面形状情報を複数重ねて測定点が密集する評価点を求め、評価点の集合を計測対象MOの表面形状を表す表面形状情報とする形状情報作成装置6と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子炉内機器形状計測装置および原子炉内機器形状計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電プラントでは、機器の経年劣化や損傷にともない機器の取替工事や補修工事を実施する場合がある。補修工事を行う場合、補修方法の検討や、補修装置の使用条件設定を行うために、補修前に補修対象となる箇所の表面形状を計測する必要がある。
【0003】
そこで従来、計測対象の表面に線状の光を投影し、投影箇所をカメラで撮影した画像から三角測量によって計測対象の表面形状を計測する計測方法や、カメラの位置を変えて計測表面を複数回撮影し、撮影した複数の画像から三角測量によって計測対象の表面形状を計測する測定方法、これら計測方法を実施する計測装置が知られている。これらの計測方法は、安定的な計測結果を得るために、複数回計測して平均処理を行う場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−326580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
先ず、計測対象の表面に線状の光を投影して計測対象の表面形状を計測する計測方法は、1回の撮影(計測)で必要とする測定範囲の全域の表面形状を計測することが難しく、測定範囲の全域に渡って複数回の撮影(計測)を行う必要が有り、各々の撮影を行うために段取り替えを要するなどして測定時間が比較的長時間掛かるという課題がある。
【0006】
次いで、複数の画像から計測対象の表面形状を計測する測定方法は、撮影した画像間で計測対象の同一箇所を写した部分を探索する必要があり、例えば照明の具合やノイズの影響によって計測対象の同一箇所を写した部分を正しく探索することが難しく、計測対象の表面形状を誤って計測してしまう可能性がある。
【0007】
また、いずれの計測方法においても、安定的な計測結果を得るために、複数回の計測を行う必要をともないさらに長時間の測定時間を要するという課題がある。
【0008】
特に、原子炉の機器形状を測定する場合、原子炉が発する放射線によってカメラの撮影する画像にノイズ(ランダムノイズ)が生じたり、機器の表面状況による画像のコントラストが不足したりすることから、撮影した画像間で計測対象の同一箇所を写した部分を探索することがさらに難しい。
【0009】
そこで、本発明は、段取り替えを要することなく計測対象を撮影可能であり、かつ撮影した画像からより正確な表面形状を計測可能な原子炉内機器形状計測装置および原子炉内機器形状計測方法を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の課題を解決するため本発明に係る原子炉内機器形状計測装置は、計測対象を撮影するカメラと、前記計測対象の表面に沿って前記カメラを走査して撮影範囲が部分的に重なり合う複数の画像を撮影可能にする移動装置と、一対の前記画像間の視差から前記計測対象の表面形状を表す複数の測定点を有する仮表面形状情報を前記複数の画像から順次に演算する形状演算装置と、前記仮表面形状情報を複数重ねて前記測定点が密集する評価点を求め、前記評価点の集合を前記計測対象の表面形状を表す表面形状情報とする形状情報作成装置と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る原子炉内機器形状計測方法は、計測対象の表面に沿って撮影範囲が部分的に重なり合う複数の画像を撮影し、一対の前記画像間の視差から前記計測対象の表面形状を表す複数の測定点を有する仮表面形状情報を前記複数の画像から順次に演算し、前記仮表面形状情報を複数重ねて前記測定点が密集する評価点を求め、前記評価点の集合を前記計測対象の表面形状を表す表面形状情報とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、段取り替えを要することなく計測対象を撮影可能であり、かつ撮影した画像からより正確な表面形状を計測可能な原子炉内機器形状計測装置および原子炉内機器形状計測方法を提案できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る原子炉内機器形状計測装置を示すシステム構成図。
【図2】本発明の実施形態に係る原子炉内機器形状計測装置の撮影範囲の一例を示す図。
【図3】(a)から(c)は、本発明の実施形態に係る原子炉内機器形状計測装置のカメラが撮影する画像のノイズの一例を示す図。
【図4】(a)は、本発明の実施形態に係る原子炉内機器形状計測装置のカメラが撮影する画像の一例を示す図。(b)は、本発明の実施形態に係る原子炉内機器形状計測装置の視点変換画像の一例を示す図。
【図5】本発明の実施形態に係る原子炉内機器形状計測装置の評価メッシュを示す概念図。
【図6】本発明の実施形態に係る原子炉内機器形状計測装置の評価メッシュにおける任意のx−z面を示す概念図。
【図7】本発明の実施形態に係る原子炉内機器形状計測装置の任意のx−z面における測定点の存否を示す概念図。
【図8】本発明の実施形態に係る原子炉内機器形状計測装置の任意のx−z面における評価点を示す概念図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る原子炉内機器形状計測装置および原子炉内機器形状計測方法の実施形態について図1から図8を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る原子炉内機器形状計測装置を示すシステム構成図である。
【0016】
図2は、本発明の実施形態に係る原子炉内機器形状計測装置の撮影範囲の一例を示す図である。
【0017】
図1および図2に示すように、本実施形態に係る原子炉内機器形状計測装置1は、計測対象MOを撮影するカメラ2と、計測対象MOの表面Sに沿ってカメラ2を走査して撮影範囲が部分的に重なり合う複数の画像p1、p2、p3………を撮影可能にする移動装置3と、一対の画像(例えば画像p1、p2)間の視差から計測対象MOの表面形状を表す複数の測定点を有する仮表面形状情報を複数の画像p1、p2、p3………から順次に演算する形状演算装置5と、仮表面形状情報を複数重ねて測定点が密集する評価点を求め、評価点の集合を計測対象MOの表面形状を表す表面形状情報とする形状情報作成装置6と、を備える。
【0018】
また、原子炉内機器形状計測装置1は、画像p1、p2、p3………のノイズを低減するとともにコントラストを改善する画質改善装置7と、一の画像(例えば画像p1)の視点における視点変換画像を他の画像(例えば画像p2)から生成し、一の画像と視点変換画像との一致箇所について仮表面形状情報の測定点を採用し、その他は破棄する仮表面形状情報評価装置8と、を備える。
【0019】
計測対象MOは、例えば原子炉内機器である。
【0020】
カメラ2は計測対象MOを撮影可能な撮像素子(図示省略)を備える。カメラ2は撮影する画像p1、p2、p3………をデジタルデータへ変換して画質改善装置7へ出力する。カメラ2は、複数の画像p1、p2、p3………として静止画を連続的に撮影可能な所謂デジタルスチルカメラであっても良いし、複数の画像p1、p2、p3………として動画を撮影可能なデジタルビデオカメラであっても良い。
【0021】
カメラ2が撮影する複数の画像p1、p2、p3………は、カメラ2が時系列に撮影する計測対象MOの画像であり、撮影範囲が部分的に重なり合う一対の画像(例えば画像p1、p2)を複数有し、計測対象MOの表面Sを三次元計測可能な画像重複部dを有する画像群である。
【0022】
移動装置3は、カメラ2を走査可能であるとともに、エンコーダ(図示省略)などカメラ2の現在位置を検知可能な位置センサ(図示省略)を備える。移動装置3は、カメラ2の現在位置を刻々形状演算装置5へ出力する。移動装置3が出力するカメラ2の位置情報は、それぞれの画像p1、p2、p3………に関連付け、各画像p1、p2、p3………の撮影位置となる。
【0023】
なお、カメラ2は、複数台、例えば2台のカメラからなる所謂ステレオカメラであっても良い。この場合、原子炉内機器形状計測装置1は、撮影範囲が部分的に重なり合う一対の画像を1回の走査、撮影で取得できる。
【0024】
図3(a)から(c)は、本発明の実施形態に係る原子炉内機器形状計測装置のカメラが撮影する画像のノイズの一例を示す図である。
【0025】
画質改善装置7は、複数の画像p1、p2、p3………の同一座標(具体的には同一画素)に係る輝度を昇順または降順に整列し、整列順位が略中間の輝度で当該座標の輝度を置換して各画像p1、p2、p3………のノイズを低減する。図3(a)から(c)に示すように、画像p1、p2、p3………に発生するノイズnはランダムな位置(異なる座標、画素)に生じるため、任意の画素に係る輝度の時系列な変化に着目すると、その大半にノイズnがなく、整列順位が略中間の輝度を採用することでノイズnを低減できる。
【0026】
ところで、原子炉内機器である計測対象MOの表面Sはクラッドの付着によって照明の反射率が悪く、カメラ2で撮影する画像p1、p2、p3………の明るさが暗く、またコントラストが弱くなることがある。そこで、画質改善装置7は、複数の画像p1、p2、p3………を加算して得る座標(具体的には画素)毎の輝度の合計値でそれぞれの座標の輝度を正規化しコントラストを改善する。例えば、画像p1、p2、p3………が8bit画像の場合、画像p1、p2、p3………の輝度は0から255の値で表されるところ、画像p1、p2、p3………を例えば10枚加算すると、各座標における輝度の合計値は0から2550の範囲の値となる。画質改善装置7は、ある座標における輝度の合計値(一例として1275)が255になるよう各画像p1、p2、p3………の輝度を正規化して画像p1、p2、p3………のコントラストを改善する。
【0027】
画質改善装置7は、ノイズの低減およびコントラストの改善を図った後、画像p1、p2、p3………を形状演算装置5へ出力する。
【0028】
形状演算装置5は、画質改善装置7から画像p1、p2、p3………を受け取り、時系列に並ぶ一対の画像(例えば画像p1、p2)間の視差から計測対象MOの表面形状を表す複数の測定点を有する仮表面形状情報を複数の画像p1、p2、p3………から順次に演算する。形状演算装置5は、仮表面形状情報の演算に先立ち、先ず時系列に並ぶ一対の画像(画像p1、p2)間で計測対象MOの同一箇所が写る部分、すなわち対応点を探索する。形状演算装置5は、例えば画像p1上で注目する画素が中央に位置するよう局所ブロックを定義し、画像p1の局所ブロックと画像p2とのブロックマッチングを行って対応点を探索する。形状演算装置5は、このブロックマッチングを画像p1上の各画素に対応して実施する。なお、放射線の影響などによってラインダムなノイズが残留する画像に本処理を適用すると、一対の画像(画像p1、p2)間で比較可能な画素数を減じることになり、画像間の対応付けを誤る可能性が高くなる。そこで、形状演算装置5は、画質改善装置7によってノイズを低減した画像を用いることで画像間の対応付けの信頼性を高める。
【0029】
なお、仮表面形状情報は画像対(例えば、画像p1、p2の対、画像p2、p3の対、画像p3、p4の対………)毎に演算される。
【0030】
次に、形状演算装置5は、画像p1、p2の撮影位置に基づき、三角測量によって一対の画像(画像p1、p2)間の対応点の相対的な位置座標(例えば、画像p1の撮影位置に対する相対的な位置座標)を演算し、計測対象MOの表面形状を表す測定点を得る。形状演算装置5は、同様の演算を一対の画像(例えば画像p1、p2)間で重なり合う撮影範囲の座標毎に行い、さらに時系列に並ぶ複数の画像p1、p2、p3………について順次に行い、演算して得る測定点を画像対(例えば画像p1、p2)毎に仮表面形状情報として整理、調整する。
【0031】
図4(a)は、本発明の実施形態に係る原子炉内機器形状計測装置のカメラが撮影する画像の一例を示す図である。
【0032】
図4(b)は、本発明の実施形態に係る原子炉内機器形状計測装置の視点変換画像の一例を示す図である。
【0033】
仮表面形状情報評価装置8は、形状演算装置5から仮表面形状情報を受け取り、一の画像(例えば画像p1)を撮影した際のカメラ2の位置情報および他の画像(例えば画像p2)を撮影した際のカメラ2の位置情報と、形状演算装置5で得る仮表面形状情報(すなわち、測定点の位置座標)とを用いて、他の画像(例えば画像p2)から視点変換画像ptを生成する。この場合、視点変換画像ptは、他の画像(例えば画像p2)の視点を一の画像(例えば画像p1)の視点へ変換した画像となる。図4(a)、(b)に示すように、カメラ2で実際に撮影した画像p1(図4(a))と視点変換画像pt(図4(b))とは、差異eを有する場合がある。仮表面形状情報評価装置8は、この画像p1と視点変換画像ptとを比較して差異eを抽出し、差異eに対応する計測点の情報を仮表面形状情報から破棄する。画像p1と視点変換画像ptとの差異eは形状演算装置5の演算の誤りに起因するため、仮表面形状情報評価装置8は差異eに対応する計測点の情報を仮表面形状情報から破棄して演算の信頼性を向上する。
【0034】
図5は、本発明の実施形態に係る原子炉内機器形状計測装置の評価メッシュを示す概念図である。
【0035】
図6は、本発明の実施形態に係る原子炉内機器形状計測装置の評価メッシュにおける任意のx−z面を示す概念図である。
【0036】
図7は、本発明の実施形態に係る原子炉内機器形状計測装置の任意のx−z面における測定点の存否を示す概念図である。
【0037】
図8は、本発明の実施形態に係る原子炉内機器形状計測装置の任意のx−z面における評価点を示す概念図である。
【0038】
図5に示すように、形状情報作成装置6は、仮想的な三次元空間状の評価メッシュEMを表すメモリ空間を有する。図6に示すように、形状情報作成装置6は、仮表面形状情報評価装置8から仮表面形状情報を順次に受け取り、測定点m毎に三次元空間上の位置座標を取得し、測定点m毎に最も近接する評価メッシュEMに1票ずつ投じる(図6中、破線範囲)。
【0039】
なお、説明を簡単にするため、形状情報作成装置6における評価点の導出過程の説明は、三次元空間のY=0の平面(すなわち、x−z平面)上で行い、他を省略する。
【0040】
仮表面形状情報評価装置8から仮表面形状情報を順次に受け取る度、形状情報作成装置6が仮表面形状情報毎、測定点m毎に評価メッシュEMに1票ずつ投じると、図7に示すように評価メッシュEM毎の得票数(図7中、評価メッシュEMに隣接して表記する数値)は差を生じる。そこで、形状情報作成装置6は、得票数が所定の得票閾値以上(例えば2票以上)の評価メッシュEMを仮採用(図7中、「●」で示す評価メッシュEM)し、他の評価メッシュEMを破棄(図7中、「○」で示す評価メッシュEM)する。
【0041】
さらに、図7および図8に示すように、形状情報作成装置6は、三次元空間内の任意の方向を向く相互に平行な線分毎に評価メッシュEM間の得票数の高低を評価して複数の仮表面形状情報を合成し、計測対象MOの表面形状を表す表面形状情報を作成する。具体的には、形状情報作成装置6は、x−z平面に沿い相互に平行な線分、例えばZ軸に平行な線分を評価線面ELとし、評価線EL毎に得票数が最も多い評価メッシュEMを採用して評価点Eとし、計測対象MOの表面形状を表す表面形状情報を作成する。
【0042】
すなわち、原子炉内機器形状計測装置1は、計測対象MOの表面Sに沿って撮影範囲が部分的に重なり合う複数の画像p1、p2、p3………を撮影し、一対の画像(例えば、p1、p2)間の視差から計測対象MOの表面形状を表す複数の測定点mを有する仮表面形状情報を複数の画像p1、p2、p3………から順次に演算し、仮表面形状情報を複数重ねて測定点mが密集する評価点Eを求め、評価点Eの集合を計測対象MOの表面形状Sを表す表面形状情報とする原子炉内機器形状計測方法を採用する。
【0043】
本実施形態に係る原子炉内機器形状計測装置1および原子炉内機器形状計測方法は、コントラストが弱かったり、ランダムなノイズが生じたりする画像p1、p2、p3………から信頼性の計測点mのみを採用して評価点Eを得て、ロバストな表面形状計測を行うことが可能になる。
【0044】
また、本実施形態に係る原子炉内機器形状計測装置1および原子炉内機器形状計測方法は、計測対象MOの表面Sに沿って走査するカメラ2で連続的に撮影する時系列な画像p1、p2、p3………から計測対象MOの表面形状を表す表面形状情報を合成可能であり、段取り替えを要することなく計測対象MOの表面形状計測を行うことが可能になる。
【0045】
したがって、本実施形態に係る原子炉内機器形状計測装置1および原子炉内機器形状計測方法によれば、段取り替えを要することなく計測対象MOを撮影可能であり、かつ撮影した画像p1、p2、p3………からより正確な表面形状を計測することができる。
【0046】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0047】
1 原子炉内機器形状計測装置
2 カメラ
3 移動装置
5 形状演算装置
6 形状情報作成装置
7 画質改善装置
8 仮表面形状情報評価装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測対象を撮影するカメラと、
前記計測対象の表面に沿って前記カメラを走査して撮影範囲が部分的に重なり合う複数の画像を撮影可能にする移動装置と、
一対の前記画像間の視差から前記計測対象の表面形状を表す複数の測定点を有する仮表面形状情報を前記複数の画像から順次に演算する形状演算装置と、
前記仮表面形状情報を複数重ねて前記測定点が密集する評価点を求め、前記評価点の集合を前記計測対象の表面形状を表す表面形状情報とする形状情報作成装置と、を備えることを特徴とする原子炉内機器形状計測装置。
【請求項2】
前記形状情報作成装置は、仮想的な三次元空間状の評価メッシュを表すメモリ空間を有し、前記測定点ごとに前記三次元空間上最も近接する前記評価メッシュに1票ずつ投じ、得票数の高い前記評価メッシュを前記評価点とすることを特徴とする請求項1に記載の原子炉内機器形状計測装置。
【請求項3】
前記形状情報作成装置は、前記三次元空間内の任意の方向を向く相互に平行な線分毎に前記評価メッシュ間の前記得票数の高低を評価することを特徴とする請求項1または2に記載の原子炉内機器形状計測装置。
【請求項4】
一の前記画像の視点における視点変換画像を他の前記画像から生成し、一の前記画像と前記視点変換画像との一致箇所について前記仮表面形状情報の前記測定点を採用し、その他は破棄する仮表面形状情報評価装置を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の原子炉内機器形状計測装置。
【請求項5】
前記画像のノイズを低減するとともにコントラストを改善する画質改善装置を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の原子炉内機器形状計測装置。
【請求項6】
前記画質改善装置は、複数の前記画像の同一座標に係る輝度を昇順または降順に整列し、整列順位が略中間の輝度で当該座標の輝度を置換して前記画像のノイズを低減することを特徴とする請求項5に記載の原子炉内機器形状計測装置。
【請求項7】
前記画質改善装置は、複数の前記画像を加算して得る座標毎の輝度の合計値でそれぞれの座標の輝度を正規化しコントラストを改善することを特徴とする請求項5または6に記載の原子炉内機器形状計測装置。
【請求項8】
計測対象の表面に沿って撮影範囲が部分的に重なり合う複数の画像を撮影し、
一対の前記画像間の視差から前記計測対象の表面形状を表す複数の測定点を有する仮表面形状情報を前記複数の画像から順次に演算し、
前記仮表面形状情報を複数重ねて前記測定点が密集する評価点を求め、
前記評価点の集合を前記計測対象の表面形状を表す表面形状情報とすることを特徴とする原子炉内機器形状計測方法。

【図1】
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【図2】
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【図7】
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【図8】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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