説明

双胴航海船からの船荷の積み卸しのための方法および装置

【課題】複数船体の船から船荷を積み卸しするための新規かつ改良された方法および装置を提供すること。より経済的な様式で、複数船体の船から船荷を積み卸しするための新規かつ改良された方法および装置を提供すること;より速い速度で、複数船体の船から船荷を積み卸しするための新規かつ改良された方法および装置を提供すること;浮揚性コンテナの積み卸しのための新規かつ改良された方法および装置を提供することであり、ここで、船は、船荷を積んだ種々のサイズの浮揚性コンテナを収容し得ること;浮揚性コンテナの積み卸しのための新規かつ改良された方法および装置を提供することであり、ここで、積み卸しは、同時に実施され得ること。
【解決手段】双胴船の水中プラットホーム上の浮揚性船荷コンテナの効率的な積み卸しを提供する、方法および装置であって、特に、不規則に波立つ海面の通商に効率的であるもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、一般に、航海に適する船からの船荷の効率的な積み卸しに関する。より詳細には、本発明の方法および装置は、双胴船の水中プラットホーム上の浮揚性船荷コンテナの効率的な積み卸しを提供する。本発明の方法および装置は、特に、不規則に波立つ海面の通商に効率的である。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
世界的貿易が拡大したので、1つの場所から遠隔場所に、海を超えて横断する貨物を効率的に輸送することがますます必要になっている。貨物のコンテナは、鉄道、トラック、内陸水路船舶などにより陸地で輸送されている。内陸航行のための陸に拘束されるキャリヤーまたは船舶の作動の許容範囲はその沿岸で終了する。その点で、内陸水路船荷により輸送され、そして海を横切って運搬されるべき船荷は、航海に適しない内陸船舶から航海に適する船に移されなければならない。
【0003】
内陸水路船舶から航海に適する船に貨物を移すことは、特に、水路船舶内に含まれる貨物が再パッケージされる必要がある場合、最も不便で、時間を浪費し、かつコスト高である。このような公知の技法を利用することでは、しばしば、航海に適する船が、移入ポートに到着し、そして最適内陸キャリヤーが内陸船舶であり得る場合に、船荷を再び再パッケージすることが同様に必要である。
【0004】
先行技術では、海を横切る、積載内陸水路船舶を運搬するための多くのタイプの船舶が開発された。例えば、先行技術は、LASH(「軽量舷側船(Lighter Aboard SHip)」)キャリヤー、BACO(「荷船コンテナ(BArge/Container)」)ライナー、およびBarCat(「荷船双胴船(BArge CATamaran)」)船を提供している。これら先行技術船舶の各々は、適用に特異的な機械装置を必要とする。
【0005】
先行技術のLASHキャリヤーおよびBACOライナーは、代表的には、長い航海後の船荷の取扱いに消費された時間が、短い航海後のその頻繁な乗り継ぎ(layover)時間がある不規則に波立つ海面通商におけるより重要でない、遠洋通商のために主に設計された船である。LASHキャリヤーおよびBACOライナーの両方は、キャリヤー船舶のために特に構築された荷船を利用する。これは、大いにコストを増加する。LASHキャリヤーは、これらの荷船を、海上クレーンにより次々と舷側に乗せ、その一方、BACOライナーは、その船首ゲートを通じて続々と内外に荷船を浮かべる。従って、入来荷船対出る荷船の交換に多くの時間を要し、これらの遠洋荷船キャリヤーが、不規則に波立つ海面通商において経済的に実行不能であることの原因となる。相当により小さなBarCatもまた、キャリヤー船のために特異的に形成される荷船に依存し、そしてその相対的に小さなサイズのために非経済的であることが証明されている。
【0006】
LASHキャリヤー、BACOライナー、BarCAt船、およびその他のより初期の荷船キャリヤーは、キャリヤー船舶のために特に構築された荷船を採用している。これら先行技術荷船のすべては、内陸荷船より小さく、そしてそれらの小サイズのため、内陸航行においては、より経済的に実行可能でなく、−−または全く経済的に実行可能でない−−。事実、船荷の再パッケージングが必要であり得る。さらに、到着荷船対出発荷船の交換は、不規則に波立つ海面通商で実行可能に経済的であるには時間がかかり過ぎる。
【0007】
特に、波立つ海面通商のために、半水中船またはSWATH船(「小水面領域双胴船(Small Waterplane Area Twin Hull)」)が、海を横切る積載内陸船舶を効率的に輸送する特別の荷船キャリヤーとして、特別の注目を獲得した。SWATHは、複数胴船である。各胴は、水面の平面内で狭く、表面下でより深く、かなりより大きな断面積を提供する。この形態に起因して、SWATHは、従来の船舶の特徴であるような、胴内側に貨物倉(乾燥倉)をもたないが、デッキ上に乾燥倉を保持しなければならず、その一方、胴の下部セクションは、浮揚性本体のみとして供される。この浮揚性本体は、バラストタンクを含み、これは、SWATHの種々の積荷条件に依存し、この船舶を、効率的な作動喫水に維持するために幾分水で充填されている。それは、デッキ上にその船荷を保持し得るので、SWATCHは、はしけ、押し荷船、自己推進荷船、または任意のその他の浮揚性コンテナのような、すべてのタイプのフルサイズの内陸水路船舶を収容し得る。勿論、この利点からの利益を受けるため、およびその不規則に波立つ海面通商のためのスケールのその経済性から、大きなSWATHタイプ荷船キャリヤーは、そのより大きなサイズにかかわらず、コンテナを迅速に積み卸しできなければならない。
【0008】
浮揚性コンテナのためのキャリヤー船として提案された、大きなSWATHの詳細な実施形態が、独国特許出願第DE4229706A1に記載されており、これは、本発明と同じ発明者によって発明された。前記の独国特許出願に開示される船は、トランスシーリフター(「TSL」)と呼ばれている。前記の独国特許出願は、この参照によってこの特許に本明細書によって援用されるが、図1に示されるTSL船とは異なる。図1のTSL船100は、標準的な荷船のみならず、種々のサイズの多くの荷船−−すなわち、浮揚性コンテナ−−を収容し得る水中プラットホームを有する。しかし、異なる荷船の運搬または異なる数の荷船に起因して、このプラットホームの浸漬または上昇のプロセスはより複雑であり、かつ本発明の一部を構成する。
【0009】
船100は、その船首構造と船尾構造との間で、横断トラス5により、各々が垂直ガイドの間に水中プラットホーム4を備えているいくつかの船荷スペースに細分割される双胴船の形態にあるSWATHである。この水中プラットホーム4は、浮揚性コンテナ12の積み卸しのために浸水かつ脱水され得る。船100が海上にあるとき、この水中プラットホーム4は、水の上に良好に着座すべきである。貨物を積載した浮揚性コンテナを交換するとき、船100は、その喫水を、その水中プラットホーム4が水に浮かぶようになるまで増加すべきである。水中プラットホーム4が水中に入った後、それらのデッキ上に配列された浮揚性コンテナ12は、水に浮かび、そして新たな浮揚性コンテナと交換される。新たに浮揚性コンテナ12で積載され、この水中プラットホーム4は、船100がその航海を継続するために準備するとき、水から再び浮かび上がるべきである。
【0010】
前記の独国特許出願は、不規則に波立つ海面の通商に非常に効率的なTSLを提供したが、積み卸し、および海上運行のために船100の水中プラットホーム4のレベルを効率的に制御するための新たな手段が提供されている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
従って、本発明の主な目的は、複数船体の船から船荷を積み卸しするための新規かつ改良された方法および装置を提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、より経済的な様式で、複数船体の船から船荷を積み卸しするための新規かつ改良された方法および装置を提供することである。
【0013】
本発明のなお別の目的は、より速い速度で、複数船体の船から船荷を積み卸しするための新規かつ改良された方法および装置を提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、浮揚性コンテナの積み卸しのための新規かつ改良された方法および装置を提供することであり、ここで、船は、船荷を積んだ種々のサイズの浮揚性コンテナを収容し得る。
【0015】
本発明のなおさらに別の目的は、浮揚性コンテナの積み卸しのための新規かつ改良された方法および装置を提供することであり、ここで、積み卸しは、同時に実施され得る。
【0016】
本発明のなお別の目的は、複数船体の船から船荷を積み卸しするための新規かつ改良された方法および装置を提供することであり、ここで、この船の浮揚性プラットホームを受容するレベルは、周期的に再調整され得る。
【0017】
本発明のその他の目的および利点は、本明細書および図面から明らかとなる。
【0018】
本願発明によって、以下が提供される:
(項目1)少なくとも1つの浮揚性コンテナ中にパックされた船荷を航海に適する船舶上に積載する方法であって、該船舶が:
(i)水面の下に横たわる第1および第2の実質的に平行な船体;
(ii)該船舶の喫水および水平部分を調節するための第1および第2の船体タンクであって、ここで、該船体タンクが水で実質的に充填されているとき、該船舶が積載喫水にあり、そして該船体タンクが実質的に空気で充填されているとき、該船舶が航海喫水にあるタンク;
(iii)ほぼ水平な水中プラットホーム;
(iv)該プラットホームからの支持棒突出部;
(v)該第1の船体と第2との船体との間に結合され、そして該プラットホームにほぼ垂直な横断方向トラス;
(vi)該支持棒に係合し、そして該プラットホームを支持するための該横断トラス上の支持レール;
(vii)該プラットホームの下で長軸方向および横断方向に分割された空気セル;
(viii)第1の空気コンプレッサー;
(ix)該第1の空気コンプレッサーから該空気セル中に空気を注入するための第1の配管手段;
(x)該第1の空気コンプレッサーから該空気セル中に空気の流れを調節する第1のバルブ;
(xi)該空気セルから空気を排出するための第1のベント配管手段;
(xii)該空気セルから空気の排出を調節する第2のバルブ;
(xiii)第2の空気コンプレッサー;
(xiv)該第2の空気コンプレーサーから該船体タンク中に空気を注入するための第2の配管手段;
(xv)該第2の空気コンプレッサーからの該船体タンク中への空気の流れを調節する第3のバルブ;
(xvi)該船体タンクから空気を排出するための第2のベント配管手段;
(xvii)該船体タンクから空気の排出を調節する第4のバルブ;
(xviii)中央プロセッサに該プラットホームの浸漬の深さおよび水平位置に関するフィードバックを提供する、該プラットホーム上に取り付けられた第1の複数のセンサー;
(xix)該中央プロセッサに該船体の浸漬の深さおよび水平位置に関するフィードバックを提供する、該船体上に取り付けられた第2の複数のセンサー;および
(xx)該空気コンプレッサーから該空気セルおよび該船体タンクへの圧縮空気の流れを調節する該第1のバルブおよび第3のバルブをそれぞれ設定するための算出された流速、および該空気セルおよび該船体タンクからそれぞれ排出される空気の流れを調節する該第2のバルブおよび第4のバルブのための算出された流速を含む中央プロセッサを備え、
ここで、該方法は以下の工程:
(a)該プラットホームを水面レベルの下に浸漬する工程であって、該船舶が該積載喫水にあるとき、該プラットホームが該船体上に支持される工程;
(b)該プラットホーム上の該船荷を浮揚する工程;
(c)該第1の空気コンプレッサーから、該プラットホームが最初に該船荷に係合するまで、該第1のバルブによって第1の算出速度で該第1の配管手段を通じて注入する工程;(d)該第1の空気コンプレッサーから、該プラットホームが水レベルにあるまで上昇するまで、該第1のバルブによって第2の算出速度で該第1の配管手段を通じて注入する工程;
(e)該第1の空気コンプレッサーから、該プラットホームがプログラムされた乾舷レベルにあるまで、該第1のバルブによって第3の算出速度で該第1の配管手段を通じて注入
する工程;
(f)該支持棒を係合するために該支持レールを伸ばす工程;および
(g)該第2の空気コンプレッサーから、該第2の配管手段を通じて、該船舶が航海喫水にあるまで空気を注入する工程、を包含する、方法。
(2)注入される空気の前記第1の算出流速、注入される空気の前記第2の算出速度、および注入される空気の前記第3の算出速度が同じである、項目1に記載の方法。
(3)航海に適した船舶から少なくとも1つの浮揚性コンテナ中にパックされた船荷を卸す方法であって、該船舶が:
(i)水面の下に横たわる第1および第2の実質的に平行な船体;
(ii)該船舶の喫水および水平部分を調節するための第1および第2の船体タンクであって、ここで、該船体タンクが水で実質的に充填されているとき、該船舶が積載喫水にあり、そして該船体タンクが実質的に空気で充填されているとき、該船舶が航海喫水にあるタンク;
(iii)ほぼ平行な水中プラットホーム;
(iv)該プラットホームからの支持棒突出部;
(v)該第1の船体と第2との船体との間に結合され、そして該プラットホームにほぼ垂直な横断方向トラス;
(vi)該支持棒に係合し、かつ該プラットホームを支持するための該横断トラス上の支持レール;
(vii)該プラットホームの下で長軸方向および横断方向に分割された空気セル;
(viii)第1の空気コンプレッサー;
(ix)該第1の空気コンプレッサーから該空気セル中への空気を注入するための第1の配管手段;
(x)該第1の空気コンプレッサーから該空気セル中に空気の流れを調節する第1のバルブ;
(xi)該空気セルから空気を排出するための第1のベント配管手段;
(xii)該空気セルから空気の排出を調節する第2のバルブ;
(xiii)第2の空気コンプレッサー;
(xiv)該第2の空気コンプレーサーから該船体タンク中に空気を注入するための第2の配管手段;
(xv)該第2の空気コンプレッサーから該船体タンク中への空気の流れを調節する第3のバルブ;
(xvi)該船体タンクからの空気の排出を調節する第2のベント配管手段;
(xvii)該船体タンクからの空気の排出を調節する第4のバルブ;
(xviii)中央プロセッサに該プラットホームの浸漬の深さおよび水平位置に関するフィードバックを提供する、該プラットホーム上に取り付けられた第1の複数のセンサー;
(xix)該中央プロセッサに該船体の浸漬の深さおよび水平位置に関するフィードバックを提供する、該船体上に取り付けられた第2の複数のセンサー;および
(xx)該空気コンプレッサーから該空気セルおよび該船体タンクへの圧縮空気の流れを調節する該第1のバルブおよび第3のバルブをそれぞれ設定するための算出された流速、および該空気セルおよび該船体タンクからそれぞれ排出される空気の流れを調節する該第2のバルブおよび第4のバルブのための算出された流速を含む中央プロセッサを備え、
ここで、該方法は以下の工程:
(a)該第1および第2の船体タンクから、該船舶が、該プラットホームが該水面と接触するレベルにあるまで、タンクが水で溢れることを可能する該第2の配管手段を通じて、第1の算出速度で空気を排出する工程;
(b)該第1および第2の船体タンクから、該船舶が、該プラットホームがプログラムされた乾舷レベルにあるまで、タンクが水で溢れることを可能する該第2の配管手段を通じて、第2の算出速度で空気を排出する工程;
(c)該支持体レールを、該支持棒から脱係合するために退避させる工程;
(d)該第1および第2の船体タンクから、該船舶が積載喫水にあるまでタンクを水で溢れることを可能にする該第2の配管手段を通じて第3の算出速度で空気を排出する工程;(e)該空気セルから、該プラットホームが該船体上に支持され、そして該船荷が自由に浮遊するまで該第1の配管手段を通じて空気を排出する工程;ならびに
(f)該船荷を取り除く工程、を包含する、方法。
(4)空気を排出する前記第1の算出速度、空気を排出する前記第2の算出速度、および空気を排出する前記第3の算出速度が同じである、項目3に記載の方法。
(発明の要旨)
簡単に述べれば、本発明の好ましい実施形態による。
【0019】
本明細書は、本明細書において発明とみなされる主題を詳細に指摘し、そして明瞭に請求する請求項で終了するが、本発明は、添付の図面の図面と組合せ、本明細書を考慮する際により容易に理解されると考えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
先ず初めに図1を参照して、双胴TSLは、一般に100で指定されて示される。本発明の好ましい実施形態は、双胴TSLと組合せて説明されるが、調節可能な水中積載プラットホームおよび2つより多くの船体を有する船で等しく有効である。船100は、船体1および1’、プロペラ2および2’、ならびに方向舵3および3’を有する。水中プラットホーム4、4’および4’’は、船首楼6および船尾7の構造とともに船体1および1’を互いに連結する横断トラス5、5’、5’’および5’’’間の支持体(図1には示されず)上に着座している。ブリッジ8、ならびに船体1および1’中の推進用プラント(図示せず)の煙突9および9’は、船尾7上に配置されている。必要に応じて2つの荷船取扱いタッグ10および10’があり、船尾7の後部のバース11中に貯蔵される。これらの随意のタッグ10および10’は、水に浮かぶ浮揚性コンテナ12、12’、12’’、12’’’、12’’’’および12’’’’’の、水中プラットホーム4、4’および4’’から、およびそれらの上への積載の補助を提供する。明らかに、自己推進内陸水路船舶および類似の浮揚性コンテナには、随意のタッグ10および10’は不必要である。
【0021】
次に図2を参照して、船100における船体1の縦側面図が示される。船体1’の図は同一である。後部船体15は、圧力センサー13およびエンジンルーム14を含む。図3は、後部船体15の分解組立て図であり、そして船体タンク16およびサービス細通路17をさらに含む。船荷スペース24が、横断トラス5および5’間に創製される。水中プラットホーム4の下の船体タンク16および16’およびサービス細通路17は、船荷スペース24内にある。ターボコンプレッサー26は、圧縮空気幹線28により、水中プラットホーム4、4’および4’’のレベルを制御するための圧縮空気を生成する。同様に、ターボコンプレッサー27は、圧縮空気幹線28により、船体タンク16および16’への圧縮空気を生成する。上記のように、水中プラットホーム4は、隣接する横断トラス5および5’の側面23および23’で支持体上に適合する。船100および水中プラットホーム4の各々が再浮上しているとき、比較的低い、連続的に変化する圧力の大量の圧
縮空気が、ターボコンプレッサー26、および船体タンク16および水中プラットホーム4から水を追い出すためのターボコンプレッサー27から必要である。操作の迅速シークエンスおよび大量の空気のため、代表的には、ターボコンプレッサー26およびターボコンプレッサー27は、高電力ターボコンプレッサーである。このような利用可能なコンプレッサーは当該技術分野で公知である。
【0022】
船体タンク16のための圧縮空気は、エンジンルーム14内のターボコンプレッサー27により生成される。最小送達圧力を制限することを除き、ターボコンプレッサー27は、一般に、それらの操作範囲内で開いたループで作動する。なぜなら、送達容積および圧力は、配管系31のチェックバルブ32により調節されるからである(図4)。水中プラットホーム4のためのより低い送達圧力の圧縮空気は、船体1および1’のエンジンルーム14内のターボコンプレッサー26により生成される。各ターボコンプレッサー26は、すべての水中プラットホーム4の片半分側のセル40、40’、40’’および40’’’に供給する。この配置は、図5で最も良く観察される。ターボコンプレッサー26はまた、一般に、それらの操作範囲内で開いたループで作動する。なぜなら、送達容積および送達圧力は、配管系43のチェックバルブ44によって調節されるからである。前述の船100の後部船体15中の圧力センサー13、および船100の前部船体19中の圧力センサー18は、実際の喫水線を決定するための水圧を測定するために利用される。遠隔制御シャットオフバルブ30もまた、船体タンク16の底で利用可能にされる。
【0023】
船100の船体1および1’の最端部は、船首楼6により前部船体19に、そして船尾7により後部船体15に接続される。船100が、航海喫水線にあるとき、前部船体6および後部船体15中の船体1および1’は、それら自身の重量およびそれらの上の船首楼6および船尾7のデッキ構造の重量を支える。航海喫水線の間の水面は、図2の水レベル20によって反映される。船100が積載喫水線に再浸漬するとき、前部船体19および後部船体15は、船体1および1’中の氾濫割当てバラストタンク16および16’によって浸水される。積載喫水線の間の水面は、図2中の水レベル21によって反映される。船体タンク16および16’に取り込まれる水の容積は、それらが船100とともに浸水されるとき、船首楼6および船尾7の上記水成分が取って代わる小量の水に等しい。この点で、船首楼6および船尾7中の最も低い水密デッキ22および25の水密縁板52は、それぞれ、デッキ37の下に伸びる。ベントパイプ47は、デッキ37により取り囲まれる容積におよび縁板52を大気に開放し、その結果、船首楼6および船尾7が浸水する船100で水中に沈むとき、捕捉される空気クッションはない。
【0024】
船100が、航海喫水線で航海するとき、図2に示されるような船首楼6中の最も低い水密デッキ22は、水面上数メートルにある。しかし、船100が積載喫水線まで浸されるとき、水密デッキ22は、正確に水面に横たわり、その結果、船首楼6は、浮器体を有し、そしてその船首で船100を安定化する。同じ原理が船尾7中の最も低い水密デッキ25に適用され、それ故、その船尾で船100を同様に安定化する。
【0025】
図4は、サービス細通路17が、船体タンク16および16’中に空気を注入し、そしてそれから空気を排出する両方のための空気配管系を含む例を示す。これらの配管系は、船100中で、全能力の90%に等しい空気の処理能力で、プログラムされた時間長さ内で浸し、かつ最出現するための寸法であり、それ故、空気流速を調節するために+/−10%の範囲を提供する。
【0026】
圧縮空気幹線29は、空気流れを割当てられた船体タンク16および16’中に調節するために遠隔制御されるチェックバルブ32および32’を備える分岐ライン31および31’によって、船体タンク16および16’に接続される。船体タンク16および16’は、出て行く(すなわち排気される)空気の流れを調節するための遠隔制御されるチェ
ックバルブ34および34’を備える割当てられたパイプライン33および33’によって排気される。サービス細通路17中のパイプライン33および33’は、カラムまたは支柱36および横断トラス5’を通って上方に走る共通ライン35に接続され、出て行く空気を大気中に放出する。
【0027】
図5は、水中プラットホーム4および配管系を備えた船荷スペース24の一部を示し、この配管系は、浸漬のために水中プラットホーム4を排気し、そして再浮上のためにそれに圧縮空気を供給する。水密縁板52の境界内に、そのデッキ37の下の水中プラットホーム4は、水密縦隔壁38および38’および横隔壁39および39’によってセル40、40’、40’’および40’’’に分割される。水中プラットホーム4が水に浮かぶとき、セル40、40’、40’’および40’’’の各々は、別個の空気クッションを含む。圧縮空気を排気および/または注入するための配管系は、全能力の90%に等しい空気の処理能力で、プログラムされた時間長さ内で水中プラットホーム4が浸され、かつ最出現するための寸法であり、それ故、空気流速を調節するために+/−10%の範囲を提供する。
【0028】
中央線41と水中プラットホーム4の外側寄りエッジとの間の各片側水中プラットホーム4のセル40、40’、40’’および40’’’には、水中プラットホーム4の対応する外側寄りエッジの下の船体1および1’中のサービス細通路17中に含まれる圧縮空気幹線28によって圧縮空気が提供される。圧縮空気幹線28の分岐は、カラムまたは支柱36を通って上方に、横断トラス5中のサービス細通路51中に伸び、そこで、主要ライン42として、それは、水中プラットホーム4に圧縮空気を供給する。主要ライン42からの分岐ライン43、43’43’’および43’’’は、ホース接続部45により分岐ライン46、46’、46’’および46’’’に連結され、これらは、水中プラットホーム4内側の割当てられたセル40、40’、40’’および40’’’で終わる。水中プラットホーム4のセル40の内側にパイプセクション46を割当てするため、圧縮空気の流れを調節するための遠隔制御チェックバルブ44およびホース接続部45を備えた分岐ライン43、43’43’’43’’’の形態は、圧縮空気用のすべての分岐ラインの特徴である。すべのチェックバルブ44は、サービス細通路51内側に位置する。
【0029】
水中プラットホーム4のセル40、40’、40’’および40’’’は、ベントライン47、47’、47’’および47’’’;ホース接続部49;および水中プラットホーム4の割当てられたセル40、40’、40’’および40’’’中の割当てられたパイプセクション50、50’、50’’および50’’’により直接排気される。出て行く空気の流れを調節するための遠隔制御チェックバルブ48、および水中プラットホーム4内側の割当てられたパイプセクション50’へのホース接続部49を備えたベントライン47の形態は、圧縮空気を排気するためのすべての分岐ラインの特徴である。すべてのチェックバルブ48もまた、サービス細通路51中に位置決めされる。
【0030】
図6a、6bおよび6cは、それぞれ、横断トラス5の配管系およびサービス細通路51と、水中プラットホーム4中のパイプセクション46、46’、46’’および46’’’との間の分岐ライン43、43’、43’’および43’’’による好ましいホース接続部の側面図、平面図、および断面図である。代表的には、ホース接続部45は、各端部に、分岐ライン43、43’、43’’および43’’’を、対応するパイプセクション46、46’、46’’および46’’’に接続するフランジを備えるホースからなる。浮揚性コンテナ12を移動することによる損傷の可能性を最小にするために、ホース45は、水中プラットホーム4のデッキ37に取り付けられている保護シールド54の背後に配置されている。ホース45は、保護シールド54上に取り付けられた案内ヨーク55の上に巻き付けられ、その結果、水中プラットホーム4が完全に沈み、そして船体1および1’’上のその深い位置に静止するとき、そのときに伸びたホース45の長さが、横断
トラス5と水中プラットホーム4との間の距離に十分である。保護シールド54中の開口部56は、ホース45とすべての前記パイプとの間のフランジへの接近を提供する。保護シールド54の両側面沿った横断トラフ5上に垂直に配置されたフェンダー53は、水中プラットホーム4が沈むときにホース45が側面方向に押し流されることを防ぐ。
【0031】
ここで、図7を参照して、横断トラス5における水中プラットホーム4の代表的な支持機構が図示される。横断トラス5の側面23(水中プラットホーム4に面する)に取り付けられて、傾斜可能な支持レール58を保持する支持レール57がある。セクションに分割され、支持レール57および傾斜可能な支持レール58は、横断トラス5の全幅に亘って伸びる。支持レール58の頂部に固定されて、水中プラットホーム4の支持棒60が保持される頂部レール59がある。支持棒60は、それ自身がデッキ37上に伸びる、水中プラットホーム4の縁板52に固定されている水中プラットホーム4の全幅に沿う連続的な棒である。船100が、航海喫水線で航行するとき、水中プラットホーム4は、頂部レール59上の支持棒60で静止し、そしてその底部は、水の上数メートルに横たわる。船100が積載喫水線まで浸されるとき、水中プラットホーム4は、プログラムされた乾舷で水に浮かぶ。この位置では、水中プラットホーム4の支持棒60は、頂部レール59の上に着座し、その結果、支持レール58上に負荷は残らない。荷を卸された後、支持レール58は、アクチュエーター61およびレバー62によって、横断トラス5の板中の開口部63を通じて引っ込められる。横断トラス5に引っ込められるとき、対向する頂部レール59間の離れた幅は、水中プラットホーム4の支持棒60上の長さを超え、その結果、水中プラットホーム4は、沈むとき、通過し得る。レバー62の横位置ずれは、案内プレート64により防がれる。支持レール58が、例えば、維持目的のために、水中プラットホーム4上に横たわりながら伸びるとき、レバー62は、支持レール58がアクチュエーター61の作動範囲を超えて傾き得る前に、案内プレート64に突き当たる。支持レール58の位置は、完全に引っ込められるか、または完全に伸びるかのいずれかであり、光セル(図示せず)によってモニターされる。
【0032】
水面に浮上するとき、水中プラットホーム4は、プログラムされた乾舷まで、引っ込んだ頂部レール59間のギャップを通って上昇し、その点で、その支持棒60は、頂部レール59上に着座する。次に、支持レール58が、アクチュエーターにより伸ばされ、そして水中プラットホーム4の縁板52に突き当たる。次に船100が、航海喫水線まで再浮上するとき、横断トラス5上の頂部レール59は、それとともに上昇し、支持棒60を係合し、そして水中プラットホーム4を水から持ち上げる。
【0033】
図8aおよび8bは、船体1および1a、ならびに水中プラットホーム4、4’および4’’上の圧力センサー65、65’、66および66’の配列を効率的に示す。圧力センサー65、65’、66および66’は、船100が浸漬または再浮上する間、実際の喫水線についてブリッジ8中に乗せたコンピューターへのフィードバックを提供する。図8bの側面図は、前部船体19中の船体1および1’の最も低い点に配置された圧力センサー18および18’、ならびに後部船体15中の圧力センサー13および13’を示す。
【0034】
図9a、9b、および9cは、船100の船体1および1’、ならびに船荷プラットホーム4、4’および4’’の概略図である。船体1および1’の前部船体19中の圧力センサー18および18’ならびに後部船体15中の圧力センサー13および13’が示される。関連する空気取り込みチェックバルブ32および32’、ならびに排出チェックバルブ34および34’をもつ例示の船体タンク16および16’が示される。空気取り込みチェックバルブ69および69’、ならびに排出チェックバルブ70および70’の同様の組合せが、後部船体15中のトリム制御タンク67および67’について提供される。空気取り込みチェックバルブ71および71’、ならびに排出チェックバルブ72およ
び72’の対応する組合せが、前部船体19中のトリム制御タンク68および68’について提供される。図9は、さらに、船尾エッジおよび前方エッジに、関連する空気取り込みチェックバルブ44および排出チェックバルブ48ならびに圧力センサー65および65’を、そして右舷およびポート外側寄りエッジに圧力センサー66および66’をもつ、水中プラットホーム4、4’および4’’の1つを示す。この水中プラットホーム4のセル40、40’、40’’、および40’’’は、要約して図示される;しかし、傾き(list)−すなわち、横断方向における傾き−を制御するためのそのポートエッジおよび右舷エッジに沿ったセル40と、トリム(trimm)−すなわち、縦方向の傾き−を制御するための船尾エッジにおけるセル40’’’および前方エッジにおけるセル40’との差別に注意すべきである。
【0035】
図10a、10b、10cおよび10dは、船100の船体1および1’ならびに水中プラットホーム4、4’および4’’の深さおよびレベル位置を制御する原理を示す、単純化した操作フローダイヤグラムである。これらは、新規な方法の全体プロセスフローを示す。各ダイヤグラムの上部分は、船体1および1’中の船体タンク、またはトリム制御タンク中、または船100の水中プラットホーム4、4’および4’’のセルへの圧縮空気またはそれからの排気空気の流れを制御する、空気取入れバルブまたは排気バルブの各々の制御プロフィールの算出を示し、それらは、さらに以下に記載される。
【0036】
図10aは、その深く水中にある位置から浮揚性コンテナ12の新たな積載とともに再浮上するとき、水中プラットホーム4が船100の2つの隣接横断トラス5および5’中にロックされるために、計画された喫水線に到達したとき水に浮かぶ位置までの水中プラットホーム4、4’および4’’の1つのプロセスフローを示す。
【0037】
このプロセスは、このダイヤグラムの上部に示されるように、水中プラットホーム4の再浮上を通じて水中プラットホーム4のセル40、40’、40’’および40’’’の各々中への圧縮空気の基礎流速サイクルの算出で開始する。この基礎流速を算出するためのソフトウェアの一定成分は、船100の流体静力学データ、ならびに圧縮空気および排気空気のためのターボコンプレッサー26および配管系の特徴である。最新の入力は、海の条件−例えば、波のうねり、風圧−および荷船データ−例えば、排水、喫水線および水中プラットホーム4上のそれらの計画された配置である。一旦、これらの計算が終了すると、各セル40、40’、40’’および40’’’のための圧縮空気用の取り込みチェックバルブ44がセットされ、次に、船体1および1’上に静止するその位置から水中プラットホーム4が上昇し、水中プラットホーム4が計画された喫水線で水に浮かぶ位置まで続く予め計画されたサイクルが持続する。
【0038】
図10aの下部分は、傾きを制御するためのプロセスの左半分のステップと、水中プラットホーム4のトリムを制御するための右半分のステップを示す。ダイヤグラムのこの部分の左半分を指定すると、ポートエッジにある圧力センサー66’と水中プラットホーム4の右舷エッジにある圧力センサー66により測定される水圧−すなわち、深さ−が異なるとき、傾きが存在する。傾きがゼロに等しくない場合、より高い水圧を示す−すなわち、より深い喫水線を有する−圧力センサーの側にある水中プラットホーム4のセル40中への圧縮空気の流れは、空気取り込みチェックバルブ44のセッティングを調節することにより増加される。大きな変位の場合、傾きの逆平衡化は、水中プラットホーム4の対向する(高い)エッジでセル40からの空気の突風を同時に放出することにより加速される。傾きがゼロに等しいとき、圧縮空気の基礎流速は、上記予備算出されたままである。
【0039】
船尾エッジにおける圧力センサー65および水中プラットホーム4の前方エッジにある圧力センサー65’によって読み取られる水圧は、水中プラットホーム4のトリムをチェックするため、および船尾エッジプラットホームセル40’’’および水中プラットホー
ム4の前方エッジにおけるプラットホームセル40’の圧縮空気および/または排気空気の流れを調節することによる逆平衡化のために同様に利用される。
【0040】
圧力センサー65および65’ならびに圧力センサー66および66’により測定される平均水圧は、水中プラットホーム4が、横断トラス5中にそれをロックするために必要な予め計画された喫水線を達成したか否かをチェックするためにさらに利用される。この深さが達成されるとき、水中プラットホーム4の圧縮空気取り込みバルブ44が閉鎖される。
【0041】
次に、基礎流速サイクルのすべての調節は、傾きおよびトリムとは別個の記録された外部原因に関する。一次的な外部原因−例えば、船100が積載される間の特定の停泊地における実際の突風または実際のうねり−を除去した後、残りの有効な調節が、同じ積載で水中プラットホーム4の次の浸水のためにすべてのプラットホームセル40、40’、40’’および40’’’の排気バルブ48の補正流速サイクルを算出するために用いられる。
【0042】
図10bは、今や船100の2つの隣接する横断トラス5および5’中にロックされている新たに積載された水中プラットホーム4、4’および4’’を保持する間に、積載喫水線から航海喫水線に再浮上のとき、船100の船体1および1’のプロセスフローを示す。
【0043】
図10bの上部に示されるように、このプロセスは、船体タンク16および16’の各々中、および後部船体15中のトリム制御タンク67および67’中、および前部船体19中のトリム制御タンク68および68’中への圧縮空気の基礎流速サイクル、ならびに圧縮空気が船体タンク16および16’中に注入される速度に匹敵する水中プラットホーム4の水中プラットホーム4セル40、40’、40’’および40’’’からの排気空気の流速の算出で始まる。船100の船体1および1’の再浮上の間中の基礎流速を算出するためのソフトウェアの一定成分は、図10aについて与えられるのと同じである。最近の入力も、図10aにおけるように海の条件、再浮上のために水中プラットホーム4中に先に注入された(およびそのときに記録された)圧縮空気の容積、および水中プラットホーム4が、その場にロックされ、そして船100の船体1および1’が再浮上するとき持ち上げられる準備にある信号である。一旦、これらの計算が終了すると、船体タンク16および16’の圧縮空気用の空気取り込みチェックバルブ32および32’後部船体15中のトリム制御タンク67および67’の空気取り込みチェックバルブ69および69’、前部船体19中のトリム制御タンク68および68’の空気取り込みチェックバルブ71および71’、および水中プラットホームセル40、40’、40’’および40’’’の排気空気バルブ48が、予め計画されたサイクルに従ってセットされる。このサイクルは、積載喫水線から航海喫水線への船100の船体1および1’の再浮上、および得られる水からの水中プラットホーム4、4’および4’’の持ち上げを規定する。
【0044】
図10bの次の下の部分は、左半分に傾きを制御するためのプロセスのステップを、そして右半分に船100の船体1および1’のトリムを制御するためのステップを示す。ダイヤグラムのこの部分の左半分に注目すると、圧力センサー13’および18’により測定されたポート側船体1’の平均水圧−すなわち、深さ−が右舷船体1の圧力センサー13および18により測定される平均水圧と異なるとき傾きが存在する。傾きがゼロに等しくない場合、より深い−遅れる−船体1または1’の船体タンク16および16’中への圧縮空気の流れが、関連する空気取り込みチェックバルブ32または32’を調節することにより増加される。
【0045】
圧力センサー13、13’、18および18’によって読まれる平均水圧は、船体1お
よび1’が航海喫水線を達成したか否かをチェックするために利用される。これが達成されている場合、船体タンク16および16’の圧縮空気取り込みチェックバルブ32および32’は閉鎖される。
【0046】
図10bのより下の右半分は、トリムが異なる方法、すなわち、水圧を測定することによるのではなく、高感度の傾斜計(inclinometer)によりトリム勾配を測定することにより制御されることを示す。任意の生じるトリムは、船体1および1’のより深い端部にあるトリム制御タンク67および67’または68および68’中への圧縮空気の流速を増加することにより逆平衡化される。大きな変位の場合、トリムのこの逆平衡化は、船体1および1’のより高い端部にあるトリム制御タンク67および67’またはトリム制御タンク68および68’から空気の突風を同時に放出することにより加速される。トリムがゼロに等しいとき、トリム制御タンク67および67’または68および68’中への圧縮空気の基礎流速は、上記の予め算出されたように維持される。
【0047】
基礎流速サイクルのすべての調節は、図10bの底に影付きにより示されるような、傾きおよびトリムのための別個に記録された外部原因に関連する。一時的な外部原因を無くした後、残りの有効な調節が、同じ負荷をもつ船100の船体1および1’の次の浸水のために、すべての船体タンク16および16’の排気バルブ34および34’、ならびにトリム制御タンク67、67’、68および68’の排気バルブ70、70’、72、72’のための矯正された流速サイクルを算出するために用いられる。
【0048】
図10cは、航海喫水線から積載喫水線に迅速に浸水し、そこで、現在既知の負荷の水中プラットホーム4、4’および4’’が水に浮かぶようになり、そして船100の船体1および1’によりもはや運搬されていないとき、船100の船体1および1’のプロセスフローを示す。
【0049】
図10cの上に示されるように、このプロセスは、船体タンク16および16’の各々から、および後部船体15中のトリム制御タンク67および67’から、および前部船体19中のトリム制御タンク68および68’からの排気空気の基礎流速サイクルの算出、ならびに水中プラットホーム4、4’および4’’中に向かう圧縮空気の流速の算出で開始され、水中プラットホーム4が、船体1および1’が積載喫水線にあるとき、水に浮かぶことを確実にする。船100の船体1および1’の浸水の間中各バルブの基礎流速を算出するためのソフトウェアの一定成分は、図10aについて与えられるのと同じである。最近の入力は、海の条件、船体1および1’の浸水のための排気空気の今や非常に正確に矯正された流速サイクル、ならびに船体1および1’が積載喫水線にあるとき、水中プラットホーム4、4’および4’’が水に浮かぶようにするための圧縮空気の矯正された流速サイクルであって、両者は、船体1および1’の先行する再浮上の間に算出および記録され、そして、最後に、船体タンク16および16’内側の空気圧力が、先行する積載喫水線から航海喫水線への船体1および1’の再浮上の間の船体1および1’の再浮上の終わりに記録された参照圧力に回復されるという信号である。
【0050】
図10cの下半分は、船体1および1’が積載喫水線に迅速に浸水する間に、傾き、トリムおよび浸水の深さを制御するためのプロセスステップを示す。傾き制御は、後部船体15中の圧力センサー13および全部船体19中の圧力センサー18により右舷船体1の平均喫水線、および対応してポート船体1’の平均喫水線を測定することにより行われる。傾きがある場合、右舷船体1中の排気チェックバルブ34の流速、およびポート船体1’中の排気バルブ34’の流速が、必要に応じて増加または減少され、傾きに逆に作用する。傾きがない場合、算出された排気チェックバルブ34および34’のセッティングは変更されない。
【0051】
圧力センサー13、13’、18および18’により読まれた平均水圧は、船体1および1’が積載喫水線に到達したか否かをチェックするために利用される。これに相当するとき、船体タンク16および16’の排気空気チェックバルブ34および34’は閉鎖される。
【0052】
図10cのより下の右半分は、図10bに示されるようにトリムが制御される、すなわち、高感度の傾斜計によりトリム勾配を測定することによることを示す。トリムは、船体1および1’のより高い端部におけるトリム制御タンク67および67’または68および68’からの排気空気の流速を増加することにより逆平衡化される。
【0053】
船体1および1’のより低い側または端部において、トリム制御タンク67および67’または68および68’中に圧縮空気を注入することによる傾きまたはトリムを逆平衡化することの加速は、企図されない。なぜなら、排気空気流速サイクルは、先行する再浮上が高度に正確である間に得られた矯正値に基づき、そして浸水のプロセスが非常に迅速であり、かつ船100の船体1および1’が積載喫水線にあるとき、自己安定化条件で終わるからである。
【0054】
図10dは、水中プラットホーム4、4’および4’’が、その水に浮かぶ位置から、浮揚性コンテナ12が水に浮かび、そして水中プラットホーム4が船100の船体1および1’の頂部上に静止するその深く水中にある位置まで荷船の既知の積荷とともに浸水しているとき、それらの1つのプロセスフローを示す。
【0055】
このプロセスは、図10dの上に示されるように、浸水の間中の、水中プラットホーム4のセル40、40’、40’’および40’’’の各々からの排気空気の基礎流速サイクルの算出で始まる。この基礎流速を算出するためのソフトウェアの一定成分は、図10aについて規定されたのと同じである。最新の入力は、実際の海の条件、浮揚性コンテナ12を実際に積載した先行する水中プラットホーム4、4’および4’’の再浮上後に算出および記録されたすべてのバルブの矯正流速サイクル、および浸水されるべきであるような水中プラットホーム4、4’および4’’のすべてが、船100の横断トラス5、5’、5’’および5’’’におけるそれらの支持システムから脱係合されたことの信号である。一旦、この計算が終了すると、各セル40、40’および40’’の空気排気チェックバルブ48がセットされ、次に、浮揚性コンテナ12が浮かび、そして水中プラットホーム4,4’および4’’が、船100の船体1および1’上に着座するとき、水に浮かびかつ浮揚性コンテナ12を保有する水中プラットホーム4、4’および4’’からその深く水に沈む位置に続く予め計画されたサイクルがセットされる。
【0056】
図10dのより下の部分は、左半分に、傾きを制御するためのプロセスのステップを、そして右半分に、代表的な船100の水中プラットホーム4のトリムを制御するステップを示す。このダイヤグラムの左半分は、圧力センサー66および66’により測定される傾きが、排気空気の流速を増加するために、傾く水中プラットホーム4の高い側で空気排気チェックバルブ48を調節することにより等しくされることを示す。図10dの右部分は、その船尾エッジにある圧力センサー65およびその前部エッジにある圧力センサー65’により示される水中プラットホーム4のトリムが、船尾エッジにあるセル40’’’中の排気チェックバルブ48または水中プラットホーム4の前部エッジにあるセル40’中の排気チェックバルブ48を通る排気空気の流れの逆に作用する増加により対応して制御されることを示す。
【0057】
圧力センサー65、65’、66、66’によって読み取られる平均水圧は、水中プラットホーム4が、船100の船体1および1’上の深く水に入った位置に到達したか否かをチェックするために利用される。これが真実である場合、水中プラットホーム4の空気
排気チェックバルブ48は閉鎖され、そして均一に分配された容積の残存空気がセル40、40’、40’’および40’’’内側に残る。
【0058】
傾く水中プラットホーム4のより低いエッジ(単数または複数)におけるセル40、40’、40’’または40’’’中に圧縮空気を注入することによって傾きまたはトリムを逆平衡化することの加速は、考慮されない。なぜなら、排気空気の流速サイクルは、先行する再浮上が高度に正確である間に得られた矯正値に基づくからであり、そして浸水のプロセスは非常に迅速であり、かつ浮揚性コンテナ12および水中プラットホーム4の両者にとって自己安定化条件で終わるからである。
【0059】
図9から9dに要約されるこのプロセスフローの物理的詳細は、以下に規定される。
【0060】
図10a、10b、10c、および10dと組合せて上記で概説したように、前部船体19にある圧力センサー18および18’、および後部船体15にある圧力センサー13および13’は、船100のレベル位置をその縦軸を横断してモニターする。異なる喫水線を有する船体1および1’から傾きは明らかである。これらの差異は、圧力センサー13、13’、18および18’によって、水圧における差異として読み取られる。この情報は、傾きを中和するために必要なバラスト条件における変化を算出する積載コンピューターにフィードバックされる。次に、この積載コンピューターは、排気のために配管系分岐ライン33のチェックバルブ34をセットするか、または水を排出するために船体タンク16中に圧縮を吹くために配管系分岐ライン31のチェックバルブ32をセットするかのいずれかである。現在構成されているように、圧力センサー13、13’、18および18’は、船体1および1’の喫水線および傾きをモニターするために実際に十分迅速かつ正確である。しかし、これらのセンサー13、13’、18および18’は、船100の「トリム」(縦軸方向における傾き)の方向を決定するためには十分迅速かつ正確ではない。浮揚性コンテナ12が交換される間にほぼ波に向かって進む、船体1および1’の大きな長さのため、広い間隔の波の稜により引き起こされる圧力変化は、積載コンピューターにより誤解釈され得る。従って、船体1および1’のトリムは、船体の波で誘導される運動にかかわらず、それらの予め決定された位置にある海軍の銃の銃身を維持する機構で用いられる機構と類似である高度に正確、迅速な傾斜計によりモニターされる。このような傾斜計は、当該技術分野で周知である。
【0061】
図8aは、下から見た水中プラットホーム4を示す。その正確な深さは、その縁板52の底エッジにおける水圧を読み取ることにより測定される。この横断縁板52における船100の中央線41にある適切な圧力センサー65および65’、ならびに水中プラットホーム4の外側寄りエッジにある縦縁板52の中央にあるセンサー66および66’は、互いに対向してペアで配置される。
【0062】
圧力センサー65、65’、66および66’はまた、水中プラットホーム4のレベル位置をモニターする。圧力センサー66および66’(これらは、水中プラットホーム4の縦縁板52で互いに対向して横たわる)は、傾き−すなわち、船の縦軸を横断する傾き−を記録する場合、傾きを中和するために、その縦エッジに沿ったセル40中の空気クッションのサイズを調節する。圧力センサー65および65’(これらは、水中プラットホーム4の横断縁板52で互いに対向して横たわる)がトリム−すなわち、船100の縦軸に平行な傾き−を記録する場合、トリムを中和するために、中央線41の両側にあるその前部エッジおよび後部エッジに沿ったセル40’および40’’’中の空気クッションを調節する。
【0063】
積載コンピューターは、船体1および1’ならびに水中プラットホーム4の位置を、喫水線およびレベル位置に関し、遠隔制御されるチェックバルブ32、32’、34および
34’を選択的に空気を排気するためにセットすることによって制御する。この目的のために、この積載コンピューターは、水中プラットホーム4の各セル40、40’、40’’および40’’’のチェックバルブ用の制御プロフィール、または、各船体タンク16および16’のそれぞれの制御プロフィールを含む。船100が浸水または再浮上する前に算出されて、これらの制御プロフィールは、船体1および1’ならびに水中プラットホーム4が喫水線を増加または減少する間に,チェックバルブ32、32’,34および34’を連続的に調節する。制御プロフィール中にプログラムされた計画喫水線と、圧力センサー13、13’、18、18’、65、65’、66および66’からの実際の喫水線に関するフィードバックに基づき、積載コンピューターは、船体1および1’ならびに水中プラットホーム4の計画位置と実際の位置とを連続的に比較し、そして必要な補正を取り込む。
【0064】
この制御プロフィールは、船体1および1’ならびに水中プラットホーム4が浸水または再浮上する間に、空気の適切な流れのための各チェックバルブ32、32’、34および34’を連続的にセットするための制御信号のファイルである。この制御プロフィールは、船100のブリッジ8にある積載コンピューター中の特別のソフトウェアにより生成される。このソフトウェアは、船100の静力学的データ、例えば、その積載能力の特徴的相互依存、安定性、喫水線、ならびに船体1および1’のバラスト船体タンク16の内側および水中プラットホーム4のセル40、40’、40’’および40’’’内側の空気クッションに必要な容積および圧力を含む。新たに積載した水中プラットホーム4をもつ船100の再浮上の前に、このソフトウェアを用いて、船100の静力学的データ、ならびに重量、喫水線、積載される浮揚性コンテナ12の重心に関する、および水中プラットホーム4上のそれらの配置に関するデータを基に、特有の積載条件のための制御プロフィールを算出する。
【0065】
船体1および1’ならびに水中プラットホーム4が浸水または再浮上するとき、それらの実際の位置は、例えば、浮揚性コンテナ12の重量または水中プラットホーム4のデッキ37上のそれらの配置が制御プロフィールを算出するためになされた約束と対応しない場合、この制御プロフィール中でプログラムされた計画位置から偏移し得る。従って、船体1および1’ならびに水中プラットホーム4の計画された位置と、実際の位置との連続的な比較が、割当てられたチェックバルブの制御プロフィールの矯正に必要であり得る。船100が再浮上するとき記録された制御プロフィールの調節は、船100の次の浸水のために積載コンピューターにより再計算され、そして対応する制御プロフィール中に取り込まれる。浸水−これは、再浮上より2倍以上速い−には、従って、この制御プロフィールは、チェックバルブ32、32’、34および34’の任意のさらなる調節が小さく、かつ迅速に行われ得るか、または全く必要でないように、高度に正確である。
【0066】
船体1および1’ならびに水中プラットホーム4の浸水または再浮上は、参照された制御システムおよびモニタリングシステムが十分である、短い、一時的なプロセスである。しかし、船100が船体タンク16内側の空気クッション上に浮かぶ航海の時間長さは相当により長い。この時間の間、配管系31および33のチェックバルブ32および34の小さな漏れは、−一般に小さな−船体タンク16からの空気の損失に至り得る。次に船100は、浸水の準備にあり、そして船体タンク16の底にあるシャットオフバルブ30が開放され、水が、船体タンク16中に流れ、そして空気の損失を等しくし得る。これは、チェックバルブのための制御プロフィールを算出するために推定された条件から、船体タンク16中の実際の条件を変化させる。任意の位置リスクを無くすために、各船体タンク16、その内部空気圧力をチェックするためのセンサーを備えている。船100の浸水の前に、空気圧力が、船100が、先に再浮上したときの空気クッションの圧力より低い場合、この制御プロフィールは、当初の空気圧力が回復されるまで、船体タンク16中に圧縮空気を吹き込ませる。
【0067】
現時点まで、船100の相互接続が示され、そしてその操作の簡単な概要が説明されている。しかし、本発明は、実施例の使用により最良に記載され得る。従って、積載喫水線から航海喫水線に上昇し、そして航海喫水線から積載喫水線に浸水する船100の実施例を以下に提供する。はじめに、本発明の方法の広い理解が、さらに説明される。
【0068】
本発明の方法は、船100の喫水線を迅速に増加および減少する間に、船100の喫水線、ならびにその縦軸における傾斜(「トリム(trim)」)および横軸における傾斜(「傾き(list)」)の両方に関する、船体1および1’ならびに水中プラットホーム4の位置の迅速な調節のためである。このプロセスは、航海の間に、船100のトリムおよび傾きを制御し、そして、例えば、航海の間の燃料の消費により引き起こされる船100の重心のシフトを補償する必要のある、かなりより遅いシステムとは独立している。後者のシステム(すなわち、航海の間のトリムおよび傾きの調節)は、当該技術分野で公知であり、そして本発明の目的ではない。船100が航海喫水線で浮かぶとき、浮揚性コンテナ12が積載されている水中プラットホーム4の重量は、船体1および1’によって担われている。しかし、船100が積載喫水線まで浸水され、そして船荷スペース24中の水中プラットホーム4が水に浮かぶとき、水中プラットホーム4およびそれらの上に置いてある浮揚性コンテナ12の総重量は、水中にある水中プラットホーム4だけで担われる。負荷は、船100が浸水するとき、船体1および1’から水中プラットホーム4にシフトされる。逆に、船100が再浮上するとき、船体1および1’ならびに水中プラットホーム4の浮力が、船体タンク16内側および水中プラットホーム4のセル40内側の空気クッションのサイズを制御することにより一定に調節される。
【0069】
船100の水中プラットホーム4は、水中プラットホーム4が水中プラットホーム4の底での水圧に等しい内部圧力で空気クッション上で水に浮かぶとき、水上の所定の高さ−「乾舷(freeboard)」−で、そのデッキ37とともに浮かぶように設計されている。それ故、この空気クッションの下にある水中プラットホーム4内側の水の表面は、水中プラットホーム4の底とのレベルである。換言すれば、この空気クッションは、水中プラットホーム4のデッキ37の下の水密縁板52によって取り囲まれる容積を完全に利用する。この容積の空気クッション上で、水中プラットホーム4は、その全負荷の浮揚性コンテナ12を運搬するとき、所定の乾舷で浮かんでいる。
【0070】
船100が航海喫水線から積載喫水線に浸漬する前に、水中プラットホーム4は、船100の船体1および1’を接続する横断トラス5において、支持体上の水面の上にある。水中プラアットフォーム4が、浸漬する船100と共に、その縁板52が水面に入る地点まで下がる場合、空気が、その甲板37および縁板52によって囲まれる空間の内側に捕捉される。船100が積載喫水線までさらに浸漬する場合、水中プラットホーム4もまた、より深く沈む。深さと共に水圧が増加するにつれて、捕捉された空気は圧縮され、そしてその空気が水中プラットホーム4において占める容積は減少する。従って、水中プラットホーム4の内側の、このような空気クッションより下の水の表面は、縁板52の下端のレベルより上にある。従って、捕捉された空気は、水中プラットホーム4の、縁板52および甲板37の内部の容積を完全には占有しない。従って、「わずかな」空気クッション(これは、水中プラットホーム4が浸漬する船100と共に水を保有する場合に捕捉される周囲の空気のみを含む)上で、水中プラットホーム4は、その完全な運搬能力を達成しない。
【0071】
船100が浸漬する前に、横断トラス5は、水中プラットホーム4の総重量を支える。水中プラットホーム4が、浸漬する船100と共に、上記のように水に入る場合、その内側に捕捉される空気クッションは浮力を増加させ、そして水中プラットホーム4を支え始める。この浮力がその総重量と等しくなる場合、水中プラットホーム4は、卓越乾舷にお
いて浮き、そして船100が積載喫水線に沈み続ける場合に、それより深くはもはや沈まない。船100が引き続いて再度浮き上がる場合に、その支持体において水中プラットホーム4について必要とされる乾舷を越えはじめる場合、水中プラットホーム4は、必要とされる乾舷における浮揚まで、噴出される。しかし、浸漬する船100と共に水中に沈んだ後に、わずかな空気クッションを含む水中プラットホーム4は、少なくとも必要とされる乾舷よりは浮揚し、または船100が積載喫水線まで浸漬する場合にその支持体上に残るように、過度に荷積みされる場合、必要とされる乾舷まで浮揚するまで、圧縮された空気が水中プラットホーム4に吹き込まれる。水中プラットホーム4が水を保有する喫水線(および従って、乾舷)は、負荷計算機によって計算され、そして空気の噴出または注入は、それに対応して調節される。水中プラットホーム4の乾舷を調節するための制御プロセスは、船100が積載喫水線まで完全に浸漬する前に開始し、そしてその積載喫水線に達する場合に終了する。
【0072】
潜水または再度出現する間に、水中プラットホーム4の水平位置は、水中プラットホーム4の選択されたセル40、40’、40”、および40”’における空気クッションの噴出または充填によって、調節される。積荷を運んでいない場合、水中プラットホーム4は、その対称的な構造および従って、その対称的に分布された重量に起因して、一定の厚さの空気クッション上のレベル位置で浮揚する。しかし、水中プラットホーム4は、通常、異なる大きさのいくつかの浮揚性コンテナ12を運び、その結果、これらの重量は、水中プラットホーム4に非対称的に付与される。からの水中プラットホーム4は、一定の厚さの空気駆ション上のレベル位置で浮揚するが、水中プラットホーム4は、非対称な負荷においては傾く。傾きを防止するために、水中プラットホーム4のセル40、40’、40”および40”’は、選択的に噴出し(またはそれぞれ、圧縮空気を吹き込まれ)、その結果、セル内の空気クッションの全ての浮力の中心は、全ての浮揚性コンテナ12の重量の共通の中心に一致する。従って、浮揚性コンテナを運び、そして適切なレベル位置で浮揚する、水中プラットホーム4において、そのセル40内の空気クッションは、大きさが異なる。
【0073】
水中プラットホーム4が浮揚性コンテナ12のアレイによって押し付けられる程度は、水中プラットホーム4が潜水または再浮上する間に変化する。この容器がその水保有位置のレベルから浸漬し、そしてさらに水面下に沈む場合、異なる重量の浮揚性コンテナ12は、異なる喫水線において、順番に水を保有するようになる。これは、水中プラットホーム4に対して非対称のままである重量を変化させ、その結果、水中プラットホーム4内の空気クッションの大きさは、それらの浮力の共通の中心が、水中プラットホーム4上に残る浮揚性コンテナ12の重心と一致するように、連続的に調節されなければならない。
【0074】
対応して、水中プラットホーム4がその深く浸漬した位置から上昇し、そして異なる喫水線の浮揚コンテナ12が順番にその甲板37に挙がる場合、セル40内の空気クッションの大きさは、連続的に調節されなければならない。従って、圧縮された空気は、浮上した水中プラットホーム4の甲板37が浮上するまで、すなわち、全ての浮揚性コンテナ12の全重量を支えるまで、セル40内に選択的に吹き込まれる。その時点から、浮揚する水中プラットホーム4上の荷重は、その浮上する構造体の重量のみだけ増加する。これは対称的であるので、得られる荷重は、対称的である。従って、水中プラットホーム4の内側の空気クッションは、必要とされる乾舷における浮揚まで、均一に増加する。
【0075】
船100が航海喫水線まで再浮上する場合、水中プラットホーム4は、横断トラス5における支持体によって係合され、そして水から持ち上げられる。水中プラットホーム4の重量は、横断トラス5に対して次第に移動されるが、その空気クッションは、対応して荷重を除かれる。従って、空気クッションは減圧され、そしてセル40内の水のレベルは、水中プラットホーム4の下端部が浸漬されたままである限り、次第に低下する。従って、
ほんの少量の空気クッションのみが含まれるセル40内では、負圧が発生し得、すなわち、水中プラットホーム4が船体1および1’によって持ち上げられる場合、このようなセル40は、サイホンのように働き、そして水を吸引する。もちろん、船体タンク16内の空気クッションは、さらなる負荷を持ち上げて十分に浮揚する。しかし、水中プラットホーム4が水を吸引し、そしてこの水が、その縁板表面52の下端部とともに時間的に放出される場合、破壊的な水撃作用が生じる。水中プラットホーム4が船100によって持ち上げられる場合は、これらのセルの(計算)内圧が大気圧とおよそ等しくなり、その結果、それ以降、周囲の空気がこれらのセル40内に自由に流れる場合にこれらのセル40の噴出ライン47におけるチェックバルブ48を開くことによって、水撃作用が防止される。
【0076】
逆に、水中プラットホーム4が、浮上する船100によって持ち上げられ、そしてそのセル40が、最大深さまで潜水した場合にそれらを完全に満たす空気クッションを含む場合、セル40は、空気を噴出す。なぜなら、膨張する空気クッションの容積が、セル40の容積を越えるからである。このような過剰の空気は、縁板52の下端部に沿って、自由に噴出される。この現象を防止するための対策手段は、必要とされない。
【0077】
上記説明は、水中プラットホーム4が、浮揚性コンテナ12の交換のために潜水し、そして再浮上するプロセスを説明する。しかし、船100は、その水中プラットホーム4の全体で、浮揚性コンテナ12を常に交換するわけではない。
【0078】
浮揚性コンテナ12を交換するために潜水されていない、水中プラットホーム4において、この水中プラットホーム4を噴出させるためのチェックバルブ48は、船100が航海喫水線から積載喫水線まで浸漬する前に開かれ、その結果、そのセル40、40’、40”および40”’は、浸漬する船100と共に水中に沈む場合に、これらのセルの内側に空気が捕捉されない。このような噴出した水中プラットホーム4は、水を保有しなくなるが、船100が積載喫水線にある場合に、横断トラス5におけるその支持体上にあるままである。この位置において、水中プラットホーム4は、水中プラットホーム4は、船100が浸漬する場合に潜水するその成分の容積と等しい水を押しのけるのみである。この容積は、無視できるほど小さく、その結果、水中プラットホーム4が水を保有しなくなる貨物空間24において、浮力は、船体タンク1および1’からセル40、40’、40”、および40”’に移動される必要はない。
【0079】
水中プラットホーム4に関して上記した条件は、同様に、浸漬または再浮上する船体1および1’に適用される。例えば、浮揚する水中プラットホーム4を水から持ち上げる場合、船体1および1’は、それらの長手方向軸を非対称的に横断して、荷重される。上に示されるように、水中プラットホーム4は、これらがプログラムされた乾舷において、適切な大きさの空気クッション上で浮揚する。しかし、水中プラットホーム4が船100によって水から持ち上げられる場合、セル40の内側の、空気クッションより低い水面は、低下し、そして空気クッションの内圧および浮力は、低下する。一般に、これらの空気クッションは、異なる大きさであり、そして浮揚性コンテナ12の重量に適合するように、非対称に配置される。浮上する船100が、水中プラットホームをレベル位置で持ち上げるにつれて、空気クッションは均一に膨張し、その結果、荷重の元の非対称性が回復され、そして船体1および1’に影響を与える。すなわち、これらは、非対称的に荷重を除かれる。船体1および1’の、この非対称的な荷重の除去は、空気を個々の船体タンク16に選択的に注入することによって、釣り合わされる。個々の水中プラットホーム4に対する負荷は、一般に異なるので、船体1および1’もまた、長手軸方向に非対称的に荷重される。これに対応して、浸漬または再浮上の全ての段階にわたって、船体1および1’は、船体タンク16の空気を選択的に噴出または注入することによって、レベル位置に保持される。
【0080】
船100の、積載喫水線への浸漬および航海喫水線への再浮揚の段階が、以下に詳細に記載される。浸漬する船100の喫水線およびレベル位置を制御するためのデータは、新たに積載された浮揚性コンテナと共に再浮上する場合に得られるので、後者の場合を、先に提示する。
【0081】
(積載喫水線から航海喫水線への浮上)
船100は、浮揚性コンテナ12の交換のための、積載喫水線にある。水中プラットホーム4は、深く潜水しており、そして船体1および1’に載っている。これらの上方に、異なる長さ、幅および喫水線の、いくつかの浮揚性コンテナ12が、横断トラス5に繋がれている。これらは、浮上して浮揚性コンテナ12を運ぶ場合に、隣接する横断トラス5の間で、荷重を受ける水中プラットホーム4に向かって、可能な限りほぼ対照的に整列される。
【0082】
前部船体19および後部船体15は、それらの船体の浮力によって浮揚する。船首楼6および船尾楼7は、水を保有し、そして主として、長手方向軸および横断軸の方向で、船100を安定化させる。
【0083】
(段階A1)
船100は、船体タンク16、前部船体19および後部船体15内の空気クッションによって、積載喫水線で浮揚する。水中プラットホームは、船体1および1’上で完全に潜水する。
【0084】
(船体タンク16)
空気を注入するための配管システム31のチェックバルブ32、および船体タンク16から噴出するための配管システム33のチェックバルブ34が閉じられ、船体タンク16の底部の遮断バルブ30が開かれる。船体タンク16は、船100が浸漬する場合に取り込まれた水バラストの表面の上に、空気クッションを含む。
【0085】
(水中プラットホーム4)
完全に潜水した水中プラットホーム4は、船体1および1’の各々の2つの支持体に依存する。圧縮空気を注入するための配管システム43のチェックバルブ44および水中プラットホーム4から噴出するための配管システム47のチェックバルブ48が閉じられる。水中プラットホーム4のセル40、40’、40”および40”’は、残留空気を含み、これらの全浮力は、水中プラットホーム4の重量より小さい。
【0086】
(段階A2)
船100は、前部船19および後部船体15における船体タンク16中の空気クッションに対して積載喫水で浮かぶ。圧縮空気は、水中プラットホーム4に吹きこみ、その結果、プラットホームは上昇する。この段階は、各水中プラットホーム4が、それの上に浮かぶ第1の浮揚性コンテナ12の底部に接触する場合、終了する。
【0087】
(船体タンク16)
船体タンク16の状態は、この段階を通して一定のままである。
【0088】
(水中プラットホーム4)
配管システム43のチェックバルブ44は、圧縮空気が、水中プラットホーム4のセル40、40’、40’’および40’’’中に一様に流れるように開放される。そのセル中の空気クッションの浮力が、水中プラットホーム4の重量を超過する場合、この水中プラットホームは、甲板37が、浮揚性コンテナ12の底が最も低い喫水と接触するまで、
水平面位置が上昇する。
【0089】
(段階A3)
船100は、前部船体19および後部船体15における船体タンク16中の空気クッションに対して積載喫水で浮かぶ。水中プラットホーム4は、これらが全ての浮揚性コンテナ12を保持するまで、上昇し続ける。圧縮空気の注入は、この段階の最後に、水中プラットホーム4の甲板37が、水面と同じ高さになるまで、続けられる。
【0090】
(船体タンク16)
船体タンク16の状態は、この段階を通して一定のままである。
【0091】
(水中プラットホーム4)
水中プラットホームの非対称負荷を相殺するために、配管システム43のチェックバルブ44は、圧縮空気がセル40、40’、40’’および40’’’に選択的に吹き込まれるように設定される。
【0092】
水中プラットホーム4が上昇し、その一方で、これらの長手方向軸および短手方向軸に平行な水平面位置は、縁板52の圧力センサー65、65’、66および66’によってモニターされ、この圧力センサーは、計画された喫水 対 実際の喫水の比較を絶えず比較する。水中プラットホーム4が、水平面位置からはずれる場合、水中プラットホーム4の周囲に位置するセル40、40’、40’’および40’’’への圧縮空気の流れは、ずれをなくすために必要とされる場合、減少または上昇する。
【0093】
(段階A4)
船100は、前部船体19および後部船体15における船体タンク16中の空気クッションに対して積載喫水で浮かぶ。水中プラットホーム4は、この段階の最後に、これら水中プラットホームが、プログラムされた乾舷で水上に浮かぶまで、積載喫水で水面21上に上昇し、この点において、点支持レール58は、横断トラス5から延長する。
【0094】
(船体タンク16)
船体タンク16の状態は、この段階を通して一定のままである。
【0095】
(水中プラットホーム4)
水中プラットホーム4上の甲板37は、水面21と水平であり、全ての浮揚性コンテナ12を保持する。より高く上昇する場合、水中プラットホーム4上のこれらの積荷は、もはや非対称的には増加しない。従って、配管システム43のチェックバルブ44は、水中プラットホーム4が、プログラムされた乾舷で浮かぶまで、空気クッションがセル40、40’、40’’および40’’’の内部で一様に増加するように設定される。
【0096】
水中プラットホーム4の短手方向レベル水平面位置および長手方向水平面位置は、この段階全てにわたり、モニターされる。水中プラットホーム4がプログラムされた乾舷に到達する場合、圧縮空気の供給は、配管システム43のチェックバルブ44によって閉じられる。
【0097】
この位置において、支持レール58を傾けることは、図7において示され、議論されるように、横断トラス5から延長し、その結果、頂部レール59は、水中プラットホーム4の縁板52に対して隣接し、その結果、続いて、船100が航海喫水まで再浮上する場合、水中プラットホームは、保持バー60に係合する。
【0098】
(段階A5)
水中プラットホーム4は、プログラムされた乾舷で水上に浮かぶ。船100は、再浮上し始め、この段階の最後に、これらの縁板52の底端部が水面を割り、その結果、セル40、40’、40’’および40’’’中の空気クッションが逃げ、そして全ての水中プラットホーム4の重量が、船体1および1’によって支えられるまで、水中プラットホーム4を持ち上げる。
【0099】
(船体タンク16)
積載喫水から航海喫水まで再浮上するための、配管システム31のチェックバルブ32は、開放され、圧縮空気が、船体タンク16に注入される。船100が、積載喫水21で水表面より上にメーターのフラクションを上げた後、横断トラス5から延長する頂部レール59は、水中プラットホーム4の保持バー60に接触する。船100が再浮上し、その一方で、水中プラットホーム4の重量が、保持レール57によって、横断トラス5まで徐々に移動される。積載喫水での場合の水平面位置に、船100が浮かぶので、そして再浮上のために追加された浮力が、対照的に分布されなければならないので、一様な厚さの空気クッションが、船体タンク16にこの点まで吹き込まれる。
【0100】
船100は、再浮上し続け、水中プラットホーム4の底部端は、表面を破壊する。この点で、セル40、40’、40’’および40’’’中の空気クッションは、大気中に逃げ、水中プラットホーム4の全重量は、船1および1’によって運ばれる。浮揚性コンテナ12の非対称負荷を相殺するために、セル40、40’、40’’および40’’’に選択的に吹き込まれる空気クッションによって分配される浮力なしに、水中プラットホーム4から船1および1’まで移動される負荷は、非対称的である。従って、圧縮空気は、この点から船体タンク16に選択的に吹き込まれる。
【0101】
(水中プラットホーム4)
船100が再浮上し続け、一方で、水中プラットホーム4は、水の外に進行的に揚げられる。これらの重量は、徐々に船100に移動され、内部の空気クッションは、膨張する。水中プラットホーム4が、セル40、40’、40’’および40’’’の1つの内部の空気クッションの存在が、計算されるように、大気圧まで低下する程度まで、上昇する場合、排出するための配管システム47のチェックバルブ48は、開放され、その結果、周囲空気は、このセルに自由に流れ、水中プラットホーム4が、再浮上船100によって水の外により高く揚げられる場合、負の圧力は、確立されない。
【0102】
(前部船体19および後部船体15)
船100が再浮上し、他方、独立した制御システムに従って、前部船体19および後部船体19におけるバラストタンク(ballast tank)から水がくみ上げられ、その結果、船体1および1’ならびに貨物空間24における水中プラットホーム4の喫水および水平面位置を調節するためのシステムは、前部船体19および後部船体15の浮力によって影響を受けることはない。しかし、船100のバラストシステムは、この手順による制御された傾斜を可能とする。すなわち、船100はまた、まず、前部船体19の喫水を低下させ、続いて後部船体15を持ち上げることによるか、または逆に、対応する様式で沈めることによって、積載喫水から航海喫水へと再浮上し得、続いて後部船体を持ち上げるか、または逆に、対応する様式で沈む。
【0103】
(段階A6)
船100は、この段階の最後に、それが、航海喫水および水中プラットホーム4に存在し、船首楼6および船尾楼7は、水上数mに存在するまで、再浮上し続ける。
【0104】
(船体タンク16)
圧縮空気は、船体16に選択的に吹き込まれ続ける。船100が航海喫水に到達する少
し前に、配管システム31のチェックバルブ32は、徐々に閉鎖され、圧縮空気の船体タンク16への流れを連続的に閉鎖し、その結果、船100が、航海喫水を行き過ぎない。船100が、航海喫水にある場合、船体タンク16の底部の閉鎖バルブ30は、自動的に閉じられる。
【0105】
(水中プラットホーム4)
水中プラットホーム4は、図7において示され、そして考察されるように、頂部レール59上の支持バー60に支えられ、これらは、これらの重量を支持レール58および保持レール57を介して横断トラスに移動する。
【0106】
この段階の最後に、船100は、航海喫水にあり、その航海を続ける準備は整っている。
【0107】
(航海喫水から積載喫水への浸水)
船100が積載喫水に浸水する準備として、配管システム47のチェックバルブ48は、これらの水中プラットホーム4中で開放され、これは、浮揚性コンテナ12を交換するために沈められるべきではない。従って、これらの水中プラットホーム4は、これらが、水中に沈み、船100を沈める場合、空気クッションを獲得しない。船100が、積載喫水にある場合、これらの水中プラットホーム4は、横断トラス5でこれらの支持体上で支えられ、これらの甲板37が、水面の上に存在する。
【0108】
浮揚性コンテナ12の交換のために沈められるこれらの水中プラットホームにおいて、排出するための配管システム47のチェックバルブ48は、閉じられ、その後、船100が浸水する。以下の記載は、水中に沈められるこれらの水中プラットホーム4に排他的に適用する。
【0109】
浸水に対する準備は、船体タンク16の内部の空気圧をチェックすることによって、完了する。浸水の進行の最後に記録されたより小さい場合、元の圧力は、圧縮空気を注入することによって回復される。最後に、船体タンク16の底部の閉鎖バルブ30が、開放される。
【0110】
(段階B1)
船100は、航海喫水にあり、船体タンク16の閉鎖バルブ30は、開放される。水中プラットホーム4、船首楼6および船尾楼7は、水上数mに位置する。
【0111】
(船体タンク16)
船100は、船体タンク16の空気クッション上に浮かび、この空気クッションは、船の重量および水中プラットホーム4上の全ての浮揚性コンテナ12の重量を保持する。空気クッションの下に、船体タンク16は、水を含む。水中プラットホーム4を備え、全収容力まで荷を積んだ貨物空間24において、船体タンク16中の空気クッションは大きく、水の残存容積は少なく、その一方で、わずかに荷を積んだ水中プラットホームを備える貨物空間24において、空気 対 水の比は、逆になる。
【0112】
(水中プラットホーム4)
配管システム47のチェックバルブ48が閉鎖され、水中プラットホーム4は、航海喫水で、水面20の上に位置する。
【0113】
(前部船体19および後部船体15)
船首楼6および船尾楼7は、航海喫水で、水面20の上に位置する。
【0114】
(段階B2)
船100は、浸水し始め、水中プラットホーム4、船首楼6および船尾楼7は、それと共に沈む。この段階の最後に、船100は、水中プラットホーム4の下端部ならびに船首楼6および船尾楼7の底部が、水面に接触するまで沈められる。
【0115】
(船体タンク16)
沈められる水中プラットホーム4の下で、配管システム33のチェックバルブ34は、船体タンク16から一様に排出するように設定され、その結果、船体1および1’は、浸水の間、水平面位置で保持される。
【0116】
(水中プラットホーム4)
排出のために配管システム47のチェックバルブ48が閉鎖され、水中プラットホーム4は、横断トラス5上に支えられる。船100が浸水するにつれて、水中プラットホーム4は、甲板37および縁板(margin plating)52によって囲まれる容積が、水面によって底部が封鎖されるまで、船と共に沈む。
【0117】
(前部船体19および後部船体15)
バラストタンク16および16’に大量の水を注ぐことによって、前部船体19および後部船体15の浮力は、これらバラストタンクが、船100が浸水する間に、貨物空間24中の船体1および1’の浸水を制御するシステムに影響しない様式で、調節される。
【0118】
(段階B3)
船100が浸水し続け、その一方で、水中プラットホームの下側ならびに船首楼6および船尾楼7の底部は、水面の下に沈む。従って、空気クッションは、水中プラットホーム4の内部に確立される。この段階の最後に、船100は、積載喫水にあり、水中プラットホーム4は、これらのプログラムされた乾舷で水に浮かぶ。
【0119】
(船体タンク16)
船体1および1’は、排出され続け、より深く浸水し続ける。水圧は、深くなるにつれて上昇し、船体タンク16の空気クッションの内部圧が上昇し、そしてこれらの容積が減少する。
【0120】
配管システム33のチェックバルブ34は、船体タンク16を選択的に排出するように設定される。なぜなら、この段階の間に、水中プラットホーム4の浮力は、増大し、これは、船体1および1’によって、非対称的に生じた負荷を減少する。船100の長手方向軸に平行に非対称的に積載することは、水中プラットホーム4の総重量の違い、水中プラットホーム4の浮揚性コンテナ12の非対称的配置から船100の長手方向への横方向の移動を生じる。
【0121】
配管システム33の(大)チェックバルブ34の慣性を可能にするために、船体タンク16の排出は、徐々に減少し、従って、船100の浸水速度は、ゆっくりと近づけ、積載喫水に届かないように、累進的に遅らせる。船100が、積載喫水に到達する場合、配管システム33のチェックバルブ34は、自動的に閉じられる。
【0122】
(水中プラットホーム4)
水中プラットホーム4が、船100と共により下に沈むので、これらの縁板52の底部端は、水中に沈む。配管システム47のチェックバルブ48が閉鎖され、(不十分な)空気クッションは、これらの中に確立される。配管システム47のチェックバルブ48、または配管システム43のチェックバルブ44それぞれは、空気を選択的に排出するか、または注入するように設定される。なぜなら、船100が積載喫水にある場合、水中プラッ
トホーム4が、プログラムされた乾舷で浮かぶために必要であるからである。
【0123】
(前部船体19および後部船体15)
船首楼6の最も低い水密甲板22および船尾楼7の最も低い水密甲板25は、積載喫水21で水面と同一水準であり、浸水する船100を安定化する。
【0124】
(段階B4)
船100は、積載喫水にある。水中プラットホームが沈み、その一方で、これらの甲板37上の浮揚性コンテナ12は、浸水し、1つずつ水に浮かぶ。この段階は、第1の浮揚性コンテナ12が、水中プラットホーム4の甲板37を浮かび上がらせ、その一方で、水中プラットホームが、沈み続ける場合に、終了する。
【0125】
(船体タンク16)
船体タンク16の状態は、この段階全体にわたって一定であり続ける。
【0126】
(水中プラットホーム4)
浸水する前に、水中プラットホーム4は、プログラムされた乾舷で浮かぶ。これらの保持バー60は、横方向テラス5で頂部レール59の上に存在する。図7の文脈において記載される場合、頂部レール59がアクチュエーター61によって引っ込められた後、頂部レール59の間の透明な開口部は、浸水する水中プラットホーム4が通過するのに十分広い。
【0127】
配管システム47のチェックバルブ48は、水中プラットホーム4のセル40、40’、40’’および40’’’を排出するために設定される。これらがより深く沈み、その一方で、これらの水平面位置は、一様な排出によって維持される。これらの甲板37が水面とすれすれになるとすぐに、上部の浮揚性コンテナ12は、浸水し、そして浮力を得始める。徐々に非対称的に配列されることに起因して、浸水する浮揚性コンテナ12は、水中プラットホーム4を非対称的に取り除く。従って、配管システム47のチェックバルブ48は、水中プラットホーム4を選択的に排出するように設定され、その結果、これら配管システムは、これらの各々において、最後の1つとしての最下部の喫水を用いて、浮揚性コンテナ12が、甲板37を持ち上げて除くまで、水平面位置に沈み続ける。
【0128】
(前部船体19および後部船体15)
前部船体19および後部船体15の状態は、この段階全体にわたって一定であり続ける。
【0129】
(段階B5)
船100は、積載喫水にある。水中プラットホーム4は、浮揚性コンテナ12が全て水に浮かぶ深さまで沈み、その一方で、荷を降ろされた水中プラットホーム4は、より深くに沈み続ける。この段階は、これらの深い位置で、水中プラットホーム4が、船体1および1’の上部で支持される場合、終了する。
【0130】
(船体タンク16)
この段階の間、船体タンク16の位置は、水中プラットホーム4が、船体1および1’に位置づけられ、この後者の船体1’が、これらの重量を保持するまで、一定であり続ける。この重量は、前部船体19と後部船体15との間の全長において船体1および1’によって運ばれる。大容量の船体1および1’に起因して、比較的に小さな残余重量の水中プラットホーム4は、船体1および1’をプログラムされた積載喫水のごくわずかに下に沈ませ、これは、補正なしに許容される。
【0131】
(水中プラットホーム4)
最後の浮揚性コンテナ12が、甲板37から浮かんだ後、水中プラットホーム4は、排出され、より深くに沈められ続ける。これらの構造重量の対称的な負荷に起因して、配管システム47のチェックバルブ48は、セル40、40’、40’’および40’’’中において一様に空気クッションを排出し、これらが船体1および1’上に降ろされるまで、水中プラットホーム4の水平面位置を維持するように設定される。
【0132】
プログラムされた距離で、水中プラットホーム4が、船体1および1’上に降ろされる前に、配管システム47のチェックバルブ48は、(大きな)バルブの慣性が不可避であるにも関わらず、徐々に閉じられ、船体1および1’上への水中プラットホーム4の軟着陸のために排出を累進的に減少する。水中プラットホーム4が、内部の空気の残存体積を用いて、船体1および1’上に降ろされる場合、配管システム47のチェックバルブ48は、自動的に閉じられる。この残存空気クッションは、水中プラットホーム4によって、船体1および1’に対してこれらの構造重量未満まで課される負荷を減少するようにプログラムされる。
【0133】
(前部船体19および後部船体15)
水中プラットホーム4によって、負荷をかけられることに起因して、前部船体19および後部船体15における船体1および1’は、積載喫水のわずかに下まで浸水される。しかし、この無視できる程度に小さい傾斜は、補正されない。
【0134】
この段階の最後に、船100は、他のものに対して、水で運ばれる浮揚性コンテナ12の交換が用意される。
【0135】
本発明が、荷物を積み、短い海洋運搬において特に有効な双胴船体(twin−hull)から貨物を降ろすための新規の方法および装置を提供することは、前述の記載から明らかである。空気の排出または挿入を提供する特定の実施形態が提供され、その一方で、無数のバリエーションが使用され得る。例えば、同じバルブが、船体タンクに挿入し、そして水中プラットホーム4の下に排出されるために使用され得ることは、予見される。さらに、種々の数の水中プラットホームおよびそれぞれの横断トラスが、可能である。
【0136】
現在、本発明の好ましい実施形態であるとして考察されるものが、示され、そして記載され、その一方で、種々の変化および改変が、本発明のより広い局面から逸脱することなくなされ得ることは当業者に明らかである。例えば、本発明は、TSLと共に記載されるが、これは、他の型の他の複数船体(multi−hull)船に等しく適用可能である。さらに、示された水中プラットホームは、有利には、両方の端部で開放され、同時に積み卸しを可能にするが、水中プラットホームは、1つの開放端部のみを有し得ることは、可能である。
【0137】
従って、本発明の範囲および意図内に含まれるように、このような変化および改変を全て包含することは、添付の特許請求の範囲によって指向される。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】図1は、本発明に従って利用される双胴船の概略図である。
【図2】図2は、本発明に従って利用される双胴船の概略縦側面図である。
【図3】図3は、本発明に従って利用される図2の双胴船の後部船体15の分解組立図である。
【図4】図4は、本発明に従う、双胴船の船体タンクから空気を排気するため、およびその中に空気を注入するための空気配管系の概略図である。
【図5】図5は、本発明に従う、双胴船の水中プラットホームのセルから空気を排気するため、およびその中に空気を注入するための空気配管系の概略図である。
【図6】図6a、6bおよび6cは、本発明に従って利用される双胴船の横断トラスと水中プラットホームとの間のホース接続部の種々の図示である。
【図7】図7は、本発明に従って利用される双胴船中の横断トラスにおける水中プラットホームの支持体の概略図である。
【図8】図8aおよび8bは、本発明に従う、双胴船およびその水中プラットホームの深さを測定するために利用される圧力センサーの配列の概略図である。
【図9】図9a、9bおよび9cは、本発明に従う、双胴船およびその水中プラットホームの空気取り入れバルブおよび排気バルブならびに圧力センサーを示す、双胴およびその水中プラットホームの概略図である。
【図10a】本発明に従う、双胴船およびその水中プラットホームの再浮上および浸漬を制御する操作プロセスのフローチャートである。
【図10b】本発明に従う、双胴船およびその水中プラットホームの再浮上および浸漬を制御する操作プロセスのフローチャートである。
【図10c】本発明に従う、双胴船およびその水中プラットホームの再浮上および浸漬を制御する操作プロセスのフローチャートである。
【図10d】本発明に従う、双胴船およびその水中プラットホームの再浮上および浸漬を制御する操作プロセスのフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
船荷を運ぶ船舶を積載し、輸送しそして卸すために特に設計され、構成され、そして適合された、双胴航海船であって、該船が:
(i)水面の下に横たわる第1および第2の実質的に平行な船体;
(ii)該船の喫水および水平部分を調節するための第1および第2の船体タンクであって、ここで、該船体タンクが水で実質的に充填されているとき、該船が積載喫水にあり、そして該船体タンクが実質的に空気で充填されているとき、該船が航海喫水にあるタンク;
(iii)ほぼ水平な少なくとも1つの水中プラットホームであって、該少なくとも1つの船荷を運ぶ船舶を支持するための甲板が該水中プラットホームの頂部に位置している、水中プラットホーム;
(iv)該ほぼ水平な少なくとも1つのプラットホームの各々から突出している支持棒;
(v)該第1の船体と第2の船体との間に結合され、そして該第1の船体と第2の船体とにほぼ垂直な関係で配置および整列されている少なくとも2つの横断トラス;
(vi)該支持棒に係合し、そして該少なくとも1つの浮揚性プラットホームを支持するための該少なくとも2つの横断トラスの各々に位置する支持レール;
(vii)該少なくとも1つの水中プラットホームの甲板の下に位置し、長軸方向および横断方向に分割された空気セル;
(viii)第1の空気コンプレッサー;
(ix)該第1の空気コンプレッサーから該空気セル中に空気を注入するための第1の配管手段;
(x)該第1の空気コンプレッサーから該空気セル中への空気の流れを調節する第1のバルブ;
(xi)該空気セルから空気を排出するための第1のベント配管手段;
(xii)該空気セルから空気の排出を調節する第2のバルブ;
(xiii)第2の空気コンプレッサー;
(xiv)該第2の空気コンプレッサーから該船体タンク中に空気を注入するための第2の配管手段;
(xv)該第2の空気コンプレッサーからの該船体タンク中への空気の流れを調節する第3のバルブ;
(xvi)該船体タンクから空気を排出するための第2のベント配管手段;
(xvii)該船体タンクからの空気の排出を調節する第4のバルブ;
(xviii)中央プロセッサを有する積載コンピューターに該少なくとも1つの浮揚性プラットホームの浸漬の深さおよび水平位置に関するフィードバックを提供する、該プラットホーム上に取り付けられた第1の複数のセンサー;
(xix)該中央プロセッサに該船体の浸漬の深さおよび水平位置に関するフィードバックを提供する、該船体上に取り付けられた第2の複数のセンサーを備え;
(xx)該中央プロセッサは、該空気コンプレッサーから該少なくとも1つの水中プラットフォームの下の該空気セルおよび該船体タンクへの圧縮空気の流れをそれぞれ調節する該第1のバルブおよび第3のバルブの操作を該積載コンピューターが制御し、これによって該水中プラットホームおよび該船体の制御された出現を提供することを可能にするために利用される算出された流速含むように特に構成および適合されたソフトウェアでプログラムされており、該中央プロセッサはまた、該空気セルおよび該船体タンクからそれぞれ排出される空気の流れを調節する該第2のバルブおよび第4のバルブを制御し、これによって該船体および該少なくとも1つの水中プラットホームの制御された潜水を提供するために利用される流速を含むように特に構成および適合されたソフトウェアでプログラムされている、
双胴航海船。
【請求項2】
本願明細書等に記載されるような、双胴航海船。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10a】
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【図10b】
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【図10c】
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【図10d】
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【公開番号】特開2008−213835(P2008−213835A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−82193(P2008−82193)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【分割の表示】特願2003−554505(P2003−554505)の分割
【原出願日】平成14年12月5日(2002.12.5)
【出願人】(504238183)