説明

原子間力顕微鏡及びそのカンチレバー支持具

【課題】カンチレバーをZ方向に高速に駆動した場合にも、光てこ法等の光を使った測定法でカンチレバーの試料との間の原子間力による相互作用量を正確に検出できる原子間力顕微鏡及びそのカンチレバー支持具を提供する。
【解決手段】原子間力顕微鏡100は、カンチレバー14を支持するカンチレバー支持具13と、高さ方向を駆動方向としてカンチレバー支持具13を駆動するZスキャナ12とを備えている。カンチレバー支持具13は、Zスキャナ12の駆動方向に直交する方向に突出したカンチレバー取付部と、カンチレバー取付部の突出方向と反対方向に突出したバランス突出部を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子間力顕微鏡及びそのカンチレバー支持具に関する。本発明は、光てこ法等の光を使った測定法でカンチレバーの変位を検出する高速原子間力顕微鏡及びそのカンチレバー支持具に好適に適用される。
【背景技術】
【0002】
原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope:AFM)は、先端に探針を有するカンチレバーと試料との間の原子間力によって生ずる相互作用量を検出することで、試料の表面の情報を取得する顕微鏡である。相互作用によってカンチレバーが撓むので、原子間力顕微鏡は、この撓み量を相互作用量として検出し(DCモードの場合)、又はこのカンチレバーの撓みによるカンチレバーの振動の振幅変化量、位相変化量、周波数変化量を相互作用量として検出する(ACモードの場合)。
【0003】
原子間力顕微鏡では、カンチレバーと試料との試料面方向(X−Y方向)の相対位置を変えながら、即ち、カンチレバーを試料に対して試料面方向に相対的に走査しながら、相互作用量が一定となるように、カンチレバーの高さ(Z方向の位置)、もしくは、試料ステージの高さ(Z方向の位置)をフィードバック制御し、その制御量に基づいて、試料の表面の各点の高さや物性の情報を取得する。
【0004】
このような原子間力顕微鏡において、カンチレバーを試料に対してXYZ方向に相対的に移動させる方法には、試料ステージ側を移動するステージ・スキャン方式と、カンチレバー側を移動するチップ・スキャン方式とがある。チップ・スキャン方式は、質量の小さいカンチレバーを移動するだけでよいので、試料が大きい場合にも適用でき、また、カンチレバーと試料との相対移動を高速化できるという利点がある。
【0005】
チップ・スキャン方式では、X、Y、Zの3方向について、それぞれアクチュエータが用いられる。アクチュエータには、例えばピエゾアクチュエータが用いられる。一般的には、X、Y、Zの3方向のうち、Z方向の走査周波数が最も高いので、Z走査用アクチュエータが末端に設けられる。即ち、Z走査用アクチュエータに、カンチレバー支持用のジグを介してカンチレバーが取り付けられ、ジグに支持されたカンチレバーをZ走査用アクチュエータとともにX方向(又はY方向)に駆動するX走査用(又はY走査用)アクチュエータが設けられ、かつ、カンチレバー、カンチレバーを保持するジグ、ジグを保持するZ走査用アクチュエータ、及びX走査用(又はY走査用)アクチュエータの全体をY方向(又はX方向)に駆動するY走査用(又はX走査用)アクチュエータが設けられる。
【0006】
従来の原子間力顕微鏡では、カンチレバーにレーザ光を照射して、その反射光を検出して、カンチレバーの撓みによる変位を計測する光てこ法等が採用されている。このため、チップ・スキャン型の原子間力顕微鏡では、カンチレバーは、Z走査用アクチュエータによってレーザ光が遮られないように、Z走査用アクチュエータから外側にXY平面方向に突出させる必要がある。
【0007】
図9は、Z走査用アクチュエータに取り付けられた従来のカンチレバーを示す図である。カンチレバー1は、ジグ2を介してZ走査用ピエゾアクチュエータ3に取り付けられている。図9に示すように、カンチレバー1は、ジグ2の先端部分2aの下面に、ジグ2の先端部分2aから上面1aが僅かに突出するように取り付けられる。これにより、カンチレバー1の上面1aにレーザ光を当て、かつこの上面1aから反射したレーザ光を二分割フォトダイオード等のセンサにより検知することで、カンチレバー1の撓みによるZ方向の変位を検出する。
【0008】
カンチレバー1の上面1aに入射するレーザ光及びカンチレバー1の上面1aから反射するレーザ光がZ走査用ピエゾアクチュエータ3によって遮られないように、図9に示すように、ジグ2の先端部分2aは、Z走査用ピエゾアクチュエータ3に対して、XY平面方向に突出している。これによって、レーザ光の光路を確保でき、光てこ法等の光を使った測定法によるカンチレバー1の撓みによるZ方向の変位の検出が可能になる。
【0009】
上記のような従来技術は、例えば特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平08−083789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、図1に示すように、ジグ2をZ走査用ピエゾアクチュエータ3に対して一方向に突出させた上で、このようなジグ2をZ走査用ピエゾアクチュエータ3によって高速に振動させると、ジグ2にトルクがかかり、ジグ2は一定範囲内の回転を伴いながらZ方向の振動をする。また、Z走査用ピエゾアクチュエータ3もジグ2からトルクを受けて、ジグ2の突出方向への揺れを伴いながらZ方向の振動をする。
【0012】
このようなジグ2やZ走査用ピエゾアクチュエータ3の望ましくない振動が発生すると、光てこ法等の光を使った検出方式においてカンチレバー1と試料との間の原子間力によるカンチレバー1の撓み量や振動の変化量等を正確に検出できなくなる。カンチレバー1をZ方向に低速で駆動する場合には、上記の望ましくない振動の発生は問題とならないが、カンチレバー1をZ方向に高速で駆動するほど、上記の望ましくない振動が顕著となる。
【0013】
図10は、図9に示すジグ2でカンチレバー1をZ走査用ピエゾアクチュエータ3に固定した場合の振動特性を示すグラフである。図10は、Z走査用ピエゾアクチュエータ3を一定の振幅で振動周波数を変化させながら正弦波振動させて、ゲイン及び位相を観察した結果を示している。図10のグラフの横軸は、振動周波数(対数表示をしている)であり、縦軸の左側目盛りはゲイン(dB)を表し、右側目盛りは位相(deg)を表す。
【0014】
ここで、縦軸のゲインは、カンチレバー1のZ方向の振幅である。ゲインが0になる場合は、カンチレバー1が、入力振動(Z走査用ピエゾアクチュエータの振動)と完全に同じ振動をすることを意味する。また、縦軸の位相は、入力振動(Z走査用ピエゾアクチュエータの振動)に対するカンチレバーの振動の位相差である。ジグに望ましくない振動が生じていない場合には、ゲインがピークになる周波数で位相が−90度となる。図10から分かるように、図9のような従来の構造のジグを用いた場合には、1kHzと2kHzで既に振動が現れ、10kHz以上では激しく振動する。共振周波数は12kHz程度である。
【0015】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、カンチレバーをZ方向に高速に駆動した場合にも、光てこ法等の光を使った測定法でカンチレバーと試料との間の原子間力による相互作用量を正確に検出できる原子間力顕微鏡及びそのカンチレバー支持具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記従来の課題を解決するために、本発明の原子間力顕微鏡は、探針を有するカンチレバーを備え、前記カンチレバーと試料との試料面方向の相対位置を変えながら、前記カンチレバーと試料との間の原子間力によって生ずる相互作用量が一定となるように、試料面に対する前記カンチレバーの高さ方向の位置を制御することで、試料の表面の情報を取得する原子間力顕微鏡であって、この原子間力顕微鏡は、さらに、前記カンチレバーを支持するカンチレバー支持具と、前記高さ方向を駆動方向として前記カンチレバー支持具を駆動するZスキャナとを備えている。そして、前記カンチレバー支持具は、前記Zスキャナの駆動方向に直交する方向に突出したカンチレバー取付部と、前記カンチレバー取付部の突出方向と反対方向に突出したバランス突出部を有している。
【0017】
このように、カンチレバー取付部が、Zスキャナの駆動方向に直交する方向に突出しているので、光てこ法等の光を使った測定法によるカンチレバーの変位の検出が可能になるとともに、バランス突出部がカンチレバー取付部の突出方向と反対方向に突出しているので、Zスキャナを高速に駆動した場合にも、カンチレバー取付部によってジグやZスキャナに生じるモーメントをバランス突出部が打ち消し、これによって、ジグやZスキャナにはモーメントによる撓みが生じにくくなり、光てこ法等の光を使った測定法でカンチレバーと試料との間の原子間力による相互作用量を正確に検出できる。
【0018】
前記カンチレバー支持具は、前記Zスキャナの駆動により生じるモーメントが釣り合う形状及び比重分布で構成されていてよい。
【0019】
この構成により、ジグやZスキャナに生じるモーメントは、カンチレバー取付部とバランス突出部とで打ち消されるので、ジグやZスキャナにはモーメントによる変形は生じない。
【0020】
前記カンチレバー支持具は、前記Zスキャナの駆動軸を含み前記カンチレバー取付部の突出方向と垂直な第2の平面について、面対称の形状を有していてよく、さらに、前記Zスキャナの駆動軸を含み前記カンチレバー取付部の突出方向と平行な第1の平面について、面対称の形状を有していてよい。
【0021】
これにより、簡単な構成によって、カンチレバー取付部とバランス突出部によるモーメントが釣り合う構成を実現できる。
【0022】
前記カンチレバー支持具は、頂部に前記Zスキャナに取り付けられる取付面が形成され、前記取付面から斜め下方向に第1の脚部が延伸し、前記第1の脚部と反対方向に第2の脚部が延伸し、前記第1の脚部と前記第2の脚部は下端部で横脚部によって連結され、前記第1の脚部と前記横脚部との連結部から前記カンチレバー取付部が突出し、前記第2の脚部と前記横脚部との連結部から前記カンチレバー取付部と同形状の前記バランス突出部が突出した形状を有していてよい。
【0023】
この構成により、Zスキャナの駆動軸を含み前記カンチレバー取付部の突出方向と平行な第1の平面及びZスキャナの駆動軸を含みカンチレバー取付部の突出方向と垂直な第2の平面中の何れについても面対称となる形状を実現できるとともに、軽量なジグを構成できる。
【0024】
前記カンチレバー支持具は、頂部に前記Zスキャナに取り付けられる取付面が形成された略台形円錐形状を有していてよい。
【0025】
この構成によってもZスキャナの駆動軸を含み前記カンチレバー取付部の突出方向と平行な第1の平面及びZスキャナの駆動軸を含みカンチレバー取付部の突出方向と垂直な第2の平面中の何れについても面対称となる形状を実現でき、特に、Zスキャナの駆動軸を含むどの面についても面対称な形状を実現できる。
【0026】
前記カンチレバー取付部に前記カンチレバーが取り付けられるとともに、前記バランス突出部に試料の表面の情報の取得に用いられないダミーカンチレバーが取り付けられてよい。
【0027】
この構成により、カンチレバーの質量も含めてカンチレバー取付部側とバランス突出部側でバランスしたジグを実現できる。
【0028】
本発明の別の態様は、カンチレバーを支持して、試料面に対する前記カンチレバーの高さ方向を駆動方向として駆動する原子間力顕微鏡のZスキャナに取り付けられるカンチレバー支持具であって、前記Zスキャナの駆動方向に直交する方向に突出したカンチレバー取付部と、前記カンチレバー取付部の突出方向と反対方向に突出したバランス突出部を有している。
【0029】
このジグによっても、上記と同様に、カンチレバー取付部が、Zスキャナの駆動方向に直交する方向に突出しているので、光てこ法等の光を使った測定法によるカンチレバーの変位の検出が可能になるとともに、バランス突出部がカンチレバー取付部の突出方向と反対方向に突出しているので、Zスキャナを高速に駆動した場合にも、カンチレバー取付部によってジグやZスキャナに生じるモーメントをバランス突出部が打ち消し、これによって、ジグやZスキャナにはモーメントによる撓みが生じにくくなり、光てこ法等の光を使った測定法でカンチレバーと試料との間の原子間力による相互作用量を正確に検出できる。
【0030】
前記Zスキャナに取り付けられたときに前記Zスキャナの駆動軸と一致する軸を中心軸として、当該中心軸を含み前記カンチレバー取付部の突出方向と垂直な第2の平面について、面対称の形状を有していてよく、さらに、前記Zスキャナに取り付けられたときに前記Zスキャナの駆動軸と一致する軸を中心軸として、当該中心軸を含み前記カンチレバー取付部の突出方向と平行な第1の平面について、面対称の形状を有していてよい。
【0031】
これにより、簡単な構成によって、カンチレバー取付部とバランス突出部によるモーメントが釣り合う構成を実現できる。
【発明の効果】
【0032】
本発明は、カンチレバーをZ方向に高速に駆動した場合にも、光てこ法等の光を使った測定法でカンチレバーの試料との間の原子間力による相互作用量を正確に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるジグの正面図
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるジグの側面図
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるジグの斜視図
【図4】本発明の実施の形態における原子間力顕微鏡の構成図
【図5】本発明の実施の形態におけるジグを用いた場合の振動特性を示すグラフ
【図6】本発明の第2の実施の形態におけるジグの平面図
【図7】本発明の第2の実施の形態におけるジグの断面図
【図8】本発明の第2の実施の形態におけるジグの斜視図
【図9】従来のジグの斜視図
【図10】従来のジグを用いた場合の振動特性を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下に本発明の詳細な説明を述べる。以下の詳細な説明と添付の図面は発明を限定するものではない。代わりに、発明の範囲は添付の請求の範囲により規定される。
【0035】
図1〜図3は、本発明の実施の形態の原子間力顕微鏡に採用されるジグの実施の形態を示す図であり、図4は、本発明の実施の形態における原子間力顕微鏡の構成図である。以下では、まず、図4を参照して原子間力顕微鏡の全体の構成を説明して、その後にジグの構成を詳細に説明する。
【0036】
図4において、左右方向をX方向、上下方向をZ方向、紙面と垂直な方向をY方向とする。原子間力顕微鏡100は、探針を有するカンチレバーを備え、前記カンチレバーと試料との試料面方向の相対位置を変えながら、前記カンチレバーと試料との間の原子間力によって生ずる相互作用量が一定となるように、試料面に対する前記カンチレバーの高さ方向の位置を制御することで、試料の表面の情報を取得する顕微鏡である。
【0037】
図4に示すように、原子間力顕微鏡100は、顕微鏡本体10と、処理部20と、モニタ30とを備えている。顕微鏡本体10は、X−Yスキャナ11、Zスキャナ12、ジグ13、カンチレバー14、ダミーカンチレバー14’、ピエゾドライバ15、レーザ光源16、二分割フォトダイオード17、及び試料ステージ18を備えている。
【0038】
X−Yスキャナ11には、Zスキャナ12が取り付けられている。X−Yスキャナ11は、Zスキャナ12をX方向及びY方向に移動させる。Zスキャナ12には、カンチレバー14の支持具であるジグ13が取り付けられている。ジグ13には、カンチレバー14が取り付けられている。Zスキャナ12は、ジグ13及びジグ13に支持されたカンチレバー14を試料面に対する前記カンチレバーの高さ方向(Z方向)に移動させる。即ち、ジグ13は、Zスキャナ12のZ方向の駆動に従ってカンチレバー14がZ方向に移動するように、Zスキャナ12とカンチレバー14とにそれぞれ固定された剛性の高い部材である。
【0039】
X−Yスキャナ11及びZスキャナ12は、ピエゾアクチュエータで構成される。ピエゾドライバ15は、処理部20から入力される制御信号に基づいて、X−Yスキャナ11及びZスキャナ12にそれぞれ駆動信号を供給する。X−Yスキャナ11及びZスキャナ12はそれぞれ駆動信号に従って駆動する。Zスキャナ12は、Z方向に長い四角柱形状である。Zスキャナ12は、Z方向に長い円柱形状であってもよい。
【0040】
カンチレバー14の下面には探針が設けられている(探針はカンチレバー14の大きさに比べてきわめて小さいため、図4では図示していない)。顕微鏡本体10は、試料ステージ18に試料Sが載せられたときに、カンチレバー14の探針の先端が試料Sの表面に接近するように構成されている。カンチレバー14は、探針が下を向くように、ジグ13の下面に取り付けられており、先端部分がジグ13の先端部分から突出している。ジグ13にはカンチレバー14のほか、ダミーカンチレバー14’が取り付けられている。ダミーカンチレバー14’は、カンチレバー14と同じ構成を有する部材であるが、試料の表面の情報の取得に用いられない。ジグ13、カンチレバー14、及びダミーカンチレバー14’を含む構造については後述する。
【0041】
レーザ光源16は、カンチレバー14のジグ13から突出した先端部分にレーザ光を照射するように設置されている。二分割フォトダイオード17は、レーザ光源16から照射されてカンチレバー14で反射する反射光の光路上に設けられている。カンチレバー14の下面に設けられた探針と試料との間の原子間力によってカンチレバー14が撓むと、レーザ光の反射方向が変化するので、これを二分割フォトダイオード17で検知する。この構成により、光てこ法を採用してカンチレバー14の変位を測定できる。なお、原子間力顕微鏡100は、カンチレバー14の変位を測定する方法として、光干渉法を採用する構成を有していてもよい。
【0042】
処理部20は、振幅計測部21、減算器22、PID演算部23、及び演算制御部24を備えている。振幅計測部21は、二分割フォトダイオード17に接続されている。振幅計測部21には、二分割フォトダイオード17の出力電流が入力される。
【0043】
本実施の形態の原子間力顕微鏡100は、ACモードを採用しており、試料の計測において、Zスキャナ12を正弦波振動させるとともに、カンチレバー14の探針と試料との原子間力による変化量が加わった振動の振幅を振幅計測部21にて計測する。振幅計測部21は、二分割フォトダイオード17から出力される電流に基づいてカンチレバー14の振幅を計測して、計測値を出力する。振幅計測部21の出力端子は、減算器22の第1の入力端子(非反転入力端子)に接続されている。なお、本発明は、DCモードにも適用できる。その場合には振幅計測部21は不要であり、二分割フォトダイオード17の出力は、減算器22の第1の入力端子に入力される。
【0044】
減算器22の第2の入力端子(反転入力端子)には、制御のための定値(セットポイント)が入力される。減算器22は、振幅計測部21から出力された計測値減算器22の出力はPID演算部23の入力に接続されている。PID演算部23は、減算器22の出力に対して、比例演算、積分演算、微分演算を行って、Zスキャナ12に対する制御値を算出する。PID演算部23の出力は、演算制御部24の入力端子及びピエゾドライバ15のZ入力端子に接続されている。
【0045】
演算制御部24は、PID演算部23から入力されるZスキャナに対する制御値を、その制御値が得られたXY座標と対応付けることで、当該XY座標における試料の高さや物性の情報を生成する。XY座標ごとの試料の高さや物性の情報は画像情報の形態で、モニタ30に出力される。演算制御部24のX出力端子及びY出力端子は、それぞれピエゾドライバ15のX入力端子及びY入力端子に接続されている。演算制御部24は、カンチレバー14を試料Sに対してXY面内で走査するためのXスキャナ及びYスキャナ用の制御信号をそれぞれX出力端子及びY出力端子から出力する。
【0046】
次に、本実施の形態のジグ及びカンチレバーの構成を詳しく説明する。以下の説明において、Zスキャナ12の中心を通り、Zスキャナ12の駆動方向、即ちZ方向に伸びる軸をZスキャナ12の駆動軸といい、ジグ13がZスキャナ12に取り付けられたときに、Zスキャナ12の駆動軸と重なるジグ13の軸をジグ13の中心軸という。
【0047】
ジグ13は、中心軸を含む第1の平面と平行な方向に、Zスキャナ12への取付面から遠ざかるに従って中心軸から離れるように突出した第1の突出部を有している。この第1の突出部にカンチレバー14が取り付けられる。そして、第1の平面と平行で、かつ第1の突出部とは反対の方向に突出する第2の突出部を有している。この第2の突出部は、第1の突出部とバランスをとるためのものであり、本発明のバランス突出部に相当する。本実施の形態のジグ13は、第1の平面と直行する第2の平面について、面対称の形状を有している。さらに、ジグ13は、第1の平面についても、面対称の形状を有している。
【0048】
以下、図1〜3を参照して、本実施の形態のジグ13の具体的な形状を説明する。図1、図2、図3は、それぞれ本実施の形態のジグの正面図、側面図、斜視図である。以下では、図1の左右方向をX方向、上下方向をZ方向とし、図2の左右方向をY方向、上下方向をZ方向として説明する。なお、このX、Y、Zの各方向は、図4のX、Y、Z方向と一致している。
【0049】
まず、図1の正面図を参照して、本実施の形態のジグ13の正面視の形状を説明する。以下、適宜図3の斜視図も参照されたい。ジグ13は、中心軸Cについて左右(X方向)に対称の形状を有している。ジグ13は、概ね上向きの三角形状をしている。三角形の頂部はZスキャナ12に取り付けられる平坦な取付面131となっている。
【0050】
取付面131は、平面視で四角形であり、中心軸Cはこの四角形の中心を通る。取付面131から左斜め下方向に左脚部132が延伸し、右斜め下方向に右脚部133が延伸している。左脚部132と右脚部133は下端部で、X方向に伸びる横脚部134によって連結されている。この構成により、左脚部132、右脚部133、及び横脚部134によって三角形の構造が形成され、三角形の内部は中空となっていている。
【0051】
左脚部132と横脚部134との連結部からは、カンチレバー取付部135が左方向に突出している。また、右脚部133と横脚部134との連結部からは、ダミーカンチレバー取付部136が右方向に突出している。カンチレバー取付部135及びダミーカンチレバー取付部136の下面は、水平から若干下向きに傾いている。
【0052】
ジグ13の取付面131とZスキャナ12の下面の形状は一致している。ジグ13は、取付面131の中心がZスキャナ12の下面の中心と一致するように、Zスキャナ12に取り付けられる。ジグ13は、Zスキャナ12に取り付けられた状態で、カンチレバー取付部135が、取付面131からZスキャナ12の駆動方向に直交する方向に突出するとともに、Zスキャナ12の駆動軸に対してカンチレバー取付部135の突出方向と反対方向にもダミーカンチレバー取付部136が突出することになる。
【0053】
ジグ13の材質は、ジュラルミンであり、全体的に一様な密度(比重分布)となっている。ジグ13の材質としては、アルミニウム、PEEK樹脂、ガラス等を採用してもよい。ジグ13は、金型成型により製造できる。
【0054】
カンチレバー14の先端部の下面には探針が設けられている。カンチレバー14は、探針を有する下面が下向きになるように、その上面がカンチレバー取付部135の下面に固定される。カンチレバー14は、探針を有する先端部がカンチレバー取付部135の先端から突出するように取り付けられる。これにより、カンチレバー取付部135の先端から突出したカンチレバー14の上面部分は、レーザ光反射面141となる。
【0055】
ダミーカンチレバー14’は、カンチレバー14と左右対称となる位置及び姿勢でダミーカンチレバー取付部136に取り付けられる。即ち、ダミーカンチレバー14’は、先端部がダミーカンチレバー取付部136の先端から突出するように、その上面がダミーカンチレバー取付部136の下面に固定される。ダミーカンチレバー14’は、カンチレバー14と同一の構成を有するものである。
【0056】
次に、図2を参照して、側面方向から見たジグ13の形状を説明する。ジグ13は、図2に示すように側面方向(X方向)から見ると、左右(Y方向)に対称な形状を有している。ジグ13は、左右方向に一定の幅を有している。カンチレバー14及びダミーカンチレバー14’は、左右方向の中央に取り付けられる。
【0057】
以上のように構成されたジグ13の作用を説明する。ジグ13は、Zスキャナ12によって、数十kHz程度の周波数でZ方向に振動する。ジグ13は、X方向にもY方向にも対称であるので、ジグ13の質量は中心軸Cを中心としてバランスしている。このため、ジグ13には、Z方向の高周波の振動にもかかわらず、トルクが働きにくく、従って、そのようなトルクによる撓みが発生しにくい。即ち、ジグ13にはZ方向の高速な駆動によってモーメントが発生するが、ジグ13の形状は中心軸に対してX方向にもY方向にも対称な形状であるため、このモーメントはジグ13内でバランスし、ジグ13やZスキャナ12に変形が生じにくくなる。
【0058】
図5は、ジグ13を用いた場合の振動特性を示すグラフである。図5は図10に対応しており、Zスキャナ12を一定の振幅で正弦波振動させた場合のゲイン及び位相を示している。横軸は正弦波振動の周波数(対数で表示している)であり、縦軸の左の目盛りはゲイン(dB)であり、縦軸の右の目盛りは位相(deg)である。図5から明らかなように、共振周波数(ゲインがピークとなる周波数)は90kHzに達している。
【0059】
そして、この共振周波数における位相が−90度に近くなっており、このことは共振周波数以下でジグ13の共振が少ないことを示している。従って、本実施の形態のジグ13を用いることで、Zスキャナ12を高速駆動させる場合に、その振動周波数を90kHz程度まで上げてもカンチレバー14には望ましくない振動が発生せず、光てこ法でカンチレバー14と試料Sとの間の原子間力による相互作用量を正確に検出できる。
【0060】
以上のように、本実施の形態のジグ13によれば、カンチレバー14を取り付ける部分が、ジグ13が取り付けられるZスキャナ12の駆動軸から、Zスキャナ12の駆動方向に直交する方向に突出しているので、光てこ法によるカンチレバー14の変位の検出が可能になるとともに、Zスキャナ12の駆動軸に対して、カンチレバー14を取り付ける部分の突出方向と反対方向にも突出した形状を有しているので、Zスキャナ12を駆動したことによりカンチレバー14を取り付ける側の突出部分によってジグ13やZスキャナ12に生じるモーメントが反対側の突出部分によって打ち消され、結果としてジグ13やZスキャナ12にモーメントによる撓みが生じにくくなり、光てこ法でカンチレバー14の試料Sとの間の原子間力による相互作用量を正確に検出できる。
【0061】
また、本実施の形態のジグ13は、比重分布が一様であるとともに、それが取り付けられるZスキャナ12の駆動方向に直交するX方向及びY方向に対称な形状を有しているので、Zスキャナ12の駆動により発生するモーメントは完全に打ち消し合い、ジグ13及びZスキャナ12にはモーメントによる変形は生じない。
【0062】
なお、ジグ13は、Zスキャナ12の駆動軸に対するモーメントの釣り合いをとるために、必ずしもカンチレバー14を取り付ける突出側と駆動軸に関してそれとは反対側の部分の形状とをZスキャナ12の駆動軸に対して対称の形状としなくてもよい。即ち、Z方向の駆動に対して、モーメントを打ち消すような形状及び比重分布でジグを構成すればよい。しかしながら、上記の実施の形態のように比重分布を一様とした上で対称形状を採用することで、複雑な計算をして形状及び比重分布を求めることなく、容易に、カンチレバー14を取り付ける突出側と駆動軸に関してそれとは反対側の部分とのモーメントがバランスする構成を実現できる。
【0063】
また、上記の実施の形態では、ダミーカンチレバー14’として、カンチレバー14と同一の構成の部材を用いたが、カンチレバー14と質量が等しい他の部材を用いてもよい。また、ダミーカンチレバー14’を省略してもよい。特に、カンチレバー14やダミーカンチレバー14’の質量がジグ13の質量に対して無視できるほど小さい場合には、ダミーカンチレバー14’を省略してもよい。
【0064】
また、本実施の形態のジグ13は、概ね三角形状をしているので、変形による撓みが生じにくく、この点でも望ましくない振動を抑制できる。また、その三角形状は左脚部132、右脚部133、及び横脚部134からなる中空の三角形状であるので、ジグ13を軽量化でき、高速な駆動が容易となる。
【0065】
なお、本発明のジグは上記の形状に限られない。以下、他の実施の形態のジグを説明する。図6は、第2の実施の形態のジグの平面図であり、図7は、図6のA−A’断面図である。図8は、第2の実施の形態のジグの斜視図である。図6及び図8では、カンチレバー及びダミーカンチレバーが取り付けられた様子を示している。図7は、カンチレバー及びダミーカンチレバーが取り付けられていないジグを示している。
【0066】
本実施の形態のジグ43は、概ね台形円錐形状をしている。台形円錐の頂部はZスキャナ12に取り付けられる平坦な取付面431となっている。取付面431は、平面視で円形である。本実施の形態の場合、Zスキャナ12は、円柱形状であってよく、その場合にはZスキャナの底面の面と取付面431の円が一致するように構成することができる。そして、この場合には、ジグ43の中心軸Cは、取付面431の円の中心を通る。
【0067】
ジグ43は、取付面431から下に向かって徐々に径が大きくなる形状を有している。ジグ43の底は、縁から中心に向かってやや上向きに傾いた底面432がドーナツ状に形成されており、底の中心部分には取付面431に向けて抉られた円錐形状の空洞部433が形成されている。
【0068】
本実施の形態のジグ43は、図9に示した従来のジグを、中心軸C周りに回転させて形成される立体形状を有している。ジグ43の稜線は、取付面431から下に向かうに従って緩やかになり、最下付近で再び急になる形状を有している。
【0069】
ジグ43にカンチレバー14及びダミーカンチレバー14’が取り付けられる。上記の実施の形態と同様に、カンチレバー14は、探針を有する下面が下向きになるように、その上面が底面432に固定される。カンチレバー14は、探針を有する先端部が底面432の先端から突出するように取り付けられる。これにより、底面432の縁から突出したカンチレバー14の上面部分は、レーザ光反射面141となる。ダミーカンチレバー14’は、中心軸Cについてカンチレバー14と対称な位置に取り付けられる。
【0070】
ジグ43において、中心軸C、カンチレバー14及びダミーカンチレバー14’を通る平面を第1の平面とし、中心軸Cを通り第1の平面に垂直な面を第2の平面とし、第2の平面によって分けられる2つの部分のうち、カンチレバー14が取り付けられる方を第1の突出部とし、ダミーカンチレバー14’が取り付けられる方を第2の突出部とすると、第1の突出部と第2の突出部とは第2の平面について面対称の形状を有している。また、ジグ43は、第1の平面についても、面対称の形状を有している。
【0071】
ジグ43の材質は、ジュラルミンであり、全体的に一様な密度(比重分布)となっている。ジグ43の材質としては、アルミニウム、PEEK樹脂、ガラス等を採用してもよい。ジグ43は、金型成型により製造できる。
【0072】
ジグ43のこのような構成によって、ジグ43の質量は中心軸Cを中心としてバランスしている。このため、Z方向の高周波の振動にもかかわらず、ジグ43にはトルクが働きにくく、従って、そのようなトルクによる撓みが発生しにくい。即ち、ジグ43にはZ方向の高速な駆動によってモーメントが発生するが、ジグ43の形状は中心軸に対して線対称の形状であるため、このモーメントはジグ43内でバランスし、ジグ43やZスキャナ12に変形が生じにくくなる。
【0073】
上記のような中心軸及びカンチレバーの中心を通る第1の平面、及び中心軸を通り第1の平面に垂直な第2の平面の何れについても面対称となる形状は、上記以外の形状でも実現できる。
【0074】
例えば、第2の実施の形態では、ジグ43を概ね台形円錐形状になるように構成したが、ジグを概ね台形楕円錐形状になるように構成してもよい。この場合、カンチレバー14及びダミーカンチレバー14’は、底面の楕円の長軸上に取り付けることができる。また、ジグを概ね底面が長方形の台形四角錐形状となるように構成してもよい。この場合、カンチレバー14及びダミーカンチレバー14’は底面の短辺の中心に位置するように取り付けることができる。さらに、第1の実施の形態で説明したジグ13の横脚部134が省略されて、左脚部132及び右脚部133による二股形状としてもよい。
【0075】
上記の実施の形態では、試料ステージを固定して、カンチレバーをX、Y、Zの3方向に移動させるチップ・スキャン方式の原子間力顕微鏡を説明したが、試料面方向であるX−Y方向にはZ方向ほどの高速な走査は必要とされないため、X方向、Y方向、又はその両方向の試料とカンチレバーとの相対的移動のために、試料ステージ側を移動させる構成としてもよい。このような原子間力顕微鏡においても、カンチレバーを支持するジグにはZスキャナが取り付けられることとなるため、光てこ法等の光を使った測定法でカンチレバーの変位を検出するためにはカンチレバーの上面がZスキャナとの干渉を避けるために、ジグはZスキャナから突出させなければならないため、本発明が有効となる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
以上のように、本発明は、カンチレバーをZ方向に高速に駆動した場合にも、光てこ法等の光を使った測定法でカンチレバーの試料との間の原子間力による相互作用量を正確に検出できるという効果を有し、高速原子間力顕微鏡及びそのカンチレバー支持具などに好適に用いられる。
【符号の説明】
【0077】
100 原子間力顕微鏡
10 顕微鏡本体
11 X−Yスキャナ
12 Zスキャナ
13 ジグ
14 カンチレバー
14’ ダミーカンチレバー
15 ピエゾドライバ
16 レーザ光源
17 二分割フォトダイオード
18 試料ステージ
20 処理部
21 振幅計測部
22 減算器
23 PID演算部
24 演算制御部
30 モニタ
131 取付面
132 左脚部
133 右脚部
134 横脚部
135 カンチレバー取付部
136 ダミーカンチレバー取付部
141 レーザ光反射面
43 ジグ
431 取付面
432 底面
433 空洞部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
探針を有するカンチレバーを備え、前記カンチレバーと試料との試料面方向の相対位置を変えながら、前記カンチレバーと試料との間の原子間力によって生ずる相互作用量が一定となるように、試料面に対する前記カンチレバーの高さ方向の位置を制御することで、試料の表面の情報を取得する原子間力顕微鏡であって、さらに、
前記カンチレバーを支持するカンチレバー支持具と、
前記高さ方向を駆動方向として前記カンチレバー支持具を駆動するZスキャナとを備え、
前記カンチレバー支持具は、前記Zスキャナの駆動方向に直交する方向に突出したカンチレバー取付部と、前記カンチレバー取付部の突出方向と反対方向に突出したバランス突出部を有している
ことを特徴とする原子間力顕微鏡。
【請求項2】
前記カンチレバー支持具は、前記Zスキャナの駆動により生じるモーメントが釣り合う形状及び比重分布で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の原子間力顕微鏡。
【請求項3】
前記カンチレバー支持具は、前記Zスキャナの駆動軸を含み前記カンチレバー取付部の突出方向と垂直な第2の平面について、面対称の形状を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の原子間力顕微鏡。
【請求項4】
前記カンチレバー支持具は、前記Zスキャナの駆動軸を含み前記カンチレバー取付部の突出方向と平行な第1の平面について、面対称の形状を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の原子間力顕微鏡。
【請求項5】
前記カンチレバー支持具は、頂部に前記Zスキャナに取り付けられる取付面が形成され、前記取付面から斜め下方向に第1の脚部が延伸し、前記第1の脚部と反対方向に第2の脚部が延伸し、前記第1の脚部と前記第2の脚部は下端部で横脚部によって連結され、前記第1の脚部と前記横脚部との連結部から前記カンチレバー取付部が突出し、前記第2の脚部と前記横脚部との連結部から前記カンチレバー取付部と同形状の前記バランス突出部が突出した形状を有していることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の原子間力顕微鏡。
【請求項6】
前記カンチレバー支持具は、頂部に前記Zスキャナに取り付けられる取付面が形成された略台形円錐形状を有していることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の原子間力顕微鏡。
【請求項7】
前記カンチレバー取付部に前記カンチレバーが取り付けられるとともに、前記バランス突出部に試料の表面の情報の取得に用いられないダミーカンチレバーが取り付けられることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の原子間力顕微鏡。
【請求項8】
カンチレバーを支持して、試料面に対する前記カンチレバーの高さ方向を駆動方向として駆動する原子間力顕微鏡のZスキャナに取り付けられるカンチレバー支持具であって、
前記Zスキャナの駆動方向に直交する方向に突出したカンチレバー取付部と、前記カンチレバー取付部の突出方向と反対方向に突出したバランス突出部を有していることを特徴とするカンチレバー支持具。
【請求項9】
前記Zスキャナに取り付けられたときに前記Zスキャナの駆動軸と一致する軸を中心軸として、当該中心軸を含み前記カンチレバー取付部の突出方向と垂直な第2の平面について、面対称の形状を有することを特徴とする請求項8に記載のカンチレバー支持具。
【請求項10】
前記Zスキャナに取り付けられたときに前記Zスキャナの駆動軸と一致する軸を中心軸として、当該中心軸を含み前記カンチレバー取付部の突出方向と平行な第1の平面について、面対称の形状を有することを特徴とする請求項8又は9に記載のカンチレバー支持具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−252764(P2011−252764A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−126027(P2010−126027)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【出願人】(504160781)国立大学法人金沢大学 (282)