説明

原稿送り装置および画像形成装置

【課題】排出ローラ対までの搬送距離が長い場合に、サイズの小さな原稿であっても適切に搬送することが可能な原稿送り装置を提供する。
【解決手段】原稿送り装置1は、駆動ローラ18aおよび従動ローラ18bを含む排出ローラ対18と、駆動ローラ17aおよび従動ローラ17bを含む搬送ローラ対17とを備える。搬送ローラ対17の駆動ローラ17aは、従動ローラ17bと接触する接触位置と、従動ローラ17bと離間する離間位置との間を移動する構成とされている。搬送ローラ対17は、排出ローラ対18に対して排出トレイ12とは反対側に設けられている。搬送ローラ対17は、排出ローラ対18の駆動ローラ18aが正転した場合に、駆動ローラ17aが接触位置で正転されることにより、読取位置P1を通過した原稿Mを排出ローラ対18へと搬送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排出ローラ対を備える原稿送り装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、正転および逆転する排出ローラ対を備える原稿送り装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、原稿が読取位置へ搬送される搬送パスと、読取位置を通過した原稿が読取位置よりも上流側へ戻されるスイッチバックパスと、正転および逆転する排紙ローラ対とを備えた自動原稿供給装置が開示されている。
【0004】
特許文献1の自動原稿供給装置では、搬送パスを介して読取位置へ原稿が搬送されることにより、画像読取装置による原稿の読み取りが行われる。そして、自動原稿供給装置では、排紙ローラ対が正転することにより、読取位置を通過した原稿が排紙トレイに排紙され、排紙ローラ対が逆転することにより、読取位置を通過した原稿がスイッチバックされる。
【0005】
ここで、自動原稿供給装置では、原稿のサイズが大きい場合に、スイッチバック時に排紙ローラ対の位置(排紙ローラ対の間)で原稿の先端部および後端部が一時的に重なるように構成されている。これにより、自動原稿供給装置の小型化が図られている。
【0006】
そして、特許文献1の自動原稿供給装置では、原稿の先端部および後端部が重なる際に、排紙ローラ対を離間させるためのDCソレノイドが設けられている。これにより、自動原稿供給装置では、原稿の先端部と後端部とが強く擦れることがなく、原稿を円滑に搬送することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−133551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に開示された従来の自動原稿供給装置では、排紙ローラ対を離間させるためのDCソレノイドを設ける必要があるという不都合があった。
【0009】
そこで、原稿のサイズが大きい場合にも、スイッチバック時に排出ローラ対の位置で原稿の先端部および後端部が重ならないように、スイッチバック時に原稿が循環する経路と排出ローラ対との距離を長くすることが考えられる。
【0010】
しかしながら、スイッチバック時に原稿が循環する経路と排出ローラ対との距離を長くした場合には、排出ローラ対までの搬送距離が長くなるので、名刺などのサイズの小さな原稿を搬送することが困難になるという問題点がある。
【0011】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、排出ローラ対までの搬送距離が長い場合に、サイズの小さな原稿であっても適切に搬送することが可能な原稿送り装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る原稿送り装置は、原稿が読取位置へ搬送される第1搬送路と、前記読取位置に搬送された原稿が排出トレイへ搬送される第2搬送路と、前記第1搬送路および前記第2搬送路の間に設けられ、前記読取位置を通過した原稿が前記第1搬送路へと戻される第3搬送路と、前記第2搬送路に設けられ、第1駆動ローラおよび第1従動ローラを含む排出ローラ対とを備え、前記排出ローラ対は、前記第1駆動ローラを正転させることにより、前記読取位置を通過した原稿を前記排出トレイへ搬送し、前記第1駆動ローラを逆転させることにより、前記読取位置を通過した原稿を前記第3搬送路を介して前記第1搬送路へ搬送する構成とされている原稿送り装置であって、前記第2搬送路に設けられ、第2駆動ローラおよび第2従動ローラを含む搬送ローラ対を備え、前記第2駆動ローラおよび前記第2従動ローラのいずれか一方のローラは、前記第2駆動ローラおよび前記第2従動ローラの他方のローラと接触する接触位置と、前記他方のローラと離間する離間位置との間を移動する構成とされ、前記搬送ローラ対は、前記排出ローラ対に対して前記排出トレイとは反対側に設けられており、前記第1駆動ローラが正転する場合に、前記一方のローラが前記接触位置に位置することにより、前記読取位置を通過した原稿を前記排出ローラ対へ搬送する構成とされていることを特徴とする。
【0013】
この構成によって、スイッチバック時に原稿の両端が重なる位置よりも排出トレイ側に排出ローラ対を配置することにより、排出ローラ対までの搬送距離が長くなった場合にも、搬送ローラ対により名刺などの小さな原稿を排出ローラ対へ搬送することができる。また、排出ローラ対を離間させるためのアクチュエータなどを設ける必要がないので、原稿の搬送機構が複雑化するのを抑制することができる。その結果、搬送機構が複雑化するのを抑制するために、アクチュエータなどを設けることなく、排出ローラ対までの搬送距離が長くなった場合に、サイズの小さな原稿であっても適切に搬送することができる。
【0014】
本発明に係る原稿送り装置では、前記搬送ローラ対は、前記第1駆動ローラが逆転する場合に、前記一方のローラが前記接触位置から前記離間位置に移動する構成とされていることを特徴とする。
【0015】
この構成により、排出ローラ対により原稿が第3搬送路を介して第1搬送路へ搬送される際に、搬送ローラ対の一方のローラを第2搬送路から退避させることができる。これにより、スイッチバックされる原稿の搬送を搬送ローラ対が妨げるのを防止することができる。
【0016】
本発明に係る原稿送り装置では、前記一方のローラは、前記第2駆動ローラであり、前記他方のローラは、前記第2従動ローラであることを特徴とする。
【0017】
この構成により、第2駆動ローラを接触位置と離間位置との間で移動させることができる。
【0018】
本発明に係る原稿送り装置では、前記第1駆動ローラの駆動力を前記第2駆動ローラに伝達するための伝達部材を備えることを特徴とする。
【0019】
この構成により、排出ローラ対の第1駆動ローラが正転した場合に、容易に、搬送ローラ対の第2駆動ローラを正転させることができる。
【0020】
本発明に係る原稿送り装置では、前記第2駆動ローラを保持する保持部材と、前記第2駆動ローラの回転に対して負荷を与える負荷部材とを備え、前記保持部材に保持された前記第2駆動ローラは、前記伝達部材により前記第1駆動ローラの駆動力が前記第2駆動ローラに伝達された場合に、前記負荷部材による負荷により回転しないときに、前記接触位置と前記離間位置との間を移動する構成とされていることを特徴とする。
【0021】
この構成により、アクチュエータなどの駆動源を別個に設けることなく、搬送ローラ対の第2駆動ローラを接触位置と離間位置との間で移動させることができる。
【0022】
本発明に係る原稿送り装置では、前記第2駆動ローラは、筒状に形成され、前記負荷部材は、筒状の前記第2駆動ローラの内部に配置されていることを特徴とする。
【0023】
この構成により、負荷部材を設けることに起因して原稿送り装置が大型化するのを抑制することができる。
【0024】
本発明に係る原稿送り装置では、前記負荷部材は、圧縮コイルばねであり、前記圧縮コイルばねは、前記第2駆動ローラを前記保持部材に付勢していることを特徴とする。
【0025】
この構成により、搬送ローラ対の第2駆動ローラの回転に対して容易に負荷を与えることができる。
【0026】
本発明に係る原稿送り装置では、前記伝達部材は、前記第1駆動ローラと、前記第2駆動ローラとに架けられたベルトであることを特徴とする。
【0027】
この構成により、排出ローラ対の第1駆動ローラの駆動力を搬送ローラ対の第2駆動ローラに容易に伝達することができる。
【0028】
本発明に係る原稿送り装置では、前記排出ローラ対は、前記第2搬送路を搬送される原稿の先端部が前記搬送ローラ対の間まで到達したときに、前記第1駆動ローラを正転させる構成とされ、前記搬送ローラ対は、前記第1駆動ローラが正転されることにより、前記第2駆動ローラが前記離間位置から前記接触位置まで移動された後、前記第2駆動ローラが正転される構成とされていることを特徴とする。
【0029】
この構成により、第2搬送路を搬送される原稿を搬送ローラ対により排出ローラ対へ搬送することができる。
【0030】
本発明に係る原稿送り装置では、前記排出ローラ対は、前記第2搬送路を搬送される原稿の後端部が前記第2搬送路と前記第3搬送路との合流点を通過したときに、正転している前記第1駆動ローラを逆転させる構成とされ、前記搬送ローラ対は、前記第1駆動ローラが逆転されることにより、前記第2駆動ローラが前記接触位置から前記離間位置まで移動される構成とされていることを特徴とする。
【0031】
この構成により、排出ローラ対により原稿が第3搬送路を介して第1搬送路へ搬送される際に、搬送ローラ対の第2駆動ローラを第2搬送路から容易に退避させることができる。
【0032】
本発明に係る画像形成装置は、上記のいずれか一つに記載の原稿送り装置と、前記原稿送り装置により搬送される原稿を読み取る画像読取部と、前記画像読取部により読み取られた画像データに基づいて画像を形成する画像形成部とを備えることを特徴とする。
【0033】
この構成によって、サイズの小さな原稿であっても適切に搬送することが可能な原稿送り装置を備える画像形成装置を得ることができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明に係る原稿送り装置および画像形成装置によれば、排出ローラ対までの搬送距離が長い場合に、サイズの小さな原稿であっても適切に搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示したブロック図である。
【図2】図1に示した画像形成装置の原稿送り装置および画像読取部の概略を示した正面図である。
【図3】図2に示した原稿送り装置の電気的構成を示したブロック図である。
【図4】図2に示した原稿送り装置の排出ローラ対の駆動ローラおよび搬送ローラ対の駆動ローラの構造を示した斜視図である。
【図5】図4に示した排出ローラ対の駆動ローラおよび搬送ローラ対の駆動ローラの構造を示した断面図である。
【図6】本実施の形態に係る画像形成装置の片面読取時の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7A】図2に示した原稿送り装置のセンサにより原稿の先端部が検出された状態を示した図である。
【図7B】図2に示した原稿送り装置の読取位置まで原稿の先端部が搬送された状態を示した図である。
【図7C】図2に示した原稿送り装置のセンサにより原稿の通過が検出された状態を示した図である。
【図7D】図2に示した原稿送り装置の搬送ローラ対の間に原稿の先端部が位置する状態を示した図である。
【図7E】図2に示した原稿送り装置の搬送ローラ対により原稿の先端部が挟持された状態を示した図である。
【図7F】図2に示した原稿送り装置の搬送ローラ対により原稿が搬送される状態を示した図である。
【図8A】本実施の形態に係る画像形成装置の両面読取時の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8B】本実施の形態に係る画像形成装置の両面読取時の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8C】本実施の形態に係る画像形成装置の両面読取時の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9A】図2に示した原稿送り装置のセンサにより原稿の先端部が検出された状態を示した図である。
【図9B】図2に示した原稿送り装置の読取位置まで原稿の先端部が搬送された状態を示した図である。
【図9C】図2に示した原稿送り装置の搬送ローラ対の間に原稿の先端部が位置する状態を示した図である。
【図9D】図2に示した原稿送り装置の搬送ローラ対により原稿の先端部が挟持された状態を示した図である。
【図9E】図2に示した原稿送り装置のセンサにより原稿の通過が検出された状態を示した図である。
【図9F】図2に示した原稿送り装置の合流点を原稿の後端部が抜けた状態を示した図である。
【図9G】図2に示した原稿送り装置の搬送ローラ対の駆動ローラが離間した状態を示した図である。
【図9H】図2に示した原稿送り装置の排出ローラ対により原稿が戻される状態を示した図である。
【図9I】図2に示した原稿送り装置のセンサにより原稿の先端部が検出された状態を示した図である。
【図9J】図2に示した原稿送り装置の読取位置まで原稿の先端部が搬送された状態を示した図である。
【図9K】図2に示した原稿送り装置の搬送ローラ対の間に原稿の先端部および後端部が位置する状態を示した図である。
【図9L】図2に示した原稿送り装置の搬送ローラ対により原稿の先端部および後端部が挟持された状態を示した図である。
【図9M】図2に示した原稿送り装置により原稿が排出される直前の状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0037】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示したブロック図である。図1を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置100の構成について説明する。
【0038】
画像形成装置100は、たとえば、スキャナ機能、ファクシミリ機能、およびプリンタ機能を有する複合機である。具体的には、画像形成装置100は、原稿送り装置1と、画像読取部2と、通信部3と、画像形成部4と、操作部5と、表示部6と、制御部7とを備えている。
【0039】
原稿送り装置1は、原稿M(図2参照)を画像読取部2による読取位置P1(図2参照)に送るために設けられている。原稿送り装置1は、予め設定された複数の種類(サイズ)の原稿Mを送ることが可能に構成されている。なお、原稿送り装置1については、後で詳細に説明する。画像読取部2は、たとえば、スキャナであり、原稿送り装置1により搬送される原稿Mなどから画像を読み取る機能を有する。
【0040】
通信部3は、ファクシミリデータを送受信するために設けられている。画像形成部4は、画像読取部2により読み取られた画像データや、通信部3により受信したファクシミリデータに基づいて、画像を形成する機能を有する。操作部5は、電源スイッチなどを含み、利用者が各種の操作指令を入力するために設けられている。
【0041】
表示部6は、たとえば、液晶ディスプレイであり、画像形成装置100の動作状態などを表示するように構成されている。制御部7は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などを含み、画像形成装置100の動作を制御するために設けられている。
【0042】
図2は、図1に示した画像形成装置の原稿送り装置および画像読取部の概略を示した正面図である。図2を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置100の原稿送り装置1および画像読取部2について説明する。
【0043】
原稿送り装置1は、画像読取部2に対して開閉可能に取り付けられている。原稿送り装置1は、原稿Mが載置される原稿トレイ11と、原稿Mが排出される排出トレイ12と、原稿トレイ11に載置される原稿Mが読取位置P1へ搬送される搬送路13aと、読取位置P1に搬送された原稿Mが排出トレイ12へ搬送される搬送路13bと、読取位置P1を通過した原稿Mが搬送路13aへと戻される搬送路13cとを含んでいる。
【0044】
なお、本実施の形態において、搬送路13aは本発明の「第1搬送路」に対応し、搬送路13bは本発明の「第2搬送路」に対応し、搬送路13cは本発明の「第3搬送路」に対応する。
【0045】
原稿トレイ11には、原稿Mがフェイスアップで載置されている。原稿トレイ11は、読取位置P1に対して一方方向Y1側に配置されている。なお、読取位置P1は、原稿読取ガラス22を介して光源23aから光が照射される位置である。原稿トレイ11の近傍には、ピックアップローラ14が設けられている。ピックアップローラ14は、原稿トレイ11に載置された原稿Mを上から順に原稿送り装置1の内部に取り込むために設けられている。
【0046】
ピックアップローラ14の近傍には、分離ローラ15が設けられている。分離ローラ15は、複数の原稿Mが重なった状態で搬送路13aへ搬送されること(重送)を防止するために設けられている。
【0047】
排出トレイ12は、原稿トレイ11の下方に配置され、原稿Mがフェイスダウンで排出される。また、排出トレイ12は、読取位置P1に対して一方方向Y1側に配置されている。すなわち、排出トレイ12および原稿トレイ11は、副走査方向Y1において、読取位置P1に対して同じ側に配置されている。
【0048】
搬送路13aおよび搬送路13bにより構成される原稿トレイ11から排出トレイ12までの経路は、正面から見てU字状に形成されている。具体的には、搬送路13aは、読取位置P1に対する一方方向Y1側から他方方向Y2側まで延びるように形成され、読取位置P1に対する他方方向Y2側から読取位置P1まで延びるように形成されている。すなわち、搬送路13aは、読取位置P1の上方を跨ぎ、読取位置P1へ向けて折り返すように形成されている。
【0049】
搬送路13bは、読取位置P1から一方方向Y1側へ延びるように形成されている。搬送路13cは、搬送路13aおよび搬送路13bの間に設けられている。また、搬送路13cは、搬送路13aとの合流点P2から、搬送路13bとの合流点P3までの経路である。このため、搬送路13aの一部と搬送路13bの一部と搬送路13cとにより、循環経路が形成されている。具体的には、循環経路は、合流点P2と読取位置P1との間の搬送路13aと、読取位置P1と合流点P3との間の搬送路13bと、搬送路13cとにより構成されている。なお、合流点P3と排出トレイ12との間の搬送路13bは、搬送方向に対する原稿Mの先端および後端を切り替えるためのスイッチバック経路として機能する。
【0050】
搬送路13aには、搬送ローラ対16aと搬送ローラ対16bとが設けられ、搬送路13bには、搬送ローラ対16cと搬送ローラ対17と排出ローラ対18とが設けられている。
【0051】
搬送ローラ対16aは、合流点P2近傍の下流側に配置されている。搬送ローラ対16bは、読取位置P1近傍の上流側に配置されている。搬送ローラ対16cは、読取位置P1と合流点P3との間に配置されている。搬送ローラ対17および排出ローラ対18は、合流点P3と排出トレイ12との間に配置されている。すなわち、搬送ローラ対16aと搬送ローラ対16bと搬送ローラ対16cとは、循環経路に配置され、搬送ローラ対17および排出ローラ対18は、スイッチバック経路に配置されている。
【0052】
また、搬送ローラ対17は、排出ローラ対18に対して排出トレイ12とは反対側に配置されている。排出ローラ対18は、排出トレイ12と隣接するように配置されている。このため、スイッチバック経路には、排出トレイ12側から順に排出ローラ対18および搬送ローラ対17が配置されている。
【0053】
搬送ローラ対17は、駆動ローラ17aおよび従動ローラ17bを有する。排出ローラ対18は、駆動ローラ18aおよび従動ローラ18bを有する。なお、本実施の形態において、駆動ローラ17aは本発明の「第2駆動ローラ」および「一方のローラ」に対応し、従動ローラ17bは本発明の「第2従動ローラ」および「他方のローラ」に対応する。また、本実施の形態において、駆動ローラ18aは本発明の「第1駆動ローラ」に対応し、従動ローラ18bは本発明の「第1従動ローラ」に対応する。また、搬送ローラ対17の駆動ローラ17aおよび排出ローラ対18の駆動ローラ18aについては、後で詳細に説明する。
【0054】
合流点P3の近傍には、爪部材19が移動可能に設けられている。爪部材19は、自重により搬送路13bを塞ぐ位置に配置されている。また、爪部材19は、原稿Mが搬送方向Y3に搬送される際に、原稿Mにより押し上げられることにより、搬送路13bを開放するように構成されている。
【0055】
また、搬送ローラ対16b近傍の上流側には、センサ20が設けられている。センサ20は、たとえば、フォトインタラプタであり、回動可能に設けられたレバー(図示省略)の移動を検出する機能を有する。このレバーは、搬送路13aを塞ぐ位置に配置されており、原稿Mが搬送路13aを搬送される際に、原稿Mにより搬送路13aから押し出されるように構成されている。センサ20は、原稿Mが搬送ローラ対16b近傍の上流側に位置しているか否かを制御部33(図3参照)が判断するために設けられている。
【0056】
画像読取部2は、原稿固定方式による読み取りと、原稿移動方式による読み取りとを行うことが可能なように構成されている。画像読取部2は、原稿台ガラス21と、原稿読取ガラス22と、光源ユニット23と、ミラーユニット24と、撮像部25とを有する。
【0057】
原稿台ガラス21は、原稿Mの最大サイズよりも大きい透明なガラス板である。原稿読取ガラス22は、主走査方向(図2の紙面に対する垂直方向)に延びる透明なガラス板である。原稿台ガラス21および原稿読取ガラス22は、光源ユニット23から出射された光を透過するとともに、原稿Mで反射された光を透過するように構成されている。
【0058】
光源ユニット23は、原稿Mへ向けて光を照射する光源23aと、原稿Mからの反射光をミラーユニット24へ導くミラー23bとを有する。光源ユニット23は、副走査方向Y1に移動可能なように構成されている。光源23aは、主走査方向において間隔を隔てて配置される複数のLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)により構成されている。
【0059】
ミラーユニット24は、ミラー24aとミラー24bとを有する。ミラーユニット24は、光源ユニット23の移動速度の1/2の移動速度で、副走査方向Y1に移動可能なように構成されている。ミラー24aは、光源ユニット23のミラー23bからの反射光をミラー24bへと導くために設けられている。ミラー24bは、ミラー24aからの反射光を撮像部25へと導くために設けられている。
【0060】
撮像部25は、集光レンズやCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)などを有する。撮像部25は、ミラーユニット24のミラー24bからの反射光を、集光レンズを介してCCDの受光面に結像することにより、原稿Mの画像を撮像するように構成されている。
【0061】
画像読取部2では、原稿固定方式による読取時に、光源ユニット23およびミラーユニット24を副走査方向Y1に移動させながら、光源23aから光が出射される。このとき、光源23aから出射された光は、原稿台ガラス21を介して原稿台ガラス21上に載置された原稿Mに照射される。そして、原稿Mからの反射光は、原稿台ガラス21、光源ユニット23のミラー23b、および、ミラーユニット24のミラー24aおよびミラー24bを介して撮像部25に入射される。これにより、画像読取部2は、原稿台ガラス21上に固定的に配置された原稿Mの画像を読み取ることが可能である。
【0062】
また、画像読取部2では、原稿移動方式による読取時に、光源ユニット23を読取位置(図2に示す位置)に停止させた状態で、光源23aから光が出射される。このとき、光源23aから出射される光は、原稿読取ガラス22を介して、原稿送り装置1により原稿読取ガラス22上を搬送方向Y1に搬送される原稿Mに照射される。そして、原稿Mからの反射光は、原稿読取ガラス22、光源ユニット23のミラー23b、および、ミラーユニット24のミラー24aおよびミラー24bを介して撮像部25に入射される。これにより、画像読取部2は、原稿送り装置1により原稿読取ガラス22上を搬送される原稿Mの画像を読み取ることが可能である。
【0063】
図3は、図2に示した原稿送り装置の電気的構成を示したブロック図である。図3を参照して、本実施の形態に係る原稿送り装置1の電気的構成について説明する。
【0064】
原稿送り装置1には、正転および逆転するモータ31が設けられている。モータ31の駆動力は、ギヤ(図示省略)などを介して搬送ローラ対16a〜搬送ローラ対16cに伝達される。
【0065】
具体的には、搬送ローラ対16aは、モータ31が正転した場合には正転し、モータ31が逆転した場合にも正転するように構成されている。すなわち、搬送ローラ対16aは、モータ31が正転および逆転した場合に、挟持する原稿Mを読取位置P1へ向けて搬送するように構成されている。
【0066】
その一方、搬送ローラ対16bおよび搬送ローラ対16cは、モータ31が正転した場合には正転し、モータ31が逆転した場合には逆転するように構成されている。このため、搬送ローラ対16bは、モータ31が正転した場合に、挟持する原稿Mを読取位置P1へ向けて搬送するように構成され、搬送ローラ対16cは、モータ31が正転した場合に、挟持する原稿Mを排出トレイ12へ向けて搬送するように構成されている。なお、搬送ローラ対16bおよび搬送ローラ対16cは、モータ31が逆転するときに、原稿Mを挟持しないように構成されている。
【0067】
また、原稿送り装置1には、電磁クラッチ32が設けられている。電磁クラッチ32は、モータ31の駆動力を排出ローラ対18の駆動ローラ18aに伝達・遮断するために設けられている。このため、排出ローラ対18の駆動ローラ18aは、電磁クラッチ32がオンの場合に、モータ31が正転したときに正転し、モータ31が逆転したときに逆転するように構成されている。
【0068】
また、原稿送り装置1には、制御部33が設けられている。制御部33は、CPU、ROMおよびRAMなどを含み、原稿送り装置1の動作を制御するために設けられている。具体的には、制御部33は、モータ31の回転制御や電磁クラッチ32のオン/オフ制御を行う機能を有する。
【0069】
図4は、図2に示した原稿送り装置の排出ローラ対の駆動ローラおよび搬送ローラ対の駆動ローラの構造を示した斜視図である。図5は、図4に示した排出ローラ対および搬送ローラ対の駆動ローラの構造を示した断面図である。図4および図5を参照して、排出ローラ対18の駆動ローラ18aおよび搬送ローラ対17の駆動ローラ17aの構造について説明する。
【0070】
排出ローラ対18の駆動ローラ18aは、回転軸41に取り付けられている。回転軸41は、原稿M(図2参照)の搬送方向と直交する方向Xに延びるように形成されている。回転軸41には、電磁クラッチ32(図3参照)を介してモータ31(図3参照)の駆動力が伝達されている。回転軸41には、駆動ローラ18aの外側に一対の駆動ローラ42が設けられている。一対の駆動ローラ42は、それぞれ、従動ローラ(図示省略)と排出ローラ対(図示省略)を構成する。
【0071】
駆動ローラ18aおよび駆動ローラ42は、回転軸41の回転に伴って回転するように、回転軸41に固定的に取り付けられている。また、排出ローラ対18の駆動ローラ18aは、従動ローラ18b(図2参照)と接触する位置に配置されている。
【0072】
また、回転軸41には、駆動ローラ42の外側に一対の腰付部材43が取り付けられている。腰付部材43は、排出トレイ12(図2参照)の上方に排出される原稿Mが自重により曲がるのを抑制するために設けられている。これにより、排出トレイ12に既に排出された原稿Mが排出される原稿Mにより押し出されるのを抑制することができる。また、排出トレイ12に排出される原稿Mの先端が、排出トレイ12に既に排出された原稿Mの表面に引っかかることにより、排出される原稿MがZ字状に折り曲げられるのを抑制することができる。
【0073】
また、回転軸41には、回転軸41に対して回転可能に保持部材44(図5参照)が取り付けられている。保持部材44は、回転軸41が挿入される挿入孔44aが形成された一対の側板44bを有する。一対の側板44bは、駆動ローラ18aを挟むように配置されている。
【0074】
保持部材44は、搬送ローラ対17の駆動ローラ17aを保持するために設けられている。保持部材44には、一方の側板44bに凹状の軸受部44c(図5参照)が形成され、他方の側板44bに切欠部44dが形成されている。
【0075】
搬送ローラ対17の駆動ローラ17aは、筒状に形成されている。筒状の駆動ローラ17aの内部には、中央に回転軸部171aが形成されている。そして、回転軸部171aの一方端部が側板44bの軸受部44cに挿入され、回転軸部171aの他方端部が側板44bの切欠部44dに配置されることにより、駆動ローラ17aが保持部材44に保持されている。
【0076】
筒状の駆動ローラ17aは、軸方向Xにおける一方端部172aが閉じられ、軸方向Xにおける他方端部173aが開放されている。筒状の駆動ローラ17aの内部には、圧縮コイルばね45が配置されている。これにより、圧縮コイルばね45を設けることに起因して大型化するのを抑制することができる。なお、圧縮コイルばね45の内部には、回転軸部171aが挿入されている。圧縮コイルばね45は、駆動ローラ17aを一方の側板44bに付勢する機能を有する。すなわち、圧縮コイルばね45は、駆動ローラ17aの回転に対して負荷を与える機能を有する。なお、本実施の形態において圧縮コイルばね45は、本発明の「負荷部材」に対応する。
【0077】
排出ローラ対18の駆動ローラ18aと、搬送ローラ対17の駆動ローラ17aとには、ベルト46が架けられている。すなわち、ベルト46は、両端部に配置される駆動ローラ18aおよび駆動ローラ17aに巻き付けられている。ベルト46は、駆動ローラ18aの駆動力を駆動ローラ17aに伝達するために設けられている。なお、本実施の形態においてベルト46は、本発明の「伝達部材」に対応する。
【0078】
なお、駆動ローラ18aの表面には、軸方向Xの両端部にフランジ部が形成され、駆動ローラ17aの表面には、軸方向Xの両端部にフランジ部が形成されている。これにより、ベルト46が駆動ローラ17aおよび駆動ローラ18aから抜け落ちるのを抑制することができる。
【0079】
次に、図4および図5を参照して、排出ローラ対18の駆動ローラ18aおよび搬送ローラ対17の駆動ローラ17aの動作について説明する。
【0080】
(電磁クラッチ32のオフ時)
電磁クラッチ32(図3参照)がオフのときには、排出ローラ対18の駆動ローラ18aが取り付けられる回転軸41がモータ31(図3参照)と切断されている。このとき、駆動ローラ18aおよび回転軸41は、正転および逆転可能な状態であり、搬送ローラ対17の駆動ローラ17aおよび保持部材44は、回転軸41を中心に回転可能な状態である。このため、駆動ローラ17aおよび保持部材44は、荷重(自重)により、保持部材44が係合部(図示省略)と係合する位置まで移動している。なお、この保持部材44と係合部とが係合する位置は、搬送ローラ対17の駆動ローラ17aが従動ローラ17b(図2参照)と離間する離間位置である。
【0081】
(離間位置からモータ31の正転時)
電磁クラッチ32がオンにされると、回転軸41がモータ31と接続される。そして、モータ31に回転軸41が接続された状態で、モータ31が正転した場合には、回転軸41および駆動ローラ18aが正転方向R1に回転される。このとき、駆動ローラ17aが離間位置に位置する搬送ローラ対17では、圧縮コイルばね45による負荷により駆動ローラ17aが回転軸部171aを中心に回転しない。
【0082】
これにより、駆動ローラ17aが従動ローラ17bと接触する位置まで、駆動ローラ17aおよび保持部材44が回転軸41を中心に正転方向R1に移動される。このため、駆動ローラ17aが離間位置から接触位置まで移動される。なお、接触位置は、駆動ローラ17aが従動ローラ17bに直接接触する位置と、駆動ローラ17aが原稿Mを介して従動ローラ17bに接触する位置とを含んでいる。
【0083】
そして、駆動ローラ17aが従動ローラ17bと接触した後は、ベルト46により伝達される駆動力により、圧縮コイルばね45による負荷に抗して駆動ローラ17aが回転軸部171aを中心に正転方向R1に回転する。すなわち、駆動ローラ17aが接触位置で回転軸部171aを中心に正転方向R1に回転する。
【0084】
その結果、電磁クラッチ32がオンのときに、モータ31が正転されると、排出ローラ対18の駆動ローラ18aが正転され、搬送ローラ対17の駆動ローラ17aが接触位置で正転される。これにより、搬送ローラ対17および排出ローラ対18により挟持される原稿Mが排出トレイ12(図2参照)へ向けて搬送される。
【0085】
(接触位置からモータ31の逆転時)
モータ31が正転されることにより駆動ローラ17aが接触位置に位置する状態からモータ31が逆転された場合には、回転軸41および駆動ローラ18aが逆転方向R2に回転される。このとき、駆動ローラ17aが接触位置に位置する搬送ローラ対17では、圧縮コイルばね45による負荷により駆動ローラ17aが回転軸部171aを中心に回転しない。これにより、保持部材44が上記した係合部と係合する位置まで、駆動ローラ17aおよび保持部材44が回転軸41を中心に逆転方向R2に移動される。このため、駆動ローラ17aが接触位置から離間位置まで移動される。
【0086】
そして、保持部材44が係合部と係合した後は、ベルト46により伝達される駆動力により、圧縮コイルばね45による負荷に抗して駆動ローラ17aが回転軸部171aを中心に逆転方向R2に回転する。すなわち、駆動ローラ17aが離間位置で回転軸部171aを中心に逆転方向R2に回転する。
【0087】
その結果、電磁クラッチ32がオンであり、搬送ローラ対17の駆動ローラ17aが接触位置に位置するときに、モータ31が逆転されると、搬送ローラ対17の駆動ローラ17aが離間位置に移動され、排出ローラ対18の駆動ローラ18aが逆転される。これにより、排出ローラ対18により挟持される原稿Mが搬送路13cを介して搬送路13a(図2参照)へ向けて搬送される。
【0088】
本実施の形態では、上記のように、排出ローラ対18の駆動ローラ18aの駆動力を搬送ローラ対17の駆動ローラ17aに伝達するベルト46と、駆動ローラ17aの回転に対して負荷を与える圧縮コイルばね45とを設けることによって、アクチュエータなどの駆動源を別個に設けることなく、搬送ローラ対17の駆動ローラ17aを接触位置と離間位置との間で移動させることができる。
【0089】
図6は、本実施の形態に係る画像形成装置の片面読取時の動作を説明するためのフローチャートである。図7A〜図7Fは、本実施の形態に係る画像形成装置の片面読取時の動作を説明するための正面図である。図6および図7A〜図7Fを参照して、本実施の形態に係る画像形成装置100(図1参照)の片面読取時の動作について説明する。なお、以下では、原稿送り装置1において搬送可能な原稿のうち搬送方向の長さが最も小さい原稿M1(図7A参照)の片面が読み取られる場合を例に説明する。また、原稿M1は、たとえば、名刺であり、搬送方向の長さは約91mmである。
【0090】
ステップS1:
ピックアップローラ14(図2参照)により、原稿トレイ11にフェイスアップで載置される原稿M1が原稿送り装置1の内部に取り込まれる。そして、原稿M1が分離ローラ15(図2参照)に渡される。
【0091】
ステップS2:
分離ローラ15により、原稿送り装置1の内部に取り込まれた原稿M1が分離され、原稿M1が1枚ずつ搬送路13aに供給される。そして、原稿M1が搬送路13aを搬送される。
【0092】
ステップS3:
制御部33(図3参照)により、モータ31(図3参照)が正転される。これにより、搬送ローラ対16a〜搬送ローラ対16cが正転される。そして、搬送ローラ対16aにより、原稿M1が搬送路13aを搬送される。なお、このとき、電磁クラッチ32(図3参照)がオフであり、モータ31の駆動力が排出ローラ対18の駆動ローラ18aに伝達されていない。このため、搬送ローラ対17の駆動ローラ17aが離間位置に位置している。
【0093】
ステップS4:
搬送路13aを搬送される原稿M1により、レバー(図示省略)が搬送路13aから押し出される。そして、センサ20により、レバーの移動が検出される。これにより、制御部33は、センサ20の検出結果に基づいて、原稿M1(図7A参照)が搬送ローラ対16b近傍の上流側に位置していると判断する。
【0094】
ステップS5:
制御部33により、センサ20により原稿M1が検出されてから第1の時間が経過したか否かが判断される。そして、第1の時間が経過したと判断される場合には、ステップS6に移る。その一方、第1の時間が経過していないと判断される場合には、ステップS5が繰り返し行われる。なお、第1の時間は、原稿M1の先端部がセンサ20により検出されてから読取位置P1(図7B参照)に搬送されるまでの時間であり、予め設定された時間である。
【0095】
ステップS6:
画像読取部2により、読取位置P1を通過する原稿M1の表面の画像が読み取られる。具体的には、光学ユニット23の光源23aから光が出射される。このとき、光源23aから出射される光が原稿読取ガラス22を介して原稿M1に照射される。そして、原稿M1からの反射光が、原稿読取ガラス22、光源ユニット23のミラー23b、および、ミラーユニット24のミラー24aおよびミラー24bを介して撮像部25(図2参照)に入射される。なお、原稿M1の表面の読み取りは、原稿M1の後端部が読取位置P1を抜けるまで継続される。
【0096】
そして、読取位置P1を通過した原稿M1は、搬送路13bに搬送される。その後、搬送路13bを搬送方向Y3に搬送される原稿M1は、爪部材19を押し上げて搬送される。このとき、原稿M1は、搬送ローラ対16a〜搬送ローラ対16cにより搬送される。
【0097】
ステップS7:
搬送される原稿M1の後端部が搬送ローラ対16b近傍の上流側を通過することにより、レバー(図示省略)が搬送路13aを塞ぐ元の位置に戻る。そして、センサ20により、レバーの移動が検出される。このため、制御部33は、センサ20の検出結果に基づいて、原稿M1(図7C参照)が搬送ローラ対16b近傍の上流側を通過したと判断する。
【0098】
ステップS8:
制御部33により、センサ20により原稿M1が検出されてから第2の時間が経過したか否かが判断される。そして、第2の時間が経過したと判断される場合には、ステップS9に移る。その一方、第2の時間が経過していないと判断される場合には、ステップS8が繰り返し行われる。なお、第2の時間は、原稿M1の先端部がセンサ20により検出されてから搬送ローラ対17(図7D参照)の間に搬送されるまでの時間である。また、第2の時間は、予め設定された時間であり、第1の時間よりも長い時間である。これにより、第2の時間が経過したときには、原稿M1の先端部が搬送ローラ対17の間に位置している。
【0099】
ステップS9:
制御部33により、電磁クラッチ32がオンにされる。このため、モータ31の駆動力が排出ローラ対18の駆動ローラ18aに伝達される。これにより、駆動ローラ18aが正転され、搬送ローラ対17の駆動ローラ17aが離間位置から接触位置まで移動する。そして、駆動ローラ17a(図7E参照)が接触位置で正転される。これにより、搬送ローラ対17および排出ローラ対18(図7F参照)により原稿M1が搬送方向Y1に搬送される。なお、電磁クラッチ32がオンにされた際の詳細な動作は、上記の通りである。
【0100】
ステップS10:
制御部33により、センサ20により原稿M1の通過が検出されてから第3の時間が経過したか否かが判断される。そして、第3の時間が経過したと判断される場合には、ステップS11に移る。その一方、第3の時間が経過していないと判断される場合には、ステップS10が繰り返し行われる。なお、第3の時間は、原稿M1の後端部がセンサ20を通過してから排出ローラ対18を抜けるまでの時間であり、予め設定された時間である。これにより、第3の時間が経過したときには、排出ローラ対18により、原稿M1がフェイスダウンで排出トレイ12に排出されている。
【0101】
ステップS11:
制御部33により、モータ31の駆動が停止される。以上により、片面読取時の動作が終了される。
【0102】
本実施の形態では、上記のように、排出ローラ対18の駆動ローラ18aが正転するときに接触位置で正転する駆動ローラ17aを有する搬送ローラ対17を設けることによって、排出ローラ対18までの搬送距離(スイッチバック経路)が長い場合にも、搬送ローラ対17により名刺などの小さな原稿M1を排出ローラ対18へ搬送することができる。また、排出ローラ対18を離間させるためのアクチュエータなどを設ける必要がないので、原稿M1の搬送機構が複雑化するのを抑制することができる。その結果、搬送機構が複雑化するのを抑制するために、アクチュエータなどを設けることなく、排出ローラ対18までの搬送距離が長くなった場合に、サイズの小さな原稿M1であっても適切に搬送することができる。
【0103】
図8A〜図8Cは、本実施の形態に係る画像形成装置の両面読取時の動作を説明するためのフローチャートである。図9A〜図9Mは、本実施の形態に係る画像形成装置の両面読取時の動作を説明するための正面図である。図8A〜図8Cおよび図9A〜図9Mを参照して、本実施の形態に係る画像形成装置100(図1参照)の両面読取時の動作について説明する。なお、以下では、原稿送り装置1において搬送可能な原稿のうち搬送方向の長さが最も大きい原稿M2(図9A参照)の両面が読み取られる場合を例に説明する。また、原稿M2は、たとえば、リーガルサイズであり、搬送方向の長さは約356mmである。
【0104】
ステップS21:
ピックアップローラ14(図2参照)により、原稿トレイ11にフェイスアップで載置される原稿M2が原稿送り装置1の内部に取り込まれる。そして、原稿M2が分離ローラ15(図2参照)に渡される。
【0105】
ステップS22:
分離ローラ15により、原稿送り装置1の内部に取り込まれた原稿M2が分離され、原稿M2が1枚ずつ搬送路13aに供給される。そして、原稿M2が搬送路13aを搬送される。
【0106】
ステップS23:
制御部33(図3参照)により、モータ31(図3参照)が正転される。これにより、搬送ローラ対16a〜搬送ローラ対16cが正転される。そして、搬送ローラ対16aにより、原稿M2が搬送路13aを搬送される。なお、このとき、電磁クラッチ32(図3参照)がオフであり、モータ31の駆動力が排出ローラ対18の駆動ローラ18aに伝達されていない。このため、搬送ローラ対17の駆動ローラ17aが離間位置に位置している。
【0107】
ステップS24:
搬送路13aを搬送される原稿M2により、レバー(図示省略)が搬送路13aから押し出される。そして、センサ20により、レバーの移動が検出される。これにより、制御部33は、センサ20の検出結果に基づいて、原稿M2(図9A参照)が搬送ローラ対16b近傍の上流側に位置していると判断する。
【0108】
ステップS25:
制御部33により、センサ20により原稿M2が検出されてから第1の時間が経過したか否かが判断される。そして、第1の時間が経過したと判断される場合には、ステップS26に移る。その一方、第1の時間が経過していないと判断される場合には、ステップS25が繰り返し行われる。なお、第1の時間は、原稿M2の先端部がセンサ20により検出されてから読取位置P1(図9B参照)に搬送されるまでの時間であり、予め設定された時間である。
【0109】
ステップS26:
画像読取部2により、読取位置P1を通過する原稿M2の表面の画像が読み取られる。具体的には、光学ユニット23の光源23aから光が出射される。このとき、光源23aから出射される光が原稿読取ガラス22を介して原稿M2に照射される。そして、原稿M2からの反射光が、原稿読取ガラス22、光源ユニット23のミラー23b、および、ミラーユニット24のミラー24aおよびミラー24bを介して撮像部25(図2参照)に入射される。なお、原稿M2の表面の読み取りは、原稿M2の後端部が読取位置P1を抜けるまで継続される。
【0110】
そして、読取位置P1を通過した原稿M2は、搬送路13bに搬送される。その後、搬送路13bを搬送方向Y3に搬送される原稿M2は、爪部材19を押し上げて搬送される。このとき、原稿M2は、搬送ローラ対16a〜搬送ローラ対16cにより搬送される。
【0111】
ステップS27:
制御部33により、センサ20により原稿M2が検出されてから第2の時間が経過したか否かが判断される。そして、第2の時間が経過したと判断される場合には、ステップS28に移る。その一方、第2の時間が経過していないと判断される場合には、ステップS27が繰り返し行われる。なお、第2の時間は、原稿M2の先端部がセンサ20により検出されてから搬送ローラ対17(図9C参照)の間に搬送されるまでの時間である。また、第2の時間は、予め設定された時間であり、第1の時間よりも長い時間である。これにより、第2の時間が経過したときには、原稿M2の先端部が搬送ローラ対17の間に位置している。
【0112】
ステップS28:
制御部33により、電磁クラッチ32がオンにされる。このため、モータ31の駆動力が排出ローラ対18の駆動ローラ18aに伝達される。これにより、駆動ローラ18aが正転され、搬送ローラ対17の駆動ローラ17aが離間位置から接触位置まで移動する。そして、駆動ローラ17a(図9D参照)が接触位置で正転される。これにより、搬送ローラ対16a〜搬送ローラ対16c、搬送ローラ対17および排出ローラ対18により、原稿M2が搬送方向に搬送される。なお、電磁クラッチ32がオンにされた際の詳細な動作は、上記の通りである。
【0113】
ステップS29:
搬送される原稿M2の後端部が搬送ローラ対16b近傍の上流側を通過することにより、レバー(図示省略)が搬送路13aを塞ぐ元の位置に戻る。そして、センサ20により、レバーの移動が検出される。このため、制御部33は、センサ20の検出結果に基づいて、原稿M2(図9E参照)が搬送ローラ対16b近傍の上流側を通過したと判断する。
【0114】
ステップS30:
制御部33により、センサ20により原稿M2の通過が検出されてから第4の時間が経過したか否かが判断される。そして、第4の時間が経過したと判断される場合には、ステップS31に移る。その一方、第4の時間が経過していないと判断される場合には、ステップS30が繰り返し行われる。なお、第4の時間は、原稿M2の後端部がセンサ20を通過してから合流点P3を抜けるまでの時間である。また、第4の時間は、予め設定された時間であり、第3の時間よりも短い時間である。これにより、原稿M2の後端部が合流点P3を抜ける(通過する)まで、原稿M2(図9F参照)が搬送方向Y3に搬送される。
【0115】
ステップS31:
制御部33により、モータ31が逆転される。これにより、排出ローラ対18の駆動ローラ18aが逆転され、搬送ローラ対17の駆動ローラ17a(図9G参照)が接触位置から離間位置まで移動する。そして、原稿M2の搬送方向が逆方向に切り替えられ、原稿M2が搬送方向Y2に搬送される。すなわち、原稿M2が循環経路からスイッチバック経路に一旦出た後、再び循環経路に戻ることにより、搬送方向に対する原稿M2の先端および後端が切り替えられる。このとき、爪部材19が自重により搬送路13bを塞ぐ位置に配置されていることから、搬送方向Y2に搬送される原稿M2が搬送路13cへと導かれる。これにより、原稿M2(図9H参照)が表裏反転された状態で搬送路13cを介して搬送路13aへと戻される。
【0116】
なお、モータ31が逆転されたときには、搬送ローラ対16aが正転される。また、モータ31が逆転された際の詳細な動作は、上記の通りである。
【0117】
ステップS32:
搬送路13aを搬送される原稿M2により、レバー(図示省略)が搬送路13aから押し出される。そして、センサ20により、レバーの移動が検出される。これにより、制御部33は、センサ20の検出結果に基づいて、原稿M2(図9I参照)が搬送ローラ対16b近傍の上流側に位置していると判断する。
【0118】
ステップS33:
制御部33により、電磁クラッチ32がオフにされる。このため、モータ31の駆動力が排出ローラ対18の駆動ローラ18aに伝達されなくなる。このため、排出ローラ対18は、その後、原稿M2との摩擦力により空回りする。
【0119】
ステップS34:
制御部33により、モータ31が正転される。これにより、搬送ローラ対16a〜搬送ローラ対16cが正転する。なお、このとき、電磁クラッチ32がオフであり、モータ31の駆動力が排出ローラ対18の駆動ローラ18aに伝達されない。
【0120】
ステップS35:
制御部33により、センサ20により原稿M2が検出されてから第1の時間が経過したか否かが判断される。そして、第1の時間が経過したと判断される場合には、ステップS36に移る。その一方、第1の時間が経過していないと判断される場合には、ステップS35が繰り返し行われる。なお、第1の時間は、原稿M2の先端部がセンサ20により検出されてから読取位置P1(図9J参照)に搬送されるまでの時間である。
【0121】
ステップS36:
画像読取部2により、読取位置P1を通過する原稿M2の裏面の画像が読み取られる。なお、原稿M2の裏面の読み取りは、原稿M2の後端部が読取位置P1を抜けるまで継続される。そして、読取位置P1を通過した原稿M2は、搬送路13bに搬送される。その後、搬送路13bを搬送方向Y3に搬送される原稿M2は、爪部材19を押し上げて搬送される。このとき、原稿M2は、搬送ローラ対16a〜搬送ローラ対16cにより搬送される。
【0122】
ステップS37:
制御部33により、センサ20により原稿M2が検出されてから第2の時間が経過したか否かが判断される。そして、第2の時間が経過したと判断される場合には、ステップS38に移る。その一方、第2の時間が経過していないと判断される場合には、ステップS37が繰り返し行われる。なお、第2の時間は、原稿M2の先端部がセンサ20により検出されてから搬送ローラ対17(図9K参照)の間に搬送されるまでの時間である。これにより、第2の時間が経過したときには、原稿M2の先端部が搬送ローラ対17の間に位置している。
【0123】
ステップS38:
制御部33により、電磁クラッチ32がオンにされる。このため、モータ31の駆動力が排出ローラ対18の駆動ローラ18aに伝達される。これにより、駆動ローラ18aが正転され、搬送ローラ対17の駆動ローラ17aが離間位置から接触位置まで移動する。そして、駆動ローラ17a(図9L参照)が接触位置で正転される。これにより、搬送ローラ対17の駆動ローラ17aにより原稿M2の先端部が搬送方向Y1に搬送される。このとき、搬送ローラ対16a〜搬送ローラ対16cにより原稿M2が搬送されることから、原稿M2の後端部が搬送ローラ対17を抜けるまで従動ローラ17bが空回りする。なお、電磁クラッチ32がオンされるまでに、原稿M2の後端部が排紙ローラ対18を抜けるように設計されている。また、搬送ローラ電磁クラッチ32がオンにされた際の詳細な動作は、上記の通りである。
【0124】
ステップS39:
搬送される原稿M2の後端部が搬送ローラ対16b近傍の上流側を通過することにより、レバー(図示省略)が搬送路13aを塞ぐ元の位置に戻る。そして、センサ20により、レバーの移動が検出される。このため、制御部33は、センサ20の検出結果に基づいて、原稿M2(図9E参照)が搬送ローラ対16b近傍の上流側を通過したと判断する。
【0125】
ステップS40:
制御部33により、センサ20により原稿M2の通過が検出されてから第4の時間が経過したか否かが判断される。そして、第4の時間が経過したと判断される場合には、ステップS41に移る。その一方、第4の時間が経過していないと判断される場合には、ステップS40が繰り返し行われる。なお、第4の時間は、原稿M2の後端部がセンサ20を通過してから合流点P3を抜けるまでの時間である。これにより、原稿M2の後端部が合流点P3を抜けるまで、原稿M2(図9F参照)が搬送方向Y3に搬送される。
【0126】
ステップS41〜ステップS47:
ステップS41〜ステップS47は、それぞれ、ステップS31〜ステップS34およびステップS37〜ステップS39と同様である。
【0127】
このステップS41〜ステップS47は、両面に対して読み取りが行われた原稿M2を再び循環経路に送ることにより、原稿M2の表裏を再び反転させることによって、原稿M2をフェイスダウンで排出トレイ12に排出するためのステップである。このため、原稿M2が読取位置P1を通過する際に、画像読取部2による画像の読み取りが行われない。
【0128】
ステップS48:
制御部33により、センサ20により原稿M2の通過が検出されてから第3の時間が経過したか否かが判断される。そして、第3の時間が経過したと判断される場合には、ステップS49に移る。その一方、第3の時間が経過していないと判断される場合には、ステップS48が繰り返し行われる。なお、第3の時間は、原稿M2の後端部がセンサ20を通過してから排出ローラ対18を抜けるまでの時間であり、予め設定された時間である。これにより、排出ローラ対18により、原稿M2がフェイスダウンで排出トレイ12に排出されるまで、原稿M2(図9M参照)が搬送方向Y1に搬送される。
【0129】
これにより、原稿トレイ11に複数の原稿M2が載置され、複数の原稿M2が連続的に読み取られて排出トレイ12に排出された場合にも、複数の原稿M2の順番に対する面の向きが反転するのを防止することができる。
【0130】
ステップS49:
制御部33により、モータ31の駆動が停止される。以上により、両面読取時の動作が終了される。
【0131】
本実施の形態では、上記のように、搬送ローラ対17の駆動ローラ17aが、排出ローラ対18の駆動ローラ18aが逆転するときに接触位置から離間位置に移動することによって、排出ローラ対18により原稿M2が搬送路13cを介して搬送路13aへ搬送される際に、駆動ローラ17aを搬送路13bから退避させることができる。これにより、スイッチバックされる原稿M2の搬送を搬送ローラ対17が妨げるのを防止することができる。
【0132】
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0133】
たとえば、本実施の形態では、両面に対して読み取りが行われた原稿M2を再び循環経路に送ることにより、原稿M2をフェイスダウンで排出トレイ12に排出する例を示したが、これに限らず、両面に対して読み取りが行われた原稿M2をそのままフェイスアップの状態で排出トレイ12に排出するようにしてもよい。すなわち、ステップS40〜ステップS47を省略するようにしてもよい。
【0134】
また、本実施の形態では、搬送ローラ対16a〜搬送ローラ対16cを駆動するモータ31により、排出ローラ対18も駆動される例を示したが、これに限らず、搬送ローラ対16a〜搬送ローラ対16cを駆動するモータとは別個に排出ローラ対18を駆動するモータが設けられていてもよい。
【0135】
また、本実施の形態において、ピックアップローラ14および分離ローラ15は、モータ31により駆動されていてもよいし、モータ31以外の別個に設けられたモータにより駆動されていてもよい。
【0136】
また、本実施の形態では、ピックアップローラ14により原稿が取り込まれた後、原稿が搬送ローラ対17の間に搬送されるまで、電磁クラッチ32がオフであり、排出ローラ対18の駆動ローラ18aおよび搬送ローラ対17の駆動ローラ17aが駆動されない例を示したが、これに限らず、ピックアップローラ14により原稿が取り込まれた後、原稿が搬送ローラ対17の間に搬送されるまで、電磁クラッチ32がオンであり、排出ローラ対18の駆動ローラ18aおよび搬送ローラ対17の駆動ローラ17aが正転するようにしてもよい。
【0137】
また、本実施の形態では、排出ローラ対18の駆動ローラ18aの駆動力を搬送ローラ対17の駆動ローラ17aに伝達する伝達部材の一例としてベルト46を示したが、これに限らず、排出ローラ対18の駆動ローラ18aの駆動力を搬送ローラ対17の駆動ローラ17aに伝達する伝達部材として、チェーンまたはギヤなどが設けられていてもよい。
【0138】
また、本実施の形態では、負荷部材の一例として搬送ローラ対17の駆動ローラ17aの軸方向(スラスト方向)に付勢する圧縮コイルばね45を示したが、これに限らず、たとえば、負荷部材として搬送ローラ対17の駆動ローラ17aの軸方向と直交する方向(ラジアル方向)に付勢する板ばねが設けられていてもよい。
【0139】
また、本実施の形態では、センサ20により原稿が検出されてから第2の時間が経過した場合に、原稿が搬送ローラ対17の間に位置すると判断される例を示したが、これに限らず、原稿が搬送ローラ対17の間に位置するか否かを検出するセンサが別個に設けられていてもよい。
【0140】
また、本実施の形態では、センサ20により原稿の通過が検出されてから第3の時間が経過した場合に、原稿の後端部が排出ローラ対18を抜けたと判断される例を示したが、これに限らず、原稿の後端部が排出ローラ対18を抜けたか否かを検出するセンサが別個に設けられていてもよい。
【0141】
また、本実施の形態では、センサ20により原稿の通過が検出されてから第4の時間が経過した場合に、原稿の後端部が合流点P3を抜けたと判断される例を示したが、これに限らず、原稿の後端部が合流点P3を抜けたか否かを検出するセンサが別個に設けられていてもよい。
【0142】
また、本実施の形態では、センサ20により原稿が検出されてからの経過時間に基づいて原稿の位置を判断する例を示したが、これに限らず、センサ20により原稿が検出されてからのモータ31の回転数に基づいて原稿の位置を判断するようにしてもよい。
【0143】
また、本実施の形態では、保持部材44の側板44bに凹状の軸受部44cが形成される例を示したが、これに限らず、保持部材44の側板44bに貫通孔状の軸受部が形成されていてもよい。この場合には、側板44bに駆動ローラ17aの一方端部172aが当接するようにすればよい。
【0144】
また、本実施の形態では、原稿送り装置1に制御部33が設けられる例を示したが、これに限らず、原稿送り装置1に制御部33が設けられておらず、画像形成装置1の制御部7が制御部33の機能を果たすようにしてもよい。
【0145】
また、本実施の形態では、駆動ローラ17aが接触位置と離間位置との間を移動する例を示したが、これに限らず、従動ローラが接触位置と離間位置との間を移動するようにしてもよい。すなわち、駆動ローラ17aが本発明の一方のローラであり、従動ローラ17bが本発明の他方のローラである例を示したが、これに限らず、駆動ローラが本発明の他方のローラであり、従動ローラが本発明の一方のローラであってもよい。
【符号の説明】
【0146】
1 原稿送り装置
2 画像読取部
4 画像形成部
12 排出トレイ
13a 搬送路(第1搬送路)
13b 搬送路(第2搬送路)
13c 搬送路(第3搬送路)
17 搬送ローラ対
17a 駆動ローラ(第2駆動ローラ、一方のローラ)
17b 従動ローラ(第2従動ローラ、他方のローラ)
18 排出ローラ対
18a 駆動ローラ(第1駆動ローラ)
18b 従動ローラ(第1従動ローラ)
44 保持部材
45 圧縮コイルばね(負荷部材)
46 ベルト(伝達部材)
100 画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿が読取位置へ搬送される第1搬送路と、
前記読取位置に搬送された原稿が排出トレイへ搬送される第2搬送路と、
前記第1搬送路および前記第2搬送路の間に設けられ、前記読取位置を通過した原稿が前記第1搬送路へと戻される第3搬送路と、
前記第2搬送路に設けられ、第1駆動ローラおよび第1従動ローラを含む排出ローラ対とを備え、
前記排出ローラ対は、前記第1駆動ローラを正転させることにより、前記読取位置を通過した原稿を前記排出トレイへ搬送し、前記第1駆動ローラを逆転させることにより、前記読取位置を通過した原稿を前記第3搬送路を介して前記第1搬送路へ搬送する構成とされている原稿送り装置であって、
前記第2搬送路に設けられ、第2駆動ローラおよび第2従動ローラを含む搬送ローラ対を備え、
前記第2駆動ローラおよび前記第2従動ローラのいずれか一方のローラは、前記第2駆動ローラおよび前記第2従動ローラの他方のローラと接触する接触位置と、前記他方のローラと離間する離間位置との間を移動する構成とされ、
前記搬送ローラ対は、前記排出ローラ対に対して前記排出トレイとは反対側に設けられており、前記第1駆動ローラが正転する場合に、前記一方のローラが前記接触位置に位置することにより、前記読取位置を通過した原稿を前記排出ローラ対へ搬送する構成とされていること
を特徴とする原稿送り装置。
【請求項2】
請求項1に記載の原稿送り装置であって、
前記搬送ローラ対は、前記第1駆動ローラが逆転する場合に、前記一方のローラが前記接触位置から前記離間位置に移動する構成とされていること
を特徴とする原稿送り装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の原稿送り装置であって、
前記一方のローラは、前記第2駆動ローラであり、
前記他方のローラは、前記第2従動ローラであること
を特徴とする原稿送り装置。
【請求項4】
請求項3に記載の原稿送り装置であって、
前記第1駆動ローラの駆動力を前記第2駆動ローラに伝達するための伝達部材を備えること
を特徴とする原稿送り装置。
【請求項5】
請求項4に記載の原稿送り装置であって、
前記第2駆動ローラを保持する保持部材と、
前記第2駆動ローラの回転に対して負荷を与える負荷部材とを備え、
前記保持部材に保持された前記第2駆動ローラは、前記伝達部材により前記第1駆動ローラの駆動力が前記第2駆動ローラに伝達された場合に、前記負荷部材による負荷により回転しないときに、前記接触位置と前記離間位置との間を移動する構成とされていること
を特徴とする原稿送り装置。
【請求項6】
請求項5に記載の原稿送り装置であって、
前記第2駆動ローラは、筒状に形成され、
前記負荷部材は、筒状の前記第2駆動ローラの内部に配置されていること
を特徴とする原稿送り装置。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の原稿送り装置であって、
前記負荷部材は、圧縮コイルばねであり、
前記圧縮コイルばねは、前記第2駆動ローラを前記保持部材に付勢していること
を特徴とする原稿送り装置。
【請求項8】
請求項4から請求項7までのいずれか一つに記載の原稿送り装置であって、
前記伝達部材は、前記第1駆動ローラと、前記第2駆動ローラとに架けられたベルトであること
を特徴とする原稿送り装置。
【請求項9】
請求項3から請求項8までのいずれか一つに記載の原稿送り装置であって、
前記排出ローラ対は、前記第2搬送路を搬送される原稿の先端部が前記搬送ローラ対の間まで到達したときに、前記第1駆動ローラを正転させる構成とされ、
前記搬送ローラ対は、前記第1駆動ローラが正転されることにより、前記第2駆動ローラが前記離間位置から前記接触位置まで移動された後、前記第2駆動ローラが正転される構成とされていること
を特徴とする原稿送り装置。
【請求項10】
請求項9に記載の原稿送り装置であって、
前記排出ローラ対は、前記第2搬送路を搬送される原稿の後端部が前記第2搬送路と前記第3搬送路との合流点を通過したときに、正転している前記第1駆動ローラを逆転させる構成とされ、
前記搬送ローラ対は、前記第1駆動ローラが逆転されることにより、前記第2駆動ローラが前記接触位置から前記離間位置まで移動される構成とされていること
を特徴とする原稿送り装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10までのいずれか一つに記載の原稿送り装置と、
前記原稿送り装置により搬送される原稿を読み取る画像読取部と、
前記画像読取部により読み取られた画像データに基づいて画像を形成する画像形成部とを備えること
を特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図7C】
image rotate

【図7D】
image rotate

【図7E】
image rotate

【図7F】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図8C】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図9C】
image rotate

【図9D】
image rotate

【図9E】
image rotate

【図9F】
image rotate

【図9G】
image rotate

【図9H】
image rotate

【図9I】
image rotate

【図9J】
image rotate

【図9K】
image rotate

【図9L】
image rotate

【図9M】
image rotate


【公開番号】特開2012−240823(P2012−240823A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−114928(P2011−114928)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】