原料搬出装置
【課題】モータ等の駆動手段を用いることなく螺旋体を所定量回転させることで、定量の原料粉末を搬出可能とする。
【解決手段】螺旋体15の回転により原料収容容器10内の粉末原料を原料放出口13から搬送放出する原料搬出装置1において、原料放出口13を開閉自在に閉塞する開閉部材101と、螺旋体15に同軸的に設けられたピニオンギヤ16と、本体に往復移動自在に保持され、ピニオンギヤ16に噛み合い可能に設けられたラック20と、これらの噛み合いを制御するラック移動規制手段とを備え、このラック移動規制手段は、原料放出口13より粉末原料を放出する向きに螺旋体15を回転させる方向にラック20が移動する場合のみ、このラック20をピニオンギヤ16に噛み合わせる。
【解決手段】螺旋体15の回転により原料収容容器10内の粉末原料を原料放出口13から搬送放出する原料搬出装置1において、原料放出口13を開閉自在に閉塞する開閉部材101と、螺旋体15に同軸的に設けられたピニオンギヤ16と、本体に往復移動自在に保持され、ピニオンギヤ16に噛み合い可能に設けられたラック20と、これらの噛み合いを制御するラック移動規制手段とを備え、このラック移動規制手段は、原料放出口13より粉末原料を放出する向きに螺旋体15を回転させる方向にラック20が移動する場合のみ、このラック20をピニオンギヤ16に噛み合わせる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一定量の粉末原料を搬出することを可能とする原料搬出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、飲料製造装置において飲料原料として粉末原料を採用している場合、当該粉末原料は、原料収納容器内に収納され、この原料収納容器の底面近傍に奥方から排出口に向けて延在している粉排出機構によって粉の排出制御が行われる。
【0003】
例えば、特許文献1の原料搬出装置では、原料収納容器の下部に螺旋体が設けられ、この螺旋体の一端側に原料出口が構成され、他端に設けられたモータによって螺旋体の回転駆動が行われ、当該回転量を制御することで、粉の排出制御が行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−251237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した如き原料搬出装置では、モータの駆動時間などによって螺旋体の回転量を制御していた。そのため、手動による定量搬出を行うことができず、原料搬出装置には、電源手段を備えることが必須であった。
【0006】
そのため、装置自体の制御構造が複雑となり、コストの高騰を招来する。特に、複数種類の原料を搬出可能とする原料搬出装置では、原料の種類毎に螺旋体を回転駆動させるためのモータが必要となり、より制御装置が複雑となり、コスト高となる。
【0007】
本発明は、従来の技術的課題を解決するためになされたものであり、モータ等の駆動手段を用いることなく螺旋体を所定量回転させることで、定量の原料粉末を搬出可能とする原料搬出装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の原料搬出装置は、本体に設けられて粉末原料を収容する原料収容容器と、この原料収容容器の下部に設けられた螺旋体と、この螺旋体の一端側に形成された原料放出口とを備え、螺旋体の回転により、原料収容容器内の粉末原料を前記原料放出口に搬送して放出するものであって、原料放出口を開閉自在に閉塞する開閉部材と、螺旋体に同軸的に設けられたピニオンギヤと、本体に往復移動自在に保持され、ピニオンギヤに噛み合い可能に設けられたラックと、このラックが往復移動する際の当該ラックとピニオンギヤとの噛み合いを制御するラック移動規制手段とを備え、このラック移動規制手段は、原料放出口より粉末原料を放出する向きに螺旋体を回転させる方向にラックが移動する場合のみ、このラックをピニオンギヤに噛み合わせることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、上記発明において、開閉部材は、ラックの往復移動に連動して原料放出口を開閉することを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2に記載の発明において、原料放出口より粉末原料を放出する向きに螺旋体を回転させる方向にラックが移動する際の当該ラックとピニオンギヤとの噛み合いは、開閉部材が前記原料放出口を閉じきる以前に終了するよう構成したことを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3に記載の発明において、ピニオンギヤは、原料放出口に進入して螺旋体の一端に同軸的に連結されたギヤ部材の先端部に設けられており、開閉部材は、ギヤ部材の周囲に位置して当該ギヤ部材の軸方向に移動自在に設けられ、ラックの往復移動により移動されて原料放出口を開閉することを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項4に記載の発明において、ラックに設けられ、ラックの往復移動によって動作し、開閉部材をギヤ部材の軸方向に移動させる操作部材を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1に記載の発明において、開閉部材は、原料放出口から放出される粉末原料を受容する器を、所定の受容位置に配置したことに応じて原料放出口を開放し、この受容位置より撤去したことに応じて原料放出口を閉塞することを特徴とする。
【0014】
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6のうちの何れかに記載の発明において、ラック及びピニオンギヤが存在する領域と、原料放出口が存在する領域とを仕切る仕切部材を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、本体に設けられて粉末原料を収容する原料収容容器と、この原料収容容器の下部に設けられた螺旋体と、この螺旋体の一端側に形成された原料放出口とを備え、螺旋体の回転により、原料収容容器内の粉末原料を原料放出口に搬送して放出する原料搬出装置であって、原料放出口を開閉自在に閉塞する開閉部材と、螺旋体に同軸的に設けられたピニオンギヤと、本体に往復移動自在に保持され、ピニオンギヤに噛み合い可能に設けられたラックと、このラックが往復移動する際のこのラックとピニオンギヤとの噛み合いを制御するラック移動規制手段とを備え、このラック移動規制手段は、原料放出口より粉末原料を放出する向きに螺旋体を回転させる方向にラックが移動する場合のみ、このラックをピニオンギヤに噛み合わせるので、ラックを往復移動させることで、ピニオンギヤにより粉末原料を放出する方向に所定量だけ回転させることができ、粉末原料の定量搬出を実現することができる。
【0016】
また、ラックは手動によって往復動させることにより、ピニオンギアをこれと噛み合うラックの寸法(ラックの歯が形成されている部分の寸法)によって定量分だけ螺旋体を回転させて原料放出口から定量の粉末原料を放出させることが可能となる。このため、格別にモータ等を用いて螺旋体の回転時間の制御を行うことなく定量の粉末原料の放出が可能となる。これにより、電動部材を用いることなく所定量の粉末原料の放出が可能となり、装置全体の構造を簡素化することができると共に、電源が確保できない場所であっても設置することが可能となる。
【0017】
特に、本願発明では原料放出口を開閉自在に閉塞する開閉部材を設けたので、原料放出口において粉末原料が外気と接触することによる吸湿を抑制し、固着による搬出不良の発生を効果的に解消することが可能となる。また、複数の原料収容容器を設けて複数種類の粉末原料を搬出する場合に、粉末原料の搬出中に振動などによって他の粉末原料が搬出されて混入してしまう不都合や装置全体にかけられた衝撃や振動により粉末原料が搬出されて、原料放出口から放出される粉末原料を受容する器を置く収納部や装置設置床面を汚してしまう不都合も解消することができるようになるものである。
【0018】
請求項2の発明によれば、上記に加えて開閉部材は、ラックの往復移動に連動して原料放出口を開閉するので、粉末原料の搬出時に別途開閉部材を開閉操作する必要が無くなり、操作性が著しく向上するものである。
【0019】
請求項3の発明によれば、上記に加えて原料放出口より粉末原料を放出する向きに螺旋体を回転させる方向にラックが移動する際の当該ラックとピニオンギヤとの噛み合いは、開閉部材が原料放出口を閉じきる以前に終了するよう構成したので、開閉部材が原料放出口を閉じきる以前に螺旋体の回転は停止することになる。これにより、開閉部材が原料放出口を閉じる際に螺旋体が回転していることによって粉末原料が開閉部材と原料放出口間に詰まってしまう不都合を未然に回避し、円滑な搬出を実現することが可能となる。
【0020】
請求項4の発明によれば、請求項2又は請求項3に加えてピニオンギヤは、原料放出口に進入して螺旋体の一端に同軸的に連結されたギヤ部材の先端部に設けられており、開閉部材は、ギヤ部材の周囲に位置して当該ギヤ部材の軸方向に移動自在に設けられ、ラックの往復移動により移動されて原料放出口を開閉するので、ラックの往復移動に連動して開閉部材により原料放出口を開閉する装置全体を小型化することが可能となる。
【0021】
請求項5の発明によれば、上記に加えてラックに設けられ、ラックの往復移動によって動作し、開閉部材をギヤ部材の軸方向に移動させる操作部材を設けたので、簡単な構成によりラックの往復移動に連動して確実に開閉部材を移動させ、原料放出口を開閉することができるようになる。
【0022】
請求項6の発明によれば、請求項1に加えて開閉部材は、原料放出口から放出される粉末原料を受容する器を、所定の受容位置に配置したことに応じて原料放出口を開放し、該受容位置より撤去したことに応じて原料放出口を閉塞するようにしたので、これによっても粉末原料の搬出時に別途開閉部材を開閉操作する必要が無くなり、操作性が著しく向上するものである。
【0023】
請求項7の発明によれば、上記各発明に加えてラック及びピニオンギヤが存在する領域と、原料放出口が存在する領域とを仕切る仕切部材を設けたので、ラックやピニオンギヤの動作や噛み合いによって発生する摩耗粉等の塵埃が、原料放出口から搬出される粉末原料に混入する不都合や粉末原料がラックやピニオンギヤの噛み合い部に付着し、原料粉末の搬出動作が阻害される不都合を解消することができるようになるものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】粉末トッピング装置の斜視図である。
【図2】図1の粉末トッピング装置の縦断側面図である。
【図3】原料搬出装置の前方斜視図である。
【図4】原料搬出装置の後方斜視図である。
【図5】ラックを一部省略した状態の原料搬出装置の正面図である。
【図6】図5のA−A断面図である。
【図7】前板部を省略した状態のラックと係合部の正面図である。
【図8】図7の斜視図である。
【図9】図3の中央の原料搬送装置の原料搬出口が開いた状態を示す図ある。
【図10】前板部を取り付けた状態の図9の正面図である。
【図11】前板部を取り付けた状態の図9のもう一つの正面図である。
【図12】図11のB−B断面図である。
【図13】ラックとピニオンギヤとの噛み合い状態を示す図である。
【図14】図13のC−C断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の原料搬出装置1を採用した粉末トッピング装置Sの実施の形態について詳細に説明する。図1は粉末トッピング装置Sの斜視図、図2は粉末トッピング装置Sの縦断側面図をそれぞれ示している。本実施例における粉末トッピング装置Sは、例えば飲食店などに設置されて器に盛りつけられた飲料やデザートの上からココアやきなこ、ミルクパウダーやバニラパウダー、チョコレートパウダー、更には、フルーツなどのフレーバーパウダーなどの粉末原料を定量排出する装置である。尚、本実施例では、粉末トッピング装置Sを例に挙げて説明しているが、これに限定されるものではなく、飲料の主とした粉末原料、例えば、インスタントコーヒー等の飲料粉末であっても良いものとする。
【0026】
この粉末トッピング装置Sの本体を構成する筐体部2内に、複数の原料搬出装置1・・が配設されており、これら原料搬出装置1・・の下方に位置して、例えば、飲料やデザート等の盛りつけられた器、即ち、原料搬出装置1の後述する原料放出口13から放出される粉末原料を受容する図示しない器(以下、被トッピング物と称する)を収納する被トッピング物収納部3が構成されている。本実施例では、各図に示すように、上段に3つの原料搬出装置1・・が並設されていると共に、これと前後方向の位置がずれた状態で、下段に3つの原料搬出装置1・・が並設されている。
【0027】
上段の原料搬出装置1の各原料放出口13に対応する位置、及び、下段の原料搬出装置1の各原料放出口13に対応する位置には、粉末案内シュート103が配置されている。シュート103は各段の三つの原料搬出装置1・・に対して共用されている。即ち、各シュート103の上面開口は左右に拡開されていて、左右三つの原料搬出装置1・・の原料放出口13・・に対応可能に構成されている。また、各シュート103の下端は収束して各被トッピング物収納部3に収納された被トッピング物の上方に対応して開口している。尚、各図において100は、各被トッピング物収納部3に収納された被トッピング物の位置を適切な位置(所定の受容位置)に案内するためのガードである。各ガード100は、各被トッピング物収容部3の奥側に設けられており、各被トッピング物収容部3に載置された被トッピング物をガード100に当接させるだけで、前述した各シュート103の下端開口に被トッピング物を対応させることができる。
【0028】
また、粉末トッピング装置Sの本体を構成する筐体部2には、上段の原料搬出装置1の前面、及び、下側の原料搬送装置1の前面にそれぞれ対応する位置に階段状の前板部4が取り付けられている。各前板部4は、上起立面4Aと、その下前方に位置する下起立面4Bと(図6参照)、上起立面4Aの下端と下起立面4Bの上端に渡って設けられた接続面5とから構成されている。また、上起立面4Aの上端は後方に向かって折曲形成されている。
【0029】
そして、各前板部4の上起立面4Aには、窓部9・・が設けられており、各原料搬出装置1を構成する原料収納容器10内の残量が透視可能とされている。また、各前板部4の下起立面4Bの前面には、カバー7が着脱自在に取り付けられている。
【0030】
以下、図3乃至図14を参照して本発明の原料搬出装置1について説明する。図3は原料搬出装置1の前方斜視図、図4は原料搬出装置1(前板部4を含む)の後方斜視図、図5は左右のラック20を省略した状態の図4の正面図、図6は図5のA−A断面図(カバー7を含む)、図7は前板部4及び固定部材24を省略した状態のラック20と係合部23の正面図、図8は図7の斜視図、図9は図3の中央の原料搬出装置の原料搬出口が開いた状態を示す図、図10及び図11は前板部4を取り付けた状態の図9の正面図、図12は図11のB−B断面図、図13はラック20とピニオンギア16のかみ合い状態を示す図、図14は図13のC−C断面図をそれぞれ示している。
【0031】
原料搬出装置1は、上面を開口した矩形状の原料収納容器10を備えており、内部に粉末原料が収納される。尚、本実施例では、原料収納容器10内に収容される粉末原料の残量を、前記窓部9を介して透視可能とすべく、内部を透視可能な透明材料にて構成されている。そして、原料収納容器10は、上面開口が開閉自在の蓋11にて閉塞されている。
【0032】
原料収納容器10の前下端部には、前方に所定寸法だけ延在して構成される筒状の原料放出部12が形成され(図6)、当該前端部は開放された原料放出口13とされる。そして、この原料収容容器10の底面近傍(下部)には、当該原料放出口13から後方に延在する螺旋体15が取り付けられている。
【0033】
この螺旋体15は、回動軸15Aの周囲に螺旋状に回転羽根15Bが設けられており、この外径寸法は、原料放出部12の内径寸法と略同一(回動可能に略きっちり)とされ、その一端側(前端側)は、原料放出口13に進入している。当該螺旋体15の一端側の前端には螺旋体15と同軸的にギア部材104が連結されており、このギヤ部材104の端部(先端部)には、ピニオンギヤ16が取り付けられている。当該ピニオンギヤ16もギヤ部材104と同様に螺旋体15と同軸的に設けられている。
【0034】
そのため、後述する如くピニオンギア16が回動されることにより、螺旋体15は、回動軸15Aを中心に回転し、回転羽根15B間に充填された粉末原料は、順次原料放出口13に搬送され、この原料放出口13より放出される。尚、実施例ではピニオンギヤ16はギヤ部材104と別体としているが、ピニオンギヤ16はギヤ部材104の先端部に一体に形成されるものとしても構わない。
【0035】
また、ギヤ部材104は原料放出口13の内面と間隔を存して当該原料放出口13から原料収容容器10内に進入している。また、原料放出口13の周囲に位置して原料収容容器10には放出口部材106が取り付けられている。この放出口部材106の下面には開口106Aが形成され、シュート103の上端(上面)はこの開口106Aの下側に対応する位置にて開口している。
【0036】
一方、前述した原料放出口13は開閉部材101により開閉自在に閉塞されている。当該開閉部材101は、放出口部材106の内側において、ピニオンギヤ16のラック20と噛み合う部分との間に位置すると共に、ギヤ部材104の周囲に位置してこのギヤ部材104の軸方向に移動自在とされている。開閉部材101の内側にはピニオンギヤ16と開閉部材101間にコイルバネ107が内蔵され、常時開閉部材101は原料放出口13を閉塞する方向に付勢されている。108は開閉部材101の原料放出口13側の端面に取り付けられたパッキン(シール材)である。
【0037】
開閉部材101のピニオンギヤ16側の端部には鍔101Aが形成されており、この鍔101Aに操作部材102の上下方向の中途部分の係合部102Aが係合する。操作部材102は、ラック20の往復移動に応じて、開閉部材101をギヤ部材104の軸方向に移動させるためのものである。当該操作部材102は、ラック20及び開閉部材101に当接して設けられており、ラック20の往復移動によって動作し、開閉部材101をギヤ部材104の軸方向に移動させるよう構成されている。
【0038】
具体的には、操作部材102の下端(一端)が回動軸112においてフレーム部材111に回動自在に枢支されている。これにより、操作部材102は回動軸112を支点として、前後方向に回動可能とされている。また、操作部材102の上端は斜め前方に折曲された傾斜部102Bとされている。当該傾斜部102Bは、後述するラック20の搬出待機状態においてラック20の歯20Aの上方に取り付けられた押圧部20Bの下面に当接している。尚、操作部材102により開閉部材101をギヤ部材104の軸方向に移動させて、原料放出口13を開閉する動作については、後に詳述する。
【0039】
次に、ピニオンギア16の回動機構について説明する。各原料搬出装置1は、粉末トッピング装置Sの筐体部2内に設けられた搬出装置取付部材30により着脱自在に筐体部2内に配設される。搬出装置取付部材30は、複数、本実施例では3つの原料搬出装置1を並設可能とされており、図3及び図6に示すように、各原料搬出装置1の下方から支持する支持板部31と、各搬出装置1の前方を覆うフレーム部材111とから構成されている。
【0040】
支持板部31は、各原料搬出装置1の下方に位置する底面31Dと、図3に示すようにその底面31Dの両側縁部が上方に起立したフランジ31Aと、支持部材31の後縁にネジにて取り付けられ、原料搬出装置1の後部を押さえつけて固定する固定部材31Bとから成る。フランジ31Aは、前方に延在した後、その先端が内方に向けて略直角に折曲形成された折曲部31Cを備え、その折曲部31Cはフレーム部材111と共に、当該折曲部31Cの前面に位置する前板部4にネジ部材により固定される。
【0041】
フレーム部材111は、図6に示すように前記支持板部31の底面31Dと前板部4の間に位置している。具体的に、当該フレーム部材111は、底面31Dの前端縁に当接すると共に、当該底面31Dと垂直に交わる起立面120と、この起立面120の上端が前方に向けて略直角に折曲形成され、そこから前方に延在する上面121と、この上面121の前端が下方に向けて略直角に折曲形成され、そこから下方に延在する仕切壁部122と、当該仕切壁部122の下端が前方に向けて略直角に折曲形成された下面123にて構成されている。仕切壁部122は、原料放出口13、放出口部材106、シュート103がある領域Xと、ラック20やピニオンギヤ16がある領域Yとを前後に仕切るための仕切部材である。一方、上面121の左右両端は上方に向けて折曲形成された取付部121Aが設けられ、当該取付部121Aは支持部材31のフランジ31Aに内側から当接する。
【0042】
また、仕切壁部122の左右両端下方には所定寸法前方に延在する下方側壁部122Bが設けられており、両側壁部122間には前述した操作部材102の下端を支持する回動軸112が軸支持部材112Aを介して回動自在に枢支されている。
【0043】
そして、フレーム部材111の起立面120に形成された孔120Aには前記放出口部材106の後端が挿通されている。また、仕切壁部122に形成された孔122Cには、開閉部材101が前後方向に移動可能に挿通されている。
【0044】
一方、前板部4の下起立面4Bに形成された挿通孔4Cには、内部に収納される原料搬出装置1のピニオンギア16が挿通されている。これにより、原料搬出装置1が搬出装置取付部材30(本体)に取り付けられた状態で、原料収納容器10に設けられる螺旋体15の一端にギア部材104を介して取り付けられたピニオンギア16は、前板部4の前方に突出して設けられる(図6)。また、ピニオンギア16は、前記前板部4に往復移動自在に保持されたラック20により回転可能とされる。
【0045】
そして、前板部4の下起立面4B後方に位置してピニオンギア16と噛み合わせ可能にラック20が設けられる。具体的には、前板部4の接続面5には、ラック20の上部を挿通可能とする挿通孔5Aが形成されている。
【0046】
これにより、ラック20は、前板部4の下起立面4Bの下方からその上端を下起立面4Bの後方に形成される空間に挿入し、当該ラック20の上端を接続面5に形成された挿通孔5Aに挿通させる。そして、図10に示すようにラック20の下端部に固定された付勢部材取付部37に付勢部材としてのコイルバネ38の一端を係止させると共に、その他端を前板部4の下起立面4Bの前面に取り付けられた固定部材24の上前端に形成された図示しない付勢部材取付部に係止させる。コイルバネ38は、常時縮退する方向に付勢されている。
【0047】
また、このラック20の上部には、所定範囲にて長手方向に延在する長孔21が形成されている。ラック20が面接触する前板部4の下起立面4Bには、係合部材22が設けられており、当該長孔21をガイドとして、係合部材22を中心にラック20が往復移動可能とされている。本実施例において、当該係合部材22は、前板部4の下起立面4Bの前面に固定される係合部23(詳細は後述する)を下端に持つ固定部材24を螺合するネジ部材により固定される。
【0048】
長孔21は、当該係合部材22がコイルバネ38の縮退位置から所定の伸張位置にまで移動可能な範囲に形成される。これにより、ラック20は、常時縮退する方向に付勢されたコイルバネ38によって、その上部が所定寸法だけ常時突出した状態に付勢されると共に、このコイルバネ38の付勢力に抗してラック20の上部を長孔21の上縁部が係合部材22に突き当たるまでの範囲で押し込むことが可能となる。従って、ラック20は、所定の範囲で、筐体部2(本体)に往復移動自在に設けられる。
【0049】
また、本実施例では、ピニオンギア16の歯と噛み合わせられるラック20の歯20Aは、ピニオンギア16側の側面に長手方向に延在して所定寸法形成されている。特に、本実施例において、歯20Aはピニオンギア16側となるラック20の側面の下端まで形成されておらず、下端は平坦面20Cとされている(図7、図8)。更に、歯20Aの上方には押圧部20Bが取り付けられている。当該押圧部20Bは、後述するラック20の搬出待機状態において、操作部材102の傾斜部102Bに上から当接している。
【0050】
このため、ラック20を押し下げると、押圧部20Bが操作部材102を上から押すので、操作部材102は図12のように上側が前方に移動するように回動する。これにより、開閉部材101は前方に移動し、原料放出口13を開放する。操作部材102は開閉部材101をラック20が戻るまでの間、開けておくので、螺旋体15は後述するようにラック20が戻るときに回動し、粉末原料が搬出される。
【0051】
一方、上記コイルバネ38の他端が係止される付勢部材取付部は、図10に示すように、ラック20とピニオンギア16との接触位置よりもピニオンギア16の軸側に位置して設けられると共に、ラック20の下端部に設けられ、コイルバネ38の一端が係止される付勢部材取付部37は、よりピニオンギア16から離間した位置に設けられる。そのため、ラック20は、係合部材22を中心に反時計方向に回動するようにして、ピニオンギア16側に付勢されている。
【0052】
ここで、往復移動するラック20の当該ラック20の歯20Aと、ピニオンギア16との噛み合いを制御するラック移動規制手段について図6乃至図12を参照して説明する。本実施例におけるラック移動規制手段は、ラック20側に形成される溝25、26と、本体、この場合、固定部材24に設けられた係合部23とから構成される。
【0053】
前板部4の下起立面4Bの前面には、上述したように固定部材24によって係合部23が設けられている。固定部材24は、図6、図10乃至図12に示すように下方に向けて開口する断面略コ字状に折曲形成された弾性体、この場合、板バネ部材にて構成されており、一面が前板部4の下起立面4Bに当接して、上記の如く係合部材22を介して固定される。他面は、下方に所定寸法延在して構成され、その下端には、下起立面4Bに突出して形成される係合部23が設けられている。固定部材24は、弾性体で構成されているため、係合部23は、下起立面4B側(即ち、後方)に常時付勢されている。
【0054】
ここで、前板部4の下起立面4Bの当該係合部23に対応する位置には、係合部23を下起立面4Bの後方に位置するラック20側に突出させるための係合部用孔4D(図10に破線で一箇所だけ示す)が形成されている。従って、下起立面4Bの前側に位置する固定部材24に設けられた係合部23は、当該係合部用孔4Dを介して、図8に示すように所定寸法だけラック20側(後側。本体側)に突出して設けられる。
【0055】
一方、ラック20の下起立面4B側(係合部23側。前側)の面には、ピニオンギア16からの距離が異なる第1の溝25と、第2の溝26が長手方向に延在して形成されている。これら溝25、26は、長手方向に延在する仕切壁27によって区画形成されると共に、これらの上端部及び下端部は、それぞれ貫通孔(連続部)28、29において連続して形成される。これにより、前板部4の下起立面4Bからラック20側(本体内)に突出して設けられた係合部23は、第1の溝25、上部貫通孔28、第2の溝26、下部貫通孔29を連続して移動可能とされる。
【0056】
本実施例においてピニオンギア16に近い方(歯20A側)の溝を第1の溝25とし、ピニオンギア16から遠い方の溝を第2の溝26とする。第2の溝26は、図7及び図8に示すように、上部貫通孔28の下縁(溝26上縁)から下方に行くに従って徐々に溝が浅くなるように底面が高く傾斜した傾斜面26Aが形成された後、その傾斜面26Aの下端は、当該底面高さを維持した平坦面26Bとされ、その下端は、下部貫通孔29によって段差形状とされている。また、この平坦面26Bの下端及び下部貫通孔29の上縁は、上方に向けて所定角度にて傾斜して形成された係合部案内部40とされている。
【0057】
また、第1の溝25は、図7に示すように、下部貫通孔29の上縁(溝25下縁)から上方に行くに従って徐々に溝が浅くなるように底面が高く傾斜した傾斜面25Aが形成された後、その傾斜面25Aの上端は、当該底面高さを維持した平坦面25Bとされ、その側端(ピニオンギア16側とは反対側端部)は、上部貫通孔28によって段差形状とされている。また、この平坦面25Bの上端及び上部貫通孔28の上縁は、一連して上方に向けて所定角度にて傾斜して形成された係合部案内部41とされている。
【0058】
上述した構成により、ラック20の往復動作によってピニオンギア16を回動させ、これにより粉末原料を所定量搬出する動作と、当該ラック20の往復動作によって操作部材102を回動させて開閉部材101を移動させ、これにより放出口部材106を開閉する動作について説明する。図3、図7及び図8は、ラック20の搬出待機状態を示している。
【0059】
図9乃至図12は3つのラック20・・のうち、中央に位置するラック20が、当該ラック20の下方への押し込み動作によって、係合部23(図9乃至図11では図示せず)が第1の溝25の上部に移動した状態をそれぞれ示している。
【0060】
粉末原料の搬出待機状態では、図3、図7、図8及び上述したように、ラック20は、一端がラック20の下端部に係止され、他端が前板部4の下起立面4Bの前面に取り付けられた固定部材24の上前端に係止されたコイルバネ38の付勢力によってその上端が前板部4の接続面5の挿通孔5Aより上方に所定寸法突出した状態で保持される。
【0061】
このとき、係合部材22は、ラック20の長孔21の下縁に当接されて、コイルバネ38の常時縮退する方向に付勢された付勢力によってそれ以上、上昇位置とされないように規制されている。また、この状態で、固定部材24の付勢力によって後方、即ち、ラック20側に常時付勢された係合部23は、ピニオンギア16側から離れた方に位置する第2の溝26の略下方に位置するラック20の下部貫通孔29内に係止された状態とされている。尚、この搬出待機状態では、ラック20の押圧部20Bは、前述したように操作部材102の傾斜部102Bに上から当接した状態である。
【0062】
粉末原料を搬出する際には、コイルバネ38の付勢力に抗してラック20の上部を下方向に押し込む(往動作)。当該ラック20の下方への押し込み動作により、押圧部20Bが操作部材102を上から押すので、操作部材102は図9及び12のように上側が前方に移動するように回動する。これにより、図12に示すように開閉部材101は前方に移動し、原料放出口13を開放する。
【0063】
一方、上記ラック20の押し込み動作により、ラック20は下部貫通孔29内に位置する係合部23によって、下部貫通孔29の上縁の傾斜形状に沿ってピニオンギア16側に位置する第1の溝25側に軌道が切り替わる。
【0064】
これにより、ラック20の下部が係合部23の係合部案内部40のガイドによってピニオンギア16から離間する方向に移動し、ラック20の歯20Aと、ピニオンギア16との噛み合わせが解除された状態とされる。
【0065】
ラック20の更なる押し込み動作(往動作)によってピニオンギア16とラック20の歯20Aとの噛み合わせが解除された状態を維持しながら、係合部23は第1の溝25内に進入していき、板バネ(固定部材24)によって常時ラック20側に付勢されている係合部23は、第1の溝25の下端に形成された傾斜面25Aに沿って上昇していき、平坦面25Bに至る。尚、傾斜面25Aに沿って係合部23が上昇していく過程では、仕切壁27によって第1の溝25と、第2の溝26とが区画されているため、係合片23が第1の溝25内から第2の溝26への移動が規制される。
【0066】
尚、この状態で、ラック20の押し込み動作を解除した場合には、ピニオンギア16とラック20の歯20Aとが噛み合わされることなく、コイルバネ38の付勢力により、係合部23が同一の軌道、即ち、第1の溝25を辿って元の状態に戻る。
【0067】
ここで、上述したようにラック20を保持しているコイルバネ38は、図10から分かるように上端がラック20とピニオンギア16との接触位置よりもピニオンギア16の軸側に位置して前板部4の下起立面4Bの前面に取り付けられた固定部材24の上前端の図示しない付勢部材取付部に係止されていると共に、下端がよりピニオンギア16から離間した位置の付勢部材取付部37に係止されている。
【0068】
これにより、平坦面25Bに至った係合部23は、第1の溝25と第2の溝26とを区画する仕切壁27を超えた時点で、開放されている第2の溝26側上方に位置する上部貫通孔28側に落ち込み、係合部23の軌道が第1の溝25から第2の溝26に切り替わる。
【0069】
このとき、係合部23は、下起立面4B側からラック20側に向けて固定部材24により付勢されて設けられているため、平坦面25Bの高さ位置から解除された状態で上部貫通孔28から後方に突出する。これにより、係合部23は、後方に突出する側に付勢されているため、第1の溝25を構成する平坦面25Bへ戻ることが規制された状態となる。
【0070】
そして、当該係合部23がピニオンギア16から離れた位置に形成される第2の溝26の上方に位置する上部貫通孔28内に係止されることで、コイルバネ38によりラック20全体がピニオンギア16側に付勢され、この状態で、ピニオンギア16とラック20の歯20Aとが噛み合わされる。
【0071】
この状態で、係合部材22は、ラック20の長孔21の上縁に当接し、それ以上の押し込み動作が規制される。そのため、作業者がラック20の押し込み動作を解除すると、コイルバネ38の付勢力に抗する力が解除されるため、縮退する方向に付勢されたコイルバネ38の付勢力によってラック20の下端が持ち上げられ、ラック20が復動(上昇)する。
【0072】
このとき、係合部23は、ピニオンギア16から離れた位置に形成される第2の溝26内に進入し、常時ラック20側に付勢されている係合部23は、第2の溝26の上端に形成された傾斜面26Aに沿って降下していき、平坦面26Bに至る。そして、コイルバネ38の付勢力によって、更にラック20が引き上げられ、平坦面26Bの下端に位置した係合部23は、下部貫通孔29内に落ち込み、図3、図7及び図8に示すような搬出待機状態(初期状態)に戻る。
【0073】
このようなラック20のコイルバネ38の付勢力による復帰動作によって、ラック20の歯20Aと噛み合わされたピニオンギア16は、ラック20の移動によって噛み合わされた分だけピニオンギア16を回転させる。これにより、当該ピニオンギア16と同軸的に設けられた螺旋体15が粉末原料を放出する向きに所定量だけ回転され、螺旋体15の回転羽根15B間に充填された粉末原料は原料放出口13に搬送され、当該原料放出口13から放出される。原料放出口13から放出された粉末原料は、放出口部材106及びその下面に形成された開口106A、粉末案内シュート103を介して被トッピング物収納部3内に収納された図示しない被トッピング物上に払い出される。
【0074】
また、前述したようにラック20の歯20Aは、ラック20の側面の下端まで形成されておらず、下端は平坦面20Cとされているため、ピニオンギア16が当該歯20Aの下端まで来ると(図13)、ピニオンギア16の回転は停止する。この状態において、ラック20は上昇し切っておらず(即ち、図3、図7及び図8に示すような搬出待機状態(初期状態)に戻っておらず)、未だ、開閉部材101が開いた状態である(図14)。
【0075】
即ち、螺旋体15の回転はラック20が上昇しきる前に停止する。これにより、粉末原料の搬出動作が停止される。このとき、開閉部材101は未だ開いた状態である(図13)。その後、ラック20は更に上昇して、所定の搬出待機状態(初期状態)に戻る。
【0076】
このように、本実施例では、前板部4(本体)にラック20を往復移動自在に保持し、ラック20が下方向に押し込まれる往動時には、ピニオンギア16との噛み合いを不能とし、ラック20の復動時には、当該ピニオンギア16と噛み合わせることで、一連のラック20の往復動作によって、ピニオンギア16と同軸的に設けられ、粉末原料の放出を可能とする螺旋体15を粉末原料を放出する方向に所定量だけ回転させることができ、粉末原料の定量搬出を実現することができる。
【0077】
そして、本実施例では、ラック20は手動によって往動させ、コイルバネ38の付勢力によって復動させることにより、ピニオンギア16をこれと噛み合うラック20の寸法(ラック20の歯20Aが形成されている部分の寸法)によって定量分だけ螺旋体15を回転させて原料放出口13から定量の粉末原料を放出させることが可能となる。そのため、格別にモータ等を用いて螺旋体15の回転時間の制御を行うことなく所定量の粉末原料の放出が可能となる。これにより、電動部材を用いることなく所定量の粉末原料の放出が可能となり、装置全体の構造を簡素化することができると共に、電源が確保できない場所であっても設置することが可能となる。
【0078】
また、本実施例では、ピニオンギア16とこれと噛み合うラック20の寸法によって、一回の動作によって、ごく僅かの量、例えば0.2〜0.3g程度の粉末原料を定量搬出することができる。また、ラック20は、コイルバネ38により、常時、前板部4の接続面5の上面より上方に突出した状態に付勢されており、このコイルバネ38に抗して下方向に押し込むことで、往復移動が可能とされているので、操作性の向上を図ることができる。
【0079】
特に、原料放出口13を開閉自在に閉塞する開閉部材101を設けたので、原料放出口13において粉末原料が外気と接触することによる吸湿を抑制し、固着による搬出不良の発生を効果的に解消することが可能となる。また、本実施例のように、複数の原料収容容器(本実施例では左右に3つ)10を設けて複数種類の粉末原料を搬出する場合であっても、粉末原料の搬出中に振動などによって他の粉末原料が搬出されて混入してしまう不都合や装置全体にかけられた衝撃や振動により粉末原料が搬出されて、被トッピング物(原料放出口13から放出される粉末原料を受容する器)を収納する被トッピング物収納部3や装置設置床面を汚してしまう不都合も解消することができる。
【0080】
また、ラック20の往復移動に連動して原料放出口13を開閉するので、粉末原料の搬出時に別途開閉部材101を開閉操作する必要が無くなり、操作性が著しく向上する。更に、上述したように原料放出口13より粉末原料を放出する向きに螺旋体15を回転させる方向にラック20が移動する際の当該ラック20とピニオンギヤ16との噛み合いは、開閉部材101が原料放出口13を閉じきる以前に終了するよう構成したので、開閉部材101が原料放出口13を閉じきる以前に螺旋体15の回転は停止することになる。これにより、開閉部材101が原料放出口13を閉じる際に螺旋体15が回転していることによって粉末原料が開閉部材101と原料放出口13間に詰まってしまう不都合を未然に回避し、円滑な搬出を実現することが可能となる。
【0081】
更に、ピニオンギヤ16は、原料放出口13に進入して螺旋体15の一端に同軸的に連結されたギヤ部材104の先端部に設けられており、開閉部材101は、ギヤ部材104の周囲に位置して当該ギヤ部材104の軸方向に移動自在に設けられ、ラック20の往復移動により移動されて原料放出口13を開閉するので、ラック20の往復移動に連動して開閉部材101により原料放出口13を開閉する装置全体を小型化することが可能となる。
【0082】
更にまた、ラック20の往復移動によって動作し、開閉部材101をギヤ部材104の軸方向に移動させる操作部材102をラック20及び開閉部材101に当接して設けたので、簡単な構成によりラック20の往復移動に連動して確実に開閉部材101を移動させ、原料放出口13を開閉することができるようになる。
【0083】
更に、フレーム部材111の仕切壁部122により、ラック20及びピニオンギヤ16が存在する領域Yと、原料放出口が存在する領域Xとを仕切ったので、ラック20やピニオンギヤ16の動作や噛み合いによって発生する摩耗粉等の塵埃が、原料放出口13から搬出される粉末原料に混入する不都合や粉末原料がラック20やピニオンギヤ16の噛み合い部に付着し、原料粉末の搬出動作が阻害される不都合を解消することができる。
【0084】
尚、上述した本実施例の構造では、ラック20の往復移動に連動して開閉部材101が移動されて原料放出口13を開閉するものとしたが、本発明は係る構成に限らず、被トッピング物(原料放出口から放出される粉末原料を受容する器)を、所定の受容位置に配置したことに応じて原料放出口を開放し、この受容位置より撤去したことに応じて原料放出口を閉塞するものとしても有効である。係る構成について、具体的に一例を挙げて説明すると、例えば、ガード100を前後に移動自在に構成する。この場合、被トッピング物が被トッピング物収納部3に載置されていない状態では、このガード100は前方に位置した状態であり、被トッピング物を被トッピング物収納部3に載置し、ガード100に当接させて後方に移動させることで、所定の受容位置である前述した各シュート103の下端開口に被トッピング物を対応させることができるものとする。
【0085】
更に、ガード100と開閉部材101間には前述した実施例の操作部材102と同様の操作部材を配置する。そして、上述のように被トッピング物を被トッピング物収納部3に載置し、ガード100に当接させて、後方に移動させる動作に連動して、操作部材が開閉部材101をギヤ部材104の軸方向(前方)に移動させて、原料放出口13を開放する。そして、被トッピング物が被トッピング物収納部3の上述した受容位置(即ち、各シュート103の下端開口に対応した位置)から撤去されると、ガード100が前方に移動する動作に連動して、操作部材が開閉部材101をギヤ部材104の軸方向(後方)に移動させて、原料放出口13を閉塞する。
【0086】
上述のように、開閉部材101を、被トッピング物が所定の受容位置に配置したことに応じて原料放出口13を開放し、この受容位置より撤去したことに応じて原料放出口13を閉塞するように構成した場合であっても、前記実施例の構成と同様に、粉末原料の搬出時に別途開閉部材101を開閉操作する必要が無くなり、操作性の向上を図ることができるようになる。
【0087】
尚、本実施例では、ラック20を手動により往動させているが、例えば、ソレノイドによって往動させても良い。これにより、従来の如く螺旋体15の回転時間を制御する必要が無くなり、粉末原料の払出指示を行うのみで、定量の粉末原料を放出でき、装置全体の構造を簡素化することができる。また、ラック20をモータにて移動させる場合であっても、ラックの往復移動を検出することにより、回転時間の制御を行うことなく、粉末原料の定量搬出を実現することもできる。
【0088】
また、本実施例では、ピニオンギア16からの距離が異なると共に、両端部にて連続する第1の溝25と、第2の溝26が形成されたラック20と、前述した係合部23によりラック移動規制手段を構成し、ラック20が往動する際、係合部23はピニオンギア16側に位置する第1の溝25内を移動し、復動する際にはピニオンギア16から離れた第2の溝26内を移動することにより、簡単な構造にて、復動する場合のみ、ピニオンギア16とラック20の歯20Aとを噛み合わせて、原料放出口13より粉末原料を放出する向きに螺旋体15を回転させる方向にのみ回転させることができる。
【0089】
尚、本実施例では、第1の溝25及び第2の溝26をラック20に設け、係合部23を固定部材24に設けているが、これに限定されるものではなく、固定部材24に第1の溝及び第2の溝を形成し、ラック20に係合部を設ける構成としても良い。この場合、ラック20の往動時には、ピニオンギア16から離れた側の溝を係合部が通過し、復動時には、ピニオンギア16に近い側の溝を通過するものとする。
【0090】
更に本実施例では、ラック20が下方向に押し込まれて往動する際に、係合部23は両溝のうちのピニオンギア16側に位置する第1の溝25内を移動し、端部まで押し込まれた後、コイルバネ38の付勢力により復動する際、係合部23は、他方のピニオンギア16から離れた位置の第2の溝26内を移動し、これにより、ラック20とピニオンギア16とを噛み合わせて、原料放出口13より粉末原料を放出する向きに螺旋体15を回転させる。この場合、係合部23を往動時に移動する第1の溝25の端部にまで移動させて、上部貫通孔28、更には、第2の溝26内に移動しない限り、ラック20とピニオンギア16との噛み合わせをしない構造とすることができる。
【0091】
これにより、ラック20の往動時において、係合部23が端部に至り、上部貫通孔28に落ち込むまで、押し込み動作が充分に行われない場合には、係合部23は、第1の溝25内のみを移動することとなり、ピニオンギア16を回転させることができない構成とすることができる。
【0092】
そのため、ラック20を適切な位置まで押し込まない限り、粉末原料が搬出されない構成とすることができるため、定量よりも少ない量しかピニオンギア16を回転させず、定量よりも少ない量の粉末原料が排出されてしまう不都合を解消できる。
【0093】
従って、使用者にはラック20を適切な位置まで押し込むことを促すことができ、確実にラック20を所定量移動させた場合にのみ、粉末原料の放出を可能とすることで、粉末原料の定量搬出を確実なものとすることができる。
【0094】
尚、本出願において特許請求の範囲に追加可能な構成要件としては下記の三つが考えられる。
【0095】
(特許請求の範囲に追加可能な構成1)
前記ラック移動規制手段は、前記ラック、又は、本体のうちの何れか一方に形成され、前記ピニオンギヤからの距離が異なる第1及び第2の溝と、他方に設けられた係合部とを有し、
前記両溝は端部において連続しており、前記ラックが往動する際、前記係合部は前記第1の溝内を移動し、復動する際には前記第2の溝内を移動するよう構成され、前記係合部が前記両溝のうちの何れか一方の溝内を移動する場合のみ、前記ラックは前記ピニオンギヤに噛み合う。
【0096】
係る構成によれば、簡単な構造にて、ラックの往復移動により、当該ラックと噛み合わされるピニオンギアを、原料放出口より粉末原料を放出する向きに螺旋体を回転させる方向にのみ回転させることができる。
【0097】
(特許請求の範囲に追加可能な構成2)
前記ラックは、前記本体より突出して設けられ、付勢手段により常時突出した状態に付勢されており、当該付勢手段に抗して前記本体内に押し込むことで、前記往復移動が可能とされている。
【0098】
係る構成によれば、付勢手段に抗して手動にてラックを本体側に押し込むことで往動させ、これを離すことで付勢手段の付勢力によってラックを本体側から吐出させる復動を実現することができる。これにより、操作性の向上を図ることができる。
【0099】
(特許請求の範囲に追加可能な構成3)
前記ラックが前記本体内に押し込まれて往動する際、前記係合部は前記両溝のうちの他方の溝内を移動し、端部まで押し込まれた後、前記付勢手段の付勢力により復動する際、前記係合部は前記一方の溝内を移動する。
【0100】
係る構成によれば、ラックが復動する際に当該ラックとピニオンギアとを噛み合わせ原料放出口より粉末原料を放出する向きに螺旋体を回転させるものとしている場合、ラックの移動によって、係合部を往動時に位置する他方の溝内の端部にまで移動し一方の溝内に移動しない限り、ラックとピニオンギアとを噛み合わせしない構造とすることができる。
【0101】
これにより、ラックの移動が所定量行われず、係合部が往動時に位置する他方の溝内のみを移動する場合には、ピニオンギアを回転させることができずに、粉末原料の放出が行われないこととなる。従って、確実にラックを所定量移動させた場合にのみ、粉末原料の放出を可能とすることで、粉末原料の定量搬出を確実なものとすることができる。
【符号の説明】
【0102】
S 粉末トッピング装置
1 原料搬出装置
2 筐体部
3 被トッピング物収納部
4 前板部
4A 上起立面
4B 下起立面
4C 挿通孔
5 接続面
5A 挿通孔
7 カバー
9 窓部
10 原料収納容器
11 蓋
12 原料放出部
13 原料放出口
15 螺旋体
15A 回動軸
15B 回転羽根
16 ピニオンギア
20 ラック
20A 歯
20B 押圧部
20C 平坦面
21 長孔
22 係合部材
23 係合部
24 固定部材
25 26 溝
25A、26A 傾斜面
25B、26B 平坦面
27 仕切壁
28、29 貫通孔
30 搬出装置取付部材
31 支持板部
31A フランジ
31B 固定部材
31C 折曲部
37 付勢部材取付部
38 付勢部材(コイルバネ)
40、41 係合部案内部
100 ガード
101 開閉部材
101A 鍔
102 操作部材
102A 係合部
103 粉末案内シュート
106 放出口部材
107 コイルバネ
108 パッキン
111 フレーム部材
112 回動軸
120 起立面
121 上面
122 仕切壁部
122B 下方側壁部
122C 孔
123 下面
【技術分野】
【0001】
本発明は、一定量の粉末原料を搬出することを可能とする原料搬出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、飲料製造装置において飲料原料として粉末原料を採用している場合、当該粉末原料は、原料収納容器内に収納され、この原料収納容器の底面近傍に奥方から排出口に向けて延在している粉排出機構によって粉の排出制御が行われる。
【0003】
例えば、特許文献1の原料搬出装置では、原料収納容器の下部に螺旋体が設けられ、この螺旋体の一端側に原料出口が構成され、他端に設けられたモータによって螺旋体の回転駆動が行われ、当該回転量を制御することで、粉の排出制御が行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−251237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した如き原料搬出装置では、モータの駆動時間などによって螺旋体の回転量を制御していた。そのため、手動による定量搬出を行うことができず、原料搬出装置には、電源手段を備えることが必須であった。
【0006】
そのため、装置自体の制御構造が複雑となり、コストの高騰を招来する。特に、複数種類の原料を搬出可能とする原料搬出装置では、原料の種類毎に螺旋体を回転駆動させるためのモータが必要となり、より制御装置が複雑となり、コスト高となる。
【0007】
本発明は、従来の技術的課題を解決するためになされたものであり、モータ等の駆動手段を用いることなく螺旋体を所定量回転させることで、定量の原料粉末を搬出可能とする原料搬出装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の原料搬出装置は、本体に設けられて粉末原料を収容する原料収容容器と、この原料収容容器の下部に設けられた螺旋体と、この螺旋体の一端側に形成された原料放出口とを備え、螺旋体の回転により、原料収容容器内の粉末原料を前記原料放出口に搬送して放出するものであって、原料放出口を開閉自在に閉塞する開閉部材と、螺旋体に同軸的に設けられたピニオンギヤと、本体に往復移動自在に保持され、ピニオンギヤに噛み合い可能に設けられたラックと、このラックが往復移動する際の当該ラックとピニオンギヤとの噛み合いを制御するラック移動規制手段とを備え、このラック移動規制手段は、原料放出口より粉末原料を放出する向きに螺旋体を回転させる方向にラックが移動する場合のみ、このラックをピニオンギヤに噛み合わせることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、上記発明において、開閉部材は、ラックの往復移動に連動して原料放出口を開閉することを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2に記載の発明において、原料放出口より粉末原料を放出する向きに螺旋体を回転させる方向にラックが移動する際の当該ラックとピニオンギヤとの噛み合いは、開閉部材が前記原料放出口を閉じきる以前に終了するよう構成したことを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3に記載の発明において、ピニオンギヤは、原料放出口に進入して螺旋体の一端に同軸的に連結されたギヤ部材の先端部に設けられており、開閉部材は、ギヤ部材の周囲に位置して当該ギヤ部材の軸方向に移動自在に設けられ、ラックの往復移動により移動されて原料放出口を開閉することを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項4に記載の発明において、ラックに設けられ、ラックの往復移動によって動作し、開閉部材をギヤ部材の軸方向に移動させる操作部材を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1に記載の発明において、開閉部材は、原料放出口から放出される粉末原料を受容する器を、所定の受容位置に配置したことに応じて原料放出口を開放し、この受容位置より撤去したことに応じて原料放出口を閉塞することを特徴とする。
【0014】
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6のうちの何れかに記載の発明において、ラック及びピニオンギヤが存在する領域と、原料放出口が存在する領域とを仕切る仕切部材を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、本体に設けられて粉末原料を収容する原料収容容器と、この原料収容容器の下部に設けられた螺旋体と、この螺旋体の一端側に形成された原料放出口とを備え、螺旋体の回転により、原料収容容器内の粉末原料を原料放出口に搬送して放出する原料搬出装置であって、原料放出口を開閉自在に閉塞する開閉部材と、螺旋体に同軸的に設けられたピニオンギヤと、本体に往復移動自在に保持され、ピニオンギヤに噛み合い可能に設けられたラックと、このラックが往復移動する際のこのラックとピニオンギヤとの噛み合いを制御するラック移動規制手段とを備え、このラック移動規制手段は、原料放出口より粉末原料を放出する向きに螺旋体を回転させる方向にラックが移動する場合のみ、このラックをピニオンギヤに噛み合わせるので、ラックを往復移動させることで、ピニオンギヤにより粉末原料を放出する方向に所定量だけ回転させることができ、粉末原料の定量搬出を実現することができる。
【0016】
また、ラックは手動によって往復動させることにより、ピニオンギアをこれと噛み合うラックの寸法(ラックの歯が形成されている部分の寸法)によって定量分だけ螺旋体を回転させて原料放出口から定量の粉末原料を放出させることが可能となる。このため、格別にモータ等を用いて螺旋体の回転時間の制御を行うことなく定量の粉末原料の放出が可能となる。これにより、電動部材を用いることなく所定量の粉末原料の放出が可能となり、装置全体の構造を簡素化することができると共に、電源が確保できない場所であっても設置することが可能となる。
【0017】
特に、本願発明では原料放出口を開閉自在に閉塞する開閉部材を設けたので、原料放出口において粉末原料が外気と接触することによる吸湿を抑制し、固着による搬出不良の発生を効果的に解消することが可能となる。また、複数の原料収容容器を設けて複数種類の粉末原料を搬出する場合に、粉末原料の搬出中に振動などによって他の粉末原料が搬出されて混入してしまう不都合や装置全体にかけられた衝撃や振動により粉末原料が搬出されて、原料放出口から放出される粉末原料を受容する器を置く収納部や装置設置床面を汚してしまう不都合も解消することができるようになるものである。
【0018】
請求項2の発明によれば、上記に加えて開閉部材は、ラックの往復移動に連動して原料放出口を開閉するので、粉末原料の搬出時に別途開閉部材を開閉操作する必要が無くなり、操作性が著しく向上するものである。
【0019】
請求項3の発明によれば、上記に加えて原料放出口より粉末原料を放出する向きに螺旋体を回転させる方向にラックが移動する際の当該ラックとピニオンギヤとの噛み合いは、開閉部材が原料放出口を閉じきる以前に終了するよう構成したので、開閉部材が原料放出口を閉じきる以前に螺旋体の回転は停止することになる。これにより、開閉部材が原料放出口を閉じる際に螺旋体が回転していることによって粉末原料が開閉部材と原料放出口間に詰まってしまう不都合を未然に回避し、円滑な搬出を実現することが可能となる。
【0020】
請求項4の発明によれば、請求項2又は請求項3に加えてピニオンギヤは、原料放出口に進入して螺旋体の一端に同軸的に連結されたギヤ部材の先端部に設けられており、開閉部材は、ギヤ部材の周囲に位置して当該ギヤ部材の軸方向に移動自在に設けられ、ラックの往復移動により移動されて原料放出口を開閉するので、ラックの往復移動に連動して開閉部材により原料放出口を開閉する装置全体を小型化することが可能となる。
【0021】
請求項5の発明によれば、上記に加えてラックに設けられ、ラックの往復移動によって動作し、開閉部材をギヤ部材の軸方向に移動させる操作部材を設けたので、簡単な構成によりラックの往復移動に連動して確実に開閉部材を移動させ、原料放出口を開閉することができるようになる。
【0022】
請求項6の発明によれば、請求項1に加えて開閉部材は、原料放出口から放出される粉末原料を受容する器を、所定の受容位置に配置したことに応じて原料放出口を開放し、該受容位置より撤去したことに応じて原料放出口を閉塞するようにしたので、これによっても粉末原料の搬出時に別途開閉部材を開閉操作する必要が無くなり、操作性が著しく向上するものである。
【0023】
請求項7の発明によれば、上記各発明に加えてラック及びピニオンギヤが存在する領域と、原料放出口が存在する領域とを仕切る仕切部材を設けたので、ラックやピニオンギヤの動作や噛み合いによって発生する摩耗粉等の塵埃が、原料放出口から搬出される粉末原料に混入する不都合や粉末原料がラックやピニオンギヤの噛み合い部に付着し、原料粉末の搬出動作が阻害される不都合を解消することができるようになるものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】粉末トッピング装置の斜視図である。
【図2】図1の粉末トッピング装置の縦断側面図である。
【図3】原料搬出装置の前方斜視図である。
【図4】原料搬出装置の後方斜視図である。
【図5】ラックを一部省略した状態の原料搬出装置の正面図である。
【図6】図5のA−A断面図である。
【図7】前板部を省略した状態のラックと係合部の正面図である。
【図8】図7の斜視図である。
【図9】図3の中央の原料搬送装置の原料搬出口が開いた状態を示す図ある。
【図10】前板部を取り付けた状態の図9の正面図である。
【図11】前板部を取り付けた状態の図9のもう一つの正面図である。
【図12】図11のB−B断面図である。
【図13】ラックとピニオンギヤとの噛み合い状態を示す図である。
【図14】図13のC−C断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の原料搬出装置1を採用した粉末トッピング装置Sの実施の形態について詳細に説明する。図1は粉末トッピング装置Sの斜視図、図2は粉末トッピング装置Sの縦断側面図をそれぞれ示している。本実施例における粉末トッピング装置Sは、例えば飲食店などに設置されて器に盛りつけられた飲料やデザートの上からココアやきなこ、ミルクパウダーやバニラパウダー、チョコレートパウダー、更には、フルーツなどのフレーバーパウダーなどの粉末原料を定量排出する装置である。尚、本実施例では、粉末トッピング装置Sを例に挙げて説明しているが、これに限定されるものではなく、飲料の主とした粉末原料、例えば、インスタントコーヒー等の飲料粉末であっても良いものとする。
【0026】
この粉末トッピング装置Sの本体を構成する筐体部2内に、複数の原料搬出装置1・・が配設されており、これら原料搬出装置1・・の下方に位置して、例えば、飲料やデザート等の盛りつけられた器、即ち、原料搬出装置1の後述する原料放出口13から放出される粉末原料を受容する図示しない器(以下、被トッピング物と称する)を収納する被トッピング物収納部3が構成されている。本実施例では、各図に示すように、上段に3つの原料搬出装置1・・が並設されていると共に、これと前後方向の位置がずれた状態で、下段に3つの原料搬出装置1・・が並設されている。
【0027】
上段の原料搬出装置1の各原料放出口13に対応する位置、及び、下段の原料搬出装置1の各原料放出口13に対応する位置には、粉末案内シュート103が配置されている。シュート103は各段の三つの原料搬出装置1・・に対して共用されている。即ち、各シュート103の上面開口は左右に拡開されていて、左右三つの原料搬出装置1・・の原料放出口13・・に対応可能に構成されている。また、各シュート103の下端は収束して各被トッピング物収納部3に収納された被トッピング物の上方に対応して開口している。尚、各図において100は、各被トッピング物収納部3に収納された被トッピング物の位置を適切な位置(所定の受容位置)に案内するためのガードである。各ガード100は、各被トッピング物収容部3の奥側に設けられており、各被トッピング物収容部3に載置された被トッピング物をガード100に当接させるだけで、前述した各シュート103の下端開口に被トッピング物を対応させることができる。
【0028】
また、粉末トッピング装置Sの本体を構成する筐体部2には、上段の原料搬出装置1の前面、及び、下側の原料搬送装置1の前面にそれぞれ対応する位置に階段状の前板部4が取り付けられている。各前板部4は、上起立面4Aと、その下前方に位置する下起立面4Bと(図6参照)、上起立面4Aの下端と下起立面4Bの上端に渡って設けられた接続面5とから構成されている。また、上起立面4Aの上端は後方に向かって折曲形成されている。
【0029】
そして、各前板部4の上起立面4Aには、窓部9・・が設けられており、各原料搬出装置1を構成する原料収納容器10内の残量が透視可能とされている。また、各前板部4の下起立面4Bの前面には、カバー7が着脱自在に取り付けられている。
【0030】
以下、図3乃至図14を参照して本発明の原料搬出装置1について説明する。図3は原料搬出装置1の前方斜視図、図4は原料搬出装置1(前板部4を含む)の後方斜視図、図5は左右のラック20を省略した状態の図4の正面図、図6は図5のA−A断面図(カバー7を含む)、図7は前板部4及び固定部材24を省略した状態のラック20と係合部23の正面図、図8は図7の斜視図、図9は図3の中央の原料搬出装置の原料搬出口が開いた状態を示す図、図10及び図11は前板部4を取り付けた状態の図9の正面図、図12は図11のB−B断面図、図13はラック20とピニオンギア16のかみ合い状態を示す図、図14は図13のC−C断面図をそれぞれ示している。
【0031】
原料搬出装置1は、上面を開口した矩形状の原料収納容器10を備えており、内部に粉末原料が収納される。尚、本実施例では、原料収納容器10内に収容される粉末原料の残量を、前記窓部9を介して透視可能とすべく、内部を透視可能な透明材料にて構成されている。そして、原料収納容器10は、上面開口が開閉自在の蓋11にて閉塞されている。
【0032】
原料収納容器10の前下端部には、前方に所定寸法だけ延在して構成される筒状の原料放出部12が形成され(図6)、当該前端部は開放された原料放出口13とされる。そして、この原料収容容器10の底面近傍(下部)には、当該原料放出口13から後方に延在する螺旋体15が取り付けられている。
【0033】
この螺旋体15は、回動軸15Aの周囲に螺旋状に回転羽根15Bが設けられており、この外径寸法は、原料放出部12の内径寸法と略同一(回動可能に略きっちり)とされ、その一端側(前端側)は、原料放出口13に進入している。当該螺旋体15の一端側の前端には螺旋体15と同軸的にギア部材104が連結されており、このギヤ部材104の端部(先端部)には、ピニオンギヤ16が取り付けられている。当該ピニオンギヤ16もギヤ部材104と同様に螺旋体15と同軸的に設けられている。
【0034】
そのため、後述する如くピニオンギア16が回動されることにより、螺旋体15は、回動軸15Aを中心に回転し、回転羽根15B間に充填された粉末原料は、順次原料放出口13に搬送され、この原料放出口13より放出される。尚、実施例ではピニオンギヤ16はギヤ部材104と別体としているが、ピニオンギヤ16はギヤ部材104の先端部に一体に形成されるものとしても構わない。
【0035】
また、ギヤ部材104は原料放出口13の内面と間隔を存して当該原料放出口13から原料収容容器10内に進入している。また、原料放出口13の周囲に位置して原料収容容器10には放出口部材106が取り付けられている。この放出口部材106の下面には開口106Aが形成され、シュート103の上端(上面)はこの開口106Aの下側に対応する位置にて開口している。
【0036】
一方、前述した原料放出口13は開閉部材101により開閉自在に閉塞されている。当該開閉部材101は、放出口部材106の内側において、ピニオンギヤ16のラック20と噛み合う部分との間に位置すると共に、ギヤ部材104の周囲に位置してこのギヤ部材104の軸方向に移動自在とされている。開閉部材101の内側にはピニオンギヤ16と開閉部材101間にコイルバネ107が内蔵され、常時開閉部材101は原料放出口13を閉塞する方向に付勢されている。108は開閉部材101の原料放出口13側の端面に取り付けられたパッキン(シール材)である。
【0037】
開閉部材101のピニオンギヤ16側の端部には鍔101Aが形成されており、この鍔101Aに操作部材102の上下方向の中途部分の係合部102Aが係合する。操作部材102は、ラック20の往復移動に応じて、開閉部材101をギヤ部材104の軸方向に移動させるためのものである。当該操作部材102は、ラック20及び開閉部材101に当接して設けられており、ラック20の往復移動によって動作し、開閉部材101をギヤ部材104の軸方向に移動させるよう構成されている。
【0038】
具体的には、操作部材102の下端(一端)が回動軸112においてフレーム部材111に回動自在に枢支されている。これにより、操作部材102は回動軸112を支点として、前後方向に回動可能とされている。また、操作部材102の上端は斜め前方に折曲された傾斜部102Bとされている。当該傾斜部102Bは、後述するラック20の搬出待機状態においてラック20の歯20Aの上方に取り付けられた押圧部20Bの下面に当接している。尚、操作部材102により開閉部材101をギヤ部材104の軸方向に移動させて、原料放出口13を開閉する動作については、後に詳述する。
【0039】
次に、ピニオンギア16の回動機構について説明する。各原料搬出装置1は、粉末トッピング装置Sの筐体部2内に設けられた搬出装置取付部材30により着脱自在に筐体部2内に配設される。搬出装置取付部材30は、複数、本実施例では3つの原料搬出装置1を並設可能とされており、図3及び図6に示すように、各原料搬出装置1の下方から支持する支持板部31と、各搬出装置1の前方を覆うフレーム部材111とから構成されている。
【0040】
支持板部31は、各原料搬出装置1の下方に位置する底面31Dと、図3に示すようにその底面31Dの両側縁部が上方に起立したフランジ31Aと、支持部材31の後縁にネジにて取り付けられ、原料搬出装置1の後部を押さえつけて固定する固定部材31Bとから成る。フランジ31Aは、前方に延在した後、その先端が内方に向けて略直角に折曲形成された折曲部31Cを備え、その折曲部31Cはフレーム部材111と共に、当該折曲部31Cの前面に位置する前板部4にネジ部材により固定される。
【0041】
フレーム部材111は、図6に示すように前記支持板部31の底面31Dと前板部4の間に位置している。具体的に、当該フレーム部材111は、底面31Dの前端縁に当接すると共に、当該底面31Dと垂直に交わる起立面120と、この起立面120の上端が前方に向けて略直角に折曲形成され、そこから前方に延在する上面121と、この上面121の前端が下方に向けて略直角に折曲形成され、そこから下方に延在する仕切壁部122と、当該仕切壁部122の下端が前方に向けて略直角に折曲形成された下面123にて構成されている。仕切壁部122は、原料放出口13、放出口部材106、シュート103がある領域Xと、ラック20やピニオンギヤ16がある領域Yとを前後に仕切るための仕切部材である。一方、上面121の左右両端は上方に向けて折曲形成された取付部121Aが設けられ、当該取付部121Aは支持部材31のフランジ31Aに内側から当接する。
【0042】
また、仕切壁部122の左右両端下方には所定寸法前方に延在する下方側壁部122Bが設けられており、両側壁部122間には前述した操作部材102の下端を支持する回動軸112が軸支持部材112Aを介して回動自在に枢支されている。
【0043】
そして、フレーム部材111の起立面120に形成された孔120Aには前記放出口部材106の後端が挿通されている。また、仕切壁部122に形成された孔122Cには、開閉部材101が前後方向に移動可能に挿通されている。
【0044】
一方、前板部4の下起立面4Bに形成された挿通孔4Cには、内部に収納される原料搬出装置1のピニオンギア16が挿通されている。これにより、原料搬出装置1が搬出装置取付部材30(本体)に取り付けられた状態で、原料収納容器10に設けられる螺旋体15の一端にギア部材104を介して取り付けられたピニオンギア16は、前板部4の前方に突出して設けられる(図6)。また、ピニオンギア16は、前記前板部4に往復移動自在に保持されたラック20により回転可能とされる。
【0045】
そして、前板部4の下起立面4B後方に位置してピニオンギア16と噛み合わせ可能にラック20が設けられる。具体的には、前板部4の接続面5には、ラック20の上部を挿通可能とする挿通孔5Aが形成されている。
【0046】
これにより、ラック20は、前板部4の下起立面4Bの下方からその上端を下起立面4Bの後方に形成される空間に挿入し、当該ラック20の上端を接続面5に形成された挿通孔5Aに挿通させる。そして、図10に示すようにラック20の下端部に固定された付勢部材取付部37に付勢部材としてのコイルバネ38の一端を係止させると共に、その他端を前板部4の下起立面4Bの前面に取り付けられた固定部材24の上前端に形成された図示しない付勢部材取付部に係止させる。コイルバネ38は、常時縮退する方向に付勢されている。
【0047】
また、このラック20の上部には、所定範囲にて長手方向に延在する長孔21が形成されている。ラック20が面接触する前板部4の下起立面4Bには、係合部材22が設けられており、当該長孔21をガイドとして、係合部材22を中心にラック20が往復移動可能とされている。本実施例において、当該係合部材22は、前板部4の下起立面4Bの前面に固定される係合部23(詳細は後述する)を下端に持つ固定部材24を螺合するネジ部材により固定される。
【0048】
長孔21は、当該係合部材22がコイルバネ38の縮退位置から所定の伸張位置にまで移動可能な範囲に形成される。これにより、ラック20は、常時縮退する方向に付勢されたコイルバネ38によって、その上部が所定寸法だけ常時突出した状態に付勢されると共に、このコイルバネ38の付勢力に抗してラック20の上部を長孔21の上縁部が係合部材22に突き当たるまでの範囲で押し込むことが可能となる。従って、ラック20は、所定の範囲で、筐体部2(本体)に往復移動自在に設けられる。
【0049】
また、本実施例では、ピニオンギア16の歯と噛み合わせられるラック20の歯20Aは、ピニオンギア16側の側面に長手方向に延在して所定寸法形成されている。特に、本実施例において、歯20Aはピニオンギア16側となるラック20の側面の下端まで形成されておらず、下端は平坦面20Cとされている(図7、図8)。更に、歯20Aの上方には押圧部20Bが取り付けられている。当該押圧部20Bは、後述するラック20の搬出待機状態において、操作部材102の傾斜部102Bに上から当接している。
【0050】
このため、ラック20を押し下げると、押圧部20Bが操作部材102を上から押すので、操作部材102は図12のように上側が前方に移動するように回動する。これにより、開閉部材101は前方に移動し、原料放出口13を開放する。操作部材102は開閉部材101をラック20が戻るまでの間、開けておくので、螺旋体15は後述するようにラック20が戻るときに回動し、粉末原料が搬出される。
【0051】
一方、上記コイルバネ38の他端が係止される付勢部材取付部は、図10に示すように、ラック20とピニオンギア16との接触位置よりもピニオンギア16の軸側に位置して設けられると共に、ラック20の下端部に設けられ、コイルバネ38の一端が係止される付勢部材取付部37は、よりピニオンギア16から離間した位置に設けられる。そのため、ラック20は、係合部材22を中心に反時計方向に回動するようにして、ピニオンギア16側に付勢されている。
【0052】
ここで、往復移動するラック20の当該ラック20の歯20Aと、ピニオンギア16との噛み合いを制御するラック移動規制手段について図6乃至図12を参照して説明する。本実施例におけるラック移動規制手段は、ラック20側に形成される溝25、26と、本体、この場合、固定部材24に設けられた係合部23とから構成される。
【0053】
前板部4の下起立面4Bの前面には、上述したように固定部材24によって係合部23が設けられている。固定部材24は、図6、図10乃至図12に示すように下方に向けて開口する断面略コ字状に折曲形成された弾性体、この場合、板バネ部材にて構成されており、一面が前板部4の下起立面4Bに当接して、上記の如く係合部材22を介して固定される。他面は、下方に所定寸法延在して構成され、その下端には、下起立面4Bに突出して形成される係合部23が設けられている。固定部材24は、弾性体で構成されているため、係合部23は、下起立面4B側(即ち、後方)に常時付勢されている。
【0054】
ここで、前板部4の下起立面4Bの当該係合部23に対応する位置には、係合部23を下起立面4Bの後方に位置するラック20側に突出させるための係合部用孔4D(図10に破線で一箇所だけ示す)が形成されている。従って、下起立面4Bの前側に位置する固定部材24に設けられた係合部23は、当該係合部用孔4Dを介して、図8に示すように所定寸法だけラック20側(後側。本体側)に突出して設けられる。
【0055】
一方、ラック20の下起立面4B側(係合部23側。前側)の面には、ピニオンギア16からの距離が異なる第1の溝25と、第2の溝26が長手方向に延在して形成されている。これら溝25、26は、長手方向に延在する仕切壁27によって区画形成されると共に、これらの上端部及び下端部は、それぞれ貫通孔(連続部)28、29において連続して形成される。これにより、前板部4の下起立面4Bからラック20側(本体内)に突出して設けられた係合部23は、第1の溝25、上部貫通孔28、第2の溝26、下部貫通孔29を連続して移動可能とされる。
【0056】
本実施例においてピニオンギア16に近い方(歯20A側)の溝を第1の溝25とし、ピニオンギア16から遠い方の溝を第2の溝26とする。第2の溝26は、図7及び図8に示すように、上部貫通孔28の下縁(溝26上縁)から下方に行くに従って徐々に溝が浅くなるように底面が高く傾斜した傾斜面26Aが形成された後、その傾斜面26Aの下端は、当該底面高さを維持した平坦面26Bとされ、その下端は、下部貫通孔29によって段差形状とされている。また、この平坦面26Bの下端及び下部貫通孔29の上縁は、上方に向けて所定角度にて傾斜して形成された係合部案内部40とされている。
【0057】
また、第1の溝25は、図7に示すように、下部貫通孔29の上縁(溝25下縁)から上方に行くに従って徐々に溝が浅くなるように底面が高く傾斜した傾斜面25Aが形成された後、その傾斜面25Aの上端は、当該底面高さを維持した平坦面25Bとされ、その側端(ピニオンギア16側とは反対側端部)は、上部貫通孔28によって段差形状とされている。また、この平坦面25Bの上端及び上部貫通孔28の上縁は、一連して上方に向けて所定角度にて傾斜して形成された係合部案内部41とされている。
【0058】
上述した構成により、ラック20の往復動作によってピニオンギア16を回動させ、これにより粉末原料を所定量搬出する動作と、当該ラック20の往復動作によって操作部材102を回動させて開閉部材101を移動させ、これにより放出口部材106を開閉する動作について説明する。図3、図7及び図8は、ラック20の搬出待機状態を示している。
【0059】
図9乃至図12は3つのラック20・・のうち、中央に位置するラック20が、当該ラック20の下方への押し込み動作によって、係合部23(図9乃至図11では図示せず)が第1の溝25の上部に移動した状態をそれぞれ示している。
【0060】
粉末原料の搬出待機状態では、図3、図7、図8及び上述したように、ラック20は、一端がラック20の下端部に係止され、他端が前板部4の下起立面4Bの前面に取り付けられた固定部材24の上前端に係止されたコイルバネ38の付勢力によってその上端が前板部4の接続面5の挿通孔5Aより上方に所定寸法突出した状態で保持される。
【0061】
このとき、係合部材22は、ラック20の長孔21の下縁に当接されて、コイルバネ38の常時縮退する方向に付勢された付勢力によってそれ以上、上昇位置とされないように規制されている。また、この状態で、固定部材24の付勢力によって後方、即ち、ラック20側に常時付勢された係合部23は、ピニオンギア16側から離れた方に位置する第2の溝26の略下方に位置するラック20の下部貫通孔29内に係止された状態とされている。尚、この搬出待機状態では、ラック20の押圧部20Bは、前述したように操作部材102の傾斜部102Bに上から当接した状態である。
【0062】
粉末原料を搬出する際には、コイルバネ38の付勢力に抗してラック20の上部を下方向に押し込む(往動作)。当該ラック20の下方への押し込み動作により、押圧部20Bが操作部材102を上から押すので、操作部材102は図9及び12のように上側が前方に移動するように回動する。これにより、図12に示すように開閉部材101は前方に移動し、原料放出口13を開放する。
【0063】
一方、上記ラック20の押し込み動作により、ラック20は下部貫通孔29内に位置する係合部23によって、下部貫通孔29の上縁の傾斜形状に沿ってピニオンギア16側に位置する第1の溝25側に軌道が切り替わる。
【0064】
これにより、ラック20の下部が係合部23の係合部案内部40のガイドによってピニオンギア16から離間する方向に移動し、ラック20の歯20Aと、ピニオンギア16との噛み合わせが解除された状態とされる。
【0065】
ラック20の更なる押し込み動作(往動作)によってピニオンギア16とラック20の歯20Aとの噛み合わせが解除された状態を維持しながら、係合部23は第1の溝25内に進入していき、板バネ(固定部材24)によって常時ラック20側に付勢されている係合部23は、第1の溝25の下端に形成された傾斜面25Aに沿って上昇していき、平坦面25Bに至る。尚、傾斜面25Aに沿って係合部23が上昇していく過程では、仕切壁27によって第1の溝25と、第2の溝26とが区画されているため、係合片23が第1の溝25内から第2の溝26への移動が規制される。
【0066】
尚、この状態で、ラック20の押し込み動作を解除した場合には、ピニオンギア16とラック20の歯20Aとが噛み合わされることなく、コイルバネ38の付勢力により、係合部23が同一の軌道、即ち、第1の溝25を辿って元の状態に戻る。
【0067】
ここで、上述したようにラック20を保持しているコイルバネ38は、図10から分かるように上端がラック20とピニオンギア16との接触位置よりもピニオンギア16の軸側に位置して前板部4の下起立面4Bの前面に取り付けられた固定部材24の上前端の図示しない付勢部材取付部に係止されていると共に、下端がよりピニオンギア16から離間した位置の付勢部材取付部37に係止されている。
【0068】
これにより、平坦面25Bに至った係合部23は、第1の溝25と第2の溝26とを区画する仕切壁27を超えた時点で、開放されている第2の溝26側上方に位置する上部貫通孔28側に落ち込み、係合部23の軌道が第1の溝25から第2の溝26に切り替わる。
【0069】
このとき、係合部23は、下起立面4B側からラック20側に向けて固定部材24により付勢されて設けられているため、平坦面25Bの高さ位置から解除された状態で上部貫通孔28から後方に突出する。これにより、係合部23は、後方に突出する側に付勢されているため、第1の溝25を構成する平坦面25Bへ戻ることが規制された状態となる。
【0070】
そして、当該係合部23がピニオンギア16から離れた位置に形成される第2の溝26の上方に位置する上部貫通孔28内に係止されることで、コイルバネ38によりラック20全体がピニオンギア16側に付勢され、この状態で、ピニオンギア16とラック20の歯20Aとが噛み合わされる。
【0071】
この状態で、係合部材22は、ラック20の長孔21の上縁に当接し、それ以上の押し込み動作が規制される。そのため、作業者がラック20の押し込み動作を解除すると、コイルバネ38の付勢力に抗する力が解除されるため、縮退する方向に付勢されたコイルバネ38の付勢力によってラック20の下端が持ち上げられ、ラック20が復動(上昇)する。
【0072】
このとき、係合部23は、ピニオンギア16から離れた位置に形成される第2の溝26内に進入し、常時ラック20側に付勢されている係合部23は、第2の溝26の上端に形成された傾斜面26Aに沿って降下していき、平坦面26Bに至る。そして、コイルバネ38の付勢力によって、更にラック20が引き上げられ、平坦面26Bの下端に位置した係合部23は、下部貫通孔29内に落ち込み、図3、図7及び図8に示すような搬出待機状態(初期状態)に戻る。
【0073】
このようなラック20のコイルバネ38の付勢力による復帰動作によって、ラック20の歯20Aと噛み合わされたピニオンギア16は、ラック20の移動によって噛み合わされた分だけピニオンギア16を回転させる。これにより、当該ピニオンギア16と同軸的に設けられた螺旋体15が粉末原料を放出する向きに所定量だけ回転され、螺旋体15の回転羽根15B間に充填された粉末原料は原料放出口13に搬送され、当該原料放出口13から放出される。原料放出口13から放出された粉末原料は、放出口部材106及びその下面に形成された開口106A、粉末案内シュート103を介して被トッピング物収納部3内に収納された図示しない被トッピング物上に払い出される。
【0074】
また、前述したようにラック20の歯20Aは、ラック20の側面の下端まで形成されておらず、下端は平坦面20Cとされているため、ピニオンギア16が当該歯20Aの下端まで来ると(図13)、ピニオンギア16の回転は停止する。この状態において、ラック20は上昇し切っておらず(即ち、図3、図7及び図8に示すような搬出待機状態(初期状態)に戻っておらず)、未だ、開閉部材101が開いた状態である(図14)。
【0075】
即ち、螺旋体15の回転はラック20が上昇しきる前に停止する。これにより、粉末原料の搬出動作が停止される。このとき、開閉部材101は未だ開いた状態である(図13)。その後、ラック20は更に上昇して、所定の搬出待機状態(初期状態)に戻る。
【0076】
このように、本実施例では、前板部4(本体)にラック20を往復移動自在に保持し、ラック20が下方向に押し込まれる往動時には、ピニオンギア16との噛み合いを不能とし、ラック20の復動時には、当該ピニオンギア16と噛み合わせることで、一連のラック20の往復動作によって、ピニオンギア16と同軸的に設けられ、粉末原料の放出を可能とする螺旋体15を粉末原料を放出する方向に所定量だけ回転させることができ、粉末原料の定量搬出を実現することができる。
【0077】
そして、本実施例では、ラック20は手動によって往動させ、コイルバネ38の付勢力によって復動させることにより、ピニオンギア16をこれと噛み合うラック20の寸法(ラック20の歯20Aが形成されている部分の寸法)によって定量分だけ螺旋体15を回転させて原料放出口13から定量の粉末原料を放出させることが可能となる。そのため、格別にモータ等を用いて螺旋体15の回転時間の制御を行うことなく所定量の粉末原料の放出が可能となる。これにより、電動部材を用いることなく所定量の粉末原料の放出が可能となり、装置全体の構造を簡素化することができると共に、電源が確保できない場所であっても設置することが可能となる。
【0078】
また、本実施例では、ピニオンギア16とこれと噛み合うラック20の寸法によって、一回の動作によって、ごく僅かの量、例えば0.2〜0.3g程度の粉末原料を定量搬出することができる。また、ラック20は、コイルバネ38により、常時、前板部4の接続面5の上面より上方に突出した状態に付勢されており、このコイルバネ38に抗して下方向に押し込むことで、往復移動が可能とされているので、操作性の向上を図ることができる。
【0079】
特に、原料放出口13を開閉自在に閉塞する開閉部材101を設けたので、原料放出口13において粉末原料が外気と接触することによる吸湿を抑制し、固着による搬出不良の発生を効果的に解消することが可能となる。また、本実施例のように、複数の原料収容容器(本実施例では左右に3つ)10を設けて複数種類の粉末原料を搬出する場合であっても、粉末原料の搬出中に振動などによって他の粉末原料が搬出されて混入してしまう不都合や装置全体にかけられた衝撃や振動により粉末原料が搬出されて、被トッピング物(原料放出口13から放出される粉末原料を受容する器)を収納する被トッピング物収納部3や装置設置床面を汚してしまう不都合も解消することができる。
【0080】
また、ラック20の往復移動に連動して原料放出口13を開閉するので、粉末原料の搬出時に別途開閉部材101を開閉操作する必要が無くなり、操作性が著しく向上する。更に、上述したように原料放出口13より粉末原料を放出する向きに螺旋体15を回転させる方向にラック20が移動する際の当該ラック20とピニオンギヤ16との噛み合いは、開閉部材101が原料放出口13を閉じきる以前に終了するよう構成したので、開閉部材101が原料放出口13を閉じきる以前に螺旋体15の回転は停止することになる。これにより、開閉部材101が原料放出口13を閉じる際に螺旋体15が回転していることによって粉末原料が開閉部材101と原料放出口13間に詰まってしまう不都合を未然に回避し、円滑な搬出を実現することが可能となる。
【0081】
更に、ピニオンギヤ16は、原料放出口13に進入して螺旋体15の一端に同軸的に連結されたギヤ部材104の先端部に設けられており、開閉部材101は、ギヤ部材104の周囲に位置して当該ギヤ部材104の軸方向に移動自在に設けられ、ラック20の往復移動により移動されて原料放出口13を開閉するので、ラック20の往復移動に連動して開閉部材101により原料放出口13を開閉する装置全体を小型化することが可能となる。
【0082】
更にまた、ラック20の往復移動によって動作し、開閉部材101をギヤ部材104の軸方向に移動させる操作部材102をラック20及び開閉部材101に当接して設けたので、簡単な構成によりラック20の往復移動に連動して確実に開閉部材101を移動させ、原料放出口13を開閉することができるようになる。
【0083】
更に、フレーム部材111の仕切壁部122により、ラック20及びピニオンギヤ16が存在する領域Yと、原料放出口が存在する領域Xとを仕切ったので、ラック20やピニオンギヤ16の動作や噛み合いによって発生する摩耗粉等の塵埃が、原料放出口13から搬出される粉末原料に混入する不都合や粉末原料がラック20やピニオンギヤ16の噛み合い部に付着し、原料粉末の搬出動作が阻害される不都合を解消することができる。
【0084】
尚、上述した本実施例の構造では、ラック20の往復移動に連動して開閉部材101が移動されて原料放出口13を開閉するものとしたが、本発明は係る構成に限らず、被トッピング物(原料放出口から放出される粉末原料を受容する器)を、所定の受容位置に配置したことに応じて原料放出口を開放し、この受容位置より撤去したことに応じて原料放出口を閉塞するものとしても有効である。係る構成について、具体的に一例を挙げて説明すると、例えば、ガード100を前後に移動自在に構成する。この場合、被トッピング物が被トッピング物収納部3に載置されていない状態では、このガード100は前方に位置した状態であり、被トッピング物を被トッピング物収納部3に載置し、ガード100に当接させて後方に移動させることで、所定の受容位置である前述した各シュート103の下端開口に被トッピング物を対応させることができるものとする。
【0085】
更に、ガード100と開閉部材101間には前述した実施例の操作部材102と同様の操作部材を配置する。そして、上述のように被トッピング物を被トッピング物収納部3に載置し、ガード100に当接させて、後方に移動させる動作に連動して、操作部材が開閉部材101をギヤ部材104の軸方向(前方)に移動させて、原料放出口13を開放する。そして、被トッピング物が被トッピング物収納部3の上述した受容位置(即ち、各シュート103の下端開口に対応した位置)から撤去されると、ガード100が前方に移動する動作に連動して、操作部材が開閉部材101をギヤ部材104の軸方向(後方)に移動させて、原料放出口13を閉塞する。
【0086】
上述のように、開閉部材101を、被トッピング物が所定の受容位置に配置したことに応じて原料放出口13を開放し、この受容位置より撤去したことに応じて原料放出口13を閉塞するように構成した場合であっても、前記実施例の構成と同様に、粉末原料の搬出時に別途開閉部材101を開閉操作する必要が無くなり、操作性の向上を図ることができるようになる。
【0087】
尚、本実施例では、ラック20を手動により往動させているが、例えば、ソレノイドによって往動させても良い。これにより、従来の如く螺旋体15の回転時間を制御する必要が無くなり、粉末原料の払出指示を行うのみで、定量の粉末原料を放出でき、装置全体の構造を簡素化することができる。また、ラック20をモータにて移動させる場合であっても、ラックの往復移動を検出することにより、回転時間の制御を行うことなく、粉末原料の定量搬出を実現することもできる。
【0088】
また、本実施例では、ピニオンギア16からの距離が異なると共に、両端部にて連続する第1の溝25と、第2の溝26が形成されたラック20と、前述した係合部23によりラック移動規制手段を構成し、ラック20が往動する際、係合部23はピニオンギア16側に位置する第1の溝25内を移動し、復動する際にはピニオンギア16から離れた第2の溝26内を移動することにより、簡単な構造にて、復動する場合のみ、ピニオンギア16とラック20の歯20Aとを噛み合わせて、原料放出口13より粉末原料を放出する向きに螺旋体15を回転させる方向にのみ回転させることができる。
【0089】
尚、本実施例では、第1の溝25及び第2の溝26をラック20に設け、係合部23を固定部材24に設けているが、これに限定されるものではなく、固定部材24に第1の溝及び第2の溝を形成し、ラック20に係合部を設ける構成としても良い。この場合、ラック20の往動時には、ピニオンギア16から離れた側の溝を係合部が通過し、復動時には、ピニオンギア16に近い側の溝を通過するものとする。
【0090】
更に本実施例では、ラック20が下方向に押し込まれて往動する際に、係合部23は両溝のうちのピニオンギア16側に位置する第1の溝25内を移動し、端部まで押し込まれた後、コイルバネ38の付勢力により復動する際、係合部23は、他方のピニオンギア16から離れた位置の第2の溝26内を移動し、これにより、ラック20とピニオンギア16とを噛み合わせて、原料放出口13より粉末原料を放出する向きに螺旋体15を回転させる。この場合、係合部23を往動時に移動する第1の溝25の端部にまで移動させて、上部貫通孔28、更には、第2の溝26内に移動しない限り、ラック20とピニオンギア16との噛み合わせをしない構造とすることができる。
【0091】
これにより、ラック20の往動時において、係合部23が端部に至り、上部貫通孔28に落ち込むまで、押し込み動作が充分に行われない場合には、係合部23は、第1の溝25内のみを移動することとなり、ピニオンギア16を回転させることができない構成とすることができる。
【0092】
そのため、ラック20を適切な位置まで押し込まない限り、粉末原料が搬出されない構成とすることができるため、定量よりも少ない量しかピニオンギア16を回転させず、定量よりも少ない量の粉末原料が排出されてしまう不都合を解消できる。
【0093】
従って、使用者にはラック20を適切な位置まで押し込むことを促すことができ、確実にラック20を所定量移動させた場合にのみ、粉末原料の放出を可能とすることで、粉末原料の定量搬出を確実なものとすることができる。
【0094】
尚、本出願において特許請求の範囲に追加可能な構成要件としては下記の三つが考えられる。
【0095】
(特許請求の範囲に追加可能な構成1)
前記ラック移動規制手段は、前記ラック、又は、本体のうちの何れか一方に形成され、前記ピニオンギヤからの距離が異なる第1及び第2の溝と、他方に設けられた係合部とを有し、
前記両溝は端部において連続しており、前記ラックが往動する際、前記係合部は前記第1の溝内を移動し、復動する際には前記第2の溝内を移動するよう構成され、前記係合部が前記両溝のうちの何れか一方の溝内を移動する場合のみ、前記ラックは前記ピニオンギヤに噛み合う。
【0096】
係る構成によれば、簡単な構造にて、ラックの往復移動により、当該ラックと噛み合わされるピニオンギアを、原料放出口より粉末原料を放出する向きに螺旋体を回転させる方向にのみ回転させることができる。
【0097】
(特許請求の範囲に追加可能な構成2)
前記ラックは、前記本体より突出して設けられ、付勢手段により常時突出した状態に付勢されており、当該付勢手段に抗して前記本体内に押し込むことで、前記往復移動が可能とされている。
【0098】
係る構成によれば、付勢手段に抗して手動にてラックを本体側に押し込むことで往動させ、これを離すことで付勢手段の付勢力によってラックを本体側から吐出させる復動を実現することができる。これにより、操作性の向上を図ることができる。
【0099】
(特許請求の範囲に追加可能な構成3)
前記ラックが前記本体内に押し込まれて往動する際、前記係合部は前記両溝のうちの他方の溝内を移動し、端部まで押し込まれた後、前記付勢手段の付勢力により復動する際、前記係合部は前記一方の溝内を移動する。
【0100】
係る構成によれば、ラックが復動する際に当該ラックとピニオンギアとを噛み合わせ原料放出口より粉末原料を放出する向きに螺旋体を回転させるものとしている場合、ラックの移動によって、係合部を往動時に位置する他方の溝内の端部にまで移動し一方の溝内に移動しない限り、ラックとピニオンギアとを噛み合わせしない構造とすることができる。
【0101】
これにより、ラックの移動が所定量行われず、係合部が往動時に位置する他方の溝内のみを移動する場合には、ピニオンギアを回転させることができずに、粉末原料の放出が行われないこととなる。従って、確実にラックを所定量移動させた場合にのみ、粉末原料の放出を可能とすることで、粉末原料の定量搬出を確実なものとすることができる。
【符号の説明】
【0102】
S 粉末トッピング装置
1 原料搬出装置
2 筐体部
3 被トッピング物収納部
4 前板部
4A 上起立面
4B 下起立面
4C 挿通孔
5 接続面
5A 挿通孔
7 カバー
9 窓部
10 原料収納容器
11 蓋
12 原料放出部
13 原料放出口
15 螺旋体
15A 回動軸
15B 回転羽根
16 ピニオンギア
20 ラック
20A 歯
20B 押圧部
20C 平坦面
21 長孔
22 係合部材
23 係合部
24 固定部材
25 26 溝
25A、26A 傾斜面
25B、26B 平坦面
27 仕切壁
28、29 貫通孔
30 搬出装置取付部材
31 支持板部
31A フランジ
31B 固定部材
31C 折曲部
37 付勢部材取付部
38 付勢部材(コイルバネ)
40、41 係合部案内部
100 ガード
101 開閉部材
101A 鍔
102 操作部材
102A 係合部
103 粉末案内シュート
106 放出口部材
107 コイルバネ
108 パッキン
111 フレーム部材
112 回動軸
120 起立面
121 上面
122 仕切壁部
122B 下方側壁部
122C 孔
123 下面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体に設けられて粉末原料を収容する原料収容容器と、該原料収容容器の下部に設けられた螺旋体と、該螺旋体の一端側に形成された原料放出口とを備え、前記螺旋体の回転により、前記原料収容容器内の粉末原料を前記原料放出口に搬送して放出する原料搬出装置において、
前記原料放出口を開閉自在に閉塞する開閉部材と、
前記螺旋体に同軸的に設けられたピニオンギヤと、
前記本体に往復移動自在に保持され、前記ピニオンギヤに噛み合い可能に設けられたラックと、
該ラックが往復移動する際の当該ラックと前記ピニオンギヤとの噛み合いを制御するラック移動規制手段とを備え、
該ラック移動規制手段は、前記原料放出口より前記粉末原料を放出する向きに前記螺旋体を回転させる方向に前記ラックが移動する場合のみ、当該ラックを前記ピニオンギヤに噛み合わせることを特徴とする原料搬出装置。
【請求項2】
前記開閉部材は、前記ラックの往復移動に連動して前記原料放出口を開閉することを特徴とする請求項1に記載の原料搬出装置。
【請求項3】
前記原料放出口より前記粉末原料を放出する向きに前記螺旋体を回転させる方向に前記ラックが移動する際の当該ラックと前記ピニオンギヤとの噛み合いは、前記開閉部材が前記原料放出口を閉じきる以前に終了するよう構成したことを特徴とする請求項2に記載の原料搬出装置。
【請求項4】
前記ピニオンギヤは、前記原料放出口に進入して前記螺旋体の一端に同軸的に連結されたギヤ部材の先端部に設けられており、前記開閉部材は、前記ギヤ部材の周囲に位置して当該ギヤ部材の軸方向に移動自在に設けられ、前記ラックの往復移動により移動されて前記原料放出口を開閉することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の原料搬出装置。
【請求項5】
前記ラックに設けられ、前記ラックの往復移動によって動作し、前記開閉部材を前記ギヤ部材の軸方向に移動させる操作部材を備えたことを特徴とする請求項4に記載の原料搬出装置。
【請求項6】
前記開閉部材は、前記原料放出口から放出される粉末原料を受容する器を、所定の受容位置に配置したことに応じて前記原料放出口を開放し、該受容位置より撤去したことに応じて前記原料放出口を閉塞することを特徴とする請求項1に記載の原料搬出装置。
【請求項7】
前記ラック及びピニオンギヤが存在する領域と、前記原料放出口が存在する領域とを仕切る仕切部材を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちの何れかに記載の原料搬出装置。
【請求項1】
本体に設けられて粉末原料を収容する原料収容容器と、該原料収容容器の下部に設けられた螺旋体と、該螺旋体の一端側に形成された原料放出口とを備え、前記螺旋体の回転により、前記原料収容容器内の粉末原料を前記原料放出口に搬送して放出する原料搬出装置において、
前記原料放出口を開閉自在に閉塞する開閉部材と、
前記螺旋体に同軸的に設けられたピニオンギヤと、
前記本体に往復移動自在に保持され、前記ピニオンギヤに噛み合い可能に設けられたラックと、
該ラックが往復移動する際の当該ラックと前記ピニオンギヤとの噛み合いを制御するラック移動規制手段とを備え、
該ラック移動規制手段は、前記原料放出口より前記粉末原料を放出する向きに前記螺旋体を回転させる方向に前記ラックが移動する場合のみ、当該ラックを前記ピニオンギヤに噛み合わせることを特徴とする原料搬出装置。
【請求項2】
前記開閉部材は、前記ラックの往復移動に連動して前記原料放出口を開閉することを特徴とする請求項1に記載の原料搬出装置。
【請求項3】
前記原料放出口より前記粉末原料を放出する向きに前記螺旋体を回転させる方向に前記ラックが移動する際の当該ラックと前記ピニオンギヤとの噛み合いは、前記開閉部材が前記原料放出口を閉じきる以前に終了するよう構成したことを特徴とする請求項2に記載の原料搬出装置。
【請求項4】
前記ピニオンギヤは、前記原料放出口に進入して前記螺旋体の一端に同軸的に連結されたギヤ部材の先端部に設けられており、前記開閉部材は、前記ギヤ部材の周囲に位置して当該ギヤ部材の軸方向に移動自在に設けられ、前記ラックの往復移動により移動されて前記原料放出口を開閉することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の原料搬出装置。
【請求項5】
前記ラックに設けられ、前記ラックの往復移動によって動作し、前記開閉部材を前記ギヤ部材の軸方向に移動させる操作部材を備えたことを特徴とする請求項4に記載の原料搬出装置。
【請求項6】
前記開閉部材は、前記原料放出口から放出される粉末原料を受容する器を、所定の受容位置に配置したことに応じて前記原料放出口を開放し、該受容位置より撤去したことに応じて前記原料放出口を閉塞することを特徴とする請求項1に記載の原料搬出装置。
【請求項7】
前記ラック及びピニオンギヤが存在する領域と、前記原料放出口が存在する領域とを仕切る仕切部材を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちの何れかに記載の原料搬出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−136698(P2011−136698A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−295791(P2009−295791)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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